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1947/07/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第12号
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1947/07/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第12号

#1
第001回国会 本会議 第12号
昭和二十二年七月五日(土曜日)
    午後一時四十五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十一号
  昭和二十二年七月五日(土曜日)
    午後一時開議
 第一 食糧放出に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案(淺沼稻次郎君外十三名提出)
    (委員会審査省略要求事件)
 第二 捕鯨許可に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案(淺沼稻次郎君外十三名提出)
    (委員会審査省略要求事件)
 第三 皇室会議の予備議員の選挙
 第四 皇室経済会議の予備議員の選挙
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○副議長(田中萬逸君) これより会議を開きます。
     ―――――・―――――
   第一 食糧放出に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案(淺沼稻次郎君外十三名提出)
   (委員会審査省略要求事件)
#3
○副議長(田中萬逸君) 日程第一は、提出者より委員会の審査省略の申出があります。申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。
 よつて日程第一、食糧放出に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。提出者馬越晃君。
    〔馬越晃君登壇〕
#5
○馬越晃君 ただいま議題となりました、各派共同提出の、食糧放出に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案の趣旨を弁明いたしたいと思います。まず決議案文を朗読いたします。
   食糧放出に関し連合國最高司令官に対する感謝決議
 終戰後わが國は、今までかつてない食糧の飢きんにおそわれ、國民の生活は、日に窮乏の度を加えている。この時にあたつて、連合國最高司令官は、昨年の夏以來、しばしば米國よりの輸入食糧を放出されて、わが國民を飢えと困窮から救われた。全國民は、ひとしくこのことを感謝し、その高い人道精神に感激している。ここに、われわれは、乏しきに耐え、足らざるをわかち、いよいよ同胞愛を深くして、最高司令官の厚意に報い、この苦しみを切り抜けようと決意している。
 衆議院は、院議をもつて連合國最高司令官に対し深い謝意をあらわす次第である。
 右決議する。
 私はここに諸君とともに、全國民を代表いたしまして、連合國最高司令官閣下が、わが國刻下の打続く食糧飢饉につき寄せられつつある厚き御同情に対し衷心より謝意を表するものであります。
 思うに、終戰以來すでにニ箇年に近い時日を経過いたしてまいつたのでありますが、この間わが國といたしましては、新らしき民主國家を再建すべく、日夜努力を続けてまいつたのであります。この間にあつて、これが大きな障害となつたものは、すなわち食料の不足であります。殊に昨年の五、六月の危機においては、まつたく憂慮にたえぬ実情にあつたのでありますが、連合軍最高司令官閣下の絶大なる御努力と御援助によりまして、七月以降大量の輸入食糧の放出許可があり、まつたく起死回生と申しまするか、全國民ことごとくが非常な安心を得、かつ前途への光明を見出したのであります。米及び甘藷の豊作があつたとはいえ、依然わが國の食糧不足の事態は継続しておるのであります。
