くにさくロゴ
1947/06/15 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 議院運営委員会 第49号
姉妹サイト
 
1947/06/15 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 議院運営委員会 第49号

#1
第002回国会 議院運営委員会 第49号
昭和二十三年六月十五日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○議案の付託に関する件
○社会革新党の控室に関する件
○政治資金規正法案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) 只今より会議を開きます。先ず議案の付託についてお諮りいたします。議事部長。
#3
○参事(寺光忠君) 六月十二日に財政法第十五條第四項の規定によつて昭和二十二年度國庫債務負担行爲総調書を別紙の通り報告するというので出て参つておりますが、これは今度の新らしい財政法による初めての事例でございますので、一應お諮りいたします。財政法の第十五條によりまして、國庫債務負担行爲を行う大きな枠が予算の上で一應決められまして、その予算の範囲内において現実に負担行爲を行なつたその調書を毎年報告しろ。こういうことなのでございます。それで二十二年度についての報告書が出ましたのでございますが、本件は決算委員会に付託せられたいという意見と、もう一点は、決算委員会に付託いたしました場合に、議案の扱いといたしまして、例えば過去において國有財産の増減総計算書というようなものの報告書が出ました際に、やはり委員長報告などがありまして、そうしてハウスの承認というようなことに類似のことをやつておりましたのでありますが、そういうような形において、決算委員会でやはり御審議になるというような扱いにせられたらどうか、こういうことでございます。
#4
○委員長(木内四郎君) 御質問なり御意見ございませんか。只今議事部長の説明したような方法によつて処理することにして御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#5
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
#6
○参事(寺光忠君) もう一件お諮りいたしたいと思います。この前の本委員会で自轉車競技に関する法案を文化委員会に付託するように御決定になりましたのでございますが、文化の委員会で非常に他に議案が輻湊しておるという関係と、文化委員会に必ずしも適当ではないという見解とで、商業委員会の方の委員長と御相談になりました結果、商業委員長の方でも、自分の方で審議してよろしいということであつたそうでございます。従いまして文化委員会に付託することの御決定になり、そのようにいたしました議案でございますけれども、改めて商業委員会の方へ付託替えをするようなふうにお計らい願いたいと、かように思つております。
#7
○委員長(木内四郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。それでは自轉車競技法案を、商業委員会に付託することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
#10
○参事(寺光忠君) もう一件お諮りいたします。昨日議員の濱田寅藏さんが、社会革新党、衆議院にございます佐竹さんの社会革新党でございますね、社会革新党に入党した。そうして濱田氏を参議院の社会革新党の代表ということにするのだという届出が参りましたのでございます。それで本院といたしまして、社会革新党というものの控室といいますか、事務手続としては單に控室の変更という形式をとるのでございますが、控室というものを認めるということを一應運営委員会で御決定願いたいと思います。
#11
○委員長(木内四郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#12
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。……それでは只今議事部長からお話のありました社会革新党につきましては、これは三階の内談室を控室として、他の諸派及び無所属と一緒にして頂くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより政治資金規正法案を議題といたします。本案は先に本委員会に付託されまして、政党及び選挙に関する小委員会において審議して参つたのでありまするけれども、小委員会におきまして結論を得るに至りましたので、只今小委員長の報告を伺うことにしてはどうかと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。それでは藤井小委員長に御報告をお願いいたすことにいたします。
#15
