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1953/12/04 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 厚生委員会 第2号
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1953/12/04 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 厚生委員会 第2号

#1
第018回国会 厚生委員会 第2号
昭和二十八年十二月四日(金曜日)
   午後二時十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堂森 芳夫君
   理事
           大谷 瑩潤君
           常岡 一郎君
           藤原 道子君
   委員
           榊原  亨君
           中山 壽彦君
           西岡 ハル君
           横山 フク君
           林   了君
           廣瀬 久忠君
           竹中 勝男君
           湯山  勇君
           山下 義信君
  政府委員
   外務政務次官  小滝  彬君
   厚生省引揚援護
   庁次長     田邊 繁雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 弘司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  説明員
   厚生省児童局長 太宰 博邦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○社会保障制度に関する調査の件
 (児童福祉に関する件)
 (ソ連及び中共地区引揚者援護対策
 に関する件)
○派遣議員の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堂森芳夫君) 只今から厚生委員会を開会いたします。
 社会保障制度に関する調査の一環として児童福祉に関する件を議題といたします。厚生省太宰局長から児童福祉事業一般について説明を願います。
#3
○説明員(太宰博邦君) 先般の当委員会におきまして児童行政当面の問題と、それに対する児童局長の考えということについて申述べるようにお話がございましたので、只今からその概略を申上げることにいたします。
 お手許に配りましたものの中に要保護児童調査結果表というのがございます。これが最近の私ども調べた調査の速報みたいなものでございますので、この機会に申上げておきます。
 これは本年の六月一日現在で調査いたしたものでございまして、その第一が児童の保護理由別の全国推計数でございます。これは二十八年度の今回調べましたものから推定いたしますると、保護を必要とする児童の数が約七十四万三千人という数字が出て参ります。
 その中で一番最後の欄の「他人の家庭に同居ている児童」というのは、今回調査項目の関係で調べなかつたのでこれが抜けております。これを三年前の昭和二十五年度にやはり調査いたしましたものと比較いたしますと、要保護児童の数が当時は四十万くらいと推定されておりまするので、その数が殖えておるということを考えさせられるものでございます。
 更に次の二の「児童の保護方法別」というものの欄でございまするが、これはこの調査に当りました者が大体その児童の状況を調べまして、これはどういうふうな保護を必要とするかということを記したものの集計でございます。そこに書いておるような数字がそこに出たわけでございます。特にこの「保育所に入所させる必要のある者」というようなものが、これは現在保育所に入つていないものでございますが、それがなお十八万三千人ほどおるというような数字が出ております。零と書いてありますところは、先ほど申上げましたように、これは調査を、項目でそれが出ていないのでございます。
 それから三番目に「児童の保護者別」の表がございまするが、これをみますると七十四万三千の中で大体七三%は両親がある。次に母親のみが一七%、父親のみが五%ということでございます。大半が親がある。親のないいわゆる孤児と言われまするものはその次の欄の兄姉、親戚、その他という欄でございます。案外少い数字が出ております。
 それから最後に「保護者の経済状況別」が出てございます。これも調査員の調べによつたものの集計でございまするが、生活保護法の適用を受けておりまするものが約一八%強、それから保護法の適用を受けていないが非常に生活が苦しいというのが二七、八%、生活に余裕はないが前者ほどではないというのが三六%、生活に余裕があるというのが一七%くらいの数字が出ておるわけであります。これが最近私どものほうで調べた結果でございまするので、冒頭にこれを御説明しておく次第でございます。
 その次に当面の児童福祉の問題とそれに対しまする児童局のとつておりまする方針について申上げます。大体五つのグループに分けて御説明申上げて又御批判御教示を頂きたいと思つております。順序不同でございますが、最初にはこの児童福祉のなんと申しますか、一般児童の福祉の積極面を増進するというようなことを考えております。私この地位につきましてからずつと見ておりますると、まあ児童問題が非常にやかましく取上げられておりまするが、国民一般の間に、もう少し本当に児童福祉思想というものを実践すると申しまするか、自分たちでできるところを一つやつて見ようというような雰囲気がどうも我が国の現状では足りないような感じがいたすのでございます。勿論児童の福祉の責任は窮極において国が背負うのでございまするが、やはり国の仕事それ自身では手の届かない場面がたくさんございます。特に現在国の力は問題を起しまする孤児とか、浮浪児とか或いは虚弱児というような、いわゆる問題児の処理に殆んど手をとられておる状況でございまして、一般児童の積極的福祉の増進という点につきましてはしばしば御批判、御指摘を受けるのでありまするが、なかなかそちらに手が廻らないというのが現状でございます。かような点につきましても、若し社会の人々が自分の地域において、児童の問題にほんの少しでも関心を持つて何らかの実行に出て頂けるならば、非常に児童の福祉が推進されるのではないかというふうに考えておる次第であります。又問題児の処理にいたしましても、そういう子供がありました場合に、これをいち早く取上げて、そうしていち早く処理するということにつきましては、やはりこれ同様、地域社会の人々にそういう関心がありますれば、それが早く措置される。その結果、その子供の不幸は救われるということになるのじやないか、かようないろいろな面から、地域社会の人々の間に児童福祉全般についての協力と申しまするか、自分たちでもやれるだけのものは自分たちでやつてやろうと、こういうふうに温い気持が満たされて行きますることは、ひとり児童福祉の問題に限らず、福祉国家の推進のためにも非常に結構だというふうに考えております。それの道行きといたしまして、一番何人も異論のない、又どこの御家庭でも問題を持つておりまするところの母子衛生という回からこれに入つて行つたならば一番入りやすいんじやないかというような考えから、母子衛生を中心とした地域組織が自然に盛り上つて来て、それが充実して行くように仕向けて行きたいということを現在考えておる次第でございます。これは昔のように天降り的に政府から命令するというようなことでは到底効果が上りません。又補助金を以て、補助金に目をくらまされて、これを餌にして作り上げるということも健実なやり方ではないと考えておるのでございます。全国のまあ保健所管内に約七百五十ほどございまするが、一カ所でもいいからそういう地域組織が盛り上るように一つやつてみたい。そうして最初から大きなことを望まないで、何でもいいから一つ仕事を取上げて、それを軌道に乗せる。その間にこの母子衛生思想が若干でも向上いたしますれば、それを元にして又漸次仕事の範囲を広めて行く、当然問題は母子衛生のみの範囲にとどまらず、公衆衛生全般にも及び、易に児童福祉全般にも及び、まあ気長な話でございまするけれども、そういうふうにじつくり行つたものは却つて間違いがないんじやないかというような気持で、これを明年度の計画として取上げたいと考えておる次第であります。時間がございませんが、お手許に雑誌をお配りしていますが、今そこに私の気持が書いてございまするので、大変恐縮でございまするが、お暇なときでも御一読頂きまして、御教示頂ければ有難いと存じておる次第であります。で、これは財政面といたしましては、前に申しましたように、一切補助金その他を使いません。ただこの組織が伸びて行きますように、県の当局の指導、この指導のための経費というものを若干、一千万円ほどでございますが、明年度に計上しておる次第でございます。そう金をかけないでやれるという見込みであります。
