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1953/12/05 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 電気通信委員会 第3号
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1953/12/05 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 電気通信委員会 第3号

#1
第018回国会 電気通信委員会 第3号
昭和二十八年十二月五日(土曜日)
    午後四時五十六分開議
 出席委員
   委員長 成田 知巳君
  理事 塩原時三郎君 理事 橋本登美三郎君
   理事 小泉 純也君 理事 原   茂君
   理事 松前 重義君
      庄司 一郎君    齋藤 憲三君
      廣瀬 正雄君    上林與市郎君
      甲斐 政治君    松井 政吉君
      三輪 壽壯君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  飯塚 定輔君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  金光  昭君
        郵 政 技 官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  庄司 新治君
 委員外の出席者
        通商産業技官
        (重工業局電気
        通信機械課長) 森 雄次郎君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      長谷 愼一君
        日本電信電話公
        社副総裁    靱   勉君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
十二月五日
 委員石井光次郎君辞任につき、その補欠として
 寺島隆太郎君が議長の指名で委員に選任され
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電気通信機器等に関する件
 日本電信電話公社職員の賃金改訂問題に関する
 件
 日本電信電話公社当局と全電通組合との給与に
 関する紛争に関する件
    ―――――――――――――
#2
○原(茂)委員長代理 ただいまより開会いたします。
 前会に引続き、電気通信機器に関する件並びに通信行政機構に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。通告順にこれを許します。齋藤憲三君。
#3
○齋藤委員 本日は通産省の重工業局の電気通信機械課長の森さんに御出席を願いましたので、電波機器の製造に関して御質問申し上げたいと思います。
 現在日本のラジオの製造状態を大体概略でよろしゆうございますから、ひとつ御説明願いたいと思います。
#4
○森説明員 お答え申し上げます。現在ラジオは千百二十万くらい普及いたしておりまして、わが国の大体千六百万戸に対しまして、六五%の普及率でございますし、生産額は戦前の額を突破いたしまして、月産大体十一万を上下いたしておる次第であります。
 なお物品税の問題で、五球スーパーが五分になつておりまして、六球が二割になつておりますが、今後のラジオの行き方は、五球のトランス・レスにいたしますと、価格も安くなるかと思いますし、消費電力も安くなるかと思つております。
 なおまたNHK及び各民間放送会社が立体放送をときどき行いますときに、二台ラジオを持ちまして聞くという方が相当現われておりますし、先般の風水害におきまして、近畿地区の方の調査をいたしました結果、電燈からとりましたラジオを持つておりましたために、停電で退避命令と退避令を間違えて、大阪地区で非常に騒がれたので、最近は単一電池を用いますところのポータブルをメーカーがつくつておりまして、その需要が今後出て来るの
ではなかろうか、こう考えております。
 つくつているメーカーは大体安定いたしておりまして、約二十社ございます。
#5
○齋藤委員 この千百二十万というのは、大体五球スーパー以上ですか。
#6
○森説明員 実は私の方ではこの調査が十分できませんので、NHKが御調査になりました報告でございますが、五球スーパーはまだそのうちの三〇%くらいであろうという報告でございます。
#7
○齋藤委員 そうすると、これは五級スーパー以上が三〇%ですね。
#8
○森説明員 五級スーパーが三〇%であります。
#9
○齋藤委員 それ以上の高級品とそれ以下はどうなつておりますか。
#10
○森説明員 スーパー以上が三〇%で、あと再生式のものがまだ相当数ご
ざいまして、それが七〇%であります。
#11
○齋藤委員 電波機器の製造面から参りますと、放送法に規定されております一般に聴取せしめるというあの精神に基きまして、聴取可能という段階を決定するラジオ受信機というものは、どの程度のことを考えておられるのですか。
#12
○森説明員 今まではNHKの放送ばかりで混信がありませんでしたので、再生式をわれわれもみな手に入れておりましたが、民間放送が電波監理委員会においてきまるという点から見まして、これが混信を避けなければいけない、それで受信機改善委員会というものができまして、何とか再生式を安く――改造畳五百円ないし千円ぐらいでスーパーのように分離のできるようなものにしたい、こういう関係で郵政省の方ともいろいろ御相談いたしまして、最近つくつておりますのはほとんど五級スーパーでございます。先ほど一千万以上と申し上げましたのは、再生式のものをまだ皆さんが持つておりますので、そう申し上げたのでありますが、それをだんだんと五級スーパーにかえまして、各放送局の電波が十分に分離ができて開けるようにというような状況でございます。
#13
○齋藤委員 そうすると、大体五級スーパーを標準として将来ラジオの改革をやつて行くということですが、五級スーパーの標準値段は大体どのくらいなものですか。
#14
○森説明員 現在五級スーパーの平均価格は、普通のキャビネットを使いまして一万三千円程度でございます。
#15
○齋藤委員 その一万三千円の五級スーパーというのが月産十一万個ある、こういうのですか。
#16
○森説明員 今の五級スーパーにいたしましても、キャビネットの非常に大きいものに入れますとか、あるいは都会では、新趣好といたしまして小さなキヤビネツトにするとかやつておりますが、生産の九〇%はこの五級スーパーの一万二、三千円でございます。
#17
○齋藤委員 ラジオの製造会社は二十社あるというのでありますが、この二十社は私の想像では組立ての会社じやないかと思うのです。そうしますと、これに附随した諸種の部品屋がある。五級スーパーを標準として今後のラジオの状態を整備して行くということになりますと、勢いこれに付随した部品の規格統制が行われなければならぬと思います。聞くところによりますと、真空官だけでも二百数十種類市販には出ておるということでありますが、部品製造メーカーに対しては、今どういう処置を講ぜられておりますか。
#18
○森説明員 部品のうち特に真空管につきましては、御承知のように非常に数量を使いますために、量産方式をしないと価格が下らないという関係が、ございまして、その真空管をつくります管球機械の設備を近代化いたしまして、最近真空管が幾分値下りをして来たという状況でございます。今齋藤委員からのお話のように、多種多様な真空管がたくさんございます。これを少くとも品種をできる限り少くして行きたいという行政をしておりますけれども、以前に使つておられる真空管が切れますと、もうあとのものが手に入らない。アメリカにおきましても、まだ古い型の真空管を幾らでもつくつて補給しておるという状況でございますが、要するにラジオを安くする、そして普及をして行きたいというのに、一番問題になつておりますのは真空管で、ございまして、真空室官のを量産して価格を引下げて行きたい、こういう考え方を持つております。
 部品につきましては、今説明がございましたように、日本標準規格を今次第にきめておりまして、JIS工場を工業技術院が指定しております。それと同時にキヤビツト――これも一つの部品になりすけれども、キャビネットもだんだんと木工機会の設備を近代化しまして、これを安くして行きたい。特に今度の部品の関係は、質問にはちよつとはずれるのでありますけれども、ブラジルから相当量の御注文がありますが、最近日本の部品の状態というものは、先ほど申し上げましたセット・メーカーは側割合大工場で組み立てられるのですが、部品メーカーというものは非常に中小企業のものでありますので、これらの運転資金並びに設備資金につきましては、中小企業庁にいろいろこちらからごあつせんを願いまして、中金などから資金の融資をいたしておりますけれども、非常に数が多くて、スピーカー・メーカーにいたしましても相当数ございますので、実は生産系列なかなかはつきりできないという点は遺憾に思つております。
#19
○齋藤委員 ラジオが大分ポータブルに移行しておるというお話でありますが、これは何級くらいのポータブルをつくつておるのですか。
#20
○森説明員 現在までのサーキユツトは御承知のようになかなか煩雑で、作業がたくさんございますために、工数をかけるのであります。本年度プリント配線の応用研究にある会社に補助金を出しましたので、このプリント配線をいたしますと相当コストが安くなりますが、現在のホータブルは、ミニアチユア管を使いましたところの五級のスーパーであります。
#21
○齋藤委員 私どもの考えから行きますと、今のラジオの進歩発逹の過程におけるこのメーカーというものは、普通ならば、電波行政の所管をしております郵政省というものに統一される方が便利なのではないか。通産省のもとで電波機器の製造をやつておるということは、どうもラジオ全般から見ますると非常に不便じやないか。そういうふうに感じられるのでありますが、この点に対してはどういうふうにお考えになりますか。
    〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
#22
○森説明員 非常に質問が重大な問題になりまして、一課長としてなかなか機構の関係は申上げにくいのでございますが、現在は郵政省の電波管理局と常に十分なる連絡を持つて仕事をいたしております。なおNHK、各氏間放送局の団体であります民放連ともいろいろと十分なる御連絡をやつおりますので、ただいまのところ、私一担当課長といたしましては、先生の申されるように不便とは感じておりませんです。いつも電波監理局とは十分なる御連絡を申し上げてやつておる次第でございます。
#23
○齋藤委員 テレビジヨンの問題でありますが、大体通産省といたしましては、どの程度のテレビジヨンができたらば普及ができるかという見通しをお持ちになつているのであるか。
#24
○森説明員 これは齋藤先生御承知のように、テレビジヨンはわが国では初めて本年からこの工業化ができました。実は十五国会及び十六国会で、参議院の電通委員会に呼ばれまして、今と同じようなお話を承りました。そのときにはまだ工業化がやつとスタートしたという時代でございますので、十分なる検討もできませんでした。そのときのやはり御質問に、普及型というものを考えて、いかにすればこれを普及して行けるのかというお話がございました。郵政省の電波監理局長並びに西崎次長らの方々と、私どもの方の前重工業局長とお会いいたしまして、いろいろと検討いたしましたが、現在通産省と郵政省との両方の許可をもつてできておりますところの財団法人電波技術協会、これを中心といたしまして、この中には郵政省の方々も、通産省も入つておりますし、メーカーの代表も入つておりますし、NHKの方々あるいはまた日本テレビ放送網、そういう方々で現在あらゆる角度から検討いたしておりますけれども、大体普及型あるいはまた物品税というものを考えますと、やはり購買価格が五万円以上というものは、なかなか月賦販売制度にもむずかしいし、普及型というものもむずかしいというような考え方を持つておりますので、結論はしまだ出ておりません。大体来年の一月ごろには一応の案をお出しいたしまして、各国会の方々に御検討を願いたいと考えておりますが、今頭の中で一応検討いたしておりますのは十二インチ以下のもので、大体大衆需要者が五万円、月賦販売方式を採用いたしまして、十二箇月あるいは二十箇月でこれが普及に努めて行きたい、こう考えております。
