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1953/12/04 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 通商産業委員会 第3号
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1953/12/04 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 通商産業委員会 第3号

#1
第018回国会 通商産業委員会 第3号
昭和二十八年十二月四日(金曜日)
   午後一時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           海野 三朗君
           小松 正雄君
   委員
           石原幹市郎君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           團  伊能君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           藤田  進君
           三輪 貞治君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  政府委員
   大蔵政務次官  愛知 揆一君
   通商産業政務次
   官       古池 信三君
   通商産業省軽工
   業局長     中村辰五郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   大蔵省主計局給
   与課長     岸本  晋君
   中小企業庁長官 岡田 秀男君
  参考人
   全日本中小工業
   協議会中央副委
   員長      中島 英信君
   日本中小企業団
   体連盟金融専門
   委員会委員長  山本 義夫君
   東京商工会議所
   中小企業委員会
   副委員長    石田謙一郎君
   中小企業金融公
   庫総裁     坂口 芳久君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (シリアの開発問題に関する件)
 (中小企業金融対策に関する件)
○公共企業体等労働関係法第十六条第
 二項の規定に基き、国会の議決を求
 めるの件(アルコール専売事業)
 (内閣送付)(第十七回国会継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
 最初に申上げまするが、昨日三輪委員より外務政務次官に対する質問中、後ほど文書を以てお答えをするという中近東地区におきまする、殊にシリアの開発の問題につきましての回答が只今ございましたのでこれを申上げます。これによりますると、本年四月、中近東政府使節団、これは与謝野駐エジプト公使を団長といたしました使節団であります。これがシリアを訪れました際に同国の国家主席シロ将軍、この国家主席は現在は当時の副主席であつたシシヤクリ氏が就任をしております。当時の主席のシロ将軍が同公使に対しましてシリアは未開発の鉱物資源が多い、その開発のため日本の技術協力を切望する旨の話があつたのであります。併しそのうちに特に石油を指摘したことはないそうであります。政府といたしましては明年度予算でシリアに公使館を設置いたしまする運びとなつておりまするのでこれができますればこの話の成立が促進をされることが期待されるということでございます。以上御報告申上げます。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(中川以良君) 次に本日は最初にアルコール裁定を議題をすべきでございまするが、政府側の出席が、衆議院の各委員会において答弁中でございますのでまだ見えておりませんので、最初に中小企業金融の問題を議題にいたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中川以良君) それではさように取計らいます。
 中小企業の金融の問題につきましては本日は先ず中小企業金融公庫側より、公庫の発足以来今日までの経過、並びに今後の方針等につきまして説明を聴取いたし、なお且つ業界側の公庫に対するいろいろな御批判、更には年末金融に対してのお見通し、並びにこれに対するところの御要望等につきましてお話を承わりたいと存じます。公庫のほうがまだ見えておりませんので先に業界側のお話を承わることにいたします。
 本日は中小企業を代表されました御三方には御多用中において特にお出ましを願いまして、本委員会のために尊き御意見をお漏らし賜わることを厚く御礼を申上げる次第であります。
 それでは先ず只今申上げました点につきまして、更にお気付の点等もどうぞ然るべくお附加えを頂きまして、先ず全日本中小工業協議会中央副委員長の中島英信君に最初にお願いを申上げます。
#5
○参考人(中島英信君) 中小工業協議会の中島でございます。
 公庫のほうもお見えになつておりませんから、先に年末金融の問題を意見を申述べたいと思います。まあ中小企業は絶えず金融に詰つておるわけでございますけれども、今年の年末の資金需要に際して、更にこれが窮屈になつて来ておるという状況が一般にあるのであります。而も最近の状況としてこのインフレーシヨン対策の一つとして、金融の引締めが行われて来ております。でこの金融の引締めがやはり各種の金融機関を通じて中小企業の金融か非常に困難の度を増しておる。又先に九州その他における各種の災害に対して資金が動員され、その結果が又別な形においてここに現われて来ておるといつたような面から、中小企業の年末における金融問題をやはり困難にしておる一つの理由になつております。
 それでこれに対する中小企業者の要望といいますのはいろいろございますが、特にこの政府の施策関係のものを先に申上げまするというと、第一は政府の金融機関である国民金融公庫及び中小企業金融公庫の資金貸出の問題がございます。尤もこのうち中小金融公庫のほうは、建前として長期資金を貸出す金融機関でありますから、或る意味で短期間であるこの年末金融については、直接関係がやや薄くなります。併しこれに対してもでき得る限りの方法において、年末に長期資金が貸出されるならば、これはやはり間接的に中小企業の年末金融の困難を緩和するに役立つだろうと思うのであります。勿論これについては今日まで公庫としても政府としてもいろいろな方針を考えられておられるのでありますから、それについては大体そういつた方向をできるだけ敏速に且つ効果的に実施をして頂きたい。かように思つておるわけであります。つまり来年の一月―三月、つまり本年度の第四四半期に貸出されるべき資金を年内に繰上げて貸出す、或いは開発銀行への支払うべき金額を引延ばし、この両方によつて約二十九億円ぐらいの金が年内に出されるような措置をとられるのでありますか、これは我々としては非常に謝意を表するわけであります。重点としては、その意味において我々としては国民金融公庫の資金の充実という点に相当の重要性があると考えておるのであります。これについてはいろいろな対策がすでに考えられておるようであります。ただこれま金額の点について、この方面については若干不充分ではないかというふうに考えておるわけであります。御承知のように水害等に対する資金として、すでに十六億を支出済みになつておるわけでありますが、これがために年末金融の資金に公庫としては困難を感じておる。ところがこのほかに遺家族関係の資金としてやはり十億ぐらいが出ておるわけであります。従つて両方合せますというと、二十六億になるのでありますが、これに対してただ十六億だけが追加されるというのであつては甚だ不十分であつて、それによつてこの公庫の年末資金の貸出というのは十分な要望に応ずることができないことになると考えられるのであります。従つてただ十六億だけでなしに、今の両方を合した場合には、すでに二十六億になるわけでありますが、これらに十分に見合うだけの、或いはこれを超えるだけの資金を国民金融公庫に何らかの形で投ぜられる必要があると考えられるわけであります。現在の状況におきまして国民金融公庫の中小企業に果している役割というものは相当大きいものでありますからして、これはかなり重要なポイントになると存じます。
 それから第二に指定預金の問題でありますが、これについてもすでに対策がいろいろ出おりますし、ほかのかたからも御意見が出ると思いますから簡単に申上げますが、これはやはり、中小専門金融機関の中には指定預金を必ずしも十分に中小企業に廻してないところもあるようでありますが、併し中にはこれ十分に活用している機関もあるようであります。従つてそういつたところにおいては、指定預金を引揚げられることは直ちに直接的にこの中小金融へ影響するわけであります。その意味で現在政府としてとられようとしている対策、つまり新たに五十五億の指定預金をする。結局引揚げるものと差引いて十数億の増加になるということでありますが、これもやはりその方向に向つて実施をして頂きたいと考えております。
 その他の問題といたしまして第三番目にはこれは必ずしも年末金融だけの問題でありませんけれども、特に年内にできるだけ早急に実施することによつて年末金融を促進するために役立つような対策が若干あるわけであります。これらを促進して頂きたいと考えるわけであります。その一つは小口信用保険制度の実施であります。これについては現在いろいろ案が出ておるようでありますけれども、金額は千万円程度を一つの限度に考えられておるようですが、これは十万円ではやや少きに過ぎるのではないかと思いますので、二十万以下くらいのものを一応この小口の範囲に包含したらどうかと考えるのであります。それから小口信用保険の対象となるものが現在考えられておるのはこの保証保険だけのようでありますけれども、本来やはり保険制度としては保証保険よりも融資保険のほうが本来根本的に重要性を持つておるわけでありますから、この小口信用保険の対象としては単に保証保険だけでなしに、融資保険に当然向けられなければならんと考えられるわけであります。そしてこれらの小口信用保険を従来の信用保険に比べて、もつと料率を下げ、事務的な手続を簡素化するということ、そしてこの実施をできるだけ年内にこれを、この行われるような方向に向つて促進をして頂きたいと考えるわけであります。恐らく関係官庁の中でも中小企業庁等はそれに対して十分熱意を持つておると考えられますが、やはりこれは大蔵省その他にも関係することであると思います。で、本委員会とされても大蔵省方面の例えば銀行局なり、或いは主計局等の関係方面にもこれに対する御意見を聞いて頂いてできるだけこれが年内に間に合うようにやつて頂けるならば、中小企業に対する年末金融には非常に役立つのではないかと思うわけであります。
 それから第四番目に保証手形に関する問題がございます。この保証協会によつて保証される保証手形を通じてやる中小金融を進めて行くということが今日の状況においてはこれも非常に必要な対策であると思います。ただこれも内容が問題でありまして、実際の扱い方において最近の発表を見ますというと、日銀ではこれを担保を適格手形に認めるということにされておるようでありますが、併しただ単に担保適格手形に認められただけであつてはこれは普通の並手形の取扱と同様になるのではないかと思うのであります。従つて実際においてこれを高率適用から除外するのでなければ実際には中小金融のほうにそれほどプラスにならないということが考えられるのであります。つまりそういつたものを各取扱銀行として日銀へ持つて行く場合に、後廻しにするということであれば、それは最後にしわがそこへ寄つて来る。而もこれが高率適用の対象になるとなりますというと、その点は非常に懸念されるのでありまして、折角この制度を実施されるならば、併せて高率適用からこれを除外するという線をはつきりと一方やはり出して行く必要があるのではないかというように考えるのであります。
 以上が政府関係に対する施策に対する要望であります。その他勿論一般金融機関に対するものもございます。最近の金融引締め政策の行われておる結果として実際上は従来の貸出の枠が非常に狭められておる。従来は楽に借りることができておつた優良な中小企業も、この年末に際して借入が非常に困難になつた。こういう実情があるわけであります。従つてこういう面に対する対策はこれは一般金融機関に対する問題でありますけれども、普通の場合においても金融は大企業にはゆるく、中小企業に厳しい状況でありますが、これが引締め政策が行われるに従つて特に中小企業の面にそのしわが寄せられている状況でありますからして、この面について相当の考慮が必要であると考えるわけであります。勿論我々としてもインフレーシヨンの対策として或る程度その金融の引締めが行われることは避けがたい点があるということは考えておりますが、これは公正に行わなければならないと考えるわけであります。この公正にというのは従来はどちらかと言えば若干不公正なのでありますからして、その不公正を是正という意味において努めて公正という取扱をしなければならない。特に中小企業だけを締めるということがないような取扱が必要であると考えるわけであります。これに対して各金融機関としてはこの場合の金融機関というのは一般銀行でありますが、普通銀行としては中小企業に対する貸出の枠をきめてそうして促進、中小企業への貸出をしようという方針をきめられたのであります。ただこれが単なる名目に終らないように実施されることを希望するわけであります。殊に一般の金融機関の状況を見ますというと、大銀行の場合には特別店などができておりますが、その他の店舗と比べてはこの特別店においては預金に対する貸出の率というものは半分くらいである。大体オーバー・ローンの状況で大企業に対して貸出をしているにかかわらす、この中小金融特別店においては貸出が預金の半分ぐらいという状況であることに鑑みて、この方面についてもつと強力に我々としては中小金融を進められることを切望しておるわけであります。最後にこれら全体を通じまして考えますことは、年末金融の問題というものは毎年々々年末になつて来ると起るわけであります。こういう点を考えますというと、これについては根本的なやはり対策を一貫して持つ必要がある。そうしてそれぞれの年末においてはそのときにおける特殊の経済情勢なり、金融情勢に応じてそれに修正を加え、追加して行くというような形をとりなければ、毎年々々同じようなことを繰返すことになるのではないかと思います。この点、今後検討を要する問題ではないかと考えておるわけであります。時間の関係がございますので年末金融の問題をその程度にいたしまして、この中小企業金融公庫に関する意見を述べるようにというお話でありますから、これに対する我々の見解を簡単に申上げたいと存じます。
 この中小企業金融公庫の設立は、中小金融のためにはやはり一つの大きな価値を持つているものであつて、やはりこれは一つの前進であると考えておるわけであります。ただ現在行われておりますような方針なり、実施の状況につきましてはかなりいろいろ問題点があるというふうに見ております。基本的な問題としては、第一に中小企業金融公庫が中小金融の上に持つている地位であるとか、役割であるとか、又この公庫の基本的な政策というものについてもう少しこれを明確にして行く必要があると思うわけです。つまり商工中金のような中小金融の専門金融機関があつて、これが中小企業に対する組織化の政策と対応して一つの役割を果しているこれとの関係がどうなるか、或いは同じく国家的な中小金融専門機関として国民金融公庫がある、これとの関係がどうなるかということ、それからその他にも各種の中小専門金融機関がありますが、そういうものとの関係がどうなるか。今日我々が見ておりますというと、中小企業の面において資金の量の点については今日なお非常に不足している。ただ併し機構の面から見た場合には現在はいろんなものができて来ている。その意味ではかなり出揃つて来ている感じがあるわけであります。併しそれはかなり複雑になりかかつて来ているということであります。複雑になりかかつて来ている半面にこれを或る程度もつと整備し、体系化して行く必要が出て来ている状況にあると見ていいと思うのであります。こういう面から見た場合に新らしい政府の中小金融機関であるところの公庫というものはおのずから一つの役割がここに考えられて来ると思うのでありますが、そういう点が余り明確でないということが言い得ると思うのであります。それが実際に業務を運営する場合にもいろんな面に現われて来るように思われるのであります。そういう点から考えまして、一般の中小企業に対する産業経済的な政策と、この金融政策との関係をどういうふうに持つて行くか、又金融政策自体の内部において、この中小金融の特質から考えて、公庫の持つ任務がどこにあるかという点についてもう一歩突込んだ検討が必要であると思うわけであります。つまり普通の商業的な金融を行う場合に比べて、公庫としてはもつと長期且つ低利の金融に徹する必要がある。且つ信用力の薄弱な中小企業に対して現在問題になつておりますのはこの担保の問題で、非常に多くの問題が出て来ておりますが、こういつた問題についてもこれに対してはつきりとした、もつと積極的な対策が必要ではないかというふうに考えておるのであります。それでこの問題につきましてはあとで又具体的な問題について多少申上げたいと思いますが、要するにただ普通の銀行で行われるような商業ベースによる金融と若干補足するというだけであつては不十分ではないかということであります。併しそうかといつて、又余り戦後初めの時期に見られたような、極端な重点主義的な金融になれば、これ又当然弊害を生じて来るのでありまして、現在の中小企業の金融の状況において一つの基本的な政策がだんだん確立して行く必要があるというふうに考えるのであります。
 第二の点は資金の量の問題であります。これはやはり資金の量が少な過ぎると思います。現在表に現われております資金の申込は非常に出ていないように見えますけれども、各窓口で非常にたくさん申込が停滞している。いろいろな理由で以てこれが具体化していないようであります。それは各代理店の割当が非常に小さい。従つてこれに対して申込が殺到して来るためにこの選別に困るとか、いろいろな理由があるようであります。殊に最初の時期においては長期運転資金に対する貸出の方針が決定していなかつたということもあると思いますが、こういう事情で実際には非常に多くの申込があるわけでありますが、これに対して現在公庫で持つておる資金量というものは非常に少な過ぎるということがあるわけであります。又これは別な観点から見ました場合にも、現在我が国の財政投資の中で、中小企業に向けられておるものは五%前後に過ぎないというような状況であります。大体昭和二十七年度におきましても全財政投資は五千五百億円くらいになつておるのでありますが、中小企業に対して向けられておるものは僅か二百八十九億くらいで、四・六%くらいに過ぎないという状況であつて、こういつた面から見ても中小企業の重要性に鑑みて、この財政投資における内部において中小企業向の資金というものはもつともつと増大されて然るべきであると考えるわけであります。
 第三番目には代理貸の問題であります。今日公庫は代理貸の制度をとつております。これは設定後短い期間にできるだけ多くの中小企業に金を流すためには勿論必要な、適切な処置であると考えます。併しこれはこの店舗の設定といつたような問題については相当慎重を要するように考えられるわけであります。この窓口が非常に多くなつて来ますというと、一窓口当りの割当量というものは非常に減つて参ります。そうしますというとこの一つの窓口では、従来そこで取引をしておる企業の中の最も優秀なものの一つか二つとか、或いは極く少数しか金を貸せないことになつて来る。こういうような企業は元来優良な企業でありますから放つて置いても金の流れるところである。そういうところへだけしか金が流れないことになつて来る。こういうことになりますと、現在の中小企業の金融の問題を緩和する本来の狙いからいつて、逆になつて来る危険があると思われるのであります。殊に今度十一大銀行及び六信託銀行が又代理店の指定の中に入るようになつて参りました。これはこの面においてはそういう必要もあつたかも知れませんけれども、例えば十一大銀行のこの一つの銀行をとつて見れば支店の数だけでも二千以上超している。ですから指定された総体の数は、表では金融機関の数にして三百幾つでありますけれども、店舗の実際の窓口になるものは一万、或いはそれを超えると思うのであります。百億くらいの金を一万の窓口で分ければ僅かに百万円くらいしかない。僅か一つの店舗について百万円くらいの割当をしておいて、最高一千万円の金を貸すということは、これ自体私は非常に大きな矛盾であると思うのであります。こういう点から見ても、この取扱の点については、代理店の問題について相当に検討を要するかと思います。それからこれはもう一つ別な観点から見ました場合には、十一大銀行等の中小金融に対しての貸出の量は、全体の中小企業の中で非常に大きな比率を占めております。併しこれは従来からそうであつたわけでありまして、従来からそうであつたにもかかわらず、中小専門金融機関の拡充強化ということがとられて来たのは、それでは不十分であるからとられて来たのであります。従つて専門金融機関を必要とする理由という点に戻つて考えた場合には、そういうところの観点から見た場合には、当然にやはり方向としては専門金融機関の拡充強化という方向に向うべきであると思うのであります。殊に先ほど申上げましたように、現在日本の中小金融の機構というものは、非常に複雑になつて来ておる。協同組合金融の面においても、事業協同組合の系統と、信用組合の系統と、信用金庫の系統というものはそれぞれ分立しているような傾向である。こういう場合に、これらの金融の体系を或る程度整備し、統合して行くような必要にも迫られているときにおいて、この公庫の持つている役割というものは、おのずからそういう方面に一つの大きな問題を提起しているわけであります。こういう点をすべて総合して考えた場合には、公庫のこの資金を扱う代理店というものは、原則としてやはり専門の金融機関的方向に向うべきであると思うわけであります。この点について前の設立の当時それを除外してあつたものが、又今度はその除外を解かれたようでありますが、これはいささか朝令暮改、朝三暮四の嫌いがあるのではないかと思うわけであります。つまりこういう面についていささか無原則に過ぎるという感じを我々は持つのであります。従つて最初の決定がなされたその動機について、私たちはよくは存じませんけれども、実際的な面から、及び理論的な面から見ても、その最初の方針のほうが、むしろ正しかつたのではないかというふうに我々としては考えるわけであります。代理貸の問題と関連しまして、そのときに直接貸の問題がございます。これはこの代理貸は非常に勿論結構でありますけれども、代理貸だけに任しておきますというと、本来国家として中小企業金融政策を行なつた場合に、その政策が果して末端に浸透するかどうかという点に一つのまあ疑問が生じて来るわけであります。いろいろな理由から見て、又そのほかに代理貸だけをやるくらいであれば、必ずしも公庫という形をとらなくてもこれはできるわけであります。つまり特別会計だけを設定しておいて、そうして一定の審議機関を通じて、直接個々の窓口に流すだけでも十分である。一つの金融機関として公庫を設定した以上は、この代理貸から生じて来るところのいろいろな難点なり、欠陥を補足する意味において、やはり直接貸を将来はやはりやつて行くべきであると考えられます。
