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1953/12/07 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 労働委員会 第6号
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1953/12/07 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 労働委員会 第6号

#1
第018回国会 労働委員会 第6号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 赤松  勇君
   理事 鈴木 正文君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 持永 義夫君 理事 山花 秀雄君
   理事 矢尾喜三郎君 理事 池田  清君
   理事 黒澤 幸一君
      楯 兼次郎君    井堀 繁雄君
      熊本 虎三君    中村 高一君
      中原 健次君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 犬養  健君
 出席政府委員
        労働政務次官  安井  謙君
        労働事務官
        (労政局長)  中西  實君
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      江下  孝君
 委員外の出席者
        検     事
        (刑事局長)  井本 台吉君
        検     事
        (刑事局公安課
        長)      桃澤 全司君
        労働事務官
        (職業安定局失
        業対策課長)  村上 茂利君
        参  考  人
        (全日本自由労
        働組合中央執行
        委員長)    眞邊千壽郎君
        専  門  員 濱口金一郎君
    ―――――――――――――
十二月七日
 委員吉武惠市君、田中龍夫君、岡本忠雄君、永
 田良吉君、田渕光一君、長谷川峻君、多賀谷眞
 稔君及び竹谷源太郎君辞任につき、その補欠と
 して保利茂君、安藤正純君、田中伊三次君、池
 田勇人君、倉石忠雄君、木村文男君、楯兼次郎
 君及び熊本虎三君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 委員中村高一君辞任につき、その補欠として大
 西正道君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人より意見聴取の件
 失業対策及び労使関係に関する件
請願
 日雇労務者の越年要求に関する請願(山花秀雄
 君紹介)第一三七号)
 失業対策事業就労労務者に年末手当支給に関す
 る請願(佐々木更三君紹介)(第三六二号)
    ―――――――――――――
#2
○赤松委員長 これより会議を開きます。
 まず失業対策に関する件について調査を進めます。
    ―――――――――――――
#3
○赤松委員長 この際お諮りいたしますが、日雇い労務者の年末手当につきまして、全日本自由労働組合執行委員長眞邊千壽郎君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#4
○赤松委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
 参考人の御意見を聴取いたします。眞邊千壽郎君。
#5
○眞邊参考人 私は全日本自由労働組合の眞邊でございます。本日陳述の機会を得させていただきまして、ありがとうございました。私たち職安関係の労働者は、大体三十万程度ございますが、僣越でありますけれども、それらの代表といたしまして陳述いたします。
 大体私たちの請願の趣旨、あるいは請願の理由は、ここに書いてありますことで大体尽きると思うのですが、これに補足する意味で、われわれの生活の実態がどんなに苦しいか、従つて、当面われわれとしまして、年末年始をどう過して行くか、そのためには越年資金がどうしてもほしいのだ、こういうような点につきまして、陳述をいたしたいと思います。
 大体私たちがどんなに困つておるかということは、私たちといたしましても、いろいろな機会によく訴えておりますので、大体のところは御承知だと思うのですが、とにかく私たちは単なる失業者でもない、そしてまた同時に失業対策事業にも働いておるという労働者の面もありまして、普通の失業者あるいはまた普通の労働者というような者とは大分違つておるので、その点を少し認識していただきたい、このように思うわけです。それが、何といたしましても、私たちはやはり失業者だというようなことで、手帳をもらつて失業対策事業に働くということになつておりますので、私たちは当然前提として失業になつている。この意味で、いくらわれわれが失業対策事業の中で働きましても、PWの賃金の一割ないし二割は法によつて下げられてしまうというような非常に差別的な待遇も受けなければならぬという状態になつております。それでわれわれとしましては、そういう関係から生活を保障してもらいたいという点と、それから現場で働いておる意味から行きましても、労働者としてやはり人並の労働者らしい賃金をもらいたい、こういう二様の要求がどうしても出て参るわけであります。従いまして、われわれとしましては、失業者という立場からは、生活を保障してもらいたいという点、それからできることならば、われに対して安定感を与えるところの定職を与えていただきたい、こういう要求が出て参ります。一方現場で働いておる労働者の立場から申し上げますと、現在失業対策事業というものは、何ら救済的な意味ではなくて、もう実質上は公共的な形になつて来ておる。従つて、毎日ほとんど公共土木のひどい労働をさせられておる、しかもその賃金が、先ほど申し上げるように一割か二割はいつもPWからは下げられて来ている。こういうような、実際上とは非常に矛盾するような賃金の支払いの仕方をされておる。従つてわれわれの生活の実態というものが、どんなにひどいものかという点が出て参ります。たとえば十二月の四日に、私たちは日雇いの婦人の大会を持ちました。とにかくわれわれの組合の実態は、ほかの労働組合と大分違いまして、ほとんど半数が女であります。しかもその女の方々は、決して娘さんやそういうような人ではなくて、後の資料にもございますように、七〇%か八〇%は戦争未亡人でありまして、子供が二人や三人おる。こういう子供をかかえまして、そうして現場では男の賃金よりも下まわる賃金で、二十日か二十一日の就労で辛うじて生き長らえておる。こういうことから、十二月四日の婦人の人たちの発言の例を一、二申し上げますと、荷揚げの女の人たちはこういうことを報告しております。
 すでに長年の間の低賃金と労働強化のために母体も弱つてしまつて子供も産めない。だから、もう産児制限とかなんとかいうことでなくて、母体そのものが子供を産むような母体になつていない、そういう体力でない。従つて保育所にも五つか六つ、あるいは四つぐらいの子供はおるけれども、現在赤ん坊はほとんどおらないというような――人間は普通結婚をしたならば子供を産むわけですが、子供が産めないような体力になつて来ている、こういう点も出て来ている、こういう点も出て来ております。
 また、私はここで率直に申し上げますけれども、今一世帯一手帳ということで、職安の方では法律一点ばりで、盛んに手帳を切つて来ております。しかし、そういうことでは、われわれはどうあつても生活できないので、やむを得ず夫婦わかれをするような形で手帳をもらつておるという、実に人間として考えられないような状態であります。さらにこの前の報告によりますと、やはり夫婦わかれをしたけれども子供ができた、これに対して何だという問い詰めに対しまして、自分はパンパンをして子供が生れたんだろう、こういうような言い訳をしておる。まつたくこの女自身にしましては、もう何ともかんとも言えないような、せつぱ詰まつた気持で言い訳をせざるを得ないような、そういう生活の実態であります。われわれとしましては、そういう例をあげれば幾らでもあります。この後の方にも書いてありますように、生活が苦しいために、われわれの仲間から自殺者が出るというような実情であります。つまり金がどうにもやりくりつかぬ、借金もどうにもならぬ。これは最近出た例でありますが、親戚のところに金を借りに行つたが、前々からの借りがあつたので、さらにその上借りることもできないで借りずに帰つて、その帰りに鉄道自殺したという実例もございます。私たちはここで誇張して申し上げているわけではないので、確実な事実に基いて申し上げておるのであります。
 そういつたことから、これも後の方に書いてありますように、われわれは低い賃金のもとにおいて、何とかやりくりしなければならぬということで、借金をやつておるわけです。この表を見てもおわかりのように、みんな一人平均一万か一万以上の借金を重ねておるわけです。この借金をどうやつて返済するかという点も、低賃金で日々どうやつて生活するかということと同時に、やはり大きな問題になつて来ておるわけです。従つて、われわれとしましては、この年末年始を暮らすためには、賃金を上げてもらいたいという要求のほかに、借金を返すとか、あるいは年末年始の期間は、せめて子供のげたなり、もちの一切れも食いたい、こういう要求が出て参つたわけであります。
 次に、請願の項目の方に入りたいと思うのです。先ほどから申し上げますように、越年資金一箇月分を支給してくださいというふうに出ておるのでありますが、決して私たちは、これを多いとは思つておりません。私たちの最低の要求としましては、せめて何とか一箇月分ぐらいはいただけないだろうか。官公労の労働者の皆さんにしましても、一・二五を上まわる越年資金をとつておられる。また賃金の面から行きましても、われわれはおそらく三分の一の賃金になつておるという実情から見ましても、私たちの越年資金の一箇月分の要望は、決して多いとはいえないと思います。従いまして、年末年始を過すために、また借金も返して、そしてきれいさつぱりした形で、また来年から労働さしていただく。そういう意味からいつても、ぜひともこの最低一箇月だけは、ここでもつて御承認をしていただきたい、このように思うわけです。