#25
○齋藤委員 現在のテレビジヨンの生産状況は、どういうふうになつておりますか。
#26
○森説明員 現在テレビジヨンはRCA、ウエスチングハウスとEMI、この三者と特許契約をいたさないと、販売ができないということになつております。これにつきまして外資審議会にいろいろ資料差し上げまして、現在十五社のメーカーがテレビジヨンセットをつくつております。昭和二十七年度に、大体ことしの三月までに千二百台の一応の試験研究用というものをつくりました。まだその当時は特許契約が成り立つておりませんものですから、販売ができません。二十八年の四月から九月までの数字が約七千五百台、合計で八千七百台という生産をあげておりますが、この購買層が、大体喫茶店とかあるいは会社、銀行、そういうような面でありますので、大きさも十七インチが大体のポーセンテージを占めているような状態でございます。なお輸入の関係でございますけれども、これは各メーカーが外国の各社のセットを輸入いたしまして、これを解体し研究するというので、約千百台の輸入を現在まで許可いたしました。そのうちには学校用、研究用のものもありましようし、放送事業がお使いになるもの、現在日本テレビ放送網が街頭で公衆に見せておられますが、そういうものも含めまして、これが約千百台、なお今年二月にNHKの本放送が始まりましたので、急にテレビを見たいという話もありましたし、なお一方特許の関係が交渉が長引きましたために販売ができない、そういう関係で御承知のように、輸出振興外貨というものがございますが、その輸出振興外貨で通商局が約五千七百台の輸入を許可いたしました。これは今年の四月からはこの輸入は禁止になつております。それから外国人が日本に参つておりまして、SPSあるいはOSSで、自動承認制と申し上げておわかりと思いますが、つまり日本銀行で自動的に入るもの、これが三千台、大体一万台くらいのものが現在入つておるような状況であります。
#27
○齋藤委員 外国から入つて参りますものと内地製品との価格の比較は、こういうことになつておりますか。
#28
○森説明員 先ほど申し上げましたように、需要層が何となく十七インチがとてもほしいんだ、こういいうとで十七インチの輸入があつたのだろうと思いますが、そういうものが先ほど申し上げましたような各階紙層に入つております。ところがこの十七インチが、いろいろ調べますと、米国におきますては、大体十九インチから二十インチに切りかわつておる段階で、大体平均二百ドルくらいのCIF入つております。当時わが国ではブラウン管も十七インチができませんので輸入しなければならないし、生産態勢が十分整つておりませんために、十七インチを一例にとりましても、当時は一インチ当り一万三千円くらいするということを、この前の国会にも報告いたしましこの秋ごろには、大体一インチ当万円くらいに下げるように努力をいたしますと申し上げておきましたが、現在日本の十七インチが、あるメーカーで十五万五千円くらいで手に入る。RCAのものが、今ストックを少し持つている方が、幾らか利益を度外視して十二万円くらいでお売りになつておる。現在では大体価格が安定して、外国製品とわが国の製品とは、真空管あるいはブラウン管の生産が非常に軌道に乗つて参りましたために、大体一インチ一万円あるいはまたそれ以下というようになつております。
#29
○齋藤委員 そうしますと、普及型として大体考えておられますテレビの受像機というものは五万円、そうしますとこれに到逹するのは、現在のところでは想像つかないわけですね。日本における今までの需要というものは、おもに十七インチである。十七インチということになりますと、家庭では大き過ぎてとうていだめだ。そうすると一般会社とか喫茶店とか、その他客寄せの営業用に用いられる。一般の利用としてはどうしても七インチとか八インチとかいうふうに行かないといけない。購買力からいたしましても、どうしても五万円くらいで抑えなければならぬ。そういうような私の構想に対して、日本の製造会社の技術面あるいは物資の面あるいはパテント料とか、そういうものを勘案して、将来実現可能なものであると考えるかどうか。そういう問題に向つて通産省は今どういう構想をお持ちになり、それを現実せしめるためにどういう研究助成の方法を講じ、またどういう研究所があつて、研究しておられるか、お聞きしたい。
#30
○森説明員 五万円は一応の目標でありまして、五万円くらいでないと一般大衆が親しむこともできないし、また普及もできない、こう考えております。現在七インチのセットを大メーカーでは七万五千円で販売いたしておりますが、もう少し量になりましたならば、これが五万円に行くのではないかと思います。これに伴いまして、齋藤先生にお願いしておきたいのは――先般税制調査会でテレビに三〇%の物品税をかけるというようなお話がありました。やつと今緒につきましたこのテレビジヨン工業、いわゆるエレクトリツク工業をこれから育成して行こうというときに、急激に三〇%物品税をかけられますと、大体平均十万円といたしましても、約十三万品という非常に高価なものしなつて、一般大象が親しめない。このナレビジヨン・セツトの価格をいろいろ言いたしますと、先ほど申し上げましたように、ブラウン管が製造能力の関係でまだ非常に足りない。昨年開発銀行から東芝と日本電気にブラウン管の設備の融資をいたしましたが、これは大体小型の七インチ系統の測定器用でございまして、ことしはもう幾らか融資のめんどうを見まして、機械もまた近代化いたしまして、このブラウン管の一インチ当り一万円をもつと少くするということと、御承知のように真空管を二十五本ほど使いますのを、現在十六本くらいにするように考えており、トランス・レスにいたしますればトランスもいらなくなる。またキャビネットもああいう非常に高価なものでなく、テーブル型のものにする、そういうふうに持つて行くかたわら、月賦販売方式をやはりある程度めんどう見なければならぬ、そういう関係からいたしまして、いろいろと電波監理局の方々とも協議いたしておるのでございますが、大体十インチを中心といたしまして、プラス、マイナス一インチくらい、あるいは二インチくらいのものが標準型で、それが相当量産になりましたならば、来年の秋ごろには、五万円にはならないと思いますけれども、大体一インチ一万円というところに安定をして行くであろう。先般の国会でも御報告を申し上げておいたのでございますが、大体五年後の普及見込みを一応百万といたしまして、その時代にはうんとそれからまだ安くなつて来る。来年はテレビジヨン工業の確立という線に沿いまして、極力一インチ当りのコストを下げて行く、こういう考えでおります。
#31
○齋藤委員 そうすると、現在テレビジヨンを製造しております会社の中に、テレビジヨンばかりつくつているのがございますか。
#32
○森説明員 実はテレビジヨンばかりつくつているものがございます。ございますが、これは非常に高価でございますし、まだそれほど有効需要がたくさんございませんので、やはりわが国におきまして、あるパーセンテージ製造能力の半分以下くらいなところでテレビジヨンをつくらないと、どうも企業がうまく行かないような状況が最近現われて参つております。
#33
○齋藤委員 ただいままで御質問申し上げましたのですが、日本のテレビの普及ということを非常に大きくいわれておりますけれども、なかなか困難ではないかという危惧を持つているのであります。こういう点に対しての見通しはどうでありますか。
#34
○森説明員 これはあるいはテレビジヨン工業が早過ぎたんではなかろうというようなことも考えられないことにないのですけれども、一応国としてテレビジヨンの電波の許可がおりておりますが、このテレビジヨンの十七インチあるいは二十インチのデ・コンソールのようなものは、どうしても奢侈品をいう気がわれわれもいたします。われわれはテレビジヨンが普及するよりも、このテレビジヨンをつくりながら、日本のエレクトリツク工業を外の技術導入によりしまして一日も早く盛り上げて行きたい、そうしてこれよりもつと高度な技術によりますレーダー、マイクロウエーブ、その他いろいろな点に早く入つて行きたい、こう考えておりまして、大体五年後に百くらいこのテレビジヨンを何とか普及いたしまして、文化的といいますか、科学的といいますか、そういう点、あるいはまた学校教育、そういうこと現在は学校や公民館にわれわれといたしましては普及の目標を置いておる次第でございます。
#35
○齋藤委員 これは郵政大臣と通産大臣ともにおいでになるときに御質問申し上げなければならないと思うのでありますけれども、日本ではテレビというものを非常に大きく取上げて、御承知の通りマイクロウエーブその他について、いろいろやかましい問題が起きているのでありますが、将来日本としてはほんとうにテレビというものを普及しなければならないなら、一般の人人の収入に対比いたしまして、適当な価格にまで引下げた普及型のものをつくつて、広く日本の各地に持つて行つて、今お話のように教育あるいは文化その他の用に供して、知能の向上をはかるという国策であるとすれば、郵政省がそういうふうな電波行政を確立する、そうしてそれに即応して通産省が思い切つた施策を施して、あるいは大量生産に持つて行つてやらなければ、とうていその実現は不可能ではないかと思うのでありますが、そういう点に対して今は行き当りばつたりの政策のように考えます。来年一ぱいに五万円なら五万円の線にまで引下げるにはどうしたらよいかという、徹底した研究もまだないように思うのでありますけれども、そういう点はどうなんですか。
#36
○森説明員 先ほど申し上げましたように、一番新しい工業でございますので、これが自助車工業のように、どんどんと外車が入つて来るような災いをいつまでも残さないように、今後は純国産でまかなつて行きたい。それで私どもの局議で、一応テレビジヨン工業確立対策がきまつております。明年度はこの線に沿いまして、特許の契約の問題、あるいは生産対策といたしましては融資の問題、あるいは応用工業化、あるいは試験研究の補助金の問題、その他普及につきましては、サービス会社、協同組合の結成、あるいは国民に親しんでもらいたいいわゆる普及型受像機の検討、そういうような一応のテレビジヨン工業の確立に対する要綱が局議で実は昨日きまりましたので、その線に沿つてやつて行きたいと存じます。
#37