 その他細かい問題でありますけれども、代理貸の場合においても、支所その他を設ける必要があるというふうに考えておるわけであります。
 それから若干業務の実際的な面について申上げますというと、現在中小企業者で公庫の金を借りようとする者が一番悩んでいる問題は、担保の問題でありまするが、大体中小企業者というものは、担保を十分に持つていないわけである。それにもかかわらず代理金融機関でこれを扱う場合には、担保の問題を、まあ非常にやかましく言われる。これは借りておる中小企業の大きな悩みとなつております。従つてこれについては、担保と保証人のいずれかにおいて十分である場合においては、その一つをとつてもいいというふうにすること、更に信用保証制度、信用保険制度を十分に活用して行つて、この信用力の不足を補う必要があると考えるわけであります。つまり信用保証協会のような制度は、本来から言いますというと、担保のない者に代つて保証して然るべきであると思いますが、それが実情を見ますというと、担保を絶えず請求している。こういう点から見て、この問題については担保能力の足らない中小企業の信用力を補強する制度を十分に活用して、この難点を解決して頂きたいと考えるわけであります。
 その他貸付の方式その他についても、多少ございますが、もう一つはこの事務をできるだけ簡素化して頂きたいということがその次の問題であります。なお期間及び利子等については、これもできるだけ長い期間や、低利という方向を我々としては希望しております。時間がございませんので、その理由なり、実情については略しますけれども、今日五百万円の金を借りて、これを五カ年間で借りて、毎年百万円ずつ返す場合に、少くとも毎年五百万円の利益を挙げなければ、百万円の金は返せないわけであります。つまり或る程度の社内留保をし、税金を払つて行くということになります。税金に少くとも半分取られる。残りで以て現金を返して行くわけでありますからして、百万円の金を五年間で借りた場合に、毎年百万円の金を返すためには、少くとも年に五百万円の利益を挙げていなければ返せないというわけである。それで企業利益の殆んど全部は現金返済であり、つまり手取りの企業利益の殆んど全部を返済に充てなければならないといつたような非常な窮屈な状況になつておるわけであります。こういう点から見て、やはり期間というものは相当長期であることを当然要するわけでありまして、将来はやはり五年というものは十年くらいに延ばされて然るべきであると思います。同時に国家的見地から見た場合に、その五百万円の利益のうちの半分は、税金として……、これは地方も含みますけれども、税金として戻つて参りますわけでありますからして、非常に利子は少くても、そのものは投資の結果として相当なものが財政を潤すわけであります。こういう点も併せて検討して頂く必要があると考えるわけであります。
 時間の関係で大体これで私の意見は一応終りたいと思いますが、もう一つだけ最後に附加えておきたいと存じますのは、この公庫の運営を中小企業の実情に即し、効果的にやつて行くためには、やはり中小企業者の意見を十分に取入れて運営することが望ましいわけであります。そのためには運営審議会のようなものをやはり確立する必要があると考えます。勿論現在中小企業庁の主催で行われています金融懇談会というのは、或る意味ではこういう機能を一面に持つていると思いますけれども、これは更にもう一歩両者の面を検討して、効果の挙る、そして公正な運営ができるようなためには、何らかの意味においてそういう形の構想を実現する必要があると考えるわけであります。
 もう一つは、この普通金融機関に業者が借りに行く場合には、断わられた場合には、殆んど断わられつ放しでありますが、国家資金を通じて中小金融をやります場合には、それは当然公正且つ公明なものでなければならんと考えます。そういう点から行きまして、単に金融機関が、殊に窓口になつておる、金融機関が独断的な、一方的な措置だけに終るということであつては、中小企業の立場としては非常に不利であります。そういう意味から言つて、仮に申込を断わられた場合において、十分な理由があると考える業者は、再審査を請求する、そしてその再審査の請求を受付けることができるような機関を設置するということが、国家的な金融機関としては当然必要であると考えるわけであります。そうすることによつて、一方においてそういう弊害を除去することができます。これは全く不可能な問題ではないと存じますので、今後の運営をできるだけ適正にして行く意味においては、そういう機関の設置ということが当然に問題となると考えておるわけであります。ちよつと与えられた時間を少し超過いたしました。これだけであります。
#6
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それではその次に日本中小企業団体連盟金融専門委員会委員長山本義夫君にお願いいたします。
#8
○参考人(山本義夫君) 只今御指名にあずかりました日本中小企業団体連盟の山本でございます。
 先ず中小企業金融等に対する業者側の批判という与えられました題名につきまして、これに関連しまして御説明を申上げながら中小企業金融一般について申述べたいと考える次第であります。中小企業金融公庫に対する業者側の現在最も要望する点は、この簡易迅速化という点であります。簡易迅速化という点は、当参議院におかれまして、昨年の末中小企業金融の促進に関する決議をいたされまして、特に中小企業金融の点については、政府関係資金をプールして、例えば中小企業金融の特別会計の制度をお作りになつて、既存の中小企業の専門金融機関に任される、こういうような方針でもあつたように推察する次第であります。当時当委員長の中川先生或いは松本先生にも私どもは御意見を承わりまして、誠に結構だという考えを持つておりました次第でございます。そのお考えを徹しられておられましたならば、現在の公庫ができまして、一般の金融機関で代理貸をおやりになる、代理貸をおやりになつている金融機関で、十二分の審査をされたものを更に中小企業の金融公庫においてもう一度練り直されて審査して行く。従いまして手数が非常にそこにかかつている。書類においては二十数書類を必要とする。且つ又時間でも倍かかる。而も現在いわゆる甲種方式と申しまして、代理貸の金融機関が八〇%も責任を持つ方式を御採用になつておられるならば、もつと積極的に中小企業者に対する金融を促進される意味からしても、殆んどの業務についていわゆる代理貸である中小企業専門金融機関にお任せになられたほうがいいのではないか。従いまして当参議院におかれまして御決議になつたようなお考えの中小企業金融公庫というものは、政府関係の資金というものをプールして、単なるパイプとして中小企業の専門金融機関に流されたほうがいいのではないか。現在中小企業金融公庫の代理貸をやつておられます一般金融機関の考え方も、このようにお揃いになれば、業者のためにむしろ一〇〇%の保証を金融機関としてはしたい、従つてただ公庫は資金を早く流して頂きたいというような考え方も相当あるようでございます。従いまして私は中小企業金融公庫のかたがたに、当時の設立の御方針も恐らく特別会計の幾分発展したお考えでもあり、人員も非常に少く経費もかからなくおやりになるというお考えに徹されまして、殆んどの業務につきましては、金融機関にお任せになる、殆んど専決をして頂くというやり方をおとりになりますれば、この簡易迅速化が私は何でもなく解決するのではないかという点を強調したいと考えるわけであります。もとより私どもが当時設立のときに一応反対の意見を申述べたのにもございまして、得てして新たな機関ができますとその機関において事務のかたがたが増員される。そうして仕事に慣れられるまでの間非常にスロー・モーシヨンになる。その期間我々中小企業者としては、融資を申込みましても決定までに非常に日数がかかる。現に国民金融公庫におきましても、設立後数年になるにもかかわりませず、申込みましてから融資を受けるまでに数カ月の日数を要している。或いは又商工中金におきましても相当年数がたつておるにもかかわりませず、資金量が増加すると共に事務員のほうも殖えているのです恥が、なかなかそう思うように長期資金についてはスピーデイーな取扱がなされていないというような点にも鑑みまして、新たな公庫につきましては同じ轍を踏まれることなく、むしろ全然変つたやり方でやられますならば、この問題の解決は難なく済むのではないかと考える次第であります。この点は現在中小企業者の中小企業金融公庫に対する時も要望する点でございます。それから現在のいわゆる乙種方式の採用、即ち代理貸一本の採用でございますが、この公庫の設立の趣旨が救済融資ではない。中小企業者に対して長期低利の安定資金を供給するのである。従つてどこまでもこの資金はコンマーシヤル・ベースに乗つた中小企業者に対してのみ供給するものである、即ち経済政策の点のみであるというお考えでもございましようが、中小企業の資本主義経済における特殊性、特に日本経済に占める複雑な性格を持つた中小企業を、金融の面から救うためには、私は少くとも、或る程度の社会政策的な面をも加味されて然るべきじやないかと考えるわけでありますので、むしろこの代理貸一本でおやりになる形を、現在乙種方式といいまして、業務委託の制度もおありになることでございますから、むしろその制度をも早く御活用願いまして、或る程度社会政策的な面をも考慮されました、全然救済融資ではないが、一般の金融機関においては融資の困難な本質的な点があるというようなものに対しても、お貸出し願いたいという考え方も相当ございます。従いまして私は、現在中小企業金融公庫において最近とられました長期運転資金におきましても、現在商工中金においても設備資金、或いは長期運転資金をお貸出しになつておられる相互銀行におきましても、四十カ月の無尽契約がありまして、十カ月積金をやりますればあとの三十カ月分については、担保を入れることによつて、長期運転資金の貸出をやつておるというような現状でもありまするので、中小企業金融公庫が同じ形をおやりになるということは、単に資金量を流されるパイプなれば納得するのであります。中小企業金融公庫が、相互銀行或いは商工中金、或いは信用金庫のやつておられる形と同じ形をとらないものであるならば、いわゆる乙種方式である業務委託、或る程度の社会政策的な面をも考慮された金融に、積極的に乗移られて然るべきではないかと考えるわけであります。
 それから先ほど中島さんからもお話のありました担保の問題でありますが、本来中小企業者というものは、御承知のように信用力が薄弱なものでございますので、この信用力を補強するという意味におきまして、先に信用保険制度ができ、最近非常な好況裡に伸展しつつある政府資金の信用保険におきましても、経済の不安化と共に金融機関におきましては担保をとる、それは往々にして地方におきます信用保証制度におきまして、担保がないと信用保証しないというような考え方とも同じく、或る程度信用保険においても担保又は適当な保証人がない限り、信用保険にかけるべき本質であるにもかかわらず、信用保険にこれをつけるに際しては担保を、或いは適当な保証人を必要とするという、我々としては何だかわからない考え方が漸次浸透しつつある。信用保証制度におきましては非常に多くの考え方が、担保又は適当な保証人がなければ信用保証しないというような考え方であることは、私どもとしましては非常に腑に落ちない点でございますので、この点につきましては信用保険制度の或る程度の改正、或いは信用保証制度をもつとはつきり法制化して頂くか、或いは政府から補助金か或いは基金をお出し願つて、バツク・アツプして頂くことがいいのじやないかと考える次第でございます。この信用保険の問題に関連いたしましては私どもの連盟といたしましては、最近の経済の不安に伴いまして、むしろ保険率を一〇〇%にして行く、今までは少くとも九〇%であるという考えでもありましたけれどば、積極的に一〇〇%にして頂きたい。保険料は今まで年三分で、業者は金融機関と折半負担であつたのを、金融機関の分につきましては政府側において全部やつて頂きたい。業者は一%半これを負担する、最近の信用保険の特別会計の決算数字を見ましても、非常な余剰があるという点から見ましても、もう少し信用保険にかけるようなところを、積極的にこれを取入れる。そうして又金融機関の保険料も負担して行く。或る程度赤字が出ましたらその点につきましては、政府において見て頂きたいという考え方を積極的に表明したい、こう考えておる次第でございます。中小企業金融公庫の問題に関連しましては、その他いろいろありまするが、公庫のほうの総裁或いは理事からの御説明を聞きました上で改めて申述べたし点もございますが、一応年末金融に対する要望は、先ほど中島さんから縷々説明がありまして、その点につきましては我々として全く同感でありますが、単に年末の金融だけで本年の末は決して安泰になつているものではない。御承知のように最近における手形交換所の交換高の枚数或いは金額は、経済の実態が非常に悪くなつているにもかかわらず、本来ならば枚数並びに金額が少くなるべきが本当であるにもかかわらず、むしろ毎月々々数%ずつ殖えつつあるということ自体、そこに滞貨融資或いは融通手形のような形において、赤字融資のような形で手形が濫発されているのじやないかということは、現在の経済が本当に新聞紙上、或いは一般に言われている以上に悪化している。先ほども私どものほうで委員会を開きまして、各業種のかたがたに御説明を頂いたんですが、一般の産業、悪い悪いと言われている産業でない紙、或いは木材、或いは繊維におきましては、大きな会社におきましては、何割の配当をしておられる。どこの会社も繊維においては厖大な利潤を挙げておられるにもかかわりませず、中小の企業におきましては、その同種のものにおいても潰れつつある。更に小社においては非常な危機に直面しつつある。これは年末だけでなく、このしわ寄せは、恐らく来年の二、三月に、むしろ我々は年末よりも二、三月の危機を全く文字通り怯える次第であります。一般産業においては、より一層な深刻な状態であります。恐らくこれは我々が毎年繰返しておりました年末金融の危機が、今年こそは文字通りの危機の様相を、繰越しました二、三月に現われて出るのじやないかという予測がひしひしとしおります。この点につきましては、特に年末金融の問題をお考え願いますると同時に、明年二、三月の中小企業の金融危機については、特に御配慮を願いたいと考える次第でございます。その他の点につきましては中島さんの御意見もありましたが、重複する点もありますので、一応私としまして、後ほど又具申もしたいと考えまするから、これを以て終りといたします。
#9
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に、東京商工会議所中小企業委員会副委員長石田謙一郎君にお願いいたします。
#10
○参考人(石田謙一郎君) 私石田でございます。中小企業という問題は非常にむずかしい問題で、いろいろ解釈の相違もあろうと思いまするしするのでありますが、私ども会議所の中小企業委員会では、中小企業というものは、人間的要素を中心として事業を運行するというふうに考えておるのでありまして、これが組織化されますると、当然これは大企業になります。簡単に申せば、対物信用を基礎としても運行できると思うのでございまするが、中小企業は飽くまでも人間が基礎になつて事業を経営しているというふうに解釈をし、そのように思つておるのでありまするが、本日は中小企業金融公庫に関する問題でありますが、これに対しましては、そういう観点を基礎として実はいろいろ要望したい点がたくさんあるわけであります。そして一番根本の問題は、金融公庫自体の問題ではなく、逆に政府のほうの問題でありましようが、如何にも資金量が少い、これはどなたもお考えになることでありますが、先ず根本はこれであります。まあ我々といたしますると、中小企業の問題は対象が相当たくさんありますので、政治問題としていじるのには非常にいい。ただ取上げておるいう感じを与えればいいというふうにどうも考えておられるのじやないか。こういうふうな問題を取上げているぞというだけで、それが果して実際に中小企業そのものを潤しておるかどうかという点はとかくなおざりにされているように考えられる。これがまあこの金融公庫に対する資金量が非常に少い一つの理由でもあろうと思うのであります。これは公庫自体の問題でなく、逆に政府に対する要望になるわけでありまするが、公庫自体に対しましては、現在できた公庫に対しましては、只今山本さんが言われたように、公庫の組織を徒らに膨脹させないようにして頂きたい。この点が先ず一番根本であります。どうも最近見ておりますと、いろんな問題がとかくそういう傾向がありまして、仕事をするものよりも、その仕事に対するいろいろなそういうふうな施設に対する半官半民のもののどんどん大きくなつて行く傾向が多分にあるのであります。中小企業者といたしましては、デフレも恐しいがインフレも恐しい。ともかくも有能な政府を作つてもらうよりほか途がないのでありまして、そのためには中小企業を救うべきこの金融公庫の運行でさえも徒らに厖大にすることは避けたいというふうに考えるのであります。只今お話のありましたように、今日すでに中小企業を対象としておりまする相互銀行、或いは信用金庫も、又小さなものでは信用組合というものがございます。これらは常にその企業と接触をしておりますのでむしろ企業の実態にも明るいのでありますから、徒らにこの金融公庫が厖大な組織を持つてでも、とてもこれらの施設にかなうものではないのでありますから、当然これは現在の中小企業金融公庫を大きくしないで、そしてただこれらの資金を中小企業に流すという点において十分管理をして頂けたらいいんじやないか。かように考えるのであります。なおこの公庫の資金の流し方でありますが、建前といたしましては当然設備資金になつております。最近百万円までのものは運転資金として流すというふうに決定いたしたようでありまするが、現在私ども中小企業者といたしましては、見ておりますると、とにかく設備資金を流すと設備の拡充に流れる危険が非常に多いのであります。そのために又困る中小企業が余計殖えている。どうも不思議なものでありまして、現在の日本のいろいろな状態から見ますと、生産設備を拡充するということは止むを得ないことかもわかりませんが、余り芳しくないのじやないか、需要がないのに一つの企業だけが非常に量を殖やせば他が圧迫されることは当然でありますが、現在の中小金融公庫あたりの設備資金を対象にしておりますと、その傾向がやはり当然強くなつて来る。むしろそれよりも現在の中小企業者は運転資金の十分あることを要望しております。これはもう非常に切実なものがあるのであります。と申しまするのは、先ほどからの中島さん、山本さんのお話にもありますように、非常に困つておりまするから、運転資金というのは中小企業では殆んど銀行の資金、或いは信用金庫あたりの資金を使つているところが非常に少いのでありまして、手形の割引なんかに至りましては殆んど街の金融機関に依存しております。そういたしますると、今日もう十銭というのは全然ございませんで、日歩二十銭というのが普通でございます。それ以上のはたくさんありまするが、少くとも大部分は二十銭、月六分であります。六分の資金を運転資金にいたしておるのでありまするから、これはもう全然想像もできないような高利でありますので、いろいろな苦しみを嘗めておるのでありまするが、ともかくもなかなか年に七割二分というふうな高率の利潤を挙げるということはできないのにかかわらず、これらを仰がなければならんというのが現在の中小企業なんであります。而も御承知のように、大企業自体が今年の最初においてああいうふうな不始末をしでかしたために、これに引摺られて倒産した中小企業は非常にたくさんあるのでありまするが、そればかりでなく、中小企業というものは大企業の配当月になると必ず苦しむ。これは不思議なものでありまして、三月と九月というのは大体大企業の配当月でありまするが、この場合には殆んど支払を延期するというのか常態であります。これなんかは非常に毎年通例でありまして、三月の配当月になりますると三、四月頃は必ず二月乃至三月は延ばす。九月の配当をするためには殆んどの企業が中小企業に対する支払を延ばす。それだけ大企業自体も金繰りに苦しいのでありましようが、配当というものが利潤ではなくし、大企業といえども運転資金に食い込んでおるというふうなことがすぐ想像できるのでありまするが、そのために年末資金というものには非常に苦しむものであります。九月乃至十月の配当資金を繰廻すために、大企業は必ず十月乃至十一月の支払をなかなかしてくれない。そしてそれをようよう十二月末にくれる。十一月、十二月の支払は勿論翌年にしてしまうということが大企業の通有の姿なんであります。これらは勿論年末資金に影響する。これらを考えますると、設備資金を主たる目的とする中小金融公庫の動きというものが果して正しいかどうか相当考えなければならん、かように考えるのであります。この点私ども是非設備資金に重点を置かれた今の方法を運転資金に重点を置いて頂きたい。設備資金を百万円お貸しになつて下さつても機械が大体今ですと高い、これが利益を生むのはなかなか困難だ。運転資金を百万円お貸し頂きますと、仮にこれを使いましても、只今申上げましたようにとにかく六万円助かる。これは大変な額であります。これだけ逆に中小企業が助かつて行くということは如実にわかるのであります。この点をお考え頂いて、この金融公庫に対してはむしろ運転資金のほうに方向を切替えて頂くことを是非要望いたしたいと、かように考えるのであります。
 それから先ほどからも出ました運営でありまするが、資金を金融公庫自体が御自分で操作、運行なさらないとすれば、当然各金融機関がこの点については十分の責任と努力をいたすと思うのでありまするが、これらの対する流し方につきましては是非運営委員会の組織を持つてもらわなければいけない。この点は是非お願いしたいというふうなことを会社といたしましては再三要望いたしておるのであります。と申しますのは、なかなかこの政府資金を通じた金庫の金というものはむずかしいものでありまして、この点は衆議院、参議院の各議員のかたがお困りになつておると思うのでありますが、今までのおつしやつておられました自分がこうだつたらば金を借りてやろうというような非常に変な話が間々出るのでありまして、これは事実ではないのでありまするが、そういうことが出るくらいにとかく誤解が生じやすい、まあ事実そういう傾向も多分にあるのであります。これらを考えましても、当然中小企業そのものの苦しみを知つております中小企業者を交えた運営委員会を作つて頂きたい。この点は当然あるべきものであつて、ないことが不思議だと思うのであります。総裁がお見えになつたから何でありますが、総裁以下理事は当然これは政府の資金を中小企業者に如何に妥当に流すかということをお考えになるだけのお仕事だろうと思う。如何なる方向へどうするかということは、公正であるものならば自然と流れる方法をお取り頂けばいいのじやないか。そのためには運営委員会を設置して是非やつて頂きたい。この点まだできておりませんのでお願いいたしたいと思います。
