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1953/12/03 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 電気通信委員会 第2号
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1953/12/03 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 電気通信委員会 第2号

#1
第018回国会 電気通信委員会 第2号
昭和二十八年十二月三日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     左藤 義詮君
   理事
           島津 忠彦君
           久保  等君
   委員
           津島 壽一君
           石黒 忠篤君
           新谷寅三郎君
           小林 孝平君
           山田 節男君
           三浦 義男君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   郵政政務次官  飯塚 定輔君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  説明員
   郵政省電気通信
   監理官     金光  昭君
   郵政省電気通信
   監理官     庄司 新治君
   日本電信電話公
   社副総裁    靱   勉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公共企業体等労働関係法第十六条第
 二項の規定に基き、国会の議決を求
 めるの件(日本電信電話公社)(内
 閣送付)(第十七回国会継続)
○連合委員会開会の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、日本電信電話公社関係を議題といたします。
 前回に引続き質疑を行いたいと存じますが、ちよつと私から政府並びに公社当局に説明を求めたいと思います。一日以来仲裁裁定並びに年末手当等の問題につきまして、合法闘争と申しますか、いろいろ業務上に影響を及ぼすような事態があるようでございますが、どの程度になつているか。そのために電信電話はどれくらいのサービスが低下しているか。積滞数がどうなつているか。又これに対して政府としてどういうような措置をおとりになつており、又今後おとりになるつもりであるか。こういうことにつきまして、実情の御説明を願いたいと思います。
#3
○政府委員(飯塚定輔君) 只今委員長の御質問の点につきましてお答え申上げますが、電信電話等におけるサービスの低下等につきましての支障、或いはサービスの低下、そういう問題につきましては、本省側に対する資料と申しますか、まだ差したる支障を来たしておるということは、我々の手許までには来ておりませんけれども、実際その衝に当つておる担当官が今参りまするから、暫らくの間お待ちを願いたいと思います。
#4
○委員長(左藤義詮君) 公社のほうから政府に連絡がないとおつしやられますが、そのために電気通信監理官もおられるのではないのですか。
#5
○政府委員(飯塚定輔君) 只今申上げたことは、郵政省としての、まだそういうことは全然ないというのではなく、一般の支障を来たしておるとか、或いはサービスが悪くなつたという郵政省に対する御注文と申しますか、需要者としての御注文はまだ来ておらない。ただ担当官としての連絡は全然ないというのでありませんから、その間の事情につきましては、監理官も参つておりますから監理官からお答えいたします。
#6
○説明員(金光昭君) 一日からの支障につきましては、古い資料は私の手許まで参つておりますけれども、本日の資料は、実は私が出ますまでにはまだ連絡ございませんので、折角こちらで御報告を申上げるといたしますれば、一番新らしい資料に基いての報告が適当かと存じますので、その点公社のほうから説明をさせるようにいたしたいと思うわけでございます。
#7
○新谷寅三郎君 公社から説明を聞くことにしましても、それまでにちよつと確かめておきたいことがありますが、いいですか。この前に頂いた収支見込の資料の中で、業務量増加等に伴う収入三十五億一千万円というのがありますね。これは相当見込が入つているだろうと私は思いますので、何月までを実算に基いておやりになつて、何月から以降を推定でやつているかという区別ですね。それから推定でやつた場合に、増収の見込をどういうふうに見積られたか。その根拠をこの機会に御説明しておいて頂きたいと思います。
#8
○説明員(庄司新治君) お答え申上げます。第一の、何月までの実績かというちよつと今質問でございましたが、利用減でありますが、本予算を組みましたときには、或る程度利用滅があるであろう、その利用滅のパーセンテージを度数料のほうでは四%、市外通話料のほうは五・五%くらいは利用減があるだろうという見通しを立てたのでございます。ところが今度の補正予算を組み、この収支見込を立てましたときに見込みました利用減は、度数料は三%減ですから、従来よりは一%殖えるという勘定でございます。それから市外通話料は四%減、この程度の利用減を見込むという意味で、利用減は減少、即又増収という形になりますが、それを見込んでおります。
#9
○新谷寅三郎君 それはあとからもう少し詳しく御説明を願えるのですか。今のそれで御説明になつているのですか。
#10
○説明員(庄司新治君) 詳しい話はあとで又追加して御説明申上げます。
#11
○新谷寅三郎君 資料で結構ですから、これは大臣が、なお今後の努力によつてと言われましたが、努力によつて相当収入の増加も見込まれるだろうからというような意味のことをおつしやつたので、こういう質問をしているりです。ですから利用減を低く見たとか何とかいうことは、これはいずれもまあ机の上の数字の問題で、果してこれだけ増収があるかどうかということの推定では何にもならない。ですから実績から見て、利用減はこう少いのだから、今後もこうなるのだろうというような、一応年度末に締切つた場合の二十五億一千万円、それ以上の増収があると推定を大臣はされるようでありますが、それの根拠になるようなものを出して頂きたい。これは資料で結構です。お調べになつて次の機会に出して頂きたい。
#12
○説明員(靱勉君) 一日から昨日、今日もそういう情勢にあるのは非常に遺徳でありますが、すでに新聞等にも出ておりますが、全国電気通信労働組合におきましては、三割賜暇戦術を実行いたしております。三割と申しますと、私どもの現場の業務の運営に相当大きな影響を与えますので、これにつきましては、組合の反省も求めましたし、又電電公社各機関に対しまして、その賜暇に対しては、これを与えないように指令を出しておつた次第でありますが、実際におきます状況は、三割近くの賜暇戦術というものが各所に行われたのであります。併しながらこれに対しましては、公社側といたしましても、現場職員の配置換え等によりまして、一般の通信利用の方にはできるだけ御迷惑をかけないということに万端の準備を整えまして、昨日、一昨日対処いたしたのでありまして、結果におきましては、電報につきまして、或いは三時間くらい遅延したというような事態もございまして、東京附近におきましても、或いは横浜におきましては、かなり電報の渋滞が出た。或いは千葉におきましても、そういう状態がありましたが、大体最高三時間程度の遅延で、翌日に電報を持越すような、そういう停滞にはなつていない。