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1947/06/08 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 決算委員会 第21号
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1947/06/08 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 決算委員会 第21号

#1
第002回国会 決算委員会 第21号
昭和二十三年六月八日(火曜日)
   午前十時四十一分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十一年度歳入歳出總決算(内
 閣提出)
○昭和二十一年度特別會計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○特殊財産資金歳入歳出決算(内閣提
 出)(商工省、遞信省所管)
  ―――――――――――――
#2
○理事(山下義信君) 只今から開會いたします。引續いて本日は商工省關係の事項に關して御審議を願うのでありますが、商工省の政府委員の説明を求めます。
#3
○政府委員(渡邊一俊君) 只今から昭和二十一年度の商工省所管の經費の決算報告について御説明を申上げます。昭和二十一年度商工省所管一般會計經費決算報告書の御説明を申上げます。先ず豫算決定後増加額について申上げますと、昭和二十一年度商工省所管經費の豫算現額は、經営部におきまして一千七百八萬七千三百四十四圓、臨時部におきまして四十億九千七百萬六千八百九十八圓、計四十一億一千四百九萬四千二百四十二圓でありまして、豫算決定後増加額は、經営部におきまして百二十三萬四千圓、臨時部におきまして一億二千四百四十八萬二百十圓、計一億二千五百七十一萬四千二百十圓でございます。この豫算額と豫算決定後増加額と合計いたしますると、經営部におきましては一千八百三十二萬一千三百四十四圓、臨時部におきまして四十二億二千百四十八萬七千百八圓、計四十二億三千九百八十萬八千四百五十二圓となるのであります。右の豫算決定後増加を生じましたのは、前年度から繰越しました金額が九十五萬二百十圓、豫備金におきまして、第一豫備金支出が百五十萬圓、第二豫備金支出が八千七百六十四萬四千圓、計八千九百十四萬四千圓、又豫備金外臨時支出におきまして、經済安定費支出額が三千五百大十二萬圓、これ等を合計いたしますると一億二千五百七十一萬四千二百十圓があつたからでございます。今ここに右の第一豫備金から支出いたしました重要な經費を申上げますと、諸支出金、臨時諸支出金でありまして、第二豫備金から支出いたしました重要なる經費は、石炭増産對策諸費、金属回收株式會社補助、臨時商工行政諸費、特許標準局建物その他復舊費、國産原油價格調整補給金等であります。尚、經済安定費支出による重要な經費は、炭田開發調査費、臨時物資需給調整費であります。
 次に支出濟額、翌年度繰越額及び不用額について御説明を申上げます。昭和二十一年度商工省所管經費の支出濟額は經営部一千七百七十萬三千六百六十三圓余、臨時部三十八億六千二百九十三萬九千九百七十圓余、計三十八億八千六十四萬三千六百三十三圓余でございまして、これを豫算現額に比較いたしますると、經営部においては六十一萬七千六百八十圓余、臨時部におきましては三億五千八百五十四萬七千百三十七圓余、計三億五千九百十六萬四千八百十八圓余を減少いたしておるのであります。この減少額の中、翌年度へ繰越しました金額は、財政法第四十二條によりまして、臨時部三億四千七百三十三萬三千五百六十二圓余でありまして、全く不用となりました金額は一千百八十三萬一千二百五十五圓余でございます。この不用額を生じました理由は豫定の費額までを必要としたなかつたためでございます。
 以上で大體の説明を終りますが、検査の結果、會計檢査院から批難を受けました事件が五件ございますが、内容につきましては後程御説明を申上げたいと思います。
 次に昭和二十一年度商工省所管燃料局特別會計歳入歳出決算の大要を御説明申上げます。先ず歳入について申上げますと、歳入の收入濟額は二億五千三百四十五萬八千四十五圓余、本年度において收入未濟となりました金額は六千二百十八萬七千八百五十六圓余、前年度支出未濟となり、本年度において支出濟となりました金額は、四百三十一萬二千百九十六圓余、費拂代償の翌年度納付許可額は、二千五百五十二萬八千六百三十一圓余、これに翌年度に繰越いたしました物品の價格三千四百二十八萬九百六十三圓余を加算いたしますと、收入の合計は三億七千九百七十六萬七千六百九十二圓余でございます。次に歳出について申上げますと、歳出の支出濟額は二億四千三百七十萬三千八百五十五圓余、本年度において支出未濟となりました金額は、四千八百八十萬四百九十圓余、前年度收入未濟となり、本年度において收入濟となりました金額は二千四百六萬二千百二十四圓余、前年度收入未濟となり、本年度において尚收入未濟となりました金額は六十九萬七百三十一圓余、前年度の賣拂の中、賣拂代償本年度納付を許可せられ、本年度において收入濟となりました金額が五千六百九十八萬九千百五十三圓余。前年度の賣拂のうち賣拂代償本年度納付を許可せられ、本年度において尚收入未済となりました金額が三百三十萬二千五百六十圓、これに前年度より繰越いたしました物品の債務一千百十八萬四百五十二圓余を加算いたしますれば、支出の合計は三億八千八百七十二萬九千三百六十七圓余となりますから、收入支出の差引きにおきまして、八百九十六萬一千六百七十五圓余の缺損を生じました。この缺損金は昭和二十年度における缺損金で、本年度に繰越いたしました金額七千六百七十六萬五千三百八十六圓余と共に、昭和二十二年度のアルコール專賣事業特別會計に繰越しすることといたしまして、本年度の決算を結了いたしました。
 次に貿易資金特別會計歳入歳出決算の大要を御説明申上げますると、先ず歳入について申上げますと、歳入の收入濟額は三千八十二萬九千二百二十四圓余であります。次に歳出について申上げますと、歳出の支出濟額は千八百六十五萬二千七百四十二圓余、借入金の未償還額千八百八十一萬七千圓を加算いたしますと、支出の合計は三千七百四十六萬九千七百四十二圓余となりますから、收入の支出の差引きにおきまして、六百六十四萬五百十七圓余の缺損を生じたのであります。この缺損は昭和二十二年度において一般會計よりの繰入れを受けることといたしまして、本年度の決算を結了いたした次第であります。
 以上で商工省所管の一般會計竝びに特別會計歳入歳出決算の大要を御説明申上げました。
