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1953/12/08 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 本会議 第6号
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1953/12/08 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 本会議 第6号

#1
第018回国会 本会議 第6号
昭和二十八年十二月八日(火曜日)
   午前十時三十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第六号
  昭和二十八年十二月八日
   午前十時開議
 第一 日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約第八条2についての留保に関する公文の交換について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第二 関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第三 岐阜県高山市に岐阜保護観察所支部設置の請願(委員長報告)
 第四 宮崎県油津港の貿易開港指定に関する請願(委員長報告)
 第五 群馬県藤原ダム建設に伴う補償費免税の請願(委員長報告)
 第六 勤労所得税軽減に関する請願(委員長報告)
 第七 特別史跡宮崎県西都原古墳群保護施設助成に関する請願(委員長報告)
 第八 私立学校教職員共済組合の年金に関する請願(九件)(委員長報告)
 第九 へき地教育振興法制定促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇 宮崎大学学芸学部に音楽学科新設の請願(委員長報告)
 第一一 大阪市の昭和二十九年度中学校生徒収容対策に関する請願(委員長報告)
 第一二 学校給食費全額国庫負担等に関する請願(委員長報告)
 第一三 学校災害復旧促進に関する請願(委員長報告)
 第一四 学校建築基準改正に関する請願(委員長報告)
 第一五 高等学校定時制教育等の経費予算化に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一六 教員の定員増加に関する請願(委員長報告)
 第一七 学校給食予算増額等に関する請願(三件)(委員長報告)
 第一八 義務教育費国庫負担法の臨時特例に関する法律制定反対等の請願(二件)(委員長報告)
 第一九 義務教育費国庫負担法の臨時特例に関する法律制定反対の請願(二件)(委員長報告)
 第二〇 岐阜県高山地方冷害被災児童、生徒救済に関する請願(委員長報告)
 第二一 へき地教育振興等に関する請願(委員長報告)
 第二二 へき地教育振興に関する国庫補助の請願(委員長報告)
 第二三 茨城大学に工業短期大学設置の請願(委員長報告)
 第二四 戦傷病死者遺族に弔慰金等支給の請願(委員長報告)
 第二五 宮崎県の保育所増置に関する請願(委員長報告)
 第二六 宮崎県の簡易水道布設費国庫補助に関する請願(委員長報告)
 第二七 都市清掃事業に関する請願(委員長報告)
 第二八 旧戦艦陸奥の戦没者遺体引揚に関する請願(委員長報告)
 第二九 清掃事業費国庫補助等に関する請願(委員長報告)
 第三〇 生活保護法による保護基準改訂の請願(委員長報告)
 第三一 国立ハンゼン氏病療養所職員の定員増員等に関する請願(委員長報告)
 第三二 元大兵庫開拓団遺家族援護に関する請願(委員長報告)
 第三三 船員、労災両保険の調整改善に関する請願(委員長報告)
 第三四 国立療養所賄費増額に関する請願(委員長報告)
 第三五 香川県坂出市に農林省神戸植物防疫所四国支所設置の請願(委員長報告)対策に関する請願(委員長報告)
 第三六 東北、北海道の土壌肥料対策に関する請願(委員長報告)
 第三七 家畜衛生行政の推進に関する請願(委員長報告)
 第三八 蚕糸業振興対策に関する請願(委員長報告)
 第三九 大豆を農業災害補償法の農作物共済目的に包含するの請願(委員長報告)
 第四〇 生産者米価引上げに関する請願(委員長報告)
 第四一 冷水害凶作による北海道各土地改良区歳入欠陥補てん資金の融資等に関する請願(委員長報告)
 第四二 まき網漁業船員用主食受配の簡易化に関する請願(委員長報告)
 第四三 新潟県福山、西名、五輪各開拓地区の開発等に関する請願(委員長報告)
 第四四 茶業振興臨時措置に関する請願(委員長報告)
 第四五 李承晩ライン撤廃等に関する請願(委員長報告)
 第四六 漁船損害補償制度に関する請願(委員長報告)
 第四七 漁業災害補償制度確立に関する請願(委員長報告)
 第四八 合成繊維漁網への転換促進に関する請願(委員長報告)
 第四九 まき網漁業許可相続継承手続の簡素化に関する請願(委員長報告)
 第五〇 漁船保険料軽減に関する請願(委員長報告)
 第五一 漁船建造費に対する長期低利資金融資の請願(委員長報告)
 第五二 李承晩ライン撤廃等促進に関する請願(委員長報告)
 第五三 新潟県石地漁港防波塊災害復旧に関する請願(委員長報告)
 第五四 東京都の自動車検査場増設に関する請願(委員長報告)
 第五五 国鉄信濃川水力発電第四期工事促進に関する請願(委員長報告)
 第五六 野岩羽鉄道追加路線完成促進に関する請願(委員長報告)
 第五七 赤穂線鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第五八 福岡県下の鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
 第五九 竹下、雑餉隈両駅間にデイゼルカー専用停車場設置の請願(委員長報告)
 第六〇 博多、東京両駅間特別急行列車かもめ号運行に関する請願(委員長報告)
 第六一 自動車運送事業の免許制度廃止反対に関する請願(委員長報告)
 第六二 瀬戸、西大寺両駅間に新駅設置の請願(委員長報告)
 第六三 仙台線鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
 第六四 白糠、足寄両駅間鉄道敷設に関する請願(二件)(委員長報告)
 第六五 自動車運送事業の免許制度廃止反対に関する請願(委員長報告)
 第六六 魚類の貨物運賃引下げに関する請願(委員長報告)
 第六七 北海道函館港ふ頭完成促進に関する請願(委員長報告)
 第六八 北条町、福崎両駅間鉄道敷設に関する請願(委員長報告)
 第六九 茨城県小里村に簡易郵便局設置の請願(委員長報告)
 第七〇 大阪府豊中郵便局庁舎の移転新築に関する請願(委員長報告)
 第七一 奈良県四郷村の電話加入区域改定に関する請願(委員長報告)
 第七二 新潟県小出町、福島県只見村間に電話回線架設に関する請願(委員長報告)
 第七三 宮崎県県道佐土原高鍋線中一ツ橋架替に関する請願(委員長報告)
 第七四 千葉県曾呂村の地すべり対策に関する請願(委員長報告)
 第七五 千葉県吉尾村の地すべり対策に関する請願(委員長報告)
 第七六 岡山県吉井川下流改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第七七 県道山崎平福線中八重坂峠改修工事施行に関する請願(委員長報告)
 第七八 群馬県藤原ダム建設に伴う補償等の請願(委員長報告)
 第七九 群馬県藤原ダム建設に伴う補償道路等確定の請願(委員長報告)
 第八〇 利根川下流に架橋の請願(委員長報告)
 第八一 茨城県水戸駐留軍射場附近の学校移転等に関する請願(委員長報告)
 第八二 国道一九九号線建設に関する請願(委員長報告)
 第八三 県道金ケ崎岩谷堂線中金ケ崎橋架替に関する請願(委員長報告)
 第八四 兵庫県黒石川に砂防防災ダム建設の請願(委員長報告)
 第八五 徳島県吉野川改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八六 和歌山県紀の川治水工事に関する請願(委員長報告)
 第八七 東京都足立区外二区の治水促進に関する請願(委員長報告)
 第八八 県道小出只見線中破間橋架替に関する請願(委員長報告)
 第八九 県道小出只見線中一部改良工事促進に関する請願(委員長報告)
 第九〇 新潟県三国川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
 第九一 京都府上桂川改修工事施行に関する請願(委員長報告)
 第九二 戦犯者の釈放等に関する陳情(委員長報告)
 第九三 戦犯者の釈放に関する陳情(委員長報告)
 第九四 義務教育費国庫負担法の臨時特例に関する法律制定反対の陳情(委員長報告)
 第九五 戦傷病者戦没者遺族等援護法適用範囲拡大に関する陳情(委員長報告)
 第九六 保育所定員制等に関する陳情(委員長報告)
 第九七 社会福祉事業の増進に関する陳情(委員長報告)
 第九八 冷害地の社会福祉対策に関する陳情(委員長報告)
 第九九 茶業振興に関する陳情(委員長報告)
 第一〇〇 食糧自給促進法制定に関する陳情(委員長報告)
 第一〇一 林業技術普及員の増員等に関する陳情(委員長報告)
 第一〇二 だ捕漁民の釈放等に関する陳情(委員長報告)
 第一〇三 日韓漁業問題解決促進に関する陳情(委員長報告)
 第一〇四 北海道本泊漁港修築工事施行に関する陳情(委員長報告)
 第一〇五 北海道雄忠志内漁港修築工事施行に関する陳情(委員長報告)
 第一〇六 内水面漁業の災害補償制度確立等に関する陳情(委員長報告)
 第一〇七 水産用製氷冷蔵施設買収資金融資に関する陳情(委員長報告)
 第一〇八 北海道鴛泊港修築工事促進に関する陳情(委員長報告)
 第一〇九 台風第十二号による災害復旧の陳情(十九件)(委員長報告)
 第一一〇 台風第十三号による災害復旧等に関する陳情(委員長報告)
 第一一一 京都府淀川、木津川直轄工事促進に関する陳情(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約第八条2についての留保に関する公文の交換について承認を求めるの件、
 日程第二、関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件、(いずれも衆議院送付)
 以上二件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。
   〔佐藤尚武君登壇、拍手〕
#5
○佐藤尚武君 只今議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約第八条2についての留保に関する公文の交換について承認を求めるの件につき、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 政府の説明によりますと、先ず本件公文を交換するに至つた経緯といたしましては、米国上院は、日米通商条約第八条2の自由職業に関する規定につき留保を付することを条件として、本年七月二十一日にこの条約の批准に承認を与えたのでありますが、米国政府から留保を付する旨の正式申入れは、同条約を審議中の第十六国会中にはまだなかつたのであります。併し政府としては、米国政府が同国上院の決議に従つて留保を付するものと予想し、米国側の留保及び我が方の対策を研究すると共に、当時両院の外務委員会に事情を報告いたしましたところ、外務委員会においても、又両院の本会議におきましても、米国がこの第八条2の規定に留保を付する場合には、我が国もこれに対応する留保を付することを希望する旨の発言があつたのであります。その後、米国から、同国上院の決議に従つて留保を付する旨の正式申入れがありましたので、政府はこれに対応する留保を付することとし、本年八月二十九日に、外務大臣と米国大使との間に、右留保に関する公文交換を行なつた次第であります。
 次に、米国側の留保と申しまするのは、日米通商条約第八条2の規定及び最恵国待遇の規定は、自由職業で、公共福祉のため、州による許可を要し、且つ法令又は憲法によつて専ら米国市民にのみ留保されるものには、適用されない旨を定めることを趣旨とし、これに対応する我が国の留保は、米国の或る州で日本人が或る自由職業に従事することについて、禁止又は制限が加えられている場合には、我が国はその州出身の米国人に対し、当該自由職業に従事することについて同様の禁止又は制限を加える権利を留保する旨を定めることを趣旨としております。これらの留保は、条約第八条2の規定、即ち「いずれの一方の締約国の国民も、外国人たることのみを理由としては、他方の締約国の領域内で自由職業に従事することを禁止されることはない。」という規定を実質的に修正することになるものでありますから、本来ならば当然この条約の批准前にこれについて国会の承認を求めるべき筋合いであつたのでありまするが、政府としましては、この条約の効力を一刻も早く生ぜしめることが、我が国にとつて重要であると判断したことと、他方、第十六国会において本件経緯の説明をいたした関係もありまして、この留保を付しての批准の手続を急ぎ、本年九月三十日にワシントンで批准書の交換を了したものであります。つきましては、右の事情を諒察の上、速やかに国会の御承認を得たいとの説明でありました。
 委員会は四回に亘つて開会し、本件を審議いたしました。
 次に、質疑の二、三をかいつまんで御報告いたします。「日本側での制限は、この留保によつて自動的に行われるのか。又どのように制限するのか」との質問に対し、「日本側の制限は我が国内法を以て規定するわけである。現在制限を課したいとの意向が出ておるのは、法務省から弁護士業務について、建設省から建築士業務についての二つであつて、現在これらの職業に従事している米国人に対し、どの程度に制限するのか、或いは将来これらの職業に従事する者について制限をするのか、又いつこれを行うか等の点については、関係省の意向がまだきまつていない。日本側は禁止又は制限し得る権利を完全に留保しているのであるが、職業選択等の自由に関する憲法の規定に鑑みて、米国側と同様の程度に制限することを留保した次第である」との答弁があり、「米国側公文に最恵国待遇に関する条項を留保しているが、日本側公文にそれがないのはどういうわけか」との質問に対し、「米国上院の決議中の字句には、不正確ではないかと考えられる点がある。殊に、最恵国待遇に関する条項の留保は、実際上、かかる場合は起らないから意味がないのではないかと考えて、我が方の公文には、この字句を挿入していない」との答弁があり、又、「このたびの留保は非常に異例なものであるが、交換公文は批准の客体の一部になるのか」との質問に対し、「今度の場合は、米国大統領が批准の際に留保する普通の場合と違い、上院が留保の決議を付し、米国政府がこの上院の意思を尊重して、その通り実行したいとの希望であつたため、こうした異例な仕方になつたので、そのため、二通りの公文を交換することになつた。批准の客体は、日米友好通商航海条約そのものであつて、交換公文は批准するに当つての留保条件である。つまり、留保付批准と同じ結果となるものである。交換公文の効力は、すでに発生しており、事後に国会の追認を頂くわけである」との答弁でありました。
 委員会は、十二月七日質疑を了し、引続き討論に入りましたところ、曾祢委員は、「私は反対いたしたい。理由は、日米通商条約自体に反対したことに関連してだけではない。第一に、このたびの案件には、米議会の意思が相当我がままな形で現われていて、我が方は、これをそのまま受けた形になつておる。基本的には自由職業に関しては内国民待遇をすることが最もいいと思うが、米国側に事情がある場合は止むを得ない。併し日本としてはかように消極的ではなく、独自の理由に基き、自主性の上に立つて、これに対応したものとすべきであつた。第二に、条約は事前承認を鉄則とすべきであり、今回の場合は、他に方法があるにかかわらず、事後承認を求めたやり方は不満である。以上二点の理由により本件に反対である」と述べられました。次に團委員は、「米国としては、この留保は国内事情からして止むを得ない点があつたと思うが、こうした形をとつたことは遺憾である。併し、先に日米通商条約を承認した以上、本件留保は止むを得ないと考え、本件に賛成を表明する」と述べられました。最後に梶原委員は、「この留保自体と内容について遺憾の点はあると思うが、この留保のことは通商条約の承認の際、すでに存在した問題であり、それがあることを前提として条約を承認したのであるから、この際、本件に賛成することは妥当だと考える」と述べられました。
 次いで採決に入りましたところ、本件は承認すべきものと多数を以て決定いたした次第であります。
 以上御報告申上げます。
 次に、議題となりました関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 政府の説明によりますと、我が国は、かねてから、ガツトに加入することにより、我が国の通商を振興することを希望して参りましたが、一昨年九月、ジユネーブで開かれましたガツト締約国団の第六回会期で、ガツトヘの簡易加入手続が採択されましたので、政府は昨年七月十八日付を以てこの簡易手続に基いて、ガツトヘの加入の前提たる関税交渉開始方の申請を行いました。この申請は、締約国団の特別会期において審議される運びになつておりましたところ、米国は、共和党新政権による対外経済政策全般の再検討が終るまでは、大規模な関税交渉を行わないとの方針を決定し、他の締約国も、米国を除いた関税交渉は意味がないとの態度をとるに至りましたため、この特別会期は開かれず、従つて我が国の加入は更に延期される形勢になつたのであります。そこで政府におきましては、右の困難を打開するため、関税交渉をしないで、実質上ガツトに加入したと同様の利益に浴する方法として、日本は、ガツトの権利を享受すると共に、相当数の品目について日本の関税税率を据置くという一つの便法を案出した上、去る九月十七日からジユネーブで開かれました第八回総会に仮加入の申請をいたしました。そして会議における折衝と並行して、関係国に対し、種々交渉を行いました結果、幸いにして十月二十三日、賛成投票二十七、反対投票なし、棄権六で、我が国の仮加入が認められるに至つた次第であります。
 我が国の仮加入に関しては、只今議題となりました関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言と、ガツト締約国団の決定との二つの文書が作成されたのであります。この文書のうち、前の「宣言」のほうは、我が国とガツト締約国中の希望国との共同宣言の形をとつており、又、「決定」のほうは、ガツト締約国団の決定でありまして、「宣言」と同一期間中、我が国のガツト締約国団及びその補助機関の会期への参加を認めたものであります。
 次に、この宣言は本文と附属書から成つておりまして、その内容の要点は次の通りであります。
 即ち第一に、この宣言の参加締約国と我が国との通商関係が一般協定に基くべきことを規定し、その際、正式加入の場合に適用せらるべき「加入政府に対する一般協定の適用に関する取極」が、仮加入の我が国にも適用せられるものとみなし、且つこの宣言の附属書たる譲許表が、あたかも上記の取極にいう加入政府、即ち正式加入をした政府の譲許表であるとみなす旨を定め、第二に、対日平和条約第三条に掲げられている琉球その他の諸島と我本国との貿易に関する現行制度に影響を及ぼさない旨を規定し、第三に、この宣言の有効期間は、我が国が一般協定に加入するまで、又は一九五五年六月三十日までであることを定め、第四に、この宣言は、これを受諾する一般協定の締約国について、その受諾の日の後の三十日目に、我が国とその締約国との間で効力を生ずる旨を定めております。なお附属書は、我が国の関税定率法の別表を基準とし、これと照合して作成されたものであります。
 現在この宣言に署名した国は十四カ国に上つておりますが、我が国はこの宣言によりまして宣言の参加締約国から関税事項に関する最恵国待遇を受ける権利を得、又締約国間の決定によりまして、関税及び貿易に関し、国際的な発言権を獲得し、我が国の利益を保護し増進する手がかりを得ることになつたわけであります。よつてこれらの利益を考慮しまして又これらの文書は、もともと我が国の要請に基き、且つ我が国の署名を前提として作成せられたものであるに鑑みまして、政府は、その責任において、本件「宣言」の作成せられました十二月十四日に直ちにこれに署名し、国会の承認は憲法第七十三条第三号但書の規定に従い、事後に求めることといたした次第でありまするが、以上の点を諒察せられ、御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望するというのが、政府の説明でありました。
 本委員会は予備審査及び大蔵委員会との連合委員会と合せて計四回開会し、本件の審議を行いました。
 次に質疑の要点二、三を御報告いたします。
 第一に、「英国が日本の仮加入に反対した理由は何か」という質問に対しましては、「その理由は、日本は戦前、不正競争を行なつた事実があり、戦後においてもその事実があること。英国は現に事実上は日本に対しガツトの利益を与えており、輸入制限も緩和しているのであつて、日本の貿易上の困難は単にガツトに加入するということによつて打開されないということ。現在、ガツトは全面的に再検討を加える時期に来ているから、日本の加入の時期は、米国のランドール委員会の報告を待つて、米国の対外経済政策が決定した後にすることが適当であること。日本は中共貿易に制限を加えられている結果、日本の貿易が英連邦圏に向つて集中して来るという懸念がある。それらの点にある」との答弁でありました。
 第二に、「我が国に対しガツトの利益を与えない諸国に対して対抗的に複関税を設定する等の措置をとる考えはないか」との質問に対しましては、「かかる措置は現行関税定率法第四条によつても可能であるが、これは俗に報復関税とも言われるものであつて、必ずしも適当ではない。併し場合によつては複関税制度をとり得るような立法も考慮している」との答弁がありました。
 第三に、「我が国の仮加入は、貿易上、金額においてどの程度の実益があるか」との質問に対しましては、「ガツト締約国中、現在我が国に対しガツトの利益を与えていない国々は、カナダ、ブラジル、フランス、濠州、南阿連邦、ニユージーランド等の諸国であつてその他の諸国は、従来より我が国に対し事実上ガツト税率を適用している。従つて我が国が、仮加入の結果、今後新たにガツト税率の適用を受け、これによつて貿易上実質的に利益を受けることになる主なものは、カナダとブラジルとの関係においてであり、両国ともやがてこの宣言に署名するものと期待される。このうちカナダとの貿易関係について言えば、我が国は現在十対一の割合で著しく輸入超過となつているが、ガツト税率が実施されるときには、今まで最高税率を課せられていた「まぐろ」、肝油以下各種の主要品目の税率が大幅に引下げられることになり、更に、パイプライン、光学機械等について、新たに輸出の進展が予想せられ、現在の総額年約千五百万ドルの輸出貿易は、よく行けば二倍程度にまで増加するであろうと期待される。又、我が国のガツト仮加入に、カナダ政府が賛成したのに対して、同国業界の反対の声が大きいことから見ましても、今回の仮加入は大きな効果があるものと見られるわけである。併し右のような貿易金額上の利益よりも、更に重要なことは、この貿易に関する最も重要な世界的憲章であるところのガツト、而もそれが遠からず改訂されようとしているときに、これに仮加入したことによりまして、非常に大きな利益を受けるということである。即ち、日本はこれによつて関税及び貿易に関して国際的な発言権を獲得して、一挙に署名各国との間に最恵国待遇の利益を享受することになり、又これらの諸国が日本に対し一定期間税率を引上げないという点において大きな意味があるわけである」という答弁がありました。
 その他詳細の点は速記録について御承知願いたいと存じます。
 委員会は十二月七日質疑を了し、引続き討論に入りましたところ、羽生委員より、「本件はもとより望ましいものであるから、これに賛成する。ただ問題は、今後、未署名国との交渉、貿易上の取扱に万全を期するよう希望する。又、仮加入に満足することなく、貿易伸張のため十分に努力されたい」との意見を述べられました。次に團委員は、「私は賛成である。これによつて我が国は一般協定の利益に均轄し、又締約国団の決定により、関税及び貿易に関し国際約な発言権を獲得し、我が国の利益を増進することができるのは有利であると考える。又未だ各国との通商協定が締結されないのに、ガツトに仮加入できたことは、極めて喜ぶべきことである」と述べられ、最後に梶原委員より、「仮加入に当つて外務当局が今日までに払つた努力を多とする。本件により直ちに大きな効果は期待し得ないとしても、国際間に正しい地位を確保し、将来の貿易発展に期待し得るところが少くないと思うから賛成である」との意見を述べられました。
 かくて討論を了し、採決に入りましたところ、本件は承認すべきものと全会一致を以て決定いたしました次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#6
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両件の採決をいたします。
 先ず日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約第八条2についての留保に関する公文の交換について承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本件は承認することに決定いたしました。
     ─────・─────
#8
○議長(河井彌八君) 次に、関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#9
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て承認することに決しました。
     ─────・─────
#10
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第三の請願及び日程第九十二及び第九十二の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員長郡祐一君。
   〔郡祐一君登壇、拍手〕
#12
○郡祐一君 只今上程されました請願及び陳情に対する委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。
 請願第二百五十九号は岐阜県高山市に岐阜保護観察所支部設置のものであります。高山市を中心とした飛騨の地域はいわゆる飛騨山脈に繋がる山岳地帯でありまして、住民は十八万余、面積は県下の四割を占め、岐阜市からは非常に遠隔地でありますために、現在、児童相談所の分所のほか、地方裁判所、家庭裁判所、地方検察庁、地方法務局、刑務所等の各機関は、いずれも高山市に支部が設置されており、又公安調査局は特に調査官を駐在させて住民の利便と事務の円滑を図つている実状であります。従つて明年度において同市に岐阜保護観察所支部を設けてもらいたいとの趣旨のものであります。
