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1953/12/07 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第3号
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1953/12/07 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第3号

#1
第018回国会 農林委員会農業災害補償制度に関する小委員会 第3号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
    午後三時五分開議
 出席小委員
   小委員長 足鹿  覺君
      足立 篤郎君    綱島 正興君
      吉川 久衛君    中澤 茂一君
      安藤  覺君
 小委局外の出席者
        農林委員長   井出一太郎君
        議     員 井谷 正吉君
        議     員 芳賀  貢君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      小倉 武一君
        農林事務官
        (農林経済局農
        業保険課長)  久宗  高君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 農業災害補償制度改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○足鹿委員長 これより会議を開きます。
 本日は去る五日の本小委員会におきまし各委員から私に、委員会案の起草方を御一任願いましたので、過日の参考人の意見等をもさらにあわせ考慮いたしまして、ただいまお手元に差上げました農業災害補償制度改正に関する件という刷りものにとりまとめをいたしまして、御検討をお願いいたしたいと思います。
 まず濃初にお読みいただけば大体御了承いただけると思いますが、若干の説明を加えさしていただきたいと思います。最初から朗読しながら申し上げます。
  「農業災害補償制度に関しては、おおむれ次の基本的構想のもとに改正を検討するものとする。」
 大体十項目にわかれております。これを一番最終のあと書きに出ておりますごとく、本委員会で御了承いただきますならば、農林委員会に正式に御報告を申し上げ、かつまた参議院の小委員会にもお打合せをいたしまして、当初の参議院との合同委員会の際にも、最終結論を出す場合には、共同委員会を開いてやるという話合いもございまして、本日参議院の方に連絡をとつたのでありますか、御存じのように補正予算、仲裁裁定等が本日最終段階に至つておりますので、あるいは本日開催が困難かもしれない、こういうことでありまして、いずれまた参議院の委員長とも打合せをいたしまして、よく御協議をいたしたいと思つております。
 そこで第一の問題でありますが、
一、農作物、桑葉の災害について、保険により対処する面と、補償により対処する面とを保険数理的設計のもとに次の如く分離するものとする。
   (一) 団体はおおむね通常の被害に相当する部分を保険する。
   (二) 通常の被害を超える災害については、国庫の負担において、
  政府の基金特別会計から団体を通じ、農作物の減収による実損額の七割までを填補することを目途として補償する。
  前回二号間の限界については、近年における災害の多発的傾向、不足額累増等の事情と関連し、団体の保険収支が短期的にも均衡を維持し得る合理的線を新に計測して決定するものとし、且つ両者を通ずる災害補償制度全体の規模については、すくなくとも現在の財政支出額を下廻らないことを条件としてこれを画定する。」
 でありまして、この点につきましては従来小委員会等におきましても、いろいろ皆さんの御意見が出ておりました。その御意見には若干の具体化について、この一の条項の具体的な処理につきましては、足立委員の先般の御発言もありましたし、また川俣委員の御発言等もほぼ以前の委員会にもありましたが、しかし思想としてはやはりそう大きな食い違いはない、ある部分からは国家補償的なものに移し、ある部分以下はこれを団体の保険に移す、こういうことでありまして、その内容に若干の方法論的に相違がある点だけでありますので、一応こういうことにとりまとめをいたしたわけであります。問題はこの最終のところに書いております制度の一大変革でありますが、少くとも現在国家がこの制度に支出しておる財政安出額を下まわらないことをやはり基本的な前提として考える。もしこの画期的な制度の改正を行つた場合に、大蔵省筆のいろいろな制約がさらに加わつて来る。