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1953/04/15 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第21号
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1953/04/15 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 建設委員会 第21号

#1
第019回国会 建設委員会 第21号
昭和二十九年四月十五日(木曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 久野 忠治君
   理事 内海 安吉君 理事 瀬戸山三男君
   理事 田中 角榮君 理事 佐藤虎次郎君
   理事 細野三千雄君    逢澤  寛君
     岡村利右衞門君    高木 松吉君
      高田 弥市君    仲川房次郎君
      堀川 恭平君    松崎 朝治君
      赤澤 正道君    三鍋 義三君
      和田 博雄君    菊川 忠雄君
      只野直三郎君
 出席政府委員
        建設政務次官  南  好雄君
        建設事務官
        (大臣官房長) 石破 二朗君
        建設事務官
        (計画局長)  澁江 操一君
 委員外の出席者
        建設事務官
        (計画局都市計
        画課長)    鶴海良一郎君
        専  門  員 西畑 正倫君
        専  門  員 田中 義一君
    ―――――――――――――
四月十四日
 委員山田長司君辞任につき、その補欠として安
 平鹿一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十三日
 建設機械抵当法案(内閣提出第一四六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出第八六号)
 土地区画整理法案(内閣提出第一二八号)
 土地区画整理施行法案(内閣提出第一二九号)
 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一四二号)
 建設機械抵当法案(内閣提出第一四六号)
    ―――――――――――――
#2
○久野委員長 これより会議を開きます。
 道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに質疑は終了しておると存じますので、これにて質疑は終了いたします。
 ただいまより本案を討論に付します。田中角栄君。
#3
○田中(角)委員 私は自由党を代表いたしまして、本法案に賛成の意見を申し述べます。
 本法律は、道路整備の必要性のために、長い間の懸案であつたものが、ようやく去る国会において衆参両院を通過し、その実施年度であります本年度に、財政措置のためとはいいながら、かかる種の改正をなさなければならないことは、提案委員会であつた建設委員会の委員としては、はなはだ不本意でありますが、政府の二十九年度予算編成にあたつての超緊縮財政の確立という大目的のために、二十九年度に限りかかる措置をとらざるを得なかつた事情も、遺憾ながら了としなければならない現段階におきましては、二十九年度に限りやむを得ざる措置として、本改正案を認めなければならないという考えであります。但し、この法律が三十年以後の予算編成時におきましても、本年予算編成においてとられたと同じような事由をもつてなおかつ、かかる措置が将来とも継続せられて、本法律立案の趣旨がまつたく滅却せられるような場合がありと仮定するならば、われわれはこの法案には賛成しがたいわけであります。ただやむを得ざる措置として、二十九年度の揮発油譲与税に関する法律的措置としての改正でありますので、三十年度以後は、法律の趣旨が遺憾なく発揮せられるということを前提としての、やむを得ざる賛成であることを、はつきりと申し上げておきたいと考えるわけであります。
 なお、当委員会におきまして本法案審議の過程において、大蔵大臣及び建設大臣、地方自治庁長官その他関係政府委員諸君の言明の通り、昭和三十年度以後は、道路整備費の財源等に関する法律の趣旨、すなわち両院の院議が、いかなる状態にあつても、最優先的に尊重せられるということを前提として、賛成の意見を申し上げるわけであります。
#4
○久野委員長 赤澤正道君。
#5
○赤澤委員 改進党を代表いたしまして道路整備五箇年計画の一部改正に賛成いたすものであります。
 この法律の立法の趣旨に関しましては、今田中委員からも発言がありましたが、今回この一部改正措置を、われわれは遺憾ながらのまざるを得なかつた、国の一兆円予算の現在の経済時局のもとにおける重大性にかんがみまして、私どもは譲歩をいたしたのでありますが、ただいまも述べられましたように、私どもはこのガソリン税が全面的に通路の五箇年計画に沿うて使用されるということを期待いたしておりますし、また国民全部が期待をいたしておるところでございます。従いまして、この改正の、いわゆる二十九年度の三分の一のうち、四十八億は、もちろん五箇年計画に沿うた線において使われなければなりませんし、残余の金額も、やはり道路補修、なおひいては五箇年計画を達成する意味において使われるということを私どもは期待をいたしております。なお三十年度以降におきまして、今まで自治庁の長官その他の意向をただしたのでございますけれども、いささか御答弁に明確を欠いておる点があるように私は考えます。この点についても、三十年以降は、ガソリン税が余すところなく、完全に道路整備五箇年計画に沿うて使われるべきものであると確信もいたしますし、またその意味において私は今回の一部修正に賛意を表するものであります。
 今回の二十九年度の予算が三分の一だけ減るということは、この法律の出発にあたつては、はなはだ遺憾とは思いますけれども、事態やむを得ませんので、そういつた意味におきましてこの一部改正案に賛成をいたす次第であります。
#6
○久野委員長 三鍋義三君。
#7
○三鍋委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になりました道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の討論をせんとするものであります。