電話につきましても、或いは待時間の延長というような事態が出て参りましたが、主要幹線におきまして非常に大きな障害を与えたという事態にはなつておりません。これは例えば現場におきましても監査をやつております。或いは交換の経験のある人等を配置いたしまして、できるだけ平常に近いサービスが提供できるように努力した結果でありますが、併しながらこれの影響が、只今申したように具体的に時間的な延長ということにおいて現われております。電話におきましても、待時間の延長という点において現われております。更に工事関係につきましては、本年度の工事を完全に実施するために相当超勤も実行いたしまして、工事の促進を図つて参り、特に九月、十月から急カーブに工事の進捗率を示しておつた際でありますので、超勤の拒否或いは賜暇戦術ということは、この工事の促進に非常に影響を与える。これは私ども、尤も現在一日から実施の以前から超勤拒否というものが行なわれておりますので、この関係につきましては、何とか早くこの事態を解消いたしたいと考えているので、団体交渉等によりまして早く解決いたしたいと現在努力いたしておりますが、今なおこの事態は解消されないでいるのであります。本日におきましても、東京都としましては中央電信局と東京市内電話局、これがサービスが低下いたしまして、全国的な影響がありますので、本省並びに通信局から人も出て状況を見て、でき得る限りの措置をとつておる次第でありますけれども、只今申したような状態になつております。詳しい各局の状況につきましては、報告が集まつておりますので、後ほど更に詳細に御説明申上げたいと思います。
 なお、もう一つ附加えて申上げておきますが、特定局等におきまして、これは郵政省に委託されておるのでございますが、電報の受付等におきまして、或いは非常に電報が遅れるということでお断りしているというので、その非難も一部受けております。郵政省のほうに連絡をとりまして、私どもとしましては、平常に比べましてサービスの点において落ちている事実は否定できないのでございますが、只今申したような措置によりまして、著しく利用者の方に御迷惑をかけないような措置を講じておりますので、その辺電報の受付を拒否するというようなことがないように、郵政省のほうにも御連絡しておるような次第であります。
#13
○山田節男君 今回の三公社その他現業の仲裁裁定の問題について、今国民の利害に非常に不満を与えておるのは、国鉄公社と電信電話公社の三割賜暇、この問題でありますが、先ほど靱副総裁は、これに対してできるだけの支障のないように努力をしておる、こうおつしやるのですが、国鉄は現にああいつたような、幹線の列車遅延その他運行不能、こういうような状態で、昨日でしたが長崎総裁は、労組がかような態度に出る以上は、公社としては実力行使に訴えなくちやならん。こういうことを言明しておるわけです。それで電電公社としては、今靱総裁の言われたことは、これは消極的部面であります。一体この仲裁裁定で起きている事態をどう拾収するかということについては、これは公社として靱総裁は、郵政省なり、或いは大蔵省なり、直接、間接、いろいろな手段を講じておられると思う。お伺いしたいのは、この三大会社の一つである電電公社、国鉄はかような態勢に入つて来ておる。電電公社としてもこれは国民の利害からいつても、経営者からすれば、当然これらに対する対策を考えなければならん。でありますから今の靱副総裁の言われた単なる消極的な障害防止ということでなくて、根本的に仲裁裁定をどうするか。これについて公社はどういう回答をしておるのか。これは大臣がお見えになつてからでもよろしうございますが、或いは次官からでもよろしうございますが、この仲裁裁定をどう扱うのか。一月から実施するということはきまつておる。労組はこれを承服しないということに今日の事態が起つているのですから、政府としてもこれを一体どういうふうに考えておるのか。電電公社一つとしてこれは勿論できないかも知れない。併し三公社五現業、これで共同してやるのかどうか。その点を若し郵政大臣のほうでおわかりになれば率直に言つてもらいたい。この二点について両者の説明をお聞きしたいと思います。
#14
○説明員(靱勉君) お答え申上げます。只今御説明申上げましたのは、御質問の趣旨が三割賜暇というか、賜暇戦術によりますところの影響はどうかということでありましたので、それを中心にお答えいたしたのでありますが、だが御質問のように重大な問題は、この紛争を如何に解決すべきかという点にあることはもとよりでありまして、公社といたしましても、すでに仲裁裁定が下りまして、予算の組む事態になりましてから、常にこの点につきましては措置をいたし、努力をいたしておつたのであります。すでに御説明申上げました通り、公社といたしましては、仲裁裁定を実施するために予算を組みまして、郵政大臣に提出し、郵政大臣は、大蔵省と協議しまして、すでにこの国会に提出されておりますような予算案というものが出ておるような次第でありまして、勿論裁定がその通り実施されないということにつきましては、公社としては甚だ遺憾に存じておるのであります。のみならず、すでに各委員のほうからは御質問がありました、或いは御意見承拝聴いたしておつたわけでございますが、郵政省から提出されました収支見積りを御覧になりましても、公社としましては、在来完全なる独立採算制でありまして、職員の必要な能率を上げ、サービスを改善し、増収が図られるならば、給与の改善につきましても当然やるのだということで、職員一体となりまして努力して参つたのであります。全体におきまする料金値上げと相伴いまして、公社の業務成績というものは相当改善されたものと私ども確信いたしておるわけであります。この際におきまして、公社の立場から申しますれば、この財政状況を見て裁定をできるだけ尊重いたしまして、職員にも満足行くような給与の改善を行うべきであるという点については、これは何人といえども反対の方はないのではないかというふうに考えておつた次第でありますが、只今出ておりますように、予算案におきましては、一月から実施、而も期末手当は繰上げまして〇・二五という程度になつておりまして、その額が十二億九千万円程度である。予算案におきまして、三十五億も更に増収を上げ、五十一億の二割アップに伴うところのものは殆んどすべてこれを建設勘定に廻しまして、更に前年度の剰余金、これにつきましては、先般委員会におきまして剰余金があるのに何故隠しておつたというような意味合いの御質問も郵政委員の方からあつたようでございますが、これは当時勿論確定した決算がされておつたわけじやないのでありまして、私ども大体十億くらいは伸ばしたいということで、前年度末におきまして非常に開通を促進したのであります。のみならず、御承知のように、公社にあります損益勘定の繰越ということも認められて参りましたので、予算にあるから年度末に何でも物を買つちやうというような方針もやめまして、十億程度の節約をして、いわゆる結局最終的な決算におきまして二十四億というものが出て来た。これは主として能率の向上、或いは節約ということによつて出て来たこの二十四億というものは勿論前年度の剰余金でありますが、私どもとしましては、年末の手当に或る程度これを使うというような観念は必ずしも否定さるべきものじやないだろうというような考えの下に、いろいろ大蔵省等とも折衝いたしたのであります。結果におきましては、この委員会におきましてしばしば郵政大臣からも御説明がありましたように、ともかく給与の改善は国民全般が納得するような形におきまして、ともかく従業員の努力に報いる必要な経費を賄つて、余つたものでやつて行くのだ、それが最も健全な経営であつて、他の悪い経営を真似する必要はないのだという非常に強いお考えの下に対処されているのでありまして、私ども根本的には、経営上の立場から申しまして、又或いは公共事業としての立場から見まして、その点も納得行くのでありますが、只今申したように、前年度並びに本年度の実行上の実績から見てみますと、ともかく相当健全なる状況になつておる。