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1953/10/04 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 内閣委員会 第44号
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1953/10/04 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 内閣委員会 第44号

#1
第019回国会 内閣委員会 第44号
昭和二十九年十月四日(月曜日)
    午前十一時十、五分開議
 出席委員
   委員長 稻村 順三君
   理事 山本 正一君 理事 下川儀太郎君
      青木  正君    大久保武雄君
      津雲 國利君    並木 芳雄君
      粟山  博君    飛鳥田一雄君
      中村 高一君    三輪 壽壯君
      吉田 賢一君    辻  政信君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房調査室長) 木村 行蔵君
        法務事務官
        (公安調査庁長
        官)     藤井 五一郎君
        外務事務官
        (情報文化局
        長)      田中 三男君
        専  門  員 龜卦川 浩君
        専  門  員 小關 紹夫君
    ―――――――――――――
十月一日
 委員大久保武雄君辞任につき、その補欠として
 石橋湛山君が議長の指名で委自負に選任された。
同月二日
 委員並木芳雄君辞任につき、その補欠として松
 村謙三君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
 委員石橋湛山君、松村謙三君、冨吉榮二君及び
 前田榮之助君辞任につき、その補欠として、大
 久保武雄君、並木芳雄君、吉田賢一君及び中村
 高一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 行政機関に関する件
    ―――――――――――――
#2
○稻村委員長 これより内閣委員会を開きます。
 前会に引続き反民主主義活動対策協議会について調査を進めます。
 まず現在のいわゆる反民主主義活動の状況について、詳細に藤井公安調査庁長官より説明を求めたいと存じます。藤井公安調査庁長官。
#3
○藤井説明員 それでは今委員長の申されました範囲内においてお答えいたします。まず第一に国際共産主義勢力の動きの特徴、それから第二に最近における日本共産党の動向、第三に日本共産党の党内の現状、それから在日朝鮮人の動向、最後にいわゆる右翼の動向について申し上げます。
 国際共産主義勢力の動きの特徴は、最近の国際政局におきますソ連を中心とする共産主義勢力の動きは、昨年マレンコフの声明した国際緊張緩和の方向、近くは今年の中共・インド首脳部会議の共同声明等によりまして、自由正義陣営あるいは資本主義陣営と共産主義陣営の両体制の平和共存の方向へ進んで来ていることが大きな特徴であります。このことは昨年の朝鮮休戦、本年のジユネーヴ会議とヴェトナムのます。さらに他の要因は、自由主義諸国家間の矛盾が強まつて来たからであります。しかもこの二つの要因は互いに相関連いたします。国際共産主義勢力が著しく強まれば強まるほど自由主義諸国間の矛盾が一瞬激化いたしまして、自由主義勢力は孤立と敗化の速度を早めるものとしているというような見解に立つております。しかし国際共産主義勢力の真意は、国際緊張緩和とか平和の話合いなどによりまして、両体制の対立とか自由主義諸国間の矛盾が根本的に解決し得ると信じておるのではなく、ただこの国際政策によつて当面さしあたり熱い戦争の危険を回避しながら味方の陣列の拡大強化をはかり、大きな平和勢力で反対勢力を包囲し、ますます反対勢力側の対立、分裂と孤立化を促進しようとするものであるということができると思うのであります。また将来自由主義陣営体制側から戦争が勃発するようなことを予想いたしまして、その対策が先ほど申しました平和攻勢の裏で工作されておることはもちろんと思います。日本共産党がプロレタリア国際主義の立場から以上申しましたような国際共産主義勢力の方針に基いて活動しておることは言うまでもないと思います。最近日本共産党の中央ノートによりますれば、朝鮮休戦、ジュネーヴ会議の成功、中共・インドの首脳者の共同声明、あるいは最近の水爆反対や吉田政府不信任などの国民的輿論の高まりなどからいたしまして、内外の客観情勢は、党側にとつて急速に有利に発展して来たと判断しておるようであります。特に最近のジユネーヴ会議の成功を非常に高く評価いたしまして、これによつて全世界の平和勢力が実質的に国際緊張緩和の実現をもたらしたこと、全世界の平和問題、特にアジア問題の解決には中共を除外しては考えられないということ、民族独立と平和は不可分の関係にあることを示したものであると強調いたしまして、国際政局における平和の問題は、もはや平和一般の運動ではなくなつた、政治問題化し、その目標は領土主権の尊重、不可侵、内政不干渉、平等互恵、平和的共存を闘いとることだと言つておるのであります。それゆえに日本共産党はこのような国際平和運動の発展の方向に従いまして、それを日本民族の独立ということに結合させ、国民の意思を統一させて行くことに努力を集中しなければならないと主張しておるのであります。
 次に最近における日本共産党の動向について申し上げます。まずその基本的戦術について申し上げます。御承知のように日本共産党は新綱領によつて、民族解放、民主革命を目標に活動して来たのでありますが、これまで戦術上の情勢判断を誤つたり、あるいは極左的ないしは右翼的な偏向を犯して、その運動は必ずしも順調に発展して来たとは言えません。すなわち日本共産党は昨年十二月、この問題について重要な自己批判をいたしました。それによりますと、現在敵の力はなお強大である。味方の力はなお劣勢である。従つて今日の段階では、何よりもまずこの敵味方の力関係を逆転させることに全力を注ぐべきであるといたしまして、大きな戦術の転換を行つたのであります。この戦術は先ほど申しました国際共産勢力の方向と結合いたしまして、しかも地についたものであります。すなわち現在までは小さく固定化したかの感のありました革命戦線を一段と大きく発展させるために、反米、反吉田、反再軍備の統一国民戦線を結集いたしまして、いわゆる米日反動勢力を包囲して、これを孤立化させようと企てて、この国民戦線の指導権を日本共産党が握り、この国民戦線に新綱領の主張を注入いたしまして、これを革命勢力としての民族解放民主統一戦線に育成して行こうとしておるのであります。このことは御承知のごとく本年の一月一日付の党の機関紙、アカハタの指導論文、平和と民主主義と生活を守る国民の大統一行動を目ざしてという論文において明確に示され、また昨年末から本年春へかけて日本共産党中央部は、全国組織部長会議、防衛会議、機関紙部長会議、労働関係会議、青年婦人対策会議、選挙対策会議、朝鮮人運動会議などを開催いたしまして、平和独立民主生活を守る統一行動を各戦線においていかに組み、いかに発展させ、その中で日本共産党の独自活動をいかに進めて行くかというような具体的戦術を指示したのであります。以上の統一戦線によりますところの日本共産党の独自的政治活動については、党は去る六月の第十九国会における汚職問題、乱闘事件などに対する輿論の高まりをとらえ、吉田内閣打倒、国会解散あるいは臨時国会召集の統一行動を組織するために、六月以降中央指導部及び全国各機関は社会党、労農党、総評その他の民主団体に対して共闘を申し入れ、七月十五日の党創立記念日行事とあわせて全国百数十箇所に集会を催しました。そして五万数千人を動員して反政府運動を展開いたしたのであります。さらに中央地方に選挙対策会議を開いて農業委員選挙、地方選挙に統一選挙綱領を掲げて臨み、その他ジュネーヴ会議とか、水爆反対などの国際的、国内的諸問題をとらえて独自の活動をして来ているのであります。
