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1953/12/07 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 水産委員会 第3号
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1953/12/07 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 水産委員会 第3号

#1
第018回国会 水産委員会 第3号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
   午後一時五十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     森崎  隆君
   理事
           秋山俊一郎君
           千田  正君
   委員
           野田 俊作君
           木下 源吾君
           松浦 清一君
           菊田 七平君
  政府委員
   水産庁次長   岡井 正男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   調達庁不動産部
   長       山中 一朗君
   水産庁漁政部長 立川 宗保君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産政策に関する調査の件
 (演習地の補償に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(森崎隆君) 只今から委員会を開会いたします。
 請願及び陳情を議題にいたします。速記を止めて下さい。
   午後一時五十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時四十二分速記開始
#3
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。
 次に水産関係の損害補償に関する件を議題に取上げたいと思います。先ず第一に、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律につきまして、特別調達庁の山中不動産部長にその後の状況を一つ御説明、御報告を願いたいと思います。
#4
○説明員(山中一朗君) 前々国会におきまして日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律というのが通りまして、それに基きましてこの政令を作ることが参議院の附帯決議にもございましたように、速かにやるように御要望があつたわけです。我々といたしましても、御要望は勿論のこと、事務としましても法律の案がすでに数回に亘つていろいろな事故で流れた結果、相当遅れておりますので、早急にやらなくちやならないというので、法律の施行される日にちまでにこの政令を作りたいというので折角努力したわけであります。御承知のように、この特別損失補償につきましては非常に関係省が多うございまして、又国の政令に伴う財政支出もございますので、財政当局にも相当深い関心があつたわけであります。内容は非常に複雑多岐な結果、各省でいろいろな要求も出ます。従いまして我々が作りました原案が、第一回は次官会議に出したのでありますが、思うようにその次官会議では通らずに留保と相成つた次第であります。爾来数十回の会議を重ねまして、漸く原案に近い案に御了解を願いましたので、十一月の二十五日に政令が出たわけであります。それで第一に問題になりましたのは、その当時学校教育の損害補償というものが、果してこういうような政令によつて然るべきものかどうかというようなことが非常に問題になつたわけであります。併しながら従来からの法律御審議のときの経過もございますし、事実上駐留軍の行為によりまして、相当学校の授業にも障害を来たしておるところがある。さればといつてほかで法律的に救済するような現在単行法もないということで、ここに入れることに御了解願つたわけであります。
 それから農業関係につきましても、林道とか、農道とかいうものの損害補償をどういうふうに見積るか、道路としてできたものに、農道だからといつて農民だけが利用するわけじやなかろう、これに対して商人が通つたとき、その商人の補償をどうするかというような問題もあつたわけであります。併しながら、こういう場合には成るべく個人別の損害補償と言わずに、農道であろうと、林道であろうと、そのときの道路設置の目的は農道であり林道であつても、これが公共事業その他によつて公共的な性質を帯びた道路であれば道路としての効用は果せるわけであるから、従つてこれを全体の便利のために原状回復の線あたりに持つて行く、壊れたものについてはそれを修復する、こういうことにおいて補償の実体を備えればいいではないか、まあいろいろその間に事情がございますが……、というようなことで大体承諾を得ました。