 次に一般會計におきまして、會計檢査院より批難を受けました事項について御説明を申上げますと、先に述べました批難事項五件のうち、違法と認められましたものが四件、これは昭和二十一年度の關係の分が三件、昭和二十二年度分が一件でございます。不當と認められましたものが一件、これは昭和二十一年度分でございます。先ず昭和二十一年度一般會計歳出におきまして、違法と認められました第一は、東北地方商工局で、臨時物資需給調整法に基く物資調整官の初度設備として、三陸木材工業株式會社から並机その他四百十五點を購入するに當り、契約書を作成しなかつたばかりでなく、昭和二十二年三月二十八日完納されたものとして、代金全額二十九萬六千四百二十五圓を同年四月支拂つておるが、年度内に納入されたものは皆無であり、同年八月十日に至り、漸く完納された状況であつて、經費の年度區分を濫つたものであるという御批難であります。商工省といたしましては、本件は會計檢院の御報告の通りでございまして、甚だ遺憾とするのでございまして、將來十分注意いたしたいと存じます。尚常時の責任関係者に對しましては、三月六日附でそれぞれ訓告の處分を行つております。
 第二は、豫算の目的外に經費を使用したものといたしまして、九州地方商工局におきまして、肥料増産、化學工場賠償問題、工藝技術官會議、貿易事務及び石油需給關係など各種の調査、又は打合會に出席のため、昭和二十一年八月から二十二年一月までの間に出張した職員に對して、二十二年一月までの精算旅費として、二十一年十二月に十七萬六千二百圓を支出しておるが、炭田開發調査を目的とする本費より支出したのは措置當を得ないとする御批難であります。本件に關しましては肥料増産、殊に或いは化學工場賠償問題等、緊急を要する諸問題の處辨のために職員の出張を余儀なくされておつたのでございましたが、これに對する支拂豫算が不足しておりましたので、一應各自に立替支辨せしめておりましたところ、當時年末を控えまして職員の生計が著しく逼迫し、これが支出を必要とするに至りましたので、一時他の經費を流用支出し、正常經費の配賦があり次第科目更正する豫定であつたのでございましたが、その後豫算の配賦が僅少でありましたために、右の手續をとり得なかつたことは甚だ遺憾とする次第でありまして、將來十分注意いたしたいと存じます。尚當時の關係の責任者に對しましては、それぞれ三月六日附で訓告の處分を行なつたのでございます。
 第三は、分類所得税を納付しなかつたもの、即ち貿易におきまして昭和二十一年度中、貿易廳の職員全員に對し支給した俸給及び諸給與に對する分類所得税を、國の歳入に納付しなかつたものが、一般會計分三十三萬八千七百三十四圓、特別會計分十萬一千五十圓、計四十三萬九千七百八十四圓ある。同廳においては俸給及び諾給與の支拂に當つて、分類所得税を控除して三百五十二萬百圓を支給したが、支給と同時に分類所得税相當額の小切手を振出して、日本銀行へ振替沸込をしなければならなかつたのに、これをしなかつたもので、丙一般會計分七萬四千九百二十五圓は二十一年九月小切手を振出したが、そのまま保管し、二十二年の七月に至つて漸く日本銀行へ拂込んだもので、殘餘の三十六萬四千八百五十九圓については、二十三年一月に至るまで拂込まれていないというのでございます。商工省といたしましては本件は、會計檢査院御報告の通りでございまして、甚だ遺憾とするところであり、將來十分注意いたしたいと存じます。尚未拂込となつておりました分類所得税は、昭和二十三年二月二十八日全額の拂込を完了した次第であります。當時の責任者に對しましては、それぞれ訓告の處分を行なつております。
 次に不當と認められました事項は、石炭廳で昭和二十一年度において日本石炭株式會社に對し、内地石炭買取補償金として二十二億三千百八十二萬七千九百二十三圓を概算交付しておるが、内輸出炭分に相當する補償金相當額七千五百三十二萬八千五十六圓は返納させるべきものであるのに、二十一年度末までに三千五十八萬六千九百二十圓を返納せしめたのみで、四千四百七十四萬一千百三十六圓は、まだ返納になつていない。當局者は、「從來日本石炭株式會社は輸出炭の炭代を現實に貿易廳から受領してから買取補償金の輸出炭分を政府に返還する建前としていた。それは内地積出港船乘数量で輸出数量は一應決定されるのであるが、貿易廳から輸出炭の炭代の交付を受けるまでは、同會社は輸出炭分補償金を返還するだけの基金を持つていないからである。即ち政府の補償金を含めた炭代を生産業者に旬毎に支拂つており、貿易廳から炭代が入つて初めて政府に補償金が返還できるのである。又關係書類を取揃えて貿易廳に炭代を請求するまでには、多くの手数と時日を必要とし、一ケ月分の完了には、或る船については積出後二ケ月乃至四ケ月を要したような實情であり、その上貿易廳からの炭代交付もそれより更に平均一ケ月乃至二ケ月を経過するという實情なので、會社は同年度内に輸出炭代の精算は終了せず、輸出炭分の補償金も返還し得なかつた」というが、貿易廳は同會社に對し決濟のときにおいて補償金を含めた輸出炭代を支拂つておるのであるから、輸出炭分の補償金も本年度出納整理期限二十二年四月末までには精算の上返納させるべきであつたのに、その措置を講じなかつたのは妥當でない。尚二十一年八月から十二月までの間に概算交付した内地石炭買取補償金のうち過拂金額三千二百九十五萬九千三百二十一圓もまだ返納になつていない状況であるというのであります。商工省といたしまして、この事柄に對しましては、石炭價格調整補給金の過拂に對する返還は、日本石炭株式會社の精算報告を俟つて内容を審査し、確認の上、返還命令を發することになつているが、當時同社は石炭及びコークスの全國一手買取販賣をなし、併せて炭鑛融資をも擔當し、複雑多岐なる經理事務は厖大なる量に及んでいたにも拘わらず、著しく人手不足のため當面の緊急事項(毎月十日毎に炭鑛へ支拂うべき資金の調達等)に追われる實情であつて、事務はとかく澁滯していたのと、昭和二十一年十月以降同社の従業員は待遇改善を要求し、サボ状態に入り、帳簿の整理等は殆んど願みられなかつたのでしばしば督促したにも拘わらず、政府へ提出すべき精算書も未整理のまま放任され、その精算書が提出されたのは昭和二十三年一月であつた。それから石炭廳において内容を審査し、要返還額七千五百三十萬三十三圓三十七銭の返納を昭和二十三年三月十五日命令した。同社は昭和二十二年六月二日閉鎖機關となつたので、目下同機關整理委員會において精算中である。右のような實情に基くとは申しながら、會計檢査院の報告通りであつて、甚だ遺憾とするところでございます。尚、右責任者に對しましては三月六日附、それぞれ嚴重な訓告を行つております。
 二十一年度分はこれで終りまして、先程申上げまとた二十二年度におきまして違法を認められました事項について會計檢査院の御批難は、石炭廳で昭和二十二年の七月から同年十二月までの間に、東京商工局長ほか八名に對して、職員の旅費等に充てる目的で百三十萬五百五十圓を支出していた。それらの者は出納官吏でないのに、これに對して債務の確定しない經費の支拂に充てる目的で資金を一括交付したもので、違法の措置であるばかりでなく、このような經費の支拂い方法は資金を不當に使用する機因を與えるもので、會計の紊亂を來たす恐れがある。尚この經費の概算は、石炭増産非常對策協力促進に要する經費として豫備費一千萬圓の使用承認を受けたものであるが、財政法の規定によれば、この經費豫算はこれを部局別に區分すべきものであつたのに、この點を看過し、石炭廳分に一括組入れられたものである。從つてこの經費は商工局だけで使用する場合には、財政法第三十三條による豫算流用の措置をとるべきであつたのに、その措置を講ずることなく、石炭廳において直接他部局に属する經費を支出しているのは、その措置又違法であるとするのであります。商工省といたしましては本件は石炭増産非常對策協力促進に要する經費として豫備費の支出を受けたものでございまして、石炭増産のために生産、保安、福利更生、宣傳等各般に亙りまして當時山積しておりました隘路打開に要する經費であり、又個人の施策が極めて緊急を要する場合が多く、現地としては敏速的確にこれが處辨のために現金の保有を必要としていたので、緊急止むを得ず支出した次第でございます。右のような事情であつたとは申しながら、會計檢査院の報告の通りでございまして、甚だ遺憾とするところであります。將來十分注意いたしたいと存じます。尚その責任者に對しましては三月六日附、それぞれ嚴重な訓告を行なつております。
