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1953/12/07 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 地方行政委員会 第3号
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1953/12/07 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第018回国会 地方行政委員会 第3号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
   午後一時四十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
   委員
           伊能 芳雄君
           西郷吉之助君
           長谷山行毅君
           小林 武治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
           加瀬  完君
  政府委員
   自治庁次長   鈴木 俊一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   自治庁財政部長 後藤  博君
   自治庁税務部長 奧野 誠亮君
  参考人
   東京都主税局長 細田 義安君
   全国事業税対策
   協議会代表   国井 秀作君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (事業税の課税及び徴収に関する
 件)
 (地方財政計画に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 只今より地方行政委員会を開会いたします。
 先ず事業税の課税及び徴収に関する件を議題といたします。本件に関しましては、東京都主税局長細田義安君、全国事業税対策協議会代表国井秀作君の両君より参考人として意見を聴取することにいたしております。参考人の方々にはお忙しいところわざわざ御出席下さいまして、委員一同に代りまして委員長より厚くお礼申上げます。では先ず東京都主税局長細田義安君からお願いをいたします。
#3
○参考人(細田義安君) 先ず東京都の事業税の概要を申上げますると、予算額三十五億八千七百万円というのを東京都においては課税をしておるわけであります。
 それから調定をいたしたものは、これは一期分でありますが、これが二十三億三千九百万円、こういうことに相成つておりまして、現在の収入の工合は、先月の末でありますが、〇・三四三、三四%三であります。それから今後の調定の見込みでありますが、これは同様に二十三億八千百万円ということを見込んでおるわけであります。国井さんともしばしば二、三回会見をいたしておりますので、問題点は、事業税は非常に重い、苦労しておる人たちが多い、これは何とかせなければならんというようなことでしばしばお尋ねがあつたわけでありますが、これを所得の階層から申しますると、大体、税のかかつていない者を一応調査をいたしますると、五万円以下の者は、これは全部失格いたしまするが、七千八百四十二名であります。それから五万円以上の者が一万九千六百三十八人であります。それで、どの辺が多いかと申しますると、大体十五万円以上が人員にいたしますると二万七千七百十四名、それから二十万円以上が四万二千百十人、三十万円以上が所得の決定でありまするが、これが二万五千六百三十二名、あとは大分落ちて参るわけであります。問題点はこの十万円以下の低額の所得者ではなかろうかと思うのでありますが、税法は全国を一本で規定をしておりまして、北海道の隅から東京の真ん中まで同様な税法が施行されておりまするので、私どもといたしましては、いろいろの意見もありまするが、現在の税法を守つてやつて行く以外に方法もないということで、現在課税を実施し、同時に徴収をしておりまするが、徴税の段階で申上げますると、どうも余りかんばしくないのでございまして、納期内に入るものは一割内外でございます。あとは徴税の吏員が出かけて行きまして、鞄を下げて行つて、何とか納付願いたいということでやつておるのでございまして、私どもは現在まで一部非常に累年ずるいと思う者につきましては別段でありまするが、強硬なる手段に訴えるまでの徴税を今までやつておりません。訪問をさせまして、是非とも御協力を願いたいということで、現在徴収の対策を試みておるわけでございます。以上概要を申上げます。
#4
○委員長(内村清次君) 次に全国事業税対策協議会代表国井秀作君。
#5
○参考人(国井秀作君) 事業税の非常に不公平であり、且つ悪税であるという点につきましては、すでにこれはもう皆さんにお認め願つておる点であると思うのでありますが、特に先般全国の人々が、この事業税の軽減或いは撤廃を叫びまして、現在この問題は、単に東京地方の問題だけでなく、全く全国的な問題として大きく浮び上つて来ておるのでございます。そうして、その一番中心になつておりますことが何であるかと申しますると、私どもは法律家ではありませんけれども、地方税法のいわゆる第七百四十一条に書いてありまする条文が、法人個人を問わず、いわゆる事業の所得を課税標準として、その事業所或いは事務所の所在地の都道府県においてこれを法人又は個人に課するという、この一本の法律に法人と個人とをまとめてあるのであります。でありまするから、私どもは、国民の負担の公平或いは又税の負担の公平の見地からいたしましても、この事業税というもののあり方は、それが法人であつても或いは個人であつても、大体同じような負担でなければならん。又これが個人である場合においては、法人に許されておるところのすべての計算上の諸条件を満たした上での事業所得でなければならん。こういうように私どもは考えておるのであります。更に同法の七百四十四条の九項には、ちやん個人事業税の課税方法がはつきりと規定されております。それは申上げるまでもなく、総収入金額から必要なる経費及び十二月分として五万円を控除した金額に課税するということになつておるのでございます。ところが東京都の場合は、この五万円を控除はして頂いております。併しながらこの必要なる経費というものを何も引かない。総収入金額から単に五万円を控除した金額に一二%をかけておるというのが現在の実情でございます。これはひとり東京都だけでなく地方の府県においても、大体先般の大会を通じて地方の事情を聞きますると、大体同じでございます。私はこうしたことが行われておるその関係をいろいろと伺いましたのでありまするが、結局この事業税というものの税率を軽減するようなことを地方公共団体がやりますると、いわゆる平衡交付金に大きな影響があつて、お前の地方にはまだこれだけ取れる金があるではないかというようなことによつて、非常にそこに問題点があるために、地方公共団体はこの最高である一二%に帰一しているというようなことを考えるわけでございます。かような次第でありまして、私どもがこの事業税に対しまして、飽くまでも法人と個人が非常なアンバランスになつておる現状は、ただこれは法律であるから、法律できめられておるのであるからということを以て、ただ遵法行政としてこれをそのままに税金を納税者に押付けるというようなことは、非常に私は、政治の上からいうて、又国民の感情、国民の思想の上に及ぼす大きな問題であると実は、心配をいたしておるのであります。先般、大会を通じて、翌日、地方上京者の二百数十人が議員会館におきまして各党代議士のかたと懇談会を開きましたときは、地方の実情をつぶさに述べられた代表の方々のお話の中には、全く聞くに堪えない、代議士のかたでさえも涙を出しておられてハンケチで眼をふくという悲惨なる実情を私どもは聞かされたのであります。私どもは、この事業税のかけ方が、かような観点におきまして、いわゆる個人と非常な差のあるというこの問題を、どうしても公平な課税になるように現行法の上において何らかの手が打てる、又打つて頂かなければならんと考えるのであります。それはどういうことをして頂いたらその目的が達せられるかと申しますれば、法文に書いてある通り、総収入金額からいわゆる所得を得るに必要なる経費及び十二月分の五万円を控除するという、この法文を現実に実行して頂きたいということであります。今東京都をはじめ各地方庁が、先ほど申上げました通り、総収入金額から五万円を控除いたしまするけれども、それに直ちに税金を課しておる実情から申しまして、この七百四十四条の九項の必要な経費という条文は現在においては全く空文になつておるということでございます。そういう条文があるにもかかわらず、それを実行していないとすれば、この条文は現実に空文化されておるということになつておるのでございまして、是非とも参議院における地方行政委員の諸先生方の強い御判断によりまして、この空文化せられておるところの必要なる経費というものの抑え方、そして又これをすぐ実行することが法人と個人のアンバランスを調整する大きな鍵であるという点を把握して頂きまして、是非ともこういう点を地方庁に対して、自治庁長官から、その課税の適正化を期するために十分なる調査とこれらの点について注意を喚起するような通牒を出して頂くように御決定願いたいと思うのであります。