 陳情第三十八号及び第五十号はいずれも戦犯者の釈放等に関するもので、平和条約が成立し、独立と自由を回復した今日、なお多数の同胞が中国又はソ連に抑留され、又は戦争犯罪者として巣鴨拘置所に拘禁されて、苦悩憂悶の日夜を送つておるのでありますが、本人はもとより、留守家族の労苦を思いますとき、誠に忍び得ないものがありますから、巣鴨拘置所に拘禁されている受刑者の即時赦免及びソ連、中国の抑留者並びに外地抑留受刑者の内地送還等につきまして速やかに適切なる措置を講ぜられたいとの趣旨のものであります。
 以上の各件につきまして政府の所見を聞き、慎重に審査いたしました結果、いずれもこれを採択し、院議に付して、内閣に送付すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告いたします。(拍手)
#13
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(河井彌八君) 日程第四より第六までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西川甚五郎君。
   〔西川甚五郎君登壇、拍手〕
#17
○西川甚五郎君 只今上程せられました大蔵委員会付託の請願につきまして御報告申上げます。
 本委員会におきましては、各案についてそれぞれ政府の見解を聴取いたしまして、質疑応答を重ね、慎重に審議をいたしましたのでありまするが、その結果は次の通りであります。
 請願第三十号は、宮崎県油津港が年年相当な実績を挙げておるにかかわらず、未だ不開港のため、外国貿易船の出入に極めて不便な状態にあつて、同港の伸展上大きな支障となつているから、速やかに同港を貿易港に指定せられたいとの趣旨であり、請願第百十三号は、群馬県藤原ダム建設工事のため犠牲となる地元民の移転補償費は最少限の更生資金であるから、これに対しては当然補償費免税の処置を講じ、犠牲者の不安動揺を防止せられたいとの趣旨であり、請願第二百十一号は、給与所得税が極めて高率であるため一般勤労者の生活は困難を極めているから、給与所得税を軽減せられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。
 よつて以上の請願三件はこれを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#18
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#20
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して日程第三十五より第四十四までの請願及び日程第九十九より第百一までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員会理事戸叶武君。
   〔戸叶武君登壇〕
#22
○戸叶武君 本国会中、農林委員会に付託されました請願三十一件、陳情七件につきまして審査を完了しましたので、その経過及び結果の大要を報告いたします。
 付託されました請願及び陳情の趣旨は多様でありますが、これを大別いたしますと、本年九月の第十三号台風、及び今年の冷害、凶作対策に関するものが最も多く十四件、次いで本年産米の生産者及び消費者価格に関するものが九件ありました。又食糧に関するもの三件、土壌肥料に関するもの二件、国有林等林業関係のもの二件、茶業振興に関するもの二件でありまして、その他、植物防疫所、家畜保健衛生所、蚕糸業振興、高度集約酪農地区の設定、開拓地及び農業共済に関するものが各一件であります。
 委員会におきましては、これらの諸件につき政府当局の意見をも徴し、慎重審議をいたしました結果、すでに十三号台風及び冷害凶作対策等のように、過般の国会において立法並びに予算措置が講ぜられたものは、請願、陳情の趣旨が実施されたものとして処理し、又米価等の具体的結論に到達し得ないものは、更に慎重に研究するため、これを留保し、これらを除いて、只今議題となりました請願十件、陳情三件は、全会一致、議院の会議に付し、採択の上、内閣に送付し、政府を促して速やかにこれが実現を期すべきものと決定いたしました次第であります。
 右御報告申上げます。
#23
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第二十四より第三十四までの請願及び日程第九十五より第九十八までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長堂森芳夫君。
   〔堂森芳夫君登壇]
#27
○堂森芳夫君 只今上程せられました請願十一件、陳情四件につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 以上の請願、陳情は、簡易水道、清掃事業に対する国庫補助増額等に関するもの、国立療養所の職員定員の増員、賄費の増額等に関するもの、生活保護の保護基準の引上げ、保育所の国庫補助増額、戦没者遺族に対する援護、冷害地に対する社会福祉対策の増進等に関するもの、船員保険と労災保険の調整改善に関するものでありまして、いずれも毎国会におきまして審議し、内閣に送付して、その実現を要望して参つたものと同様趣旨のものでありまするが、今回更に政府よりその実情について説明を聴取し、慎重審議を重ねたのでありまするが、いずれも願意は妥当なものと認め、採択して、内閣に送付を要すべきものと決定いたしました次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#28
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#30
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して日程第四十五より第五十三までの請願及び日程第百二より第百七までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長森崎隆君。
   〔森崎隆君登壇〕
#32
○森崎隆君 只今議題となりました請願九件、陳情六件につきまして、水産委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 委員会におきましては、十一月七日開会いたしまして、関係政府委員を招致いたし、慎重に審議をいたしたのでございまするが、請願第十八、第二百七十一、陳情第四十二並びに第五十五の各号は、いわゆる李承晩ライン撤廃等、日韓漁業問題に関する件でございます。次に、請願第百二十三号は漁船損害補償制度に関する件であり、第二百四十七号は漁業災害補償制度確立に関する件、第二百四十八号は合成繊維漁網への転換促進に関する件、第二百四十九号は、まき網漁業許可相続継承手続の簡易化に関する件、第二百五十号は漁船保険料軽減に関する件、第二百五十二号は漁船建造費に対する長期低利資金融資に関する件、第二百七十二号は新潟県石地漁港防波堤災害復旧に関する件、陳情第五十六号は北海道本泊漁港修築工事施行に関する件、第五十七号は北海道雄志志内漁港修築工事施行に関する件、第五十八号は内水面漁業の災害補償制度確立等に関する件並びに第五十九号は水産用製氷冷蔵施設買収資金融資に関する件でございます。
 以上十五件の請願、陳情は、いずれも願意妥当と認めまして、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#33
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(河井彌八君) この際、日程の順序を変更して、日程第五十四より第六十八までの請願及び日程第百八の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長前田穰君。
   〔前田穰君登壇〕
#37
○前田譲君 只今議題となりました日程第五十四より第六十八までの請願及び日程第百八の陳情につきまして運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず日程第五十四は、東京都の自動車検査場増設に関する請願でありまして、請願の要旨は、東京都内には自動車検査場が一カ所しかなく、一日平均五百輌の検査をするので、その混雑と渋滞は目に余るものがあるから、検査官を増員し、又検査場を増設する等の処置を講ぜられたいというのであります。
 次は、日程第五十五の国鉄信濃川水力発電第四期工事促進に関する請願でありまして、請願の要旨は、第三期工事の技術陣容、機械力その他の諸施設もそのまま利用できるので、電源開発促進の見地から、速やかに本工事に着手せられたいというのであります。
 日程第五十六、第五十七、第六十四及び第六十八は、鉄道の新線建設に関する請願でありまして、日程第五十六は、野岩羽鉄道の上三依より分れ西那須野に至る線を追加すると共に、これを完成せられたいというのであります。日程第五十七は、赤穂線全線の開通に要する予算を確保され、未測量区間の測量調査を直ちに実施の上、東西両方面から早急に施行せられたいというのであります。又日程第六十四は、北海道根室本線白糠駅から網走本線足寄駅に至る鉄道を速やかに着工せられたいというのであります。日程第六十八は、兵庫県北条町―福崎両駅間に鉄道を敷設して欲しいというのであります。
 日程第五十八及び第六十三は鉄道電化に関するものでありまして、日程第五十八は、福岡県下の主要線区のうち、門司港―大牟田間、小倉―中津間、若松―原田間、行橋―彦山間、直方―伊田間の電化を早急に実現せられたいというのであります。日程第六十三は、仙山線の電化に関するものでありまして、本線は東北地方の中部表日本と裏日本を結ぶ最短線であり、現在作並―山寺間は電化されているが、両端が蒸気機関車のため、全体として輸送力が著しく減殺されているから、速かに全線を電化して欲しいというのであります。
 日程第五十九及び第六十二は、駅設置に関する請願でありまして、日程第五十九は、竹下―雑餉隈両駅間にデイーゼル・カー専用の停車場を設置して欲しいというのであり、日程第六十二は、瀬戸―西大寺両駅間に新駅を設置して欲しいというのであります。日程第六十は、現在の博多―京都間の特急「かもめ」を博多―東京間に延長運行して欲しいというのであります。
 日程第六十一及び第六十五は、自動車運送事業の免許制度廃止反対の請願であります。日程第六十六は、魚類、殊に大衆向魚類の貨物運賃引下げに関する請願であります。日程第六十七は、北海道函館港埠頭完成促進に関する請願であり、又、日程第百八は、北海道鴛泊港修築工事促進に関する陳情であります。
 以上の請願十六件及び陳情一件につき、委員会において審議いたしました結果、特に国鉄信濃川水力発電第四期工事促進に関しましては、国鉄の石炭節約、経営の合理化及び輸送力増強の見地より、鉄道敷設に関しましては、未開発資源の開発、民生の安定及び文化の向上等の見地から、自動車運送事業の免許制度廃止反対につきましては、自動車運送事業の公共性より見て、事業の基礎を強固にし、且つ交通秩序を確立する見地から、いずれも願意を妥当と認め、その他の各件につきましても、現地の事情、その他国民の利便等を考慮し、願意を妥当と認め、いずれも議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと全会一致を以て決定いたしました。
 以上御報告を申上げます。(拍手)
#38
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#40
○議長(河井彌八君) 日程第六十九及び第七十の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。郵政委員長池田宇右衞門君。
   〔池田宇右衞門君登壇、拍手〕
#42
○池田宇右衞門君 只今議題となりました請願につきまして郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず茨城県小里村に簡易郵便局設置の請願であります。小里村は、交通通信の不便な地域であり、住民の不便が甚だしいので、簡易郵便局を設置されたいというのでありますが、これに対し郵政当局よりは、設置方考慮をする旨答弁がありました。
 次に、大阪府豊中郵便局庁舎の移転新築に関する請願でありまして、同局舎は老朽のため移転新築することとなり、すでに敷地も譲渡済であるから、これが経費を二十九年度予算に計上せられたいというのであります。これに対し郵政当局より、他との権衡を図り、新築方考慮をする旨答弁がありました。
 委員会におきましては、以上申述べた二件につき、慎重審議の結果、いずれも願意を妥当と認めて、これを採択し、議院の会議に付して内閣に送付すべきものと、全会一致を以て決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#43
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#45
○議長(河井彌八君) 日程第七十一及び第七十二の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員会理事島津忠彦君。
#47
○島津忠彦君 只今議題となりました請願について、電気通信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 日程第七十一の奈良県四郷村の電話加入区域改定に関する請願及び日程第七十二の新潟県小出町―福島県只見村間に電話回線架設に関する請願。
 右二件の請願につきまして、委員会において慎重審査の結果、いずれも願意を妥当なものと認め、これを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと、全会一致を以て決定いたした次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#48
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#50
○議長(河井彌八君) 日程第七十三より第九十一までの請願及び日程第百九より第百十一までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石川清一君。
   〔石川清一君登壇、拍手〕
#52
○石川清一君 只今議題となりました日程第七十三外十八件の請願及び日程第百九より第百十一までの二十一件の陳情について、建設委員会の審議の結果を御報告いたします。
 これらの諸件のうち、先ず河川に関するものは、岡山県吉井川外五河川の改修工事の施工若しくはその促進、兵庫県黒石川の砂防防災ダムの建設を要請するものでありますが、このほか東京都足立区ほか二区の治水促進、千葉県下の地すべり対策、群馬県藤原ダム建設に伴う補償等に関するものであります。
 次に道路については、兵庫県山崎平福線ほか二路線の改修及び宮崎県一ツ瀬橋ほか三橋梁の架換若しくは架設に関するものであります。
 以上のほか、茨城県駐留軍水戸射場附近の学校移転等に関するもの並びに台風第十三号による愛知県下各地の激甚なる災害の復旧措置に関する陳情でありまして、いずれも願意おおむね妥当なものとして、これを会議に付し、内閣に送付すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#53
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#54
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午前十一時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時二十五分開議
#55
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 参事に報告いたさせます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書
 食糧管理特別会計の昭和二十八年産米穀に係る供出完遂奨励金の支払財源の一部に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案可決報告書
 漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案可決報告書
 一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案可決報告書
 町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案可決報告書本日衆議院から左の内閣提出案を受領した。よつて議長は即日これを法務委員会に付託した。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案本日委員長から左の報告書を提出した。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書
 内閣委員会請願審査報告書第二号同特別報告第二号
 内閣委員会陳情審査報告書第一号同特別報告第一号
 地方行政委員会請願審査報告書第一号同特別報告第一号
 地方行政委員会陳情審査報告書第一号同特別報告第一号
 通商産業委員会請願審査報告書第一号同特別報告第一号
 通商産業委員会陳情審査報告書第一号同特別報告第一号
 労働委員会陳情審査報告書第一号同特別報告第一号
     ―――――・―――――
#56
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。議院運営委員長草葉隆圓君。
   〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
#58
○草葉隆圓君 只今議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、議院運営委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず本案の内容を御説明いたしますると、このたびの一般職の国家公務員の給与の改訂、期末手当及び勤勉手当の増額に伴いまして、第一に、議員秘書の給料を現行月額一万九千二百円から月額二万一千九百円に引上げようとするものであります。第二に、本年十二月に支給されまする議員秘書の勤勉手当の額を、給料月額の最高〇・二五カ月分増額支給しますると共に、明年以降は、議員秘書に対し、六月に〇・二五カ月分、十二月に〇・五カ月分、合計年間〇・七五カ月分の勤勉手当を支給することに改めようとするものであります。又、先に、昭和二十八年度における国会議員の秘書の期末手当の支給の特例に関する法律によりまして、本年六月に繰上げ支給されました〇・二五カ月分の期末手当の十二月支給分からの控除はこれを行わないこととし、従前通り〇・五カ月分の期末手当を支給しようとするものであります。第三に、明年以降、各議院の議長、副議長及び議員並びにこれらの秘書の期末手当を、六月に〇・五カ月分、十二月に〇・七五カ月分、合計年間一・二五カ月分とすることに改めようとするものであります。
 本委員会におきましては、庶務関係小委員会におきまして、本法律案の提出に先立ち、その内容につき、衆議院側との密接な連繋の下に、種々検討を加えて参つたのでございまするが、今回、本案が正式に衆議院から提出されて参りましたので、更に慎重に審議を行いました結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#59
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#60
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#61
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、
 食糧管理特別会計の昭和二十八年産米穀に係る供出完遂奨励金の支払財源の一部に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、
 漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、
 一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事西川甚五郎君。
   〔西川甚五郎君登壇、拍手〕
#63
○西川甚五郎君 只今議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず食糧管理特別会計の昭和二十八年産米穀に係る供出完遂奨励金の支払財源の一部に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について申上げます。
 米穀の生産者が、昭和二十八年産米穀につき、食糧管理法の規定によつて、義務供出分を政府に売渡したときは、供出の促進と確保を図るために、生産者に対して供出完遂奨励金石当り八百円を交付することとなるのでありますが、その予算措置に伴い、本案は、供出完遂奨励金の支払財源につきまして、その半額に相当する五十六億四千万円を限り、一般会計から食糧管理特別会計に繰入れることができることとしようとするものであります。
 本案の審議に当りましては、食糧管理特別会計の予算補正の概要、食糧需給計画、ビルマ米及び韓国米の輸入見通し、及び消費者米価の算定とそれに伴う財政負担等について、熱心なる質疑応答が交わされましたが、その詳細は速記録によつて御承知願います。
 質疑を終了し、討論、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について申上げます。
 最近におきまして、漁船の拿捕、抑留等の事故が異常に発生いたし、漁船損害補償法の規定による特殊保険について、漁船再保険特別会計における再保険金の支払が増加し、損失を生じましたので、その補てんのため、一般会計から繰入金をする措置をしばしば講じて参つたことは御承知の通りでございます。然るところ、昭和二十八年度におきましても、特殊保険事故及び漁船乗組員給与保険法の規定による漁船乗組員の抑留を保険事故とする給与保険の事故が異常に発生いたしましたために、漁船再保険特別会計における再保険金の支払が著しく増加し、その支払財源に不足を生ずることになりまするので、本案は、この補てんのため、その事故の性質に鑑みまして、昭和二十八年度において、一般会計から特殊保険勘定に一億七千七百万円、給与保険勘定に七百万円を限り繰入金をすることができることとしようとするものであります。
 委員会の審議におきましては、拿捕抑留された漁船及び乗組員の返還の現況及び見通し、李承晩ライン及び濠州大陸棚等に対する交渉の経過等について質疑がなされましたが、その詳細は速記録によつて御承知を願います。
 質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案について申上げます。
 御承知のごとく、昭和二十五年に設置されました米国対日援助物資等処理特別会計は、昭和二十六年七月一日以降米国の対日援助が打切られ、又同年九月一日以後は軍払下物資の払下げも打切られ、目下のところ清算段階に入つておる実情であります。本特別会計の本年度歳入歳出状況を見ますと、歳入においては、援助物資売払等収入、雑収入、前年度剰余金の受入合計が十三億五千四百六十八万七千円となりますのに対しまして歳出においては、事務取扱費、援助物資輸入諸掛費、諸支出金の合計は二千三万五千円となり、差引十三億三千四百六十五万二千円の剰余金が見込まれますので、これを一般会計の歳出の財源に充てるため繰入れを行おうとするものであります。
 本案審議に当りましては、援助資金の性格並びに経過、次年度繰越分の見込等について、種々熱心なる質疑応答が交わされましたが、その詳細は速記録により御承知願いたいと存じます。
 質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#64
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。
 先ず食糧管理特別会計の昭和二十八年産米穀に係る供出完遂奨励金の支払財源の一部に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#65
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#66
○議長(河井彌八君) 次に、漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#67
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#68
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
#70
○内村清次君 只今議題となりました町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果の概要について御報告いたします。
 本法案は衆議院提出にかかるものであります。御承知の通り、警察を維持する町村は、住民投票によつて警察維持の責任を転移することができるのでありますが、これらの町村について、警察法第四十条の三第八項の規定によりますれば、十月三十一日までに警察維持に関する責任の転移が行われることに決定した旨の報告が内閣総理大臣に対してなされましたときは、翌年四月一日にその責任の転移が行われることに相成つております。然るに、現在若干の町村におきましては、この責任転移の時期の繰上げを希望するものがあり、この希望を実現するための特別立法方を国会に対して請願又は陳情する向きもあるので、今回これを取上げて責任転移の時期を繰上げることのできる特例を設けようとするのが本法案の狙いであります。
 法案の内容といたしましては、警察維持に関する責任の転移が行われることに決定した旨の報告のあつた町村のうち、当該町村長がその議会の同意を得て責任転移の時期を前掲法定の時期より繰上げたい旨を内閣総理大臣に申請し、その承認を得たものにつきましては、その承認のあつた月の翌月の一日に責任転移が行われることにいたしたのであります。なお、この法律は公布の日から施行し、又、本法案と同名の昭和二十八年法律第七十六号はすでに不要となりましたので、これを廃することになつております。