 それから第二に、児童の福祉の積極的な増進を図ります第二の施策といたしまして、全国に十二万五千人おりまする児童委員について、もつと積極的にこの児童の問題に取組んで頂くようにしたいという考えを持つております。勿論現在におきましても、民生委員が児童委員を兼ねておりまするので、児童福祉の問題について、かような人たちの協力があるわけでございまするけれども、なお一段とこの人々の協力を促すための努力を私どもがいたしましたならば、最近の児童福祉思想の高まつておる現在でもありまするので、この人たちの協力がより活機になり、それだけに児童の福祉の面が推進されることかと存ずるのであります。幸いにいたしまして、この十二月に民生委員の一斎改選がございまするので、この機会に、従来もそうでありましたが、児童委員たる使命を持つておるのでありますから、この使命を果せるような適当な人々を選ぶようにということを地方に通牒して、かような面についても働き得る、又関心の高い人を人選してもらうように依頼しておる次第であります。すでに現在改選になります前の民生委員、児童委員につきましても、先般の全国民生委員児童委員大会におきましても、児童福祉については我々ももつと協力したい。何か一つみんなで取上げてやろうという自発的な民生委員のかたがたの申出によりまして、大会の決議として、里親制度、職親制度を推進すると、こういう決議までして頂いておりまして、私ども感激しておるのでありまするが、かようなことで、児童委員というものを、もつとく私どもがお願いして活動してもらいまするならば、児童福祉の推進ということについても、これは大きな力になるのではないか、かように考えておる次第であります。第一の児童福祉の積極的な推進と申しますか、さような点については以上の二つの点で行きたいと考えておる次第であります。
 第二番目に児童福祉行政の効率化と申しまするか、合理的、科学的に国家財政の面でも効率化を図るというようなことに力を注いで行きたいと思つております。この問題については、当然現在の職員などに対しまする訓練というようなことにも力を入れて行くことは勿論でありまするが、そのほかにもなすべきことがたくさんあるように考えておるのであります。今回一番大きな問題になつておりまするのは、児童福祉施設の経費、つまり措置費の問題でございます。この措置費の問題は特に保育所あたりを中心として大きな問題になつておるのでありまするが、この措置費それ自身についても私ども従来力が足りませんのでなかなか適正化を図ることができなかつたのでありまして、例えば地域差というものがなくて現在全国一本の平均の単価で流しておるような次第であります。かような点についても、地域差を設けて、その地域に応じた措置費の基準をきめて行きたい。それから特に保育所ではこの措置費が足りないという問題が現在起つておりまするが、その足りないという面の大きな一つの原因は、御承の通り、児童の保護者から負担できるだけ負担せしめる、そうして負担できない場合において初めて分けの費用でこれをみるということでありまして、その負担できるだけ負担せしめているかどうかということに、つまり措置費の徴収の基準の問題もございます。かような点が十二分に現状に合つていない、全国ばらばらであるというようにも思われますので、かような点の適正化をも図つて行く必要があると存ずるのであります。かような点で、措置費の適正化ということについて力を入れて行かねばならないというように考えております。
 それからなお効率化の問題といたしまして、児童の取扱の技術を科学的により一歩進めるという問題もあろうかと思つております。これは、昔のように子供に対する愛情さえあれば児童の福祉行政を推進することができるのだというようなことは今日では許されなくなつたわけでありまして、やはり児童の取扱については技術についても十二分に科学の裏打の下にこれを推進して行かなければその実が挙らないというような状況でございますが、この点についても力を入れて行きたい。例えば、保育所の保母さんなどについても最近は研究熱が非常に盛んで、自分の職場に起つて参りまする現象を掴まえて、そこからこれを分析し研究して一つの科学的な基準を見出すというような努力が最近盛んになつて来ております。かようなことは結構なことでありますので伸ばして行きたい、又孤児その他の子供の収容施設として養護施設というものがございまするが、今日だんだん科学的に検討してみますると、多数の子供を養護施設で預かつておりますると、いわゆるホスピタリズムと申しまして、一つの癖が出て来る。本当に子供のためを思うならば、できるだけ家庭に近いような環境で育てるのがいいのだというようなことが唱えられております。さよう点から考えますると、里親の制度というものが普通の家庭に代るものとしては好ましい形態であるというふうにも感じられるのでありまして、かような点から、里親の制度を育成して参りたい。それにはいろいろな障害がございまするが、それも片附けて、とにかくこの制度を伸ばして行きたいというような気持も持つております。又児童相談所は現在御承知の通り百二十カ所ほどございまするが、これも内容がまだ極めて不備でございます。かような点についても、内容の充実というものも図つて行く必要があるのではないか、かように考えておる次第であります。
 最後に子供が大きくなつて参ります際の自活能力と申しまするか、自分が現在社会の負担において日々を送つておるわけでございまするが、社会はこういう子供たちに対して保護する義務があると同様に、又子供たちも成るべく早く社会に負担をかける度合を少くするということについて協力する義務もあろうかと考えるのであります。かようなふうにして、社会に御迷惑をかけているならば、成るべくその御迷惑をかける度合を少くして、早く社会に貢献する立場に廻るという方面の努力をする義務があると、かように考えるのであります。そのための施策といたしまして、職親制度というものは伸ばして行きたい。これは大きくなりました子供が社会に出ます。までに技能を身に付けさして、そうして社会に出ましたときはその技能によつて自立できる、こういうふうにするという制度でございます。この制度もいよいよ伸ばして行きたいという考えを持つております。
 その次に精神薄弱児というのが最近とみに取上げられておりまするが、このいわゆる知能指数が平均よりも以下な子供、段階から申しますと、魯鈍、痴愚、白痴でございますが、というような幾多の段階がございまするが、それぞれの段階の子供にもできるだけ社会に御迷惑をかける度合を少くする、具体的に申上げますると、こういう子供たちでも職業として自活できるような方法があろうではないか、人並みの事はできないにしましても、又誰かがついて面倒をみてやらなければならないにいたしましても、とにかくこういう子供でも私どもの努力、知慧の絞り方の如何によつて一生社会の厄介ものとなつて過ごすのではなしに、何らかの意味において職業戦線について、社会にかける負担を軽減する立場に廻る、かように考えておりまするので、これは今年度の科学研究費によりまして、現在職業適性に関する研究を進めておる次第であります。それから明年度の予算として要求しておりまするものに肢体不自由児の養育措置費というものを要求しておりまするが、これは、御承知の肢体不自由児は、これは早く発見いたしまして、早く措置いたしますれば、比較的それは治り易いのでありまして、社会的生活を営むことが可能になるのでありまするが、これを放置して置きますると、漸次治りにくくなる。程度がひどくなる。そうして一層社会の厄介者となつて過さなければならなくなるわけであります。さような意味で、早く発見して、早く治したいのでありまして、現在肢体不自由児の養育・相談の仕事はやつておりまするが、悲しいかな、相談の結果治さなければならないということになりました場合に、貧困階層においてはその経費が出ないという問題がございます。これについては養育費をそういう階層の人々について国庫において補助するというような措置をとつて行きたい。そういたしますれば、この子供達が国庫の補助によつて、早く治療を受けて、一人前になつて社会に貢献する立場に廻るということと、放つておいて社会に一生厄介になることとの比較は、大きな差が出てくる。かように考えております。以上のようなことで、自活能力を附与するための自覚と申しますか、さようなことを取上げて参りたいと考えている次第であります。
 それから大きく第三の施策といたしまして、施設の充実、拡充という問題でございます。第一は、現在保育所については、非常に全国的な要望が強いのでございます。今年度におきましても、国の予算に計上いたしました約十倍の申込が来ているような状況でございます。事実その内容を見ますると、保育所に子供を寄越しまする御家庭は六五%が両親の共稼ぎ或いは母子世帯における母親の勤労のために子供の面倒を見る人がいなくなつて保育所に寄越すというケースが占めておりますので、いわば保育所は勤労者に対する援護施設とも言うべき積極的な使命を持つているように感じますので、明年度においても引続きこれを伸ばして行きたいと考えております。又養護施設でも、年長の子供については、先ほども申上げましたように、早く社会に復帰させるように、職業能力を授けたいと考えておりますので、それに向くように、年長児だけを収容するような養護施設も設けて見ては如何であろうか、かようなことでさような年長児だけを収容するような養護施設或いは現在不足を告げております精神薄弱児施設肢体不自由児施設、こういうようなものを充実して行くように考えている次第であります。それから第二には措置費の内容でございますが、これはしばしばお叱りをこうむつているように、現在でも甚だ不十分でございまするので、これを一層充実するように、この単価の引上げを図つて行きたい。それから特に保育所につきましては、保育所給食という問題がございまして、曾てはミルクは駐留軍の好意的なあれ或いはララ物資というようなもので賄われて来たのでありますが、現在はこのミルクが全額自分たちの経費で賄うということになつております。これを半額国家で持つようにいたしますれば、保育所にミルクが安く行く、そうしてたくさんの施設でこのミルクを子供に与えることができますれば、丁度その年頃の子供としては一番栄養の豊富なミルクを飲めることに相成りまするので、保育所給食という問題について力を入れて行く、このために保育所給食法ということを現在制定しては如何かというので考えている次第でございます。なお先般通りました、私設社会事業振興会によりまして、私設社会事業の内容、設備というものの改善にも更に力を入れて行きたい、かように考えている次第でございます。
