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1953/12/01 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 水産委員会 第1号
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1953/12/01 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 水産委員会 第1号

#1
第018回国会 水産委員会 第1号
昭和二十八年十二月一日(火曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 田口長治郎君
   理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 田渕 光一君 理事 中村庸一郎君
   理事 辻  文雄君
      遠藤 三郎君    田中 龍夫君
      吉武 惠市君    白浜 仁吉君
      赤路 友藏君    田中幾三郎君
      中村 英男君
 出席政府委員
        水産庁長官   清井  正君
 委員外の出席者
        外務事務官
        (アジア局長) 中川  隔君
        外務事務官
        (アジア局第二
        課長)     竹内 春海君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
十一月十日
 委員佐竹新市君及び濱地文平君辞任につき、そ
 の補欠として日野吉夫君及び小高熹郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月十六日
 委員森清君辞任につき、その補欠として山本正
 一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
 委員山本正一君辞任につき、その補欠として松
 田鐵藏君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十日
 委員田中稔男君辞任につき、その補欠として勝
 間田清一君が議長の指名で委員に選任された。
十一月三十日
 加工水産物の輸出振興に関する法律案(佐竹新
 市君外四十五名提出、第十六回国会衆法第二七
 号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国政調査承認要求に関する件
 朝鮮半島周辺の公海漁業に関する説明聴取の件
    ―――――――――――――
#2
○田口委員長 これより会議を開きます。
 この際国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。先日の理事会におきまして、理事諸君とは協議願つたのでありますが、理事会におきましては、今国会も前国会と同様、一、公海漁業に関する事項、二、水産金融に関する事項、三、漁業制度に関する事項につきまして、小委員会の設置、関係方面より説明の聴取、報告及び資料の要求等の方法によりまして、国政に関する調査を行うことといたしました。つきましては、規則の定めるところによりまして、議長にその承認を申請いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田口委員長 異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○田口委員長 次に日韓漁業問題その後の経過につきまして、政府より説明を聴取いたしたいと思います。外務省中川アジア局長。
#5
○中川説明員 日韓交渉は皆様すでに御承知の通り、十月二十一日日韓間の会議が、一般伝えられる言葉によりますれば、これが決裂をいたしまして、その後は日韓会談は開かれておりません。もつともその後韓国側におきましては、たとえば抑留されておりました日本人の漁夫を相当数釈放いたしております。また最近は韓国政府の声明と称するものが発表されまして、それにもいろいろの條件はの言つてはおりますが、なおその前提といたしまして、韓国は日本との間に今後友好関係を樹立したいということを申し述べております。現在この日韓交渉がいつ再開されますかということは、まだ予断を許しませんけれども、政府といたしましては、できるだけこれが近い機会に再開されることを希望しておるものであります。以上簡単でありますが、その後の経過を御報告いたします。