 地方行政委員会におきましては、本月五日衆議院議員加藤精三君より本法案の提案理由の説明を聞きましたのち、提案者並びに政府委員側との間に質疑応答を重ねましたが、十二月八日討論に入り、日本社会党第四控室を代表いたしまして秋山長造君は、「警察法の精神に基いて自治体警察が設置せられた以上は、これを育成強化すべきは当然である。然るにこの種特例法の提出は、我々の反対にもかかわらず、今回で四回目を数える。これは中央集権、警察国家再現への既成事実を作ろうとするものにほかならず、自治体警察関係者への悪影響も恐れられる。この意味において本法案には反対である」旨を述べられました。自由党を代表いたしまして伊能芳雄君は、「本法案は警察法の精神には関係なく、ただ住民投票に現われた住民意思の実現を容易ならしめるための手続を規定するものであるから、最も適切な立法として賛成する」旨を述べられました。又日本社会党第二控室を代表いたしまして松澤兼人君は、「一部には警察法を改正して国警一本化に持つて行こうとする動きがある折柄、国警、自警二本建の基本原則にも触れるような特例は認むべきではない。この意味において本法案には反対である」旨を述べられました。
 かくて採決の結果、本法案は多数を以て原案の通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。
 以上御報告いたします。
#71
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#72
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#73
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員長郡祐一君。
   〔郡祐一君登壇、拍手〕
#75
○郡祐一君 只今上程の裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両法律案につきまして、委員会における審議の経過及び結果を便宜一括して御報告いたします。
 裁判官及び検察官の給与につきましては、その職務の特殊性に鑑み、一般の政府職員とは別個に特別の法律によりましてこれを定めておるのであります。然るに今般政府は経済事情の変動に伴いまして、一般の政府職員の給与を改善するために、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一節を改正する法律案を今国会に提出したのであります。そこで裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の例にならい、その報酬又は俸給の月額を引上げる必要がありますので、この両法律案が提出せられた次第であります。その増加比率は一般の政府職員のそれと同様であります。又一般の政府職員中いわゆる認証官につきましては、今回はその給与を据置にすることになつておりますので、これに対応して、認証官である裁判官及び検察官の報酬又は俸給の月額も原則として据置くことにいたしておりますが、ただ次長検事及び東京以外の検事長につきまして、一般の検事との不均衡を是正するため数額の調整をしているのであります。以上がこの両改正法律案の要旨であります。
 委員会におきましては慎重に審議を重ねたのでありますが、その詳細は速記録によつて御了承願いたいと存じます。討論におきましては別に発言がありませんでした。かくて採決いたしましたところ、両法律案はそれぞれ多数を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右御報告いたします。(拍手)
#76
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#77
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#78
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して内閣委員長報告にかかる恩給金庫復活に関する請願(二件)及び恩給の不均衡是正等に関する陳情ほか一件の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長小酒井義男君。
   〔小酒井義男君登壇、拍手〕
#80
○小酒井義男君 只今議題となりました請願二件及び陳情二件につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 その第一は恩給金庫復活に関する請願二件でありまして、この二件はその内容が全然同様でありますが、この二つの請願は、過般改正せられた恩給法中には一応恩給金融の途が開かれているが、この恩給金融は現存する金融機関が片手間に処理し得るような程度のものでなく、真に受給者の利用に便であつて、その福祉に寄与し得るものであるがためには、別途独立した金融機関を設ける必要があるから、恩給制度の完璧を期するため恩給金庫を復活せられたいという趣旨のものであります。その第二は恩給の不均衡是正等に関する陳情でありまして、この陳情は、昭和二十三年以前の退職者の恩給額は、その後の退職者の恩給額に比し、著しく低額であるから、この不均衡を是正するため、昭和二十九年度において適切なる予算措置を講ぜられると共に、給与ベース改正の場合は、恩給仮定年額もこれにスライドするよう取計らわれたいという趣旨のものであります。
 その第三は長崎県対馬島防衛体制確立に関する陳情でありまして、この陳情は外部勢力の我が国へ進出の足がかりとして対馬が狙われているが、万一、本島を失えば、我が国の防衛は重大な危機に陥ることになり、又本島を強固な防衛基地とすれば我が国の護りは一層固くなるから、本島の防衛体制を確立されたいという趣旨のものであります。
 内閣委員会は、付託されました請願及び陳情につきまして昨日と本日と二回委員会を開きまして特に慎重に審査をいたしました結果、以上挙げました請願二件及び陳情二件は、いずれも本院の会議に付するを要するものであつて、内閣に送付することを要するものであると決定いたしました。
 以上御報告を申上げます。(拍手)
#81
○議長(河井彌君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#82
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#83
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して地方行政委員長報告にかかる町村合併促進に関する請願及び昭和二十九年度消防施設整備費国庫補助増額に関する陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
     ―――――・―――――
#84
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事堀末治君。
   〔堀末治君登壇、拍手〕
#85
○堀末治君 只今議題となりました請願及び陳情について地方行政委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本委員会に付託になりました請願は十件、陳情は二件でありますが、審査の結果、採択に決定いたしましたのはおのおの一件であります。即ち、請願第百七十六号は、町村合併の促進に関し、町村合併促進法施行令第十二条に規定する「事務に関する経費の一部」の取扱について、その範囲を大幅に拡大すると共に、補助率を高率にせられたい、又事業費についても補助することとすると共に別枠とせられたいというのであります。陳情第五十三号は、消防施設強化促進法による国庫補助額は、現下消防施設の実情に鑑み少くとも三十三億は確保せられたいというのであります。
 右二件は慎重審査の結果、願意おおむね妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#86
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#87
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#88
○議長(河井彌八君) この際、日程第七より第二十三までの請願及び日程第九十四の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長川村松助君。
   〔川村松助君登壇、拍手〕
#90
○川村松助君 只今上程されました文部委員会付託の請願及び陳情に関する文部委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 請願第四十八号ほか三件は、学校給食法の制定、学校給食予算の増額、小麦粉及びミルクの全額国庫負担等を内容といたしております。
 請願第三十四号ほか二件は僻地教育振興法の制定等に関するものであり、請願第四十九号は学校災害の復旧促進、請願第五十号は学校建築の基準を、小学校〇・九坪、中学校一・二五坪に引上げることを要望いたしております。
 請願第七十四号ほか一件は、高等学松定時制教育等の経費の予算化に関する要望、請願第四十七号は大阪市の昭和二十九年度の中学校生徒の激増に伴う収容対策に関するもの、請願第百七十一号は、明年度における生徒児童数の約百万人増加に伴い、教員の三万人増員を要望しているものであります。
 請願第百九十二号ほか三件並びに陳情第四十五号は、義務教育費国庫負担法の臨時特例に関する法律の制定は、義務教育費国庫負担法の趣旨に即しないから、このような特例を設けないようにという願意であります。請願第百九十四号は、岐阜県高山地方の冷害地域の児童生徒の救済に関するものであり、請願第三十二号は、宮崎県西都原の特別史跡古墳群保護施設の助成に関するものであります。請願第三十五号は、宮崎大学学芸学部に音楽学科の新設を、請願第二百五十六号は茨城大学に工業短期大学の設置を要望するものであります。
 最後に、請願第三十三号ほか八件は、去る第十六国会において成立した私立学校教職員共済組合法による共済組合が承継した旧私学恩給財団の年金受給者に対する年金額を増額することを要望するものであります。
 文部委員会におきましては、慎重審議の結果、以上の請願三十件、陳情一件は、いずれも願意妥当と認め、議院の会議に付するを要し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#91
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#92
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#93
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、通商産業委員長報告にかかる自動車製品の中国向輸出制限緩和に関する請願ほか二件の請願及び石油資源総合開発に関する陳情を、一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事海野三朗君。
   〔海野三朗君登壇〕
#95
○海野三朗君 只今議題となりました請願三件、陳情一件の通商産業委員会における審議の経過並びに結果について、極く簡単に御報告いたします。
 請願第二十九号、自動車製品の中国向輸出制限緩和に関する請願、本請願は、貿易の振興と自動車工業の確立のため、普通トラツクを除く各自動車部品の中国輸出制限を緩和せられたいとの趣旨でございます。
 請願第百八十号、電力料金引上げ反対に関する請願、本請願は、電気料金の値上げが消費生活並びに産業に影響を及ぼし、輸出振興を阻害するから、電力会社の合理化と政府の金利引下げ、減税措置などにより、料金値上げを行わないようにしてもらいたいとの趣旨でございます。
 請願二百三十六号、軽目羽二重スカーフ等の規格存続に関する請願、本請願は、福島県で生産されている絹織物の約八〇%は軽目羽二重であり、その織機もそれを生産するように設備されている。従つて二・七五匁以下の軽目羽二重の輸出規格が廃止されると、福島県産業に重大な支障を来たすから、その規格を存続して欲しいとの趣旨でございます。
 陳情第四十三号、石油資源総合開発に関する陳情、本陳情は、政府が決定した石油資源総合開発五カ年計画は、その国内生産と消費量から考えて、誠に適策と考えられるから、その早期実現に努力されたいとの趣旨でございます。
 以上四件は、慎重審議の結果、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。
#96
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#97
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#98
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、労働委員長報告にかかる日雇労務者の越年資金等に関する陳情を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長栗山良夫君。
   〔栗山良夫君登壇、拍手〕
#100
○栗山良夫君 只今議題となりました陳情の労働委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 日雇労務者の越年資金等に関する陳情は、本年の越年資金として一カ月分を支給すること、及び年末年始にかけて七日間の有給休暇を与えることを要請しておるのでありますが、要求の各条項に関してはなお慎重に検討を要する点もありますが、日雇労働者の生活の実情に鑑み、その待遇を改善することは妥当であると認めて、本陳情を採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。
#101
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#102
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本陳情は、全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後五時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時五十五分開議
#103
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(印刷事業)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本専売公社)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(造幣事業)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有林野事業)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(アルコール専売事業)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本国有鉄道)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(郵政事業)議決報告書
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本電信電話公社)議決報告書本日議員から左の修正案を提出した。
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(印刷事業)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本専売公社)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(造幣事業)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国有林野事業)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(アルコール専売事業)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本国有鉄道)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(郵政事業)に関する修正案(永岡光治君外六十四名発議)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本電信電話公社)に関する修正案小永岡光治君外六十四名発議)
    ―――――――――――――
#104
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(印刷事業)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(日本専売公社)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(造幣事業)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(国有林野事業)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(アルコール専売事業)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(日本国有鉄道)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(郵政事業)
 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(日本電信電話公社)(いずれも第十七回国会、内閣提出、衆議院当付)
 以上八件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。順次委員長の報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。
   〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
#106
○大矢半次郎君 只今議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(印刷事業)外二件について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(印刷事業)について申上げます。
 本件は、第十七回国会の十一月四日、本委員会に予備付託となり、継続審査中のものであります。
 本年四月十日、全印刷局労働組合は、本年四月以降の賃金改訂に関する要求を印刷局に対して提出し、両当事者間で団体交渉を重ねましたが、妥結に至らず、調停段階に入り、六月二十六日公共企業体等中央調停委員会は、調停案を提示いたしました。これに対し、双方共に受諾しがたい旨を回答いたしましたので、調停は打切りとなり、全印刷局労働組合の申請により、七月二十日公共企業体等仲裁委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は九月二十九日裁定を下したのであります。この裁定によりますと、
 一、基本給(俸給、扶養手当、勤務地手当)は、八月以降月額平均一万三千五百円に改訂する。
 二、俸給表の作成及び最低賃金は、両当事者の団体交渉によつてきめる。
 三、扶養手当の額及び超過勤務手当の率は現行通りとする。
 四、宿日直手当、特殊勤務手当及び期末手当は、両当事者の団体交渉によつてきめる。
 五、本裁定の解釈につき疑義を生じ、若しくはその実施に当り、両当事者の意見が一致しないときは、仲裁委員会の指示によつてきめる。こととなつております。
 政府といたしましては、この裁定を実施いたしますと、第一項及びこれに関連する追加経費として昭和二十八年度予算に対し、更に約九千万円を要することとなりますが、この経費は、本年度予算に含まれておらず、且つ給与総額については、予算総則第八条の金額を超過することが明らかでありまするので、これを支出することは予算上不可能であり、従つてこの裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認め、本件に関する国会の意思の表明を求めて参つたものであります。
 然るところ今回政府は、この裁定を明年一月より実施することとし、所要経費三千百余万円を追加計上し、補正予算の審議を求めて参つておるのであります。
 次に、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本専売公社)について申上げます。
 本件は、第十七回国会の十一月四日本委員会に予備付託となり、継続審査中のものであります。
 本年三月十日、全専売労働組合は、本年四月以降の賃金改訂に関する要求を日本専売公社に対し提出し、両当事者間で団体交渉を重ねましたが、妥結に至らず、調停段階に入り、七月十五日公共企業体等中央調停委員会は、調停案を提示いたしました。これに対し、双方共に受諾しがたい旨を回答し、同委員会の申請により、七月三十日公共企業等仲裁委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は、十月十日次のような裁定を下したのであります。即ち、
 一、基準賃金(本俸、扶養手当、勤務地手当)は、八月以降月額平均一万四千八百五十円に改訂する。
 二、最低初任給及び俸給表は、両当事者の団体交渉によつてきめる。
 三、本裁定の解釈につき疑義を生じ、若しくはその実施に当り、両当事者の意見が一致しないときは、本委員会の指示によつてきめる。
 政府といたしましては、この裁定を実施いたしますと、第一項及びこれに関連する追加経費として昭和二十八年度予算に対し、更に約五億九千万円を要することとなりますが、この経費は本年度予算に含まれておらず、且つ給与総額については、予算総則第八条の金額を超過することが明らかでありまするので、これを支出することは予算上不可能であり、従つてこの裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認め、本件に関する国会の意思の表明を求めて参つたものであります。
 然るところ今回政府は、この裁定を明年一月より実施することとし、所要経費四億四千余万円を追加計上し、補正予算の審議を求めて参つておるのであります。
 次に、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(造幣事業)について申上げます。
 本件は、第十七回国会の十一月四日、本委員会に予備付託となり、継続審査中のものであります。
 本年五月十八日、全造幣労働組合は、本年四月以降の賃金改訂に関する要求を造幣局に対し提出し、両当事者間で団体交渉を重ねましたが、妥結に至らず、調停段階に入り、七月十六日、公共企業体等中央調停委員会は、調停案を提示いたしました。これに対し、双方共に受諾しがたい旨を回答し、全造幣労働組合の申請により、八月二十日、公共企業体等仲裁委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は十月二十七日次のような裁定を下したのであります。即ち
 一、基本給(本俸、扶養手当、勤務地手当)は、八月以降月額平均一万四千四百五十円に改訂する。
 二、前項の配分及び通し号俸表の問題は、両当事者の団体交渉によつてきめる。
 三、最低賃金は、両当事者の団体交渉によつてきめる。
 四、本裁定の解釈につき疑義を生じ若しくはその実施に当り、両当事者の意見が一致しないときは、本委員会の指示によつてきめる。
 政府といたしましては、この裁定を実施いたしますと、第一項及びこれに関連する追加経費として、昭和二十八年度予算に対し、更に三千二百余万円を要することになりますが、この経費は、本年度予算に含まれておらず、且つ給与総額については、予算総則第八条の金額を超過することが明らかでありますので、これを支出することは予算上不可能であり、従つてこの裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認め、本件に関する国会の意思の表明を求めて参つたものであります。
 然るところ今回政府は、この裁定を明年一月より実施することとし、所要経費千百余万円を追加計上し、補正予算の審議を求めて参つておるのであります。
 なお、右の三件は、いずれも衆議院において、この裁定中第一項は明年一月以降実施するものとして、これを承認するものと議決せられております。
 さて、右の三件につきましては、数次に亘り、特に十一月十八日及び二十日の両日には、国会閉会中でありましたが、委員会を開き慎重審議いたしました。
 なお十一月二十日には、内閣総理大臣、大蔵大臣及び労働大臣に、公共企業体等仲裁委員会の裁定を尊重善処するよう、全会一致の決議を以て申入れました。その詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 質疑を終了し、三件を一括して討論に入りましたところ、菊川委員より、「仲裁裁定を明年一月より実施することに反対であつて、裁定は飽くまでも本年八月から実施すべきである」との意見が述べられ、次いで松永委員よりも、菊川委員と同趣旨の意見が述べられ、採決の結果、多数を以て三件はいずれも衆議院において議決の通り、公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認すべきものと決定いたした次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#107
○議長(河井彌八君) 農林委員長片柳眞吉君。
   〔片柳眞吉君登壇、拍手〕
#108
○片柳眞吉君 只今議題となりました国有林野事業に関する公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件につきまして、農林委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
 公共企業体等労働関係法の適用を受ける林野庁職員を代表する全林野労働組合と林野庁当局との間に、かねて基準賃金の改訂並びに諸手当の創設及び増額その他について団体交渉が行われていたのでありますが、団体交渉も調停も共に不調に終り、公共企業体等仲裁委員会に仲裁申請が行われ、この間に処して去る十月二十七日公共企業体等仲裁委員会は、仲裁裁定第十八号を以て次の通り裁定いたしました。即ち、
 一、定員内職員の基本給(即ち本俸、扶養手当及び勤務地手当)は、八月以降月額平均一万三千三百五十円に改訂する。
 二、前項の配分は、両当事者の団体交渉によつてきめる。但し扶養手当の支給額及び範囲は一般公務員の例により、勤務地手当の制度は現行を維持する。
 三、常勤労務者の基本給は、定員内職員の例による。四の(1)、北海道在勤手当及び僻地手当の拡充は、更に両当事者の団体交渉において検討する。四の(2)、別居手当、役付手当及び道具代補償給は両当事者の団体交渉によつてきめる。