 それから年末年始の有給休暇七日間であります。これはわれわれも再三再四労働省の方に交渉しておりますが、有給休暇ということは、日雇い労働者には法律上ちよつと困るというようなことを、いつも申しております。しかしわれわれは、法律はともかく、実質上とにかく休んで七日間だけの賃金をいただけばけつこうなんで、その辺はひとつよろしくやつてくれとお頼みしておるわけです。われわれとしましても、ただ休んで寝そべつて、七日間だけ賃金をもらつていたいのだ、そういう安易な気持ではないのでありまして、要するに、月々のわれわれの給料が固定しているならば問題ないわけですが、固定していなくて日雇いであるという関係から、やはり出なければ金はもらえない。しかし、先ほども申し上げるように、われわれ日雇いとしてましては、人並の年末年始を迎えたい。従つて、いろいろな雑用も兼ねて幾らかは休ませてもらいたい、その間給料も保障してもらいたい。こういうような、われわれとしましては生活をどう守り抜くかという立場から、切実な気持としてお願いしておるわけであります。われわれとしましては、私ども労働組合に組織されておる全日本自由労働組合の組合員ばかりでなくて、あるいはほかの労働組合の方たちばかりでなくて、職安関係に働いておる一切の職安労働者に対して、ぜひともこの二項だけは実現さしていただきたい、こういうふうに考えておるわけです。
 次に、賃金として一箇月最低八千円をお願いするという点であります。これは皆さんのいろいろな御協力によりまして、九月の十六日から賃上げが実施されたわけでありますが、この賃上げについて、実は各地からいろいろな報告が来ております。これによりますと、一割が上つておるかというと、全体にわたつてそうでなくて、非常に個々まちまちになつております。一番ひどいところを申し上げますと、宮崎県の小林市というようなところは、まだ全然上つていない。あるいは山口県の下関では、まだ九月十六日からの賃上げが実施されておりません。これは確実な資料に基いて申し上げるわけです。それから政府の御答弁では、九月十六日には一割上げたというようなことを私は聞いておりますが、そういうことは、われわれとしては納得の行かない御答弁だと申し上げたいと思うわけです。そういうふうに全然上つていない。あろいは二分、三分というようなところもございます。またこの賃上げにおきまして、われわれに対しまして格付賃金というものが強行されて来ております。これはわれわれは格付賃金と申しておりますが、一般には職階給と申しております。この職階給が、九月十六日の賃上げと同時に、どしどしと実行されまして、ひどいところは北海道の三十二、三段階というふうになつております。結局二、三円の差でもつて、いろいろ差をつけられて来ている。従つて職階給というのは、当然職種別でなければならないのですが、二、三円の仕事の差をいかにつけるのかというようなことは、常識で考えてもできることじやない。従つて、これはどうしても監督が思うままに人の顔を見て差をつけて行くというような、まつたくめちやくちやな、かつて気ままなやり方をしておるというような点が出て来ております。それと同時に、たとえば十分間現場を離れたとかなんとかいうと、どしどしと歩引きをされる、そういうような点も出て来ております。それから労働時間の延長も、二十分あるいは一時間の延長がされて来ておりますし、われわれとしましては、実質上一割の値上げはされていないというふうに考えるわけです。特に物価高の現在としましては、一割や二割上げてもらつたところで、どうにもならぬというような実態も、それに加わるわけであります。われわれといたしましては、一割の賃上げは、前々から労働省の方たちともよく相談をしたわけですが、そのときの回答としましては、これはやはりどうあつても皆さんに対して別の予算を組まなければならないのだというような回答をしておつた。われわれも最近までは、うかつでありまして、別予算で一割の賃金が上げられたのだ、このようには考えておつた。最近、先ほども申し上げたような地方のいろいろな実情に基きまして労働省と交渉した中で、実はこれは別予算を組んだのじやない、今までの九十七億のわく内操作なのだというふうに言われて来た。その理由としては、要するに民間産業の方に大部分の人が行く。それから不適格者というか、一世帯に一人というような、そういうきびしいまつたく冷たい仕打ちのもとに、今まで手帳を持つておつた人が取上げられた。この二つの理由から、今までの失対予算が浮いて来た、この浮いた予算の中から一割の賃上げをしたのだ。こういう回答であつたので、われわれとしましては、それでは仲間同士を犠牲にしてわれわれが一割賃上げを獲得したのかというようなことを申し上げまして、非常に憤慨したわけであります。
 それでありますから、われわれとしては今後賃金を上げていただくという場合には、ぜひ予算をあらためて組んでいただきい。現在の九十七億でも、
 これは決して多過ぎる、余という予算ではない。われわれとしては、職安の窓口ではいろいろな形で制限を受けま
 して、手帳をとりたいけれども、とれない。従つて、職安の窓口からむなしく帰つて、その人たちは路頭に迷う。このような人たちはどういうようなところに行くかということは、およそ想像がつくのですが、こういうふうにし
 て手帳をどしどし出していただけば現在の九十七億でも決して多過ぎるということはなくして、少い。従つて、その点では、失業者に対してもつともつと手帳を出していただいて、九十七億で余るとすれば、十分使つていただく。それと同時に、われわれの賃金が、たとい政府の方で一割、二割上げるといたしましても、職安に対しては別予算を組んでいただきたい。先ほど申し上げましたように、この点は非常に大事だと思う。とにかく今までわれわれは越年をもらつたり賃金をもらつたりしましても、全部わく内操作で、従つて、ほかの労働者に犠牲をしいて、そうしてわれわれは賃金を獲得するというような状態でありまして、ぜひともこの労働委員会におきまして、越年でもそうですし、賃金の問題でもそうですが、どうか九十七億とは別に予算を組んでいただきたい。このようにお願いする次第であります。
 あとの生活保護法適者に一箇月分の給付額を支給していただきたいということと、健康保険の八円の問題でありますが、これはおそらく厚生省の関係になつて参りますので、私たちの方は厚生委員会の方にお願いをし、またできることならば厚生大臣にこの交渉をし、この点を逐次お話を申し上げたいわけでありますが、とにかくわれわれとしては、失業者でもあるし、われわれの中にも生活保護者もおりますし、生活保護者というような人たちは市民の中にもたくさんおられます。厚生省の二、三年前の発表によりましても、生活保護を要する人間が千七十万おる、こういうふうに言つておりますが、現在二百万ぐらいしか適用されておらない。わずかに五分の一ぐらいしか適用されておらないわけです。こういうような生活保護を要する人たちに、今まで保護の手が差延べられないにしても、せめてこの年末年始の間だけでもいいから、一箇月分だけはぜひとも支給してもらいたい。もしそうしなければ、これは相当大きな社会的な問題になるのではないかということを、われわれとしても考えておるのであります。
 それから健康保険の問題ですが、内容はここではちよつとはずれると思いますので申し上げませんが、とにかく差迫つた問題といたしましては、私たちは少い賃金の中から八円を引かれるわけであります。
#6
○赤松委員長 眞邊参考人に申し上げますが、あとで委員の方から、あなたに対する質問があると思いますので、その際にお述べ願うことにして、できるだけ簡単に願います。
#7
○眞邊参考人 委員長の方からそういうお話もありましたので、結論だけ申し上げます。
 われわれとしては、実質の賃金を最低八千円にしていただきたい。これが私たちの一番大事な要求であります。しかし、当面年末年始を過すために、越年資金という形で一箇月分だけ支給していただきたい。この一箇月分は各地方の実績に応じてやつていただきたいということであります。
 それから、それと同時に年末年始の七日間を有給休暇で休ましていただいて、そうして来年から張り切つて仕事につかしていただきたい。この二つの項目に対しましては、われわれ自由労働組合の者だけではなく、職安で紹介されて働いておる人たちに全部支給していただきたい。以上のすべてのことにつきまして、これをわく内操作ではなくて、予算化してわれわれに支給していただきたい。
 たいへん長くなりましたが、以上であります。
#8
○赤松委員長 なお委員の皆さんに御了承を得なければなりませんことは、小坂労働大臣は、ぜひ本委員会において、日雇い労務者の越年要求等の問題につきまして、意思表示をしたいということでございましたけれども、本委員会の開会が遅れましたために、参議院の本会議が始まりまして、緊急質問等もございますので、本日は安井政務次官等の御出席を得ておるわけでございます。
 そこでこの際政府にお尋ねしたいのは、本委員会におきましては、しばしばこの日雇い労働者の越年要求に関しまして、各委員より質疑がございまして、政府の態度を至急きめるよう非常に強い要望があつたわけでございます。私からも先般来政府に、至急態度をばきめ、その対策を早く発表して、日雇い労働者の諸君に安心してもらうようにと、こういう強い希望をしておきましたが、この際政府のこの問題に関する所信をお伺いしたいと思います。
#9
○安井政府委員 日雇い労働者の日々の生活実況につきましても、当委員会におきましても、数次にわたつていろいろ政府に御要望なりあるいは実情に対する御質問があつた次第でございます。またかねて来組合の方からも、十一月中旬から要求の箇条も提出されてございます。また数次にわたつてその関係者がお会いして、種々折衝を重ねて参つた次第でございます。そこで、いよいよ年末も迫りまして、政府といたしましても、これが態度をはつきり表明しなければいかぬ時期にも参つて来たのでございまして、本日ここに労働省といたしまして、できる限りの態度決定の実情について、御報告をいたしたいと存ずる次第であります。
 日雇い労働者の組合から、年末手当一箇月または十日分を支給せよという要求のあつたことはよく存じておる次第でありますが、労働省といたしまして、日々雇用される失業対策事業費の就労者に対して、日々の賃金以外に手当を支給するということは、この雇用の性質上、法律上からも実際はできがたいことに相なつておる次第でございます。しかし、日雇い労働者の生活実態並びにその年末における生計費の増加の状況から考えまして、国家財政の許し得る範囲内におきまして、その収入を少しでも多くいたしたいと考えまして、昨年末は、ちようど国会の要望もありまして、三日分の増給処置をとつた次第でございます。今年度はいろいろ冷害、水害その他の問題もございまして、国家財政が非常に困窮をいたしておる際ではございますが、あらゆる角度から検討いたしまして、しぼり得るものをすべてしぼり尽しまして、本日案はその措置を決定いたしました。年末に際しまして、就労日数の増加または賃金増給の方法によつて、五日分の収入の増加をはかりたい、かように決定をいたした次第でございます。