 なお中小金融公庫に対しましては、私ども或いは申上げたいこともありますが、大体主たる点は、政府に対しましては資金を是非殖やして頂きたいということ。それから運転資金に重点を置くように是非切り替えて頂きたい。設備金から挙る利潤はなかなか年に百万円の設備を与えまして七十万或いは五十万というようなたくさんな利潤を挙げることは現状では不可能であります。併しながら運転資金に廻しますならば、逆に相当の利潤が生れます。そうして中小企業者の苦しみが必ず救えるのじやないかという点を考えます。ので、この点は是非お考えを頂きたい。なお運営委員会は急速に御設置願いたい、この点をお願いする次第でございます。
 それから年末金融という問題に対しましては、今日は十二月の四日でございます。当然これは甚だ申訳ない言い方でありまするが、来年の年末金融をお考えの上に当委員会が我々を御招集になつたのではないかと思うのでありますが、我々中小企業者は十二月四日に参議院の委員会でこういう話が出るということは、はつきり申上げると想像できない。私が先ほど申上げましたことが或いは失礼かはわかりせまんが、是非そのようなことのないように、この委員会でお打ちになる手が中小企業者を生かすように是非今後お願いしたいということを、大変御無礼でありますが、先ずお願い申上げまして、年末金融について先ずちよつと申上げたいと思うのであります。これは現在政府でも預託資金の繰延べについては非常に御考慮になつておるようでありますが、とにかくこの年末ではこれを繰延べる以外には途がないのであります。年末金融に対しては全然打つ手がないというふうに、我々はかように考えるのでありまして、これを繰延べて頂く以外に全然ない。又年末資金としてお出しになる資金も大部分の金が三カ月であります。十二月にお貸し頂きまして、この御返済は三月、想像頂いてもわかりますが、十二月に拝借した資金はそれぞれのいろいろな問題を解決するのに役に立つのでありまして、一月、二月は商店も工場も皆生産も上らない、或いは販売も低調なときであります。さすればこれを三月までに返すということでは、救うことにはならないのであります。ただ問題はこれらに対する政府資金というものが三月を年度といたしておりますから止むを得ないことではあると思うのでありますが、この点はむしろそういう点を御勘案頂きまするならば、むしろ来年からは年末資金を十二月に流すというお考え方よりも、もつと早くお流し頂いて三月末に何とか返すようにして頂くのがいいのじやないか。あとの問題は現状では、はつきり申上げると非常に無理であると考えるのであります。なお蛇足のようでありまするが、ここで一つお願いしておきたいことは、金融公庫の問題もそうでありまするし、中小企業の年末金融にも関係がございますのでありますが、私が冒頭に申上げました、中小企業は対人的な要素が多い。人間がしつかりしていなければ中小企業の経営はできないということ。組織というものよりも中小企業の中心になる人間がどうしてもしつかりした信用と能力を持たなければ経営ができません。さすればこの中小企業の持つところの主たる財産は人間であります。この人間を信用しないところの、今のいろいろな金を貸す方法は中小企業にとつては絵に描いた餅であるというふうに考えるのであります。私どもが聞きますると、アメリカ銀行というのは、その最初から人間を中心として資金の流し方をやつて、現在世界一の銀行だそうでありますが、何とか中小企業に対しては大企業と違つて組織が動いておるのではなくて、人間が中心になつて動いておるのだということをお考えになつて頂いて、その対人信用を基礎としたところの資金の流し方を是非お願いしたい、これはこの中小企業金融公庫も同様でありまするが、或いは年末金融に際しまして放出される政府資金に対しても同様でありまして、人間を信用しないお金を幾らお貸しになつても、その金は中小企業に関する限りお役に立たない。中小企業は組織もございませんし、十分な設備その他もありません以上は、これはどぶに捨てたお金のようになる。むしろそれよりは、しつかりした中小企業に対して、その対人的な信用と、或いは能力を基礎としてお貸し頂くならど、必ずこれは成果を挙げて来るというふうに考えるのであります。而も中小企業というものは、量として考えますと大きな問題でありまするが、今のように、ただ中小企業という大きな枠を徒らにいじつて頂いておりましても、中小企業の救済にはならないと私は思うのであります。中小企業の救済は、飽くまでもその中に救うに値いするとこその堅実な企業は必ずあります。これらの企業に重点的に資金を投ぜられて、そして、これらを育成することが、やがてはそれ以外の弱小企業も救い得ることになるんじやないか、ただ中小企業という大きな政治問題だけに対して、漠然と資金をお出しになることは、何らこれを救うことにならないということを申上げて、本日の責を塞ぎたいと、かように考えております。
#11
○委員長(中川以良君) 有難うございました。只今の石田さんの御発言中、当委員会が年末に際して、年末金融問題を取上げたことが非常に怠慢であるかのごときお話が、ございましたが、実は当委員会は年間を通じまして、中小企業の問題は殆んど取上げております。殆んど毎日と言つてもいいくらい、中小企業の問題に検討を加えて、殊に年末金融に対しては前国会以来実はしておるのであります。本日は、もう押し詰つたのでありますが、一体うまく行つているかどうか、特に実情を承わりたい、こういうことでございますので、今後とも年間を通じて、先ほど申されますこの問題は、御趣旨の通りに我々は努力をいたすつもりでありますから御了承を頂きます。中小企業金融公庫の坂口総裁、御多用中御出席を頂きまして誠に有難うございました。実は御出席が少し遅れましたので、先に業界のほうの意見を頂いたのでありますが、第十六国会におきまして、私ども待望の中小企業金融公庫の設立をいたすに至つたのでございまして、その後この金庫の運営に対しては大きなる期待を実は寄せている次第であります。御創立草々の際、いろいろと御苦心があろうかと存じまするが、殊に年末に当りまして幾多の御努力を賜わつております点、敬意を表する次第であります。本日は、中小企業金融公庫の発足以来今日に至る経過並びにこの年末に対しまするところの金融状況、今後の御方針等につきまして忌憚のない御意見を承わりたいと存じます。それでは坂口総裁より一つお願いいたします。
#12
○参考人(坂口芳久君) 大変遅れまして申訳ございません。只今委員長からお話がございましたので、当金庫ができましてからの事業の概況を御説明申上げたいと存じます。
 お手許に極く概況を書いておきました。御承知のように九月の十一日に当公庫は業務を開始いたしました。その当時御承知のように全部公庫は窓口を自分で持ちません。開店の当初は代理店は、ここに書いてございまするように、百六十九の代理店で業務を開始いたしました。現在逐次代理店を殖やして参りまして、今日では三百八十一の代理店を窓口といたしまして、業務をいたしております。この間九月十一日から仕事を始めましたが、その間に開発銀行のほうの債権六十六億七千万を先月引受けまして、開発銀行の従来やつておりました業務をも、現在は私たちのほうでやるようになつて参りました。従つて従来開発銀行のほうで貸付けておりました管理回収の業務が、現在私どものほうへ移つて参つたわけであります。今後開発銀行からは、見返資金特別会計からの貸付金、これを来月の二十三日頃、現在二十三日に承継する計画にいたしております。それからそのあとで、復金関係の債権を三月に引継ぐ。それで見返資金のほうの引継は約十八億円見当、それから開発、復金関係の債権の承継は、これはまだきまつておりませんが、若し三百万以下ということであれば二十九億円、千万以下だとすれば六十四億円の見当になるのですが、これもまだきまつておりませんが、これも三月末までに引継ぐと、こういうような予定であります。そうしてこの二十八年度中の貸付計画、大体来年三月までの計画は、この別紙(一)を御覧頂きますと、本年度は資本金出資が百三十億に、借入金二十億、全部で百五十億でございますが、この資金を商工中金に二十億、開発銀行に十九億、三十九億一千万承継になります。そのほかにそれだけをすぐ使えないわけでございますか、私どものほうで使いますものについては、それからあとに書いてございますように、九月使つた分が約十億、それからこの十月から十二月の間に五十五億九千万を使つて、それから来四半期、一月から三月までの間に三十一億八千万、そのほかに自転車、十三号台風、水害、それを合せまして百十億九千万あるわけでございます。こういう計画が本年度の計画でありまして、現在までに然らばどれくらいのお金を出しておりますかと申しますれば、この図表で書いておきましたが、別紙の一番最後を御覧頂きますと、今日まで貸しました金額は二十一億七千七百万、開店以来十一月末までに貸しましたものが二十一億七千七百万になつております。そのあとの別表I、IIは、これは設備資金と運転資金と分けて書いたものであります。只今伺つておりましたら、長期運転資金の話が出ましたが、長期運転資金は始めましたのが遅いために、最後の表にございますように、まだ貸付の決定したのは極く少なうございますが、これから漸次出てくると思います。
 そうして次は来年度の計画案でございますが、来年度は大体月二十億見当のつもりで二十億見当くらい出せるように、大体二百億くらいの出資をして頂きたいというふうに期待しております。そういたしますれば、出資二百億と回収金によりまして、ほぼ月二十億見当の融資が期待できる、こういうふうに考えております。
 次に長期運転資金。先ほどもお話がありましたので申上げますが、開業の初めにおきましては、業務の開始を急ぎましたために、代理店を開発銀行の代理店のうちから、五大銀行を除いた代理店を借りましたので、その開発銀行当時には設備資金のみを扱つておりました。その代理店に先ず借りました関係もありまして、主として設備資金が出たのでございますが、長期運転資金は多少遅れたのでございますが、年末にも迫りますので、十一月の初めからこの長期運転資金を出すように方針をいたしまして、ここに書いてございますように資本構成を適正にするため、或いは企業の経営を合理化するため、或いは経営の改善に効果のある、例えば試験所研究費とか、試作費、探鉱費、又企業を再建するための、建直すための資金、こういうものに対しても長期の運転資金を出すことにいたしております。先ほど表にございましたように、やつと最近出始めた状況でございます。幾らかでも年末の金融を間接的に楽にして行くのではないかと考えております。
 次に先ほど年末の金融対策のお話がございました。私どもの公庫は長期の金をお貸しすることを建前といたしますので、直接年末金融にお役に立つには非常にむずかしいものと考えましたが、年末に私どもの長期資金が出ますと、それが全般的に年末の金融の圧迫を緩和する、こう考えましたので成るべく年末までに多くの金を出しますように、こう考えまして、資金の計画等はこの年末までに多くのものが出ますように計画いたしたのでございます。で、当初年末までに、先ほど表にございましたように五十五億九千万という枠を考えておりましたが、これもこれから年末にかけて割合多い割当をしたわけでございますが、更に非常に需要の多いこと等も考えまして、更に十億見当の繰上げ枠の配付をしたいと考えております。こういたしますと、これから年末までにはなおどれくらいの金が使えるかと申しますと、この五十五億九千万のほか、ほかに十億の金を、十億の繰上げ配付をいたしますと、現在のすでに使つております二十一億七千万円を引きますと、これから年末までに約六十億見当のものが大体において使い得る金になるわけであります。年末金融対策という観点から、先ほどちよつと申しましたが、長期運転資金を成るべく優先的に取上げるように……、御承知のように設備資金につきましては相当の調査等も要しますので、すでに前からの申込がありましても、年末に調査のできるものがありますれば、前から出ております設備資金に代えて、長期運転資金のほうを優先的に取上げるほうがいいと考えまして、代理店に、場合によつてはすでに前から出ておる設備資金の申込よりも先に、長期の運転資金を取上げたほうがよかろうという意味に今指導をいたしております。幾らかでもこの年末の金融のお助けになるようにという気持でおります。更に又年末になりますと、代理店は短期の金融をやつておりますので、非常に多忙になるかと思いますが、長期の資金についての調査は非常に手数もかかりますので、その代理店の手数を省く意味におきまして、最近、従来の手続で簡素にできるものは簡素にする意味で、いろいろの調査を書きます上にこの頃用いております〇、×式の、代理店で調査しやすいように、〇をつけたり、△をつけたりすることによつて、割合に調査に未熟な人でもすくわかりやすいような調査方式に変えまして、年末に代理店の事務の手続を簡素化する方向に、先月末から考えて、代理店にやらしております。こういたしまして、年末に成るべく多くの資金が出ますということを只今考えております。
 なお各方面から公庫の店を各地に設けるようにという要望が非常に多いのでございますが、御案内のごとく、公庫は非常に簡素な組織でございまして、到底その御要望には只今のところは副いかねるのでございまするが、最近大阪だけに……、大阪一個所だけございますが、相談室を設けまして、各地の、大阪を中心とする地方の代理店との連絡、中小企業者との相談等に当らしめております。できますればこういうのを各地に設けて参りたい、そうして公庫のお役に立つようにして参りたいと思つております。
 そのほかに、只今表をお配りしておきましたので、一応その表について御覧願いたいと思いますが、一番初めにこの第二の表というのがございますが、これは(二)と番号を打ちました表でございますが、これは「申請を受理せるもの」と申しますのは、この代理店から公庫のほうに送金依頼をして来たものでございます。この最後にさつき二十一億七千万円と申しましたのは、貸付決定で、公庫から金をお送りした分でございます。全体の累計で申しますと、一番最後の欄を御覧頂きますと、公庫へ金を送るようにと申請して来ましたものが千三百二十件、そのうちで八百五十六件、二十一億七千万をすでに貸付けたわけでございます。この間の数字は公庫の手持になつておりますものと、それから書類が不備のために取下げたもの等もございます。で、その次の第3の表は、この貸付決定の業種別でございます。御覧のように製造業が非常に多い。製造業が全体の六八%を占めております。で各業種に亘つておりまして、万遍なく各業種に亘つているようなことでございますが、製造業が非常に多い割合を占めております。
 それから次の第4表は、府県別のものを示しました。これは十月末と十一月末と両方出ておりますが、十一月末は累計になつております。で佐賀県を除いて全部出ておるのでございますが、佐賀県、大分県と少し出ていないところがございますが、大体各府県に亘つて出ております。
 それから最後に第5表というのをお配りいたしましたが、これで御覧頂きますと、それの2の所を見て頂きますと、第5表の2の平均貸付金額を見て頂きますと、どれくらいの平均になつているかということがわかるのでございますが、全体で見まして平均は二百五十四万円、普通銀行……これは商工中金、興銀も入つております。非常に不正確なんでございますが、それで二百七十一万円、相互銀行が二百四十七万円、信用金庫が二百十九万円、大体似通つた数字でございますが、二百二十万から、二百七十万の間が平均でございます。で金額ではそれくらいの平均でございますが、貸付の期間では、と申しますと、平均で、全体で三年一カ月、そのうち普通銀行が二年十カ月、相互銀行の代理店の分が三年四カ月、信用金庫の代理店のものが三年三カ月、こんなふうになつております。御参考までにこの表を作りましたので御披露申上げます。簡単でございますが、一応の御説明はこれで終りたいと思います。
#13
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それでは質疑に入りまする前に、一応政府側から中小企業金融対策、殊にこの年末に当つての諸問題等につきまして、総括的にお話を承わりいたと存じます。愛知政務次官にお願いを申上げます。
#14
○政府委員(愛知揆一君) 年末の特に中小金融の問題については各方面のかたがたから詳細な御説明と御意見がありましたので、私から簡単に御説明を申上げたいと存じます。先ず第一に全体としての年末に差しかかりましての金融情勢の見通しを総括的に申上げたいと思います。大体最近の金融情勢は農林中央金庫の余裕金の放出が相当多額でありまするので、例えばコール資金なども豊富となつております。それから市中銀行の日銀の借入も相当減少しておりまするので、金融全体といたしましては順調に推移しておるものと見ておるのでございます。いま少し数字的に申上げますならば、十月から十二月までの第三四半期の政府の関係におきまするいわゆる財政資金の状況でございますが、結論として申上げますと、この期間におきまして大体千六百億円程度の財政資金のほうが撒布超過になるであろう、こういうふうに見ておるわけでございます。これは一つには供出の米価が基本米価のほかに御承知のようにいろいろの実質的な引上げと同様な結果になつておりますること、供出が予想いたしたよりも順調に進捗いたしておりまするためが一つの原因でございます。併し他方におきましては、国際収支の関係が或る程度逆調になつておりまするので、日本銀行の輸入金融の優遇措置を是正するということと相待ちまして、この点は逆に財政のほうから見ると、引揚超過になつておるのでございます。で、こういつたような状況で、全体としては順調に推移して行くかと思つておるのでありますが、特に現在インフレの懸念されておりまする現状から申しますならば、この程度で推移いたすならば結構なことだと考えておるわけでございます。一方今申しましたように、財政資金の約千六百億円程度のこの期間における撒布超過に伴いまして、全体としての預貯金の増加は昨年のこの期間が三千百億円だつたのでありまするが、これよりも或る程度上廻るものと見られておるのでございます。かくしていろいろの要素を総合いたしますると、日本銀行券は今年の十二月は一番多く出ます時が大体七千三百億円程度と見込んでおります。で、これは大晦日よりも一日前あたりのところが一番ピークになるのでありまして、その日を大体押えて予想いたしておりまするところが、今申しました七千三百億円程度でございます。昨年の年末のピークは六千五百十一億円でございましたので、約八百億円程度昨年の十二月よりも通貨の発行高が多くなる。そうして大晦日におきましては収縮いたしまするから、年末、大晦日の日には六千二百億円程度で、やはり昨年の五千七百六十四億円から見ますれば、相当上廻る程度で越年をするであろう、全体の年末の金融情勢はかくのごとくに予想いたしております。
 只今も申しましたように、インフレを抑制しなければならないという従来からとつて来ましたところの金融上の基本方針は堅持して参りたいと思うのでありますが、年末に主として中小企業者を対象とする、いわゆる本日の問題の中小企業の金融の問題、又今年の特色といたしまして冷害地、災害地等の対策をも考慮いたしまして、大体すでにとりまし処置は次の通りであります。
 一つは指定預金の関係でございます。この指定預金の制度は率直に申しますると、臨時の便法でもございまするし、又漸次財政の計画が実績の上から申しましてもぴしつと合うような関係になつて参りますれば、将来長くこの指定預金制度に頼ることはできないという筋合いのものだと私どもは考えておるのでありまするが、差当りのところで、先ほど御意見にもございましたように、実質的な効果は相当挙げ得るものでありますので、特に配慮いたしておるつもりでございます。先月三十日預託いたしました総額は、新規の預託総額は五十五億円でございます。期間は、これも先ほど御指摘がございましたが、三カ月という既定の方針でやつております。その配分は商工中央金庫に二十億円、相互銀行に十六億五千万円、信用金庫に十四億五千万円、日本長期信用銀行及び冷害等に直接関係のない銀行を除きまして、新たに最近新設されました銀行に対しまして四億円、こういうような配分に考えて実行いたしておるのでございます。
 第二は、国民金融公庫及び中小企業金融公庫の資金の手当でございまして、これは只今もお話が出ました点でございますが、国民金融公庫につきましては、御承知のように既往の災害の関係の融資を相当国民金融公庫でいたしましたために、その関係で約十六億円の資金計画上の不足を生じましたので、これは補正予算と関連いたしまして、資金運用部からこの穴埋めを十六億円の借入によつて行うことにいたしまして、これを主として年末融資の資金源に補完する措置を講じたわけでございます。中小企業金融公庫につきましては、只今お話もございましたが、やはり災害関係の最近における融資が十八億五千万円程度出ておりますので、これを補完する必要がございます。そこで開発銀行に対する承継債権の買取り代金の一部の支払を第四四半期以降に繰延べることといたしまして、年末金融の一助にする措置を講じたわけでございます。
 それから第三は信用保証協会の保証する手形は必要に応じて日本銀行の貸出担保に徴することにする等、中小企業に対する信用保険制度を活用いたしたいと考えまして、それぞれの措置をいたしておるわけでございます。
 それから第四には、市中金融につきまして中小企業者の年末決済資金の融通につきまして、特に十分の配慮を行いますと共に、大企業に対する資金の融通に際しまして、特に下請の中小企業への支払促進がなされるように特に配慮することにいたしたわけでございます。
 大体、簡単でございますが、以上が差当つてこの年末に際してすでにとつて参りました措置の概要でございます。
#15
○委員長(中川以良君) それではこれより質疑に移ります。
 中小企業金融公庫並びに業界の三代表のお方に対する御質疑を中心としてお願いいたしたいと思います。
 なお、政府側よりは大蔵、通産両政務次官並びに中小企業庁長官が見えておられます。
#16
○豊田雅孝君 先ず最初質問をいたしまする参考として数字的なことを伺いたいと思いますが、中小企業金融公庫の代理店三百八十一というお話でありましたが、これの窓口は全国を総合計いたしますと、どの程度の数字になるかということであります。なお、代理店に対しまする枠が平均どの程度になつておるか、そのうち最低の額はどの程度であつて、最高の枠がどの程度になつておるかということを伺いたい。
#17
○参考人(坂口芳久君) 代理店の数を先ほど三百八十一と申しましたのは本店の数でございまして、その代理店の取扱いの店は各代理店に任しておるのでございますが、只今その店舗数を持つて参つておりませんので後に調べましてお答えをいたしたいと思います。それから代理店の資金の配付の枠でございますが、一番大きい代理店が大体御承知のように九億というのが一番大きいのでありまして、小さいのは大体二百万ぐらいになつております。その間が非常にまちまちになつておりますが……。
#18
○豊田雅孝君 平均はどれくらいですか。
#19
○参考人(坂口芳久君) ちよつと今持つておりませんので……。
#20
