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1953/12/01 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 本会議 第2号
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1953/12/01 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 本会議 第2号

#1
第018回国会 本会議 第2号
昭和二十八年十二月一日(火曜日)
   午前十時十五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第二号
  昭和二十八年十二月一日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、国務大臣の演説に関する件。(第二日)
 昨日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。菊川孝夫君。
   〔菊川孝夫君登壇、拍手〕
#4
○菊川孝夫君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、昨日行われました吉田首相の政府の所信に関する演説及び小笠原蔵相の財政演説を中心として、最近における政府の施政について、首相以下関係閣僚諸君に質問いたします。
 このたびの臨時国会は、人事院勧告に基く給与改訂と仲裁裁定実施等の労働問題が当面の緊急議題になつておりますので、この問題から伺いますが、人事院勧告は国家公務員法の定むるところにより、仲裁裁定は公共企業体等労働関係法の規定に従つて、それぞれ出されたものであるが、政府の取扱い方を見ておりますると、この二つの法律の立法精神を曲げて解釈しているようでありますから、首相はこの二つの法律の立法精神を如何に解釈しておられるか、お伺いいたしたいと思います。労使の紛争はできるだけ平和的に解決されまして、産業の平和が維持されることが望ましいことは申すまでもございません。平和的解決をしようといたしましたならば、労働協約の遵守であるとか、或いは労働委員会の活用、調停、仲裁制度の確立等、労使間の国際的なルールを双方が忠実に履行する慣行をつけて行く以外にはないのであります。この国家公務員法と公共企業体等労働関係法は、国家と国家公務員、公共企業体と職員といつた特殊な労使関係に鑑み、その紛争を極力平和的に解決する目的で制定されたものであります。制定当時、この法律起案者はこのように説明いたしておるのであります。「国家又は公共企業体を例えばAのチームにすれば、公務員の組合又は職員の労働組合はBのチームに当る。丁度ベースボールのゲームのように業務を行なつているのであるが、その道程で、両者の間に、アウトである、或いはセーフであるという点で意見が対立して紛争が起る。その場合、従来はストライキという直接行動に訴えておつたが、それではゲームそのものの進行がとまり、一般の国民に迷惑がかかることになるかも、人事院及び仲裁委員会というアンパイヤー制度を設け、その判定には両チームともに従うことにしたならば、ゲームもスムーズに進行し、国民に迷惑をかけることがない。」極めて軽妙な表現でありますが、立法精神を率直に説明しておると思います。審判の判定は厳格に守るのでなければ意味がございません。これはわかり切つた話でありまして、従来とかく論議の対象になつたのは、占領軍当局内部の民政局対経済科学局の内部抗争を政府や与党が利用いたしまして、問題を必要以上にこじらせたからであります。然るに、今日なおこの悪い前例を盾に、一部実施だと強弁しておりまするが、審判の判定を一部だけ従うなどということはあり得ないことであります。仲裁裁定を審判の判定として受取るルールは、米英等の労働運動の先進国におきましては、つとに採用されているところであつて、国際的な慣行であるが、我が国においてもこの慣行を打ち立てて、産業の平和を維持することに賛成であるか、それとも、そんな御意思がないのか、はつきりと総理からお答え願いたいと思います。
 次に労働大臣に若干法律的な点をお聞きいたしますが、先に述べました立法精神に照らしてみても、又、公労法第十六条を素直に読んでみましても、仲裁裁定については、当事者は勿論、当事者と密接な関係にあるところの政府も、その内容について異議を言い得る筋合いのものではなく、これが実施のために所要の手続をとらなければならないのであります。所要の手続とは、予算がない場合は、補正予算案を編成し、国会の議決を得る手続をとり、国会におきましても、裁定の内容を審議するところの権限があるのではなくて、出された補正予算案が国の一般財政状態と睨み合せて妥当であるかどうかを審議する権限のみを持つておると信じます。それは「これを国会に付議して、その承認を求めなければならない」と規定されておることで明らかであり、「政府を拘束するものではない」とあるのは、補正予算案が議決されるまで或いは削減若しくは否決されたような場合に、支払う義務がない、いう、暫定的な免責条件に過ぎないのであります。これは、終戦以来、中央労働委員会の会長又は初代公共企業体仲裁委員長として長く労働問題と取組んで来た故末弘博士を初め、殆んどすべての労働法に関係を持つておる学者の一致した意見なのであります。ところが昨日提出されました第二次補正予算案を見ますると、八月から実施するよう指示してある裁定を明年一月から実施する予算しか盛られていません。これは明らかに公労法を蹂躪するものであり、予算編成権を濫用した政府の越権行為であると断定せざるを得ないのであるが、労働大臣の明確な御答弁を求めます。
 公共企業体等労働関係法は、明らかに争議行為の禁止と仲裁裁定の履行という二つの支柱によつて支えられて、公共の福祉を守ろうとしておるのであるから、そのいずれかが蹂躪されたときは、他の一つは意味のないものになつてしまいます。従つて第二次補正予算に示すごとく、政府が仲裁裁定の完全実施に誠意を示さず、一部実施で押し切ろうとするような場合には、相対的に、組合側といたしましても、争議行為の禁止条項を一部だけ守ろう、そうして少しくらいやつてもいいという自由を留保できると思うが、労相の所見を伺いたいと思います。
 昭和二十四年に公労法が制定されまして、仲裁裁定を完全に実施しなかつたために、世論の上からも法律論的にも常に政府は窮地に追い込まれて参つたので、翌年、当時の池田大蔵大臣は、窮余の一策として、予算総則の中に給与総額なる枠を無理に設けまして、これに対抗して来たのであります。今国会で提出されている八つの仲裁裁定の六つまでが、やつと、漸くこの給与総額のみを口実としておる始末であります。これも法律論では極めて無理があつて崩れて来ておるので、小坂労働大臣は遂にこの公労法そのものを改悪しようと企図しておると聞きまするけれども、如何なる改悪を企図しておられるか、その構想を明確に承わりたいと思います。
 労働運動は弾圧すれば尖鋭化し、極めて陰惨なるものになつてしまいます。又労働者の立場を尊重して、これに積極的に協力を求めるという態度に出ました場合には、穏健になり且つ明朗なものになつて来るのであります。この労働運動の国際的な慣行でありまする仲裁裁定くらいは、余り紛糾をさせずに素直に実施すればいいのに、それをやろうとしないのは、それだけの理由があると思います。それは日本経済全体が今やパターか大砲かという壁にぶち当つて苦悶しつつあることを雄弁に物語つておると思います。我々はこの際、先ず敢然としてパターをとり、仲裁裁定、人事院勧告の完全なる実施を要求するものであります。
 次に私は、首相が議会主義について如何なるお考えを持つておるかお伺いいたしたいのであります。首相はたびたび本院で同僚議員の質問に答えて、「憲決は改正しない。又改正する意思はない」と言明し、時には老いの一徹さから、顔色を変えて噛んで吐き出すように答弁をされたのであります。(拍手)ところが国会の休会中に、ひそかに法制局長官に命じて改正草案を作らせたり、或いは自由党内に再軍備のための憲法改正調査会を設置する条件で、分自党の一部を吸収しました。改正する意思がないのに、草案を作つたり調査会を設けるはずはありません。国民は一体どちらが首相の本心であるか、国会の答弁を何と心得ておるかと、極めて厳しい批判を浴せています。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)いやしくも総理大臣の要職にあるところの政治家が、国会の答弁と全く正反対の行動をとるがごときは、議会主義の本義を紊る、これより甚だしきはないと思います。(拍手)たびたび国会で行なつた「憲法は改正しない。再軍備をしない」という答弁は、嘘であつたのかどうかお伺いいたしたい。若し嘘でないとしたならば、心境の変化か、それとも内外の情勢からその必要を認めるようになつたのか。いずれにいたしましても、その事情を明らかにせられたいと存じます。(「やめることだよ」と呼ぶ者あり)
 国会の分野は飽くまでも選挙によつて決定されるのが議会主義の原則であることは、今更多言を要しません。ところが、旧帝国議会時代に、政権、利権、黄白を追つて、あまたの政治家が選挙の結果を無視して離合集散し、ために政界は腐敗し、遂にフアッシヨに道を開いたのを思い起すときに、何か我々は不吉な予感に襲われるのであります。曾て又、床次竹二郎氏が政権の夢を追つて政界を夢遊病者のようにさまよつたときを髪髴とさせるものがあつてひとしお、その感を深くいたします。而も民族の命運をかけた憲法改正の問題がその具に供されているのを見るときに、断じて看過できないのであります。首相は今後、このような非近代的なやり方で多数派工作を繰返し、憲法を改正し、再軍備するつもりであるのか。このような方法が政局安定の最善の策とお心得になつているか。はつきり御答弁願いたいと存じます。
