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1953/12/05 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 法務委員会 第4号
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1953/12/05 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 法務委員会 第4号

#1
第018回国会 法務委員会 第4号
昭和二十八年十二月五日(土曜日)
   午前十時五十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     郡  祐一君
   理事
           小野 義夫君
           亀田 得治君
   委員
           楠見 義男君
           三橋八次郎君
           赤松 常子君
           棚橋 小虎君
           一松 定吉君
  国務大臣
   法 務 大 臣 犬養  健君
  政府委員
   法務政務次官  三浦寅之助君
   法務大臣官房調
   査課長     位野木益雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
   常任委員会専門
   員       堀  眞道君
  説明員
   法務省刑事局刑
   事課長     長戸 寛美君
   法務省矯正局長
   (最高裁判所長
   官代理者)   中尾 文策君
   事務総局総務局
   総務課長
   (最高裁判所長
   官代理者)   磯崎 良誉君
   事務総局人事局
   長       鈴木 忠一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○検察及び裁判の運営に関する調査の
 件
 (法務省の機構改革に関する件)
 (売春対策に関する件)
 (保全経済会等特殊金融機関の取締
 りに対する法的取扱に関する件)
 (凶作対策全国農民大会のデモ隊に
 対して米兵の汚物投下事件に関する
 件)
○裁判官の報酬等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(郡祐一君) 只今から本日の委員会を開きます。
 検察及び裁判の運営に関し、国会閉会中委員会の議決によりまして、議員の派遣をいたしましたが、派遣議員からの報告をお願いいたします。
#3
○棚橋小虎君 先般中山委員と私は検察及び裁判の運営に関する調査のために、島根、鳥取の両県下に派遣されることになりましたので、西村専門員と三原調査員を帯同いたしまして、十一月二十二日から松江、米子、鳥取の三市に出張いたしまして、所定の調査を完了いたしました。よつて調査の次第を御報告申上げます。詳細な内容につきましては写真、図面、その他の統計的書類を添附いたしまして報告書を作つておりますので、それに譲りまして、ここでは簡単に概要を説明いたしたいと思います。
 検察当局が捜査の段階において在監の被疑者を取調べます場合に、拘置所或いは刑務所が場所的に検察庁と離れている関係上、あらかじめ数名の被疑者を呼出し、これを待室に入れておいて順次取調べを行う慣行になつております。この待室を仮監と申すのでありますが、構造や設備の点が不良なものが多く、且つ仮監に置かれておる間は、必然的に弁護人との交通も阻まれるということから、最近その使用が問題となりつつある情勢なのであります。その実情と、仮監に置かれることが被疑者の心身にどんな影響を与えるかというようなことを調査することが今回の出張の目的であり、併せて山陰地方の関係官庁の施設を視察せんとするものであります。
 かような趣旨に基きまして、調査の対象として取上げました項目は、検察庁関係につきましては、(1)在監者呼出しについての刑務所との連絡の実情、呼出しの時刻、人数等、(2)呼出した被疑者取調べの実情、(3)仮監の状況に対する意見、(4)仮監への収容が被疑者に与える精神的肉体的の苦痛と、その取調べに及ばす影響、(5)呼出しによつて生ずる弁護人の接見の障害と対策等の項目であり、刑務所関係につきましては、(1)仮監へ呼出された被疑者の護送及び戒護の実情、(2)仮監へ収容中の被疑者の状況、(3)仮監の構造とこれに関する意見、(4)被疑者の仮監に対する不満、要望、及び意見等の項目であり、又弁護人につきましては(1)検事の取調べ、特に仮監収容による時間的ロスと、その被疑者の接見に及ぼす影響、(2)仮監に関る所見、要望等の項目であります。而してこれらにつきましては各地の検事正、次席検事、関係検察官、刑務所長、関係刑務官及び各地弁護士会の代表というようなかたがたと会席いたしまして、親しく意見や要望等を聴取いたしたのであります。
 なお、関係官庁施設につきましては、各地の仮監のほか、松江地検、刑務所、米子地裁、地検支部、米子刑務所、鳥取地検、地方裁制所、刑務所等を視察いたしたのであります。
