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1953/12/05 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 地方行政委員会 第2号
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1953/12/05 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第018回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十八年十二月五日(土曜日)
   午前十一時二十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
   委員
           伊能 芳雄君
           高橋進太郎君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
           加瀬  完君
  衆議院議員    加藤 精三君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   外務政務次官  小滝  彬君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   自治庁財政部長 後藤  博君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○町村の警察維持に関する責任転移の
 時期の特例に関する法律案(衆議院
 送付)
○昭和二十八年度分の地方財政平衡交
 付金の単位費用の特例に関する法律
 案(内閣送付)
○地方行政の改革に関する調査の件
 (奄美群島の復帰に関する件)
○町村合併促進法の一部を改正する法
 律案(石村幸作君外八名発議)
○参考人の出頭に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 只今から地方行政委員会を開会いたします。
 先ず町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案を議題に供します。先ず提案者からその理由を聞くことにいたします。衆議院の加藤精三君。
#3
○衆議院議員(加藤精三君) 今般提案いたしました「町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案」の提案の理由並びに法案の概要を申上げます。
 御承知の通り、警察を維持する町村は、住民投票によつて警察維持の責任を転移することになつているのでありまして、警察法第四十条の三第八項の規定によりますと、十月三十一日までに警察維持に関する責任の転移が行われることに決定した旨の報告が内閣総理大臣に対してなされましたときは、翌年四月一日にその責任の転移が行われることとなるのであります。
 然るところ、一旦責任の転移を決定した上は、四月一日までを待つことなく、責任の転移の時期を繰り上げたい旨を希望し、国会宛に請願又は陳情を以て特例法の制定を要望して来ているのであります。そこでこれらの町村が希望します場合においては、責任転移の時期を繰り上げることのできる途を設けることが適当と存じ、ここに提案いたしたわけであります。
 次にこの法律案の内容について申上げます。
 本文の内容は、警察法第四十条の三第八項の規定の特例でありまして、同項の規定にかかわらず、警察維持に関する責任の転移が行われることと決定した旨の報告のあつた町村のうち、町村長がその議会の同意を得て、警察維持の責任転移の時期を繰り上げたい旨を内閣総理大臣に申請し、その承認を得たときには、その承認のあつた翌月一日にその責任転移が行われるとしたものであります。
 次に附則として。先ずこの法律は公布の日から施行することとし、次に本法案と同名の昭和二十八年法律第七十六号はすでに不要となりましたので廃止することとしました。
 以上が、この法律案の提案の理由並びに概要であります。何とぞ、御審議のほどをお願いいたします。
#4
○委員長(内村清次君) 本提出法案に対しましては質疑があると存じますが、次回の委員会に譲ることといたしたいと存じますがよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(内村清次君) そのように取扱います。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(内村清次君) 次に奄美群島復帰に関する件を議題に供します。同件に対しましては、先に参議院から調査団が派遣せられまして、調査団五名は四日の日に調査を終えて帰任いたしたわけでございます。問題の重点は、復帰の時期の問題でございます。これは政府は前国会で十二月一日の復帰を目途とした国内の切替えの整備・同時に、又外交方面においては、同日にちに合うような外交折衝を展開するという点が確認せられておつたわけでありまして、現地におきましても、全島民熱烈に復帰の一日も早いことを熱願いたしておるような状況ですが、この問題に対しまする外務省としての外交折衝取び又その後展開されております日米会談の内容、経過、この点に対しまして、先ず外務省のほうの、政府の答弁を求める次第でございます。この二点の詳細の一つ御報告を願いまして、逐次質疑に入りたいと存じます。
#7
○政府委員(小滝彬君) 奄島大島の島民の皆様の非常な熱望も、私ども十分承知いたしておりまして、飽くまでも十二月一日を目途として、これが実現を図ろうと努力して来た次第であります。ところがアメリカ政府側の在京大使館に対する訓令が相当遅れまして、漸く十一月の二十四日にアメリカ側の案を日本側は受取つたのであります。そこで日本側で部内のいろいろ打合せをいたしまして、その米国案に対して検討を加え、去る十一月の二十七日に第一回の会談を行い、その後各問題ごとに分科会を設けまして、現に話合いを続行しておる次第であります。
 大体あらゆる問題について討議をいたしまして、そうして今一番大きな問題として残つておりますのは、奄美大島で現に通用しておるB円を如何に処理するかという点が、まだ双方交渉者の間に話合いがついておらないのでありまして、これは米国側も本国のほうへ請訓しなければならないであろうと考えます。