 それから飛び飛びになりますが、例えば水産関係で申しますと、魚つき林とか、漁礁というものは果して施設であるか、施設でないか、こういうことで相当問題が出たのであります。併しながら経済上の効力があり、これを十分保存する価値がありと行政当局なり、或いは一般の利用者が認めた上で、これに対して相当な維持保存の注意を払う、こういうものについては、やはりこれは一つの施設的な見解ととつていいのじやないか、或いは法制局あたりではこれは施設ではないだろうということで相当議論もあつたわけでありますが、そういう関係でいろいろと討議しました結果、水産関係につきましても、法律に規定されておるもの以外に、この第二条の中で「法第一条第二項第一号の政令で定める施設は、左に掲げるものとする。」ということにいたしまして、第一に魚つき林、第二に魚礁、第三に増殖施設、こういうような杉で一応政令は通つておるわけであります。それから水産関係につきましては、政令の第三条に、「法第一条第一項第一号の政令で定める行為は、艦船、舟艇又は航空機のひん繁な使用であつて、漁業の実施を著しく困難ならしめるもの」という一応規定を設けております。なおこれに但書が付いておりまして、「但し、水上航空機以外の航空機の使用にあつては、当該漁業が航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条に規定する進入表面又は転移表面に準じ調達庁長官の定める平面の投影面と一致する区域内において行われる場合に限る。」、こういう工合に書きまして、一応航空法の制限の範囲内で調達庁長官が定めたものに適用する、こういうふうに或る程度の弾力性を持たしておるわけであります。その他の水面の汚毒とか、何とかいうのは法律にございますから、水産関係につきましては、そういう面で現在問題になり、被害があるものは現在救済ができるだろう、又将来具体的に起る被害があれば、その都度調査の上これを政令に盛込む、こういうことで了承されたわけであります。
#5
○木下源吾君 監留軍演習被害の補償という問題について、当事者側はいろいろ困難の状況を訴え、速かにこれが補償を一つしてもらいたい、これは各地から、殊に水産関係において然り、これはこの種のことは従来予算がないからできないというようなことが重大な支障の原因となつておる。ところがこの問題については予算はそう心配がない、でありますから、あとは当局の努力如何によつて早く解決したい、こういう問題だと思うのですが、じや一体その状況はどうなつておるか、駐留軍の演習場に対するいわゆる損害補償の状況、そうしてこれに対する政府の態度はどういうことになつておるか、これを一つお聞きしたいと思います。
#6
○説明員(山中一朗君) 只今の木下委員の御質問にお答え申上げますが、非常に抽象的な話でございまするが、私の現在までの関係から申しまして、これをかいつまんで申上げますと、予算の面では自由に金があるのではなかろうかという御質問でございまするが、御承知のようにこの防衛支出金というのが駐留軍関係に伴いますところの経費である。従いまして或る程度の予算は組んでおります。併しながら、これは公共事業その他のように、計画に基いて年間事業としてこれを事前に或いは期初めに配付するという質のものではなくて、大体においてその都度結果が現われたら、その結果についての補償のことにつきましては、補償についてその結果の実損額を算出して支払うという形になつております。それから防衛支出金の中に一応、細かい法律上、予算上はないのでありまするが、使用上の区分として或る程度の区分は付けておりますが、これを何の面に何ぼ、漁業者に何ぼ出す、或いは演習地に何ぼ、或いは建物の補償に何ぼ出すというふうにきれいに割切つてこれが与えられておるのではないのであります。更に根本を申しますと、これは普通予算でありますと、大体予算が通過しますと、各省のそれぞれの所管に計上されるわけでありますが、防衛支出金と申しましても、調達庁だけが使うわけではないのでありまして、従いまして大蔵省の一応所管として全部計上されておるわけであります。先ほど申しましたいろいろな損害の補償の必要があるときには、その実績と申しますか、損害額を必要なものについては査定をして行く、そしてその都度移し替えをして支払う、こういうことになつております。従いまして漁業補償で何十億の金があるとか、或いは何億の金がというように、最初からきまつておるのではないのであります。大体予算の関係はそういうふうになつております。