 それから第二点といたしましては、先ほど細田局長さんからのお話もございましたが、東京都におけるところの零細企業者、これは地方においても同様でございまするが、例えば国税が免除になつておるということは、非常に家族が多いとか、或いは又事業で、或いは天災で大きな欠損をしておるというようなことによつて、国税の場合には各種の控除が行われまして、それが非課税になつておるものでございます。かようないわゆる業者というものの実態は、申上げるまでもなく、国家がその人はもう税金の取れない人と、いろいろの考慮をして上げ、そして税金のかからんようにしてくれておる人でありまするから、これからはもう税金のとれない存在であると私は思うのであります。ところがこれら国税の免税になつておる業者に対しまして、東京都も地方の公共団体も仮借なく事業税だけはかかるのであります。又国税を納めている場合でありましても、扶養家族が非常に多いような業態の場合には、事業税が国税よりも遙かに高いという実例も枚挙に遑がないようなわけであります。かような次第でありまするので、私は、国税が免除になつておる業態が本当に漸く生活をしておる業態であるのでありまするから、これらの人に更に苛酷な、而も先ほどから申上げておる所得の、総所得額に対しまして課税するような事業税というものを課するということは、全く私は苛斂誅求もこれ以上のものはないと私は思うのでございます。なおこの実例といたしましては、恐らく東京都におきましても、この国税の免除になつておる方々が総納税者の少くとも二割ぐらいに相当しておるのでないかと思うのであります。又これらの人々が実際においてこの事業税が完全に納まつておるかといえば納まつていないのであります。先ほど細田局長さんは決して強行徴収などはいたさないようにしておると、一部悪質の者に対してはそれは強く出ているけれども、他は決してそういうことをしてないというけれども、その悪質なるという解釈をする上においても、私はいろいろの見方があると思うのであります。即ち漸く生きているところの零細企業者が事業税が納められないという実情は、私は悪質でないと思う。これは先般の地方代表が議員さんに訴えた懇談会の席上でも、私どもはとにかく国税を免除されて漸く親子でささやかなる事業を経営しておるのである。いわゆる食うだけやつとの現在の我々の生活状態だ。これに事業税がかかつて来るというのは食べた者に税金がかかるので吐き出すか、そうでなければ自分が生きるために吸つているところの空気にかかつている空気税だとさえ叫んでおるのであります。私はそういうものをも、東京都では、この悪質なものの中に入れられる危険が非常に多いと思うのでございます。言い換えますれば、事業税のこの苛斂誅求のその響くところが、決して大企業や法人や又個人でも比較的大きな事業者には少しも苦痛がなくいたしまして、すべて事業税に悩む者が今申上げたような国税の免税点以下の者、及び国税は若干納めるといたしましても、扶養家族の非常に多いような、つまり生活困窮者に強くかかつておるというこの実情を十分把握して頂きたいと思うのであります。なお自治庁の御解釈では、或いは又東京都の主税局の御解釈の中にもございまするが、法人と個人は性質が違うのだということをよくいわれるのでございます。私は、法人と個人は、これは性質の違うというようなことにおいて非常な差があつていいという議論には承服できないのであります。それは、法人の課税方法と個人の課税方法の違いがありましても、結果においてはやや似た結果が出なければならんと思うのでありまするが、これは私どもからすでに諸先生にお送りしてある資料によつて御覧頂ければはつきりいたしますのでありますが、三十万円程度、先ほど局長さんから言われました三十万円程度まで入れますると、東京都で言うならば約十万人に相当する人々に該当いたしまするが、この三十万円程度の、三十万円の事業所得を挙げる人を基準といたしまして、いわゆる法人の場合の源泉、或いは又特別区民税の平均割、或いは所得割等をいろいろ勘案いたしまして計算をいたしました場合において、事業税は、法人に対して個人は四倍もの税金を納めろという実情でございます。私は、法人と個人は課税対象が違う、性質が違うというような言葉において、その結果がかような零細な企業者に四倍以上の税金がかかつておるということは、その結果を無視するというようなことがあつては、これは全く先ほども申上げた通り、国民の、いわゆる民生の安定も、国民の思想の悪化して行くことも、すべてこうしたことに無関心でおられる私は政治の貧困であると思うのでございます。どうぞ諸先生方の強い御支援によりまして、この点・是非とも自治庁長官から地方庁に対して御手配頂きますように御高配をお願いいたしたいのでございます。即ちそうすることによつて、又地方交付金のいろいろ絡み合いがあるような結果となるのでございまして、私どもは東京都に対して噛みつくように実は喧嘩をしております。東京都の細田局長さんは大変私どもを優しくおつしやつて頂きましたが、私たちの気持は、細田局長と組み付いて、いわゆるどつちか結論をつけたいほど腹が立つておるのであります。併しこれは一面、私は自治庁の方々に会うてお話を伺うときには、現在でさえも中央集権だといつて地方の公共団体が我々に理窟を言うて来ておるのであるけれども、これはそうではなく、あくまでも地方の独立性であつて、地方の実情を、我々がどうせい、こうせいと言うて行かれないのだと言いながら、平衡交付金に絡みつけておるということは、決して地方の独立性を認めておることではなくいたしまして、いろんな網によつて中央集権的に地方の行政を私は縛つておるいうことが言えるのではないかと思うのであります。でありまするから、自治庁からの御命令でこうした零細企業者に対する取計らいに対して御注意を出して頂くならば、決して私は地方公共団体はこれに対して、中央集権のそしりをして来るなどということは断じてないと信ずるのでございます。
 以上、大体におきまして、この事業が如何に不公平であり、そして小さい業者を如何に苦しめている税金であり、且つ又漸く生きておるような、国税が免税になつておるような生きるための業者に強くかかつておるという実情を申上げた次第でございまして、是非ともこの点についてお計らいを願いたいと思うのであります。
 なお東京都の実例に対しまして申上げる点がありますが、もう一点、私は東京都の立場にもからむ問題でありますのでお聞きをお願いいたしたいことは、事業税の個人と法人は違うということは先ほども申上げた通りでありまするが、それでは個人に差別待遇がないかどうか。法人と個人は違うということは一応わかりまするが、それならば個人は一本でなければならんと思うのであります。ところが個人の事業税に大きな違いがあるのであります。それはどういうことでありますかというと、御承知の通り国税には青色申告制度がございます「地方税にはないわけであります。青色申告業者というのは、現在、所得税におきましては経費として専従者控除、いわゆる自家労賃控除というものを六万円認められておるわけであります。従つて国税の決定に当りましては、この六万円は当然経費として落ちたものが総所得金額として計上されておるのであります。東京都は、事業税を課する場合において、この国税を丸写しにすることによつて、いわゆる青色申告者の総所得額と一般白色申告の総所得額の中には、今申上げたような差があるにかかわらず、これを機械的に写して来て、そしてこの機械的に写したもの最中から五万円引くだけに一二%をかけているという実情、それは決して公平だと私は言えないと思うのであります。若し地方税に青色申告制度があるならば別として、ないならば、青色申告業者には六万円を加えて、仮に写して来たものがいいというならば六万円を加えて、更に五万円を引いて課税をしたのであるならば、これは公平だと言えるのであります。これは如何に細田局長が私どもは法律を守つて正しくやつておられると言つておつても、今申上げたような青色申告業者に対する計算上の操作というものは何にもやつていない、丸写しに課税しておるという事実は、これは如何に答弁せられても、これはどうすることもできない事実だと私は思うのであります。かような次第でありまして、事業税は、法人個人の違いのほかに、個人の場合にをいてもこうした違いが実在しておるのであります。かようにいろいろと論じて参りますると、全く事業税の東京都で行なつておること及び地方の公共団体が行なつておる事業税課税の方法というのは、ただ理窟攻めだけにするのでありまして、我々業者の立場などはちつとも考えてくれない。過去における私は悪代官よりも以上の悪いやり方だと思つておるのでございます。又その実例といたしましては、先般、二十八年度の事業税の問題に対しまして、国税丸写しは非常に私どもはその税金を認めるわけに行かん、或る意味においては国税丸写しはこれは税法上の違反であるとさえ私どもは判断するのでございまして、これらの点を中心といたしまして、そして自分の所得はこの程度であるということを主張する意味におきまして、異議の申立書を出しましたわけでございます。この数は三万余通に及んでおるのであります。ところが、これを一片の調査も、或いは又補正もいたしませんで、約十日ばかり経ちまして一括これを棄却処分にして来られておるのでございます。私どもは、せめてそれに対して相談でもしてくれるとか、或いは君の計算の根拠を示せとか、一片の親切がございましたとするならば、これらの問題についても幾らでも話合う点があると思うのでありまするが、冷酷無慈悲な東京都の主税局の御当局は、これを全く一括棄却しておるような実状でございます。で、その後、私どもはいろいろと手を尽し、或いは言葉を低くいたしていろいろとお話を申上げておるのでございまするが、更に反省する点がなくして、十二月を控えまして、業者が、いわゆる零細企業者が年末の金融金繰りに苦しんでおるところを強行徴収に及んでおるような次第でございまして、洩れ承わるところによりますると、主税局の首脳部から、各都税事務所に対しては、強く強行徴収の指令が出ておるとさえ噂が飛んでおるのであります。私ども全国事業税対策協議会の者といたしましては、この零細な気の毒ないわゆる中小商工業者の商権を守るためには、訴訟の一手しかもう残されていないのであります。私ども減額申請の手続も今さしております。併し強行徴収が年末を控えて更に強くなついて来ることを予想いたしますれば、中小商工業者の商権を守り、自分の生活を守るために最後に打つべき手は、行政訴訟以外にないのであります。今日の私はこの参考人としてお訴えをいたした明日からの運動は、東京都を相手にしたいわゆる行政訴訟によつて、この哀れな、気の毒な中小商工業者の商権を守るための運動に専心せんければならんような実は実情になつておるのでございます。どうか賢明なる地方行政委員の諸先生方に、本当に業者になつた立場にお立ち頂きまして、この委員会の決議によつて、自治庁から地方公共団体に対しまして、この事業税の、殊に個人事業税の零細なる者に対する手の打ち方に対する力強い御指令を出して頂くよう御決定をお願いいたしたいと思うのであります。まだ東京都のやり方に対しての大きないわゆる不公平なやり方、それからの点は幾つもございまするが、私だけが喋つていけないと思いまするので、以上総論的なことと、一部東京都のやり方に対して非常な不満のあることと、東京都自体が不公平な取扱いをしておるという点をお訴え申上げ、そして最後に商権を守るのが行政訴訟以外にないというところまで追込まれておる、この暮迫つた現状をお訴えいたしまして、もう一刻も速かにこの委員会の御決定によつて、自治庁から地方知事に対しまして強い御指令の出るようにお取計いをお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