 それから大きな第四といたしまして母子福祉対策でございまするが、現在母子福祉につきましては母子福祉資金の貸付等に関する法律、あれが中心となりまして、その他戦没者遺族については恩給、或いは戦傷病者遺族等援護法というようなことで措置がとられて、おります。その他税法などにおいても軽減措置というような一連の措置がとられております。差当り現在の段階におきましては、母子福祉資金の貸付等に関する法律を早く円満に行政化したいという念願を持つているのでありまして、差当つては地方からの要望を聞いて見ますと、資金の貸付に伴うところの事務費が非常に不足しているという話でございますので、この事務費を何とかして十分に賄つてやりたいというので、この事務費について財政当局に要求している次第でございます。
 なお母子福祉対策ではございませんが、これと関連して、施設の孤児が片親のない場合においては、母子福祉資金の貸付等に関する法律で就学の途が開かれております。両親のない子供たちには高等教育を受ける途が、現在事実上開かれておりません。これを何とかしてくれという要望がございまするので、これも何とかして実現したいというふうに考えている次第でございます。
 それから第五番目の問題といたしましては、これはまあ当面の問題でございまするが、一つはいわゆる基地の児童福祉対策でございます。これは前にも一度あらまし申上げたこともあろうかと存じまするが、大体現在六百三十カ所ほど大きな基地が、まとまつた基地が全国にあるわけであります。さような基地におきまして、しばしば児童の福祉にとつて弊害のあるような事件が起きている。この児童を護るためにどうしたらいいかということが大きな問題になつているわけであります。私どもといたしましてはこの前も申上げましたように、先ずその対象をいろいろ分類いたしまして、子供に対する施策といたしましては、子供の遊び場所或いは一緒に集まつて大人が指導するに適当な児童館というような施設、或いは小さな子供については保育所というようなものを充実して、それを中心にしてその辺の子供たちの福祉を図つて行くというような施策を講じたい。第二には基地の附近のいわゆる成人層の人たちには十分に児童福祉思想を啓蒙して、自分たちの子供を護るのだということを彼等に十分に認識させる、そうしてそれによつてこの児童の福祉を損わぬように気を付けてもらう、こういうようなことを考えております。又駐留軍に対しましてもこの施策に協力してもらうようにというので、この夏でございましたか、日米行政委員会の分科会としての基地の行政協議会というものを、問題の起きそうな各基地に設置させることにいたしました。そこでいろいろな風紀の問題その他の問題と合せて、児童の福祉の問題をとり上げてもらうように措置いたした次第でございます。又いわゆる特殊の婦人というものにつきましても、これはむづかしいとは思いますけれども、極力そういうところから足を洗うように、又少くとも児童に対する悪影響を防止することには協力して貰うというような趣旨で地方に通牒を流してやつてもらつておる次第であります。予算面からいたしますると、私どもといたしましては、子供の施設関係にいろいろ経費がかかつておると思いますので、明年度において約一億三千万ほど要求しておる次第であります。保育所については、本年すでに手持の予算で、一億七千万円の、すでに一番問題の起きておりまするところに、二十カ所ほどになると思いますが、設置せしめるように手配をいたしておるわけであります。かようなことで基地の周辺の児童の福祉を更に推進して行きたいと考えております。
 第二に当面の問題といたしまして、いわゆる冷害対策でございますが、冷害地の児童の福祉の問題につきましては、特に問題と考えられまするものが二つございます。一つは身売り防止の問題でありましよう。これは大体貧困なる地方においてはあえて冷害のときと言わず、かような問題が起つておりまするので、昨年厚生次官通知で以て児童の人身売買事件の対策というものを作つて、地方に流しておるのでありまするが、今回冷害は起つて参りますると特にこういう問題も起つて来るじやないか、幸いにいたしまして、只今のところ、まだ本格的になつておりませんので、いち早くこれに対するところを手を打つようにしておるのでございまして、大体農業土木とか、或いは失業救済事業とかいうような、或いは直接営農資金の貸付、それから共済保険の支払いを促進するとかいうようなことによつて、その被害農家に何らかの形で職業を与える。現金を得させるというようなことをいたしますと共に、貧困な家庭については生活の保護法の適用によつて、その生活を救うという措置を講じますと同時に、この児童委員あたりを中心にして、関係のものが協力して児童の人権を尊重するという思想を、そういう問題の起きそうなところに、重点的に啓発、喧伝をするということを、手を打たせておるわけでございまして、次の第二の冷害対策について問題と考えられますのは、いわゆる親たちが土木事業、開拓事業或いは炭焼きなどに出ました場合に、残つた子供の問題でございます。即ち保育所の問題でございます。これは明年でき秋までの問題でありまするので、臨時保育所という形でこれを見て行きたい。大体私設保育所に準ずるようなものでございます。学校でもお寺でも、又村の公民館でもいい、こういう既設の建物などを利用して、簡易に保育所を設置させるという、そういう場合において、その保母さんの経費について、国が扶助する、既設保育所と大体似たようなことになるのでありまするが、ただ今回は町村が非常に痛められておるだろうと考えられますので、国庫補助率を三分の一から二分の一に引上げ、県費で以て四分の一を出させ、自己負担分を四分の一ということにいたしたい、かように考えておるわけであります。大体減収率の非常に高いところを掴まえまして、まあ目の子でありまするが約二千カ所ほど、児童にいたしまして二十万人くらいのものをこれによつて救済したいというような考えを持つております。同時にさような保育所に参りまする子供がひよつとすると弁当などを持つて来ないこともあるのじやないかということが予想されるわけであります。すでに学校などについては欠食児童ということがうるさく叫ばれております。保育所についてもさような問題も起きる虞れがございまするので、さような点については、やはりこの分けの立場で以て食事を与えてやるというような必要もあろうかと思いますので、差当つては農林省に話してこのパンを一個づつやれるようにこれは大体二分の一の単価でわける、こういうことになると存じますが、かようなことをしてやりたいということを交渉中でございます。又他のユニセフにおきましてもこの冷害地の児童には何らかの応援をしてもらう。つまりミルクをやはり支給してもらうということで、これも現在向うと折衝中でございます。かようなことにいたしまして、冷害地の児童につきましても、私ども現在考えておりますところは以上のような点を実施して行きたい、かように考えているわけでございます。大変簡単で恐縮でございましたが、差当り私どもの考えておりますところを申上げ、後又御質問に応じてお答え申上げたいと思います。
#4
○委員長(堂森芳夫君) 只今の児童局長の説明について或いはそれに関連して御質疑がございましたらお願いを申上げます。
#5
○竹中勝男君 大変全般に亘つていろいろ詳しく児童行政のことについて伺つてこの点有難いと思いますが、ちよつと一、二はつきりわからないところがありますので、それは施策の第二のところで、今局長が言われましたように児童が社会に迷惑をかけているから社会に貢献するように努めたいと言われたのですが、これは肢体不自由児童のところでもそういうように言われたのですが、これはどういうお考えですか、社会に迷惑を児童がかけておるお考えがありましたのですか。
#6
○説明員(太宰博邦君) これは私の申上げた言葉が適切でなかつたと思うのであります。現在こういう子供について社会の負担においてその子供たちを養つていると申しますか、生活させておるというような状態でございます。これを放つておきますれば一生場合によつてはそのままで過して行く。併し私どもが若し適切な手を打ちますことができましたならば、そういう社会の負担をかける立場から自分が社会に貢献するという立場に廻らせるそうに指導することができるのじやないか、こういう意味で実は申上げたのでございます。
#7
○竹中勝男君 そうですが、成るたけ、社会に迷惑をかけておるから早く仕事を子供につけたほうがいいというふうに今伺つたものですから、それだと却つて社会の負担を軽くすることにならんと私は思うのですから、と言いますのは失業の原因は早期の就労ということが非常な重要な原因になつておりますから、若年で就労するということは私は反対なんです。又児童行政の上にそうでなくちやならないと思うので。
#8