 次に平和闘争について申し上げます。以上申し上げましたような戦術に基いて、日本共産党が現在最も力を注いでいる闘争は平和擁護闘争であります。党はかねてからこの闘争は今日全世界の人民の最も再要な第一義的の任務である、従つてまた共産主義者の第一義的任務であると強調して来たのでありますが、最近いよいよ国際的な連繋を緊密にいたしまして、その戦線の統一と拡大に努めておるのであります。しかして党は平和民主的自由生所を守るための反再軍備闘争は、今日の段階ではまだ民族解放、民主革命を意識していない人々やまた主観的にはこの革命を望んでいない人々をも広く包含して闘うことができ、また包含して闘わねばならないとしておりますが、この運動を日本共産党が革命意識で引きまわしたりすることは表面上避けて、あらゆる階層の国民の自主的な運動として展開させようとしております。平和運動では国際的、国内的に国際共産主義団体の一つである世界平和評議会などの諸決定を基本方針といたしまして、日本共産党の外郭団体である平和擁護日本委員会とか、あるいはアジア太平洋地域日本平和連絡会などを主体としまして、また各種の行事などにおきましては総評その他民主団体などを中心にいたしましてその実行委員会等を組織し、統一行動をとつておるのであります。最近の具体的な平和運動の状況といたしましては、世界平和集会日本準備委員会の呼びかけに基きまして、原水爆の禁止、アジア安全保障、軍事基地、再軍備反対、憲法擁護、経済文化交流問題などの国際緊張緩和のために当面の運動を展開することを主眼といたしまして、去る六月の二十五日から八月十五日までの間平和月間が実施されました。この運動は八月の六日、八月の九日の両原爆記念日ないしは八月の十五日終戦記念日を頂点として全国的に盛り上つて参りまして、八月三十九日の東京、関西両平和祭りなど盛大に行われました。この平和月間の行事も表面上は党ないし平和擁護日本委員会主催のものはきわめて少く、大部分は各種の平和団体、文化団体、在日朝鮮民主統一戦線、いわゆる民戦、総評その他一般市民団体によつて主催されております。八月十五日記念日前後の集会数は全国で三百以上を数え、それに動員された数も八万名を越えたと言われております。このように平和運動は非常に大きな幅を持つて発展いたしましたが、しかしこれによつて日本共産党が予期した成果が上つているかどうかという点は、相当問題があると思われます。たとえて申しますれば、労働組合の平和闘争にはストライキや賃金問題に限定するような経済主義的な分派があり、また総評は国民連合、中立系は平和連絡会の方針といつたような分派があるのであります。超党派的な平和委員会さえ小ブル的な分派主義がありまして、平和署名とか、集会などの運動もともすれば上すべりな形式主義に流れて、いわゆる平和一般運動に固定しておるようで、日本共産党内部におきましてもすでに平和運動は一種の行き詰まり状態に陥つたという自己批判も現われておるのであります。そこで日本共産党はこの平和闘争、平和戦線をより以上強化発展させるために、世界平和集会日本委員会の呼びかけの運動を進めますとともに、当面の運動の中心的課題といたしまして民族独立、国民主権の回復を目標にしてこの方向へ国民の意思を統一して行かねばならないと主張しておるのであります。たとえば水爆禁止の運動ではわが国の平和と独立の外交を樹立せよとか、原水爆禁止協定の国際的話合いを進めようという政治的要求に国内の輿論を統一して行く方向にリードして行こうとしております。それゆえこの平和運動はより広汎な国民政治運動として展開され、しかもその中で党の独自活動はますます活発化することが予想されるのであります。
 次に最近の軍事方針について簡単に申し上げます。先ほど述べましたように本年一月に党は三反政策を発表いたしまして以来、軍事面においては一貫して中核自衛隊の基本的任務あるいは大衆闘争の組織的な防衛であるといたしまして、その活動の形態は反フアツシヨ闘争の行動中核となつて、これを内部から強化することである、その目標は三反統一戦線を強化し、長期かつ困難な道を克服して民族解放民主統一戦線による革命を達成することであるといたしまして、現在ではその重点を最も基礎的な組織活動に置いておるのであります。また従来この組織工作は、農村工作に主として向けられていたように見られますが、その成果はしかし必ずしも日本共産党が宣伝しておるほどのものとは思われないのであります。最近の党の機関紙国民の星は労働組合の青年行動隊に対する工作を大きく取上げ、これに対する実情の把握と、その実情に即した工作の進め方を指示しております。
 次に労働運動について申し上げます。労働運動の当面における日本共産党の活動といたしまして、最近の特徴的な動向を申し上げますと、第一に今春の労働関係全国会議以来、労働者階級に平和と国際連帯運動を強力に盛り上げようといたしまして、活発な動きを示しておるのであります。日本共産党はこの運動を推進することによつて、労働者階級の大衆的規模による平和勢力化をねらいまして、党の全グループをあげて強力にこの工作と取組むよう、最近しばしば指令しているのであります。去る総評大会の直後、七月十六、七日の両日には、第三回世界労組大会普及実行委員会を表面上の提唱者といたしまして、主要労組幹部有志を集めて、平和と国際連帯運動強化のための全国懇談会を開催いたしました。次いで同月三十六日にはこの運動を推進するために、サービス・センター設立の第一回準備会を開きました。この十月にはその創立総会が持たれる運びになつているようであります。一方九月の初めには仏伊両国のそれぞれ共産系労働総同盟から総評に対して、労働運動の経験を交流するという名目のもとに、三十五名に上る大量の組合幹部の招待の申入れがあり、これらの代表は去る九月十九日、二十日両日にそれぞれ出発されたのであります。このように平和と国際連帯運動強化のため、内外両面から工作が公然かつ強力に推進されておるということは、ジユネーヴ会議後における国際情勢の推移とにらみ合せまして、注目すべき事柄ではないかと思います。
 次に今週の労働攻勢について一言触れてみますと、御承知のようにデフレ政策の浸透に伴いまして、中小企業の倒産、賃金の遅配、欠配等が相次いで起きて参りました。特に中小炭鉱地帯を持つ九州、北海道等におきましては、きわめて憂慮される状況にあるのでありますが、最近におきましてはデフレの影響が漸次大企業にも波及して参りまして、特に石炭、鉄鉱、造船の諸部門におきまして、操短、人員の整理、賃金の切下げあるいは帰休制の採用等が普遍化しつつあるのであります。このような情勢下におきまして、総評の本年度の運動方針は、デフレ下の賃金ストップ政策の打破、MSA再軍備経済体制から平和経済への転換という二つの主要目標のもとに、政府の施策と真向から対立いたしておるのでありますが、去る八月二十七日の総評第三回幹事会は、秋季闘争方針として、賃金闘争、民主的権利の回復と拡充闘争、平和経済による産業危機突破闘争、吉田内閣打倒と水爆禁止署名運動の四項目を目標といたしまして、闘争の山を吉田内閣打倒国民運動の高まる来る予算編成期で、年末手当要求の出そろう十月下旬ごろに置きまして、全国的に強力な政治闘争を推進しようといたしておりますので、日本共産党はその行動の中核となつて活発な動きを見せるであろうと思われます。しこうして賃金闘争方針といたしましては十一月一ばいに年末手当要求を、十一月下旬には本格的賃金要求をそろえ、職場闘争を重要視いたしまして、ぐるみの闘争、農、商との提携による国民総抵抗運動を起し、来春一月から三月にかけて全国的に産業別統一闘争を盛り上げるという高野構想がそのまま決定されておるのであります。従つて総評傘下各労働組合の秋季闘争は、賃上げ要求は主として闘争態勢整備強化に重点を置き、本格的賃金闘争はこれを来春に結果いたし、大攻勢を展開しようとしているようでありますが、デフレ下における賃金闘争の困難なことは、夏季闘争を初めすでにこれまでの闘争が大して盛り上りを見せませんままに終息していることによつて明らかでありますし、さらに総評はその内部に高野批判の勢力をかかえておりますので、統一闘争への盛り上りはきわめて困難ではなかろうかと思うのであります。
