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1953/12/03 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 人事委員会 第3号
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1953/12/03 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 人事委員会 第3号

#1
第018回国会 人事委員会 第3号
昭和二十八年十二月三日(木曜日)
    午前十一時十九分開議
 出席委員
   委員長 川島正次郎君
   理事 赤城 宗徳君 理事 田中  好君
   理事 永田 亮一君 理事 舘林三喜男君
   理事 加賀田 進君 理事 受田 新吉君
      池田 清志君    石山 權作君
      櫻井 奎夫君    森 三樹二君
      池田 禎治君    岡  良一君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 田中不破三君
        人事院総裁   淺井  清君
        人事院事務官
        (事務総局給与
        局長)     瀧本 忠男君
        総理府事務官
        (自治庁次長) 鈴木 俊一君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房審議室統轄
        参事官)    久田 富治君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      岸本  晋君
        専  門  員 安倍 三郎君
        専  門  員 遠山信一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第六号)
    ―――――――――――――
#2
○田中(好)委員長代理 それではこれより人事委員会を開会いたします。
  一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、両案を一括議題として質疑を行います。櫻井君。
#3
○櫻井委員 私は昨日に引続きまして質問いたします。この一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、この案件につきましては、すでに昨日及び一昨日わが党及び右派受田君その他の質問におきまして、十分政府の意図されておることが、はつきりしたわけであります。従つてこれ以上こまかいことを、追究いたしましても、大体田中さんからの答弁は、もう私は聞かないでもわかつております。これはやはりあなたの御意見で明瞭になつたことく、人事院のいわゆる御告を尊重したというようなことを書いてございますが、何ら尊重したものではない。たまたま人事院が三月の民間給与の実態調査の上十三・九%という計数で勧告した一万五千四百八十円、こういう数年を持つて来まして、そしてそれに逆算して行つて、あたかも人事院の勧告を尊重したかのごとき欺に満ちておる。これは昨日も、人事院総裁が出席でございませんでしたので、人事院の意向というものを瀧本給与局長からもお聞きしたわけでありますが、給与局長も、これはやはり人事院の勧告を、そのまま実施したのではない、たまたま一万五千四百八十円という数字は、これは人事院の三月に勧告したものに合つておるけれども、そのを本旨は人事院の勧告とは違つておるのだ、こういうことを言つておられる。従つてこれは人事院の勧告を尊重したものではないということを、はつきり言つておられないのですが、給与局長としてそういうことを口に出して言うことはできないかもしれない。給与局長の答弁を要約しますと、やはりこれは人事院の勧告が無視されたということを言つておられる。従つて、本日は総裁が出て来ておられるので、総裁からはつきり聞きたいのですが、政府の今回出しましたこの法律案、これは一体どの程度人事院の勧告と合致しておるのか、この点総裁の御意見をはつきりお伺いしたい。
#4
○淺井政府委員 私の立場といたしまして、政府の提案を批判するのはいかがかと考えておりますが、御承知の通り、これは来年一月一日におきまして人事院の勧告の額に達しておる、こういう点において尊重されておるものとは考えております。ただその内容につきましてはいろいろと論議がございまして、この点は昨日給与局長からも申し上げた通りであろうと考えております。
#5
○櫻井委員 来年の一月一日において人事院の勧告した額に達しておる、こういうふうにおつしやるのですが、それは私は非常に違うと思うのです。来年の一月一日において人事院の勧告した額であれば、これは一万六千幾らにならなければならないわけだ。人事院は三月において一三・九%の上昇というので勧告なさつたわけで、三月におけるところの公務員の平均俸給一万三千五百八十七円に一三・九%をかけて、これが一万五千四百八十円というふうに出て来たのです。これが人事院の勧告の額なんですよ。従つて来年一月一日に人事院の勧告の額に達するとおつしやるならば、これは当然現在の十二月の平均――その問題に昇給がございますから、一万四千六百十二円になりますが、これに一三・九%ををかけた二万六千百三十一円、これが人事院の勧告によるところの来年一月一日の額です。こういうふうに私ども解釈するので、一万五千四百八十円というのは、あくまでも三月における数字である、私はこれは勧告されたものでなく、納与準則と一緒に出されたもので、あれで行くと三月においては一万五千四百八十円になるんだ、こういう勧告であると思うのですが、その点どうですか。
#6
○淺井政府委員 その点お説の通りです。ただその間の昇給を見てないということが、違つた結果になつて来たのだろうと思います。
#7
○櫻井委員 それでよろしゆうございますが、総裁としては、先ほど仰せの通り、政府の法案を批判するということは、できがたい立場であろうと思いますから、要するに、これは人事院の勧告とは違つておる、人事院の勧告した通りのものではないということは、総裁もお認めになると思うのですが、その点どうでしよう。