 吉田政府の財政計画というものは、何ら計画性がなく、その場限りの、行き当りばつたりであることは、すでに幾多の事実がこれを証明するところでありまして、その最後のあがきが今度の一兆円緊縮予算となつて現われたので、これがためにあらゆる面にたいへんな無理を生じていることは、皆さん御承知の通りであります。なかんずく、当委員会におきまして道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の審議の過程におきまして、与党の委員諸君自体が強硬に反対の意見を表明されたことを考えてみましても、ある委員のごときは、からだを張つてでもという強い表現で反対された点を考えてみましても明らかでありまして、十六国会におけるところの道路整備五箇年計画の議員立法の精神から申し上げましても、この強い反対意思の表明というものは、むしろ当然であるといわなければならないのであります。わが党といたしまして反対以上のものと申しますのは、あまりにも無定見な政府の措置につきまして、問題にならない法案と考えまして、あまり意見を述べなかつたのでありますけれども、この際大乗的見地に立つて、二十九年度に限る臨時措置法としてであるということを確認いたしまして、これに賛成の討論をする次第であります。
#8
○久野委員長 細野三千雄君。
#9
○細野委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案にまつこうから反対するものであります。
 この道路整備費の財源等に関する臨時措置法は、御存じの通り昨年議員の提案で発案をせられ、しかも両院においてだれ一人の反対もなく、満場一致をもつて成立した法案であります。いわばこの法案は、国民の総意によつてでき上つた法律といわなければなりません。しかるに何ぞや、そういう国民の総意でできました法律を一回も実施することなく、ただちに最初の年度から改正するなどとは、もつてのほかであります。ことに吉田総理は、今年の施政方針演説において、道路重点主義を言われておる。この施政方針演説からしましても、政府がかような法案を出すということは、まつたく国民を欺くもはなはだしいといわなければなりません。ことに道路は、何と言いましても経済自立の一番の重大な要素であります。なるほど昨年立法当時の税率から計算すれば、その当時予想せられておつた税収入は、四十八億はひもつきになつて道路にまわされたからさしつかえないじやないかという議論もあるかもしれませんが、この法案を制定しました当時には、税の増収とかあるいは減収とか、そういう変更があるでもあろうということを予想して――税収は多くなればなるほど多々ますます弁ずでありまして、そういうことも当然予想しておつたのであります。その当時の税収の予定額はひもつきだからといつて、私はこの法案に賛成するわけには参りません。なるほど附則においては「昭和二十九年度については」とありますが、こういう附則は来年になつてこれを改正しようと思えばなし得るのであります。昭和二十九年度に限るという保証は何もありません。私はかような国会軽視の法案に対しましては、反対せざるを得ないのであります。
 以上反対の理由であります。
#10
○久野委員長 これにて討論は終局いたしました。
 ただいまより本案につきまして採決いたします。本案を原案の通り可決すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○久野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 次にお諮りいたします。本案に関します委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○久野委員長 御異議なしと認めてさようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#13
○久野委員長 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案及び建設機械抵当法案の両案を一括して議題とし、まず建設機械抵当法案につきまして提案理由の説明を聴取いたします。南政務次官。
#14
○南政府委員 ただいま提案になりました建設機械抵当法案の提案理由並びにその大要について御説明申し上げます。
 近時電源開発事業の樹立を初め、治山治水対策事業、道路整備、農地開拓、災害復旧事業その他各種国土総合開発事業等の推進によりまして、建設工事の量はたいへん増加するとともに、工事の規模も非常に拡大いたして参つているのでありますが、これら諸工事を機械化してその工期を短縮し、工費を節減してその能率的施行をはかりますことは、わが国経済再建のため緊急不可欠のことと考える次第でございます。しかしてこれらの工事に要する建設機械につきましては、一部の大規模な設備的な機械は、その多くは発注者において購入して建設業者に貸与いたすのを例としておりますが、その他の大部分は、建設業者がみずから購入するを通例といたしまして、これに要する資金はまことに莫大な額に上つております。しかるにわが国の建設業者の自己資本はいまだ貧弱でありまして、とうてい建設機械の購入資金をまかなうことは困難で、大部分を金融機関からの借入金にまたなければならない現状であります。従来におきましては建設業者はかかる建設機械購入に要する資金を、主として銀行より借り入れます短期運転資金によつて、辛うじて調達して来たのでありますが、これは事業の経営に大きな負担となつており、新規建設機械の購入等は抑制されざるを得ない状態となつて来ているのであります。従いまして、工事の機械化を促進いたしますためには、どうしても長期資金を確保いたさねばならないのでありますが、そのためには企業設備等を担保化する道を開き、建設業者に新たに担保能力を増加せしめることが必要であります。現行法制によりましては、建設実者は、その事業の特殊性から、各種の財団抵当法によつて抵当権を設定することはできないところであり、また不動産等を担保化する道は開かれていても、それによつて厖大な建設機械の購入資金を調達することはとうてい不可能であります。従つて、かかる建設機械について動産抵当制度を確立して、従来適当な担保物を有しなかつた建設業者に、建設機械を担保化する道を開き、金融機関からの長期融資を容易ならしめ、これにより建設工事の機械化を促進し、欧米各国に比べて著しく立ち遅れているわが国建設業の合理化をも推進しようとすることが、この建設機械抵当法案提案の理由でございます。
 以下本法案の大要を簡単に御説明申し上げたいと存じます。
 第一に、本法案におきましては、農業動産信用法における農業動産、自動車抵当法における自動車及び航空機抵当法における航空機の例にならつて、建設機械につきまして個々の抵当権を設定することのできる動産抵当制度をとることといたしたのであります。
 この建設機械は、建設工事の用に供せられる機械類でありますが、これが範囲は相当規模以上のものに限定することとし、これを政令で明確に規定することにいたしました。