 松江におきましては、先ず仮監を見たのでありますが、裁制所の門を入りますと、すぐ左側に高い板塀をめぐらした一画があります。この六十余坪の敷地の中に間口六間半、奥行三間の瓦葺の平家がありまして、その建物の内部、中央部に棒材の太い格子で取囲んだ桶舎がでんと造りつけられておるのであります。これが問題の仮監なのであります。丁度家の中に長さ五間奥行き一間の細長い檻を据付けたものと思えば間違いないのであります。この檻舎は四つの舎房、部屋に仕切られております。三畳敷と二畳敷のものがおのおの二つありまして、広いほうは雑居房、狭いほうが独居房であります。各房に丈四尺、巾三尺足らずの潜りが開けてありまして、ここから出入りいたすのであります。この扉は全面ガラスか張つてあります。私は空いている舎房に入つてみたのでありますが、狭くもなく、天井も相当高く、光線も入り、特に甚しく窮屈とか暗いとか、その他精神上の圧迫感があるとかいう感じはありませんでした。尤もこれは十月末に改造を加えた現在の構造でありまして、その以前は全部一畳敷の極めて狭い舎房であつたのであります。間口が三尺でありますから、その全面が潜りとなつておるわけですが、而も扉は板張りであり、なおひどいことには格子の棧と棧の間に更に一本の桟が入れてあつたのであります。これらを併せて考えますと、従前のは非常に狭く暗く窮屈であつたことは想像に余りあるのであります。檻舎の外はコンクリートの土間でありまして、二、三人の刑務官がここに監視しており、便所、流し等がその一隅に設けてあります。一般に通風換気が等閑視される傾向にありますが、ここでも床下を初め全体的に通風が悪く、湿気が多く、臭気が強く感ぜられました。構造や状況の詳細につきましては、報告書に図面と写真を添附しておきましたので、それを御覧になればよくおわかりになることと思いますが、仮監の模様は大体以上申上げた通りであります。
 なお、ここで仮監の法律上の性質と申しますか、その特殊性について述べますと、仮監は、検察庁や裁判所の構内に設けてありますが、その所属は刑務所であり、性格も刑務所の一部或いはその延長と考えられております。かように刑務所から遠く離れた場所にあつて、而も寝泊りをしないことを建前としておるということから、常に継子扱いにされて来た傾向がありまして、改善から取残された形となつておることを痛感する次第であります。仮監を視察した後検察庁において関係各方面のかたがたから説明を聞きましたが、それより判明いたしましたことは、大体次の通りであります。
 検察庁の在監者の呼出しは大体一日四人程度で、検察庁に備え付けてある在監者呼出簿に呼出しの前日に記入し、これを刑務所の係官に交付する方法によつており、ときには電話で呼出しております。呼出しの時刻は午前九時から午後五時までと指定するわけであります。ここで問題となりますのは、不必要に長い時間仮監で待たされるとか、或いは待たされたが遂に取調べを受けなかつたという点であります。これは正午頃に護送車を一往復することと、取調べを午前午後に分けるということで殆んど解決するはずでありますが、実情は、検察官の取調べが予定した時間通りに行かないこと、護送用の車と運転手が足りないために、なかなか実現がむずかしいというのであります。
 次に問題となりますのは、この不必要に長時間仮監に置かれることのために、弁護人の接見が実際上制限されるということであります。刑務所側では形式的には「接見ハ接見室二於テ之ヲ為サシム可シ」という規定、即ち監獄法施行規則第百二十六条に基き、又実質的には逃走の危険を理由に仮監での接見を許さない建前を堅持しておるのであります。でありますから、被疑者が一度呼出されると、その日は接見ができないことになり、これは刑訴三十九条の弁護人との交通権は甚だしく侵害されることになるわけであります。実際問題といたしまして検察官が弁護人の接見を妨害するため、故意にやつているのではないかというように疑い得ることさえあるのであります。検察庁側は検事室で面接を許すとか、できる限りの便宜を図つていると申しておるのでありますが、実情はかなり不自由であると言わざるを得ないのであります。これは被疑者に慰安を与えるという点はともかくといたしまして、刑訴三十九条による弁護人との交通権が保持されるか否かの極めて重大な問題であろうと考えるのであります。是非ともこれは早急に解決しなければならない問題であります。併しそれは別に至難なことではなく、仮監の一部に接見室を設けることと、必要な刑務官を置くことによつて解決する問題であります。これらの事柄についての弁護士会の見解は、仮監での接見は許されないものと初めからきめ込んで、殆んど疑問も批判も持たれなかつたようであります。従つて仮監自体を見る機会もないので、改造前の仮監の実情についても詳細な認識に欠けていたのではないかと思われるのであります。尤も問題の取上げ方によりましては、検察当局と真正面から対立することになりますので、会員数の少い地方の弁護士会といたしましては、なかなか困難な事情もあるように見受けられたのであります。前に申しましたような仮監の特殊性ということもありまして、仮監は各方面から等閑に附されていたわけでありますが、私たちの調査を機縁といたしまして、事の重大性についての正しい認識ができて来たということは非常に有意義であつたと思つておるのであります。
 米子におきましては昨年まで本物の拘置監であつたものをそのまま仮監として使用しております。従つて構造上は特に陰惨であるとか、窮屈であるとかということはありません。ここでも刑務所との往復は朝夕の一回に限られておりまするし、仮監での接見は許しませんということで、不必要に長時間待たされるとか、弁護人との接見は制限されるということは松江の場合と変りはないのであります。
 鳥取の場合におきましては、新らしく検察庁が建築され、その中に一室を仮監として造つてあるのであります。これは部屋の一部の床を上げ、前面に丸い鉄棒の格子を入れ、後は窓になつて内には畳が二枚敷いてあり、一坪半くらいの広さで、大体従来の拘置所の舎房を明るくモダンにした感じのものであります。電灯もありますし、窓の広さも十分でありますから、採光には申分なく、又新らしいだけにすべてがきれいで、これなら一応良いと見て参りました。なお、この式のように仮監が庁舎の中にありますと、取調室との往復に戸外に出ないで済みますので、いろいろな点で大変よい思われるのであります。ここで長時間待たされることや、接見が阻害されることなどは前の両者の場合と同様であるわけで、全国的な問題として一刻も早くこの点の改善されるよう希望する次第であります。