○齋藤委員 一台五万円といたしましても、百万台というと、ざつと五百億の目標を持つ国内産業であります。それに付随したいろいろ問題も起きて参ることかと思います。電波監理局の方もおられますが、五万円にテレビジヨンの普及型を引下げて行くには、百万台つくらなければ、大体日本のテレビは一般的に考えてペイしません。そういうようなときにいわゆる電波の監督の立場にあるものと、その生産面にタツチするものとが、二つの省に分離されておつては、非常に私は不便じやないかと思いますけれども、実際打明けたお話で、そういうことに対しては一体支障がないのでありましようか、どうでしようか。たとえて申しますならば、これは重工業局の一部分になつておるわけであります。そうすると市工業局ということになりますと、大体基本産業に重点が置かれて行く。でありますから電波機器の製造に対しては、非常にウエートが軽くなつてしまうのではないか、こう私らは考えるのであります。と申しますのは、私たちはもちろん基礎産業に対するウエートを軽んじておるわけではないのでありますけれども、電波機器は今日単に通信あるいは教育また文化というもの以外に、一切の国家の防衛態勢その他に対しても根本的な、しかも最高のウエートを持つておる。そういうものが重工業局のごく一部門にあつて、基礎産業に大きなウエートとられてしまつて、こういうことに対してはどうもウエートがなさ過ぎる。しかも製造部門に対して一方には郵政省があり、電波監理局があるけれども、これはほんの電波行政だけで、無線局の電波の割当だとか、許可とか、取消しという取扱いをするだけの機関であります。そういうふうに考えますと、何か一人のからたが両断されておつて、片一方の方ではいくら電波を重大視し、これをもつていろいろな国家の独立的な大計を向上して行ごうといつても、どうも通産省の中では電波機器は小さな部門にあつて押えられてしまう。私らの考えから、これではどうしても不合理で、思う存分電波機器の発展というものに資し得ないのではないかというふうに考えられますけれども、実際その業務に携わつておられまして、そういうことの御説明はまことに無理かもしれませんけれども、一体日本のような電波行政が一方にあつて、電波生産の態勢というものが通産省にあるというふうなことは、諸外国もそういううことをやつておるのでしようかどうか。これは非常に不合理だと思つていつも気にかけておるのでありますが、これは一本にした方が実際効果か上るのにないかというふうに考えるのですが、そういう点に対して何かお気つぎの点がありましたらお話願いたい。
#38
○森説明員 先ほど申し上げましたように、一課長ではどうもそういう機構のことについては申し上げにくいのであります。現存までは電波監理局と十分なる御連絡をいたしております。応用研究並びに工業化、そのうち本年の応用研究並びに工業化、でも、重工業局では金額の半分は電波機器の応用研究に補助金を向けております。開発銀行の融資にいたしましても、重工業局全体の半分は私の方に実はいただいております。決して電波機器の行政が重工業局では非常にウエートが軽いということはございません。重工業局は御承知の通り鉄鋼とあと機械でございますけれども、通産省の上司の方々もむろん日進一月歩の技術を要する、しかも非常に遅れておる電波機器の行政については、非常なる関心を持つておられますので、私はその責任の重大なるを感じております。常に本日御出席の長谷局長などとは御連絡をいたしまして、今までのところ私自身といたしましては、いろいろとお互いに資料の交換あるいは技術の御指導、御援助などをやつておりますので、先生の言われるほどには考えておりませんが、機構の問題という大きな問題でありますので、その点ちよつと私からは申し上げにくいのであります。
#39
○齋藤委員 レーダーの製造は日本ではやつておりますか。
#40
○森説明員 マリン・レーダーは、東京計器と日本無線とが現につくつておりますし、その他二、三社が研究をいたし場ております。
#41
○齋藤委員 そのレーダーはおもに保安隊が使つておるのですか。
#42
○森説明員 最近保安隊の方からメーカーぼつぼつ話がありますが、今では全部マリン・レーダーは新造船並びに今までなかつた船につけております。
#43
○齋藤委員 そのレーダーの性能でありますけれども、性能と申しましても非常に漠然としたものですが、どの程度の性能であるか。たとえて申しますれば、船にレーダーをつけた場合に、どの程度レーダーに障害物が写るのでありますか。船につけて航行しておるときに、船と船とのすれ遅い等いろいろな場合があると思うのですが、そういう場合には的確にそれは実用に供し得るような状態にまで、日本のレーダは進歩しておるかどうか。
#44
○森説明員 レーダーは御承知のように終戦後製造禁止になりましたし、使うことも全部メモランダムでできなかつたのでありますが、昭和二十五年にメモランダムが解けまして、使うことはいいというので、東京計器がスペリーのレーダーを入れました。スペリーは御承知の通り世界有数のメーカーでございますので、今先生がお尋ねのようにどのくらいの距離にこれが写るか、これは高さの問題とかいろいろあると思うのですが、外国船は全部アメリカのスペリーのを使つておりますので、十分に航海の役には立つておると思います。なおまた国産の関係でございますが、これはブラウン管は国産品を使いましても、真空管その他はまだレーダー用として不十分でありますので、そういうものは輸入いたしまして、現に東京計器でつくつておりますけれでも、役立つか役立たないかというようなお話はまだ聞いておりませんが、ただレーダーは御承知の通り船に績みまして外国の航路に参りますので、いろいろな故障が起きて部品をとりかえろという場合には、アメリカやアフリカの港にまで純国産のものを持つて行つておらないと役に立たない。こういう船、船舶用レーダーとしては特殊な性格を持つておると思うのでございますが、先生のお尋ねのように航行には十分に役立つておると思います。
#45
○齋藤委員 私の御質問申し上げている含みは、今盛んに防衛態勢確立のためのレーダーとか、あるいは無線誘導ロケツト砲弾の製造を新聞でやかましくいつておる。そういうものに向つてメーカーがこれから力を入れて行こう、こういうことが新聞に出ておりますが、はたして今日の日本の状態において、世界が持つておりますところのレーダーあるいは無線誘導ロケット砲弾というようなものは、技術的に製造可能であるかどうかということなんであります。そういうことに対する見通しはどうでありますか。
#46
○森説明員 防衛用のレーダー、あるいはまた誘導ロケット砲弾、あるいは無線操縦、あるいはジエツト飛行機につける射撃用レーダー、こういうお話だと思いますが、御承知のように終戦後相当の技術的な空白がございますので、通産省といたしましては、外国の優秀な会社と技術提携をさせまして、その技術の習得をすると同時に、御承知のように通信機は部品がその基礎になりますが、真空管にいたしましても、なかなか欧米の品物とは比べものになりませんので、応用研究なり、あるいはまた試験研究川の補助金は出しておりますけれども、さらに大事なのは付属品であります。もう一つは、原材料が御承知のように日本にはなかなかない。たとえば純ニッケルなんかは一かけらも日本にはございません。またゲルマニウムにいたしましても、その純度が非常に低いという関係で、これは大きな問題であると思います。技術の点はそういうように外国の会社との技術提携なり、あるいはまた海外へ各メーカーの技術者が行つて、いろいろと習得されておると思いますけれども、原材料並びに設備機械、そういう点から見ますと、これは一日も早くそういう態勢を整えなければいけないという考え方を持つております。今急激に防衛用のレーダーがどうかということについては、ちよつとこれは明確なる御返答ができません。
#47
○齋藤委員 私のお伺いいたしました電波機器の製造方一面におきましては、非常に期待はずれと申しますか、日本の電波機器の製造は非常に幼稚なように御説明によつて承つたのであります。ラジオにいたしましても、アメリカの最もすぐれたポータブルというものは、もうすでに腕時計のようになつてつけられておる。それからレーダーにいたしますと、もうすでに全世界の状態がこれによつて探知せられるような状態になつておる。また防衛態勢の先端を参ります無線誘導飛行機にしても、無線誘導ロケツト砲弾にいたしましても、完全にその照準をあやまたずして機能を議し得られる。いろいろな角度から、電波機器の製造の根幹をなすべきところの近代的な貴重な要素すら何一つ備わつてない、そういうお話を承りますと、われわれといたしましては電波という全体のことを考えますと、非常にさびしい感じに打たれるのであります。そこで担当課長としては、どうしたならば電波機器の製造という全般の問題に対して、世界の水準に一日も早く到達することができるとお考えになるか。これはいろいろな考え方があると思いますが、個々の研究体制をのぞいて参りますと、必ずしも世界の水準から遠く離れておるということは言えない。非常に優秀な研究もたくさん行われておる。しかし私はいつも考えておるのでありますが、主として電波機器というものは幾多のパートが総合せられて、その最高のレベルがそろつたときに、初めて電波機器としての性能が発揮せられることであつて、決して一個々々の。パートが優秀な能力を発揮しても、総合的にそろはなければならぬ。ここに電波機器の製造の眼目があるのではないかと私は考えておるのであります。今日の私の至らない質問によつてお答え願いましたところによりますと、日本の電波機器の製造というものはほとんどとるに足らない水準にしか達していないというふうに考えるのであります。これに対して担当課長としては、一体どうすれば日本の電波機器というものが世界水準に到達して、日本の需要を満たすのみならず、ひいては外国貿易の先駆となつて、いろいろの方面に輸出品して仕向けられるということになるか。そういうことに対する構想がおありになりましたならば、最後にひとつその構想をお述べいただきたい。
#48
○森説明員 齋藤先生から非常に重大な御質問なのでありますが、まず電波機器に限りませず、すべての機械と申しますか、原材料の純度あるいは精度というものが非常に遅れておるという点、たとえば真空管一つにいたしましても、ニツケルも現在日本のニツケルでは十分にその性能が発揮できないほど純度が落ちておる。あるいはまた小型トランジスターをつくるにしても、あるいはゲルマニウム・ダイオードをつくるにいたしましても、その原材料でありますゲルマニウムの純度が非常に低い。サブミニユアチユア管のガラス一つを取上げましても、外国製品と比べまして非常に劣ります。こうなりますと各窯業あるいは非鉄、あるいはまた鉱山、その他設備機械にいたしますと工作機械、そういうすべてのものがずつと盛り上つて来ないことには、おそらく電波兵器、レーダー一つ取上げましても、非常に大きな問題が起きて来るということになりまして、結局政府に総合的なガラスから、あるいは原材料、そういうものの研究機関がどうしてもないといけないような気がいたします。それからまた現になかなか秘密の兵器類がメーカーに直接入りませんので、メーカーも十分その点は研究ができないかと思いますが、そういうものも国に総合的の研究所でもございましたならば、これが十分に発揮できるのじやなかろうか、こういうふうに考えております。また文献もそういうところに全部集まりましたならば、技術提携なり、あるいはまた外資導入によるドルの節約も非常にできるというように考えております。現在まだそういうふうな点が非常に日本といたしましては、諸外国に比べまして欠点があります。今構想というような御質問でもございますけれども、総合的なそういう試験研究機関というものが一日も早くできたらと、こう考えております。
#49
