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1953/06/09 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 議院運営委員会 第74号
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1953/06/09 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 議院運営委員会 第74号

#1
第019回国会 議院運営委員会 第74号
昭和二十九年六月九日(水曜日)
    午後零時三十三分開議
 出席委員
   委員長 菅家 喜六君
   理事 荒舩清十郎君 理事 今村 忠助君
   理事 坪川 信三君 理事 渡邊 良夫君
   理事 椎熊 三郎君    生田 宏一君
      江藤 夏雄君   岡村利右衞門君
      加藤常太郎君    助川 良平君
      田渕 光一君    三和 精一君
      森   清君    山中 貞則君
      山本 友一君    小泉 純也君
      中野 四郎君
 委員外の出席者
        議     長 堤 康次郎君
        事 務 総 長 大池  眞君
    ―――――――――――――
六月九日
 委員三池信君辞任につき、その補欠として加藤
 常太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 回付案の取扱いの件
 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの
 件
 本日の本会議の議事に関する件
    ―――――――――――――
#2
○菅家委員長 これより委員会を開会いたします。
 さきに委員会において決定いたしておりました懲罰事犯の取扱いを議題といたします。本日懲罰事犯を本会議に上程することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中野委員 異議はないが、疑問の点が一、二点ありますから事務総長に伺いたい。懲罰事犯にかけるに際しては、開会を宣し、そうして会議の続行中に起つた事案について懲罰というものができるのですが、あるいはまだ開会を宣しない段階においても懲罰というものは行われるものかどうか、この点を念のために伺つておきたいのです。
#4
○大池事務総長 これは、中野さんは衆議院規則の二百三十三条だけをごらんにたつたのかもしれませんが、その次の二百三十四条に「会議及び委員会の外、議院内部において懲罰事犯があるときは、議長は、これを懲罰委員会に付する。」ということになつておりまして、会議中だけではないのでございます。
#5
○菅家委員長 それでは懲罰事犯は本日の本会議に上程することに決定いたしました。
#6
○椎熊委員 私は、自由党、改進党の同僚から共同提案によつて懲罰動議が出ておりますが、それは議員みずからがそういうことを主張して、委員会に付すべき動議を出しておる。それとは別個に、議長が暴力によつて職権を阻書せられた、妨害せられた、そういうことに対しては議長の職権を行使する、妨害者に何らかの措置をとらなければ悪例が残つてしまうと思うのです。この際は、やはり議長としてもこれに対する見解を明らかにし、何らかの措置に出るべきものだと思いますが、そういうことについて議長はどういうような態度をとられるでしようか。もし直接議長から伺うことができれば、けつこうであります。
#7
○堤議長 今回の事件は未曽有の不祥事でありますから、将来こういうことを絶滅させなければならぬという信念においては、諸君と私は少しもかわりない。しかしながら、議長としては今二つの大きなことがあります。それは、将来にかかることを再び起さないということが一つ、そうして国会をなるべく話合いによつて普通のルールに乗せて行きたいという政治的な考慮と、この二つありますから、結果が同じであるならば、議長職権の発動ということにしない方がいいような気もいたしまするが、しかしそれは考えの違いでありますから、諸君が、かかる場合は議長職権の発動が当然なさるべきものであるという御意見であれば、決してそれをかれこれ申すものではありません。二つの大きな目的がある。この兼ね合いをいかにするかということは、これはひとつ諸君の判断に従つて私は行動をいたします。
#8
