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1953/12/07 第18回国会 参議院 参議院会議録情報 第018回国会 外務委員会 第5号
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1953/12/07 第18回国会 参議院

参議院会議録情報 第018回国会 外務委員会 第5号

#1
第018回国会 外務委員会 第5号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
   午後一時四十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月五日委員加納金助君死去され
た。
本日委員北村一男君辞任につき、その
補欠として團伊能君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 尚武君
   理事
           徳川 頼貞君
           佐多 忠隆君
           曾祢  益君
   委員
           草葉 隆圓君
           古池 信三君
           團  伊能君
           梶原 茂嘉君
           高良 とみ君
           中田 吉雄君
           羽生 三七君
           加藤シヅエ君
           鶴見 祐輔君
  政府委員
   外務政務次官  小滝  彬君
   外務省条約局長 下田 武三君
   大蔵政務次官  愛知 揆一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       神田襄太郎君
  説明員
   外務省アジア局
   長       中川  融君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国際情勢等に関する調査の件
 (池田・ロバートソン会談の内容に
 関する件)
○日本国とアメリカ合衆国との間の友
 好通商航海条約第八条2についての
 留保に関する公文の交換について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院
 送付)
○関税及び貿易に関する一般協定のあ
 る締約国と日本国との通商関係の規
 制に関する宣言への署名について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤尚武君) 只今より外務委員会を開会いたします。
 審議に入る前に御報告申上げることがございます。それは外務委員の加納金助君が五日に亡くなられましたので、昨日委員会を代表して花環一基を送りました、右御了承をお願いしたいと思います。
 次に委員会の進行に関してでありますが、現在交換公文のほうは本付託になつております。又ガットのほうは午前中に衆議院の委員会で採決が行われ、午後の本会議に大体三時頃というお話でありまするが、上程される予定であります。明日は最終日でいろいろと混雑するものと思いまするので、間に合えば又できまするならばこの両件ともこの委員会において本日中に上げておきたいと思うのでありますが、各委員の御意見は如何でございましようか。
#3
○羽生三七君 結構です。
#4
○委員長(佐藤尚武君) 有難うございます。
 では先ず愛知大蔵政務次官が出席されましたので、前回の委員会の決定通り、池田・ロバートソン会談の経緯に関する質疑に入りたいと存じます。質疑のあるかたはどうぞ御発言願います。
#5
○曾祢益君 本日愛知政務次官に委員会の決定で出て頂きましたのですが、私個人としては、政府代表というよりも同僚参議院議員の愛知君から成るベく詳しく事情をお知らせ願い、場合によつたらば速記をとめられて詳しく御報告願う、質疑応答という形はとりますでしようが、できるならば愛知君から詳しい御説明を願つてもよろしいし、或いは私から数項目に亘つて質問をいたしたいと思うのですが、時間をとるでございましようからどうぞ同僚委員からもそのポイント、ポイントに関連してどんどん関連質問をして頂くというふうに、隔意なく一つ事実を成るべく確かめるという気持でやつて行きたいと私は考えております。
#6
○政府委員(愛知揆一君) ちよつと私からお答えいたします前に私としての希望を申上げたいと思うのでありますが、実は先般衆議院の外務委員会におきましては、私は他の委員会の都合でとうとう間に合わなかつたわけでありますが、池田氏のほうはたまたま池田氏が外務委員であるということで懇談的に報告を聞いて頂き、又先方とのいろいろの審議上の問題もございますので、速記に残すことはものによつては勘弁して頂きたい、こういう御了解の下に恰好は懇談ということで速記なしでおやり頂いたのであります。その後衆参両院の予算委員会で私も御答弁をいたしましたが、昨日なども率直に申しますともう少し申上げたほうがいいのじやないかと思う点がありましても、ああいう席でございますから差控えなければならない点がある。只今曾祢さんからのお託のように進めて頂ければ私も非常に有難いと思います。そのことだけをちよつと申上げておきます。
#7
○委員長(佐藤尚武君) それでは初めから速記をとめましようか。
#8
○曾祢益君 どうですか、質問がやつはり或る程度公開されることもいいことなので、内容によつて、私に関する限りは愛知君のおつしやるようにこれはとめると言つたら異議なくとめて話してもらう、質問のほうは出したほうかいい場合もありますからそれは適宜どんどん時に応じて速記を止める、初のから止めるというよりもそのほうがいいのじやありませんか。
#9
○政府委員(愛知揆一君) それでよろしうございます。成るべく速記を止のる部分は少くする、私もそのつもりでおりますから。ただ先方との約束もございますから、この点はという所は私から改めてお願いすることにいたします。
#10
○曾祢益君 この経済援助についてこれはいろいろ考え方はある思うのですが、私なんかは率直に言つてMSAから経済援助を繰出すということに非常に無理があるのじやないか。やはりMSAがいわゆる未開発地域という所に行われるというような場合には、それはやはりポイント・フォアのほうかり来る技術援助及び経済援助というもりがあつても、いわゆる大国にMSAか与えられるということは何と言つてもこれは防衛を強化する、その観点に立つて、併し防衛を強化するということは、やはり或る程度経済を支援しなければいかん、その間接的な経済援助こいうことがあり得るのじやないか。MSA自身が勿論日本の場合なんかは荘済援助が目的ではない、こういうここは初めからわかつておつたように思うのです。ところがどうもやはり国民の期待というのは必ずしもそうでない、或いは国民全体でないにしても。につて池田特使にしろ愛知君にしろそういつたような現状と、MSAのまあいわば厳粛な事実と国民の甘い期待とり間に非常に矛盾を感じられたと思うのです。そういう観点からいつて経済援助はもう大体初めから困難であるということで行かれたと思うのですが、そり総括的結論は例の小麦の問題がありますが、一般的にいつてどういう感じを得られたか。つまりMSAの援助のほかに経済援助というものがまだほかにできるかも知れないというようなことを、外務大臣なんかもこの前の国会でもちよつと言つておられましたが、相当その点については辛く見るほうがいいのじやないかと思いますが、先ずその点についての交渉の経過等から見ての率直な御見解を伺いたいと思います。
#11
○政府委員(愛知揆一君) 只今の御質問の点につきましては、会談の内容といたしまして、例えば当該のアメリカの当局がこう言つたとか、或いはそれに対してこういうふうに応酬したとか説明したとかいうことを一応抜きにいたしまして、私の非公式の会談は勿論でございますが、その他政府当局或いは関係の向きから、私として調査いたしました結論的な印象ということでお答えいたしたいと思います。
 只今曾祢さんの大体ご指摘の通りだと私は思います。そこでこの問題は二つの点から私は印象を受けるのでありますが、先ず第一はこのこと自体がいいか悪いかは別といたしまして、米国の一般的の態度としては、MSAの協定によつて今後関係国と協定を結び、且つ援助をいたします場合は、純粋の軍事援助ということを建前にするということが国会方面或いは世論或いは役所の筋でも大体そういうことが非常にはつきりして来ておるように感じさせられました。