 批難事項に關する御説明を終りまして、次に收入未濟多額に上るものとして、これは不當とされるものでございますが、商工省における昭和二十一年末に廳時軍事費特別會計整理收入における收入未濟額は、三億三千四百七十一萬九千三百三十六圓に上つておりますが、昭和二十二年十一月までに收納されたもの千十二萬四千三百十六圓でございまして、調定取消となりました百六十四萬七千三百二十五圓を除いて、收納未濟の殘額は三億二千三百九十四萬七千六百九十四圓でございます。これは終戰後の混亂のために速やかに徴收手續を講じなかつたことによるものであるが、更に一層收入の確保を圖る必要があるとされたものであります。本件は會計檢査院の報告通りで誠に遺憾とするところであります。終戰後の經濟事情その他の混亂によりますのと、昭和二十一年八月十一日施行されました會社經理應急措置法によりまして、債務者の大部分が特別經理會社となりまして、同日以前の債務は舊勘定となつたためでございます。右以外の債務者に對しましては鋭意努力中でございまして、昭和二十二年十二月以降、昭和二十三年二月までの收納額は二十四萬四千九百九十四圓、認定取消額は五十三萬八千二百四十二圓でございます。
 次に昭和二十一年度一般會計未確認事項として價格調整補給、石炭廳關係でございますが、二十四億五千五百七十六萬二千八百三十六圓、臨時諸補助金、北海道廳の關係でございますが、二千五百七萬七千圓、石炭増産對策諸費、これも石炭廳關係係でございますが、三千二百二十四萬圓でございます。右は何れも概算拂をいたしたものでございまして、精算報告を待つて確定するのでありますが、その精算の報告が遅れておりましたため未確認となつた次第でございます。
 以上で御説明を終りますが、よろしく御審議の程お願い申上げます。
   〔理事山下義信君退席理事西山龜七君委員長席に著く〕
#4
○會計檢査員事務總長(東野傳次郎君) 商工省關係の檢査報告に關しまして御説明申上げたいと存じます。只今商工省關係の政府委員の方から詳細の御説明がございましたので、特別な説明をいたすことは省きたいと思いますが、先ずこの檢査報告の百十九ページにございます「経費の年度區分をみだつたもの」、この件に關しましては只今御説明がございまして、將來十分注意するということでございまするので、特別な御説明を省きたいと存じます。
 次に百二十ページにございます「豫算の目的外に経費を使用したもの」、これについても同じように將來を注意し、責任者についてはそれぞれ處分をしておられまするので、特別な説明を省きたいと存じます。
 次に同じく違法の事項でありまするが、百二十ページの「分類所得税を納付しなかつたもの」、これも官廳として思わしくない事項ではありまするが、只今御説明がございましたように、本年の二月には全部拂込を了して、是正を了せられた事項であるのであります。
 第四には、百二十ページに掲げてございます概算拂の精算が遅延して過拂金になつたものの返納ができてない。こういう點でありまするが、只今御説明をなさいましたのでお分りと存じますが、輸出炭分で補償金に相當するものが七千五百萬圓ございまして、それは全部國庫に返納せしむべきものでありますのに、その中の四千四百余萬圓というものは、まだ二十一年度末では返納されておられないという事態があるのでございます。これは御説明をしなくてもお分りかと存じまするが、念のために一言御説明をいたしておきまするが、石炭は御承知のごとく生産者價格というものと消費者價格というものは違うのであります。消費者價格の方が安くて、生産者價格が高いということになつておるのであります。現在は違いますが、そういうふうにこの年度ではなつておつたのであります。そこで日本石炭株式會社が生産者から買いまするときは高い金で買いまするので、それを豫定いたしまして政府は買取補償金として生産者價格と消費者價格の差額に相當するものを買取補償金として、石炭廳が日炭に渡すのでございます。そういたしまして内地向にそれが振向けられて行けばそれで終るわけであります。ところがその内何がしかが輸出するということに相成りますると、その数量に對しましては、輸出炭の代金といたしますして、大體大難把に申し上げますと、生産者價格に相當するもの、即ち買取補償金をも含めた大きな金で今度は貿易廳が日炭に渡すのであります。そういたしまするというと、前に石炭廳から日炭に渡しましたところの買取補償金はダブることになるのであります。そのダブつた金は、貿易廳から買取補償金を含めました生産價格に相當するものを日炭に渡したときに前の分はダブつておるから返すというのであります。それが返つてないというのが本件の事案でありまして、この百二十二ページに掲げてございますが、これを御覧願いましても、例えて申しますというと、輸出月別というのがございますが、二十一年の四月に輸出をいたしましたものが、これはその前に買取補償金は行つておるわけでありまして、石炭廳からそれをいろいろの書類が整いまして、貿易廳から今度は輸出炭分として生産者價格に擔當するもの、即ち買取補償金をも含めたものを日炭に支拂つたのは二十一年の十月とか、こんなふうになつておるわけでありまして、こういうふうに遅れてはおりまするが、貿易廳から日炭に金を拂つておつて、ダブつて受取つておるのでありますから、その月、若しくはその翌月ぐらいには、ダブつたものを、日炭から政府の方へ返したらよろしというのが本件でありまして、この批難としてはそう無理な批難ではないと思うのであります。ただ只今も御説明に相成りましたように、これは非常に事務が厖大な量に上り、その事務に追われて、處理があと廻しになつたということでありますが、これまでも特殊物件なりその他のことでここで申し上げたのでありまするが、どうもお忙しいときには仕事が先だ、これはよく分るのでありますが、仕事が先で會計經理或いは整理はあとなんだというようなことをなさるために、段々と整理ができなくなるのであります。仕事は次々に追つ駈けて來るのであります。それでありますから、やはり仕事は先、即ちその仕事の中に整理事務が當然入らなければならん。會計經理を含めた仕事ということで、結局人員から言えば、會計經理の面にも相當な人員を初めから配置して行くということでやつて頂かんことには非常な澤山の國費をお使いになつても、その整理はできない。現にこの石炭に關とましては、只今も御説明になりましたが、石炭の價格調整補給金として政府は三十四億出しておるのでありまするが、その内二十四億というものは、會計檢査院でまだ檢査が全部は結了いたしておらないのであります。それはどういうわけかというと、概算で拂つておられるものの精算が付いてない。それは會社の方も政府と同じように仕事が先だ、整理はあとだというふうになつておる關係があるのでありまして、政府の方も相當な人員を整えて整理も仕事と食つ附いて來ると同時に、會社の方にもそういう御監督をなさるということが必要ではなかろうかと考えられるのでありまして、この二十四億の未確認があるということは甚だ遺憾に存ずるのであります。