○藤井新一君 政治資金規正法案に関する小委員会におきまする審査の経過並びにその結果について簡單に御報告申上げます。先に衆議院におきまして政党並びに選挙に関する政治腐敗防止法案の立案を開始いたしましたのに相呼應いたしまして、本委員会におきましても衆議院と連絡して同法案を研究するために、去んぬる二月三日十一名の委員より成る小委員を設けることに決定いたしまして、同月の六日に小委員長互選の結果、不省私が御推薦に與つたのであります。それ以来或いは小委員会、或いは打合会或いは懇談会の形式を以て毎回熱心に審査を続けまして、その、間時に衆議院小委員長長野君その他の出席を得まして、衆議院においての起草状況、或いは提案者側の諸般の説明を聞きまして、町に又各会派における研究結果を持ち寄りまして意見の交換をいたしました。愼重審議、討議をいたすこと前後五回に達しました。四月三十日に至つて衆議院におきましても漸く政治資金規正法案なる題名を以て本会議を通過成立いたしまして、同日本院に提出いたす運びに相成りまして、議長は即日これを本委員会に付託いたしたのでございます。
 かくて本小委員会におきましてもいよいよ本格的審査に入つた次第でございますが、先ず五月五日衆議院政党法及び選挙法に関する特別委員長淺沼稻次郎君より、提案の理由、法案の内容及び衆議院における審査の経過について説明を受けました。去る六月八日に至るまで回を重ねること実に十一回、その間五月六日には小委員会の名称を政党及び選挙に関する小委員会と改名いたし、又同月の二十四日には学界、実業界、及び労働組合関係より各々二名の関係者を証人といたしまして出頭を求め、各界の隔意なき意見を聴取いたしましたが、これらは議院運営委員会といたしまして各皆様方のすでに御承知の通りだと考えます。
 以上のようにして毎回極めて熱心に種々意見の交換をいたしました結果、最後に去る十一日に全体を通じて第十一回目の小委員会において討論に入りましたところ、無所属懇談会の佐々木委員は後かち申上げるような修正案を御提出になりましたが、採決の結果これは賛成者少数で否決と相成りました。続いて緑風会の竹下委員より後程述べますような修正案が御提出になりました。その理由、内容については後程竹下委員より御説明がありまするが、この修正案は採決の結果、多数を以て可決せられ、更にこの修正以外の部分は、全部衆議院提出原案の通り可決いたすべきものと決定いたしましたのであります。以上簡單ながら小委員会の結果を御報告いたします。
#16
○委員長(木内四郎君) 尚小委員の方で御発言がありましたら……。竹下委員。
#17
○竹下豐次君 御指名によりまして政治資金規正法律の修正條項及びその修正の理由につきまして説明申上げたいと思います。
 先ず修正の條項につきまして申上げます。
   政治資金規正法案の修正案
 題名を次のように改める。
 政治資金規正公開法
 この法案中「政党」を「政治團体」に改める。第三條を次のように改める。
 第三條 この法律において政治團体とは、政党その他の團体で、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを本來の目的とするものをいう。
 この法律において協会その他の團体とは、政治團体以外の團体で、政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を施薦し、支持し、若しくはこれに反対するものをいう
 第六條第一項本文中「第三條に規定する目的を有するに至つた日」を「第三條の規定に該当するに至つた日」に改め、同項第一号、第二号及び第三号中「第三條に規定する目的を有する」を「第三條に規定する政治活動をする」に改める。
 第八條中但書を削る。
 第十三條第一項中「短年四月三十日、八月三十一日及び十二月三十一日」を「毎年六月三十日及び十二月三十一日」に、同條第三項中「第一項の報告書」を「第一項及び前項の報告書」に改め、同條第二項の次に左の一項を加える。
 政治團体の会計責任者は、毎年六月三十日及び十二月三十一日現在で、財産の現況を記載した報告書を、各くその日の翌日から十日以内に、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
 第十七條中「第三條に規定する目的を有しなくなつた」を「第三條の規定に該当しなくなつた」に改め、同條末尾に左のように加える。
 この場合において政治團体にあつては、併せて財産の現況を記載した報告書を提出しなければならない。第五十二條を次のように改める。
 第五十二條全國選挙管理委員会は、この法律の執行に関し必要があると認めるときは、政治團体、協会その他の團体又は公職の候補者その他関係人について、この法律の規定の適用上必要な認定をなし、又はこれらの者に対し報告若しくは資料の提出を求めることができる。
 参議院全國選出議員選挙管理委員会又は都道府縣若しくは市町村の選挙管理委員会は、この法律の執行に関し必要があると認めるときは、政治團体、協会その他の国体又は公職の候補者その他関係人に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
 以上読み上げましたのが修正案であります。以下、修正の理由を簡単に説明申上げます。
 先ず第一に題名を政治資金規正公開法と改める理由を申上げます。この法案におきましては、政治資金の規正ということのみならず、これと相並んでその公開ということをその主眼としておるのでありまするが故に、題名と内容を一致せしむるために、公開という文字を加えて、政治資金規正公開法に改めんとするものであります。