 第二に、公示の方法といたしましては、登記制産をとることといたしたのでありますが、建設機械抵当制度の堅実な運営をはかりますために、建設業法に規定する建設業者で、建設大臣または都道府県知事が記号の打刻を行つた建没機械についてだけ、所有権保存の登記をなすことができ、この保存登記がなされたものについてのみ、抵当権が設定できることといたしたのであります。
 第三に、抵当権の内容、対抗要件、抵当権の効力の及ぶ範囲、不可分性、物上代位、物上保証人の求償権、抵当権の順位、被担保債権の範囲、代価弁済、第三取得者の費用償還請求権、共同抵当の代価の配当、一般財産からの弁済、時効による消滅、取得時効による消滅、抵当権の処分等につきまして所要の規定をいたしたのでありますか、いずれも民法の規定に準じて規定いたしてあります。また先取特権との順位につきましては、動産の先取特権の第一順位と同順位とし、他の動産抵当法におきますと同様に滌除は認めないこととし、既登記の建設機械につきましては、質権の設定を禁止いたしました。
 第四に、強制執行、競売等につきましては、登記制度をとりました関係上、不動産についてと同様、地方裁判所が執行裁判所として管轄することといたしまして、その手続等必要な事項は最高裁判所がこれを定めることといたしました。
 第五に、この法律の実効を確保いたしますために、所要の罰則を付しました。
 第六に、この法律の実施によりまして、自動車抵当法、道路運送車両法につきまして若干の調整を加える必要がありますので、それらの各法律の改正及び経過規定を本法案の附則において行いますとともに、登録税法、担保附社債信託法、国税徴収法、建設省設置法等につきましても所要の改正を行つております。
 以上が、建設機械抵当法案の大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
#15
○久野委員長 両案につきまして、さらに補足説明を聴取いたします。石破官房長。
#16
○石破政府委員 初めに前回の委員会におきまして提案理由を御説明申し上げました公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。この改正法律案では、主要な改正点か大体三点あるのでございます。第二条の第一項の改正と第十九条の改正と、それから第十九条の二を入れました点がおもな点でございまして、その他これらに関連して必然的に改正を要する点を盛り込んでおる次第でございます。
 まず第一に、第二条の改正について御説明申し上げます。
 第二条の改正は、改正点が二点ございまして、第一には、日本電信電話公社――これはこの公共工事の前払金保証事業に関する法律が制定せられ、施行せられましたときには、まだ公社でありませんで、電気通信省でありましたが、その後公社として独立いたしましたので、これに伴つて必要な改正をいたし、これを追加いたした次第でございます。
 次に、最近ダムの建設等、大規模の工事の発注に伴いまして、土木建築に関する工事と同様に、建設機械の製造代金を前払いし、その製造を容易ならしめ、もつて公共工事の適正な施工に万全を期する必要がありますので、国、地方公共団体等が建設機械の製造代価を前払いする際に、保証事業会社がこれを保証できるようにした点でございます。すなわち土木建築に関する工事のうちに、それらの工事の用に供することを目的とする建設機械の製造を含むことといたしまして、前払金の保証の範囲を、工事だけでなしに、建設機械の製造にまで拡張いたした点でございます。
 次に、第十九条の改正について申し上げますと、建設業者の建設機械に関する資金に関し、長期融資を容易ならしめ、もつて公共工事の施工を確保するために、現行法によつて認められております運転資金に関する金融保証と同様に、建設機械購入の資金を金融機関から借り入れる場合に、その債務を保証することを、これも保証会社の兼業としてできますように、第二号に追加したものであります。これに伴う所要の条文整理といたしまして、第二号を第三号としたのでございます。
 次には、第十九条の二の条文を新設しようとするものでございます。現行法によりますと、金融保証約款につきましては、実は監督規定がないのでございますが、第十九条の改正により、保証事業会社に行わせます金融保証の業務が今度追加されることになりますので、金融保証約款も、やはり建設大臣の承認にすること等の規定を設けて、これの監督を強化する、こういう意味であります。すなわち第一順が承認に関する規定でございますし、第二項は金融保証約款で定める事項を建設省令で定めることを規定したものでございます。その他必要な事項については、前払金の保証約款に関する規定を準用することを第三項に規定いたしたものでございます。
 第二十一条と第二十五条の第一項、第二十六条の改正は、以上御説明申し上げました第二条、第十九条及び第十九条の二の改正あるいは新設に伴い、必然的に整理を要しますので、所要の条文の整理を行つたものでございます。
 以上簡単でございますが、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案の逐条説明を終ります。
 次に、ただいま提案理由を御説明申し上げました建設機械抵当法案の逐条説明を申し上げます。
 まず第一条は、本法の制定目的を規定いたしました。すなわち本法は、新たに動産抵当として建設機械に抵当権を設定し得るようにし、これによつて長期資金の確保等に寄与し、もつて建設工事の機械化の促進をはかる目的とする旨を宣言した次第でございます。
 第二条は、この法律における建設機械の定義を規定したものでございまして、本法において抵当権の設定を認めます建設機械は、建設業法第二条第一項の別表に定めます土木工事等二十二の建設工事の用に供される建設機械類であることを規定し、その具体的な範囲は政令で定めることといたしております。政令に規定します建設機械類の範囲につきましては、まだ検討中ではございますが、大体の方針といたしましては、最初のうちは本法の円滑確実な施行を確保する必要からも考えまして、大体ブルドーザー程度以上の機械類に限定したらいかがかという程度に考えておりますが、本法実施の経験を重ねるに従いまして、この範囲にだんだん広げて行くようにたつて来るものと考えております。初めは範囲を少しかたくしまして、だんだんこれが広げられるように行けばけつこうだと考えております。