 それで先ず第一点のの時期はいつになるかということにつきましては、大臣もすでに予算委員会などで申しておりまする通り、どんなに遅くともこの十二月末までにはやるということは、先方も承知しておりまするが、でき得べくんば、それよりも早くこの交渉を終了いたしまして、復帰が実現するようにと、今折角その方面で努力しておるわけであります。勿論アメリカが十一月二十四日に出しました案をそのまま日本側が受入れましたならば、もつと早く或いはできたかも知れませんが、いろいろ今後のことを考えまして、そのまま引受けたのでは、或いは奄美大島の皆さんの地位がどういうようになるかとか、或いは又これまでの奄美大島側の債権などについても、十分これから先のことも考えて、この際決定しておかないというと、禍根をあとへ残すというような点もありましたために、日本側としての主張を相当強く主張したということも、この交渉が多少長引いて来た原因であることは、私どもも率直に認めます。一方では、一日も早くその熱望に応えて復帰を実現しなければならないけれども、ただそのために先方の言う案を鵜呑みにするわけにもできないというところに、我々のジレンマがあるわけであります。が併し、何としてももう大部分の問題について討議を終りましたので、一応のアメリカ側の回訓、即ちワシトンから東京にある大使館への訓令は、この次の月曜七日に来る予定になつております。それで済むのか、B円の処理について、更にどうしても日本として受入れないというようなことになろと、更にその後多少の交渉をしなければならないというように考えております。いずれにしても、一日も早くやると同時に、できるだけ奄美大島側の不利にならないようにという心組みで進んでおる次第であります。
 その次に、交渉の内容はどういうものかという点でありまするが、まあこれは現在まだ交渉進行中でありますので、内容を全部そのままさらけ出すこともできませんが、問題の要点は、米軍側が持つておるところの軍事基地を如何にして存続するかという問題、それからもう一つは、先ほど申しましたように、流通通貨処理の問題、又米英の民生部により、又はその指令に従つて行われました、行政法上、司法上の処理の効力に関する問題などが、最も重要なものであります。軍事基地につきましては、これは今後発表になればおわかり下さるであろうと思いますが、原則としては、もう現在持つておるものを存続して、そうしてそれを行政協定の線によつて日本が認めるということであり、殊に気象観測のごときは日本側に返して、そうして日本側から随時気象に関する通報を受けるというような方式でありまして、この点は別段の問題はなかろうかと考えます。大体意見の一致をみております。又裁判の効力というような点についても、多少意見の相違がございましたけれども、大体先方も日本側の立場を了解いたしまして、刑事関係の今処刑せられておる連中は一応開放して、そうして日本側の法律によつて、これを適当に処理するというような点も認めましたので、大体米国側においても、これは承知してくれるだろうと期待いたしております。従いまして、結局問題としては、流通通貨の処理の問題が、現在のところどういうようにして回収した通貨の債務を差引くかというような点で、まだ十分に双方の意見が合致しないというような状態であります。この問題さえ片付けば、来週中にも話合が成立するのではなかろうかと考えておる次第でございます。
 なお、その他の点につきましては、御質問がございましたら、御質問に応じまして御説明申上げることにいたしたいと存じます。
#8
○委員長(内村清次君) 実は一行が参りましてから、その当日でしたか、郡民大会が開かれまして、これはまあ各島の郡民の方々もすでに小さい船を似て名瀬市に集合すると、名瀬市民も勿論大半加わりまして、約一万二、三千名の郡民が集つたわけですが、その席上におきましても、これはもうその現われました郡民集合の形、それから司会の形、それに対する郡民の気持、これはその行動から見ましても、とにかくその一日も早いところの復帰、この熱願のこれは現われであつたわけで、問題は、先ほど聞いてみますると、これは委員会でも相当各質疑がなされておつたのですが、先ずその復帰の期日さえきまれば、あとの国内的な切換えの問題というものは、おのずとその期日に合せて操作が進捗して行く、それに合せられる国内態勢だというようなことも、緒方副総理も答弁されておりますし、又外務関係におきましても、やはりこれは、先ず目途ということでなくして、日にちを決定するのだということの重要さが、先国会でも大体各委員の熱望から来るところの政府の答弁であつたとも私は考える。又現地の人たちもそれを考えておつたわけですが、どうも国会以来初めて外務省が、真剣に復帰の問題を外交的な見地からアメリカに交渉し始めた、その結果において会談が設けられて、そうしてその会談が、今次官の答弁のように、通貨の問題、或いは基地の問題というような問題で残されておるというような姿になつて、私は外務省のその重点というものが、今の経過から見てみますると、やはり主客が或る程度顛倒しておらないかというような感じを受けるのですが、現場地に行つた者といたしましては……。この点に対しまして、復帰の期日をなぜ抑えて、ただ会談の遂行に依存しておるかどうか、そういうような方針をとつて外務省は行つておるかどうかということを一つ承わりたいのと、それから、その後これは特に郡民からの希望がありまして、懇談会を設けたのですが、それにもやはり名瀬中学校の講堂で約三千五、六百の人たちが集合いたしまして、そうしてそのうちの郡民の方々の品から聞いてみますると、日米会談の進行状態、当時何か一日か休んだらしいのですが、その一日休んだということが、非常に敏感にどうして会談がこうやつて一日休み、或いは又その次の会談は一体いつから始まるのであろうかというようなことで、一日休んだことでさえも、非常に心配しておるわけですね。こういうような会談が、今でもちよつと休んでおるようでありますが、どういう事情でそういうふうに会談が中絶したり再開したりするようなことになつておるかですね。又そういう休む動機というものがどの点で支障がなされておるか、この二点を先ず聞きたいと思います。
#9
○政府委員(小滝彬君) 期日をきめて、そしてそれを目途としてやつて、残つた問題はあとで友好的に話し合つたらいいじやないかということは、実は私どもも勿論考えたところでございまして、前国会でも申上げました通り、そういうことを強く提案したのであります。これは議事録にも残つておるはずでありますが、前国会末期にも申上げました通り、その主張を通そうと努力しておりましたところ、どうしてもワシントンのほうでは、そういう不安なことでは困るので、一応原則的なものが片付かないというと、ただ無条件に渡したようなことになるので、国内関係もあり、そういうことは絶対にできんということになりましたために、一応主要な題目は解決しなければいかんという羽目に追込まれたのであります。向うのほうが一方的に権利を放棄するというような形になつておりますので、向うとしては権利は放棄するが、きめておかなければならないものだけは、是非それが実施せられるまでに確定したものとならなければならん。少くとも行政府間のとりきめができなければならんいうことは、勿論最初の文書にもあつたところでありますが、必要な取極め、ネセサリイ・アレンジメントというような言葉を使つておりますが、それをやらなければならんという主張がありましたので、そこでそれでは早速アメリカ側から案が出されましたあとも、休みなどはもう返上して、昼夜兼行でやろうということを何遍もこちらのほうから申出たのであります。が併し、実際やつて見まするというと、向うも東京だけできめるわけにいかないので、電報も打たなければならん、向うのほうでもただ国務省だけできめられないという問題がありましたために、先ほど仰せの通り、一日、二日間を置くいうようなこともありました。