 しかるに、この間におきまして、連合軍最高司令官閣下に置かせられましては、わが國民の食生活の窮乏が、日本再建への障害となつておることを御洞察くださいまして、政府の切なる懇願を容れられ、昨秋には、配給基準量の引上げを断行することを得たのでございます。しかして本年度におきましては、わが國民の食生活の慣習を十分御考慮せられまして、混食率を可及的平均化いたしまするために、本年一月から三月にわたりまして、きわめて計画的に、二十一万七千トンの輸入食糧の放出を許可せられ、かつこれに伴い、これと同量の身替り米を貯藏し、もつて夏場の米不足の時期に、多少なりとも米を配給し得るよう、こまかい御配慮をくださいまして、昨年に比し、さらに一段と國民の食生活改善と救済のために、絶大なる御努力と御援助を與えられたのでございます。
 その後、四月以來、身替り米の貯藏なしの純放出許可が與えられたのでございまして、すなわち、四月には十万三千トン、五月には十六万六千トン、六月上半期には、十一万五千トン、同下半期には十三万トン、合計五十一万四千トンの放出を、その時々の食糧事情に基いて許可せられ、昨年五月、六月のごとき、きわめて緊迫せる事態を惹起することもなく、中間端境期も乘り切ることができまして、新麦と新馬鈴薯の供出時期を迎えますることを得ましたことは、実に世界的食糧の不足の中にあつて、対日輸入確保のために絶大なる御努力を拂われ、かつきわめて厚意に満ちた、実情に即せる放出許可を実施せられ、わが國再建のための基礎たる食糧事情の安定に対し、深甚なる御配慮のもとに御援助を與えられたことは、全國民のひとしく感謝に絶えざる次第でございます。
 今日まで、連合國最高司令官閣下が、高き人道的精神に立脚せられ、わが國民を飢餓と困窮から救われ、前途に明るい希望と光明とを與えられ、われ等の祖國再建への努力を、深き好意をもつて鞭撻せられておりますことに対しまして、われらは深き感謝と感激を覚える次第でございまするが、この御好意と御助援とに対しまして、われら國民は、乏しきに耐え、足らざるをわかち、いよいよ同胞愛を深くいたしまして、今後の難局を切り拔け、眞に平和的な民主國家を、一日も早く築き上げなければならないと存じます。(拍手)
 ここに衆議院は、全國民を代表して、院議をもつて、民主日本再建への固き決意を表明いたしまするとともに、連合國最高司令官閣下に対する深甚なる謝意を表し、今後とも一層の御援助と御同情を仰ぎたく、本決議をいたそうと存ずるのでございます。何とぞ満場の諸君の御賛成を御願いたしたいと存じます。(拍手)
#6
○副議長(田中萬逸君) これより討論に入ります。野溝勝君。
   [野溝勝君登壇]
#7
○野溝勝君 ただいま上程になりました、食糧輸入感謝に対する決議案に対して、賛成の意見を申し述べたいと思います。連合國への食糧輸入の感謝決議に対し、私は若干の意見を加えまして、本決議案に賛成をいたしたいと存ずるものであります。
 敗戰以來、わが國の食糧事情は、継続的に食糧の危機に際会したるにかかわらず、いつも連合國の援助により、その死境を脱出することができたのであります。この点、日本國民は骨の髄に徹し、心から連合國の善政に感謝の念を禁じえなかつたのでございます。
 日本國民としては、敗戰に対し冷嚴なる自己批判の上に立つて、みずからの運命を開拓することに乘り出しておる次第でございまして、全國民は必死の努力をもつて、これに應えんとしておる次第でございますが、何といつても戰爭の犠牲が莫大にして、生産再開、産業の復興等をいろいろと企画努力はいたしておりましても、なかなか容易に進捗をいたさないのでございます。殊に生産再開は、食糧にその基調をおかれるのでありまして、生産者たる農民は、あらゆる障害を乘り越え、日夜懸命の努力を傾倒しているにかかわらず、その食糧事情は、今日において一層破局の樣相を露呈するに至つたのであります。
 しかるに、連合國では二十一米穀年度においても、輸入食糧を二十四万六千トン、約百五十七万石も放出を許可されておつたのでございます。世界各國、その食糧事情の窮迫を告げておる際、連合國のわが國にとられたる理解ある措置は、偉大なる精神の現われとして、われわれは感謝感銘している次第でございます。
 しかし、わが國の食糧事情は、連合國も御承知のごとく、政府の手持米をほとんど食い盡し、供出も全力をあげているのでありますが、すでにこの供出につきましても、底を打ちまして、それに加うるに、轉落農家の揄チや、海外の引揚げ同胞あるいは復員者等々で、配給人口は次第に揩オて、ひところは、月間わが國の需要量は三百万石程度でよかつたのでございますが、今日では四百五十万石という消費量がなくては、月間の需要を滿たすことができない段階にはいつてきたのでございます。