○豊田雅孝君 それでは続いて伺いますが、中小企業金融公庫の貸出手続が非常に厄介だという声が全国に挙つておるのでありますが、書類等についてどの程度の書類を要求せられておるか。具体的に言いますと国民金融公庫なり商工中金の貸出手続は相当厄介だというようなことを言われておるのでありますが、せめてその程度にでもしてもらいたいという要望がありまするけれども、こに対する対策というか、お考えを伺いたいということがこれが先ず一つであります。
 それから代理店の数が三百八十一でありますが、その窓口総数がはつきりいたしませんのでどの程度になつておるか、はつきりした見通しがその数字を伺わないとわからんのでありますが、只今伺つたところによつても代理店によつて最も少い貸出の枠は二百万円ぐらいしかないというようなことでありまして、かような枠では実際資金の運用が当該金融機関としてもできんのじやないかというような感がするのであります。大銀行のこれは例でありますが、名前だけははつきり言いませんけれどもその枠が四、五千万円、そうしてそれの店の数は約百あるというような状態でありまして、まあこれは平均すると四、五百万しか各店舗としては枠が行かん。この程度のことであるとその当該大銀行として中小企業金融に非常に熱を入れようとしても、一たび大いにやれということを第一線に指令を出すと忽ち行き詰つて来る。それがために中小企業金融に熱を入れたくても指令が出せないというようなことを言つておる金融機関があるのであります。でかような点をいろいろ考えて見ますと代理店舗を余りに殖やしたというところに現在の資金源から言いますると非常に問題があるのじやないか。折角の資金が結局分散せられるために焼石に水のような状態になつて、折角の金が利用できないというようなことになつて来ておると思うのでありますが、これの対策を一体どうするかということが私は結局中小企業金融公庫を活用するかしないかという問題になつて来るのだと思うのでありまして、その点において政府側にお伺いをしたいのでありますが、曾つて中小企業金融公庫法の審議の際に、特にこの参議院通産委員会といたしましてはいろいろ審議の結果、毎年少くとも百五十億程度ここ五年間ぐらいの間に亘つて資金の放出をする、この点については当時大蔵省の銀行局長も責任を以て今回はやるというお話があつたのでありますけれども、今のようなふうに代理店舗が非常に殖えて来ておつて、年に百五十億程度の金でありますると到底分散する結果、本当にその金が生きないということが余りにも明白になつておるのでありまして、そういう点からは政府の中小企業金融公庫に対する投資計画というものを再検討しなければいかんのじやないかというふうに考えるのであります。従つて具体的に率直に言いますると、来年は二百億ということではなく少くとも四百億出す、再来年は二百億出すという行き方がこの際少くとも必要じやないかというように考えるのでありますが、この点につきまして政府側並びに中小企業金融公庫総裁の率直な御意見を伺いたい。
#21
○参考人(坂口芳久君) 前段の手続の簡易化、私も成るべく簡単にいたしたいと考えまして只今公庫が代理店から頂いております書類は借入申込書と附表一票なのでございます。その一票が、とるために代理店がいろいろな手続をしておられるのだろうと思いますが、簡単な一票なんでありまするが帳簿組織のないところには多少無理な点があり、又代理店の中で新らしい代理店なんかは多少理解困難な点なんかがありましたので、先ほどちよつと申しましたが、その附票の台に調査いたしますものを例の〇、×式と申しますか、〇とか△でわかるように最近いたしまして、割合にそういう事務に慣れない代理店でもすぐにわかるような票に変えております。それと併用しているようにいたしております。引続きなお手続を簡素化にするためには努力いたいたいと思います。が、併しながら御承知のように長期の金でございますから、多少普通の手形を割引したり、手形貸付とは多少違う点があるので、その辺のところを代理店自身の理解が新らしいところでは足りない点があるので誤解から生ずる点が多少あるのではないかと思います。代理店で私どもが要求しております票をとりますために慣れないために債務者に御迷惑をかけているのじやないかという点も窺えるのでありますが、御趣旨は御尤もと思いますので、成るべくそういう方向に向つて参りたいと思います。
 それから資金量の問題でございますが、各方面からの御要望が強かつたので、代理店の窓口を非常に広くいたしましたために、代理店によりましては非常に小さくなります。又大銀行等につきましては、支店の多いところなんかに若し支店全部にやらすならば非常に少くなるかと思います。併しながら支店の多い銀行等では取扱い店舗を減らしているところもあるようであります。併しこれを十分に活用いたしますためには、どうしても資金の全体の量が殖えることしかないのでございますが、この点につきましては政府にいろいろと御要望申上げている次第でございます。
#22
○政府委員(愛知揆一君) 只今豊田委員からの御意見は誠に御尤もでございまして、できるだけ簡易な手続でやるということにつきましては、今後とも政府側といたしましてはできるだけ公庫側とも御相談いたしまして改善して参りたいと思います。
 それから資金量の点につきましては、実は明年度予算の編成につきましては、全体としても実はまだ政府としての案ができておらないようなわけでありまして、お気持は非常によくわかるのでありまして、私も個人的には是非ともこの資金量を相当大きくして参りたいと思つております。全体の予算の編成と睨み合せましてできるだけ多くの資金が廻りますように工夫いたしたいと思つております。
#23
○海野三朗君 今のに関連してちよつと質問いたします。この申込件数とそれからその貸付件数がここに数字に現われておりまするが、地方の窓口のほうでは条件の備わつている申込でありましても、枠がないといつて断つている現状でありますが、その件数を入れるとこの申込の件数というものは非常に多くなる。そういう点を、つまり窓口が中央のほうに取次いだ件数だけを以てそれだけしかないものとお考えになつているのか、私は事実が大いに反している。非常にこの申込が多いのであるけれども、めつたに金は借りられないんだということになつておるので、その点は如何ようにお考えになつておるのでありますか。その御所見を承わりたいと思います。
#24
○参考人(坂口芳久君) 少し数字が古くなるので私申上げませんでしたが、代理店の窓口に申込みました数字も十月末まではわかつているのでございますが、十月末までに代理店に申込みました数字は、百四十の代理店から出ました申込の数字は四千四百五十六、代理店の窓口に来ておる。そうして金額で申しますと百六億八千万、これは百四十の代理店でございまして、報告の来ないものがありますので、報告の来ないもの等を推計いたしますと百三、四十億とこう見ておりまして、約十月までに百三、四十億の申込があるので非常に多いということを考えております。そのためにいろいろな資金の枠やなんかもだんだん殖やして参りたいと考えております。私は代理店の需要を見なければならないと考えておるのであります。
#25
○小林英三君 今の豊田委員から代理店の、一つの代理店であつても支店がたくさんある、その支店がたくさんあるということについてはそれぞれ代理店に任してある、どの支店、どの支店で扱うということを任してあるという御答弁ですが、その前に私はお伺いしたいのは、今の甲方式と乙方式による代理店というものは大体代理店任せの、甲方式によるものが多いのですか、或いは乙方式によるものが多いのですか。
#26
○参考人(坂口芳久君) 甲方式をとりますか、乙方式をとりますかは、制度の上では代理店任せになつておりまするが、只今の公庫は創立初めで十分審査の力も持ちません。極く僅かの人でやつておるために、乙方式を選ばれました場合に私どものほうでこれを審査いたしますまだ十分の組織を持つておりませんので、代理店のほうに当分の間は甲方式でやつて欲しいということで只今までは来ておりますが、近いうちに私どものほうが十分に調べることができるようになりますれば乙方式も成るべく早く開始したい、こう考えております。
#27
○小林英三君 そこで豊田委員の御質問に関連してお尋ねいたしたいのですが、つまり或る一つの代理店が、甲なら甲というところの支店に幾らか資金を配給しておる、それから乙ではこういうところに配給しておる、ところがたまたま甲式の支店にはそう大して資金の割当をしていなかつたところが、甲のほうが申込はうんとあつて、甲の代理店の支店の持つている資金繰りでは応じられないというような場合におきまして、その代理店自身が各支店を総合的に睨み合せて見てゆとりを見るような工合になつておるのですか、そういう問題は全部代理店に任してあつて、それらの窓口の資金よりも申込がうんと超過しているような場合にはそれを断わつてしまうのか、或いは同じ他の代理店の資金の金繰りもできるのかどうか、そういう問題についてお伺いしたい。
#28
○参考人(坂口芳久君) 多くの支店を持つております代理店では、大体本店において統括しているのが多いようでございまして、支店に非常に正確な枠はしていないようでございまして、その支店のほうの申込に対しましては全部本店にまとめましてきめている例が多いようでございます。その辺は私どものほうからはこうしろということを言つておりませんが、代理店の気持を聞きながらアドヴアイスしておるというような状況でございます。
#29
○小林英三君 そうしますとやはり代理店の支店というものは大体自分のほうに廻された資金というものは成るべくほかの支店に廻したくないというのが人情なんです。どんどん正直におれのほうがこれだけ余つておるからということを言うでしようか、そういう場合に……。
#30
○参考人(坂口芳久君) 代理店のほうで資金が非常に足りなくなつて来ますということは、結局代理店が全部貸付けまして、枠がなくなつて来るわけなんでございますが、そうしますと、先ほどちよつと申上げましたが、年末にかけてそういう枠の足りなくなつたところに対しては枠の繰上げの割当をいたしております。つまり来年一月から三月に渡すべき分を繰上げまして、その代理店に増配と申しますか、増しておるのでございます。で、一つの代理店の中では資金は自由に廻しておるのが多いように考えております。固定的にこの支店にはこれというようには私はまだ聞いておりませんでございます。
#31
○豊田雅孝君 前の十六国会において中小企業金融公庫法案を審議いたしました際に、この委員会では今後数年間に亘つて本年度の政府出資程度のものを継続政府から放出することというような附帯決議をしたと思うのでありますが、これは本会議に報告せられて満場一致賛成を得たものでありますが、先ほど来のお話を聞いておりますると、あの附帯決議そのまま実行せられるということになりますと、毎年百五十億の金を細かく分けて結局貸すにも貸せんようなことにしてしまうということになると思うのでありまして、その点においては附帯決議のやり直しをしておかなければ困るのではないかという感じもしているのでありまして、この点委員長に一つ御研究を願いたいと思うことが一つであります。
#32
○委員長(中川以良君) 畏まりました。
#33
○豊田雅孝君 それから続いて中小企業金融公庫は設備資金に限定しておつたのを、最近長期運転資金に貸出されるようになつた、これは誠に結構でありますが、現地などで模様を調べて見ますと、長期運転資金ではあるけれどもそれは設備資金に伴う長期運転資金でないと現実には貸さんというようなふうになつておるというようなことを聞くのでありまして、これについては実際はどんなふうになつておるか。更に私は特に希望的な質問になるのでありますが、長期運転資金、単独の長期運転資金でも筋の通つたものははつきり貸すということを現地に徹底するようにしてもらいたいということが一つなんでありますが、この点お願いいたします。
#34
○参考人(坂口芳久君) 只今豊田委員がお話になりましたように地方では、設備に伴うものしかとれないようなことを言つておるのがあるのでございますが、それは丁度開設の当初に大体運転資金によつては設備に伴うものということを初めに申しましたのが、そのままずうつと続いているかのごとく考えている代理店が或いはあるかも知れませんが、十一月の初め頃からあとはその点はなくなつていると思うのでございます。で、設備に伴わなくても単独の長期運転資金を貸すようにいたしております。先ほど一般的な説明をいたしましたように資本の構成を是正するとか、或いは企業経営を合理化するとか、或いは経営の改善上効果ある研究費とか、或いは試作費、或いは再建整備とか、そういうものにつきましては単独に長期の運転資金を出すというふうに申しておりますし、又年末に当りましてはこの設備資金と運転資金とが出ておりまして、設備資金のほうの貸付についてはまだ調査がかかるという場合には、あとから出て来た運転資金のほうに先に流したほうがいいんじやないか、こんなふうな勧奨もいたしておるような次第でありますので、だんだんこの趣旨は徹底すると考えております。
#35
○豊田雅孝君 更に伺いたいのは、長期運転資金のみならず短期の運転資金にも中小企業金融公庫は貸さねばならんところへ実情がなつて来ているんじやないかと思うのでありますが、と言いますのは、普通の金融機関が貸し得ないものに貸し出すというのが中小企業金融公庫の使命だというふうに思つておりますけれども、現在の金融状態を見ますと、普通の金融機関から短期の資金でも借りられんというのが今の中小企業金融の実情であります。そういう面においては普通の金融機関からは借りられない短期運転資金でも、或る程度中小企業金融公庫の独自の立場から見て金融ベースに乗るものなら貸出して行くということが私は実情に合うと思うのでありますが、その点について中小企業金融公庫並びに政府側の御意見を伺いたい。
#36
○参考人(坂口芳久君) 短期の運転資金について金融機関が貸し得ないようなものについての要望が強いことは私存じておりまするが、それまで私どもの公庫がいたしますことになりますと、公庫設立の趣旨と多少変つて参りまして、公庫のほうでは長期資金とはつきり書いてございますので、私のほうでは今の制度ではちよつとやりにくいのでありますが、そういう要望のあることはよく存じておりますが、私どもの只今の公庫ではそういうものまで手が伸ばし得ないというのが現状ではないかと思つております。
#37
○説明員(岡田秀男君) 短期の資金につきましてもいろいろと既存の金融機関だけでは手が廻りかねるから政府もこれに手を出したらどうかというお話、これはいろいろ私どもも拝聴いたしておるのであります。併し政府のまあ財政資金によります金融というものは、普通の金融機関の補完作用をするという建前と、一方におきまして短期資金の関係、つまり一般の金融機関でやつております短期金融の関係を眺めて見ますると、七月末でちよつと押えましても一兆三千億ほどの金が出ておる。その大部分九割までは短期資金であろうと思うのであります。これの補完作用をやるということになりますれば、これは莫大なる財政資金を用意いたさなければ手が付けられないだろうと思います。仮に一割の金を用意いたしましても千三百億円、これはなかなか財政資金によつてこれに手を染めるということはちよつと今のところ国の腹工合その他から考えまして困難ではなかろうかと考えておるのでありまして、我々といたしましては市中銀行が貸そうと思つても持つておりませんような種類の長期の資金に重点を置きまして、それの穴埋めのほうに先ず努力をいたしたいと、こう考えておる次第であります。
#38
○豊田雅孝君 今後中小企業金融の実勢なり見通しを考えますと、政府で折角特殊の金融機関を設けられるということになりますと、ひとり設備資金なり長期資金で、資金だけの補完措置ではもう収まらないのがこの中小企業金融の特殊性だと思うのでありまして、そういう面から今後一つの線を引きまする必要があると私は思うのであります。それでなければこれは絵に描いた餅になるという気持が強くするのでありまして、この点についての今後の御研究を切に希望をいたしておきます。
 次に愛知政務次官に特に伺いたいのでありますが、先ほどお話のありました指定預金はまさに臨時便宜的なものであつて、やがてはこれは何とか処置をしなければならんものだと思うのでとありまして、併しながら、ああいうものをなくしてしまつてそれで収まるというふうには只今の金融情勢から見まして絶対考えられないので、どういう筋の立つたものにするかということが一番肝要な問題になつておるのであります。その点におきまして資金運用部資金が今日では金融機関には直接貸付ができんことに資金運用部資金法の制限規定から出て来ておるわけでありますが、これは過去において預金部資金が低利資金といたしまして、少くとも特殊金融機関には貸出をせられておつたのでありまして、今日独立の世になりますれば、過去においてやられておつたいい制度は復活さすべきものだと私どもは考えるのでありまして、指定預金制度というものが清算をせられることになるならば、それに対する新らしい制度といたしまして、資金運用部資金の金融機関に対する、特に特殊金融機関に対する直接貸付の途を開くような資金運用部資金法の改正を願いたいと思うわけでありますが、その点について御意見を伺いたい。
#39
○政府委員(愛知揆一君) 只今御指摘の通り、実はこの指定預金預託制度と申しますのは、一つには歳出と歳入のズレの時期の関係から起るものと、従来は御承知のようにどちらかというと自然増収が非常に多いその特殊の原因から、一面において金融の緩和に役立たせようということで行われておるのでありまして、私はそもそも財政計画においてかくのごとき歳入歳出のズレが一時的に起ることも本来は如何かと思うのでありまして、これから経済が安定し、更に再建の見積りががつちり行くようになれば、本来こういう資金源は仮に短期といえども出て来ないし、又出て来ないようにすべきだと思うのであります。そこでだんだんとそういう理想的な形態に近付いて行く場合におきましては、私見でございますが、一つは中小企業金融公庫に相当の金を初めから予算上計上して行きまして、然すれば資金源が三カ月で引揚げられて金融機関の不安定ということも脱却される、こういうような形に是非だんだんとして参りたいと思いますが、現状については率直に申しましてさような意見はまだ理想論の域を脱しないと思うのでございます。
 その次に資金運用部のお話がございましたが、これは我々としても実は随分研究しておるかねての課題でございまして、占領中において資金運用部資金法がまあ我々の考えとは少し違う方向に行つておる、何とかこれを庶民金融、中小企業金融のほうに還元したいということは私どもの念願でございます。ところがこれにも一つ問題がございまして、例えば資金運用部の最近の状態を見てみますると、地方公共団体の財政が逼迫しております関係で、地方公共団体に対する融資が約半分近くなつておりまして、現に二千七百七十五億というような額に残高がなつております。それから国鉄、電電等の政府機関に対する融通がやはり二〇%弱になつておりますような現状で、現状におきましては金融債に対する運用は一八%に過ぎない、こういう状況でございますので、実際問題としてはこの地方財政に対する運用部の協力とこの問題は表裏合せて考えなければならん問題でございますので、御指摘のところは我々の今後の研究の一つ課題として十分そういうふうな御趣旨がたとえステツプ・バイ・ステツプになりましようとも、そういうものを伸ばして行きたいと思います。
#40
○豊田雅孝君 只今の御答弁を拝聴いたしまして感ずるのでありますが、中小企業金融公庫へ予算経理上で投資をする、誠に結構でありますが、先ほど来の当局からの御答弁でも明らかでありまするように、これは長期資金でなければならんという一つの制限が出て来るのであります。ところが中小企業金融は長期資金と相並んで、やはり短期資金についてもどうしても財政資金による補完措置が必要だということになるわけでありまするので、その面において資金運用部資金の運用に待つほかないと思うのでありますが、それの財源の足りないのが問題になると思うのでありますけれども、私どもが考えまするところによりますると、これが開発銀行に百四十億も出て行くというようなことになつておりますが、これは要するに大企業家、資金運用部資金のような零細な資金を掻き集めたものがああいう大企業家のほうに流れて行きますと、又電源開発にいたしましても、これも勿論中小企業、零細企業にもすべて関係がありましようけれども、これは零細なる資金を郵便局から集めて、それで賄わなければならんというところに無理があるのではないかというふうに考えるのであります。又金融債に三百億ばかり持つて行かれておりますけれども、この金融債の大部分がやはり御承知のように興銀でありますとか、勧銀でありますとか、結局大企業金融のほうへ廻つているのでありまして、殆んどその三百億の大部分は大企業のほうへ行つていると言わざるを得ないのであります。ここにおいて資金運用部資金のごとく、零細なる資金が郵便局の窓口から吸上げられたものは、原則として零細なる方面に還元するというところに重点を置いて頂いて、資金運用部資金の使途を再検討してもらうという立場に立ちますと、私は相当そこに余裕が出て来ると思う。それを資金運用部資金の直接貸付を中小企業専門金融機関に対して行うというふうに、是非御研究を願いたいと思うのであります。この点を特に強く申述べまして、私の質問を終ります。
#41
○委員長(中川以良君) ちよつと申上げますが、実は仲裁裁定の審議の日にちが余り幾らもないので、先ほど来数人の委員のかたから、早く仲裁裁定の質疑のほうへ移れというお話もありますので、どうぞ政府側は又いつでも呼べますから、参考人に対する御質問を一つ簡単に終えて頂きたいと思います。
#42
○西川彌平治君 簡単に伺いますが、この表の2というのに、今までの貸出が二十一億六千八百万円ほどになつておりますが、私は資金の効率的な運用の面から考えて見ますと、最近地方に参りまして、銀行なり、金庫、或いは相互銀行等に参りまして、あなたのところには一体この中小企業金融公庫の割当はどのくらいあるかというようなことを聞いて見ますと、まあ我々の地方で、これは一つの小さいことを意味するこれは方言でありますが、本当に耳くそほどしかない、こういうことを言うておられるのであります。そうして申込は実は窓口には相当に来ておりますけれども、実はお話に乗るだけの金が参つておらんのだ、でありまするからこの点を一つ考えて見てもらいたいものである、従つて業者はもう幾ら言つてもお話になるほどの金がない、こういうことを言うているのであります。先ほど中島さんからも、恐らくこの窓口は一万になんなんとするものがあろうというようなお話がございましたけれども、恐らくそうじやないかと思うのでありますが、そういう意味において実際のはき出されている金が九月から十二月までに相当あるはずですけれども、それが私は思うように運用されておらんのではないかというような感じがいたしているのであります。そういうふうの方面からいたしましたら、この窓口を、新潟県とか、或いは長野県とかどことかという県の適当の場所に、もう適当な分布をさせまして、何もかにも皆どうも窓口でするということでなく、便宜的にやる方法があるのではないかということを、私は現実の問題として考えているのでありますが、さような問題について御意見はございませんでしようか。
#43