 次には百二十三ページに掲げてございます石炭廳で地方の商工局長に對して掴み金を出しておられるという點でありますが、若しこういう必要があれば、會計法にはちやんと資金前渡官吏というものが認められておるのでありまして、それにお渡しになればよろしいのでありますが、かような法規に認められていない方法で、債務の確定していないものを掴み金でお渡しになる、いろいろ便利ではありましようけれども、そういう方法は、この檢査報告にも掲げてありまするように、場合によりますと不當支出、不法支出、不正支出の機因にならんとも限らんのでありまして、轉ばぬ先の杖と申しまするか、會計法はちやんとそういうふうにできておるのでありまするから、守つて頂きたいように存ずるのであります。これも併し政府が只今御説明になりましたように、十分將來を戒飭し、責任者に對してはそれぞれの處分をしたということであるのであります。
 次には檢査報告の四十ページでございまするが、商工省關係、前の軍需省の關係でございまするが、臨時軍事費の關係で、前金拂を當時臨時軍事費でいろいろと拂つておつた。その前金拂の跡始末、結局前金拂がし過ぎて、政府に返さなくちやならん金が三億三千四百萬圓ありますのに、それが未だに大部分が、即ち三億二千二百萬圓は收入未濟になつておるというのであります。勿診終戰前後非常に混雑いたしておりましたので、いろいろと手續の遲れた點もあるのは、その事情はよく諒としなければならんものとも思うのでありますが、その當時もう少し手早に徴收事務をして頂いたならば、かくまでも收入未濟が多くはならなかつたのではなかろうかというふうに考えられるのであります。これは單に商工省ばかりではないのでありまして、説明が二、三日前にございましたが、復員廳の関係におきまして、その前のページにございますが、收入未濟というのが十億あり、更に調定未濟が四億もありまして、合計、國家に入るべきものが入らないのが復員廳の關係では十四億何がしあるということになつておるような次第であります。
#5
○千田正君 ちよつと商工當局に御質問しますが、この百二十三ページの二十二年度でありますが、石炭廳で昭和二十二年七月から十二月までの間に、東京商工局長以下八名の官吏が出張に際して百三十萬という金を使つておる、一人當り平均十一萬何がしという金を、官吏が、何回往復したか知らんが、これだけの厖大な金を使うということは、我々はどうしても考えられないのですが、先程その始末に對しては、十分戒飭をした、こういうお話であるけれども、往々にしてこういう問題が、あなた方みずからの面上を傷つける問題であるが故に十分こういう問題に對しては處置して貰いたいとこう思うのでありますが、大體この報告書によると、何某外何名というようなことでは我々は納得できないのであります。當時の商工局長は何の誰それ、何の某と各々の名前を明記して我々に提示して頂きたいと思うのであります。これは御用意できるわけでありますね。
#6
○政府委員(渡邊一俊君) はあ、只今御質問のございました九州地方商工局の、その當時の關係者といたしましては、商工局長が龍野喜一郎、これは監督者でございます。決定者は總務課長の豊島陸と申します。
#7
○千田正君 お話中ですが、これは後からお名前を出して頂いて結構です。
#8
○竹中七郎君 百二十一ページの石炭廳の問題でございますが、とにかく貿易廳と石炭廳との掛け合いになつておつて、輸出炭について、こういうことをやられる、これは七千五百萬圓でありますが、こういう金を會社が流用するということは、これは徴收事務から、こういうことをやるということに我々はとれるのですが、その點は會計檢査院の方は、どういうふうにおとりになつたか。ただ書類の上で實行と経理ということが並行しなかつた。これだけのようにおとりになつたのでありますか。この七千萬圓という大きな金を、現在そこのところに持つておるということが非常に有利になるという考えがありますから、これは怠慢であるかどうかという問題です。どういうふうにお考えになつておりますか。
#9
○會計檢査員事務總長(東野傳次郎君) 只今の御質問、或いは聞き漏らした點があるかと存じまするが、七千五百萬圓でありますが、やはり拂込みの遲延、會社から言えば拂込の遲延になるでありましよう。政府から言えば收入を督促しなかつたという面があるわけであります。この檢査報告で申しますのは、收納すべきものは早く收納して、政府の財政に寄與しなければならない。もともと政府から出したのであるから、こういうので、そこを強く責めておるわけでありまするが、併しながら他の方面から考えますと、日炭の方は無利息で握つておるのでありますから、非常に工合がよろしい、工合がよろしいということは、遲れていた方が非常に幸いであるというふうなことになりまして、場合によりますと會社の方は成るべく遲延を好むし、政府の方は忙しいから、收納手續ができないというので、見方によればどちらも面白くないという事項であると考えております。
#10
○竹中七郎君 商工省の方はどういうふうにお考えになりますか。
#11
○政府委員(渡邊一俊君) 只今の問題に對しましては後程波多野政府委員から申上げますが、先程九州地方商工局の件で、旅費の問題で、二十二年度において違法と認められました事項についてお話がありました問題につきまして、ちよつと一言申上げますが、實はこの旅費は、局長が個人で使つたのではないのでございまして、本來ならば、この旅費は今の財政法の規定によりますと、豫算が組織別に組まれます關係上、石炭廳の豫算に組まるべきものでなくて、各商工局別に旅費が組まるべきであつたのでございますが、それが石炭廳に一括組まれてございましたので、これは事後の手續といたしましては、先程申上げましたように財政法第三十三條の規定によりまして豫算流用の措置をとりまして、商工局に組んであります豫算の旅費の目に流用いたしまして支出すれば、正規の手續であつたのでございますが、その手續をとらなかつた次第でございます。でございますから、普通の旅費と同様に、一般の職員の旅費に充當されたものでございます。
#12
○小野哲君 只今の問題に關連してちよつと伺つておきたいのですが、政府の方の國會に對する説明書の六十一ページにありますが、今の問題に關連して「個人の施策が極めて緊急を要する場合が多く」云々という言葉があるのですが、これはどういうふうな意味ですか。御説明を願いたい。
#13
○政府委員(渡邊一俊君) それはミス・プリントでございまして、「個々の施策」です。ミス・プリントでございます。
#14
○理事(西山龜七君) 質疑がございませんようならば遞信省の方へ移りたいと思います。別に……。
#15
○千田正君 説明を一應伺いまして、後から總括的に各省に對して御質問申上げたいと思いますが、進行して頂きます。