 首相の動きに符節を合せまして、十一月十九日、たまたま来朝中のニクソン・アメリカ副大統領が日米協会で演説を行い、一九四六年に確かに間違いを犯したのだと言つて、日本に、憲法改正、再軍備を強要するがごとき態度をとりました。ニクソン演説に対し、率直でよいといつた迎合的な意見も極く一部にあるようでありまするけれども、内政干渉だとする反撥が極めて強いものがあることは見逃すことはできません。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)いやしくも一国の憲法が間違つて制定されたり、簡単に改正を強要されては、されるほうこそ、いい面の皮であつて、たまつたものではありません。而も又八年後に、あれは間違いであつたと強要されないと、誰が保証できましようか。憲法改正、再軍備について、アメリカからどのような圧力が加わつて来ているのか。又、首相がニクソン氏に何か言質でも与えたのか。首相の口からはつきりとお聞きしたいのであります。
 次にMSA受入問題についてお伺いいたしますが、これはアメリカが日本に向つて、MSA援助というきび団子をやるから、シベリヤの赤鬼退治が始まつたらお供をせよと言つておるの中あります。きび団子には多少の甘味があるのは当り前で、この甘味に朝鮮特需で味をしめた軍需資本家が目を付けて騒いでいるのがMSAの実態だと思います。(「甘味なんかないぞ」と呼ぶ者あり)併しMSAは決してそんな甘いものでないことは、過般の池田・ロバートソン会談を通じて首相も痛感されたことと思います。仮に、地上軍三十五万、海空各十万という厖大な要求を断わつて、地上軍十八万で話合いができたとしても、年々二千億以上の財政支出を必要とし、ために財政は破綻に瀕し、国民は塗炭の苦しみに呻吟しなければなりません。そして極く一部の軍需資本家だけがMSA太りをする結果になります。絶対に相容れない軍構と国民生活の問題を首相は貧困なる日本経済でどう捌いて行こうとしているか、その構想を承わりたいのであります。
 又MSAを受入れて自衛力漸増の名の下に再軍備を強行するのは、ニクソン氏やダレス氏が強調している「民主主義国家群の軍事力か優位性を保持しておれば、クレムリンは戦争をしかけて来ない」という、いわゆる力の平和の一翼を担うのであるから、ソ連、中国を刺激するのは必至であり、不測の事故が起つたり、圧迫や、いやがらせをやられた場合には、如何に対処しようとするか、お答え願いたいのであります。特に、万一、米ソ間に最悪の事態が発生した場合を想定するとき、慄然とするのであります。首相は仮定の問題には答えられないと逃げるかも知れんが、政治の要諦は常に最悪の事態に備えることだと信じます。我々は、それが米ソいずれの側から来たものにせよ、憲法改正、再軍備の要求、圧迫に対しては、敢然と国民的レジスタンスを展開するであろうことを明確にして、首相の反省を促す次第であります。
 次に、小笠原大蔵大臣にお尋ねいたしますが、第二次補正予算の骨格は、消費者米価及び郵便料金、鉄道運賃等の引上げを見合いに、人事院勧告、仲裁裁定を明年一月から実施し、期末手当の繰上げ支給分〇・二五カ月を補填し、公務員の勤勉手当〇・二五カ月分を追加計上しているのであります。その内容を検討してみると、給与改訂には定期昇給額を改訂額として見込んであり、地域給を五分切捨て、形式的に数字の辻褄を合せたものであります。而も半面において消費者米価を一一%強も引上げ、鉄道運賃、郵便料金等の値上げをやれば、必然的に一般物価に反映し、直ちに勤労大衆の生活に撥ね返つて来るから、このくらいの給与改訂は忽ち消されてしまつて、逆に家計の赤字を累増することになることは、火を見るよりも明らかであります。このようなからくり予算の編成を余儀なくされたのは、何と申しましても、日本の経済が、国民生活か再軍備かという課題に直面して苦悶していることを雄弁に物語つていると思います。
 蔵相に答弁願いたい第一点は、自衛力漸増に伴つてあなた方の言う自衛力漸増に伴つて生ずるところの財政的な破局を、あなたはインフレによつて切抜けようと考えておられるように思うのでありますが、そのように解釈してよいかどうかという点であります。
 第二に、貿易の振興を力説せられる蔵相の言明に反しまして、対外収支の帳尻は悪化の一途を辿つておりますし、特需に支えられながらも手持外貨をどんどん食いつぶされておりますが、インフレの高進によつてますます甚だしくなると思われますが、その打開策を承わりたいのであります。
 第三に、現在国内物価の対米比率から見て、三百六十円レートは実質的には五百円くらいになつていると言われておりますが、この財政方針では、如何に蔵相が通貨の安定を説き、レート維持を言明しようとも、維持困難になると思われますが、蔵相の所見をお伺いしたいと存じます。
 第四に、先般、税制調査会から減税に関する答申が総理大臣に提出されましたが、明年度はMSA受入れに伴うところの再軍備費の膨脹によつて、減税どころか、むしろ逆に増税しなければならなくなることを恐れるものであるが、この問題を如何に処置しようと考えているか、御所見を承わりたいと思います。
 第五に、地方公務員の給与改善は、地方税の自然増収によつて、所要経費の一部を賄えると言われるが、数次に亘る風水害及び冷害によつて、地方の財源は甚だしく枯渇していると思うのでありますが、若し賄えない場合は政府で何らかの処置を講ずるお考えであるかどうか、承わりたいと存じます。
 蔵相はこのような投げやり的補正予算を編成して、財政インフレに拍車を加えておきながら、一方において日銀総裁をして金融引締めを行わせているが、これは、右手で労働者を苦しめ、左手で中小企業家の首をしめるに等しいものであります。日銀の高率適用制度の強化で、市中銀行の融資は大企業に偏重して来ることは明らかであり、又・大企業は金融引締めの犠牲を中小企業にしわ寄せして、長期手形が横行することは必至であります。商工中金に対して新たに五十五億の国庫指定預金をする等の、昨日の言明による年末金融対策では、焼石に水であろうと思います。蔵相はこの問題をどう処理しようとするか、お伺いしたい。
 又、すでに今日でさえも日銀支店長は曾ての軍管区司令官のようだと言つて、日銀横暴に対する批判が厳しいが、金融引締めによつてますます甚だしくなると思うが、蔵相はこの点を如何に是正して行こうとするか、お考えを承わりたいと思います。
 最後に、綱紀問題について首相に質したいのでありますが、吉田内閣五カ年間における大きな失政の一つは、社用族を横行さしたり、公用族を跋扈跳梁させたことだと思います。後世史家は昭和の田沼時代として特筆大書するでありましよう。失業者は、潜在、顕在を含め七百万を超えると言われ、生活苦のために親子心中した新聞記事が跡を絶たない半面、官庁の汚職事件が次から次へと摘発され、冷害に虐げられた農民が娘を売らなければならないところまで追い込まれておるのに、高級料亭の門前には自動車が列を作り、ゴルフ場はアメリカ人でさえ驚くほど繁昌している。この明暗二重奏はまさに末期的症状だと言つて差支えありません。これら社用、公用族の濫費は年間三千億を超えると推定されています。そうして閣僚の中にさえも、先には大橋武夫氏の二重煙突事件があり、今又霊友会の名刀事件で木村保安庁長官に検察当局の手が伸びようとしているのであります。又、保全経済会の献金が明るみに若しも出たとするならば、多数の政治家の身辺が危うくなつて来ると言われております。このような社会的な矛盾をきれいにし、粛正するのは、政治家の責任であると考えますけれども、首相はこういう状態をますます助長しようとするのか、これに対して何らかの対策をお考えになつておるのか。この席から国民に向つてその所信を明らかにされんことを要望いたしまして、私の質問を終りたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。
 労働問題についてお尋ねがありましたが、政府としては、労使協調といいますか、互いに話合いによつて最もスムーズに話合いが付くことを希望しておると同時に、(「話合つていない」と呼ぶ者あり)労務者も資本家も互いにその立場を尊重して、そうしてただ一方の立場のみを強調しないようにしてもらいたいものと考えております。
 憲法改正の問題については、私がしばしば申す通り、憲法のごときは軽々しく改正いたすべきものではない。故に、今日、政府としてはこれを改正する考えはありません。併しながら、憲法の問題は重大問題でありますから、絶えずこれに対して研究をするのが当然でありますが、改正をする考えはないのであります。
 次に、ニクソン副大統領の演説でありますが、これは私は批評いたしません。又批評いたすべき筋合いでないと思います。但し憲法改正を強要されたり、又MSA援助に関連して再軍備を強要された事実はありません。(「あるぞ」と呼ぶ者あり)
 又、政府として、社用族、公用族等を奨励すると言われましたが、こういうような考えは持つておりません。
 汚職問題については、若し汚職問題があれば、政府は厳然としてこれを処罰いたします。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(小坂善太郎君) 最初に労働問題の基本方針についてお尋ねがありまして、総理からもお答えがありましたが、労働問題は国民のすべてに関係のある問題でございまするから、国民の良識によつて判断処理さるべきものであると思います。そういう考え方から、私は総理がお答えになりましたその線で、而も輿論の良識が納得する線が労働問題の解決点である。こういうような方向で考えたいと思います。
 次に仲裁裁定についてお尋ねがございましたが、予算上資金上不可能な支出を内容とするものにつきましては、これは政府を拘束するものでないことは、御指摘の通り、又そう書いてある通りであります。そこで政府といたしましては、財源の関係、或いは財源のないところに無理に財源を求めますれば、インフレを派生して、却つて実質賃金の減少を来たすことになるのでありますから、そうした点を考慮して、最大限の努力を払いまして、一月から新ベースを実行することを考えまして、国会の御審議を煩わすことといたしておるのでございます。仲裁裁定の決定も、国会の予算審議権を拘束するものでないことは、これは御承知の通りでありまして、さよう御了承を願いたいと思います。