 これにつきまして、まだ御要求額からはかなり幅のある、御不満な事情もよくわかります。わかりますが、政府といたしましては、あらゆる角度からしぼり得るものをしぼり尽してここに決定を見た次第でございますので、この点を御了承いただきたいと存ずる次第であります。
#10
○赤松委員長 これより参考人及び政府に対する質疑を許します。山花秀雄君。
#11
○山花委員 政府に一つお尋ねをしたいのは、この前日雇い労務者の賃上げの問題に関しまして、しばしば私どもから政府にも要請して参つたのでございますが、適宜の措置として、九月の十六日から一割を値上げをする。これは予算化はされていないけれども、次の臨時国会を待つていたのでは、日雇い労務者の窮状もございますので、政府としては便法的措置で行う。私どもの了解といたしましては、その間予算面の運用等々を通じて、その措置をしていただいたものと理解しておりますが、当然今国会におきましても、あるいは前の国会におきましても、予算化が問題になると思うのでございますが、そういう措置に出られたかどうかをこの際お尋ねしておきたいと思うのであります。
#12
○安井政府委員 お答え申し上げますが、御存じの通りに、失業対策事業の予算というものは、一般の予算のように固定したものではないのでございまして、これはおそらくその年度に起り得るであろうというものを想定して予算を計上するわけでございます。これは昨年度は八十億の予算を計上いたしましたのに対しまして、本年度は九十七億の予算を当初計上いたしております。しかしそれを完全に日割計算でそのまま行うのでなくて、そのときどきの実情に応じて支出いたしておるわけです。しかしさらに風水害その他の事情もありまして、それに対して三億の予算を追加いたしまして、さらにそのほかに、このPWの改訂が確定いたしましたならば、それに対するでこぼこ措置の操作も必要がございますので、これに八千万円の追加をいたしました。本年度の当初予定より三億八千万円の追加予算を計上して、このすべての措置を総合的に解決いたしたいと、こう考えておる次第であります。
#13
○山花委員 九月の十六日から当面一割の値上げというのは、やはりその値上げに対する予算化以外の問題、言いかえれば、運用によつてこれを行うものであるから、当該労働組合または当該労働者から要求として二割の要求が出ておる、これは至当であると思うけれども、そういう予算的措置が講ぜられないので、運用の妙で、一割だけの値上げをしたい。その回答の裏には、臨時国会でも始まれば、また一応の予算的措置――これは純然たる法律とかなんとかいう問題でなくして、運用上の措置を講じて再度値上げをされるような口吻でございましたが、そのときのお考えを今持つておられるかどうか、この際一応重ねてお尋ねしたいのであります。
#14
○安井政府委員 賃金の値上げにつきましては、いろいろと民間賃金の実情を勘案いたしまして、その同一地域における同一種類の賃金を標準に決定いたす次第でございます。それを、とりあえず九月十六日には、一般の趨向にかんがみまして、一割の増給値上げをいたした次第でございます。
 さらにPWが確定いたしまして、これに伴わないものにつきましては、さらに若干の修正を来年度に入つていたす決心でおるわけでございます。
#15
○山花委員 九月の十六日以降における民間の労働賃金または、たとえば一般の例を参酌するというのでございましたならば、国家公務員あるいは公企労法下のすべての労働者の賃金がある程度上つておることは、これはもういなめない既定の事実でございます。これに対処するために、当然再度の値上げが考慮されなくてはなりません。来年度はひとつ考えて行きたい、こういう御回答でございましたが、大体もう骨筋はおわかりになつておると思うのでございますが、大体の民間企業、国家公務員、公共企業体関係の賃上げの率も、今日はもう確定したと言つていい情勢になつておりますし、これらの問題に関連いたしまして、再度の値上げはどの程度の方針をお考えになつておるか、ひとつお答えを願いたいのであります。
#16
○安井政府委員 ただいま再度の値上げと言われたのでございますが、本年の措置といたしまして、さしあたり九月十六日に一割値上げをやりました。しかし、また本年度中にPWの確定したものにつきまして、非常にでこぼこのあるようなものにつきましては、これをさらに来年の一月早々に再修正をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#17
○山花委員 私どものお聞きいたしました理解は、九月十六日の値上げは、当面をしのぐ――もつと端的に申し上げると、当面を糊塗するために、やむを得ない措置として一割でひとつしんぼうをしてもらいたい。臨時国会でも始まれば、また予算上の問題を協議して再考慮をするという政府の御答弁でございました。これは正式の本会議もしくは当委員会の答弁ではございませんが、一応そういう御答弁を私どもは承、つておるのでございます。そういたしますと、当然年末を控えて考慮さるべき問題と思いますが、ただ次官の説明によりますと、来年一月にでこぼこを調整して考慮したい、こういうお話でございました。そてでPWが凸になつた分だけを引直して賃金値上げに考慮されるかどうかということだけを、重ねてお伺いしたいのであります。
#18
○安井政府委員 凸になつた分と申しますと……。
#19
○山花委員 たとえば今年が一万円なら一万円という標準が出て参ります。来年は一万二千円という標準が出て来る。そこで二千円の開きがございますが、それをそのまま引直して賃上げべースにお考えになつておるかどうか、こういうことでございます。
#20
○村上説明員 私からお答えさせていただきたいと思います。日雇い労働者の賃金の問題につきましては、民間賃金を基準にしておるわけでございます。つまり民間賃金と申しますのは、一般職種別賃金を基準にいたしておるわけであります。九月十六日に一割増額措置を行いましたのは、一般職種別賃金の大体の値上りを見越しまして、日雇い労働者諸君のたつての御要望もございましたので、十六日から実施したわけでございます。その当時国家公務員のべース・アツブの問題、仲裁裁定の問題などにつきましても、これは全般的なにらみ合せの問題としては、関連はございましたようでありますけれども、まだ具体的な値上り率の問題につきましては、相互に関連はないわけでございます。ところが一般職種別の改訂が非常に遅れまして、先日ようやく正式改訂を見たようなわけでございます。その結果さきに一割改訂を実施いたしましたけれども、多少でこぼこがある地域があるのでございます。その点を若干手直ししたい、かように考えておるわけでございまして、その幅はPWの上昇率から見まして、そう多くならぬというふうに存じております。目下作業をやつておる途上にございますので、明確なパーセンテージは出ておりませんが、そう大きな上昇は期待できないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#21
○赤松委員長 他の委員の方からも質疑の通告がございますので、簡単にお願いいたします。
#22
○山花委員 同僚委員からいろいろ質問がございますようですから、簡単に要点だけ質問いたしますから、御答弁を願いたいと思います。政府側のいつもの説明によりますと、雇用の性質上、法律の関係上、この問題の取扱いはなかなかむずかしい。これは緊急失対事業に基くところから、そういう御答弁をなさつていらつしやると思うのでありますが、もうこの制度ができまして、四年になんなんとしておるのでございます。臨時的措置では、現実には即応いたしませんが、これを恒久的な問題としてお扱いになる御意思があるのかどうかという点を、お伺いしたいのであります。
#23
○安井政府委員 おつしやる通り、緊急失業対策法によつて施行されておりますもので、今日の実情から見まして、かなり検討を要する面もあるのではなかろうかということは、感じております。しかし、事柄が失業対策事業であるという本質は、やはりかえるわけには行くまいかと存じておりまして、この点につきまして、ただいま十分検討いたしておる最中でございます。
#24
○山花委員 もうずいぶん当労働委員会の日雇い労務の質疑におきましては、考慮する、考究するということは、たび重ねて聞いておるのございます。現実に、ただいま申しましたように、緊急にこの失対事業の関係が解消するような日本の経済の実情ではございません。従つて、これは至急に政府としては責任を持つて恒久的対策を講じていただきたいことを要望するのでございます。
 それからあと一点、政府にお尋ねもし、要望申し上げたいことは、民間一般賃金を基準にして、失対の関係上、相当下まわる賃金はやむを得ないという答弁を、いつもなすつておられるのでありますが、特に日雇い労務の場合には、働いておる労務者が世帯に責任を持つておる世帯主である。一般民間企業に現われて来ます賃会というのは、世帯に責任を持つておる世帯主もございますけれども、また結婚資金かせぎであるとか、当座働いておこうというようなそういう準世帯主という立場の人が相当働いておる。こういう性格をひとつ考慮して、日雇い労務者の賃金決定をなさるべきが至当であると考えますが、この点について、政府はどういうお考えを持つておるか、御答弁を願いたいのでございます。
#25
○安井政府委員 御存じの通り失対決では、同一賃金における同一職種の賃金を若干下まわるような支給になつておるわけでございます。これは事柄が失業対策であるということから見まして、ある程度やむを得ない面もあるんじやないかと思つておりますが、先ほど御指摘もありましたように、全体の問題といたしましては、今後慎重に検討いたしたいと考えておるわけであります。
#26