○椎熊委員 議長の御決意の一端を伺うことができましたが、私は、この事犯を解決する道、けじめをつける道は、われわれから懲罰動議をすでに出しておりますけれども、それとは別個に、議長として何らかの措置をしなければいけないことである。政治的考慮であるところの話合いで軌道に乗せるということとは別個に、国会を清純な形で守るための議長の職権の発動が、どうして心なければいけないことだと思います。あれだけ議長の神聖な立場を汚されておつても、政治的考慮に重きを置いて、議長は国会の議長たるの職能を蹂躪されて、なお何らの措置にも出なかつたということは、むしろ議長が非難される原因の一つともなるのである。身をもつてあの事態に対処せられたる、非常な勇猛心を発揮されてあれだけの立場に立つた議長といたしましては、どうしても国会を守るのだという信念の上に立つて、政治上の話合いとは別個に、国会の立場を守る上から、そうして将来どなたが議長になられましても、その地位がまつたく神聖に擁護せらるべきものだという国会運営上の中心問題を、あなたの議長時代に、やはりりつぱに先例として残しておく必要があると私どもは思います。これは党派的考え方ではなく、ただ単に今日の混乱からのみ来た問題ではなくして、永遠に日本の国会を守る根本の理念を逸脱してはならぬ重大なものだと私は信ずるのでありまして、われわれが議長の決意を促すとか、われわれの判断によつてなすとかいうことであつてはならない。議長本来の職権に基く神聖なる権限を擁護するの建前から、断固たる処置に出られんことを私は望んでやみません。
#9
○堤議長 椎熊君の御意見は、ごもつともであります。ただ私は、両方の目的を達する点において、結果が同じであれば、議長職権による方法をとらなくともよいという考え方ができると申し上げたので、最終的には諸君の御意見に従いたいと思います。しかして、議長があの行動に対しての責任を問うという考えが薄くなつておると考えられたら、それはまことに心外な次第でありまして、ことに世間の私に対する批評などというものは、私の考慮の中には毛頭入つておりません。ただ正しいこと、どうすれば国のためかということが私の判断の資料になつておるのでありますから、御意見を十分尊重して適当に処置をいたします。
#10
○菅家委員長 ただいまお聞きの通り椎熊君より御発言があり、議長より御答弁がございました。この件は、椎熊君の御発言はしごく当然なことであると思われます。またさらに、議長より善処するとの御答弁もありましたが、なお私は、この際議長の諮問の機関である当委員会として、議長に御要望しておくことは当然であると思います。さきに椎熊君御発言の趣旨によつて、このことを議長に強く要望いたしたいと思います。議長にこの委員会の要望をとられんことを期待するという意味において、その事柄をきめておきたいと思います。ただいま椎熊君の御発言の通り、議長にそのことを要望するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○菅家委員長 全会一致をもつて、議長職権による懲罰をこの際とるべきものであるということを、議長に強く要望することに決定いたしました。
    ―――――――――――――
#12
○菅家委員長 次に、参議院の回付案を議題といたします。農業委員会法の一部を改正する法律案に対する参議院の回付案、それからもう一つ、農業協同組合法の一部を改正する法律案の参議院回付案、この二つがありますので、二つを一括して事務総長より一応御説明申し上げます。
#13
○大池事務総長 まず農業委員会法の一部改正の回付案について御説明いたしますが、政府の方では、昭和三十一年五月三十一日までに農業団体について根本的な検討を加えまして、その結果新法の制定、その他法律改正をとるべき旨の規定を附加いたしました。つまり、ただいまの附則の第二十三項にそういう文面のものを差入れて参つたのであります。それから第二点は、農業団体の改組までの措置といたしまして、ただいまの三十一年五月三十一日までの措置として、農業委員等の任期を次の通り修正をいたして参りました。農業委員の任期は、三年となつておりましたのを二年に、一年減らして参つたのであります。これが第十五条の修正であります。それから都道府県農業会議の会長及び副会長の任期は、会則で二年以内に定めることになつておりましたが、ただいま申しましたように、前が二年になりました結果、これも二年以内に改めて参りました。これが第四十六条の規定であります。次に全国農業会議所の役員の任期は、これもまた定款で三年以内に定めるとありますのを、二年以内と改めて参つたのであります。これが第六十九条の修正であります。その他の修正は大体条文の整理でございまして、根本的にはただいま申し上げました通り、三十一年の五月末までに十分検討した上、新たに制定をいたしたい。こういう規則に基きまして、三年という任期をすべて二年に改めたというのが、農業委員会の一部改正の修正案でございます。
 それから農業協同組合の方の参議院の修正の趣旨は、ただいま申し上げました通り、三十一年五月三十一日までに根本的な検討を加えまして、その農業協同組合法その他の法律改正の措置をとるべしということを、同じように附則第五順に持つて参つたのであります。従いまして、それに引続きまして、農業団体の改組までの措置といたしまして、中央公の役員及び選挙による代議員の任期が三年ということに定款に刈りますのを、みな二年に改めたのであります。両法案とも、要するに三十一年五月三十一日までの経過的なものといたしまして、任期三年を二年といたしまして、その期間に新しく制定をしたい、こういう趣意でございます。