 更に、政府が仲裁裁定の一部を実施する場合には、組合も争議行為の禁止について、これを完全に遵守する必要はないと主張し得るというふうな見解もあるがというお話でございましたが、公労法の規定に従いまして、予算上資金上不可能の支出を内容とする裁定は、今申上げたように、国会の予算審議権を尊重する建前から、これを国会に付議することが公労法の第十六条に規定されておるのでありまして、若しその承認を頂きまして、その結果、今、政府が考えておりますように、一月から実施、即ち裁定が一部しか履行されなかつたといたしましても、そのことの故に職員の争議行為の禁止が解除せられるものでないということは当然のことと考えるのであります。若しそのような、只今菊川さんの御紹介のような考え方を若し持たれる方がありましたならば、国民の信託を受けてこの仕事に従事しておられるという立場から、どうか軽挙妄動されないように御注意を賜わりたいと思います。(拍手、「軽挙妄動とは何だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 更に公労法の改正につきまして御意見がございましたが、公労法は、御承知のように占領中の立法でございまして、いわば翻訳立法とも申されておるのであります。非常によいところもございますが、国情に適せざる点もございまして、その点について各種の御批判、御意見があるのでございます。政府といたしましては、こうした御批判、御覧をいろいろ承わりまして、目下慎重に検討いたしておる際でございます。
 以上を以て御答弁といたします。(拍手)
   〔国務大臣小笠原三九郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(小笠原三九部君) お答え申上げます。
 自衛力漸増に伴つて漸次インフレに持つて行くのではないかというようなお話がございましたが、自衛力漸増も、我が国力、財政力に伴つてこれを実行することであり、断然インフレ等に持つて行くものではございません。
 なお、貿易の振興打開策等についてお話がございましたが、これはしばしば申されておるごとくに、一方には経済外交の強化、特に東南アジア等に対する賠償その他の問題の打開によつて、こういうことをだんだんと実行して行くことに努め、又国内においては、でき得るだけ生産コストの切下げ等を行なつて、そうして輸出競争力を増加する等、各般の措置を講じて貿易の振興を図りたいと考えております。
 更に現在の為替レートは弱いではないか、これを変更する考えはないかということでございましたが、現在の為替レート一ドル三百六十円は、これを変更する考えを断然持つておりません。
 なお、税制調査会の答申についてのお話がございましたが、この税制調査会の、一部のものに対して減税を行い、他に奢侈税その他のものについて新税若しくは増率等を行うことについての問題につきましては、通常国会までに案を得て御相談申上げたいと考えておる次第でございます。これらの意見についてはこれを尊重する考えでおります
 地方公務員の給与改善の問題について御質問がございましたが、これは書いてあります通り自然増収もございますので、それによるのが主でございますが、足らざるところは、今度も出しております通り、地方財政平衡交付金の処置をとるのであります。
 日銀の金融引締めが中小企業にしわ寄せされるのではないかというお話でございましたが、日銀も又中小の金融については相当努力をいたしておるのでございまして、さようなことはございません。なお、年末金融等についての各般の措置は昨日申上げました通りであり、更にこの上とも必要に応じて適当な措置をとる考えであります。
 なお、日本銀行が権力化してしまつて、軍管区司令官のような傾きがあるのではないか、こういうお話がございましたが、日本銀行は申すまでもなく、日本の通貨金融の中枢機関として、国民経済の発展のためにこれを使命といたしておるものでございまして、私どもは、それがさようなことをいたしておるとは毛頭考えておりません。又政府といたしましては、厳にこれを監督し、その中立性と適正なる機関としての働きを期待しておる次第でございます。(拍手)
   〔菊川孝夫君発言の許可を求む〕
#8
○議長(河井彌八君) 菊川孝夫君。
   〔菊川孝夫君登壇、拍手〕
#9
○菊川孝夫君 小坂労働大臣に重ねてお伺いいたしまするけれども、国会の承認を求めなければならないというのは、その仲裁裁定を実施するために承認を求めなければならないはずである。承認を求めるのに、これを承認しておらないというような承認の求め方は、法律にはたくさん「承認を求めなければならない」という字句があるけれども、そんなやり方をするのは一つもないのであります。例えば、条約を締結して承認を求めなければならないとあるような場合に、条約を承認しておりませんという提出の仕方がございますか。これは明らかにあなた方は公労法を曲げて解釈しておるのであります。(「その通りだ」と呼ぶ者あり、拍子)
 次に、国会の審議権でありまするが、仲裁裁定の内容そのものを審議するというのでありましたならば、これは必要はございません。仲裁委員会の必要はない。すべて国会でやつてしまえばいいのであります。而も国会にはそんな機関はまだ設けられておりません。従いまして内容そのものを審議するのではなくして、予算を付けて来たら、その予算についての審議権なのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)従いまして、若しも国家の一般財政上この支出はいけない、こういう予算の編成はいけないと国会は思つたならば、削減する場合もありましよう。易いは否決する場合もあり得るのであります。ところが、その手続をしてないところに問題があるのであります。今日までそれをしようとしない。而も立法当時にはそういうやり方をするからと言つて労働者に約束をしているのであります。只今は現役を去りましたけれども、当時のこの責任者であつた労働省の労政局長の賀来才二郎君が、労働組合の代表全部を集めて、こういつた説明をして納得させておるのであります。ところが、それを一回もされないところに問題があるわけであります。これは明らかに、公労法の違反行為というものにつきましては、いわゆる争議権の禁止を犯した場合にでも、これは馘首されるとあるだけでありまして、如何なる法律を犯しましても、科料に処す、罰金に処すというような条項がある。ところが公労法には馘首されるものだというだけの罰則以外にはないのであります。これを見ましても、労働組合というものはストライキをやるのだ、やるものであるという前提に立つてこの法律は立案されている。併しながら、公共の福祉を守るためにストライキはやめよと言つているのでありまするから、その反対給付たる仲裁の裁定がなされて、完全に実施されてこそ、初めて意義があるのであります。従つて仲裁の裁定が出されてしまつたならば、もう政府も所定の手続を国会に出して、その予算審議だけを見守つていればよい。又、労働組合側もその予算審議が如何に国会でされるかということについて見守つて、陳情なり請願をして静かに見守つていればよい。こういう状態まで一日も早く持つて行かない限りにおきましては、如何にあなた方が、労働組合側の立場を尊重するのだ、或いはその協力を求めるのだ、健全なる労働運動の発展を望むのだと言つても、百年河清を待つがごとしであります。従いまして、この点についてもう一遍はつきりと再答弁願したいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
#10
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えをいたします。
 何か個人の名前を挙げて意見を発表されましたが、政府としてそのような解釈をとつたことはございません。公労法第十六条につきまして、予算上資金上不可能な支出を内容とする如何なる裁定も、その場合、協定と書いてございますが、政府を拘束しないということになつております。従いまして、仲裁委員会の裁定というものは、これはいわば喧嘩の仲裁でありまして、二者間の意見がまとまらない場合に裁定をする。その場合、国家財政というものに対しての考慮ということは実はなされておりませんので、そうした立場から、政府の予算上資金上不可能であると認めた場合には、これを国会に付議いたしまして、国会の御審議を煩わすわけであります。この場合、仲裁委員会の裁定というものが国会の予算審議権よりも高度なものであるということは考えないのでありまして、国会の予算審議権というものはすべてに優先すると考えるのであります。そういう考え方からいたしまして、この仲裁裁定につきまして、政府の判断いたしましたところのもの、即ち予算上資金上可能なる限度の内容というものを盛りまして、国会の予算審議権を尊重する建前から御審議を煩わしておるものでありまして、この政府の態度につきましては、これは従来一貫しております。そうしてこの問題につきましては、私は何ら間違いはない、こういう以外にないと、かように考えておる次第であります。(「ごまかしてるぞ」と呼ぶ者あり、拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(河井彌八君) 梶原茂嘉君。
   〔梶原茂嘉君登壇、拍手〕
#12
○梶原茂嘉君 私は、昨日の当議場におきまする総理大臣の施政方針演説に関連いたしまして、吉田総理及び関係大臣に対し若干の質問をいたしたいと思うのであります。
 総理は昨日の演説の冒頭において、ニクソン米国副大統領の来訪が日米両国民の理解を深める上において意義極めて多かつたと信ずる旨を述べておられるのでありますが、私も、副大統領が来朝されて両国間の国交が厚きを加えましたことについて、同氏の労を多とするものであります。ニクソン副大統領は、その演説において、先ほど菊川君が指摘されましたように、一九四五年及び一九四六年において、アメリカは一つの過誤、過ちを犯したということを表明せられておるのであります。これは日本の非武装化の措置及び我が憲法の戦力放棄の方針に関する事柄でありますることは、これは明らかであります。ニクソン副大統領の意図は、過去におきまする過ちを率直に認めてこれを改め、そうして我が国の急速なる戦力の増強を要請するにあつたことと思うのでありますが、ニクソン副大統領のこの見解が、過去において犯した誤謬を、誤謬と同様に将来において再びこの過ちを繰返す結果とならないということは、アメリカ自身も恐らく保証し得ないところと思うのであります。私は日米両国の関係を、(「アメリカの玩具じやないよ」と呼ぶ者あり)今後一層厚くするということについては、賛意を表する一人であります。更に、独立日本の安全を守る上において、我が自衛力の妥当な増強を必要とするということを肯定するものであります。併しながら、これは飽くまで独立国としての我が国の独自の判断に基礎を置くべきものであり、アメリカの現当局の見解やその要請によるべきものではないことは当然と考えるのであります。ニクソン副大統領の来朝、MSA交渉の種々の経過等に関連いたしまして憲法改正の問題、自衛戦力増強の問題が或る形をとつて具体化せんとする段階に当面しつつあるのでありますが、これらの過程を通じて極めて不明朗の空気の漲つておりますることは、私の遺憾とするところであります。この際に、これらの問題に関連をいたしまして、独立国としての自主性をいま一段と明確に確立することが肝要と考えるのでありますが、吉田総理の所信を伺いたいと存じます。