その機会を与えるというような懸念もないではありませんが、今後、これは立法上さようなことのないように十分周到な法文にまとめ上げて行くならはいいのではなかろうか、その点は皆さん方の十分なる御検討をあわせいただかなければならない点ではなかろうかと思います。そこでどの程度のところから国家補償に移し、どの程度以下を団体の行う保険にするか、その線の引き方については非常にむずかしい点があると思います。現在、通常の災害と異常の災害と超異常の災害がありますが、超異常のみを国家補償に持つて行くのか、あるいは異常の幾部を合んだものもこれに加えるのか、あるいは異常以上を全部国家補償に持つて行くのか、その線については、いろいろ保険計数の面から今ただちに決定しかれる問題があるように思います。ただ思惟的に国家補償の面が多いほどよいということは言えますが、あとの保険経営が成り立つか、成り立たないかという点をも慎重に計数的に検討を加えてからでないと、ただそういつた、多いほどよいというような考え方からは一概に結論づけることは困難ではないか、かように考えております。
 (二) の問題でありますが、保険で行う支払い保険金の峠准となるべき点であります。ここにも書いておりますように、農作物の減収による実損額の七割正でを補慎することがここに一応明確にしてあります。これは現在のやり方と比較いたしますと、非常に大きな飛躍であります。それがはたして成り立ち得るかどうかという点でありますが、少くとも今度の改正が抜本的改正である限り、現在の余りにも少額な保険金額というものを一、実際の農家の受けた損害の七割、いわゆる収穫保険にある程度手の届くところまで行くのがいいのでありますが、しかしこれを全額というわけにもなかなか行かない点も財政的な面、あるいは掛金の累増の面等をあわせ考えてみますと、大体七割程度が妥当な線ではなかろうか、そういうふうに考えまして、ここに七割までを補填するという一応の限界を設けたような次第であります。
 次に第二項でありますが、
  二、農作物には新になたね、だい
 ず等を加えることを考慮するととも
 に、家畜については、畜産行政との
 協調にいかんなきを期したる上、お
 おむね従来の方式を踏襲するものと
 する。
 ここで保険対象に新しく菜種、大豆等を加えることを明らかにしておりますが、この点は、現在菜種については、任意共済が全国二、三の府県で行われ、大豆等には行われておりません。しかし福岡の事例等を見ましても、任意共済でやつた場合には、何らの国家の再保険につながる制度がありませんので、せつかくやつても非常な困難にぶつかり、始めただけでその仕事が中断するというような事態等も起きておりますことを考えまして、少くとも特殊な大農産物については、やはり制度的に再保険につながるものと して取入れることが妥当ではないか、そういう点において菜種、大豆を特殊な大きい農産物といたしまして、これをここに取入れたい、こういうわけであります。
 家畜につきましては、先般来この小委員会においていろいろ御審議を願つた結果、あの線で現在行われておるようでありまして、そう大きな支障もないようであります。さらに現在の制度を運営して行く上において、畜産行政の間にも十分に連絡かとられ、そしてこれと協調して十分なる成果を上げることを強調して、一応従来の方式を踏襲したらどうか、こういうふうに大体考えられるのであります。
 第三項でありますが
  三 団体の事業機構等の改善は左による。
   (一) 中央に全国を区域とする再保険団体を新設し、共済基金はこれに吸収する。
 中央に現在団体側は、共済協会なる何ら法的裏づけのない組織を持つて、あるいは業務上の農政活動、あるいは府県連との連絡調整に当つておられますが、これはもつと整備いたしまして、これらを含めた再保険団体をつくる。その際、現在協会とは別に、先般法律制定によつて共済基金制が行われておりますが、これは同様の仕事をただ資金面で行つておりまするので、再保険団体を新設するならば、当然これに吸収をいたしまして、制度を簡素化して行く必要があるのではないか、そういう意味において(一)をとりまとめておるわけであります。
   (二) 都道府県段階以上の理事者は原則として業務に専従しうるよう内部機構を整備するとともに、各級団体の役職員の身分、責任等に公的色彩を強化する。現在いろいろ各段階の理事者を見ますると、国会議員が兼務しておられるもの、あるいは県会議員あるいはその他の各級議会の議員を初めとして、多種多様の公職を持つ人がこの重要な保険事業を片手間にやつて行く、従つて一意専心これに打ち込むというようなことが、ややもすればおろそかになる点もあるようであります。このような重要な仕事を、他の公務の片手間にやるというようなことでは、とうていこの一大改革を行つた後において、農民の期待に即するような運営ができるかどうか、そういう点を十分あわせ考えまして、特に都道府県段階以上の理事者はこれは少くとも会長あるいは専務理事、あるいは常務理事といつたようなものを主として対象にしておりますが、こういう人々は専従し得るようにしたらどうか、そしてまた中央及び各府県あるいは郡、市町村の各級段階の役職員の身分についても、その責任を明確にし、身分を保障して、公的色彩を強くし、安んじてこの仕事に一意専心働くことのできるようにすべきではないか、こういう考え方でございます。