 なお党の労働運動指導部が七月の末ごろの機関誌で、平和擁護闘争と国際連帯闘争について、と題しまして、やや具体的な指示をしておるのであります。平和運動につきましては、こう指示しておるのであります。
 一、当面の平和擁護闘争の最高の目標は、当面の戦争を引延ばし一時的に平和を維持することであり、その環はいかにして両体制の共存を闘い取るかということである。二、これを客観的にいえば、アメリカを孤立させ、社会主義人民民主主義国の力を決定的に強めることであり、従つて同時に各国国内の階級闘争を有利にし、各国の民族独立闘争に支持を与えることとなる。三、このため必要なことは、
 一、階級的な矛盾はあつても、現在原水爆戦争反対、国際緊張緩和を要求するすべての勢力をその限度において結集し、当面の平和に対する統一行動を取ることであり、従つて運動の形態に縛られることなく支持すること。
 二、相互に主権を尊重する立場からの民族独立、反植民地主義の輿論を統一することである。わが国がMSA体制から主権を回復することは、アジアの共存を可能にし、経済上、社会上の多くの問題を有利に解決する道を開く。以上の角度から、大衆を信頼して徹底的な説得によつて大衆の思想をかえる活動を行うこと。具体的には日本がMSA体制から脱却し、独立の輿論を高め、そのような政府を可能にする国民の思想を統一し、戦線を統一することである。この思想改革を保障し指導して行けるねばり強く鍛えられた党の建設と、長期かつ困難な闘争に耐える不屈の活動が必要である。党がこのことを回避するならば、そこから一挙に権力の移行を想定したり、あるいは闘争の形態のみを追求するような左右の日和見主義が生れて来る。そういうような指示があつたのであります。
 次に、党の現状と申しますか内部動向。日本共産党は昨年来全国的に総点検と学習運動を実施いたしまして、党風の刷新、理論的武装をはかり、あらゆる風雪に耐え勝ち抜く堅固な前衛党に鍛え上げようと努めております。また合法戦線の拡大をはかる一方依然として非合法体制を強化し、最近特に活発になつた大衆団体内の各種グループ活動のほか、将来の暴力革命に備えて軍事活動の合理的運営など党の活動は間断なく展開されておるようであります。また最近の地方選挙の結果を見ますと、昨年四月の総選挙に比べまして、党の得票は約二倍に増加し、さきの農業委員選挙においても約七百名の党員が当選しております。中央、地方議会も原水爆禁止を決議しておるような状態であります。その署名運動は七月中に二百万を越え、軍国主義復活、再軍備反対を中心とする平和独立の運動はますます国際的連繋を密にし、大衆化し拡大して来たことはいなめないのであります。このような情勢から見まして、日本共産党の勢力は最近上昇傾向にあると考えてよかろうと思います。しかし一面では、先ほど申し述べましたように国際的、国内的に党に有利な条件があり、また国民の統一行動も相当広汎に組織されておるにもかかわらず、その中核となるべき党の組織が労働組合内にはもとよりその他の大衆団体、文化団体の中でまだ非常に弱いということを党自身が繰返し繰返し述べておるところから見まして、党の組織の伸張がそれほど大きなものではないかと考えられるのであります。
 次に在日朝鮮人の動向について申し上げます。在日朝鮮人の動向はいろいろな関係でわが国の治安上ゆるがせにできないものでありますが、特に大多数を占める北鮮系の中には、共産主義勢力が根強く浸透しておりまして、反米、反日本政府の意識がきわめて強いのであります。これら北鮮系朝鮮人は在日朝鮮統一民主戦線、これを省略して民戦と申しますが、その民戦という公然団体に結集しております。民戦は十数個の単一団体が結合しておる結合体でありまして、いわゆる戦線体でありますが、その構成員は十六万余となつております。また民戦の活動の中核となり、民戦を革命的に推進する組織といたしまして、在日朝鮮祖国防衛委員会、これを祖防委と申しておりますが、及びその指導下にある祖国防衛隊という非公然団体が組織されておりまして、北鮮系の最も精鋭分子がその構成員となつております。彼らは祖国の統一、独立、すなわち北鮮人民共和国による全朝鮮の完全なる統一、独立を第一のスローガンとして北鮮政府のもとに固く団結し、金日成に忠誠を誓うことを明らかにしておりますが、ただ日本に在住するという具体的条件のもとに日本共産党とともに日本の民族解放、民主革命を達成することが祖国の統一、独立を闘いとる近道であるとして各種の闘争を展開しておるのであります。
 これに対して一方日本共産党は、彼らの強い独立意欲と粗暴な行動力を日本革命に利用せんとして在日朝鮮人を日本革命の有力な同盟軍であると規定いたしまして、民戦、祖防に対する指導を強化し、これを革命的に育成することに努力を傾けております。日本共産党は、昨年来特に民戦、祖防の中の多数の朝鮮人党員グループを通じてその党勢を強め、今日では完全に指導権を掌握しておる状態であります。従つて民戦、祖防の闘争はまつたく党の戦略、戦術に従つて行われており、当面党の三反統一戦線強化の政治方針にのつとつた活動が推進されております。平和擁護運動を最も重要な課題として、強く前面に押し出すとともに、政治的、経済的な各種の民族権利擁護の旗じるしのもとに朝鮮人大衆を民戦に結集いたしまして広汎な反ファッショ抵抗闘争を展開して、これを漸次革命化し、日本共産党のいわゆる民族解放、民主統一戦線の有力な一翼たらしめんと企図しておるようであります。平和擁護闘争におきましては、これを祖国朝鮮の平和的統一、独立の問題と結びつけて、昨年七月の朝鮮停戦の成立も一にソ同盟を中心とする世界平和勢力の平和政策による勝利であるとし、さらに平和擁護闘争を発展させることによつて、朝鮮の統一、独立を妨げているところのアジアにおけるアメリカ戦争勢力を一層孤立化させ、その闘いと祖国建設運動とが結合することによつて、朝鮮の完全な統一、独立が達成されるものと宣伝しております。
 しこうして日本共産党はその指導のもとに、民戦を中心として、日本国民との統一行動を強調しながら原水爆禁止、軍事基地、再軍備反対、経済文化交流のための朝鮮への自由渡航、日本国民との親善、団結など、各種の運動を行つております。民族権利擁護闘争におきましては、現在朝鮮人のあらゆる無権利状態や生活の苦しみが米日反動政府の戦争政策に基くものであると宣伝いたしまして、生活保護の獲得、反税、濁酒密造取締り反対など、各種の闘争に大衆を動員して階級闘争意識をあおつておるようであります。
 他面、この種の闘争の中で問題となるのは、民族教育防衛闘争と外国人登録切りかえ反対闘争であります。民族教育防衛闘争につきましては、東京都教育委員会が都下の公立朝鮮人学校十四校でありましたか、十四校の廃校処分を行うことを決定し、近く民戦にこれを通告する模様であります。現在日本共産党の指導方針から考えて、これに対する反対闘争がすぐる年のあの朝連学校禁止当時のように暴力化するとは必ずしも予想できませんが、かかる処置が全国的に波及することに対しては、地方自治体などを対象といたしまして相当の圧力をかけて来ることが考えられぬこともないと思います。
 次に本年十月を中心として実施される外国人登録切りかえにあたりましては、これを吉田、李承晩の強制送還、強制徴兵等の朝鮮人弾圧のための陰謀であると宣伝して、教育闘争と同様、地方自治体に対して反対闘争を行うことが予想されまして、すでに各地の民戦機関がその闘争指令を発しておるのであります。