 第二は、隣邦韓国との問題であります。昨日の総理の演説において、政府は、双方公正なる互譲の精神の上に、必ずや近く打開の途が見出されるものという確信を表明せられておるのでありますが、私もこれを希望する一人であります。併しながら、去る十一月二十七日発表せられました韓国政府の声明によりますれば、日韓両国の友好ということは常に韓国の外交政策の目標であつたと述べているのでありますけれども、その内容を通じて流れておりまする調子は、必ずしも我々をして十分納得せしむるものではないのでありまして、このことは極めて遺憾であります。特に在韓代表部の設置の問題のごときは、事柄は当然のことと思うのでありまするが、然るになお今日において解決を見ておらないのであります。六十万人以上の朝鮮の人々を我が国内において保護をしておる立場にある我が国といたしましては、誠に遺憾に堪えないところであります。日韓の問題の解決は、飽くまで公正且つ合理的であることが第一義であると信ずるのであります。政府は近く必ず打開の途が見出される確信を表明されておるのでありますが、過去数次に宜つて不調に終りました日韓会談の経過に鑑みまして、政府は如何なる方針を以て今後に対処せられんとするのであるか、伺いたい第二点であります。
 更に、近く開かれんとする朝鮮の政治会議は、我が国の将来の運命に関し重要性を有するものであります。南北統一に関しますこの会議に最大の関心を持つべき国は、私は我が日本であると信ずるのであります。然るに、いわゆる中立国がオブザーバーの形において参加する途が開かれたにもかかわらず、我が国がこれに無関係の立場に立つということでありますれば、これは、この政治会議の重大な盲点と言わなければならんと思います。この政治会議の成果は、もとより何人もこれを的確に予想することは困難でありましよう。併しながら日韓会談とも重要な関係にあることは、おのずから明らかなところであります。吉田総理のこの日韓会談及び朝鮮政治会議に関しまする所見をこの機会に伺いたいと思います。
 次は、MSA交渉の経過及び方針について、外務大臣にお伺いいたしたい。昨日の岡崎外務大臣の報告は、いささか簡略に過ぎた感じがあります。MSA交渉の第一歩に当りまして、外務大臣は第十六回国会において、六月二十四日の日米往復文書に基いて、我が方のMSA受諾に伴う義務の範囲なり限度に関して、一つの基本の線を打ち出されたのであります。併しながらアメリカ側の回答との間に一つの食い違いがあつたことは、当時よりしばしば指摘されたところであります。その後、交渉の経過におきまして、この点におのずから変化を生じていることと想像されるのであります。あの往復文書におきまする我が方の基本線に関しましては、今日といえども当時の外務大臣の言明と異なるところがあるのではないか。或いは当時と何ら異なるところがないのか。我が方の負担すべき義務の範囲及び程度は、形式的にも又実質上においても何ら変化がないのかどうか。MSAの交渉の段階も、時間的にも最終の段階に迫りつつあると思われるのでありまするが、最終段階において残されておりまする問題の所在点はどういうところにあるのか。それらに対して外務大臣は如何なる方針を以て対処せられんとしつつあるのか。その点についてお答えを願いたいと思います。
 更に、同じくこれはMSAに関連する問題であるのでありまするが、外務大臣にお伺いいたしたい。アジアにおける自由諸国との関係を緊密にするということについては、昨日の総理の施政方針演説にも表明せられたところであります。政府の東南アジア開発への協力の施策は、ポイント・フオアの計画とも関連し、又賠償問題とも関連するものと思われるのでありますが、政府のかねて唱道せられている東南アジア開発への我が国の協力は、如何なる基本的方針の下に、如何に具体的に進みつつあるのでありますか。伝えられるところによりますると、農業方面に関してはやや薄く、主として鉱工業方面に重点が置かれているようにも見受けられるのであります。昨日総理大臣は食糧問題に関連して、粉食の奨励に言及せられ、曾て第十六国会において岡野通産大臣は、外米輸入を漸次麦類輸入へ転換する旨を言明せられたのであります。MSAによりますアメリカの過剰小麦の買入れの協定が現に進行しつつあることが報ぜられているのであります。これらのことは、それ自体としては異論はないといたしましても、我が国の東南アジアヘの協力の点から見て、又これら諸国との提携の強化、更に又我が国の輸出増進の観点より見ましても、これら諸国の農業の開発、これら諸国におきまする米の問題は、極めて重要な意義を持つものと私は考えるのであります。東南アジアの問題と、この外米及び外麦の関係、これは極めてこれらの地方におきましてもシーリアスな問題の一つと思うのでありますが、外務大臣は如何なる見解を持つておりますか。この機会にお伺いいたしたい。
 次は、食糧の問題及び米価の問題につきまして、農林大臣及び大蔵大臣に質問をいたしたいのであります。現行の米穀管理政策は、申すまでもなく戦争中及び終戦後のあの困難なときにおきまして相当の効果を収めて参つたのでありまするけれども、米穀の管理政策の基礎でありまするところの供出制度が、これを支持強行して来た唯一のよりどころでありましたところの進駐軍の撤退によつて、それと時を同じくしてこの供出制度が漸次脆弱化いたして参つたのであります。如何に凶作とはいいながら、本年におきまする義務供出の量は千四百万石に過ぎないのであります。而もこの供出制度に関連いたしまして我が国の農政に混乱を生じ、昏迷を与え、種々我が国の農政をスポイルいたしつつありますることは明らかなことであります。更に消費者との関連におきまする配給面を見ますれば、所によつては内地米二十日の配給が行われている。大きな消費都市においては、東京のごとき、従前十日の配給が、現在においては八日に減り、あと一週間は外米であります。東京のこと昇天消費都市においては、三度の食事はすべてこれ外国産食糧を混じえなければならない状況であります。全国を達観して見ますると、極めて不合理の点が累積いたしつつあるのであります。而も極めて巨大な米の量が農林大臣の責任下の管理政策外の闇に流れておりますることは、厳然たる事実であります。こういう状況をいつまで我我は堪え忍ばなければならないのか。
 更に米価の問題を見てみますると、これ極めて不合理であります。今年の米価の形成の経過を見ましても、生産者価格は七千七百円に決定され、更に供出完遂の奨励金として八百円が追加され、更に凶作加算という名の下に五百円が加算せられたのであります。現在において、あの夏に、自由党、改進党との間において協定されてきまつた石当り八百円の奨励金は、米価との関連においては、一体如何なる意味合いがあるのか。如何なる性格があるのか。これは恐らく農林大臣といえども、又大蔵大臣といえども、私は説明に窮せられるであろうと想像するのであります。この八百円の半額四百円は、今回提案されておりまする予算において、その総額五十六億円が一般会計の負担として織り込まれているのでありますが、そのもとであります八百円の性格は極めて不明朗であります。凶作において五百円が加算され、更に近く五百円見当の凶作の加算が報ぜられているのであります。厳格なる統制下において、果して凶作の理由を以てしてかくのごとき加算が必要であるかどうか、私は多大の疑問を感ずるのであります。地方的にも作況が異なり、県によつては平年作以上の県もあるのであります。県内においても作況は極めて差異があるのであります。この結果は、恐らくは本当の凶作地には潤うことなくして、平年作以上の地帯には不合理な潤いが来ることは明らかであります。又個々の農家について見ましても、極めて零細な農家には何ら潤うところなしに、経営規模の大きい農家には不当な潤いが来ること、これ又見逃し得ざる現実であります。かかる米価政策というものは、今日の段階においてどうしても検討を要するものと誰しも考えるところと思うのであります。
 消費者米価の面を見ますると、昨日大蔵大臣の説明のありました通りに、十キロ当り七百六十五円の線が一応きまつておるのであります。大蔵大臣は差当りという言葉を使つておられるのでありますが、これは消費者の負担の増嵩になりますことは勿論であります。而も織り込まれた額は一部に過ぎないのであつて、他の額は食管特別会計の含み資産を食い潰すことによつて処理されると報道せられておるのであります。私は、昨日大蔵大臣の言われました七百六十五円の一応の消費者価格の決定は、今後更に増加することがないのかどうか。恐らくは、計算を弾いてみますれば、更に再びこの七百六十五円の線を上げなければならないという事態に当面しはしないかということを私は憂慮するのであります。農林大臣及び大蔵大臣は、米価政策に関して如何なる定見を持つておられるか。この機会にお伺いしたいと思うのであります。