が併し新聞などにちらちら出ますのは、実は本交渉の問題でありまして、例えば先ほど懸案のようなのは、特にB円の問題と申しましたが、この問題なども、これが交渉という形式ではなしに、あそこの係官と常に接触のある大蔵省の係官と話す、或いは外務省のそういう経済担当官と話すということになつておりますので、どきぐ報道に出ておる通りに、全然この問題を取上げてないというわけではございません。又分科委員会なども随時やつておりまするし、分科委員会どいうような四角張つたものでなしに、直接向うのほうが大蔵省なり外務管に出向いて話をするというような場合もございます。アメリカ側としても、今丁度東京で交渉が行われておりますので、日本でどれだけこれを重要視しておるかということは、十分承知しておりますので、現地のほうでも非常に東京でこの交渉に関与しておりますアメリカ大使館員はあせつておる次第であります。どこの国でも同じかも知れませんが、今度の土曜日には必ず回答が来ると申しましても、それが遅れて月曜になるというふうな場合もありますので、これが非常に焦慮の念を島の方々又国民全体に与えておることは、非常に遺憾でありますが、こういう関係でございまして、決して等閑視しておるのではなく、そういう技術的ないろいろな問題があるという点を御了承願いたいと存じます。
#10
○委員長(内村清次君) それからいま一点ですが、今琉球政府下、而も又琉球に群島人が、労務者が約五万人、この五万人が奄美群島が日本復帰になりますと、すでに琉球政府のほうにおきましては、この労務者関係を群島のほうに返す、こういうような書簡が出ておるそうでありまして、群島自体から考えてみると、やはり同胞の帰還することは、表面的におきましても或いは又は一部肉親的にも、帰還を希望する者もあるが、総体的には群島の事情というものがすでに失業者が五千人も出て、その他も潜在失業的なのは相当多数に上つておるという状態だし、内地の、内地と申しますと、群島の経済というものは逼迫しておるのだからして、そういう方々が直ちに帰つて来られても、群島のほうでは非常に生活上においても或いは産業の面についても困るというような空気が、この問題が一番大きな今直接の問題になつておるわけであります。一面沖繩のほうではやはり沖繩の軍政丁におけるところの状態、必ずしも良好でないということで、帰りたいという希望者もある、或いは又帰つても失業して今の就業から失業の状態になることを恐れて、まだ残つて働きたいというような方々もあり、だからして相互的にこの問題は現下の復帰と同時に起るところの悲劇的な問題になつて来るわけでありますが、問題はやはり逐次就業の希望者が解いてそうして帰るというような形に是非してもらいたいというのが、結論的なやはり考え方のようで、この問題は今回の会談の一つの事項として、当然政府としては、復帰後におけるところの今沖繩におるところの労務者或いは官公吏という方々の所遇については当然問題にならなければならん問題だと思うのですが、この問題の解決が会談の上においてどういう支障をなしておるか、この経緯を一つ承わりたい。
#11
○政府委員(小滝彬君) この問題につきましては、勿論アメリカ側から申出ていることはないのでありますが、先ほど委員長が申されましたような空気があるということも我々十分承知しておりますので、沖繩における、琉球における奄美大島人の地位というような点については、日本側から積極的に話に当つております。が併しこれにつきまして書物などでいろいろな取きめをするというようなことになりますと、却つて琉球側を刺戟するというような関係もありまするし、現在のところは、これは琉球人も又奄美大島が日本になりましても、国籍上からいえば日本人ということになつておりますので、それに対して法制的に差別待遇をしなければならない問題もないようでありまして、アメリカ側の言い分といたしましては、決して急激にそれを追い返すというようなことはないから、この問題こそそういう四角張つた取極めの対象にして復帰の実現を長引かすよりも、逐次実情に応じてやるという程度に了解をつけておいたほうが好都合ではないかというようなことを申しておるような次第でありまして、結論的なものにまだ達しておりません。ただ私どもが恐れますのは、労務者については向うのほうでも急に帰すと言つても、すぐ代りのものがそれだけの数があるかどうかという問題も、やはり向うとしても考えなければならん問題でありまするし、又事実米国側としては、そういう急激な措置をとりたくないということを考えていることは想像もできまするし、先方も言明しておつた通りでありますが、ただ一つどうしても問題になるであろうということを恐れられるのは、公務員の問題であります。我々の調べましたところでは、今公務員の数が奄美大島人で沖繩におるのが四百名くらいあるようであります。これのほうは、成るほど同じ日本人を使つておると申しましても、今度日本の本土の一部になる奄美大島人を、そこで公務員として使つておることはいけないという、これはまあ国籍的に言えば同じ日本人でありましても、沖繩の住民でないというところで、これは帰つて来なければならんという問題が起るだろうと存じます。このほうはどうもいろいろ考えてみましても、双方の関係においては止むを得ない問題ではなかろうかと存じまするので、日本としてこの公務員の恩給をどうするか、今後どこに採用するかという点、考えなければならない問題ではなかろうかというように現在考えております。以上が現在の状態でありまして、結論的なものには達しておりませんが、先方は決して急激にその労務者を帰すようなことはないから安心してもらいたいということを言つておる段階であります。
#12
○堀末治君 ちよつと伺いますがね、今のあなたのお話は私まあ初めから聞きませんが、公務員は奄美大島の人で沖繩に四百人おるのですか。
#13
○政府委員(小滝彬君) その通りであります。
#14
○堀末治君 それを今度沖繩では奄美大島が日本に復帰すればやめさそうというわけですか。
#15
○政府委員(小滝彬君) 先ほど申しましたように、向うから言明があつたのでなしに、我々の恐れる点はそれにあるので、これを無理に向うに使つてもらうような話合ができるかできないかということになると、私どもの今の考えとしては、これについては悲観的であつてこれはむしろ日本側として考えなければならなくなるのじやないかということを心配しておるのです。
#16
○委員長(内村清次君) その点はそれはそうでなくして、群島の人たちが非常に心配しておるのは、すでに軍命令が出ておるというのですよ。解雇するのだ。公務員に対しての解雇は軍命令として書簡が出ておる。だからして向うの公務員も心配しておるが、こちらのほうの公務員関係も、あの大島の公務員の就職するところの機関では、もう到底収容ができない。勿論一部郵政関係の郵便局あたりは、まあ少し増員してもらわないと、今後の取扱というものは非常に複雑するのだということは言つておりますけれども、併し現実の問題としては帰つて来てもらえば、自分たちのほうで或いは整理その他が直接に出て来なくてはならないだろうということと心配も一つあるし、職場がないということで、もうすでに、これは命令が出ておるという話なんですよ。
