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1953/05/27 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第62号
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1953/05/27 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 大蔵委員会 第62号

#1
第019回国会 大蔵委員会 第62号
昭和二十九年五月二十七日(木曜日)
    午前十一時三十分開議
 出席委員
   委員長 千葉 三郎君
   理事 淺香 忠雄君 理事 黒金 泰美君
   理事 山本 勝市君 理事 内藤 友明君
   理事 久保田鶴松君 理事 井上 良二君
      大上  司君    大平 正芳君
      島村 一郎君    苫米地英俊君
      福田 赳夫君    藤枝 泉介君
      堀川 恭平君    中野 四郎君
      福田 繁芳君    小川 豊明君
      片島  港君    春日 一幸君
      平岡忠次郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  植木庚子郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
五月二十七日
 委員有田二郎君及び坊秀男君辞任につき、その
 補欠として堀川恭平君及び宮原幸三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月二十六日
 昭和二十九年の夏季の賞与に対する所得税の臨
 時特例に関する法律案(菊川孝夫君外三名提出、
 参法第一六号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 委員会運営に関する件
    ―――――――――――――
#2
○千葉委員長 これより会議を開きます。
 議事運営について井上良二君より発言を求められてありますので、この際これを許します。井上君。
#3
○井上委員 議事運営に関する意見を申し上げたいと思います。
 去る二十日、本大蔵委員会に付託されました出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案に対する本委員会に承ける採決にあたりまして、内藤委員より自由党、改進党、日本自由党、この三党協同修正ということで、第五条の金利の取締りに関する条文中、百円につき一日三十銭を一日三十五銭と修正の案が提案をされまして、採決の結果この改正案に対しては、自由党の淺香、坊、黒金、山本、大平、藤枝、小西、苫米地、有田、改進党の内藤、福田、これらの各委員の方々が賛成起立しまして、多数で三十五銭に改める修正案が可決されたのです。このことは国会の審議の上において当然のことでございますし、また議員としてその負わされた任務を当然妥当と考えて果された議員の職権でございます。この議員職権を果された方が、去る二十五日の本会議におきまして、本案は委員長代理内藤友明君から委員長報告として本会議に報告がされ、その際これが採決にあたりまして、この委員長報告の多数可決になりました修正案が、本会議では否決されております。しかもこれに対して賛成をいたしましたのは内藤委員長代理ただ一人であります。他の委員の方々は、ある者は国会に出席しておりながら本会議を欠席し、ある者は本会議におりながら、自分が委員会で賛成の決定を行いながら、本会議ではこれに反対の態度を表明をいたしております。このことは国会議員としてはなはだしくその任務の遂行の上に疑義を生ずることであり、またわれわれ大蔵委員といたしましては、本案件が非常に重要な意義を持ちます関係から、長い日時を要しまして慎重審議を重ね、最後に各党でいろいろ懇談会を開くこと数回に及び、最終的にこの修正案に対する各党のそれぞれの妥協的な話が成り上り、その結果修正案がおおよその見当がつきましたとき、自由党側におきましては、党内の諸般の情勢や、またこれら関係業者等のいろいろな関係を考慮いたしまして、慎重審議の上で数日態度保留をして来たのであります。数日間の党内における諸般の情勢から態度をきめることができずにいろいろな形で審議をされて、最後の結果内藤氏の修正案に対して賛成の態度を明確にされて表決をしたので、このことを本会議において否決するというこの議員の行動は、私ども同じ議員として大蔵委員会の決定を一体どうお考えになつておるか。これは大蔵委員会の今後の議事運営の上に非常に大きな汚点を残すのみならず、今後われわれは、円滑にして、かつ信頼の置ける議事運営ができ得ないことになりはせぬか。かような意味に考えまして、本日から、まだ数件本委員会に付託された法律案がございますが、これらの法律案は、いろいろ審議の結果修正をせざるを得ない部分が多数ございます。それらの修正案がかりにここで議決されましても、本会議においてそれが再び否決されるということが起ります場合は、大蔵委員会の審議決定というものは、まつたく無効にひとしい結果を生むのでありまして、国会の議事運営上きわめて重大な問題をここに提供しておるのであります。さような意味から、われわれ今後法案を審議する上において、金利取締りに関する法律案の修正をし、これに賛成討論をしておいて、そして本会議においてこれを否決するということが同一政党において、同一議員において行われるということがもし許されるとするならば、これは国会の最高権威を冒涜するのはなはだしき行動でありまして、われわれは断固としてこの行動は許すべきでないと思うのであります。