 米価の政策、これは先ほど申しました供出制度の弱体に起因することは明らかであります。供出制度の昏迷は、これ又米価政策の弱体によつて招来せられるのであります。両者お互いに因となり果となつて、一路行詰りの方向にのみ進んでおるように思われます。もはや救い得ざる段階に直入せんとしつつあると言つても過言ではないのであります。食糧管理政策、米価政策、これを合して真剣に再検討すべきときであると私は痛感するのであります。総理大臣は昨日の施政方針演説において、粉食の奨励等、この機会に食生活改善の機運を拍車し得るならば、禍いはむしろ幸いとなると考えると述べられたのであります。私はこれを聞きまして、真実失望を禁じ得なかつたのであります。粉食の奨励もとより異論はありません。併しながら、政府は粉食の奨励に対して如何なる処置をこれまでとられたでありましよう。食生活の改善、これ又当然のことではありましようけれども、極めて短かい期間にこれを期待することは困難でありましよう。我が国の食糧の根本でありまする米の問題が、現状のような不合理な状態、現状のごとき闇の中にこれを放置して置いて、禍いは転じて幸いとなるということは、私は断じてあり得ないと信ずるものであります。農林大臣及び大蔵大臣の、この食糧管理政策及び米価政策に対しまする今後の御所見を承わりたいと存じます。
 次は、公共企業体におきます給与引上げに関しまする仲裁裁定に関しまして、労働大臣にお伺いしたいのであります。この点は先ほど菊川議員との間に質疑応答のあつたところでありまするが、今回の各公共企業体におきまする裁定が、果して公労法第十六条に規定いたしまする予算上又は資金上不可能なる支出を内容としておるものかどうか。この点は関係常任委員会においてそれぞれ審議が進められていると思うのでありますが、政府の提案の理由に示されておるがごとく、本年度予算の枠外にあるものといたしますれば、私は、政府はやはり先ずこれら企体業の予算なり資金関係について十分内容を検討し、これら企業体内部の合理化等、可能なる措置を講じて、予算的の措置を併せて国会の承認を求めることが、法規の解釈は別として、適当な措置ではなかろうかと思うのであります。法律の解釈につきましては勿論疑問がありましよう。政府の大臣が言われました解釈も一つの解釈とは思うのであります。併しながら、単に国会の審議、決議を求めるという態度であつては、政府自体の責任が極めて不明確になるのではないかということを憂慮するのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)公労法の趣旨から言つて、やはりこれは国会の承認を求めるという積極的な態度が妥当ではないかと、私は法規の解釈を離れて感ずるのであります。この点についての大臣の御所員を伺いたいと思います。
 更に、現在の公共企業体の実態と、それから仲裁裁定に関しまする政府の処理の態度、これを見て参りますると、恐らく仲裁制度は、その本来の役割でありまするところの公労法第三十五条本文の任務を完全に全うするというふうな場合は、今後とも恐らく実際上あり得ないではないかと思われるのであります。即ち、仲裁裁定の場合は原則的には第十六条に該当することとなつて、従つて国会の審議に待つという運びになるのであります。こういうことが果して今後の実態であるといたしますならば、これは現在の仲裁制度そのものの存在の合理性を疑わしむるものと私には思われるのであります。これは政府の解釈する処理方針に欠陥があるのか、或いは仲裁制度自体に不合理があるのか、いずれにいたしましても検討を要すべき重要な問題と考えられるのであります。勿論これは公共企業体のあり方自体にも関連すると思われるのでありますけれども、この点に関しまする労働大臣の御所見を伺いたいと思います。
 今回の裁定に関連いたしまして、国鉄なり、郵政関係におきましては、鉄道運賃の引上げ、郵便関係の料金の値上げを伴うものと一般に予想されておるのでありますが、これらの問題は、勿論、一般経済財政その他に及びまする影響の甚大でありますることは、これは言うまでもないところであります。政府は来年度予算編成に関連して、果して今回のこの仲裁裁定の処理の上で、この点について十分なる検討を遂げられたのかどうか。これらの点について大蔵大臣はどういう結論と見通しを持つておられるのか。この機会に伺いたいと思います。
 次に、人事院勧告に基きまする一般公務員のベース・アツプの問題でありますが、これが来年度以降の我が国の財政の規模の上に重大な関連を持ちますることは申上げるまでもないところであります。一方、政府におきましては、行政機構の改革、行政整理の検討が行われつつあることを報じておるのであります。吉田総理が終始行政の簡素化に変らざる熱意を示しておられますることは、私の敬意を表するところでありまするが、べース・アップはどうしても、半面において、行政能力の向上、行政機構の整備刷新、妥当な行政整理の実行を伴うことを私は必要とすると思うのであります。そうでなければ我が国の財政は到底持ちこたえ得ないと思うのであります。今回のベース・アップは行政整理を前提としておるのかどうか。現に検討中と言われておりまする行政機構の整備の具体的進捗状況、具体的構想はどうなつておるのか、結論をすでに得たのかどうか、これらの点に関しまして、大蔵大臣及び塚田長官の御答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、昭和二十九年度本予算編成方針に関連して大蔵大臣に質したいと思うのでありますが、本年は去る第十七国会において第一次補正予算が編成されたのであります。言うまでもなく、災害復旧費の国庫負担額は全体の二割程度であつて、五割余の巨額は明年度においてその本体を現わすわけであります。今回の第二次補正予算も、年度内の分は僅少の部分に過ぎないのであつて、やはり本体は明年度の予算に現われて来るわけであります。特に今回の第二次補正予算は、性質上も明年度予算とは不可分のものでございます。明年度の財政規模と見合つて初めて十分の審議をなし得るものと思うのであります。大蔵大臣は、中央、地方を通ずる財政の整理刷新、支出の重点化、効率化等に努めて、歳出の削減を断行し、極力財政規模の縮減を図るよう努力を傾けたいと言つておられるのでありますが、その言葉はいずれも異存のないところであります。問題は、如何にそれが具体性を持つかというところに存在すると言わねばなりません。曾つては補正予算の編成は、いわゆる十五カ月予算と言われて、本予算と一貫して検討されて来たと思うのであります。今回も又当然そうあるべきであります。かかる観点よりいたしまして、大蔵大臣は、明年度予算の編成上、その規模につき如何なる具体的構想を以て本補正予算を編成せられたのであるかという点を最後にお尋ねいたしまして私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。
 東京におけるニクソン副大統領の演説に対しましては、政府として所信を申し述べることは礼儀上差控えたいと考えます。思うに、ニクソン副大統領の演説は、米国政府の考え方を率直に述べて、日米の関係をよくしたい、親善に資したいという考えから出られたものと想像いたします。従つて、先ほども申しましたが、憲法改正若しくは再軍備を強要した形跡は私は認めないのであります。又この憲法改正及び再軍備は、お話のごとく独立国家である日本が自主的に決定すべきことは当然であり、又米国政府もその趣意をしばしば述べております。
 日韓会談につきましては、不幸にして中途中絶いたしましたが、政府としては虚心坦懐にこの会議を再開いたす考えでおります。又再開いたした以上は、互譲の精神を以て、その目的を以て会議の何らかの成果を得るように努めたいと考えるのであります。
 政治会議につきましては、これは、いわゆる関係国と申しますか、交戦当事国だけがこれに関与することになつております。併しながらその一つの相手は国連であります。国連と日本は、この間には密接な関係を持つておるのみならず、政治会議そのものは極東における平和回復にあるのでありますから、日本と韓国との間の関係が不和になるとか、或いは日本国の利益を無視するような決定をなすことは断じてないことを私は確信いたします。
 その他は主管大臣からお答えいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣岡崎勝男君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(岡崎勝男君) MSAの交渉についてのお尋ねでありますが、ずつと前に、六月二十四日、二十六日の交換文書の原則については、その後の交渉によりましても何ら変更がないことを発見いたしております。もとよりあの文書の内容につきましては、日本側のとアメリカ側のとは……多少食い違いの点はありまするけれども、大綱においては何ら変りがないのでありますが、その後の交渉でもこの原則は一向変化いたしておりません。ただ協定の案文につきましては、もうすでに殆んど妥結をいたしております。今後は実質的の援助が如何になるか等につきまして交渉をいたす段階になつております。
 東南アジアとの経済協力のお話でありまするが、日本といたしましてもこの協力を東南アジアの諸国に押付けるわけには参らないのでありまして、従いまして、先方の計画に即しまして、相手方の希望に基いてできるだけの範囲のことをいたしたい。その種類につきましては、農業であろうと工業であろうと特に区別はつけておりません。結局これらの国々が富み且つ資源が開発されることによりまして、日本の利益も間接的には増大するという考えから、経済協力をいたそうと思つております。又その意味から申しまして、例えばコロンボ・プランであるとか、ポイント・フオアであるとか、或いはECAFEであるとかいうような、第三国若しくは国連の計画にもでき得る限りは参加いたしたいと思つておりまするが、併し主としてこの協力は民間の事業として考えまして、民間の創意に基きまして適当な事業を計画した場合に、政府としてできるだけこれを援助する、こういう考えで参つております。(拍手)
   〔国務大臣保利茂君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(保利茂君) 現行食糧管理がかなり困難な事態に当面いたしておりますことは、私も痛切に感じておるわけでございます。同時に又、米価の立て方にいたしましても、或いは完遂奨励金、或いは超過供出奨励金というようないろいろ積み重ねの形において、これも一に供出を確保して参ります手段として、こういうことが行われて来ているわけでございますけれども、現状におきましては、生産者側にとりましても消費者側にとりましても、必ずしも十分に御納得の行く方法ではないじやないかという感じを深くして来ているわけでございます。併しながら、只今のような供出制度を維持して参りますとすれば、この米価の立て方にいたしましても、根本的にそれじややり直しをするかというところにはなかなか踏切りがたい点もあるようでございます。要しまするのに、食糧管理につきましては、大局からお話のように更に検討を新たにしなければならないという感じを深くいたしております。