#6
○委員長(内村清次君) そこで参考人にちよつとお尋ねいたしますが、先ほど参考人の言葉の中にもありましたが、現実、東京都が、これは全国的な要素もあるようでございまして、この個人関係の事業税に対しての収入総額、この変更と申しますか或いは調査と申しますか、そういうような申告がなされておる。それを一括して棄却したというようなことは、これはどういうことでしようかね。それと、又その件数がどれくらい一体あるか。その件数関係について、両参考人から一つ聞かせてもらいたいと思います。
#7
○参考人(細田義安君) 私、その前に、一部誤解が、これは東京都のみならず全国のためにもあるようでありまするので、御参考に申上げたいと思うのであります。税法は五万円は基礎控除でやるということに先年改正になりまして、これは当然法律上さようなことに相成るわけであります。それからあとは所得を税務署のものを丸写しにしましてやるということでありまするが、残つた所得というものは、現行の地方税法並びに所得税法を見ましてもおおむね同様でありまして、課税標準でありまするところの所得額というものは、外形標準のような特殊の状態を除きましては同様なものが出ておるわけであります。従いましてこれを課税標準にした場合におきましては、もはや当然に、その必要経費はその中において控除をなされておるということでありまして、これになお更の控除を加えるということは、今の税法ではないわけであります。基本的には、私どもは、従来から全国の総務部長会議等におきましても免税点を引上げてもらいたいということを要望しておりまして、従来の三万八千円が五万円になり、又各種の調査会等におけるところの答申案を見ますると、八万円にしよう、或いは十万円にしようというような御意見が出ておるようであります。これは事業税の徴収の場合が先ほども申されたような非常に悪いということには、困難な方々が相当あるというような点から、当然の考え方と思うのでありまするが、私ども必要経費の算定につきましてはさような見解で処理をしておるわけであります。
 それから青色申告の問題が出ましたが、これは国でも手数をかけないで、自治的に、申告が更正決定なしに双方も笑つて協力をいたしまして仕事を進めて参るというような要望がありまして、これをやはり地方団体においても、東京都のみならず一般にこれを尊重するという建前で、行政の処理がなされております。これは私ども一存の関係ではございません。
 その他の点につきましていろいろお話がございました。併しそれは立法上お考えを願5というような御議論或いは御意見が多かつたようでありまして、この点は私としては特別に述べる必要はないかと存じまするが、次の委員長のお尋ねの異議申立の件であります。この異議申立も、やはり一括いたしまして例文で細かな計算について何の所得に異議があるということを出しておりません。そのような関係から、一括されて異議の申立は実質的の内容を明らかにいたしまして、この点に異議があるというものでなければならん、かように考えておりまするので、只今国井さんが申述べたような処置になつたようなわけであります。
#8
○委員長(内村清次君) そうすると、その点は、各人の事業者から全体に一括してあなたのほうに異議申立をやつてあるのですか。個人としてじやないのですか。
#9
○参考人(細田義安君) 私どもこういうことを申上げていいかどうか、国井さんはそれとは御関係がないようでありますが、毎年度民主商工会が音頭をとりまして大変な数のものを窓口に令書を戻したこともあります。そういうようなこともありまして、東京都は、国税から地方税に税が移管されまして数年になりまするが、毎年まあこういうことでありまして、何らか摩擦を起さずに親切なやり方で行きたいということでありまするが、なかなか税法をそう曲げてやるということは我々としてはできませんので、いつも国との会議等におきましては、基礎控除の引上げというような方法において零細な低額の納税義務者の課税が低くなるように或いは免除になるようなことのみを要望して参つたわけでございます。丁寧に、それぞれの所得の算定が不服である、合理的でないと、さような申出がありますれば、これについてはそれぞれ調査をしておるわけでありますが、一括して同じような手ですべて判だけもらつてやるということでありますれば、これはなかなか合理性があるということに我々が認める段階に行つておりませんので、以上……。
#10
○委員長(内村清次君) その点はどうです、国井さん。一般の事業税を納める人の状態はどうですか。今の問題一括してですか。すべて一括した自分の事業の所得はこれは少しおかしいじやないか、変更してもらいたいと、こういうような個人異議申立というわけではないのですか。
#11
○参考人(国井秀作君) 只今局長さんは、この異議申立が殆んど同一な形で、曽つての民主商工会のやる方法と同じような方法で出て来ておるということを仰せられたのですが、それは似ております。似ておりまするけれども、ちやんと私のところの所得はこの程度であるということを書いてあります。従つて三万人以上の異議申立が同一の金額であるなぞということは絶対にありません。皆それぞれの立場において金額が記入されております。でありますから、局長さんの御意見には私ども承服できないわけでございます。更に青色申告の業者がいわゆる更正決定のないような中において、国税で認められておるのであるから、その分に対しては徴税しないということは、これは東京都の取扱いでなく、何かお話の筋合いでは自治庁あたりのお指図かも知れませんけれども、それでは私は法律を曲げておることだと思うのです。個人と法人の違いが違うという点だけであるならば、これは又一応問題を別といたしまして、個人であつた場合には同じでなければならんわけです。国税には青色申告制度はありますけれども、地方税にはないのですから、そうであつたならば、いわゆる国税では青色申告業者であつたとしても、事業税になるときは同じに書かなければならんと思う。これを何か申合せか何かによつてそれは認めることになつておるというような、そういう考え方が私は法律を歪めることになると思う。私どもも法律家でありませんけれども、そんなことで国民の零細な、今言うような一番困つておる扶養家族の多い或いはようやく生きておる業者にかかつておる事業税の公平という点は図れないと思います。この点もう一点申上げておきます。
 それから昨年まで活動された民主商工会の問題でありますが、私どもが今度の異議申立を三万四千通に近いものを東京都に出したという戦術は、昨年民主商工会のやつたものを真似するということは、私どもも東京都の中小商工業者の立場から申しますれば、当然なことだと思う。それが左翼の思想だとか、赤の思想であるというような一つの感情問題でこれを棄却するとするならば、これは間違つておると思うのです。現実に東京都は昨年民主商工会に負けておるのです。それは訴訟もまだ起きております。併し棄却決定の取消訴訟においては、東京都は取下げを条件といたしましてすでに四百数十人の人々を再調査されて、そして三割から五割まで事業税を下げておるのです。そういうことが実績として昨年あつたのですから、今度は三万数千人の人が同じ戦法で行こうじやないかと言つて奮い立つていることは、私は当然だと思うのでございます。こういう点、非常に私は民主商工会を私どもはどうこう考えるわけじやないのですけれども、私どもは民主商工会の戦術を学んだという点については当然でないかと思うのであります。さよう申上げます。
#12
○参考人(細田義安君) ちよつと補足的に申上げますが、専従者控除は二十八年度の改正によつて認められるように法制上なりました。
#13
○堀末治君 細田局長にお尋ねしますが、昨日も痛烈に言われたのです。今も私どもは、法人であろうが個人であろうが、必ず総所得金額から必要経費を全部引いたいわゆる純利益に税金が課せられていると私は信じている。ところが昨日おいでになつた方は、実際そんなことはないと言うのです。それで私どもも非常に疑問を持つた。個人と法人との間に課税の標準において差があつたかと疑問に思つたのです。今もわざわざ調べてみると、何も別に差等がないのです。それを昨日痛切に言われたから。あなた方は大体青色申告をしておらないのじやないか、青色申告をしておればそういう問題も起らないと思うのですけれども、えてして中小企業の方々は、国家が非常に恩恵を与えた青色申告を勧めておるにもかかわらずおやりにならないで、そうして明瞭な基礎を持たないで、かけ方が多いということには、私は賛成できないと言うて、昨日もこの陳情に対しては、どちらかというと反対して私は言うたのです。ところがその人々は、そうでない、実際において総収入金額にかけるという、今あなたのお話に盛んに出て来るこういう点は、どうも私、納得行かないのですが、どうですか。
#14
○参考人(細田義安君) 先ほど申述べた通りでありまして、この点は御監査を頂戴いたしますればわかりますが、全国で税法上かくべからざる税金をかけておるなどという地方団体はないと思うのです。所得額というものから必要経費を引きまして残つたものが課税標準になる。ですから必要経費を引くということは、国税の場合において一回やられるだけです。必要経費の引かれた所得額をいま一回つかまえて、これから必要経費を引くということにはならんわけでありまして、必要経費なるものは一回差引けば税法上はそれでよろしいわけであります。