 従つて委員長は、一体この取扱いに対し、かつまた本委員会に出席しておつてこの法案に対して賛成を述べられた方々が、いかなる理由のもとにおいて本会議においてこれに反対のために本会議場を欠席し、あるいは本会議においてこれに反対の態度をとられたか、この点が明確になりますまでは、大蔵委員会はこれ以上審議を進行さすわけには相なりませんが、委員長としてはいかにこの問題をお取扱いになりますか。またこれら各案に対して賛成をされ、賛成討論をされた議員の方々のそれぞれの弁明が納得されるまでは、私どもはこれ以上この議事を進めるわけには相なりません。この点に対して委員長においてそれぞれ適当な処置をおとりを願うように、私はこの際要求いたします。なお詳しいことをいろいろ申し上げ、国会法その他の規定をここに持ち出し、あるいはまた参議院において、かつて小川議員が委員会では反対し、本会議では賛成をいたしまして、ために議員としての資格を備えてないというところから除名になつておりますこの事実を考えて、問題はきわめて重大でありますから、いま少し掘り下げて議論をしたいのでありますけれども、同僚議員その他の関係のこともありますので、私はこの程度の意見を申し述べまして、私の発言は終りますが、これは重要な問題でございますから、ひとつ慎重に態度を御決定を願いたいと思います。
#4
○千葉委員長 ただいまの井上委員の御発言でありますが、関連いたしまして他に三君からそれぞれ発言を求められております。それが終りましてから、委員長としてお答え申し上げたいと思いますから、さよう御了承願います。春日君。
#5
○春日委員 ただいま井上委員によつて提議されました問題は、これは国会の権威に触れる問題であり、のみならず、これはまつたく議員の政治活動の生命に触れる問題であろうと思います。まず国会における表決権というものをめぐりまして、衆議院規則第五十二条におきまして、「表決の更正を求めることができない。」一旦賛成したならば、これは当然賛成を貫かなければならないものであり、反対をしたならば、同一案件についてこれに反する意思表示を行つてはならないということを、衆議院規則五十二条は厳粛に規定いたしておるのであります。従いまして、この表決権は議員の生命に関する問題であり、これは政治活動の象徴であると思うのでございます。これを無視してこの衆議院規則に反する行動を行うという事柄は、これは当然議会の秩序を乱すものでありまして、しかもこれは議院の品位を傷つけることまことに甚大でございまして、これはまさに国会法が規定いたしております懲罰に関する事柄であろうと思うのでございます。われわれはこれについて、いろいろと国会における前例等を調べて参つたのでございますが、あたかもこれと軌を一にする事柄といたしまして国会が取扱つて参りました前例は、昭和二十五年四月三日の参議院における小川友三君の表決に関する態度の豹変についての処理でございます。すなわちこの小川友三君は、昭和二十五年度の予算審議にあたりまして、本会議において反対討論をしておきながら、みずからのその表決は、これに賛成の表決をいたした。従いましてこの事案は、議院の品位を傷つけ、国会の祝序を乱すこと甚大なりといたしまして、議長職権をもつてこれを懲罰に付せられました。しこうして、ここにその懲罰委員長の報告が述べられておりますが、いずれも各党一致いたしまして、かくのごとき破廉恥きわまるところの国会議員とは、ともに審議の府に連なることを潔しとしないとして、これを満場一致をもつて除名処分に付しておるのであります。まことに極刑をもつて事の処理をいたしておりますのは、すなわち議員の表決権というものの尊厳をいずれも重視しての事柄であろうと思うのであります。民主主義の基本的原則は何であるかということは、今ここでくどくどしく論ずる必要はないでございましようけれども、かくのごとき破廉恥な行動が国会に許されてはならないと思うのでございます。従いまして、この問題は特に重視しなければなりませんが、この自由党の態度というものは、単にこの事柄だけにはとどまらないのでございます。すなわちすべての法律案は、閣議の決定をもつて国会に上程されるのでございましようが、さきには企業資本充実のための資産再評価の法律案をめぐつて、原案提案者であるところの大蔵大臣がみずから法案に反対をして、これを修正したところの案に賛成投票しておるという、これまた破廉恥きわまるところの行動が黙過されておる。