○齋藤委員 どうもますます心細くなつて参つたのでありますが、私の聞いて参りましたところの不安とまつたく今の御説明は一致するのでありまして、たとえて申しますれば、これは通産省の所管になるゲルマニウムの問題を一つ取上げて、この間中私はいろいろ追究して参りましたが、ゲルマニウムの問題一つ取上げまして、ほとんど体をなしておらぬ。と申しまするのは、ゲルマニウムの定性分析はスペクトルか何かでやるところがありますけれども、定量分析を正確にやり得るところというものは、通産省機関の中にはないのであります。そこで私は先ほどから何べんも申し上げておるのでありますが、これはやはり電波というものは、一切のものを総合した一つの官庁の中に収めて、あらゆる点に検討を加えて、これを重点的に唯一の仕事として推進して行くのでなければ、とても欧米にはおつかぬのではないか。たとえて申しますれば、ゲルマニウムは九九・九九九という、九が九つないし十一つくと、一グラム七千円しておる。それだけ、七千円しておるところのものが、日本でもつて技術的に純度を高める施設をして間に合わないはずはないと私は思う。しかもこれはある下等な亜炭なら亜炭の中に含まれているということも実在がわかつておつて、しかもこれが取上げられないで放擲されておる。今日ゲルマニウムの研究は一体どこでしておるかといつたら、石炭総合研究所だけがまずやや熱を入れてやつておる。その他においてはほとんどゲルマニウムの採取というものは放擲されておる。地質調査所のごときは、ゲルマニウムの分析すらできない。それはやはり通産省の所管機関であります。それでありますから、ここにある一つの電波というものをとらえて、単なる架空的な電波行政というものでなく、この実質を補つて行つて、効果的に一切の国家機構に反映し得るところの力を持たせる電波機器の製造というものは、今のような御説明のような貧弱な態勢であるならば、どうもわれわれここで電波に関して常任委員会を設けて論じておつても、これは実に心細くなつて来る。要するに電波というものも、国家社会の実態に即応する力を持つてこそ、初めて電波を云々する価値があるのであつて、周波数の割当がどうだの、マイクロウエーブの機構がどうだのというてみても、そのすべての電波機器というものが世界の水準から劣ることはるかに遠くして、とうてい水準に達しない、使い道にならないというようなものをとらえて、日本の電波行政を云々するということはわれわれの時間が惜しい。でありますから、とにかくひとつ今までの電波機器製造担当の課長として、かくあらねばならぬということをはつきりひとつわれわれに御提示くださるならば、われわれもまた国家永遠の繁栄のために、その実現を推進することにはやぶさかではないのです。しかしいかに考えてみても、今の御説明によると、もう日本の電波機器というものは、実にとるに足らぬレベルであつて、何も近代的な一つのとりえもないのじやないかと私は思うのです。そういうふうに私は感じるのであります。これは郵政大臣並びに通産大臣に機会あるごとに私は質問いたしたいと思うのでありますが、どうかひとつ担当課長でありますから、その点遠慮なく、日本の電波機器の製造というものはかくあらねばならぬ、こんなことではとてもだめなんだということを、ひとつ推進していただきたいと思います。私の観点から申しますれば、今日のレーダーにしろ、あるいは無線誘導ロケツト砲弾にしろ、ゲルマニウムによるトランジスターがなかつたら、私は一発も撃てないと思う。いかに高度な真空管を持つて行つても、あの噴射推進式の振動に耐える真空管というものはないと私は思う。そうすれば勢い防衛力の先端を切る無線誘導ロケツト砲弾というようなものは、これはどうしてもトランジスターによつて誘導装置というものをつくらなければならぬ、こういうように私は考えるのです。そうすると日本というものの将来の電波機器の最先端に行くいわゆる防衛態勢にも間に合うし、あるいはポータブル・ラジオにも間に合うし、また輸出品にも間に合うというのには、どうしてもゲルマニウムならゲルマニウムというものの採取と、その純度を高度に上げて行くという一つの政策が行われなければならぬ、さように私は考えるのですが、そういう観点は誤まつているかどうかわかりませんけれども、せつかくきようここにおいでになつていろいろ御説明を願いましたのですが、その電波機器の製造状態というものは、まことに日本としては寒心にたえない低級なものであるということを私は残念に思うのであります。どうかひとつ、その点担当課長として十分な構想をおつくりくださいまして、御発表願いたいと思う。もつと大胆に申しますると、もうこんな通産省の一隅にわれわれは電波機器を担当しておる必要はないのだ、もつと堂々とこれを本業とすべきところの郵政省なり、あるいは通産省所管電波庁というものを新たにつくつて、そこに最も重点的な製造機能を発揮し得べきところの態勢において、電波機器というものをつくらなければ、日本はだめなんだというような結論でも、当該課長としてお出しくださるならば、私は国家のために非常に幸福なのじやないかと、かように考えるのでございます。どうかひとつこの点、一課長だからというて卑下されないで、すべては国家の官吏であり、国家本位にものをお考えになるという立場から、今のような貧弱な状態において、電波機器製造担当の課長としてその職責におられるということは、良心的にお考えになつて、さだめし心苦しい毎日を送つておられると私は思うのである。どうかそういう点はひとつ十分に打破するようにお願いいたしたいと思うのであります。私はこれだけでやめておきます。
#50
○成田委員長 原茂君。
#51
○原(茂)委員 ついでですから森さんに一つだけお伺いしておきたいのですが、今お伺いしていますと、テレビ受像機の輸入もやつておられるようですね。
#52
○森説明員 受像機の輸入の方のことをちよつと申し上げますが、輸入は、先ほど申し上げましたように一般外貨といいまして、私の手元へ書類がまわつて来るのがあるのでございますが、それはことしの四月から全部とめております。それから輸出を振興しましたための報奨として出ている、いわゆる輸出業者が持つております振興外貨、これがもう三月に通商局が申請の許可を下しまして、これも四月からとまつております。OSSあるいはSPSのいわゆる外囲製日用品の外わくで扱いますもの、これも四月から輸入はとまつております。現在四月からは輸入のセットというものは入つておりません。入つておりますのは、日本でできないような大型のブラウン管を使つて投影式にしまして、それを放送事業体が使うという場合のみで、これも数量は非常に少うございますが、一般十七インチ以下のものは輸入が入つておりません。
#53
○原(茂)委員 学校教育用のものが最近まだ入つておりませんか。
#54
○森説明員 学校研究用のものは、この前通商局の方へ書類が参りまして、これが約二百三十台かと思たましたが、許可になりましたが、この有効期間が六箇月ございますのですが、四月に禁止されましたから、十月までに入らないと、おそらくその書類は、無効になりますので、十月ごろにぼつぼつ入つて来たのだと思います。
#55
○原(茂)委員 今月まだ入つて来るために、金の手当をしているところもあるわけなんです。ですから少し延びておるのだろうと思うのです。それはどうでもいいのですが、幾らくらいで入りますか。
#56
○森説明員 CIFで百三十ドルないし百八十ドルで入つております。
#57
○原(茂)委員 日本円にしたら……。
#58
○森説明員 日本円にいたしますと、CIF約五万円……。
#59
○原(茂)委員 先ほどのお話で、五箇年の一応の目標で百万台ぐらい普及したい、一応国内の値段も五万円にする……。五万円の目標で百万台やるというと、五年後いきなり五万円にはなりませんから、だらだらにステツプ・ダウンして行く。安くなつて行くとしても、五年で百万台ということになりますと、安くみても一千億の費用がいると思う。国民経済に一千億くらいのゆとりができないと、百万台にはならない。大体計算してそのくらいにはなると思います。その一千億のゆとりがはたしてできるかどうか。現状から推してみると、非常に困難な要素があるわけであります。それよりは、小さな輸入でなくて、思い切つた大きな数量の輸入を計画されたことがあるかどうか。もつと安くテレビ受像機が入るようなことを研究されたことがありますか。たとえば一万とか十万とかいう数で契約をする場合は思い切つて安く入る、そういうような計画あるいは研究をされたことがあるかどうか。
#60
○森説明員 今先生から、いつそのこと向うから安いものを入れて普及したらどうかというお話もございましたが、御承知のようにいろいろ輸入のわくがございますので、振興外貨の方で同様五千台ぐらい大体十八インチが入つて参りました。御承知のように電源受像機にこれを改造するとか、いろいろ技術的な面も必要かと思いますけれども、非常に安いものが向うから入つて来ておりますけれども、それは相当期間のストック品ではないかという気のする粗悪品が入つておりますので、そういうものは一般大衆が迷惑するというような考え方で、輸入は極力とめたいと考えております。
 それからもう一つは、ちよつと私の御説明が悪かつたのですが、五万円の百万台ということを申し上げておるのではございませんで、現在七インチが七万五千円ぐらいいたしておりますが、普及型標準受像機が七インチにきまりますか、あるいは十インチにきまりますか、日本の家屋の間数が、建設省の御調査によりますと、大体六畳が標準になつておると聞いておりますので、六畳の間には大体十インチ前後が標準であろう。そういうものは、現在一インチ当り一万円、七インチ七万五千円ですが、これを一日も早く五万円くらいに下げて普及をしたい。百万台になる前に、あるいは七インチというものが普及になるかわかりませんし、ブラウン管あるいは真空管の相当の量産ができまして、四万五千円あるいは三万円くらいになるかわかりませんけれども、五万円イコール百万台というのは、ちよつと私の説明が足りませんでしたので、御訂正申し上げます。
#61
○原(茂)委員 今の私の質問は、大量に思い切つて輸入をしてみようという研究をされたことがあるかどうか。全然そういうことを考えずにやめてしまつたのかどうか。それだけちよつとお伺いいたします。
#62
○森説明員 考えておりませんでした。
#63
○原(茂)委員 関連して公社の靱さんにお伺いしますが、今の森さんの御説明では、テレビの受像機を入れてみたところが、粗悪品で、特にストック品が入つて来た。使いものにならぬようなものでもないのでしようが、非常に国民に迷惑を与えるのでやめたというのですが、鉄道が日本に敷けたときだつて向うの古をよこしたし、種子島が入つて来たときだつて、いらなくなつてから日本に売りつけたし、もちろん受像機などを日本がたくさん輸入しようとすれば、向うがいらなくなつたストック品をよこすにきまつておると考えておるのですが、公社の今考えているマイクロウエーブの施設は米国あるいは英則から輸入したいと思つて、実質的に計画をやつておられるようですが、これはそんな危険はないのでしようか。
#64
○靱説明員 ただいま私どもが得たいと思つておりますのは、まず現在到達した技術の最高のところをねらいまして、わが国のマイクロウエーブの技術の向上に資したい、こういう観念でございますので、粗悪品をとるというような考えは全然ありませんし、そういうことがあつては、はなはだ申訳ないというように考えております。
#65
○原(茂)委員 前の委員会でお伺いしたときに、輸入品によるマイクロウエーブ施設というものは、来年の三月には大体できるような見通しのお話があつたのですが、この点もう一度確認しておきたい。
#66
○靱説明員 今国産でやつておりますのは、一月中に施設を終りまして、二月に試験をやりまして、三月から実用に供する。さらに大阪・福岡、あるいは東京・札幌の問題がございますので、急速に日本の技術の向上をはかるために、やはりある意味においてはサンプル的にでも、ぜひ最少量の最も優秀なわれわれの求めているよう機材を輸入いたしたい、こういう考えでございます。
#67
○原(茂)委員 その輸入されようとするものは、大体いつごろの目標で入手されようとしておるか。
#68
○靱説明員 これはなるべく早く注文いたさなければならぬわけでございますが、公社といたしましても、もちろん外貨の問題もあるし、外貨が獲得できませんと、この契約ができないという形でございます。同時に、ただいまわれわれが求めおるようなものは、米英にいたしましても量産になつておりませんし、注文を受取つてつくるという形になりますから、最短におきましても一年ちよつとはかかるのじやないか。そこで二十九年度の計画といたしましては、私どもすでに西の方は場所の選定も終つておりますので、これを設備するための準備を二十九年度中にやる。二十九年度終りくらいに機械が入つて参りますれば、それから取付をやるということで、三十年度には実施いたしたい、こういうように前会においても御説明を申し上げたのであります。
#69
○原(茂)委員 そうすると、来年一ぱいには外貨の割当があるという確信がおありになるわけすか。
#70
○靱説明員 これは来年一ぱいというよりも、むしろ本年度に外貨の割当なり、あるいは外貨の導入と申しますか、借款と申しますか、それらの問題を早く解決いたしたいということで、目下関係機関にもお願いをいたしておるような次第であります。
#71