 次に補償の心がまえでありますが、我々といたしましては、勿論実損のあるものにつきましては、これを補償すべきか、すべからざるものかということを判定し、すべきものにつきましては、この損害額を算定いたしまして、予算を付けて補償するというのには、勿論原則としては政府部内は皆一致しておるわけであります。但し例えば演習地を一つの例にとりましても、一応これをする算定基準というのは、講和発効後早々の際でありましたけれども、閣議決定によつて算出要領があるわけであります。これに基いてやるのでありますが、何分にも使うものと補償するものとのその主体の相違がありまして、一応演習地なら演習地と申しましても、実弾演習を殆んど毎日やつて、立木の被害とか、農耕に被害を与えておるものもあります。年に二、三回くらいやつて比較的立入りも自由で損害も比較的少い、こういうところもあるわけであります。これを閣議了解のいろいろの補償準は一律に被害についてやるということになつておるのでありますが、例を東富士なんかにとりますと、殆んど三百六十五日演習をいたしておるわけでありまして、立木の被害一つにしましても、全損分とか、或いは中間補償とか、いろいろと補償の形によりまして、これを約四百町歩のところを調査をしなければならない、この調査について向うの演習もやめてもらわなければ立入りもできないというようなことになりまして、被害者のかたに御迷惑をかけておる点も我我は認織をしております。これを如何にして正確に早くやるかにつきましては、及ばずながら努力しておるつもりであります。水産関係につきましては、何分にも海上における地位が陸上以上に損害の実損額の算出というものは困難な状態ではあるのでありますが、これを漁船の操業制限に基く法律と、それから今度の法に基くところの防潜網その他の法律と、二つの根拠法規に基いて水産関係は現在やることになつております。漁船の操業制限に基きまする主として駐留軍の施設として或いはそれに関連して使つておりますところの地先方面は、七月の末に一応予算措置を講じて地方局にそれぞれ配分して、現在大体八割程度のものが計算を終つておるわけであります。支払も終つております。但し我々のほうで総体的に計算します場合には、その制限水域の損害額を申請なり調査に基いて算出するわけでありまするが、個人個人の分配になりますると、各個人の利害が相当違つておりまして、権利漁業ですと、組合一本で相当チーム・ワークがとれて話合が早いのでありまするが、これが自由漁業になりますと、各個人がそれぞれいろいろな問題を提起されまして、なかなかその個人の分配のやり方に困難を来たし、相当支出の遅延を来たしているような結果を我我は見受けておるわけであります。ですが、大体今年の三月末、いわゆる前年度分はそれによつて補償をいたしまして、更に二十八年度分の上半期の分を実は九月の末から資料を集めておるのでありますが、この資料が思うように集らないわけであります。仕方がありませんので、大蔵当局も困るからということでいろいろ話をいたしまして計算して、年度内にその概算だけでも支払いたい、こういうふうに考えております。
 それからもう一つアルフアベットの問題、この問題は見舞金の当時も極く一部払つたのでありますが、計算の困難と実損額の有無についてもう少しはつきりしたいというので、見舞金のときにも余り出さなかつたように聞いております。この問題につきましては、我々も地先漁業と同時に出したいと思つておつたのでありますが、これも十分に計算できないものでありますから、ずつとそれからいろいろ資料をとりまして、あらゆる点から勘案をしておるわけであります。只今のところでは確かに地方からもそれぞれ損害の申請が出ております。ですがだんだんこの申請も二回、三回に亘つて縮小されております。その当時の申請額を集めますと、或る県などは、勿論一般に出ておる統計がいいか悪いかは我々早急には断定できないのでありますが、県内の水産統計の総額よりも、その制限されたところの一部の地域の推算額のほうが多いような申請が出ておるのであります。これではどうしても我々としては第三者に折衝する場合に工合が悪いというので、申請も一部更に再提出して頂き、我々のほうでも皆さん方のいろいろ御斡旋で、それぞれの機関を通じまして、大体この程度で我々作業できる、こういう資料を八月の末から九月にかけましてとりまして、十月の末に或る程度の腹案ができましたので、この腹案を以ちまして現在大蔵省と折衝しておるわけであります。数日前から水産庁のほうにも我々に出ました統計を一つの専門的な目というものから検討して頂くようにしてやつております。その問題も何とかして十二月末までには一応の結論を付けて支払いたいという考えで現在作業を進めております。