 しかるに、七月に持ち越された政府米は、わずか百四十万石程度でございまして、端境期の十月までを突破するためには、政府自身においても表明されているごとく、新麦あるいは新馬鈴薯、あるいは早場米、あるいは甘藷、及び二十一年の産米の追加供出の残り分、ないしは調味料あるいは副食物までも抑制して、これが七月、八月、九月、十月のこの四箇月間を突破せんとする意図にいでておるのでございます。しかし、政府の構想しておりますところのこの四箇月間の供出量は、八百六十二万八千石でございまして、これを月間の所要量四百五十万石からすれば、二月間の消費量しかないということになるのでございます。七月より十月までの食糧確保率からみると、國内確保では、六割だけの解決しかできないという、決定的な事実がここに現れておるのでございます。そればかりではなくて、今日の天候事情から見るならば、新麦あるいは新馬鈴薯は、相当減收をするものではないかと、私は予想しておるのでございます。政府の需給数量に対しましても、私は一抹る不安をもつておるものでございます。
 よつて、この七月の食糧事情は、本年においては最大の食糧危機に見舞われるものではないかと思われます。これでは、日本の復興も水泡に帰し、せつかくの連合國の好意に対しましても、その実を結ぶことができないようなことになるおそれがありはせぬかと、憂慮するものであります。われわれは、この危機を乘切るために 政府をはじめ、食糧の生産者も、消費者も、おのおのがその職場を察し会いまして、この危機を乘切るために、最大の努力をいたすことはもちろんであります。
 しかし、なんといいましても、絶対量が不足している以上、連合國の援助にまつて、食糧の輸入放出を得なければ、この危機乘切りは至難と存じます。世界の食糧事情の切迫しておる今日、アメリカ合衆國の絶大なる援助によらなければならないのでありまして、われわれは、連合國に対し、今日までの好意を深く謝するとともに、なお今後の食糧輸入を懇請し、ここに厚く感謝いたしまして、本決議案に賛成するものであります。
#8
○副議長(田中萬逸君) 周東英雄君。
    〔周東英雄君登壇〕
#9
○周東英雄君 私は、ただいま上程いたされました、食糧放出に対して連合國最高司令官に対する感謝決議に対し、日本自由党を代表いたしまして、賛意を表するものであります。
 御承知の通り、現下の重要問題であります基礎産業の復旧も、インフレーションの抑止も、はたまた適性物價、最低賃金の決定等の問題も、そのいずれもが、食糧の供給の成否に重大な関係をもつておるということは、申し上げるまでもありません。しかるに、今日わが國の食糧事情は、終戰以來いろいろな事情が因となり果となり、あるいは相重なり合いまして、常に不足がちになつておりまして、國民生活は日に日に脅かされておりましたために、國民の多くは、まず生きんがために急なる余り、そのおのおのの職場における眞の活動もできず、本意ならずも、たびたびの賃金の値上げの要求に終始しているために、物價と賃金の惡循環を生じ、延いては、産業の復興も、インフレーションの防止も、できなかつたというのが現状であります。
 しかるに、連合國最高司令官は、昨年の夏以來、先ほど提案者がお示しになりましたように、数次に互る米國よりの多量の食糧の輸入をいたされ、殊に米國といたされては、世界十数箇國に対して食糧の供給をされている立場から、人類愛に基いて、國内における食料の節約をされてまでも、わが國に大量の食糧を輸入されまして、それがために、國民を飢餓と窮乏から救われたのであります。しかもこのことは、実にわが國民の飢を救われたということだけでなく、同時にこのことが、わが國の産業の再建、経済の安定ということに対してもつ重要な効果というものは、多大なるものがあると信ずるのであります。われわれ國民は、この連合國の好意に対しても、まず現在應急の問題といたしましては、何としても國内において相互扶助、同胞愛に徹して、生産者と消費者との相互間における深い理解に立つて、足らざるうちにもなお供給し、乏しきに耐えつつ、食糧問題につきまして、國内におけるあらゆる手段を講じ、でき得る限り速やかに根本の食糧対策について確固たる政策を立てつつ、この連合國の好意に報ゆることが、日本國民の義務でなければならぬと考えるものであります。
 私は、簡單に以上賛成の趣意を申し述べまして、本案に賛成するものであります。(拍手)
#10
○副議長(田中萬逸君) 坪井亀藏君。
   [坪井亀藏君登壇]
#11