#6
○田口委員長 ただいまの政府の説明に対して、御質疑があればこれを許します。
#7
○辻(文)委員 ちよつと伺いますが、今韓国の方で友好的なという言葉を使つておるということでしたが、おそらく交わりをよくするという表面表現はそういうことであろうとも、李ラインについて、李ラインを平和ラインとして認めるということを前提として、友好に行こうというような考え方が向うにありはしないか。そういうことで自分たち自体の有利な導き方に交渉を誘致しようというような腹があるのじやないかということを私ども考えるが、外務省ではどういうふうな御見解でございますか、ちよつとお尋ねしたいと思います。今までのあなた方の交渉の経過の上においての推定ですけれども、非常に大事なことだと思います。われわれは現地を調査して、抑留された人たちからじかに聞いた、それらのことともにらみ合せた考え方ですが、ぜひそのお考えをお答え願いたい。
#8
○中川説明員 ただいま御指摘のありました通り、韓国側の声明は、その前提といたしまして、日本との友好関係をぜひ樹立したいということは言つておりますが、その内容におきましては、依然として従来の主張をいろいろまだ申し述べておるのであります。従いまして、またこれはいわば一方的な声明でありまして、われわれとしてその真意がどこにあるかということは、まだ的確にこれを判断する方途がないのであります。しかし少くとも韓国側におきましても、国際的な一般の輿論というものを顧慮しておるということは、今度の声明にも十分出ておるように見受けられます。われわれとしては、できるだけ、韓国側の態度が若干なりともわれわれの考え方に歩み寄つて来ることを期待しておるものでございます、李ラインについての韓国側の主張が、現在どの程度のものであるか、従来通りのものであるか、あるいは若干かわつて来ておるかということは、残念ながらわれわれとしてまだ的確な資料を持つておりません。今後ともこれらの点につきましては、十分注意して見て行きたいと思つております。
#9
○辻(文)委員 そこで委員長初め私どもが被害者の現地に調査に参りますと、その抑留された人たらは幸いにして帰されましたが、拿捕船ということについては何らの光明を認めておらぬ。私どもはいかにしてそういう船を建造するか、その他あるいは漁獲の地区をかえるか、そういうことについてるる懇談をいたしましたけれども、そういうことよりも、まず第一に船を返してもらいたい、返すという交渉はどうなりますかということを常に聞かれたのであります。外務省としては、さような面についてどういうふうにお考えであるか。しかもそれは日にちを荏苒と延ばすということは、現地のあのいきり立つた様子から考え、あるいは生活の問題なり、直接あすに迫つておる現段階では許せないと思う。どうしても早くやつてやらなければならぬと思う。それについてとういう交渉をし、こういう構想を持つておられるか、お考えを述べていただきたいと思います。
#10
○中川説明員 ただいま御指摘のありました船の点につきまして、もとより船員は相当数釈放されましたが、抑留されました漁船については、ことに今年九月以降の分につきましては一隻も釈放されておらないのであります。これの釈放につきましては、従来からも直接あるいはその他の方法をもちまして韓国側に折衝いたしております。いまだその効果が現われないのははなはだ遺憾でありますが、今後もこの交渉を継続して行きたいと思つております。
#11
○辻(文)委員 ただいままで私が申し上げました通り、たとえば建造資金を出すとしても、それだけの問題ではどうしてもうまく行かぬということが現実であります。仄聞するところによると、その船を取上げて、取上げたその船を転売するというようなこともやりかねないというようなことも、確実なことじやないけれども聞き及びますので、そういうことになれば、いずれが補償するか、日本の方で補償するのか韓国で補償するのか、そういうことまで緊急に私どもは考えなければならぬ段階だと思う。私の質問はこれで終りますけれども、どうか外務省でも十分腹をすえて、一日も一時間も早く、ただこれは地域的の何百人かの問題とか、家族まで入れて七千なら七千の問題だということじやなしに、将来への、水産国としての日本への影響が大きいことを御勘考くだすつて、ぜひ実地のさようなことのおとりはからいをなしていただくようにお願いして私の質問を打切ります。
#12