 ただ今年の凶作により義務割当一千四百万石は余りにどうも緩み過ぎているじやないかという御批判は各方面から頂いておりますが、これは今年のこの千四百万石という数字をそれだけで見ればそうでありますけれども、昨年の六千六百万石という近来の豊作という昨年におきまして、義務供出は二千二百九十万石、今年は五千三百万石で千四百万石。言訳するわけではございませんけれども、義務割当のあとに残つた、それじや農家にあるのは昨年は四千三百万石、本年は三千九百万石ということになるわけでございますから、必ずしも今年甘かつたとは私は考えていないわけであります。ただ今年異常な凶作ではございましたけれども、農家の供出に対する御協力は、私どもからいたしますれば非常に高いものがございまして、早場奨励期の第三期までの十一月二十二日の供出状況を見ますれば、昨年で千四百万石、それが本年の十一月二十日には千三百六十万石という、かなり予想外の御協力を頂いて来ております。併し、さらばとて、今年どうしても供出を確保いたしたいという二千百万石に到達し得るかどうかということについては、更に一段の努力を要するというわけでありまして、決して楽観をいたしておるわけではございません。
 結局いたしまするのに、お話のように食糧管理制度につきましては深甚の注意を払いまして、そして各方面の御意見を十分伺い、特にお話のように、私ども政府の統計にとつておりまする以外に、相当量の闇ルートを通じて流れているものがある。これが表に出て、そうして消費者の手に渡るように工夫ができないかどうか。この点については特に考えなければならんのじやないか。そういう意味におきまして、これは再検討をいたして参らなければならんと考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えを申上げます。
 公企体の内容について十分これを合理化すべきではないかという御意見については、誠に同感でございます。公労法の第十六条の法規解釈につきまして先ほども申上げたことでございまするが、私は、予算上資金上不可能な支出を内容とする如何なる協定も政府を拘束しないという意味は、政府関係機関予算或いは特別会計予算の重要な項目でありまする給与というものを、給与の単価というものを、政府から独立した意思を持つた仲裁委員会の裁定というものがそれに優先するということになりますると、結局、政府の予算編成権というものを越えて仲裁委員会というものが出て来るということになります。そこで、やはり政府というものは、政府独自の判断で、即ち予算上資金上可能なる最高の限度をきめて、これを国会の御審議に持つて来る。国会は国権の最高機関として、その予算審議権を以て御判断を願うということであると考えておるのであります。即ち仲裁裁定の決定というものは、決して国会の予算審議権に優先するものではない。こういうことであると私は考えておるのでございます。政府の従来とつておる解釈もそのようでございますし、こういうことでないと、ほかにはちよつと運営の仕方がないのじやないかというふうに思つておるのでございます。今般の仲裁委員会の決定がありましてから、御承知のような風水害或いは凶作というような、非常な財政支出を多く伴う不時の出来事がございまして、政府の財政の手許は誠に逼迫しておることは御承知の通りでございます。併しそれをしも乗り越えまして、何とかして仲裁を尊重し、国家公務員諸君或いは公労関係に従事される諸君の給与を少しでもよくしたいという政府の念願が、この裁定ベースの一月から実施ということになつておるのでございますが、どうかそういう点につきまして、関係各位の御良識による御判断を得たいと思いますし、関係労働者各位の御協力も得たい。まあ一部においては、只今御指摘のごとく、運賃の値上げも或いは郵便料金の値上げも避けられないのではないかというような憶測があるほどに、又その可能性があるほどに、政府としては努力をいたしておるのでございまするから、この点につきましては特に御了解を得たいと考えておるのでございます。
 なお、この公労法に基きまする仲裁制度或いは仲裁委員会の運営というものにつきまして種々の御批判がございますことは、先ほど申上げた通りでございまして、その点につきましては、十分政府といたしまして公労法全般について考えて参りたい、こう思つておる次第でございます。(「完全実施しろ」と呼ぶ者あり、拍手)
   〔国務大臣塚田十一郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(塚田十一郎君) お答え申上げます。
 行政機構改革につきましては、まだ最終結論は得ておりませんけれども、着々と進捗いたしております。先ず第一段に事務の整理すべきものを検討いたしました。次には機構の簡素化について検討いたしまして、今それらの検討から当然の結論として出て来るはずであるところの人員がどの程度整理できるかという点について検討いたしておる段階でございます。なお検討を急ぎまして、通常国会までには必ず間に合うように成案を得たいと考えております。(拍手)、
   〔国務大臣小笠原三九郎君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(小笠原三九郎君) 米価の問題でございまするが、十キロ七百六十五円を更に値上げする考えはないかということについてのお答えを申上げますと、これは梶原さんも御承知のように、非常な重要な問題でありまするので、いろいろな方面から考察しなければならんと思つております。生産コストの問題がどうとか、家計米価の問題とか、財政負担の問題とか、いろいろな点から考慮しなければなりませんので、まだこれについては何ら考えをきめておりません。
 それから根本的な米についての考え方はどうかというお尋ねでございましたが、これは御承知のように、本年の米の価格は、やれ完遂奨励金だ、超過供出奨励金だ、豊凶係数だ、その他早場米奨励金等を合せまして、よく七千七百円と言われておりますが、今日平均一石当り一方三百三十五円というふうになつておりまして、恐らく世界でかように高い食糧を持つている国はあるまいと思います。従いまして、米価問題を初めといたしまして、食糧問題全般について、さつき農林大臣も言われたように、やはり根本的にいろいろな問題を検討する時期に入つていると考えますので、私どもも皆さん方と共にこの問題と取り組んで、できるだけ国家のためによい解決を得たいと存じております。
 裁定についてのお尋ねがございましたが、裁定については、私どもも、予算上資金上でき得る点だけを実は措置したような次第でございます。勿論、各企業体の中の経費の節減とか、収入の増加と企業の合理化についてやつて頂くように話合つていることは当然のことでございます。
 それから今の行財政整理とベース・アツプの問題でございますが、実は行財政整理は吉田内閣組閣以来の強い方針でございまして、何ら直接ペース・アツプとの関係はございません。べース・アツプは人事院勧告に基いてなされたものでございまするが、このまま行きますると、直接の間違はございませんが、いわゆる尾を引くことになつて、来年度予算に大きな影響がありまするので、従つてこのベース・アツプを一部実行するに当つてのときには、閣議決定を以ちまして、来年の行財政整理を徹底することを取りきめている次第でございます。従いまして、いわゆる尾を引くことはないように措置いたしたいと考えております。
 来年度の予算編成につきましてのお尋ねでございましたが、これはまだ只今きめておりませんけれども、閣議として何ら決定しておりませんが、私の私見だけ申上げますれば、財政規模については、大体本年度予算総額の程度にとどめたいと思つております。従いまして財政面から来るインフレ要因を厳に排除して、総合的な均衡財政の方針に則りたい、かように考えている次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(河井彌八君) 松浦清一君。
   〔松浦清一君登壇、拍手〕
#20
○松浦清一君 私は、日本社会党第二控室を代表いたしまして、当面せる緊急問題に限定して質問をいたしたいと存じます。
 先ず第一に、政府は年末を迎え高まる労働攻勢並びに社会党両派を中心といたしまする野党側の強い要求に対して、国家公務員の給与についての人事院勧告、公共企業体関係労働者の仲裁裁定を、その額面通り明年一月一日から実施すると申しており、すでにこれに引当てられる予算案も提出されましたが、この内容はなかなか理解するに困難なからくりがございます。即ち、人事院勧告の一万五千四百八十円は、本年三月一日現在の給与に対し一三%の上昇を図つて、そのベースが一万五千四百八十円になるから、政府はその趣旨でできるだけ速かに実施すべしというのが人事院勧告の要旨であることは申上げるまでもないのであります。ところが政府は、第十七回国会においては、財源がないことを唯一の理由にして、これの予算化を図るための努力をなさない。今国会に出されたものは明年一月一日から実施、その内容は、地域給の五%、二回の定期昇給分を含めてでありますから、人事院勧告通りとすれば実際には一万六千百三十円程度になるべきはずであります。又このごまかしベースアツプの代償といたしまして、行政整理に名を借りて一割の人員整理を断行しようとすることも計画されているのであります。更に又人事院の勧告を待たないで勤務地手当を改訂し、ここからも又五%の支出減を図ろうとしていることなど考えますと、実質的には給与の引上げと行政機構の改革とからみ合せ、人事院の立場を窮地に陥れようとする政治的陰謀があるのではないかとさえ思われるほど、この給与問題には理解できないからくりのあることを見逃すことはできないのであります。更に改訂が要請されました本年三月一日から明年一月一日まででは、この間、十カ月の開きがございます。この間に動きました民間産業労働者の賃金の上昇や物価の値上りは全然考慮されておりません。かてて加えて次のようなからくりまで巧妙に織り込まれているのであります。即ち、予算面においては、人事院勧告を実施すれば地方公務員をも含めて七百三十億円の財源が必要であるとは、今日までの政府の言明であります。これから計算いたしますると、期末手当の増加分を含めまして、一月から三月までの四半期所要経費は概算百三十億円程度になるはずであります。然るに今回の第二次補正予算の給与改訂費は八十五億円であります。その差額四十五億円が地域給の引下げ等によつて埋め合わされていると思うが、吉田総理や小笠原大蔵大臣はどのように考えておられるのか、正直な御答弁を願いたいのであります。