 第二に、この法案中、政党を政治国体に改める理由を申上げます。原案では、第三條第一項において、政党の定義を下しているのでありますが、その内容を見ますと、社会通念による政党の意義よりも遥かに廣く、むしろ一般に政治国体又は政治結社と呼ばれておるものの定義として適切なように思われますので、名称と定義の内容とを一致させるため、第三條第一項を初めとし、この法案中、政党とあるのを政治国体と改めんとするものであります。
 第三に、第三條第二項修正の理由を申上げます。第三條第二一項においては、政治團体以外の国体の定義を下しているのでありますが、一應読み上げて見ますると、「この法律において協会その他の團体とは、政党以外の團体で、政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するものをいう」と規定してあります。今読み上げたように、その末尾に「目的を有するもの」と規定しておりまするが、その意義か甚だ不明確なのであります。提案者の説明によりますれば、労働組合、経済團体等においても、客観的に政治目的を有するに至つたときには、これに包含される趣旨であるというのでありますが、「目的を有するもの」と規定しますれば、例えば経済團体又は労働組合等が政治活動をなす場合において、それは團体の目的を達成するためにする手段に過ぎないので、目的ではないから、本法の適用を受けざるものであると解釈されるのが普通であります。そこで第二項中「目的を有する」という字句を削除して、かような疑義の起るのを防ぐこととし、一面又第五十二條に修正を加えて、全國選挙管理委員会に対し、この法律の規定の適用上必要な認定をなす権限を與えて、法の適正なる実施を期せんとするものであります。尚これに伴い第六條及び第十七條は字句の修正を加えんとするものであります。
 第四に、第八條但書削除の理由を申述べます。第八條の但書は不必要でありますのみならず、この但書あるために、却つて疑義を生ずる憂があるので、これを削除したらと思うのであります。
 第五に、政治團体の財産報告規定の追加について申上げます。政治團体の趣旨を明かにすると共に、定期に財産の現況を明かにして置くことが、この法律の目的を達するのに必要と認めらるるのでありますが、原案に規定してありませんので、第十二條及び第十七條に必要な規定を追加することとし、尚財産の定期報告を年二回とすると共に会計報告についても、原案が年三回とあるのを、年二回に改め、両者歩調を合せたいと思うのであります。
 第六に、第五十二條の修正理由は第三條の修正理由と一緒に申上げた通りであります。以上で私の説明を終ります。
#18
○委員長(木内四郎君) 小委員長の報告及び竹下委員から補足されましたが、これについて何か御質問がありましたら……
#19
○塚本重藏君 先程藤井小委員長の報告がありました時に、尚この外に、無所属懇談会の佐々木委員から修正案が出たが、それは後程述べると言つて述べられないのでありますが、この機会に、それをお述べになつたら如何ですか。
#20
○委員長(木内四郎君) 後刻討論の際述べられることに……。実は委員外の議員の中西君から発言を求められておるのでありますが、討論の段階に入りますというと、委員外の議員は、発言を認めることができませんので、若し発言を認めて頂くならば、この段階において発言を認めて頂きたいと思うのでありますが、中西君の発言を認めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。中西君。
#22
○委員外議員(中西功君) 実は私達の当委員をしております板野君が、病気で倒れておりますので、代りまして、ここで、ちよつとこの法案について、今まで共産党がどう考えておつたかということを簡單にここで表明したいと思います。実は、この政治資金規正法案につきましては、こういうふうな形で政党を規正することに対しましては、私達は賛成できないという態度であります。このことによつて、実際に我々の一般の政治活動が非常に制約を受けるということは、憲法に明示されたいろいろの諸権利を、という結果になりますので、できますれば、こういうものができないことが極めて好ましいと考えておつたのでありますが、併し若し止むを得ない場合におきましては第三條を非常に改めて貰う。その点におきましては、先程出されました修正案が、第三條に関しては、我々の意見に可なり接近しておるという点がありますが、ただ私達としては、政党はともかくとして、労働組合や農民組合、文化国体、学術團体或いはその他協同組合等の主として経済的、文化的な諸活動を主としておる團体に対しては適用しないというふうな明文を附け加えて貰いたいと考えておつたのでありますが、それができなかつたということは非常に遺憾に感ずるのであります。併しこの第三條の修正は、その方向への修正として感じますので、非常によいと考えております。尚、私達が非常に困りますのは、いわゆる街頭募金の問題でありまして、これは政党のみならず我々みたような主として大衆の零細な資金によつて生きておる、それに依存しておるという党は、これが束縛されることは非常に致命的な打撃なんであります。これは我々だけでなくして、労働組合その他の大衆團体においても同様であろうと思います。できますればこの点をもつと修正して貰いたかつた。この点は佐々木議員が出された小委員会における修正案がその趣旨を含んでおつたと思うのでありますが、それが一應否決されたわけであります。そういうふうな点で我々としては、基本的にはこういう法律がないことがよいという建前で、それは今も変つていないわけであります。板野委員がいなかつたので私が出て、ここで我々の大体の見解を述べさせて頂いたわけであります。以上であります。