而も職員の期末手当につきましては、昨年十一月の調停案実施のために、現在残つておりますのは、〇・四七分にしか該当しない期末手当が奨励手当と合せて認められておる。それに対しまして、この予算におきましては〇・二五認められたのでございますが、それでも勿論一カ月には満たない。公務員におきましては御承知の通り一・二五の期末手当が全体として出ておる。この点は公社の職員としましてもなかなか納得できない点でありまして、現在この予算案を中心に紛争が生じておるのであります。郵政大臣もこの事態につきましては十分御了察頂いておるのでありまして、更に私どもといたしましては、能率向上の奨励費というものが予算総則に載つて認められておるのであります。これを何とか活用してできるだけこの問題の円満解決を図れるような措置をとつたらということで、政府におきましても、新聞紙上に出ております通り、一月実施、それから予算の提出、予算の提出はあの線で飽くまでも行くのである。併しながら或いは公社、五現業等の企業体におきましては、奨励手当或いは生産賞与と申しますか、そういうものをそれぞれ企業に応じてやつてもいいのだということに示されておりますので、その間に私どもなおこの問題の解決の穴があるというふうに感じまして、現在郵政当局に対しましても、大蔵省に対しましても、又内閣のこの問題に対する関係機関との打合せをやつておる機関に対しましても、この点を強調いたしまして、目下その方向に動きつつある状況でありまして、公社といたしましては、一日も早く団体交渉によりまして、組合などと妥結に至るために現在最大の努力をいたしておる次第でございます。連日深夜に至るまで、この問題につきましては関係者は努力をいたしておるような次第であります。
#15
○山田節男君 郵政大臣が来られるまでその郵政省の御答弁は保留されますか。
#16
○政府委員(飯塚定輔君) 只今靱副総裁から申上げたように、その線に向つて努力をしておるということであり、更にその答弁の中に郵政大臣もこれを認めておるということもありましたし、いずれその問題については大臣から申上げたほうがはつきりすることと思いまするから、それまでお待ちを願つたほうがいいと思います。
#17
○山田節男君 今の靱副総裁の、この紛争に対する解決について深夜に至るまで努力しておられる。この努力はいろいろ内容を持つていると私は思うのです。それで問題は、これはまあ郵政大臣に私は回答を保留しておきますが、少くとも公社の国鉄の長崎総裁が、実力行使に訴えるのも止むを得ないということを言明しておる。これは恐らく政府との了解があつてかような声明をしたものだと思う。大体仲裁制度或いは調停制度をこの公社に或いは現業に適用するということは、かような事態に至らないことを予防するために作つた法律なんです。然るに、不幸にしてこの法律を原因としてこういう紛争を来たしておる。この現業、公社の者は、これはストライキは、同盟能業はできないわけです。ぎりぎり結着の非合法すれすれの線での争議しか行えないものであります。それに対して、例えば国鉄がこれに対し実力行使をやるということになると、どういうことをやるのか。これは一般民間産業のように、ストライキに対応する工場閉鎖という対抗手段は持たないわけです。従つて労組が非合法すれすれの線によつて一種の目的貫徹のために争議を行う。で、これに対するそれでは実力行使というのは具体的には何であるか。これは今まで例もありませんし、ストライキに対応すべき職場の閉鎖ということは、公社の業務の性質上からいつて絶対に許されない。然らば首を切るということも、これも実際上不可能なことである。従つてこれは長崎総裁が実力行使によつてこれに対抗せざるを得ないということを言われた以上は、これは私は政府としての了解があり、従つて他の電電公社、或いは専売公社の当局に向つても、事態収拾し得べからざる状態に至つた場合は、実力行使も止むを得ないということを政府から示唆があつたのではないか。かように私は考えるのですが、では電電公社の最高責任者たる靱副総裁から、果してそういう事実があるのかどうか。で、今の努力しておるいろいろな内容があるのでありましようが、その中で本当にこの紛争を終止せしめるためには、この裁定問題について労組との妥協に達する点について一つの線をそこに作らなければ、この努力というものはいつまでたつてもこれは効果を結ばないと思う。ですから私は重ねてお伺いいたしますが、そのいろいろな努力をなさつておる内容について、お示しを願えれば非常に結構であると思います。それから実力行使ということについての政府から何か公社に対して暗示といいますか、サゼッシヨンがあつたかどうか。これは一つ率直に当委員会に知らせて頂きたいと思います。
#18
○説明員(靱勉君) 先ずこの問題を円満に解決するための線は一体あるのかどうかということでございますが、勿論その線は私ども持つております。ただその内容につきましては、目下団体交渉中でもございますし、極めてデリケートな問題でございますので、詳細御説明申上げることは困難でありますが、まあ先ほど申したように、期末手当だけの問題を持つて参りますれば、一般公務員は一・二五公社はいろいろな見方もあるでしようが、この収支見積りを見ましても、かなりの成績を上げておるというような状況から見ますれば、期末手当が一ト月にも足りないというような事態では、これは団体交渉をいたしましても、なかなか簡単に妥結に至らない。私どもこれについては、やはり納得できるような線を持つて行かなければならない。こういうことで実は郵政大臣にも詳細御説明いたしまして、非常に郵政大臣からも御了解を得ておるような段階でございますが、まだ大蔵当局との話合いが十分に達しないような状況でございますから、具体的な点は只今のところ御勘弁願いたいと存じます。
 次に実力行使に対しては公社側も実力を以て対抗する指示を政府から受けたかどうかという点につきましては、私ども受けておりません。ただ副総理から御承知のように全般に対しまして声明が出されておるという点は、私ども承知いたしております。併しそれは組合員が良識ある行動をとるようにということでありまして、断固実力を行使するというようなことには、こういうことには勿論言われていないのでありまして、私どもといたしまして、すでに一日から三割賜暇を実行するという組合からの連絡がありました際におきましても、直ちにこれに対しましては、目下この組合の要求に対しましては何とか解決するように努力しておるから、その点は十分くんでもらいたい。更に又これによりまして利用者の方々に迷惑をかけることは、誠に重大な問題であるから、組合としましても、十分そこにおきましては良識ある行動をとつてもらわなければならん。賜暇自体の問題が、御承知のように当然年次休暇を持つているのでありまして、公社としましては、できるだけ計画的に年間事務の繁閑等を見まして休暇を承認しているという方法をとつているのでありまして、業務に支障を及ぼすような状況におきましては、よく休暇を求めた者との間に話合いをつけて、只今まで解決をつけておつた。一斉に休暇をとられるということになりますれば、これは承認するわけに行かんから、そこに問題の何といいますか、実力行使という言葉が果して妥当かどうかは疑問でありますが、公社としてはこれを承認しない。承認しないということになりますれば、勿論給料の支払もできないわけでありまして、そういうような現在紛争になつておりますが、今御質問のような、断固実力を以て飽くまでこれに対抗するようにというような政府の指示はございません。
#19