○赤路委員 アジア局長の御答弁を聞いてみますと、まことにのんびりしたことをおつしやつている。いつ日韓会談が再開されるかわからない。もちろん相手のあることですから、こちらがかつてにやるわけに行きますまいと思いますが、少くともいつごろは再開されるという見通しぐらいは持つてしかるべきじやないかと思う。いつかわからないなどというようなことは、現地の状況を見てみましたら、そんなのんきなことは言つていられないと思う。御承知の通りに、さば関係は一応追出しを食つたままで、他の方へ転換すべきものは転換し、あるいは繋船すべきものは繋船しておるが、朝鮮海域における一番大きな漁業としての底びきの時期に入つておる、このまま放置しておきますと、これはおそらく重大な事態が起つて来るということが考えられる。そういう段階にあることは十分御承知のことと思うのだが、いつ再開されるかわからないというようなことでは、私は、外務省がほんとうに自信を持つてこの問題ととつ組んでおやりになつておるのかどうか、わけがわからなくなる。大体の見通しぐらいはおつきになるのじやないかと思いますが、その点はどうでしよう。
#13
○中川説明員 おしかりの点まことにごもつともと思います。しかしながら、今御指摘の中にありました通り、相手のある仕事でありますので、われわれとしては一日も早く再開したという考えは常々持つており、人後に落ちないつもりでありますが、今のところではいつということを申し上げるのはまだ尚早であると考えております。できるだけ早くしたいという気持は、十分に持つておりますことを御了承願いたいと思います。
#14
○吉武委員 私は冒頭に、田口委員長並びに、本水産委員会を代表されまして辻委員と赤路委員が、先般拿捕船で被害を受けましたる各地を実地視察をなされまして、慰問かたがた各秤の御調査をしていただきました点を、被害を受けました地元の者といたしまして厚くお礼を申し上げます。
 私は、ただいま両委員から御質問になりました点で尽きておるのでありますが、御当局に一言お尋ねをし、また要望いたしたい点は、地元の連中は非常に本問題に困つておるということでございます。これはもう御想像がつくことと思うのでありますけれども、本日は岡崎外務大臣を呼んで私は実情を訴えたいのでありまして、事務当局の皆様を責める気はちつともございません。しかしながら、現地における実際の実情と当局の動かれているところの間には、おそらく非常な感覚のずれが出て来やしないかという点を恐れるのであります。先般実地に実情調査をされました各位におかれましては、その点を身につけてお帰りになつての御質問であろうと思うのであります。そこで、これは前の委員会にも私申し上げましたのですが、漁民が捕われているという家族の心配は、御当局のお骨折りで帰つて参りましたので、この点ば私といたしましても御当局に厚くお礼を申し上げます。地元の者としては非常に感謝をしております。泣いて喜んでおります。ただしかし、帰りましても、漁民は、ほかの仕事と違いまして一生小さいときから船の上で生活して来たものでありますから、大事な船をとられましておかに上りましても、翌日から生活をする手段を知らないのであります。一人か二人でございますれば他の船に乗せてもらつて漁をするということができますが、小さい漁村で、百数十名も一挙に拿捕され、船を十数隻もとられたということになりますると、これは、ほかの船に乗つてその場をしのぐということもできないのであります。帰つて来るまでの生活の援護は、政府御当局のあつせんによりまして、保険に準じた七千円を月々出していただきましたので、やつとその日の生活はできるかと思います。実は、その金もお骨折りをいただいたにもかかわらず、まだ本人に渡らないという状況でございます。その点の不平も相当ございますが、これはしかし出していただくということであれば、私はここでは申しません。ただ今後の問題といたしまして、どうしてこの人たちを生活させるかという点を、私は実は非常に悩んでいる。法律の問題といたしましては、帰つて来たのだからあとは自分たちでというように簡単に片づくでありましようが、現実の問題といたしましては、長年船に乗つていた者がただおかにほつぽり出されて、すぐ翌日から自分の腕で食えということは無理でございます。従いまして、この点に関しますれば、早く船を取返したいということであります。船と取返しまするためには、やはり日韓会談を早く再開するという方法、あるいはまた他の外交交渉の方法をやつていただく以外に方法はございません。行つて、実力で奪つて帰るということはできないのでありまするから、従つて外務当局及びその他の御当局に、この点を実は強く要望する次第でございます。