 第三条は、所有権保存登記に関する規定であります。すなわち建設機械に抵当権を設定しようとする者は、まず第四条の規定によりまして当該建設機械に建設大臣または都道府県知事に、政令で定める記号の打刻を受ける申請をし、その打刻――すでに打刻済みの建設機械につきましては検認の制度をとるということでありますが、その打刻を受けた後にその所有権保存登記を受けなければならないのでありますが、その所有権保存の登記を申請し得る者は、本法の確実な施行を確保する必要もあり、建設業法によつて登録を受けた建設業者に限ることといたしました。ただ建設業者でありましても、ただいま申し上げました打刻または打刻番号の検認のない建設機械につきましては、所有権保存の登記が受けられないこととし、また質に入つております建設機械や、差押え、仮差押え、仮処分の目的となつておりますような建設機械についても同様にこれを取扱うことといたしました。従いまして、もし誤つてかかる建設機械について登記がされたような場合には、その登記は質権者あるいは差押え、仮差押え、仮処分の債権者に対しては効力を生じない旨を、第三条第二項において明確にいたしたのであります。たとい当該建設機械について抵当権が設定されましても、その抵当権は第三者に対抗できないこととなるわけであります。
 第四条は、前条の説明の際申し上げた打刻に関する規定でありますが、第二項において、その打刻または検認の手続等は、すべて政令で定めることといたしました。この打刻または検認は、本源的には建設大臣が実施するのでありますが、迅速にその事務を行うためには、都道府県知事登録業者の所有する建設機械の場合、または建設大臣登録業者の所有する建設機械でも、遠隔の地にあるような場合には、都道府県知事に打刻させる必要があると思われますので、第三項に委任規定を設けたのであります。またこの打刻は登記官吏が形式審査によつて申請を受理し得ることができ得るよう行政官庁が所有権について確認するとともに、抵当権の実行の場合に裁判所が当該建設機械の同一性を確実に認定し得るために行うものであります。従つて打刻記号の真正を確保する必要がありますので、第四項を設けました。なお本項に違反して打刻した記号を毀損した場合には、第二十九条により一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処することとなつております。
 第五条は、第三条の規定によつて所有権保存登記を受けた建設機械について、抵当権を設定し得る旨を宣言したのであります。この抵当権は民法第百七十五条に規定するいわゆる他の法律に定める物権と解釈いたしております。
 第六条は、前条の規定によつて創設される抵当権の内容を規定したものでありますが、民法に規定する不動産の抵当権とまつたく同一の内容であります。本条中「債務者又は第三者」とありますのは、本法第三条により、当然建設業法の登録を受けた建設業者に限られるのでありますが、例外的に、抵当権設定後建設業者が建設業法により登録の収消しを受けたような場合には、建設業者以外の者が該当することがあります。またここにいう「第三者」とは、債務者以外の第三者が、いわゆる物上保証人となる場合であります。なお抵当権は質権と対比して目的物の占有を移さない点に特色があり、抵当権設定者が目的物の使用、用益を続けることができますので、建設機械については特に効用を発揮するものと考えられます。また抵当権とそれが担保する債務、すなわち被担保債権との関係については、担保される債権は、必ずしも金銭債権には限りませんが、少くとも金銭に算定してその額を一定できるものであることを要します。
 第七条は、対抗要件に関する規定であります。すなわち物権の本質的効力たる排他性は、対抗要件を具備する必要があるものでありますが、建設機械は本質的には動産でありますので、民法の一般原則によれば占有が所有権の対抗要件となるのであります。しかし、第三条に関して述べましたように、建設機械については、抵当権を設定せんとする者は、必ず所有権保存登記をさせる必要がありますし、また抵当権は占有の移転を伴いませんので、必ず公簿によつて対抗要件を公示する制度が必要になるのであります。従いまして本条は建設機械の所有権及び抵当権の得喪変更は、登記をしなければ第三者に対抗できないことといたしました。また登記は、一個の建設機械につき一用紙の建設機械登記簿に記載することといたしました。なお登記の手続等につきましては、第九条より政令で定めることといたしております。
 第八条は、登記用紙の閉鎖に関する規定でありますが、前条に関しまして述べました通り、建設機械は本質的に動産でありますので、不動産的な取扱いは抵当権設定の目的のためにだけ、またその必要の限度においてのみ行わるべきものと考えますので、所有権登記後三十日以内に抵当権の登記がなされないとき、または抵当権の登記が抹消された後三十日以内に新たな抵当権設定の登記がなされないときは、取引の安全をはかるため、登記官吏は当該建設機械の登記用紙を閉鎖し、本来の姿たる動産の取扱いに帰すことといたしました。しかし、当該所有権保存登記に、差押え、仮差押え等の登記がなされているような場合には、法律関係の安定のために公簿によつて規整する必要がありますので、登記用紙を閉鎖しないことといたしました。
 なお、抵当権の効力の及ぶ範囲、不可分性、物上代位、物上保証人の求償権、抵当権の順位、先取特権との順位、担保される利息等、抵当権の処分、代価弁済、第三取得者の費用償還請求権、共同抵当の代価の配当、一般財産からの弁済及び時効による消滅等について規定しております第十条から第二十四条までの規定は、民法とまつたく同様の内容の規定であります。
 次に、第二十五条は、質権設定の禁止を規定いたしたものであります。建設機械について抵当制度が創設されます以上は、さらに動産質権の設定を併行して認めますことは、建設機械を目的とする民事法律関係を錯綜させ、抵当制度の運用を阻害するおそれもあります。また、動産質権の設定を認めた場合、抵当権との順位の調整が必要となり、このため質権の登記の道を開く等の必要が生じますので、本法におきましては抵当権設定だけを認めることといたし、質権の設定を禁止したのであります。なお、自動車、航空機等、すでに存する動産抵当におきましても、本法と同様の取扱いをいたしております。
 第二十六条は、強制執行等に関する規定であります。すなわち、建設機械について前述のごとく公簿による権利公示の制度が採用されたのに伴い、これらの建設機械を目的とする強制執行及び競売手続についても、不動産に準ずる取扱いをする必要がありますので、裁判所において慎重にこれを行わせることを適当とする趣旨から規定したものでありますが、さらにこの手続につきましては、最高裁判所規則の定めるところにゆだねることとしたのであります。なおこの点につきましては、自動車、航空機等の動産抵当法においても同様に規定されております。
 第二十七条の第一項の規定は、第二条第二項に規定する政令の改正によつて、将来建設機械の範囲が拡大されたようなときに、自動車抵当法との競合を避けるため、道路運送車両法により所有権の登録を受けている建設機械については、その登録がある間は、なお建設機械として取扱わず、自動車抵当法によるものといたしたものであり、第二項は、前項とは逆に、将来政令の改正によつて建設機械の範囲が狭くなつたような場合に、ただちに抵当権を消滅せしめあるいは即時に実行することとするのは不適当と思われますので、さような場合にも、すでに所有権の登記がなされている建設機械については、この法律による建設機械とみなし、法律関係の安定をはかつた次第であります。