さらに数日前におきましては、学生の選挙権をめぐりまして、政府みずからが出したところの法律案に対して、現実にそれに反対する投票、すなわち政治的自殺行為が行われて、本日までこの事柄が論ぜられておりません。従いまして、かえつて国会において小川君に対して懲罰をもつて臨んだようなかくのごとき重大問題が、本国会におきましては日常茶飯事のごとく看過されておる。かくして国会の品位、権威は日とともに失墜されておると思うのでございます。まるでうそつきであります。君子は豹変すということわざがありますが、かくのごときでたらめと、うそつきと破廉恥をもしも本委員会が看過するといたしますならば、ここにおきます一切の決定事項というものは何の権威も持ちません。われわれの論議は単なるその場におけるだじやれにしかすぎないことになる、漫才や落語と何らかわりがないのであります。そういうようなことで、はたして私ども議員たるの職責を貫くことができるでありましようか。従いまして、これは前例に徴しましても、さらにまた国会法、衆議院規則に規定されておりますところの表決に関する事項、さらにまた懲罰に関する各条章に照しまして、明らかにこれは懲罰に値する事柄であろうと考えられますので、委員長は、委員長職権をもつてこれを懲罰に付するの意思ありやいなや、この問題について委員長の御答弁をお伺いしたい。委員長にしてその決意がないといたしますならば、われわれは議員の権限を行使することによつて、この衆議院規則に規定されておるところの処断を行うの余儀なきに至るかもしれないと思うのでありますが、本件に対する委員長の御答弁をお願いいたします。
#6
○内藤委員 私はきのうの懇談会でいろいろと意のあるところを申し述べておいたので、いまさらくどくどしく申し上げる必要もないと思うのでありますが、ただ残念に思いますのは、先ほど井上君が指摘されましたように、この大蔵委員会の審議は安んじて進めることができないということであります。いろいろと相談をしてとりきめて、それを委員会の一つの決定事項としたものがくつがえされるということでありますと、われわれはとうていこの審議を進めることができないというように考えられますので、委員長は将来こういうふうなあり方についてどうすればよいのか、そういうことについて委員長の御所見をこの際お伺いいたしたいと思うのであります。もしできますならば、この大蔵委員会が軌道に乗るために、委員長から自由党の幹部に対して、自由党からお出ましになつておられる大蔵委員全部の御交代をひとつ願わなければ、この大蔵委員会が軌道に乗つて審議することができないのではないかと思うのでありまして、委員長にそのことをひとつお頼み申し上げたいと思うのであります。
#7
○小川(豊)委員 私のお尋ねしたい点もほとんど同じですが、去る七日小笠原大蔵大臣が、資産再評価の問題で投票に加わつた。原案の提出者である大蔵大臣が、あの本会議の採決にあたつて、釜谷総務会長にまるで鶏のように追い立てられて、顔をまつ青にしてあの投票をした。あの不信行為というものは、(「植木先生もそうだ」と呼ぶ者あり)植木先生もそうでありますが、これは議員の責任を解さざる、まつたく議会の名誉を傷つけた醜態だと思う。今回のこの出資の受入れの問題についても、少くとも委員会で議決されておるのですから、その委員長の報告に対して与党は当然賛成する義務があるわけです。責任があるわけです。ところがこの問題については、それとまつたくひつくり返つたような態度をとつたということは、これは議員の責任を理解しない行為だといわざるを得ない。そういうことから、今後この委員会でどういう問題を審議して行つても、おそらく修正案というものが相当出て来るだろう。その場合に、われわれはそういう不確定な、確信のない、
 いつ変更するか、自分で提案しておいてしかもそれが守れないようなそういう方々と一緒にこれを審議してもおそらくむだであろう、こう考えざるを得ないのであります。今後この委員会の審議を進めるについては、この点を少くとも明確にしていただいてわれわれは審議に当りたいと思うのであります。その点を明確にされることをお願いします。
#8
○千葉委員長 議事の運営についての御発言は以上四人で終ります。その発言内容は、お聞きの通りきわめて重要なものでありまして、すなわち第一の井上委員の発言においては、一昨二十五日の本会議における委員長報告に対して反対されたことは、当委員会におきましては三派の修正でまとまつておつたことだ、それなのに本会議において反対な意思表示がなされたということは、将来の委員会における審議ができない、そこでこれに対してはつきりした保障を得たい、いかなる具体的な方法で保障を得るか、それができなかつたならば本委員会の審議を進めるわけに行かぬ。こういうことが大体において井上委員の御発言の内容でありました。
 また第二の春日委員の発言の内容は、衆議院規則の第五十三条の表決権の問題、それに対して今回の欠席者その他を委員長は処罰するように適当な機関に申し入れる意思があるかどうかという、これまたきわめて重大なる発言であります。