○説明員(太宰博邦君) ちよつとあの恐縮ですが、一例を申上げます。と、精神薄弱児の場合でございまするが、まあ御承知の通り知能指数が非常に低い子供、これはなかなか従来の問題としてはどうしたらよいか、ただ養いつ放しというのでなく、それに最近は非常にそういう面の研究が進んで参りまして、施設の名前を申上げて恐縮でございますが、滋賀県に近江学園というのがございます。ここの子供は今日は汽車の駅で売つております土瓶でございますね、ああいうものを作つて、東海道線の米原駅の土瓶というのはここの子供が作つた。そうしますとここの子供はすでにそういう生産という過程の中に自分が入つている。まあ言わば社会の生産の面に貢献するほうに廻つておるものと、勿論利益を得るところにまでなつているかどうか問題でございますが、又指導者が絶えずついて見てやつて行かなければならんという面がございますが、併し少くとも徒らに養われておるときに比べますれば、それは社会に対する恩返しというとおかしいのですが、貢献するという立場に変つておる。同時にその子供自身についてもやはりそういうことが仕合せじやないかというような気もいたすわけであります。そういうようなことでございますので言葉の足りない点は一つ御了承願います。
#9
○竹中勝男君 社会に厄介だ、社会に迷惑をかけたと再々そういう言葉があつたものですから、これは児童の権利でしてね、社会がそういうこれは迷惑だとか社会の負担だとか、国の負担だとか、迷惑をかけているとか言いますが、当然国が保護すべき児童の権利を尊重すべきものだと考えますのですから、そういう質問を申上げたのであります。
 もう一つの点はこれは冷害だけですか、臨時保育所とか身売りの問題だとかいうような問題は、どうして水害を取上げられなかつたのでしようか。
#10
○説明員(太宰博邦君) 実は水害の際には地方からそういう要望が起きてなかつた。一、二のところで田に土砂を冠つたところがあるので、季節保育所を本来の趣旨ならば農繁期の保育所というものであろうが、これを認めてくれということで一、二来た場合はございますが、全般的に申しますと、そういう声が実は起つて来なかつたものでございますから、具体的施策にまでならなかつたわけです。今回の冷害につきましては、非常に地方の要望が起きておりますので、そういうような関係から今回取上げたような恰好になつております。
#11
○竹中勝男君 冷害の場合はむしろ家があるわけです。ところが水害の場合、京都府の山城のような場合は全村がめちやくちやなんです。そうして両親が全部土建の仕事に、日雇に出ておりまして、家もなければ合宿みたいなところに、バラックみたいなところにいるわけです。そういうところでは絶望して保育所などということを言い出す連中もないほど支離滅裂な、全く児童が放任されているような状態が展開されているところもあつて、これは全村が家がなくなつてしまつたわけです。冷害よりむしろ深刻じやないかと私考えるわけですが、局長はどういうふうに考えておりますか。ただお話の声がなかつたということだけでこれはやられんわけですか。
#12
○説明員(太宰博邦君) まあその当時そういう声が私どものほうに伝わらなかつたということが非常に申訳ないことでありますが、手を打つのを遅らしたのじやないかという感じがいたします。
#13
○竹中勝男君 地方の児童課がこれは手落ちなわけですね。
#14
○説明員(太宰博邦君) 手落ちと言いますと……。
#15
○竹中勝男君 とにかく厚生省のほうまでそういう実情を訴えなかつたということになるわけですね。
#16
○説明員(太宰博邦君) それを見通し得なかつた私どもも恐縮でございますが。
#17
○竹中勝男君 いや別に責任の問題じやないが、そういうことになるのじやないかと、実は参りました村などが事実上本当に支離滅裂で、どこに何がいるのやらわからないようなところが多いのです。京都で、丹波にもありますし、丹後にもありますし、山城にもあります。私水害対策のほうで行つたのですが、行つてそれを痛切に、感じたわけです。新たちは子供のことなど殆んど問題にできないような生活をしております。
#18
○常岡一郎君 ちよつとお尋ねいたしますが、保育所へ入所を勧めることが是非必要であるというものがすでに十八万三千人あるということをおつしやつたのですが、これはだんだん深刻な世相になればなるほど殖えて参る傾向があると思うのですが、これはあることだけを知りながら、これに特別何か手を打つておられるのか、何か先ず打つ方法を考えていらつしやるか。
#19
○説明員(太宰博邦君) 政府としましてはこの保育所に対する希望が非常に強いということを承知しておりますので、種々力を注いではおります。予算の面で申しますと、二十七年度の予算の際には保育所の設置については一億一千万円ほどの予算を組んでいるわけでありますが、二十八年度、つまり今年度の予算に関しましてはそれの二倍くらいの二億五千万円の予算を計上しているわけであります。ただ実施の面になりますと、全国の要望が先ほど申しましたようにそれの十倍以上の要望があるわけであります。肝心の二倍以上にやつたというのは、ほかの場合でございますと、御承知のように今日の国家財政で一挙に二倍ということはなかなかでございまして、これでも今日の要望からいたしますと、重大な結果を来たすということになるわけであります。ですから明年度以降につきましても、引続きこの面については力を注いで行きたい、かように考えております。
#20
○常岡一郎君 それでは現在の保育所に、既設の保育所に、もつと定員、収容人員数を殖やすといつた面についてどういう考え方でありますか。
#21
○説明員(太宰博邦君) 現在の保育所で収容力を殖やすということになりますと、今現に定員をオーバーしております。従いましてこの定員をオーバーした度合を更に強めるかというようなことになるのでありますが、これは相当全国の施設の、主として施設町村になりますが、施設町村長のかたがたからこの要望があるのであります。問題は、併しながらなかなか簡単に行かん点がございますので、徒らに困つておる子供がおるからといつて、それをしやにむに施設に入れてしまうという、その入れた子供の保育が不十分にやられたのでは、これ又意味がない、又当然それをいたしますると、国の経費の問題が起つて来るわけでございます。今日国の経費ではそういう面まで賄うだけのものがないのでございます。この点について私ども自信が持つてませんので、そういう段階において、そういうことをいたしますると、結局廻り廻つてその施設の周囲のかたがたに迷惑をかけるその因にもなり、又十分な保育もできないというようになるというようなことにもなりますので、非常に残念ではございますけれども、今日の段階ではそう簡単に数を殖やすということを認めるわけにはいかないと思います。
#22
○常岡一郎君 現在のオーバーしております人員を、それをそのまま認めて、そうして保育所の設備を拡充するといつたようなことで、これで国が超過した人たちを救う途であるというように考えることはできないでしようか。
#23
○説明員(太宰博邦君) 率直に申しますと、現在約三割をオーバーしておると思います。子供の数において、併しそのうちのどれくらいになりますか、大半は私的契約児というものであります。御承知の通り市町村長がどうしても保育所に入れてやる必要がある子供を保育所に入れます、いわゆる措置児といいますか、措置児童で以て定員が満されない場合に、余裕がある場合には、その私的契約によつて措置をしないでもいいような子供ですけれども、それを入れてもいいということになつておるのであります。そういう私的契約児というものは、本来の姿で申しますれば、保育所にどうしても入れてやらなければばならない筋合のものではないわけであります。そういう子供を今のオーバーしたものから落しまして、それから又措置しておりまする子供の中にも、やはり地方によりますると、その緊要度というものがそれほどでないにもかかわらず、何かの関係で入つておる者もございます。そういうようなものを整理して参りますればそうオーバーしないのではないかと私どもは現在思つておるわけであります。又例えばそういうふうにオーバーしなくても、現実に施設の外に、入れない子供がたくさんおるのですから、その連中をその代り入れることにいたしたらどうだというお話しも出ることと思いまするが、それをやりますると、私どものほうでは二つの面で支障を来たします。一つは最低基準の違反になるわけであります。最低基準の違反ということになりますと、これは私どもとしてはなかなか簡単にはいいとは言い切れないのであります。
 もう一つの点は、先ほど申上げましたように、その結果として公の経費で以てその負担する額が殖えるわけでございます。それについての見通しが立たない限りにおいては、軽々しくこれを入れるということはできかねるのであります。
#24
○常岡一郎君 見通しが立たないが、併し実際に入れなければならない必要なものは十八万もあるというような異常な事態であります。その異常な事態に当りましては、緊急な措置をとる、緊急な措置をとらなければならない止むを得ない問題である、こういうふうに考えられますが、この最低基準の定員制の厳守ということがとられているというふうに聞きますが、そうなりました場合に、施設が厳守された場合には、もう立つて行かないという面がたくさん出て来るのじやないかと思います。そういう点はどういうふうに考えられますか。
#25
○説明員(太宰博邦君) 施設が定員通り入れておつたんでは或いは立つて行かないということは、これは私解しかねます。と申しますのは、元来施設の経費を弾きます場合には、定員とそれに見合う職員とを置いて計算をしておるわけであります。ですから定員を入れて百としますならば立つて行くはずであります。勿論立つて行くと申しましても、今の施設の側からいたしますれば、国の予算というものはぎりぎり最低限度しか見ておらないので、勿論足りないという声もあるかと思いますが、私どもといたしましては国家財政の現状の下においては、とかく定員において立つて行かないから、定員をオーバーするというような口実は与えないだけの措置をしておるわけでございます。
#26