#15
○伊能芳雄君 国井君に、今の青色申告のお話ですが、つまり国税の場合も青色申告が当然認められておるから、それによつて非常に有利になつておるのですが、事業税にそれを使われると、今度は青色申告を出した人が不利だというのですか。それを使えれば…
#16
○参考人(国井秀作君) 違います。私の申上げていることは、青色申告というものは地方税ではないのです。これはもう国税だけでございます。そうすると、国税が青色申告制度によつていわゆる専従者控除というものを年間六万円見ておるわけです。これは経費で当然落せるわけです。落したものに今度は税法上のいろいろの計算をするわけです。ところが白色申告者にはその控除がありませんから、いわゆる六万円の差があるわけです。同じ場合で……。そうなると、国税は青色申告制度があるのですから六万円の差があつてもいいけれども、地方税には青色申告制度がないのでありますから、地方税になつたらやはり同じでなければならんわけです。法人と個人の問題は別としまして、一応個人と同じにしなければならん。ところが、先ほど局長さんのお話では、青色申告者は何か税務署に手数をかけていない立場になつておるのだから、この人たちは、やはりそのままで行こうというような申合せか何か知らんが、そういう取扱いに現在はなつておつて差支えないのだ、こうおつしやつた。それでは、要するに法律の法文を弄ぶものだと私は思う。飽くまでもやはりそのときに、地方税になつたときに、ちやんと高さを揃えた中で私は課税すべきものだと思う。従つてこれは不公平な課税だと、こういうふうに私は申上げるのであります。
#17
○参考人(細田義安君) 私はここで討論をいたしたいとは考えておらんのでありますが、いい加減のことをやつておるように思われてはなんですから、私も商売でございますから、細かにお答え申上げます。昭和二十八年から、地方税法の施行の政令でございますが、これの第二十三条の二によりまして、青色申告者に限り五万円以下の家族の専従者の給与を必要経費として見るということになつておるのであります。
#18
○堀末治君 国井さんのほうのさつきの御説明だと、実際総収入金額に、必要経費を引かないで頭からかけておるということが、あなたの公述の中にあつたのすでが、実際そうですが。
#19
○参考人(国井秀作君) そうです。
#20
○堀末治君 どうも二人の言つておることはまるつきり違う。そんなことがあるはずがないと思つて、私、わざわざ税法を出して見ると、やはり必要経費を引かなければならんとあります。それを国井さんのほうは引いてないというので、そこのところが甚だわからなくなる。
#21
○伊能芳雄君 それが実際だというなら行政訴訟で当然勝ちますよ。そんな馬鹿のことはないと思うが、そんなことを全国的にやつておつたら問題になりますよ。陳情の時にだけそう言われるのでは困るが。
#22
○堀末治君 局長さんにお尋ねしますが、そうしますと、青色申告と同じような取扱いをしておるのですか。
#23
○参考人(細田義安君) 政令によつて控除することになつております。税法を受けてやつておるわけです。
#24
○堀末治君 青色申告者はそれだけ優遇されておるのですか。
#25
○参考人(細田義安君) 事業税のほうでも青色申告をしておる者には同じ取扱をやつておる。それから申告していない者はやはり国税と同じ取扱をしておる。こういうことです。
#26
○若木勝藏君 今の青色申告のことについてはあとで又論議がありましようけれども、これはよく調査すればわかると思います。私は主税局長さんにお伺いしますが、先ほどのあなたの公述の中から私は十分聞き取れなかつたのでありますが、実際において、東京都においては、今、国井さんのお話ですと、非常に零細業者が困つておる。そういうことから納税の成績はどういうふうになつておりますか伺います。
#27
○参考人(細田義安君) お答えいたしますが、現在一期分というのは、数カ月を経過しておりますが、三八%ぐらいです。納期内には大体一割から一割二分ぐらいというのが平均の数字でございます。
#28
○若木勝藏君 そうすると、今のところ三八%納まつておるということになつておるのですか。これには相当私は、徴税の方法で、あなたは先ほど商売だというお話もありましたが、そういう方面では相当強く、強制的とは言いませんけれども、相当強くこれは徴税については考えられている点もあるのではないかと思うのです。今後この年度が終るまでの間に納税の成績がどういうふうになるか、予想通りに来るか来ないか。
#29
○参考人(細田義安君) 大体私どもは、国の財政計画にもございまするが、地方団体の基準財政収入八〇%に漕ぎつけたいと思うのですが、なかなか八〇%などということは従来も行つておらんわけでございます。まあ七五%行くならば、双方がよく協力してもらいまして、行つたというふうに現在は考えております。
#30
○伊能芳雄君 そうすると、事業税は、二十七年度分は予算に対して出納閉鎖期の五月までに何パーセント納まりましたか。
#31
○参考人(細田義安君) 大体予算面に現われておるのは事業税一本でありまして、これは法人と個人とを包括して決算に出ておりますが、法人の前年度の事業税は九四%でございます。個人は六八%ぐらいであります。これは議会の決算委員会で説明した通りであります。
#32
○堀末治君 なおお尋ねしますが、その個人の中で青色申告をしておる人は成績がいいですか。青色申告をしない人のほうが成績がいいですか。
#33
○参考人(細田義安君) それは青色申告者は、おおむね青色申告会を作ると同時に、約二千の納税組合がございますが、納税組合を作りましてやつておるような姿でございまして、ほかのよりは比較的良好でございます。
#34
○若木勝藏君 政府は今年度における自然増収というものに相当の期待をかけておるが、今あなたのお話を聞くというと、これは東京都ばかりでなしに全国的に期待はかけられませんね。その点はどうですか。東京都から見通しまして……。
#35
○参考人(細田義安君) 昨年は四百十三億というものが収入になつたわけでございます。今年度は只今のところ四百三億余りを、予算に、これは滞納を入れまして計上しておるわけでございます。そこで現在年末に際しまして、いろいろの金も要るわけでございまするが、なぜ四百三億を当初において見通したかと申しますと、現実に入場税が半減いたしまして、これによつて二十億円ばかり減になつておる。景気の上昇はそう見られないということで、予算をさように組んだわけでございます。併し一方、大企業の好況もございままして、中小以下におきましては、例えば昨日も一昨日も参りましたが、江東の地区などでは、中小の法人は赤字申告をしたものが九月決算で四十社もあるということでございますが、他方、この大企業におきましては相当のものがございまして、是非とも昨年の程度四百十数億の増収を予算に見積つて参りたいと考えておるわけでございます。
#36
○委員長(内村清次君) それでは有難うございました。
 それでは奥野税務部長が見えておりますから、質疑がありましたらお願いします。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#37
○委員長(内村清次君) それでは速記を始めて下さい。
#38
○堀末治君 それでは奥野君にお尋ねいたしますが、東京都と一方の人とのお話を聞いていると、陳情なさるお方は、東京都は税法通り課税しないで、総収入金額に課す。こう言つている。こういう乱暴なことはないということを、縷々昨日も、私、大分痛切に聞かされた。今日も又言われた通り又速記録に残るように、そうはつきり国井さんもおつしやつた。ところが、一方はそんなことは絶対にないと言う。自治庁はどつちが正しいと御覧になつていますか。
#39
○説明員(奧野誠亮君) 法律的に詳しいかたがおつしやるのか詳しくないかたがおつしやるのかということで、余り詳しくないかたがおつしやいます場合は、必ずしも言葉を正確にお用いにならないのではないか、こういうふうに思うのでございます。素人に、総収入金額だ、所得金額だと言いましたところで、それほどよくわからないのじやないかと思います。併し物品販売業をやつておられますかたの所得額を単純に売上金額だと言いました場合に、売上代価がいわゆる総収入金額であります。この総収入金額を課税標準にしているとは恐らく誰もおつしやらないだろうと思うのであります。売上金額から仕入代価を差引いたもの、これは収入金額ではございませんで、所得額という表現になつて来るわけでございます。要するに、言葉を正確に理解しているかどうかという違いじやないだろうかというふうに思つております。
#40
○堀末治君 今のあなたの言う売上金額から仕入れを引いたのを所得と見るのですか。そういう言葉で表現しますか。
#41
○説明員(奧野誠亮君) 売上金額が総収入金額に入りましようし、所得と言います場合に、仕入代価、それ以外に或いは家賃の支払額もごいましようし、或いは又運送費もございましようし、そういうような必要経費を控除した残りが所得額であるというふうに考えております。
#42
○堀末治君 それでお尋ねしたいのは、今さつきから両者が全然ないというのだが、そういうことについては自治庁は調査して見られたことがありますか。
#43
○説明員(奧野誠亮君) 先ほど国井さんが堀さんの御質問に対しまして、所得額じやなしに、総収入金額を課税標準にしているのだということを力説されておつたようであります。併しその総収入金額とおつしやつているのは、税法上の言う総収入金額ではなしに、国井さんとしてはもつと多くのものを必要経費に入れてもらいたいという希望的な考え方を入れてお話になつているのじやないかと思うのでございます。そういう意味において東京都が税法上の取扱を曲げているということは考えておりません。むしろ東京都に対しましては、もつと税法を厳正に執行してもらいたい。こういう希望を我々持つておりますし、世の中の批判はむしろそういう声のほうが強いのじやないかというふうに我々は考えているわけです。