 それから第二の観点は、日本とアメリカとの関係の場合でございますが、やはり一般的に日本の経済のこれからの状態、特に国際収支の面をアメリカ側から見た場合におきましては、私どもが感ずるほどにはアメリカのほうは悲観的に見ていない、即ち日本のドルを中心にした国際収支の見通し、というものは相当まだフエイヴアラブルであるというように見ておるのが、私は般的の感じとして印象を受けておるのであります。そういうふうな印象でございますから、従つて場合によりましては純粋の軍事援助以外の、例えば法律的な観点からいえば、日本に対して経済援助も或る種の協定も結べるでございましようが、併しこれは軍事援助と多少性格も違いますので、例えば米国内の国会における関係などにおきましては、新たに例えば予算を政府として提出しなければならない、或いは又そういつた新らしい協定については、法律的な手続も場合によつては必要であるかも知れない。こういうような点もございますので、そういう一般的な私の受けた印象が正しいといたしますならば、日本に対する場合におきましては非常に困難ではなかろうか、ただ今も申しましたように向うの人たちが見ております日本の国際収支の前途等につきましては、私どもの見方と非常に違います。従つてこういう点の相互の理解ということが今後更に進むということになりますれば、あながち期待のできないことではない、こういうふうに私は考えるのでございます。
#12
○曾祢益君 それで例えばまあ今の向うの予算、法律からいうと相当困難ではないかと思われるのですが、例えば来年の七月以降の、新予算においてはできる可能性がある。或いはそうでなくともスペインとの協定、あれは一体新たな法律とか予算なくして行けることになつているのですが、ああいう形もあるんじやないかというようなことをいう人もいるのですが、その点も含めて今のところでは困難だとお考えかどうか。
#13
○政府委員(愛知揆一君) その次に私もその点を申上げたいと思つておつたのでありますが、先ほどもちよつと触れましたように、法律的には私は可能だと思うのであります。従つてスペインとアメリカとの間の協定におきましては、どうもこれは実は専門的に長い時間をかけて研究したわけではございませんが、私の理解したところではあの協定即ちエコノミツク・アシスタント・アグリーメントとかECAその他の法律がその分についてはきめてないが、それに準じてして行政府としてああいう協定を結ぶことが可能だ、こういう法律解釈を取つておるのではなかろうかと思うのであります。従つて日本の場合におきましても、私は法律的にはこれは可能だと思います。主として今御指摘の通り、来年度の米会計年度即ち来年七月以降の予算において日本の場合をどう考えるということが一つだと思います。
 それからいま一つは、当然引続いて問題になると思う点でございますが、一方MSAの軍事援助のほうにいたしましても、御案内の通り、その一〇%は経済援助に振り向けることができる。それから経済援助で対象を例えば東亜地域とか西欧地域とか分けておりますが、その地域相互間において経済援助ならば一〇%他地域にトランスフアーができるというような法律上の根拠もございます。これを日本の場合におきまして運用して行くためには、日本とアメリカとの間において或る種の協定がありさえすればこれを実際上運用することはできるのだ、こういうふうに思います。
#14
○曾祢益君 そうすると見通しはどうか。今後の東京における交渉にもよるでしようが、一応経済援助を受けるためには、MSA協定のほかにやはり経済援助の協定みたいなものを作つておいたほうが、次の国会の審議等に有利だということになりますか。
#15
○政府委員(愛知揆一君) これはざつくばらんに申しまして、次の国会で御審議を願う場合に政府としてはこれができますれば非常に楽な立場になります。それからこの今の具体的な問題について、私の先ほどから申しておりますような印象を元にし、且つこれを外務当局にお願いしておりますのは、余り早く見通しをつけ過ぎても如何かと思いますけれども、純粋の独立したエコノミツク・アスシタント・アグリーメントを作るのにはなかなか当面のところ困難が予想されるのではないかと考えますので、何か一つ基礎を作つておきたい。そうして将来運用し得る基礎付けを作りたいということでいろいろと考えたのでございますが、勿論これは取りきめ等は一切やらない非公式の会談でございますが、私の印象とすれば、原案にございました五百五十条を受けるかどうかということに関連して、そうして先ず五百五十条に関する協定を日米間で締結し、そうしてその支払代金でありまする円貨の一部は日本政府に対して贈与する、これは私はできることだと思います。アメリカのほうの考え、全部は無理だと思いますが、一部を贈与として提供され、その贈与として提供された分を例えば防衛援助ということにはつきり銘を打つということによつて、先ずこの円貨のうちの一部についての話合いがアグリーメントの上ではつきりつき、又相願わくんば先ほども申しました通り、現在法律上でも可能なことは、協定の上でも受入れる余地がほかにもあるわけでございますから、そういうことをもそういつたアグリーメントの上で受け得るような恰好にできまするならば、現在の段階におきましては非常に結構ではなかろうかというのが私の受けた印象でございます。
#16
○委員長(佐藤尚武君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(佐藤尚武君) 速記を始めて下さい。
#18
○曾祢益君 結局五百五十条の、まあいろいろ御苦心のほどの結果があすこに現われていると思うのですが、まあこれと本格的な経済援助協定とはやはりこう質的にも違うわけだと思うのですが、まあそういう議論は別として、そうすると今のあなたのお考えだと、或る種の経済援助の基本協定みたいなものとMSAと、この際同時に作ることは非常に困難である。従つて五百五十条のやつだけは別個の協定にして、その中にできれば一割のトランスフアーのことなども書いておいて、そうしてそれを経済援助の次の本格的な協定の突破口にしておく、それだけは勿論贈与もあることであるからMSAの本協定とは別に作つたほうがいいじやないか。大体そういうようにお考えですか。
#19
○政府委員(愛知揆一君) 率直に申しまして大体その通りなんであります。七れでその点はいささか手前味噌になつて恐縮なんでありますが、いわゆる共同新聞発表の上に、具体的な問題としてはこの点にちよつと触れることにいたしまして、例えば「日本に供給される農産物の日本国内における売上代金たる円貨は域外買付及び投資の形によつて日本の防衛生産及び工業力増強に使用せられるものとする、同法第五百五十条の所要事項及びそれに関連する防衛支持援助の諸行為に関する必要な諸取極めが結ばれることになろう」とこう書きましたのは、前段の日本の防衛生産及び工業力増強に使用せられるというそのことは、いわゆる贈与の分も贈与でない分も含めての意味でございますが、贈与でない分についてはアメリカのものとして、例えば域外調達に使われる或いは特需にも向けられる、併しこれはすでにきまつておるもの以外のものである。それから贈与になりまする分につきましては、今読み上げました後段で「五百五十条の所要事項及びそれに関連する防衛支持援助」というところにその点を含ませたつもりでございまして、この文章につきましては随分練りまして、アメリカの人たちと私どもとの間でこの点は同意ができたものでございますから、非公式のものではございますが、これが双方の正式なチャネルを通じてこういうことが実現されるのではなかろうかと、この点には期待を持つておるわけでございます。
#20
○曾祢益君 今度軍事援助のほうですが、大体まあアメリカの現会計年度においては一億五千万ドルですか、大体そんなところで間違いないのか。それから次の会計年度等における軍事援助の幅というようなことについて或る程度の見通しをお持ちになつたかどうか。これは勿論日本の防衛計画との関連においてきまるものだと言えばまあそうですけれども、一応軍事援助の枠、程度、それから内容ですね、これらの点はどの程度お話合になつたか、成るべく詳しくお話を承わりたいと思うのですが。