#16
○理事(西山龜七君) それではこれから遞信省の方々の説明を聞くことにいたします。
#17
○政府委員(大野勝三君) それでは遞信省所管一般會計、通信事業特別會計並びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の昭和二十一年度決算の概要につきまして先ず御説明申上げます。一般會計については、昭和二十一年度歳出の豫算額は、經営部、臨時部を合計いたしまして二億五千百九十六万餘圓でありますが、これに豫算決定後増加を生じました豫備金等からの補充額四十一萬餘圓を加えまして、豫算現額は二億五千二百三十八萬餘圓となつております。これに對しまして支出濟額は、經営部、臨時部を合計いたしまして二億五千百五十三萬餘圓でありますから、差引八十四萬餘圓の支出減少となつております。これは不用となつた金額でありまして、豫定の費額を要しなかつたため生じたものであります。
 次に通信事業特別會計について申上げます。資本勘定の歳入豫算額は二十億二千四百八十三萬餘圓でありまして、これに對しまして收入濟額は十九億四千九百四十二萬餘圓でありますから、差引七千五百四十一萬餘圓の減收となつております。これは主として電信電話設備負擔金の收入が少かつたことによるものであります。又歳出の豫算額は十九億九千二百九十二萬餘圓であります。これに前年度からの繰越額百四十六萬餘圓を加えますと、豫算現額は十九億九千四百三十九萬餘圓となるのでありまして、これに對して支出濟額は十四億八千七十三萬餘圓でありますから、差引五億一千三百六十五萬余圓の支出減少となつております。その丙三億五千二百七十四萬余圓は翌年度に繰越しましたもので、残りの一億六千九十一萬餘圓が不用となつた金額でありますが、これは主として經費節約の結果と豫定の費額を要しなかつたことに因つて生じたものであります。
 尚資本勘定の收支計算の結果を申上げますと、資本勘定の收入に属する金額は百五億九百二十二萬餘圓、又支出に属する金額は百十二億九百二十萬餘圓でありまして、差引六億九千九百九十八萬餘圓の不足を生じましたので、これは資本を減額して本勘定の決算を了したのであります。
 次に用品勘定の歳入豫算額は十三億三千五十四萬餘圓でありまして、これに對して收入濟額は六億四千八百七十六萬余圓でありますから、差引六億八千百七十八萬餘圓の減收となつております。これは主として用品供給代等の收入が豫定よりも少なかつたのに因るのであります。又歳出豫算額は十三億三千五十四萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額二萬圓を加えますと、歳出豫算現額は十三億三千五十七萬餘圓となるのであります。これに對しまして支出濟額は十億六千百九十六萬餘圓でありますから、差引二億六千八百大十一萬餘圓の支出減少となつております。この丙二千二百四萬余圓は翌年度に繰越したものでありまして、残額の二億四千六百五十六萬余圓が不用となつた金額であります。これは主として經費節減と豫定の費額を要しなかつたため生じたものであります。尚、用品勘定の收支計算の結果を申上げますと、用品勘定の收入に属する金額は二十七億一千七百一萬餘圓、又支出に属する金額は二十七億七百七十五萬餘圓でありまして、差引九百二十五萬餘圓の過剩を生じました。この過剩金は、舊通信事業特別會計法第十條第一項によつて資本勘定に繰入れて整理すべきでありますが、整理期間廃止等により、繰入ができなかつたため、計算上資本勘定に繰入れて、本年度の決算を結了したのであります。
 次に業務勘定の歳入豫算額は四十五億六千百二十五萬餘圓でありまして、これに對して收入濟額は四十五億九千三百三十七萬餘圓でありますから、差引三千二百十二萬餘圓の増收となつております。これは主として電気通信收入及び爲替及び貯金收入が多かつたのに因るものであります。又歳出豫算額は四十五億六千百二十五萬餘圓でありまして、これに前年度からの繰越額百五十四萬餘圓を加えますと、歳出豫算現額は四十五億六千二百八十萬餘圓となるのであります。これに對しまして、支出濟額は三十七億八千三百二十二萬餘圓でありますから、差引七億七千九百五十七萬余圓の支出減少となつております。この内六億九千九百七十五萬余圓は翌年度に繰越したものでありまして、残余の七千九百八十二萬餘圓は不用となつた金額であります。これは主として豫定の費額を要しなかつたことに因つて生じたものであります。尚、業務勘定の收支計算の結果を申上げますと、收入に属する金額は六十三億九千二百九十一萬餘圓、支出に属する金額は六十一億五千十八萬餘圓でありまして、差引二億四千二百七十二萬餘圓の過剩を生じたのであります。この過剩はこれをそのまま据えおきまして、本勘定の決算を了したのであります。
 最後に簡易生命保險及び郵便年金特別會計について御説明申上げます。先ず保險勘定では歳入の豫算額は十八億七千七十二萬餘圓であります。これに對して收入濟額は十八億四千二十萬餘圓でありますから、差引三千五十二萬餘画の減收となつております。これは主として保險契約が少かつたのに因るものであります。又歳出豫算額は十三億六百九十九萬餘圓でありまして、これに對しまして支出濟額は十三億六百九十九萬餘圓でありますから、差引殆んど過不足がない結果となつております。又歳入の收入濟額は十八億四千二十萬餘圓から歳出の支出濟額十三億六百九十九萬餘圓を差引きました過剩金五億三千三百二十萬餘圓は、積立金に組入れ、本勘定の決算を了したのであります。尚この積立金は昭和二十一年度末におきまして五十八億九千五百十二萬餘圓となつております。次に年金勘定でございます。歳入豫算額は七億四千四百四十四萬餘圓でありまして、これに對して收入濟額は六億七千六百七十萬餘圓でありますから、差引六千七百七十四萬餘圓の減收となつております。これは主として郵便年金の契約が少かつたのに困るものであります。又歳出豫算額は一億四百九十萬餘圓でありまして、これに對しまして支出濟額は一億百四十萬餘圓でありますから、差引三百四十五萬余圓の支出減少となつております。この金額は全く不用となつた金額でありまして、豫定の費額を要しなかつたのに因て生じたものであります。又歳入の收入濟額六億七千六百七十萬餘圓から歳出の支出濟額一億百四十四萬餘圓を差引きました過剩金五億七千五百二十五萬餘圓は、積立金に組入れて本勘定の決算を了した次第であります。尚、積立金は昭和二十一年度末におきまして二十七億八千五百九十九萬餘圓となつております。
 以上は遞信省所管昭和二十一年度一般會計通信事業特別會計竝びに簡易生命保險及び郵便年金特別會計の決算の概要でありますが、その詳細につきましてはお手許に差上げてございます書類によりまして御了承をお願いいたしたいと存じます。