 第二に、国鉄を初めとする公共企業体関係労働者の給与に対する仲裁裁定の問題であります。仲裁裁定ではこの実施を八月からというのを、政府は五カ月ずらして明年一月一日からといたしております。三公社五現業の中には個々の財政面では裁定が完全に実施できるものまで一括して不可能として、罷業権に代るものとして与えられておりまする公企労法の精神を蹂躪し、仲裁裁定を無視するという態度は、法を守るに忠実であるべき政府としてはまことに遺憾の極みであります。たとえ実施期日には非常なズレがあつたといたしましても、国民に対しましては人事院勧告と仲裁裁定とを実施したというような印象を与えて、実は実質的な引上げにはならない措置を押付けている。米の消費者価格の引上げ、鉄道運賃、郵便料金の引上げ、更に電気ガス料金の引上げまで予定されるに至つては、国民の生活不安はますます増大するばかりでありまして、政府はこの際、今日までの方針を改め、保安隊を十八方に増強するとの計画をとりやめ、防衛関係諸費を徹底的に削減をいたしまして、国家公務員や公共企業体関係労働者の給与を引上げ、物価の引上げを抑制して、真に国民生活の安定を図るべきであります。そうでなければ、真実の力のこもつた経済自立も、国民一体となつての産業の興隆もあり得ないと思いますが、この基本的な考え方における吉田総理の御見解をお伺いしたいと思います。
 第三に中小企業に対する年末資金関係についてお伺いをいたします。我が国の中小企業は、ここ数年来不況と金詰りと重税の三重苦にあえぎまして、深刻化の一途をたどつております。このことは大蔵大臣も篤と御承知の通りであります。特に本年に入りましてからはインフレの傾向が強くなり、政府指定預金の引揚げ、日銀の高率適用の強化、市中銀行の系列融資・選別融資の強化等による一連の金融引締めの措置が強化されまして、そのためのしわ寄せの犠牲となつた中小企業は、大企業よりの支払遅延、不渡手形の濫発等の難関に直面いたしまして、更に又加うるに本年六月以降の大風水害の災厄に会い、このような状態にありまして、中小企業者は例年にない窮迫した事態となり、この年末にかけて大量の倒産さえ予想されるのであります。これを救いまする対策といたしましては、先ず第一に、商工組合中央金庫、相互銀行、信用金庫等の政府預託金の引揚げを少くとも三カ月程度延期をし、中小企業金融公庫に対しまして、災害関係に貸付けた十八億五千万円、競輪枠四億円、計二十二億五千万円をこの金融公庫に返還すると共に、新規に百五十億円程度を預託して、これをたとえ臨時的にでも融資対象の重点を長期運転資金におくべきであります。更に国民金融公庫に対しましては、災空関係に貸出しました十六億円を速やかに返還すると共に、一月から三月までの資金を十億円程度増加する必要がございます。又、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫に対して、資金運用部資金から借入れの途を開き、これらの専門機関に対しまする資金の不足を補う措置を講ずべきであります。以上の措置をとらない限り、全国八百万に及びまする中小企業者は自然に倒産の運命を待つばかりであります。これら年末緊急金融対策については第二次補正予算において一顧だになされていないが、吉田総理並びに小笠原大蔵大臣はどのように考えておられるのか。さすがに小笠原大蔵大臣は御年配のせいか、財界において精錬された人柄のせいか、前の大蔵大臣、通産大臣たりし池田君のような苛酷な発言はなさるまいと思いますが、どうか全国の中小企業者が安心できるような御答弁を願いたいのであります。
 第四に、外務大臣並びに労働大臣にお伺いいたします。近く締結されようとする国連軍との協定によりまして、我が国に米軍のほかに国連軍が駐留する取極が行われるとのことですが、それは本当でございますか。若し本当であるとすれば、その駐留目的は何であるかを外務大臣より明確に御説明を願いたいのであります。更に、これは日米行政協定とほぼ同一内容で、駐留米軍と国連軍を同一待遇にして、施設の提供が義務付けられるとのことでございますが、これを無償にしなければならない理由は一体どういうことであるかをお伺いをいたしたいのであります。国連軍、殊に呉地区に駐留いたしておりまする英連邦軍は、相当余裕のある施設を占用しているとのことでございますが、これを圧縮いたしまして、余剰施設を返還させる御意思はないか。又、今までも地元市民より、この施設を旧軍港市転換法に基きまして平和産業港湾都市建設に活用するために、その返還をしばしば要望いたしておりますが、今までの折衝経過はどのようになつているかをお伺いいたします。なお、今後の見通し、協定調印前に相当の施設を返還させる意向はないか、お聞きしておきたいのであります。次に、国連軍雇用労働者の管理方式についてであります。国連軍を米軍に準じて取扱いまするならば、これ又、米軍同様、間接雇用にすることが妥当と思いますが、労働大臣の所見を伺いたいのであります。又、国連軍に対して国がその施設を無償で提供した場合、電気ガス税等の地方税を免除するとしたならば、地方自治体は重大な歳入欠陥を生じまするが、これに対し、国は如何なる救済策を持つておるか。以上、施設の提供、労務管理の方式、地方税の処置という三点について政府の御見解をお伺いいたします。
 第五に、米価問題について特に大蔵大臣にお伺いをいたします。昨日の大蔵大臣の財政演説を聞きますと、第二次補正を含む本年度の予算編成に当りましては、特にインフレ要因の排除に重点を置き、米価の問題に関しましては、米の消費者価格は、先に決定した出産者価格及び供出状況から見て算出すれば、相当の値上げを必要とするのであるが、消費者負担の急激な増加を緩和して、家計費の増加を防ぐと言つておられるが、予定されておりまするように、十キロ七百六十五円に値上げすることが、貧しい勤労者の生活に計数の上でどのような影響があるかを御存じかどうかを疑わざるを得ないのであります。引続いた大風水害のため、本年度は一千万石以上の減収であることが予想されたことも大きな原因であることは否定いたしませんが、夏以来の米の自由価格は、東京では一升三百円を超え、関西では二百五十円を超えてなお上り坂にあることは、政府の消費者価格値上げ態度決定が重大な影響をなしているのであります。消費者価格十キロ七百六十五円は、現在価格に比べて一割二分五厘の引上げとなり、一升当り十二円の値上りでありまして家計費に及ぼす影響は、貧しい者ほどその比重は高いということを知らなければなりません。(拍手)我が党は、かねてより米価の二重価格制を立てて、生産者価格石当り一万二千円とし、消費者価格の据置を主張いたしておりますが、政府は依然としてこの制度をおとりにならない方針なのか。或いは又、改進党の諸君から強い要望があれば、前々国会のときのように、内容は二重価格で表面はそうでない、いわゆる政治的に責任を負うというような、あいまいな態度をとられることもあり得るのか。正直なところをお聞かせ願いたいのであります。更に又、若し七百六十五円に値上げをした場合においても、政府の買入れ価格と中間経費の全額を賄うことはできない。食管特別会計の含み資金三百四億円は、本会計年度末にはほぼ使い果される見込であつて、そのときにおいては、政府の食糧価格政策は完全に行詰り、否でも応でも二重米価政策に切換えるか、それが不可能であれば、再び消費者価格の引上げを国民をだましだましやらねばならん羽目に直面するが、そのときになつても再び消費者価格を上げないでやつて行けるという自信がおありであるか。大蔵大臣、農林大臣の意見を統一されて、これは政策面でありますから、農林大臣から御答弁を願いたいのであります。
 最後に、最近文部大臣によつて、新聞に伝えられるところによりますと、いわゆる大津文政なるものが声明され、その中で地方教育委員会の助成と教職員の政治活動の制限とが挙げられております。前者は全国市町村長を中心として猛烈な反対運動が巻き起つておるのであり、後者は憲法に規定された基本的人権に反するものとして、世の識者の非難を浴びているものであります。にもかかわらず、これを強行されんとするのは如何なる理由によるのか。この際、大達文部大臣の御所信を承わつておきたいのであります。
 私は、以上、国家公務員、公共企業体関係労働者の賃金問題、中小企業者に対する年末緊急金融対策、国連軍の駐留と、これに提供する施設に関する問題、最後に教育行政に関する問題等について、昨日行われました各大臣の施政方針演説と、今次補正予算に関連のある問題とを中心として、大要五点の質疑を行いましたが、関係大臣の誠意ある御答弁を期待して質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(吉田茂君) 給与問題についてお答えをいたします。
 政府は人事院の勧告を尊重いたしまして、財政の許す範囲において、最大限度において予算措置を講じて、補正予算として国会の協賛を経るために提出いたしております。慎重に御審議を願います。(「どこに尊重している」と呼ぶ者あり、その他発言する者あり、拍手)
   〔国務大臣小笠原三九郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(小笠原三九郎君) お答えいたします。
 公務員の給与問題につきましては、人事院の勧告の趣旨を尊重いたしまして、財政の許す限り今回の改訂を行なつた次第でありまして、勤務地手当の一部本俸繰入れを含めておるのでありますが、ベースは一万五千四百八十三円となつておつて、実質的に九・三%の引上げとなつておるのでありまして、財政の現状から見ますれば、この程度の給与改訂が適当であると考える次第であります。