○原(茂)委員 外貨の割当、あるいは外資導入のことがもしきまらない場合にどうするか。それができなかつた場合には、国内の現有工業力でこれをやつて行こうとするような考えがありますか。できないことは全然考えていない。外貨は必ず本年度内にも割当になる確約があるか、あるいはそういう確信がどこからお出になつているか、それを伺つておきたいと思います。
#72
○靱説明員 外資導入の問題は別といたしましても、ただいま申し上げました通りに、最低量の機材を輸入するということになりますれば、外貨の幅も、この問題を通産省なり大蔵省の方でよく御理解願えれば、そういうものを輸入するということは、わが国の電波技術の向上にも資するわけでありますから、私どもは決して国の不利益になるものではないという考えで、ぜひこれを実現いたしたいということで、相当最終的結論が近いような段階になつております。万一これがだめになつたらどうかということにつきましては、前の委員会において申し上げました通り、さらにそれの対策を考えて行くという用意もあるわけでございますが、これは決していい方法ではないから、ぜひそういうところに到達いたしたい。またアメリカなり英国の生産の状況、それの実績というものにつきましては、現在総裁がよくごらんになつているような状態になつておりまして、本年度内にぜひ解決いたしたいと考えております。
#73
○原(茂)委員 今イギリスから入れるものは、アメリカの品物をイギリスの手を通して日本に入れようというお考えですか。全然純然たる英国製のものをお入れになるお考えですか。
#74
○靱説明員 これはまだどれを入れるかということをきめておるのではなくて、方式としてはこれをこれだという形で考えておるのであります。そこで英國を例にとりますと、アメリカと姉妹会社にもなつております。しかしその方式は純英國と申しますか、そういうものと私ども考えておりますが、アメリカを通じてかどうかという問題は、まだその点若干問題はありますが、ただいま私ども英國のものを入れるという点におきましては、ポンドの割当を得たい、こういうことで関係機関に折衝しておる次第であります。
#75
○原(茂)委員 梶井さんがお帰りになると、その間の何かキーが与えられますか。
#76
○靱説明員 単にマイクロウエーブだけでなく、クロスバーの方式につきましても、総裁はよく実情を見て来るという形になつておりますので、私どもとしましては、すでに総裁のお立ちの前に外貨の割当の問題は十分指示を受けておりますので、帰る前にでも何とか割当の問題を決定いたしたい、こういう努力を続けております。
#77
○原(茂)委員 梶井さんのおいでになつた目的は、公社の事業だけを主体にお考えになつて行つたのか。その他にも何か兼務されて行つたのか。おわかりでしたらお答え願いたいと思います。
#78
○靱説明員 これはこの前の委員会に御報告申し上げました通り、電信電話事業の視察ということでございますし、なお一般電信電話の事業の状態、制度の視察調査ということに相なつておりますが、特に技術的な問題としましては、マイクロウーブ及びクロスバーの生産の状況、またその実績というものをよく見て来る、こういう目的でございまして、それ以外に目的があるものではございません。
#79
○原(茂)委員 今のマイクロウーブ、クロスバエーの技術的な問題を視察に行かれたのですが、その二点に関するものを日本に輸入しよう、あるいは導入しようという問題に関しては、公社を主体にして話合いをされておるのか、その点はどうでしよう。
#80
○靱説明員 外資導入の問題につきましては、大蔵当局にお願いいたしているのであります。総裁は公社の建前として、導入問題に直接触れるかどうか、これはやはり政府機関を通じての話ということに私どもは了解いたしている次第であります。
#81
○松前委員 通産省にお伺いします。先ほど来技術の導入という話がありました。特許権に対する使用料を海外に相当支払つていると思うのですが、この額はどのくらいになつているか。もしそこにお持ちでなかつたら、御調査の上、表にしていただきたいと思います。
 それからもう一つ、通信器材の輸入の状況、どういうものを今日までどのくらい輸入しておられるか。昨年、一昨年くらいのものからほしいと思います。その統計を頂戴いたしたいと思います。
#82
○森説明員 松前委員から御質問がございました技術契約等による代価支払い状況ですが、これは日銀の為替課へ参りまして確かめて参りましたものを今持つております。それによりますと、昭和二十六年度、二十七年度及び二十八年度の九月まで、全産業につきまして、邦貨に換算いたしますと六十五億の支払いで、そのうち通信機関係は七億五千八百万円、一一%の支払い状態になつております。それから機種別の輸入状況は、今ここに資料がございませんから、あとから申し上げます。
#83
○松前委員 今のは詳しいのを、あとからでけつこうですから頂戴いたしたいと思います。
 もう一つは輸出禁止になつている品物で、ことに中共に対するものであります。何か二、三日前に輸出許可が出ておりましたね。あの中にはあまり入つていなかつたようですが、部分品は入れることが許可になつたというような話を聞くのであります。たとえばラジオ受信機の部分品、あるいは送信機などに対しては、今後輸出許可に対してあなた方少し熱意を持つておられるかどうか。その他無線だけでなく、一般の有線器材に対しては、どのような気持を持つておられますか。
#84
○森説明員 中共地区の輸出の関係は実は担当課が違いまして、私の方からは、家庭用受信機あるいは家庭用受信機用部品、その他戦略物資でないものについて、工業会と一緒にいろいろ資料をつくりまして、その担当課の方に再三申し出ております。今先生のおつしやいますように、二、三日前におりたか、おりないかはまだ聞いておりませんが、その点は極力何とかして、一日も早く中共地区へ――これは家庭用という名前でやつたら早く解除になるだろうと思いまして、部品あるいはセツト、その他そういうものについてやつております。これは放送機その他電話機等いろいろございますが、調べまして、あとで御報告申し上げたいと思います。
#85
○松前委員 あなたの方はおそらくその主管の課で、貿易関係はほかの局であろうとは思いますが、いずれにしても、原動力としてこれを推進して行つていただかなくてはならぬだろうと思うのです。そういたしますと、ただいまの電話機やケーブル、それから真空管、その他送信機、受信機というようなものは、従来日本のものが向うで非常に使われておつた。私が行つてみても――電話局はなかなか見せませんけれども、突然行つてみたところが、日立の電話機が置いてあつた。こういうふうで、かつての支那事変当時の日本の施設が非常に多い。従つて向うはその部分品や、あるいは新しい機械を入れるにしても、取扱いになれたものをほしい、こういう状況です。これは何も委員会で申し上げなくてもいいことですが、ついででありますから申し上げるのです。こういうふうな有線の機械にしても、無線の機械にしても、いずれもそのような要求が向うにある。ですから、こういうものは戦略物資でも何でもないし、アメリカのバトル法で禁ぜられて、アメリカの属国的な存在にわれわれがなつている必要ないと思うのです。とにかく早急に向うの要求に応ずる、すなわちバーター貿易ができるような、そういう態勢をつくるように御尽力を願いたいと思います。これはほんとうに熱心に、主管課の課長さんとしてぜひひとつ実現させていただきたい。
 それからケーブルなどでもソ連製のものは非常に悪いのです。私はソ連の技術というものに対して今非常に疑いを持つておるのですけれども、真空管にあつてもソ連のものは一箇月しか持たないようです。このような思いものを売りつけられておる現状であり、中共はソ連の品物を好まないのです。これが現状です。そのような状態にあるのですから、適当なる価格と適当なる品物を向うへ出せば、これは十分向うに愛用されることは間違いない。ケーブルなんかでも向うの製品は問題にならない。いろいろこまごました問題がありますけれども、ぜひひとつ主管課長として大馬力をかけて推進していただきたい。早急にひとつやつていただきたい、これだけであります。
#86
○原(茂)委員 ついでに勉強させていただきますが、森さんの御関係になつておる課の方で中共に輸出しておるのは今日どんなものがあるのでしよう。
#87
○森説明員 今ございません。
#88
○原(茂)委員 ほかに輸出は、いろいろラジオその他あるわけですが、もう一つ違うことを伺いますが、中共に限りませんが、電気通信機械課関係で、何かはかに輸出しておるものがあつたら、おもなものを伺いたい。
#89
○森説明員 ラジオを筆頭といたしまして、臺灣へ相当出ております。ビルマへ保安隊が使つております手さげ用の移動無線電話が出ております。もし何でしたら、表を持つて参りましたから……。
#90
○原(茂)委員 それではあとで頂戴したいのですが。
#91
○森説明員 あとから御報告いたします。
#92
○原(茂)委員 なおその場合の規格ですけれども、何か特別な規格があるものでしようか。あるいは、今は知りませんが、かつて商工省なんかのつくつたいわゆる標準規格が今日本にあるのではないかと思いますが、日本の標準規格で行くものでしようか、あるいは国際的な標準規格に準じて輸出することになるのですか、どつちです。
#93
○森説明員 仕様は向うから参りました仕様によりましてつくつております。
#94
○原(茂)委員 その仕様の規格が、国際標準規格、あるいは当該国の規格、あるいは日本の商工省の採用している規格、これによつて大分値段が違うわけでありますが、それがおわかりでしたらお伺いいたしたい。
#95
○森説明員 通信関係で輸出規格はただ一つしか、ございません。紙巻きコンデンサーだけが輸出用の規格になつております。あとのものは国内工業規格になつておりますので、輸出する場合にはその規格では合格いたしません。紙巻きコンデンサーは輸出規格によつて検査を行つております。大部分は向うの仕様によりますけれども、つくる場合は日本のJISを用いてつくつていると考えております。
#96
○齋藤委員 ちよつと局長にお伺いしたいのですが、十一月二十六日の速記録を読んだのですが、依然としてどうも電波法第四条の正鵠な解釈が見当つかないのでひとつ御質問いたしたいのですが、それは電波法第二条第五号に「無線局とは、無線設備及び無線設備の操作を一行う者の総体をいう。」そう書いてあるのです。それから第四条には「無線局を開設しようとする者は、郵政大臣の免許を受けなければならない。」こう書いてあるのです。そうしますと無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体が無線局なんですが、自分の使わないもの、他人に使わせるものをつくることができるのですか。これは無線局という解釈ですが、第二条は「この法律及びこの法律に基く命令の規定の解釈に関しては、左の定義に従うものとする。」という命令定義であります。その命令定義に従いますと、その第五号に「無線局とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。」ですから無線局というものは、無線設備及び無線の操作をする者全部だということですね。そうすると第四条の第一項に「無線局を開設しようとする者は、郵政大臣の免許を受けなければならない。」と書いてありますが、この無線局を開設しようとするいわゆる無線局は、自分が使わないで他人に使わせようと思うものも許可を受けることができるかどうか、わかりませんか。
#97
○長谷説明員 ただいま齋藤委員から御質問の点は、十一月二十六日の速記録のことについていろいろ御質問のように思うのでございますが、その時分に大臣が御答弁になりました関係もございまして、その点よく研究さしていただきたいと思います。
#98