   (三) 末端組合の事業区域は必ずしも行政単位にかかわらず、経営安定の見地から定める。
 これはしばしば御意見がありましたように、現在百町歩余りの町村においても一組合、あるいは北海道のごとく何千町歩の組合地区においても一組合、こういう行政単位に現在とらわれ過ぎた点がありまして、勢い事務費がかさみ、事務費がかさめば賦課金も増大をする。そこには農民負担の累増を来しまして、必ずしも運営の全きを期することもできないような現状であります。そこで適正規模は一体どの程度であるかという点について、必ずしも行政単位にこだわることなく、適正規模、その組合の経営安定の見地から事業区域を再編成し、そして今後の仕事の運営を円滑にし、経営を合理的に進める必要があるのではないか、そういつた適正規模の点をここに取上げておるわけであります。
  四、事業とこれに対する指導監督との関係を厳正且つ明確化するよう措置するものとする。
 これは直接団体ではありませんが、農林省の機構を見ましても、一方においては指導をし、一方においては協督をする、こういつた面において、事業自体を指導しつつ、一方においては監督をする。これはただ単なる行政ではなくして、一つの経済事業、保険事栄を一方において指導しておきながら、片一方においては同様の行政庁が監督をも行うということは、一面長所もあるでありましようが、またそこには大きな矛盾もあえてないとは申しがたいのでありまして、そういう一つの事例から考えてみまして、事業とこれに対する指導監督との関係を厳正かつ明確にいたしまして、各種の世の指弾を受けるような事件も現在ないではないようでありますから、そういう点等を厳正に行つて行く、そうしてあやまちを今後なからしめるという点から、ここに一応抽象的ではありますが、この条項を取入れておるようなわけであります。
  五、農業協同組合の行う共済事業と競合する建物等の任意共済は、一定期間後、農協に一元化し、事業内容に法的基礎を与えるものとする。
 現在農協並びに共済組合両者が任意共済を行い、建物あろいは生命等の共済保険事業を行つておりますが、これらは一応、農業協同組合の行う共済事業に一元化いたしまして、そして現在の農協法に法的に不備な点もありまするが、これを整備し、法的に基礎を確立いたしまして、との点を一元化して行くべきでにないか。但し現在の両者の事業内容を見ますると、いろいろその点については問題があるようであります。これらは、たとえば農家の建物等を見ましても、あるいは農協の建物を見ましても、これは農民にとつて大きさな生産手段でありまして、これらの点について、一方においては相当金額まで掛けることができる、一方の団体の行うものにはその金額に制限がある、一方の団体の行うものは異常災害も含めておるが、一方の団体の行うものにはこれは含めておらないというように、一長一短があります。これらを法的に整備して一元化して、農家の重要生産手段は今後国家の手による再保険、あるいは発展され進んで国家補償というような面にまでる意図を持つて、一方農作物の共済については農家の所得をカバーして行く、そういつたふうに、今後事業を大きく二筋にわけて整備して行くその出発点として、ここに一元化の問題を掲げておるわけであります。そしていたずらなる紛争や摩擦を避けまして、農家のためにおのおのその分野を守つて、専心仕事に従事するようにすべきではないか、かように考えられるわけであります。
  六、総合の事業面等については、すくなくも次の諸点を取り入れて改善を図るものとする。
   (一) 加入者については当然加入乃至は義務加入の建前を崩さない。
 これを任意加入にしたらどうかというような御意見もありますが、それは現状において、あるいはこれを改革した後においても、おそらく任意加入にすれば、この制度は崩壊をすることは明らかである。従つてやはりこの制度を漸進的に、現実に発展をせしめて行く、そういうためには、やはり当然加入の建前に堅持して行くべきである。
   (二) 引受は―筆毎の俵建とし、又共済金額等に関しては四段階の危険階級を設けることとし、これに対する農家の自由選択制を織り込むよう検討する。