○坪井亀藏君 私は、ただいま議題となりました、食糧放出に関し連合國最高司令官閣下に対する感謝決議案に対しまして、國民協同党を代表して賛意を表し、なおかつ國民諸君とともに、謹んで好意あるマツカーサー連合國最高司令官に対しまして、衷心より感謝の意を表明するものであります。
 さて、私が申し上ぐるまでもなく、わが國の食糧事情は、戰前戰後を通じ、年々の絶対量の不足は、何といたしましても、この事情にありましては、どうすることもできないのでございます。特に終戰後における食糧事情は、日一日と窮迫を告げるのみでありまして、昨春以來、新聞・ラジオにより、わが國津々浦々に至るまで、しばしば報道いたされました通り、わが國において、年間約一千万石の輸入食糧を仰がなければ、約一千万人の餓死者が続出するであろうと、國民は実に不安さながらであつたのであります。しかるに、一方惡性インフレーシヨンによりまして、物價は高騰の一途をたどりつつある折から、生活のためには國民道義も失墜いたしまして、食糧の買出に至るまで、実に見るも哀れな窮乏と飢餓に陷らんといたしましたことは、今なお記憶に新たなるところでありまして、國民ひとしく憂慮するところであります。
 昨年六月二十二日の本会議に置きまして、和田前農林大臣より、連合國最高司令官の好意による食糧放出許可の報に接し、その後、全國中最も食糧の窮迫せる大都市を初め、各地域に対し、多量の輸入食糧の放出をいたされまして、引続きたびたびの食糧放出を賜りましたので、全國消費都市及び國内一般に、遅配・欠配の少くなつたことは、まことに感謝にたえないところであります。当時、加州米や純白な小麦粉等、その他数々の食糧放出をいたされまして、今日まで一名の餓死者を出さなかつたことは、連合國最高司令官の好意によるところであります。本年に至るも、前年以上の食糧放出許可を賜り、著々遅配・欠配地域に配給せられつつあることは、國民の感謝感激、この上もないきわみでございます。
 連合國最高司令官閣下は、わが國新憲法実施のもと、一日も早く民主主義平和文化國家の実現のために、人類愛、博愛の崇高なる精神の発露よりいたしまして、わが國食糧危機を救うために、百方手段を盡されまして、昨年來、米國本土におきましては、大統領みずから節食の範を示され、元大統領フーヴァー氏を團長とせる調査團を日本に派遣されまして、その調査に基き、日本に対する食糧輸入につき、絶大なる努力を拂われ、わが國の直面せる食糧危機に対する好意ある放出支援は、これまた國民の感謝にたえない次第であります。
 わが國本年の食糧事情は、寸時も樂観を許さず、前途まことに憂慮にたえず、去る三日平野農林大臣の答弁によつて、わが國現下の食糧事情は明瞭となりましたことは、私が述べるまでもなく、本年度は、昨年以上各地に遅配・欠配を見るに至つておることは、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。わが國食糧の自給計画上、実に今後二百五十余万石の不足を予想されるのでありまして、本年の米作が平年作でありましても、國内自給の見透しがつかないのでありまして、今日は、ぜひとも連合國最高司令官に、食糧の輸入懇請をお願いする以外に、他に方策はない次第でございます。マツカーサー最高司令官が、本年度特に昨年以上の食糧放出許可をいたされましたことは、わが國が、これによつて同胞愛の自覚を深め、相互に乏しきを分ち合い、足らざるを補いまして、博愛の精神に奮い起つならば、これはひとり日本の幸福のみではありません。世界人類のため、偉大なる事業と申されなければならぬのであります。
 かくして、われら國民も総力を結集し、食糧搦Y確保はもとより、特に生産者においては、進んで食糧の自主的供出の完了を果し、消費者は生活の改善をはかり、思い切つた消費現正を断行いたしまして、現下食糧危機突破の実をあげる覚悟を新たにいたさなければならぬと存じます。
 以上私は、簡單でありますが、國民協同党を代表いたしまして、衷心より決議案に賛意を表する次第であります。(拍手)
#12
○副議長(田中萬逸君) 中村元治郎君。
    〔中村元治郎君登壇〕
#13
○中村元治郎君 文化日本の建設とか、祖國の再建とか申しますが、言うはやすく、行うはまことに難いものであることは、敗戰日本國民のひとしく知るところであります。古來わが國には、腹が減つては戰にならぬということばがありましたが、今日これは、腹が減つては祖國の再建ができぬという言葉に置き換えられるの段階に立至つたのであります。