#14
○菅家委員長 ただいまの参議院回付案の取扱い方でございますが、二法案とも、院議を尊重するという建前で本日これを上程し、三分の二によつて再議決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○菅家委員長 それでは、この二つの参議院回付案は本日の本会議に上程し、三分の二によつてこれを再議決するということに決定いたします。
    ―――――――――――――
#16
○菅家委員長 次は、国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件でございます。お手元に履歴書、氏名等を書いたものを差上げてございますが、青木均一君、小汀利得君、金正米吉君、高野弦雄君、野村秀雄君、以上五君の国家公安委員会委員任命につき、同意を求めて参りました。これは前例により次会にいたしましよう。各党において御検討の上、次回の運営委員会において態度を表明願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#17
○菅家委員長 本日の議事について事務総長より御説明申し上げます。
#18
○大池事務総長 本日の議事は、ただいま御説明申し上げました参議院の回付案二件が載つておるのでありますが、この前の議院運営委員会で懲罰動議が提出されております。その懲罰動議の取扱いを御決定願いまして、本日これを上程するということになりますれば、議院構成に関することでありますから、回付案の前にそれを御決定願い、それからただいまの回付案二件を議題にお願いいたしたいと考えております。従いまして、懲罰動議の採決方法並びに回付案の採決方法は、ただいまの御決定によりますれば参議院の修正に同点せず、本院の議決通りに再議決するということでございますが、これらの採決の方法を御決定願いたいと思います。
#19
○菅家委員長 ただいま事務総長より御説明申し上げました通り、第一に懲罰動議が先議されることになりますが、この採決の方法は記名投票とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
 次に参議院回付案の二法律案、これも記名投票によつて採決いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○菅家委員長 御異議なければ、採決の方法は記名投票をもつてすることといたします。
 なお、本委員会は休憩いたしておきまして、休憩のままいつでも開けるという態勢にいたしておきます。
 本会議の開会時間は一応二時ということに決定いたしておきます。
    ―――――――――――――
#22
○椎熊委員 これは別個の問題ですが、今度の乱闘事件の真相を調査する特別委員会をつくりたいということをわが党から自由党に申し入れておいたのですが、委員長の手元まで、まだそういうことが出ておりませんか。
#23
○菅家委員長 まだ正式の申出はありませんが、自由党の方において、今改進党の申入れによつてこれを設置するという建前に立つて調査いたしております。次の委員会までには特別委員会設置についてお諮りしなければならぬことになるかと思います。
 なお、田渕君より先般来から質疑を求められておりますから、この際なるべく時間を制して、質問の要点をお述べ願いたいと思います。
#24
○田渕委員 私は、昨日書面によつて議長の御回答を求めたのでありますが、大体その趣旨を申し上げますと、この未曽有の不祥事は、われわれ議員がお互いに冷静に反省して、深く陳謝のまことをいたすとするならば、その具体的な現われとして、国会においてこの善後措置に全力を尽さなければならぬ。そうして一日も早く、この内外に落した国会の品位と権威を回復しなければならぬと思うのであります。そういう意味におきまして、先ほど議長のお話にもありました通り、社会党の諸君は、この当日の、つまり議長宣告が無効であるというような建前から、かつてな行動をとつております。ところが参議院でも、すでに本院の通告を受けまして本会議が開かれ、国会が開会されておるのに、去る四日、五日ごろから名古屋地方、群馬県地方等において、両派社会党の議員の諸君の一部が、この六月三日事件の真相を誤てる――われわれから見ますればりつぱに誤つております真相を国民に宣伝して、党勢拡張も兼ねておるのであります。一方われわれの方は、国会が継続されておるので慎重にやつておる。この間、衆議院規則の第十二章第百八十一条ないし百八十五条の議員の請暇、欠席の手続について、書面をもつて議長に私は回答を求めたのであります。ところが、本日議長の方から私あてに御回答がありまして、私の申し述べたことはその通りであるというふうに御解釈にはなつたのでありますが、一番大きい問題は、百八十五条の議員の義務規定であります。すなわち議員の請暇、欠席については、議長の許可を経なければならないとありますのに、何らその手続をとつていないと思うがどうかという御質問をしたのに対して、まだとつていないという御回答でありました。