○齋藤委員 私もまだ電波法の研究が足りないのですが、無線局を開設しようとするときには、必ず郵政大臣の認可を受けなければならぬということが明記してございます。ところが無線局を開設いたしますときには、必ず無線設備の操作を行うことを目的にして許可を受けるべきはずのもので、たといつくつても操作をしない無線局というものは考えられない。ところが他人に操作させることになりますと、免許の変更ということになつて来はせぬかと思うのです。普通の解釈から参りますと、無線局の開設の許可を受けた者が、それを自分が操作せずして、他人に操作させることはできないのじやないかというふうに私考えるのですが、その点をひとつお伺いしたいと思います。きよう御答弁願えなければ、あとでよろしゆうございます。
 それからもう一点、第三条に「電波に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。」ということがございますが、今日本の電波に関しまして、条約の規定に別段の関係のある条項が何かございますか。
#99
○長谷説明員 お答え申し上げます。この第三条で申しております「電波に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。」という条項の解釈でございますが、大体国際電気通信条約にありますことは、ほとんど電波法の中に拾い上げてございますけれども、ものによつてはこの電波法の中に拾い上げられていないものもございます。そういうものはその条約によるべきだ、そういう解釈にわれわれ考えております。
#100
○齋藤委員 そうしますと、この国際電気通信条約の第四十七条の、国防業務の設備というところへ、「1、連合員及び準連合員は、その陸軍、海軍及び空軍の軍用無線電気設備について完全な自由を保有する。」ということがございますが、これはどういうふうに解釈したらよろしいでしようか。
#101
○長谷説明員 お答え申し上げます。ただいま引用なさいました国際電気通信条約の条文は、国防に関する通信は、ある場合にはこの条約の定めによらないで行う権利を留保するという意味でございます。
#102
○齋藤委員 そうすると自国――たとえて申しますならば日本でもし陸軍、海軍、空軍を持つとしますと、それは国際条約のとりきめにも拘束せられないで自由を確保しているということになりますと、もちろんそれはこの電波法の第三条にも関係を及ぼして、陸軍、海軍、空軍というものは自由自在にどんな電波でも使えるということになるのですか。やはり国内では電波監理局の周波数の割当に従うことになるのですか。
#103
○長谷説明員 お答え申し上げます。先ほど御引用になりました連合員及び準連合員の国防に関することについて、国際電気通信条約に縛られない自由を留保するということは、たとえば国際電気通信条約によりますと、いわゆる諸元、周波数とか、そういうものは全部通知し合うことになつております。従つて軍用のものも全部公開しなければならぬことになるので、そういう問題もございますし、それから陸海軍のものは時には非常に秘密にやるようなこともあり得るだろう、そういうことからすべて何もかもこの条約によつて縛られるということでは困るということから、留保条件が出て来ておるわけであります。しかし元来電波には混信問題がありますから、人に混信を及ぼすようなやり方をしますれば、たといある国の軍でありましようとも、そういうやり方をしますれば、結局相手に通信が盗用される危険もあるわけであります。お互いに通信の混信を避けるということは、たとい条約の条文によつてやるかあるいは実際上やるかは別問題といたしましても、当然国際間でも行われて行くわけであります。国内の場合には、これは国防といいましても国の全体の交通通信、特に通信の総合体制ができていなければ防衛の力も出て来ないわけでありますから、どこの国でも国内的には一般用及び防衛用というものの総合統制がはかられておるのが普通でございます。従いまして先ほど齋藤委員の御心配になられたようなことは現実には起らない、また起つてはならないものと思います。
#104
○齋藤委員 そういう意味も含んでおるかもしれませんが、私の御質問しておりますのは、この国際条約の電波周波数にも陸海空軍というものは拘束されないということは、いわゆる変転自在な電波の通信をやらなければ、防衛体制と申しますか、軍の通信は機密保持ができない。ですから国内的に見まして、平時は一応は電波割当をしておきましても、軍の必要によつては自由自在に使える、周波数をかえてかつてにどんどん使うということになりはせぬか。そうしますと将来は日本の国防というものができて参りますと、結局電波監理局と保安庁の電波は別個のものになつてしまうというふうな態勢になるのか。あくまでも電波監理局でもつてそういうものは統制して行けるものかということなんですが……。
#105
○長谷説明員 お答え申し上げます。先ほど御引用になりました電気通信条約によらないという留保のありますのは、いつでも自由、かつてにやるぞということではないと私は考えております。と申しますのは、御案内のように電波の利用に相互に混信を国際間で起した場合には、前に早く登録している国が優先権を持ちまして、あとのものは常に逃げなければいかぬわけであります。従いまして、一国の軍用通信であろうとも、これは軍用として表から看板をあげるか、あるいは別の名前を使うかは別といたしまして、必ず国としての登録はいたしておるのが普通でございます。従いまして電波の獲得問題につきましては、すべて何らかの形において国際間の登録というものは軍用のものも行つておるわけであります。従いまして国内的に見ますと、防衛用のものも、一般のものも、総合的に統一的に統合されて行くべきであると思います。相当以前に電波の利用がそう盛んでなかつた時分には、ある程度の自由さがあうたように思いますけれども、最近におきましては電波の利用が非常に多くなりまして、非常に混雑して参つたものでありますから、国として防衛用なり、一般の官庁用なり、あるいは交通通信用の電波を総合的に統一しなければ、国の権益をとうてい今後は確保できないという状態になつて来ておりますので、日本の現在のような形になつておるか、あるいは各省間の連絡の形でやつておるかの違いはあるようでありますけれども、私どもは現在日本の政府で行われている電波の統制のやり方が最も理想的であり、こうあるべきだというふうに感じておるわけであります。
#106
○齋藤委員 もう一点局長にお伺いしておきたいのですが、これは重ねて郵政大臣にお伺いしたいと思う問題でありますが、先ほど森課長からも御説明がありましたように、今日のラジオの受信状況というものはすでにマキシマムに達している。そうしますと、NHKといたしましては収入の限界に達していると一応考えなければならない。この放送法の大精神にのつとりまして、全国各地にラジオを聴取せしめる態勢を確立するということになりますと、一般の人々のラジオの改良、普及をはかることはもちろんでございますが、放送局それ自体の改善というものもやつて行かなければならぬじやないかと思う。私の知つております範囲内におきましても、電波関係の発信、受信という設備は日進月歩の状態である。それでありますから、単に放送局を設けてラジオ放送をすると一概に申しましても、放送の波一つの状態においても、きれいな波が出て行くか、混濁した波が出て行くかというようことで、ラジオの受信というものに対しては非常な影響がある。どうも同じ受信機を持つていて、一般の商業ラジオは聞きやすいけれども、NHKは聞きにくい、こういうものに対しましては、やはり放送設備のいかんということが非常に影響するのじやないかと私は思うのです。そういたしますと、NHKといたしましてはスポンサーをつけるわけにいかない。もう聴取者は限界に達しておる。従つて収入は大体きまつている。しかるに放送法の大眼目であります一般国民にラジオを聴取せしめる、しかもほかのラジオよりもいい電波放送によつてラジオを聞かせるということになりますと、おそらく古くつくつたところの放送設備というものに対しては、刻々に改良を加えて行かなければならない状態になつているのじやないかと思うのです。
 そこで私はお伺いいたしたいのでありますが、私の考えから申しますと、一般の商業ラジオというものとNHKというものとは――一方は公共企業体でありますから、公共企業体というものに対するところの国民的要望と申しますか、国家的要望というものは、最も国民全体の信頼の置ける放送をさせるということでなければならぬと思うのであります。ところがそういうことになりますと、NHKの設備も改良して行かなければならぬ、その従業員のベース・アツプもやつて行かなければならぬ、一方においては聴取料というものは一定不変であり、聴取者の数がマキシマムに達しておつて、収入が限定されている、こういう状態になつているんじやないかと思うのであります。これを突破して、ほんとうにNHKというものにすべての人が信頼をし、またその放送が非常にいい放送であるというような、放送法の大眼目に合致するようにするには一体どうすればいいのであるか、これに対して監理局長として何らかの御構想がございましたならば、ひとつ承つておきたいと思うのであります。
#107
○長谷説明員 お答え申し上げます。今齋藤委員の御指摘になりました点も、私どもといたしましては、かねかね十分考慮しなければならぬ点だと実は思つておるのでございます。御参考に申し上げますと、現在は日本放送協会の第一放送が、放送のサービスする区域としてカバーしておりますのは、全国の世帯数の九七%を越えておりまして、九八%近くになつております。それから第二放送も、それから一、二%低うございますが、それもやはり九六%前後になつております。ところがあとの二%なり三%のところをカバーするのには、山の中とか、非常に不便なところだけでございますので、今後小さな中継的な局を多少つくつて行かなければいかぬと思いますが、全国あまねくということには完全にはなつておりませんが、普通の常識で申し上げますれば、ほとんど目的の達成に近いと申してもよいのではないかと思います。しかしながら御指摘のように大分古い施設がございますので、これを逐次最新のもの、あるいはもつと合理的な性能のよいものにかえて行かなければならぬわけでありますが、これは減価償却等によつてだけではあるいは改善できないのかもしれぬと存ずるのであります。従いまして。今後における日本放送協会の国会の御承認を得ます事業計画なり予算というような面におきましても、協会の意見を十分聞きまして改正いたして行きたいと思つております。しかし、この前の国会でもいろいろ御審議を願いましたように、放送法の改正というようなところまで行かなければ、根本的な改正はできないのではなかろうかということも私ども考えまして、別途放送法の改正ということも実は研究をいたしている次第でございます。
#108
○齋藤委員 私は過日砧のNHKの研究所を拝見いたしたのでありますが、あそこでは、声の研究と申しますか、どういう設備によつてどういう波が出て来るか、どれが一番聞きやすい声であるかという研究を一生懸命やつているのを見たのでありますが、結局ラジオにいたしましても、一番いい受信機というものは一番いい声を出すということになるのだろうと私は思うのであります。しかしいかに受信機がよくても、やはり放送設備が悪ければ、いい波、サイン・ウエーブといいますか、非常に安定したいい波が出て行かない。そうしますれば、いくら受信機のいいものを使いましても、放送する波が不安定である。うまく声にならないような放送でありますと、これは問題にならない。そこで私はさらに申し上げておきたいと思いますことは、NHKというものに対して、公共企業体という資格を与えて、その予算も国会で審議をするという建前になつておるのですが、最近どうもNHKはおもしろくない。どうも商業放送の方がおもしろいから、商業放送だけ聞いて、NHKは聞かぬから聴取料を払う必要はないじやないかというような声も出ておるようでありますが、私の考えておりますことは、NHKというものは公共企業体であり、ほんとうにはラジオを通じて国民的な教育あるいは文化または正当なる産業の指針、時事解説、こういうものによつて国家の教育、文化、産業全体にわたりますところの尺度をきめて行くという、重大なウエートをNHKに持たせるということになりますると、これはよほど考えをかえて、NHKというものを研究して参らなければならぬのじやないかと思うのであります。そういう意味におきまして、将来のNHKのあり方というものに対しましては、慎重に考慮を払う必要がある。片方は商業放送としてスポンサーはおもしろおかしくどんどん放送しおる。これはどんどん黒字になつて行つて、そうして放送設備もどんどん改善して行くし、従業員はどんどんベース・アップをやつて行く。一方NHKは公共企業体という大きな国家的ウエートを背負つているために、その設備もだんだん古くなつて行くし、従業員のベース・アップも行われて行かないということになりますと、NHKというものは結局古くさい、つまらない、だれも聞かないというラジオになつてしまう。ここに当局としてはNHKというものに対して大きな一つの研究的な態度をもつて、これを何とかそうでなく、商業ラジオというものはおもしろおかしく聞くのだけれども、国家的に考えた場合には、いつでもNHKというものをひねつて、その放送を聞かなければならないのだというような態勢を確立するようにするには、何らかの処置を講じて行かなければだめ、だ、私はそういうふうに思いますが、その点に対しまして、もう一ぺん局長のお考えを伺つておきたいと思います。