○山花委員 この一問だけで、同僚委員の質問も山積しておりますから、終りたいと思いますが、二百七十五円の平均賃金、就労日数は現在二十一日――地方々々によつてでごぼこがございますが、平均いたしまして、完全就労いたしましても五千七百七十五円、大体これが一箇月の収入になるのでございます。これではいくら最低生活といつても、生活ができません。そこで一世帯一手帳という点は、改められる御意思があるかどうか。それと、ただいま申しました五千七百七十五円の賃金で、いかに最低生活といえども生活ができるかどうか。もしこれができないということになりますと、自殺をするか犯罪を犯すよりはか、生きて行くべき道は私はないと思うのでございますが、これらに対しまして、政府はどういうお考えを持つておるか、明らかにしていただきたいと思うのであります。
#27
○安井政府委員 ただいまお話を申しましたように、賃金につきましては、でき得る限りのそういつた措置をいたしまして、民間の物価の値上り等とできるだけマッチさせたいと思つてやつておるわけであります。一世帯一個の通帳につきましては、今日政府がやつております失業対策の性格上、また国家財政上から申しましても、そのわくを今広げるというわけには参るまいかと存じておる次第であります。
#28
○山花委員 まだいろいろ議論は残つておりますが、ここで議論を争うわけには参りませんので、議論の余地を残して私の質問を終ります。
#29
○赤松委員長 井堀繁雄君。
#30
○井堀委員 この問題は前回もお尋ねいたしまして、その後回答をいただく約束になつて、そのままになつておるのですが、この失対事業をめぐる問題は、今後の失業対策の基本的な政策の一つになつて来ると思いますので、そういう意味で正確な資料をいただこうと思つておるわけであります。
 第一にお伺いいたしたいのは、失業対策の一つとしては、労働は対する賃金の支払いという形において失業救済を行う場合と、失業保険もしくは保護法に類するような形において生活を保護するという考え方とにわかれると思うのでありますが、この場合には、どちらにも属しない形になつておるわけであります。先ほど山花委員からの質問にもありましたように、一時的な緊急的な措置としては意味があつたと思うのでありますが、今日のように失業者が漸次増大する傾向の中にあつて、その労働に対する報酬でもなければ、ただ単に生活困窮者を一時的に救済するというのでもないといつたようなあいまいな性格では、いずれも問題が発生して来ると思うのであります。この点に対して、労働省は、まずどういうふうにお考えになつておるかを伺いたいと思います。
#31
○安井政府委員 いわゆる失業者がなくて、すべての人が公共事業なりその他の事業に吸収されて行くのが理想なんでございます。あくまでこの失対を続けて行きたいのが政府の念願でないことは申すまでもないのであります。しかしやむを得ざる失業者の方がある場合に、これを失業対策費をもつて救済をして行くということになつておる次第でございます。
#32
○井堀委員 そうすると、将来相当長期にわたつてこの制度が存続されるものと、われわれは想像できるわけでありますが、そういたしますと、今問題になりますのは、一体日雇い労務者に対する賃金のめどであります。今の失対法によりますと、一定の失業者を想定されて、それをどの程度吸収するかという、わくの中で操作するやり方のようであります。そういたしますと、政府は現在の失業者の数をどういうように把握され、それに対する予算化はどうすべきかという新しい問題を、われわれは討議しなければならなくなると思います。そういう意味で、現在二十八年度の予算のわくの中において規定されております範囲で、どの程度まで賃金は引上げられるかという最高限度をお示し願いたいと思います。
#33
○安井政府委員 第一・四半期、第二・四半期の実績等も勘案いたしまして、種々検討中でございまして、ただいま確定したお返事を申し上げるのには、若干時間を要するかと思いますが、ほぼ目安は、本年の九月に一割上げまして、さらに三%程度のものを引上げることに相なるんじやなかろうかと考えておる次第であります。まだこれは確定したものではございません。
#34
○井堀委員 それではこうお尋ねいたしましよう。最高限度が確定いたしませんとするならば、政府が臨時的措置として、たとえば物価の騰貴や民間給与の引上げ、あるいは公務員の給与の引上げ等にマッチせしめようとする場合に、この際どの程度額の上で引上げられる可能性お認めになるかを、は
 きりひとつお伺いしたいと思いまつす。
#35
○安井政府委員 大体民間の給与あるいは政府の職員の給与の傾向に準じた率でもつて、それに準じた率を適用するように考えております。
#36
○井堀委員 続いてお尋ねいたしたいと思いますが、日雇い労務者の一つの大きな欠点として、日払いの制度というものは、たくわえが困難になりますことは申すまでもありません。こういう意味で、年末に労働者側の方からの要望が強く出て来ておりますが、今後こういうものを満たすための準備を予算の中にあらかじめしておいたかどうかをお尋ねいたします。
#37
○安井政府委員 先ほども申し上げましたように、昨年度の予算に比べまして、相当大幅なゆとりのある予算を、実は本年度当初において組んでおる次第でございまして、さらにこれの第一・四半期あるいは第二・四半期の実績から見まして、ただいま申し上げましたような、年末の措置につきましては、可能な見通しを持つに至つた次第でございます。
#38
○井堀委員 それで、可能な範囲の全額をお示し願いたいと思います。
#39
○安井政府委員 ただいまの年末措置といたしまして、五日分の増給措置を講ずる予定でございます。
#40
○井堀委員 五日分というと、金額にして総額どのくらいの予定をなさつておりますか。
#41
○安井政府委員 地区々々にもよつて違つて参る次第ではございますが、大体二億数千万円に相なろかと存じます。
#42
○井堀委員 それで、もう一つお尋ねをいたしておきたいのでありますが、この前もお尋ねいたしまして、江下局長からのお答えで、私多少疑問を持つておりますから、この際確認をいたしておきたいと思います。日雇い労務者の今後のこの種の賃金の問題、あるいは越年手当の問題、すなわち経済要求が、いろいろ新しい形をつくて来ると思うのです。すなわちこの労使関係については、当然雇い主の立場をとるのは政府に該当すると思うのであります。これが労働組合をつくつた以上においては、団体交渉が当然取上げられなければならなくなると思うのですが、その場合に、その労働組合と団体交渉をなされる当事者というものは、どこに当るようになるか、あるいは政府としては何かそういうものに対する御準備があるか。
#43
○安井政府委員 失業対策費の実施は、政府は失業対策費の補助金として地方団体へ交付する建前になつて、直接の雇い主は地方の市町村といつた形になつておるわけでございます。
#44
○井堀委員 そうしますと、市町村長が団体交渉の相手方になるという解釈でよろしゆうございますか。
#45
○安井政府委員 さよでございます。
#46
○赤松委員長 黒澤幸一君。
#47
○黒澤委員 時間がないようでありますから、簡単に一点だけお伺いしたいと思います。ただいま山花委員からも申されましたように、失対事業の労務者の諸君は、完全就労いたしましても一箇月五千七百七十五円にしかならない。この程度の収入によりまして最低の生活ができるかどうかというようなことは、これは申し上げるまでもなく、よく政府当局においてもおわかりになつておることと思うのであります。今安井政務次官は、失対事業の特殊性、その性格を非常に強調しておりますが、しかしながら、今日の失対事業の労務者の諸君は、長い間固定しておりまして、ほかの労務者の諸君と、そこにけじめをつけるべき性質のものではないと私は思うのであります。なるほど、失対事業そのものは、特殊な性格を持つておるにいたしましても、そこに働いておる労働者の賃金に対して、一般民間の労務者と、そごに相違を来すということは、非常に無理なやり方ではないかと私は思うのであります。それで、こういう低賃金に対しましては、ことにこの年末年始を迎えるにあたりましては、政府においても、何か便法をもつて、これをでき得る限りカバーすることを考えていただかなければならないのであります。政府におきましては、五日分の年末手当を出すということをただいま聞いたのでありますが、私はもう一つ、この年末年始に対しまして、有給休暇を与えることができるかどうか、その点をお聞きしたいと思うのであります。事実かどうかは知りませんが、私の聞いておる範囲におきましては、川崎の職業安定所におきましては、六日間の有給休暇を与えるというようなことを耳にしておるのであります、あるいは東京都におきましては二日間の有給休暇を与えるというようなことが流布されておるのでありますが、有給休暇を与えるお考えがあるかどうか。また今申し上げましたような、川崎職安所あるいは東京の職安所におきまして、そうした有給休暇を与えるようなお考えがあるかどうか、お聞きしたいと思うのであります。
#48
○安井政府委員 失業対策事業は、一般の民間事業または公共事業等の仕事と、そのまま同一じやなくて、それに就労できなかつた人を救済するという建前でありますので、これらが一般の常用労務者のごとく有給休暇という形をとることは、困難あるいは不可能であろうと存ずる次第でございます。
 なおお尋ねの川崎その他でそういつた実例があるように伺いましたが、政府といたしまして、ただいまのところそういうことはないと存じております。しかし、この点はもし事実がありますならば、後刻調べまして御答弁申し上げたいと思います。
#49
○黒澤委員 これは政府として同意なさる御意思がないといたしましても、都道府県あるいは各職業安定所におきまして、今日までいろいろな方法が事実上とつて来られたと、私は思うのであります。たとえば、朝出動いたしまして、そうしてその日の就労はしないというような形でもつて、有給休暇と同じような取扱いたして来た点があろうと思うのでありますが、そういうことに対して、どうお考えになつておりますか。
#50
○安井政府委員 そういう有給休暇といつたような形は、この制度の本質から申しまして、政府としてはこれを好ましくないものと考えておる次第であります。
#51
○黒澤委員 私のただいまの質問は、有給休暇という形をとりませんでも、たとえば、朝時間に出かけて参りまして、出勤したことにして、その目の賃金を与える、そういつたような方法がとられている事実があるのじやないかと思うのでありますが、そういうことに対してどうお考えになりますか。
#52
○安井政府委員 技術的な問題でございますので、担当の課長から御説明申し上げます。
#53
○村上説明員 お答えいたします。