#44
○堀末治君 そうしますと、東京都に対しましてはもう少し厳正に税法を施行せいということは、東京都の要するに税法上の施行のやり方はルーズだと言うのですか。
#45
○説明員(奧野誠亮君) 実は先日衆議院でも同じような会合がございまして、その席でも申上げたのでありますが、と言いますのは、東京都の課税が非常に苛酷であるというような参考人の方々の意見であります。併し私は、苛酷じやなしに、むしろ緩に過ぎるというふうな意見を今まで聞いて参りましたということを申上げたのであります。先ほど実は国井さんから話を伺つたのでありますが、今までは国の決定した所得額よりも若干東京都のほうは控除しておつた。今度は控除しなくなつた。これが怪しからん、こういうような意味のことをおつしやつておりまして、多少お考えになつている気持がわかつたのでありますが、そういう意味において税法の適正な運用ということを申上げているわけであります。
#46
○堀末治君 今、東京都のやつが少しルーズだ、緩漫だというようなことは、これはよく調査なさつた結果ですか。それとも陳情その他世論を聞いた点ですか。
#47
○説明員(奧野誠亮君) 私自身が調査したというわけではございませんが、いろいろな人たちの意見を総合して考えているわけでございます。
#48
○堀末治君 これはひとり東京都ばかりでなく、他のほうからもやはり同じような意見が出ておりますか。
#49
○説明員(奧野誠亮君) 地方団体、その他につきましてもいろいろ意見を聞いております。
#50
○堀末治君 その意見を聞いて、自治庁では調査はして見ませんか。
#51
○説明員(奧野誠亮君) これは、地方財政平衡交付金の基準財政収入額を算定いたしましたものと、それと決算額とを比較いたしましたら、或る程度の見当はつくのでございます。そういう意味の検討はいたしております。
#52
○堀末治君 税法の或いは取扱、課税の実態については、別に調査したことはございませんね。
#53
○説明員(奧野誠亮君) 今問題になつておりまする個人事業税のみを目途にした調査はやつておりません。
#54
○委員長(内村清次君) その点ですが、異議があつた場合のときに、やはり個人々々の異議というものは、これはやはり今の法規の下でも当然そういうような再調査もせなければならん。そういうふうな動きというものが再調査されて、そうして課税の変更がなされている、こういうような実績あたりは自治庁のほうで一回か見られたことはありますか。
#55
○説明員(奧野誠亮君) 異議の申立ての状況等は常に報告は徴しているわけでありますが、東京都が実際それを処理しました実態につきましては、未だ調査したことはございません。
#56
○若木勝藏君 奥野さんにちよつとお伺いしたいのですが、今の問題になつている必要経費ということですね。これは個人事業の場合、どういうふうなものが具体的に挙げたら入つておりますか。
#57
○説明員(奧野誠亮君) 所得税法の中に、事業所得につきましては、総収入金額から必要な経費を控除した額を所得額にすると書いてあります。この事業所得額が個人事業税の場合は課税標準になるわけでございまして、従いまして二十八年度分の個人事業税でございますと、二十七年度分の所得税を課税標準として決定された事業所得額、これを用いて行けばよろしいわけであります。同じ観念だと説明しておりますし、法律の規定も大体同じ規定になつております。
#58
○若木勝藏君 そうしますと、前年度の所得額というふうなものについては、その事業に専従するようなものについてのあれは控除されておるのですか。
#59
○説明員(奧野誠亮君) 事業所得につきまして家業専従者の控除を必要経費に算入いたしましたのは、昨年の所得税からでございます。昨年の所得額が今年の事業税の課税標準となるわけでございますので、今年の事業税からは、家業専従者につきまして所得税法に定めたところの金額を必要な経費として控除するというふうになつて来ております。
#60
○若木勝藏君 そうしますと、国税が免税になつている零細業者の場合はどういうふうになりますか。
#61
○説明員(奧野誠亮君) 御承知のように、所得税の場合には控除はしておりませんので、扶養控除でありますとか、医療控除でありますとか、いろいろな控除がございます。御承知のように所得税は人税なんだから、それで、あらゆる人的な事情というものを考慮して課税標準を決定するということになつているのであります。事業税は物税として取扱いを受けているものでございますから、固定資産税にいたしましても、事業税にいたしましても、どれだけ家族がいるとか、或いは固定資産税の場合につきましては、殊に借金の利子ということを一切考慮しないで、そのものに着目して課税するというふうな形になつておりますので、多少その点だけは食い違つて来ると思います。ただ必要な経費には何も変りはないようでございまして、所得税の場合に必要な経費にプラス・アルフアがあるわけであります。要するに人的な事情を考慮するわけであります。そのことは事業税については考慮しない、こういうような食い違いだけはございます。
#62
○若木勝藏君 国井参考人の公述を聞きますというと、何しろ同じ収入のあるような場合でも、個人事業の場合は四倍・二分以上多くかけられておる、こういうような点があるのですが、そういう点から考えますと自治庁としては、いわゆる個人事業に対してもつと課税額を少くするとか、そういうふうな御意向がありますか。そういう点で実情から見てそうしなければならないというふうな御方針がありますかどうか。
#63
○説明員(奧野誠亮君) 現在のような、個人事業者がどんどん法人に変つて行く、法人並みにして行く、而もその法人の所得というものを帳簿だけで的確に把握できるかというと、かなり困難な面が商法についてある。一体、法律上、個人だ、法人だということが正確に区分されるのだけれども、実態は必ずしもうまく行つてない。こういところにこの法人並みの傾向をどう考えたらいいかというふうな大きな問題があろうかと思うのでございます。個人と法人とやはり建前が違う現在の法制がそうなつておるわけでございますし、従いまして、税務の上におきましても、法人であれば事業者に給与を支払う。これはみんな必要な経費になつておりますが、ところが支払を受けました人間に対しましては、所得税が課されて参ります。これに反しまして、個人の場合には、家業専従者に支払いました給与でありましても、これは、控除いたしません。控除いたしませんが、昨年から初めて或る程度の金額を必要な経費に算入するようになつて参りました。これは必要な経費として控除されるのでございます。控除された額に対しましては、別段所得税は課されて参りません。そういう食い違いがございます。又、個人でありましたら、その所得をどう使おうと勝手でございますけれども、法人でありました場合には、その所得を更に配当する、いろいろな場合に処分して行きますと、その法人から配当を受けた人たちが又所得税を課されて来るということになるわけでございます。こういうふうに法制上は非常な違いがあるのであります。違いがあるのでありますが、現実にはそれで割り切れないような問題も多かろうと思うのでございます。元来、法人の所得につきましては、帳簿を建前に決定して行く。ところが帳簿というものは必ずしも正確でない。そうかといつて、いい加減な更正決定もできない。非常にむずかしい問題があろうかと思うのでございます。併し私は、やはりどちらかと言いますと、個人事業税の負担はかなり重いものだと思つております。できる限り、他の如何なる税目よりも、個人事業税というものを優先的に軽減して行きたい。こういう気持を持つておるのでございます。それじやどういうような形において軽減して行くかと言いますと、先ほど来、問題になつておりますような、家業専従者一人について幾らを控除するか、このような枠を拡げられれば、私は一番適当なことだと思うのでございます。どこまで拡げることが適当であるか、現在のままでいいのだという意見もあろうかと思います。併しとにかくこれが一つの研究問題だと思うのでございます。併しこれは所得税法が基礎になつておるのでございますから、そちらにおいて最もよく検討して行かなければならないことだろうと思います。
 第二には、更に個人事業税の課税標準につきましては、所得額から一定の金額を基礎控除しております。この基礎控除を或る程度もつと引上げられないかという問題があろうかと思います。
 第三には、法人と個人との間に税率区分ができないだろうかという問題もあろうかと思います。こういうことも一つの研究問題と思います。ただ何分いろいろな財政需要があるからいろいろな税金を徴収しておるのでございますけれども、財政需要との問題とも絡み合つて考えなければなりませんけれども、他の如何なる税目よりも、個人事業税の負担の軽減に努力して行くべきであろうという考え方もございます。
#64
○若木勝藏君 今のあなたの御答弁で、私は個人事業税の軽減ということに対して、自治庁は相当これに対して研究考慮されてあるということがわかりました。あなたのおつしやる通り、私はそういう方面は素人ですけれども、大分個人事業税の税金が苦しいので、名ばかりの法人に変つて行くというようなことが非常に多く行われておるということを聞いておる。そういうふうなことを、あなたの今の御客口弁の中には十分考慮されておるように思います。そういう点からいろいろ研究されるというふうなことは、非常に私はいいと思う。先ほどいろいろ論議がありましたけれども、結局のところは、個人事業税が過重であるというところから問題が生じて来ておると思う。そういう点について十分一つ今後検討してもらいたい。
#65
○委員長(内村清次君) それではこの問題は又あとで取上げることにいたしまして、財政計画の問題を議題に供します。
#66
○若木勝藏君 私、地方財政の修正計画について、先般来いろいろ質問をしておつたのでありますが、継続して申上げたいと思います。そこで私は資料を求めておつたのであります。これは私の求めた資料に該当するものですか。自治庁からこういうのが出されたが、次長さんどうですか。