 次に以上申述べました昭和二十一年度決算に關しまして會計檢査院から批難を受けましたものは、違法と認められました事項が五件、不當と認められました事項が三件、職員の犯罪に因つて國に損害を與えた事項が二件、檢査院の御注意により是正をしました事項は一件、合計十一件であります。その主な内容について御説明を申上げますと、第一に違法と認められました事項の一は、用品勘定の過剩金を資本勘定の歳入に繰入れなかつた事項でございます。この問題は、昭和二十一年度の決算におきまして、用品勘定に生じました過剰金九百二十五萬八千餘圓は、もとの通信事業特別會計法第十條第一項の規定によりまして、二十一年度の資本規定の歳入に繰入れの手續をとられなければならなかつなのでありますが、これをしなかつたことに對して檢査院から御批難を受けたのであります。これは昭和二十二年度から改正施行いたしました新らしい特別會計法に移り變る際に當りまして、當初昭和二十二年四月一日からは従前の法規にありました會計の整理期間、普通のですと四月一ぱい、特殊のものですと五月一ぱい、この整理期間があるのでございますが、この整理期間はこれを廢止するという方針を以つて進んでおりましたので、昭和二十一年度決算上の用品勘定の過剩金は、その計算の終結が二十二年の四月一日以降となる場合は、當然資本勘定の歳入には繰入れできないものと解しておりましたのと、一面新會計制度への移行と関連いたしまして、すべての物品の棚卸的調査を進めておりました関係上、従前より幾分決算が遅れ、歳入に繰入れ得る期日を經過いたしました。この二つの事由のために、檢査院御指摘のような結果になりましたことは、甚だ遺憾に存じておる次第であります。併しながらこの額は資本勘定收支計算表に示します通り、資本勘定に移し、その收入の部に計上をいたしまして、實質上は遺漏のないように處理いたしたような次第でございます。又通信事業特別會計法の改正によりまして今後はこの種問題は起ることはございませんから、御了承願いたいと存じます。
 法令に違反した事項として御批難を受けました第二の問題は、昭和二十年度決算上の業務勘定過剩金一億四千六百六十七萬余圓は昭和二十一年勅令第百十一號の規定により、全額を昭和二十一年度の業務勘定歳入に繰入れなければならなかつたのにその中二千七百十萬餘圓を繰入れ、その残額一億一千九百五十七萬六千餘圓を繰入れなかつたことに對して、検査院から違法として批難を受けたものであります。
 通信事業特別會計におきましては資本、用品、業務の三勘定制をとつておりましたか、これが支拂に當てる現金は一團として計理いたしまして、各勘定別の計理をしておりません。從いまして會計の内部において各勘定間に現金の繰替使用がなされておつたのでありますが、昭和二十年度は終戰後急轉した特殊の經濟事情から、事業上未曾有の經營難に當面いたしまして、年度途中において資本勘定に繰替使用せられておりました資金を繰戻すことができず、決算上、業務勘定の過剩額に相當する現金の保有がなかつたために、會計手續上、勅令通りの處理をなし得なかつたのでありまして、この點は誠に遺憾に存じております。この過剩金繰入れ未濟額は、二十一年度業務勘定收支計算上收入の雑益に計上経理いたしましたので、通信事業決算の實質には何ら影響がないことになつておりますから、何とぞ御了承を願いたいと存じます。
 歳出の方で違法としてお叱りを受けました第一は、經費の年度區分を紊つた分でありまして、本件は東京遞信局及び遞信省總務局において、未完成の工事に對して、これを完成したものとして、その工事請負代金を支拂つたことに對し、經費の年度區分を紊つたものとして指摘されたものであります。東京遞信局の分は、完成期限はいずれも昭和二十二年三月中旬でありましたが、年度内に完成する見込が付き、又この經費は昭和二十三年度限りのものでありましたので、便宜年度内に完成したものとして處理したのでありますが、その後確定的に入手を約束しておりましたセメント、瓦等の入手が遲れましたために、年度内に完成し得なかつたことは誠に遺憾に存じます。これらはその後いずれも完成いたしました。總務局の分は完成期限の三月末には瓦葺を除いて大體でき上り、一部は一應住める程度になつており、又瓦も確實に入手の見込が付きましたのと、從業員を急いで居住させなければならない急迫した状況であり、これがためには速かに家屋の引渡しを受けなければならない関係にありましたので、三月三十一日完成したものとして處理したのであります。その後、確定的に入手を約束しておりました瓦の入手が遲れたため、葺上げ工事が遲れたことは誠に遺憾に存ずる次第であります。尚、本工事は十一月三十日に完成いたしました。
 次に豫算の目的外に經費を使用したものとしてお叱りを受けましたものは、東京、熊本、長野の各遞信局に亙つておるのでありますが、東京遞信局で購入いたしました土地、建物は、いずれも家主が他に賣却の目的で強力に返還を追つて來ますし、又他に借換の家屋がございませんでしたので、事業遂行上、止むを得ず購入したのでありますが、今後は豫算的措置を講じて處理する考えであります。又これらの土地建物に對しましては、用途變更の手續を取運び中であります。東京、熊本、長野各遞信局で、工事費で倉庫等の名目で從業員合宿所、官舎等を購入したことについて、會計檢査院から批難を受けましたのでありますが、昭和二十一年度の住宅関係豫算は五百萬餘圓ありましたが、戦災都市における極度の住宅不足を満すことができませず、從事員全般に非常な困難を嘗めておつたのであります。その當時の特殊の事情、特に事業運營の中樞地位にある者、又は現業局所の從業員の住宅難は、事業運營に多大の影響がありますので、これが解決のため止むを得ず本費を以て購入した次第でありますから何とぞ御了承願いたいと存じます。爾これら建物はそれぞれ用途變更の手續をとつておる次第でございます。
 次に不當と認めて御指摘を受けましたものは、第一、豫算を流用して給與の増加を圖るなど措置當を得ないものでありまして、本件は遞信省回線統制本部におきまして、同所屬の資金前渡官吏が、工事費から事務費へ多額の豫を流用して、同部職員に對して報勞金等を支拂い、給與の増加を計つたことは、豫算の使用當を得ないものとして批難を受けたものであります。本工事は答辯書にも書いてあります通り、その筋からの命令によつて、市外電話回線の急速復舊整備を目的としたものでありまして、施工地域が全國に亙つておりますこと、又短期間に工事を終らなければならなかつたこと、精密巧緻な各種機械装置の修理工事でありまして、而も夜間最も閑な時間を利用して工事を進めなければならなかつたこと、施工期間が短いために從事員の服務強化をせねばならなかつたこと、中央において全國の各中繼所を完全に掌握し、均等に機能の向上を計る必要がありましたこと、とかいうような特質を持つた工事でありますので、特に本省に回線統制本部を設けて著手したのでありますが、時恰かも食糧事情の窮迫した際でありましたので、從事員の勤勞意欲を向上させるために、非常炊出しの例によりまして、一人一日七圓五十錢の賄物資を給與することとして、事務費の雜費に百四十六萬餘圓の豫算を計上したのであります。ところが當初豫定した從事員數より實動數が増加いたしましたのと、本部と地方との連絡不十分のために豫算の解釋を誤まつたこと、工事著手後物價の高騰が甚だしかつたため等の理由によりまして、前述の七圓五十錢を上廻らざるを得なかつたこと等のために、事務費の増嵩を來し、工事費より流用するの止むなきに至つた次第であります。そうしてこの賄物資は現物を以て給與することを以て原則として出發したのでありますが、多量の物資を一時に調達することの困難から、本人をして調達させる意味を以ちまして、現金で支給したものもあつたのでございます。