 四の(3)、住宅補償給、交通費及び結婚手当の要求は認められない。
 五、常用出来高給、期間及び日雇労務者の賃金は、八月以降平均一割程度引上げる。その配分は、両当事者の団体交渉によつてきめる。
 六、本裁定の解釈につき、疑義を生じ、若しくはその実施に当り、両当事者の意見が一致しないときは、本委員会の指示によつてきめる。等であります。
 右の裁定によれば、定員内職員及び常勤労務者の基本給の改訂並びに常用出来高給、期間及び日雇労務者の賃金の引上の実施並びにこれらに関連する追加経費として昭和二十八年度予算に対し、更に八億七千万円を必要とし、この経費は、昭和二十八年度特別会計予算の歳入歳出予算に含まれておらず、且つ定員内職員の基本給の改訂の実施については、予算総則による給与総額を超過することが明らかであるから、これを支出することは予算上不可能であるという事由によつて、国会の議決が求められたものであります。
 而して右の裁定に対し、衆議院におきましては、裁定中第一項、第三項及び第五項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認し、本院に送付せられました。なお、衆議院労働委員会において、年末手当の増額等について決議が行われておりまするから、申添えておきます。
 農林委員会におきましては、休会中も継続して審査を行い、先ず本裁定議決の前提をなす国有林野事業の意義並びにその経過及び現況、国有林野事業特別会計の経理状況、国有林野事業従東員の現況等について調査及び審査か遂げられ、特に一部委員によつて長野県木曾地方の国有林について、その現地調査が行われ、又仲裁委員会の裁定については、管理者たる林野庁当局での他参考人として全林野労働組合当局及び学識経験者の意見が徴せられ、更に裁定及び年末手当等の増額について政府当局の方針が質される等、慎重な審議が行われたのでありまして、これが詳細は時間の都合もありまするので、会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。
 この間において討議せられました各般の問題のうち、とりわけ国有林野事業従業員の給与が特に低位にあつて、これが是正に対して十分な考慮が払われなければならないこと、及び仲裁裁定が行われ、その完全実施が問題になつている際において、国有林野特別会計の増収分から、今回の第二次補正予算編成に当り、従来の繰入額に加え、更に十億円を一般会計に繰入れんとすることは批判せらるべきであつて、この措置は公労法の趣旨に鑑み、且つは昭和二十八年度特別会計予算総則第八条第二項の規定、いわゆる弾力条項に照らして当を失するものではないか等について、特に関心が払われたのであります。ここにおいて、三公社五現業の職員の年末手当等については、衆議院の決議の次第もあり、国有林野経営の実態に照らして、その年末手当等については、他の現業の年末手当等を十分勘案し、当局は最善の努力を煩わすべきであるとして、政府の決意が質されましたところ、平野農林政務次官から、「農林当局としても、趣旨に副うよう最善の努力をしたい」旨の答弁がありました。
 かくして質疑を終り討論に入りましたところ、森田及び北委員からは、衆議院議決の通り承認することに賛成があり、清澤、戸叶及び鈴木一委員からは、それぞれの立場とそれぞれの理由を以て、裁定の完全実施を主張せられ、松浦委員は、改進党の立場において給与引上に反対を表明せられ、討論を終り採決を行いましたところ、多数を以て衆議院議決の通り、即ち公共企業体等仲裁委員会の裁定中第一項、第三項及び第五項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認すべきものと決定いたしました。
 右報告申上げます。(拍手)
#109
○議長(河井彌八君) 通商産業委員長中川以良君。
   〔中川以良君登壇、拍手〕
#110
○中川以良君 只今議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(アルコール専売事業)に関する通商産業委員会における審議の経過並びに結果について、簡単に御報告申上げます。
 本件は、他の三公社四現業の裁定問題と同様に、アルコール専売労働組合と通産省当局との間に起つた賃金改訂をめぐる紛争につき、去る九月二十九日に公共企業体等仲裁委員会において、八月以降アルコール専売事業職員の基準平均賃金を月額一万四千二百円に改訂するよう裁定が下されたのでありますが、これに要する追加経費の関係上、公労法第十六条の規定に基いて国会の議決を求めて参つたものであります。
 本件は、第十七臨時国会に提出せられ、審議期間の関係上継続審査となつたものでありますが、第十八国会には、政府から、本裁定を明年一月から実施するための補正予算案が別に提出をされておるのであります。
 当委員会におきましては、閉会中にも引続き慎重に審議を軍ね、アルコール専売労働組合の委員長、公共企業体等仲裁委員長、その他学識経験者の出席を求めて意見を徴すると共に、通産、労働両大臣を初め関係政府当局に質疑を行い、主として賃金改訂のための原資の所在、他の一般公務員との給与均衡の問題、並びに年末手当等につき当局の意向を質したのでありますが、その詳細は速記録によつて御覧を願いたいと存じます。
 かくて質疑を終り、本件に関する衆議院の議決、即ち公共企業体等仲裁委員会の裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとしてこれを承認することを原案として、討論に入りましたところ、藤田委員より、原案に反対し、仲裁委員会の裁定を完全に昭和二十八年八月より実施することを承認する旨の修正案の動議が提出せられ、その理由といたしましては、「アルコール専売事業においては四千数百万円の予備金のほか、合理化により節約された資金があつて、裁定実施の原資は十分にあること、裁定の完全実施により生産費への影響は僅か一%程度であること、労働者の平均年令、平均勤続年数、労働環境より見て一万四千二百円ベースでは低きに失するも、公労法の精神からこの裁定に服し、これを八月より実施することを主張する」と述べられました。次いで西川委員より、原案賛成、修正案に反対、小松委員より、原案反対、修正案に賛成、加藤委員より、「原案に養成し、修正案に反対すると共に、将来公労法そのものの検討を必要とする」旨の討論がありました。
 かくて討論を終り、採決に入りましたところ、藤田委員の修正案は少数を以て否決せられ、多数を以て原案即ち衆議院の議決通り議決すべきものと決定をした次第であります。
 以上を以て御報告といたします。(拍手)
#111
○議長(河井彌八君) 運輸委員長前田穰君。
   〔前田穰君登壇、拍手〕
#112
○前田穰君 只今上程になりました日本国有鉄道にかかる公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本件は本年三月十八日、日本国有鉄道職員代表より日本国有鉄道当局に対し、昭和二十八年四月以降の賃金改訂に関する要求を提出したものについて、団体交渉、調停の段階を経て、十月十三日に公共企業体等仲裁委員会より裁定が出されましたもののうち、第一項の日本国有鉄道職員の基準賃金を昭和二十八年八月以降月額平均一万五千三百七十円に改訂する点について、政府は予算上裁定の実施は困難であるとして、国会の議決を求めて来たものであります。
 当委員会は、第十七国会において予備審査のため付託になりまして以来、数回に亘り慎重な審議を続けて参りました。その間委員会におきましては、政府に対し、裁定は未だ曾て完全に実施されたことがないから完全実施すべきであるという意見が強く、十一月七日に、内閣総理大臣、大蔵大臣、労働大臣、運輸大臣及び国鉄総裁に対しまして、委員会の決議に基き、「政府は仲裁委員会の裁定を尊重し、これを早急に完全実施するよう努力することを要望する」旨の要望書を交付いたしました。然るに本件は、第十七国会中に審議を終らずして、衆議院において継続審査となりましたので、当委員会におきましても、院議に基き継続して審議を続けて参りました。
 第十八国会に入りまして、政府は、補正予算案を国会に提出し、運輸収入の増加、雑取入の増加、動力費の節約、新線建設工事の繰延べ、これに伴う車両増備の経費の繰延べ、借入金の償還期限の延長及び予備費の減額等によりまして災害復旧費と共に、裁定の昭和二十九年一月以降実施の予算的措置をして参りました。
 委員会におきましては、政府並びに国鉄当局に対し、あらゆる角度から質疑を行い、又仲裁委員長、国鉄労働組合書記長からも意見を聴取し、審議をいたしましたが、主な論議は、裁定の完全実施を中心として国鉄経理の検討より、公労法の解釈、仲裁制度の根本問題に及び、更に当面の問題として年末手当の問題に集中いたしました。その詳細につきましては、委員会の速記録により御承知を願いたいと存じます。
 以上を以ちまして質疑を終り、討論に入りましたところ、岡田委員より、「本件は衆議院より送付通り公共企業体等仲裁委員会の裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認するに賛成する」旨の意見の開陳があり、併せて従来よりの仲裁裁定の実施状況より見て、将来における裁定の取扱については、政府はこれを尊重する方針を以て各般の措置をなすべきことを要望されました。
 次に東委員より、衆議院より送付された案件に対し反対の意見の開陳があり、修正動議として、公共企業体等仲裁委員会の裁定通り完全実施するものとしてこれを承認するとの案が提出されました。その理由としては、「公労法の原則は、飽くまでも三十五条の本文におくべきであるとし、且つ今回の場合国鉄の経理状態を審議しましたところ、法律で当然支出すべき裁定実施のために要する費用が、他の経費増のため支出不能となつているがごときは大いに検討を要するものであり、裁定は完全に実施すべきである」という意見でありました。
 次に大倉委員、重盛委員、大和委員より、東委員の修正動議に賛成する旨の意見の開陳があり、又一松委員よりは、衆議院の議決通り賛成の意見の開陳があり、これにて討論を終り採決に入りましたところ、東委員より提出の修正動議は、少数を以て否決され、衆議院送付の通り、公共企業体等仲裁委員会の裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認するについて、採決をいたしましたところ、多数を以て可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告を申上げます。(拍手)
#113
○議長(河井彌八君) 郵政委員長池田宇右衞門君。
   〔池田宇右衞門君登壇、拍手〕
#114
○池田宇右衞門君 只今議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(郵政事業)の郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本件は、前国会より継続審査に付されたものでありまして、昭和二十八年十月二十七日、公共企業体等仲裁委員会が、郵政職員の基準賃金の改訂に関する紛争について下した裁定が、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものとして、同条第二項の規定により、国会の議決を求めたものであります。
 郵政委員会におきましては、郵政当局、全逓信従業員組合執行委員長及び公共企業体等仲裁委員会委員長の説明を求める等、回を重ねて慎重審議いたしたのであります。この間、仲裁裁定尊重の趣旨に鑑み、十一月十八日の委員会において「政府は昭和二十八年十月二十七日郵政省及びその職員になされた仲裁委員会の裁定を尊重し、これを実施するよう最善の努力をすることを要望する」旨の決議をなし、政府の善処を要望したのでありますが、政府は裁定実施に努力した結果、昭和二十九年一月一日より、これを実施することとなり、「公共企業体等仲裁委員会の裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとしてこれを承認する」旨の衆議院の議決を見たのであります。なお委員会におきましては、この衆議院送付議決案につき審議したのであります。
 かくて質議を終り、討論に入りましたところ、中川委員より、衆議院議決案に賛成の意見が述べられ、柏木委員がこれに賛成せられたのであります。又永岡委員より、裁定完全実施の建前より裁定の通り八月一日より実施するよう衆議院議決案を修正するの動議が提出され、三木委員より、これに賛成の意見が述べられたのであります。
 以上を以て討論を終結し、永岡委員の修正動議につき採決いたしましたところ、少数を以て否決せられ、次いで衆議院送付案につき採決いたしましたところ、多数を以て議決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#115
○議長(河井彌八君) 電気通信委員長左藤義詮君。
   〔左藤義詮君登壇、拍手〕
#116
○左藤義詮君 只今議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(日本電信電話公社)について電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本件は、本年十月十三日に公共企業体等中央調停委員会が行いました日本電信電話公社職員の賃金改訂に関する紛争についての仲裁裁定について、政府より、この裁定実施のための所要経費は、昭和二十八年度公社予算に含まれておらず、又予算総則に定められている給与総額を超過するので実施不可能であるとの事由を付して、国会に提出して参つたものでありまして、その裁定の主文の要点は、昭和二十八年八月以降基準賃金を月額平均一万五千円に改訂することであります。
 なお本件は、衆議院において、公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認するとの議決をなして昨十二月七日本院に送付して参つたものであります。
 当委員会におきましては、本件が十一月四日予備審査のために付託されまして以来、閉会中も継続審査をいたし、前後十一回に亘つて委員会を開き、政府、公社当局及び仲裁委員会委員長に対して質疑をいたし、又全電通労働組合代表についてその意見を徴するなど、慎重審議をいたしたのであります。その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じますが、最も活發に質疑がありましたのは、本件の法律的解釈及び公社の経理状況、資金状況等でございました。今八日、質疑を終え、討論に入りましたところ、日本社会党第四控室の小林委員より、衆議院送付の原案に対し、公共企業体等仲裁委員会裁定通り完全実施するものとしてこれを承認するとの修正案が提出せられ、日本社会党第二控室を代表して山田委員より、右修正案に賛成意見が述べられました。
 討論を終え採決に入り、先ず小林委員提出の修正案を採決いたしましたところ、少数を以て否決、次いで衆議院議決の通り議決することについて採決いたしましたところ、多数を以て可決いたしました。
 右御報告申上げます。(拍手)
#117
○議長(河井彌八君) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件八件のおのおのについて、永岡光治君外六十四名から修正案が提出されております。この際、修正案の趣旨説明を求めます。永岡光治君。
   〔永岡光治君登壇、拍手〕
#118
○永岡光治君 只今、一括して議題となつておりまする公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件八件に関し、日本社会党第二控室及び第四控室の共同提案として、それぞれ提出いたしました八つの修正案につきまして提案の趣旨を御説明申上げます。
 今日公共企業体等のいわゆる三公社五現業の職員は、まさに低賃金に喘ぎながら漸くその日暮しの生活を支えておるような始末でありまして、誠にみじめな状態に置かれておりまするが、かてて加えて政府の無策によるところの物価上昇は、いよいよこれら勤労者の生活を困窮の一途に追込んでおる実情にあることは、誠に遺憾に堪えないものであります。今日、日本の労働階級の誰一人として、物価の引下による生活の安定を願わない者はないと私は信じておるのであります。これら公社、現業職員も、又そのことを心から念願して、政府に対して期待しておるものでありましたけれども、今日まで政府のとり来たつた経済政策は、遺憾ながら物価上昇、インフレ高進、この一途を辿つておるのでありまして、その無能と無策に遂にしびれを切らしまして、誠に止むに止まれぬ気持から、給与の引上の切実なる要求と相成つておるのであります。
 この要求に対し調停委員会は、去る四月一日から、今次仲裁裁定書に提示されておりまする内容と実施期日を除き、同様の給与改訂を実施すべきである。こういう調停案を示されたのであります。ところが両者この調停案に対しましては不満、こういうことに相成りまして、仲裁委員会に持込まれましたのでありますが、その結果今日見るごとき仲裁裁定が行われたことは、すでに御案内の通りであります。而してこれを本年八月一日から実施せよ。こういう裁定に相成つておるのであります。従つてこの裁定は調停案に提示されておりますところの給与ベースとは、給与ベースは同額でありまするけれども、実施期日は四月一日から遥かに遅れました八月一日、こういうように延期されておる結果に相成つておるのであります。従いまして本裁定に対する当事者双方の考え方を客観的にこれを考えますならば、職員側にこそ私は大いなる不満はあるにいたしましても、政府及び公社当局者のほうに不満があろうはずはないと思うのであります。(拍手)然るに政府乃至公社当局は、今日までこの裁定の措置に誠意ある態度を示しておりません。今日見るような年末を控えて大きな労働攻勢となるに及んで、僅かに裁定を来年の一月一日から実施する。こういうことにいたしまして、予算を提出して参つたような次第であります。
 そこで私は、このような政府の考え及び只今の委員長報告で経過の内容が報告されましたが、それらについて次の三点に亘る観点から、これに反対を試みる者であります。
 その第一の理由は、仲裁裁定というものの法律上の精神、その権威の上から、これをあえて反対しなければならない大きな理由があるのでありますが、公共企業体等労働関係法の第三十五条に明確に規定いたしてございますように、仲裁裁定には、両当事者は最終的に服従しなければならないということが明記してあります。これは調停委員会、更に最終段階の裁定機関として仲裁委員会、こういう二つの裁定機関を採用しておりまするその権威の上から見ましても、これは全く明確であろうと考えるのでありますが、従つてこの仲裁裁定には、当事者である政府当局であろうと、或いは公社当局でありましようとも、この裁定についてとやかく言い得る筋のものでは絶対ないと考えるものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)本仲裁裁定の性格については、すでに斯界の権威者であり、終戦以来中央労働委員会の会長といたしまして高く評価されておりました故末弘博士を初めといたしまして、多くの労働法学の権威者或いは有識者の定説と相成つておりまするように、これは実に憲法に保障されたところの労働者の基本権である罷業権を奪つた代償として与えられましたところの、憲法で保障された財産権であつて、これは何ものも侵すことのできないものと言わなければならないと考えるのであります。
 立法府たる国会は、みずからが定めましたところの法律をみずからが踏みにじる、こういうような暴挙は絶対にしてはならないと考えるものであります。(拍手)今日国民の間には、漸く国会不信の声が高まろうといたしておるのであります。我々はこの情勢を見るときに、この法律に対して私たちはどこまでも忠実でなくてはならんと信ずるものであります。
 第二の私の反対する点は、政府は今次仲裁裁定の完全実施を行うことの困難な理由といたしまして、ベース改訂を行えばインフレを激化する、それだから行うべきでない。こういうことを言つております。併しこれこそ全く故意にインフレの原因を労働者のみに押付けて、みずからの無能に信としておるところのこの政府の姿こそ、最も私たちは攻撃しなければならない姿であろうと考えるのであります。(拍手)今日未だにベース改訂の実施は行なつておりません。その実施は放置されておりますけれども、皆さん日常の生活はどうでありましようか。物価は毎日のように上昇いたしておるのであります。公社職員や現業職員は、物価が上昇いたしまして、生活が苦しくなればこそ、給与改訂の要求をしておるのが現在の状況ではありませんか。誠に政府の無能と無策にうらめしくさえ思つておる有様であろうと考えるのであります。政府みずからが物価上昇を行なつておるものであつて、決して私は公務員の給与改訂がその原因である、こういう政府の押付けには、断固反対する者であります。インフレの原因というものは、そのような問題ではなくして、もつと別なところにその原因の大きなものがあることを知らなければなりません。例えば非生産的な無用の軍備費の増額或いはその他の不急不要の経費の支出の増加がこの一番大きな原因をなしておることを、私たちは十分知つておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)なお、これら職員に対しましては、本仲裁裁定を実施する裏付けといたしまして、行政整理を断行するということを政府は放言いたしております。この行政整理によつて、その労働者は更に労働が強化されて参るのであります。更に又これと共に、政府は来年一月から消費者米価を引上げることにいたしております。更に又来年の四月からは運賃を引上げる。電燈料金も上げなければならない、このような情勢になつておるのでありますが、而も半面、これら勤労者のそのささやかな俸給袋からは、毎月無慈悲にも所得税という大きな金を有無を言わさず天引されておるような次第であるわけであります。私は誠に、政府のこの言い分こそ、全く欺瞞も甚だしいものと言わなければならんと思うのであります。
 更に第三点の理由といたしまして、政府は、口を開けば、予算がない、資金がない、だから実施できない、こういうことを口癖のように言つているのでありますが、果してそうでありましようか。試みに、只今もそれぞれの関係の委員長から経過報告の中にもありましたように、仲裁裁定書に示された内容を見ましてもこれは明らかであります。即ち電通裁定は、ベース金額は一万五千円でありまして、これに必要な経費は、期末手当を含めまして六十五億九千万円と相成つております。裁定の資金面における意見といたしましては、追加を要する経費二十四億から二十五億でございまして、この財源としては前年度の利益金四十三億、今年度増収が三十億と見込まれておりまして、又或る程度の予備費の流用も可能である。なお且つ節約による剰余金をも考えられるので、全く資金面の心配はない。かように裁定書には述べられております。更に印刷庁におきましても同様でございまして、裁定は一万三千五百円でありまして、所要経費は僅かに一億三千九百八十万円であります。これも、経費節約、益金流用、これらによりまして資金面は支出可能と、この裁定書に明記いたしております。或いは又専売公社におきましても然りであります。ベースは一万四千八百五十円でありまして、追加予算は六億乃至七億程度に過ぎない状態でありまして、増収、それから予備費の流用、労使協力によつて資金は可能である。こういうようにも明記いたしておるわけであります。或いは又造幣局関係におきましても、ベース一万四千四百五十円で、その所要経費は僅かに三千万円でありまして、仲裁理由書によりますれば、資金上可能である。これも同じく明確に述べられておるわけであります。更に又アルコール関係におきましては、ベース一万四千二百円に対しまして、所要経費は二千万円でございます。裁定理由書においては、従来の実績に徴しまして資金は可能である。こういうことも同じく明示されておるわけであります。更に又林野庁におきましても、一万三千三百五十円ベースでありまして、これの所要経費は三十三億であつて自然増収二十八億が見込まれておるのでありまして、今日資金上は当然容易である。かようにも述べられております。なお、経理上非常にやや困難と言われておる或いは郵政、国鉄等の状況を見ましても、郵政現業職員に対する裁定にこのように明示されております。裁定は一万四千二百円でありますが、これに必要な経費は約四十億でありますが、これとても郵便事業みずからの所要経費は大体において賄い得るのであつて、ただ郵便貯金事業等が一般会計から繰入れをしなければならん、このように書いてあります。併しこのことも、この裁定書によりますれば、これは不当に一般会計から繰入れが低いのでありまして、当然、政府はこれについて善処をしなければならないということを明示されておるのであります。なお、更に経理上比較的困難と言われております国鉄にいたしましても、今次大水害による被害復旧に要する経費が八十九億ということを言われておりますが、併しこれも今度の水害地に対するところの特別立法によりまして、私鉄等に対しましては国の経費を以て補助をいたしておるのであります。してみれば、私鉄事業よりはなお国にとつて重要な事業であるところの国鉄事業であるのでありますから、当然これは政府において私は補助しなければならないと考えておるものでありますが、そういうことになれば、これとても実施は困難とは言い得ない。こういうことに相成るわけでありまして、どの事業を見てみましても、困難というよりは、そう大きく取上げられておりません。むしろ実施する予算原資は十分あるというのが、この裁定書に流れておるところの一貫した結論であるわけであります。
 更に、これを私は特に又附け加えなければならんのでありますけれども、この仲裁を取扱いましたところの仲裁委員長である今井さんは、このように述べておるわけであります。「仲裁裁定を決定するに当りまして、政府当局及び公社当局を呼びまして経理の状況も十分聞いた。而もなお且つそれらの財政のことも憂慮した上で、最低限この程度はできるであろう。こういう程度に認められる限度で裁定を行なつたのだ。」こういうことを明示しておるのでありますから、そうしてみれば、私はこの裁定書に書かれておるいろいろな問題から考えまして、どれ一つとして実施できないというものはないであろうと考えられるのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 法的から、法律上の建前から考えましても、これは実施しなければならないでありましようし、予算的に見ましてもできるのであります。而もその額も極めて妥当な全額に相成つておるのでありますから、政府において誠意を以て善処するだけの熱意さえあるならば、困難とは絶対に言い得ないものと考えるものであります。