 現在のやり方を見まするのに、米価を基準とした一つの掛金料率か全国一律にきめられ、最近これに若の改正が加わりましたが、これによつては、まつたくの農民の意思あるいは高被害地、低被害地、いろいろのそういう点における複雑な農村事情を反映するととに欠け、やや画一に流るる点か争いのでありまして、そういう点については、一筆ごとの俵建にして単純にし、そしてA、B、C、Dというような四段階にわける。その四段階のわけ方については、具体的な数字はあとでよく専門家等に検討していただくことにいたしまして、少くとも四段階程度にわけて、そしてこれに対する農家の自由選択を認める、こういうふうにいたしまして、少くとも実情にマッチするようにすべきではないか、現在もそのスタートは現行制度に認められておりますが、さらにこれをはつきりいたして行くことは、あとで出て来ます無事もどしの問題も、これに関連してあわせ考えられるのではないかというのであります。
   (三) 農家の負担する掛金額は、一、の(一)に対応してこれを低減するものとし、且つ危険の大小に応じ個々の耕地に対する料率上の調整措置(無事戻を含む)を講ずる。
   尚、政府はその適切な取扱方針を決定するために、すみやかに常習災害地に関する全国的調査を行うこと。
 これは過日の参考人の意見を聞いた際にも、無事もどしという声は共通した強い御主張でありました。無事もどしをやれば掛金は高くなる、こういう一面においても矛盾はありますが、現在の制度に対して、制度が農民の心理の上から、高額被害地、低額被害地等の間には相当大きな開きがありまして、当然農民感情をやらわげ、その人人の理解と認識を得るという面においては、無事もどしを含んた措置かどこかで取上げられなければ、りくつで一応筋を立てましても、現実でそれがこわれて行くということでは、この制度自体の健全な発展を期することが困難ではなかろうか、そういつた面から、掛金料率を個人の自由選択制にし、あるいはある部分からは国家補償にし、ある部分以下を団体の行う保険にいたしました場合に、無事もどしを含んで、いかような掛金となり、いかように無事もどしを具体的にやるかという点については、よほど数字的な検討が行われなければならないと思います。ここでは具体的には触れておりませんが、そういつた意味において、あらゆる要素を含めて、無事もどしの精神を明らかにして行くという意味であります。
 なおこれと関連しまして、もらつておる所は、いつももらつておる、もらわない所は、いつももらわない。そういうような点は、不可抗力によるとよらざると、人為的な原因によるとよらざるとにかかわらず、一応明らかなんであります。政府はすみやかに常習災害地の全国的な調査を行つて、そして今述べましたような高額被害地と低額被害地に対するいろいろな取扱い等についても、基礎調査の上に立つたいろいろな対策を考究樹立すべきであることをここに掲げておるわけであります。
   (四) 掛金の徴収を町村に委任し、苦しくは物納を認める等徴収事務の容易確実化を図る。現在もいろいろな形があるようであります。協同組合がその掛金を集めておるところ、共演組合独自に集めておるところ、あるいは町村に依嘱をして行つおるところ、いろいろあるようでございますか、要するにあとで出て来ます保険金と掛金の相殺、あるいはそれに近いいろいろな誤りを今後絶無ならしめるためには、掛金を徴収するところと共済金を支払うところを截然と区別したらどうか、こういうことも考えられるわけであります。また掛金を容易に徴収し得るためには、物納ということも一面考えられ、また現に若干行われておる地帯もあるやに聞いております。これは税金の一部に付して町村が徴収しておるところもあるようでありますが、とにかくこの掛金の徴収の方法を十分極討いたしまして、掛金の滞納のないように、しかも農民が理解して、たやすく払い得るような措置は、いずれにいたしましても必要ではなかろうかと思うわけであります。そういつた点で一応ここに(四)の項目を取上げております。
 七、本制度による保険事業を補完するため、農業協同組合との連繋のもとに行う備荒貯蓄の制度を新設して団体の事業に金融的要素を加味するものとする。これがため掛金率の算定等に当り特例を設け且つ国庫助成等の奨励措置を講ずる。
  これは委員諸君の中にもずいぶん今まで御意見がありました。しかし新しくこの制度を取上げてくれということにつきましては、相当やり万なり具体的な方法について検討しなければなりませんが、荒つぽく申し上げますならば、(二)の場合に申しました四段階を設けるということでありますが、一階級を十とし、二階級を七とし、三階級を五とし、四階級を三とした場合に、大体五の三階級以上を一応の建前として、そして三階級にする。第四階級にはプラス二を加えて、大体五の三階級になるのでありますが、その二に該当するものを備荒貯蓄によつて積み立てる。積み立てたものを協同組合に保管をし、そこで一定の方式によりまして、そのものに対する国家の助成をもあわせ行つて、今後、今なおざりになつておるきらいのある備荒貯蓄制度を、新たなる角度から、本制度との関連において、しかも協同組合との連携を密にして打立てて行つたらどうか。これは私の説明も十分ではございませんし、きわめて荒つぽい考え方でありますが、そういつたものをも、この際本制度を補い、完全に仕上げるという意味から、あわせて大きく取上げて行つたらどうか、そういう考え方を第七項にとりまとめておるわけであります。