 青少年の不良化といい、あるいは凶惡なる、血なまぐさい事件の頻発といい、國民生活のあらゆる面において、今日ほど社会惡の満ち満ちている時代はありません。しこうしてこれが原因は、あげて國民大衆が滿足に食えぬという現実に根ざすものであり、わが國における政府当局が、あらゆる政策に先んじて、鋭意これが解決をなさねばならぬことは、現下の食糧危機の克服であります。しかるに、不幸にも國土狭隘にして天然資源に乏しく、しかも地味肥沃ならざる不利なる條件下におかれ、かつ敗戰に伴う國民数の増大は、いよいよ食糧事情を窮屈なものとし、政策の面において技術的に解決すべきことは、不幸にしてとうてい不可能なことであります。
 しかるところ、先般來たびたび連合軍の好意により、多大の食糧が、窮乏に困惑せるわが國民に向つて放出せられました。思うに、食糧不足の問題は、ひとりわが國のみの問題でなく、世界的のものであるにもかかわらず、人道的精神と、高邁なる愛情とをもつて、この挙に出でられましたについては、全國民ひとしく感謝感激いたしておるものであります。この好意ある放出により、全國各地の消費者にして、遅配に次ぐ遅配にあえぎ、あすはおろか、きようただいま、口にすべきものさえない人々は、旱天に慈雨の惠みたるこの放出食糧に対し、涙を流しておしいただいたことでありましよう。特に食い盛りの、頑是なき多数の子供をもつ家庭の喜びは、果していかばかりであつたでありましよう。この感謝感激をもつて、わが國民はいよいよ同胞愛の自覚を深め、乏しきをわかち、足らざるを補い、相ともに努力し、もつて文化的祖國の再建に微力をいたすべきことを内心固く期したであろうことを、私は信ずるものであります。
 ここに連合軍最高司令官に対する感謝決議案に対し、私は第一議員倶樂部を代表して、心から賛意を表する次第であります。(拍手)
#14
○副議長(田中萬逸君) 高倉定助君。
    〔高倉定助君登壇〕
#15
○高倉定助君 私は、日本農民党を代表いたしまして、本決議案に滿腔の賛意を表するものであります。
 わが國現下の食糧事情は、すでに各派代表の方々によつて述べられた通りでありまして、まことに深憂にたえざる次第であります。御承知のごとく、わが國は終戰以來、國をあげてポツダム宣言の忠実なる履行と、平和國家再建の完成に、全力を傾注しつつあるのでありまするが、この國家再建の途上において起りまして一大障害は、実に食糧問題なのであります。
 戰前においてさえ食糧の自給のできなかつたわが國は、終戰により狹められました國内において、海外よりの引揚者、あるいは復員者等、多くの人々を養わなければならない今日、しかも輸入食糧の途なきに至つたわが國といたしましては、食料の不足が決定的になつたことは、御承知の通りであります。食糧は、國民生存の源泉であり、あらゆる産業の基本をなすものでありまして、食料の不足は、インフレの搨キ、やみの横行、しこうして國民の道義心の廃頽を來し、從つて生産の減退を來すに至りましたことは、まことに憂慮にたえないところでありまして、今日の場合、國家再建どころか、かえつて滅亡の一途をたどるのほかなきを憂えるものであります。
 この重要なる食糧の生産に從事する農民は、その責任において、肥料の不足、資材の不足、その他あらゆる惡條件のもとにあつて、われらの天職に向かつて默々として生産の増強に努力を続けるとともに、最近の食糧事情に鑑みまして、農民は相互扶助の精神を発露いたしまして、國家の要請にこたえ、裸供出までしているのでありまするが、それでさえ、なお不足を告げているのであります。各消費地におきましては、遅配が少くとも一週間、北海道のある村のごときは、遅配実に七十四日という有樣であるにかかわらず、食生活を通じ、あらゆる工夫をいたし、窮乏生活に耐え忍びつつ、再建に努力している次第であります。
 この間、連合國最高司令官閣下は、しばしばアメリカより輸入食糧を放出せられまして、この困窮から救われましたことは、國民のひとしく感謝感激している次第であります。この際われわれは、この重ね重ねの御厚志に甘えることなく、あくまでも勤労を通じ、高度の技術を発揮いたしまして、食糧の搦Yに精進するとともに、残されてありますところの未利用のあらゆる資源を開発することはもとよりでありまするが、一面確固たる食料政策の改善と、公平なる配給計画等の問題を速やかに解決いたし、食糧の自給体制を樹立いたし、民生の安定をはかり、もつて平和國家建設に向つて、國民一致協力、邁進せねばならぬのであります。