 更に又、政府の予算の使用状況を見ましても、予算がないということは絶体に言い得ない状況に相成つております。例えば安全保障諸費ということで、昭和二十七年度に五百六十億の予算が組まれておりました。併しこれは本年長に繰越されましたものが約五百三十億でありまして、昨年一年間に僅かに二十億しか使われておりません。或いは又保安庁の経費を見ましても、これも本年度に繰越されたものは二百八十億という莫大な金であるわけであります。その地一連のいわゆる軍事費と目せられるものや非生産的な経費を総合いたしますならば、優に一千数百億の財源が浮いて参るのでありまして、而もこれらの予算は、先ほども申上げましたが、俸給生活者から有無を言わさず引き去られておる多額の所得税収入によつて賄われておるということを考えるときに、真に政府が本当に民生の安定を希い、経済の再建を希う熱意があるのであれば、このような裁定の実施は実に容易であると私は断ぜざるを得ないのであります。日本の経済の再建はまさに日本の勤労者の協力にかかつておると言つても絶対に過言ではありません。政府も、勤労者が心から喜んで、心から精出して働き得る態勢を確立することが最も肝要であろうと私は考えるのであります。この意味からも是非とも仲裁裁定は裁定通り実施しなければならないということを私は強く主張いたすものであります。
 何とぞ同僚議員各位の御理解ある御賛同をお願いいたしまして、提案の説明を終る次第であります。
#119
○副議長(重宗雄三君) 討論の通告がございます。発言を許します。東隆君。
   〔東隆君登壇、拍手〕
#120
○東隆君 日本社会党第二控室を代表して、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの関係八件については、只今の関係者委員長報告に反対の意を表しますと共に、永岡光治君ほか六十四名提出の修正案に賛成をするものであります。(拍手)
 その理由は二つあります。裁定そのものが常識的なものでありますから、その理由も極めて常識的なものであります。
 先ず第一に言わなければならんことは、公共企業体等労働関係法は何故に立法されたかということであります。この法律こそ、国家、地方の両公務員法を制定して、憲法によつて保障された一般公務員の争議権を奪つて人事院勧告の制度を設けたと同様、公共企業体の労働者から憲法に保障されているスト権を剥奪するためにできた法律であります。即ちこの法律は憲法によつて保障された権利を奪つた代償としての救済の法律であります。従つてこの法律の趣旨をその制定の趣旨から考えるならば、経営者と労働者の間の交渉がまとまらないで仲裁委員会による、裁定がなされたときには、当然、両当事者はこの裁定に服することは勿論であります。政府に常識がありまするならば裁定通りを万難を排して実行すべきであります。公共企業体の職員の諸君は我々に、裁定通り政府がやるならば我々は文句はありません。これでは裁定によつて争議をさせるようなものであります。こう申しております。この見やすいことがわからないで、政府は法律第三十五条の但書によつて第十六条の第二項の国会の承認を求めるという形式的な手続に故意に籍口して、意識的に、ない袖は振れんと申して裁定の完全実施をしないのであります。これが今年初めて起きたというならば政府の言い分も尤もと聞えますが、数年繰返している裁定不完全実施の常習犯なのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)この法律の制定の根本趣旨をはき違えて、故意に三十五条但書によつて第十六条を援用して裁定の完全実施をやらないのは、法律の盲点を利用して悪どいことをする三百代言のようにも思われてなりません。この常習的裁定不完全実行者に対して、忠実なる職員が死力を尽して裁定の完全実施を主張するのは当然とするところであります。従つて今次の公共企業体の運営の面に、この裁定の完全実施を要請するために混乱を生じた責任は、政府にあると言わざるを得ない。これが第一の理由であります。
 第二の理由を述べます。政府の裁定不完全実施の理由は、ない袖は振れぬという以外には理由はないようであります。然らば財源はないかと申しますと、財源はないのではなく、故意になくしているのであります。大きく言えば再軍備費への振向けが減るからでありますが、政府の財閥その他に迎合する政治をやめて、国民の幸福のための政治に切替えるならば財源の心配はないはずであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)併しこれについては申しますまい。それよりも三公社五現業の中から十分に財源を見出し得るのであります。そのことについて申しましよう。仲裁の承認については、三公社五現業は、おのおの本院においては関係常任委員会で審議をしたのでありますが、仲裁の財源なしとされた郵政関係、国鉄関係の中身を見まするに、財源なしとしないのであります。国鉄の場合を見ますと、一本年の異常の災害の復旧のために支出が多いので財源がないというのであります。本年のような異常災害を年度内のやり繰りで復旧をしようとするところに、国鉄の施設の改善が遅々として行われない理由があるのであります。災害復旧の投資は将来に向つて償還されればよいのであります。而も復旧によつて国鉄が増収することは国民に対する大きなサービスに一致するのであります。国鉄の災害の復旧による国民の利便は現在の者のみが受けるのではなく、将来に向つて長く受けるので、明日の我々が償還の責を負うべきであります。国鉄が昔のように政府の事業でありまするならば当然一般会計から出すべきものであります。それを、公共企業体は、その独立採算の建前より、将来に向つて償還することとするのは、いずこに不自然さがありますか。裁定不完全実施のために運賃を値上げすることは以ての外であるといわなければなりません。この見地に立つならば、災害に際して死を賭して活躍した職員に対して報いることができ、災害の復旧、新線の拡張等に対しても熱意を持つことになるのであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 政府の意図する裁定の不完全実施はこの熱意を削ぎ、公共企業体の職員を犠牲にしてその場限りの独立採算制を強行せんとするもので、国民はこの政府の処置には賛意を表さないでありましよう。国民にサービスをすることを生命としている公共企業体の裁定を実行するための財源は、政府に公共企業体のあるべき姿を考える一片の余裕があるならば完全実施をやり得るのであります。
 以上二つの理由は極めて常識的なものであります。而もこの背後には、公共企業体の職員の実力行使による国民の非常な不利、不便、迷惑が横たわつております。これらの喜ぶべからざる事態の発生の責が裁定の不完全実施にあるのであるから、如何にすればこのような事態が起きなくなるかを政府は猛省すべきであります。(拍手)馬も四つ足、鹿も四つ足であるから、馬は鹿であるという理論は無理であります。鹿が通れるなら、鹿も四つ足、馬も四つ足だから通れるというのは、武術の修業に行届いた義経にして初めてひよどり越えの逆落しもできたのであります。政府の逆落しは、にせ義経であるため大怪我をしております。御覧なさい。官公労の諸君の怒り、公共企業体の職員諸君の怒りを。私は将来に尾を引くこの下手な馬乗りである政府の法律の運用を残念に思います。企業の運営の上に平和を招来するための裁定により却つて争議を激発せしめている政府の愚を悲しんで、共同修正案に賛意を表するものであります。(拍手)
#121
○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 先ず永岡光治君ほか六十四名提出の修正案八案全部を問題に供します。この表決は記名投票を以て行います。修正案八案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#122
○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#123
○議長(河井彌八君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数百七十五票。
 白色票六十四票。
 青色票百十一票。
 よつて永岡光治君ほか六十四名提出の修正案八案は否決せられました。
     ―――――・―――――
   〔参照〕
賛成者(白色票)氏名  六四名
  永岡 光治君   藤田  進君
  大和 与一君   湯山  勇君
  栗山 良夫君   木下 源吾君
  秋山 長造君   阿具根 登君
  海野 三朗君   永井純一郎君
  小松 正雄君   大倉 精一君
  河合 義一君   亀田 得治君
  田中  一君   白井  勇君
  竹中 勝男君   清澤 俊英君
  成瀬 幡治君   小林 亦治君
  小酒井義男君   佐多 忠隆君
  重盛 壽治君   江田 三郎君
  小林 孝平君   久保  等君
  田畑 金光君   松澤 兼人君
  森崎  隆君   高田なほ子君
  安部キミ子君   矢嶋 三義君
  三輪 貞治君   岡田 宗司君
  堂森 芳夫君   吉田 法晴君
  中田 吉雄君   藤原 道子君
 小笠原二三男君   菊川 孝夫君
  若木 勝藏君   山田 節男君
  東   隆君   内村 清次君
  三橋八次郎君   荒木正三郎君
  羽生 三七君   三木 治朗君
  山下 義信君   加藤シヅエ君
  市川 房枝君   須藤 五郎君
  戸叶  武君   赤松 常子君
  曾祢  益君   松永 義雄君
  八木 秀次君   鈴木  一君
  千田  正君   相馬 助治君
  長谷部ひろ君   上條 愛一君
  松浦 清一君   棚橋 小虎君
    ―――――――――――――
反対者(青色票)氏名  百十一名
  河野 謙三君   佐藤 尚武君
  田村 文吉君   小林 武治君
  小林 政夫君   岸  良一君
  北 勝太郎君   加藤 正人君
  片柳 眞吉君   梶原 茂嘉君
  柏木 庫治君   奥 むめお君
  石黒 忠篤君   飯島連次郎君
  赤木 正雄君   森 八三一君
  村上 義一君   三木與吉郎君
  三浦 辰雄君   前田  穰君
  前田 久吉君   廣瀬 久忠君
  林   了君   野田 俊作君
  豊田 雅孝君   常岡 一郎君
  土田國太郎君   館  哲二君
  竹下 豐次君   高瀬荘太郎君
  高木 正夫君   杉山 昌作君
  新谷寅三郎君   島村 軍次君
  深水 六郎君   横川 信夫君
  雨森 常夫君   安井  謙君
  伊能 芳雄君   青柳 秀夫君
  高野 一夫君   西川彌平治君
  石井  桂君   井上 清一君
  関根 久藏君   川口爲之助君
  吉田 萬次君   酒井 利雄君
  佐藤清一郎君   剱木 亨弘君
  森田 豊壽君   宮本 邦彦君
  長島 銀藏君   長谷山行毅君
  瀧井治三郎君   田中 啓一君
  大矢半次郎君   石川 榮一君
  松本  昇君   石原幹市郎君
  植竹 春彦君   岡田 信次君
  中川 幸平君   左藤 義詮君
  寺尾  豊君   中川 以良君
  吉野 信次君   重宗 雄三君
  大屋 晋三君   津島 壽一君
  青木 一男君  大野木秀次郎君
  小滝  彬君   古池 信三君
  榊原  亨君   大谷 贇雄君
  高橋  衛君   横山 フク君
  西岡 ハル君   重政 庸徳君
  小沢久太郎君   鹿島守之助君
  木内 四郎君   藤野 繁雄君
  石村 幸作君   秋山俊一郎君
  入交 太藏君   仁田 竹一君
  松平 勇雄君   上原 正吉君
  郡  祐一君   山本 米治君
  西川甚五郎君   川村 松助君
  堀  末治君  池田宇右衞門君
  島津 忠彦君   小林 英三君
  草葉 隆圓君   泉山 三六君
  黒川 武雄君   石坂 豊一君
  井上 知治君   岩沢 忠恭君
  石川 清一君   八木 幸吉君
  有馬 英二君   堀木 鎌三君
  笹森 順造君   菊田 七平君
  苫米地義三君
     ―――――・―――――
#124
○議長(河井彌八君) 次に、委員長報告は、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(印刷事業)同、(日本専売公社)同、(造幣事業)同、(アルコール専売事業)同、(日本国有鉄道)同、(郵政事業)同、(日本電信電話公社)以上七件については、いずれも衆議院議決の通り、公共企業体等仲裁委員会、裁定中第一項は、昭和二十九年一月以降実施するものとしてこれを承認すべきものと議決したとの報告でございます。
 又、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、(国有林野事業)右については、衆議院議決の通り、公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項、第三項及び第五項は、昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認すべきものと議決したとの報告でございます。
 以上八件は、委員長報告の通り決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#125
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて八件は委員長報告の通り議決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#126
○議長(河井彌八君) 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 昭和二十八年度分の地方財政平衡交
 付金の単位費用の特例に関する法律
 案可決報告書
 昭和二十八年度一般会計予算補正
 (第2号)可決報告書
 昭和二十八年度特別会計予算補正
 (特第2号)可決報告書
 昭和二十八年度政府関係機関予算補
 正(機第1号)可決報告書
     ―――――・―――――
#127
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
#129
○内村清次君 只今議題となりました昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。まず第二次補正予算に関連するものであります。即ち、第二次補正予算に地方財政平衡交付金の増額七十六億円が計上されておりまするが、その主なるものは、地方公務員につきましても、国家公務員に準じて期末手当等を増額すると共に、明年一月から給与改訂を実施するために必要な経費であります。而してこの経費を基準財政需要額に算入するために、積算の基礎に、職員の設置を予想していない若干の単位費用を除き、単位費用の殆んどすべてについて改正を行う必要が生じたのであります。
 右のほか、明年一月から実施せられるいわゆる教員給与の三本建制に伴う高等学校職員の給与の改善並びに社会福祉費、労働行政費等について、所要の増加額を見込んで単位費用の改訂をなさんとするものでありますが、明年度以降の単位費用の改訂につきましては、給与改訂の平年度化を行う必要があるほか、政府が明年度より実施を予定しております地方行財政制度の改革等とも関連がありますので、差当り本年度分限りの単位費用の特例に関する単独法を制定せんとするものであります。
 次に質疑の主なものを申上げます。先ず若木委員から、「第十六国会における予算の修正による給与費の増額に伴う単位費用の改訂が必要ではないか」との質問に対しまして、塚田国務大臣から、「給与の基礎の改訂のない、実際の支給額の不足に充当するものである等の理由により、その分は単位費用の改訂なしに配分できる」旨の答弁がありました。又島村委員の質問に対し、「明年度の地方財政計画において予想せられる主な増加分は、今次の給与のベース・アツプに伴うもの二百五十億、災害工事五割施行として、災害費の増八百億乃八百五十億、その他公共事業費関係等である」旨の答弁がありました。又若木委員等より、「公共企業体の労働関係において一・二五プラス・アルフアが行われるようなことに関連して、国家公務員の期末手当が更に増額せられるような場合には、地方公務員についてもこれに準じて扱うか」との質問に対しまして、塚田国務大臣より、「準じて取扱うように考える。」旨の答弁がありました。その他の質疑につきましては、おおむね計数的且つ技術的のものでありまするので、その詳細は速記録について御承知願いたいと存じます。
 次いで質疑を終了し、討論に入りまして、若木委員より社会党第四控室をへ表して、「人事院勧告の完全実施が必要であるのにかかわらず、今回のベース・アップは、地域給の変更による分をも繰入れて勧告の線に沿うようにしているのであつて、欺瞞的である。又教育職員の給与の三本建は教育を破壊するものである」として反対の発言があり、又松澤委員からも社会党第二控室を代表して、ほぼ同様の理由を挙げて反対意見の開陳がありました。
 かくて採決の結果、本法案は多数を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申上げます。(拍手)
#130
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本末に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#131
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#132
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、
 昭和二十八年度一般会計予算補正
   〔青木一男君登壇、拍手〕
#133
○青木一男君 只今議題となりまし昭和二十八年度一般会計予算補正、(第2号)昭和二十八年度特別会計予算補正(特第2号)及び昭和二十八年度政府関係機関予算補正(機第1号)の予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 過般の第一次補正予算は、本年度の異常な風水害及び冷害に対し、取りあえず緊急に支出を要する災害対策費等に限定して編成せられましたが、今回の第二次補正予算は、右以外におきまして、当初予算編成後の諸般の事情の変化に対処し、米価の改訂、公務員の給与の改善等、その他所要の補正をいたしたものでございます。
 先ず一般会計について簡単にその内容を申上げますと、
 第一に、食糧管理特別会計への繰入れとして五十六億円を計上いたしております。これは本年産米の供出完遂奨励金石当り八百円の半額を一般会計の負担とし、義務供出量約一千四百万石に対応するものであります。本年の産米は、完遂奨励金、超過供出、早期供出、減収加算を加えますと、生産者の手取り価格は一万三百三十五円と見込まれることとなり、若し仮にすべての原価を織り込んで消費者価格を算出いたしますと、精米十キロ当り八百九十円程度となるのであります。そこで政府は、一方において消費者負担の急激な増加を緩和すると共に、他方において財政負担の増大を避けるため、前に述べた一般会計繰入れのほか、食糧管理特別会計の繰越利益を以て所要経費の一部を負担することとし、差当り明年一月以降消費者価格を現行内地精米十キロ当り六百八十円から七百六十五円に改訂することとしているのであります。
 第二に、公務員の給与改善費として百六十九億円を計上いたしております。即ち、政府は最近の民間給与の状況等に鑑み、先般の人事院勧告を尊重して公務員の給与を改善することとし、現行の勤務地手当の一部を本俸に組入れ、俸給表の中だるみ是正を考慮しつつ、明年一月以降人事院勧告の一万五千四百八十円ベースを実施することとし、又、本年末の手当につきましては、今夏繰上げ支給した期末手当〇・二五月分を補填するほか、勤勉手当〇・二五月分を増額計上いたしておるのであります。なお、地方公務員につきましては右に準ずることといたしますが、地方税の自然増収及び一般会計からの補填等により所要経費を賄うことといたしております。
 次に、公共企業体等の職員につきましても、先の仲裁裁定を尊重して、明年一月以降仲裁裁定のベースを実施いたしますと共に、今夏繰上げ支給いたしました期末手当〇・二五月分を補填する措置を講じておるのであります。
 第三に、義務教育費国庫負担金として二十五億円を追加計上いたしております。即ち、財政の現状に鑑み、いわゆる富裕都府県に対する義務教育費国庫負担金の交付を十二月以降打切るため、義務教育費国庫負担法の臨時特例に関する法律案を別途提出することとし、十一月までの富裕都府県に対する所要額のみを計上しておるのであります。
 以上が歳出増加の主なものでありますが、右のほか、租税払戻金、郵便貯金特別会計損失補填、町村合併の促進に必要な経費等、すべてを合計いたしますれば三百五億円の歳出増加と相成つておるのであります。
 次に、これらの歳出に対する財源について申上げますと、
 第一に歳入の増加であります。即ち租税収入におきましては、公務員給与の改善に伴う所得税の増加等により百三十三億円の自然増加が見込まれ、これに最近の実績に基く専売益金の増加七十億円及び雑収入等の増加六十九億円を加えますと、歳入において二百七十三億円の増加と相成るのであります。
 第二には既定経費の節減であります。即ち、先の第一次補正予算における公共事業費等の節約に引続き、補助金その他の既定経費において三十二億円の節減を図ることとしておるのであります。この結果、昭和二十八年度一般会計予算は歳入歳出共に二百七十三億円を増加いたしまして、一兆二百七十二億円と相成るのであります。なお、特別会計及び政府関係機関の予算におきましても、給与の改善等に伴いまして、それぞれ所要の補正をいたしておるのであります。
 以上が昭和二十八年度第二次補正予算の概要であります。
 これに対し、当委員会といたしましては、十一月四日より予備審査を開始し、衆議院より送付を待つて、六日より吉田内閣総理大臣以下関係者大臣の出席を求めて本審査を行いました。以下、各委員と政府当局との間の質疑応答のうち特に重要と思われますものについて御報告いたします。
 先ず、本予算の性格でありますが、「政府はしばしば通貨価値の安定を言い、為替レートは引下げずと言明しているのであるが、今回の予算を見ると、公務員の給与を引上げるためには、鉄道運賃、郵便料金の引上げも止むを得ずとなし、国民生活の基礎である米価も一部財政負担としているが、相当大幅の引上げを決定しているのであつて、政府の声明するところと実行は伴わないではないか。又政府は二十八年度当初予算においては財政規模の圧縮を強調していたにかかわらず、今回の補正の結果、財政規模は対国民所得一七%七と却つて膨脹しており、防衛費を削減せずして給与を増額すれば、防衛費との競合においてインフレを招来するのではないか」などの質疑がありました。これに対し政府は、「防衛費が無用だという意見は問題にならない。公務員の給与引上げを実行することとなつたのは、公労法の規定に上り、仲裁裁定は予算上資金上実施し得るとなれば、これに従わざるを得ぬし、又人事院の勧告もありますので、現業公務員の給与並びに一般公務員の給与を引上げたのは真に止むを得ざるものであると考える。消費者米価の引上げも、本年産米の平均買入価格は一石一万三百三十五円に上り、これをコスト主義で消費者価格に転稼するとすれば、精米十キロ当り八百九十円となるのであるが、これを財政負担により大半吸収し、家計費の〇・八六%に相当する分だけ消費者に負担してもらうことにしたのである。本年のごとく、相次ぐ風水害あり、異常の冷害のあつた年において、若干財政規模がふくらんだり、米価の上るのは避けがたきところであり、これを以て政府の従来の政策と矛盾するとされるのは当を得ない。政府は異常なる決意を以て二十九年度予算において健全財政主義を堅持する方針である。」と答弁されました。
 そこで、二十九年度の予算編成方針如何、防衛費の膨脹がどれくらいに達するか、明年度は減税を行うかどうか、国債発行をするかどうか等の問題に質疑が集中されたのであります。これに対しては、先ず「歳入は、明年度の国民所得が本年より六%増の六兆二千億円程度に増大するものとすれば、現行の税制の下で一兆七百億円程度が予想され、二十八年度当初歳入予算との比較では約一千億円の増加であるが、他方、歳出は、防衛費及び賠償を別としても、給与引上げ、恩給費の増加、造船利子補給等の当然増加するものがあり、又災害復旧や治山治水の根本対策も講じなければならず、その他各省の要求を合計すると二兆円に近い巨額となるのである。そこで政府としては、先に閣議決定したように、一割以上の人員整理を含む行政整理を断行するほかに、財政の根本的刷新を図り、各種の補助金を整理し、公共事業費、災害復旧費、食糧増産対策費については総合的に考えて重複を省き、特に過年度災害復旧については新しい情勢に応じて再検討を加える。又財政投融資についても一層重点的にやり、総額を圧縮する方針である。防衛費については目下慎重に考慮中であるが、明年度さほど大幅に膨脹するとは考えていない。かようにして歳出が圧縮できれば、明年度その限度において、調整的減税、特に少額所得者の減税の実施を考えたい。国債発行については、減税国債は明年度は出さない、一般公債も今日の情勢では発行は避けたい方針である。但し公社の社債は必要があり、消化の可能な限度では発行してもよいと思う。」と答弁されました。
 これに対して、「二十九年度の国民所得を六兆二千億円と押えることは楽観に過ぎはしないか。表面的な国民所得の増大、生産水準の向上も、その原因は国際収支の逆調に根ざしているのである。従来の財政経済政策をこの際一新すべきではないのか」との質疑がありましたが、政府は、「二十八年度の国民所得が最近の推定によれば五兆九千億円に上つているので、二十九年度の見通しは過大ではなく、財政経済政策については、三目標、四原則によつて、明年度は断固均衡財政方針を堅持するものである。」と答弁がありました。
 なお、明年度予算編成の背景として、米国並びに世界景気をどう見るか、我が国の国際収支と外貨の見通し、物価政策、輸出振興などの質疑がありましたが、政府は「明年以降の米国の景気は若干下降するであろうが、世界恐慌というような事態には至らず、事態の悪化に際しては何らかの対策が講ぜられるであろう。従つて先ず下向き横ばい状態と考えておる。我が国としては、いよいよ低物価政策により輸出増進に努力する必要がある。ポンド圏貿易については目下日英会談の最中であり、先に約束された程度の輸出が実現できるよう希望する。対中共貿易については、国連協力の枠はあるが、すでに六回に亘り輸出品目の緩和を図つている次第である」との答弁がありました。又「輸出と関連し、生糸の問題が新たなる角度から取上げられ、その価格方策、内需抑制、増産計画が再検討されるべきである」との注目すべき発言がありました。