すなわち六月四日以降の本会議及び委員会に欠席いたしておりますが、衆議院規則第十二章所定の請暇または欠席の手続を経ておりませんという御回答がありました。なお、この百八十五条の規定は、議員としての義務規定であることは当然であるという御回答があつたのであります。しかるに先刻椎熊委員からお話がありました通り、すでに事犯が起りましてから一週間になんなんとしておるとき、議長職権の発効されなかつたことははなはだ遺憾でございますけれども、議長のただいまの御説明でよく了解できたのであります。これと関連いたしまして、この問答にこういうことが書いてあります。「かかる現状は真に遺憾でありますが前申し述べたように六月三日の会期延長の議事をもつて無効なものとの解釈の上に立つて義務違反をされておるもめと思考されます。かかる特殊な立場をとつておられる両派社会党の議員に対し議長がいかなる方途を講ずべきかについては、諸般の情勢をも勘案して慎重に考慮中であることを申し添えます。」こういう御回答で、私はこの点ちよつと満足いたしかねるのでありますが、御回答をいただいたのでありますから、この御回答によつて、さらに議長の善処を要望いたしたいと思つておりましたところ、先ほど椎熊委員の御発言によつて非常に強硬な決意が見えましたので、これに対してさらに私は御回答を得る必要はないのじやないか。なお、わが党同僚議員の御意見もよく伺いますが、少くとも国会がはつきり延長されて衆参両院がやつておるときに、かつてに議長の許可を得ず、あるいは請暇、欠席の手続を経ずにやるということは、従来もしばしばあつたのであります。こういうことが長年重なつて来たために、こういうふうに国会の議員の行動というものがルールを乱して来たのではないかと思いますので、この機会にこれを厳粛にいたしたいというのが、われわれの念願でございます。各位の御意見もありましようが、そういう意味で、議長は考慮されるという御意思の御回答の後に、ただいま椎熊委員の御質問に対して非常に強硬な御意思の表明がありましたので、これに対して何らかの処置が講ぜられることであると思います。こういうことは許されないことであると思いますので、一応回答を求める次第でございます。
#25
○菅家委員長 なお、御報告申し上げておきたいことがございます。先般本委員会において御決定願いました院内並びに院の構内における秩序保持に関する申合せの件であります。国会センター内におけるデモ、集会の禁止区域、正門、正玄関の議員だけの出入の件、院内の通行証、バツジの整理の件、開会中の院内参観の一時中止、各常任委員会に議長より傍聴制限のことの要望等がございましたが、いずれもこれはさきに申し上げました通り、参議員との協調を得なければならない事柄でございまして、本院のみにおいて、かりに正門、正玄関を議員だけの出入といたしましても、参議院がこれと別の取扱いをいたしましては、取扱いが二重になりまして意味がないことになります。国会センターにおけるデモ禁止区域の関係も同様でございます。そこで本日、これより参議院議院運営委員長並びに参議院議長及び衆議院議長の間において、また事務の方からも折衝していただきつつありますが、なおこのことに対しまして、参議院との協議の結果をあらためて御報告申し上げます。一部分参議院の主張と異たるところがある場合におきましては、委員長において適当にその間の調節をとりまして、衆参両員が同じケースで行く、こう考えておりますので、一応中間の御報告を申し上げておきます。
 なお、一部の新聞等において、この六項目の決定は暴力である、いわゆる東条内閣時代以上の暴力である、秘密国会であるなどという、まことに間違つたる報道をしておる新聞がございます。しかし、以上の六項目をきめたことによつて国会が秘密国会であるなどということは、これこそ暴論でございます。このことは、一応それぞれの機関によつてその誤りを正したいと考えておる次第でございます。本会議の傍聴を禁止したり、あるいは新聞報道関係者を本会議に入れないとか、院内に入れないということなら、そういう議論も立つでございましようが、これはそういうことでなく、しばしば本委員会におきましても野党の諸君からも強い要求のあつたことでございます。バツジの整理にいたしましても、正門並びに正玄関の出入、国会センター内におけるデモ禁止の問題も、左派の一部に反対があつたのでありまして、右派はこのことにその当時同調いたしておつたのであります。しばしばこの委員会で問題になつたことを、今回の事件にかんがみて確立しようとするにすぎないのでありまして、その点各位において御了承願いたいと思う次第であります。以上中間的に御報告申し上げておきます。
 それでは本委員会は暫時休憩いたします。
    午後零時五十九分休憩
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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