#23
○委員長(木内四郎君) 別に御発言がなければ、この法律案につきまして討論に移ることに御異議ありませんか。
   〔了異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。これより討論に移ります。御意見のある方はお述べを願います。
#25
○佐々木良作君 先程小委員長からの報告におきまして、この小委員会における内容が報告されましたが、小委員会におきまして私が提出いたしました修正案を再度この本委員会に提出したいと思うのであります。從いまして修正案の内容と理由を簡單に申述べさせて貰いたいと思いますが、よろしうございますか。
#26
○委員長(木内四郎君) どうぞ。
#27
○佐々木良作君 修正の内容は大体二点でありますが、先ず修正案を読上げます。プリントになつて修正案が出ております一というのがそうでありますから御覧願いたいと思います。
 第三條第二項を次のように改め、これに関連して各條文の字句を整理する。
 「政党以外の国体で公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対する者に対しては、その範囲内に限りこの法律中政党に関する規定を準用する。」
 これが第三條の修正であります。
 次に第九條第一項第二号中、「前号の寄附をした者」を「前号の寄附中一件百円を超える者(数回にわたつてなされたときは、その合計額による。)については、その寄附をした者」に改め、同項第四号中、「前号の支出を受けた者」を「前号の支出中一件百円を超える者(数回にわたりなされたときはその合計額による。)についてはその支出を受けた者」に改める。
 更に第十條に次の一項を加える。
 前号の明細書には、寄附又は支出の中、一件百円以下のもの(数回にわたりなされたときはその合計額による。)については、寄附をし、又は支出を受けた者の氏名、住所、及び職業の記載を省略することができる。
 以上が私の修正案の全文でありますが、以下簡單に理由を御説明いたします。第一に三條の問題でありますが、三條につきましては、小委員会におきましても今委員長の報告通り、殆んど論議の中心が三條においてなされておりまして、そうして三條はこれまでいろいろな、正式に出なかつた修正ではあり言たが、いろいろな方向からこれらの修正が考えられたわけでありますが、そのいずれによりましても明確にならないものでありますから、私の今のような修正案を提出したわけであります。その理由は、第一には飽くまでもこれは実質的なものでありますが、この法律が規正しようとしておるところのものは、言うまでもなく政治資金を最も中心としたものであります。そうしてその政治資金を規正しようとする対象となつて、それの客体となるものは主として……主としてと言いますよりは、むしろ中心的に、現在の政党であるわけでありまして、これが三條の第一項によつて規定されておるところであります。併しながら政党と雖も、他の関係におきまして政党に類似するような剛体が政党と似たような行動をする場合にはこれを或る程度規正しなければ第一項の趣旨が十分に貫徹できない。こういう意味で第二項が設けられたという説明を聽いたわけでありますが、それは一應尤もでありますけれども、この第二項に述べられたもの、先程竹下委員からも読み上げられまして説明がありました、がこれをこのまま読みますと、協会その他の團体というものがちつとも具体的にはつきりしないのでありまして、例えばここに言うところの政党以外の国体で政治上の主義又は施策を支持し、反対するというのでありまするならば、例えば労働組合が大衆課税反対というたつた一つのスローガンを掲げて、その他の実質的な賃金の値上げの問題を掲げないで行動を起す場合でも、当然にこの第三條第二項に言うところの協会その他の團体に該当するかしないか、該当すると認められる可能性が非常にあるのであります。又同時に経済團体におきましても、例えば商工会議所なら商工会議所というものが労働組合法は改正した方がよいというような意見を一つ発表したとします。そうすると、これが直ちに政治上の主義又は施策を支持し、反対したという意味になつて、これが直ちにこの適用を受けるのではないかという感じを持たせるわけであります。恐らくこの立法者の、説明者の意図によりましても、そのような行動までは決してこの法律で以て拘束するつもりはないということが言われておつたのでありますが、併しながらこれに政治上の主義又は施策を支持し反対するといつてある限りにおきまして、その行爲をどの程度に限るかということは極めて不明確でありまして、それはこの立法者の適用するものによつて或いは拡げられ或いは狭められ、どのようにでも、そのときの情勢によつてなされるという危險性を持つわけで、その意味におきましては、この第二項の内容は殆んど全権委任立法的な性格を持つて来るわけであります。それが最初に申上げましたように、この第二項は飽くまでも第一項を活かして、それの欠を補うという意味を実質的に持つておるだけでありますから、これが非常に廣く解釈され得る可能性を持つ場合には、むしろ逆にあらゆる経済團体、或いは労働組合その他の協会や團体の行動を、別の意味でこの法律から行動を阻害するということが感ぜられるわけであります。そういう意味におきまして、この第二項は飽くまでも第一項の附属的な建前から、嚴格な解釈が必要である。