○山田節男君 これは又関連質問として、大臣からの回答を要求いたしますが、それから又今の私の質問申上げることは、前回欠席しましたので、重複して速記に載つている事項であればこれはもう要求をしませんが、その点はこの第十七国会に仲裁裁定の問題について、公社の資金上可能であるかどうかということについて、この仲裁裁定委員会の委員長の今井君がここへ来られていろいろ証言をされたわけです。で、それによりますと、これはもう調停委員会の調停案の一万四千円というベースは、資金上可能なりということをかなり詳細に経理上においても証明しているわけなんです。ところが、これは今私手許で今朝頂いた郵政大臣の説明を見ますと、これは全く不可能だというような数字の説明を郵政大臣の口を通じてされているのでありますが、どうしてこの仲裁、同じ仲裁裁定、過去に遡つては調停案、それから今度の仲裁裁定に対して、資金上可能なりということを調停委員会なり、或いは仲裁裁定委員会が認めた通りの経理状態が、もうすでに十八国会において、年末に近付く極めて最近までの資料を入れて、資金上不可能かのごとき数字が現われているのか。私は問題は仲裁裁定というものは、すでに八月以来この問題は調停委員会なり、仲裁裁定が、当時の公社の経理内容というものから資金上可能なり。梶井総裁もこれに対して資金上は可能で、この仲裁裁定は呑んでもいいということを言われている。然るに今度の十八臨時国会において出されている政府の、郵政大臣の説明によると、不可能かのごとき報告があるのですが、どうしてこういう差額を作るのか。この十七国会で出した場合と第十八国会で出した場合と、この仲裁裁定に対する態度というものが、公社はもとより、郵政省も政府も違つて来ているのではないか。これはどうしてこういつたような事態を引起したのか。これは前に質問はありましたですか。これを一つ究明して頂きたいと思います。
 ちよつと、今の私の質問がわからなかつたからかも知れませんが、簡単に言えば、第十七国会でこの問題を論じた時には、資金上可能なりということを主題として根本として、我々はこの仲裁裁定を論議していろいろ審議したわけです。それがこの十八国会のこの問題に対する大臣の仲裁裁定の説明によりますと我々が審議すべき根本が十七国会と、十八国会と違つておるじやないかということを質問申上げておるのです。
#20
○説明員(靱勉君) 政府の態度が変つて参りましたことにつきましては、政府のほうから御答弁願うのが当然かと存じます。
 ただ山田委員の御発言の中に、梶井総裁が資金上可能だと言われたということでございますが、これは国会で言われたのではないと私どもは了解いたしておりますが、当時一万五千円というような調停案が示されまして、公社としましては、おおむね妥当だという見解をとつたのであります。そこで私ども収支の見積り等を見てみまして、一体持てるか持てまいかというような点について検討いたしたのでございますが、これは或いは政府から見れば、甘い考えであつたかもわかりませんが、御承知のように本委員会におきましても、二割五分の料金値上げが二割になりました関係上、二十五億程度のものは何とか政府においても補正等におきまして措置し得るという形になつておりましたので、この措置がとられれば、郵政省からお出しになりました収支見積りを御覧になりましても、そう困難でないという数字がこれで御覧になれると思うのであります。八月実施の場合におきまして、期末手当の問題も入れますれば、二十四億二千万円でできるということがこの註に載つておるようでございまして、現在十二億九千万円というものを出しておる。従いましてその差額の十一億か一億の問題でございまして、これがこの数字から絶対出るか出ないかということは、これは予算の調整権、準政府機関としまして、政府がこれを決定しまして国会へ出される予算でありますので、公社といたしましてはいろいろと意見もありましても、この点は政府の予算の調整権に従うということが、公社法の建前になつておるわけでございます。その調整権によりまして、政府が責任を以てこういう予算を御提出になる。ですから資金出あるかないか、予算上これは明らかにないのであります。現在の給与総額を以てかかる給与の改訂を行うということは、これはもう明らかな事実でありますが、どういうふうにやりくりして予算を新たに設けるかということが問題の点でございますが、総裁が、或いは国会でない場所におきまして、大体資金上は可能であるとおつしやつたのは、そういうような意味合いであつたかと思います。併しながら飽くまでその後のいろいろな災害、冷害等の状況或いは国家の財政の状況からしまして、二十五億程度の支出も不可能である。或いは公社におきましても非常な災害を受けた、三十億余りの災害を受けまして、災害の復旧にも相当の資本を投下して行かなければならんという事態を勘案されまして、政府としてはこういうふうに御決定になつたというふうに私どもは了承いたしておる次第であります。
#21
○山田節男君 これは前回、前々回でも、いろいろこの委員会で審議されたことも概略承わつておるのですが、もう一遍確めておきますが、この靭副総裁のおつしやつたことは、この調停委員会の調停と、それから仲裁裁定委員会の裁定を下した場合の資金上可能なりと見る、或いは経営者も資金上可能であろう、これはまあ今靱副総裁言明された通りです。その後において、例えば八月一日から料金値上げをして増収があつたとここの収支の表に現わしておられますが、それらのものを仲裁裁定が下された後においての剰余金、或いはその前の剰余金、或いは利益金を含めてこれを建設勘定に入れた。いわゆる建設資金のほうへ充当したと、それがために今日においては資金上非常にむずかしい、こういうことはおつしやつてない。そういうことは公社としては言つていないというように取つてよろしいかどうか。それを確認いたしたいと思います。
#22
○説明員(靱勉君) 今の御質問の点、ちよつとわかりかねたのでございますが、御承知のように、私どもの給与というものは幾ら資金がありましても出せるものでないのでありまして、国会の議決によりまして給与総額が認められなければいかん。それ以外の弾力条項は、総則に書いてあるような状態でありますので、予算上給与総額の増加が認められておりませんと、資金が余つたつて勿論給与に用いることはできないのであります。そういう意味合いにおきまして、今回政府から提出されました予算案を御覧になりますと、政府借入金は零にいたしまして、資産充当等によりまして、建設勘定のほうにおきましては、更に災害の復旧を含めまして四百六十一億が四百六十九億、約四百七十億に上つている。而もそれは借入金によつてないのでありまして、社債は予定通り一般公募を出し、あとは内部資金を使いまして建設資金に尤てるという形になつておりまして、損益勘定のほうにおきましては、この極く簡単に現われておりまする郵政省提出の収支見込で見ますと、一月から実施、期末は〇・二五分だけは認める。あと余裕があるのは何かと申しますと、総則による弾力条項である。こういう形になつているのであります。
#23
○山田節男君 もう一つ、今私が質問している趣旨なり、それから点は、これはもう政府が予算上不可能であるから不承認を承認してくれということを国会に議案として出しているわけなんです。これはこの公社の関知、関知ということはないがどうもできない。これはもうおのずから自明のことであつて、その点は私は副総裁に質問しているのじやない。私のお聞きしていることは、資金上考えるということが、仲裁裁定案が下されたときの、又その後における労組、或いは経営者との交渉の過程において、その当時の、例えば今年の十月と、九月といいますか、九月の末と、それから十一月の末、少くとも十八国会が開かれたときのこの現在において、この資金上可能だということについての、資金の可能ということの程度に差があるかと、或いは公社から見て、その資金の余裕があると、可能であるだけの余裕があるということだけの数字的においては変化は勿論あるでしようが、併し資金可能であるということについては、公社としてはもう今でもそれは言い得るかということをお尋ねしているのである。この点だけ明らかにしてもらえばよろしいのでございます。