 これで調査報告の概略を終るわけでありますが、仮監の点も合せまして調査及び視察の全般につきましては報告書に譲りますから、御了承を頂きたいと思います。
#4
○委員長(郡祐一君) 只今の御報告に対して委員からの御質疑、又は政府の御所見があれば伺いたいと思います。
#5
○一松定吉君 今棚橋委員から松江における仮監の実情の御報告があつたのでありますが、実は私本年の七月でありましたか、その仮監を実見いたしたのでありますが、これが柳沢というかたが全国区から本年の四月に参議院に立候補いたしまして、そのかたの選挙違反事件について大阪の阪神築港株式会社の重役並びにその秘書、その人が十数万円の金をばら撒いて買収したという嫌疑のために、松江の刑務所に収容されておつたのであります。そうして二十一日間抗束されておりまして、そのうちの十数日間が毎日刑務所からこの仮監に引張り出されまして、そうして仮監から検察庁に引張られて調べを受けた。そのうちの半分以上が朝九時半頃呼出されまして、晩の五時か六時頃まで置かれて調べを一回も受けない、そうして今日は用事がないから帰れ、こういうようなふうに調べられまして、非常な精神上肉体上の痛苦を受けたのであります。今棚橋委員から御報告がありましたようにその房は入口が三尺といいますが、勿論矩尺の三尺です。そうして三尺の高さ、三尺の中であつて、その穴の中に腰を屈めて入つている。そうすると中は畳、一畳敷ではない、一畳敷より狭い、でありますから左右の手をひろげることもできませんし、寝て足を伸ばすということもできないというような所であつて、そこに朝九時半から夕方の五時、六時頃まで置かれまして、ただ昼飯を食べる時、ほんの十分間ほど出して、あと又入れられる。こういうことをして取調べた事実が、丁度本人の勾留手記というものを私のところへ送つて参りまして、私から各委員諸君に差上げておきましたのですが、それによりますというと、今棚橋委員の御報告にありましたように、弁護人が接見をしようと思つても接見ができない。なぜかというと仮監に行つておるのです。仮監では接見ができないということですからして、結局その二十何日間の間に弁護人がただ一回京都から出かけて行つて、特別に検事正並びに裁判所に交渉した結果面会ができたというようなことだけで、あとは面会はできない。そうして本人は調べが済むとそこに入れられておつて、僅か調べの時間も長くて一時間、短い時は三十分で、あとは仮監に入れられる、こういうやり方で調べておるのでございます。丁度その時期が梅雨の時期であつたそうです。ですからして毎日々々陰欝な日が続きまして、房の中は真暗闇で、非常に困りました結果、調べに対しては最初事実の通りに申立てておるのであるが、どうしてもそれを聞かんで、同じことばかり調べて、お前そういうことを言うならばまだそこに入つておれというようなことで入れられる、そういうことで結局のところ根気が、根負けをいたしまして、検事の言う通りに調書を作られたということが勾留手記の中に記載されておるのであります。これにつきましては多分その検察官に対しまする訴追委員会等の活動もお願いしなければならんと思うのでありますが、先ず第一にそういうようなことを早く一つ改造に着手いたしまして、本当に人権の擁護ということに力を用い得るように法務省としては御留意して頂かなければならんと思うのであります。特に犬養法相はそういう点につきまして非常に御関心を持つていられて、そういう弊害を一日も速かに除去しようという御精神のあることは、私どもよく承知しておりまするから、一つ予算に相当な費用を織込みまして日本国中にこういうふうな不都合な仮監のあることを一日も速かになくしてしまう。そうして人権擁護にお力を尽くして頂きたいと思いますが、そういう点につきまして一応法相の御意見を承わつてみたいのであります。
#6
○国務大臣(犬養健君) 棚橋委員の非常に御丁寧な御報告を謹しんで承わり、又一松さんの御意見も誠に御尤もであります。実は私は仮監の体験者でありまして、戦争中やはり朝九時に連れて行かれて、四時頃になつて一度も調べがなくて又帰るというようなことを体験したこともありますし、どうもこれはまずいという感じを持つておりました。これらの点で当局も前から頭を悩ましておりますから、一応経過報告を申上げます。仮監でどうも設備が当局としてもこのままでは放つて置けないと思つておりますのは、松江、佐賀でございます。松江に関しましては二十七年度に予備費で、これを以て充てたいと思いまして大蔵省に要求しましたが、認められませんでした。二十八年度の予算でも、本予算で要求いたしましたが、これも今のところ認められないままになつているようなわけであります。二十七年度の予備費が断られました際に、矯正局の手許の金で若干直した、この直した部分を御覧下すつたのではないかと思いますが、如何にもこれは如何様に仰せられても実際設備が悪いのでありまして、全力を挙げて大蔵省の承認をこの上とも得たいと思つております。
 それから接見所において、接見所を新らしく作つて、弁護人との接触の便を図るということは大切でありまして、私も仮監に入つておつて、弁護人と全く交通杜絶してしまつた体験を持つております。これは裁判所のほうの予算として、全国に新らしく接見所を何十カ所でしたか、数字を忘れましたが、要求しておりました。法務省としましてはそれに伴つて看守の増員を予算要求をいたしております。それから私もこれは経験がありますが、朝九時に連れて行つて、午後まで放つて置くというよりは、成るほど棚橋委員が言われたように、午前、午後でも運ぶといいのでありまして、結局これは運転手の増員の問題になりまして、運転手は被疑者を運ぶ以外に、食糧を運んだり、必要品を運んだり、囚人を運んだり、ほかのこともやつておるものですから、つい朝一緒くたに送つて……、私もその経験があるのですが、あとはほかの用をしている。こういうわけでありますから、運転手の増員さえ認められれば、今御指摘のように、二回にでもすればよほど仮監に入る人としては楽になる。これも十分考慮におきたいと思つております。