これは先ほど辻さんからもお話がありましたように、時期を非常に問題にしているわけであります。これから交渉して半年もかかるということでは困る。半年間食わずにいるわけには行かないのでありますから、もし、どうしても再開が遅れる、あるいは拿捕船の返還が遅れるという見込みであれば、これは一外務省だけの問題ではないでありましよう。これはどこの省の問題か、どこの省がやるのだという問題を離れて――国民としてはどこの省がおやりになろうとかまいません。政府に対して要望しておるのでありますらか、政府部内で御相談になつて、どうしてもこれが遅れるということであるならば、その間をどうするかということを至急にお考えになるべきじやないかと思うのであります。先ほど辻さんからもお話がございましたが、この最盛期に底びき網が出られない、強行出漁の決意は持つておりますけれども、出かければそれからそれと拿捕が続いておるのでありますから、出られない。それではじつとしておるかといつても、あれたけの船員をかかえてこの暮れを越すことができないのであります。私は、これは御当局が現地に行つて、実地に御調査になるべきだと思います。議員各位にはお骨折りをいただいたのでありますが、政府当局も、もし御信用にならなければ、現地に行つて、現地の実情がとうなつているかということを、実地に身につけてお帰りにならなければ、おそらくこの問題を、ほんとうに熱意を持つて取上けられるということはできないのではないかという点を、私は心配するわけであります。従いまして、再開を何とか急いで、拿捕船を返すということに御努力を願うのと、もしそれが多少遅れる見込みでありますれば、政府部内において、その間においてさしあたりどうする、あるいは緊急融資の方法によつて、一時をしのぐ方法をお考えになりますか、何かその点の処置をひとつ至急お考え願いたいことを要望いたしまして、重ねて当局の御意向を伺いたいのであります。
#15
○清井政府委員 私から便宜水産に関係する問題についてお答え申し上げます。ただいま現地の諸事情につきまして、切々たるお話を伺つたのでございますが、まことにごもつともなお話であると思います。私どもも一刻も早く会談を再開いたしまして、円滑に当該水域において漁業できるようにという考えのもとに、目下外務省とも緊密な連絡をとつて、その方面に努力をいたしておる最中であることは、先ほど外務省のアジア局長からお答え申し上げた通りであります。私どもといたしましても、幸い漁民の大多数の方は帰つて参りましたけれども、かんじんの漁船が返つて参りませんので、漁船なしでいる漁民というのはまことに無意味なわけでありまして、それの生活の関係等も深刻な問題があるということは、私ども十分承知いたしております。何とかいたさなければならぬとは考えておりますけれども、なかなかこの問題につきまして、今すぐに適切なる手を打つというこでとがきないのは、はなはだ遺憾でございますが、私といたしましても、今後できるだけ御事情も伺い、また関係の政府部内におきましても、ひとつ十分相談をいたしまして、すみやかに適切なる手を打つて行かなければならぬものと思うのであります。ことに私どもといたしましては、先般来問題がありましたいわゆる船員の留守家族に対する措置でございますが、それについてまだ金が来ない、おそきに失するではないかというおしかりを受けたのであります。まことにその点は申訳ないと思つておるのでありますが、すでに通牒等も県へ出しておりますから、おつつけ県より出て参ると思います。私どもといたしましては、この問題につきましても、できる限り留守家族に有利になるように計算して行きたいと考えておりますので、最低三箇月程度はいるものというふうに私は考えております。
 その他代船建造の融資等の問題につきましても、実はまだここではつきり本日お答えできないことは遺憾でございますが、目下公庫方面と十分折衝いたしておる最中でございますので、二、三日中には、何とかこれは話をつけ得るというように考えておりますので、つき次第これは関係者にお示しできるものと思つております。
 その他いろいろの問題がございますが、今までに伺いました問題もございますし、あるいは今後新たにいろいろな新事態の発生に伴いまして処置することにつきましては、すみやかに時期を失せず手を打つて行かなければならぬものと考えております。
#16
○田口委員長 白浜仁吉君。
#17