#24
○説明員(靱勉君) まあ公労法の十六条の資金上可能という点でございますが、これは予算があつても資金がないというような場合がある場合におきましては、或いは一時借入金の方法によるというような考え方もありますが、結局公社の収入支出というものは、国会の議決を要するところの予算によつてきまつておる。従いまして資金上可能の状況は九月と十一月とどうかという点につきましては、九月におきましては、明らかにまだ補正予算がどういう形になつて出るか私ども見当つかないのでありまして、勿論公社は公社法に定むるところによつて追加予算を提出することにできておりますが、それに従つて私どもは裁定実施のために予算を組む場合に、或いは災害費はどういうふうに財源で持つか、或いは前年度の繰越金はどういうふうに考えるかという公社独自の見解で裁定実施の案を作る、こういう形になつたわけでありますが、これに対しまして、監督機関といたしましては、勿論災害としましては、大部分予備費を使う、或いは借入金なり資産充当をする、余つた本当の残りのものを以てベース・アップに用いるのであるというような方針で、そういうように調整されてしまつたという状況でありまして、九月と現在との状況から申しますれば、本予算というものが、昨年の実績で以て収入の見積りをいたしておりますし、この補正予算におきましては、その後の料金値上げの状況等も或る程度入れまして収入見積りを立てておりますので、料金値上げ実施後の具体的な影響と、それから九月から更に十一月までにおきまするところの工事の進捗状況によるところの収入をも、施設が稼働しておる状況等から考えて行きますれば、なお三十五億というような収入増が見込まれるような状態になる。そういう意味におきましては資金は余計に出て来ておるのだ。併しどうしても支出せにやならんものがこのうちから差つ引かれなければならんというような形になつておりまして、その際において或いは公社側と監督機関との間に意見の相違というものが生じて参るのであります。そこでまあ山田委員の御質問に的確にお答え申しておるかどうかわかりませんが、資金上の余裕だけをついておられますが、全体の枠としましては、九月におきましても災害の大体の状況はわかつておりまして、台風十三号の状況がはつきりわからなかつたという状況でありまして、まあこれは三億余りの問題でございますので、大した変動はない。だから予算を作るときに用いたいろんな材料というものは、九月と十一月との間に、むしろまあ十一月のほうが更に事業の伸びというものが見込まれて来ておるというふうに申上げて差支えないかと思います。今度これを予算に組む場合におきましては、我々の予想したようなものとは違つた形で、先ほどから御説明申しておるような十二億九千万円程度しか本当に使えない、あとは弾力条項でやるよりいたし方ないというような形に現在政府の御決定はなつております。こういう次第でございます。
#25
○山田節男君 あとは郵政大臣がお見えになつて、郵政大臣の御答弁によつて質問さして頂きたいと思います。一応終ります。
#26
○委員長(左藤義詮君) 大臣は衆議院の予算委員会に参つておりますが……。
#27
○津島壽一君 計数の問題をちよつとお聞きしたいのですが、細かい問題ですけれども、ちよつと時間があるようですから、この頂いた表の損益勘定の支出のほうで業務量増加等に伴う経費、(電信電話委託業務費を含む)この項目で二十一億九千万円とあるのですね。約二十二億ですね。この分の、これはこの提出した補正予算の計数とびしつと合致しておるのでございましようか。大体の見込を盛られたのでしようか。なお内訳では二十一億九千万円の項目としてはどんな計数になつておりましようか。ちよつと経理の方にお聞きしたいのです。
#28
○説明員(金光昭君) 只今の津島委員のお尋ねに対してお答え申上げます。この業務量増加等に伴う経費の二十一億九千万円は、補正予算として出されている数字と合致しているかというお尋ねでございますが、これは合致しております。ただ、数字を丸くしてありますので若干の違いはございまするが、その数字自体については変更はございません。
 それから第二点の、二十一億九千万円の内訳はどうなつているかというお尋ねでございますが、これの主なものはどういうものであるかということを御説明申上げたいと存じます。この中には、収入のほうで業務量増加等に伴う収入の三十五億一千万円を生み出しておるわけでございまするが、これだけの新たな収入を生み出すためには、どうしてもやはり或る程度人も増員しなくちやいけない、或いはそれに伴います物件費もやはり殖えて参ります。そういう業務量増加に伴います直接の運用なり或いは保守等に要します経費の増加分が約五億四千八百万円でございます。それから次に、国際電信電話会社が本年の四月一日にでき上りましたのでございますが、三月に従来電電公社の職員であつた者で、この新らしくできました国際会社のほうに転出をした者があるわけでございます。それらの職員に対します退職手当が、当初見積りました予算が若干不足したのでございまして、その不足分等に充てます金、それらが二億ございます。それから国連軍の工事を電電公社が委託を受けてやつておりますが、この受託工事の収入は、収入の三十五億一千万円のほうに入つておるわけでございますが、それに見合う工事費としての支出分が約六億五千万円この中に入つております。それから次に、委託業務費の増加でございますが、先ほど当初に業務量増加に伴います運用、保守の経費の増額があると申上げましたが、これは電電公社自体の直轄局の職員及び物件費の増加でございますが、現在郵政省に委託しております特定郵便局におきます電信電話の委託業務関係におきましても、直轄局と同様のやはり収入を増加させるために必要な経費が要るわけでございまして、これらが約三億八千九百万円、約三億九千万円あるわけでございます。それから更に今回の給与改訂に伴いまして、郵政省の委託局の電信電話の仕事をやつております職員に対します給与改善の経費が要るわけでございます。それが四億一千万円、大体これを総計いたしますと、二十一億九千万円というふうに相成るわけでございます。
#29
○山田節男君 ちよつと速記をとめて懇談を……。
#30
○委員長(左藤義詮君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#31
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
#32