 ここにマツカーサー最高司令官閣下に対し、深甚なる感謝の意を表するとともに、本決議案に全幅の賛意を表する次第であります。(拍手)
#16
○副議長(田中萬逸君) 林百郎君。
    〔林百郎君登壇〕
#17
○林百郎君 私は、日本共産党を代表いたしまして、本日発議せられたる、食糧放出に関し連合國最高司令官に対する感謝決議に対し、衷心より賛意を表するものであります。
 本決議においては、今後も一層連合國の援助と救済を懇請するという趣旨が述べられてあるのでありますが、われわれは、これがために、われわれみずからが、みずからの手によつて、この困難なる問題を解決するための最善なる努力をする覚悟を、まずきめなければならないと思うのであります。われわれは、みずからが死力を盡すことによつて、初めて國際的な信頼をかち得、これによつて本提案の趣旨も全うせられるものと思うのであります。
 しからば、われわれが今後なすべき努力は、いかなる方向においてなすべきかということを、申し述べてみたいと思うのであります。まず第一には、農民をして喜んで供出せしむるような政策を、強力に施行していただくということが一つ。次には、かくして供出された貴重な食糧が、明るく、正しく、配給せられる秩序を確立していただくということが一つ。第三には、積極的に日本の農業の生産能力を高めるということが一つ。この三つの方向に、われわれが死力を盡すならば、必ずや國際的な信頼をかち得ることができ、外國の援助も請うことができると思うのであります。
 長野縣の農村におきましては、農民は涙ぐましいような供出の協力をしておるのであります。ある農民は、過当の割当のために首をくくつて、自分の責任を果した農民があります。またある農村におきましては、自分の農村に割当てられた供出量の完遂ができないために、身を投じて責任を果した村長があるのであります。はなはだしきに至つては、供出量があまり過大なるために、耕作を放棄して夜逃げをしたという農民もあるのであります。かくして、農村の全農民は、命がけで供出に協力しておるのであります。
 また最近は一〇〇%供出ということがいわれておりますが、このために、農民の六割から七割は、轉落農家として、還元配給をうけなければならない運命に陷るのであります。しかるに、この轉落農家は、還元配給をうける際には、わずか二合五勺として非農家なみの配給しかうけないのであります。二合五勺で、あの過重な農業労働がどうして耐えられるでありましようか。しかも万一、米びつに二升か三升の米が残つておつたならば、官憲はこれを不正受配として、罰金とか懲役を科するのであります。かかる罰金と懲役の脅迫のもとにおいても、なお供出に供力しておる現状であります。われわれは、こうした農民の涙ぐましい努力に対し、消費の面において、配給の面において、一部の特権階級が、自分の権力を行使することによつて、自分の金力を行使することよつて、この農民の涙ぐましい努力を無にするようなことがあつたならば、断じてわれわれは、これを許すことができないと思うのであります。長野縣における一つの例でありますが、ある土木請負業者は、自分の労務者に対する加配米に対し、これを横領したというような事實も聞知しております。われわれは、將來國際的な信頼を勝ち得るためには、強力な政治力を発揮することによつて、いやしくも國際的な信用を傷つけることなきように自粛自戒し、もつて本提案の趣旨を全うしたいと思うのであります。これをもつて、私の賛成の意思を表示する次第であります。(拍手)
#18
○副議長(田中萬逸君)  これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#19
○副議長(田中萬逸君) 起立総員。よつて本案は全会一致可決いたしました。
    〔拍手〕
#20
○副議長(田中萬逸君) この際農林大臣より発言を求められております。これを許します。農林大臣平野力三君。
    〔國務大臣平野力三君登壇〕
#21
○國務大臣(平野力三君) ただいまは、食糧放出に関しまして、連合軍最高司令官に対し、滿場一致をもつて感謝の決議が行われました。食糧の主管大臣といたしまして、私はここに深甚の謝意を表する次第であります。
 放出に相なりました食糧に関しましては、最も適正なるところの配給の方法を講じ、この食糧の危機を突破いたしまして、もつて連合軍最高司令官の御好意に報いたいと存ずる次第であります。ここに謹んで謝意を申述べる次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