 失業対策事業の運営につきまして、就業規則に該当するような事項につきましては、労働省から基本的な線を事業主体に示しておるわけでございます。ただ、御指摘のような点につきましては、事案を調査いたしませんと、これは明確なお答えはできないのでございますが、事業主体によりましては、多小の相違のあるところはございます。労働省としましては、地方の実情に応じて、失業対策事業が円滑に運営されることが望ましいのでございまして、ごく微細の点に至つてまでの指導は加えておりません。ただ、今おつしやつたような、朝出て来て、働かぬのに賃金を与えるというようなことにつきましては、先ほど政務次官から申し上げましたように、制度の建前上、非常に問題がありますので、これは好ましくないという扱いをいたしております。なお、御質問の趣旨は、事業主体でそういう適宜の措置をとることはいいのじやないかというお気持のようでもありますが、実は各事業主体、つまり市町村ごとの財政事情によりまして、金のあるところがどんどんルーズな扱いをするということになりますと、財政状態のあまりよくない市町村においては、相当問題が生じますので、財政状態のゆたかである、あるいは貧困であるというその条件によつて、あまり取扱いの相違ができるということは、労働省としましては、好ましくないという考えを持つております。
#54
○山花委員 重要な問題が一点残つておりまましたので、重ねて質問をしたいと思います。
 先ほど参考人からのお話もございましたように、九月十六日より一斉に一割値上げになつておるのにもかかわらず、宮崎県の一部、山口県の一部にはこれが行われていない、こういう事案が指摘されたのでございますが、これらの問題につきまして、労働省当局といたしましては、どういう処置をとられるか、一点お答えを願いたいと思います。
 もう一つは、去年初めてもち代を支給するという制度ができて参りまして、去年いろいろ論議いたしましたときに、この国から出すもち代は、従来団体交渉の相手方である市町村において行われていた年末年始に際して与える額を侵すものでない、これに利用すべきでないということが確認されておるのにもかかわらず、去年三日分出ましたときに、これ幸いとばかりに、従来の一つ既得権利でございました市町村から与えられていたものに振りかえになつたというところが相当広範囲にございますが、今後そういうことになりますと、何のためにこういう金額を越年資金として労働者に与えたかということが問題になるだろうと思うのでございます。去年は、暮れの非常に切迫したときにこの制度がきまつたので、通牒が下部に徹底しなかつたと思いますが、本年度はそのようなことのないように、国から支給する額は、当該市町村においてきめられたる額を侵すものでない、別個のものであるという趣旨を明らかにして、下部にぜひ通達をしていただきたと思いますが、そういうような通達をなさるいなかというような点につきまして、お答えを願いたいと思うのであります。
#55
○村上説明員 宮崎県等におきます問題についての御指摘がございましたが、実は先般来、ここに参考人として出席されておる真邊委員長からそういうお話がありまして、私ども調査しておる次第であります。この賃金の問題につきましては、労働省から府県ごとに補助基本日額というものを賃金でお示ししておるのでございます。それに対しまして、府県では作業段階ごとに具体的な賃金をきめるわけでございます。そういう建前をとつております。かりに宮崎県下で実施される作業の種類が、比較的軽度の作業であります場合には、補助基本日額より低い賃金が主として支払われる。逆に重作業が主として行われるならば、補助基本日額より高い賃金が支払われるというような現象も生じて参りまして、宮崎県の場合が必ずしも不都合であるというようなお話にはならないのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。つまり、作業の種類に応じまして、三段階ないしは数段階の賃金段階表を設けておりますので、労働省から地方に配付します補助基本日額だけを問題にして考えられますと、低いとかあるいは高いとかいう問題は生じますけれども、当該作業に支払われる賃金として適当であるかどうか、こういうことになりますと、必ずしも御指摘のようなことにはならないのではないかというように考えております。
 それから第二の問題でございますが、御承知のように、地方財政が非常に逼迫しておりますために、本年の夏に三日分を出しましたときも、返上するというような市が出て参つたような事態がございます。市町村で出すべきものを振りかえた、既得権を踏みにじつて、国から配付したものですりかえたというようなお話でございますが、私どもはそういう点については、国から補助したものは確実に支給するように指導いたしておりまして、振りかえとか、そういう点については、特別な指導、干渉は加えないということにいたしておる次第でございます。それはもつぱら地方の財政事情によることがございまして、はなはだしい不都合な事態がございますれば、個別的にいろいろ意見を述べることにいたしておりますが、目下のところ、通達を出すという考えはございません。
#56
○山花委員 ただいま政府当局の御答弁と、自由労働者代表真邊参考人の話と、重要な問題で食い違いがあると思いますから、この際明らかにしていただきたいと思います。業種による賃金の高低は、これは三段階、四段階あることは私ども了承しているのでございます。真邊参考人のお話は、従来もらつていた賃金から一割上げられていない、こういう陳述でございました。だから、これは業種の差別はございません。この点はひとつ真邊参考人はこの問題を明らかにしていただきたいと思います。
#57
○眞邊参考人 これは私の方でもまだ問合せ中で、はつきりした具体的な数字として申し上げるわけには行かぬのですが、ただ報告の内容から行きますと、とにかくわれわれとしては百六十円の賃金を上げてもらいたいというようなことが要求となつて出て来ております。それから就労の日数でございますが、就労の日数もそこでは二十日の就労をさせてくれというふうな要求も出ています。先ほど政府の方から御指摘がありましたように、これは多分作業の面からいつて差別があつて、従つてそういうことになつたのだろうというような御答弁であつたようですが、われわれとしましては、百六十円を上げてくれというのだから、従つて百六十円以下の賃金で働いておるというこの現実が問題だと思う。作業がどうであろうとも、百六十円以下で、しかも就労日が二十日も保障されていない、そういう状態で、はたして生きて行けるかどうか、この点を私は指摘したいわけであります。
#58
○山花委員 ただいま真邊参考人の御報告によりますと、百六十円という賃金が出て参つたのでございます。これの一割値上げ以前ということになりますと、一割値上げを実行しておると、百五十円以下になると思うのであります。政府当局よりたびたび本委員会において、最低、最高の賃金の御報告がございましたが、私どもの記憶違いかわかりませんが、百八十円ないし百八十二円というのが最低賃金であるという御報告を受けておるのでございます。これは一体どういうようなことになつておるか、この際明らかにしていただきたいと思うのであります。
#59
○村上説明員 お答えいたします。まず最初の御質問でございますが、一割上つていないじやないかというような御質問がござました。その点につきましては、実はその一割という言葉の扱い方ですが、私ども全国平均一割程度の賃金増収をはかる、こういうふうに言つております。つまり、各府県によりまして一割上るところもあるし、八分ぐらいのところもある。逆に一割三分ぐらい上るところもある、差があるわけでございます。と申しますのは、先ほど申しましたように、一般職種別賃金の上昇というものを考えまして、各地域別の補助単価をきめます関係上、職種別賃金のうんと上つた県は、あるいは一割二分くらい上るかもしれない。ところが職種別賃金のあまり上らないような県におきましては、八分程度の値上げにとどまることもあるのでございまして、その宮崎県の場合については、私ここに資料を持つておりませんけれども、一割値上りしないからと申しまして、県の処置が不当であるということは、必ずしも言えないのではないかと存じます。
 それら従来百八十円とかあるいは二百四十円とか、ないしは二百五十円というような数字を私どもが申し上げておりますのは、あれは補助基本日額でございます。予算単価のことでございまして、それを基準にいたしまして、各府県で重作業、中作業、軽作業というそういう区別によつた賃金をきめるわけでありまして、前にお答えしました百八十円より低いんじやないかという点につきましては、ちよつとこれが妥当であるかどうかという点につきましては、後で調べまして御報告申し上げたいと存じます。
    ―――――――――――――
#60
○赤松委員長 この際本委員会に付託されました日雇労務者の越年要求に関する請願(山花秀雄君紹介)(第一三七号)及び失業対策事業就労労務者に年末手当支給に関する請願(佐々木更三君紹介)(第三六二号)の両請願の審査に入ります。
 この際、便宜上、私よりただいまの文書表番号第一三七号の請願の趣旨を説明いたします。
  請願の趣旨
  全国の職業安定所に登録された一切の日雇労働者と、生活保護の適用者である生活困窮者が、高物価と目前に迫つた厳しい冬を前に、人並に年を越すことができよう請願するものであります。
  請願の理由 私たち日雇労働者と生活保護受給者の生活の実態が、いかに非人間的なものであるかは、機会ある毎に政府、関係当局、国民の皆さんに訴えて参りましてので、十分御理解のことと思います。