○久保等君 まあ大臣が見えてから十分にお聞きしたいと思つておるのですが、その前に副総裁がお見えになつておるので、今度の仲裁裁定なり、期末手当の問題がまあ当面の極めて重要な問題なんですが、たまたま郵政当局から出されて参りました本年の、今度の第二次補正予算に対する一応の考え方というものを承わつておるのですが、併し、極めてまあ今後の五カ年計画という観点からすると私は重要な要素が含まれておるというように考えますので、今後の五カ年のいわば大計画について一応公社当局の考え方をお尋ねしておきたいと思うのです。この前の、七月末に出されました五カ年計画の資金計画の内容についてでありますが、昭和二十八年度の初年度に計画をしておつた建設の繰入金、それからまあ来年度、更にその後五カ年に亙る例の繰入金の問題ですが、結局料金の値上げが二割五分から二割になつたということで、一応予定いたしておりました建設の繰入金がよほど少くなつておるわけです、政府のこの前の答弁からいたしますと、当然足りない分だけは、公募債券乃至は政府の借入金というような形で面倒を見ようという答弁であつたわけですし、当委員会としてもそのことを信頼しておつたのです。にもかかわらず、たつた四カ月ばかりたつて出されて参つた先ず初年度の資金計画というものが、基本的に崩されるような形の考え方で、今度の補正予算に、実は二十五億円という差額の問題についても、当然今度の期末手当あたりに考慮されるべき資金がそつくり実は建設資金の中に繰入れられておるというような点を考えますと、二十九年度以降の問題について、果して今日郵政当局がどう考えておるか。これはまああとで大臣にお聞きしたいと思うのですが、私は当面の、特に経営の直接の責任者である電電公社の当局として、明後年度後において、なお且つ先般出された資金計画というものが崩されるというようなことになつて来た場合に、やはりそういつた穴埋めを、私は今後の電通事業のいわば見込み上の増収によつて賄つて行くのだというようなことが方法としてとられても、果して今後五カ年計画というものが、当初の予定通り遂行できるという確信が持てるかどうか。この点一つ承わつておきたいと、かように実は考えるのです。副総裁の一つ御答弁を願います。
#33
○説明員(靱勉君) 二十八年度、五カ年計画第一年度におきましては、私どもは予算の折衝の過程におきましては、国の資金運用部資金も殆どない、一般の貯金の伸びも余りないというような情勢、一方他に国としまして支出を要するような経費も相当殖えて来ているというような事態を考えまして、これは場合によつては再び過去のように第一年度から計画の改訂をしなければならんのかという非常な不安を持つたのでありますけれども、先般の料金値上げの際、いろいろと御意見が国会におきましても出た次第でございますが、私どもどうも国の財政資金にのみ頼つておりますと、計画がもう一年たたんうちにぐるぐる変わるというな事態、これは国の事態としましてそれ自体止むを得ない点もあるのでありますが、どうも長期計画の設定が困難であるということで、将来支払うべき利子、或いは元金の償還を見積りまして、年度初頭、計画の上期におきましては或いはこれを建設資金に用いて行くというような方向でお願いいたしました結果、二割の料金値上げというものが御承認になつた。それ自体も、そういう過去の心配からも考えて事情を御説明して置いた次第でございますが、この補正予算を御覧になりますと、四百六十一億と称せられておりますところの計画構成というものは完全に確保する。更に災害によつて滅失したものを更にこれを補強して改良して行くという資金まで認められたという形おきましては、この五カ年計画は第一年度において先ず絶対に確保された、こう申上げていいのかと思います。一方職員の給与の問題は、これは先ほど来の話でありますが、そこで二十九年度以降どうなるかという問題になりますが、これは資金計画から御覧になりますれば、まさに二十九年度は一番外部資金に頼らなければならないような形に相成つておりまして、二十九年度予算を私ども策定いたします際に、この点についても非常に心配をいたしている次第でございますけれども、ただ当時夏頃立てました五カ年計画というものは、更に国会に提出する場合におきましては、なお遡つた期間におきまして策定された計画でございます。従いまして収入の見積りも、今度の補正予算においても更に三十五億というものが見込まれているという次第でありますので、第一年度の五カ年計画を完全に実施し、更に私ども工事の実施につきましては、極力経費を節約いたしまして、五カ年計画自体でも案が発表になりますと、各地方におきまして五カ年計画にも我々の計画は入つていない、或いはこんな後年度ではとても電話の状態はこの年においては改善されないということで、この繰上げ、或いは五カ年計画に更に追加せよという陳情が非常に多いのであります。そういうような事態を考えまして、私ども、或いは非常に多量に物を買うから単価が安くなろう、或いは銅、鉛等の値下りでもつと経費は節約できるのじやないかという点もありますが、そういう節約もむしろ工程の拡張に用いて行きたいという観点に立ちまして、いろいろと現在におきましても工夫をいたしておりまして、できるだけ緊急の御要望には、施設の整備をしてこれに対応させて行きたいということでやつているのであります。そこで収入の伸びが、そういうふうに施設の整備によりまして更に伸びて来るということを考えてみますと、来年度の資金計画としては、一番外部資金を要する時期でありますので、勿論楽ではないのでございますが、何とか政府御当局にも十分に御理解を願い、又国会の御承認も願いまして、第二年度の計画を一つ完全に実施いたしたい。こういう決心で目下二十九年度の予算については折衝いたしているような次第でありまして、その後の年度におきましては、我が国の経済の発展、復興というものがこのまま順調に行くという事態でありますれば、私ども絶対に間違いなく確保できるというような見当を持つているのであります。ただその際考えて行かなければなりませんことは、まあ職員も、料金値上げに対しまして直ちにこれを給与に当てろという要求はいたしていなかつたのであります。併しながら私どもの経営の合理化、或いは能率の向上、或いは施設のそういう予定以上伸びたということによつての収入というものは、やはり職員の給与の改善にも当てるべきである。これは本委員会において私御説明申上げましたかどうか、速記録を調べないとわかりませんが、衆議院かどちらかにおきまして、一体ベース・アップを考慮しているのかという御質問に対しましては、そういうことで、ともかく五カ年計画に出しました資金計画の繰入というものは、国民の皆様にお約束したようにこれはどうしても確保して行かなければならんと、これ以上私ども努力しまして職員の給与の改善に尽したいと思いますということを申上げてあるのでありまして、それと睨み合せつつ、私どもは国全体の資金の状況を考えまして、なお五カ年計画においても、御説明申上げました通りに更に民間資金の確保、その他資金の確保ができれば計画の拡張も行いたいと申上げておりました通りでありまして、大体私どもとしましては、何としてでもこの計画はお約束通り果したいということにつきましては、政府当局にも十分な御援助を頂きたいということでやつておりまして、そう絶対的に楽観は許しませんが、私どもの考えといたしましては、何とかやつて行けるのじやないかというようなところで二十九年度を考えております。それ以降におきましては、二十九年度を突破いたしますと、まあ国の状態なり、国際情勢に非常な変化のない限り、私どもはこれはもう遂行できるというようなことになつておりまして、明年度を最も大きな峠と考えておる次第であります。
#34