 次に前渡資金の交付につきましては、本件も不當として御指摘を受けました件でありますが、前渡資金の交付の問題でありまして、その本件工事は會計規則等の戰時特例が存續中に計畫し、その存続することを建前として、特別の機構を組織して鋭意工事を施行中、右の特例が廢止され、俄かに資金交付額の制限を受けることとなつたのでありますが、工事の施工擔當部區は多数に分れ、特に回線統制工事のごときは全國に亙つておりましたので、資金前渡官吏の下に本名の出納員を配置しておりましたので、資金前渡官吏一人として考えますときは多額に見受けられますが、出納員毎に見ますと、止むを得ない額であつたとも考えられるのでありまして、工事に必要な物品、材料、人夫賃等は即時に支拂をしなければ、緊急工事の完遂に支障を來す関係にありましたので、資金前渡官吏への交付額はいささか多額に上りましたが、直ちに支拂に當てられる見込で、前渡官吏の手許保管金の制限額を超えるようなことに相成つたのであります。誠に遺憾とするところであります。又簡易照明器の購入の點につきましても御指摘を受けたのでありますが、全く檢査院の御指示の通り、他の部局で購入をいたしたものよりも若干割高になつておりまして誠に遺憾に存ずる次第でございます。以上各件の責任者に對しましては、官吏懲戒令以下によりましてそれぞれ處分をいたしました次第でございます。
 それから次に書類を作爲して自由支拂の限度を超過して支拂をなしたものとして御指摘を受けました件がございます。これは東京遞信局の、二六電話と申しておりますが、連合軍の專用の交換局に備わつておる電話があるのでありますが、二六電話建設本部におきまして、同建設工事の物品購入費四百十九萬九千二百餘圓、請負工事費百八十三萬三千三百餘圓、合計七百三萬二千五百餘圓の支拂に當つて、自由支拂の限度を超えて現金の支拂をなし、これを覆わんがため、現金拂をしたのに、封鎖拂をしたように安拂博票を作爲しておる點、及び事務費豫算の令達額を超えて工事費から多額の流用をして良品を購入し、職員に給與しておる點を會計檢査院から批難されたものでありまして、かかる處理をいたしておりましたことは誠にこれは申譯けないと考えておるのであります。このような處理をいたしました経緯を御説明申上げますと、自由支拂の限度を超過して支拂をいたしましたことは、當工事が普通三百餘日を要する工事でありますのに、百餘日の超短期間で施工しなければならなかつたために、種々無理を生じたのでありまして、大藏省で認められました自由支拂の範圍を嚴守しては、物品の購入も工事の請負も實行困難でありまして、でき得る限り自由支拂の限度を超過しないように努力をしたのでありましたが、工事を指定期間までに竣工させるためには、自由支拂の限度を超えて現金支拂をなすも止むを得なかつたような事情に置かれたのでございます。勿論これは事前に自由支拂の承認申請をその筋にすべきであつたのでありますが事務要員は少数であり且つ不慣れでありましたので、事務處理の手が廻りかねて、遂にその申請の時期を逸してしまつたといつたような事情にございます。又檢査院のいう支拂傳票を作爲しておるという點につきましては、上司から常に自由支拂を極力少額に食い止めるようにという注意をされていたのに、超過して支拂つてしまつたので、誠に淺墓な考えから支拂傳票の一部を書換えて封鎖支拂をしたように作つたものもございます。その傳票数は四枚で、金額は百七十萬圓餘であります。その他三月十日以後の支拂記帳の中にもそういう似たようなケースがございましたが、これらは、いずれも前に申し述べましたように誠に當務者の淺慮に外ならなかつたのでありまして、實際にはその間に不正は、調べました結果、ございません。事實小切手も小切手の控えも實際商人に支拂つた通りに記入されておりますので、會計檢査院に對しましても、事實の通り、即ち實際商人に支拂つた通りのものの書類を證明をしておるような次第でございます。
 次は事務費豫算の令達額超過、工事費の流用という問題でございますが、そういう方法によりまして食品を購入し職員に給與をいたしておるという點でありまして、これは會計檢査院の御批難の通りでありまして、豫算の使用當を得ていないのでありますが、當時食糧事情は甚だ悪く、從事員は不足食糧補給のための買出缺勤を餘儀なくさせられるという實状でありまして、到底急速に竣工することができない。工事の上に非常に行違いを生ずる。これも關係筋から激しく期限の嚴守については督勵を受けておるといつたような特異の事情の下におきまして、已むを得ず採りました措置であります。又そのことは非常に申譯けない結果でございますので、今後十分氣を附けなければならないと考えておる次第でございます。
 それから次に職員の犯罪に因りまして國に損害を與えた事項でありますが、これは貯金保險局で通信官署の繰替拂現金の事故金に對して缺損を補填したものと、それから大阪遞信局で同局管内芦屋郵便局員が俸給給料渡切費等を横領費消した事故に對して、缺損を補填したということについての批難でございます。部内職員の犯罪に對しましては始終全力を盡してこれが防止に努めておるのでありますが、このような事故が跡を絶ちませんことは誠に遺憾に存じておるのでございます。高進するインフレ下、ますます生活の困難と、一方におきましては世相の變化等も相伴いまして、この種の犯罪が増加する傾向にありますことは、誠に當局といたしまして申譯けない次第でございますので、業務監督の勵行、會計監査の強化等によりまして、今後は徹底的にこの種事故の防遏に全力を盡したいと考えておる次第でございます。
 尚この外に會計檢査院の御指摘によりまして是正をいたしました事件が一件、それから尚不當と認められました事件で、國有財産の管理に関する問題が一件ございます、これを簡單に申上げます。その是正をいたしました事件と申しますのは、遞信省資材局で昭和二十一年六月及び七月に古河電氣工業株式會社と購入契約をいたしました五十四對の鉛被布ケーブル外四點の代償の支拂に關する問題でございます。これは代價は合計で四百十六萬一千三圓でございますが、それに對する納入濟物品代の支拂に當りまして、契約價格の改訂をして支拂つたのでありますが、調査の手落から一部過拂になつておつたことを會計檢査院によつて指示されたものでありまして、御指示によりましてその支拂額を補正して、その過拂分はそれぞれ會社から返納いたさせた次第でございます。それから不當と認められました國有財産の管理の問題は、東京中央電話局淀橋分局の建物として戰争中に遞信省が購入しました通稱三福ビルといわれます建物、これを戰災事業團の代表者大屋某に使用許可をいたしまして、その後一年有餘を経過しておるのに、この使用料の徴收をしていないことは、國有財産の管理よろしきを得ないものであるという御指摘であつたのであります。この使用料は、使用許可後速かに決定徴收しなければならなかつたのでありますが、公用財産に民間資金が投入されたことと、電力料、水道料等の分離計算関係上、使用料の算定等に手間取つておりましたが、昭和二十二年十月使用期間に對する料金を十八萬五千三百餘圓と決定いたしまして納入告知書を發行し、徴收方に努力いたしておるのでありますが、一方この建物に對しましては、別に昭和二十二年四一月當省より家屋の明渡要求の訴訟を提出いたしておりますが、それに對します假處分手續等と並行いたしまして、更に納入は訴訟の確定を待つてから納めると稱して納入いたしませんので、更に訴訟の手續を以てこの使用料を取立てるよう只今取計つておるような次第でございます。尚この事件の関係者に對しましても、官吏徴戒令によりましてそれぞれ相當處分をいたしておる次第でございます。