   第二 捕鯨許可に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案(淺沼稻次郎君外十三名提出)
   (委員会審査省略要求事件)

#22
○副議長(田中萬逸君) 日程第二は、提出者より委員会の審査省略の申出があります。申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。
 よつて日程第二、捕鯨許可に関し連合國最高司令官に対する感謝決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。提出者石原圓吉君。
    〔石原圓吉君登壇〕
#24
○石原圓吉君 捕鯨許可に関する感謝決議案を上程されましたので、提案者を代表いたしまして、提案の理由並びに趣旨弁明をさしていただきます。まず決議案文を朗読いたします。
  捕鯨許可に関し連合國最高司令官に対する感謝決議
 今回、連合國最高司令官から、南氷洋の捕鯨について第二回目の出漁を許可せられたことは、わが國現下の食糧事情に深く同情せられた高い人類愛によるものであつて、全國民の感謝にたえないところである。われわれは、この捕鯨許可がわが國民の榮養確保と食糧危機突破に益するところ極めて大なるものがあると確信する。
  ここに、衆議院は院議をもつて、連合國最高司令官に対し厚く感謝の意を表する。
  右決議する。
以上であります。
 祖國日本をして、自由と平和とを愛好する國家たらしめることは、われわれ國民に課せられたる当面の問題でありまして、これを遂行する唯一の途は、食糧の不安を一掃して、民生を安定するよりほかなきことは、論をまたないことであります。わが國は、敗戰の結果、食糧不安は最高潮に達し、水産業もまた一大制約を受けておることは、事実でありまするが、連合軍最高司令官は、思いをわが國の水産業にいたされまして、昨年六月二十五日には、遠洋漁業の操業区域拡大に、また同八月六日には、日本捕鯨船対南氷洋出漁に関し、特別許可を與えられました。よつてわが船隊は、國際規約を遵守しつつ、まつたく文字通りの涙ぐましい奮闘を続け、連合軍最高司令官の御期待に副うべく、怒濤のうちに活躍して、所期の成果をあげ、無事に帰港せしことは、御同慶に堪えぬ次第であります。
 この第一船日新丸が大阪港出帆に際し、私は、その乘組員一同に対する壮行の式場において、終戰後初めて、マ司令部の絶大なる御好意により、世界的の漁場に進出するのであるから、乘組員一同一致結束して、わが國民を初の、世界人類に対する奉仕的観念のもとに、十分緊張して、期待を裏切らないように奮闘してくれという言葉をもつて、激励をしたのでありますが、乘組員一同の緊張した態度を目のあたりみて、心強く感じた次第でありました。
 はたして、この第一回の捕鯨は大なる成果をあげまして、多量の鯨肉は、久しく待望しつつありましたわが國民の食膳に多量に配給をされまして、國民は歓喜に燃えると同時に、大いに食糧の補給を受けたことは、新聞等で明らかな次第であります。それのみならず、二万トンに匹敵するところの蛋白質にあたる鯨肉、並びに鯨油一万数千トン、ヴイタミンA・D約二万四千八百ポンドを、世界の各市場に供給いたしたのであります。そのほかに、なお相当のマーガリンを目下加工中でありまして、まつたく予想外の好成績で終つたのであります。
 くじらは、世界の動物中最も巨大なるものでありまして、しかもその肉は、動物性蛋白質中最良であり、その皮は、獸皮少き今日、用途は廣大であります。鯨油は、各種工業、藥品工業の原料となり、鯨骨は工藝品の材料となり、また多量の燐を含む骨粉肥料となり、なお、殊に多量に摘出される優秀なるヴイタミンA・Dは、世界人類の整理上の欠陷を補填するきちようなる藥品たることは、すでにあまねく知れわたつておることであります。ざとうくじら、まつこうくじら等の頭より摘出される油は、時計のぜんまいには、なくてはならぬものであります。近來時計が狂いやすくなつたのも、この鯨油が一時なくなつたためだとも言い得るのであります。私が考えますに、現在日本人の頭がとかく粗雜になる傾向があるのは、このヴイタミンの欠乏の結果ではないかと思います。(拍手)よつてこの際、國民の心身の強健を期し、勤労意欲を攝iし、國家再建のために、栄養給源として欠くべからざるものであると信じます。