 次に、米価問題でありますが、「政府は今回の予算措置において食管特別会計の繰越利益を食つてしまつた。明年度予算で均衡財政を貫ぬこうとすれば、生産者米価を引下げるか、消費者米価を更に引上げることになるかどうか。食糧増産と物価引下げとの調整を図るためにも明年度も二重米価政策を続けるか」の質疑がありましたが、これに対し政府は、「米価の決定方式について根本的に再検討すべき時期に来ていると思う。明年の生産者米価のうち、異常凶作に基く減収加算の分は今年の特別事情によるものと考える。消費者米価は、本年の、ごとき異常の年のコストを全部消費者に負担せしめることは家計上も困難であると考え、将来、事情が許せばなし崩しに消費者負担に持つて行きたい。政府はコスト主義を原則とするが、その他の事情も考慮せねばならない。それを二重米価と解せられるならば御自由である」と答弁されました。次に、給与改善に関する問題でありますが、先ず一般公務員の給与につきまして、「政府は人事院の勧告を尊重して明年一月以降一万五千四百八十円ベースを実施すると言い、それによつて九・三%の給与ベースの引上げとなると言つているが、その実際の内容は人事院勧告とは全く異なり、四月以降の昇給昇格、地域給の一部本俸組入れ、俸給表の中だるみ是正等を含んだものであり、その他、租税負担の増大や米価引上げの家計費への影響等を考えると、実質的な引上げ率は三宅程度にしか過ぎない。このような政府のやり方は欺瞞的ではないか」との質疑がありました。これに対して政府側から、「公務員の給与改善については、現在の財政状態の下でなし得る最大限度のことを行なつたのであるが、今回のベース改訂の機会に、従来懸案となつていた地域給の組入れや、中だるみ是正を同時に行うのは、そうすることをはつきり言明した上でのことであり、又給与の実質的の引上率は九・三%で、人事院勧告の二子九%と同様税込計算であつて、何ら欺瞞の点はない」との答弁がありました。なお地方公務員につきましては、「政府は地方税の自然増収等によつて所要経費の一部を賄うこととしているが、地方税の自然増収は期待できるかどうかわからないばかりでなく、地方団体の中には財政難のため定期の昇給昇格もやつていないところが少くないので、今回の措置では地方公務員のベース・アップは確保されないのではないか」との質疑に対しまして、政府から、「地方に新らしい負担を生ずる場合に、中央の行う財源措置は単純に国庫の支出金ばかりではなく、地方税の増収をも勘案して、その不足分を平衡交付金で補填するのであるから、この補正予算の財源措置で十分である。ただ地方団体の財政難ということについては、それとは別個に再建整備を図る必要がある」との答弁がありました。
 いわゆる三公社五現業の職員の給与改善についてでありますが、これに関連いたしまして、先ず「政府の公労法に対する解釈は一貫性を欠いており、或るときは裁定に関する国会の議決がなければ政府は予算を組んで出せないというかと思うと、今度は国会の議決を待たずして予算を組んで提出して来ておる。このように政府の態度は一貫していない。又仲裁裁定について実施の議決があつた場合には、政府は必ず補正予算を提出する義務があると思うがどうか。又予算総則で給与総額を規定することは徒らに事態を複雑にするだけで、却つてこれを削除して政府が責任を以て処理し得るようにしたほうがいいのではないか」等の質疑がありました。これに対して政府側から、「公労法の解釈として、仲裁裁定が予算の提出権及び国会の審議権に優先するものでないことは言うまでもない。又国会の議決があつた場合には、政府は政治的責任は感ずるが、必ず予算を提出しなければならないということにはならない。予算総則に給与総額の規定がない場合、曾つて二十四年に国鉄で紛糾が起つたことがある。現在ではまだ給与総額を不必要とする段階ではないと思う」との答弁がありました。「三公社五現業の仲裁裁定は八月から実施すべきものを、明年一月から実施することとしているが、せめて年末手当の増額について考慮してはどうか」との質疑に対しましては、政府側から、「一般公務員の年末手当一・二五カ月分に対し、三公社五現業の職員の年末手当は一カ月で、〇・二五カ月分の開きがあるが、業績如何を考慮して一般公務員との均衡を破らない限度で業績手当を考慮する余地はある」との答弁でありました。
 なお日雇労務者の年末手当につきまして、委員の質疑に対し、政府側から、「就労日数の増加等によりて、昨年の三日分よりも多く、五日分の増給を図ることにした」との答弁がありました。
 最後に、MSA交渉、防衛力漸増計画と憲法改正等の問題でありますが、「政府は米国側より厖大な再軍備を押付けられていると伝えられているが、その真相はどうか。明年度予算に盛られる防衛力増強の輪郭はどうか。保安隊が自衛隊となり、駐留米軍と一体となつて直接侵略に当るというのは、新たなる事態であつて、これはすでに憲法と抵触するところの戦力と見るべきではないか。憲法改正の意図を持つているか」などの質疑がありました。これに対しまして、政府は、「防衛計画は日本が独自の判断に基き作成するものであり、目下保安庁を中心に検討中であるが、まだ成案を得ていない。併し日本の経済力、財政の現状は、再軍備というごとき大規模な防衛計画は許さないこと、これを戦とみるかどうかは、政府としては、直接侵略に当ると否とにかかわらず、客観的に近代戦を遂行し得るごとき装備と数に達しなければ、我が憲法における戦力とは考えない。従つて現在政府としては憲法改正の意思はない」と答弁されました。又MSAに関し、愛知大蔵政務次官より、「先のワシントン会談の結果、MSAは今日では軍事援助の考えが支配的であり、技術援助や経済援助を受けるには別個の取極が必要であることが明らかになつた」という説明がありました。
 その他質疑応答の詳細につきましては速記録によつて御承知を願いたいと存じます。
 以上を以て質疑を終局し、討論に入りましたところ、先ず日本社会党第四控室を代表して亀田委員より反対、自由党を代表して高橋進太郎委員より賛成、日本社会党第二控室を代表して松澤委員より反対、緑風会を代表して森委員より賛成、改進党を代表して武藤委員より反対、無所属クラブの木村委員より反対の旨を述べられました。かくて討論を終局し、採決の結果、予算委員会に付託せられました昭和二十八年度予算補正三案は多数を以て可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#134
○議長(河井彌八君) 三案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。小林孝平君。
   〔小林孝平君登壇、拍手〕
#135
○小林孝平君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今議題となりました政府提案、昭和二十八年度第二次補正予算三案に対し、反対の討論を行わんとするものであります。
 政府は、昭和二十八年度の本予算を漸く七月に成立せしめたあと、僅か半歳を出でずして第一次、第二次補正予算をそれぞれ臨時国会を開いてこれを提案せざるを得なくなつたのであります。而も当初予算はいわゆる三派共同修正により完膚なきまでに修正を受け、第一次補正予算についても、同じく三派の要求によつて国会提案後組替えを行わなければならないという醜態を暴露したのであります。今回の第二次補正予算については、さすがの改進党も、お供は御免だと、これに反対をした結果、漸く政府の原案が衆議院を通過し、本院に送付されることになつたのであります。而して、当初予算及び第一次、第二次補正予算の間には、政府の一貫した財政方針というものが全然貫かれていないのであります。政府は極力財政規模の膨脹を避け、財政の健全を確保すると強調しているけれども、その実態は国民大衆を苦しめるインフレ予算であり、この題目に値いしない場当りの予算であります。現政府の外交はその都度外交と言われているのでありますが、財政についても文字通り二の都度財政であつて国民生活の安定を図り、経済自立の達成を図るという確固たる信念に欠けているものと言わなければなりません。(拍手)
 先の第一次臨時国会はいわゆる救農国会であつて、そのあとを受けて開会されました本臨時国会の中心課題は、第一に公務員に関する給与の改訂及び三公社五現業に関する仲裁裁定の完全実施の問題であり、第二は米価に関する問題であります。果して政府の提案した予算がこの目的に副つているかどうかと言うに、全く逆であつて、この目的に副わない欺瞞的な予算であります。今回の補正予算の編成に当つて、政府は公務員の給与に対する人事院の勧告及び公共企業体の職員についての仲裁裁定の結果を誠実に実行しなければならないことは当然であります。然るに政府はこれを全く無視して、その不完全実施を決行しようとしているのであります。特に仲裁裁定については、関係職員に対し、公共の業務の故に争議権を奪つた代りに仲裁制度を認めるという公労法の建前から、これの完全実施をしなければならないことは当然であります。首相は今国会の劈頭行なつた演説で、労働者も使用者側も互いにその立場を尊重して、ただ一方の立場のみを強調しないでもらいたいと言つておられるのであります。然るに政府こそ法律を無視し、憲法の精神を蹂躪し、自己の立場のみ主張しているのであります。国会の公聴会における各公述人は一斉に、政府のこのたびの態度は遺憾であり、法の精神を踏みにじつている。不完全実施の結果起る紛争の責任は当然政府が負うべきものであると述べているのであります。大体、政府には初めから仲裁裁定を誠実に実施しようという意思があるとは考えられないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)例えば給与総額を上廻るから裁定の実施はできないという、こういう理窟を言つているのでありますが、上廻ることは当然であります。給与総額は現員現給を基礎にしてきめられるものであるから、裁定の結果が常にその給与総額を上廻ることは当り前であります。こんな給与総額などを盾にとつて裁定の実施を拒まんとした態度は、初めから仲裁裁定制度を無視してこれを認める意思がないものであると言つても過言ではないと思います。かかる政府の態度であるからこそ、その結果として官公労の当然の反撃を受け、今回のごとき紛糾せる事態を招来したものであります。この責任は挙げて政府にあると言わなければなりません。政府はこの際、何を措いても、仲裁裁定の完全実施、即ち、明生の一月からというのではなく、本年の八月に遡つてこれを実施するよう措置すべきであります。
 又公務員の給与については、政府の説明では、勧告に示された一万五千四百八十円ベースに改訂すると言つているのでありますが、一体、勧告はいつ出たと思うのか。人事院の勧告は言うすでもなくベースそのものを言うのではなく、現行の給与表における各級各旦給与総額の改訂を勧告しているので上ります。その改訂の結果として、三月一日現在で一万三千五百八十円ベースであつたものが、二・九%増の一万五千四百八十円にせよという勧告の内容であります。その後、三月以降の中期昇給がありましたから、従つて三月現在のベースにこれを加算して一三・九%の増給、即ち一万六千百円となるのであります。これを実施して初めて勧告の尊重というべきであります。金額だけについて見ても、表面的には勧告を呑んだように見えても、実際にはこのようにかなり下廻つているのであります。又時期について見ても、政府案の明年一月からの実施は、勧告の基礎となつた時期の三月から数えれば十カ月も遅れておるのであります。この間に物価はどうなつているか。全国平均四%も上昇しているではないか。他面、今回又消費者米価は大幅に値上げされておるではないか。これらについて何ら考慮が払われていないのであります。その上、更に、地域給の整理をこのベース・アップに絡み合せて、地域給整理のための費用もベース・アップの費用のうちに見込んでおるのであります。そうして実際ベース改訂に使われる金額を減らしておることは明らかに不当であつて、我々の承服できないところであります。
 次に、期末手当については、現在の諸物価の値上り及び消費者米価の値上げ等の事情を併せ考えると、政府原案は余りに低きに過ぎます。一般公務員、地方公務員及び三公社五現業の職員のすべてについて一律に一・五カ月分を支給するのが至当であると考えるのであります。而もこの勧告及び仲裁裁定の不完全実施すらも、国鉄運賃の一割値上げや、郵便料金の引上げを見合いにして、特に明年度一割の人員整理を行うことを前提としておるのであります。国鉄運賃や郵便料金の値上げは、これを以て給与の引上げを牽制せんとする政府の苦肉の策であつて、極めて悪質なるやり方と言わなければなりません。ほんの僅かな給与の引上げをやつて関係者を一応喜ばせて今後僅か三カ月後には何方という人たちの首を切り、これを失業群に追いやり、路頭に迷わせるという、極めて無慈悲なやり方をとろうとしておるのであります。これはあたかも死刑囚にその刑の執行の直前に饅頭を食わせるがごときものでありましよう。
 次に、米価についてでありますが、政府は消費者米価について、精米十キロ当り現行六百八十円から七百六十五円と、大幅に値上げすることにしておるのであります。かかる大幅の値上げは国民生活の現状からして到底堪え得ないところであります。この米価の値上げをせざるを得なくなるに至つた経緯こそは、政府の農業政策、食糧政策の破綻を如実に示すものであります。この農政の破綻を裏付けるかのごとく、首相は本国会の劈頭の演説で次のように述べておるのであります。「今年の異常の冷害によつて産米の収穫減に当面して、政府は国民食糧の確保に最善を尽しつつあるのであるが、一面、粉食の奨励等、この機会に食生活改善の機運に拍車し得るならば、禍いはむしろ福となり得る」と言つておるのであります。これが異常の災害下における一国の首相の述べる食糧政策に関する抱負であります。余りにもお粗末だと言わざるを得ないのであります。(拍手)粉食の奨励のごときは、政府の多少の熱意を以てすれば相当の効果を収め得る問題であります。こんな問題と、多数の罹災農民を出し、食糧の需給を異常に逼迫せしめた未曾有の冷害と引き比べ、「禍を転じて福となす」というようなことは、あきれ果てたことではありませんか。非常識も極まれりと言わざるを得ないのであります。これこそ、政府の農業問題、食糧問題に関する認識の浅さを物語るものであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 今の国民生活の現状をよくよく考えるならば、消費者米価について現行価格の引上げは、国民大衆の堪え得るところではないことは明らかであります。而も今回の値上げは、政府が虎の子のように大事にに隠しておいた食管会計の含み資産三百四億円を殆んど食い潰して漸く七百六十五円程度に食いとめているのであります。従つて、この政府の方針を飽くまでも貫いて行くためには、来年の四月以降再び値上げをせざるを得ないことは必至であります。政府はその日暮しの食糧政策をこの際一擲し、国民生活の安定を図る上からも、完全なる二重価格制をとるべきであつて、これに要する経費を一般会計から繰入れる措置をとるべきであります
 以上のように、人事院の勧告、仲裁裁定の完全実施及び完全なる二重米価の実施による消費者米価の据置等の我我の主張に対して、政府は財源のないことを口実にせられるでありましよう。併し我々は財源は十分にあると確信しておるのであります。即ち、保安庁費及び防衛支出金、安全保障諸費の未使用分等を削減してこれに充てるならば、十分経費は賄い得ると思います。而もこれらの経費のことごとくが非生産的な実質的再軍備費用であります。今や世界の動向は、首相みずからも本院において認められておるごとく、戦争の危機は遠のいておる情勢であります。かかる情勢の下において、何を慌てて国民生活を犠牲にして実質的な再軍備をむりやり推し進める必要があるのかどうか。而もこれらの経費こそは全く非生産的であつて、最大のインフレ要因であります。我々はこれらの財源を以て、この臨時国会の最大の使命である公務員及び公共企業体職員の給与の改善と消費者米価の据置を断行すべきであると主張するものであります。
 以上の理由を以て政府提案の本予算案に遺憾ながら反対するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#136
○副議長(重宗雄三君) 小林政夫君。
   〔小林政夫君登壇、拍手〕
#137
○小林政夫君 私は緑風会議員総会の決議によつて、只今提案された補正予算三案に対して養成をいたします。
 併し、緑風会においては、いろいろ検討をいたしましたが、心からこの予算案に賛成をしておる人は一人もないのであります。(「いつもそうじやないか」と呼ぶ者あり)併し、いろいろ言われておるが、あなた方でも、この予算案が通らないということについては、表面的には反対をされるけれども、実質的には通ることを希望されておるのじやないか。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)いろいろと我々は高い政治的な考慮をいたしまして、止むを得ず賛成をすることにいたしたのであります。
 自立経済の達成が、我が国当面の至上命令であり、それは輸出振興に待たざるを得ないことは、すでに国民の常識であります。輸出振興は、個々の振興政策もさることながら、抜本的な対策は国内物価水準の引下げであります。然るに政府は、公務員の給与ベースの引上げを安易に来年一月より実施し、消費者米価も来年一月より一二、五%、一割二分五厘の引上げ、低物価政策への完全な逆行であります。当面の糊塗策に終始し、真に骨を削る苦慮の跡は窺えないのであります。全くその都度財政であり、信念を持つた長期の見通しの上に立つた政策の片鱗すら窺えないのであります。衆院予算委員会の追及により、二十九年度の予算構想の骨格を発表したことは、その都度財政という非難に対するせめてもの口ふさぎではありましたが、
   〔副議長退席、議長着席〕
 これも追及に会つて慌てて作つたものらしく、かなり辻褄の合わない点が窺われるのであります。国民所得の上昇に伴う税の自然増一千億円としても、本年度のごとく四百五十五億円もの剰余金の受入れは期待できないのでありますから、来年度の財源の増加は一兆七百億円から一兆二百七十億円を差引いた四百三十億円プラス・アルフア、このアルフアは、内国債償還費、本年度二百二十八億円から二十八年度剰余金のうちで、内国債償還費に充てられるものを差引いた額、即ち大よそ六百億円程度となるのではないかと思うのであります。一方、歳出は、蔵相の見込によつても千億円当然増加する。明年度一般会計で本年度に比べ当然増加するものは、恩給の二百二十億、連合国財産補償諸費百億、給与関係費の税によるはね返り分を差引いた正味増額は二百億、外航船舶利子補給五十億、これらの合計が五百七十億であつて、そのほかに防衛費、これはいろいろ両院において追及をしたけれども、遂にその構想は明らかにせられなかつた。賠償費であるとか、或いは災害復旧費であるとか、治山治水対策費等で以て一千億、こういう蔵相の見積りでありますが、その蔵相の見積り通り、当然本年度に比べて歳出が増加するというようなものと、先ほどの財源の増加分とを差引いたしますと、それでもなお且つ四百億は節減によつて賄わなければならなくなる。蔵相は、中央地方を通じての行財政整理、補助金の削減、一般諸経費の節減、財政投資の効率化により捻出すると言いますけれども、これは強い政治力なくしては到底実現できないのであります。今日の吉田内閣の政治力を以てしては不可能ではないかと思われる。蔵相は更に税制調査会の答申に応えて若干の減税も可能だと言いますが、我々の見るところでは、当然増加する歳出を賄えるかどうか危なつかしいし、いわんや減税などはできないのではないかと危惧するものであります。減税を断行しようとすれば、当然増加する一千億円の大幅の削減をせざるを得ないと思います。又財政投資の効率化と言うが、一般会計よりの新規投融資は不可能となる。新規の産業投融資は、郵便貯金、簡保等を含む民間の資金の蓄積と、既往の財政投融資の回収金及び収益によらざるを得まい。伝えられる池田構想を実行しても、その金融機関のオーバー・ローンの回収を図るに過ぎず、又事実それ以上のものであつてはならない。十一月中旬末現在、全国銀行預金は、小切手、手形及び政府関係預金を含んで二兆二千九百八十三億であり、貸出は二兆五千四百五十三億円で、差引貸出超過は二千四百六十九億円であります。現在の我が国の保有外貨約十億ドルのうち円資金に換え得るものがおおむね全国銀行のオーバー・ローンの額に匹敵いたしております。保有外貨を円資金に換えて新規投融資に使用することは、過去の蓄積資金の食い潰しであり、インフレーシヨンの原因となり、厳に戒めらるべきでありましよう。従つて次年度新規投融資は広義の民間の新規蓄積資金のみによつて賄わるべきであり、又賄わざるを得ないものと思います。電源開発、外航船舶、合成繊維設備の増強資産であるとか、なかんずく中小企業金融資金の調達に事を欠くのではないかと憂慮に堪えないのであります。(「その通り」「それであつたら反対したらどうか」、と呼ぶ者あり)
 次に公務員の給与ベースの検討に関連してでありますが、人事院の勧告制度、公労法自体について再検討を要するのではないか。特に公労法については、今回も問題になつた第十六条第二項については、緑風会の主張が容れられて現行条項に改正をされたのであります。単純な立法論だけからすれば、事由を付して国会の承認を求めるのは、今回政府が提案したごとく、政府の意思を隠して、ただ如何いたしましようかというのではなくて、政府が予算上資金上全然呑めないという見解ならその見解を、今回のごとく一部実施なら一部実施に伴う予算案を作成して国会の承認を求めるべきであります。現公労法を建前とする以上、裁定が行われてから争議行為が発生するごとき事態が将来二度と起らないとうに、運用については特段な工夫が願いたいのであります。どうしても運用上うまく行かんということであれば、法自体について検討されねばならない。収益の処理上、公社と現業官庁とを同じ企業体として見るごときも検討されねばならない。公社についても、正当な企業努力による収益と租税に相当する収益とが、日常の運営を通じて分別されるような措置が講じられなければならない。これがはつきり分別されなければ、労使の収益分配が恣意的に行われる虞れがあるのであります。特に、専売品なかんずく「たばこ」は、税額と販売価格とが国民にはつきりわかる措置が至急に講じられなければならないと思います。我々は、人事院勧告、仲裁裁定の一部実施についても、本来必ずしも賛成していない。もとより公務員の生活水準改善は望むところでありますけれども、ベース・アップのみがその唯一の方法ではなく、慎重な配慮により実質的に改善する方法がとれるはずであります。
 食管特別会計については、政府は安易な政治的妥協によつて、生産米価に対して不自然な積み重ねをやり、生産農民といえども必ずしも満足していない。富農はますます富裕となるが、貧農は潤おわない。生産者農民の平均手取価格は一万三百三十五円と見込まれ、おおむね輸入米価と同額となり、輸入準内地米に対する単位数量宛価格調整補給金百二十円乃至百三十円と、消費者米価を七百六十五円とする場合の単位数量宛食管負担金十キロ宛百二十五円とおおむね同額となつた。而も消費者米価を本予算案で予定している十キロ七百六十五円に維持するためには一カ年四百四十億円の財政負担を伴う。本年度においては前年度よりの繰越利益三百四億円を食い潰し、二十九年度に繰越さるべき利益は十億となる予定である。この食管が四百四十億に上る赤字を負担しきれないということは明らかなことであり、食糧証券の増発はインフレ要因となり、一般会計負担とすれば、当初に述べた来年度の当然増加すべき歳出額に四百四十億円がプラスされることとならなければならない。これを如何に処理するのか、政府は明確な方針を示しておらない。現行食糧管理方式に対し抜本的な再検討が加えらるべきであると思います。
 以上要するに我々はインフレを懸念するものであります。我が会を代表しての予算委員会における田村文吉氏の質疑に対し、大蔵大臣は低物価政策をとる旨答弁をされましたし、又、蔵相の二十九年度予算の構想を我々の意図に副うものと善意に解しても、義務教育費国庫負担法の臨時特例に関する法律案すら、与党議員の統率力不足のために衆院において難航しているような弱体内閣に、真に言明や構想の実現ができるや否や頗る危惧されるのであります。中央地方を通ずる行財政整理、或いは補給金の削減、一般諸経費の節減、財政投融資の効率化等は、前にも申述べた通り強い政治力なくしては到底実現はできない。政府は、政治力を結集し、不退転の決意を以て来年度予算の編成に当り、かりそめにも官業が物価騰貴の要因を作らないように、叡智の限りを尽すべきであることを強く要望いたします。
 万一、来年度予算が我々の要望に副わぬものであるときは、緑風会はそのときこそは重大なる決意をいたさざるを得ないということを特に附言いたしまして、賛成討論といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#138
○議長(河井彌八君) 小林亦治君。
   〔小林亦治君登壇、拍手〕
#139
○小林亦治君 私は只今上程の予算補正三つに対して、日本社会党を代表いたしまして反対の討論をいたしたいと存じます。
 日本の現状から見まして、年間の予算が一兆億を超えるようなことになれば、それはもはやインフレに突入するのである。これは一般の輿論でもあるし、朝野の間におきましては殆んどこれは異論のないところであります。常識になつておるのが今日でございまするが、さすがの大蔵大臣もしばしばこれを揚言せられまして、さては大臣は職を賭しても一兆億の線に食いとめると大いに力んだのでありましたが、第一次、第二次に亘る予算補正に当つて、すでに一兆億を大きく二百七十億余を上廻るに至つては、この勇ましいところの小笠原大蔵大臣の夢も、お気の毒にもはかなく消え去つてしまつたのであります。(拍手)このことは、ただ単に大蔵大臣の見識と面子の問題ではなく、さしもの頑固頑迷のまま、まかり通つて参つた吉田内閣の無能と醜態をいよいよ遺憾なく露呈したものと言わざるを得ないのであります。(拍手)我々は吉田内閣の運命を問題にするよりも、八千万大衆が再びあの悲惨なるインフレの波をかぶるかどうか、(「問題はそこなのだよ」と呼ぶ者あり)その生活の死活問題であり、八千万の同胞が再び無残なる戦争の犠牲になるかどうかという重大問題でありますだけに、国会が国政に関するところの審判の場である限り、本日まかり通るであろうところのこの三つの予算補正に対しては、少数党といえども我々は国民の名において厳粛なる審判を与えなければならんのであります。(拍手)
 一国の予算は、その規模よりもむしろ組立にあるとされておりますが、そこで必ずしも一兆億超えることを恐れるものではありません。或る款項目が他の款項目に対して占むるところの数字上の比重が重要なんであります。即ち、農民、中小企業者、勤労者に賄う数額とか、基礎産業に振向ける予算に比較して、防衛関係費、再軍備費、即ち再生産を回避するところの予算との睨み合いで、若しも均衡が破れましたならば、国家予算がたとえ一兆億以内であつても、それはもはやインフレ予算であり、正常なる産業を食いつぶして大衆の犠牲の上に組立てられる予算と申さなければなりません。この予算は、表に現われておる通り、防衛関係費の漸増が顕著であり、実体的には恐るべき再軍備充実というはつきりした線が明瞭に透き通つて見えて参つた。このことは、吉田内閣の外廓ブレーンとも言うべき日経連、経団連ですらも、この補正予算に対しては放漫財政という公然の非難を叩きつけておることから見ましても、如何に先の見通しを考えない、その場限りの場当り予算であるか、昨今輿論の反対が強いものがあるのも当然でございます。