 民戦は以上述べましたような運動を展開する一方、組織の強化に努力しております。党は本年の二月在日朝鮮人運動についてと題する論文を発表しまして、在日朝鮮人運動の当面の基本方針を示しておりますが、その中で、民戦はまだ真の意味で統一戦線と言うことはできないと述べて、その強化を指令し、祖防は民戦の行動の中核とならねばならぬとしておるのであります。民戦はこの方針に従いまして学習と組織の点検を強化しております。また祖防は本来軍事組織として運営せられ、日本共産党の軍事委員会及び中核自衛隊と並立し、主として軍事活動を行つて来たのでありますが、今日では祖防隊の中の優秀分子だけを中核自衛隊に吸収しまして、その余の者は民戦の各組織内の行動部隊として、抵抗自衛闘争を通じて民戦を内部から強固な統一戦線に発展させる任務が与えられておるのであります。しかし一般朝鮮人大衆について見まするに、意識の水準が低いため、日本共産党の指導について行けないこと、活動家を含めて朝鮮人の大多数が経済的に窮迫し、生活に追われていること、日本共産党の統制強化に伴い、民族感情からこれを決しとしないところの分子の反発があることなどの理由によりまして、党や民戦中央の方針が下部に徹底せず、朝鮮人運動全般に多少低調の傾向がありまして、特に民族感情に基き日本共産党の指導に納得しない一部の分子が、民戦の組織から脱退する現象がようやく著しくなつております。山梨県民戦の分裂、札幌における民主愛国青年同盟からの集団脱退等がその例でありますが、なお各地で民戦の内部抗争があるように見受けられます。しかしながらこれは部分的現象にとどまりまして、民戦の各階級機関の幹部の大多数を朝鮮人党員が占めて、忠実に日本共産党の方針を実践しておりますので、民戦を中心とする北鮮系朝鮮人運動の革命的色彩が弱化するとは思われないようであります。
 次にいわゆる右翼団体の動向について申し上げます。右翼運動に関しては、本年に入つてから右翼団体の統一を目的とする連絡協議機関であつた救国運動全国協議会が、政党結成を目標とする単一組織であるところの救国国民総連合に切りかえられました。その組織運動が行われております一方、たとえば大東塾、大日本生産党など有力単一団体が再建されたほか、護国団のごとき新団体も結成せられ、それぞれ活発な運動を展開していることが注意を引く次第であります。
 右翼団体の動向を概観すれば、旧右翼、新右翼を通じて、それぞれ主義政策を掲げ、広く大衆の中に基盤を置く広報運動を展開せんとして、講演、機関誌紙、ビラ活動等によつて主義、主張の宣伝と組織の拡大に努力しております。主要団体の組織は漸次発展しつつあるものと認められます。
 右翼運動の主流は今述べましたように、おおむね健全な方向に進みつつあるものと見られますが、本年初頭から続発した政界、官界、財界を通ずる汚職事件、国内政局の不安定及びデフレ政策による中小商工業者の困窮等の諸情勢は、強く右翼関係者を刺激しておるように見受けられます。革新のためには暴力の行使もまたやむを得ずとする不穏言辞及び首相の暗殺を企図するなどの不穏行動が漸次増加の傾向にあります。しかし現在のところこの種の不穏行動はおおむね個人的なものにとどまつていますが、右翼運動の中に往年たびたび発生しました政治的言の再現を是認する思想の底流があることは、最近大日本生産党及び救国総連等、旧右翼団体が下部組織を少数精鋭分子で固めようとしておる傾向を示しておることによつて、軽々に看過できないと思います。
 なお最近右翼団体の反共活動が次第に尖鋭化し、直接行動に出る事例が少くないのでありまして、今後日本共産党及び労働組合の活動の発展に伴い、その傾向が著しくなることも予想されないことはないようであります。右翼関係につきましては、現在のところ団体として具体的に破壊活動を行う危険性のあるものは認められないようでありますが、右翼運動が元来個人的色彩が強いことと、右翼政治的テロが偶発的、個人的であることの多い特性にかんがみまして、その動向についてはよく注意すべきだと思います。以上について大体申し上げました。
#4
○稻村委員長 午前中はこの程度にとどめ、午後一時半より再開し、外務省情報文化局長、内閣官房調査室長より、各機関の調査に基く反民主主義活動の状況について説明を求むるとともに、緒方副総理の出席をさらに督促いたし、答弁を求むる際に質疑をなし、答弁を求めることといたします。
 これにて休憩いたします。
    午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時七分開議
#5
○稻村委員長 午前に引続き会議を開きます。
 田中外務省情報文化局長より、当面のいわゆる反民主主義活動の情報収集等について説明を求めます。田中外務省情報文化局長。
#6
○田中説明員 外務省の情報文化局のやつておるまする仕事の大要を説明さしていただきます。
 情報文化局は現在四課をもつて組織されております。一課と二課が情報並びに啓発関係の仕事をいたしております。三課と四課とが文化関係の仕事を担当いたしておるのであります。まず一課の仕事の主たるものは、海外の情報、国際情勢に関する情報の収集、分折、並びにその結果に基いて国内に対する啓発をやつております。二課は主として外国人の報道関係者を対象といたしまして、在京いたしておりまする多数の外国の報道員の世話をするのが主たる仕事であります。総じてわれわれの仕事は、国際情勢についての国内の啓発並びに外務省のやつておりまする外交についての国内並びに海外に対する宣伝啓発、これが情報を担当しておりまする一課及び二課のおもなる仕事でございます。三課は文化関係の仕事を担当いたしております。これは日本の文化宣伝、目下のところ、単に文化のみならず、かなり範囲を広げまして、産業その他の面まで範囲を広げておりまするが、海外にこの文化等の面の宣伝を行うということ及び外国の文化等の国内に対する啓発等の仕事の手伝い援助等をこの三課でやつております。第四課はユネスコ関係の仕事を担当いたしております。
 ユネスコ関係は、国内の関係は文部省が主としてやつておられますので、われわれの方は渉外の面を担当いたしておるわけであります。以上が情報文化局の大体の仕事の内容でございます。
 ところで、この非民主主義活動に関する情報の収集に関する仕事といたしましては、外務省の情報文化局では国内の関係の仕事は全然タッチしておらないのであります。海外における一般の非民主主義活動の情報の収集は、これは外務省の各出先機関を通じまして、それぞれ隣国の政治情勢の報告を定期的に受け、また重要な事件が起りました際、随時その報告を電報なり電信なりで集めておるのであります。さらにこの共産主義活動等の活発に行われておりますフランスとかイタリア等では、特に本省から訓令を出しまして、それぞれの国の関係当局と連絡をとらせまして、資料なり情報の入手をさせておるわけであります。しかし情報文化局といたしましては、むしろその宣伝啓発等に重点を置いておりまして、今申しました特殊情報の収集、分析等は、地域関係の局でもつて主管をいたしておるのであります。情報文化局としては、その地域関係の局で主管をしておりますところの、その収集いたしました資料の提供を受けまして、その結論を利用しておるというのが現状でございます。
 特にこれ以上御説明申し上げることはないのでありますが、もし具体的の事柄につきまして御質問がありますれば後ほど知つておる限りのことを説明させていただきたい、かように思います。
#7
○稻村委員長 次に木村調査室長より説明を求めます。
#8
○木村説明員 私の方の仕事の概要を申し上げ、若干御説明申し上げたい点をつけ加えたいと思います。
 内閣調査室は、御承知のように総理大臣官房の中にありまして、総理府の機構の中にありますが、調査室として現在法規に基いてやつております仕事の上で大きな重点といいますか、それは二つありまして、一つは、政府各省内にいろいろな調査機関がございますし、また情報関係の機構もございますが、これらの調査なり情報関係の諸機関の連絡調整に当る、こういうことをやつております。これは毎週定例的に各省の関係担当官に集まつていただいて連絡をいたしますが、また随時連絡もいたしております。それから、それ以外に治安関係だけの連絡会議を私の方の幹事的な役割でいたしております。この調査関係の連絡調整というのが一つの仕事でございます。それ以外にもう一つの仕事といたしましては、政府の重要施策に関係のある情報の収集及び調査というのかございます。これに関しましては、私この一月に調査室長になるましてから、いろいろ仕事の運営上の方針をどういうふうにしたらよいかということを考えたのでありますが、それを考えまして上司と相談の結果きまりました方向といたしましては、各省の調査なり情報の機構とダブつてやるようなことはやめようではないか、なるべく各省がやられておる仕事の中で若干政府部内で欠けておるようなところについて、調査室も政府全体の一翼として調査に当つたらいいではないか、こういうことになつておるわけであります。この情報調査の連絡調整とそれから調査室独自の調査、この二つが仕事の内容になつております。