○常岡一郎君 いや、そうでしようが、現在施設が足りないでしよ、足りないで、そのオーバーしてはならないといつても現実にオーバーしているでしよ、それを認めて、更にそれ以上に入りたい人がたくさんあるという今お話でありますが、その場合に新らしい施設は国家の企業としてはできない。併しながら最低基準のほうは厳守しなければならないということですが、そうすると、どうしてこれを収容して行くつもりでありますか。
#27
○説明員(太宰博邦君) 施設が定員をオーバーして子供を入れておれば、施設の経営は成立つかといつても成立たないのです。百人の定員のところに百三十人ほどの子供を入れましたならば、そうすれば、自分のところは百人なら経営が成立たんのだが、百三十人なら経営が成立つということはあり得ないのであります。
#28
○常岡一郎君 私のお尋ねしておりますのは、経営の問題じやないです。実際に保育所に入れなければならない必要とする子供たちがおりますから、それをどうして収容するかという問題です。それは経営が立つ立たんということによつてオーバーしているということは或いはあると、そう言えるかも知れませんが、事実においてオーバーせざるを得ないほど希望者は多い。而もなお且つその施設を拡張するほどの資金はなし、補助もなしといつたような苦しみが施設者のほうから言えばあるのじやないか。こういう点は十分お考えになつたのだろうかということをお尋ねしておる。
#29
○説明員(太宰博邦君) さような点も十分承知しております。おりまするが、この施設に入り得ない子供が外におる。これを何とかして救つてやりたい。この気持は私といえども持つておるわけでございます。併しどういう形で救うか。一番すらつとした形は、やはり施設を殖やすということではないか。これももなかなかそう簡単に行かない。その場合に、只今お話のように、現在の施設の中に詰込むという方法もある。詰込むという言葉も悪うございますけれども、少しオーバーして容れるということもあるのじやないか。この問題になりました場合に、二つの面で以て解決すべき問題がある。というのは、現在の施設について最低基準というものがございます。大体保母さんならば子供三十人について一人は要るということであります。それから又坪数にいたしましても、児童一人当り保育室、収容室と合せまして〇・六坪なければなりません。こういうふうに今やつておるわけであります。そこに子供がたくさん入りますると、当然保母さんはオーバー・ワークになります。従つてそれだけ保母さんを更に手当しなければならない。それを下手しますと、保母さんの手当をしないで、今までの三十人に一人で収容していたものを、この際だから一人で四十人持つてくれということになりますと、私どもとしてはできないわけであります。それからこの〇・六坪という問題がもう一つございますが、これにつきましては、施設長のかたがたはそれを引下げろというような声があるのでございます。ところが半面において保母さんのほうからいたしますると、そういうふうに引下げられてもらつては困る。自分たちが百人の子供を何坪かで以て処理した場合が適当であつても、それ以下でやつた場合は、狭いところへたくさん子供を預かつているときは非常にやりにくいというような面もあるようでございまして、保母さんのほうから言えば、そういうことに対しては反対という声が出ておるわけでございます。かような点がいつも問題になるわけでございます。我々といたしましては、施設長の気持もわかります。又保母さんの実際に子供と取組んでおります気持も尊重しなければならんというので、現在のところではこの最低基準を切下げるとか、或いはそれをオーバーして経営を認めるということについてはなかなか簡単に許可しかねる。それが一つの問題であります。
 それからもう一つの問題は、先ほど申上げた経費の問題でございます。くどくなりますから申上げませんけれども、殖えた分が私的契約児でありますれば経費の全額がとれるわけであります。それだけ経営が楽になります。そういうものは当然オミツトするといたしますと、入つて来ます子供についてもやはり費用がとれないから、公けの費用で見なければならんというので、その見なければならない額が殖えるわけであります。私どもそれを賄い得る自信がございますならば、まだ話の途もあろうかと思いますが、現在の段階ではそこまで自信がないものでありますから、大変気の毒だとは思いつつも、そんなことであります。
#30
○常岡一郎君 よくわかつたところもいたさなければならんような状態でありますが、わかつていないようなところは止むを得ないとは思いますけれども、それだけあなたのほうも、止むを得ないだけに、従つて施設者の立場も又止むを得ない場合もあるということを、両方非常の事態でありますからここに了とせられて、可及に最善の御注意を頂きたいということをお願いしておきます。
 次に補助費の問題でありますが、これをちよつとお尋ね申上げたいと思います。現在平衡交付金から補助金制度に変りまして、非常に感謝されているのでありますけれども、事実においてどうだろうかと思います点は、自己負担の保護費の負担のパーセンテージが七〇%の認定ですね。その認定が七〇%は出せるという認定と、実際の出して参りました姿とは、その間によほど食い違いがありますでしようか。
#31
○説明員(太宰博邦君) 先般全国からサンプル調査いたしました結果によりよすと、現在の実情は四〇%くらいが保護者から取れて、六〇%くらいが取れないということであります。
#32
○常岡一郎君 従つてそれの結果として現われて参りますのは、国家の補助金というものが、パーセンテージはきまつておりましても、事実において計算が非常に狂つて参るのじやないでしようか。その点はどうですか。
#33
○説明員(太宰博邦君) 御説の通り、計算の仕様によつては異なつて来ます。
#34
○常岡一郎君 計算の仕様と申しますと、どういうふうに、狂わない計算というのと、狂う計算というのと、どういうところが根柢が違うのでありますか。
#35
○説明員(太宰博邦君) 実はその点が問題でございまして、御案内の通り、保育所に子供を通わせます場合は、その保護者から負担できる限りは取る、そうして負担できない場合において初めて公けの費用で見るということであります。その場合に、予算面では、御指摘の通り七割が取れて三割が取れないという見込みで予算を組んでおります。現実は、先ほど申上げましたように、四割取れて六割取れないというここであります。その場合に、本人の保護者からどれくらい取るかということです。これはうんと厳しく取立てるということもできます。それから児童の福祉という面を強調して少く取るというやり方もあるわけであります。そのとり方如何によつて三割ということは可能であるというのが財政当局の今の見解でございます。私どものほうは、成るほどとり立て方が、徴収の仕方が適切でないものもあるが、併しながらそれを適正化する見通しも今の三割のあれでは足りない。だから結論においては必要額だけは足りないのだということを強調して、今折角折衝しておる最中でございます。
#36
○常岡一郎君 その場合に、もうすでに四月から支払つて参りました補助ですね。国の補助は八〇%来るのだという考え方の下に支払つて参りました。その場合に実際においてはそれが参りませんために、非常に困つてしまうという声を到る所で聞くんですが、そういう点について補正する途は何かお考えになつておりますか。
#37
○説明員(太宰博邦君) この問題は非常に重大な問題でございまして、私も相当の決意を以てやつておるわけでございますが、地方に対しましてもこの問題はそう簡単な問題じやないんでありまして、こちらも十分努力はしておりますが、併し地方も十分今日の国家財政というものを認識してもらつて、まあ人情としては誰も子供からその福祉のために金を取りたくはないだろうけれども、やはり適正なものは取つてもらいたい、その適正なものを取つてくれておるならば国はその後の面倒はみるということは申しております。従いまして今日地方においては当然適正な措置をとつてくれておるものと思いますが、若しここに何と申しますか、ルーズなことをやつておりましたならば、その分に関する限りはその地方が責任をとらにやいかんと思う。併しながら適正に措置をするということについては今後の認定の問題が残りますが、私大蔵省と折衝しております経緯におきましては、財政局はなかなかその認識がございません。ほんとうに適正にやつているならば今の予算で以て賄えるだろうというようなことを主張するので、今日までそれの点について、それではだめだという折衝をやつておる最中でございます。まあ事務的な折衝では非常に難関に今逢着しておるわけでございます。さようなことで実はこの春から手がけておつて今日までに至つたわけでございます。その間国は予算の認められた三割の範囲内で措置しておる。地方によつては足りない所が出て来ておると思う。これは非常にお気の毒で、何とかして早く解決したいと思うのでありますが、これは将来に尾を引く問題でありますが、ただ地方のこの苦しみを早く救つてやるということだけに夢中になつていい加減な折衝でこれは終りますと禍根を将来に残すものであります。私どもはその点については多少時期が遅れても十二分の折衝をしてこの機会に解決しておきたいというような気持で今やつておるわけであります。お話のように地方で困つているという声を聞いて心を傷めておるのでありまして、今日の段階ではもうちよつと待つてもらいたいということを申上げるよりほかないと思います。
#38
○常岡一郎君 その場合の適正の認定ですね、それを誰がやるか。例えば実際の衝に当ります市町村が認定の基本となるのか、国家が……、こういう問題が出て来る根本が……、誰が適正であるかないかを認定するのかという問題が根本ではないか。どちらが正しい、どういうふうにしようとそれを思つておるのですか。