 最近の情勢は、大企業の首切りや、中小企業の倒壊などで、失業者がどんどん増大し、全国にあふれ出しております。十月十日、ウイーンの世界労組大会に報告された数字は、実に潜在失業者を含めて一千三百万といわれ、さらにその家族を含めれば、その数は厖大なものになつております。このような失業者が若しもこのままの状態で放置されるならば、社会不安はさらに増大し、一大社会問題となることは必定で、大きく全国民の注視を浴びております。このような失業者のうち、最後の生活のよりどころを日雇いに求めて生きる人々は、全国約二十七万人を数えておりますが、その生活の実態はきわめて低く、生活保護適用者と何らかわらず、むしろ家族数の多い者ではそれ以下という状態であります。ちなみに、本年九月賃上げ以後の失業対策事業に就労している全国の日雇いの平均賃金は二百七十七円で、月間二十一日就労となつており、世帯内に平均四名の家族を養つて行かなければならない家計の担当者たちは、実に言いようのない苦しみであります。しかるに最近の物価のはね上りは、その生活の困窮を一層苦しいものにし、現に正月一箇月後に控えて、まつたくどうしたらよいかわからず、まつたく途方に暮れております。しかし、このような悪条件の中からでも、国民としての誇りを持ち、失業対策事業をして平和的土木事業に指向させようとする意欲はわき上り、過去四年間を国土の復興に汗して働いて参りました。私たちは四年間の経験により、道路鋪装、排水、暗渠、河川護岸、くい打ち、コンクリート等幾多の工事を完遂し、一応の技術を体得して、労働者としての誇りを持てるようになりました。どうかこのような苦しい私たち日雇い、生活困窮者の立場を十分御理解の上、私たちにもこの冬が人並は越せますようにお願いいたします。これが達成はひとえに国会議員の皆さんの御理解と御協力にまつほかなく、十分御審議御検討の上、よろしくお願いいたします。なお具体的な事項につきましては、何とぞ別紙資料並びに代表の意見をお聞き下されたく、あわせてお願い申し上げます。請願の項目一、越年資金一箇月分を支給して下さい。一、年末、年始の有給休暇七日間を認めて下さい。右二項については、職安の紹介で働いている一切の労働者に支給して下さい。一、賃金を一箇月最低八千円に増額して下さい。一、生活保護法適者には一箇月分の給付額を支給して下さい。一、日雇健康保険法を改善し、全額国庫負担で即時実施して下さい。こういうのであります。なお文書表番号第三六二号の請願は同趣旨でありますので、説明を省略いたします。この際お諮りいたしますが、ただいまの両請願につきましては、これを議院の会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付すべきものと議決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○赤松委員長 御異議なしと認めさよう決します。なお、委員会の報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますから御了承を願います。
    〔委員長退席、矢尾委員長代理着席〕
    ―――――――――――――
#62
○矢尾委員長代理 次に労使関係に関する件について調査を進めます。中原健次君。
#63
○中原委員 犬養法務大臣にお尋ねいたしますが、今回の国鉄の問題で、行き過ぎは取締るという宣伝がきつくなされておる。大臣の談話に影響されまして、部下の警官諸君は、お手柄をしようというので、少々行き過ぎているような点があるのであります。そのことにつきまして、時間がありませんから、あまり議論はできませんので、具体的な問題についてまずお尋ねいたしたいのであります。まずその行き過ぎの問題について、ここに二つの情報が入つているわけです。一点は、横浜の高島駅の作業人委十二、三名を貨車に積み込みまして、外からかぎをかけて、ピケをごまかして作業場へ送り込んだ。これはもちろん警官の責任ではありません、鉄道当局の責任でありますが、こういうことが一つ。東京機関区では、機関士を自宅から自動車に連れ込みまして、管理局へこれを連行して、そのまま直接機関車の中に乗車せしめて作業させた、こういう人権蹂躪の実証があがつているわけです。もしこういうことがありますとすれば、この点に対しましては、検察当局としてはどういう処置をおとりになるか、これをまず最初に伺つておきたい。
#64
○犬養国務大臣 まず基本的なことからお答え申し上げたいと思います。実は二、三日前に、御承知のような法務大臣談話を出しましたけれども、あの談話の重点とするところは、よくお読みくださると御理解できると思いますが、血の気の多い若い人ですから、争議の最中に、つい行き過ぎがあつてもいけない。それから組合の幹部は、どこから先が合法か非合法か、なかなか専門家ですから実によく知つておられる。ところが、組合の中央から離れた、ことに若い人は――私も学生時代ストライキをやつた経験がありますが、この辺まではいいだろうというようなところが食い違うのでありまして、そういうことを一度も御注意しないで、いきなり刑事上の問題にするということは、親切でない。こういうふうに考えましたので、私少ししつこかつたのですが、具体的な例を一、三あげまして、こういうことは刑事上の問題とならざるを得ないから御自重願いたい、こういうので、砕けて言えば、ころばぬ先のつえといいますか、そういう気持が主であつたのでございます。これはあなたに申し上げるのは、釈迦に説法でございますが、国鉄その他公共企業体の職員は、公労法十七条で争議を禁ぜられておりますけれども、その罰則というものは内部の行政処分にまつておりますので、その精神から見て、あまり取締り当局が飛び出さないように私はやつております。やむを得ない、たとえば助役をなぐつた容疑とか、レールに八十人とか寝ころばれたそうですが、こういうのはあまりどうもおもしろくないので、御注意を願いたいと、こういう意味であります。但し、実際上捜査を開始しているのは、十二、三件私も承知しておりますが、まだ一件であります。この間の私の談話で、急に刺激されて元気が出たということは聞いておりませんが、しかし数ある第一線のことでございますから、ないとも申せませす。ただいまのように具体的に御注意を願えれば、どういう事情であるか、さつそく取調べます。またその結果、御質問に応じて御報告もいたしたいと思います。根本方針はそういう気持でございますから、御了承願いたいと思います。
#65
○中原委員 御方針は大体了承いたしております。ただ問題は、労働争議はやれないことになつておる公共体の労働者にとつてみますれば、せめて仲裁裁定に対して実は望みを嘱しておるわけであります。しかるに、仲裁裁定に対する労働者の期待は、実は政府自身の取扱いで裏切られた。そういうところで、労働者としても、何とか合法のわく内においてあらゆる努力をして、この仲裁裁定の完全実施を獲得したい、こういう切なる望みを持つて、いろいろ合法的な領域内の行動をいたしておるわけであります。この遵法闘争というのは、どうも当局側からいうと、遵法が非合法である、こういう概念で臨んでおるようでありますが、遵法ということは、文字の通りに法を遵守するわけであります。法を遵守する立場からいたしますと、その法遵守の行動が運転系統に、あるいはいろいろな場面に支障を与えたといたしますと、これは今日までの鉄道の運営自身に大きな誤差があり、問題があるということを実証しておると思うのです。従つて、その責任を労働者におつかぶせて、いろいろ世論を刺激して、労働者がやむを得ざる方法として取出しました事柄を、非常に罪悪祝して追及するという、そういうきらいのある態度に当局側が出られますと、かえつてこれは思わざる結果を招来することになるのではないか。むしろ、これは労働者の遵法の考え方の上に立つて、最大限度に自分の力で解決したいと願うておる態度を下手に刺激せぬ方がいい、こういうふうに私は思うのであります。実は一昨日でありますか、総評の示威運動が、この国会の東側を通りました。そのときに国警の方では、デモンストレーションに対して、しきりと干渉がましい放送をやりました。先頭の指揮者に申し上げます、そのジグザグのデモをおやめくださいと、どうやらこの指揮者を逮捕するかのようなものの言い方をして、しきりにやつておる。これは責任上、一応言つておく方がいいという、警察当局の作戦上の発言であつたかもしれませんけれども、デモを指揮する者の立場から考えますと、そういうことを言つてもらいたくない。そんなことを言われなくとも、労働組合の指揮者は、相当責任を持つており、むしろ世間から非難を受けないようにしようという心構えは、実質的に組合自身が持つております。そういう場合に、非常に当らざる干渉をするということが出ておるわけでありますが、これらを総括して考えますと、やはりどうも大臣の談話が背景になつて、その背景のために、彼らが非常に行き過ぎておるというふうに私どもには見えるわけであります。つまり、必要でない取締り行為をやつておる、従つて干渉がましくなつておると思います。また、先ほど御指摘申し上げました高島駅並びに東京機関区の出来事でございますが、それはどう考えましても明らかに人権蹂躪です。貨車の中へ人間を詰め込んで、錠をかけて、貨物と同じような体裁を装つて人を送つたというのでありますが、それがもし事実であるとすれば、厳重に御処置が願いたいと思います。こういうことをたびたび繰返されたのでは、労働者としては、おそらく平静な気持ではおれないと思いますので、この点は特に繰返してお願いしておきます。
 なお、ただいま広島で二名の逮捕が出ておるようであります。その実情を今私どもの方でも調べておりますが、もちろん法務省の方では、大体わかつておいでになるかと思います。なお大阪では、四名が任意出頭で尋問を受けておるようでありますが、この両者について、現在までにわかつておいでになることがありますれば、この際伺つておきたいと思います。
#66
○犬養国務大臣 私毎日二度くらいずつ、この問題についての報告を求めておりますが、昨日の午後ちよつと予算委員会などに没頭しておりましたせいか、まだこの報告は私も聞いておりません。ここにおります公安課長も聞いておりませんが、さつそく調べます。
 それから、貨車に錠をかつて送つたというような事件がもし真案とすれば、行き過ぎだと思います。これは私の方にも人権擁護局もありますので、十分に事情を取調べたいと思います。
 昨日のデモのことは、多分警視庁じやないかと思います。警視庁は直接指揮下にありませんが、横の連絡がとれますから、十分事情を聞いてみます。ただ私は、この間、一週間ほど前でしたか、学生のデモを、ちようど人事院の前で見学しておつた。そのときの警視庁の注意の仕方はなかなかよいと思つて、私は満足したのであります。それは何か波状的に動き出したら、ラウド・ピーカーで、きようは君たちのリーダとそういう約束にはなつていない、リーダーの意思とも違うから、即刻やめてくれないかという注意で、非常に穏やかで、私はたいへん進んで来たものだと思つて、まあ満足いたしました。昨日のはさつそく取調べます。
#67
○矢尾委員長代理 中原君、お諮りいたしますが、大体法務大臣は十五分くらいの限度で出席してもらつておりますし、あとに井堀君の質問が残つておりますから……。
#68
○中原委員 それではもう一点だけ、この際のこういう取締りのことにつきまして、私は特にお願いしておきたいのであります。