 以上のようなわけで、予算要求してはねられた大蔵省に責任を転嫁するような形は、内閣の中同士でおかしいのでありますが、実情を率直に申上げると、そういうことになつております。
#7
○一松定吉君 非常に御経験に富んでいらつしやる、而もそういう人権擁護に非常な御関心を持つておられる法相のことでありますから、今の予算の獲得につきましては、速かにこれが実効の現われますように御努力をお願いいたしますが、特に私はこういう点について一つ全国の検察庁、並びに刑務所に、一つあなたのほうからかくのごとき不都合のことのないようにということの一つ指令をお出しになつて、そうしてその弊害を一日も速かに除去して頂くということが最も必要なことであろうと思いますが、そういう点は如何でございましようか。
#8
○国務大臣(犬養健君) ここにいる矯正局長は非常にそういうことに熱心でありまして、この前の国会でこの委員会で御注意を受けたときにも、すぐ指令を出しております。後刻お読み願えれば、結構だと思います。
#9
○一松定吉君 局長からこの前そういうお話があつたことは承知しておりますが、それがすぐに大臣に伝わつて、省としてそういうような訓令が出ているということであれば非常に結構であります。そこでこの際一つお願いしておきたいのは、こういうようなことを一体調べ官が知つておつてやつたのであるか、知らんでやつたのであるか、知らんでやつたのであるとは言えないと私は思う。自分がその検察庁なり、裁判所なりに長く奉職しておつて、仮監の状況がどういうような状況にあるか、ここに入れられれば、その被疑者がどういうふうな苦悶を感ずるであろうかということを知らんで俺はやつたのだということは私は言えないと思う。そういう点について何か始末書か何かお取りになつたのですか。特にひどい松江のやり方について、その点を一つ伺いたい。
#10
○説明員(中尾文策君) 別に始末書を取るとかというところまでにはなつておりませんが、刑事局のほうで調査をいたしまして、そのときの事情がよくわかりまして、これは矯正局のほうの刑務所側の責任もあることでございまして……、つまり用事の済んだ者をすぐに送るとか、或いはもつとよく連絡をいたしました、その時刻、本当に調べられる時刻に呼び集めるというような打合せをやるということの指示はいたしているわけであります。
#11
○一松定吉君 それはどうも私に納得ができない。そういう手緩いことではね。非常にこれは人権に影響することで、これは今私が申上げました柳沢個人に対する問題じやない。これは松江も、これはいつできたのでありましたかね。とにかく数十年の間この仮監を使つて中に入れて、そうして検事が調べて、その調べた自白とか、供述とかいうものを証拠にして裁判をしたわけですからね。これについては一つ相当に人を派遣して、そうしてそういうことをした検事の取調べをやつてもらつて、そうして将来のやり方について不当不法のことがあれば、相当の戒飭を加え、そうして再びかくのごときことのなからしめるように留意しなきやならんと私は思うのです。その点に関して法相のお考えを承わりたい。
#12
○国務大臣(犬養健君) これは誠に申訳ない。私初耳でありますから、早速取調ベます。そして御報告申上げたいと思います。
#13
○一松定吉君 結構です。そういうお取扱をして頂くことを私は希望するのであります。これはもう一度申しますが、今度のこの事件に限つてではないのです。もう数十年の間これがやられているのですから、たまつたものじやない。それが今まで問題にならなかつた。問題にならなかつたのは、今棚橋委員のお話のように、仮監では弁護士に面接をさせない。従つて弁護士が仮監に近寄る機会がない。中に入つておる者は自分で悪いことをしたものだから、調べられても当り前だということで、そういう不平不服を訴えなかつたという実情で、弁護士が気が付かなかつたらしいですから、この点を一つ急速に人を派して、そういうことのお調べを願つて、検事だとか、そういうことの追及をお願いして、その御報告あらんことを特にお願いしておきます。
#14
○棚橋小虎君 この問題は施設のほうから、仮監に弁護士の接見所を作るというようなことも大切でありましようし、それから朝仮監へ被疑者を送り込んで、それから晩にそれを連れて帰る間に、もう一回昼頃に自動車を仮監のほうへ送つて、そうして昼前に終つた被疑者はすぐ仮監に連れて帰る。それからなお初めからして、午後に調べるという人は、昼の自動車で送るというふうにすれば、大体この問題はできるのだと思つておりますが、それには只今申す通り、運転手又自動車、そういうものの設備が必要になつて来ると思うのです。この点については当局のほうで今お考えになつているかと思うのでありますが、そのもう一つ大事なことは検事の被告に対するいろいろな思いやりというものが十分にないということが、私は一番問題な点であると思うのでありますが、調べをするのにも、初めからして、大体昼前と昼過ぎに予定を立てて、そうして昼前に調べる者は昼前に呼び出す。初めからして昼前の調べの者は午後に廻して、午後に呼び出すというふうな心遣いをするならば、こういう問題も少くなるだろうと思うのであります。先ほど当局から、この検察庁のほうへ指令を出されたという、その点は非常に適切な御処置であつたと思うのでありますが、その指令が一向末端の検事には徹底していない。それは単に一遍指令を出せばそれでいいというものではないと思うのでありまして、全国の検事の諸君の被告に対する思いやりというものが、どうも従来の封建時代からのような取調べを今日でもやつており、又心がけも一向私は新らしい時代に即応するだけの準備がないと、こう考えるのでありまして、この点はただ一片の指令で片付く問題ではないので、今後検事の会同の場合、或いは機会あるごとに、その点について当局のほうから特に御処置を願いたい、こういうふうに思つております次第でございます。