 以下二、三の点を検討しますれば、先ず第一に給与改訂の問題でありますが、本日曲りなりにも国鉄を初めストは只今のところ解決をしつつあります。ありますが、問題の基本はまだ解消しておらない。人事院勧告は、御承知の通り本年三月を基準として、民間給与、物価の値上り等を考え、それに引合うように二二・九%引上げ、一万五千四百八十円に速かに訂正せよという勧告が出されたのであつて政府はこれを五カ月も投げやりにし、本年一月から実施するという、不誠意極まる態度に出ているのであります。このために、諸物価の値上りにより、当初人事院が勧告した内容とはおよそ似ても似つかぬものとなり変つておるのであります。即ち、昨年十月から今年の十月までの間に一五・七六%も消費財物価の値上りがあり、勤労階級の生活は年末を控えていよいよその不安を増大しておるのであります。本年の年末攻勢は、最も民主的な労働組合が、最も民主的な労働組合ですらが最も強硬に闘いを展開したことから見ましても明らかである通り、本年の場合は政治的色彩は全く見られないという特異的な姿を見ましても、これが明瞭に物語つておるのであります。これは言うまでもなく、政府の労働運動に対する無理解と不誠意に基くもので、この政府の精神は給与改訂に明白に現われており、期間をずらしておると同時に、地域給の一級地を削つてその予算を基本給に繰入れ、且つ又当然になされる年二回の昇給も改訂の中に含めておるなどとは、羊頭狗肉の政策の最たるものであると存ずるものであります。従つて、結果的には何らかの給与改善にはなつていないのみならず、政府の肚の中には、只今小林孝平君も申された通り、この代償として、一割の天引首切りと、消費者米価の値上げ、運賃、郵便料金の値上げという、恐るべき企てができ上つておる。
 更に、各公社の仲裁裁定でありますが、これは、言うまでもなく、吉田内閣が理不尽にも罷業権を剥奪した際、その代償として公共企業体の労働者に与えたものでありますから、いわばこれが最終判決とも言うべきもので、裁定は、公労法第三十五条に明らかなように、政府は当然に完全実施する義務を負つておるのであり、法律上当然に用の債務であることは明瞭であります。若しもこの公労法第三十五条を主張し、司法裁判所に出訴した場合は、裁判所は政府に対し完全賠償の判決をするであろうことは明瞭であつて、財源を云々することによりこれを免れることはきでません。(「その通り」と呼ぶ者あり)勿論、公労法の第十六条には、「公共企業体等の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。」と規定されておるが、これは政府に対して、仲裁裁定の尊重について、その取扱は、完全実施の予算を組んで国会に提出するか、又は完全実施が不可能とする場合には、これをそのまま国会の議に付すべきことを規定しておるのであつて、その内容を骨抜きにするがごとき一部施行の予算化は飽くまで違法であると断ぜざるを得ません。ストは解決いたしましても、(「遵法闘争」と呼ぶ者あり)労働権の譲歩はいたしましたが、給与上の財産的請求権を放棄したものではございません。従つて、かかる観点から、我が日本社会党は、本月二日東京地方裁判所に対して仲裁裁定の完全実施をしない政府の法律上の責任を追及いたしまして、その損害賠償の訴えを起しておるのであります。やがてこれが勝訴判決を勤労大衆の上に闘い取ることであろうことを確信しておるものであります。
 次に、米価の問題でありますが、政府は来年一月から十キロ当り七百六十五円に値上げを決定したのであります。併しこれにつき政府は、生活に与える影響は僅か〇・八%でであるから、大した問題はないとおつしやつておられまするが、消費者米価値上げは直ちに闇値の大幅な値上げとなり、他のすべての物価に与える影響は、まさにインフレの口を開ける結果となるのであります。この値上げは政府の食糧政策の無能ぶりを遺憾なく暴露したものであり、生産者価格をすぐ消費者価格にはね返らせるという全く安易な方法をとつて、而も食糧政策の無能を農民と消費者、特に労働者の分裂策に転嫁しようとする、全く悪意に満ちたものと考えられるのであります。我が党は長い間二重米価制度を強く主張し、本年度においては消費者価格を現行六百八十円に据置き、生産者価格は生産を償う最低線の一万二千円にすべきであるとしておるのでありますが、今回の政府のこの値上げは、原価計算から申せば十キロ当り七百九十五円となり、原価主義をとつたと言いながら、今回の値上げの七百六十五円との間には三十円の開きがあります。如何に政府が強弁しましても、財政支出によつて賄うことは事実であり、内容的には二重米価の性格が歴然と現われているのであります。一方、今回の米価値上げは凶作に基くものであつてこの災害による救済的加算も加わり、これをそのまま消費者に負担せしむることは全く不合理なことであり、消費者に対しても同様の処置がとらるべきであります。更に、この米価では来年度の米価が全く見通しがなく、暗中模索であります。このままで参れば、来年の四月から消費者米価の値上げが再び持ち上るであろうことは予想に難くありません。かかる無定見なお先まつ暗の米価政策には、私どもは断固として反対せざるを得ません。更に、運賃の値上げ、郵便料金の値上げ、更には電気料金の値上げまでも企てているのであるが、政府は予算の質疑等の過程においても明瞭に申しておらるるごとく、インフレ抑圧の自信というものは全く失つておられる。政府のあらゆる施策は、低賃金と生産費を償わぬ生産者価格で窮乏の一途に追いやり、大企業のあおりをいつも中小企業者にしわ寄せしている状態である。今年の年末も、平和不況の波をかぶり、操業を短縮しても、なおストックは山となり、不渡手形、不渡小切手は横行して、その日の金融に追い廻されている死期を待つの状態にあります。この年末は極端なる金融困難になりつつある現状であつて、ひとりただ単に政府が言うように二百三十億程度の融資では焼石に水であります。
 国内においては、かような状態に国政担当の自信を失いつつ、外交においては全く秘密独善外交を続け、池田・ロバートソンのMSA会談、それに続く東京会談によつて、国民の全く知らぬ間に、個人的資格の者に国家の将来の方向をきめさせようとしているのであるが、これは言うまでもなく許しがたき国会軽視であり、民主主義に逆行する独裁者の態度と断ぜざるを得ません。これがためには、少数内閣の悩みを切抜けんとして、或るときは改進党に秋波を送り、又極く最近には、曾て倶に天を戴かずとお互いに同じような宣言をし合つた御連中とも、恥も外聞も忘れてしまい、くされ縁を結んで、やに下つているていたらくであります。(「その通りと」呼ぶ者あり)
 かかる末期的廃頽的な内閣に対し、国民はいつまでも盲ではありません。国民はいつまでも犠牲者ではありません。我々は、その都度財政、自由放任的な諸政策、果ては国民を目隠しにして後向きの秘密外交をほしいままにするところの吉田内閣に対し、速やかなる退陣を要求すると共に、今の三つの予算補正に断固反対をいたすものでございます。
 以上討論を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#140
○議長(河井彌八君) 武藤常介君。
   〔武藤常介君登壇、拍手〕
#141
○武藤常介君 私は改進党を代表して、昭和二十八年度補正第二次予算ほか二件に対しまて、衆議院送付の原案に反対するものであります。(拍手)
 次にその理由を簡単に申述べます。我が国現下の重要課題は、経済の安定、通貨価値の維持であります。然るに現在の国家財政は年々膨脹に膨脹を重ね、物価は高騰し、貨幣価値はますます下落し、政府は、総理大臣を初め、大蔵大臣は、最近、口を開けば、通貨価値の維持、インフレの抑制を唱えているのであります。然るに今回提案せられましたところの予算案を検討すれば、インフレの要因を多分に含み、自立経済を打立てねばならぬ折柄、誠に以て驚きに堪えない次第であります。本補正予算は、公務員のベース・アップの勧告の実施と官公労の仲裁裁定の実施が中心をなしておるのでありまするが、由来我が党は、これら公務員並びに官公労の生活安定のためには重大関心を持ち、力を注いで来たつたところであります。従つて当然これを実施すべきところでありまするが、今日までの我が国の経済状態を見ますれば、物価の高騰を来たし、インフレに次ぐインフレとなり、ベース・アップを年々余儀なくされておりまして、そのとどまるところを知らないのであります。従つて、計画なきべース・アップは(公務員等の生活の安定をするには至らないのであります。インフレの要因を打切つて経済政策の大転換を迫られておるのであります。
 ここにおいて我が党は一大勇猛心を振い起して、従来のような安易なる方法を一擲し、真に公務員等の生活の安定を図り、延いては経済の安定、貿易の振興に資さんとしたのであります。即ち、我が党が唱え来たつた消費者米価の据置、税制調査会の調査による直接税の軽減によりまして物価の高騰を抑制し、実質賃金の増額を以てこれに代えんとするものであります。現在のベース一万三千五百八十七円、勧告、べース一万五千四百八十円、その差額千八百九十三円であります。然るにその差額の中には、地域給の繰込み三百円、税のはね返り三〇%を見まして六百三十一円、米価の値上り平均一人当り三十キロと見まして二百五十五円、これを差引きますれば、七百七円の上廻りに過ぎないのであります。従つて実質的には一万四千二百九十四円に過ぎないのであります。改進党案は、現在ベース一万三千五百八十七円、これに加うるに税制調査会の直接税軽減の六百二十円を加えまするならば、一万四千二百七円となります。その差額は僅かに八十七円となるのであります。然るに、鉄道運賃、郵便料金、電気料金等の値上げ、その他、惰性によるところの一般物価の高騰は、優にその差額を超過すること明瞭であります。よつて政府案を実施するにおいては、インフレは洪水の堤防を決するがごとく、遂に経済の破綻に至るべく、国土資源の開発も、産業の再建も、治山治水も、実施困難に陥り、まさに進行中の災害の復旧事業も、食糧の増産も、如何ともなしがたい状態に陥ることは、極めて明瞭であります。ここにおいて我が党は、英断を以て、真に勤労者の生活を安定し得る実質賃金の値上げと消費者米価の据置を基底とする低物価政策の断行により、国家自立経済の確立を期せんとするものであります。
 以上を以ちまして反対の討論を終ることにいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#142
○議長(河井彌八君) 平林太一君。
   〔平林太一君登壇、拍手〕
#143
○平林太一君 只今一括上程に相成りました昭和二十八年度第二補正予算案に対し、私はここに無所属クラブを代表し、且つ参議院日本自由党を代表して、反対の意見を表明し、(拍手)進んでこれが趣旨を答弁をいたさんといたすものであります。
 本予算案に対しては、只今までの反対討論によつて極めて明白であります。のみならず、本案に対して賛成の意を標榜せられたる小林政夫君の討論の内容そのものは、反対論よりも邊かに反対の内容であります。(拍手「その通り」と呼ぶ者あり)これを以て賛成を用いたすなどとは、気が狂つていなければできないことである。
 更に、私はこの際、特に重大な事柄として反対せざるを得ないことは、衆議院と異なる二院制度における参議院の本質と参議院の持つ責任に深く立脚して、これに反対をいたさざるを得ないのであります。その理由は、吉田茂君を首班とする吉田内閣の政権をこれ以上持続せしめることは妥当でないのである。その理由について第一に挙げられるべきことは、吉田君及び当該大臣たる木村君は、今、私の述べんとすることを拳拳服膺して聴取せらるべきである。(笑声、拍手)「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」というのである。法文昭々として我が憲法の第九条に明示しておる。然るに吉田君及び吉田内閣の閣僚諸君は、これを踏みにじつておる。(「さようだ」「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)この憲法、この条章を無視し、この憲法、この条章に違反して恬として恥じないのである。と申すことは、今日の予算委員会において当該大臣たる木村君は、保安隊の性格、内容、全貌、現にいたしておる行為に対して戦力にあらずと称しておるが、戦力にあらざれば保安隊は必要ないのである(拍子)同君といえども心の中では戦力として、往年の陸軍参謀総長、海軍軍令師長を以て任じておるのである。(「その通り」と呼ぶ者あり、笑声、拍手)吉田君に至つては、しばしば保安隊を検閲し、視閲するときの言動を見ておれば、心うちにあれば色おのずから外に現われるというもので、覆い隠さんとしても隠し得ざることは、人の真実である。同君は、いわゆる大元帥のような言動で臨んでおるのである。(「その通り」と呼ぶ者あり、笑声、拍手)まさにこれを再軍備と言わずして何ぞや。而もこれに所要する経費、予算のその数字を見るにつけ、今日の我が国の乏しき予算の中に、或いは二千億と言い、或いは三千億と言い、やがては四千億を予定いたしておるやも図りがたい。一兆億中のこれに要する保安隊の経費というものを見ても、戦力なるがゆえに、吉田君以下これを出してこの予算を作らなければ、戦力の用をなさないから、かようにいたしているのである。戦力の用をなさないのであれば、より遥かに僅少なる数字を提出して然るべきである。かような事態に対しては、吉田君は本日の予算委員会において再軍備はせず、憲法は改正しないと言う。私からこれに対して、さような卑怯未練の態度はまかりならん。吉田君は速かにこの際、我が国家将来のためにやめてもらいたい。(拍手)又やめるのでなければ、この理由を詳細に弁明いたすべしと言いましたところが、同君はさすがにこたえたのでありましよう。(笑声)黙秘権を行使して、同君動かずであります。諸君、黙秘権というものは、我が国においては共産党の特定なる人々が、いわゆる犯罪人として公判廷において現わし出したるところの新たなる戦術である。平常共産党を排撃すること天下随一の吉田茂君、本日はまさに共産党になり下つたのである。嘘というものほど恐るべきものはない。もはや同君は、これ以上職にとどまるということは是非やめてもらわなければならない。而も同君は、然らばいつやめるかと言つたならば、本日、私は死ぬまでやつているというのであります。これは誠にいい戦法でありましよう。併しながら死ぬまでやつて、死んだときに再軍備が厳と成り立つて、そのあとは、同君としては死んで行くのであるから、あとは野となれ山となれでありましよう。これは同君としては、死ぬまでやるというのが当り前だ。併し困るのは我々同胞国民である。衆議院においては、最近或いは重光葵君に媚態を呈し、或いは鳩山一郎君を誘拐して、遂に数を揃えて押し切つたが、この際我が参議院は、参議院本来の特質に静かに帰り、この国を滅ぼすであろう吉田茂君以下吉田内閣を断固としてこの際、追放し措置しなければならないのである。その措置するということは、取りも直さず本予算案に反対することである。(拍手)何とぞ小林政夫君、青年誠に純情である、その内容は反対である。速かにこの採決に当つては、反対投票をせられて、この内閣か信任せずという結果を、参議院のあるこの今日、これを生かして、我が国家の方向を危急より救われんことを切望いたし、私の反対理由といたす次第であります。(拍手)
#144
○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案の表決は記名投票を以て行います。三案賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#145
○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか……。投票漏れはないと認めます。
 これより開票をいたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#146
○議長(河井彌八君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数 二一六票
 白色票  一二八票
 青色票  八十八票
 よつて三案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名 一二八名
   佐藤 尚武君  田村 文吉君
   小林 武治君  小林 政夫君
   岸  良一君  北 勝太郎君
   上林 忠次君  加藤 正人君
   梶原 茂嘉君  柏木 庫治君
   井野 碩哉君  石黒 忠篤君
   飯島連次郎君  赤木 正雄君
   森田 義衞君  森 八三一君
   村上 義一君  溝口 三郎君
   三木與吉郎君  三浦 辰雄君
   前田 久吉君  廣瀬 久忠君
   林   了君  野田 俊作君
   中山 福藏君  常岡 一郎君
   土田國太郎君  館  哲二君
   竹下 豐次君  高瀬荘太郎君
   高木 正夫君  杉山 昌作君
   新谷寅三郎君  島村 軍次君
   深水 六郎君  横川 信夫君
   雨森 常夫君  安井  謙君
   伊能 芳雄君  青柳 秀夫君
   高野 一夫君  西川彌平治君
   石井  桂君  井上 清一君
   関根 久藏君  川口爲之助君
   吉田 萬次君  酒井 利雄君
   佐藤清一郎君  剱木 亨弘君
   森田 豊壽君  谷口弥三郎君
   宮本 邦彦君  長島 銀藏君
   長谷山行毅君  宮田 重文君
   瀧井治三郎君  田中 啓一君
   大矢半次郎君  石川 榮一君
   岡崎 真一君  松本  昇君
   石原幹市郎君  植竹 春彦君
   岡田 信次君  松岡 平市君
   大谷 瑩潤君  團  伊能君
   一松 政二君  西郷吉之助君
   中川 幸平君  左藤 義詮君
   寺尾  豊君  中山 壽彦君
   中川 以良君  山縣 勝見君
   吉野 信次君  重宗 雄三君
   大屋 晋三君  津島 壽一君
   大達 茂雄君  青木 一男君
  大野木秀次郎君  愛知 揆一君
   小滝  彬君  古池 信三君
   榊原  亨君  大谷 贇雄君
   宮澤 喜一君  高橋  衛君
   横山 フク君  西岡 ハル君
   重政 庸徳君  小沢久太郎君
   鹿島守之助君  木内 四郎君
   藤野 繁雄君  石村 幸作君
   秋山俊一郎君  入交 太藏君
   高橋進太郎君  仁田 竹一君
   加藤 武徳君  上原 正吉君
   郡  祐一君  山本 米治君
   西川甚五郎君  小野 義夫君
   平井 太郎君  川村 松助君
   堀  末治君  白波瀬米吉君
   池田宇右衞門君 島津 忠彦君
   松野 鶴平君  小林 英三君
   草葉 隆圓君  泉山 三六君
   黒川 武雄君  石坂 豊一君
   井上 知治君  岩沢 忠恭君
   後藤 文夫君  木村篤太郎君
   白川 一雄君  野本 品吉君
   三浦 義男君  三好 英之君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名  八十八名
   河野 謙三君  楠見 義男君
   奥 むめお君  豊田 雅孝君
   永岡 光治君  藤田  進君
   大和 与一君  湯山  勇君
   栗山 良夫君  秋山 長造君
   阿具根 登君  海野 三朗君
   永井純一郎君  小松 正雄君
   大倉 精一君  河合 義一君
   岡  三郎君  亀田 得治君
   田中  一君  白井  勇君
   竹中 勝男君  清澤 俊英君
   成瀬 幡治君  小林 亦治君
   森下 政一君  小酒井義男君
   佐多 忠隆君  重盛 壽治君
   小林 孝平君  久保  等君
   田畑 金光君  松澤 兼人君
   高田なほ子君  安部キミ子君
   矢嶋 三義君  三輪 貞治君
   岡田 宗司君  堂森 芳夫君
   吉田 法晴君  中田 吉雄君
   藤原 道子君 小笠原二三男君
   菊川 孝夫君  若木 勝藏君
   山田 節男君  東   隆君
   内村 清次君  三橋八次郎君
  荒木正三郎君   羽生 三七君
  千葉  信君   三木 治朗君
  山下 義信君   加藤シヅエ君
  市川 房枝君   須藤 五郎君
  戸叶  武君   赤松 常子君
  石川 清一君   最上 英子君
  松浦 定義君   曾祢  益君
  松永 義雄君   深川タマヱ君
  武藤 常介君   平林 太一君
  八木 秀次君   村尾 重雄君
  紅露 みつ君   八木 幸吉君
  鈴木  一君   加瀬  完君
  相馬 助治君   天田 勝正君
  有馬 英二君   堀木 鎌三君
  笹森 順造君   菊田 七平君
  長谷部ひろ君   木村禧八郎君
  上條 愛一君   松浦 清一君
  棚橋 小虎君   一松 定吉君
  苫米地義三君   松原 一彦君
  羽仁 五郎君   堀  眞琴君
     ―――――・―――――
#147
○議長(河井彌八君) 参事に報告いたさせます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(閣法第一号)
 可決報告書
 特別職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案可決報告書
 保安庁職員給与法の一部を改正する
 法律案可決報告書
 一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(衆第二号)可
 決報告書
     ―――――・―――――
#148
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、
 保安庁職員給与法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員長村尾重雄君。
   〔村尾重雄君登壇、拍手〕
#150
○村尾重雄君 只今議題となりまし
   〔村尾重雄君登壇〕
#151
○村尾重雄君 只今議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、人事委員会における審議経過を御報告申上げます。
 本法律案は内閣より提出せられ、昨日衆議院より修正送付せられて参つたものであります。
 先ず提案の理由といたしましては、最近における民間給与、物価、家計費等も若干上昇傾向にあり、又今年七月人事院より、政府及び国会に対して、政府職員の給与改訂について勧告が行われた等の事情に鑑み、財政の許す限度において職員給与の改善を図り、併せて勤務地手当の合理的改訂を行うこととして、本法律案が提出された旨を述べられております。
 次にその内容といたしましては、第一に、俸給につきましては、十四級の最高号俸を超える俸給額を除いては、人事院勧告の俸給額通り改訂したこと。第二に、勤務地手当につきましては、現行の無給地をすべて一級地に引上げ、一級地相当分の勤務地手当を本俸に織り込み、これに伴つて支給率を一率に五%引下げたこと。第三に、十二月に支給する期末手当の支給割合を、基本給月額の百分の七十五に引上げ、又勤勉手当を六月十五日にも支給し、その総額は、基本給の月額の合計額の百分の二十五を超えないものとすること。但し本年の十二月における期末手当及び勤勉手当については特例を設けて、期末手当を百分の五十、勤勉手当を百分の七十五を超えないものといたしたものであります。なお、人事院勧告による給与準則の制定につきましては、今後の検討に待つこととして、今回は見送られております。
 これらの措置に伴い、今回の給与改訂の結果、昭和二十九年一月一日における政府職員の基本給、即ち俸給、扶養手当及び勤務地手当等の総平均月額は、おおむね一万五千四百八十円に引上げられることとされております。
 以上は内閣提出法律案の提案理由の大要でありますが、これに対して衆議院においては、附則に新たに改正規定を設けて、盲学校又はろう学校のうち、高等部が設置されていない学校に勤務する教職員等については、当分の間、高等学校等教育職員級別俸給表を適用する旨の修正を加え、その他若干の法文の整理を行なつて本院に修正送付されて参つたものであります。
 本法律案の審議に際しましては、本委員会において先ず問題となりましたものは、政府の提案理由として、「人事院の勧告を尊重して給与の改善を図り」云々と述べられてありまするが、果してこの改正法案は人事院の勧告を尊重したものと言い得るかどうかという点であります。即ち提案理由に言われている一万五千四百八十円の水準というのは、人事院勧告を実施した場合の本年三月一日における給与水準と一致するに過ぎないものであり、来年一月一日から一万五千四百八十円に改訂するということだけでは、何ら勧告を尊重したということにはならず、その内容としても、一律にベース引上が行われた上昇率は四・四%に過ぎないではないかという点、次に人事院勧告の給与準則については、どういう理由で考慮が払われなかつたのかという質問等であります。これに対して政府側の説明によれば、「給与改善については財政の許す限度においてできる限りの考慮を払つたものであつて、給与ベースの上昇率も、中だるみ是正分等も加えて平均九・三%程度の増額であり、俸給についても、十四級を超える部分を除いては、人事院勧告の通り改訂し、期末手当、勤勉手当等についても増額を図つたものである」とし、又給与準則の問題については、「国家公務員制度全般に関連のあるものであり、行政機構改革の方針も未だ具体的に決定をみるに至つていないこと、又給与準則の内容も広く各省に跨つており、職種も広汎、複雑に亘つている上に、内閣側の陣容も十分でなく未だ検討を終つていないこと、今国会は会期も短かかつたこと等の理由で提案するに至らなかつた」旨の答弁でありました。
 この点については委員会の審議に際して、「内閣において検討が不十分であつたために、給与体系全般の合理化を図るために長年の研究の結果、人事院より勧告された給与準則が提案されず、見送られているのは甚だ遺憾であり、政府としては速かにその実施に努力するよう要望する」旨の意見が述べられたのであります。
 次に、勤務地手当の支給率の改訂についての問題であります。これについては、「人事院の勧告を待たず、一方的は政府側でこのような措置をとられた理由は何か」、「又本年の十月十五日の衆参両院人事委員合同打合会の申合せ事項及びその実施条件と完全に背反する措置ではないか」という質問でありました。これに対して政府としては、「国会に論議のあつた事情も承知しており、又一方物価の地域差も漸次減少していると考えられるし、又人事行政の能率化を図る意味をも考えてこのような措置をとつたものであり、これがいわゆる完全な合理化とは言えないまでも、幾らかでも合理的な方向へ近づけたものと考えるものであり、国会の申合せ事項の実施条件については完全に一致しているとは言えないが、財政上の理由もあつて、過渡的には止むを得なかつた」旨の答弁がありました。
 なお、勤務地手当の無給地を一級地に繰上げ、一級地相当分の金額を本俸に織り込んだという点については、その具体的方法或いは財源措置等について詳細な検討が行われたのであります。