  八、町村段階以上における損害評価の基礎として、農林統計調査機構の作業により被害統計から作成する一定の幅をもつた減収率を使用できるよう同機構を急速に整備するとともに、末端組合においては同調査との有磯的関連を保持しうるよう現行被保険者評価に伴う運営上の難点を改めるものとする。これは委員諸君からもしばしば述べられたことく、また過日の参考人の現地担当者の意見に徴しましても、損害評価にきめ手がない。過大評価をすれば、勢いそこに査定によつて削減が起きる。そこにいろいろな結果が原因となり、原因が結果となつて、現在の運営を相当混乱せしめておる点もあろうと思われます。そこで、そのきめ手になるものは一体どれかという点をいろいろ検討してみたのでありますが、少くとも現在の農林統計調査機構というものを、有機的に合理的に活用して行くことがまず一番手取り早いのじやないか、一応は郡段階以上という点も考えられましたが、町村でやつたものが、さらにまた郡段階である一つの削減を受ける、調整が行われるということでは、評他の権威――末端におけるところの検見等の権威か非常に傷つけられまするので、まずその町村において減収率を一応出して、その減収率に即応するがごとく、各被保険者の評価をマッチせしめるように、そしてこれを郡、県、国と積み上げて、そのものは国も県もすなおに通す。しかしそれには統計という客観的な仕事に従事しておる人々の協力を求め、まだ考えられるならば、現在共済組合の二名の職員中、一名に統計事務等を嘱託いたしまして、相互に有機的な、機構の上にも、人的な上にも、共通的なものをつくり上げて行くことが考えられるのではないか。そういつた血で、損害評価のきめ手としては、ややまだ十分とは言えませんが、一応こういう方法を考えたわけであります。
   九、政府は、薬剤防除機具等に関する経済行為を除き、防災事業は原則として団体をして実施せしめ、目つこれにつき積極的な奨励措置を講ずるものとする。
  現在防災事業は、町村が行つておるところもあれは、あるいは共済組合自体が、この間の宮城県のごとく非常に活躍しておるところもある。また長野県のごとく協同組合が活発に動いておる地帯もある。非常に体系的にも乱雑であり、一本化しておりません。この点で、防災事業は原則として共済保険を行う団体か中心となり、これに改良普及員等の協力参加を求め、農協は薬剤あるいは防除機共等の経済行為を通じて、この団体の仕事に参加をいたしまして、そしてその全きを期することが必要ではないか。少くとも植物防疫法の末端浸透の面の不十分さをもここで考え合せまして、今後の完璧を期して行くべきではないかという考え方であります。
 最後に、
  十、連合会の不足金累積額は、この際全国を総合した整理計画を樹立実行せしめ、必要に応じ国はこれを援助するものとする。
  組合と組合員との間の債権債務の相殺関係地についても、この機会に徹底的に清算しうるよう措置するものとする。
 現在、本年の異常災害を待たずして、各連合会に相当の赤字を持つておる府県連が大分あるやに伺つております。これらの赤字を、今後この制度の改正後に、残さないように、この際制度改正の再出発にあたつて、これを整理いたしまして、一定の年限等によつて、国の援助を得て、これの跡始末をりつぱにして行く。そうして今後の新たなる運営にいろいろな支障のもとになるようなものを清算しておく必要があるのではないか。これと同様な意味において、今年は相当の共済保険金が農家に支払われるのでありますが、この際農家の滞納している掛金等と相殺などが行われるようなことのないように一面考えまして、それらの点について相殺等によらざる適正な方法によつて清算し得るよう、国においてもその措置を考えるべきではないか、そういつた今後制度が新しく再出発した後に、現在の制度から残つたものが新たなる制度、あるいはその運営に支障なからしめんとするすべてのものを、簡単な文章ではありますが、ここにその気持を書き、連合会の場合と組合との場合を一応取上げてうたつておるのでありますが、これらのみに限りません。他にその善後措置としてはいろいろなものを十分検討して、きれいにして行くべきである、かような考え方であります。
 最後の政府は、右の諸点を体系づけ、その細目を定めるため、農林省に農業災害補償制度審議会をすみやかに設置し、第十九通常国会を目途に関係法令の整備を図るべく最善の方途を講ずるものとする。