 なお、仲裁裁定についてのお話がございましたが、これも財政上資金上措置し得る最大限度を予算化いたした次第であります。
 なお中小企業に対する年末金融についてお話が、ございましたので、これはやや詳しく御答弁申上げたいと存じます。
 商工中金、相互銀行等に対する指定預金を三カ月以上にすべきではないかというお話がございましたが、実は国庫の資金放出超過に伴いまして指定預金の引揚げを伴うことはこれは止むを得ないのでありまするが、併し資金の繁閑をよく見極めつつ国民経済の実情に副うようにやつておるのであります。商工中金、相互銀行、信用金庫等の中小企業金融機関につきましては、インフレ抑制のために去る九月きめました指定預金の計画的な引揚げをやつておるのでございまするけれども、銀行等に比べますると相当緩和した考え方でありまして、又十一月三十日に新たに五十五億円の指定預金を行なつたことも御承知の通りであると存じます。今後とも諸般の情勢を検討しつつ、国民経済の健全な運行に遺憾なからしめたいと考えております。御指摘になりました中小企業金融公庫に対して災害関係の十八億五千万円、競輪の枠の四億円等についてでございまするが、これらにつきましては、中小企業金融公庫の災害の融資分については、丁度この公庫が開発銀行から買取り形式で引継ぐ債権の代金のうち、その半額十九億円の支払を第三・四半期以後に繰延べることにしたので、その措置がとつてあるわけであります。なお同公庫に対する今後の財政投資の問題について、百五十億円を預託すべきであるというお話でございまするが、この問題は更に検討いたしましてできる限りの考慮を払いたいと考えておる次第でございます。国民金融公庫に対して災害関係に貸出した十六億円、これを返還すると共に、新たに一月から三月までに資金を十億円増資すべきであるというようなお話でございましたが、これにつきましては、今回資金運用部から十六億円貸出すことに相成つておりまして、一般の貸出しの不足をカバーすることといたしておるのであります。これによりまして十二月はどうかと言いますると、昨年同様四十数億円の貸出が行えまするし、更に来年の一―三月につきましても、毎月二十億円程度の貸出が行えるように相成つております。現在以上に政府の出資とか或いは資金運用部からの貸出を増加することは、ちよつと財源の関係から今のところむずかしいように存じております。中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金に対して資金運用部資金の借入の途を開くべきではないかというお話がございましたが、これは資金運用部につきましては、運用部から中小企業金融公庫には二十億円、国民金融公庫に対しては五十一億円を貸出すことになつております。ただ商工中金については約四十億円の金融債の引受を予定したので、これは一体こういうところへ貸出すべきものかどうかということは更に慎重に検討する必要があろうと思います。
 米価問題についてのお話がございました、これは御承知のごとく、本年の米価をコスト主義で出しますると、十キロ八百九十円にもつくのでございまして、一部を特別会計で負担すると共に、他方まあ家計米価等を参酌して七百六十五円といたしたような次第であります。一升十一円強に当りまするので、〇・八六六%に当りまして、まあこの辺くらいは、今年のような凶作の年には御辛抱願うよりほかないかと思つておるのであります。但し据置いたらどうかと、こういうお話でございまるが、仮に据置くといたしますると、これは二千百万石を今の六百八十円で据置きますれば丁度差が八十五円出まするので、二百四十九億九千万円赤字公債を出すとか、いろいろな処置をとらなければならんので、現在の段階ではこの程度の御辛抱を願うほかないと考えておる次第であります。(拍手)
   〔国務大臣岡崎勝男君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(岡崎勝男君) 国連軍との協定は只今交渉中でありまするが、元来国連軍が日本に駐留することになりましたのは、この協定によるのではなくして、平和条約と同時に交換されました吉田・アチソン交換公文によるのであります。この吉田・アチソン交換公文は、条約の一部と認めまして国会に提出して御承認を得た、その結果国連軍が駐留しておるのであります。国連協定はこの駐留する国連軍に関する細目の取極めを作るものであります。
 なお、呉地区におきます施設等につきましては、余裕のあるものもあろうかと考えておりますので、只今いろいろ検討をいたしております。現に、外務省の係官を出張させまして、実地にどの程度の余裕があるか。あるものはできるだけ返還下るように努力いたしております。併しながら旧軍港都市転換法というものは勿論ありますが、すでに国連軍として駐留を認められておりまするので、できるだけ多くの施設を返還するといたしましても、全面的にこれを返還せしむるということは困難かと考えております。更にこの税の問題等は、只今折角交渉中でありますので、その結果を待ちまして善処いたす考えでおります。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(小坂善太郎君) 国連軍に雇用されておりまする労働者につきまして、雇用の形式を直接雇用にするか或いは又間接雇用にするかの問題は、目下先方と折衝中でございまするが、労働条件その他につきまして支障を来たすことのないように努力する考えでおります。(拍手)
   〔国務大臣保利茂君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(保利茂君) 消費者米価七百六十五円にきめたいという考えをとつておりますのは、勿論私どもといたしましては、供出農家から買入れましたその買入費用に所要の経資を加えましたその掛りを消費者に持つて頂ければ一番妥当であるという考えは持ちますけれども、今年のような特殊な事情によりまして、豊凶係数による凶作加算額というような、或いは超過供出数量が異常に義務供出量よりも割当が多いというようなために、先ほど大蔵大臣が申しておりまするように、今年の農家に支払います平均の石当り一万三百三十五円ということを全部消費者に持つて頂くということになれば、十キロ当り八百九十円というような相当大幅な値上げをせざるを得ないということになります。併しながら、何故にそれでは米を国が管理しておるかと申しますれば、申すまでもなく消費家計の安定を図つて参るというところに私は大きな趣意があると存ずる。そういう上からいたしまして、消費家計の安定に大きな影響を及ぼさない限度というものがおのずから生じて来る。これが最近一年間における或いは東京都、或いは全都市の勤労世帯の家計支出の状況を見ますれば、大よそ七百七十円乃至七百八十円の家計支出、消費者米価をきめましても、この辺までならば実質的に消費家計の安定を崩さず行けるのじやないかという統計上の数字もあるわけであります。従つてそういうところの勘案いたし、一方におきましては食管会計の現状、お話のように三百四億の繰越益を今年持つておつたわけであります。これらを、今年異常の食掛事情の下に、いわば備蓄されているかようなものを、今年これを或る程度消費をするという建前から、三者勘案をいたしまして、大よそ七百六十五円くらいで行きますならば、いわゆる物価、賃金にはね返ることなく家計の中に吸収せられて、大体家計の安定を脅かすというようなことはないという見通しの下に、こういう方向で決定をいたしたいと考えておるわけであります。従いまして爾後につきましては、今日は何も考えを持つておらんわけであります。(拍手)
   〔国務大臣大達茂雄君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(大達茂雄君) 地方教育委員会の制度につきまして、その存廃その他これに関連いたしまして、町村長側或いは又教職員の組合の側、その他関係の方面におきまして、いろいろ論議のありますことは、私も十分承知をしているのであります。御承知の通り教育委員会制度は、戦後における我が国の学校教育運営の基本的な機構として設けられたものでありますが、いわゆる地教委というものは、昨年の十一月発足したばかりでありまして、発足後なお日が浅いというような関係もありまして今日なお十分に法律の所期する機能を発揮していない点があるのであります。さような関係からして、いろいろとこれを廃止したほうがいい、或いは又任意設置にしたほうがよろしい、或いはその選任の方法を変えたほうがよろしいというような議論が起つていると思うのでありますが、私は発足後日が浅いだけに、これを法律の所期する方向に育てて行つて、そうしてその円滑なる機能の発揮を期待している、かように考えている次第であります。
 それから教職員の政治活動の制限の問題でありますが、これは私はさような措置を講ずるということを言明したことはありません。ただ、いろいろ関係の方面において観測があるように思います。私は学校教育の中立性と申しまするか、これは厳密に維持せられなければならん、私は今日の学校教育の実情から見まして、この学校教育の中立性を堅持して、我が国の学校教育に健全なる基礎を確立するということは、今日極めて重大であると痛感をしているのであります。そのために必要なる措置を、周到細密な措置を講じなければならん、遺漏があつてはならんと、かように考えているのであります。鋭意検討を加えているのでありまして、まだ結論に達しておりませんが、ただその方向に向つて、必ずしもこれは政治活動の制限という問題に結び付くかどうか、これは極めて重大下ありますから、慎重に検討をいたしておるというのが実情であります。(拍手)
#27
○議長(河井彌八君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲り、本日はこれにて延会いたしたいと思いますが、御異議、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
     ─────・─────
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
ソース: 国立国会図書館
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