 第二十八条は、将来、たとえば前条に規定するようなことが起きた場合において、運輸大臣と建設大臣、登記官吏相互間の通知義務等を規定する必要があると考えられますので、必要な手続その他の細則を政令により規定することができるようにいたしたものであります。
 第二十九条の罰則につきましては、第四条の御説明の際に申し上げましたが、そのほか、本法の目的を達成するために競売を免れる目的で抵当建設機械を隠匿または損壊した者を処罰する必要があると認められますので、第三十条を設けた次第であります。
 最後に、以上申し上げましたような内容を持つ動産抵当制度を確立するにあたりまして、自動車抵当法、道路運送車両法、登録税法、担保附社債信託法、国税徴収法、建設省設置法等の一部を改正する必要があり、また自動車抵当法との関係においては経過規定を設ける必要がありますので、附則十一項を設けた次第でございます。
 はなはだ簡単でございましたが、これで建設機械抵当法案の逐条説明を終ります。
#17
○久野委員長 両案に関しまする質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#18
○久野委員長 土地区画整理法案及び土地区画整理法施行法案の両案を一括して議題とし、前会に引続き質疑を続行いたしますが、その前に、前回の委員会におきまして瀬戸山、村瀬両委員より要求のありました資料につきまして、説明を聴取いたしたいと存じます。渋江計画局長。
#19
○澁江政府委員 前回の委員会におきまして、資料要求並びに御質疑がございました点につきまして、説明させていただきたいと存じます。
 まず資料要求のございました点でございますが、お手元に、「戦災復興事業の進捗状況について」「土地区画整理の総事業費中に占める補償費の割合」「永小作権の現状について」というのをそれぞれ資料にして印刷物にして差上げておるわけでございますが、その内容を御説明申し上げたいと思います。
 まず、戦災復興事業の進捗状況は、ここに掲げてございますように、各都市別に進捗状況は違つておりますが、完結都市が四十七で、五大都市につきましては六七%、一般都市につきましては八八%という進捗率を現在において示しておるような状況でございます。過去九年間におきまする戦災復興事業費と、それに対します補助率につきましては資料によつて御了承を願いたい、かように存じます。
 次に、区画整理事業の総事業費中に占める補償費の割合でございますが、これは施行主体別にそれぞれ調査いたしました結果を資料にしてお手元に差上げてあるわけでございます。すなわち、まず第一は、戦災復興土地区画整理事業の場合でございますが、これは、昭和二十七年度の実績によりまして、総事業費と補償費の総額を比率にいたしてはじいております。それによりますと、総事業費に対しまして補償費の割合は四二%弱ということに相なつております。内訳といたしましては、建物の移転補償、電柱移転費、墓地移転費、その他用地補償、こういうことに相なつておるわけでございます。二番目は、都市計画法の第十三条に基く土地区画整理事業の場合でございまして、すなわち新しい法律で申しますれば、公共団体が施行主体になつておる場合でございます。その第一の例は、福井県の大野町の国鉄駅前地区の図画整理事業の場合でございまして、これによりますと、総事業費中に占める補償の割合が二四%ということに相なつております。第二の例といたしまして、宮崎市における郊外住宅地区の土地区画整理事業の場合をあげてございますが、これによりますと、総事業費中に占める補償費の割合は二一%弱ということに相なつております。これらはいずれもそれぞれの都市の状況、あるいはこの土地区画整理事業の行われる地区の状況によりまして、当然変化が予想されるわけでございますが、まず代表的の例と思われるものにつきまして申し上げたわけでございます。
 第三番目は、区画整理組合が施行主体であります場合の事業費中に占める補償費の割合でございまして、その第一例といたしましては愛知県の豊川市における例を掲げてございます。これによりますと、補償費は総事業費の中で九・七%弱、それから第二の例といたしまして、東京の北区郊外住宅地区におきます組合事業の例を掲げてございますか、これによりますと一・六%弱ということに相なつております。これは先ほど申し上げましたように、事業費中に占める補償費の割合が、事業主体別でも違つておりますし、地区によつても違つておるわけでございますが、総括して申し上げられることは、戦災復興事業におきましては、いわゆる郊外地というよりは、むしろ都心部における土地区画整理事業を行つておるわけでございまして、さような対象とされる地区の状況からいたしまして、どうしても建物の移転蘇るいは公共物の移転、それからなお戦災復興事業の性格といたしまして、公共用地をかなわ大幅に確保するための手段といたしまして、区画整理を行つております関係から、公共用地を確保するための用地補償というものが当然出て参りますので、事業費における割合というものはさらに高まつて参るという結果になつて表われておるわけでございます。公共団体施行の場合は、やはりそういつた意味で公共的な性格が強くなつておる事業を当然執行する建前からいたしまして、やはり戦災復興地区の場合に準ずるような規定となつて表われて来るものと想像しております。
 次に永小作権の現状についての御質問があつたわけでございますが、ここに文章にいたしまして掲げてございますが、結論的に申しますと、農地改革以後におきまして、この永小作権の状況は、主として設定契約に基くよりも、むしろ慣行による場合が多いと考えておるのでありますが、これも農地改革の結果といたしまして、その永小作権の状況というものは漸次減少しておるというふうになります。その結果が昭和十六年ないし十八年間における設定登記の件数、それから昭和二十六年から二十七年における設定登記の件数につきまして、それぞれその移動の状況が表おれておりますので、これによつて御了承を願いたい、かように存じます。
 なお瀬戸山委員からこの前御質疑がございました現在の都市計画事業におきます国の費用負担に関する政令の取扱いでございます。これは御承知のように都市計画法の六条の二におきまして、国がその二分の一を政令の定むるところに基いて負担するということを規定されたわけでございますが、これを実行に移すべき政令が、いまだ来会布の状態になつております。この経緯は実は関係省とも折衝いたしておつたわけでございますが、いまだその妥結を見るに至つておりません。さような関係におきましては、確かに私どもの建設省といたしましても、努力の足らさるところがあつたと存じますが、今回の法律の制定を機会に、費用負担関係も政令で定めなければならない。これによりまして従来の懸案になつておりました問題をあわせて推進いたしますと同時に、この御審議を賜わりました区画整理法の実行の上に必要な費用負担関係の政令につきましても、あわせてこの制定の手続の促進をぜひ努力いたしまして、御期待に沿う結果にいたしたい、かように考えております。