#109
○長谷説明員 お答え申し上げます。ただいま齋藤委員のお話のうちに、放送施設のいろいう性能の問題の質問が最初にございましたが、ただいままでのところでは、これはNHKの持つておりまする放送施設も、それから民間放送も同様であります。その間の程度の差はございますけれども、これは音響的な性能では、一般の使われております受信機の性能よりははるかによい性能を持つておりますので、何らかの音のひずみが起るのは、ほとんど大部分は受信機の方にあるように思つております。しかしそれだからといつて、今後放送施設の改善をしなくてもよろしいというふうに私ども考えておるわけでは全然ございませんので、先ほど申し上げましたように、相当老朽設備になつておるものもNHKのものにあるようであります。これらはまたNHK当局もそれぞれ必要の度合いに応じて改善計画を持つておるようでありますので、これはなお先生の御指摘になりました点われわれ体しまして、協会とも打合せの上で善処して行きたいと思つて勝るのであります。なおプログラムの面でございますが、御案内のように放送協会はプログラムの編成については、その編成の自由を与えられているわけであります。政府の監督下にも全然ございません。従いましてNHKはその編成にあたつては、もちろん輿論調査とかあるいは各方面の方々の意見も聞いて、おそらく私どもの信じますところでは、先生の御指摘になりましたようなことを目標にして編成をしておるのだろうと思うのでございますが、なお先ほどもお話がありましたように、今後のあり方につきましては、根本的にいろいろ研究も遂げ、また先生方の御意見、また関係の方々の御意見も伺いまして、万全を期して行きたい、そう考えております。
#110
○齋藤委員 もう一点だけお伺いしますが、今のままの状態ではNHKは行き詰まつておるということが考えられるのでありますが、たとえばここで聴取料を値上げするというような場合、この聴取料の値上げというようなものがどういう影響を持つかということであります。聴取料を値上げするということをいたしますると、聴取者は非常に不満を持つかどうか。もう一つは、どれだけ聴取料の値上げというものが生活に響くか、それからその値上げによつて一般の社会に対してどういう影響を及ぼすかということでありますが、おそらく私の考えといたしましては、従来のような状態においてはこの聴取料の値上げに対して、一般の輿論は反対だろうと思います。またその他においてもラジオ料金の値上げには反対だ。しかし今日のラジオの聴取料というものを一般物価の騰貴指数に比較いたしますと、ずつと低いのであります。それからもう一つNHKの本来の面目を達成せしめるということがあつて、そのために財源を必要とするということになれば、ぜひとも聴取料の値上げをしなければならぬという状態にもなつておるだろうと思うのです。ここを一体どう突破して行くかということが、私は非常に大きな問題だと思う。NHKの聴取料は値上げをするのが当然であるということを一般に了解せしめる方法いかん。これは私の観念から参りますと、これは当然値上げしてもしかるべきものであると思う。ラジオの聴取料の値上げというものは、別段インフレの要因にもならない。大して生活に食い込むだけの値上げをしなくても済む。ただしいかにも今日のNHKの放送状態から見ますと、一般的に値上げが不当だというような空気が起りはせぬかと思う。そこをどう一体NHKというものを国家的に及び国民的に、どうしてもこれは値上げをしてその充実をはからなければいけないのだということを、一般大衆にのみ込ませるかというところに私は重点があるのじやないかと思う。これはぜひともNHKというものは、私の考えから申しますと、教育にしろ、文化にしろ、産業の指針にしろ、すべてがこれを重点的に将来のラジオ放送というものは行われてしかるべきものだと思うのですが、その点ひとつ局長におかれましても十分、当然起る問題だろうと思いますから、どうも大衆の反撃にあつては、必要だと思つてもなかなかそれに賛成をするということはむずかしくなるようなこともあるかと思いますので、どうしてもそういうことが必要である、どうしても料金の値上げをして、NHKの放送というものは国家的に充実をして行く必要があるということをのみ込ませる、そういうようなことをひとつ御勘案を願いたいと思うのであります。これは蛇足でありましようけれども、ひとつお願いいたしておきたい。
#111
○成田委員長 この際暫時休憩いたします。
    午後七時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後十一時二十九分開議
#112
○成田委員長 ただいまより再開いたします。
 前会に引続き日本電信電話公社職員の賃金改訂問題に関し調査を進めます。質疑の通告があります。通告順にこれを許します。橋本登美三郎君。
#113
○橋本(登)委員 前会に引続いて年末給与の問題について、二、三公社当局にお尋ねいたします。
 政府委員でもけつこうでありますが、今回提案せられておる予算案の増収三十五億一千万円、この増収金額の基準は、大体本年度値上げの最初の月――八月一日から値上げをされたわけですが、その最初の月の実績を基準にして三十五億一千万円という増収が考えられる、こういうようにせんだつて拝承したのであります。その後九月、十月の実績をいろいろ調査いたしますと、なお八月の実績より以上に上まわつておるように見受けられるのであります。この実績の数字は、われわれの方面で研究した結果においては、大体これを見通して行けば、本年度においては、なお十五億くらいの所収が考えられるのではなかろうか、こういうふうに考えられるのでありますが、その点についての大体の計数をおわかりであればお知らせ願いたい。
#114
○靱説明員 今回御審議をお願いしておりますところの補正予算案の収入見込みにつきましては、今橋本委員のおつしやつたような時期におきまして算出いたしたものでございますけれども、これにつきましては、本年度の工事につきまして、たとえば電話の加入回線の開通というものも非常に順調に早期に行われておりますので、単に値上げの影響ということだけではなく、そういうふうに工事が促進された、あるいは市外通話の同線の使用効率というものが非常にいい成績を保つておるという結果から、三十五億余りというものを収入見積りをいたしたのでございます。これはもとより一方から申しますれば、非常な努力によりまして、何とか本年度は五箇年計画の第一年度でもございますし、五箇年計画を完全実施いたしますとともに、収入の増加もはかりたいという、一致した努力の結果が現われておるのかと存じておりますが、ただいま御指摘の、今後もつと伸びるかという問題に相なりますと、はたして十五億伸びるかどうかということは、私ども現在の資料におきましては必ずしも的確につかむことはできないのであります。しかし公社といたしては、いろいろと職員の給与につきましても、できるだけこれを改善いたして行きたい。それがためには、公社の独立採算制の立場、あるいけ予算総則に定められておりますところの給与に関係するところもありまして、補正予算が予算案通りに確定いたしました場合に、さらに努力の結果というものが現われて参りまするならば、何とか職員の給与にもその努力に報いるという形において、還元いたしたいと存じておりますので、私ども決して三十五億というものに固定するという観念はもちろんございませんし、三十五億は何としても完全にやり遂げますとともに、できますならばこれをなお伸びるような努力をいたしたい、こういう決心を持つておる次第であります。ただまだ組合との間に妥結を見ておりませんし、いろいろと賜暇戦術あるいは超勤拒否ということに相なりますと、工事に非常に影響を及ぼして参つておるのでありまして、私どもは何とかこの問題を早く解決いたしまして、ただいま御指摘の数字を必ずしも私ども絶対的に確保するということをお約束する材料というものを、的確にはつかみ得ないのでございますが、そういう線に向つて最大の努力をもつて、この労働問題につきましての円満なる解決によりまして邁進いたしたい、こういう考えを持つておる次第であります。
#115
○橋本(登)委員 郵政大臣にお伺いしたいのでありまするが、今回の第二次補正予算において、実質、上の仲裁裁定の一部履行ということになつたわけでありますが、ただ予算案におきましては、一応この年末手当の点については、他の一般公務員とは相当の開きがある。かつまた電電公社の場合においては、なお前回の分を一部使用している等のこともありますので、もし現在の予算のみをもつてしてはいわゆる一般公務員並に支給することは実際上できないわけであります。しかし公社は公社法によつて弾力条項が認められており、政府がこれに対して承認を与えれば、その原資さえあれば、これらの措置ができるわけでありますから、一般公務員並に年末手当を一・二五、こういう線を出すことは、必ずしもこの予算的措置がなくともできるようにわれわれは解釈をするのででありますが、電電公社の財政上から見ても、この点は可能であるように考えられるのですが、この点についての都政大臣の御所見をお伺いしたい。
#116
○塚田国務大臣 公社の精神から考えましても、公社の給与というものは、御指摘のように必ずしも予算にとらわれないで、その業績によつて若干の考慮をし得るということは、私も御説のように考えており、またそのようにいたしたいと考えておるわけであります。このたびの仲裁裁定の実施をめぐつての政府の予算に対し、各公社、現業などのとりました動きというものにつきまして、私も非常に心配しておつたのでありますけれども、幸いに電通公社におきましては、公社当局の御指導がよろしきを得たのだと思うのでありますが、割合平静に推移されまして、業績などに支障を起さないで、済んだということに、非常に感謝をいたしておるわけであります。なおまた予算の上で見ましても、前々国会において二割値上げをいたしました当時の推定からいたしまして、相当大きな成績を上げていられるということも十分認められますので、そういう点も考慮いたしまして、少くとも私は年末におきましては、他の公社、五現業、そういうものに劣らないような手当の考慮をぜひ考えたい、こういうように自分としては考え、かつその線に向つて鋭意努力いたすつもりでございます。
#117
○橋本(登)委員 年末手当については、今大臣のお話で、できるだけいわゆる他の公社、一般公務員並の手当を出すように努力したいというお話でありまして、はなはだわれわれといたしましては感謝にたえないのでありまするが、なおいわゆるこの公社法の精神に従つて、今後公社の当局並びに従業員諸君の努力によつて、成績が一層向上するような場合においては、従来も行つておつたのでありまするが、何といいましようか、一定の業績賞与といいますか、そういう形もしくは他の形において、出し得る法的根拠はある、こういうふうに考えられるのでありまするが、これについての御所見をお伺いしたい。