#15
○国務大臣(犬養健君) お話は一々御尤もでありまして、結局検事の心持の問題もありましよう。まあ半分は経費の問題でございまして、各省節約といいますと、法務省は節約するところがないわけなんでありまして、この間の予算の削減の問題のときも、護送費まで削られて、護送ができないじやないかということで、僅かに復活した。もうぎりぎりの削られ方をしておりますわけでありますが、それから生じて、こういういろいろ人権に関する問題が派生して参りますので、大蔵省に改めてその観点から更に予算を要求してみたいと思います。棚橋委員の仰せられた点は主として私の責任でありまして、全国の検事会同、検事長等の会同でも、ほかの点は相当私懇切に訓示をいたすのでありますが、仮監の問題についてはまだ一度も触れておりません。私は自分の体験があるにかかわらず、それに気が付かなかつたことは私の責任であります。この次の会同にはこれに必ず触れたいと存じております。御了承願います。
#16
○委員長(郡祐一君) 他にこの問題についての御質疑はございませんか、よろしゆうございますか。
#17
○一松定吉君 質疑はないのですが、私はこの問題について動議がある。この問題につきまして、これは一つ適格審査委員のほうで、一つこの検事のやり方について審査をして頂くという手続をとつて頂くことの私は動議を提出いたします。余りにひどいですよ。その審査さるべき者は、松江地方裁判所の次席検事と、その取調べに当つたところの検事、その二人の検事を審査する動議を提出いたします。
#18
○委員長(郡祐一君) 只今の一松委員の御発言は、政府に対する御要望と解しまして……。
#19
○一松定吉君 そうです。
#20
○委員長(郡祐一君) 丁度政府は列席しておられますから、お聞き及びのような御要求が一松委員からなされておりまするので、御善処願いたいと存じます。これは政府側への御要望でありますから、別にこの委員会の決定とかいうような意味合じやありませんで、ただ御列席でありまするから、一応申上げた次第であります。
#21
○楠見義男君 今の問題とは全然別の問題なんですが、二つ、三つ多少私の意見に亘ることも入つて恐縮でありますが、二、三の問題について御意見を伺い、或いは又お願いをしておきたいことがある。
 第一の問題は、これはお願いでありますが、今の問題と関連をしておる。直接には関係ございませんが、人権擁護局の問題なんです。伝えられるところによると、今回の政府の行政機構改革案において、法務省の人権擁護局をやめて、民事局の中に入れよう、こういうふうな案があるやに承わつております。でこの考え方は、実はこの前の行政機構改革の際にも、そういう原案が政府から出されたのみならず、参議院の内閣委員会で、人権擁護の必要性、重要性から見て、修正をしたことは御承知の通りなんであります。常に政府のほうの考え方は、人権擁護局の人間が非常に少い。従つて一つの局としての体制を整えるのには、不十分であるというようなことから出発して民事局に包摂しよう、こういうことなんです。併し人権擁護の問題は、単に検事局の問題のみならず、刑事局関係もあり、而も事柄はむしろ拡充を要するとさえ考えられて、おるときであつて、更に最近の人権擁護週間においても、その標語としまして、人権擁護はその日常生活からというようなモツトーも掲げられておる。そうすれば日常生活における人権擁護は、特に人権擁護委員でございますか、そういうその委員制度の拡充も図らなければならないし、更に又局としての整備拡充も考えなければならん、こういう際でありますから、伝えられるところによると、参議院の内閣委員会では、この前と同様に、若しそういうような、政府の原案も持つて来るならば、修正をしようということに、すべてのかたがたが一致してご決定になつたようであります。実はこの前の際には、今の委員長郡君も内閣委員でございましたが、私も内閣委員としてその点は最も主張した一人でございますが、この点は今申上げたような趣旨からして、無用の手間をとらせないように、できるだげ原案でそういうことのないように、一つ閣議等で最終案を決定せられるに当つても、この問題については十分の御配慮をお願いしたい、これはお願いであります。
 それからその次の問題は、これはお尋ねでありますが、一つは売春関係の問題で、本日宮城さんが御欠席になつておりますが、宮城さんは何か本会議で緊急質問か何かをしたいというような御要望も、実は緑風会内では御主張がございましたが、私は緊急質問の問題ではなしに、むしろ法務委員会、或いは予算委員会等でお聞きになつたほうがいいのじやないかということを御忠告申上げておきましたが、それは先般の本会議において、深川委員、それから加藤シヅエ委員から売春問題の御質問があつて、それに対する御答弁もあつたわけでありますが、前々からの経緯に鑑みて、通常国会において政府は御提案になるというふうに了承しておられるようであるし、私どもも実はそういうふうに了承しておるのでありますが、ところが御答弁を伺つておりますと、何か内閣に審議会というものができる、これは前々から各省の間によく打合せを、ひとり法務省のみの問題じやなしに内閣全体の問題として厚生、労働その他各関係省の協力を求めてそれぞれ立案をせられるような御意見も伺つておりましたが、ただ、今までの例で行きますと、審議会というものはこう事新らしくできてやるとその審議会へまあ預けて延びるんじやないかということを恐らく宮城さんは非常に心配をされておられるんじやないかと思いますが、いずれこれは又御本人から別の機会に御質問があると思いますが、従つて私の今日お伺いするのは、さような心配はない、やはり依然としてこの前お話にございましたように通常国会に、まあ法案の完全、不完全、不十分ということは別にしまして、通常国会に政府から御提案になるものと了承していいかどうか、これが一つであります。