 これは前書きに述べましたように、この十のもので必ずしも全部を尽しておるのではないのであります。またその内容を決定するにあたりましては、計数的に、あるいは制度的にいろいろな点を相当深く、しさいにわたつて、検討して行く必要が生れて来ることは当然でありまするので、そういう点につきましては、ほんとうの専門家、学識経験者、なお衆参両院のこの小委員会で今まで御苦労を願つた人々をも含めた制度審議会をつくつていただきまして、そこでこの十の原則的な考え方を具体的に実施するに必要な数字の検討、あるいは法令の検討等を行いまして、そこで得たものを、さらにこの小委員会にもどして、さらに検討して、第十九国会中に、政府提案の形になるか、あるいはその形式は今後にまちますが、最後の締めくくりをしたらどうか、こういう考え方であります。
 本会議等ももう近く採決等があるようでありますから、なお尽きない点はあとの御質疑等によつてお答え中に補足さしていただきたいと思います。以上が大体制度改正案に対する説明であります。
#3
○足立委員 小委員長のごくろう、まことに多とするものであります。なかなか大幅な改正案かつくられたのでありますか、ただいま小委員長の起筆されたお気持は、御説明で大体わかりました。ただ何分根本的な改正案とも申すべき大きな案でございますので、部分部分につきましてはなお確かめておきたい点も多々ありますし、なお追加を願いたい点、あるいは若干修正をしていただかなければならぬような点も多多あるように考えております。私どもとしては、今まで論議を相当尽して参りましたので、こういう案をお示し願えれば大体の見当はつきますが、今申し上げましたように、何分大幅なものでありますので、なおしさいに検討をする時間を私ども小委員にお与え願いたいと思います。本日は本会議も相当時間もかかるようでありますし、なおこの国会は明日一日でございまして、これをにわかに成案としてまとめてしまうということは、時間的にまことに無理があるのじやないかと思います。そこで皆さんにも御相談申し上げるのですが、通常国会の劈頭にでもさらに引続いて一、二回この質疑応答、研究のような会をお開き願つて、その上で委員会としておまとめ願つたならば、なお完璧なものができるのではないかと思います。
 なおここに、最後に今委員長みずからもおつしやつたような審議会を設けて、すみやかにこの処置をして、二十九年度予算の編成にも間に合うようにというお気持は、まことに私もそういう意見を申し上げておつたのでありますから、そういうふうに進めて行きたいと思いますが、今ここで、今明日のうちにこの案を最終的にまとめてしまうということは、なかなかこれは大問題でありますので、二、三日、時間を与えていただくように御了承をいただきたいと思います。
#4
○吉川(久)委員 私も委員長に、今まで検討をして来た本問題についての最後案の一応のとりまとめをお願いをした一人としまして、非常に御労苦を感謝します。
 そこで農林委員会に、まだ最近中間報告もしておりませんし、この結果を待つている向きもあるようでございますから、それにかけて、そして小委員以外の方々の御意見等も聞いて、そこで小委員会案、農林委員会案として認めてもらえればけつこうだし、もつと検討を要するということがあれば、足立委員の御主張のような取扱いにしてもよろしいんではないかという私の意見をつけ加えておきます。
#5
○足立委員 ちよつと、今の吉川さんのお気持も伺いたいのですがね。小委員会としての試案、成案ではなくて、小委員長がまとめたというだけで、まだ……。
#6
○足鹿委員長 足立君、ちよつと、発言中ですが、ただいま採決に入るそうですから、ちよつと懇談にしておきます。
     ――――◇―――――
    〔午後三時五十五分懇談会に入る〕
    〔午後九時五十五分懇談会を終る〕
     ――――◇―――――
#7
○足鹿委員長 それでは懇談会を閉じます。
 この際お諮り申し上げますか、懇談中、長時間にわたつて御審議をいただきました農業災害補償制度改正に関する件については、問題となり、結論を留保した点等については、その旨を付しまして、明日の農林委員会に、中間的経過報告として、小委員長より報告をいたし、委員各位に審議の状況を御理解を願い、また意見等がありまするならば、質疑等を通じて述べてもらう。さらにその結果、通常国会の初め、でき得る限り早い機会に、数回小委員会を開きまして、最終結論に到達したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○足鹿委員長 それではさように決しました。
 なお、参議院の小委員長より、明日ごろ共同委員会を持ちたいという申入れもありましたが、明日は、農林委員会の都合もございまするし、明日さらに小委員長と打合せをいたしたいと思つておりますが、一応本日のこの審議の対象になりましたものを、註釈をつけて参議院側にもこれを提示し、共同審査の参考に供したいと思いますので、御了解願いたいと存じます。
 それでは本日はこれで散会いたします。
    午後九時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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