 なお現在特別都市計画法施行令の第九条に、各事業種別の国の補助割合というものが出ておりますが、これは従前の、すでに廃止になりました都市計画法の四条に基く政令の規定でありまして、廃止になつた以上は、この施行令の九条の規定も、当然廃止しなければならないのでありますが、その点につきましても、今回の法律に基きまして政令を制定いたしまする機会に、あわせて整理改廃をすることにいたしたい、かように考えております。
#20
○久野委員長 質疑の申入れがあります。よつてこれを許します。瀬戸山三男君。
#21
○瀬戸山委員 今局長から御説明があつたのでありますが、今審議されております土地区画整理法案は百十八条及び百二十一条の関係において、今御説明のあつた都市計画法、特別都市計画法、特別都市計画法の施行令の三法令の現行法の規定に関するものをお尋ねいたす。事は、私が常に申し上げておりますように、ただ法律をつくるだけが能ではなくて、法律がその通りに執行されておるかどうかも考えてわれわれは法案を審議しなければならない。これは私の建前であります。ところが現行法自体が、そのように執行されておらない。これはきわめてふかしぎ千万である。しかも、これは長い間そうなつておるのでありまして、それを何とも異としないということもおかしなことであります。相当ないきさつもあると思いますが、そういうことでは、われわれがどんなに議論をいたし、あるいは慎重審議をいたして法律をつくつても、実行が伴わない。私は、ただ口の答弁だけでは済まされないから、これについては文書によつて御回答を願うことを前回申し上げておいたのであります。しかし、今局長が口頭でこのいきさつの説明をされた。過去のことでありますから、あえてこれを追究しようとは思いません。文書でやられるということについては、各方面にいろいろさしさわりがあるようにも聞いておりますので、その点は追究いたしませんが、そういうことであつては相ならぬと思います。
 そこで、私が問題にしたいのは、百十八条の費用の負担の問題であります。それは三項目にわかれておりますが、一番問題になるのは第三項――これは、本来ならば事業主体が負担するというのが当然のことであります。それではいけないので、法案の通りに、国がその一部を負担するという制度をここに現わした。そこで「政令で定めるところにより、その土地区画整理事業に要する費用の一部を負担する」こういうことになつておりますが、これは一体どういうことを意味しておるかを、ここでお答え願いたいのであります。
#22
○澁江政府委員 政令案の内容でございますが、これは先ほど申し上げました都市計画法の例等も参酌いたしまして二分の一負担とする、これを明らかに政令の上で規定いたしたい、かように考えているわけであります。
#23
○瀬戸山委員 私がこういうことを申し上げるのは、たとえば現行の都市計画法の第六条の二に「政令ノ定ムル所ニ依り」としてあつてこれを定めてない。特別都市計画法の第四条では、その定めてない第六条の二を適用する、そしてその施行令の第九条では、さつき御説明のように四項目掲げてあるけれども、これはそのままにしておる。これは廃止になつておりません。そういうととでは困るから、こうやつて聞くのであります。二分の一を負担するという政令を、必ずおつくりになると思うのでありますが、間違いありませんか。
#24
○澁江政府委員 前会から適切な、私どもとしましてはまことに手痛いおしかりと申しますか、御質問を受けたわけでありますが、実はこの内容は、この政令をつくる上においての大蔵省の折衝との関係におきまして、逐一話に持ち出しておるわけでありますが、さような関係からいたしまして、大蔵省当局との話合いが最も重点になるわけであります。その関係におきましても、大体これを機会に妥結の見通しをいたすことが、かえつて禍を転じて福となすということに考えられるわけでありますが、そういう妥結の線に近づきつつありますので、ただいま申し上げたようなことで、二分の一という負担率の関係につきましては、明らかに政令で定めることにお約束申し上げたい、かように存じております。従前誤まつておりましたと申しますか怠つておりました政令の整備改廃のことにつきましては、これもこれを機会に一挙に整理をいたしたい、かように考えております。
#25
○瀬戸山委員 御明答をいただいてけつこうでありますが、いつもこういう法律をつくつても、今日までその政令が何年かできなかつたということ自体は、この委員会で最近特に問題になつておりますように、大蔵省の言うなりになつておるから、皆様のせつかくの御努力にもかかわらず法律が実行に移されないということになつておるので、かようにくどく申し上げるのです。二分の一ということで方針をきめておられるようでありますから、あくまでもこの法律の実施をされるように御努力を願つて、この点はこれで終ります。
 ほかは小さな問題でさりますが、あるいは逐条説明のときに御説明があつたかもしれませんが、私不敏にしてそれを存じておりませんので、二、三お尋ねいたします。
 区画整理をする場合に、いろいろ事業主体があるわけでありますが、個人がやるというような規定があるのです。これは現在やつておればどういう場合か、それをひとつ……。
#26
○澁江政府委員 現在個人が施行主体になつてやつております場合は、従来からの例で申し上げますと、施行箇所にいたしまして九十四箇所、それから施行面積として百八十六万坪、二十八年度末現在施行中のものにつきまして申し上げますと、箇所数にいたしまして十五箇所、面積にいたしまして五十一万坪。大体施行生体になつて参ります場合は、郊外地の宅地の整備を目的とした場合が多うございまして、たとえて申しますれば、電鉄会社が郊外地の宅地整備をはかる、こういうのが適例かと存じます。
#27
○瀬戸山委員 最近あつちこつちで土地分譲計画とかありますが、ああいうのが入つておりますか。
#28
○澁江政府委員 必ずしもそうでないと存じます。土地区画整理法に基く――現在で申しますれば耕地整理法の規定を準用してやる場合と、そうでない場合というふうに考えられますが、要するに、この土地区画整理法を援用するという以上は、知事の認可を受けて施行主体が実行しなければならない。土地会社が自分の土地を区画整理する場合に、はたしてそういう方法でやつているばかりとは必ずしも断言できない、かように存じております。
#29
○瀬戸山委員 それは任意なんですか、そういう法律によつてやるかやらぬかということは。
#30