○白浜委員 私はたまたま長崎に帰つておりまして、朝鮮からの帰還船員に接する機会を得たのでございますが、非常にみじめなありさまで帰つて来たのを、現実に私は見て参つたのでございます。その間におきまして、いろいろ現地の事情も承つたのでございますが、非常に衰弱をして帰つて来ている、特に病人をかかえて帰つて来た一組の者も見たのでございますが、こういうような実情を見まして、私はどうしてもこの前から問題になつておりましたところの、見舞金その他につきましても、いろいろな見方はあるにしましても、やはり相当の休養期間を考慮していただかなければならないであろうということを考えて参つたのでありまして、この点につきましては、後ほど多分委員長のはからいで懇談会があることと思うのでございますが、一応私は参考までに申し上げておきたいと思うのでございます。
 次いで先ほどから、三委員の方々からこもごもお話があつたのでございますが、特に私はお願い申し上げたいのは、船とかあるいは漁具というものは、私が耳にしたところによりますと、二箇月も三箇月もほとんどかまわれずにいるという実情にあるというと、せつかく帰つて参りましても、使いものにならないということを当局は考えていただきたい。私は、私どもの関係の船が拿捕されまして、竹内第二課長にも会つてお願いをしましたときには、ちようど日韓会談の前々日であつたかと思うのでございますが、当時も、漁船というものはいつまでも放置されていると使いものにならないということを考えておいてもらいたい、普通の鉄筋コンクリートとか、その他の建物のような考えをもつて交渉されては非常に困るということを、陳情いたしておつたのでございますが、考えました通り、まつたくこの海水、私ども通称アカと申しておりますが、このアカが入りますものを引く人もおらないというような状況に置きますと、当然機械もさびついて、使いものにならないということになりますので、今後一、二箇月間の交渉でせつかく漁船が返つて参りましても、漁具も機械も、さらには漁船も使いものにならないということを考えます場合には、どうしても私ども、先ほど水産庁長官も言われたように、この金融措置を考えてもらつて、早急にこの帰還船員の働く方途を考えてもらわなければならないのではないかということを考えるのでございます。現在、現地のある業者では、すでにこれを見越して、造船所にも機械の製作所にも発注をいたしておるのでございますが、この金融で非常に困つている。かつてつくりましたところの信用保証協会なども、担保の問題で行き悩んでおるという実情であるのでございますが、私どもは片寄つた、特殊な恵まれた漁業家にだけ、われわれの乏しい税金の中から積みましたところの財政資金が流用されて、恵まれない非常に零細な中小漁業家にこの国家の恩恵が及ばないということが、いつまでも続いているということになりますると、国民の思想上から見ましても、重大な問題と考えておるのでございますので、至急この点につきましては、政府の腹をきめていただきまして、早急な手を打つていただきたいと希望するものでございます。実際私どもからいいますれば、いかに韓国の李承晩政府であろうとも、もつと政府当局が誠意をもつて交渉しますならば、少くとも政府の代表者の一名や二名が、公式な立場で韓国に乗り込んで、交渉ができないということは、また現地の状況を見られないということは、あり得ないのではないかということまで、私は極言したくなるのでございます。どうか実際に皆様方も現地をまわつて、現地の方々が国を背負つて、何等の保護もされずに、あそこに出漁している状態をも少うし見ていただきたいと、私は希望するものでございます。実際政府は公海自由の原則をうたいながら、何らそこに保護の手を差延べておらないということは、私どもにとつて、まことに不可解しごくでございます。何のために私どもは、苦労しながら税金を納めて国家に対する義務を果しているのか。まるで無政府状態のような気もいたすのであります。こういうようなことを、私どもがここで繰返しぐちを述べましても、取返しがつかぬのでございますが、今後はこういう点も千分考慮に入れて、また先ほど辻委員からもお話がありました通り、日本が海国として、水産国として、今後発展しなければならない場合におきまして、この李ラインの問題は非常に影響の大きいことは、御承知の通りでございますので、誠意をもつて一生懸命努力をしてもらいたいということを、私は要望しておくものでございます。先ほど長官はいろいろ金融問題についてのお話がありましたが、とうかこまかいことを申すようでありますが、いろいろな今までの行きがかりと申しますか、金融関係の作業と申しますか、そういうふうなことで担保々々で非常に縛られておる実情であるのでございます。実際漁船保険に入りまして、その保険を対象といたしまして金融をある程度つけてくれるような方途を至急講じてもらいたいと思うのでございます。実際中小企業者、むしろ漁業者の零細な資産を対象としての担保を根にとられましては、これはどうしてもせつかくつくりましても恩恵には浴し得ないのでございますから、その点は十分当局も考えていただきたい、この点を強く要望申し上げておくのでございます。何かこの点につきまして、あらためて御意見があれば承りたいと思うのでございます。