#39
○説明員(太宰博邦君) これはまあ大変むづかしいところでございまして、国が市町村の取立て方が適当であるかどうかということについて、それを審して、国の補助金を出すということはこれはできると思います。併しながらその場合に国が一方的にこれを自分のきめた基準で以つてそれが苛酷であろうがやるんだということになりますると現実の問題としてとてもできない。そうすれば市町村が赤字を背負い込む、或いはその許された範囲内で以つて適当に処理するというようなことになつたのでは保育所の使命が没却されるわけであります。やはりかような問題は国もそれから府県市町村もお互いに納得したところでこれをきめて行かなければ問題は解決しない。かように考えておるわけであります。従いまして私どもはこの地方の人々の意見も聞きながら適正な基準を国が作り出すべく努力をして一応の試案はできたのであります。まあ財政当局との折衝にぶつかつておるというような段階でございます。
#40
○常岡一郎君 大変御苦心はわかりますが、国と市町村との責任のそうしたごたごたの問題のために置きざりをくつて誠にどうにもならない、現在入所を希望してやまない切実なる多くの児童があるということを深く考えますときに、一日も早くこの問題は解決してもらいたいと切に願うわけでありますが、この第二次補正予算にはこれは何かそれに対する適切な処置をとつておられますか。
#41
○説明員(太宰博邦君) 率直に申しまして第二次の予算には間に合いませんでした。
#42
○常岡一郎君 どうか一日も早く援助し、寸時もゆるがせにすべからざる問題がたくさんあるのでありますが、早く妥当な打開策を講じられますことをお願い申しまして質問を終ります。
#43
○委員長(堂森芳夫君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#44
○委員長(堂森芳夫君) 速記を始めて。この問題は本日はこの程度にいたしまして残りは次回に廻したいと存じます。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(堂森芳夫君) 次に派遣議員の報告を議題といたします。
 去る十二月一日にソ連の地域内からの抑留邦人の引揚が再開されましたので、十一月二十八日に成規の手続をとりまして厚生委員会から代表を派遣いたしますようにいたしまして、いろいろ在京の議員諸士に連絡をとつたのでございますが、どうしても連絡の都合が悪いものでありましたので、ただ私一人が代表として行つて参りました。二日の午前九時に東京に帰つて参りました。引揚者の出迎えに参りました私のほんの概略の御報告を申上げます。帰還者の内訳は一般人が三百四十九名、陸軍が四百四十九名、海軍が十三名、合計八百十一名でございます。そうしてこの八百十一名のうちで成年の男子が八百名、女子が九名、未成年の女子が二名、こういうような内訳でございまして、私も外地からの抑留者の引揚を出迎えに行くことがこれで四回でございますが、ソ連地区或いは中共地区からの引揚者の模様と今度は非常に違つた印象を私は受けました。詳しくは申上げることを差控えますが、非常に殆んどの引揚者の人たちが、喜んで手を挙げて万歳々々と、こういうような恰好で、出迎えの人たちに対して笑みを満面にたたえて喜んで帰国した、こういうような和気藹々たる帰還振りでございまして、引揚を終りましだ日の午後五時であつたと思いますが、援護局の大広間に引揚者の殆んど全部及び出迎えの家族或いは各府県から集まりました引揚促進の仕事に携つている人たち凡そ二千名ぐらいと思いましたが、集まりまして、彼らの意思によりまして、現在なおソ連地区或いは中共地区などにまだ残つている人たちが、一日も早く内地に帰還できるように今後一つの国民運動を展開して行きたい、こういう意図から大会を開きまして、その席上で衆議院の引揚対策特別委員会の委員長であります。山下代議士、それから参議院の代表であります私並びに衆議院の引揚対策委員会の理事である受田代議士、三名が国会の代表として挨拶をいたしました。詳しくは文書を以て報告書を書いてあるものがありますが、別に取立てていろいろと申上げることは差控えます。
 簡単でございますが御報告といたします。
  ―――――――――――――
#46
○委員長(堂森芳夫君) この引揚の促進の問題に関しまして、休会中の委員会においても議題といたしたことがございます。丁度外務政務次官並びに引揚援護庁の次長が来ておられまするので、時間もそうございませんが、できるだけ簡略に質疑を願いたいと思います。
#47
○竹中勝男君 たびたび質問をして恐縮でございますが、実はこの前の委員会で、この委員会が全会一致で新中国の紅十字の会長の李徳全女史を日本にお迎えするように、赤十字に対し、或いは外務省に対して御斡旋を願うという決議をいたしたのでございますが、その後の交渉の状態についてお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(小滝彬君) 紅十字の代表者を日本へお招きするということにつきましては、その後も葛西日本赤十字社副社長からお話がありましたけれども、費用の問題であるとか或いは旅程をどうするかというようないろいろな問題もあるようでございまして、今この問題について審議中でありますけれども、まだはつきりした結論に達していないのを非常に遺憾に存じますが、併しこの委員会の一致の御決議の次第もございますので、大臣ともよく相談いたしまして、できるだけ趣旨に副うように取計いたいと考えております。ただ目下のところはまだ案が具体化していないのでございます。
#49
○竹中勝男君 先ほどからの委員長の御報告にもありました通り、引揚促進の国民的要望が高まつて来ております折に、何とかソ連において或いは中国において、まだ多少残つたかたがおられるかと思いますが、少くともソ連における同胞を、こちらに、一人でも多く、一日も早く引揚を実現したいということは国民的な要望であると思います。これは実に切実なものがあると思います。そういう意味におきまして、中国の紅十字の李徳全女史のごとき人を日本にお迎えするということは、この問題をやはり打開する民間団体である赤十字は、唯一の両国、ソ連或いは新中国と日本との間に立つ団体でありますから、これは実に重大性を持つていると思いますが、どういう点が問題になつておるのでございますか、それがはかどらないということにつきまして、それをお伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(小滝彬君) これの趣旨が、最初は感謝の意味というようなお話もありましたので、感謝ということになれば、感謝の表示の仕方もいろいろあるのじやないかというような議論もございました。又時期についてはいつにするというようなこと、又先方では個人々々の帰国については引続き援助してやろうといういうに言つているのでありまして、これに対して、いや、この紅十字を招請することが条件であるのだというような一部の申入れがあるとかいたしまして、そうした面がまだはつきりしていないというような点もございまして、現在最後的な決定には至つていないというのが実情でございます。
#51
○竹中勝男君 これはなかなかむづかしいというようなお見通しですか、或いは近い将来において決定して、招請ができるというお見通しですか。
#52
○政府委員(小滝彬君) この辺非常に明快にお答えすることができないのを遺憾に思いますが、私個人といたしましては、できるだけこの点について努力をいたしたいと考えております。
#53
○竹中勝男君 これは皆さんの、この委員会が一つになつての希望なんであります。我々の希望の内容というものもすでに御了解であると私は思うのですが、そういう点について、なぜこれが捗らないかということが私はどうしてもわかりません。これだけ国民が要望していることを代表して、我々厚生委員会が決議をしてお願いしていることが、どうも内容がはつきりしない。従つてこれの見通しもいつ付くかわからないというのでは、委員会としては極めてこれは遺憾に思わざるを得ないと私は考えるのですが、どうですか。
#54
○藤原道子君 関連して、次官は大分まあ苦しい答弁をしていらつしやるのですけれども、次官といえどもやはり我々と同じ気持だろうと思うのです。ところが外務大臣はこれはもう呼ばないとはつきり言明しておられるように私は聞いておるのでございますが、率直にお答えを願いたいと思います。
#55
○政府委員(小滝彬君) この問題は人道上の問題であることは、私この当委員会においても申上げた通りでありますが、この紅十字の代表の来朝についてこれからも最善を尽したいと考えておるのでありますが、ただ次にどうして遅れているかということを重ねて御質問がありましたので、この委員会で重大な関心を打つていらつしやいますから、これまでの困難の例えば一例を申しますと、今度紅十字の代表を招くということになれば又ほかの国の代表も招かなけなばならない。いろいろ他との関連する問題も出て来ますから、そうした面について十分な我々のほうの取扱の心構えというものもしておかなければならないという点もある次第であります。但しこの問題は外務省の主管の問題ではございません。これは法務大臣が取扱つておられる出入国管理令に関する問題でございますから、その点は一つ私が責任者でないという点を御了承願いたいと存じます。
#56
○湯山勇君 委員長が今の決議を持つていらつしやつたときの話の模様をちよつと御報告頂きたいと思います。
#57
○委員長(堂森芳夫君) 非常に忙しかつたものですから、会つた程度でございまして、私又今日の小瀧政務次官のお話を承わつて、又再度お目にかかります。