 第一点につきましては、先ほど公安調査庁の長官から非常に詳細に各方面の、いわゆる反民主主義活動関係の動向についてお話がありましたので、ダブつて申し上げる必要もないかと思います。ただ一点各省との連絡調整を通じて感じますことは、特に日本共産党の将来を左右する大きな根本問題の一つとして、おそらく国民全体の動向が共産陣営の側にだんだんついて行くかどうか、あるいはだんだん離れて行くかどうか、こういうような国民大衆一般の動向との関係は非常に大きな要素ではないかと思います。ところがこの国民一般大衆の動向は、去年十一月に日本共産党がいわゆる中間綱領を発表しまして、文化活動なりあるいは平和活動というような一連の巧妙な活動によりまして、だんだん一般の大衆に浸透しておるのではないか、こういうふうに私たちも連絡調整を通じて感ずるのであります。しかも一般の方におかれましては、自覚症状がないのではないか、例のメーデー事件のあのころよりも警戒心が非常にゆるんで来て、おるのではないかという一面と、あるいは世界全体の情勢からいつて、共産主義陣営の世界戦略のほんとうの究極のどたんばの、いわゆる本体に対する正確なる認識の欠如、あるいは通に誤つた安全感が大部分世界に浸透しておるのではないか、これは私たち連絡調整を通じて感ずる一点であります。
 それから第二の点は、調査室独自にやつておる調査は何かということでありますが、これは、私の方におきましていろいろ研究しました結果、現在の日本の政府機関なり民間諸団体を通じて、調査の一つの盲点であるところの中共の実態、こういうものをつかむことが非常に必要ではないか、こういうふうに思いまして、この春以来中国共産党の率いる中国大陸の実態、こういうものを調査室としては関係各省と密接に連絡して調査すべきである、こういう結論に達しまして調査を開始したわけであります。日本共産党は先行きどういうふうになるかという判断の基礎の一つとして、中国共産党が先行きどうなるか、中国の大陸がどうなるかというような問題におそらく非常に至大な関係があるのではないかと思われます。それで日共のとつている中間綱領のその後の戦略戦術を見ましても、毛沢東のいわゆる三十数年闘い抜いたあの彼独自の戦略戦術というようなものがいろいろな著書に現れておりますが、この著書によつて、あるいはその他の連絡方法によつて日本共産党に相当の刺戟と指導性を与えているというような感じが特にいたされるのであります。のみならず、日共が日共独自の問題としてでなしに、国際共産党である中共なりソ連共産党、あるいは中国大陸なりソ連というものの国力の将来の成行きというものが大きな日本共産党のバツク・ボーンになる、こういう可能性があるかどうかというふうな問題について非常に大きな要素があるような気がいたすのであります。調査室において、あるいは日本国内の各氏間の方々や、あるいは各省の調査機関とも協力しまして中共の実態についていろいろ調査しましたが、もちろん中共の実態というものは非常にむずかしい。また将来の先行きを判断することは、今日の現段階においてきわめて危険であります。しかしある程度の見通しというものを、感じだけでも感じとるというようなことを通じて日共に対する判断なり、政府あるいは行政の参者に資するような点があればくみとつて報告いたす、こういうことが必要ではないかと思われるのであります。ごく大ざつぱな中間的な結論を申し上げてまことに僭越であります。また国会におかれましても各党各派からすでに大勢の方が行かれましていろいろな鋭い観察をいたして帰つておられますので、われわれがこんな中間的な報告を申し上げることはきわめて僭越でありますけれども、中共が第一次五箇年計画を立てました一九五二年の末、その末の一年前の一九五三年にすでにあらゆる破壊なりあるいは荒廃した経済諸問題というものの復興を一応完了して、この一九五二年の末から建設の段階に入つて来ておる、こういうようなことはすでに一般の御案内の通りであるますが、結論的にお互いが知り得るように、あるいは鉱工業の生産指数なりあるいは農業生産の実態なりというものをつかんでみますと、一九五三年の初めにすでに相当の数字を示しております。もちろんこの数字は、御承知のように日本の現在の鉱工業の生産指数に比較して大部分が劣つておるように見られます。しかしだんだん中共が全人民的な熱意と非常な努力を傾注しておりますので、この第一次五箇年計画というものも、一九五七、八年の五箇年計画の終るころには相当の目標を達するのではないかと思われます。こういうように経済建設の面においてだんだん力を発揮するその中共の国力を背景にした中国土産党の力というものが、相関的に日共にもだんだん及んで来る、こういう感じがいたすのでありまして、私は日共の動向についてはその面からも十分につかんでおらなければいかぬではないかというふうに思います。
#9
○稻村委員長 それではただちに藤井公安調査庁長官に対する質疑を始めたいと思いますが、長官が来るまでにはまだ時間がありますので、田中外務省情報文化局長並びに本村調査室長に関する質疑を行いたいと思います。吉田賢一君。
#10
○吉田(賢)委員 私が尋ねようとしますることは、今問題になつておりまする反民主主義対策協議会の設置ということに関連しまして、調査室なりあるいは情報文化局なりあるいは公安調査庁との関連がどうなるのか、こういう点が明らかにしたいと思う一つの点なのであります。
 それで調査室の方に伺いたいのでありますが、あなたの方の主管者は総理大臣かもしくは官房長官であろうと思うのであります。官房調査室でありますから、いずれかであろうと思います。あなたの方は、各省におきましてやはり反民主主義的活動に対する調査ができておつて、それの連絡調整にも当つており、なおまた独自の立場におきまして政府の重要な施策の情報の収集、従つてそういうことは同時に裏返せば反民主主義活動に対する調査ということになることは、御説明によつて大体明らかになるのであります。あなたの方自身におきましてはもうそれをもつて―一体今の内閣が閣議できめました協議会というものは不用なのじやないか、あなたの方でも十分やつておるのではないか、こういうことで一応私は疑念に思うのであります。さらに例の閣議できめた協議会なるものの本質を別の角度から追究して研究して行く、これは別問題といたしまして、とにかく反民主主義活動についてあなたの方は相当重要な使命を持つて相当のスタツフなり予算なりをとつておやりになつておるのであるから、その点はどういうふうに考えておられるであろうか一応聞いておきたいと思います。
#11
○木村説明員 反民主主義活動対策協議会との関係におきましては、直接調査室は関係はございません。この協議会がなぜ設置されるか、どういう経緯で閣議決定になりましたかは、実は私も率直に申し上げて詳細に知りませんです。それからこれが必要かどうかという問題も非常に高度な大きい問題でありまして、私からお答えするのはちよつと僭越だと思いますので……。
#12
○吉田(賢)委員 そうするとあなたに聞きたいのだが、あなたの方は反民主主義活動の動向について、内外にわたり広く調査するということの使命を感じてやつておるのではないですか。
#13
○木村説明員 反民主主義活動というものの定義は私もはつきり自信を持つて明確にいたしかねるのですけれども、しかし日共の動向なり、あるいは非合法の暴力主義を場合によつては敢行するかもしれない極左の動きその他につきましては、これは動向を各関係省が詳細につかんでおられて、それについて私の方が連絡なり調整をいたす、こういう面では当然必要だと思います。それが即反民主主義活動そのものかどうか、ちよつと私もお答えできないのであります。
#14