 それからもう一つの質問申上げたい点は、保全経済会の問題であります。これはこの前の本会議でも法務大臣からも御答弁のあつたことは私も拝承しておりましたが、一般によく言われておると同じように、この種の問題は法の盲点を衝いておるんだという趣旨の御答弁がございました。そこで一般の感じから申しますと、法の盲点を衝いてまあ随分あくどいことをやつたんだけれども、これは何としても手が付かないんだ。従つてまあ問題は将来こういうことのないように取締法規を考慮中であるとか、いろいろのことから、将来の問題としてはそうだろうけれども、過去の問題は法の盲点を衝いたんだから、これは何とも手が付かないと、こういう印象がまあ一般的にはしておるのじやないかとこう思います。まあ悪いことをしてもそれで済むんだ、ところがやはり天網疎にして洩らさずで、何かこう途があるんじやないか。特にそういうことの感じを持つたのは、この前民事局長、刑事局長の御両人と、それから大蔵省の特殊金融方面の課長でありましたが、その御三人のかたにお見え願つていろいろ説明を聞いておりました際に、民事局長の御意見としては、これは匿名契約ではない、むしろ消費寄託或いは消費貸借の部類に属するものだ、こういうような民事局長の法律解釈の御説明がありました。そうしますと、それについては相当今回の保全経済会のやり方は、法の対象として取上げることもできるんじやないか。それが民事局長の今申上げた解釈が通らずに、依然としてまあ法の盲点を衝いておるということであいまい模糊になつておるのは一体どういうわけなんだろうか。我々の今までの常識から、又経験から申しますと、こういう問題についての最終決定というものは法務省では民事局の解釈が一番権威を持つておつたと思うのであります。その民事局長の御意見が通らずに、今日依然として法の盲点を衝いたもので何とも手の付けようがないと、こういうふうになつておるまでの経過ですね。一体どういうわけで民事局長のその意見が通らないのだろうか。これは内輪の問題のようでありますけれども、その点と以上二点お伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(犬養健君) 三点のお話、最初の御希望というお話でございますが、これはお答え申すことが政府の責任だと思いますので、お答え申上げます。人権擁護局を課にするというような考えが行政改革のほうの意見であるということを新聞で読みました。私は人権擁護局というものが一つの法務行政の重点になつておると思うのであります。これは如何にも人数は少いのでありまして、十三人でありますが、それは遠慮して少くしておるので、少いから課でいいというのは理窟が循環してしまうのでありまして、すでに或る筋を通しまして少く遠慮しているのに、少いから課にするのはおかしいじやないか、それならば実は殖やしたいくらいなんだという意見を言つてあります。もう一つは国連などの関係から見ましても、日本の政府の人権擁護局を課に落したという感じは私は非常に影響は大きいと見ております。この点は法務大臣としてはあくまでも若し行政改革本部の意向が真実なりとすれば反対でございます。昨日も内閣委員会で御指摘のようにこれについての当局への質問が行われたそうでありまして、その結果内閣委員会としては、人権擁護局を課にすることは反対である。私としましても当然の意思表示だと考えております。今後とも努力いたしたいと思つております。
 それから第二の売春問題でございますが、これは今朝も実は早くから自由党の参議院の国会対策委員会へ呼出されまして考えを申したのですが、第一に審議会というものがとかく何と言いますか、なかなか船頭が多くなつて結論が延びる。これは楠見さんも随分委員をなすつて御経験だろうと思う。私もその点心配しておるのでありますが、さりとてこれは法務省だけで余りつ走りますと、この前の国会で楠見さんもその点御了察下すつたのですが、何と言いますか、却つて各省間の摩擦が起りましてまずいことがありますので、皆一緒の船に乗つてもらうということにしたのであります。その欠点はおつしやつたように進行がのろくなる。この欠点を埋めますには私のほうのやはり法務省が主にならなければなりませんから、できるだけ早く例えば第一回の審議会で法務省の粗雑ではあつても、原案に批判があつたら次の審議会までに直して持つて行つて、そこで又批判を浴びるように従来の審議会とは少しやり方を変えたいと思つております。勿論法務省の意図するところは、通常国会に提出いたしたい、こういうように考えております。若しどういうようなアイデアかという御質疑がございますれば、今考えておるだけのことを御報告申上げてもよいと思います。
 それから保全経済会の問題でありますが、従来政府の中でも見方が違つておる点があつたことは事実でございます。というのは、保全経済会そのものが、ぬえみたいなものでありますから、東から撫でてみたのと西から撫でてみたのと違う。又そういうところを本来狙つて来たのじやないかと疑わしむるに足る状況でもあるわけであります。法務省の考えといたしましては、普通の少くも我々の常識における匿名組合ではない。匿名組合というものは経理の仕方そのものが共同経営というような形になるのでありますが、十万人もいて伊藤斗福の顔も知らない人が共同経営という観念を持つわけはないわけであつて、結局常識から言えば、月八分とか、最後には二分になつたようでありますが、そういう利殖の機関として預けていた心理が主たる心理ではないかと存じますけれども、それでは立証的に断定して匿名組合ではないというには、少くとも相当数の加入者が加入したときの心理状態その他状況を調べませんと、立法的には言えないわけでありまして、そこになかなかむずかしい点がありまして、且つ内偵程度ではわかりませんので、この実態をつかむにはどうしても手入れをする、手入れをするには、犯罪たることを疑わしむる明瞭な事実がないと、又人権問題が起るということが第三者から御覧になれば或いは手を拭いたことになりますが、内偵をまあ相当やつていた、こういうことでございます。