#17
○政府委員(小滝彬君) 私どものほうでも、そういう事実を承知しておりまするが、アメリカの大使館の交渉の場合においては、まだそういう点を或いは現地から知らされておらないのか、先ほど私が申しましたように、先方としてはやめさすんだということを正式には言つていないと思います。
#18
○堀末治君 今のはあなた現地へ行つてお調べになつたのですね。そうすると、今度日本に復帰しますというと、現在の奄美大島の公務員では足らないのですか。
#19
○委員長(内村清次君) 大体足らないと思います。
#20
○堀末治君 大よそどのくらい足らないのですか。
#21
○委員長(内村清次君) その点も詳細な調査は、資料は持つて来ております。が、まだその資料の点の検討が、又直接何人くらい足らないというようなことは、まだよく調べておりませんが、ただ郵政局関係のほうで聞いたことでは、今後の事務の輻湊で相当増員をしてもらわなくちやならんということだけは、はつきり言つておりました。
#22
○堀末治君 お尋ねしますがね、例えば奄美大島で足らない人だけ帰つて来る、あと帰らなくてもいい人だけ向うへ帰化するというようなわけには参らんのですかね。現在向うにおつて仕事をしておるのだから、向うのほうでもやつぱりその人が急にやめたら、補充なり何なりで、やはり多少支障を来たすのじやありませんかしら。
#23
○政府委員(小滝彬君) 労務者などに関しましてはその通りでありまするが、公務員ということになりますと、やつぱり沖縄の人たちの考えというものも、軍政府としては考えなきやならんだろうから、そういう意味で、そういう軍命令を出したのじやないかと思います。ただその点は深く入つた交渉になつておりませんので、東京のほうでははつきりはいたしません。
#24
○秋山長造君 話が元に返りますが、大体この間の臨時国会のときにも、次官なり外務大臣直接に出席されて、我我の遅れている理由についての質問に対しての御答弁では、大体軍事基地の問題がどうとか、B円の処理とか、或いは刑を受けた者の取扱というようなことが問題として残つているというような答弁だつた。今日お伺いしましても、依然としてそういう問題はどうもひつかりになつているようなお話なんですけれども、どうもあれからすでに早一月以上たつた今日、なお、同じような問題が残つておつて、而もそれについての御説明も、何ら新らしい進展はしておらないので、やはり同じような御説明を繰返しておられるのですが、そうすればどうも我々納得しないので、この際、もう一つ込んで具体的に、軍事基地の問題について向うがどういう要求をし、こちらがそれに対してどういう主張をしておるのか、又B円の処理の問題についても、別にあの地方に何十億何百億というような通貨が流通しておるわけじやない、ほんの僅かな通貨だろうと思いますが、そのB円の処理ということについて、どういう点が問題になつているか、又刑を受けた者の取扱ということについては、大体何人くらい刑を受けた人がおつて、而もその受渡しについて、向うとこちらとの間にどういう点で意見の食い違いがあるのか、そういう点をもう少し具体的に御説明を願いたいことと、それから第二には、十一月二十四日になつて、初めてアメリカ側の案というものが、こちらに示されたということなんですが、それもこの前の臨時国会における外務大臣なり小瀧次官の御説明から考えると、もう当時すでに、そのときまでに、日本側からも話をし、アメリカ側からも向うの案が示され、いろいろ向う側としての主張なり要求なりというものが出されておつたように、我々は了解しておつたにもかかわらず、十一月二十四日になつて初めてアメリカ側の案が示されたということは、それまで結局まあ多少の事務的なやりとりはあつたかもしれんけれども、日本の政府とアメリカ側との交渉らしい交渉というものは殆んどなされていなかつたのじやないかというような感じを受ける。まあその示された米案の内容について、アメリカ側がその案の中にどういうことを言つておるのか、それに対して日本側がどういう受答えをしておるのかそういう点について具体的な御説明をお願いしたい。
#25
○政府委員(小滝彬君) 今御質問の二つの点は相関連をいたしておりまするが、この前の議会からすると一カ月もしてやつと案が出た、そうして内容を聞いてみても、この前の議会のときにしておつたのと余り変りがないのじやないかというお話でありまするが、或いはそういう感じをお受けになるのは御尤もと存じます。私がこの前申しましたのは、急いで復帰を実現をしたいから早くその案を出してくれというのに対して、なかなかアメリカのほうが出さない、それでは一体なぜアメリカのほうは遅れているかということを、皆様から御質問がありましたので、どうもこちらのほうで折衝してみた点では、そういう軍事基地の問題とか、通貨の処理というような問題でアメリカの部内で国務省と国防省などの交渉が行われている、それがなかなか事務的に片付いていないということを御説明申上げたのであります。そこでそれまで大使館にも何か一案があるはずだから見せてもらいたいということは、外務省のほうからも何遍も要求いたしましたけれども、本国の承認のないものは出せない、これはまあ非常に日本として重要視している問題だから、それをただ一部出すというようなわけにも行かないし、これはアメリカの都合もあるので、何らか正式の訓令が本国から来るまでは出せないということを言つておりましたので、皆様に対しては、いろいろ御質問がありますから、こういう問題があるようだと申したので、正式の交渉は先ほど御指摘になりました通り、十一月二十四日以前には行われておりません。できるだけ早く案を示して、それによつてやろうということでありましたが、それができなかつたのであります。これが双方から、いわゆる通商交渉のようなものでありましたら、日本のほうから案を出すという手もありましたが、日本としては非公式に日本の考え方は伝えておつたけれども、正式の交渉というものは、一方の権利を放棄しようとする側のほうから出すから待つてくれということで、御指摘のように十一月の末まで交渉が行えなかつたのであります。そうしてその内容についても何ら伸展がないのじやないかというお話でありますが実はその内容については、先ほど申しました通り、向うがこういう点でいろいろ部内でやつているらしいということを申上げたので、従いまして今度いよいよ交渉するということになれば、これらの問題が表面へ出て来るわけであります。最初に申上げましたように、今ちようど、月曜か火曜に訓令が来るか来ないかという、交渉の過程でありますので、その内容をここで披瀝するということは却つて交渉の邪魔にもなるだろうと思いまして、先ほど申しましたように言い得る限度の大体の筋合を申上げたような次第であります。ちよつと速記を……
#26
○委員長(内村清次君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。
#28