 第三に、地方公務員の給与改訂についての問題であります。これについては政府の説明によれば、今回の給与改善費のうち純粋に地方負担分とみなされる経費九十七億円のうち二十一億円は地方団体の税の増収によつて補い、七十六億円に対しては平衡交付金によつて措置されるものである」旨述べられました。これについては「地方団体において財政計画に不如意の生じた場合、給与改善費について政府は何らかの措置をとる用意があるか」との質問に対し、政府としては、「その実情に応じて十分これに対処し、必ずその解決の措置を行う」旨答弁がありました。又、衆議院修正部分についても、提案者に対してその提案の趣旨或いは適用範囲の問題等について若干の質疑を行いました。
 かくて本法律案に関しては、本日その質疑を終了し、討論に入り、松原委員より、「この法案によるベース改訂の措置は諸物価の値上り等をもたらし、公務員にとつても真の生活安定をもたらすものではなく、一時の弥縫策にすぎないものである」として反対の討論があり、次に千葉委員より、「本法案は人事院の勧告に基く給与準則について何らの考慮も払われていないのみならず、給与水準についても何ら勧告を尊重したものではなく、はるかに下廻るものであり、又勤務地手当についても衆参両院の申合せを蹂躪するものである」として反対、岡委員より、「公務員生活は物価の上昇に追いまくられているものであつて、決して公務員ベース改訂がインフレの要因となるものではない。公務員は、せめて人事院勧告の実施を要望している」旨を述べて反対、溝口委員より、「本法案によるベース改訂は地域給是正、中だるみ是正等の分を除けば一律に引上を行つた率は四・四%にすぎないものであり、又地域給改訂の措置も、国会の意思を無視したものであつて遺憾であり、政府の説明も、財源がないから切捨てるというだけでは、公務員の納得を得ることができないものであるが、せめてこの程度で承認せざるを得なかつた」として賛成の旨を述べ、なお賛成の条件として、
 一、今回の給与改訂の結果、勤務地手当の級地及び職務の級の間に不均衡を来たす可能性が認められるから、政府はあらかじめ適宜の措置を講じて給与の公平を図り、給与原資を確保すること。
 一、政府及び人事院は、勤務地手当について、衆参両院の申合せの趣旨を徹底させるよう合理的改訂を行うべきこと。
 一、政府は、人事院の勧告した給与準則と退職年金制度について、至急検討を遂げ、速かに法制化するよう努むべきである。
 との趣旨を政府に要望されたのであります。
 かくて討論も終了し、採決の結果、多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(衆第二号)について人事委員会における審議経過を御報告申上げます。
 本法律案は、衆議院議員益谷秀次君外十四名の提出によるものであり、十二月六日提案せられ、昨七日本院に送付されて参つたものであります。
 先ず、本法律案の提案理由並びに要旨等について申上げます。
 衆議院の人事委員会においては、今回の給与改訂を機会として、先ず現行無給地を一級地に引上げ、然るのち一級地の勤務地手当相当額を本俸に組入れるよう政府に対して要望されておるものであります。然るところ、今回内閣より提出された一般職給与法改正案によれば、考え方によつては、現在の有給地が一律に五%を引下げられることとなり、言わば既得権の侵害になるようにも感じられるために、この際無給地を一級地に引上げる措置と、その本俸繰入れの措置とを明確に分離し、先ず現在の無給地をすべて一級地に引上げるべく本法律案を提出したという提案の理由が述べられております。
 なお、本法律案は、本年十二月三十一日から施行することになつておりますが、一方内閣提出の一般職の給与法改正案の附則第十項として衆議院の修正が加えられ、本法律は二十九年一月一日に廃止する旨の規定を設けられておりますので、その趣旨とするところは、二十八年十二月三十一日の一日限りの措置ということになつているものであります。
 本法律案の審議に当つては、この法律の施行に伴う所要経費は幾らであるのか、又無給地を一級地に引上げて本俸に織り込んだという措置が事実上とられたものであるかどうか等について質疑が行われたのでありますが、詳細については省略をいたし、会議録に譲ることといたします。
 本法律案については本日質疑を終了し、採決の結果、多数を以て衆議院提案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について人事委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本法律案は、内閣提出によるものであり、その提案の理由は、特別職の職員の給与は従来一般職の職員の給与との権衡を考慮し、その職務と責任に応じて定められていたのであるが、今般一般職の職員の給与改訂がなされることとなつたので、これに対応して一般職の例に傚い、一部給与の改訂等を行い、所要の改正を行おうとするものであります。
 その改正の要点は、第一に、内閣総理大臣等のうち俸給月額七万二千円以上の者及び日本学術会議会員等については、諸般の事情に鑑み、この際給与の改訂を行わないこととし、ただ東宮大夫、式部官長及び秘書官の給与について、一般職の職員との権衡を図り、俸給月額を現行の七分乃至一割五分程度増額することといたしております。
 第二に、秘書官の勤勉手当を一般職の職員の例により支給するよう条文を改正し、第三に、一般職の職員の勤務地手当の改正に伴い、特別職の職員のうち、今回給与改訂を行わないものについて、従前の勤務地手当と新勤務地手当との差額を暫定的に支給することとし、その他若干の規定の整備を行おうとするものであります。
 本法律案は、去る十一月三十日内閣より提出せられ、七日衆議院より送付せられて参つたものであります。本委員会においては、本日質疑を打切り、討論採決の結果、多数を以て可決すべきものと議決いたしました。
 以上御報告申上げます。
 次に、保安庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、人事委員会における審査の経過及び結果を御報告申上げます。
 先ずその提案理由についての政府の説明によりますと、保安庁職員の現行給与は、昨年十一月、一般職の国家公務員の給与改訂の際、それに対応して定められたのでありますが、今般明年一月から一般職の国家公務員について給与改訂を行うことになつたのに応じて、保安庁職員の給与についても同様の改訂を行うことにしたとのことであります。
 本案は十二月三日内閣より提出せられ、昨日衆議院より送付せられたものでありますが、人事委員会は、去る四日提案理由の説明を聴き、質疑に入りましたが、詳細は速記録に譲ります。
 かくて、本日質疑を終り、討論に入りましたところ、千葉、岡両委員より反対、溝口委員より賛成の意を表せられ、採決の結果、多数を以て可決すべきものと議決いたしました。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#152
○議長(河井彌八君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。千葉信君。
   〔千葉信君登壇、拍手〕
#153
○千葉信君 私は日本社会党第四控室を代表して、一般職給与法改正案ほか三案に対して反対の態度を表明するものであります。
 改正案に対する主なる反対の第一の理由は、提案趣旨の説明にある、いわゆる人事院の勧告を尊重したものであるとの説明にもかかわらず、むしろ実質的には人事院の勧告を蹂躪し、加うるにその実施の時期さえも九カ月間のずれを見せ、甚だしく不利益な取扱をしている点であります。御承知のように人事院の勧告は、本年四月一日現在を以て一万五千四百八十円平均に切換をすべしという内容なのでありまして、これを政府は明年一月一日、これと同額の切換を行うというのでありまするから、四月から十二月までの規定に基く昇格昇給の自然増加額五百七十一円は、全部帳消しにされる結果となるので、勤務の成績、勤続の年月に応ずるこの既得権は完全に抹殺されて昇給昇格についての規定は、事実上単なる空文と化するのであります。それのみにはとどまりません。若しも四月一日を以て給与の切換えが行われたと仮定した場合、規定に基く昇給昇格の加算額五百七十一円というものは、当然これを二二・九%上廻る上昇率を示すべきでありまするから、その分を加算いたしますると、この帳消しになる分は、実に七百九十三円平均となるのであります。ましてや今日まで改訂が遅延した間に起りました闇米の値上りを含んで、消費者物価は政府の発表する経済指標によりましても、三月の一〇七・八に対して十月現在一一九・二と驚くべき上昇を示しているのであります。つまりこの一一・四%に相当する物価の上昇に対しては、公務員法上からも、更に第二回の給与改訂を行わなければならない条件を備えて来ているのでありまして、昇給昇格分を帳消しにするがごときは許されないやり方であります。実際上、かくのごとき不利益を来たしている今日の改訂に対して、政府は「十四級の最高号俸を除き、全く、人事院の勧告通り、改訂することといたしました」と、提案理由を説明するに至つては言語道断と言わざるを得ません。
 反対する第二の理由は、政府は、今回の給与法改正に当つて、人事院から不即不離のものとして勧告された給与準則を今日は黙殺するというのであります。政府はその理由として、時日のなかつたこと等と共に、行政機構の改革を挙げ、機構の改廃を待つことにしたというのでありますが、機構の改廃自体とこの準則とに何らの関連がないことは、委員会における審議においても明白なところであります。若し理由ありとすれば、次のような事実であります。政府は今回の改訂に当つて、七十一号俸以上の引上率を減じて、一応上厚下薄の方針はとらざるがごとき態度に出ました。併しながら一方においては、管理職にある事務次官、局部課長は、超過勤務をするしないにかかわらず、特別調整額なる名目の下に、本俸、地域給の二割五分に当る支給を受けているのであります。その額が多過ぎるとして、給与準則はこれを二割まで下げろと勧告しているのであります。目についたところは少し切下げて政府は断じて上厚下薄の方針はとらざるが、ごとく見せかけ、実際は一方で、不当な高率は下げまいとして、給与準則を不採用にしたのがその真意であります。これ一つだけでも、不愉快千万なやり方であります。
 反対する第三の理由は、問題となつた地域給の点であります。政府は、今回の引上に当つて四・六%に当る予算を地域給の分から流用する措置に出ております。つまり本俸引上のために九・三%の予算の計上と、四・六%に該当する地域給減額分を本俸に移し換えたに過ぎません。その結果として、今回ほど実際引上額が不均衡を来たし、でたらめになつた例はありません。従来の一級地の職員諸君は、或るものは僅かに率にして、二・七%、金額にして七十円程度の引上に終るという混乱振りを呈しております。政府としても、附則第六案わざわざ設けてこの給与改訂に際して、実給額を下廻るものに対しては昇給をして、その額に達するまでは、これを手当として補償するという条項を設けているのであります。実給額を補償する条項を設けなければならないような給与改訂で、果して今日まで歯を食いしばつて堪え抜きながら、黙々と公務に従事して来た大多数公務員を遇する途と言えるかどうか。又衆参両院の申合せを軽視したという非難を受け、たまりかねた政府が、与党議員をして修正せしめたあの修正は何事でありましようか。予算も計上せず、十二月三十一日たつた一日だけ一級地扱いに無給地をして、翌日はこれを廃止し、而も一級地分を本俸に繰り入れたという弁解の口実とするに至つては、余りにも国会や国民を愚弄したものと言わなければなりません。(拍手)而もこの事たるや、その当否は暫くおくとしても、この明らかな国会軽視は、断じて許すことのできない措置でございます。
 次に反対する最後の理由は、何といつても、かくのごとき欺瞞に満ちた内容と実態を持つごま化しの給与法案を提案した政府の低賃金、首切り、生活水準の切下げを強行せんとする政策そのものに対してであります。首相は、十一月二十五日における経団連の第八回評議員会において、貿易の伸張のために、占領中の諸法制、特に労働法規が、コスト引上の妨げになつているから改正しなければならないなどと放言しているのであります。貿易の本年度赤字、二億ドルに達せんとしている事態及び特需の減退に対応せんとしてのコストの切下げを、ことごとく労働者の肩にしわ寄せをせんとしている事実、更に八月二十五日における吉田・ノーランド会談において、三十五万軍備増強案に屈伏しうその後の国内政策が、一切その軌道を驀進しつつあることから来ていると書わなければなりません。即ち、吉田首相は、ノーランドとの会談において、条件に応じなければMSA援助についての域外買付はビタ一文行わずと威嚇され、特需に代るもの、そして又重化学維持のために屈伏をいたしました。そして更に追打ちをかけられたのが、アメリカよりも良質で而も安い武器を提供するという条件でございます。吉田内閣の強行しようとしている企業合理化、低賃金へのこれが基底であり、この法案はその現われであることに、我々は飽くまで反対をいたすものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#154
○議長(河井彌八君) 相馬助治君。
   〔相馬助治君登壇、拍手〕
#155
○相馬助治君 只今議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に関しまして社日会党第二控室を代表して反対の意思を表明するものでございます。
 御案内の通りに人事院勧告は、直接には法的な拘束力を政府に持つていないといたしましても、国家公務員法の成立によりまして、罷業権を奪われておりまする公務員にとりましては、仲裁裁定などと同様ストライキ権に代るところの救済手段としてこれが持たれておりますことは、おのずから明らかであろうと思うのであります。従いまして、この勧告は、公務員にとりましては生活権擁護のためのただ一つの途でありますと同時に、政府を明らかに道義的に拘束する力を有するものであると見るべきであろうと思うのであります。政府は輿論の圧力に堪えかねてか、第二次補正予算編成に当りましては、公務員のベース・アップを一月から実施すると発表いたしまして、一応この勧告を尊重するかのごとき感を世人に与えました。凶作であるとか、或いは水害等によりまして、政府自体も財政措置に多大の困難を感じつつありますことは、我々もこれを明らかに認めるものであります。その際におきましてかかる発表は、非常に公務員に対しまして勇気を与えるものであつたのでありまするが、事実そのベース・アップ案なるものが発表せられるに及びまして実にこれは欺瞞的なるからくりを内包するものであるということがわかりまして、今日におきましては、公務員に勇気を与えるどころか、失望を通り越した憤激をすら与えているというのが実情ではないかと思うのでございます。
 只今同僚千葉君が、四点に亘つて鋭く反対の論旨を展開されました。誠にその通りでございます。これはベース改訂と何ら関係を持つておりませんところの昇給、或いは差引増減のない地域給の本俸切替分をベース・アップとみなしているという点が、そのからくりの第一点であります。
 第二点は、実際には勧告の一三・九%のベース・アップ、即ち人事院勧告を尊重するがごとき風手を呈しておりまするけれども、現実には、只今述べました昇給分、或いは消費財の値上り等を勘案いたしますると、実質的なる増俸は、僅かに四%にとどまつておるのであります。かように考えて参りまするときに、人事院の一万五千四百八十円のベース勧告は、本年度三月の物価指数を基準といたしております。この基準によつて算定されたものが、明年一月から実施せられるという、このことは、現在の世間におきまするところの物価が上を向いておるか、下を向いておるかというところに大きな問題を持ちます。御案内の通りに、説明するまでもなく今日物価は上昇しつつあることは異論のないところであります。かように考えて参りまするときに、この月日の差、期間の差、これは実に重要なるものであるということを私は指摘せざるを得ないのであります。千葉君も述べられましたように、年四回行われるところの勤続等によつて定期的に昇給する増額分は、本来勤労に対する当然の対価として与えられるものであつて、ベース・アップのごとく、物価、生活費或いは民間給与の上昇に伴つてなされるものとは全く無関係であるとしなければならないと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あわ)政府案はこの無関係の昇給をどのように考えているか。今日この勧告が正しいとしまするならば、二、三年間、人事院の勧告を打つちやつておきさえすれば、別段改訂はしなくとも昇給によるベース・アップは自然に完成するというところの、奇妙な現象が出て来るということをも指摘しなければならないと思うのでございます。次に問題となりまするのは地域給の本俸繰入れであります。千葉君が今日大きな声を張り上げて怒りましたが、全く先ほど委員長によつて報告された一日だけ無給地を一級地にするというあの法律は前代未聞である。と同時に、本院の権威を全く侮辱するものであつて我々は審議の対象たり得ないと思うのでございます。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)
 かように考えて参りますときに、第三に問題となりますることは、地域給の切捨てによりまして地方公務員の場合においてはどのような状態が出て来るか。勿論、地域給というものは平衡交付金の財政需要額に見込まれて来ております。それが切捨てされることによつて、結局ベース・アップによつて上つた分だけ国からは見てもらえずに、地方の財政それのみを以て負担しなければならないということに相成ることはおのずから明らかであります。かようなることを私どもはごまかしと言わずして他に形容する言葉を不肖私は知らないのでございます。このようなふざけたベース・アップの代償としてどのようなことが考えられておるか。伝えられるところ一割の公務員の首切りである。吉田内閣総理大臣が常日頃申しまするところの行政簡素化なるものには私は同感であります。日本の現実に我々は目を蔽つてはならない。行政簡素化そのものに私たちは反対をするのではない。併しながら、これにはそれへの手段がなければならない。手続がなければない。今日何ら救済手段を伴わないところの画一的な、而も出先の本当に働く人々の一割首切りが行われるとするならば、このごまかしベース・アップが代償として持ち来たらすものは実に恐るべきものがあるということを指摘しなければならない。
 次に、伝えられるところによりますと、お米の値上り、即ち米価の消費者値段というものは、今日家庭の主婦の心をどれだけ暗くしておるかということは、皆様御認識の通りである。米一升の値段を知らない諸君でも、主婦が今日米の値上りを心配しておるという現実は知らないはずはないと思うのであります。(拍手)国鉄、郵政、電気料金の値上げ、当然このことはインフレの傾向を助長するでありましよう。この際、僅かのベース・アップが実質的にはどのようなものであるか。即ち実質的には賃金の引下げを意味するものであるということを私は諸君に訴えなければならない。政府は今日このような勧告をする人事院を目の仇にして、伝え聞くところによりますと、厄介視して廃止する案を持つているというがごときことは、人事院を侮辱するものでなくて、日本の国家公務員を侮辱するものではないかということをこの際附言して私は訴えざるを得ないのであります。
 以上の理由によりまして、私は本法案に対し反対の意思をここに表明し、諸君の同調を切にお願いしてやまない次第でございます。(拍手)
#156
○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより四案の採決をいたします。
 先ず、衆議院提出にかかる一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#157
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#158
○議長(河井彌八君) 次に、内閣提出、衆議院送付にかかる一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#159
○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#160
○議長(河井彌八君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数二百四票。
 白色票百二十一票。
 青色票八十二票。
 よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名 百二十一名
   河野 謙三君  佐藤 尚武君
   田村 文吉君  小林 武治君
   岸  良一君  北 勝太郎君
   上林 忠次君  加藤 正人君
   梶原 茂嘉君  柏木 庫治君
   奥 むめお君  石黒 忠篤君
   飯島連次郎君  赤木 正雄君
   森 八三一君  村上 義一君
   溝口 三郎君  三浦 辰雄君
   廣瀬 久忠君  林   了君
   常岡 一郎君  館  哲二君
   竹下 豐次君  高橋 道男君
   高瀬荘太郎君  高木 正夫君
   杉山 昌作君  新谷寅三郎君
   島村 軍次君  深水 六郎君
   横川 信夫君  雨森 常夫君
   安井  謙君  伊能 芳雄君
   青柳 秀夫君  高野 一夫君
   西川彌平治君  石井  桂君
   井上 清一君  関根 久藏君
   川口爲之助君  吉田 萬次君
   酒井 利雄君  佐藤清一郎君
   剱木 亨弘君  森田 豊壽君
   谷口弥三郎君  宮本 邦彦君
   長島 銀藏君  長谷山行毅君
   宮田 重文君  瀧井治三郎君
   田中 啓一君  大矢半次郎君
   石川 榮一君  岡崎 真一君
   石原幹市郎君  植竹 春彦君
   岡田 信次君  松岡 平市君
   大谷 瑩潤君  團  伊能君
   一松 政二君  西郷吉之助君
   中川 幸平君  左藤 義詮君
   寺尾  豊君  中山 壽彦君
   中川 以良君  山縣 勝見君
   吉野 信次君  重宗 雄三君
   大屋 晋三君  津島 壽一君
   大達 茂雄君  青木 一男君
  大野木秀次郎君  愛知 揆一君
   小滝  彬君  古池 信三君
   榊原  亨君  大谷 贇雄君
   宮澤 喜一君  高橋  衛君
   横山 フク君  西岡 ハル君
   重政 庸徳君  小沢久太郎君
   鹿島守之助君  木内 四郎君
   藤野 繁雄君  石村 幸作君
   秋山俊一郎君  入交 太藏君
   高橋進太郎君  仁田 竹一君
   加藤 武徳君  上原 正吉君
   郡  祐一君  山本 米治君
   西川甚五郎君  小野 義夫君
   平井 太郎君  川村 松助君
   堀  末治君  白波瀬米吉君
  池田宇右衞門君  島津 忠彦君
   松野 鶴平君  小林 英三君
   草葉 隆圓君  泉山 三六君
   黒川 武雄君  石坂 豊一君
   井上 知治君  岩沢 忠恭君
   後藤 文夫君  木村篤太郎君
   白川 一雄君  野本 品吉君
   三浦 義男君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名 八十三名
   楠見 義男君  永岡 光治君
   藤田  進君  大和 与一君
   湯山  勇君  栗山 良夫君
   秋山 長造君  阿具根 登君
   海野 三朗君  永井純一郎君
   小松 正雄君  大倉 精一君
   河合 義一君  岡  三郎君
   亀田 得治君  田中  一君
   白井  勇君  竹中 勝男君
   清澤 俊英君  成瀬 幡治君
   小林 亦治君  森下 政一君
   小酒井義男君  佐多 忠隆君
   重盛 壽治君  小林 孝平君
   久保  等君  田畑 金光君
   松澤 兼人君  森崎  隆君
   高田なほ子君  安部キミ子君
   矢嶋 三義君  三輪 貞治君
   岡田 宗司君  堂森 芳夫君
   吉田 法晴君  中田 吉雄君
   藤原 道子君 小笠原二三男君
   菊川 孝夫君  若木 勝藏君
   山田 節男君  東   隆君
   内村 清次君  三橋八次郎君
   荒木正三郎君  羽生 三七君
   千葉  信君  三木 治朗君
   山下 義信君  加藤シヅエ君
   市川 房枝君  須藤 五郎君
   戸叶  武君  赤松 常子君
   石川 清一君  最上 英子君
   松浦 定義君  曾祢  益君
   松永 義雄君  深川タマヱ君
   武藤 常介君  八木 秀次君
   村尾 重雄君  八木 幸吉君
   鈴木  一君  加瀬  完君
   相馬 助治君  天田 勝正君
   有馬 英二君  堀木 鎌三君
   笹森 順造君  菊田 七平君
   長谷部ひろ君  木村禧八郎君
   上條 愛一君  松浦 清一君
   棚橋 小虎君  一松 定吉君
   松原 一彦君  羽仁 五郎君
   堀  眞琴君
     ―――――・―――――
#161
○議長(河井彌八君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#162
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#163
○議長(河井彌八君) 次に、保安庁職員給与法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#164
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#165
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、委員会の審査を閉会中も継続するの件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
 大蔵委員長から、協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案の審査、
 文部委員長から、勤労青年教育振興法案の審査、
 農林委員長から、臨時硫安需給安定法案の審査、
 通商産業委員長から、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案の審査、
 労働委員長から、けい肺法案及び労働基準法の一部を改正する法律案の審査、
 議院運営委員長から、議院の運営に関する件の審査について、それぞれ継続審査の要求書が提出されております。各委員長要求の通り委員会の審査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて各委員長要求の通り、委員会の審査を閉会中も継続することに決しました。
 これにて散会いたします。
   午後十一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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