#18
○清井政府委員 融資の問題につきましてるるお話を承つたのでありますが、まことに実情はただいまのお話の通りであると思います。代船建造につきましては、おつつけこれはきめ得ると思いますが、代船建造以外の融資の問題、これは先ほどお話がありました問題であります。この問題につきましては、私どもただいまとりあえずの処置としては、個々の御事情等を十分伺いまして、できるだけあつせんを申し上げるということを出ないのでございますが、問題はかかることでとどめ得る問題であるかどうかということについては、きわめて重要な問題であろうと思います。特にこの問題は、いわゆる金融べースという観点から見ますれば不十分な問題であります。ただいまも担保の問題でお話があつた通りであります。従つてこの問題を何かしら関係の漁業者を有利に解決するためには、普通の金融の手続によらない別途の制度が必要ではないか、こういうふうに実は考えるのであります。あるいは金融いたす場合に特殊な措置を講ずるとか、あるいはできますればそれに法律的な裏打ちでもして、さらに財政的な裏打ちでもできればけつこうでございます。しかしこの問題は、私として今すぐそれができるということは残念ながら申し上げかねますが、こういつた問題までさかのぼつて解決しなければ、確実な裏打ちはできない問題であろうと、私は率直に考えます。私どもとしましては、この問題に対しましてどういう手を打つて行くかということについて、先般来非常に苦心をいたしておるのでございますが、今ただちに、具体的にこうするということを申し上げる段階に至つてないのを、はなはだ残念に思います。とにかく実情は十分認識いたしまして、その関係の漁業者に最も有利になるように手を打たなければならぬ、こういうふうに考えて目下研究を進めておる次第であります。
#19
○中川説明員 ただいま御指摘のありました点の中で、韓国との交渉、ことにいまだ抑留されて返つて来ておりません漁船の釈放という点につきましては、今後とも誠心誠意努力を続けたいと思つております。なお現地の事情等につきまして、われわれもできるだけその事情を把握したいと思つておりまして、さきにも外務省の係官、海上保安庁、水産庁等の係官が共同いたしまして、九州方面に出張いたさせまして、現地の実情を調査させました。また今後もできるだけさような機会をつくりまして、現地との連絡を緊密にしたい、かように考えております。どうぞその点御承知おきを願いたいと思います。
#20
○赤路委員 私は委員長に要望いたします。今までのアジア局長、水産庁長官の御答弁を承りまして、両者それぞれ御努力を願つていることに感謝いたします。しかしながら答弁は、答弁の常套語であると私は考えます。これ以上おそらく御両者にお尋ねいたしましても無理でないかと思うのであります。しかしながら先ほど来吉武委員がおつしやつたように、事態は非常に窮迫した事態にあり、遷延を許さない事態にあるということであります。従つて私は、これ以上ここで御両者に対して答弁を求めましても無理があろうと思いますので、当然政府の所管の責任者が出て来て、はつきりしたことを私はお聞きしたい。それで明日でも、さつそく委員長の方から農林大臣と外務大臣と大蔵大臣の出席を要望していただきまして、それら所管の責任者によつて、はつきりした態度を私たちとしては出していただきたい。これがない限り、この状態で今までの御両者から御答弁を願つた範囲では、いつ解決がつくかということはちよつと私には見切れないのではないか。そういうように遷延を許される状態でないということを考えますので、三大臣の出席を要望いたします。
#21
○田口委員長 ただいまの赤路委員よりの要望につきましては承知いたしました。
 ほかに質問はありませんか。――ないようでありますから、本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつて御通知申し上げます。
    午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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