#7
○木下源吾君 これは原則として申請を待つて調査をするのだが、あなたのほうから進んで見当を付けて調査して行くというのですか。
#8
○説明員(山中一朗君) これは権利漁業などにつきましては、我々直接調査するわけであります。自由漁業につきましては府県知事を経由して申請の形に行くことになつております。
#9
○木下源吾君 ただ虞れることは、申請が、こういうように請願があるから出せくと言うて突ついておるのではない、内灘のごときああいうふうに相当の補償がされる。ですから騒いでがんがん言えば出すんだし、そうでなければ出さないというようなことではいけない、こう考えているが、そういう点についてはどういうふうに考えてやつておられるのですか。
#10
○説明員(山中一朗君) 騒いだから出す、騒がんから出さないということは我々毛頭考えておりません。国の事務といたしまして、法律なり或いはいろいろな関係の法規に照しまして、やるべきものは我々できるだけ公平に、正確に、迅速にやりたいというので勿論努力はいたしております。内灘の問題につきましても、確かにあのときに第一回分は時期的に相当早くできましたことは私認めますが、これについて多額の金額が出ておる、水産の補償につきまして……、とは我々は認めていないのであります。例示になつて甚だ恐縮ですが、第二回分も支払つてもらいたい、これは支払うことは支払う、当然支払うことになつております。いろいろ資料を見たところが、「さば」なら「さば」一つ例にとりましても、あの水揚価格が築地の価格よりも高いような県がありましたので、もう一度この点を調査してもらいたいというような注意はいたしまして、成るべく均衡をとつたものを迅速にやりたい、こういう考えで進んでおります。
#11
○木下源吾君 今仰せの点は、年内に成るべく何とかやろう、こういうところの具体的にどこそこというのはおわかりだろうから、次にでもそれを出して頂きたい。水産関係で実はいわゆる李承晩ラインというものが大分水産業者の方では困つているのです。そこでこれらの漁民諸君の救済というか何というか、これを今の、現在演習しておつて、あなたが言うように毎日交々使つておらないというような所に何とか許可をして入れるというような方針はとれないものか、どうか。
#12
○説明員(山中一朗君) これは仕事の仕振りの話からで恐縮でございますが、そういういろいろな要求がありますし、我々もまあ日本側の管理当事者といたしまして、演習の頻度によりまして地方からも陳情があります。そういう実態を見まして、この程度の所はもう少し立入自由にしていいんじやないかというような関係で、随分日米合同委員会にも持込みまして条件を変更した所がございます。最小限度米軍側もいろいろ条件は変更してくれますが、演習その他の関係でどうしてもできないものはやむを得ませんが、できるだけ最初に提供するときに条件としましては、その土地、所、時におきますところの条件、営業と申しますか、事業と申しますか、条件を我々は尊重して、最初に条件を付けるわけでありますが、その条件につきましても、更にいろいろと御要求がある場合には、相手方が使用上許せる最大限度の譲歩はいたしてもらうように現在までやつております。例えて申しますれば、九十九里にいたしましても、最初は午前中だけ使つていたわけであります。併しあの辺の漁業というものが午前中の漁獲が非常に多い、午後だつたら比較的少いというようなことから、午前を午後に、向うの差支えないときに一つお願いしようというようにしてやつております。それからその他の方面でもできるだけ立入のできる所は立入らして頂く、漁業につきましても、所要時間外は一般に漁獲してもらつておる。このアルフアベットの問題につきましても、いろいろほかに理由もありますし、それぞれの当事者の主張もあると思うのでありまするが、例えばこの地区は週に二回なら二回使う、夜の漁業は比較的多いが昼だけ使つている、こういう所についての漁業の損害額はどうなつておるかというようなことが非常に問題なんでありますが、今御質問の点につきましての、成るべく作業が制限を受けた人たちにも比較的その作業の損害度の軽減ということにつきましては努力をしておるし、又駐留軍側もその点について非常に努力をしてくれている、好意的であるというのが現在の事実だと思います。
#13
○木下源吾君 今のをここで一つ…。
#14