○秋山長造君 只今の御説明のうちでB円の処理の問題についてよくわからなかつたのですけれども、日本側はどういう考え方であり、アメリカ側はどういう要求をしておるということを、もう一度はつきり御説明願いたいと思います。
#29
○政府委員(小滝彬君) 速記をつけて、そういうことを、今ちようどそういう際でありますので差控えたいと思います。どうしても必要でありますれば速記をとめてやつて頂きたいと思います。
#30
○秋山長造君 その問題は、私の感じから言うと、そんなに極秘にしなければならん問題でもないと思いますので、これは大体大筋の点はきまつておる問題だし、別にこれはどうこう言つたから、そのためにアメリカが日本に返すことをやめるというそんな問題じやないと思うのですが、これは外務当局の御都合もありましようが、速記をとめた上で御説明願えれば、速記をとめても御説明願いたいと思います。
#31
○委員長(内村清次君) それじや速記をとめてて下さい。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(内村清次君) 速記をつけて。
#33
○秋山長造君 更にこの問題についてアメリカ側が、相当只今の御説明では、アメリカ側の主張を固執されておるようでありますが、そういう問題について先般新聞で報道されました台湾の国民政府の立法院が、この奄美返還に反対の決議をし、更にその後台湾を訪れた李承晩と蒋介石との会談においても、この返還問題が取上げられて、そうしてこれに反対するという決議をやつたやに聞いておるのでありますが、それらの一連の動きというものが、アメリカ側の態度に対して何らかの影響を及ぼしておるのではないかという点について疑問を持つのですが。
#34
○政府委員(小滝彬君) これは私どものほうで何とも確言しがたいところでありまして、想像だけでありまするが、私はそういうことで影響されておるようには存じません。ただこの中国の反対については、これは奄美群島返還の問題に影響を愛けるものではないという私ども公式な見解を持つております。
#35
○秋山長造君 この点について、この前の国会において苫米地さんから岡崎外務大臣に対して質問が出たことでありますが、平和条約の第三条の結局一方的な改正ということになつて来るのじやないかと思うのです。そうなりますと、国民政府あたりがこのアメリカの一方的な日本への返還について反対論を立てる根拠に、この第三条の問題を引用して行くと思うのです。これをアメリカだけが一方的にこの平和条約の第三条を破るということは、国際法違反だというような議論の立て方をしておるようでありますが、そういう点については外務省の御見解はどうなんですか。
#36
○政府委員(小滝彬君) 中国政府はこの平和条約に加入しておりませんので、これを引用して自分の権益を主張することはできないだろうと考えます。アメリカ及び日本の合致した意見はこれはこの第三条の本項に書いてある「行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有する」というのに対して、この権利を一方的に放棄するのであるからして、そうした他の国の了解をとりつける必要はないという見解を持つておるのでありまして、又現にこの平和条約に加盟しておる国から、批准した国から何らの抗議を受取つておらない次第であります。
#37
○委員長(内村清次君) ほかにありませんか……。
 それからその会談は、大体外務省の方針としてはいつまで続ける予定ですか、大体の一つの目途があるだろうと存じますが。
#38
○政府委員(小滝彬君) 成るベく早く、一日も早く済したいのですが、先ほどもちよつと申しましたように、アメリカのほうは、大体来週の月曜には訓令が来るだろうということを期待しておりますので、今申しました非常に機微な問題について非常に今後意見の相違が生ずるということになれば別でありますが、そうでない限りは、どんなにしても来週中にという考えであります。
#39
○委員長(内村清次君) これは何でございますか、今アメリカのほうから通牒が参りますると、それが最後的なアメリカの回答だということに考えてよろしうございますか。
#40
○政府委員(小滝彬君) 一応そう考えなければなりませんが、併し日本の利益、奄美大島の利益を非常に害する、それに反するような場合には、向うは飽くまで最終的と言いましても、最後の努力を払わなければならないし、又委員長のお説の通り、これはどうしても片付かないから、あとにしようということを頑張りまして、これが聞かれればそれで済みますが、その辺は向うの回答によらないというと、一概には申しかねまするが、一日も早くやるという気持には変りございません。
#41
○委員長(内村清次君) この会談の相手方でありまするアメリカの委員は、これは或る程度の基本線はアメリカの訓令に従わなければならんだろうと思いますが、外交上又或る程度は全権を持つておるというような重要な相手方ではないのでございますか、その点を……。
#42
○政府委員(小滝彬君) 勿論国際会談におきましては、全権委任状を受取りましても、付与されておる権限は非常に限られておりますので、私どもやりますときにも、始終本国へ請訓しなければならない。殊に電信電話が発達した現在においては、それを本国自体が要請するのが普通であります。今度の交渉におきましても、先ほど申しました一番機微な点を除いては、大体ここにおる代表は日本側の言分を殆んど聞いたわけであります。そこで形式も手をかけたのでありますが、これは本国で承知するだろうということで、自己の権限において日本側へ一応の了承を与えております。ただそれを最終的にするのには、やはり本国へ請訓しなければならないということになつておるような次第であります。
#43
○委員長(内村清次君) もう一言。公務員の問題、それから労務者の問題、これは今まで一つも会談の上には乗つておりませんが……。
#44
○政府委員(小滝彬君) 先ほど申しましたように、何遍か申しておりますが、ちよつと書物にする性質のものではないじやないかと言つているんで、その間を見まして、話合を進めて行きたいと思いますが、これまでも、こちら側からは何遍も出しておりますが、ただ書物にするといろいろ公表もしなければならないし、機微な関係もあるし、そういうようなことをやろうとしていないから、それを了承してもらえないかというのが向うの言分でありまして、これから以後には当然もつと再三取上げなければならないというふうに考えております。
#45
○委員長(内村清次君) それではほかにございませんならば、今自治庁長官が見えております。勿論この奄美大島の復帰までにおきましての内政問題、機構の問題、外交の問題も当然含みますが、これは重要な問題でございまするからして、一つ委員会といたしましては、又逐次議題に上して、政府の意向を確めたいと思います。できれば政府のほうでもやはり努めて、このような問題は関心がありますし、又時期の問題でもございますから、委員会には御出席を頂きまして、みずから会談の内容あたりを、できる範囲内におきまして十分徹底するように委員会に報告して頂きたいと思います。よろしうございますか。