○澁江政府委員 施行主体の任意と申しますか、これはもちろんこの法律による場合とそうでない場合との効果から判断して参るよりほか方法はないと思います。この法律の効果といたしましては、本法に基いて施行する場合においては、あるいは測量調査のための他人の土地への立入検査であるとか、土地の分筆あるいは合筆について土地の人にかわつて登記ができる権限を施行者に与えられるとか、さようなそれぞれ施行者に対する権限付与が法律の規定に基いて行われるおけでありまして、そういう点の特典と申しますか、特権をもつて区画整理事業を行わなければならないという以上は、これはこの法律に基いてやらなければならないということになるわけであります。それ以外の法律に基かない土地区画整理は個人の自由、こういうことになるわけであります。この法律の適用を受けてやるかやらないかということも、これもその当事者の自由ということになつて参るわけであります。ただ、公共施設の整備がそれに関連するということになりますれば、当然の結果といたしまして、これは区画整理法に基いてやらなければいけない、こういうことになつて参るかと存じます。
#31
○瀬戸山委員 次に、第二十一条第一項の第四号の「土地区画整理事業の施行のために必要な経済的基礎がないこと。」この「に」以下の問題ですがこれはどういうことなんですか、具体的にひとつ。
#32
○澁江政府委員 端的に申しますれば、区画整理事業の施行主体に当るべき者の施行能力が経済的にない、こういう場合を言つておるのであります。
#33
○瀬戸山委員 もう一つ、第七十六条、建築行為等の制限という規定であります。この規定は今度新たに設けられた点が多いと思うのですが、しかし従来まで実際上行われておつたことだと思います。しかもこれを明定されたことは、非常に適切な措置だと思うのですが、そこで、これをやると、いろいろ問題が起ると思うのでありまして、一つ聞いておきたいのは、第三項の下の方に「当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならい。」――いろいろ条件を付するわけでありますが、「不当な義務」というのは、前にも問題になりはしなかつたかと思いますけれども、大体実例的に、多少具体的にこれを明らかにしていただきたいと思います。
#34
○澁江政府委員 この第三項の不当な義務を課する条件と申しますのは、たとえて申しますれば、この規定に基きます建築の許可を受けようとする場合におきまして、都道府県知事の立場といたしましてあるいは建築許可と引きかえに、無条件立ちのきというようなことを一つの条件にする場合がなきにしもあらず。これらにつきましては、一定の期限――立ちのきにいたしましても、一つの期限あるいは正当な補償、こういつたようなものをそれぞれ考えるべきでありまして、さようなことを無条件の方式にして義務を課する、こういつたようなことをむしろ防止する意味で規定いたしたのであります。
#35
○瀬戸山委員 今の御説明によると、問題は非常こむずかしくなつて来るのじやないかと思います。区画整理の計画を立てて、しかも区画整理事業がなかなか進まない。今、御承知のように戦災復興区画整理事業は非常に進まない。従つて家を立てることが非常にむずかしい、換地もきまらない。しかし何かの商売をしなければならないということで、家を立てるわけであります。それについては、期限を切るということは、実際上施行主体においてなかなかできないから、それじや建てさせるが、しかも本建築はしてはいけない、いわゆるバラツク、そしてそこを実際に仕事をするときには、自費をもつて立ちのけというように、実際にやつておるのじやないかと私は思うのであります。それを一々補償するということになると、区画整理事業費が非常にかさんで来る。そこで相当な争いがあるのですが、そういうものは不当な義務を課したということになりますか。そうなつて来ると、事は非常にめんどうになりはせぬかと思う。そこでどういうことを考えておられるかという意味で私はお尋ねしたのですが、そういうことも不当な義務ということになりますか。
#36
○澁江政府委員 今御設例にありました一定の告示した期限に自費をもつて立ちのいてもらいたい、かようなことは、不当な義務を課するという考え方の中には入らないというふうに考えております。
#37
○瀬戸山委員 さつきちよつとそういうふうに聞えたけれども、そうなつて来ると事が重大で、たいへんなことになるおそれがあると思つたから、私は念のために聞いたのですが、それならそれで住民は非常に喜ぶんですよ。すべて補償をして立ちのかせるということになればけつこうでありますが、それでは区画整理事業ができなくなりはせぬかと思うのです。そこで具体的実例でありますが、ほかにもありますけれども、一番大きくなつた例の浜松市の区画整理事業は、これに直接関係があると思いますが、あの事業は現在どういうふうになつておりますか。
#38
○澁江政府委員 浜松の区画整理事業は、御承知のように非常に遅れておるわけでございます。遅れている理由は、一つには、浜松の駅前から国道に沿いました街路の拡幅を三十六メーターでしたか三十二メーターでしたかにするという点であります。この問題につきましては、立ちのきを命ぜられた地元の関係者と、執行者であります市との関係において、二、三年来紛糾を起させておりましたが、幸いその衝に当る市の担当局長等もかわりまして、私の聞いている範囲内では、その方の解決は漸次進んでおるというふうに聞いております。ただ、また新しい問題が別途出て来た。と申しますのは、駅裏の区画整理事業をやることになつておるわけでございますが、この地区に対する執行者側、市側から一応の案として出しました区画整理案、換地計画案に対して、地元が非常な難色を示しておるわけであります。この調整につきまして、私どもの方も及ぶ限り、市と当該地区の権利者との間に入りまして、適切妥当な仲裁の方法と申しますか、解決案をつくりたいというふうな考えで、今せつかく努力中でございます。
#39
○瀬戸山委員 私はあつちこつちお零れするつもりはありませんが、七十六条は、特に本法の中でも住民の利害に直接関係のあるところでありますから、お聞きするのでありますが、浜松の場合でも、今国道を拡幅する計画がちやんとできており、一部はそれを実行されて、残りのところが非常に遅れておりますので、そこに町の人たちがたくさん家を建てた。聞いてみると、それにはいわゆる条件がついておる。それは事業をするときには立ちのかなければならない条件がついておる。しかしあまり遅れるので、いろいろ家の整備をいたして商売を始める。そうなつて来ると、さあ立ちのけと言つても、なかなか立ちのかない。そこで私は、不当な義務というのはどういうことかと聞くわけでありますが、さつきの答弁では、またちよつと明確を欠いております。もしそれが不当な義務でないということになれば、私が申し上げるまでもなく、強制的に除却する、あるいは事業者かかわつて除却する等いろいろあるわけですが、それができないで今日問題になつて、浜松市の戦災復興事業計画は非常に遅れておる。そこに関係するので聞くのでありますが、不当な義務というのは、どういうことを考えておられるか。これをはつきりしておかないと、現にそういう事例がたくさんありますので、不当でなかつたならば、せつかく区画整理の法律をつくるの、だから、どんくそういうのをやるべきで、さつきもほかの方から資料のことで言われたのでありますが、そういうことにひつかかつて来るからお尋ねするのであります。不当な義務といつても、そういう具体的な問題を、あなた方はどういうようにお考えになつておるか。不当でなかつたならば、正々堂々と早くやるべきじやないか、こういう考えがあるからお尋ねするのですが、どうですか。