○説明員(山中一朗君) これはこの前の七月に出したのと大体同じになつております。一応読上げます。地先漁業につきましては、北海道は勇払と門別、青森が関根、三沢、八戸、千葉が片貝、九十九里であります。それから茨城が水戸と片貝、東京はイナンバ島、神奈川は茅ケ崎、横須賀、それから長井、それから山梨の山中湖の一部であります。それから静岡はイナンバ島、それから沼津、この前には全然演習を休んでおりましたから補償いたしませんが、今度は八月から毎日やり出しますので、マイク、下田というのは伊豆半島、名古屋、内灘これは局名でございますが、石川県の内灘、それから京都の舞鶴、滋賀県の大津、琵琶、その前はありましたが、今度は多分消えると思いますが、鳥取県の米子、山口県の岩国、徳山、それから引ついておりますが、広島ではやはり岩国がお互いに関係しております、岩国、江田島、切串、秋月、大原長浜、吉浦大麗女島、大竹、それから福岡の築城、芦屋、粕屋、博多、今度粕屋が多分落ちるかも知れません、最近やめておりますから……。長崎の佐世保湾、それから今度新らしく入りました新潟の佐渡ケ島、大分県に築城があります。これは福岡県と関連しております。大体その程度であります。それからアルフアベツトの自由地域でありますが、これは茨城のエープル、これは千葉にもかかつております。東京のドック、神奈川県ではチヤーリーとドツク、これはやはり東京に引つかかつております。静岡がエープル、チヤーリー、高知のラウ、長崎がハウ・ジヨージ・フオツクス、大分の関係ではエーブル・ハウ、ジヨージ、これは同じ漁船が行つておる関係がある、それから佐賀のジヨージ、熊本のハウ、鹿児島のハウ、これは同じ地域に入つておりますが、出先の漁船の関係でこれを作つたわけです。
#15
○木下源吾君 北海道の大津はどうですか。
#16
○説明員(山中一朗君) あれはまだきまつておりませんから、ここには現在入れておりません。あそこにはまだ鮭鱒だろうと思いますが、あるという話は聞いておりますが、現在あれはまだ確定しておりませんし、制限しておりません。
#17
○秋山俊一郎君 福岡ですか、今最後におつしやつたのは……。
#18
○説明員(山中一朗君) アルフアベツトでございますか……。福岡に関連するのはユーブル、チヤーリーでございます。
#19
○秋山俊一郎君 静岡県と福岡県、神奈川県、同じチヤーリーですね。
#20
○説明員(山中一朗君) 同じところに出ているというのです。
#21
○秋山俊一郎君 それは何漁業ですか。
#22
○説明員(山中一朗君) 大分あたりが突棒や何かでずつと茨城のほうへ来るということでありますか。
#23
○木下源吾君 今のを確認して置きたいことは、いろいろそのような所は年内に、つまり内渡しでもやろうということは間違いありませんね。
#24
○説明員(山中一朗君) そういう考え方で現在努力しております。まだ関係各省も正確なものができないので内渡しでもやつて、これが解決を一応したいという気持でおります。
#25
○木下源吾君 それからもう一つは、この漁場の緩和のために合同委員会も非常に好意的である、これは間違いありませんね。
#26
○説明員(山中一朗君) 私の言いましたのは合同委員会が好意的であるということ共に、米軍側も、駐留軍でありますが、そういう点につきまして、できるだけの努力はしてくれるけれども、先ほどは九十九里の問題を例示いたしましたが、例えば関根の昆布の問題、これあたりも今年は演習をやめて、それじやおとり下さい、こう言つているわけです。併し不発弾があるから、わしらはとらねえのだ、だから全額補償しろと、こういうことが今問題になつておりますが。
#27
○木下源吾君 今の関根の問題ですね、不発弾があるからそれは早くとつてもらいたい、あそこは昆布だけで食つているのですか。昆布だけでなく又「いか」釣りもできるが、自分の鼻先では昆布よりほかにないという状況ですか、どうですか。その不発弾を除くということは……。
#28
○説明員(山中一朗君) 関根の問題についての御質問でありますが、これが不発弾をのけてやるか、或いは向うの一部要求のように全然のけずに、その代りずつと演習もやつてもらうということで補償して行くか。これは資源的に行きますれば、成るべくのけて、とれるものはとつて、演習するときにはしてもらうというのが一番得策な方法だろうと思うのでありますが、米軍側としては、そういう不発弾はたくさんあり得ないということであります。又これはあつても極く僅かだ、又あれくらいの砲弾が水中に五メートル、十メートル、十五メートル入つたところで、爆発しても、陸上ならいざ知らず、恐らく人命に支障あるようなことはないのだということを言つている人があるのであります。併しともかくもあるものならあるということを、もう少し昆布のことについて確認いたしまして来年はやりたい、こういうふうに考えております。
#29
○木下源吾君 昆布は一年きりのものですか。
#30
○説明員(山中一朗君) そうです。
#31