 以上で御批難を受けました事項の御説明を終る次第であります。何とぞよろしく御審議を願いたいと思います。
#18
○會計檢査員事務總長(東野傳次郎君) 遞信省関係の檢査報告事項につきまして簡単に御説明を申上げたいと存じます。只今政府委員から詳細な御説明があつたのでありまするが、檢査報告書の百四十四ページ以下に遞信省関係を掲げてあるのでございまして合計十二件になつておるのであります。その中百四十四ページの一の「違法と認めた事項」の中の(1)の「用品勘定の過剰金を資本勘定の歳入に繰り入れなかつたもの」、その次の「法令に反して過剰金を繰り入れなかつたもの」、これらについても丁度御説明がございまして、會計檢査院の批難の通り遺憾であつて、そうして責任者について注意處分をしたということでありまするので、重ねて説明することは省きたいと存じます。
 次は百四十四ページから百四十五ページにかけて、「經費の年度區分をみだつたもの」といたしまして二件掲げてあるのであります。一つは百四十五ページの東京遞信局關係の「千葉郵便局電信課増築其他工事」であります。もう一つは遞信省総務局關係の「遞信從業員住宅新築工事」の件でありますが、これは只今まで各省に亙りまして年度の區分を紊つた、即ち年度違いの支出をした、その年度、二十一年度でできなかつたものをできたようにして支拂いされたという案件と同じでありまして、今年度は総計十六件これと同じようなものがあるのでありますが、その中の本件は二件これに相當するのであります。今までも申上げましたようにいろいろな事情はあるのでありまするが、その事情の一つとしては、繰越ということについて政府において相當御考慮になる必要があるのではないかというふうに考えまして、總説の方にもその意見を掲げておるような次第であります。これにつきましても會計檢査院の意見の通り遺憾とされまして、責任者は處分されておるようであります。
 次は百四十五ページから百四十六、七、八に亙りまして掲げてございます「豫算の目的外に經費を使用したもの」というのであります。これは大體官舎・宿舎に關する件でありまして、その一つは百四十五ページにございます東京遞信局で購入されました土地建物、宿舎関係であります。それから百四十六ページの東京、熊本、長野各遞信局で官舎とか合宿所を買われたものが四百五十萬餘圓、その外百四十六ページの終りから二行目にあります「右の外」と書いてありまするが、全國の各主要都市に亙りまして從業員の合宿所を買收するというので、三千百餘萬圓を支出して設備をされておるのであります。これら三つのものを合計いたしますると、三千七百八萬餘圓になるのでありまするが、只今も御説明もありましたように、宿舎の件は非常に切實なる問題として取上げられまして、豫算にはないにも拘わらず、これを敢えて實行されたわけであります。敢て實行される程に切實であるということは、これは了承はできるのでありまするけれども、元來官舎というものは給與の問題でありまして、給與は非常に各省に亙つて區々にならないように統一的に法律の手段によつて實行されるというふうになつておりますのと考え合せますると、本件のごときものは、眞に必要であるならば、先般も御意見がございましたように、よろしく豫算に組まれまして、國會の協贊を經られて實行せらるべきであると考えられるのであります。これはひとり遞信省だけではないのでありまして、他の省にもこれと同じようなものがございまして、これまで御説明申上げた通りであります。
 次は百四十八ページの豫算を流用して給與の増加を圖るなど措置當を得ないものにつきましては、只今縷々御説明がございまして、政府の方におかれましては非常に高度の責任を追及されまして、官吏懲戒令を發動されて譴責の處分以下に處せられておるような状態でございます。
 その次の百五十ページの書類を作爲し自由支拂の限度を超過しておる支拂、いわゆる二六電話に關する件でありますが、これにつきましても會計檢査の批難を遺憾とされまして、それぞれ處分をなされておる事案でございまするので、重ねては御説明をいたしません。
 次には百五十一ページ、職員の犯罪により國家に損害を與えた事項でありまするが、これは只今御説明になりましたように、官吏だけを拾つて見ましても二十六件に及んでおるのでありまして、誠に會計檢査院としても遺憾に堪えない次第であります。
 百五十三ページの契約以外に値増をして支拂つたもの、これにつきましては會計檢査院の意見通り是正を終えられまして、二十三年一月二十八日に八十六萬餘圓を返納せしめられて是正を了しておられる事項であります。
 次は官有物として取上げてありまする、百五十ページにありまするが、國有財産の管理よろしきを得ないもの。いわゆる三福ビルデイングについての件でありますが、この件も御説明がありましたので、私の説明は省きたいと存じまするが、非常に悪かつたということを自費されまして、譴責以下の處分を了しておらるるような事案であります。
 次に四十四ページでありまするが、いわゆる特殊物件でありまするが、特殊物件は遞信省においても相當に受拂をいたしておらるるのでありまして、二十一年度だけの徴收決定を見ましても千五百萬圓あるのでありまするが、二十二年の九月頃までの實績を見ますると、収納未済額は三千五百萬圓に上つておるのでありまして、いろいろ事情はおありだろうと思うのでありますが、特殊物件の處理については最も愼重を要せらるべきものだと考えるのでありまして、成るべく速かに收納せらるるよう希望する次第でございます。
 これを以ちまして私の説明を終りたいと存じまするが、尚本年度二十一年度におきましては遞信省関係では檢査は全部終つておりまして、未確認の事項は一件もございません。
#19
○理事(西山龜七君) 御質問がないようでありますから今日はこれで散會いたします。
   午後零時十四分散會
 出席者は左の通り。
   理事
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           吉川末次郎君
           今泉 政喜君
           北村 一男君
           中川 幸平君
           田方  進君
           竹中 七郎君
           深川タマヱ君
           小野  哲君
           駒井 藤平君
           伊達源一郎君
           兼岩 傳一君
           千田  正君
  政府委員
   商工事務官
   (大臣官房會計
   課長)     渡邊 一俊君
   遞信事務官
   (總務局長)  大野 勝三君
   會計檢査員事務
   總長      東野傳次郎君
ソース: 国立国会図書館
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