○久保等君 大臣が見えたようですから、大臣に質問いたしたいと存じますが、今ちよつと副総裁の答弁では、私の実は質問した趣旨はそういうような趣旨じやないのでして、副総裁が、とにかく五カ年計画というものをいわば最小限度の至上命令としてでもやらなければならないのだというふうに理解しておる、従つて今後むしろ実質的には五カ年計画を四カ年或いは四カ年半へでも縮めてやらなければならんような現在の二客観情勢の下に置かれておる、従つて事業内において節約或いは能率向上というようなことも更に一つ馬力をかけてやつて行きたいというその決意のほどはこれは十分わかる。ところが私の質問いたしておるのは、例えば五カ年計画のうちで問題になる来年度の問題についてです。これはもう差迫つて当面の問題ですからお聞きしますが、この前の資金計画で出されたときの説明によると、料金の値上げの率の変動によつて、当初は百六十億の外部資金に頼るという予定だつたのが、二百六億の外部資金に頼らざるを得ないという結果に実はなつておるわけです。従つて私は建設への繰入資金は、料金値上げに伴つて昭和二十九年度としては百十三億の建設資金への繰入ということが一応予定されておつたと思うのです。従つて只今の状態においても、この前に言われておつた当時と只今の状況と、まああの当時と同じような予定の上に立つておられるかどうか。即ち外部資金というものはあの当時予想しておつた二百六億というものがやはりどうしても確保されなければならないのか。それから更に又建設への繰入資金というものは、これは又あの当時予定しておつた百十二億は何としても確保して行かなければならないというような、この前と今日と同じような資金面については、情勢判断をしておられるかどうか。今度の郵政当局から出された第二次補正予算の考え方からすると、何とか一つ二百六億という外部資金は、損益勘定の中でもう少し一つ幅を拡げて増資を図つてもらいたいのだというような口つぷりを臭わしておるような私は気がするのです。そういうことになつて来ると、電通公社の考えておる資金計画の考え方には、相当ギャップが出て来るのじやないかというふうに考えるので、差当つて昭和二十九年度の資金計画の問題については、当時の予定通りでやはりやつて行かなければならないというように判断しておるのか。それともそうじやなくてやはり外部資金の問題については、内部で以て若干の負担を更に負わざるを得ないというように覚悟しているのか。その点を一つはつきりお答え願いたいと思います。
#35
○説明員(靱勉君) 二割アップは、法律によつて何億繰入れろというような形にはなつておりませんが、ともかく料金値上げの際に御約束した明年度におきまして百十三億というようなものは、私ども建設勘定に繰入れたい、こういう考えでありまして、できるものと確信いたしております。そこで二百六億の外部資金の問題でございますが、これは私只今申上げましたように五カ年計画設定当時より相当施設も増して来ており、又利用率も向上して来ておるというような状況から収入の増加がありますれば、これは何も外部資金に頼る必要はない。全部かきさらつて、職員の給与を飽くまで据置くということは、これではとても経営を最も能率よく無駄なくやつて行くというわけには行かないと考えますが、そこは睨み合せまして余裕があれば、外部資金にのみ頼る必要はないので、これはそれだけ努力するのが私は当然だと思います。それは一定の見積でありますから、我々の努力によつて、或いは資本の有効利用によりまして出て来たものは、職員にも分配しますし、又外部資金に頼らないで施設を更に充実して行くというふうに使うのは、当然経営上の要請でありますので、二百六億全部取らなければ第二カ年計画はやらないのだという考えはない。前回の委員会等におきまして問題になりました二十七年度の剰余金の使用につきましては、大蔵当局でもお答えになつておるように、止むを得ず本年度やつたのだというような形になつております。こういうような状況で、私どもとしましては二百六億全部外部資金に頼らないというような状態を現出するように努力するのは当然であるというふうに考えております。具体的数字につきましては、なお又政府のほうで来年度予算の御決定になつてないので、見通しとしましては、それを下廻つて行くということは、五カ年計画遂行上極めて必要なことであるというふうに考えておる次第であります。事業の伸びというふうに考えておる次第であります。
#36
○山田節男君 前に靱副総裁に対する質問を兼ねて郵政大臣に対する質問を述べておつたのでありますが、その件について一応御答弁を願いたい。
#37
○国務大臣(塚田十一郎君) 十分にお尋ねを伺つておりませんので、或いは見当外れなお答えを申上げるかも知れません。若しそうでありましたら、重ねてお尋ね頂いて訂正いたしたいと存じます。
 山田委員の私に対するお尋ねは、結局前国会において委員会に提出せられ、継続審議になつております例の公労法第十六条第二項の規定に基き、議決を求める件の考え方と、それからして今度の予算の措置についての関係がどうなつておるのかというお尋ねであるかと存じますので、かような考えでお答え申上げるのでありますが、公労法の第十六条の二項について、従つてこの前国会に議決を求めた考え方は、私どもといたしましては、先般も本委員会においてお答え申上げたかと思うのでありますが、要するに十六条第二項の考え方は、実質的に申上げまして、予算上の措置が可能でなければ、資金的にも可能な場合というものはあり得ないのである。従つて公労法の第十六条の二項に関する限りは、予算上又は資金上というのでありますけれども、実は予算上というところに全部の意義があるのであつて、資金上のほうはむしろ修飾文句、或いはもつと極端に言いますならば、死文句になつておるのだこういうふうな考え方でおるわけであります。従つて現在の段階におきましては、予算的には依然としてまだ措置をし得る段階になつておりませんので、国会の議決を求める件というものは、依然としてあの理由で、なお国会の御意見を伺いたいという考え方で引続いておるわけでございます。併しそれとは別個に現実の資金状態を検討いたしました結果、成るほど相当のゆとりも考えられますので、これは仲裁裁定の趣旨を尊重し、その趣旨に則つて貝金的にゆとりのある最大限においてこのたび予算措置をして、改めて国会の御審議をお願いをしておる、こういう関係になつておるわけでありますから、御了承願いたいと思います。
#38
○山田節男君 その問題まだ質問申上げる点がありますが、私これは順序として当面の問題から一つ御質問申上げたのですが、これは今電電公社の従業員も三割賜暇ということで、相当電信電話の交通量の正常な通行に対して支障を来たしている事実があると思うのです。で、国鉄も御承知のようにもう同じような状態にあるわけです。で、国鉄の長崎総裁は、かような事態がますます深刻化して来る場合には実力行使を以てこれに対抗せざるを得ないだろうと、こういうことを言明しておる。副総裁に聞いてみますと、副総裁は、そういうことは我々は考えておりません、又政府から何らそういう示唆も受けていませんということを確言しているのですが、少くとも国鉄の総裁がこういうような言明をするについては、運輸大臣、或いは吉田内閣全体の一つの方針がきまつたからああいうことを言つたのじやないか。単なる威嚇文句じやないと私はとつております。そうすれば少くとも三公社の責任者に対し、又三公社を管轄している運輸大臣、郵政大臣或いは大蔵大臣というものは、何かの際に会議でもされてこの争議をとめることを考えておるのじやないか、かように想像するから、副総裁にも御質問申上げたが、そういう事実はない。郵政大臣はこの点についてはどういうお考えでおられるか。この点一つお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は、山田委員が御指摘のように、関係閣僚においてしばしば懇談をいたしております。本日も八時半から集まりまして懇談をしておるのでありますが、私といたしましては、要するにまあ郵政の場合におきましても、電通の場合におきましても、当面賜暇戦術というものが一応とられておるのでありますけれども、賜暇は御承知のように本人が申出で、そして所属の長が執務に差支えないという範囲において許可をいたしましたものは、これは合法的なものなのでありまして、これを措置する、何らか処罰をするというようなことは到底考えられないことであります。恐らく私が承知いたしております範囲では、賜暇も行われておりまするようでありますが、電通においても業務に支障が起らない程度の、従つて恐らく許可を与えた合法的な賜暇が行われておるというように了解をいたしておりますので、実質の問題としては、処置をしなければならない事態は起つておらないと了解しておるのであります。併し考え方としては、これはしばしば監理官を通じて交社側に伝えるようにということを申し渡してありますから、恐らくその趣旨は伝えてあると存ずるのでありますけれども、自分は、如何なる形にせよ合法の範囲を逸脱する動きがあるならば、これは政府の決定であるからして、断固自分としても処置しなければならない。どうかそういうことのないように十分注意して欲しいということは伝えてあるわけであります。