#58
○湯山勇君 これは今もほかとの関連ということを次官はおつしやいましたですが、これは今度スポーツの選手なんかは、今日まだ国交が調整されていないうちから日本に来ることを認めたという発表がありましたね。御存じでございますか。
#59
○政府委員(小滝彬君) 存じております。
#60
○湯山勇君 それだと、これは今この前に次官がおつしやつた理由は、今の国交の関係で主としておつしやつたわけですね。そういうことは今のように本委員会の決議によつて国が呼ぶのじやなくて、日本の赤十字が赤十字の賓客として呼ぶのだという決議になつたわけですから、これはそういう団体が団体の賓客として、スポーツ団体がスポーツの選手を参加するために呼ぶのと何ら違いないと思います。これを新たなケースとしてお考えになるとむづかしいと思いますけれども、すでにあるケースであるという観点に立つてお考え頂けば、簡単な問題じやないかと思います。一つそういう点も含めて成るべく早く一つ御説明願いたいと思います。
 それからもう一つは、あのときに丁度あの日に中国から赤十字の代表が天津を発つことになつておるから、現在中国に残つておる人の引揚の状況については早い時期に明確になるという御報告があつたものだつたのです。それ以後その問題についてはどうなりましたか。これは援護庁のほうからになりますか、どちらからになりますか。
#61
○政府委員(小滝彬君) 私から実は御答弁申上げなければならん点をしたいと存じます。
 成るほどスポーツの代表者が世界連というのですが、国際スポーツ大会に来ることになるだろうということは承知いたしております。この赤十字の問題は費用の問題を結局国家が出さなければならんという問題もありまするし、そうした面もあるので、先ほど御注意がありましたように、一つ今後も法務省や又外務大臣と連絡いたしまして御趣旨に従うように最善の努力をしたいと思います。
 なお、先般申しましたように、こちらへ代表者が帰つて来られてから、更に具体的な様子もわかるだろうと申したのを私記憶しておりまするが、その後葛西副社長も見えて来ましたが、そのときにどうしても三団体のほうが約束したから、赤十字じやなしに、むしろ他の二団体のほうが声が強いかも知れませんが、他の係り等へ申出があつたというような点もあつて、多少そういう行き違いもあつたかに私了解いたしております。
#62
○藤原道子君 三団体から言われたかどうかは知らないけれども、あれは島津さんが直接向うへお約束されたのじやないのですか、私たちはさように解釈しております。
#63
○政府委員(小滝彬君) 私もこの席で葛西副社長がおつしやいましたときには、そういうように聞いたと思うのです。そういうつもりで話を進めかけておつたら、そうでなくて、アジア局長か出しました、部内の意見をまとめるのに他の二団体のことが非常に強く出ておりましたということで、こういうことは率直に申上げることは如何かと存じますが、私自身の取計らいとしては非常に困つたことを率直に申上げます。
#64
○藤原道子君 それは次官がちよつとお苦しい立場に立たれたかもわかりませんけれども、それは大きな人道上の問題だし、事実約束し、向うじやいろいろなものを持つて来ようというときに、仮に三団体の意見であつたとしても、三団体が引揚に別に阻害されたわけでもないし、その働きで引揚が大分運んだわけでございますから、いろいろないきさつもございまするけれども、この際首を長くして持つている家族のこともお考えになつて、一日も早くそうしたことが実現できるように、なお次官の私は御努力を特にお願い申上げたいと思います。
#65
○委員長(堂森芳夫君) ちよつと小瀧さんに、こういうふうに思うのですがね。日赤が責任を持つたプランを組んで、日赤だけのお客として呼ぶ、そういうことについて外務省、或いは法務省が非常に、まあそういうことはいろいろ意見はあるにしても、それで納得のできるように条件を付けて呼ぶというふうに一つ努力してもらえんですかね。
  ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#66
○委員長(堂森芳夫君) 速記を始めて下さい。
#67
○林了君 ちよつとお尋ねいたしますが、或る帰還者が収容所におつたときに、腸閉塞で非常に苦しんでおつた。ところがドイツ人の医者が日本人の抑留所におつて皆の健康状態を管理しておつたらしいのですが、或るソ連の少将がやつて来て、これは腸閉塞の患者だから犬を一匹もらいたい、犬を一匹もらえればその犬の腸を取つて移植して直したいのだと言つて要求したらば、飛んでもないことを言うなと、日本人の命より犬一匹のほうが大事だと言つたということをラジオでひよつと聞いたのですが、ああいうことをラジオで堂々と宣伝するということになると、残留者の帰還を心待ちに待つているところの家族が、果して次の帰還がスムースに行われるか行われんかということに非常に私は大きな影響を及ぼすと思います。なぜこれに対して外務当局なり、或いは引揚援護庁の人たちがこういうことに対してもつと厳重に将来のことを考えて、そういう放送陣とか或いはニユース陣とかいうものに対してなぜ手を打たなかつたか、私は非常にこれは遺憾に思うんだが、これに対しての外務政務次官及び引揚援護庁の次長の答弁を一つ私はお聞きしたい。
#68
○政府委員(小滝彬君) そのような放送が行われたということは、これは非常に遺憾でありまするが、御承知のように我々は放送を取締る立場でもありませんので、一般的に情報部あたりがだんだん啓蒙覇というようなことをすることは必要でありまするけれども、現在の所聞なりラジオの実情を見ますと、外交関係などにつきましても、或いはそういうことをしている人はその結果について十分認識しておらないかも知れないが、今おつしやるようなこれに類似したような問題は、我々もそれを見出しまして遺憾に思つておるところであります。併しどうもNHKといえども、我々のほうが放送内容に何とも容喙し得ないことがあるわけであります。外務省としては今後とも対外関係のあるような問題につきましては、十分必要な知識を国内に流すといいまするか、そのように努力いたしたいと思います。
#69
○林了君 今の政務次官の答弁は私は極めて不満であります。というのは、NHKとか、或いはそういうラジオの放送会社に対してそういうことを抑えるということができないという意見でありまするが、少くとも外務当局なり、或いはこの関係に立つているところの官庁の者が、こういうことについては厳重にそういうことのないように注意ができないというか、手落というものに対してこれを悔いない、或いはこれに対するところの措置というものに対して遺憾の意を表しないでおいてそういうことはできないという理由に対して、更に私は次官の御意見を伺いたい。
#70
○政府委員(小滝彬君) そういうことがあつたら非常に遺憾だということは先ず申上げておきます。措置としては先ほど申しますように、できるだけ必要なニユースを流す、啓発的な面を努力しようということを申上げた次第であります。
#71
○林了君 遺憾の意を表するということは、そういうことがあつて遺憾の意を表するという遺憾の意味は、私の言うことはそういうことに対しての、まあ新聞或いは放送陣に対しては我々としてもできないという気持が私は飽くまでも了承できない。それに対して十分な手を打つてもらいたい、或いは又打つておくべきはずであるということを私は次官に重ねてそういう忠告をしたい。
#72
○竹中勝男君 今赤十字の問題ですね、どうぞ一つここで決議した通り、次官に折衝する相手にはつきり取次いで頂きたいと思います。途中で何か三団体の方とかというふうな、我々の決議したものと違つたように若し報告されているんでしたら、それは決議録を御覧頂いて、書類に若しなつているんだつたらその書類はどういうふうになつているのか我々は知りたいと思います。
#73
○政府委員(小滝彬君) 決議は承知いたしておりますが、それに対する事実、どういう背景とかいうものについて御説明が日赤側からありましたものが事務当局のほうへ出ましたので、ただこちらではそれに関してはその資料に説明を付けなければならん。それから更にできるだけ決議の趣旨に副うようにいたしたいと思います。
#74
○竹中勝男君 それでは次回の委員会に葛西さんなり、日赤の代表をこちらに来て頂きたいと思います。それから引揚の日赤の社長が帰つて来られたら、一つこの厚生委員会で……。
#75
○委員長(堂森芳夫君) それは後ほど御相談申上げます。小瀧政務次官にお伺いいたしますが、詳細な何か文書が外務省に出ているはずでありますが。
#76
○政府委員(小滝彬君) 出ているはずであります。そういう点も今検討中であります。
#77
○藤原道子君 ちよつとお伺いしたいのでありますが、新聞で見るところによりますと、今度のソ連からの引揚者は大体縁故者があるから、援護等については心配がないというようなことがちよつと出ていたんですけれども、全部縁故者がありますか。縁故者がない人たちに対して、援護庁としての援護対策等をちよつとお伺いしたい。それからいま一点は、従来の中共から引揚げて来られた人たちの援護状況、これから寒空になつて参りますので、相当深刻なものがあるやに聞いておりますが、それらについての状況をちよつと簡単に御報告頂きたいと思います。
#78