#46
○政府委員(小滝彬君) 是非そういうように取計らいたいと思います。来週又話が進行しまして、発表する段階に至りましたならば特にお願いを申上げまして、お話をしたいと思います。
  ―――――――――――――
#47
○委員長(内村清次君) それでは次の議題に入りまして、昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案、この件を議題に供します。
 先ず政府のほうから提案理由の御説明をお願いいたします。
#48
○国務大臣(塚田十一郎君) 只今議題になりました昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案の提案の理由及び内容の概要について御説明申上げます。
 各地方団体に対して交付すべき昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の額の算定に用います単位費用につきましては、地方財政平衡交付金法に規定されているところに従い、すでに本年八月三十一日附を以ちまして本年度分の普通交付金の額の決定を行なつたのでありますが、先般成立いたしました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、明年一月からいわゆる教員給与の三本建制が実施せられますのと、今回地方公務員につきましても国家公務員に準じて期末手当等を増額すると共に、明年一月から給与改訂を実施いたすこととなります結果、これらに要する経費等を基準財政需要額に算入するため単位費用を増額する必要があるのであります。
 第二次補正予算に計上されております地方財政平衡交付金の増額七十六億円が決定致しました暁におきましては、この増額された単位費用を用いまして本年度分の普通交付金の決定につきまして、変更を行うようにいたしたのでありますが、明年度以降の地方財政平衡交付金に用いる単位費用の改訂につきましては、給与改訂の平年度化を行う必要がありますほか、明年度より実施を予定されている地方行財政制度の改革等とも密接な関連がありますので、これらの見通しを得てからにしたほうが適当であると考えられますので、差し当りは、昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金に用いる単位費用を改訂することにとどめ、昭和二十八年度分の単位費用の改正は、地方財政平衡交付金法の一部を改正する方法によらないで、昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する単独法を設けることといたした次第であります。これが、この法律案を提出致しました理由であります。
 次に法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 御承知の通り、各地方団体に交付いたします地方財政平衡交付金のうち普通交付金は、土木費、教育費等の各行政項目について定められた所要経費の測定単位ごとの単位費用に当該測定単位の数値を剰じて算定された財政需要額の合算額である基準財政需要額が税目ごとの収入見込額の合算額である基準財政収入額を超える額について交付することとされておりますが、この基準財政需要額の算定に用います各行政項目の測定単位ごとの単位費用は、行政項目ごとに標準的な条件を備えた団体又は施設を想定し、これらの団体又は施設に配置せらるべき職員の数、備えらるべき器具の種類等から算出された当該行政項目について必要な経費のうち、地方税及び地方財政平衡交付金で賄われるべき額と当該標準団体又は施設の経費測定の単位と定められたものの数値で除して決定されたものであります。従いまして、今回のように期末手当の増額や給与改訂が行われます場合にはこれらの団体又は施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は、増加いたしますので、これらの団体又は施設において、当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる単位費用は、それだけ増加するわけであります。
 今回国家公務員について行われようとしている期末手当等の増額及び給与改訂が地方公務員についても行われるものとして単位費用の改訂を行うことが必要となりました結果、その積算の基礎に職員の設置を予想していない橋りよう費、戦災復興費及び災害復旧費等の単位費用を除き、単位費用の殆んどすべてについて改正を行うこととなるのであります。
 次に第十六国会で成立いたしました一般職の給与に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、明年一月からいわゆる教育給与の三本建制が実施せられます結果、高等学校教員の給与改善に要する経費について必要額を基準財政需要額に算入するため、今回高等学校費の単位費用を増額することといたしております。従つて、高等学校費の単位費用増加額のうちには、給与の三本建制の実施による増額、期末手当等の増額及び給与改訂による増額が含まれているのであります。
 なお、以上のほか今回提案されております補正予算案との関連において社会福祉費、労働行政費等の単位費用につきましても期末手当等の増額及び給与改訂によります分のほか所要の増加額を見込んで改訂しております。
 今回改訂しようとしております単位費用によつて算定いたしますと地方財政平衡交付金の交付を受けております全地方団体の基準財政需要額の増加見込額は道府県分にあつては約五十億円、市町村分にあつては約三十億円、都合約八十億円となる見込であります。幸いに本法律案が成立いたしました上は、各地方団体につきまして普通交付金の決定額の変更を行い、可及的速かに追加額を交付し、地方団体の財政運営に支障のないようにいたしたいと存じます。
 何とぞ慎重御審議の上速かに可決されんことをお願いいたす次第であります。
#49
○委員長(内村清次君) 政府から補足説明につきまして、ございましたらお願いします。
#50
○説明員(後藤博君) 今大臣から御説明がありました点で大体尽きておりますのでありますが、非常に技術的な法律でありまして、このやり方は御存じの通り府県及び市町村のそれぞれの標準団体の標準施設を想定いたしまして、その標準団体の標準施設に要する費用を、標準予算を作りまして、その標準予算を測定単位で割りまして、単位費用というものを出しているのであります。従つてこの府県の予算とは異なりまして、人件費がそれぞれの例えば教育費、土木費、それぞれの項目の中に入つております。入つていないものも多少ございますが、大体入つております。従つてベース・アップ、その他財政需要が増加いたしますると、それに伴いまして必要な測定単位費用の改訂をいたさなければならないのであります。その改訂の仕方は、先ほど御説明がございましたように、標準予算に盛られておりますものの標準施設の予算額はどの程度増加するか、それを標準団体について想定いたしまして、それを単位費用で割りましたものを加えて行くものであります。そういうやり方で以て全体の単位費用の改訂をいたしたいと考えております。総額で府県五十億、市町村三十億、合せて八十億の基準財政需要の増加になるようにいたしてございます。平衡交付金の配分額は七十六億でありますから、大体これで以て適正の配分ができるというふうに考えておる次第でございます。