そこでどこの省の受持かということを最初に論じますと、問題は複雑になりますので、広く正規の受信業務をやつておるものを大きい網を被せて取締る、預金にしろ、貯金にしろ、掛金にしろ、とにかく広く不正規な受信業務を不特定多数を相手にした業務というものを取締ろう、こういう点については大蔵大臣も賛成でありまして、予算委員会などでも同様の答弁をしておられるのであります。それじや今までのはどうかと言いますと、どうも私ども余り専門家ではございませんが、結局今までの跡始末といいますと、関係者が破産申請でもしてくれなければちよつと手が付かない、こういうことなんでございまして、そんなことなぜ長年放つておいたかという問題になるのでありますが、問題になりましたのは、昨年の秋頃からで、それまで一種のブームに乗つておつて、それほど破綻のきざしが見えなかつた。いずれこれは必ずしくじるということを当局で言い合つておつたのでありますが、それではどういうふうにだんだん悪くなるかということになりますと、今申上げたように手入れをしなければ内偵の程度ではどうも果断な手が打ちにくいというようなことでここまで来たわけでありまして、その責任は法務大臣もやはりあると思つております。併しこうなりました以上は、今後迷惑が一般の殊に零細な金を持つておる人にかからないような、今申上げたように広く不正規な受信行為に対して取締りの新らしい法規を作ろう、こういうことになつておるのであります。
#23
○委員長(郡祐一君) 法務大臣に対して予算委員会からたびたび出席を求められておりますから、若し法務大臣に対するお尋ねなら極く簡単に……。
#24
○楠見義男君 じや又あとで……。
#25
○一松定吉君 先刻法務大臣にお願いいたしました御調査の資料といたしまして、委員長から羽賀正義、山内孝の勾留手記の資料がありますから、これを一つお手渡しを願いまして、なお棚橋委員から報告書が出ましたら、その報告書の一通をも法務大臣のほうに委員長のほうからお手渡し下さいますようにお願いいたしておきます。
#26
○委員長(郡祐一君) それでは法務省において御調査になります資料として一松委員の只今の御意見ですのでお渡しいたします。
#27
○楠見義男君 法務大臣お忙しいようでありますから、極く簡単で結構ですが、今積極的にお話になりました現在お考えになつておられる売春取締法の御構想をこの機会に伺えれば結構だと思います。
#28
○国務大臣(犬養健君) これはまだ私案でございまして、いろいろの方面のかたの意見をまだ聞いてございませんので、ほんの私個人というふうにおとり願えれば結構だと思います。勿論多少刑事局並びに刑事課の意見も徴しておりますが、殆んど私の私案でございます。先ず第一に、余り露骨に言いたくございませんが、植民地風景みたいなことを一切やめたい。独立国の体面としてもやめたいと、こういうことでございます。それから街頭で妙齢の婦人が、こういう商売をするといい着物が着られるというようなふうに、これ見よがしに歩いたり立つたりしている風景もやめたい。これにまつわるボスの存在というものも絶滅いたしたいと思つております。
 第二には、いわゆる赤線区域といいますか、如何にもけばけばしくここが売春の便宜を図つてある所だと言わんばかりのネオンがついたり、特殊の温泉マークがついたりしていることも絶滅をいたしたい。勿論この区域の、何といいますかポン引とかボスとかいうものは取締りたい、こう考えております。
 それから第三には、農村でこれは一つの精神運動にも関係して複雑ではありますが、殊に凶作にもからんで娘を売る、これもボスと専門的な仲買人があります。国警においてはこのボスと仲買人の分布地図みたいなものがほぼ完成しております。これを取締つて、売春の母体になる人間がそこから生じないようにしたい、これには職業安定の問題とか、若し理想的に言えば、農村のそういう、娘をかくせざるを得ない貧農に対して県から金を一時融通するというようなことも必要なんじやないかと思います。これは予算措置を必要といたしますので、そのほうも考えたい。
 そこで、二段かまえの話になりますが、家の中の問題、これは私の今の考えでは警察官を使いたくない。できれば人権擁護委員みたいなものがこれを適宜に扱いませんと、売春行為でない男女も世の中にはあります。これを面白半分摘発するというようなことになりますと、社会問題になりますから、そこの運用はよほど細心を要すると思つております。極く率直に申上げますと、恐らくこれは日本歴史上随分売春問題というものは古いと思います。それがこの法律を書いたら翌日日本で一人もなくなるという予想は甘い予想だと思いますので、その問題としましては、嫌になつたらすぐやめられる、ボスの搾取による借金が嵩んでやめにくいということは悲惨の極だと思いますので、この角度に沿つて何か措置をしたいと思つております。
 それから、申遅れましたが、売春でもしなければならないかと思うが、一応親切な相談所があつたら駈込んで行きたいという場合に手が差し延べられるような施設が作りたい、これは主に厚生省の問題でありますが、これは是非必要だと思います。そしてこれは職業安定機関との連絡が即刻とれるようにする。それから駈込みにくい、敷居が高いという感じでない何かの方法を講じたい、こういうふうに考えております。まだありますが、ざつと大きいアウト・ラインはそういうことで、今考えは進めておる次第であります。
#29
○楠見義男君 わかりました。
#30