#40
○澁江政府委員 これは立案のときから、いろいろ問題になつておつたわけでございますが、許可の当局としての府県知事の出す条件が、いわゆる立ちのきとその他の場合における条件として合理的なものであれば、もちろんそれを不当というふうに判定されるわけはないと思いますけれども、この規定を置く場合に、論議の問題になりましたのは、期限をつけないで無条件の立ちのき、こういつたようなことになる場合は、むしろ不当な義務を課する結果になるのではないか。こういうことで、法制局との論議の際におきましても、そういう許可条件をむしろ防止することを明定するがいいのではないかということでできたのであります。
#41
○瀬戸山委員 今の御答弁は明確でありませんが、急いでおりますし、この点はさらにあなた方の方で実例等今までにたくさんあるわけですから、どういうふうにしなければならぬか、ということがはつきりしなければ、将来たびたび問題が起ると思います。せつかく法律をつくるときでありますので、よく御協議なさつて、この次もう一度私はこれを質問いたしますから、そのときお答え願います。
 もう一つ、これは私憲法の方を調べておりませんからわかりませんけれども、九十五条に特別の考慮を払う換地の方法について、いろいろたくさん並べてあるわけであります。これは私の考えかいいか悪いか、ただどういう考えでそうされたかということを聞くだけの問題であります。ここに神社であるとか仏閣あるいは教会、そういうものについては、全然特別の考慮を払わないというように法律はできておるわけでありますが、何か理由があるわけでありますか。
#42
○澁江政府委員 九十五条の各施設あるいは工作物の範囲は、一応この法律の上で、いわゆる公共施設等の定義に入らないけれども、しかし事業の性格あるいは施設の性格としまして、この換地上特別の考慮が払わるべき公益的性格を持つているようなものを掲げたつもりでございます。従いまして、今お話がございました神社、仏閣等につきましても、たとえて申しますれば第四項におきます文化財保護法の規定を受けるようなものについては、もちろんこの第四項の規定を援用することによつて解決がつくと思いますし、さようでない由緒ある建造物等の取扱いにつきましては、例示の中に入つておりませんけれども、第一項の第六号等を援用いたしましてこれを政令で定めることになつておりますが、その取扱いを他の場合に準じまして規定したい、かように存じております。
#43
○瀬戸山委員 神社であるとかあるいは寺院、教会、こういうものは、もちろん憲法で特別に国家が保護することは禁止せられております。それはけつこうでありますが、しかしこれは、何も特別に国家が保護するという条文ではないのです。ここに掲げられておるのは、今御説明の通りにいわゆる国民といいますか、住民といいますか、そういう多くの人たちに関連がある。いわゆる多少公共性があるのです。そういう意味でここに並べられておるのです。それから文化財保護法の云々と第四順にありますけれども、そういうものはめつたにないのでありまして、寺院それから教会、神社、これはいずれの国民でも――外国のことは言いますまいが、日本の国民いずれの人たちでも、神社、仏閣、教会、いずれかに関係がある。しかもこれは多くの人たちが関係がある。これなくしては人間の生活ができない。共産党の諸君はどうか知りませんけれども、しかし共産党の諸君でも、伊勢神宮に参つたりするのですから、人間である以上は、こういうものにどうしても関係がある。そうして多くの人たちが集まる。従つてこういうところが町の形態をなす中心に来るのです。どこでもそうです。北海道あたりへ行つても、一番よくできておるのはお寺です。そのお寺を中心として聚落をなして町ができておるようであります。これが町をなす多くの形態であります。私はお寺に加勢をしたり教会の加勢をしたりするつもりではありませんが、これを全然不問に付しておられるということは、これはこの土地区画整理ということは、何か別にお考えがあれば別でありますけれども、おかしいという気がしますので、どういうわけかわけがあつたらお聞きしたい。なるほど第一項の六号に「その他特別の事情のある宅地」とありますけれども、しかし前に火葬場であるとか塵芥焼却場であるとか、あるいは墓地というものまで並べられておるのに、国民の精神生活の中枢といわれておるようなところに考慮を払われなかつたのは、何か理由があるかというととなのです。
#44
○澁江政府委員 この規定の前身になる規定といたしましては、現在の都市計画法――これは私どもの考えといたしましては、神社、仏閣等に対しての取扱いを、別に今お話のようなことによりまして規定をしようという関係はございませんが、しかし御承知のように、現在の戦災復興事業計画等において、神社、仏閣用地あるいは教会の用地も、かなり換地の対象になつております。しかし国民感情として、あるいは地元の感情といたしまして、現存している神社あるいは仏閣、そういつたようなものが、この施行地区内の住民の感情の上から行きまして特別扱いをしてもらいたいということは、わからないことはないと思いますが、しかし建物そのものを由緒あるものとして保存しようということと、その換地の取扱いの特別扱いという問題とは、必ずしも一致すべきものではないのでありまして、その土地々々の状況に応じて判断して何らさしつかえないじやないか。できるだけさような由緒ある建物を土地区画整理事業のためと言つて除却する等のことは、換地の方法としては避けるべきであるというふうには考えておりますけれども、そういう点におきまして、この取扱いの上では、必ずしも他の公共用地等と同様に取扱わなかつたわけでございますが、政令の規定の上で、なお十分研究さしてみたい、かように存じております。
#45
○瀬戸山委員 今日はこの程度にいたします。
#46
○久野委員長 両案に関する質疑は次会に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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