○吉田(賢)委員 私はそういう概念の分析をお互いにし合つて議論をする、そういうことは一応むだですからよしまして、さきに藤井長官がお述べになつておつたように、要するところ内外の共産主義活動なりないしは右翼の活動に対する動向の御説明によつても、大体こういつたものの思想なり行動の調査とかいうものが対象になつておるようにわれわれも理解したいのでありますが、それならばあなたの方で大体各省間の調査ができたものを調整するという一つの任務を持つてやつておる、それから独自の立場からまた調査もしておる。究極するところ共産主義ないしは共産党などの民間への浸透というものがいろいろ議論になり、あるいはこれを対象にしてあなたもお述べになつておる。そうすると、あなたの調査室というものが内閣直属のその種の機関として設置されておるのに、さらに似たようなものを大きな規模でつくる――大きな規模か小さな規模か存じませんけれども、あなたが設置の相談も受けないような上位のそういういような協議会とかいう機関を設置する必要はないように思うのだが、その点についてのあなたの所信を聞きたい。
#15
○木村説明員 先ほど申し上げました連絡調整と申しますのは、情報と調査の関係の連絡調整でありまして、政府部内の施策そのものの連絡調整といいますか、実施なり企画その他行政施策そのものの連絡調整はいたしておりません。反民主主義活動対策協議会が単なる情報交換だけであるかどうかということは大きな問題でありますが、あの中に総合対策というものが出ておりますので情報交換だけであるかどうかは私はちよつとここでお答えできないのでありますが、調査室の仕事そのものが協議会とぴつたり全部一緒だということは言いかねるのではないかと思います。従つてその対策協議会の必要性はあるように私は思います。
#16
○吉田(賢)委員 やたらにいろいろな機関をつくるということは、私どもは根本的には厳に戒めて行きたい。そこであなた自身も反民主主義か何かはつきりしないようなことをおつしやるのだが、すでに内閣にたくさんな人間を使つておる、たとえば資料によりますと、昭和二十九年には二十八名の定員を置いておられる。「調査室においては、政府の重要施策に関する情報の収集及び調査並びにこれらに関する各行政機関の事務についての連絡調整」云々とある。従つてこの情報の収集というものはかなり広範に規定されておるものと考えざるを得ません。それならば、あなたの方はそういう閣議できめるようなことは自分たちがやるべきものであるという主張をしてもよかろうと思う。相談に乗らぬようなものをたくさんこしらえるということは、いたずらに機関を多くして、たくさん金を使つて、混乱せしめる、そういう面から見るだけでも国民は迷惑するのです。でありますから、そういう反民主主義的な動向の観察なども、必要があるとすればあなたの方でやればいい、またすでにやつておるのじやないか、こういうふうにも考えるのです。そうすると、別個の目的を持つた、独自の目的を持つた協議会が設置されるのではないかということを考えたくなるのだが、これはあなたに問う事項ではない。あなたに問う事項は、あなたの室というものは内閣直属の重要な国家機関のように思うが、その重要な機関が相談も受けないようなことは何事であるか。あなたの方は仕事をしないのか。そんなものならやめてしまつたらどうか。あなたの御説明を聞くと各省の連絡を々というが、各省も独立して仕事をしておるのだから、そんな連絡をする必要があるかどうかすら疑問です。また中国共産党の実態の把握というようなことについても再検討を要します。はたしてそういう必要があるというならば、それをほんとうに把握し得るようなもつと有力な機関もほしいと思うのであります。何かしらんあつてもなくてもいいような―いよいよ御説明を聞くと無用の存在のような感がしてならぬが、これはあなたの室の立場というものはもつと重要な仕事をしているんじやないだろうか、相当な自負心を持つて、こんな仕事をやつているということを述べるべきじやないかと思う。それを知らぬ間に協議会というものが設置されて、相談にも乗らぬようなものができてしまつた、こういうところから世間にいろいろうわさを流しているようなことになつておりますが、そういうことは要するにあなたの方で仕事ができるじやないか、またあなたの方としては、それは自分の方の領分です、私の方の権限の仕事ですといつて抗議すべきである。それが言えないならば、あなたの方は消してしまつたらいいじやないかと思うのですが、ひとつあなたの御感想なり、御見解を聞きたい。
#17
○木村説明員 大分いろいろおしかりを受けました。日本共産党初め極右その他いわゆる非合法の暴力主義的活動を展開する可能性がある動きにつきましては、各省それぞれ密接な連絡をとらなければいかぬということは大分前から言われております。このいわゆる連絡なり調整ということについては何らかの組立てが必要ではないかということも言われておりまして、先ほどちよつと御説明申し上げましたが、私の方が幹事役になりまして治安関係の連絡会議というものを定例的にやつております。各省それぞれの使命はありますけれども、やはり全体としてまとまつて統一ある調査を進めるということは、そういう対日共、あるいは対極右というような調査についてもきわめて必要性が高いと思う。そういう使命は十分調査室にあると私は思います。対策協議会の問題につきまして私そういういきさつを知らないという点においては、あるいは御批判の通りの面もあるかもしれませんが、別な意味において、そういう極右極左の動きの関係の情報交換というものが対策協議会の一つの大きな使命であると思いますので、そういう面については十分に協議会と協力して調査を全うして行かなければならぬと思われます。
#18
○吉田(賢)委員 あなたの御説明では、あなたの調査室の存在の価値理由というものがどうも私ども十分に納得できません。
 藤井長官に伺います。今の問題ですが、今聞いてみると、外務省は外務省で、情報文化局において国内の反民主主義活動の情報収集はやつていないが外国のは大いにやつている、こういうことであります。外国についてはまた内閣の調査室が中国の共産党の実態把握を熱心にやつている、あなたの方も、破壊活動の防止法が基本的な根拠になるだろうと思うのですが、これによりましてもこれは何も内地人だけじやありませんで、さつきの御説明によつても朝鮮人も入つておりますから、内外を問わず破壊活動と定義せられるあらゆる団体の運動等についてはあなたの方は調査しておられるはずです。そういたしますと、これはなるほど少しばかり表のかつこうをかえ、内部の間取りを少しばかりかえ、看板も少しばかりかえてというふうに見えるのだが、外務省にあり、内閣にあり、あなたの方は法務省として独立の庁になつており、さらにまた反民主主義活動対策協議会というものを設立される、こういうことなんでありますが、協議会については批判をあなたに求めようとはしませんけれども、要するところ、少しばかり領域が違い、目的が違い、趣旨は違いまするけれども、いかにも似通つたようなものが、あまり多過ぎはしないか。かえつてあなたの方で統一してやる方が便利じやないか。その方がむしろ時間的にも、人間的にも、経済的に的確に把握し得るということが考えられるのです。非常に国家機関が重複しておるような感じがしてしかたがないのです。あなたの方と似たようなことを、内閣の調査室がやつておるし、外務省もやつておる。御説明をお聞きの通り、やはり同じようなことをやつておる。これはどういうふうにお考えになりましようか。
#19