嚴格な解釈がなされるような條文の立て方が必要である、こういうふうに考えるわけであります。特にここに断つて置きますが、政党以外の團体でありましても、例えば労働組合とか、経済團体でありましても、これが政党に対して何らかの寄附行爲なり、何かした場合に、つまり政党を通じて、政治上の主義若しくは施策を云云する行動をした場合には、寄附その他の制限によりまして、当然にこれは規正を受ける筈であつて、三條の二項がなくても当然に規正を受けるのであります。從つて経済團体が多額の寄附をし、或いはおかしな金を出したというような場合は、当然に第一項によつて規律されますから、第二項を嚴格に解釈され得るような法律に改めても、その面から政党の政治資金の不明瞭さを助長するということにはならないのでありまして、それは第二項の有無に拘わらず同じことになるということを一つ念のために申上げて置きたいと思います。今のように第一の理由は飽くまでも第二項が実質的な意味におきまして、政党、協会その他の團体の範囲を拡げない、成るべく拡げないということか法の建前からも、法の目的からも、そうして現在の経済的な状態からも必要であるという理由であります。第二番目には、飽くまでも、その意味における立法技術上の建前からでありまして、先程の竹下委員からの修正案によつて、少し字句が修正されて、第二項の場合には「目的を有する」という字が削除されましたけれども、これは読み方によりまして「目的を有する」というのを削ろうが、食つ附いておろうが、読み方によつては決してそれですつきりしたものではないと考えるのであります。尚、共産党の中西議員も、この今の修正が非常に何だか協会その他の團体の範囲を狭くするような恰好になり、非常に優秀な修正であるかのごとく今意見を述べられましたけれども、私は決してそのようには考えられないわけであります。法律技術上がら見ました場合には「目的を有する」というのがあろうとなかろうと、実質上においては同じことになる、こういうふうに考えるわけであります。立法上の建前からしましても、これは非常に原文もそれから先程出された修正案もむしろ明瞭さを欠くと考えるのであります。そのような二点から実質上の理由と、法律技術上の理由と両方から考えまして、この第二項は飽くまでも協会その他の團体の取締の範囲を選挙に関する項に限定するのが、一番法律適用を明確にし、同時に実質的な取締もできる。現在のようにこういうぼつと拡げたものであり、又先程の修正案の場合も同じようでありますけれども、ぼつと拡げた場合には、結局どつちも取締ることができないという結果になることを私は慮れるものでありまして、最も適切に選挙に関するものを、最も嚴格に取締るということを重点としまして、そうして先程申上げましたような修正をすることが適当だと考えるわけであります。
 尚附加えて置きますが、三條の問題に関しましては、先程経過報告のときに述べられました五月二十四日におきまする証人の発言によりましても、六人見えておられましたが、各証人ともこの三條は成るべく狭く解釈することが必要であり、そうして、でき得ればそれが他の團体の目的、或いは協会の目的の行動を阻害しないようにすることが飽くまでも必要であるというようなことが述べられまして、殆んど私の修正しようとする意図と合致しておるものであり、そうしてこの原文、及び先程の竹下委員からの修正案は、証人の説明を殆んど考慮されていないものである。ということをちよつと附加えて置きたいと思います。それから九條、十條の問題でありますが、これは寄附の問題であります。寄附につきましてはいろいろ論議されたのでありますが、この点に関する寄附は余り論議されなかつたので、これは或いは見落しじやないかとさえ考えるのであります。と申上げますのは、九條のこの趣旨は、これは会計帳簿の記載義務であります。会計帳簿の記載義務が九條に載つておるのでありまして、これが一銭一厘であろうとも、全部記載しなければならない。特に二号を御覧になつて頂けば分りますように、寄附をした者の氏名、住所、職業というようなものを全部記載しなければならないというようなことになつておるわけであります。それにも拘わらず、次の十二條を御覧になつて頂けば分りますように、十二條は会計責任者のこういう寄附に関する選挙管理委員会への届出義務を規定したものでありますが、これの二号によりますと、一件千円、一件五百円の制限附で届出でるごとになつておるわけでありまして、この九條の記載義務と、それから十二條の届出義務とは金額の上でも相当の開きがあることであつて、実際の運用に当りましては、恐らく届出でる必要のないものについては適当に帳簿はどのようにでも書けるということになるじやないか、初めから何か脱法できるようなことが出て來ておるような意味におきましても、少しおかしいじやないか。これは形式的な意味からであります。然るに実質的な意味からいいまして、この九條によつて、金額に拘わらず、住所、氏名、職業というものを記載して寄附を受けなければならないということになりますと、例えば労働組合の場合におきましても、一つの賃金鬪爭というようなものがあります場合には、当然に今街頭募金なり、或いは或る大会その他の席上における、いわゆる資金カンパというようなものが行われておるわけでありますが、これは非常に少額の金額を人数がおるがためにざつと集めるというようなことでありまして、その場合におきましても、一人心々住所、氏名、職業というようなものを記載しなければならないということになりますと、実際上そのような募金、街頭募金、大会その他における資金募集に非常に大きな影響を及ぼして、実質的には殆んどこれを不可能ならしめるというような状態になるわけであります。