#67
○政府委員(鈴木俊一君) いや、それはそういう意味ではございません。
#68
○若木勝藏君 そうすると、私の要求した資料というふうなものはまだ出ておりませんか。これはこの間も自治庁からいろいろ伺つたけれども、なかなか複雑なものですから、それで数字を挙げたものによつて説明してもらわなければよくわからないのです。そこでその資料を要求したのでありますけれども、まあその一つとしては、先ず私の聞きたかつた点は、ベース改訂によつて単位費用がどういうふうに、何パーセント上つて来るものか、そういうふうな点が一つと、それから、それに対する財源措置していろいろ御説明があつたけれども、これは非常に大まかな説明で、詳細な説明を聞きたい。こういう点なのであります。例えば先般平衡交付金として七十六億、自然増収として二十一億、こういうふうな話がありましたけれども、その七十六億がどういうふうな算定の基礎からできておるか。それから同時に七十六億のうちで何億が一体ベース改訂のほうに廻り、それはどういう算定から廻るというような結果が出て来るか。それから期末手当のほうにどういいうふうに廻つて行くのか。そういうふうなことについて詳細に一つ説明を伺いたい。これが一つなのであます。
 それからもう一つの問題は、二十一億の自然増収、これに対して一体、災害などが非常に多いのにそういうことができるのかどうかという問題、今も事業税の方面参考人からいろいろなお話を聞きましたが、そういふうな方面の見通しもこれはなかなか困難である、こういうふうに考えられるのであります。
 そこで、そういう点について、もつと私は数字の上から自治庁の詳しい説明を伺いたい。こう考えております。
#69
○政府委員(鈴木俊一君) 先般御要求のございました資料でございますが、単位費用の改訂要領と申しますものは、これは御配付申上げたと思いますが行つておりますか。
#70
○若木勝藏君 それはわかります。
#71
○政府委員(鈴木俊一君) この単位費用の改訂要領は、あの財政計画に基きましてそれぞれの単位費用がどういうふうに廻るかということを抜き出しました基礎のものでございます。従つて配分の問題でございますが、財政計画としてどれだけ地方に所要の財源が要るかということの算定につきましては、これも先般資料を、「給与改訂に関する地方財源の措置状況」という一枚の紙のものを差上げてありはしないかと思いますが、これは参つておりませんか。
#72
○若木勝藏君 来ておりませんね、それが必要なんです
#73
○政府委員(鈴木俊一君) それは大変恐縮でございます。これは早速配付するようにいたします。
#74
○若木勝藏君 それがあれば七十六億のあれもはつきりして来るだろうと思う。
#75
○政府委員(鈴木俊一君) 今連絡にやつておりますから、すぐ配付いたします。
#76
○若木勝藏君 それでは二十一億の税収入、これの内訳、この説明を伺いたい。
#77
○政府委員(鈴木俊一君) これにつきましてのこれは財政計画の一番終りの表に税収の状況を書いたものがあると存じますが……。
#78
○若木勝藏君 各県別のはないから、ちよつとこれでは抽象的でわからん。
#79
○政府委員(鈴木俊一君) 県別の資料は目下それぞれ資料を整理いたしまして、計数の整理算定中でございまして、今国会にはその点は間に合いかねると思つております。
#80
○若木勝藏君 各県がどうだということでなしに、二十一億の見込みを立てるにはそれぞれの基礎があるだろうと思う。そこを伺いたい。
#81
○政府委員(鈴木俊一君) その点につきましては、二十八年度地方税補正後収入見込額調というのがございますが、これもそれぞれ先般説明申上げたと思うのでございますが、個人事業税のごときものは幾ら減る。これは減額を立てておりますが、法人事業税は幾ら殖えるというようなこともそれぞれ最近の記録が出ておりますが、これは、二十一億というのは五十四億の税の増収の中の一部であります。その五十四億はどういうふうに殖えるかということは、これも別に表がございますので、それによつて御承知願いたいと思います。
#82
○若木勝藏君 今日の本会議における塚田長官の答弁は、私、どうもはつきりしなかつた。これは災害のために減免されておる地方税を、そういうふうなものはこれは別として、自然増収のほうのは別個に考えられると、こういうふうな答弁であつたようでありますが、これは一体そういうことがあり得るのですか。災害において減免の措置をされておつて、それで自然増収が更に二十一億見込まれるというようなことが、ちよつと我々には腑に落ちないところがあるのだが、その点を伺いたい。
#83
○説明員(後藤博君) 先般の第一次補正予算では災害関係だけの措置がなされておりまするので、その措置は税の増収の面は立てなかつたのであります。災害の措置だけを別途に起債及び特別交付金で処理すると、こういうことを申上げたのでありまして、そのために新しい財政計画におきましては、応税の増収を立てておりますが、別途災害による地方税の減免徴収額との引算をしております。従つて全体としては、五十四億の増収はあるが、別に災害による三十五億の減がある。これを別立てにしないで差引いたらどうするかという御意見もあるのでありますが、税の増収のある団体と税の減免のある団体と違つております。従つて別立てにしたほうがいいのではないか。別立てにして、税の減収の場合にだけは切離して別途に措置を講じたほうが、地方団体のためにいいんではないかと、こういう意味で別にしておるのであります。当初計画よりも差引いた額十九億だけが増収になる、こういうことであります。
#84
○若木勝藏君 差引いてそれだけの増収になるというわけですね。二十一億の、そういうことになりますね。その内訳を聞かなければ僕らは納得が行かない。増収の内訳を聞かなければ……
#85
○政府委員(鈴木俊一君) 税の関係でございますが、今回の地方財政計画全体の財源措置としまして、税収としましては五十四億七千万円という増収を見ておるわけであります。それを給与関係だけに切離して給与の財源措置はどうなるかということを便宜算定をして見ますと、只今お手許に配付いたしました給与改訂に関する地方財源措置状況ということになるのであります。二十一億というのは、従つて五十四億という自然増収で今回は財源に見ておるものの一部であります。今の災害の税の減免額というのは、これは三十五億を予定いたしておりますが、五十四億と三十五億の差額が本年度当初の地方税収入の計画に対する別途の増になつたわけです。それだけは全体の税収計画が当初計画より殖えて参るということであります。併し増収については増収についてのそれぞれの事由について見ております。減収は減収として災害減収を主として見込んでおるわけであります。従つて給与の関係だけについて申上げますると、二十一億というものは、そういう五十四億の増収の中の一部分が、やはり給与関係の所要経費を賄うとすればこれだけは廻つて来るであろう。廻つて来なければ辻褄が合わないこういうことであります。要するにこの程度のものは給与財源として地方税に見る、こういうのが二十一億であります。それがよろしうございますか。
#86
○若木勝藏君 廻つて来なければならないというふうなことは、廻つて来るのですか。そこなんです。
#87
○政府委員(鈴木俊一君) この点もこの前申上げましたように、地方の新規財政需要というものは先ず税を以て支弁をする、これは地方自治の建前から当然であるわけでありますが、地方財政平衡交付金制度といたしましても、これは基準財政、収入即ち税の収入というものを基準財政需要を賄う経費として第一次的に立てるわけであります。その収入と需要との差額を交付金として補填をする、こういうことでございますから、給与の問題として考えた場合に、税がどれだけ廻つて来るかということが、これが当然第一次的に出て来なければならんわけでございまして、それに対して足らん部分を平衡交付金で補填をするというような恰好になるわけでございます。
#88
○若木勝藏君 今日の矢嶋君の緊急質問から考えてみますと、この減免措置などをするようなところの地域指定は、二月頃でなければできんというような長官の答弁から聞いてみましても、その間ずつと減収が続いておるわけなんです。そういうふうになつて参りますと、どうですか。地方公務員の期末手当はこの年度内に渡りますか。
#89
○説明員(後藤博君) 年末の資金繰りにつきましては別途起債の前借りの方法もございまするし、そのほうの手当もいたしてございます。それから交付金もできるだけ年内に渡したいと思いまして、国会が済みますれば直ぐに地方庁に計算させまして、年内にできれば交付いたしたい、かように考えております。
#90
○若木勝藏君 そうしますと、あなたの答弁では、資金繰りによつて確実に渡る、こういうふうに受け取られるのですが、それでようございますか。
#91
○説明員(後藤博君) 毎年、年末になりますると、金の手当に困つておる団体もございます。余裕のある団体も勿論ございます。併し全体として今年は困るであろうということで、先般総務部長会議を開きました際に、一般公共事業の起債の二百九十五億のうち二百億、それから過年度災害の分の起債の分百億、合せて三百億だけの起債の前借りを大蔵省に話をいたしまして、起債の前借りが年内にできるように話がついております。従つて各地方団体としてはそれぞれ金の手当をしておるわけであります。別に建設省その他の公共事業の補助金も概算払が行われますので、それらで以て年末の資金繰りができるのではないか、かように私ども石えております。
#92
○若木勝藏君 もう一点伺いますが、まあ自治庁の長官としても、予算委員会においてもそう答えたそうですが、若し二十一億の増収見込みが食い違いがあつたような場合には、それに対して財源の措置をする、何とか考えるというような答弁をしたそうですが、これはどうですか。次長さんに伺いますが。
#93