○藤井説明員 私の方は、御存じの通りに、破壊活動防止法が制定されて、それに基いて公安調査庁というものができたのでありまして、主たる目的は、暴力主義的破壊活動をする団体の調査、それからこれに規制処分を求めようというところにあるのでございます。今のお話のように、いろいろそれぞれ異なつた機関で調査をしておる。それならば一つところへまとめたらよかろうというお話もありますが、私公安調査庁は絶対必要だと思うのであります。なおまた、今具体的にこういうことがアメリカにあり、あるいはソ連にあり、フランスにこうあるという、具体的な資料は持つておりますけれども、今申し上げることはできませんが、各国において、こういう種類の調査機関というものは一つじやございません。各外務省は外務省、あるいはもし内務省というものがあるとするならば内務省、方々そういう機関を持つておるのでありますが、何がゆえに持つかということについての理由は、私まだ的確に、責任を持つては申し上げられませんけれども、やはりそれぞれ見方が違う。そこにおいてまた得た資料に対する判断も従つて違うのですから、やはりそういう意味で、各多い少いは別ですが、ある程度機関を別々にしておくのがいいんじやないか、こう思うのでございまして、ただ一本だけの調査機関を持つている国というものについては、私はまだ研究が足りないかも存じませんが、少くとも二つ以上持つているということは、各国あるようでございます。また繰返して申しますけれども、従つて公安調査庁ですべての機関をこれに統合したらいいだろうということについても、私は即答はできません。その点で……、お答えにならぬかもしれませんが、そう申しておきます。
#20
○吉田(賢)委員 あなたの方は破壊活動の団体の調査とおつしやつておるのだけれども、団体の調査ということには同時に個人調査も必要であることは申すまでもないことで、今実際にやつておられるのです。でありますから、団体の調査といい、個人調査といい、これは裏表の関係にもなつて、外務省も内閣もみなこれをやつて行くのだろうと思いますが、単一一本で調査するのがいいか、それとも別々の機関でそれぞれ調査するのがいいか、これはまた別に議論があるところだと思いますが、私の疑問に思いますのは、やはりこういう御説明を聞いたら、あなたの方の御説明も外務省の御説明も、内閣の調査室の御説明も、大体同じことなんです。ただ若干角度や精粗の違いがあるだけのことなんです。同じようなことをみな言つておられる。これはみな別々の見方があつて見るのもいいのじやないかということもあろうけれども、何かそこに脈絡統一、大きな方針というものが欠けて、ばらばらにあつて、お互いが領分を競つておるような感じがどうもせられるので、一応尋ねてみたのです。こういうことをあなたに聞くことは一応資料としてわれわれは聞いておりまするので、やはり内閣の方針を根本において総理にたださなくちやならぬのであります。それで外務省の方にも似たようなことを聞くのですけれども、外務省なりあるいは調査室の方からお答え願つてもいいのです。これは何ですか、たとえば反民主主義活動というのですか、極右極左というのですか、そういつた活動については、お互いに情報交換でもやつておるのですか、それはどうしておられるのですか。それともそういうことはなしにお互いにやつておるのですか。これはひとつどなたからでもよろしゆうございますから、述べていただきたい。
#21
○田中説明員 先ほど外務省関係の仕事の大要を御説明したのでありますが、内閣調査室その他と非常にダブつておるような印象を、私の説明で与えたかと思うのでありますが、外務省のやつておりまする仕事は、申し上げるまでもなく単に一般的にそれぞれ各国の政治なり経済なりその他一般の情報収集をやらしておるわけであります。その一つといたしまし、共産圏の国々の調査、これにはまだ外交関係が開けておりませんので、その周辺の国あるいは間接に得ました資料を本省の方で調査分析しておる、こういう仕事でありまして、情報局が特にこの非民主主義活動に重点を置いてやつておる。これは一つの重点ではありますけれども、それに非常に大きなウエートを置いておるというのではないのでありまして、各国の政治、経済、文化その他を調査しておるその一つとして、共産圏の国々あるいは民主国における共産主義活動というものの調査をしておるわけであります。この報告は外務本省に参るのでありまするが、情報局では、先ほども申し上げましたように、簡単に申し上げますと、内外の新聞記者相手の仕事が主でありまして、十分おちついてこれらの資料を研究しとりまとめるという人手がありませんので、これらは主として地域局でとりまとめておるわけであります。たとえて申しますると、中共関係はアジア局で、またソ連及び東欧の共産圏の状況等は欧米局で、資料を整理して調査をし、これをとりまとめて印刷物等にもいたしておるわけであります。省内におきましても、これらいずれも相互に関係がありますので、定期の会合を開きまして、資料の交換をいたすと同時に、これらの資料のうち、われわれとして国内の関係官庁に参考になると思いまするものは、その都度関係官庁に連絡、報告をいたしております。またわれわれといたしましても、海外のこうした国の情報を収集するためにも、国内の同種の団体の活動の動きというものを知る必要がありますので、また国内の関係官庁から資料をいただきまして、われわれの参考とすると同時に、必要と思われるものは出先にもまわして、それに基いてそれ合、任国における情報の収集に当らせておるのであります。先ほど木村室長の申されましたように、木村室長のところでは―外務省はこういう面でありまするが、それぞれ他の官庁にも同じような担当をしておるところかありますので、それを総合せられておるわけでありまして、外務省も木村室長の方の仕事には密接に協力して参つております。
#22
○稻村委員長 辻政信君。藤井長官は十分後に参りますから、質疑を始めておいてください。
#23
○辻(政)委員 私質問しようと思つたところが、吉田委員から質問なさいましたからほとんどお伺いすることがないのですが、一点だけ田中局長にお伺いすることは、一つラストボロフ事件と外務省との関係、その内容をお話申していただきたい。
#24
○田中説明員 ラストボロフの事件の内容は、私どもはまだ報告を受けておらないのであります。現在御承知のように、検察庁の方で取調中であり、またある者を起訴中でありますが、まだ検察庁の方からも報告を受けておりませんので、私正直に申し上げて何も存じておりません。
#25
○辻(政)委員 あなたの局には関係者はなかつたのですか。
#26
○田中説明員 私の局には関係者はございません。
#27
○辻(政)委員 太平洋戦争の際に、外務省の暗号と海軍の暗号がその以前から完全にアメリカに抜かれていた。われわれの戦つたことはその以前に全部向うがキヤツチしておつた。あなた方は今国内の共産党の情報に苦心をなさつていらつしやるが、あなた方が苦労をして向うの情報をとるより以上に大きなものがこつちからとられている。そうすると、この反民主主義活動の取締りの対象は、外務省内部における綱紀の紊乱と秘密の保持というところに向けなければならぬと私は考えておる。あなたはそれに対してどういうふうにお考えになつているか。
#28
○田中説明員 ラストボロフ事件が起りまして、実は外務省の大臣以下非常に驚かれると同時に恐縮をしておられまして、幹部会でも再三このことが問題になり、今おつしやいましたようにさらに綱紀を引締めて、特に機密保持の関係を厳重にしなければならないということで、官房長が中心になりましていろいろの対案を立てて参つております。実は正直に申し上げて、現在のところでは外務省の機密が漏れたからといつて、国に非常に大きな不利益を与えるというふうな、今お話のありました大東亜戦争直前のような、そういう重要事項は幸か不幸かないのでありますが、しかしともかくそういうことが漏れるということは、国家公務員としておもしろくないことは申すまでもないので、それについては厳重な措置を講じなければならないということで、すでに一、二のものは手をつけております。暗号の機密保持等につきましては、これは特に重要なんでありますが、私も詳しいことは知りませんが、今日は戦争中と大分違つた方法も採用しておるようでありますので、その点については、もう解読したものが漏れるということは、これは今おつしやいましたように綱紀を粛正する以外にないのでありますが、暗号そのものが盗まれて解読されるという心配は現在ではないというふうに考えております。
#29
○辻(政)委員 ごじようだんでしよう、あなた方のお使いになる暗号は一日か二日でみな解読されています。