#21
○政府委員(愛知揆一君) 防衛の問題につきましては詳しく申上げたい点でございますが、アメリカの国防担当の人たちから見れば、相当な期待を日本に持つておることは事実であるということは申上げるまでもないと思います。併しさらばと言つて、当然のことではございましようが、幾らくのものを作つてほしいということをアメリカの政府全体の意向として、恐らく今後こおきましても日本政府に申入れるというようなことは私はないのではないかと思うのでありまして、自然いろいろの方面の人たちと私どもとの話の中におきましても、こちら側とすれば、御承知のようにこれは金を例えば一億ドルやるからそれでこれだけの軍が作れるというような私は性質のものではないと思います。これは単なる財政やアメリカからの援助の問題でなく、日本の将来を達観し、特に現状におきましては現在の憲法上なり、或いは国民経済上なり、或いはその他のいろいろの日本国内の現在の世論の情勢なり、そういうものを十分に組入れた自主的な案でなければならないと思いますから、こちら側とすればその案というものをはつきり御承知のように政府としてもきめ切らない。いわんや我々が参りますときには、私どもはこういう程度の軍備ならば話を付けて来いというような訓令を持つておるわけでもございませんし、努めて先方のいろいろの面から見ての意見を聞きたいということにできるだけの努力をいたしました。
#22
○曾祢益君 非常にデリケートな問題でなかなか言葉の使い方もむずかしいと思うのですけれども、率直に言つて三十二万五千というような数字は軍人の希望とか期待とかいうものだということが衆議院の委員会における御答弁にあつたように思うのですが、日本側が仮に三年間で陸上兵力が二十万程度とか或いは十八万とか、そういつたようなことが保安庁あたりでは少くとも研究として考えておるのじやないかと思いますが、その程度に見合うような援助、と言つてはおかしいと思いますが、どういうパーセンテージであるかという問題でありますが、今年は一億五千万程度、つまり来年の六月までですね、そうすると、これはスタートですから大したことはないのですが、こつちは三年計画くらいとにかく作つて、その露頂というものが来年の予算に出るわけですね。そうするとやはり勿論自主的にきめなければならないので、それのいい悪いは別として、自主的な防衛計画、年間計画をきめられて、さてその程度のアメリカの援助になるかということはこちらが如何に自主的にきめるとはいうものの、やはり庫要な参考資料になるわけですね。従つてそういう特定な数字では行かれないかも知れないけれども、話にならないけれども、全然自主的な三年間計画とか何とかいうものでは政府はこれは考えておられないと思う。だからMSAを受入れるという大体の方向をきめておると思うのです。従つて三カ年計画ならそのうち一体どのくらいをアメリカに期待し、それが向うに、どのくらいだつたらば現アドミニストレーシヨンが続く限り大体よさそうだというそこら辺が一等つぼになる話なんですがね。そういうような点がもう少しお示し願えたらいいと思います。
#23
○政府委員(愛知揆一君) それからちよつとこれからのところを速記をやめて頂けると非常に結構なんですが。
#24
○委員長(佐藤尚武君) それでは速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#25
○委員長(佐藤尚武君) 速記をつけて下さい。
#26
○曾祢益君 いろいろ詳しいお話を承わつて非常に参考になつたと思いますが、そこで私の質問に帰りたいのですが、第一点は、やはり向うが一つのターゲツトを軍事専門家としての立場から示したと思うのですが、それにはやはり国際情勢の判断から一つの期間を考えておりはせんかということと、第二の点は、従つて向うが熱意を以て一つのターゲツトに近いものを期待する以上は、殊に日本側の憲法問題は暫くおいても、財政経済上の困難を認識すればするほど、いわゆる援助の程度というものについてどのくらいの部分を負担するか、例えばインドシナの戦役というものに対してアメリカが非常な力を入れておる関係で、これは私も計数的にははつきり覚えておりませんが、インドシナに対するMSA援助のごときは、相当フランスの負担部分との関連において非常に大きな部分をアメリカが負担しておると、こういう事実がある。従つて向うが日本防衛についてどれほどの緊迫性と重要性を見ておるかによつて、向うが援助するという程度がかなり量的にも違つて来る。その割合をはつきりしたパーセンテージでもないでしようけれども、ただ一億五千万の初年度の援助を出して、そうして三十二万五千、例えば新聞に伝えているような大きなランド・フオースを要求しておると、これに対応するアメリカ側の例えばインドシナに示したような、まあ数字的の誠意というものが一つもわかつてない、そこら辺がやつぱり非常に政治的に大きなモーメントだと思う。従つて具体的な話はなかつたにしても、あなたの得られた感覚からいつて大体援助の割合というようなもの、それから規模というものはどの程度のものかというような点について、お差支えなければおつしやつて頂きたい。
#27
○政府委員(愛知揆一君) この点は、実はこちらの案というものがもう少し具体化いたしますると、その辺の比較検討ももう少しはつきり申上げられると思うのであります。併し、遺憾ながらまだそこまで政府側としても行つておりませんものですから、非常に抽象的なお答えしかできなくなるのでありますが、概て申しますれば日本の現在の保安隊について、大体一年間に諸度費と考えられますものが一人当り百万円、それから一年間の維持費が一人当り三十万円、合計いたしまして百三十万円、そうすれば一万人増強して百三十億ということがまあ簡単な通俗的な基準から出て来るわけでございますが、この百万円というものは実は近代的な装備という点からいえば問題にならないんです。そこでその百万円というものが仮に全部日本側で円として百万円出しましても、なお且つ相当の装備をいたしますためには、何と申しますか、援助額によるものが必要になつて来るだろうと思います。それから半面この百万円を諸度費等を一応通俗的に考えてみましても、その中に更に喰い込んで少くとも当初の間は或る程度の援助が期待できるのじやなかろうか。こういうことも考えられるわけでございますが、それでこれは私も知つておれば研究しておればお答えしたいんですが、その度合がどのくらいになるか、ちよつと今勘定はできないのであります。なぜかと申しますと、一つは、先ほど申上げましたように、防衛に対しての援助は軍事援助であつて、その軍事援助の中味というものは現物、いわゆる完成兵器になりますから、例えば全然これが新品でこれから注文してアメリカの現在の価格でということになりますれば、これは一つの算術が出て参りますが、差当りのところは帳簿価格でこれはどのくらいになるかというようなことにもなりますので、そのところはもう暫くお待ち頂きましたならばもう少し研究は進むと思いますが、只今のところはこの程度しかお答えできません。
#28
○曾祢益君 その点はよくわかるんですが、大ざつぱにいつて百万円の諸度費というものはどの程度の装備費を含んでおるのであるか。殆んど問題にならない、殆んど人件費的なものであるか。まあかなりの程度のものであといわゆるプラス・アルフア程度のエンド・アイテムをもらえば一応恰好がつくというように考えておられるのか。大ざつぱにいつて百万円プラスして仮に日本で作つたら五十万円程度のものが要るのか、或いは三十万円程度のものか。その程度は向うがエンド・アイテムで提供するものでありますから帳簿価格でやつたら違うでしようけれども、仮に日本がやる場合としたら、どれくらいの部分になるんでしようか。それはおわかりでしようか。
#29
○羽生三七君 それに関連して一緒にお答えを願いたいんですが、保安隊の増強のよしあしの議論は別としてそういう計画を立てられる場合に、日本の保安庁が何か自主的にまあ軍という言葉はどうか知らんが軍の編成計画を立てて、それにマッチするような兵器をアメリカで援助するなり貸してよこすというのか。それともアメリカが立つた軍の編成計画に合うように日本が合わして行くのか、大体見当が付くように思うんですが、その辺はどうなんですか。
#30
○政府委員(愛知揆一君) これは私としては一つの意見を持つんでありますが、今お話の通り保安隊の増強自体について御議論のあることはよく承知いたしておりますが、私どもとしては着実に自衛力として国力の許す限り漸次増強したいという基本方針をとつておりますが、その基本的な方針というものは私は飽くまでこれは自主的に作るべきものだと思うのであります。例えばこの装備の内容その他につきましてもこれは日本の防衛隊という特殊の性格のものであつて、決してアグレシヴな海外派遣とか出兵とかいうことは予想するものではございませんから、自然現在のアメリカの軍隊の装備はどうであるとか、或いは朝鮮に出兵しておる軍の装備がどうであるとかいうこととは基本的な感覚が全然違わなければならない。で私は保安庁を中心にいたしまして日本側が計画を作るべきものである。
 それからなおこれも私の印象でございますが、国論が過半数同じ意見でありまして、日本側として政府が立案し、これを政治の面におきましても過半数の政治勢力の御同意と御支持とがあればそれで行くべきであつて、その結果私の見込としては、仮に表面に現れた数字というものがアメリカにとつてはデイサポイントメントなものであろうとも援助は期待できるのじやないか。そこが一番大事なところで私どもとしては飽くまで自主的に日本の諸種の制約の下においてこれが最善であると政府が考える案を樹立し、且つ大多数の政治勢力並びに世論の支持を得るという、この事実を私は先ず前提のものとして考えているわけでございます。
 それから数字の問題でございますが、私が先ほど通俗的な基準と申しました百万円なり三十万円のものは、三十万円のほうは純粋の保安隊員のいわゆる人件費的なというお話がございましたが、人件費的なものであります。それから百万円のほうは実は御承知のように兵舎その他いわゆる何と申しますか、実力の装備を増すということのもつと前提になる、そういうものが相当の部分なんでございまして、大体その上にプラスにどのくらい必要になるかということがポイントだと思います。この点は誠に私も遺憾なんでありますが、ちよつと百万円プラス何十万円というところまで申上げるところはできないのでございます。
#31
○曾祢益君 次に共同コミユニケができるまでに一部は新聞に漏洩したとかしないとかいうことがあつたのですが、従つて共同コミュニケの日本側のドラフトというようなものまで、全般的じやないけれども報道されたりなんかしておりましたが、それらの点に関連して一体ドラフトが最後にきまるまでそういつたような新聞報道のようないろいろないきさつがあつたのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#32
○政府委員(愛知揆一君) このいわゆる池田・ロバートソン会談で書類としてできておりまするものは共同新聞発表一つだけなんでございまして、そのほか十月の二日着きました型日でございますが、池田氏と私がロバートソンとダレスを訪問いたしました最初にこの会談の性格というものについて勿論双方から話がありました。それでその思想を統一いたしましたものが十月の二日にいわゆるプレス・レリーズ、共同新聞発表以外に強いて言えば一つ書いたものの上で双方が同意したものでございます。その十月二日のものは、日本国の吉田総理の個人的特使として昨夜ワシントンに到着した池田勇人氏は今日午後極東問題担当国務次官補ウォルター・ロバートソンと会談を行なつたという点が第一点。会談の内容は調査的なものであつて何らかの決定が発表されきめられるということは考えられないというのが第二点になつております。今申しました調査的と訳するのがいいかどうかエクスプロラトリー・キャラクターということになつております。それから十月の三十日に共同新聞発表をいたしましたのですが、これもずつとその性格を維持したあとの締括りでございますから勿論双方のサインもしておりません。それから実はコミユニケというふうに通俗的に言われておりますが、私は向うとの話合でこれはコミユニケでもない、ジヨイント・プレス・レリーズであるということをわざわざタイプの上にも打つたような工合でございますから、何と申しますか、極めて程度の軽いと申しますか、いうような扱いになつているわけでございます。
 それから新聞に対する漏洩問題等のありました点についてお尋ねがございましたが、今申しましたように双方とも書類などを作つたり、例えば議事録を作つたり或いは速記を付けたり、或いはミニツツを作るということは初めからもうやるまいというようなことで、その結果その思想が合いましたときには、十月二日のプレス・レリーズにもなつておるような関係もございますから、全然この書類と申しますか、そういうものはないのでございます。従つてないものが漏洩するということは誠におかしな話なのでありますが、それはともかくもいろいろな人といろいろな会談をいたしましたので、まあ率直に申しまして私などもいわゆるランゲージ・ジスアドバンテージを持つておりますから、自分が言いたいこと、或いは向うが言つたことはこういうことかなという意味で、これは勿論メモにしたり書いたものがございます。その一部が洩れたのではなかろうかと思いますが、漏洩したという結果、率直に申しまして外務省にも非常な御迷惑をかけ、又現地の大使館も非常にこれを気にされていたことは当然でございますが、その当時在ワシントンの記者団にもはつきり私から申上げましたが、これはどういうことなのか私にはわからないのでありまして、そのままの状態になつております。誠に遺憾でございますが、ありのままを申上げますとそういうことになります。
 なおその当時そういうことがあつたために、アメリカ国務省が非常に憤慨した、又憤慨した結果こういう会談の前途に暗影を投じた、態度が変つたというような趣旨のことが日本の一部の新聞に報道されたようでございまして、これはあとでそういう記事を見たのでありますが、私どもとしてはさような事実は全然ございませんで、恐らくこれは手前味噌になるかも知れませんが、非常に友好的に非常によい雰囲気の中でいろいろ話合いを進められました。そういう背景の下でもございますから、アメリカ側から私どもとしては何らその問題について抗議を受けたこともなければ、話題になつたことも実はないのでございまして、いわんやその会談が非常にそのために前途に暗影を投じたというようなことは、これは私の見る限り絶対ないことをはつきり申上げたいと思います。
#33
○曾祢益君 まあジヨイント・プレス・レリーズのドラフトみたいなものはなかつたというお話ですから、それはそれとして、やはりその会談の内容がまあ一部漏洩したというようなことで、アメリカのほうから抗議がないにしてもそういう事実は多少あつたのじやないですか。まあ率直に言つて池田君は日本の新聞に向けて少し立場の関係からもあろうし、少し放送し過ぎたというようなきらいはないのですか。あなたから聞くのはデリケートかも知れんが、それがいわゆるその内容のレリーズで漏洩ということになるのじやないですか。
#34
○政府委員(愛知揆一君) その点は私からはさようなことは全然ないと申上揚げるよりほかないのであります。ただ私どもといたしましては目的は目的でございましたから、積極的に外人の報道人関係には随分私どもとしてもできるだけ率直に、私どもの勿論私見でございますが、日本の状態を客観的に説くことに努めました。その会合は、日本人記者団の諸君は日本人同士でありますから、朝な夕なに襲われるわけで、それとは多少時間的に多いとは申しませんが、できるだけ外人の記者諸君にも接触することに努めました。例えば十一月二日と思いますが、ニユーヨーク・タイムズの社説その他におきましては私どもがプレス・キャンペーンというような仰々しいことをやつたことは全然ございませんが、私どもとしては誠実に日本の状態を説いたことがこういうふうに取上げてくれたかなという私としては一つの喜びを持つような記事が出ておりました。又こういうふうな会談の進行中におきまして、そのほかにもニユーヨーク・タイムズも勿論取上げ、ヘラルド・トリビユーン、ワシントン・ポストというような有力紙が、かなり途中以後におきましては、少くとも私どもの言いたいと思うことの一端を披露してくれたことは私どもとしては喜んでおる次第でございます。
#35
○曾祢益君 その点に関連してもう一つ。なんと言つても特使というのは非翼喫して、いろいろやりにくい点もおありであつたろうと思うのです。そこで大使館ともうまくいつたか。率直に言つてどうもまあ少し邪魔者扱いにされるというようなことでチーム・ワークがうまくいつてないのじやないかというような感じを、少し考え過ぎかも知れないのですが持つのですが、そういう点はなかつたですか。
#36
○政府委員(愛知揆一君) 実は率直に申しましてそういつたような点につきましては出発前から非常に私も気を使いました。これは自分のことを申しまして恐縮でございますが、特に私個人といたしましては年来外務省の方々とも非常に御明懇に願つておりましたので、而もなおその上に私が曾て大蔵省の事務官でありましたときに、外務省から受けた御協力よりも遥かにまさる非常に積極的な御協力を頂けました。これは出発前にすでにこの基礎があれば我々としても安心だと田以ておりました。それからワシントンにおきましては具体的に申上げますが、武内龍次公使、田中一等書記官、こういう人たちは全くこれは同志的と申しては言い過ぎかも知れませんが本当に協力をして頂きました。私どもも全くこれは頼り切つて非常にこれはコーオーデイネーシヨンがうまくいつたと思つております。これは私はこの機会に私としては自信を持つて申上げられます。又非常に大使館の方々に感謝をしておることをこの際申上げます。
#37
○曾祢益君 もう二三点申上げまして質問を終りたいと思いますが、もう一つの大きな問題は、結局日本の経済の自立に関連して、東南アジア一中共貿易の点について大いに日本の立場を述べて頂きたいと思うのですが、結局中共の問題についてはプレス・レリーズでも大体の方向はわかるようでありますが、どの程度突込んで話して頂いたのか、その結果やはり西欧なみということすらまだ非常に漸進的にやつてくれというようなことであつて、その点に我々非常にまだ不満を感じるわけです。朝鮮の動乱が一応射ち方止めの状償であつてまだ完全な平和が来ない。従つて形式的には国連の中共に対する制裁というものがとれていないからというような事情があるにしても、なんといつても日本が経済を自立するために成るべく東西貿易の障害というものを撤廃とまではいかなくても、これを緩和して行きたいということは日本のために絶対必要だとも思うわけです。私たちは少くともソ連中共というような厖大な軍事国が国連の監督のもとに軍縮に協力するまでは、純然たる戦略物資というものは送らないという方針に我々は賛成です。併し最近の御承知のようにココムの取扱なんというものは全く重箱の隅をつき廻して、例えば硫安を送つても硫安それ自身は戦略物資でないことはわかつているが、硫安を製造する中国の工場が火薬のほうにまわれるからというような、誠にとんでもないことまで理窟をつけて全部抑えていく。そういつたような程度の西欧なみでは日本はとてもやつていかれない。これはまあ自分の意見を述べて恐縮ですが、それらの点についてアメリカの現在の立場はよく国内的にはわからないでもないが、どの程度まで話をされてどういう印象を得られたか、或いはどの程度までの了解が付く見通しであるかという点をお洩らし願いたいと思います。
#38
○政府委員(愛知揆一君) この点については私も全く、同感でございますが、私どもといたしましては中共との貿易をできるだけ促進したいということは日本国民としての郷愁だというふうな基本的な考え方で説明に努めました。ただ申すまでもございませんが、これは先ず第一はアメリカの現在の立場としてはお話のように射ち方止めにはなつておりますが、その後の見通しというものははつきりしていない現状においては、アメリカの希望としては高度の中共に対しては統制をやりたいという気持があることはかなり強いということを私印象付けられました。併しこちらとしての立場は中共貿易の促進ということは私どもとしての郷愁であるというようなところからいろいろと話合をして参りました。
 第二には、併しながらこれはすでにココムの問題でもあり、日本側といたしましても正式なチャンネルによつてこの問題をとり上げ、且つ日本の主張を続けてやつておられまするので、具体的な品目等について入り込むということは舞台としても適当ではない場合もあつたのでありますし、又これは当然正式なチャンネルの御努力に待つことが至当であると思いましたし、他の国々の関係もございますのでこの点につきましては気持の交換という程度でございます。併しながら、更に正式のチャンネル同士の協議を進めて行くためには、我々のこの気持なり説明というもので側面から大いに促進して行く、アメリカとしてはその点については異存がないわけでございます。
 なお余談になりますが、パリにおきましてやはり大使館当局としてココムの関係で非常に御努力願つております。これは現状を見まして非常に感謝いたしたのでありますが、同時にこの機会に申しそえますが、現地の大使館側としては、現在も御指摘がございましたように非常な具体的な話になつて、各品目の細部に亘り、或いは各地域の非常に細かい工場その他、今硫安の話がございましたがこのこともフランスの駐仏大使館からも伺いました。こういう状況なんで我々が一生県命勉強しても、ほかの関係国は近いせいもあつて本当の専門家で特殊の人まですぐ動員して来て会議に出て来るような状態で、日本側としては何とかしてもう少し効果的にこの会議に参加をして主張を貫徹するようにしたいということを非常に切実に要望したわけであります。その方法論等をどうするかということについては更にいろいろの工夫が必要かと考えております。
#39
○曾祢益君 東南アジアのほうにていても一般的なお話はあつたと思うのですが、先ほどの小麦の問題に関連いたしまして、東南アジア或いは朝鮮の復興援助のほうから、大体どのくらいが域外買付的に日本に来るというような相当突込んだ話はなかつたのですか。
#40
○政府委員(愛知揆一君) ちよつとこの点は速記をとめて頂きたいと思います。
#41
○委員長(佐藤尚武君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#42
○委員長(佐藤尚武君) 速記を付けて下さい。
#43
○曾祢益君 ガリオアの問題をお伺いしたいと思うのですが、債務として承認すべきかすべきじやないかという議論は別といたしまして、これはやはり東京会談に取上げられなければならない段階になつておるように承知しておるのですが、大体の見通しとしてはドイツの先例もあるだろうし、それからこれが勿論為替として非常に負担になるようなことでない恰好というようなことも考えられると思うのですが、どの程度の御意見なり見通しを持つておられるか伺いたいと思います。
#44
○政府委員(愛知揆一君) ガリオアの問題につきましては、新聞発表に書きました通りなんでございまして、米国側の会談に出席した老が、ガリオア援助の早期解決の重要性を強調したのでございます。終始一貫強調いたしました。で、本件の処理に関する合意に到達することを目途として東京において近い将来日米両国の関係の代表者が会合することは、然るべきことであろうということに意見の一致を見たのでありまして、これだけでございます。その程度て。
#45
○曾祢益君 最後に、これはまあ新聞報道等で或いは間違いがあるかも知れませんが、愛知さんの感じとしてMSA受入れについてやや消極的といいますか、妙な御意見も新聞に書いてあつたように思いますし、お互いにワシントンが中央政府で予算を取りに行くような恰好になることは好ましいことではないと思うのですが、全体の交渉を通じてやはりMSA受入による防衛計画の樹立というのがいいのか、それともMSAからはプラスの面があるにしてもマイナスの面が大きいというふうに消極的なお考えであるやにも聞いているのですが、その点はどうなんでしようか。
#46
○政府委員(愛知揆一君) 私が帰りましてから申しましたことをクオートされておる記事につきましては、ちよつとニュアンスが違つた点もありますのでこの点は私も申上げたいと思つております。この本当の考えとして私先ほども申しましたが、防衛の問題にしても我々の防衛計画であるので我々が作るべきだ、それからいわんや予算について事前にアメリカの了解を得るなどということはとんでもないことだと私は思うのであります。私どもとしては日本の立場においてがつちりしたよい政策を立てれば自然これが国際的にもいい影響を及ぼし、又援助の手も伸びるであろうし、それが手際のよい援助の受入方だということは私は信念として持つておるわけでございます。ただアメリカだけではございません、援助を受けておりまする欧州の諸国を、ほんの駈け歩きではございまするけれども、そういう点を忠にしているくと意見も聞くことに努めたのでございますが、その援助を受入れておる側のいろいろの意見などの中にも、私は私自身としては参考になる点も相当ございましたが、要はやはり援助を受けるということにすれば少くとも常時援助を与える側との間には非常に密接な連繋を保つことが必要である。特に日本の実情というものはできるだけ率直にありのままアメリカの気が付かないような点もこちらとしては解明して、そうして相互の理解協力を深めて行くというふうに、そういう点にも非常な効果を私は挙げるものと思うのでありまして、政界の人たちも勿論でありますし、又事務の責任者というような人たちも、そういう意味においてひとりこちらが行くだけでなく、向うも迎えたほうがよろしいでございましようが、双方の理解を深めるということについでは一段の努力が必要である、こういうふうに私は考えられるのでありまして、大体記事もそういうことを書かれておつたように思うのでありますが、ちよつとニユアンスが違いますために、若し援助が要らないというようにお取りになれば間違いで、私は防衛計画の現実の問題としても、先ほど曾祢さんの御指摘の通り自衛力の増強が必要であるという立場をとりますならば当面においては援助が必要である。又いわんや経済自立上の問題としては防衛支持援助にしても或いは経済援助にしても、すでに西欧諸国に与えられておるものがあるならば、これは日本としてもヂスクリミネイトしてもらいたくない、こういう建前を貫徹すべきじやないかと思つております。
#47
○曾祢益君 有難うございました。
#48
○委員長(佐藤尚武君) ほかに次官に対して御質問ございませんか。実は次官は衆議院の大蔵委員会から迎えに来ておつたのを延ばしておりますから、どうか成るべく短く一つお願いいたします。
#49
○高良とみ君 私よく今の小麦の買付はMSAでするということの範囲はまだよく把握してないと思うのですが、それと若し完成兵器を日本が受入れた場合に、やはりカントリー・チームというものがそれに附随して来て、その兵器の使用方法又はそれの修理に対して監督をするということは、これは避けられないことと了承して間違いありませんか。
#50
○政府委員(愛知揆一君) その点はいわゆる池田・ロバートソン会談におきまして、或いは又私自身のそういうことを調べたいと思いました点からは離れておりますし、又それらの点につきましては外務省当局が非常に御苦心の点と思いますので、私からは答えられないわけでございます。
#51
○高良とみ君 そうしますと、只今お話の筋から申しますれば、この中から農産物即ち小麦等の買付けの範囲において経済面を持に御担当になつておるわけでございましようか。
#52
○政府委員(愛知揆一君) 私といたしましては、この十月三十日の共同新聞発表に現われておりますようなことをやつて参つたわけでございます。
#53
○梶原茂嘉君 若しお話が出ておれば結構でございますが、お伺いしたいと思います。
 一九五四年七月以降のアメリカの会計年度の関係で、対外軍事援助その他に減少とか相当の変化があるようにときどき報道されておるわけでありますが、愛知さんあちらにおられての見通しと申しますか観測、来年度以降どういうふうに変化するであろうかというような点についての見通しがありますればお伺いしたいと思います。
#54
○政府委員(愛知揆一君) アメリカの新政権の下におきまして、まあ日本にもお馴染のドツジ予算局長とか或いはハンフリー財務長官を初め財政当局並びに政党側におきましても、非常に今いろいろの点で、まあ人さまのところのことでありますから余り批評は差控えたほうがいいと思うのでありますが、やはり非常なむずかしい段階に当面しておられるように思います。即ち来年の一月には、かねて朝鮮事変の関係で臨時に増税しておりました増税案は、アイク大統領の手においては元へ戻す、即ち現在から見れば減税することが公約であり、又政策として決定をしておる関係もございますので、来年度の予算編成につきましてのみならず現在進行中の会計年度の途中におきましても、いわゆる公債の発行限度が法律できまつておりまするが、そこのぎりぎりのところまで来ておるというようなことで、アメリカの財政政策は現状において相当緊縮される段階に来ていると思います。その際におきましては技術上から申しましても非常に大きな軍事関係、或いは対外援助関係というものが相当話題に私は今後なつて来ると思います。大体の傾向としてはできればこれを減らしたいということになつて来ると思うのでありまして、そういう点が先ほど申しましたがMSAの関係におきましても、今後他国に援助するものを原則としていわゆる軍事援助の最小限度のものにしようじやないかという空気が、国会におきましても或いは政府部内におきましても、或いは又世論としてもそういう線が強いように見受けられました。
#55
○鶴見祐輔君 一つお伺いしたいのですが、アメリカ側の日本の国防に対する要求が国防省の考え方と国務省の考え方が違つてはいないかどうかということを、向うの役人にお会いになつたときに何か印象をお受けになつたことはございませんでしようか。
#56
○政府委員(愛知揆一君) 直接にこれはお答えができるかどうかわかりませんけれども、私のさつきから申しておりますような印象からいたしますれば、例えば戦略的な国防当局としての情勢判断を聞きましたような場合に、そのほかの例えば国務省の当局者などがおりましても、そのときに私に対する紹介としては、これは国防省というか国防担当の或る人の意見ということで聞いておいて頂きたいというようなこと、並びにこれに関連していろいろのこうあつたらいい、こうあつたらいいというような御意見も拝聴をいたしましたが、その雰囲気からいたしますれば先ほどもちよつと申述べましたように、必ずしも米連邦政府全体の国策としてこういうふうに考えるというようなところまでは私は行つていないような印象を受けました。又いわゆる防衛計画の内容につきましても、これはまあ当然かも知れませんが、陸軍の担当のかたから言えば陸軍のほうを大きく考えたいのが人情でございましよう。又そのほかの方々はそのほかの考えを持つかも知れません。私の飽くまでも個人の印象でございますがそれぞれの立場からの意見というふうに私としては受けとれました。
#57
○委員長(佐藤尚武君) それでは政務次官に対する御質問はこれで打切ることにいたしまして、政務次官のお帰りを願いたいと思います。ありがとうございました。
  ―――――――――――――
#58
○委員長(佐藤尚武君) それでは次に日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約第八条2についての留保に関する公文の交換について承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のあるかたは順次御発言を願います。別に御発言もないようでありまするから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のあるかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを頂きます。
#60
○曾祢益君 私はこの議題となりました案件につきましては反対いたしたいと存じます。
 反対の理由は、我が党といたしまして、日米通商航海条約に不満の点があるので本条約には反対したというその関連からだけではございませんので、本条約が適当と認められない場合にもこれを改善するような協定ならば賛成しても差支えないと思うのでありまするが、どうもこの今度の案件につきまして考えまするに、アメリカの議会の意思が相当わがままな形で現われておる、そうしてそれをそのまま受けたような留保という形になつておると思うのであります。勿論私たちといたしましては自由職業につきましても基本的には国民待遇をするというこの基本原則を貫くのが一番いいと思うのであります。併しアメリカの事情によりましてその通り行かない。ステートの憲法或いは法律によつてアメリカ人のみ留保するような事項がある場合には、これは或る程度止むを得ない。それならば日本といたしましても、やはり自由職業の国民待遇については或る程度の日本独自の見地からの留保があつてもいいのではないか。決してそれを昔のように非常に制限的なものにしようという意味ではございませんが、いやしくもこの議題となつているような形においてアメリカだけの留保を、ただそれを受入れるというような消極的、受動的な形においてやることは適当ではない。やはりもつと自主性の上に立つた、これに関連して日本が対応して留保すべきものを留保する、こういう形がとらるべきではないか、それが第一点であります。
 第二点は、何と申しましても先般の同僚委員の御意見にもありましたように、ややともすれば憲法の大原則である、条約は事前承認が飽くまで鉄則でなければならない。このたびの案件のごとき事後承認の形は適当でない。これはやり方によつては決して不可能ではなかつたと思います。従いましてそういう条約の形と内容の二つの点から、遺憾ながらこの案件については反対いたしたいと存じます。
#61
○團伊能君 日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約につきまして、すでにこの条約は承認されていながら、只今曾祢委員が指摘されたように、いわばアメリカの国内法におきましてこういう取扱がありましたことは、私どもも非常に遺憾とはいたします。これはアメリカ合衆国の国の形といたしましてこういうことが現われて来たものと思いますが、その点は将来における合衆国自身の憲法と州法との関係において徐々に訂正されるものと考えられますが、現在の立場におきましてこういうことが現われましたことは、アメリカ合衆国といたしても又やむを得ざるところもあるかと思いますが、我々といたしましてこの条約におけるこういう留保のつきましたことは遺憾とは思いますが、友好通商航海条約の全条約を承認した以上、これだけの留保は承認するのやむを得ざるものと考えます。私はこれに賛成を表明いたします。
#62
○梶原茂嘉君 私は本件に賛意を表するものであります。第八条の2についての留保は、そのこと自体及びその内容に関連して遺憾の点は確かにあると思うのであります。併しながらそのことはすでに友好通商航海条約を承認する際に存在した問題で、一応その問題があるという前提の下に先般のこの委員会で承認が与えられたのであります。そういう経緯から見ましてもこの際これを承認することが妥当であろうと、かように考えまして賛意を表するものであります。
#63
○委員長(佐藤尚武君) ほかに御意見ございませんか……。別に御発言もないようでありますから討論はこれにて終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(佐藤尚武君) では討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約第八条2についての留保に関する公文の交換について承認を求めるの件について採決いたします。本件を承認することに賛成のかたの挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#65
○委員長(佐藤尚武君) 多数と認めます。よつて本件は承認すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますか、これは前例の通り委員長に御一任願います。それから本院規則第七十二粂により、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を円とされたかたは順次御署名を願います。
 多数意見者署名
   草葉 隆圓  梶原 茂嘉
   徳川頼貞  鶴見祐輔
   團 伊能  古池信三
  ―――――――――――――
#66
○曾祢益君 議事進行について。採決には異存ございませんが、やはり大臣、政務次官等の出席によつて採決して頂いたほうがいいと思うのですが。
#67
○委員長(佐藤尚武君) 委員会においてもでございますか。
#68
○曾祢益君 はあ。
#69
○委員長(佐藤尚武君) 委員会においては必ずしもそうではなかつたと私は只今までの例として記憶しておりますが……。本日の場合は政務次官は今来られるそうです。大臣は衆議院のほうの委員会に行つていて出られないということです。ガットのほうはまだ衆議院からこつちに廻つて来ていないそうでありますから、先ほどの……。
#70
○曾祢益君 先ほどのを文句言つているのではございません。もう一つのもございますから……成るべくそういうふうにして頂きたいというのです。
#71
○委員長(佐藤尚武君) 先ほどの曾祢委員からの御要望でありました奄美群島の復帰の問題について担当官を要求されておつたのでありますが、アジア局長が出席されておりますので御質問を願い御答弁頂くことにいたしたいと思います。
#72
○曾祢益君 先達つての委員会ですでに質問申上げたので大体内容は御存じだと思うのですが、奄美大島の復帰に伴いまして、奄美大島出身の人で沖繩に引続き残つて生業をしているような人たちが、復帰と共に送り還されるというのではないかといつて現地側で非常に心配をしておるわけであります。それはいろいろな生業があると思いますが、なかんずく問題となりやせんかと思うのは沖繩における公務員であります。これは公務員という職業の性質上、まあ国籍は現在の沖繩の状況でも日本国籍なんだろうと思うのですが、実際問題として奄美大島は日本に完全に帰属する、沖繩のほうは特別な地位にある。そういうふうな関係から、特に公務員諸君が心配しているということを聞いているわけであります。それらの問題について日米間の交渉になつているかということを伺つたのですが、この聞条約局長の了解しているところでは交渉の対象になつておらん。というのはそれはあまりにもアメリカ側がそういう何といいますか待遇をするはずがない、だからむしろ交渉の議題にしなかつたのではないかという一応のお答えがあつたのでありますが、それならそれでなおさら結構なことですが、現地側ではそれを心配しているのでその実情とこれに対する見通しを伺いたい。こういうことであります。
#73
○説明員(中川融君) 只今御質問のありました奄美大島出身の人で沖繩本島等でいろいろ生活している人たちが、今度の奄美大島の内地完全復帰に伴つて、その生活環境に急激な変化を及ぼすようなことがあつては社会問題とも考えられまするので、その点につきましては或いは先般条約局長から答弁になりましたところと多少違う点を申すことになるかと思いますが、私が実地に交渉に当つておりましたので交渉の経緯を申上げる次第でありますが、その点につきましては、我々交渉の当初から常に念頭に入れておりました。交渉の過程におきまして先方にそれの急激な変化を及ぼさないようにということを申入れたのであります。それに対しまして先方も十分の理解をもつて処置したいということを言つております。まだ交渉は過程でありまして終結いたしておりませんので、それがどのような形になつて現われますということはまだお答えできませんけれども、その実質におきましては先方も十分問題のある点を理解いたしまして、これに対しまして十分の理解をもつて対処しておるということを私は十分に看取し得たのであります。従いまして急激な変化があるというようなことは心配ないのではないかと、かように考えております。
#74
○曾祢益君 大体わかりましたが、これは本人の都合もありましようから、権利として絶対に終身公務員として取扱えということは無理かも知れませんが、急激云々の内容のとり方ですが、まあ極く短期間だけは使つてやるけれども、結局は公務員のごときは代つてもらうというようなことにならんように、現実はやはりそう沖繩に勤めることが愉快でもないでしようし、転職する人もあると思いますが、ただ単に急激な変化を来さないというだけでなくて、事実上の既得権の保護というような、もう少し積極的に現地で処理するように根強く交渉をすることを希望いたしておきます。
  ―――――――――――――
#75
○委員長(佐藤尚武君) 次に関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件を議題といたします。質疑のあるかたは順次御発言を願います。なお本件は四時頃には衆議院本会議を通過する予定であります……。別に御発言もないようでありまするから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。このへんで暫時休憩にいたしまして後ほど又適当の時間に再度お集まりを願いまして……。
#77
○曾祢益君 ちよつとその前にほかの問題で政務次官に質問したいのですが。
  ―――――――――――――
#78
○委員長(佐藤尚武君) それでは今の問題は後刻お集まりを願うことにいたしまして、曾祢委員どうぞ。
#79
○曾祢益君 返答は明日でもして頂ければ結構です。実は御承知のように特需関係の労働者ですが、これが依然としている。直傭関係の労働者については、マスター・コントラクトを変えていわゆる保安解雇というような行き方に変えるという方向に進んでいる。あれが細目協定ができていない関係で実施になつていないように聞いております。併し外務当局或いは特調の当局に非常によくやつてもらつて、アメリカ側にも反省を求めて大体改善の方向に進んで来たのですが、ところが特需工場のほうは旧態依然たるものがあるわけです。これは直接的には本院においても労働委員会のほうで取上げておられると思うのですが、最近になりまして神奈川県の追浜にある富士モータースにおきまして約三十名の保安解雇という案が出ております。これは実は今年の夏頃から問題が出ておるわけであります。而もその前に外務当局等も関与して実際企業を経営する人もアメリカの圧迫で、こういうコントラクトの中の保安解雇というような条項を廃めさせるようにということが、参議院の労働委員会の意思だつたのです。現実にはやはり企業者というものは立場が弱いもので、旧態依然たる保安解雇の条項が入つたコントラクトをしている。その点が悪いと言えば悪いのですが、基本的には直傭労働者のマスター・コントラクトの改善を現実に早く実施してもらうことが一つ。続いて直傭のほうでそれだけ改善したのに特需工場が依然たることはあり得ないので、何も訳もわからずに保安解雇というようなことが行われることは、実はこれはもう完全な労働法違反的な事件が起つて、下局労働行為を而も最近の富士モータースの例を見ますと、現実にはどう考えても正常な労働組合運動をやつている。それが次の機会の保安解雇の対象になつておる。率直に言つて破壊的な行動をする一部の者もおるでしよう。会社のほうで労働組合のほうの適当でないという数名については、これは自発的退職の手は打つたそうですけれども、その三十名の中にはどう考えても極めてまじめな労働組合員及び会社の相当上のほうの係長、次長クラスもおるそうです。こういう状態が続いておることは甚だ遺憾千万であつて、而も今や暮に迫つておるので、三十名の中の約十五名をいよいよ会社も最後に十二月十五日までに解雇しないと、会社のほうが契約を破棄されるというような点に追込まれておるそうであります。是非とも私は外務当局において取上げてもらつて取りあえず延期をして、先ほど申し虎ように基本的に日本の労働組合法等労働三法が完全に施行されるように、日米合同委員会等において積極的にやつて頂きたい。実情についてはこれはもの読み上げませんが陳情が来ておりますので、是非至急に取上げて頂きたい。問題が非常に具体的ですから今日直ちに細かい答弁は要求しません、明日でも一つ……。
#80
○政府委員(小滝彬君) この問題は労働委員会でも討議されておるはずであります。マスター・コントラクトのほうが附属書がまだでき上つておらないために未実施であるのは遺憾でありますが、併し保安解雇の点などにつきましても事実上はイニシアルをすませた草案の趣旨に従つてやるように先方でも了承いたしております。追浜の工場につきましてはお説の通り三十名については我々も承服できないので、現に合同委員会の分科会でこれを審議しておることはすでにもう御承知であろうと思います。我々といたしましてはできるだけあの直接雇用によるものと同じように実施せられるように、先方へもすでに申入れておりますが、この追浜の具体的な問題も果してどう最終的な解決ができるか、ここで確言することはできませんけれどもだんだん先方も事情がわかつて来たようでありますから、是非とも我が方の主張を向うに聞き入れさすように目下せつかく努力中であります。
#81
○委員長(佐藤尚武君) それでは暫時休憩いたします。
   午後三時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時八分開会
#82
○委員長(佐藤尚武君) 休憩前に引続いて会議を開きます。
 議題は、関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件であります。これより討論に入ります。
#83
○羽生三七君 本件はもとより望ましい問題でありますので、この成立には賛成であります。ただ問題は宣言に署名しない国々との今後の交渉のあり方、或いは貿易上の取扱等万全の配慮をされること、並びにこのガットの仮加入によつて満足することなく、更に今後の貿易の伸長等について十分なる努力をされることを希望いたしまして本件に賛成いたします。
#84
○團伊能君 私は関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言につきまして賛成いたします。で、この宣言に署名することによりまして、我が国は関税及び貿易に関する一般協定の利益に均霑することができ、又これに関連して採択されました決定によりまして、関税及び貿易に関する国際的発言権を獲得したことは、我が国の利益を保護し又増進することになりますので極めて有利と考えます。で、この宣言が我が国と多くの国との通商条約が締結されない以前におきまして、多数の国とガットを通じまして条約と同様な結果を得たことは極めて喜ぶべきことであると思います。この意味におきまして私は本件に賛成するものであります。
#85
○梶原茂嘉君 私は本件がガット仮加入に関します宣言を承認することに賛成をいたすものであります。ガットの仮加入に関連いたしまして外務当局の今日までの努力に対しても私はその労を多とするものであります。本件は直ちに政治的に大きな期待をかけ得ないといたしましても、今後我が国の通商貿易上の新しい地位の確保とその発展のために期待し得るところ少くないと考える次第であります。私はこれに賛意を表するものであります。
#86
○委員長(佐藤尚武君) そのほかにも御意見のありまするかたはどうぞ。それぞれ賛否を明らかにしてお述べを頂きたいと思います。別に御発言ございませんか。別に御意見もないようでありまするから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(佐藤尚武君) それでは討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件について採決いたします。本件を承認することに賛成のかたの挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件は承認すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは前例により委員長に御一任願います。
 それから本院規則第七十二条によつて委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    梶原 茂嘉  佐多 忠隆
    羽生 三七  中田 吉雄
    古池 信三  團  伊能
#89
○委員長(佐藤尚武君) 本日のこの会議のしまいに外務大臣に来て頂いて、そして質問をすることに予定しておりましたが、二、三委員のかたで差支えができましたり、又時間がすでに遅くなつたりなどいたしましたので、外務大臣に対する質問は明日に延期いたしたいと思います。それで目下の予想では明日午前中に今回この委員会にかかりました両件を本会議に上程いたしまして御採決を願い、そして午後の或るときを見計らいまして外務大臣に一時間ほどこちらに来て頂いて、そして質問をするということにいたしたいと思つております。どうぞそのおつもりでお願いいたします。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十五分散会
   ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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