○木下源吾君 それで今の不発弾の何は実際になければないということを何してくれれば大変助かると思う。実はあの関根から川代、大畑あの附近は母親があそこの産ですから、(笑声)僕は子供のときから様子がわかつております。それで演習に使われると非常に困るということをこの前から言われておるのですが、この機会に一つできるだけ安心して昆布がとれるように…。
#32
○説明員(山中一朗君) ちよつと附加しておきますが、事実昆布の非常に生えておるときははつきりわからなかつたのです。我々のほうといたしましても、函館の海上保安庁のダイビイング船でそこを調査してみたのですが、思うようなものが出て来ないのです。米軍側も行きましたのですが……。地元のほうに言わせれば、あんな調査じや我々不安でしようがない、こういうことでありました。向うの海軍の連中も雇つて約一週間も滞在して調査をしたのでありますが、その結果を我々として報告したのでありますが、我々としては十分納得できないので更に調査してみようと、こういうのであります。
#33
○委員長(森崎隆君) ちよつと私から一言附加えてお聞きしたいと思いますが、今の統計資料の問題でございますね、これは県のほうの統計資料もありますし、水産庁にもありますし、いろいろあるわけでありますが、その間の統計の資料にいろいろ齟齬を来たしておる面があるわけであります。県の統計よりも業者自身が出す損害額が多い、これはどうも怪しい、いろいろな問題があろうと思います。ところがそれについてはこういう公けの席で言つて悪いかわかりませんが、実際上水揚量その他につきましては、農林でも同じように、この一反の田から今年はどうも十俵が適当だといことになりましても、やはりこれは税金、特に農林関係では供出その他の関係もありまして、まあ七俵ぐらいだろうというような、そういつたようなやはり気持がどうしても農民自体にあると思います。漁業関係でもやはりそういう問題があるのですが、それはけしからんと言えばそれまででございますが、そういうような一つの親心というような意味でいろいろな統計に多少なやはり誤差というものが常識的に言いますれば、県民を救うような建前から出ておる、ところがそういうような資料も実際のこういう損害補償などになりますと、これは本当の資料が出て来るわけでありますが、そんな場合、大きいのはけしからんというので少いのをとるようになる。これはやはり実際上の損害を漁民に与えるわけでありますから、そんな点につきましては特に御配慮を頂きたい。そういう点もやはり配慮は或る程度してもらわないというと、やはりすべての面で円滑に行かない点があるのじやないかと、こういうふうに考えますので、この点は一つお含みおき願いたいと思います。
#34
○説明員(山中一朗君) 只今委員長の運営上の問題につきまして、いろいろ御注意を頂いておるわけでありますが、我々も別にそれだけのものを唯一無上のものとしているわけではありません。できるだけその間の一割や二割や或いは三割の較差につきましてはあり得ることであろう。併し今度の統計には成るべく一緒でなければならんということは事務家としては当然その較差につきましては、とられるときと、もらうときと若干違いがあると思います。それについてシビヤーには考えておらない。余りにも大きなものにつきましては、どうしても第三者等は納得しない。やはり一銭でも国の金を使うときには或る程度のリザーブがなければならんと考えております。これはあらゆる面から説明できるようなものをとつて、実損の額或いはそれに近いものの額にして行きたいということで及ばずながら努力いたしております。その点十分お含みおき願いたいと思います。
#35
○委員長(森崎隆君) わかりました。もう一点だけ……。五島列島の西側のジヨージ区域の問題について、このたびあちらに行つたときいろいろと陳情を、受けたのでありますが、相当広い区域で、あそこは魚族も多い所であるし、ところがあそこは爆撃の演習場とし昼夜使われておる。まあひどいときには区域外まで爆弾が落ちておるところがある。とても近寄れたものではないというようなお話もありました。今は朝鮮も休戦になりましたが、あそこは朝鮮の紛争に関連した場合が多い、そんな関係で、若しできればジヨージ区域というものをほかの日本水域と違う水域、日本の漁船が操業していない区域に変更しても別に爆撃について、演習について障害があるわけじやない。そんな意味でこれは変更してもらつたら或る程度漁民としては助かるのじやないか。そういうことを是非一つ強く要望して、できるならば今山中不動産部長のお言葉によると、日米合同委員会におきまして、駐留軍におきましてもこういう点は非常に同情的に親心を持つておるそうでございまするので、是非一つこういうものを議題にして一応合同委員会で研究して頂くという機会が与えられますことを、陳情を受けた人に代りまして要望しておきたいと思います。