#40
○山田節男君 そもそもこの公企業の労働関係法というものを作りましたのは、こういう事態をなくするためであつたのです。従つて調停委員の調停制度の上に仲裁裁定というものがある。これは吉田内閣の下でこれは作つたわけであります。然るにこういうような争議が、仲裁裁定に従わない、これを実施し得ないという政府の政策からしてこういう事態が現われつつある。そうして今大臣が言われるように、或いはそういうことを考えざるを得ないというようなことになるということは、これはもう自分で作つた法律を破るという大きなこれは矛盾ができるわけですね。これは何としても所管大臣としてこの点十分お考えにならなければならない。それからもう一つ、これは塚田郵政大臣の在任当時ではありませんけれども、一体電電公社法を作る場合に、このこともかねて予想しておつた。過去のすつぱい経験に鑑みて、少くとも公社というものはなぜ国営でいけないかということを究明いたしまして、公社にいたしましたことは、成るべく公社をして自主的、それからフリー・ハンドで経験させて行こう、そういう点においては従来の国営事業としてはいろいろな、例えば予算上の面においても一種の制約を受けるので、フリー・ハンドに事業をさせて自主的にやらせて能率を上げ、国の利益を増加させるというのが、これが電電公社法を作つた根本でありまして、政府の趣旨におきましても、そういう立場からすれば、できるならば公社に自由な、自由なというと語弊がありますが、国営では非常な弊害があるから公社にして、公社に或る程度フリー・ハンドな経営をさせなければならん。これは根本だと思う。然るに今の事態がここまで来ておることは、予算上不可能であるということですが、今、公労法の第十六条の規定に対する塚田大臣の御解釈がありましたけれども、これは違います。これは増田甲子七君が労働大臣であり、又第一回の国鉄の裁定問題が起きてこの解釈をどうするか。増田君が労働大臣の時に、私が労働委員長をしておつて作りまして、その時に解釈が違つたために政府の思想統一ができないで、当時第六国会か七国会か覚えがありませんが、これは非常に衆参両院の問題になりまして、これは予算上又は資金上、この「又は」というのはエンドではない、オアであります。これは御承知のように、あの当時の占領軍から英文で参りまして、原文をちやんと参照したのでありますが、この法律の審査もいたしました。これはまあとにかくといたしまして、今の塚田郵政大臣のおつしやるようなことにいたしますと、吉田政府自体が作つた法律をみずから破るということと、それから公社を、本当に電話電信サービスをよくするために公社を作つたのであつて、その趣旨から言えば、成るほど現行制度で言えば、予算上の制約を受けるということはこれは私認めます。併し郵政大臣としては、そこに或る一つの政治的な幅を以て公社を活かして行くという努力がなければならない。従つて私は今靱副総裁に対して、靱副総裁がこの争議解決のために最大の努力を今捧げておるということをおつしやつた。その内容をお聞きしましたところが、これは極めて機微に触れるからここで発表できないと、これも私は了承いたします。従つて大臣としても、これは副総裁以上のお考えを心痛されておることだと思う。殊に主管大臣としては、政治的分野においてこの解決に努力されるのが、これが塚田大臣の責任であります。でありますから、私は質問としてお聞きしておる点は、この予算上の制約というものは、これはどの程度まであなたが政治力を持つて、今吉田総理以下、関係公社の所管である運輸大臣、大蔵大臣等に対して、やはり靱副総裁と同じような意味で大臣として御努力になつておるだろうと思うのです。ですからその点を、予算上の制約というもの、これをどの程度一つの幅を認めさせてこの争議をとにかく解決するというようなお考えを何かお持ちになつておれば、具体的に御説明願えれば結構だと思います。
#41
○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘の通り、私もまあ非常に心痛をいたしておるのでありまして、そうして公社にいたしました本来のあり方からすれば何らか郵政大臣が独自で以て裁量し得る幅というものを持つて、公社の方々に最高能率を上げて頂くようにしなければならないということも、まさにその通りであると思つておるのでありますが、ただ私はそういう公社のあり万は、現実の電通の場合には、公社法と、それからして予算総則の二十三条の範囲内において、運用するようにということになつておると思うのであります。まあそのようなつもりで全力を挙げておるつもりでありますが、なおこの問題につきましては、若干予算編成当時から努力をして参りましたいきさつ、それからして目下いろいろな面において折衝いたしております事柄もありますので、委員長においてお取計らいによつて、これを秘密会の懇談会にでもして頂くことができますならば、若干なお申上げることができるかと思うわけであります。
#42
○山田節男君 これは私塚田郵政大臣としてそこまでのお気持、これは非常に有難く思います。先ほど私懇談会の形式で委員長にお願いしたのですが、労組のほうの関係もこれはひとしく、経営者、或いは大臣とひとしく一つ秘密会にしてもいいということを実はお願いしておるわけであります。問題は、なぜ私がそういうことを申上げるかというと、この公労法の立法の動機、これは政府の動機かも知れませんが、これは毎年繰返されていることであるということからいたしまして、塚田郵政大臣として相当これは決意をして頂かなければならないと思う。殊にあなたは行政改革本部の本部長という非常にいい役にいらつしやるししますから、そこまで大臣の御決意があれば、これは非常に私は結構だと思いますかり、さように取計らつて頂いて結構です。
#43
○委員長(左藤義詮君) この際祕密会にいたしまして、大臣及び当局から打割つて一ついろいろ御懇談を願うことにいたしたらと存じますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(左藤義詮君) それでは傍聴者の方は御退席を願います。
 速記をとめて下さい。
   午後零時二十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後一時二分速記開始
#45
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
 なお本件につきましては、労働委員会より連合委員会の申入れがございましたが、連合委員会を開くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないようですから、さよう決定いたします。
 次に、全国電気通信労働組合中央執行委員長鈴木強君を明日当委員会に参考人として御出席を願い、御意見を聞くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないと認めてさよう決定いたしました。
 なお先ほど申しました連合委員会の日時は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないようですから、さよう決定いたします。
 明日は午前十時より開会いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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