 それからさらに内藤委員におきましては、この将来の保障をはつきりするために、自由党から選出されている大蔵委員全部の入れかえを行いたい、その旨を自由党の幹部に委員長から申し入れてもらいたいという発言でありました。
 さらに第四に、小川委員の発言の内容は、ほぼ井上委員と同様のものでございまして、この将来に対するはつきりした保障を得なかつたならば審議を進めるわけに行かぬが、これをどうするかという御意見のように承りました。
 以上の発言の内容は、当委員会にとりましてきわめて重要でありまして、おそらくは委員会始まつて以来の重要さであると思うのであります。そこで私委員長としてお答えするよりも、お答えする前に理事会を開きまして、そうして十分審議をして、それから後に委員長のお答えを申し上げたいと思います。さように御了承願います。
#9
○春日委員 この事案は、理事会の検討を経なければ結論を得られないというような事柄ではないのであります。これは衆議院規則におきまして明確に議員の行動を律しておる各条項に照しますれば、私がただいま委員長に質問いたしました事柄は明らかに懲罰に値する事柄であるのでございまして、この際国会がこういう問題をどういうぐあいに取扱つておるかということを前例によつて徴しまするならば、すなわち昭和二十五年四月七日の本会議におきまして、参議院の懲罰委員長太田敏兄君は次のごとくこれを論じております。すなわち「会議の基本的原則を無視して委員会における表決及び本会議における討論と相反する表決を本会議において行う」、このことは「議員の体面を汚した行為と認めた」ということで、これを懲罰に付しておるのでございまして、しかもそのことは、衆議院規則においては明確にこれを規定いたしておる事柄でございます。従いまして、私は、この問題については委員会あるいは理事会の討議を経なければならない事柄ではないと考えまするので、従つて私はこの際次のごとき動議を提出いたします。すなわちこの法律案に関係をいたしまして、本委員会において表決をいたしたところと本会議におけるその表決とが相異なつた表決をいたしたところの議員は、これは議院の権威を失墜し、議院の品位をそこねておるという意味合いにおきまして明らかに懲罰に値する事柄と思いますので、委員長職権においてこれらの諸君を懲罰に付せられたいという動議を提出いたします。
#10
○井上委員 ただいま春日君からの発言はきわめて重大な問題を含んでおりますし、かつその及ぼす結果は非常に重大でございますから、暫時休憩をされまして、この問題の取扱いについて慎重に御協議願いたい。
#11
○春日委員 ただいま動議が提出されました。成規の賛成者も得ました。従つて動議は成立しておると思います。しかしてその後休憩されたいという井上委員の御提案に対しては賛成いたします。従いまして、動議は成立した形において休憩されんことを望みます。
#12
○千葉委員長 ちよつと申し上げます。委員会における委員長におきましては、懲罰の権限がないそうでありますから、この点は……。
#13
○春日委員 そんなことはありません。私は国会法の権威でありますが、(笑声)ちやんとここにあります。議長並びに委員長懲罰に付せざる場合は、議員がこれを懲罰事犯として議長にこれを申入れることができるのでありますが、議長並びに委員長は、この衆議院規則何条かによりましてそういうことをする権限があるのでございます。すなわちこれは申し上げておきますが、衆議院規則二百三十五条「議長又は委員長において懲罰事犯と認めない事件について」、そういう場合において、議員はこれを懲罰事犯として動議を提出することができるのでありますが、委員長職権においてこれを懲罰事犯として取扱うことは、衆議院規則二百三十五条によつてこれは保障されておる事柄でございます。私は、この問題は委員会全般に関連する事柄だから、われわれが動議を提出する前に、委員長職権によつてこれを懲罰に付せられたいということをあなたに申し出たのでありますが、あなたはこれは理事会に諮るとおつしやるものだから、私は個人の資格においてこの動議を提出し、しこうして成規の賛成を得たのであります。これは当然その動議が成立した形においてひとつ理事会におはかりを願いたい。以上の通りであります。
#14
○福田(繁)委員 春日君の動議はしごくごもつともで、非常に重夫であります。そこで私はこの春日君の動議に対して、国会法に基いて動議を提出する。それは何となれば、春日君のただいまの動議を議題として、ただちに理事会を開かれんことをお願いする。これを私は動議といたします。
#15
○千葉委員長 そういたしますと、先ほどの井上君の動議は、あわせて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○千葉委員長 御異議なしと認めます。
 しばらく休憩いたします。
   午後零時休憩
ソース: 国立国会図書館
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