 やはりこれは根底にあるものは、一つのそういう労使事情のために起つた事柄であります。決して一人の国鉄組合員が普通の憤りから、あるいは普通のいきさつから事を起しておるわけではございません。従つて、たとえば公務執行妨害、器物毀棄、あるいは暴行傷害とい名前をつけて、いろいろ手を下される場合があるように聞き及ぶのでありますが、これはいわゆる一般の刑事上の犯人のような考え方で、今回の事件を考えられるということであつてみれば、やはり少し行く過ぎになるのじやないか。何といつても、争議行為を禁止しておるとはいうものの、やはり労働者の争議行為を承認された憲法の建前からいたしまして、根本的には実際争議を許すべきものなのであります。争議行為を許すべきものであるにかかわらず、特殊な事情のもとに禁止されておるのでありますから、そこに何かデリケートな、何とも言いようのない関係があると思うのであります。それをお含みの上でないと、行政全般にわたつてみごとな成果をあげることは、かえつてむずかしくなる。今回の刑事的な問題の追究にいたしましても、必ずしも他の刑事問題の追究とは違つた観点から御行使になるべきではないかと思うのであります。その方が、実際結果としては成果をあげることができるのではないかと思いますので、この点お願いしておきます。私どもも現在実情を調べておりますけれども、おそらく、現地の諸君も、このことは十分心得て、行き過ぎにならないように取扱われるのであろうと期待いたしますので、申し上げるまもでないことでありますけれども、特に大臣の方で、このことについての基本的な考え方を十分御確立の上に、今度の国鉄の問題を通して、あるいはその他の公企体の労働者のいろいろな動きの問題を通して、寸毫も行き過ぎになることのないように、行き過事どころか、むしろそういう意味において、労使関係のそういうデリケートな事情を十分含みの上で御処置が願いたい、このように思います。この点についてもう一度伺いたい。
#69
○犬養国務大臣 これは個人がものを盗むとか、人を切つたとかいうのと違うという趣は、承知して事を処しておるつもりでございます。中原さんのような同志から見れば、あるいた行き過ぎのようにおしかりを受けるかもしれませんが、昨日法務委員会で、ほかの政党の諸君から、法務省は実になまぬるい、何をしているかという非常なおしかりを受けたので、ちようどいいのじやないかと思つております。しかし、中央でそう思つても、第一線が行き過ぎるということは、これまで体験がありまして、これは十分注意して行きたいと思つております。機会あるごとに訓示をしたり、通牒を出したりいたしたいと思つております。私も労働運動のそういう趣は理解しておるつもりでございますが、さりとて八十人もレールの上に寝られると、やはりほつておけないということも起りますので、労働運動の方でも切に御自重を願いたい。私の考えを率直に申し上げますならば、争議というものは今年きりではない、日本の憲法が許す限り争議行為というものはあるのですから、なるべく労働運動の方で自制をしてもらつて、規律のある労働運動にして行きたい。当局がひつぱつて方針がかわるということは、私はおもしろくないと思つております。ただ、どう見ても刑法上の問題にならざるを得ないものは、扱わざるを得ない。こういうことを、あらかじめ御警告をしたわけでありまして、おどしたのではなく、こういうふうだから、今まで静観している当局の態度をくんで自重してくれ、こういうのがこの間の私の談話の趣旨でございます。御了解を願いたいと思います。
#70
○矢尾委員長代理 井堀繁雄君。
#71
○井堀委員 具体的な事実をあげてお尋ねする方が、適切な回答をいただけると思いますが、係の方にお尋ねをいたして回答がまだありませんので、その折明らかにいたしたいと思います。基本的な点について、今お話がありましたが、私どもの懸念いたしておりますことは、労働法の最も重要な点は、団体行動が主体をなすのであります。今大臣御自身の経験も語られておりますが、団体の統制というものは、なかなかそうたやすく行えるものでないことは当然であります。その困難な団体行動が前提になつて、労働者の生存権、すなわち基本権を守ることが憲法の基本条件になつて、その上に労働法がいろいろと成長を遂げて来ておりますことは申すまでもないわけであります。そこで、もし刑法その他の法規に照して、合法か非合法かという判断を下す場合において、その団体の基本的なものについて十分な理解がないと、判断を誤る。たとえば、労働争議の場合におきましては、労働争議の原因がどこにあり、労使の間の団体交渉の経過において、団体行動が秩序を乱さなければならなくなつたような不祥事件が起きたといたしましても、そのよつて起る原因を把握していないで、それから発生して来る現象的な事実だけ法規を当てはめて処置を講ずるような機械的な扱いが、もし行われろといたしますならば、これは秩序を守ろうとして、むしろ結果において大きな破壊的な事態を招来する。こういう例は幾多もあることであります。私どもこういう意味からお尋ねをいたすのであります。その点については、さきに具体的事実をあげて回答を求めておるのでありますが、その回答をまだ得ておりません。そこであなたの新聞発表を伺つて、そのおそれを感じたのであります。もちろんあなたの御意思は、今述べられたことに疑いをいれる余地はありません。しかし、あの新聞を読んで受ける印象は、一般の読者と争いの頂点に立つている労働者とは、同じ考えで読むものではないと思うのであります。ことに、今回の対象になつております公企労法のもと知ある八つの公社ないし現業庁の労働者は、仲裁裁定という法律によつて両者が拘束を受けるという点で、私どもは、その理由については、十分しんしやくしなければならぬと思うのでありますが、理由のいかんにかかわらず、その裁定が下されたのに対して、政府はこれを完全に実行ができないという事実があるわけであります。こういうものに対して、雇い主側の立場をとる政府、特にあなたも閣僚の一人でありますし、その面においてはやはり責任の一半を担当されるわけでありますから、政府としては相手方の労働者、特に団体行動を規制されておりますものに対して、その法律に規定されたことが実行できないことを納得せしめるに十分な行為が行われていたかいないかということについても一方は閣僚として、一方は治安保持の法務大臣としての立場から、雇い主側にも同様の注意がきびしく与えられなければならぬと思うのであります。これは形式的には政府部内のことだから、そういうことはやらなかつたというのでありますけれども、新聞に現われたところを見ると、何だ、労働者だけを追究するじやないか、こういう点がはなはだしく手落ちがある。こういうものに対して、法務大臣は何か了解できるような形において注意すべきではないかと思いますが、その見解を伺いたいと思います。
#72
○犬養国務大臣 お話ごもつともの点があると思います。公労法の違反者に対して、罰則をつけて刑法上の問題にしないで、内部の行政処分にまつているというのは、そこにあると思うのでありますが、その罰則をつけないという精神は、やはり法務当局も相当深くくむ必要があると思つております。私の談話で、たいへん刺激なさつたように受取れるのですが、あれをよく読んでいただきますと、初めから縛るぞ縛るぞとは、ちつとも書いてないのであつて、公労法の罰則のない精神から見て、取締り当局は従来特に干渉することには慎重な態度をとつて来たのでありますが、昨今どうも行き過ぎがちよいちよい各所に現われて来たので、それで、その行き過ぎの嫌疑が明らかになりますと、たとえば、往来妨害その他暴力的なことになりますと、これはやむを得ず刑法上の問題にならざるを得ないから、諸君自重してくださいというので、初めは静観しているという点が三分の二くらい書いてあつて、しまいに、しかしどうも大分元気がいいようだから気をつけてくれというのが三分の一くらい、それで行数の幅からごらんになつても、大体気持がわかるのではないかと思います。ただ、それを第一線がはやまつて読むということも、絶無ではございませんので、読み方も、従来スト規制法の実施でもなんでも、みんな内部でこういうふうな精神で扱えという通牒を出すのであります。今度も御心配の点も段々ありますから、十分に第一線に徹底するように私の気持を伝えたいと思つております。
#73
○井堀委員 あなたのお気持を疑うわけではありませんが、問題は、仲裁裁定をめぐつての労使関係の対立でありまして、政府のいうところの予算上の理由についてはこれは別の政治問題として、労働者側にとつては団体交渉を行い、さらにあなたもお考えのことと思いますが、これは三月から四月の時期に団体交渉が始まつている。そうして今ようやく八箇月も遅れた後に実施しようという形になつて来ているわけでありますから、その経過から考えますと、労使関係の間における労働者側というものが、かなり隠忍自重を重ねておる事案はあがつておると私は思うのです。そうして団体交渉がうまく行かない、そしてその中間の一つの機関として中央調停委員会の調停が提示されているわけです。その提示案の中では、七月ないし六月に提示がそれぞれ行われておる。六月ないし七月当時において、政府のそれぞれの三公社五現業の中で、五つのパートにおいては、当事者はおおむねその経済的な調停に対しては認める、あるいはその数字は妥当であるという意想表示をしておるわけでありますから、この意思表示の上から行きますと、五つのパートにおいては、少くともこれを実施することが七月において可能であるという表現であると思う。これは第三者のわれわれが見ても、そうである。ましてや団体交渉にあたつて、一々組合員にそれぞれ注意を与えてやつておるに違いないのでありますから、報告もいたされておるに違いない。そうすると、かくも労働者にとつては、なるほど調停もそうであつて、その調停に対して当局も了承を与えておるにかかわらず、その事由いかんにかかわらず、仲裁裁定までが下つておるにかかわらず、政府はこれを実施しないという主張をしておるわけでありますから、この面においては、労使の関係を私どもは公正に見て行きますと、雇い主が労働者側に対して納得せしめるための最大限度の努力を払わなければならないことは、法律の条文にも明らかです。その点の努力がどれだけ労働組合に浸透しておるかということを、法務大臣が公正な立場に立つて、閣僚の地位とともに、治安をあずかる立場の者として、見解は二つ出て来てもいいと思うのですが、そのあとの立場から、この問題に対してどういう御判断を下しておられるかが問題であると思いますので、一言伺つておきたいと思います。
    〔矢尾委員長代理退席、山花委員長代理着席〕
#74