又このような一つ非常に簡單な手続によつて、実質上のそのような行動が阻害されるということは、非常に大きな影響があると考えて、現在の金額におきまして、少くとも百円以下のものでありますならば、当然にそのような嚴格な取締をやつて、労働組合その他團体の今のような行動を実質的に阻害させる必要はない、阻害させることはよろしくないというように考えたわけでありまして、十二條との法律技術的な関連から、それから労働組合その他の資金募集というような実質的な意味からと、両方から考えましても、少くとも百円程度のものは除外して記載するようにした方が、より適切である、こういうふうに考えたわけであります。十條の修正は九條の今の修正に從つて條文を書き変えるというだけでありまして、実質的な内容を持つていないのであります。以上でありますが、この三條の問題の二項、それから九條の寄附の問題、この二つにつきまして外にもいろいろ問題があるかと思いますが、この二点の修正案を提出するわけでありまして、皆さんの御了解を得たいと考えるわけであります。
#28
○委員長(木内四郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#29
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。他に御意見ありますか。
#30
○黒川武雄君 私は藤井小委員長の説明されました小委員会案に賛成するものでございます。この法案ができましたならば、手続上甚だ煩雑なことを慮れますけれども、この法律によつて政治資金の收入、支出が明瞭になります。從つて政治團体の動きが明瞭化することを喜びまして、敢てこの法案に賛成するものでございます。
#31
○委員長(木内四郎君) 他に御意見があつたらお述べ願います。別に御意見もないようでありますから討論は終局したものと認めて直ちに採決に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。これより採決に入ります。先ず佐々木委員から提出されました修正案全部を議題といたします。佐々木委員の修正案全部に御賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
#33
○委員長(木内四郎君) 少数と認めます。よつて佐々木委員提出の修正案は否決されました。
 次に小委員長報告の修正案を議題といたします。小委員長報告通り原案を修正することに賛成の方の御挙手をいたいと思います。
  (挙手者多数〕
#34
○委員長(木内四郎君) 多数と認めます。よつて小委員長報告の修正案は可決されました。
 次に修正部分を除きました原案全部に賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#35
○委員長(木内四郎君) 多数と認めます。よつて本法案は小委員長報告通り修正議決されました。
 尚、本院規則第百四條によりまして本会議における委員長の口頭報告の内容について予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長におきまして本法案の内容及び委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告いたすこととして、御承諾願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それから更に本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつております。小委員長の報告を可とされた方は順次御署名願います。
   〔多数意見者署名〕
#37
○委員長(木内四郎君) 他に御発言ありませんか。他に御発言もなければ、これを以て散会いたします。
   午前十一時二十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           藤井 新一君
           河井 彌八君
           竹下 豐次君
   委員
           塚本 重藏君
           松本治一郎君
           黒川 武雄君
           左藤 義詮君
           大隈 信幸君
           門屋 盛一君
           梅原 眞隆君
           木下 辰雄君
           佐佐 弘雄君
           鈴木 憲一君
           徳川 宗敬君
           岩間 正男君
           佐々木良作君
  委員外議員
           中西  功君
  事務局側
   事 務 総 長 小林 次郎君
   参     事
   (事務次長)  近藤 英明君
   参     事
   (法制部長)  川上 和吉君
   参     事
   (議事部長)  寺光  忠君
   参     事
   (委員部長)  河野 義克君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト