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1953/12/03 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 農林委員会林業に関する小委員会 第1号
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1953/12/03 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 農林委員会林業に関する小委員会 第1号

#1
第018回国会 農林委員会林業に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和二十八年十二月一日(火曜日)委
員長の指名で次の通り選任された。
      小枝 一雄君    平野 三郎君
      福田 喜東君    松岡 俊三君
      加藤 高藏君    芳賀  貢君
      川俣 清音君    安藤  覺君
同日
 川俣清音君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
会 議
昭和二十八年十二月三日(木曜日)
    午後二時八分開議
 出席小委員
   小委員長 川俣 清音君
      佐藤善一郎君    福田 喜東君
      芳賀  貢君
 小委員外の出席者
        農林委員長   井出一太郎君
        議     員 金子與重郎君
        議     員 足鹿  覺君
        議     員 山本 幸一君
        議     員 中澤 茂一君
        林野庁長官   柴田  栄君
        農林事務官
        (林野庁林政部
        職員課長)   丹羽雅次郎君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
十二月二日
 小委員平野三郎君同日小委員辞任につき、その
 補欠として佐藤善一郎君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 林政の基本施策に関する件
 林野庁職員の給与に関する件
    ―――――――――――――
#2
○川俣委員長 これより会議を開きます。
 第十六国会で、国土保金治山治水に関する決議案が上程されまして、本委員会の委員である福田喜東君によりまして提案説明されておるのであります。その理由は、多年にわたる山林濫伐、国土荒廃の結果、水害は相次いで起り、遂に今次西日本、近畿等に見るごとき空前の大惨事存惹起した。かくのごとく惨害発生の誘因は全国各地に内在し、絶えずその脅威にさらされつつあり、一たび災害発生すれば、それがためわが国産業文化の基礎はたちまち根底からくつがえされ、その禍害は加速度的に増大して、国土の前途まことに寒心にたえないものがある。これに対する政府の諸施策は、予算その他の拘束を受けて、当面姑息の域を脱せず、連年いたずらに災禍を繰返している。政府はわが国土の七割が山林によつて占められている現実を直視し、これの荒廃と緑化のいかんが、ただもに山村民はもとより、八千万国民の安危にかかわる事実を認識して、治山治水国土保全に国家百年の大計を樹立し、抜本の措置を講じなければならない。しかも治山清水国土保全の根本は、山林の全機能発揮と治水施設の充実強化にあり、特に水源山林の全機能を発揮するためには、農山村民経済の安定振興をはかるにあるを洞察し、山村民みずからが進んで木を育て、常に欝蒼たる樹木でおおわれた山林をその生活の基盤として守るよう確固たる政治を打立てるべきで、第一、国土保全治山治水、第二、森林資源の増強、第三、農山村経済の安定及び振興はこれを国政の基本政策として、有機的に強力に実施するとともに、この基礎の上に立つて、保安林の整備、荒廃山地の修復、砂防施設、河川改修、洪水調節ダムの建設等を積極的に行う必要がある。こういう説明で決議案が上程され、可決をみているわけであります。これに対する政府の施策がまだ十分ではありませんが、この決議に基いて林野庁でお考えになつておりまする保安林整備等についての御意見があるようでありまするから、その説明を承りたいと存じます。
#3
○柴田説明員 根本的な治山治水の対策につきましては、従来とも氷雪に伴いまする被害の累年の増加、特に本年度春以来各地に頻発いたしました大水害等にかんがみまして、衆議院におきましても、ただいま委員長の御説明のごとき決議を上げられ、私どもといたしましても、これが根本対策を特急樹立いたしまして、計画的にこれが根本的対等衆の実施をはからなければならぬということで、従来の調査を基礎といたしまして、それぞれ対策を計画いたしておつたのであります。たまたま決議に答えまして、政府といたしましては内閣に治山治水対策協議会が設置されまして、緒方副総理を本部長として、関係各大臣、学識経験者らが委員に選任せられまして、御審議を願つた次第でございます。十月末には一応基本対策要綱が確定をみた次第でございます。その基本対策要綱におきましては、林野の関係の諸施策、建設関係の河川を中心といたしまする事業諸施策等、総合一体化いたしまして、それぞれこれが計画の完璧を期するということに相なつておるのでございます。その一環といたしまして、重要な水域の森林に対しましては、水源確保と増強、保全のために、保安林の整備を行わなければならないということになつておるのでございます。従いまして林野庁といたしましては、これらの重要水源地域に対しまして、保安林の緊急整備を行わなければならないということで、これが法的措置に関しまして目下検討をいたしておる次第でございます。まだ法律案として確定いたすところまでは参つておりませんが、一応この形式等につきましても、御承知の通り、森林法におきまして保安林の規定を盛つておりまするので、これが改正をいたすという方法、あるいは単独に緊急整備の臨時措置の法律を制定願つて保安林の整備を急ぎ、整備のあかつきにおいて、森林法にこれを移行するというような法律技術的な問題等があるということで、これが検討をいたしておるのでございます。一応骨子として私どもの考えておりまするのは、この法律の骨子は国土の保金の万全を期するために、緊急に保安林の適正配備を行つて、この配備を行いましたものにつきまして、管理の強化をはかるということによつて、保安林機能を十分発揮できるようにする。こういう目標をもつて内容を整備したい。こういう考え方でおるのでございます。
 保安林の整備計画といたしましては、この目的を達するために、公益上重要な河川の流域、水源につきまして、なるべく早い機会にこれを整備いたしたい。そこで公正な審議機関を通じまして、二十九年度から一応重要地域に対しましては三箇年間、その他の地域については四箇年に全保安林の整備計画を立てる。その場合に一応中央森林審議会の議を経たいという考えを持つております。これが検討の対象といたしましては、流域の森林面積、流域の水田面積、河川の包蔵電力量、これは既開発、未開発を合計いたしたものを対象とするという考えであります。それから流域内の山林荒廃の面積、流域の人口の密度等を条件として審議決定を願う、こういう考え方を持つております。そうして水源涵養、土砂流失防備、土砂崩壊防備、その他洪水防止、または流域の保全等を目的といたしまする指定地域とかりに申しますが、重要河川の上流水源地域に関しましては、農林大臣がこれを指定する。それから治山防備あるいは風害、水害、潮害、旱害、雪害、霜害等の防備、なだれ防止、火災の防備あるいは指定地域外の、先ほど申し上げました国土保全の目的の保安林に関しましては、都道府県にまかせて指定をする。これを区わけをいたして、責任を明確にして参りたい。それから従来の保安林のうちで、国土保全に直接関係のない、たとえば魚付林、航行目標の保存と公衆の保健、名所旧跡等の風致保存というようなものは、保安林というよりも別途の名称をもつて、これを都道府県知事にゆだねて、指定するというような方向へ持つて行きたい。特に国土保金に関係のないようなものも一応特別に、保護林と仮称いたしてみますと、これらの受益者またそれの所在する地区を管轄する地方公共団体等の意見も入れて、これは主として直接受益者の意向を相当強く入れて参りたい。そうしてあくまでも保安林の重要性、規模、あるいは保護林の目的等を、直接責任の形態に持つて行きたい。こういう考え方を持つておるのであります。さらに従来保安林を設定いたしまして、保安林の施業の指定事項を明示いたしまして、施業の義務を負わしておるのでありまするが、これが実際の管理に関しまして十分な監督が行き届いていない。あるいは施業計画自体が、必ずしも的確でないというようなために、十分なる目的を達成し得ないで参つておりまするので、国の、農林大臣の指定いたしまする保安林につきましては、森林の基本計画の一部を変更する。そうして第一種及び第二種の保安林につきましては、保安林の管理計画を作成して第一種については農林大臣が責任を持つてこれに承認を与える。第二種については都道府県知事が承認をいたし、その結果を農林大臣に報告させる。そうしてこれによりまして、森林区施業計画あるいは実施計画の一部を変更して公表するとともに、保安林の所有者にその内容を熟知させる。そうして保安林の所有者が、その施業計画、あるいは実施計画について義務づけられておりまする事項を履行しないという場合には、行政代執行法の例によりましてこれが的確な実施を確保する手段を考える。あるいは森林所有者、その保安林の所有者が、森林区施業計画、または実施計画において、禁止せられておる事項に違反した場合には、罰則を設けるという手段もとらなければならない。これには保安林の指導監督を強化するという意味において、監視員を設置いたすということに考えて行かなければならぬ。かように保安林の施業内容を、強く保安目的のために縛るということになりますれば、森林所有者が制限を受ける強さによつて、売り払いたいというような希望が出るという場合もある。それらについては国が直接これを買いげて、国の仕事として管理、経営をするような方法も考える。この場合に一応現在では、国有林野事業特別会計の予算で、その範囲内において買つて行きたいということを私どもは考えておるのであります。あるいは第一種保安林については国が、第二種保安林については県が、森林所有者の希望によりまして、経営の委託を受けるという方法も考えて行きたい。また保安目的ではない、先ほど申し上げました仮称保護林というような対象のものは、なるべく特定の受益者等が持たれるように勧奨するということも考えて行きたい。かようにいたしましても、結局制限を強化するということになりますると、それに付しましては国家が補償を妥当にいたさなければ、非常に片手落ちになる、これが実施も困難であるということで、現在森林法におきましても、保安林の制限に対しましては補償の制度があるのでありまするが、具体的に強力に補償をいたした例がほとんどないのでありますから、この緊急整備をいたす。さらに保護管理の計画を強化するといたしますれば、当然妥当な補償をいたさなければならぬ。これを特急に考えるために、さしあたり二十九年度内において、補償対象の内容調査とその基準方法等を定めたい。かように、これも法律に持つて行きたい、こういうふうに考えておる次第でございます。これらの内容を、法律的に、どういう形式で行くのが妥当であるかということについて、目下検討を加えておるというのが現在の段階でございます。
#4
○川俣委員長 今、柴田長官からの説明で、森林法を改正して強化して行こうか、また独立立法と言いますか、臨時措置法をつくつて、保安林を整備して行こうかという二つの案のうちで、保安林を整備して行く臨時精粋的な立法を考えておられるという説明であつたわけですが、これに対していろいろ御意見があるだろうと思いますから、審議を進めたいと思います。
#5
○福田(喜)委員 ただいま長官のお話を承りましたのですが、長官に断片的に、ぽつりぽつりと申し上げて恐縮ですが、あの植林の促進法はどういうふうになりますか、あれをひとつ……。
#6
○柴田説明員 治山治水の基本対策といたしまして、保安林の整備強化と合せまして、治山事業の計画的実施はももろんでありするが、最も手取り早く、かつ有効に働く問題は、造林の促進ということに相なる。これを最優先で進むべきではないかという各方面の御意見もございまするので、これが促進の方策として、計画造林の推進に対する特別な臨時立法をいたしたらどうだというような御意見が非常に多いのでございまするが、現在いかなる内容を盛つて促進の方途を講ずれば有効に、財政的に、あるいは国民運動等の展開によりまして、強力にこれが実行できるかというあらゆる問題を、各方面の意見、資料等を収集いたしておるという段階でございまするが、まだ体系としては整備いたしておらないというのが現状でございます。
#7
○福田(喜)委員 まだ体系としては整備しておらないというお話でございまするが、あれは次の通常国会に御提出の御意向でございますか。
#8
○柴田説明員 でき得れば次の通常国会に提出して御審議を願いたいという目標で、目下資料の収集その他の整備をいたしておる次第であります。
#9
○福田(喜)委員 植林促進法――この前の懇話会においてあれほど論議されて、結局ああいうふうな促進法の形でまとまつて提出しろということであつたわけでございまするが、あれはただ単なる植林の促進ということでなくして、林業税制の改正から問題が起つたわけでありますが、林業税制につきましては、これとからまして、あの中に取込むお考えがあるのでございますか、ないのでございますか。ないとすれば、植林に関する促進の点からいつて、林業税制の改正を次の国会でやられるのであるか、ことに造林促進のことに関する林業税制に対する長官の御意向も承つてみたいと思います。
#10
○柴田説明員 林業税制につきましては、すでに税制審議会等におきまして一応御検討を願い、案も出ております。大蔵省においても御検討を願い、大蔵委員会の審議を進めていただくというような情勢にもなつております。造林促進のために税制自体も相当大きな促進の要素には相なると思われるのでありまするが、その内容いかんによりましては非常に――わが国の森林所有の形態から言いまして、全体を通じますると、きわめて零細所有が大部分を占めておる、税自体には直接大きな関連がないという場合も出て参りまするので、これを非常に強く押し出すということになれば、反面におきまして零細所有者の造林促進をするという方法との関連におきまして、また困難な問題が起るという、バランスの問題と申しまするか、さような関連も出て来ると存じまするので、先般もこの問題をめぐつて私どもの関係の皆様方で論議をいたしました際にも、税制の問題を主体的に促進法に取上げるということは、妥当ではないのではないかというような意見も出ておりまするので、一部あるいはこの問題にも触れるかも存じませんが、主体的には税制との関連にはならないというふうに私は考えておる次第でございます。
#11
○福田(喜)委員 そうすると促進法の中に盛られるのは、税の点とか免税とか、そういうことではなくして、促進というのはどういう点に促進の重点を置かれるのでございまするか、一応長官の御意見を承りたいと思います。
#12
○柴田説明員 最も有効な方法は妥当な助成であると思うのでございますが、従来はほとんど一律に造林に対しましては補助を考えておるということなのでございます。ただ奥地の、しかも重要水域を早く造林促進をしなければならぬとすれば、特に経費と手間を多く要する地域等に対しては特別の措置を講ずる、あるいは保安林等を主体といたしましては、高率にこれを実施する、それらの点が主体的にならなければならない。さらに、あるいはこの税制の問題等にも触れまして、再造林の可能な基礎控除の決定であるとか等も、当然問題に相なつて来るとは存じまするが、まだ各方面の意見を総合いたしておりませんので、先ほども申し上げましたように、どの程度の内容を盛り、どのような体系にしたらよろしいかというはつきりとした見当を持つておらないというのが現状なのでございます。
#13
○福田(喜)委員 ただいまの長官のお話によりますと、まだ内容は具体的にきまつていない、従いまして植林促進法の中に盛り込むべきところの内容というものも、まだ何も具体的に申し上げられない、こういうことでございまするが、今のお話によりますると、大体の中心が、つまり植林助成ということに重点が置かれる。結局助成ということは、平たく言つたら、補助金ということでございますか。その点が第一点。
 それからさらに関連しまして、先ほど林業税制の改革にあたりまして、実際具体的に当つてみるというと、林業税制を改革して、植林に関する点を研究してみても、実際森林の所有者というものは、全国的に見るとき、零細所有者が多いからして、これを改正をしてみても、実際にはあまり免税とか基礎控除とか、その点におきまして恩恵にはならない。その点について、また各方面の意見を当るというと、こういう結論に達したというお話でございますが、一体どういう方面と話合いをなさつたのでありましようか。林野庁部内でございましようか。外部とのお話があつたのでありますか。これはこの前、参議院でわれわれが林業懇話会で寄つて、研究したのと大分結論が違うようでございますが、その点、もしさしつかえなかつたら、お話願いたいと思います。
#14
○柴田説明員 林業団体を主体とする懇談会において、しばしば話が出ておるわけであります。ただこの前の林業議員懇話会でいろいろお話をしていただきました場合の税制という問題は促進のために一定期間を限つて、その造林をするということに対する税の問題ということが主体であつたように記憶いたしまするが、それを税体系全体の問題として処理するということはいろいろな問題が関連して、かえつて混乱させるという議論でございまするので、その辺は誤解のないようにひとつ御了承願いたいと思います。
#15
○芳賀委員 ただいま、長官の今後の林政に対する構想等を聞かせてもらつたわけでありまするが、このねらいは、一つは国土保全という意味と、もう一つは林産資源の培養というところに大きなねらいがあると思うわけであります。そういう場合において、国有林に対しましては、国の一貫した方針によつてこれを方向づけて行くことは可能であると思いますけれども、今の御説明によると、民有林に対しましても一つの規制を加えて、この方向に持つて行こうとする意図がうかがわれるわけであります。そういう場合において、現在における民有林の分布状態等からみて、これは林業としての一つの独立した立場において考えることもできますし、また農業の中の一環としての林業とか、そういうような姿も多分にあると思うわけであります。最近における民有林の所有の状態が非常に零細化されているような話もありましたけれども、また零細所有者は数の上においては多いと思いますけれども、地積を保有しているという意味においては、少数の所有者がこれを持つておるというような傾向ではないかというように考えるわけでありますので、一応こういう分布状態等の御説明を願いたいと思います。
#16
○柴田説明員 ただいま統計書を持たないで参つておりまするので、はつきりと申し上げかねるのでありますが、二千五百数十万町歩の林野のうち私有林が約千七百万町歩ということになつておりまするが、これを森林所有者数からみますると約五百万でございまするので、所有者数から言いますると、一町歩未満が七二%ぐらいになるかと存じます。五町歩以下になりますると九二、三パーセントという所有関係になつておりまするが、面積割合からいたしますと、やはり非常に少数左森林所有者が相当の面積を占むるということに相なると思います。ちよつとここに数字がありますので御参考に申し上げますが、一町歩未満の所有者数は七二%七程度になりまするが、所有面積は一四%五、それから一町歩から五町歩までの森林所有者数は約二%、その面積で二三%九、面積で一番多いのは五町歩ないし二十町歩の森林所有者でありますが、これは所有者のパーセンテージを見ますると、五・八パーセント、所有面積から行きますと、二六%三という程度になつております。五十町歩以上の所有者、所有数から言いますと、わずかに〇・四%でございますが、面積では二二%四という程度まで持つておる。かような状況になつております。しかもこれはさらに国有林と民有林等を考えますると、地方別に非常に相違がございまして、北海道、東北――北海道のごときは所有の割合が国有林が六十数パーセント、半分以上ということになつております。東北地区がほぼ半分、関東中部は非常にわずかな量になつております。九州へ参りましては、二〇%ないし三〇%、四国が十数パーセント、こんな程度でございまして、地方別に非常にアンバランスになつております。このことは日本の林野のあり方から言いますると、非常に理論のないあり方であります。総面積に対しまして国有林が三割程度ということは、世界を通じてほぼ標準ぐらいのところにあるかと思うのであります。これが国有林である目的ということから整備されたという観点からついたしますると、御承知の通り日本の国有林の成立は、明治初年の地租改正の当時に官民有の区分をいたしまして、民の所有という証拠のないものを国有にいたしたというような関係から、国有林でなければならぬという目的で、置されてないというところに非常にアンバランスのものがある。林政の根本問題ということになりますれば、これが整備をも急がなければならぬという問題は根本的にあると存じまするので、これは目下中央森林審議会におきまして、特別委員会を設けて御審議を願つておる次第でございますが、私どもといたしましてはこれも急がなければならぬ、かように考えておる次第であります。これらと関連いたしまして保安林の緊急整備、今後の管理経営、さらには所有形態の整備というところまで入れれば入るべきじやないかというふうに考えております。
#17
○芳賀委員 この点についてもう少し長官のお考えを聞きたいわけでありますが、最近におきましても農業の零細化というものはだんだんその速度を加えておる。そういう場合においては、零細化された農業の経営規模の中において、当然経済的にもそれを維持するということが非常に困難な度合が深くなつて来ますし、また今年のような異常なる災害のときにおいては、非常に底の浅い農家経済を維持するという何らの蓄積が行われておらないということが暴露されて来ておるわけであります。そういう場合においては、当然農地の零細化から脱却するために、多分に森林に対する経済的な依存度が深まつて来る。考え方としてはそうなるというように思われるわけでありますけれども、そういう中において、私有林の分布状態、しかも所有の分布というものが非常にバランスを欠いているということは、ここに何か大きな今まで手を加えなかつた、放置された面があるのではないかというふうに考えるので、ただいま長官も言われました通り、今後の林政を抜本的に改革して、国土保金という方向にまで飛躍させるためには、この形態というものに対しても、同時的に重要度を持つて検討する必要があるのではないかというふうに考えるわけであります。特に農地改革が行われましたけれども、林業、林野の面においては、全然新しい構想のもとに手が加えられておらぬということは、今後これは未解決の重大なる問題であると思いますけれども、これと取組むだけの勇気は施策の上においても必ず必要であると考えております。これはいろいろな意味を持つた問題であるからして、長官としても責任のある御答弁はできないかもしれませんけれども、お考えをひとつお聞かせしてもらいたいと思います。
#18
○柴田説明員 なかなかこの問題は複雑な内容をはらんで参りまするので、今ただちに簡単には割切れないと存じまするが、概念的には国土保全を主体といたしまする地帯については、国家が責任をもつてこれが管理経営に当るということが一番妥当ではないかと思われるのでありまするが、純経済林につきましては民間にゆだねるということも、林業の本来の性質からいいますと、個々の所有者の個々の意思の自由にまかせて経営をするということには、反面国土保全という建前から、非常に危険があるわけであります。ただ森林法に規定いたしておりまするように、流域別の計画の基本を国が責任をもつて作定する、これに従つていただくという形がある限り、経営に関しては自由形態で経営することが妥当であると私どもは考えておるのでございます。ただその際に、国有林である程度林産物の需給というものの調整をはかる必要があるかないかという問題が一つこれにからんで参ると思われるのであります。いま一つには、農業経営といたしましての農用林というものの姿をどこに置くへきかということも重要な問題で、東北地方のごとき非常に国有林の多い地帯におきましては、地元の農家の農業経営の対象として利用願うような農用林が現在設置されつつあるわけでありまして、かような形態がいいか、細分して御利用願うがいいか、これらについても相当検討を要すると思われるのであります。先ほども申し上げました通り、現在のままであるということは、根本的に必ずしも理論があるというふうには私は考えておりません。なるべく早い機会において理論ある再整備が行われるべきでである。もう一つ大きな問題、土地全体の集約利用という面におきまして、農業、畜産、林業等との総合的な土地利用というものによる再配分、その有機的関連性をも考えらるべきである、かように考えております。結局土地生産業の集約化という問題になりますれば、林地を将来においてはできるだけ人的、集約的な用途に使い、これとの組合せにおいて林業生産力を増強することによつて、支障のないように、水の問題、保金の問題等をも取扱つて行かなければならないと、かように考えておる次第であります。
#19
○芳賀委員 次に、林野整備に関する指揮法ができておつたわけでありますが、これは来年の六月でですか、一応の役割を果す、使命を終ることになつているわけでありますが、この林野整備の法律によつて行われた業績といいますか、そういうものに対する、どのような実績が上つているかという点に対して、御説明を願いたいと思います。
#20
○柴田説明員 国有林野整備臨時措置法によりまして、売払いをいたす予定をもつて調査いたしました対象は、総計で十五万二百八十七町歩に現在相なつておるのでございますが、二十八年の九月までに売り払いました実績は四万八百七十五町歩でございます。今後なお相当に残されておるのでございますが、実際の問題といたしましては、ただいま売払いの手続を整備するための実測を進めておりまするので、大体特に東北、北海道が相当大きな面積に相なると存じまするが、積雪前に現地調査を早く完了いたしたいということで進めておりまするので、今後の手続上の完了は相当促進すると思われます。今の見通しといたしまして、非常に困難と思われまするのは、私どもの方で調査いたしまして売払い可能であるという場所も、買受けの能力がないというような場合、あるいは相手方の都合で負わない場合、いま一つは、部落と部落とがこの整備対象に対しまして非常な対立をいたして、トラブルを起しておる。このままいずれに決定いたしても村のトラブルを激発するというような事態が起つて来る。それらのために遅れるであろうと思われるのが二万一千八百七十六町歩ばかり現在あるわけでございまして、その他のものは二十九年度六月末までに予定いたしておりまする七千六百九十六町歩というものを残しては、大体可能じやないかという目標でやつております。ただしかし、本年度のごとき、整備売払いの数量の比較的多い東北、北海道、冷害、凶作等のために資金的に相当困難を感ずるというために、あるいは促進しないというような問題も起りはしないか、こう思われるのでございますから、これらの情勢を勘案いたしまして、非常に遅れるようですと、来年の六月末までということでは完了しないという問題が起る。一面、町村合併促進法におきまして、三十一年の九月末まで特例として延長されておるという例もありまするので、これらの事情を映して、あるいは必要によつては一部修正をいたして、これが買受け等の事務的な処理をスムーズにやるということもいたす必要がありはしないかということで、ただいま検討いたしております。もし必要がありまする場合には、次の本国会までに修正案を整備いたしまして御審議を願う、かような考え方でおる次第でございます。
#21
○芳賀委員 これに関連してでありますけれども、林野整備の措置法によつて売払いを行う場合においては、順位としてはこの林地が所属しておる町村が第一順位になるわけでありますが、そういう場合において、その林地がたまたま隣の町村における水源涵養林というような役割を果しておつたというような事例も出て来るわけです。そういう場合においては、やはり水源涵養という意味からいうと、むしろ国が従前通り所有して、将来不安のないようにしてもらいたいという気持が関係住民の中から出て来るわけですが、しかしそれは林野整備の面から見ると、結局地方公共団体に売り払つてもさしつかえがないという場所になつておるわけです。そういう場合において、水源涵養林として国有でこれを存置してもらいたいというような希望があるようなそういう場所は、これは当局においても十分御判断になつて決定されておるかどうか、そういう点が知りたいのであります。
#22
○柴田説明員 ただいまのお話のごときは、当然国有林として管理経営をしなければならぬ対象に相なると思つておりまするが、さようなことが林野整備の対象になるということは、実は整備法の趣旨からいつてもちよつと考えられないわけであります。たまたまお話のごとく、他町村の水源涵養のために、あるいは保安林に指定され、指定されてない場合においても、その流域が水源涵養のために利用されておるというような場合には、私の承知いたしております事例としては、所在町村において一団地、飛地になつておりまして、林野整備で売払いの希望がありましたが、これは国有林野の経営の目的からいつて、整備の対象にならないということで、お断りした事例を二、三承知いたしておりまするが、もしさような場合で、国有林側として、特に重要な水源地域として認識が足らぬで、間違いがあるというようなことでは、ゆゆしき問題だと存じまするので、具体的にさような例がありますれば、どうぞひとつ御連絡をいただきまして、間違いのないように処置をさせていただきたい、かように考えます。
#23
○芳賀委員 さらに今度の新しい構想の中において、林野を最高度に利用するという場合において、もつとも植林などをすることは、いわば当然でありますけれども、日本において牧野と称するようなものに対する利用度というか、近代化というか、近代化というものは非常に遅れておるというように考えるわけでありますが、そういう点に対しましては、長官はどういうお考えでおりますか。
#24
○柴田説明員 その問題は、私どもからあまり端的に申し上げることはどうかと存じまするが、林野と牧野との組みかえ等の場合に、牧野としての目的の青草採集あるいは利用ということが、経営的に技術的に強化され得るということが、ある程度等閑視されておる。面積の確保ということに強く入り過ぎておるという場合が非常に多いために、特に私の承知いたしておりまする東北中心あるいは九州中心の牧野等では、牧野として非常に不集約にとられておる点が多い。畜産振興等も、わが国としてはきわめて重要なことであると思つておりまするので、林業に活用することと、畜産に活用することと、その土地の対象が国策的にあるいは経済的にどちらが集約だということは、なかなかむずかしい問題だとは存じまするが、一面において、狭い国土を、牧野としても今少し集約的に使つていただく。そうして他の小面積の残余の分につきましても、牧野として活用の困難な所は、林野として活用をしまして、反面において国土保全の効果を少しでも多く期待するというところまで入らなければならない、かように考えておる次第でございます。幸いに畜産局等とも連絡いたしました結果、青草の増殖をはかるための手段が、技術的にもあるいは財政的にも考えられようとしておるということでありまするので、これらの点から、今少し合理的な土地の利用、再配分という問題が促進されるのではないか、かように考えております。
#25
○金子與重郎君 芳賀委員の質問に関連したような問題でありまするけれども、問題は、国有林野の整備に対する臨時措置法が来年で期限が切れると、それからただいま長官の説明にあつたような程度の業績が一応上つたということでありますが、ここで考えてみなくてはならぬことは、林野の問題につきましては、農地ほどの所有に対する制約というものがありませんから、そこでこの前私もそう言うたところでありますが、払下げの対象というものは、一応村有にしないと、それが再配分なり、あるいはある年限の後には再び逆に大地主のふところに入つてしまう。かえつて国有林野であつた場合よりも処理のしにくい結果になるということは、私も警告申し上げたのであります。
 さてそういうふうなことで国有林野の整備が大体その方針に進んでおりました。今度は逆の結果としまして、その林野の払下げに対して、国有林を村の基本財産にするのだというような感覚が強く打出されたような感があると思うのであります。それに対して、むしろこの整備法は、山村の営農との関連性をより充実させるということにも私どもは期待を持つたのでありますが、一面所有権の問題から、払下げの対象になるものが町村長であり、ことに町村であり、その払下げの手続きに当つておる人たちの主観というものが、町村役場的な主観の土に立つておるということから、国有林はただ町村の基本財産にするために払下げるのだ、こういうふうな線が強く出過ぎておりはせんかというような感じがいたしますが、長官が過去をふり返つた状態からいつて、どういうふうにお考えになりますか。
#26
○柴田説明員 ただいま金子さんのお話の通り、整備法によりまする売払い対象は、最近においてはほとんど主として町村の基本財産対象ということに考えられておるようでございます。特に町村合併促進法等において、基本財産造成のために必要ある場合というようなことを規定せられておりまするので、基本財産をつくるためにただよこせというような考え方さえ出て来るということで、それも基本財産造成のために合理的にお使いいただくということならば、あるいはおまかせするという考えも出て来ると存じますが、従来の整備によりまして売り払つたものは、売払う場合に、これは国土保全あるいは林産物の増殖の面からいたしますると、だれが経営いたしましても、一層集約に経営をお願いできるということが建前でなければならぬと私ども考えております。従つて売払いの契約の場合の受け書には、その山林の今後の経営の計画をつけていただき、それを承認することによつて売り払うという手段をとつておる次第でございますが、現実には、せつかく御約束を願つても、まつたく約束通りに参らないで、従来、立木度を高め、計画的な補植経営をするという建前が、逆に裸地を急激に多くつくるというような結果になつておりますることを、実は非常に恐れておる次第でございます。一面、農業経営の対象として、農用林的な目的を達成するためには、必ずしも土地所有までもつけなくても、利用の権益によつてこれを確保できる。さらに土地所有までつけますると、兼併という問題は、林野については依然として起つて来るということなので、農用林的な利用は、国有林の共有林制度を極力御利用願うというような連絡と、末端に対する指導をいたしておる次第でありますが、国有林野整備の実施に関しましては、先生の御指摘のような傾向がだんだん強くなつておるにもかかわらず、なかなか造成をお願いできないで、資本の食いつぶしをやつておられるということの方が多いということを心配いたしております。
#27
○金子與重郎君 私どもが整備法に期待したものと、それから過去を振り返つてみまして、ただいま長官の見られた点も同様のようでありますが、この点は、相当反省して行かなくもやならねじやないか、なるほど山村の貧弱町村の財政の中では、そこに一定以上の基本財産というものが、平坦部における財政収入の多いところより以上に必要度があるということは、よくわかるのでありますが、さればといつて、ことに農村の疲弊しました機会に、今の森林法規というものが、法律としては一応の建前がついておりますけれども、たとえば保安林問題につきましても、そういうものが法の実施ということになりますと、実にこれはあつてなきがごとき状態である。これは国土保全の上からいつても、非常に憂慮すべきことだと思うのであります。ですから一方においては、山村の町村の財政というものを考慮して、もう一段とこの法律を修正なりいたしまして、これを継続して行くことを私どもは期待すると同時に、それをやるんならば、今の保安林その他の山を保護する法律を、いかにして確実に守らして行けるかという施策が一緒について参りませんと、結局山を荒すための払い下げが行われたという結果をおそれるわけであります。それに対して、今の水源涵養にいたしましても、その他の防風林といたしましても、保安林制度をもつと強力に、監督なり指導なりする方法が、一体あなたの方でとれるかどうかということを……。
#28
○柴田説明員 御説ごもつともなんでありまして、その点に関しましては、治山治水の根本問題といたしましての林野の施策として、従来森林法に、保安林の規定はいたしておりまするが、現状においては、規定だけはありましても、実施にあたりましてきわめて手ぬるい施策しかできなかつた。これを再検討いたしまして、現在の保安林というもの自体が、一応改廃もいたしておりまするが、このままではなかなか目的達成のためにたらないということで、緊急、重要河川上流水城を主体といたしまして、保安林の整備、再配分を考えると同時に、その内容に対しましては、施業の計画実施まで国が強力な手を差延べるという法律的な措置を講じ、さらにこれに対する財政的な裏づけをもつて、たとえば補償問題、あるいは森林所有者の希望によりましては、買上げの問題等も、あわせて実施いたしたいということで、今これが法律案の検討をいたしておるという状況でございますが、これらと並行いたしまして林野整備に関しましても、ただいま申し上げましたような実情でございまするので、期間の延長その他について修正をする必要がありはしないか、かように考えたいと思つております。
#29
○金子與重郎君 そこで森林の保全ということに対して、今、一応法律とての形はなしておりまするけれども、先ほどから申し上げるように、保安林の実施その他においてはあつてなきがごとき状態である。ことに私有林、公有林に対しては特にそういう傾向がある。ひとつ特にあなたに強くお考え願いたいことは、たとえば同じ土地でも、農地といえども、山林といえども、等しく個人の財産であつた。それが戦後において、あれだけの犠牲を払つて農地改革をやつたが、農地というものは、ひとり個人の投資の対象としておくべきものでない、要するにそこから生産を上げて行くという社会的な一つの使命の方が重いんだ、こういう点から、ときによると憲法違反でもあるかのような、所有権というものを国家が否定したかのような形にまで進めて、そうしてあのような農地改革をし、しかもその後における耕作に対しても、かつてに自分の土地なるがゆえに荒地にしておくことは許されぬ。はつきりそういう場合には、委員会なら委員会というものが干渉し得る立場にあるわけであります。しかるに山持ちに関する限りは、いくら山を持つて、いかに荒しておこうと、しかも今言うように法をまげて、法を踏み破つて保安林を個人財政のために切りとつても、これは法には悪いということが書いてあるけれども、実際上はだれもほとんど制裁を受けていない。ことに今、これはいいことでありますけれども、それを切ることをやめさせようとか何とかいうと、それは個人の所有権だから、それをやめさせるのには融し資なくちやならぬ。買い上げなくちやならぬという御親切はごもつともです。しかし今の農地に比べれば、いかに大きな差があるかということです。農地だつたら、おれの畑だからおれが荒しておいてもかつてだということは許されない。でありますから、森林を持つている人たちに対して、基本的にそれだけ特権があるからして、国家がそれを見てくれないからおれはかつてにそれを切るのだということは道理が通らぬ。ことに農山村におきましては、山という問題が、いつも農地と比較されておるわけであります。不幸にして先祖がたんぼを持つていた人は、一躍してこじきになつた。幸いにして山を持つていた者は、何らの制約なしに、そうして自分のものであるからといつて、それが保安林に指定されようが少しもかまわぬというような、まあ実際の状態はそういうふうなんです。ですから森林の保全ということに対しては、一方において同じ性格の、土地の生産力を上げて、国家の財をつくるという性格においては、山も耕地もかわりはないのであります。ですから山に対して、先ほど芳賀委員の言つたように、農地と同じような、より強力な立法的な措置、あるいは再配分の処置がとられれば、これは別でありますが、それが行われてない現段階といたしましては、山の所有者に対して、今の幼齢林の伐材等におけるいろいろな助成、その他が私は悪いとは言わないけれども、そういう考え方を一つすると同時に、それをほかの農地や何かに比べて、同じような責務を山持ちにも持たすべきだ。たとえば百姓が米をつくりましても、それはもうかるともうからざるとにかかわらず、これは供出しておるのだ。でありますからして、山持ちだけが山が上つて来て成金になつた。高いからあいつは売ろうなどということが許されておるということは、絶対にいかぬと思います。ですからあなたはあなたの立場で、先ほどのお話にあつたように、この制度を強化するためには、山持ちに対する金融の処置をとつてやらなくちやならぬ、あれをやらなくちやならぬということは、それは山だけがほかの財産と同じように、土地に比べないで考えたときには、なるほどそういう御意見が出るとも思いますけれども、しかし一方において、いわゆる生産力を上げる土地ということを考えた場合においては、日本の今の現段階では、制度においては、田畑というものの公的性というものをあれだけ強く打出しておつて、そうするならば、山がもう少し公的な性格を強く制度化したために、今の個人的な所有の上に若干の制約が加わつても、これはやむを得ぬ、私はこう考えますが、長官はどうお考えになりますか。
#30
○柴田説明員 その点はまことにごもつともな御議論でございまして、私どもも、日本国民として憲法で保護された私有権ということに対しましては国家国民に対する当然の義務も賦課すべきであるという考え方を持つております。従いまして、森林法で規定いたしておりまする私有の山に対する施業の基準を国が定めて、その範囲内において計画を立てられなければならないというようなことは、所有者の国家国民に対する責任であり、当然の義務であるという考え方で、これを補償すべきであるというふうには考えておりません。ただしかし同じ私有でありながら、いま少し大きな具体的な計画に入つてまで、実際は、保安林のごときものは、植伐を地域的に決定し、これを厳重に守つていただくということでなければ、とうてい保安林のごときは目的を達しないと思うのでございます。普通の所有者と比べると、さらに一段の制限を加えるというものに対しては、これに対する国家のある程度の補償が必要である。こういう程度を私ども考えておるわけでございますが、所有に対する所有者の国家国民に対しまする義務ということは、まつたく先生のおつしやる通り私も考えております。(「おつしやる通りやつてくださいよ」と呼ぶ者あり)いや、だから一応その通り実行しておるわけであります。
#31
○金子與重郎君 そこで今申し上げたのは、あなたが森林所有者については、こういうふうなことも、というような親心があまり出過ぎると、法をこれから改正したり何かする上に勇気が出ない。そのときには、いつでも畑やたんぼのことを考えてください。そうすればもつと勇敢に出ますから。それは決して私どもは間違つているのではないと居つている。そういうことをこの際お願いする。
 それからその次にお伺いしたいことは、私どもは国有林整備について、一つには番財政的に要素の乏しい山村というものが、その野先まで国有林というものが占めてしまつた。よしんば国有林でない場合にも、特殊な資本を持つた大きな山持もに占められてしまつた。そうして御承知のように山村であるがゆえに、田畑は狭い上に地味はやせておる。従つて農山漁村問題というときに、まずやせて来るのは、漁村と山村の方が先にやられるのが通例でありますが、それはもともと要素がないのでありますから無理ないのであります。それを緩和するために、地方財政の上に、先ほど申し上げたような村有林を持たせることは、これはよろしい。しかしそれには山をいかにして保全するかということに対して、もう少しあなたの方の手を強く延べて行かなければならない。そこで最後に残つた問題は、今度国有林の整備をいたしましたけれども、役場の村長さん、村会議員さんは、村有林をふやすということだけで臨んでおる。従つて払い下げてしまうと、営農上その部落にどういうふうにすれば、その土地が最高度に任用できるかということについては、きわめて関心が薄い。私はそういう実例をたくさん見ております。そういうようなことから、依然として営農の上にはほとんど役立たなかつた。私は、今の所有権のあり方が、共有というものに対しては、たとえば五十人の共有に対しては、五十分の一の権利義務を負わせるという今の制度でありますがゆえに、部落ということになると、部落というものは法人格を持つておりませんから、当然だれだれ外何名という対象になる。そういう対象になるがゆえに、その個人が負債を持つたときに、強制執行の対象にもなる。またその自分の持ち分の売買も利くということから、結局、当初は共有の形であつても、何年かたつ間には、特殊な地主に兼併される。こういうことをおそれるがゆえに、この前の法律のときにも、町村を対象にすべきだということに対して賛成したのであります。それは画村有そのものにすることを、私は全部そうすることが正しいという意味で賛成したのじやなくて、そうでないと、あとになつて国有林に置いたことよりも、もつと始末の悪い結果が来るから、それをおそれてやつたのでありますが、それが町村になりましても、部落で営農上の要素として活用できないということになりますと、これはまだまだ国有林野整備の広い意味の目的というものに遠い。こういう関係かと思いますので、今度の国有林野の整備を考えるときには、整備といつても、所有権の整備だけでなく、もう一つ現に行われております部分林なり、共用林のこの制度に対して、農業経営というものの中まで一歩あなたの方で行為を踏み込んで、そうして制度を考えてもらいたい。単なる国有林を払い下げるという整備法だけでなしに、今お話の通り、利用させるという面でもけつこうですから、その利用させる面にも、たとえば共用林なら共用林というものにしましても、その基礎というものが、今までのは、すべてあなた方林野局の一方的な意見によつて法律がきめられておる。たとえば条件にしてもそうです。それを今度は、両者の立場というものを考えたときに、たとえばその地方の農家の耕作面積が幾ら幾ら以内であつた場合に、それに対して幾ら幾らの限度まではこれをやるのだ、こういうような考え方から、それはももろん払下げだけでなくてもいい。共用林の場合にしてもよろしいのでありますが、そういうふうにしていただきたい。共用林や部分林制度を、なぜ一般の人が喜ばないかということは、これはまつたく政府の責任なのであります。なぜならば、地方へ行きますと、これは今から二、三十年前ですが、かつてに取上げた事例がたくさんあるのであります。手続や何かの関係で、かつてに部分林や何かで契約していたものを、もう契約は継続しないというようなことでやつた事例がたくさんあるのであります。それでこの部分林や何かでは、また先のように取上げられてしまつてはつまらぬというような実例がたくさんあるのであります。だからお前たちはそういうことをせんでも、部分林なり、共用林の制度でやつたらどうかということを、私どもが実際奨めましてもだめだ。この前なんか、私のところは、これこれの山は全部部分林でやつていたのが、明治何年のときに、私どもの方は手続が遅れたというので、け飛ばされてしまつた、こういう例をたくさん聞くのであります。でありますから、この部分林なりあるいは共用林の制度に対しても、国有林野整備法と同じように、もつと法的にはつきりしたものをつくりまして、しかもそのつくる根拠は、その地帯の営農をいかにして維持するか、そのために山という要素をとつてしまつたのだから、その山というものを附加してやる。こういう意味において、両方から条件というものを出して行ける程度まで考慮した改正をして、私どもは、この国有林野整備法は、どうしても改正すべき点は改正して、もう少しこれを継続したい、こういう希望を持つておりますが、同時に共用林、部分林の問題につきましても、最前申し上げたような考え方からこれを整備して、そうしてこの際農山村の農業経営の上にほんとうに役立つような制度を立て、同時に啓蒙して行く、こういうあり方をすることがいいかと思うのでありますが、それに対する長官のお考えをお聞きしたいと思います。
#32
○柴田説明員 先生の御意見に私もまつたく同じ考えを持つております。部分林に関しましては、あるいは地方においてさような不安を持つてこれに活躍していただけぬという問題があるとすれば、これはたいへんな問題だと思つております。従来の部分林というのは必ずしも――この成立から言いますと、中には契約によつて部分林をつくり、それが一代で、あと廃止するというようなのもあると思いますが、従来播植その他によりまして、耕地に植えられた木を整備して、部分林にしたものが相当ございまして、これは全体の経常計画のために、昔は一代限りで返してもらうというようなので、取上げたというのが相当多いわけでございます。さような理由ばかりではないと存じますが、多くはそういうことで、従来部分林を植えてしまつてから設定した例が多いわけで、これを整備するという方針があつたわけであります。新しく参りますものは、ちようど沖縄、宮崎等で部分林設定区というものを計置いたしまして、代々部分林として利用して行くということで経営しておる所もありますので、この考え方を今後御活用願う場合には、場所をはつきりきめて、部分林設定区として安心して林業の経営をしていただく。こういう考えでやつておりまするし、これはもうすでに現在の法律の適用で十分にできることになつておりまするから、ただいまさような方針で末端に指導いたしております。もし末端にそれが徹底しなければ、林局署へさらにつつ込んでお調べを願えれば判明する、こう思つております。
 なお共用林に関しましては、先ほども申し上げましたが、委託林等を拡張して、農用あるいは生活等のために開放する県営林の設定ということをいたしておりまするが、昨年度までの解釈は、実は非常に狭く指導して参つたために、なかなかその目的通りに開放いたして参らなかつた。これでは共用林の制度をしいた目的を達成しないということで、本年度に入りましてから方針を改訂いたしまして、先生の御意見と同じ考え方で、実は方針を決定して、指導いたしております。これは林野政策とあわせて、先ほども申し上げましたように、非常に場所的にアンバランスな国有林の地元産業に対する総合的な活用のために御利用を願いたい、かように考えております。
#33
○川俣委員長 それでは、先ほど来、保安林整備臨時措置についての骨子の説明があり、今また国有林野整備臨時措置法についての改正意見並びに修正意見等も提出されましたので、これらを基本にいたしまして、林野庁においてなお御研究を願うことといたしまして、この案件は一応本日のところこれで終ることにいたします。
#34
○川俣委員長 次に問題になつておりまする全林野労働組合の林野庁職員の二十八年度一月以降の賃金改訂及び増額に関する要求についての仲裁裁定について、これを議題といたしまして、お諮りいたしたいと思います。これは前の林業小委員会におきまして、一応論議を尽してはおりますものの、今度の臨時国会において、大きな問題となつております案件でありますので、最終的な小委員会の意見をまとめたいと思います。時間は十分でありませんけれども、その意味において御発言願いたいと存じます。
#35
○足鹿覺君 小委員外ですが、よろしゆうございますか。
#36
○川俣委員長 どうぞ。
#37
○足鹿覺君 私は前回のこの委員会に小委員として出席いたし、仲裁裁定をめぐつて長時間意見を申し上げ、また当局の意のあるところをただしたわけでありますが、いよいよ本日は何らかの本委員会としての態度を御決定にならなければなりません。前回からの関連もありまして、私おじやまをいたしたわけであります。一つの、大体論議すべき点は一応論議しておるようでありますが、ただ前回の小委員会後、新たなる問題として重視しなければならないことが、さらに起きておると思うのであります。それは仲裁裁定の実施の問題も当然結論をつけなければなりませんが、年末手当あるいは勤勉手当の問題をめぐつて、当局と全林野労働組合との間に団体交渉が行われておると思います。つきましては、その団体交渉の今までの経過、また現在の状況というようなことについて、長官から御説明を煩わしたいと思います。
#38
○柴田説明員 団体交渉の経過につきましては、ちようど当面の折衝者として、職員課長が参つておりますから、職員課長から便宜答弁させていただきます。
#39
○丹羽説明員 お答え申し上げます。仲裁裁定が出まして、これが本国会にかかりまして以後の団体交渉は、本日午前と、これからやる予定になつております。それから前日に一度、それからちよつとその前はメモを忘れましたので明らかでございませんが、その間におきます団体交渉の問題点は、御指摘の通り、二点あるわけでございます。
 第一点は、一応聞くところにおいては、政府は一月から方針をきめたようであるが、国有林野事業特別会計の実際にかんがみて、これを仲裁裁定通り八月から実施すべきではないかという問題点でございます。
 それと並行して、団体交渉が持たれております点は、年末手当の問題でございます。年末手当につきましては、組合側は、仲裁ベースにおきますところの額を二箇月支給されたいという要求でございます。
 これに対しますところの私どもの立場なり意見の主張というものは、前段の施行時期の問題につきましては、政府として全三公社、五現業並びに一般公務員を一括して一月一日からやるということに閣議決定でも済ませられた現段階におきましては、個別にこれを七月からというような話には乗りかねる。公労法の精神その他にかんがみましての批判なり意見というものは、国会の審議にまつことが公労法の建前であるということでございます。従いまして、団体交渉はこれ以上進まない。同じ議論を、同じ段階でからまわりをしておる形であります。
 それから年末手当につきましては御承知の通り本国会におきまして一般公務員に関しましてはさらに〇・五補正予算において追加をいたしまして、夏におきまして先食いをいたしましたものを補填すると同時に、年末におきまして一・二五箇月分を出すという形に相なつております。これに対し、三公社五現業につきましては、政府の補正予算におきましては〇・二五箇月分だけしかつけておりませんので、夏に使いました分を穴埋めするだけでございますので、年末としては一箇月分しかない。かつまたべースは一月一日でありますから、現ベースにおける一箇月分ということで、組合側の仲裁ベースによるところの二箇月分ということとは相当の隔たりがあるわけでございます。この点につきましても、組合側の要求としての年末手当をどういうべースで、何箇月分出すかというベースそのものは、仲裁裁定の時期が十二月にかかるか、一月にかかるかによつておのずからきまるわけでありますので、ベースについては何とも言えない。それから二箇月の要求に対しましては、御承知の通り給与総額の制限がありますので、政府から今国会に出されております補正予算がそのまま通過すれば、遺憾ながら一箇月分しか期末並びに奨励手当としては出しようがない。ただ御承知の通り二十八年度政府機関特別会計予算書の第八条に、歳入が職員の能率向により予定以上に増加した場合、もしくは経費を節約し得た場合は、その一部を大蔵大臣の承認を経て特別の給与として支給することができるという規定がございまして、業績賞、与と俗に呼んでおりますが、この業績賞与につきましては、今後の団交の問題である、こういうふうに話しておるわけでございますが、現段階におきましては、組合側といたしましては、業績賞与は業績賞与の問題であつて、年末手当の問題とは必ずしも直結させておらぬわけであります。いずれにいたしましても、補正予算並びに仲裁裁定の実施時期に関します国会の御意思の御決定がない限りは、団体交渉としては進みかねる形にただいまのところなつておるわけであります。
#40
○足鹿覺君 一応わかりましたが、そこで問題は、私はこの前の委員会で、全林野の場合は他の仲裁裁定を下された関係のものの場合とは著しく条件が異なつておる。すなわち今職員課長の申されたように、金にしるしはありませんから、私は実質が仲裁裁定の八月実施にマッチするようになり、かつまた年末手当も公務員並になるということが実質的に確保されればよろしいと思うのです。問題は、別に仲裁裁定の完全実施ということだけを観念的に唱えているのではなくして、それは一つの形式であつて、内容はそれに匹敵する生活費がもらえれば、労働者の場合、別に金にしるしはありませんからいいと思う。そこで問題になつて来るのが、業務賞与の財源となつて来る。既定額を越えて相当増収になつておるかどうかということが問題になつて来ると思います。そこで、私は林野特別会計の内容はよく知悉しておりませんが、大体において、他の政府機関あるいは公社関係等のものと比べて著しく成績がよろしいのでありますから、何らかの形においてこのかつこうをつけてあげなければならぬものだと私は思うわけであります。ところが、すでに長官も労働委員会の席上において相当思い切つた発言もなされておることは、この間も速記録の上からしばしば指摘もしておりますし、長官自体も部下に対してそういう気持をお持ちになつておるわけなのでありますから、問題は、八月からの仲裁裁定実施ということで、ただこれのみをぽこつと引上げるということが、政府の方針によつて最悪の場合不可能といたしましても、何らかの形においてそれに匹敵すべき実額を確保してあげる、そのことによつて円満なる妥結を見ることが得策ではないか。われわれはどちらかというと、この全林野と当局との仲裁裁定をめぐるいろいろな団体交渉の経緯、おのおのの言い分というものを見ましても、他のものとは大分違つていると思う。ですから、そういつた方向でもつて問題を解決して行くことが、この段階においては可能でもあるし、また実際いいのではないか。この出し方についてでありますが、これはあなた方に聞いても、これがいいともなかなかおつしやりかねると思うのですが、これは当局の手を離れて、われわれ国会が一つの決意をしなければならぬ段階だと思う。今私が言つたことに長官も職員課長も大きな矛盾は感じておらぬと思うが、この点どうですか。速記録にとどめるのがいけなければ、一時速記をとめてもらつてもけつこうです。
#41
○川俣委員長 ちよつと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#42
○川俣委員長 それでは速記を始めてください。
#43
○足鹿覺君 いろいろと今御懇談を申し上げたわけでありますが、この問題は遷延を許しませんので、本日の小委員会で少なくともわれわれは結論を出して、その結論を本委員会に報告していただくつもりで、熱心な審議を続けて来たわけでありますから、次のような点をお諮りを願いまして、委員長において御裁定を希望いたします。第一に、仲裁裁定は完全に実施すべきものである。この理由としましては、他の八単産が受けた仲裁裁定中、この全林野の裁定は一番低額であります。しかも定員二万のほかに、この裁定の恩恵にすら該当しない九万余の労務者がある。これらの季節労務者等を差引いて、常勤労務者について勘案してみましても、非常にベースは低きに失するのでありまして、この仲裁裁定は少くとも最低のまた最低だと考えてもさしつかえないと思います。従いましてきわめて不満ではあるが、一応この仲裁裁定の線を尊正して、完全に実施をして行くことが適当であると思います。
 次に年末手当の問題でございますが、年末手当は公務員並に一・二五箇月分を支給すべきであるということであります。この理由はいまさら申し上げるまでもなく、同じ公務員であります。ただその身分が公共企業体に身分を置いておるか、あるいは国家なり地方自治体に籍を持つておるかということの差でありまして、何らその国家なり公共のために尽しておるということについては、区別すべき筋合いのものではない。むしろ現場にあつて非常な苦しい仕事を続け、甘んじて大きな国家の特別財源に貢献をしておる。少くとも本年度において二十三億の一般会計に繰入れをするような、たとい木材の値上りが大きな原因であるとはいえ、国家財政に多くの寄与をしておるのでありまして、これらの者に公務員よりも下まわる年末手当を支給して年の瀬を送らせるということは、いかにも片手落ちであり、残酷でさえあると私は考えます。よつてこれは当然一・二五箇月分の年末手当を支給すべきものである。もつともつとでも出してあげたいというのが本旨でありますが、それもまた他との均衡等の問題もありまして、少くともこれは最低限度としてあげるべきものである、かように考えるわけであります。
 続いて現在問題になり、団体交渉中でいろいろ行き悩んでおるそうでありますが、業務成績が非常に向上しておる。よつてこの業務賞与をプラス・アルフアーとして年末手当にプラス業務賞与ということにしていただきまして、相当弾力条項を大幅に適用してもらつて支給してあげてもらいたい。大蔵省方面の承認が必要であつて若干困難な向きもあろうと思いますが、赤字欠損の団体ならいざ知らず、先刻も申しましたように、業績は著しく向上しておるのでありまして、これはやはり現地における第一線の人々の労によるところがきわめて多いと思います。従つて業務賞与を何ほど出すかということについては、ここでちよつと一律に申し上げかねますが、少くも組合側が主張しております年末手当と合せて二箇月分を目途として、委員長においてよくその辺は技術的に御研究を願いまして、明日の委員会には数字を付して出していただきたい。委員会に御報告を願いたい。
 第四点は、これは今後の問題でありますが、この仲裁裁定の理由書を通読いたしてみましても、この林野労務に携わつておる人々あるいはその事務に従軍しておる人々等を見ましても、著しくベースが低く、しかも勤務地は相手が山林であります関係上、僻地奥地にあつて、非常に自然的条件、社会的条件あるいは一切の生活条件の不利な所におる人々が、大半を占めて起るように思われます。しかも先日の委員会で当局から御説明になりましたように、その職種につきましても、公労法の適用を受けない労務者が九万を突破しており、しかも職種は百数十種に及んでおるというような状態でありますので、すみやかに給与体系を整備し、少くも他の今回仲裁裁定を受けた単産に比肩し得るような賃金ベースなり、またその他必要な手当等給与体系を整備されまして、来年度の予算の編成の上には少くもただいま申しました点が実現できますように、本委員会としても当局に申し入れ、またこれを決定いたして、実現のために努力しなければならない、かように考えるわけであります。
 以上私の気づきました点は四つでございますが、不十分な点は委員長においてしかるべく補足修正を加えていただいて、お諮りを願いたいと思います。
#44
○川俣委員長 ただいま足鹿委員の御意見は、全林野労働組合の、林野庁職員の昭和二十八年一月以降の賃金改訂並びに増額に関する仲裁裁定に関する件と、期末手当に関する件と、なお公労法の適用外の職員並びに労務者に対する救済の問題についての御意見でございましたが、いずれもごもつともだと思いますので、この小委員会の大勢を、私から次の農林委員会に報告をいたし、善処方をとりはからいたいと思いますから、御了承願いたいと思います。
 本日はこれで散会いたします。
    午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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