 それからもう一つ、この協議会はどうも外のものを取締ることに非常に急で、政府機関内部の今私が言つたような点の取締りということができていない。これはあなたにお伺いするのは無理ですけれども、あなた方は外交上の機密はないとおつしやつているが、もちろん今の日本には現在は外交がないのですから、これは何を見られてもいいことは当然です。しかし皆さんの部内における仕事のしぶりがルーズであつて綱紀が紊乱して、それが大きな過失の原因になつていることに自省される必要があるじやないか。新聞や言論を統制したりなんかするより以上にその点が私は欠けているような気がする。これはどうせあなたに申し上げる筋でないから、関連して申し上げておきます。
 それから木村さんにちよつとお伺いしたいのは、あなたの仕事は、この「反民主主義活動対策協議会設置について」という刷りものの第七項に「協議会の庶務は、内閣総理大臣官房において処理する。」とありますが、これはあなたのところで処理するのですか違うのですか。
#30
○木村説明員 まだきまつておりませんようですけれども、私の方では処理しないだろうと思います。官房といいましてもいろいろございまして、調査室だけでありませんが、私の方は情報交換という面において間接に関係がございますから、正しい情報であり、まじめな情報であれば当然協議会に出すべきである。しかしそれ以外に、たしか「庶務」と書いてありますが、庶務ということになりますと、連絡やあるいは準備や資料のとりまとめやその他万般ありますが、調査室は先ほど申し上げましたように、連絡調整というのは情報関係だけでありますので、対策には及びません。従つて関係はしないと思います。
#31
○辻(政)委員 この設置の目的が「連絡等を緊密ならしめるとともに叙上の状勢に対処する綜合的根本対策を協議する」となつている。それからあなたの御説明によると、あなたの仕事は各省関係の情報の連絡調整と重要施策のための情報収集となつておるわけでしよう。そこでお伺いしたいことは、あなたが今やつておられる任務というものとこの協議会のねらいが同じなのですね。従つてあなたの室というものがこの協議会の事務局になるじやないか、こういう意味で私はお伺いしたのです。全然関連はないのですね。それともやるつもりだが、まだそこまで行つていないのだという程度ですか。
#32
○木村説明員 やるつもりはありませんし、現在もそういう状態にはなつていません。ただ情報交換の面におきまして関係がないということは言えないと思います。しかし私の方がそれの協議会の使命の全部をカバーしておりませんので、その点御了解願いたいと思います。
#33
○辻(政)委員 それではもう一つついでに、この連絡調整をやつていらつしやるそうですが、公安調査庁の情報、外務省の情報、国警の情報その他そういうふうな情報は皆あなたのところへ生のままで集まつておりますか。それともこれは出してもいいというつまらぬ情報だけをもらつて来る、大事な情報は役人のポケツトに入れて外に出さぬということがあるが。どういうふうですか、実情を示してください。
#34
○木村説明員 相手方のことですから相手方の全部がわかるかどうかわかりませんが、大体非常に緊密にやつていると思います。
 それから先ほど吉田さんから御質問のありました調査室の使命の中に、実は私参りましてからいろいろ検討しました結果、事実上の組立てとして総合室というのをつくりまして、内閣調査官が六人専任しております。その他に各省から四人兼務が参りまして、これは治安だけでなく、経済、文化あるいは国際情勢等、各省からいただいた資料を全部その総合室にぶち込みまして、できるだけロング・ランの見方で、ある程度底のある分折をしよう、そういう意味でなるべく早耳ということだけでなしに、長い調査を総合的にやりたい、そして政府に報告したいという総合室の組立てをやつております。これは始まつてから半年ですけれども、二、三年先には少し能力が高まるのではないかと思います。
#35
○辻(政)委員 現在の予算は幾らで、三十年度の予算はどのくらい要求しておりますか。総額だけでいいです。
#36
○木村説明員 昨年度は人件費、活動費その他一般を加えまして約九十億万円、これは事務費や庁費、人件費万般含んでおります。それを除きまして活動費としては五千万円くらいです。来年度は今要求中であります。
#37
○辻政委員 私吉田委員のおつしやつたことに完全に同感なんです。実は私は三年前は被告で皆さんに調べられた方なんです。大橋武夫法務総裁は私を追放違反で告発して一その際の私の体験を申し上げてみますが、大橋法務総裁の特審局が毎日、どこへ行つて何をしたか調べに来ます。それから国警が来ます。警視庁が来ます。少くともこの三人が人はかわるが聞くことはみな同じなんです。それでだれそれにしやべつたから聞けというと、非常に憤慨して私に不利なことをする。その都度それを納得行くまで一時間でも二時間でも相手になつてしやべつてやらなければなりません。役人というものは反感を持たすと何をやるかわからない。ずいぶん苦しんだ経験を持つておる。ちようどそれと同じように―共産党活動に関する調査は必要だと思いますが、吉田さんがおつしやつたように、めちやくちやな機構をよけいつくつて、そしてその中の役人がなわ張り根性で自分だけ手柄を立てようとする。この気持がそこに情報屋を養い、官吏の失業者を収容するという……。そして迷惑を受けるものは、あなた方三つの系統から同一人が情報を聞かれるという迷惑です。これについてあなたはほんとうにそういうふうにお考えになりませんか。私はあの点は自分で体験していますから、まさに図星だと思うのです。参つたですね。毎日のように夜でも朝でも来るので、仕事ができないのです。そして来るのは大体巡査程度がその上の係長程度の者でつまらぬことで二時間も三時間も説明せぬと納得できない。こういう被害者の一人としてこれを見ると、吉田さんの質問がまさにその通りじやないかという感じを受ける。これはあなたにお伺いするのはちよつと無理ですから、これでやめておきましよう。
#38
○吉田(賢)委員 ちよつと関連しまして、今の予算のことですが、これは資料で出してください。その方がいいと思います。大体この九千万円はどういうふうに使つて行つたか、その執行状況、それから昨年のものもついでに出してもらいましよう。一十八年度、二十九年度についてはどういうような予算執行の状況であるか、この内訳をできるだけ詳細に書いて出していただきたいと思います。
 それから木村さんに聞いておきますが、もうすでに廃止になつたのだけれども、国立世論調査所とあなたの方との関係はどういうふうになつておつたのでしようか。ちよつとそれを聞いておきたい。
#39
○木村説明員 あれは直接関係ございません。国立世論調査所というのは廃止になりまして、その仕事は内閣審議室の方に移つております。全然人的にも予算的にも仕事の上でも関連ございません。
#40
○稻村委員長 それではきようのいろいろの質問に関する資料を外務省の方とそれから内閣調査室とから出していただきたいと思います。
#41
○吉田(賢)委員 ちよつと今の問題で御相談ですけれども、例の協議会の活動は、これは臆測ですが、中央調査社その他の調査機関に大分金を流して調査させるらしい。それで協議会活動に関する予算、経費、その内容について資料を出さしていただきたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○稻村委員長 それではさようにとりはからいたいと思います。
#43
○田中説明員 外務省にはそういうものはありません。
#44
○稻村委員長 外務省は外務省の見た反民主主義活動の概略に関する報告を出していただきたい。国際的にいろいろな問題がありましようが、その反民主主義活動だと外務省で考えていることの資料を出していただきたい、こういうことです。
 それから内閣調査室には、先ほど言つた予算及び予算の執行に関する問題、それから今非常に重要だと考えている中共に関する調査の特徴的なものの概略を出していいだきたい、こういうことです。
 本日はこの程度にとどめ、次会は明後六日午前十時半より開会いたします。
 これにて散会いたします。
    午後三時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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