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、大臣の答弁されました趣旨は、恐らく先般も申上げましたように、税の増収を一方において見込んでおります。出し災害団体等においては税の減免等が行われるわけでございますし、どの程度の減免が行われるかということは、客観的資料によつてこれは測定をいたします。そういうことによつて生じた税の減免というものを補填いたしますのは、例年ならば特別平衡交付金だけでございますが、本年は別に、例の災害の関係で地方起債の特例法があり、これは税の減免も補填することに使い得るようになつておるわけでございまして、さような起債は大体五十億予定いたしておりますし、又特別平衡交付今も、昨年の千四百五十億の際におきまして、十八億程度の災害関係の財政需要或いは財政収入の減というようなものに充てておりますので、本年は平衝交付金の総額は千三百七十六億ですから、それよりは少くはございますけれども、少くとも昨年度程度のものは出したい。できれば三十億程度くらいまでその線も努力して行きたい。そういたしますると、そういうようなもので或る程度カバーできるというふうに私ども見通しをつけておるのであります。長官の申されました意味も、恐らくはさような意味において、税の減というふうなものも調整できるというふうに言われたのではないかと考えております。
#94
○若木勝藏君 更にまあこれは先般もその点を申上げたのでありますが、地方の知事あたりは、財政の関係で到底出されん、地方の年末手当は、特に出されんという理由に、三百億の赤字が出ておるのじやないか。この赤字を何とか政府で以てしてくれなければ出されん。こういうふうなことを口実にして、期末手当をふいにしてしまうような場合があり得るのじやないかと思うが、この点、自治庁次長さん、どういうふうに考えられますか。
#95
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、私ども、昨年の、いわゆる俗称〇・二五の増額と申しておりました給与改善の措置と、本年の期末手当の増額とは全く性格を異にしておると思うのであります。昨年は何らそれがための法的な改正措置は行われなかつたのであります。ただ事実上、国家公務員については、恐らく〇・二五くらいの超勤の繰上支給といつたような形で、期末手当の実質的な改善が行われるであろう、若しそういうことであるならば地方公務員に対しても何ら差別のないように処置しなければならない、こういうことになつておつたわけでございます。その財源措置としては、国が既定予算の流用等によつてやると、こういうことで、何ら特別の予算措置がなかつたわけでございます。地方については、国がやるためにやはりそういうようなことをやらなきやならん結果になるから、やはり財源措置をすべきであるというようなことであつたのでありますけれども、何分、ことは法律の改正等によるものでなくて、実際の運用上、国家公務員についてそういうことが行われるだろうということを予想してやつたことでございますから、従つて財源措置といたしましても、いわば変態的な間接的な財源措置に過ぎなかつたわけであります。結局、年度末におきまして起債の枠を五十億膨らましまして、従来一般財源で賄つておりましたような事業に対する財源として起債を廻して、それによつて浮いて来る一般財源を給与のほうに廻すといつたような、間接的な措置として、昨年はそういうことをやつたわけでございますが、従つて地方によりましては、充てるべき適当なる起債財源がないといつた所では、起債が割当てられましてもそれだけ一般財源が浮いて来ないといつたことで、非常に困つた所もあつたようであります。又累積するいろいろな赤字があつて、さような、いわば、何といいますか、はつきりした筋の立たない給与改善についてはどうも困る。殊に例えば教育公務員については、超過必携手当の支給を増すと言いましても、超過勤務制度がそもそもないことから、そういつたようなことでいろいろ問題があつたと思うのであります。併し今回はこの点全く面目を異にしておるわけでありまして、すべて給与法が改善せられ、又平衡交付金法の特例法案を目下提出いたしておるわけでありまして、それによつて単位費用も改訂になるわけでありますから、それらの点からいたしまして、先年の例を以て今年はそうなるかという心配はないというふうに考えておるのであります。
#96
○秋山長造君 そういたしますと、地方団体から随分この税の見積りは無理だという声が上つておるのですけれども、自治庁のほうでお考えになるところによると、これで十分やれるという確信があるわけですね。
#97
○政府委員(鈴木俊一君) 何分、地方財政は総体といたしまして過去の赤字の累積に悩んでいるわけでございますから、今回の財源措置を以て十分である、もうこれで何ら後顧の憂いなしということは、或いは申上げかねるかと思うのでごいますけれども、併し必要なる給与の改訂並びに期末手当の増額という措置を行う分については、今回のこの財源措置は政府としては十分やつて行けると、十分というのは若干語弊があれば何でございますが、とにかく今回の財源措置によつて、この年末の期末手当の増額及び明年度からの給与改訂は、先ず支障なくやつて行けるものというふうに考えておるわけであります。
#98
○秋山長造君 まあ昨年の場合と様子が違うので、今年は昨年の奈良県のような場合はなかろうというお話で、我我も多少安心をするわけなんですけれども、併しやはり平衡交付金の性質上、これを地方団体があえて自治庁の趣旨とは異なつた方面にこれを使つてしまつて、そのために年末手当等について欠くるところができるというような場合が万一あつた場合、自治庁としてそれに対してどういう処置をおとりになるか。
#99
○政府委員(鈴木俊一君) 先ほど来申上げまするように、財源措置としてはこれを以て私ども十分やつて行けると思うのでございます。具体的の地方団体において、国家公務員について行われましたと同じような建前の給与改訂、期末手当の増額が行われるか行われないかということは、これは各地方団体の決する建前になつておるわけでございますが、併し今回のような形において行われる給与改善の措置は、私どもは、自治庁の財源措置に関しまする通知が各地方団体に参りまするならば、それによつて先ずすべての地方団体において大体さような措置が行われるものと期待をいたしておるのであります。ただ、若干の山村等におきまして、必ずしも財政上の問題のみからでなく、村民全体の権衡といつたようなことから、従来も一、二必ずしも給与改訂が行われなかつたというような例も絶無ではないのでございますが、併しそれは全く異例中の異例とも言うべきことでございまして、都道府県を初め多くの地方団体におきましては、大多数の地方団体におきましてはかような措置が行われるものと、私どもは固く信じておるのであります。
#100
○秋山長造君 そういたしますと、全国の各府県なり或いは市町村なりから、この年末手当の処置について自治庁のほうへ報告が参るわけですね。お集めになりましたか、報告を。
#101
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、特に従来取つておりません。問題がございましたようなときに特別に取る例はございますが、問題がない普通のときには取つておりません。
#102
○秋山長造君 今回の場合は、相当重大な政治問題にもなつているし、又我我としても地方の税金の自然増をこの程度までみるということにまあ相当心配をしておるんで、特に今回の場合は、地方団体をして忠実に国の方針にまあ準じて善処させるために、そういう善後措置の報告をお取りになる御意思がないかどうか。
#103
○政府委員(鈴木俊一君) 給与上まあ非常に問題がございました場合におきましては取る例もございますが、今年は先ほど来申上げまするような法律の改正等も行われるわけでございまして、地方公務員につきましては、自治庁から各地方団体で制定いたしますべき給与条例の準則を参考のために示すことにいたしております。さようなものによつて、それぞれ恐らくは法律に規定いたしましたような趣旨のものが各地方団体で行われると思いますので、今のところ特に取らなければならないことはないのではないかというふうに考えております。
#104
○秋山長造君 そういたしますと、結局そこまで取越苦労をしなくても、大体必ず行われるだろうということなんですね。
#105
○政府委員(鈴木俊一君) さように考えております。
#106
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をやめて。
   午後三時三十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時五十九分速記開始
#107
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
#108
○若木勝藏君 私は一つの提案があるのでありますが、それは、今回政府でもつて地方公務員に対していわゆる年末手当に対して一つの財政の措置を講じておるが、そのうちに地方税の自然増収というようなことを見込んでおる。これは御同様非常に我々不安に考えるところであります。これに対して間違いのないように政府の財源の措置を考えて頂きたい、これが一つであります。
 それから、昨年も奈良県であつたように、地方財政の窮乏というようなことから、折角政府のほうでそれに見合うところの手当を考えておるにかかわらず、地方の知事が年末手当を出さなかつた例もありますので、今回さようなことがないようにするために、特にこの点を自治庁で適当な一つの方法をとつてもらいたい、こういうふうな決議を本委員会でして頂きたい。これが私の提案であります。
 なお案文については委員長、理事のほうにお任せいたします。そして委員会にお諮りを願いたい。
 なお出し先は自治庁長官、大蔵大臣、こういうふうなことで考えて頂きたい。
#109