○参考人(坂口芳久君) 只今御質問のありましたような窓口を限定して行くという考え方、私もそういう私え方があると思うのでございますが、只今までの様子では、各方面では、小さいまでも窓口を置くだけでも置いて欲しい、資金の量は幾らでもよいから置いて欲しいという申出が非常に強かつたのであります。今日まではとにかく窓口を拡げて参りましたが、これからは小さい窓口を……、さつき申上げたように二百万円くらいで余り小さいものですから、この小さいほうは是非早急に特に殖やして参りたいと思いますが、全体といたしまして、これからの資金の割当は重点的にやつて行きたいという考えでおりまして、これまでは、どちらかと申しますと、資金の是等によりまして、どこが非常に熱意があるとか、どこが非常にいいとかという、非常に区別をつけにくかつたものでありますので、非常に細かくなつてしまいましたが、これは成るべく重点的に資金の枠を作つて行きまして、幾らかでも御趣旨のような方向にでも進むようにしたいと思つております。
#44
○西川彌平治君 もう一つ伺いますが、この各第三四半期とか第四四半期というような、期によつて資金の枠を各銀行に割当てるのであると私は思いますが、更にその枠を一月々々に分けて割当てるようなことが、現実の問題としては地方にあるように私は感じているのです。例えば十一月分は幾ら、十二月分は幾ら、一月は……、一月は聞きませんけれども、九月、十月、十一月というように、月々にその銀行、又支店銀行なり、どこかに割当てているように私は感じている。そうするとますます資金の運用ができなくなるというのが……、ますますできないように仕向けておるような形に考えられますが、この点はどうなのでしようか。
#45
○参考人(坂口芳久君) 私どものほうではちつともやつておりませんで、三カ月分として初めは割当てられて参りました。そのあとから入りました代理店は一月分になるわけです、極く最近入りましたものは。併し十二月までというのでありまして……、併し十二月でも、場合によつてはそれを向うへ延ばしましても、場合によつては最近は又繰上げてもいいというように今扱つております。割合に自由に考えております。
#46
○西川彌平治君 わかりました。
#47
○藤田進君 坂口総裁にお尋ねしたいと思うのでありますが、この資料を見ますと、いろいろ十一月現在の実績が第三の表に出ております。この中で私お尋ねしたい点は、六つに大分類されております。最後の第六のサービス業ですね。これについては十六国会で過般審議いたしました際に、たしかあれは石原委員の質問で、旅館等についても融資するようにしてもらいたいが、どうかという意味の質問かあつて、これに岡田長官は、まだかような資金ではそこまで手は廻りませんという意味の御答弁があり、私もそれは尤もだという経緯があつたわけでありますが、何しろ製造業、これは分類も非常に多数で、十八に区分されてありますが、この貸付に次ぐ第二位を占めて、十二%、約三億に近い金が出ておりますね。この中で旅館貸間業が二十四で、約七千万円ですか、六千六百万円、こういう状態ですね。今回私どものやはり心配いたしますのは、何と言つても製造業、或いは工業その他、こういつた国家的に見て産業の振興、延いては自立経済というような、これに先ず役立つものであり、且つ一方当該企業が倒産その他によつてより多くのかたがたが大変生活的にも困窮を来たすというような点が中心となつて、この必要性から金融公庫が生れて来たのだ、乏しい財源をやはりそういつた面に緩急よろしきを得て融資されなければならない、こういうような事務的な立場に立つて臨んでいたのでありましたが、非常に意外な数字が旅館貸間業なぞに出ているわけで、一体これはどういう種類で、而もこれほど他の分類に比較して、非常に多数のものが出ている、若干のそこに事情がなければならんはずであります。これについてお答えが先ず願いたい。
 なお詳しいことは時間もございませんので、特に六のサービス業について、僅かの数でありますから、どういうところにどういうふうに配分されているか、後日資料でお出し願いたい。
#48
○参考人(坂口芳久君) サービス業のこの数字が非常に多いところが見えるのでございますか、ここにございますように、旅館貸間のほうは二十四件でございますが、あとの九十二件のほうは、割合に非常に響いているのだと思いますが、この九十二件の多くの部分は医業でございます。医者、病院、結核病棟とか、そちらのほうのものが多いのでございます。
 旅館並びに貸間につきましては、そういう御意見があつたことも伺つております。併し特定業種に指定されておりますので、これに貸さないというわけには行かないのでございますが、従つて旅館も普通にやれというような意見も非常に私どものところにも参つておりますが、併し私どものほうの方針といたしましては、旅館につきましては、外貨獲得等に重きを置きまして、ホテル、旅館の方面を監督しておられる官庁と十分連絡いたしまして、順位を附しまして、例えば厨房設備の改造とか、衛生設備の改造とか、改良とか、そんなような点に重点を置きまして貸しております。それから医業につきましては、厚生省方面の御意見も入れまして、結核とか、精神病、或いは身体障害者に対する施設とか、そういうものを優先しまして貸付けておるようなわけでございます。極く簡単でございますが、一応御説明いたします。
#49
○藤田進君 そういたしますと、貸間業というのは、これは分類であつて、いわゆる外貨獲得のためのホテルですね、それが二十四の全部でございますか。
#50
○参考人(坂口芳久君) いや、全部じやございません。ホテルも入つておるわけなんでございます。
#51
○藤田進君 貸間業も……。
#52
○参考人(坂口芳久君) 旅館貸間業という一つの分類なんでございます。旅館貸間業にはホテルも入つているのでございます。
#53
○藤田進君 これは外貨獲得のための投資ではなかつたのであつて、分類に入つているから貸さなきやならんというのは、これはやはりかなりの金額ですよ。この金融公庫の資本から見ますとですね。何しろ貸出に対して、医業なんかもあるでしようが、今の仮に旅館、貸間業だけ取上げて見ても、十一月末現在で、まだ僅かしか出ていない。金額で三%出ている。あなたがたの資料ですから、恐らく間違いないと思いますが、やはりこれなどは十分もつと重点主義といいますか、先ほど来参考人の御意見も種々ございましたように、もう少し考慮されるべきではないか、このように考えますので、そのように運営方を要望いたしたいと思います。
#54
○小林英三君 それからこの代理店を、最初はなかつたのですが、先ほどもちよつと参考人の諸君からお話があつたのですが、大きな大銀行を代理店のうちに更に追加されたということですが、これは私どもはやはり中小企業に最も関係の深い、馴染の深い、小さい、中小企業がやつて行く専門の銀行を代理店とされることが望ましかつたのでありますが、どういう理由でそういう大銀行を更に代理店にお加えになつたのでしようか。それをちよつとお聞きしたい。
 それからもう一つは、この資金の撒布は、大銀行と、それから中小の銀行とどういう割合になつているか、一つ。
#55
○参考人(坂口芳久君) 大銀行を代理店に加えましたのは、その大都市におきまする中小企業者の中で、大銀行の本店、又は支店を利用しておられるかたが非常に多いのでありまして、中小企業者のかたがたの御要望に応えて、代理店については、大都市の中小企業者の取引の多い銀行は、大銀行の中に相当あるのでございますので、そういう意味で代理店を考え、大銀行を加えるほうがいいのじやないかと考えたのでございます。特に地方におきまして、例えば名古屋にしろ、神戸にして、その辺の大銀行に入つておりますのは、その銀行は、例えば神戸銀行、東海銀行だけしかないというようなところでは、そんなところではなお更その要望が強かつたのでございます。それに従来開発銀行のほうで、中小企業の金融もやつておりまして、そのうちの約三割ぐらいは大銀行と取引する中小企業の金融でございまして、その債権も私どものほうで引継がねばならないような状態でございます。その点から申しましても、大銀行を外しますことは、私どもの実際の事務の処理上からも非常に困るのでございます。なお又大銀行全体の数字から申しましても、銀行全体のうち、私どものほうの貸付対象になつておりまする貸付の総額は、約八千億と見ておりますが、そのうちの約半数四千億程度は、大銀行のほうが地方銀行に比べまして多少多いのでございます。そういうふうな意味から、大銀行を加えるほうが、中小企業者に却つて親切じやないか、こういうようなつもりで大銀行を代理店に加えたわけでございます。但し資金の割当等につきましては、大銀行の資金の量そのままを標準にいたしておりませんので、一応大銀行で中小企業に熱心なところに重点的にそれを配分いたしまして、中小企業者のためになるように心がけましていたした次第でございます。
#56
○委員長(中川以良君) 最後に私からちよつとお伺いしたいのですが、先ほど参考人からも御意見が出ておつたのでございまするが、信用保険をつけているにかかわらず、更に担保を公庫でとつているということ、これはまあ非常に矛盾していると思うのであります。信用保険の限度から越えているためにとつているというならわかるのでありますが、この限度内で更に担保をとるということは、信用保険制度の精神を私は乱すものだと思うのでありまするが、この点どうでございましようか。
#57
○参考人(坂口芳久君) 大体私どものほうは長期の資金の貸付でありまするために、原則として担保をとることになつておりますので、信用保険等の関係につきましては、なお十分に研究いたしたいと思いますが、全体といたしまして、私どもは長期の金であるために一応担保をとることにしておりますので、実際上この信用保険との関連につきましては、なおよく調べてからお答えしたほうがいいかと思います。
#58
○委員長(中川以良君) その点は長官はどうでございましようか。信用保険制度が折角できたのに、更に担保を要求するというのではちよつとおかしいと思うのですが、どうなんでしよう。
#59
○説明員(岡田秀男君) 信用保険で足らんところを担保をとるということになれば一番悪いことでありまするが、その辺のところを実際の金融の実情から眺めまして如何ようなものかという意味におきまして、公庫で目下研究を一つております。私どものほうも一応机の上の議論としては一応の議論といたすのでありますが、実際に金融を担当して見た場合にどうなるかという意味において、公庫のほうで今研究を願つておりまするから、そのうちに辻棲の合つて、而も金融の実情に合う結論が出るかと思います。
#60
○委員長(中川以良君) 信用保険の限度も、先般まあ引上げておるわけでございまして、それは信用保険を大いに活用しようという意味でやつておるのでありますが、今のように重複になるところは二重担保みたいになることになるのですが、愛知政務次官としてのお考えはどうですか、私がそういうふうに考えることが正しいか、或いは金融機関は当然担保をとるべきか、如何でございましようか。
#61
○政府委員(愛知揆一君) 委員長のおつしやること御尤もでございまして、信用保険の対象以外のものなら格別でございますが、できれば信用保険の対象になるものは担保をとらないほうが私はいいのではなかろうかと思うのでございまするが、只今長官のお話もありましたように、私どもとしても実際上の、実務上の問題を改めて研究させることにいたしたいと思います。
#62
○委員長(中川以良君) 私はもうこれは研究の余地はないと思うのです。信用保険制度がある以上は、即刻一つ改めて頂きたいと思うのでありますが、政府側におきましても公庫側を一つ御鞭撻頂いて、折角公庫のできた精神、信用保険制度のある精神が是非生きるように一つ努力して頂きたいと思います。
 お諮りいたしますが、本日は中小企業問題に対しましては、一応この程度で打切つて頂きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○三輪貞治君 この際委員長におかれて、資料の提出方を各機関に取計らつて頂きたい点を要望したい件があります。それは中小企業の金融は、一年中非常に重要なもので、殊に年末になると毎年のことで非常に重要なことでありますが、併しそれだけにその重要な中小企業の金融というものが、公平に、妥当に貸付けられるということでなければならんと思うのであります。ところが巷間ややもすると、中小企業の金融というのは、非常に何というか、端的に言えば政治資金の巣であるというようなことを言われておる向きもあります。こういうことは信じたくもないし、又信じてもいませんけれども、その公正妥当を期するために、やはり私たちはそういうことを参考にしなければならんと思う。こういう見地から、特に中小企業金融公庫と商工中金の高額のものから百件ぐらいについて、その貸出額、その企業内容、協同組合であつた場合には組合員数、或いは協同組合員にそれが果して末端まで妥当に貸付けられておるかどうか、或いは企業内容では不渡りなどを出されたことはないかどうか、そういつたような一覧表、これを今度の臨時国会にはそれを審議する期間はありませんが、ゆつくりあとの通常国会になつてでもこれを検討したいというので、そういう資料を提出されるように委員長でお諮りを願います。
#64
○委員長(中川以良君) 委員長において然るべく一つ善処をいたします。
#65
○小松正雄君 今の問題に関連いたしましてでありますが、山本参考人の説明の中に信用保障証制度に関して金を借りんとする者に対して、担保或いは保証人がなからねばできないというようなことに相成つておることは甚だ遺憾であるというお考えのようであつたように考えますが、その実際の事実はその辺であるか、お尋ねをいたします。
#66
○参考人(山本義夫君) お答えいたします。私の調べました範囲におきましては、兵庫県、福島県、山形県、余り具体的にはつきり申上げますとあれですけれども、最近におきましては東京のほうもそういう傾向になりつつあります。その点につきましていろいろお尋ねをした次第でありますが、はつきりした公共団体、或いは政府のほうの保証がないと、どうしても積極的に信用力を補強するという理論的な根拠ばかりでなく現実にやつて行けない、信用保証協会を運営することは困難だという御覧のようでありますが、或る県におきましても非常に銀行以上のいわゆる締め方と申しますか、審査のやり方をやりまして、非常な蓄積がなされておるということも聞いております。そういうような考え方は、協会に従事しておられる理事或いは専務理事のかたの非常に御手腕とも考えられますが、本来の信用保証する精神から逸脱しておるのではないかと考えます。
#67
○小松正雄君 そこで企業庁長官、或いは大蔵次官に対しましてお尋ねをいたしますが、この信用保証制度という法案を、本委員会で取上げて作る場合の委員といたしましては、少くとも金を借りたくても市中銀行等において借りることができないというのは、市場的な担保がない、或いは優秀な保証人がないという意味において、市中銀行ではどうしても金を借りることかできない。そこでたまたま僅かな金融がつけば倒産もせずに継続ができる、こういう立場にある中小商工業者の中に、そういうものがありとするときに、どうしてもこれは国として援助する方法としては、この信用保証制度という法の下に、その処置に則つて金を貸す方法をしなければならない。そこで市中銀行にその金を借りる場合には、補償人も要らない、或いは担保も要らない、その代りに国が若しその本人で払うことが不可能になつた場合は、九〇%は保証する、こういうふうに私は考えておりますが、どうですか。
#68
○説明員(岡田秀男君) 御趣旨の通りでございまして、九〇%とおつしやいました点は、普通の金融機関が中小企業者に貸しまして、貸倒れが起きましたときには、信用保険は八〇%を引受けて、信用保険の特別会計から当該金融機関に損失を補填するようになつておるのでありまして、九〇%ということを、八〇%とお直し願えますれば、お話になりました通りでございます。
#69
○小松正雄君 この九〇%と申しましたことは、先国会で災害地の所在地のその罹災者を救うためにも、全額国庫の負担にすべきだということでありましたのに対しまして、九〇%まで引上げるということを言われたと思います。が、どうですか。
#70
○説明員(岡田秀男君) 例えば先般の西日本方面を襲いました水害の関係につきましての特例といたしまして、罹災者に限り九〇%まで信用保険で御面倒を見る、一般的には八〇%、こういうことに相成つておるわけでございます。
#71
○政府委員(愛知揆一君) 只今岡田長官からお答えいたした通りに私ども考えております。
#72
○小松正雄君 例えば九〇%が八〇%にいたしましても、この趣旨に則つて金を貸出すということに対して、政府としてその機関である先の金融機関の窓口の、今参考人がおられますが、そういうところに、そういう県において、余りにもこの趣旨に反して貸すことを単なる金融の考え方のように、或いは営利会社的な考え方をしております場合に、これらに対してはつきりと、この信用保証制度によつて、貸付ける金に対しては、そういう極端なことに取扱うことのないようにお考えがありますかどうか。
#73
○説明員(岡田秀男君) 政府でやつておりまする中小企業の信用保険付金融機関とその相手方でありまする中小企業者に金を貸す貸さんの御相談をなさいます場合に、仮にその中小企業者のかたがたが、担保なり、その保証人なりに不十分であつたという場合に、信用保険を利用するかせんかということを、この両者でお話合いの上、利用になるかならんかを御決定になるのでありまして、まあ申して見ますれば、利用するかせぬかは御自由ということになつておるのであります。そこで我々のほうといたしましては、こういう制度ができておるのでありますから、極力御利用願いたいというふうに宣伝普及をいたしておるのでございますが、まだその点が不十分なために十分の効果を挙げ得ぬという点がございますれば、それは遺憾なことでございます。併し信用保険も年を経るに従いまして利用の状況は非常に改善されて参つております。例えて申しますれば、今度国民金融公庫でございますとか、或いは中小企業金融公庫等で代理貸をいたします場合に金融機関を利用いたしているのであります。その代理金融機関は公庫に対しまして一定の責任を持つわけでございます。その責任を信用保険がとることにいたしているのでございますが、その枠を予算総則で二十四億となつておるのが、非常に繁昌いたしまして足りないので、今回十億の枠を拡張するようにこの国会で御審議を願うことに相成つておるような次第でございまして、逐次信用保険の御利用が進んで来ておることはこれ一つの例として申上げられ得るものと思うのであります。基本はやはり金融機関がこの制度を利用するかせぬかということは、自由に任しておりますのでございますから、我々といたしましては飽くまでも宣伝勧誘をいたすという以上を出なしのでございます。
#74
○委員長(中川以良君) それでは本日は中小企業金融対策につきまして、中小企業金融公庫の坂口総裁、それに山本さん並びに参考人のかたがたには御多忙中お出ましを頂きまして、いろいろと貴き実験的な御意見をお聞かせ賜わりまして有難うございました。私ども中小企業のためには一層当委員会を通じまして御期待に副うように努力をいたす覚悟でございます。誠に有難うございました。
  ―――――――――――――
#75
○委員長(中川以良君) それでは仲裁裁定の問題を議題といたします。本日は大蔵大臣誠に遺憾ではございまするが、遂に今に至るまでも出席されないのでありますが、愛知大蔵政務次官がおられまするので、大臣に代つて御答弁をされるそうでありまするから、どうぞ御質疑をお願いいたします。なお中村軽工業局長も出席をいたしております。
#76
○藤田進君 まあ、五分でもちよつと休憩してもらいたいと思うのですけれども、それはまあ皆さんの御意向で……、生理的なあれもありますがですね、これからあとの議事進行に対する……。
#77
○委員長(中川以良君) 速記をつけたままでやりますか。
#78
○藤田進君 ええ、あつてもなくても同じことしか言いませんから……。
 議事進行についてのやはり方法を、あと僅かで本会議も七日月曜日定例ということに本日議運できまつておりますし、それらの事情を勘案いたしますと、衆議院の進行状況もまだはつきり私はつかんでおりませんけれども、やはり今日あたり今後の審議日程について少し検討をする必要があるのじやないか。これは国会規則などから言うと、やはり委員長のお手許でまとめて頂くということになろうと思うのでありますが、これらについて委員長のお考えを承わつておきたい。
#79
○委員長(中川以良君) 只今御発言がございましたので、それでは申上げまするが、実は先般の理事会では、本日までの審議を今日やつて参りましたように大体予定をして決定をし、皆様に御了承を得て進行をして来ております。そこで、昨日の委員会でもお諮りをいたしました通りに、本日の委員会の終了間際に、月曜日、火曜日をどういうふうに審議をするかということをきめることに申合せをいたしておりますが、併し幸い只今藤田委員から御発言がございましたので、ここでお諮りをいたしたいと存じますが、明日は土曜日でございますので、土曜日はまあ一応休もうという多数の御意見でございまするので、月曜日は本会議がございまするけれども、委員会の開会は一応十時ということにいたしておきまして、何しろこの仲裁裁定の問題だけが残つておりますだけですから、月曜日、火曜日は仲裁裁定を中心にして御審議を願うよりほかないと思います。ただここにもう一つの問題がございますることは、外務委員会においてガツト条約についての審議が今続けられておりまするので、これは先般、前国会において当委員会においては質疑はいたしておるのでございまするが、これに対して外務委員会に連合委員会を申込んだらどうかという考え方もあるのでございますが、時日もないことでありますので、特に外務委員会はやはり明日はやらないそうであります。従つて月曜日の外務委員会には、これに対して特に御質疑をお持ちのかたは一つ委員外発言をして頂くことにしたらどうかと私は考えておりまするが、これらの点につきまして一応御意見を承わりたいと存じます。
 先ず、明日は休むということについて、この前は大体皆さんがたにお諮りしたときはそういう御意見であつたのでありますが、それについては御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(中川以良君) それではそういうことにいたします。そうすると、日曜日もやはり休みまするか……。
 では、ちよつとここで懇談会に移ります。
   午後三時四十三分懇談会に移る
   ―――――・―――――
   午後四時五分懇談会を終る
#81
○委員長(中川以良君) それでは懇談会を閉じます。今御懇談の結果によりまして明後日、月曜日に八時半より当委員会を開会いたします。その席上には関係大臣が出られますように委員長は極力一つ努力をいたします。大臣が仮にその時刻に出られなくても、ここにはつきりいたしましたことは愛知政務次官、中村局長は必ず八時半には出席いたしておりますから、委員会はそこで休憩になるようなことは絶対にないと思いますから、どうぞ委員の皆様方正確にこの時刻に御出席を頂きまするようにお願いをいたします。なお外務委員会の問題は必要があれば一つ委員外の発言を求めて頂いて、連合委員会を申込むと又こちらのほうの審議が差支えまするからそういう点でいいのじやないかと思いますが、御異議ございませんか……。それでは御質疑のあるかたは一つ委員外の発言を求めて頂きます。その際は委員長にお申出下さいましたら外務委員長にその旨連絡いたすことにいたします。