#51
○若木勝藏君 この法案とも関連がありますけれども、私一つだけちよつと伺いたいのですが、今度の給与改訂、それから期末手当に対して昨日の説明では、私、資料を要求してありますけれども、まだ出ておりません。平衡交付金が七十六億がこれに向けられるという御説明でありました。この平衡交付金は給与改訂に何ぼ行くのであるか、或いは期末手当に何ぼ行くのであるか、期末手当には全然平衡交付金が行かないのであるか、税収入で賄うのであるか、そういう点が明らかでないから、そういう点を一つ御説明願いたいと思います。
#52
○説明員(後藤博君) 平衡交付金は、御承知の通り一般財源でございまするので、その期末手当分にどれだけ行くかということは、ちよつとわからないわけであります。一応その期末手当とそれからベース・アップ分を分離いたしまして、恐らく御説明申上げたと思うのでありますが、本当はその分離するのはおかしいのでありまして、一般財源でありますから、その平衡交付金が半分行くとかなんとかいう話がございますが、そういうことではないのであります。大まかに申しますと、期末手当とそれからベース・アップとを合せまして百五十五億円でございます。そのうち義務教育国庫負担が二十九億、大まかでございますが二十九億であります。その差が百二十六億でありますが、そのうち交付団体への財源超過額が三十億ありますので、引きますと九十六億あります。九十六億のうち平衡交付金が七十六億、税収の増が二十億と見ております。その七十六億のうちで、ベース・アップの分は大体四十億、期末手当の分が三十六億、こういうことに相成つておるのですが、これは先ほど申上げましたように、そういうふうに結果的になつておるというだけの話でありまして、一般財源の補填でございますので、例えば税収の伸びのない府県におきましては、大体平衡交付金で全部補填される、こういうことになるわけであります。府県知事会議あたりで、そういう議論が相当あつたのですが、税収の増を見ることはけしからんと、こういうことをよく言われるのでありますが、現在の平衡交付金制度のもとにおいては、当初の税の見込みよりも税が増収になりました場合には、その増収分を見ざるを得ないのであります。ただそれは総括的に見まして、個々の団体において税の増収があるかどうかということは、別問題でありまして、従つて税の増収の余りない府県と言いますと、鹿児島県でありますとか、青森県であります。そういう県におきましては、恐らく基準財政需要と、基準財政収入の差額については大体平衡交付金でやる、こういうことになるのであります。従つて個々の府県によつて非常に違つて参る。ベース・アップについては全額交付金で見たが、期末手当については〇・二五しか見ていない、半分しか地方団体においては見ていない、こういうことがよく新聞に出て、よく誤解を招いておるのであります。結果的にそういう計算になると、こういうことでありまして、県によりましては、やはりその〇・二五の分も大分行く県もあるし、その〇・二五以上より行かない県と、こういういろいろなケースがあるわけでございます。
#53
○若木勝藏君 そうすると、大体七十六億のうちの四十億をベース改訂、それから三十六億は結果的に期末手当に廻るだろう、こういう目安でやつておるわけですね。それから昨日の答弁では総額百五十七億というのだつたが、あなたのほうでは百五十六億、そういうように一億ずつ減つておるようですが……。
#54
○説明員(後藤博君) それは端数を滅したのです。百五十五億というのは端数を落したのですが、九十二億と六十三億九千万なんかだつたと思います。それを切上げるか切捨てるかしただけの違いです。
#55
○若木勝藏君 それが非常にまぎらわしい。昨日の話では税収の見込み二十一億、今日は二十二億と、常に数字が動くように見えるから、そこを統一してもらいたい。それでよくわかりました。
#56
○伊能芳雄君 今度のこの改正で、標準準財政支出を八十億殖したというのですね。
#57
○説明員(後藤博君) そうでございます。
#58
○伊能芳雄君 その八十億殖して、七十六億は平衡交付金で、そのあとの四億はどういうふうに見ておられますか。
#59
○説明員(後藤博君) ぴちつと参りますと、非常に不都合なことになつて、府県の財政需要と合わない場合がございます。一応大目に見まして、差額がありました場合には、その差額を調整率で加減いたしまして、財政需要のほうで加減して合せるようにする、従来は差額を按分しておつたわけでございます。按分いたしますと、平衡交付金をたくさんもらつておるところと少しもらつておるところと按分率の加減で非常に不均衡が出て参りますので、それを調整率で加減しております。按分による何と言いますか、欠陥をそれで是正して行くということになつております。
#60
○伊能芳雄君 平衡交付金の行かない東京、大阪などを考えると、もつと殖していいのじやないですか、八十億円をもつと殖して、そういうところの財政支出というものは、標準支出というものは相当多くしていいのじやないか、そういうわけですから、九十億とか百億の数字でやつて行つたらいいのじやないか、そうして東京、大阪に件かないということであれば、よそはもつとうまく行くのじやないか、八十倍にしておくことによつて保留が大分残るのじやないか。七十億以下で賄つて行けるのではないか。これは私の感じですが、どうですか。
#61
○説明員(後藤博君) そういう感じがするのかも知れませんが、大体八十億とまるい数字で申上げておりますので、多少残ると思います。大体前からの経験を以てこの程度の財政需要を伸しておけば、按分のときにうまく行くのではないかと、こういう意味で八十億程度の財政需要の伸し方をしておるのであります。
#62
○伊能芳雄君 百五十七億、今度の予算で殖える、そのうち三十億の大都市分があるのですから、そのことを考えると、七十六億のうち四億というような馬鹿なことはない、恐らく十何億というものが東京、大阪の標準財政支出になるべきものだと思う。そういうことを考えると、八十億でなくもつと殖しておかないと平衡交付金が使い切れない。又どこかで割切れなくなつて、余つたものをどうするというような、そこに不明瞭なものが残りやしないかという心配がある。
#63
○説明員(後藤博君) 御心配のような点はないと私どもは思つております。
#64
○委員長(内村清次君) では次回に又質疑を続行いたしまして、午前中はこれで休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十六分開会
#65
○委員長(内村清次君) 休憩前に引続き開会いたします。
  これより懇談会に入ります。
   午後二時四十七分懇談会に入る
   ―――――・―――――