#36
○説明員(山中一朗君) あの地域につきましても、御質疑の点は一応研究してみたいと思いますが、過去の経過を申上げますと、曽つてもう少しよくとれるという所がその施設にされておつたのです。あの辺を少し移動してくれれば相当違うのじやないかというので移動したのであります。最近もいろいろそういう問題がありまして、向うとのフリー・トーキングの場合に若干提案してみたのでありますが、アメリカのほうでも何らか考えようというふうに、こういうふうに現在なつておるようであります、更に又いろいろ調査いたして、向うとも話をしてみたいと思います。
#37
○委員長(森崎隆君) 願わくば韓国にもつと近い所にして頂いたら非常に助かると思います。
 ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#38
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。損害補償の問題でほかに御質疑があれば、一つ陳情書が参つておりますので水産庁にお聞きいたしたいと思います。水産行政機構の拡充強化に関する陳情書が大日本水産会のほうから参つております。現在行政機構問題で、この機構の整備と言いますか、それがどういうような状況になつておるか、若しわかりましたら、水産庁から見解をお聞かせ頂けたら、と申しますのは、各漁連、単協その他漁業者のほうから、これはデマだと思うのでございますが、第一には、水産庁というものの機構が格下げになるのではないかといつたような、そういう心配を非常にしておる。これは一局にするならば従つているくな方面に響いて来るのじないか。今現段階において日本の水産というものがもつともつと本当に国策の一番大事な根幹として強く推進しなければならないときに、その一番大事な行政機構の中核である水産というものの機構が若しそういうように小さく歪められて来るということは、水産全体にとりまして重大な問題でないかと思います。この大日本水産会から出ております水産行政機構の拡充強化に関する陳情書というものは、拡充強化という言葉を使つた積極的な陳情でございますが、やはりその背後には、それが縮小されては大変だという心配のもとに、そういうことによつてこれが出されたものと考えますので、今どういう経過になつており、農林省の中でどういう計画をしておられるか、農林大臣がさつぱり見えませんので、これは大臣に聞くべきことかもわかりませんが、大臣には大臣として御答弁願わなければなりませんが、現在の水産庁の責任者として或る程度の事情をお聞かせ頂きたいと思います。
#39
○政府委員(岡井正男君) この日本の原始産業のうちで、特別な国際的な繋りを持つておるのは水産関係が一番大きいと思つておるのですが、ときにたまたまいろいろな問題が錯綜している今日、若し水産庁の現在持つ機構よりも縮減方向に向うということは、我々事務当局の考えとしては、これはもう大変国としてもマイナスである、かように思つておりますので、農林省内部で出先機関を整備して、プラス、マイナスはどうかというような事務的な検討は内々いたしておりますが、水産庁の現在の機構をより拡充してもらいたいというのが事務当局の率直な意見なのであります。又内部的におきましても、やはり接近するいろいろな海域問題、一例を挙げれば李承晩ライン問題などでありますが、主として瀬戸内海の調整事務局とか、或いは又福岡や霞に存置いたしておりまする、やはり底曳き関係の事務に主として当らせておるような出先機関にいたしましても、一方は新漁業法の成果が今のところまだ、今やめては功を一簣に欠くというようなところであるし、一方は又今丁度よくああいう事務の出先機関があつてよかつたというような効果を上げておる際でございますので、これらにつきましても、私は水産関係における出先機関は整理すべき問題ではないと、かように思つて内部でも強くその要求をしておるわけでございます。
#40
○千田正君 今も次長のお答えがあつたように、日本の原始産業の中で、農業と比較しても、或いは農業の面に包含すると称せられるところの林野或いは畜産というような問題から考えても、この水産問題は到底他の分野と比較にならないほど国際性を持つた産業であることは今更申上げるまでもないのでありますが、而も原始産業として日本民族の発生以来、日本の農業と漁業、この二つこそが日本の国民の両足のように、どつちが欠けても日本の産業というものは跛行的な存在になる。而も現在においては農業と比較してその行政面において非常に足らない点が多い。