 それから月曜日、火曜日の審議は仲裁裁定を主題としてやりまするが、ほかに御質疑等ございましたらその問題をできるだけ一つ議題に乗せることにいたしますので、委員長に一つお申出を頂くことにいたして、それによつて
 一つその運営は委員長にお任せ頂きたいと存じまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(中川以良君) それではさように取計らいます。
 それではこれから仲裁裁定に関する質疑を続行いたします。
#83
○海野三朗君 仲裁裁定の質疑に先立ちまして、私はかねがね大蔵当局に向つてお伺いいたしたいと思つておりました一、二のことをお伺いいたしたい。
 今日会社が儲けたという数字が出ますというと、その大半を皆税金で持つて行かれてしまう、どこにその資本の蓄積ができるかという声を聞くのであります。それで大半の会社からも私はそういう質問を受けておるのでありますが、その会社の儲けた大部分の金を税金にとつてしまうというところの御趣旨は那辺にあるのか、資本の蓄積ということも考慮に入れなければならないのではないか、そのことについてお伺いいたしたい。
 もう一つは金利であります。利息が高過ぎる。で、世界銀行からの利子は五分で借りたということでありますが、国内の利子というものはすばらしく高い。安いのでも七分五厘という、そういうふうな高い利息は一体どこにどういう原則があつて、その利息の基準をきめておられるのでありますか、それを私はお伺いいたしたいと思います。
#84
○政府委員(愛知揆一君) 先ず第一点の会社の税金の問題でございますが、全体として申上げますと、国税、地方税の総額の中で法人税関係が約四分の一の歳入を占めておるわけでございます。一方、納める法人のほうの税の負担は、国税と地方税を通じまして、税率を単純に合計いたしますると五九・二五%ということに相成つております。そのうち国税は四二%でありますことは御承知の通りでございます。これはなぜそういうふうに儲けたものをとるかという御質問でございますが、私どももかねがね法人の利益のうち半分以上を税金に持つて行かれるというようなことであれば資本の蓄積、企業の内部資産の充実ということに、非常に支障があると考えますので、いろいろとこれは工夫をいたしておるのでありまするが、先ほど申しましたように、国のほうも地方のほうも四分の一の歳入を、これに普通期待せざるを得ない状況でありますので、現在までのところは、さような程度で止むを得ずやつて参つておるようなわけでございます。併しながらまだ政府としては、この方針をそのままとるかどうかということについては、いろいろまだ研究をいたしておりますが、最近政府部内でできました税制調査会の答申に見ましても、この法人税の軽減ということ、或いは地方税でありますれば事業税の軽減ということが取上げられておるのでございます。一方経済界のほうにおきましては、例えば経済同友会その他においても、政府にいろいろの案を出されておりますが、それは仮に税率が一挙に軽減されないということであれば、せめて企業活動がもつと楽になるような課税所得を軽減する。実際上負担の軽減に資するようにして、資本の蓄積に向けたら、こういう御意見も出ておるわけでございまして、只今のところは、二十九年度本予算の編成について、これらの問題を併せて、何らかの改正案を作りたいと思つております。只今まだどういう案ができそうかということまで申上げる段階に至つておりません。
 それから第二の金利の問題でございます。この金利が、概して貸付金利一割或いは、それ以上の状況でありますることは、これが又世界の大勢に比べて非常に工合が悪い点でございます。大体戦前から、長く日本の金利は国際的に見れば、非常に高いのであります。大体戦前におきましても、英米等の国に比べますと、貸付金利は日本は倍くらいになつておる。併し現在では、それを遥かにまだ超えております。そこでこの金利の引下げということも、政府としては、十大政策の一つに取上げて、僅かずつではございますが、その引下げに努力をいたしております。この金利のきめ方は、どうやつてきめておるかという御質問でございますが、金利調整審議会というものが、臨時金利調整法に基いて設定せられておりまして、その構成の顔ぶれは、金融に関係する学識経験者、労働界の代表者或いは政府を代表する役人というような額ぶれで構成いたしておりまして、その金利調整審議会において、基本的な金利の基礎をきめることに相成つておりますので、私どもといたしましては、この金利調整審議会の政府側としては、たしか一人は銀行局長、一人は経済審議庁の所管の部長であつたと記憶いたしますが、これをそこに代表して出しておきまして、政府として金利引下げをできるだけ希望し、又資料を提示して一般の御協力を仰いでおるような次第でございます。ただ金利の問題はただ単に金融機関の経理の内容から来るというような単純な問題ではございませんので、これに従業しておりまする職員の給与等にも密接な関係がございます。そういう点から、労働界の代表のかたにも出て頂いておるのでありまして、政府としては、金利を自分で決定するのではない。この金利調整審議会の議を経て日本銀行政策委員会にかけて、日本銀行政策委員会が、それを承認した場合、政府側がこれは工合が悪いと思つた場合には、更に又案を練り直すことを命ずるという恰好で、政府が直接の権限としては、他の問題に比べまして、非常に間接的な決定の方式でやつておるような次第であります。
#85
○海野三朗君 結局するところ、一定の根本原則がないようで、みんなが寄り集まつて適当にきめるということでありますればつまり暗中摸索で、大体この辺でいいんだということでおきめになつておるわけであつて、甚だあやふやなんでございますか。
#86
○政府委員(愛知揆一君) それは金利調整審議会の運営の問題でございますが、私の知れる限りにおきましては、いろいろの観点から、科学的に検討して、そして誤りなく議を決するように運営されておるように承知しております。
#87
○海野三朗君 この問題は又私重ねてお伺いいたすことにしまして、このたびのアルコールの仲裁裁定のことについて、二、三お伺いいたしたいと思うのであります。このアルコールの仲裁裁定、これは八月から実施ということに、仲裁裁定ではなつた。それをまあこれがなかなか呑めんというようなことから、これ以上金が出せんというふうに御相談になつたようでありますが、私どもこれを率直に見まするときには、何故に仲裁裁定というものを設けたのか。そんならば仲裁裁定を設ける必要がないではないか。初めから……。それが第一点と、只今お話の通りこの金利が高まつて行くということは、一方においては間接には確かにこの銀行券の価値の減退ということも生じて来るその一つの原因であると考えておるのでありますが、我々が例えば学校に行く子供、その子供がお菓子が欲しい、お腹が空いて泣いている。そういうときにはやはり親たるものは無理をしてでもこれにお菓子を食わせて、そうして学校にやることが賢明なる途ではないか。それをお前はさつきお菓子を食つたばかりで、お前、そういうことを言つちやいけないのだと言つておるように私は見えるのでありますが、そうして又なお且つ経済的に見ましても、それが可能なように私のほうは見るのでありますが、その点については政府当局はどういうふうにお考えになつていらつしやるのであるか。仲裁裁定ということはまあ飾り物にあれは出したのだ、労働攻勢を緩和する意味において飾つたのだという考え方であるか。仲裁裁定を尊重する、尊重すると言つておりながらも、それを守れない、そこに私は欺瞞があると考えざるを得ないわけです。その点に対しての率直なる御意見を承わりたいと存じます。
#88
○政府委員(愛知揆一君) この点につきましては従来もしばしば私どもはお叱りを頂いておるのでありますが、又同じことを言うといつて更にお叱りを受けるかも知れませんか、我々財政当局といたしましても、労働関係法規を遵守して行かなければならないということはとくと承知しておるつもりでございます。而してこれは前国会でありますか或いは前々国会でありますか、その当時までは実はこの一般に三公社五現業の関係においても裁定がなかなか呑めない。財政上の状況からなかなか呑めないというふうに当時の成立された予算の上では考えておつたのでありますが、この裁定を尊重しなければならないということから、補正予算を編成いたしまして、そうして私どもから申しますならば、実施の期限はずれますけれども、明年一月からこの裁定の線を実施しようということにいたしましたような次第で、過去一、二カ月の間におきまする我々財政当局としての苦心も又併せて御諒察願いたいと思うのであります。
#89
○海野三朗君 只今のお話でありますが、八月から実施いたしますのと、一月から実施いたしまするのとでは金高において如何ほどになるのでございますか、違いは……。
#90
○政府委員(愛知揆一君) 金額につきましては、すでに御承知の通りと思いますが、例えばアルコールの関係におきましては約二千万円と記憶いたします。
#91
○海野三朗君 八月から実施するのと、一月から実施するのとでは二千万円の差でございますか。そのほかにも影響するところ五現業その他全部に対しましての財政上の額の違いをお伺いしたいと思います。八月から実施するのと、一月から実施するのとでは……。
#92
○政府委員(中村辰五郎君) 私から便宜答弁させて頂きます。八月から実施いたします場合には二千三十一万円程度でございます。なお一月から実施する場合に、先般も答弁いたしましたように、裁定の中の一部にいわゆる不合理是正というものがございまして、これは八月から実施いたす。その他のものは一月から、こういうことになつております。大体不合理是正が半分ちよつと下廻る程度でございます。そういつた関係で、金額的に申しますと、千三、四百万円見当だと睨んでおります。
#93
○海野三朗君 それだけの金高について、何故に政府がそれほど突つぱねなければいけないのでしようか。その御趣旨のあるところを承わりたいと思います。
#94
○政府委員(愛知揆一君) この点につきましては、私どもといたしまして考えておりまする点は、仲裁を尊重するということは勿論でございます。而してその内容については、実施の期限が裁定の点と異なりはいたしまするが、各公社、現業庁等の裁定におきましても申すまでもございませんが、実施の時期その他につきましては、統一的な考慮を払われている御趣旨もあり、やはり各企業体職員相互間或いは又一般公務員と企業体職員との間の相対的に見てのバランスということも考える必要もあろうかと思いましたので、それらの企業体の経理の能力に応じて、或いは金額が少い、多いというような点だけを考えて、各個ばらばらに実施することは適当ではなかろう、こういうふうな考慮をいたしたわけでございます。
#95
○海野三朗君 只今の影響するところ全部それを考慮に入れました金高は如何ほどになるのでございますか。
#96
○政府委員(愛知揆一君) 八月に実施いたしまして、造幣、印刷、林野庁、アルコール、郵政職員、この合計が約四十九億円でございます。専売、国鉄、電電三公社の計が約百十八億でございます。合計いたしまして百六十七億九千四百万円という数字が今年度内の所要の資金と相成ります。これを本項八月実施いたしましたといたしまして、一年度間に幾らとなるかと申しますと、三百十六億二千百万円という数子が出るわけでございます。これに対しまして、明年の一月に実施するといたしました場合、本年度中に、造幣、印刷、林野、アルコール、郵政の合計では約二十億円。専売、国鉄、電電を合計いたしますると約四十億円、合計が六十一億二百万円、こういうような格好になりまするので、先ほど申しました八月に実施して本年度中の所要経費が百六十七億九千四百万円でありまするから、これと六十一億二百万円というのがこの間の差額となるのでございます。
#97
○海野三朗君 そういたしますと、つまり百億ほどの差がここに出て来るわけだと思いますが、百億で今みんなが騒いだりしているところから失うところの損失、そういうものを引つくるめて当局はお考えになつているのでありますか。この鉄道にいたしましても又あちこちの賜暇、そういうような騒ぎ、それらよりこうむるところの損害はどれほどに見積つていらつしやるでございましようか。
#98
○政府委員(愛知揆一君) この点につきましては、只今は五現業、三公社について申上げたのでありまするが、やはり一般国家公務員の関係等も併せて御判断を願わなければならないと思うのでありまして、やはり人事院の勧告は八月実施ということを勧告されておつたと思いますが、それとの差額ということもやはり見て頂かなければならんと思います。この金額がちよつとここに持合せておりませんが、相当の額に上るのではないかと思います。今その数字は直ちに申上げられますが、相当の額に上るわけでございます。
#99
○海野三朗君 私は全体からの損失を思つているんでありますが、いわゆる公務員たちの遵法闘争とか何とかやつている、それによりこうむるところの損害、それは専売公社にいたしましても、この間新聞の報ずるところでは、七億円の損害であるというようなことになつて新聞に書いてありましたが、そういうふうな全体を見て、そうして政治というものはやつて行かなければならない。先ほど私が申しましたように、子供が泣いている。結局そう重ねてお菓子をやつてはいけないのだけれども、とにかくこれを騙かして学校にやつたほうが結果において得なんであるということをお考えになつていないのか。何ぼ騒いでもこれだけしかられん。子が泣いて面倒くさいから拳固を食わして学校に行かないなら行かないでもいいという態度であると私は考えざるを得ない。それよりもむしろこれよりこうむるところの損害をも考慮して、そして仲裁裁定を尊重し、人事院の勧告をもこれを尊重してやつて行くのが政治をなす者の常道ではないかというふうに私は考えるのでありますが、当局としては如何ようにお考えになつているのでございましようか。
#100
○政府委員(愛知揆一君) 海野先生のおつしやることは私も誠に御尤もだと思うのであります。併しながら観点を変えて又見て頂きたいと思うのでありまするが、ここで数百億円の金を余計に出せば泣く児が黙るとおつしやるのでありますが、それはそのこと自体私は否定いたしません。その通りだと思います。併しながら、例えば大きな世帯の国鉄の現状を御覧頂きたいのであります。例えば国鉄の場合におきましては、現在の経理の内容から申しましても非常に窮屈な赤字経営をやつております。これにはいろいろの原因があるのでありますが、その現状から申しまして、若し現在国鉄においてどこからか借金をするかなんなりかして金を作つたといたしましても、これは一方から見ての、長い眼で見ました場合に我々としては国鉄、いわゆる何と申しますか、企業が自立して収支がペイし、或いは進んで黒字になるような経営になつてもらわなければならないと思うのであります。で今若し相当多額の給与をここで出すということになりますると、現状においてすら来年速かに運賃を引上げなければならない、現在の経理の状態で行けば。そうすると国鉄の料金が値上りになるというようなことになればこれは又一方国民大衆の非常な迷惑になることになろうかと思います。又電電の場合におきましても比較的僅かな差のようには思いまするけれども、実はこれ又電信、電話の五カ年計画ということの実施が非常に困難になる虞れがあるのみならず、これも又電話料金の問題が再燃する虞れ場があるというようなわけでございまして、若しこれらの料金の値上げをせず、而も独立採算でやつて行こうとすれば、その場合におきましては国民の一般の税金を引上げて、これらの公社に対する補給金をしなければならないということになるわけであります。そうすれば先ほど御指摘のように、現状においても法人税が実に五九%というような程度まで行つておる、これも又引上げなければならないというような問題になりまするので当面の泣く子が黙るという問題については私は全然同じように考えますけれども、今少し全体の大局を考えて見ました場合にはとにかく裁定は尊重して実施するのだ、でただその違いは八月からやるのか、一月からやるのかというだけのことである。同時に私どもはできるだけ、これは先ほど申しましたように、裁定というものは少くともその実施の時期についてはバランスをとりたいというようなお考えが仲裁裁定委員会においてもおありのように私は見ておるのでありまするが、そういう点から申しまして、大所高所から御判断頂きますならば、今の政府の考え方が御納得が頂けるものと確信しております。必ず子供が泣きやむ、と申しては言い過ぎでしようけれども、こういう現状を訴えますれば私は必ず理解と納得をしてもらえるものと、こういうふうに信じております。
#101
○海野三朗君 私はまだありますけれども私ばかり質問をしていけませんから今日は私は保留をしておきます。
#102
○藤田進君 予算執行の面から若干法律的な問題についてお伺いいたしたいと思うのであります。
 本案の審議状況は先ほど懇談の過程でも御承知のように必ずしも進捗はいたしておりませんし、一方衆議院の側におきまする本審査もこれ又必ずしも当会期の短さに比較して進んでいないように判断せられるのであります。この結果公労法による国会の予算総則の枠を拡げるなり、或いはそれを拡大しないなり何らかの国会の議を経るというこの手続が衆参両院とも適法に完了する、こういうことのみには今日予断を許さない状況にあるのではなかろうか。一方予算委員会におきましては並行して政府提案による予算の審議が衆参両院ともなされておりまして、いわば仲裁裁定の事案は各種委員会に付託されていながら、一方予算委員会で裏付けとなる金のほうは予算上の問題は審議が進んでおる、従つてこれが予算執行の面から如何にお考えになつておるかという点でありまするので、過去にも若干例はあるようでありますが、本委員会におきましてはアルコール専売の仲裁裁定でありますけれども、これ一つを具体的な事例に先ず取上げて見たいと思うのであります。この仲裁裁定について本委員会が現在予備審査でございまするので衆議院のほうの決定を待つて更に結論を出すということになろうかと思うのでありますが、不幸にしてこの本案が何といいますか、審議未了といいますか、というような運命になつた場合、一方予算委員会では予算の何らかの結論が出される、こういう事態がかなり明確になるのでなかろうかという心配を持つております。この場合に法律上仲裁裁定については可否の決定がない、審議未了というものであつて、一方予算上の問題はいずれにしても結論が出るということになりました場合にですね、どういう見解に立たれるであろうか。政府としてはやはり予算委員会並びに衆参両院の適法な議決がある以上、審議未了になつても無論予算執行は本件についてできる、仮に政府案でありまする一月から実施ということになりました場合にはその通り予算上の執行はできる、というふうにお考えになつているものだろうかどうだろうか。そういう場合に更に法律上派生的ないろいろ債権責務の問題等も起きるのではないかという学者間の議論もございます。従つて派生する面に亘つてもできる限り詳細に政府の、特に大蔵当局としてお考えをお持ちであるか、先ずお伺いしたいと思う。
#103
○政府委員(愛知揆一君) 率直に申上げますが、私この御質問についてはちよつと自信を持つてお答えできません。併し一応の考えを申上げまするならば、予算が成立してそうして仲裁裁定についての御承認なり一部御承認なりがなかつた場合、審議未了になつた場合は、あたかも予算の款項目に計上されておる或る費目について立法を要する事項でありました場合に、法律案が審議未了になつて不成立になりました場合には、予算は私は執行ができないのじやないかと思うのでありますが、この法律が不成立に……法律を要するものであつてなお且つその法律案が審議未了になりました場合には、予算がきまつておつてもその該当の項目の支出は私はできない。この点ははつきりしておると思うのであります。大体それと同様に解釈すべきものではなかろうかと思うのでありますが、この点はなおとくと法律的な見解を政府部内で統一いたしましてお答えいたしたいと思います。
#104
○三輪貞治君 今のに関連して……今の質問は裏を返せばこれは裁定の国会承認を経たものでなければ、予算は出せないということを意味するんでありますか。
#105
○政府委員(愛知揆一君) 私は一部をさように解釈いたします。予算は執行できることに国会の承認は得たけれども、併しその部分について他の法律になつて立法上の措置が要りまする場合には、予算の執行ができないのであります。で仲裁裁定についての承認があつたかないかということを通常の法律案等の取扱いと同様に解すれば、やはり私は執行ができないと考えます。
#106
○三輪貞治君 そういたしますると、大体十七国会を仮に早く無理に引上げてこれを審議未了にしておいて、そうして同時に予算のほうが先行しそうな形でやつているという現在の形が非常に無理をしたんだという反省を私は政府はすべきだと、こういうふうに考える。あの期間には絶対にできなかつたんだ。できなかつたならば結局予算を組む以前に裁定の承認をするか不承認をするかという国会の意思の反映を見る余地ない状態において、そうして予算が組まれておる。ここに私は非常に手落ちがあつたというふうに今の愛知政務次官の御意思からはとれると思うのですが、この点如何ですか。
#107
○政府委員(愛知揆一君) この法律論につきましては率直に申しましたように、私は自信がございませんが、恐らくさような解釈が通説ではなかろうかと思います。従つてそれを根拠にいたした場合ご政治的な問題としてその取扱についての三輪さんの御意見を拝承いたしますが、私のほうとしては政治的に見れば、申すまでもございませんが、十二月の十日には通常国会が遅くも召集されなければならない、この状態はとくと承知しておるわけでありますが、併し裁定の問題、今度は裁定が承認されても予算がなければ執行ができないことは当然でございまするが、短期間であることは万々承知の上ではありますが、我々としては、今の御意見からすれば、御不満と思いますけれども、私どもとしては一刻も早く少しでも給与の引上げをやり、裁定を尊重したいと、こういう気持で、短期間であることは重々承知の上でかような措置をせざるを得ないようなわけであります。
#108