#118
○塚田国務大臣 ただいま申しました私の考え方を推し進めて行きますと、そういうような形にも、結論においてなると自分も考えておるわけでありますが、今後幸いに一層年末手当に賞与の額を込めて、さらに成績を上げたというようなことがあれば、先ほど申し上げましたように、公社従業員諸君の努力を多といたしておりますので、さらにできるだけの考慮をいたしたいと考えておるわけであります。
#119
○橋本(登)委員 大体私の質疑によつて、政府当局並びに郵政大臣の御精神並びに公社当局の事情を了承いたしましたの、この際委員会としては、今申し上げましたような質疑の内容を盛つた決議をしていただきたい。なおこの決議は郵政大臣、大蔵大臣、日本電信電話公社総裁及び全国電気通信労働組合中央執行委員長あてに郵送する、そういう意味での決議をいたしたいと考えますので、動議を提出いたします。
#120
○成田委員長 ただいまお聞きの通り、橋本委員より発言を求められておりますので、これを許します。橋本君。
#121
○橋本(登)委員 それではただいま委員長よりお許しを得ましたから、決議案の内容を申し上げます。一応お手元にお配りしたような内容であります。これを朗読いたします。
   決議案
  今次の日本電信電話公社当局と全電通組合との給与に関する紛争は、現下の社会情勢並びに国民経済の現況に鑑み、その影響するところ重大であり、誠に憂慮に堪えない。
  政府並びに公社当局は、公社従業員の年末手当を一般公務員を下らざるよう考慮し、更に、今後従業員諸君の努力により業績の昂揚につとめると共に、政府、公社及び従業員諸君は団体交渉により努力が充分に酬いられるよう適切なる措置を講ぜられたい。
  公社並びに全電通組合は、この事情を考慮し、速かに正常の勤務状況に回復するよう善処せられんことを要請する。
  右決議する。
 以上のような内容でありますが、各党において、御賛同あらんことをお願いいたす次第であります。
#122
○成田委員長 ただいまの橋本君の御発言について御質疑があれば、これを許します。松前重義君。
#123
○松前委員 ただいまの動議につきまして質問をいたします。この決議文の四行目に「政府並びに公社当局は、公社従業員の年末手当を一般公務員を下らざるよう考慮し、更に、今後従業員諸君の努力により」こういうふうに書いてあります。この「今後」という字でありますが、「今後従業員諸君の努力により」というのは、十二月の五日以後における従業員諸君の努力により、このようなことに意味をとるといたしますと、先ほど靱副総裁の御説明のようにはならないと思うのでありますが、この点についての提案者の提案の意味をお聞かせ願いたいと思います。
#124
○橋本(登)委員 ただいま松前委員のおつしやるように、ここで言う「今後」の意味は、先ほど私が質疑のときに申し述べましたように、今回の補正予算の増収の基礎となつたのは、値上げをいたしましたその月の一箇月の実収を基礎にして、それから来年三月までの一応の増収高を見たのであります。従つてその次の九月以降最近の情勢によれば、なお八月当時よりも多少上まわつておるように考えますから、時期としては九月以降の標準、いわゆる今度の補正予算に出されました以上に上つたときには、九月にさかのぼつて増収を考える、こういうふうに解釈してもらつてけつこうだろうと思います。
#125
○松前委員 靱副総裁にお尋ねいたします。今のように解釈しての先はどの御答弁でございますか、お伺いいたします。
#126
○靱説明員 先ほどの橋本委員の御質問は、今回の補正予算における収入見積りは、八角当時の実績に基いてやつたもの、でありますが、さらに九月、十月という実績を見てみれば、なお伸びるのではないかというような御質問でございましたので、実は三十五億出すのにも、これは職員の努力が入つておる。さらにこれを伸ばして行く参という点につきましては、私ども最近の全国の状況を見てみますと、八月、九月よりよくなつている事実はある程度認められるのでありますが、はたして十五億、あるいはそれ以上伸びるかもしれませんが、十五億が今後の努力で絶対に伸びるかどうかということにつきましては、ここでかたい資料について御説明を申し上げるわけには参りませんが、私どもとしましては三十五億に固定しないで、今後一層能率の向上をはかるように努力いたしまして、収入の増加を期して行きたい。ことに予算額から見ますと、収入増加の原資というものはすでにほとんど支出に充てているような状況にありますので、今後さらに伸びる点につきましては、職員の努力に十分反映して行かなければならぬものである、こういうような考えを申し述べたような次第でございます。
#127
○松前委員 大体橋本君の提案理由につきましては了承いたしました。
#128
○成田委員長 ほかに御質疑はありませんか。
#129
○庄司委員 私のは質問じやなく、ただいまの動議に賛成の意を表したいと思うのであります。よろしゆうございますか。
#130
○成田委員長 よろしいです。
#131
○庄司委員 官公吏であろうが、公社の従業員であろうが、年末というこの季節は、いわゆる年取りを目前に迎えて金のいる時期であることは、あらためて申し上げるまでもないのでありますから、政府の財政とか公社財政の許される範囲においては、年末賞与という名前において、できる限りより多くの手当を与えるということは当然の話であります。これは政党政派のイデオロギーの問題ではなく、そうであらねばならないのであります。それでありますから、この決議の趣旨はまことに公正妥当な御提案であると思います。なお業績賞与に関しましては、私の所属する自由党もまた政府も政綱政策とするところでありますので、最近従業員諸君の非常な努力により、また値上げになつた結果でもございますけれども、相当収益が上つている。こういうような意味においては、やはり第一線に働いている現業諸君の御努力を認めなければなりません。従いまして、ただいままで副総裁あるいは大臣の述べられたような御趣旨より、またわが党の方針の、業績賞与は団交により適当に善処せられるべしとの信念のもとに、ぜひ業績の賞与を――これまた年取りでございますから、年を越えてからでは金のありがたみがないので、年内に適当に渡して、各従業員の家族等をも喜ばせ得る、世界的な言葉で申しますと、いわゆるクリスマス・プレゼントになりますように、できるだけ最大限度の業績賞与等を、公社当局なり、またそれを了承される大臣の御承認の面においても、他の公社に劣らざるよう交付されるように望みます。また電通労働組合各位の働きは卓越したものであると考えております。私は電通委員であるからあえてこのことを述べるのじやありません。一個の人間としても、より多く働いた者にはより多くの配当やプトゼントをやるということは当然の話であります。まことの正しき自由主義者は常にそうあらねばならないということは、私個人としての信念でございますし、またわが党の本旨でございますから、本決議案の提出の御動機に賛成することはむろんのこと、その結果において、単なる一片の決議に終つてはならない。同時にまた、新聞の報道に誤りがないとすれば、二十余万通の電報が積滞したというようなことがございます。私はそのようなことはないとは思いますが、もし多少なりとも事務に渋滞があつたならば、すみやかに解消されるよう、委員長にも、また特に電通労働組合の御諸君にも、私どもの意思のあるところ、あたたかい愛情の魂を持つていることを私は述べるものであります。私は電通労働組合に媚態を呈しているものでも何でもない。私は労働組合の点数なんか当てにして当選している人間じやないけれども、汗を流して働く勤労者諸君には報いてあげなければならぬ。これがまことの正しいヒユーマニテイーであると考えております。だから委員長においても、ひとつ政府にも公社当局にも、労働組合の御諸君にも、われわれのこの気持をお伝えくださいまして善処あられるよう、有終の美を発揮していただきたい、このことを述べて決議案に賛成したいと思います。
#132
○成田委員長 ただいま自由党を代表いたしまして庄司一郎君から、橋本君提案の決議案について賛成の意見が出ましたが、ほかに御意見がございましたら……。
#133
○原(茂)委員 申し上げなくてもよろしいように考えるのですが、一応提案者の橋本委員にお尋ねしておきたいのですが、今一般的には全公務員、それから公共企業体職員等の全体の問題としては、地域給の問題もまだ解決していません。全公務員の一二%に対する約十六億の財源を他に求めようという考えをわれわれは持つておるのです。公務員諸君もそう考えております。あるいは地方公務員に対しまして政府の手当しておりますのは、公務員並から考えると五〇%であるといつたような問題、ないしはこの電通の問題にいたしますと、ベース・アツプを八月から実施するという問題が輻湊し、まだ未解決のままに残つておるわけであります。これらの問題に対して、この決議は何らの拘束をするものでない、かように解釈したいのですが、この点提案者の御意思を表明していただきたいと思います。
#134
○橋本(登)委員 もちろんこの決議の内容からいえば、仲裁裁定を云々しておるのではありませんが、すでに衆議院においては仲裁裁定の意思を尊重するという立場をとつておるのでありますから、この際その点に触れずに、いわゆる年末手当の問題並びに業績賞与問題のみに触れて行きたいと思いますので、御了承を得たいと思います。
#135
○成田委員長 ほかに御質疑はないようでございますから、本提案について御意見があればこれを承ります。
#136
○小泉委員 ただいま自由党の橋本理事がら提案になりました郵政大臣、大蔵大臣、日本電信電話公社総裁及び全国電気通信労働組合中央執行委員長に対する善処を要請するの決議書は、目下きわめて、妥当な措置と考えられますので、私は改進党を代表いたしまして決議に賛成の意を表する次第であります。
#137
○原(茂)委員 ただいま橋本委員に御質問申し上げましたことを確認いたされましたので、あげて本決議に対して賛成申し上げたいと思います。
#138
○松前委員 本決議案に賛成をいたします。
#139
○成田委員長 お諮りいたします。ただいまの橋本君御提案の決議案を電気通信委員会の決議とし、郵政大臣、大蔵大臣、日本電信電話公社総裁及び全国電気通信労働組合中央執行委員長にこれを送付いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○成田委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。
 この際塚田郵政大臣より発言を求められております。これを許します。
#141
○塚田国務大臣 ただいま御決議を拝承いたしたわけでありますが、御決議の中に盛られております考え方は、先ほど私が申し上げました趣旨と大体一致いたしておりますので、決議の趣旨を尊重いたしまして、今後とも鋭意努力をいたしたいと考えます。
#142
○成田委員長 なお靱電電公社副総裁よりも発言を求められておりますので、これを許します。
#143
○靱説明員 仲裁裁定の問題を中心といたしまして、公社諸君の給与につきましては、前国会から休会中にもいろいろと御審議に相なり、本日はまた相当おそくまて決議のために御審議をいただきまして、公社当局といたしましてはまことに感激にたえないところであります。決議の御趣旨に従いしまして、私ども十分この趣旨が実現するように努力いたしまして、皆様の意思に沿いたいと思います。
#144
○成田委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後十一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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