でありますから、原始産業の場合においては、むしろ現在の行政はびつこの、跛行的な措置しかやつておらない、こういうことであつては日本の産業の将来に対しても非常になげかわしい次第であつて、私のように農村の生れの人間であつても今日の日本の水産の現状忍びがたく、一カ年というものは水産人としてできるだけ政府に協力してやつて来たのであります。今後とも今北洋漁業の問題を中心として日米加の漁業問題、或いは現在起つておるところの李承晩ラインと称せられる外交上の問題及び大陸棚の問題、各種の問題或いは次々といろいろな海に接した隣国との問題が当然起きて来るものと我々は予想しなければならない、そういう場合これに対して農林省という一つの範疇に入れられた一局においてこういう問題は解決できないと思うのです。むしろ強化補充して一省をなすぐらいの力を持つのでなければ、この日本の原始産業の一部である水産業の発達ということはあり得ないと我々は考えるのであつて、この点は我々議員は勿論、政府が今仮に企図しておるような、新聞で発表しておることは仄聞程度の発表に過ぎないかも知れませんが、行政機構の改革の中に水産庁を局に格下げするというようなことには我々絶対反対しなければならない。それから業界と言わず、又漁民と言わず、又国会議員と言わず、総力を挙げてこの問題を若しさような方向に政府が決定しようとするならば、飽くまで政府に対してこの問題については申入をし、撤回もしなければならない、かように思うのであります。でありますから、水産庁の職員の皆さんも十分自分らの現実に置かれておる日本の国際的なこの産業の最も尊い公僕としての立場を飽くまで厳守されて、我々と共にこの問題の解決に当つて頂きたいということを強く要望しておきます。
#41
○委員長(森崎隆君) それではあともう一つ日韓漁業問題に関する件がありますが、これに対して御質疑ございませんか。
#42
○千田正君 それからもう一つ、私はちよつと遅れて、調達庁に聞くのを忘れておりましたが、例の五島列島のジヨージ区域と称するものが、アメリカ軍の海軍の演習地区として指定された。この区域に対するところの漁業に対する補償の問題はまだ解決が付いていないと私は思いますし、現地においてもそういうお話があつたのでありますが、これに対しては水産庁から調達庁その他に対して何らかの協議若しくは要請等のことをやつておられるか、その点お聞かせ願いたい。
#43
○説明員(立川宗保君) ジヨージ区域を含みますいわゆるアルフアベツトというようなものだけが、二十七年度の補償金支払いがまだ遅延しております。これについては前々から再三再四促進方を調達庁及び大蔵省に我々のほうから申入をしております。だだいろいろ従来見舞金みたいに支払うことができなかつたものですから、調達庁も非常にその金額決定に苦慮をしております。今日まで遅れておりますが、私どもとしましては、せめて少くとも今年中には払つてお正月までには金が行くようにということを申しております。で、調達庁も、先ほど御答弁があつたようでありますが、大体その趣旨でやろうと、こういうことになつております。
#44
○千田正君 大体そういうお答えであつたとすれば非常にそれは結構なことですが、今までネックになつていて、この問題が解決で逆なかつたという一番の理由は、一体どこに基準を置いた理由なんでしようか、その点をお答え頂きたい。
#45
○説明員(立川宗保君) これはほかの漁業権漁場とは違いまして、常時海域にはいわば誰でも漁業ができるわけであります。許可漁業であるもの、アルフアベツト海域で漁業ができる人とそのほかに自由漁業があります。そこで誰があの地域にどれぐらい漁業をやつておつて、あそこに行けなくなつたためにどのくらい損害をこうむつたかどうかということは、ほかの定置とか、或いは礁つきの漁業というものと違いまして非常に算定が困難でありまして、その点がいわゆる技術上の問題として残りまして、これがネックでありました。そのほかに特別な理由はないわけであります。
#46
○千田正君 そうしますというと、今のお話によりますと、大体支払うべき基準が一応できた、それでまあ今年中に払うというまあ調達庁の意向であるのですが、将来ともその基準によつてこの問題はまあ解決して行こうと、こういうまあ考えでおられるわけでありますか、水産庁としましては……。
#47
○説明員(立川宗保君) 私どもは直接には、いわば役所の権限としては損害の算定及び支払については権限がないのでありますが、私どもがいわば協力者的な立場においてお答えを申せば、只今お話のような方針で考えたいと思います。
#48
○委員長(森崎隆君) それでは委員会はこれを以て散会いたします。
   午後三時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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