 さて、かように、くじらは貴重なものであり、われわれの生活上なくてはならぬものであつて、食糧不足の折柄、國民保健の上に莫大なる効果をあげておりますが、元來捕鯨が、國際的の利害関係においてやかましいということは、鯨は胎生動物であつて、一年か二年に一頭しか子を生まないのであります。從つて大仕掛に、無統制に捕獲すれば、ただちにこの種の絶滅をきたすのでありますから、我が國といたしましても、國策上このくじらの保護、繁殖、濫獲防止について、絶大なる施設を必要とするのであります。そういう点からもわれわれは、我が國への第二回目の許可がどうなるかと、非常に憂慮するとともに、ぜひとも許可せられんことを念願していたのでありましたが、理解深きマツカーサー元帥は、わが國の窮迫せる食糧事情を緩和する上に重大なる意義を有するものとして、特別なるお取計らいをもつて、第二回の出漁許可を付與されたのであります。かかる同情深き施策に対して、全國民はひとしく感謝感激にたえないところであります。
 今後、連合軍当局の御好意に報いる途は、ただ一にかかつて、わが水産施策の樹立実施に確固たる手段を講ずるのみであります。すなわち、敗戰日本復興の重大なる役割をもつ水産業の重要性を直視して、速やかに重点産業としての施策をこれに集中し、総合的、有機的方策を確立して、もつて水産人の生産意欲と独特の水産技術を最高度に発揮せしめ、かつ配給方法を正確にし、一般國民に公平に栄養補給の途を開くべきであります。かくしてこそ、初めて許可の意義が眞の美を結ぶのであります。なおこのことは、六月二十六日附朝日新聞紙上において、連合軍経済局食糧係長ジヨンストン氏の言われた、魚を合理的に有効に食べよとの御趣旨に対しましても、相合するところのものであります。なお、昨年十月七日、本院における水産國策実施決議の趣旨も、またここに存するのであります。今後ますます水産振興に発奮努力して、もつて連合軍最高司令部の絶大なる御好意に対し、深く報いんことを誓うものであります。
 以上、決議案提出の理由を御説明いたしました。御賛成を願います。(拍手)
#25
○副議長(田中萬逸君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#26
○副議長(田中萬逸君) 起立総員。よつて本案は全会一致可決いたしました。
    〔拍手〕
     ―――――・―――――
   第三 皇室会議の予備議員の選挙
#27
○副議長(田中萬逸君) 日程第三、皇室会議の予備議員の選挙を行います。
    ―――――――――――――
#28
○叶凸君 皇室会議の予備議員の選挙は、その手続を省略して、議長において、指名せられ、その職務を行う順序は、議長において定められんことを望みます。
#29
○副議長(田中萬逸君) 叶君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。
 議長は
      山崎 猛君
      井上 知治君
 この両君を皇室会議の予備議員に指名いたします。
    〔拍手〕
#31
○副議長(田中萬逸君) なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。(拍手)
     ―――――・―――――
   第四 皇室経済会議の予備議員の選挙

#32
○副議長(田中萬逸君) 日程第四、皇室経済会議の予備議員の選挙を行います。
    ―――――――――――――
#33
○叶凸君 皇室経済会議の予備議員の選挙は、この手続を省略して、議長において指名せられ、その職務を行う順序は議長において定められんことを望みます。
#34
○副議長(田中萬逸君) 叶君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。
 議長は
      山崎 猛君
      井上 知治君
を皇室経済会議の予備議員に指名いたします。
    〔拍手〕
#36
○議長(田中萬逸君) なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序になることといたします。(拍手)
 明後七日は定刻より本会議を開きます。議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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