○犬養国務大臣 労働争議というものが起る場合には、必ずおつしやるような事情がまつわります。これは法務当局としても十分心得ておりまして、現にあなたのおつしやるような問題を、昨日政府委員室でも、ここにおります局長、課長と私の間で、いろいろ話をしております。できる限り理解のある態度をとつて行きたいと思います。一方において、どうも少し元気が出過ぎている部分がありますから、そういう点は、十分にまた組合のリーダーの方でよく統率していただいて――取締つて、刑法の問題にしてから、方針がお互いにかわるというのでは、労働運動の発達からいつておもしろくございませんから、両方でひとつ慎重にやりたいと思つております。
    ―――――――――――――
#75
○山花委員長代理 次に、前に調査いたしておりました失業対策に関する件について質疑を許します。中原健次君。
#76
○中原委員 それでは、先ほど失対問題について安井政務次官にお尋ねをいたしかけたのでありますが、政務次官は参議院の方へ急がれておるので――大体日常の質疑の中で、政府の見解はわかつているわけです。ただ私が言いたいことは、ちようどこれも今の刑法適用の問題と同じように、ものの考え方の基礎になるものが、まず最初に必要であると思います。だから一般の賃金問題を取扱う場合の考え方の上に、もう一つ考えなければならぬことは、失業者が大量に出て来た。先日来の話によると、完全失業者は少しずつ減つておる、こういうのでありますが、しかし失業問題の根幹としての失業者全体は決して減つておらない、むしろふえつつある、こういうことは、一体その原因はどこにあるかということなんです。原因はやはり政府がこういつた種類の失業問題を、国会の中で論議しなければならぬような状態をつくり上げておるというところに、問題の基本点があると思うのです。言いかえれば、簡単な言葉で結論をいえば、政治の貧困というのですが、政治がまことに間違つておる。だから失業者が出て来るのでありまして、従つてそういうような意味で出て来た失業者の問題を処理するにあたりましては、国は失業者だからしかたがない、こういうような建前で判断をされるのではなしに、こういう大量な失業者を出し、政治の貧困から、この失業者を救済することもようなし得ないという事情のもとで、たとえば、ただいま組合側の御主張でもございましたように、越年に際しての数個の要求も出、あるいはその後問題についてのいろいろな要求が出ておるわけであります。そうであつてみれば、これに答えを出すためには、多分に政府の政治責任というものを痛感しながら答えを出して行く、こういう建前になつて参りませんと、問題のよき解決とはなりません。そういう意味で私はまず一つの前提をはつきりとしておきたいと思うのです。そういう前提の上に立たれて、御答弁が願いたいのでありまして、たとえば、先ほど有給休暇の問題についていろいろ御答弁もあつたようであります。有給休暇を出すということは、その性質上、法律上どうも困るというわけで、これは出しにくい、そういうふうに言うておいでになるのでありますが、やはりさつきから申しますような観点から考えますと、失業者諸君も、正月は何分かゆるやかな気持で迎えたい、年末の押し迫つたあの気持の中にも、今日までの借金を少しでも解消しておきたい、返済しておきたい、こういう気持は当然出て来るわけでありますから、これに対してやはり年末年始の有給休暇ということは、不可避的に起る要求のはずであります。従つて、不可避的に起るであろうこの要求に対して、何らの策を持たない、これに対して何らの誠意ある態度を示すこともなし得ないというのであつてみれば、これはやはり失業者諸君の立場に対する理解を政府は持つていないといわれてもしかたがないと思うのです。そういうような意味で、このことについて年末年始の有給休暇の問題、これは毛頭考えていないのか、それとも何らかの措置でなし得る方途を考えておいでになるのか、あるいは地方庁とのいろいろな打合せ等を通して、何かこれに対して措置しようというお考えであるのかどうか、これをひとつ承つておきたい。
#77
○村上説明員 問題が基本的な問題でございますので、失業対策課長としてお答えをするのが適当かどうかと存じますが、私どもの気持を申し上げますならば、おつしやるお気持は、まつたく私ども同感でございまして、失業対策事業の運営につきましては、基本的な考え方としては、そういつた気持を持つておるのでございます。ただ、全般的な政治の貧困その他いろいろ御指摘がございましたが、その点については、私答弁するのは適当でないと存じますので、遠慮さしていただきたいと思います。ただ、失業対策事業の運営につきましては、これはたびたび労働大臣からお話もあつたと存じますが、やはり産業の振興、雇用量の積極的増大ということが、失業対策の根本でございまして、失業対策事業をもつて落ちこぼれを拾つて行くというのでは、これはどうしても解決ができないのではないか、つまり、失業対策でなくて、雇用政策でなければ、問題の根本的解決はあり得ないと、私どもさように考えておるのでございます。そういうような気持から考えますと、失業対策事業というものは、やはり消極的に考えるのが妥当ではなかろうか。大きな政策の持つて行き方としては雇用量の積極的増大、つまりアンエンプロイメント・ポリシーではなくして、エンプロイメント・ポリシーでなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。そういたしまして、やむを得ず失業されておる方々に対する措置でございますが、その運営につきましては、同情ある態度で臨まなければならないということも、これは仰せのごとくでございます。私どもといたしましては、財政の許す限り年末措置も多くいたしたいし、またできる限り賃金の増額もはかりたい、こういう趣旨をもちまして、実は九月十六日に賃金増収措置をはかつたような次第でございます。これはPW改訂以前に行つた措置としては、相当思い切つた措置じやないか、かように考えておる次第でございます。
 年末の有給休暇の問題でございますが、私どもが八百になんなんとする事業主体を対象として事柄を考えます場合、有給休暇を認めるということは制度上適当でない、こう申し上げるほかないのでありまして、いろいろ財政事情も違いますし、いろいろ特殊事情もある各事業主体に対して、制度として有給休暇をとらしめるということは困難である、こういう趣旨でごさざいます。
    〔山花委員長代理退席、委員長着席〕
 ただ年末措置の扱い方にいたしましても、就労日数の増加または賃金増給措置、こういつておるのでございますが、賃金増給の措置をとります場合には、これは働かずして前に働いた分の差引額をもらうという趣旨でありまして、こういつた措置をとりますのも、現在の制度と、それから御指摘のような同情ある取扱いということを加味した取扱いでございまして、私ども全国一本に扱う措置としては、大体この程度しか目下とり得ないのではないか、かように考えておる次第でございます。
#78
○中原委員 課長のお話は、限界点もあるわけで、はなはだ質問がしにくいのであります。なおいずれ続いて、最も早い機会に――これは委員長にお願いしておきますが、大臣以下政治責任ある者の出席を求めて、問題を一層明らかにして行きたいと思います。もちろんこれは各委員同じ御見解と思います。
#79
○赤松委員長 どうですか、中原君、課長にたいへん悪いけれども、事務的な答弁しか実際できないと思いますので、それはやはり労働大臣を出席させて、そうして政府の責任ある態度をただした方がいいと思いますが……。
#80
○中原委員 そうです。この場合、もう一つ事務的な問題で、これは課長さんにわかるのです。実は眞邊委員長の先ほどの御陳述の中にありました要請の項目が、今政府が表明されました態度と非常に距離がある。まつたく問題にならぬほど距離がある。たとえば、この年末手当の問題でもそうである。そこで、これはそう簡単に結論はここで出ないわけで、このことについては相当問題が残る。その中の一番末の方に、一つ格付賃金ということを指摘されてあつたと思うのです。格付賃金というものは、聞いてびつくりしたのですが、別の言葉で言いますと、顔付賃金ということになるのではないかと思います。顔に対して賃金の差をつけておる、こういうことを言われたのであろうと受取つたわけであります。これはよくありそうなことです。そういうことは、やはり一般労働者の立場から行きますと、はなはだ不快なんです。その少数の顔のために、多数の労働者が非常な不利な取扱いを受けておるということになるからでありまして、従つて、この格付賃金の実態があるということについては、十分御調査にならなければいかぬと思う。こういうことは、決して引続いてせしめてはならない。やはりその職種によつての差という程度のことは、やむを得ぬといたしましても――これはあるいは当然かもしれませんが、それ以上の格付の差異をつけるということは、これは絶対に許されないと思うのです。このことについては、一応課長としてどうお考えになりますか、それに対する具体策を御講じになつておるか。
#81
○村上説明員 御指摘の点については、私どもも十分注意をいたしておる次第でございまして、現在の方法といたしまして、作業の重と軽といろいろの差がございますが、重軽によりまして賃金に段階を設ける。それから、それぞれの作業段階ことに能率を考えまして、そこにまた段階を設けることを指導いたしておりますが、ただ、この制度にまだ熟達しないために、府県によりましては、実にこまか過ぎる表をつくりまして、その運用上はなはだ当を得ないという点もございます。特に第一線におります監督者ないしは監督補助員が情実格付をされますと、非常に問題を生じますので、私どもも二、三聞いておりますし、また現地地労委の方からもしばしば聞いておりますから、第一線に対しましては、その点を厳格に言うておる次第でございます。
 ただ、今申しましたこの段階のつけ方の問題でございますが、あまりこまかくなりますと運用上非常に問題がございますので、簡素にして実行確実なる方式に近いうちに改正したい、かように考えております。具体的な運用につきましては、なお第一線に対して特段の注意を促したい、かように存じております。
#82
○赤松委員長 どうでしよう、委員の皆さん、本会議も午後開かれますし、もう一時十分前ですが、やはり労働大臣を出席させてやるということにしまして、一応休憩にしたらどうでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○赤松委員長 それでは暫時休憩いたします。
    午後零時四十七分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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