○政府委員(田邊繁雄君) ソ連からの引揚者の援護、特に定着援護であります。大体我々の心組みといたしましては、住宅よりも就職ということに重点を置いて参りたいと思つております。中共の場合と違いまして、内地に縁故を持つている方が多いと想像しておりまして、現に舞鶴に行つていろいろ当つて見ますと、全部が全部縁故があるということではありませんけれども、縁故を持つている人が大多数であるということが言えると思います。勿論この中で行先のない人につきましては、我々としても然るべく住宅のお世話をしなければならんと思いますが、就職が心配でございます。まあ何と申しますか、内地での就職経験のない方、軍人さんが多いとか、或いは満洲、樺太においての就職経験はあるが、内地においてはない、而も八年間のブランクがございますので、その間一定の職業的な技術を身につけるために働いておつたというものではございませんので、白紙から出発せねばならん、その点は余ほど心配しております。ただ総体の数が少うございますので、国の職業安定機関なり、或いは地元々々の縁故者、或いは市町村長その他民生委員等が一人々々身を入れて斡旋いたしまするならば、数が少いのでこれは何とかできるんじやないかという気持がいたしております。労働者その他とも十分連絡をとり、又と都道府県に対しても愛の運動というようなものを呼びかけまして、できるだけ就職問題を解決するように努力したいと思つております。尤も中には相当の年寄のかたもございましようし、又年令的に申しますというと、一番就職のむずかしい時期にあるかたが多いのでございまして、まあこれらには厚生資金という制度もございますので、現在公庫から三万乃至五万円の金を貸付けておりますのですが、その余りも多少ございますので、これを全国に早く遺憾のないように配付したいと思つております。
 それから中共からの引揚後の状況でございますが、先ず就職状況についてでありますが、現在職業安定所でお世話をいたしましたパーセンテージは六五%ということにたつております。これが職業安定機関に申込みをされて、そして御斡旋をした数字でございます。そのほかに自分で就職されたかたも相当数あるようでございます。勿論これは就職の問題でございますからパーセンテージだけで一口には言えませんが、職業安定機関に申込をせずに就職されているかたがあればその比率に載つていませんので……。これはできるだけ今後就職のお世話に努力したいと思つております。ただ最初から自分の思うところに就職をするということは困難でございますから、最初はできるだけ手近なところから就職をして、それからだんだんと御自分の努力なり、或いは知人、近親者の御好意によつて希望の行くようにする、そうしなければ直ぐ右から左にというわけにはできないのでございまして、そういうふうに我々も考えて、就職するかたには申上げているわけでございます。
 住宅につきましては、都会がやはり住宅難でありますので、特に東京でございますが、中共からの引揚者の状況を見ておりますと、東京に集中する傾向が非常に顕著でございます。従いまして私ども東京都の住宅ということについては格別の考慮を払いまして、一時収容所に入つている方は全部住宅に困つておりますので、少くとも世帯持の方には住宅が提供できるように急いでおります。多分東京都に割当られた住宅は全部完成したと思つておりますが……。寮に入つている方では世帯持のかたは全部移つていると思います。なお若干余りもございますので、都内に定着されているかたで住宅にお困りのかたもその中に入ることができるようになつておると思います。なおソ連からの引揚がありましたので、それをプラスいたしまして、これは若干、この前割当いたしましたのがまだ若干残つておりますので、それも合せて、今後ソ連からの引揚の状況を見まして全国に住宅の割当をいたしたいと思つております。又予想通り樺太からの引揚がございますが、
 これは北海道、東北六県に定着するようでございまして、従つてその状況を睨み合せまして善処、措置いたしたいと思つております。
#79
○横山フク君 ちよつと関連して。今東北六県のお話がございましたけれども、この間藤原さんが東北に行きましたときに、秋田県で引揚者住宅の割当がなくて、この寒空に向つて非常に困つているというお話がございましたのですが。
#80
○政府委員(田邊繁雄君) 実は中共からの引揚者を迎えまして、我々が用意しました住宅の戸数は三千五百戸ぐらいでございます。これは三万人といたしまして一万世帯といたしましても非常にいい率でございます。従来とは比べものにならない高い率でございます。それで私どもが各戸に割当をいたしましたのですが、これは住宅困窮の程度が問題でございまして、一般人の住宅困窮者に比べたら中共からの引揚者に対するものは非常にいい、いいのにはきまつていますが、これは勿論万全とは言えませんけれども、それよりも一般国民で住宅に困つている方が非常に多いわけでございます。これはまあ我々のほうの応急対策で以つてとりあえずどこかに入れる。これは一時寮というのがございまして、一応そこに移して落着かせるわけでございますが、そこへいつまでも置くということはできませんので、応急的な引揚者の住宅に入れる。その他の問題はやはり公営住宅という点を強化して頂く。幸いこれは御承知と思いますけれども、引揚者住宅は発展的に第二種公営住宅となつております。これは補助率も高いし、若干規模も小さいが、そういうことで第二種公営住宅を建築しておりますので、これも厚生省の社会局と建設省と共管でやつております。これをもつと殖やすなり何なりして、一般的な問題として住宅に困つておる方には低家賃で入れるように研究して行きたい。で、まあ非常に困つているかたがた、特に行き先のないかたがたには少くとも東京都に関する限り全部解決しようと思つております。
#81
○横山フク君 私は今日こういう問題が出ると思わなかつたので資料を持つて来ませんでしたが、この前のときに一応各府県に引揚者が落着いたらその落着いた県に、その落着先のわからないのにその金を流すわけに行かないので、一応落着先に落着いたらその落着いた県に割当てて住宅のほうの資金を流すというふうなお話があつたと思いますが、それが秋田県のほうではまだ流れていないという話を聞きましたが。
#82
○政府委員(田邊繁雄君) これはいつまでも待つわけに参りませんので、時を見計らつて、そう引揚が一遍にあるわけではございませんので、適当な時期に区切つて住宅の割当をしよう、それで三回に分けてやつております。第三回目を最近割当てたわけでございます。
#83
○横山フク君 最近といつていつ頃でございますか。
#84
○政府委員(田邊繁雄君) もう一と月くらいになりますか、割当をしまして。
#85
○藤原道子君 それ、この間私たちが行つたあくる日ですか、来たそうですよ、来たけれども数が少し足りない、こういうことを言つておりました。数が足りないということと、もう一つは最初の予定よりも価格が上つて来たでしよう。それでああした冷害等を受けた県においては非常に困難をすると言われておつたが、それらも本省ではこれは考慮して欲しい問題だと思う。
 今一つ伺いたいのは、ソ連から帰つた人はあれですか、健康状態はいいのですか。
#86
○委員長(堂森芳夫君) 病人は三十九名でしたか居られたということですが。
#87
○政府委員(田邊繁雄君) これらは今ちよつと、後ほど詳しく調べまして。ただ総体八百十一名というのは変りはございません。これは女のかたは、委員長でしたか、さつき九名と言われておつたと思うが、これは十名でございます、これは後でわかつたのですが。それから子供二人は正式の引揚者のなにに入つておりません。従つて引渡人員は八百九名でございます。これはあの高木団長の引渡書にはつきりと記載されております。それから子供二人は引渡済になつて母親の名前の下に括弧をしてわかるようにしておりました。そしてこれは八百九名のうちで軍事俘虜と地方人に分けておる、軍事俘虜四百二十名、地方人三百八十九名、そういうふうに分れておる。軍事俘虜というのはこれは軍人が主でありますが、一般人も混つておる。それで私のほうで昨日までに帰つて来た人の身分を調べますというと、軍人、軍属が四百三十四名なつておる、日本側の調査でございます。一般邦人が三百七十七名、婦人、子供は全部この三百七十七名に入つております。これらのかたがたが出発した場所は樺太、それからハバロフスク、それからタイセツト、クラスノヤルスク、十七カ所から帰つて来ております。ソ連本土からの集結は七月十七日、それから樺太からの集結は七月二十日になつております。大分前に集結になつております。援護業務が非常に順調に行われておりますし、残留者乃至は未帰還者の調査についても非常によく協力されております。病人が最初三十七名の入院患者があるということでございましたが、できるだけ手厚く取扱うようにいたしておりまして、軽症患者でも入院したほうがいいということで、現在四十三名になつております。外見は風呂なんかに入つておりますので割合逞しいのでございますが、医学的に見ると少し浮腫があるのじやないかというようなことを言つておられました。顔色も余りよくございません。そんな状況でございまするので、胸のほうの病気が心配されまするので、全員のレントゲン検査をいたしておりまして、それぞれ各地に連絡がつくようにいたしております。帰つても来たかたがたはさつきの御報告にもありましたように非常に感激しておりまして、自分たちだけがこういう仕合せな幸福に浸つておるのは相済まん、残つている人たちにも早くという気持から、引揚促進であるとか未帰還者の調査ということについては自分たちの仕事として自発的に取上げられております。非常にいろいろな成果を挙げることが期待されております。
#88
○委員長(堂森芳夫君) では委員会はこれにて散会いたします。
   午後四時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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