○藤田進君 これはまあ個人的な見解のようにも承わるので、これを基礎に次の質問を続けることは、これは非常に無理かと思うのです。ただ、会議運営の面から見ましても、若しさような意見が政府の統一された意見、解釈だとするならば、政府の関係委員会に臨まれる態度などについても、一つ再検討を願わなければならないのではないだろうか。今日予算委員会が中心になりまして、各種委員会には政府の御出席が非常にむずかしい状態にあります。今度の予算委員会は、先ほど御答弁にもありましたごとく、仲裁裁定等をめぐる問題がむしろ補正予算の中核をなしておりまするので、予算委員会の先行ということは到底考えられないことになりはしないかと思うのであります。私は併し只今の御解釈とは若干異なつた見解を持つておりまするのでありますが、そう仮にいたしますと、これは国会の運営の面について非常に複雑な問題が出て来ると思いますけれども、結局は委員会において、当委員会において、アルコール専売についての裁定の可否というか、或いは予算上の枠を、予算総則の枠をどのように補正するかという面が、わかりやすく言いますと、仲裁裁定の内容が妥当であるかないのか、一万四千二百円八月実施は政府の一つの債務だと考えられるが、ただ予算上、資金上の問題について不可能な場合にということでかかつて来ておりますから、こうなりますと、今後の審議上、必ずしも委員間においても統一されておりませんし、政府自身の意見も必ずしも一致した、統一された意見もないのではないかと思います。仲裁裁定自身の内容についてとやかく言うのではない、これがまあ一応政府の答弁であつたと思うのです。そういたしますと、残るのは、これを呑むか呑まないか、それが延いては予算総則の枠の関係或いは資金的な関係、こう政府の趣旨から言えば残されて来ます。この点について、国会に求められておる政府の解釈は、これは内容ではなくして、やはり以上申上げた資金上或いは予算上の問題を国会としてはどうするかということだけ問うておられるのかどうか、この点改めてお答え願いたいと思うのであります。なお、若し予算上、資金上の問題について可否を問うておられるということになりますと、勢い、予算の提案権といいますか、予算に対する提案は政府がなされることになつております。そういたしますと、ここで呑むべしということになりますと、政府は勢い今出しておられます補正予算の修正が当然なされなければならんじやないか。これも時間的な、いわゆる物理的な面から、政府としては国会の召集、臨時国会の召集を三十日になされましたけれども、今考えまするとなかなか問題があるのではないだろうか。今後八日までと言いましてもあと僅かでありますので、こういつた事情から、法律の解釈の面が、呑めということになれば予算の再修正がなされなければならん。こう考えられるわけでありますが、これらについての法律の解釈をお尋ねしたい。
#109
○政府委員(愛知揆一君) 大体この仲裁裁定を呑むか呑まんかという問題が、予算上、資金上の点について御審議を願う。通常の場合は、一つ成立しておる予算があつて、そうして経理の内容がはつきりしている場合だと思うのであります、通常の場合は。ところが、今回の場合は一方において補正予算はまだ審議の過程にあつて、そうしてその間同時に裁定の承認の問題を今御審議を願つておるわけでありますから、通常の場合とこれは違うわけでございますが、私の考えますところでは、若し裁定を呑めという御決議があつた場合で、予算のほうが成立してしまつたか、或いは審議の過程であつたか、いずれの場合でも同様でありますが、それを直すか、直さないかということは、これは政治上の問題でございまして、国会としては予算についての御意思を決定する、又裁定についての御承認を願うか願わんかを御審議を願うわけでありまして、そこは私はやはり意思の統一を国会側としてお考えになれば、予算のほうが直つたほうがいいということになるでありましようが、一方私の見解といたしましては、その場合仮定の事実としては、予算が成立したか、或いは放つて置けば原案のまま成立するかも知らんという状態の下において、政府としてはその予算の修正ができないという場合におきましては、政治上の責任は別問題として、必ずしも法律的には私は拘束されないではなかろうか、こういうふうに考えます。
#110
○藤田進君 今の意味はどうなんですか。裁定呑むべしという国会の議決があつた場合に、当然今出されておる、これは仮定ではなしに、現実の問題として出されておる補正予算の内容というものは、一月以降実施ということでありまするから、無論仲裁裁定を呑むということになりますと、八月からということになるし、そういう決定があつても、政府としては、予算の差替修正はしない原案のまま、こうおつしやいますと、修正増額して決議するということが本院でできるという解釈になるわけで、予算の提案権というものですね。こういつたような、或いは組替えて出せとか、いろいろ一般の場合にはありますが、裁定をめぐつては余り例がないのでお尋ねいたしますので、そうなりますと、裁定に関する限りは呑めと言う、政府は一月からでないと呑めないと言う、そういうときに、国会が独自の立場で予算を増額しても決定してしまう、こういうことは政府としては期待され、或いはそういう解釈なのか、その点を改めて、不明確でございますから。
#111
○政府委員(愛知揆一君) 私は政治的な問題としては、現在審議中の予算が両院の議決がない間に仲裁裁定を呑めということが両院の意思として決定された場合には、政府の側においても予算の補正をしなければなるまいかと考えます、政治的には。併しこれは法律論としては必ずしもそう考えられるかどうかということは別個の問題だろうかと思います。
#112
○三輪貞治君 大体予算上、資金上支出可能か不可能かということは政府がきめるものですか、国会がきめるものですか。
#113
○政府委員(愛知揆一君) 最終的には当然国会だと思います。
#114
○三輪貞治君 併し現在は政府がきめて出しておるじやありませんか、どうなんです。
#115
○政府委員(愛知揆一君) それは、政府としてはこう考えますが御意見は如何でございましようかということで御審議をお願いしておるわけでございます。
#116
○藤田進君 その面は若干どうも変ですが、今の提案というものは、政府として確信のあるものではない。こんなところでどうだろうかというような、いわゆる試案というか、国会に対して試して見るというようなことになつてしまうので、やはりあれは実定法上のいわゆる根拠に基いて出されているのかと思つて予算委員会は真剣に取組んでいると思うのですが、一つの参考案としてあの予算案が、補正予算案というものは出されておると、こう解してよろしいのでございますか。
#117
○政府委員(愛知揆一君) それはちよつとざつくばらんに言うとお聞きになるだけ野暮かと思うのでありますが、私どもとしては、まじめに取組みまして、この補正予算案というものが現下の状態において最善のものとして出しているわけでございまして、この最善と思いまするものが両院で御承認御決議頂けるものという確信の下に、それができた場合に仲裁裁定をこの程度には呑みますということを同時並行的に御意思を伺つておるわけであります。決して試案ではなくて、私のものの考え方から言えば、それが全部ではないにしても、何といつても予算上の問題が大きゆうございますから、先ず予算の案というものを固めて、そうしてそれを照応して並行的に、裁定の呑める限界はこの程度でございますということを基礎にして御審議をお願いしておるわけでございます。
#118
○藤田進君 裁定の可否については、内容というか、予算上、資金上の可否については、これは挙げて国会がきめるのだということで御答弁がありましたので、そうなりますと、公労法の建前、又その歴史から見て、法文から解釈、仲裁裁定に対しては先ず両者とも、両当事者ともこれに服する。調停案とは事情が異なつて、これは民間の場合でもそうでありますが、両者共にこの仲裁案というものは呑まなければならない。これが原則だと思います。これが原則です。但し予算上、資金上不可能な場合に限つてこれは国会がきめるのだ、こうなつているのでありますから、やはり政府としては呑まなければならないという立場に立つて国会にこれを問うというのが建前であろうと思うのであります。その場合には呑めるように努力をし、そして且つその上で国会でこれを否決するならばこれは別でありますが、両当事者の労働問題に対する態度としては、やはり両当事者としては、一方組合が大会にかけたところが、執行部のほうではこれを呑みたいと言つても、大会という決議機関が呑むべきじやないということも私は仲裁裁定については法律上許されない、執行部としては呑めるように大会に対して努力するのがやはり法律上義務付けられている、と同時に、国に対してもあの制度が設けられたゆえんからして当然だと思う。こういう面からしてあのような予算を一月からということでいち早く出してしまつて、これに今日の議会政治、政党政治のこの現実からしておとりになつている態度というものは、これは又別の意味で私は了解できないものがあります。併し本日は大蔵当局の立場から、そういつた大きな面だけでなしに、ちよつと具体的なものをこれからお尋ねしたいと思うのでありますが、本アルコール専売につきまして、今まで検討いたしましたところによると、問題は予算総則の枠、この問題だけである、このように考えるのであります。予備金の四千六百万円でございましたか、というものがございまするし、この使途については従来の調査によりますると特定な予定はないということでございまするし、一方八月以降の実施は、先ほどの御答弁でもありましたごとく、二千九百数十万円、こういうことで、いわば項目流用をいたしますことによつて何ら支障はない、その項目流用をいたしますについては、特に給与に関する限り予算総則の枠、これを修正しなければならない、これだけの問題である、こう考えているのであります。この点は改めてお尋ねいたしませんが、そうであるとするならば、お尋ねしたい点は、やはり給与、いわゆる賃金といいますか、これについては、政府としては従来直接間接に賃金の統制をしよう、こういう気持はないのではないだろうか、民間を通じまして賃金の三原則がありました当時にはいわゆる間接統制の面が非常に強く出ている。金融の面において、或いは物価の策定についてそれぞれ出ていたと思うのであります。併しこのいわゆるドツジ政策の九原則というか、特に賃金の三原則というものについては、その後、殊に今日のような自立経済独立採算性、自由主義経済という吉田内閣の方針からいたしまして、すでに何というかその能力に応じて賃金はそれぞれ合理的に労使間においてきめらるべきだ。政府はこの間に立つて極めて中立な立場である。殊に公企業については仲裁或いは調停委員会というものが持たれて、ここで合理的な策定がなされる、而もその調停なり仲裁委員会というものは現行法でそれぞれの企業について設置されているのでありまして、このことはやはり各企業ごとに合理的なものを見出して労使紛争の解決をするというのが原則だろうと思うのであります。この原則というものが今日非常に削られておるというような印象を受けるのでありまして、この点について各企業或いは民間、公共企業体、現業、これらそれぞれの立場から見まして個々の解決というものがやはり主体になるのではなかろうか。こう思われるのでありますが、どうも政府部内におきましても大蔵省当局が一番むずかしいというので、今日のように一蓮托生八月を一月にというようなことにもなつておるように承わつておるのであります。従つてその最もむずかしいネツクになつておるという大蔵当局として、やはり間接統制という匂いが非常に今度強く出て来ておる。この点を如何にお考えになつておるか、個別賃金で然るべきであるのか、それらの点をお答え願いたいと思います。
#119
○政府委員(愛知揆一君) 只今縷々御指摘がございました通り、私は藤田さんの御意見を一々御尤もと思います。結論として私どもは公労法或いは公共企業体関係法律の趣旨というものは各企業の収支の内容に応じて個々の状態において労使両方が協調し、或いは又調停により裁定によつて給与というものがきまるもので、この原則は私どももその通りだ思います。従つて給与を一律に統制するというような考え方は大蔵当局としても持つておりません。併しながら煎じ詰めたところ、今日の問題は八月に実施をするか一月に実施をするかというところの違いに来ておりますので、その裁定の案の内容についても詳細に御承知のところでございますから申上げませんが、いろいろ年齢構成或いは家族構成、その他特殊の事情がございますから、どんなところから数字を拾つて参りましても、三公社間には相当の違いがあり、五現業相互間にも違いがあるので、これを仲裁のほうはそのまま認めておるのでございますから、ばらばらという原則はここに確立しておると思うのであります。ただ大蔵当局としての心配は、要するに全体の財政計画や或いは公企業体の経理の内容からいたしまして、非常に大きな全体として財政負担になつて却つて一般大衆にも御迷惑をかけてはいけないという観点から、たまたま一月から実施にして頂ければそういつた関係が最大公約数的に見まして、大体我々としては納得のできるといいますか、御賛成できる線になる。たまたま先ほども申上げましたように裁定自体においても実施の時期その他については画一的な考慮を払つておられますので、どうぞ一つ一月からの実施ということで何とか難きを忍んで御納得して頂きたいというのが、私どもの気持でございます。
#120
○藤田進君 私の申上げた意見の部分について同感だと言われておりまするが、結論として非常にこの現実と食い違つておりまする御答弁は、先般今井仲裁委員長のおいでを願つて仲裁の内容経過について質しましたその際も、明確になつたのでありまするし、常識上無論明確なことでありますが、先ほどの仲裁裁定自身が八月という一つの時期を画して耳を揃えている、だから一月実施の場合もこれを揃える、こう言われておりますと同時に、家族構成その他の内容がそれぞれ各社ごとに平均が食い違つている、よつて金額の点も違つている、だから一月に実施しても内容は個々の個別賃金になつているのだと、こうおつしやつている点は誠に失礼ですが仲裁裁定の内容をまだ御掌握になつていないのではないだろうか。なぜならば八月実施ということについては先ず九月、まあ今年の半ば、年度の半ばという御表現ですが、あとで質しましたところ、九月というものを一応目標いたしまして統計は二カ月乃至三カ月遅れますので、その間毎月の統計の指数を延長して、そうしてこういう一万四千二百円なりそれぞれのものをきめて行つた。無論この毎勤のなには御承知の通り家族構成なり、そういつたことが統計となつて明確に現われて来るわけでありますから、五人世帯、四人世帯それぞれ違うわけであります。一月実施ということになりますと、想定いたしました指数というものの変動が当然あり得るわけであります。又九月から一月の間五カ月、約八月が起点になりますから、約五カ月間の毎勤の統計の移動というものもありますから、一月から実施ということになりますと、自然仲裁裁定の金額そのものが違う。これは物理的に違うと同時に、現実の名目的な数字も違つて来るのであります。従いまして八月で揃えているから、今度一月で揃えればいいというようにはならない。家族構成その他違うという点もお認めになつておる、争いはないのであります。そういたしますと一月の賃金になるというと自然家族構成の面から違つた結果が出るということで、単に今のような御答弁では当を得ていないと私は思うのであります。なおこれについてそうではないという点があれば無論お答えを願つてもいいのですが、要するにそういう面と同時に月が一月であるというだけで仲裁裁定を呑んだということにはならないで、金額的にもすでに一月実施になりますと変つて来る。このように考えるのであります。そこでその点については御異論があれば御答弁を願いたいと思います。
 次に質したい点は個別賃金という建前は貫いているとおつしやるならば、先ほどの海野委員の質問に対しての御答弁が財政上その他非常に大掛りな点を言われ、賃金、郵便料金の問題まで触れられたと思うのであります。本委員会はアルコール専売の事案だけしか取扱つておりません。同時に法の建前或いは審議そのものの建前が当委員会にはなく、他の委員会にはないということは、取りも直さずそれぞれの仲裁案について予算措置をどうする、資金措置をどうするかということなんでありますから、本委員会といたしましては、アルコール専売についてこれを中心にきめればいいのであつて、政府当局も先ほどから一貫して個別賃金ということで間接直接統制は賃金についてしないとおつしやつているならば、アルコール専売に関する限り資金上の問題は全然ない。問題は予算総則の枠を拡げればいいのだと、まあこのように我々は思うのであります。それは何かどつかに違いがあるかという点と、更に政府が一月から実施するという政府の案によりますと、やはり予備金を使うということではないだろうかと思うのであります。アルコール専売についてですね。この点が間違いがないかどうか、予備金を使うのが間違いがないとすれば、予備金について僅か二千九百万円程度の金であり、且つ予備金の四千六百万円でしたか、この点から言えば約半分に近いものであつて、而も使う見込みがないという点、これらから睨み合せて、やはり一貫して理論的に、実際的にアルコール専売に関する限りは、他のことは私存じません、又他はどうあつても、本件に関する限りやはり裁定通り実施されて然るべきではないか。今日遡及して給与をきめるということは事務的に困難とか何とかおつしやるかも知れませんが、これは今井仲裁委員長の言を借りましても、すでに九月提示されました仲裁裁定について、而も国会の承認が必要であるということはすでに見越してあるのであります、文書の中に。こういう状態にあつて八月実施ということがなされていて、遡及して支払うべき賃金の仲裁がここに出ているのでありますから、この点は余り理由にならないし、事務的に技術的に遡及した給与というものは困難ではない。若干の事務的な手間はかかるけれども、実施可能であると考えますのでいずれの面から見てもこれは実施されるべきではないだろうか、仲裁裁定通りですね。ここに個別賃金というものを貫かれる以上、何らほかに理由はないように思うのでありますが、この点お答え願いたいと思います。
#121
○政府委員(愛知揆一君) 原則的にばらばらでいいのであるということと、それから先ほど海野さんの御質疑にお答えした点が食い違つておるというお話でございましたが、これは先ほど海野さんの御質疑を私は聞き違えたのかも知れませんが、アルコールの問題に関連して、全体の問題としての御意見であつたように思いましたので、多少アルコールから逸脱したお答えをしたようなわけで、さよう一つ御了承願いたいと思います。
 それからその次にこのズレのありまする点は、私も藤田さんのように勉強は十分しておらないかも知れませんが、私も承知いたしておるのでありますが、ただ二十八年の八月から二十九年三月までの平均ベース一万四千二百円ということは、現実には十一月ということになりますから、そのズレは大体一カ月というふうに私は実は考えたのでございまして、ズレは勿論でございます。そのズレの間に起るであろうところのそれぞれの組織の内容において、又いろいろの特殊の事情があるということも御指摘の通りだと思います。
 それから第三に予備金の問題でございますが、これは従来私ここに出ておりませんでしたので、どういうふうに他の政府委員からお答えいたしたかわかりませんが、やはりこれは不時の災害に備えるのが予備金であつて、現在予測し得るようなものがありとすれば、これはむしろ予備金でない項目に上げるべきではなかろうか、殊に例えばアルコールの場合におきましては原料の糖蜜の値上りということも考えなければならない一つの予測し得る事態ではなかろうかと思いまするが、それはそれとして、とにかく不時の災害がありました場合に、現在の物価等から申しますれば四千万というようなところでは、ちよつとその事態如何によりましてはなかなか苦しい予備金ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#122
○藤田進君 どうも挙足をとるわけではないですが、御認識の基礎が違いますと非常に大きな問題に発展するので、一カ月のズレということは御検討願いたいと思うのであります。さようなことは出て来ないので仲裁裁定自身が、どのようにこの金が出て来たか。一万四千二百円、この数字はいつを基準にしたかということは、先ほど申上げた通りであつて、これは速記録によつて、仲裁委員長からの証言がありますので確めて頂きたいと思います。この点は基礎的な認識に大きな差があると思います。一カ月のズレというような争いで、今完全実施を当該団体が言つているのじやない。それから予備金から出すべき筋合いでないし、出さないのだとおつしやつていますが、それではどこからお出しになるか。これは局長の御答弁で更に大臣に確めたところ、予備金から出しますということであつたのでありまして、これはもうすでに予算で出しておられることなんですから、一つどうも食い違いがあるように思います。
#123
○政府委員(愛知揆一君) この点は私の記憶違いでございました。予備金が約四千万余りございまして、そのうちの二千万円は今度のベース改訂に充当いたしまして、それで残りがありまするから、私のこれは記憶違いでございました、二千万円が予備金の残額でございますから、この程度のものはどう而しても私どもとしてはとつておいて頂きたいと思います。
#124
○藤田進君 この間、通産大臣も予備金などというものは使うものじやないので、出せないと言つておいて、聞いたら、どうも間違つておりました。予備金から出しますと言う。予備金から出すと言えば、ついでに大した金でもないのだからということで、予備金から出せないのだと言つておいて、あとで間違いだということなんです。同じことを繰返しているのです、あなたの場合もね。ところが災害があるかないか保証はできない話で、地震もないとも言えないし、けれどもそういう非常災害の場合は、又こんな予備金ではいけないということもはつきり言えるのでありまして、ですから僅か二千九百万円程度、而も予備金は四千六百八十、約四千七百万円あるわけですね。こういう状態であつて、これはどう経理的に弾いて見ても今度の場合アルコール専売で出せないという根拠が、どうしてもあと二千六百万円はこれはもう絶対に必要なんだと、こういうことが理由になつているのかどうかという点です。なぜアルコール専売で仲裁裁定通り実施できないかという理由を実は質しているのでありますから、これは個別賃金ということが政府の方針だと言われて、間接、直接統制はしないと、こう言われているし、そうすれば資金的な面から行きますと、これは問題ないと考えているが、今のように二千万円の予備金は絶対必要だと言われているが、これもどう聞いても絶対必要だというふうには考えられない。どういう説明になりますか。私どもお尋ねします意図は、結局どんな角度から検討しても、アルコール専売に関する限りこれは完全に実施されて至当ではないだろうか。若しできないとすれば、どういう理由があるかという点を今質しているのでありますから、その観点からお答え願いたい。
#125
○政府委員(愛知揆一君) この個別的であることの原則については、私も同意見あるということはしばしば申上げた通りでございます。ただ今回の場合におきまして、実施の時期を一月で画一的にして頂きたいということを申上げておりますのも、今まで縷々申上げた通りでございまして、これは裁定の御趣旨にも私は副うものだと考えておるわけであります。それから第二に、アルコールの今度は個別的な問題の内容についても私には意見があるのでありまして、これは御承知のように申すまでもなく特別会計でございます。本来利益がありますれば、国庫へ納付をするのがこの特別会計の建前だと思うのであります。それからなお又これも余計なことを申しまして、又お叱りを受けるかも知れませんが、御承知のように現在アルコールの価格が日本の場合におきましてはどういう関係でございましようか、相当高いことは御承知の通りで、一キロリツター、例えば国際価格、輸入価格で申しますと、大体六万円乃至七万円ではなかろうかと思いますが、そういうふうな関係も考えまするとアルコールの専売特別会計の内容におきましても多少の考えるべき点があるのではなかろうかと、こういうふうに思います。
#126