○委員長(内村清次君) 只今の若木君の地方公務員の本年末の期末手当の支給についての要望書、この提案がなされましたが、提案することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○石村幸作君 今の若木君の提案に対しては賛成いたしますが、ただ私は、先ほど自治庁の鈴木次長等からの説明を聞きましても、今回の政府の財政措置によつて、これは地方が必ず支給し得る、こういう強い意思表示があつたわけであります。そこで、地方としても当然、政府における財政措置が講じられておれば中央の方針に右にならえして、地方でも、地方公務員、国家公務員の差がないように、公平に措置を講ずべきものであり、又講じられると、こう考えておりますが、そこで万一、昨年における、前回における奈良県のごとき例がなきにしもあらずという心配もないわけではない。併し地方自治、地方財政の自主性、こういうふうな面に対して深く自治を侵害するようなことは、これはどうかとも思われる点もあるのですが、この問題に政府は向つて要望しておるのでありまして、政府が先般自治庁長官のお言葉にもある通り、各自治体に対してでもそういう成るべく給与の支給等について善処するように通牒を発するというような意見もありましたが、そこで、こういう要望を出すということについては、この結果がどうか、効果がどうかと思われる点もあるのでありますが、この委員会として地方財政の円滑化を図るためにこういう要望を出すことについては賛成いたします。
#111
○松澤兼人君 只今若木君から御提案がありました点については、私も期末手当の財源として考えられております自然増収の点で多少不安が考えられるわけでありまして、恐らく自然増収はあるにいたしましても、すでに何かの財源に充てられているというようなことも想像されますし、この要望書に対しましては賛成をし、政府において若し万一財源が枯渇して思うような自然増収が期待できないとか、或いは又すでにそれが他の事業なり或いは他の行政費に充てられているというような場合においては、財源措置を講じてもらいたいこと、及び折角各種財政上の措置が講ぜられているにもかかわらず、いろいろの理由から財政難を理由として同一の取扱いをしない公共団体がないように、政府において善処して頂きたい。こういう意味から、只今の動議に賛成し、できるだけ公平にすべての地方公務員が恩恵に浴するように措置して頂くように、希望を申上げて賛成いたします。
#112
○委員長(内村清次君) それでは要望書の提出に対しまして異議ないものと認めてよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(内村清次君) それでは只今要望書の案を朗読いたします。
  要望書
 政府は、地方公務員の本年末の期末手当の支給につき、今次の地方財政計画の修正により、国家公務員に準じて支給せらるるよう、〇・五ケ月の増加支給に必要な財政措置を講じているが、地方税の自然増収をその財源の一部に見込んでいるのであつて、財源の確保上不安なきを得ない。
 政府は地方税が予定通り増収を見ない場合には更に必要な財源措置を講ぜられたい。又、従来の実績に徴するに、地方公共団体の中には、財政難を理由として、政府の方針に協力しないものがある。かくては地方公務員の待遇に不均衡を来し、その士気に影響するところが少くない。
 今回の期末手当の支給についてはかくの如きことのないよう、政府は善処せられたい。
 右本委員会全会一致の議決により要望する。
  昭和二十八年十二月七日
     参議院地方 内村 清次
     行政委員長
 大蔵大臣
 自治庁長官
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#114
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
 只今の要望書のうちに修正をいたしまして、「政府は、地方公務員の本年末の期末手当」の次に「等」を入れます。「政府の方針に相応しないものがある。」これは前に「政府の方針に協力しないものがある。」という、「協力」ということを取りまして、「相応しないものがある」と、かように修正をいたしました。要望書に対しまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(内村清次君) それでは満場一致議決されたものと認めます。
#116
○石村幸作君 実は先般当委員会においてもちよつと私御相談申上げて、そのときは皆さんの御了解も一応得たようであつた問題ですが、それは、地方行政調査会において、この地方財政、特に地方税法の改正、まあそういうふうな答申が政府に出された。つきましては、当委員会としてはこれに対して相当関心を持たなきやならん。よつて当委員会のうちに、その答申の内容等を検討して、当委員会の意見というものを一つまとめておく必要があるのじやないかと、こう考えます。よつて当委員会の中にこれを検討する小委員会等のようなものを設置して、ここ急速にその内容等を検討し、且つ当委員会としてのおおよその態度をきめる、こういう必要があるのじやないかと考えますので、委員長において適当に一つお計らい、御措置をお願いしたいと思います。
#117
○若木勝藏君 今の石村さんの御提案は、一応私は考えられる点であると思いますけれども、小委員会の結論が委員会の結論としてまとまるかどうかということについては、多大の私は疑問の点がある。だから小委員会で研究してみるということであれば私はいいけれども、そこで成案を得て委員会に持ち出す、これはなかなか面倒な点があるのではないかと思う。その点、如何なものか。
#118
○石村幸作君 勿論これは小委員会と私ははつきり極言しているのじやないので、小委員会のようなものをこしらえてこれを研究するという意味でありまして、それには各党から出て頂いて研究したらどうかと、こう考えているわけであります。
#119
○若木勝藏君 この点、私、法的にはつきりしないのだけれども。小委員会を設けた場合には、委員会の一つの一致の結論を出すという意味に置かれるものであるか。或いは意見が必ずしも一致しない、研究のままにおかれてもいいものか、そういう点まだはつきりしませんが、これはどのようなもの下すか。
#120
○委員長(内村清次君) この点は、従来小委員会も設けられておりましたが、そこで直ちにそれが小委員会の意見一致というものを強く求めるということ、それから又その意見一致したならば、委員会の意見と変つて行くという、そういうような法的な拘束はないように考えられます。そこで、その委員会から提示された、例えば付託条件もございましようし、そういうような条件に対しましての研究をやつて、そうしてできれば一致をさせて行く、或いは又一致しないものはその部分的な一致の点だけを委員会に報告をして行く、こういうような形で今まで運営されておつたようでございます。今回の地方制度調査会の答申もこれは非常に広汎に亘つておりますし、当委員会といたしましても関心を持つた案件でございまして、これがまあ政府のほうにおいて如何ようにこの答申が具体化されるかということは、委員会自体といたしましても刮目しておるような状態でございますが、そういうようなことを勘案しまして、地方制度調査会の答申案を、先ず委員会として、或いは又はその分科的な小委員会として検討してみる、こういうような性格で作ろうではないかというのが只今の石村委員の御趣旨だろうと存じますが。
#121
○若木勝藏君 今、委員長からのお話があつた通り、この小委員会のようなものを設けて検討してみるという程度であれば私は成り立つと思う。ところが小委員会で一致した結論を得るということになれば、むしろやらないほうがいいと思います。今度の問題は非常に大きな問題で、なかなかまとまりかねるから、地方行政委員会でそういうものは作つたけれども、もの分れになつたなんということになると、格好が悪くなるから、その点を検討するという意味なら……そこで、重大な問題なので、しばしば委員会を開くということも煩雑であるから、小委員会で以て一つ検討してみるというのであれば私も賛成するのであります。
#122
○石村幸作君 私の発言した気持も若木さんのおつしやるそういう程度のものです。
#123
○秋山長造君 石村先生にお尋ねしたいのですが、具体的にどういうことをやるのですか。研究するといつても、地方制度調査会の答申案について、例えば小委員会の席上に地方制度調査会の誰か委員なり呼んで、これはどうだ、あれはどうだと言つて、聞いてみるだけなんですか。それともあの中から我々としてどの程度のものをピック・アツプして、まあできるならばこれを具体的な法律改正に持つて行こうというようなところまで持つて行くのか。そういう点はどうなるんですか。
#124
○石村幸作君 答申というものは、はつきり出ておりますので、わからない、疑義があるところはこれは説明を求めても、必要があつたらそうしてもいいでしようし、お互いに研究し合うと、そういう軽い意味です。
#125
○秋山長造君 それでは石村さん、別にこれは小委員会でこれを研究して何か結論を出すとか何とかいうようなはつきりした目的なしに、ただお互い個人個人で研究するよりも、皆で集まつて研究したほうが便宜だというくらいのことで一設ける……。
#126
○石村幸作君 その答申の内容をただ検討すると、そんな答申の説明を闘いたり、その内容をただ研究するだけにはとどまらない。それに対する対策といいますか、皆さんの意見がいろいろ出るだろう。これは答申をこういうふうにしたらいいとか、この答申通りが妥当であるとか、又はもつと答申についてはこのような意見があるとか、いろいろ皆さんの持ち寄りができるだろ……ただ答申の内容を研究してというだけにとどまる意味ではありません。
#127
○委員長(内村清次君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#128
○委員長(内村清次君) 速記をつけて。それでは、只今の石村君の御提案に対しましては、次回にその問題を譲ることにいたしまして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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