○赤松常子君 大変私積極的な御意見伺いまして非常に私希望的でございます。特に審議会の性格につきまして非常に心配な点を私ども感じていたのでございますけれども、はつきりと法務省がイニシアテイプをおとり下さいまして、その審議会の運営をなさるということも伺いまして、非常に私は希望を持つたわけでございます。どうぞ是非通常国会には御提出をお願いいたしたい、併せてお願いを申上げます。
#31
○国務大臣(犬養健君) これはよくある手でありまして、審議会というものに乗せて各個別的な役所は一応責任を抜くという手があるのでありますが、そういう考えは私持つておりません。実情を申上げますと、今法務省の私の部屋に時折必要に応じて私のほうから電話を差上げて、例えば労働省の婦人少年局の局長とか課長に来て頂きますが、そういう私的なやり方ではなかなか間に合いません。私もそればかりやつているわけに行かない、伺うにも御用があるので、定期的にどつか公けの所で落ちあう、こういうふうにしませんとまずいという点が一点であります。
 それからこれは楠見さんが前の国会で非常に御推察をして下さつたのですが、余り法務省だけがこれは俺の専売特許だというふうにやりますと、これはやつぱり感情問題も考えなければなりませんので、ほかの省との円満な協力一致、謙遜な態度でやつて行きたいと思う意味で審議会というものを……。又御出席なかつたときですが、審議会というのは、非常に今までの審議会は遅れるのです。遅れないようなふうに何か絶えず法務省のほうから原案を出して促進をしたいと思つております。
#32
○委員長(郡祐一君) この問題につきましては、又後日お話合いを願う機会があると存じます。
 引続き裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、引続き、若し御質疑がございましたら御質疑を願いたいと思います。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#33
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて下さ。
#34
○赤松常子君 この前お願いいたしておきましたが、十一月四日に農民組合の凶作対策のデモがございました。丁度デモ隊がファイナンス・ビルにさしかかつたときに、駐留軍から汚物を投げかけた事件がございました。その取扱やその処置がどうなつておりますかということを御報告を求めておいたのですが、如何に相成りましたでしようか。
#35
○説明員(長戸寛美君) この前の国会の最終日でございましたか、丁度赤松先生の御不在のときに事件の経過を一応御説明申上げましたが、簡単に申上げますと、只今お話のように、十一月四日芝の公会堂で凶作対策全国農民大会が催されました。そのあとデモ行進に移りまして、午後二時四十五分頃でございますか、そのデモの最後の第四班がファイナンス・ビルの北側の道路に差しかかつた際に、同ビルの窓から何者かが或る物品を投げつけた、行進中の農民などに液体がふりかかつた、こういう事件でございました。麹町署で直ちにその液体をふりかけられた者、目撃者等の取調べを開始する一方、米軍側でもビルの者を全部禁足指令を出しまして早速調べた。犯人は見習水兵のデイビツド・バーガスというスペイン系の十八才の少年だということがわかりました。最上階の窓から、新品のではありますが、コンドームに水道の水を入れまして、三回に亘つて投げた、こういうことでございます。犯罪の動機は、デモが通つております際に、同僚にあれは何だと言つたところが、あれはコミユニストだろうと、こういうふうに言われたので、日頃コミュニストは嫌いであるというふうなところから、つい投げた、こういうふうな事案でございます。本件は駐留軍の施設から外にものを投げたという案件でございますが、これは公務執行中の犯罪ではございませんからして、第一次の裁判権は我がほうにあるわけであります。我がほうとしては暴行罪というふうに認定して、東京地検において慎重な捜査を遂げましたが、只今申したような、割合国民感情に与える影響は相当甚大でございますが、動機そのものとしては非常に簡単な事件であつたわけでございます。そこで本人が少年であること、偶発的な犯行であること、それから、更に軍側においてこれを処罰するということを確約しておるということをいろいろ考慮をいたしまして、我がほうで処罰するよりも、この事件は向う側の裁判に委ねたほうがよかろうというふうな考えから、我がほうとしては不起訴にいたした次第であります。近く軍事裁判所において裁判が行われるという予定でございます。なお、米軍の憲兵司令官はこの事件につきまして遺憾の意を表し、今後このような事件を発生せしめないように、関係部隊に厳重警告を発した由であります。
#36
○赤松常子君 まだ向うの軍事裁判の結果はわからないわけでございますか。
#37
○説明員(長戸寛美君) 只今も申上げましたように、裁判があるときはこちらに知らせてもらうことになつておりますが、まだ裁判は開かれておりません。
#38
○赤松常子君 その後の経過を又適当なときに御報告願いたいと思います。
#39
○説明員(長戸寛美君) 承知いたしました。
#40
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。両法律案につきましては質疑を次回に続行いたしますが、大体質疑は次回に終了いたすことに取運びたいと思いますから、党の各党の御態度等もあらかじめおきめ置きを願いたいと存じます。次回は明後七日午前十時から開会することにいたします。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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