○藤田進君 そういたしますと、どうも説明が納得できないのは、国庫に返すべきだと言いながら二千万円は出して行くということで、五十歩百歩で、予備金全部使うというのじやないのですね。約半分程度あれば仲裁裁定が実施できるのですね。四千六百八十万円予備金がある。必要量は二千九百万円、完全実施しましてね。こういう状態ですからその点は如何に説明されようとも数字が明らかになつているんですから、これはごまかしようのない問題で、資金上の問題は絶対にないといつていいのじやないか、こう思うのです。通産大臣、通産省の立場はそういう資金的な理由ではございません。それは明らかにそうではなかつた。他の理由でございました。併し大蔵当局が一番むずかしいというふうに当時仄聞いたしおりましたので、いろいろ突込んで聞いたわけですが、通産大臣としては、いろいろ努力されたようでありますけれども、最終的には大蔵大臣のほうがなかなかむずかしかつた。その理由はどうも今の理由とは全然違つているのでありまして、個別賃金ということは無論これは建前とされなければ、今の政府の政策としておかしいので、これは私も納得するのですが、それより違つた理由が又新らしく最近出て来たことと、それからコストに与える影響ということが言われているが、この点も仲裁委員会は十分なる検討をして、数字的な結論も出して、仲裁に文書でここに記されているわけですね。これは幾らでしたか、一%だつたと思いますが、ここに書いてありますコストに与える影響というものはそれほど非常に僅かなものですね。人件費全体が実に一〇%程度だと、これは数字の計算の方法で通産当局からいろいろ聞きましたけれども、併し全体の生産に対してのコストというものは一〇%、それからこの与える影響というものは僅かに一%、企業合理化の余地と言えば、これは醗酵法とか合成法とかいろいろ技術的な問題はあるようですが、殊に甘藷類などの消費財ですね、マテリアルの面で検討されればかなり大幅にコストは引下げられる。人件費の一%というのは殆んど問題にならない。而も従来二回に亘つて……、三回でしたか、コストも切下げられて来ておる。これだけコストが安くなりつつある。これはどういう点から見ても理由にならないように思うのであります。同じことを繰返さないでもつとほかにあるならば率直に仲裁裁定の呑めない事情、八月だから一月に揃えればいいというのは、これは全然事情のわからないかたには成るほどそうだと思われるか知れません、その御理由自体が個別賃金じやないのですね。賃金の統制のやはり範疇に入るわけでありますから、他の企業との関係において一月に揃えるとおつしやることは、先ほどの言明とは食い違うわけです。ですから非常にくどいようですが、はつきりして頂きたいと思います。
 更に次の点ですが、アルコール専売の労働条件、構成内容を見ますると、八月の三十一日、これはその後不合理の是正をなさるということで、愛知次官のほうもそういうふうに言われておりましたが、いずれにいたしましても今日本給は一万円でかれこれトータルいたしまして一万三千円余り、一万三千八十九円というふうに出ておる。而もその対象人員は約千四百名余り、千四百七十六人、平均年齢になりますと三三・八で三十四歳ということです。勤続年数を見まするというと、これは一般産業については、恐らく稀な例ですね、十一・一年ですね、平均勤続年数、大抵の、普通の、これは毎勤などに出て来る平均年数というものは、恐らく四年、五年、五年程度じやないかと思います。従いまして、この非常に何といいますか、構成というものは高いのです。而も男女の比率というものは九二対八という比率になつております。紡績産業などになりますと、これは無論男女同一労働、同一賃金でありますけれども、現実に無論婦人労務者のところは非常に賃金というものはこれは安いのです。けれどもこれは殆んど全員といつていい。九二%が男ではないかと思うのです。下つて扶養家族というものを見ますと、二・七八、本人を入れて約四人になるという状態であります。このようなものがそういう家族を抱え、勤務年数が十一・一年、平均年齢は三十四歳、こういうような状態で勤務地手当だの、扶養手当だの、何だかんだ寄せまして、優に一カ月の賃金が仲裁裁定一万四千である、こういうことを見ますというと、私はこれについてどこから考えても、この面から更に敷衍して考えても、どうもこれを呑めないという理由はない、こう思うのであります。年末を控えて、若しこれが仮に大蔵省政務次官の立場から言えば、そういうことは恐らく頭の中にはないと思うのですが、他の国鉄なり或いは全逓なり、こういう多数の人を擁している企業体が、これがどうしても資金的にもむずかしい、延いてはお付き合いというか、均衡の立場から一月だとおつしやるとするならば、政務次官はそうは言つてないのだが、通産大臣のほうでは、なかなかその問題が唯一のどうも理由のように承わつているのです。併しこれはやはり現在の吉田内閣の政策からして、均衡論なるものは、私は今更政府の口から出るはずはないし、出されるべき筋合いのものではないと思います。併し他に理由がないので、出されたといたしましても、こういう点から見て、私は非常に早く先を急いで質問いたしますけれども、せめてそういつた面が、万が一あるとしても、均衡的な立場というものがあるとしても、本アルコール専売のごときものについては、せめていわゆる弾力条項としいますか、措置のとれるものがあるのでありますから、団体交渉なり或いは政府の予算措置なり、人件費の何といいますか、総則といいますか、この給与の科これに先ず立ち戻つて頂いて、せめて年末の手当とかいつたような面で、普通の民間の産業におきましては、こういう調停なり仲裁が出ますると、その後は政治的な解決で、仮に一月実施にしよう、その間は八月と一月のズレというものについては、これは一時臨時的な措置で行こう。これは例外のない解決のポイントになつていたと思います。こういう点から見ても、せめてそういう面の解決というものに思いをいたされるお気持はないだろうか。これはいろいろ副総理その他政治的に何とか解決をしたいということで、若干の御研究はなさつているやにも承わつていまして、この点大蔵当局としてどういうお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
#127
○政府委員(愛知揆一君) ちよつと又元へ戻つて甚だ恐縮なんでありますが、私が先ほど来、非常に私としては率直に申上げているつもりなんでありまして、かかる企業体の給与体系は個別的であることが原則であることについては誠に同意見であるということを申しておりますが、同時に私といたしましては、今回の裁定については、一月実施ということに足並みを揃えて頂きたいというのが政府の切望であるということは先ほど来申上げておるつもりでございますが、改めてはつきり申上げておきたいと思います。その限りにおいて、お前の言うことは個別主義と反対だとおつしやられれば、その点は甘受いたします。一月の実施ということに足並みを揃えて頂きたいということは、政府としては一致した見解でございます。
 それから第二段の只今のお尋ねで、弾力条項の点でございますが、この点は何か研究しておるようだというお話はございましたが、只今のところは、私といたしまして、まだ研究いたしておりません。
#128
○藤田進君 そうしますと、今のは言い直されたと見ていいですか。今の予備金は、天災地変、不慮の災害の場合に必要だからこれに出せないのだとおつしやつていて、併し二千万程度残つていれば大体どうにかなるからということで、それ以上は駄目なんだという唯一の理由は、この予備金の残余額について問題があるように私も思つたので、それはどうも理由にならないのではないかというのでいろいろお尋ねいたしましたところ、そうではなしに、他の企業、現業との均衡の問題が唯一のやはり理由で、従つて一月に抑えるのだと言う、個別賃金を否定して賃金統制をするのじやないかと言われても、それは止むを得ないじやないか、その通りですと、こうなるのでしようか、まあまとめて言えば……。
#129
○政府委員(愛知揆一君) 一月に足並みを揃えて実施をいたしたいという政府の考えに対しまして、それは只今御意見がございましたが、そういうふうに御解釈になつてもこれはいたし方ない。ただこれは一月から実施をしたいという、その限りにおいて足並みを揃えたいということを申上げておるのであつて、私はこれは決して給与の直接統制とは考えません。
#130
○藤田進君 縷々的確な御答弁を以て、問題が長く一問一答でなしに、私ども考えておりますところを、むしろ肚を示しつつお尋ねしているのでありますか、本件に関する限り家族構成も今申上げた通りで、若し間違いがあれば御指摘願いたいと思うんですが、これは文書にして本委員会の各位に配付されております資料です。それからその他のいろいろ案件から見て、床一体労働政策或いは公労法の建前等から見て、いろいろな御答弁があろうけれども、一応賃金、労働条件のこの実態から見て、仲裁裁定というものはむしろ年末を控えて、八月実施ということに仲裁委員としてはいろいろな意味が含まれていたと思う。これが若し支給されているならば、何といいますか、困難の中に若干の困難性をやわらげるものが各受給者にとつてはあるわけであります。これが遂に望みがかけられない。年を暮れてでないと実施ができないということは大変な失望であるし、暮を越すについてはその間非常に苦しい状態になるだろうと思うんですが、こういう事情を先ず考えられる必要があるんではないだろうか。ただ他の企業に影響するということ、これは今日民間に対する影響というものはもう絶対にないといつてよろしい。何故ならば一四千二百円は民間企業というものが、これが主体となつた現在の賃金に立脚して安いので、低いので、せめて民間産業の線にまで、而も過去のものに、将来ではない、過去のものにおつつけてやろうというのが仲裁案でありますから、仔細に検討いたしますとこれは影響はない。影響があると言えば国鉄なり、或いはその他五現業、三公社、これに影響があると言われているわけですが、これも実際面として私は影響はないと見ていいんではないかと思うので、何故ならばそれぞれの企業においてその団体において、他の企業が、専売アルコールは、これは上げてもらつては困る、あれが上るならば、仲裁案通りであるならばおれのところもという、こういう比較論で紛争が起きているのではないのであります。飽くまで個別賃金という建前を貫いてその実施を迫つているのでありますから、こういう諸般の面から考えて、更に、この仲裁裁定の妥当性についても一つどのようなお考えであるか、お尋ねしたいのであります。
#131
○政府委員(愛知揆一君) 私が先ほどから申しましたことを繰返すことになつて誠に恐縮なんでありますが、その仲裁裁定がこういう案の内容になつておるのだということは、これは私は御尤もだと先ほどから申しておるつもりであります。要するに先ほど申しましたように、煎じ詰めれば一月から実施ということについて、それはけしからんという御意見だと思うのでありますが、私どもそこのところは見解の相違で、政府側としては一月実施ということに足並みを揃えて頂きたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#132
○三輪貞治君 先ほど一月実施も裁定通り実施も一カ月しかずれていない。こういう御発言がありまして、藤田委員よりよく検討してもらいたいという御注意といいますか、注文がありましたが、これはどういう根拠で一カ月しかずれていない、ただ一カ月のことじやないか、こういうことをおつしやつたか。
#133
○政府委員(愛知揆一君) 私の言い方が少し足りなかつたと思いますが、ベースの高さとして、十一月が基準に丁度なるということで、一月のズレということを申したのでありますが、なおこれは数字について給与課長から御説明申上げます。
#134
○説明員(岸本晋君) 只今政務次官から申上げました通りに尽きるのでございます。つまりもう一度繰返しますと、一万四千二百円と申しますベースは、本年の八月から来年三月までの平均ベースとして、裁定に示されておるのでありまして、仮にそれがそのまま実施されました場合には、現実の高さとして一万四千二百円は、年度間どの辺に当るかというと、大体に十一月見当であります。それをずらしまして、一月から実施する。つまり一カ月間のズレがある。そうしますと、その間にいろいろ先ほど御指摘がありましたように、扶養家族の変化とか、いろいろな変化が出て参りますと、一万四千二百円がそのままに収まらないかも知れない。その程度のベースの高さの移動はあるかとも存じますが、せいぜい一カ月の間のズレであり、つまりベースの高さとして見た場合そうなるということを申上げたのでありまして、実施の時期が一月ずれたということは又別問題であります。先ほどの御質問の点が、ベースの高さ、内容の問題に触れておられましたので、その意味で政務次官から御答弁申上げたわけであります。
#135
○三輪貞治君 これは裁定の内容についてですね。何もその通りしなくても十一月のベースで出ておるのだから一月でいいんだ、こういうふうにお考えになることは、これは非常に私は間違つておるんじやないかと思う。裁定の内容が果して妥当であるかどうかということは国会で審議する。これは範疇外のことです。これは妥当であるということは、いろいろな状況を十分に検討されて、而も企業別の、資金上、予算上の可能であるという自信の上に立つて、裁定委員会がこの決断を下した。これは裁定委員会の委員長も参りまして、繰返して申しておるのであります。なお且つこれが一月実施されれば、その間に相当の、どれくらいという計算はないけれども、これが一月が妥当でないということも明らかにされておるのであつて、そういうことを今日論拠にして、これを一月にやつてもさして裁定の趣旨と違うものではないという弁解をされることは当を得ていない、こういうふうに考える。大体この裁定の問題をめぐつていろいろと意見が対立し、一方は措置をし、一方はやらない。とにかくもう値切るのがいつもの常套手段、これは実に今までの法律の成立過程を見ましても、実におかしいのでありまして、大体公労法というものに反対をしたのは我々なんです。労働組合側なんです。近代国家に、こういう非民主的な労働法規はないというのが、当時の労働法規学者の考え方でもあり、又社会党、労働組合関係の意見であつた。ところが、いや、それは罷業権を剥奪しても、こういう裁定が実施されるのだと言つてこれを強行したのは愛知政務次官等の所属される政党であつた。ところが今日反対をした我々が公労法を守ろうとし、その公労法によつて裁定が実施されるのだからといつて、みずからも納得をし、それを押付けられた皆さん方がこれを踏みにじられる、全くおかしいの、であります。又この交渉の過程から見ても、初めの調停は四月実施であつた。これは両方とも不満であるとして、これをば斥けた。ところが八月実施になれば、労働組合側として調停の四月実施でさえも反対であつたのに、すでにそれだけ譲歩している。完全実施といえども四カ月分譲歩をしている。政府側としては四月が八月になつたのだから、その点得をしておるというか、表現が悪いですけれども、通俗な言葉で言えば、とにかく四カ月支出をしなくてもいい。儲けている。それをしもやらないで、更に一月に延ばす。これはどう見ても政府が横車を押しているということしか考えられない。そういう状態にありながら、言を左右にしてさして一月実施も実際上は違いがないのだというふうな理由をつけられることは、これはおかしいのではないか、こういう考え方……。
#136
○政府委員(愛知揆一君) 私がその余計なことを申しましたために非常にお怒りをかつて誠に申訳ございません。私は仲裁の案の内容を批評したつもりではございませんで、たまたま実際の私どものいろいろと裁定になりましたこの裁定案を研究いたしました過程において、ちよつと頭に映じたことだけを申上げたのでございますから御了承を願いたいと思います。
#137
○三輪貞治君 それから大体公労法の法律的な解釈の面から言つても、実施期日をどうするかということについては、私は裁定通りにするかしないかという二つしかないように私はこの文章の上からは考えられる。十六条の二項においては、国会でこれを承認されるときは、その協定は記載された期日に遡る、記載された目附に遡る場合を考えると、政府は九月一日から実施するといつた場合でも、これはやはり遡ることになるんですが、そういうことは大体想定していない、この法律は……。この期日通りにするかしないかということしかこの法律の文面からは考えられない。だから一月ということを非常に漫然と減らせばいい、延ばせばいいということで持つて来たこと自身が、法律の解釈自身が、おかしいというふうに考えられますが、この点は如何ですか。
#138
○政府委員(愛知揆一君) これは、その裁定について実施の期日が先ほどから縷々申上げておりますように、内容は私としては非常にいい案だと思いますし、それから個別的にやつて行くことも非常に結構なことだと申上げているのであります。ただその実施の期日だけについて私どもとしては意見を異にするわけでございますが、この裁定について、私の研究が足りないかも知れませんが、その中の一部を承認して頂いたことも前例もあることでもございまするから、この法律の解釈等にもいろいろ問題のあるところではございましようが、今回の場合におきましては一月実施に足並みを揃えて頂きたい、こういうふうに繰返して申上げるわけであります。
#139
○藤田進君 聞きたい者だけが残つて聞くというような調子で、終いには私一人になるか、二、三人残るか知りませんが、こういう調子ではどうも私は不可解なんでありまして、而もいろいろ慣行もあるかも知れませんが、こういう段階にあともう月曜日と火曜日しかないというような調子で、いる者だけが言つて見ても仕方がないんですけれども、どうですか、呼んで来て頂いて、ちやんとさせて続けたいと思うんです。
#140
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#141
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
#142
○三輪貞治君 非常に不満なんですが、併し愛知大蔵政務次官の非常に貴重な御出席ですから不満ながらもう一つ伺います。このアルコール専売についてはこれはいろいろないきさつも我々多少知つているわけなんですが、大体始められて以来だんだんと割に儲かるところは民間の会社に払下げられたりして、条件の悪いところが残つて、而もその間に非常な悪条件を冒して数度の値下げをやつて一〇%以上も値下げをやつて国際価格への接近を図つておられる。而も全部がその企業努力によるものとは言えませんが、国の歳出の予算にもアルコール専売事業へ一億四、五千万円の予算が計上されておると思います。こういう状態であるのに、僅かに一月実施と八月実施とでは一千万円くらいの違いしかないのに、なぜこれを先ほどの分離の原則から行かれるならば、固執して、どうしても足並みをほかと揃えなければならんという立場から実際の資金上の余裕のあるにかかわらず、これをやろうとせられないのか、これはどうしてもわからないのです。
#143
○政府委員(愛知揆一君) 先ほども念のために繰返して申上げましたが、一月の実施ということにつきましては、実は我々としてはこれを強く主張したいのであります。ほかのことを申上げるのは恐縮でございますが、実は例えば、専売公社その他におきましても大なり小なり今御指摘のような事情はあるわけであります。併しそれらのところに対しましても、一月の実施ということで鋭意組合側に対しましても誠意を尽して我々の考え方を元にいたしまして説得に努めておるようなわけでざいざまして、この限りにおきましては、これはさつき申上げましたようにバランス主義をとつているわけでございます。それからなおこの個別的なアルコールの問題の内部におきましても、予備金をこれ以上使うということについては、不測の事態に即して如何であろうかということ、並びにアルコールの価格の問題もやはり常に考えて行かなければならない、こういう点で私は第一に一月実施に強い主張をもつと同時に、内部の資金的な事情から申しましても、一月実施にして頂けば誠に有難いことである、こういうふうに考えておるわけであります。
#144
○三輪貞治君 内部の資金上とおつしやいますが、これは非常に見解の相違で、我々異議があると思いますが、ないとしても、大体給与の引上げというものと、賃金改訂の行き方自体が非常に無理がある。給与総額というものがきめられるときに、これではこれを固執されれば、将来のベース・アツプはできないではないかということが最も懸念されたのでありますが、併しその間に例年の例から見ても、ベース・アップのことも必ず起り得るわけなんです。それにぎりぎりのどうにもならない資金総額というものを、これを作つて、而も止むを得ない事情でいろんな資金の要ることも勿論最初からわかつておるし、而もべース・アツプも時によつてはあるだろうということは十分想像できる状態に置きながら、その上で、なお且つ予備金を持つておられて、それが支出できないということはどうも納得行かない。それからこれはほかのことになりますが、一体防衛費なんというものは今幾らぐらい残つておるのですか。
#145
○政府委員(愛知揆一君) 防衛費というお話でございましたが、保安隊費につきましては御承知のように二十八年度の本予算が成立いたしました場合におきまして例年と違いまして、八月になつてから本予算が成立いたしましたから、過去において起きましたような使い残し、未使用、不使用というようなものは程度がずつと小さくなるであろうと思います。私といたしましては大体使い切られるのではないかと思つております。又防衛関係の全体の経費にいたしましても、昨年度の千八百億余りに比べて、今年度の成立予算は千二百三十四億というように非常に減つておりますから、その関係から申しましても、大きな支払関係の繰越が残るものとは、只今のところ考えておりません。
#146
○小松正雄君 私は政務次官に、先に同僚の藤田委員からお話のように、こういうふうなことも、総理の言われたようなこともあるのだが、政務次官はこれに対してどういうふうに考えるか、ということは、一応政府としては一月より実施するよりほかには途がないという、こういうことであるけれども、企業体を中心として、その企業体に余裕があつて、一月実施をする前に遡つて何とかの形で支給せられる方法も考えて見るというような、総理の考え方があつたとするのに対してどうかというお尋ねに対して、自分はそういうことを考えておらん、こういうことを言われたが、もう一歩進まれて月曜日の朝おいでになる前に、そういう案が示されるならば幸いだと思うのでありまして、先ず上長である総理がそういう考え方でもありますならばお話合い願つて、それがどうだかという御返事を月曜日の朝聞かして頂きたいということをお願いしておきまして、あとはそのときに御質問いたします。
#147
○石原幹市郎君 今日はこの程度で如何でしよう。
#148
○委員長(中川以良君) 本日はこの程度で一応やめておきまして、月曜日午前八時半から開くことにいたしたいと存じますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(中川以良君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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