   午後三時五十五分懇談会を終
   る。
#66
○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。
 それでは町村合併促進法の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず発議者から提案の理由を聴取いたします。
#67
○石村幸作君 只今提案されました町村合併促進法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 去る第十六国会において町村合併促進法が成立して以来、町村合併の気運も逐次高まり、全国各都道府県を通じて着々と町村の合併が軌道に乗りつつありますことは御同慶に堪えないところであります。町村合併が進展するにつれ、更に町村合併促進法立案当時においては予想できなかつた各種の問題が生じ、この際、これらの各種障害となるべき事項を除去し、町村合併がいよいよ促進されるように措置することが、町村合併促進法の立法趣旨を十分に具現することであり、又現に進行中である町村合併計画を円滑に進めるものであることに鑑み、この際、この法律案を提案いたそうとするものであります。以下この法律案の大体の内容及びその理由について簡潔に御説明いたします。
 第一に、都道府県の境界に亘る市町村の境界変更に関する特例に関する事項であります。都道府県の境界に亘り市町村の境界変更をいたしたい旨の一部部落等の住民の要望があつた場合においても、これら住民の意向を尊重し得るような措置をとることにいたしたのでありますが、都道府県の境界に亘る案件でありますので、都道府県知事に代えて内閣総理大臣が当該境界変更について勧告をすることができることといたしたものであります。
 第二は、都道府県の議会の議員の選挙区に関する特例に関する事項であります。町村合併の進行に伴い、郡又は市の境界に亘つて町村合併が行われるという事例が起つて参りましたので、これらの町村合併の措置と都道府県の議会の職員の選挙区との関係を合理的に調整をなし得るよう措置しようとするものであります。
 第三は、財政援助に関する特例に関する事項であります。公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法その他主として災害関係に関する立法においては、国庫負担額の算定の基準を当該地方公共団体の財政収入との一定割合で定めるものが多いのでありますが、その結果、同一の事案に対しての国の査定が行われる時期が、町村合併の時期の前後で異なつて来るというような不合理な場合も起り得ますので、これらを是正するための措置をいたそうとするものであります。
 第四は、都道府県の境界に亘る町村の設置等、町村合併促進に関する事項であります。これは都道府県の境界に亘る町村の対等合併が行い得るようにすると共に、都府道県の境界に亘るこれらの町村合併等が、関係町村の意思が一致しているにもかかわらず、行われ得ないような場合においては、町村合併促進法第三十三条の規定と同様な趣旨により、これを行い得るような途を開こうとするものであります。
 第五は、従来の町村合併の実情に徴し、町村合併により直ちに市が設置されるような場合においても、議員の任期、定数に関する特例を適用することとするのが適当であると認められますので、これに関する措置を人口五万未満の市の場合においては、町村と対等合併を行なつても、この法律の規定を準用することが適切であろうと考えられますので、これが措置を講じようとするものであります。
 最後に、町村合併の促進に関連いたしまして、町村職員恩給組合に関す関係規定の整備を図ろうとするものであります。
 その第一点は、町村職員恩給組合に属する町村の合併により、市が設置された場合等においても、その市はそのまま組合に加入していることができるように措置することであります。
 第二点は、これらの市が組合に加入した場合における恩給関係の事務を、組合から承継する手続を定めようとするものであります。
 以上この法律案の提案の理由及びその内容の概略を御説明申上げました。何卒慎重御審議のほどをお願いいたします。
#68
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#69
○委員長(内村清次君) 速記をつけて下さい。
 別に御発言もございませんようですから、質疑はないものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(内村清次君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。
#71
○小林武治君 この際、討論を省略して採決されるよう動議を提出いたします。
#72
○委員長(内村清次君) 只今の小林君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(内村清次君) それでは討論を省略いたしまして直ちに採決に入ります。町村合併促進法の一部を改正する法律案を採決いたします。町村合併促進法の一部を改正する法律案に対しまして御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#74
○委員長(内村清次君) 全会一致でございます。よつて町村合併促進法の一部を改正する法律案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。
 それでは本院規則第七十二条によりまして委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とせられたかたは順次御署名を願います。
 多数意見者署名
    石村 幸作  堀  末治
    高橋進太郎  小林 武治
    若木 勝藏  松澤 兼人
    加瀬  完
#76
○委員長(内村清次君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#77
○委員長(内村清次君) それから実は昨日の委員会で、若木委員から事業税の課税取び徴収についての参考人の喚問の件が出ておりまして、その後理事の方々と御相談をいたしまして、又午前中の委員会におきましても、この問題の御承認を得ましたが、そこで参考人の件についてお諮りいたしたいと存じます。
 事業税の課税及び徴収について東京都主税局長細田義安君、全国事業税対策協議会代表國井秀作君を参考人として本委員会に出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(内村清次君) 本件は七日午後一時より参考人より意見を聴取することにいたします。
 それでは本日の委員会はこれにて閉じます。明後日は午前十時から開会することにいたします。
   午後四時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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