#8
○淺井政府委員 人事院は給与準則とあわせて勧告いたしておりますから、これが給与準則でないということはその通りでございます。
 それから第二の点におきまして、給与の上昇率において違いがあるということは、お説の通りになろうと思います。
#9
○櫻井委員 わかりました。人事院は、これは人事院の勧告したものではないということをお認めになつたようであります。
 それで私は続いて政府の方に、これはあなたの御答弁は、昨日も一昨日も承つておりますので、はつきり人事院の勧告ではない、しかもこの中には地域給を〇・五%本俸に繰入れるというようなことをやつている。これはこの提案理由を見ると、そういう声があつたから――そういう声というのは、要するに、国会における衆参両人事委員会のいわゆる地域給を圧縮しろという声であろうと思うのでありますが、しかしこれはあなた方が衆参両院における人事委の審議過程というものをよく理解されておれば、こういうことは出なかつたと思う。なるほどわれわれの要求としてあくまでも圧縮するということが出ております。しかしそれはきのう石山君も言つたように、あくまでも大きな前提があるのであります。それは地域給の勧告はぺース・アップとは別個に行う、それから既得権を侵害しない、こういう二つの前提の上に立ちまして、いわゆる現在の五段階の地域給を次第に圧縮して行こう、できれば二段階圧縮して、三段階にやりたいというのが、衆参両院における人事委員会の考え方なんです。特にこういう結論を出すにあたりましては、そこにおられます赤城さんも委員長といたしまして、八月、九月、十月とこの三箇月国会の休会中においても、絶えずわれわれは研究を続けて来たわけです。しかも衆議院の結論が出ましたときに、参議院は、そのような結論であれば、今の政府ははなはだ信頼できないので、おそらくベース・アップに地域給の縮小というものをからめてやつて来るに違いない、そういう危険が非常にあるから、衆議院のこの決議はよろしくない、こういう参議院の意向であつたわけです。従つてわれわれ衆議院としては、そういうことは十分警戒をしてやるということを了解して、そのためにわれわれは三回も合同委員会を開いて、そういう了解の上であの申合せ事項というのが成立した。これは当時の責任者である赤城さんが十分知つておられるし、人事院の方も絶えず傍聴しておられたのでよくわかると思うのです。従つてこの衆議院の人事委員会としましては、これは私は左派社会党としての立場から言つているのではない、超党派的に、この地域給については結論を得ている。しかも参議院とはそういう経過をとつて、われわれはこれをのんで来ている、いや参議院にのましたという形になつている。従つてこの地域給を、今度の政府の言つておる一万五千四百八十円の中に、本俸に何だか非常な不明朗な形で繰入れてあるということは、これは衆議院の人事委員会としては絶対に納得できない。これは私だけじやない、ここにおられる自由党の諸君も、右派の諸君もこの点に対しては同じ意見だと思うのです。こういうことは、たまたまそこに衆参両院の圧縮しろというような決議があつた、それを奇貨としてこのきわめて不明朗きわまるところの一万五千四百八十円で、いわゆる政府の言うベース・アップというものをごまかした、これはきのうから多数の委員の方からこういう意見が出ている。われわれとしては、やはりそういうものをごまかして、事実は地域給を〇・五%だけを切り下げた結果になつている、こういうふうにしか考えられない。これははなはだ当委員会としては不満であるし、この点についてはあらためて衆議院の人事委員会としての何らかの意思表示をしなければならないと思うのでありますが、このベース・アップにつきましては私はもうこれ以上田中さんを追究いたしません。
 それで期末手当の問題について昨日御答弁をいただきましたが、最も私がおそれるのは、この〇・五の期末手当の地方への配分がどうなつているか。きのう大蔵省の給与課長岸本さんのお話によりますと、〇・五のうち〇・二五は平衡交付金で財政措置をしてある。あとの〇・二五はいわゆる地方自治体の税の自然増を見込んである、こういうお話でありますが、しからば政府が責任を持つてこの期末手当の財政的裏打ちをしておるというのは〇・二五だけということになる。あとの〇・二五は地方自治体のかつてにやれということです。こうなりますと、御承知の通り今や地方の自治体は非常な赤字である。これは各県知事の知事会議が、しばしば声明しておる通りであります。昨年におきましても、私はきのうも申し上げました通り、奈良県においてはその〇・二五というものが、財源がないために実施できずに、今日まだ〇・二五が未払いになつておる。こうなりますと、政府はいわゆる期末手当、勤勉手当あわせて年末に一・二五を支給するというようなことを言つておるが、国家公務員と地方公務員の間に著しい不均衡が出て来るわけです。これは政治的、社会的、いろいろな面から見て、はなはだおもしろくない事態を招来するわけでありますが、この点について田中官官房長官の御意見を承りたいと思います。
#10
○岸本説明員 ただいまの御質問をちよつと補足させていただきたいと思います。昨日正式の速記をとりましての御答弁で申し上げましたのは、ベース改訂の金と期末手当の金とあわせたものが、全体としての地方財政計画の中でまかなつて行けるように、平衡交付金を算定した、かように申し上げたわけでありまして、正式に〇・二五を半分持つということは正式に申し上げていないはずであります。
#11
○田中政府委員 お答え申し上げます。詳しくは鈴木次長の方から、地方財政の関係につきまして御答弁がありますが、政府の予算上とつております措置について申し上げます。地方におります補助職員――とわれわれ言つておりますが、補助をいたしております職員でございます。その分として期末手当、勤勉手当の予算として一億七千七百という額を計上いたしておる、それから義務教育費の国庫負担分として十七億、地方財政の平衡交付金の分として三十六億、これを計上いたしております。これがただいま御質問の期末手当、勤勉手当に対します地方への分の財政措置でございます。
#12
○鈴木政府委員 ただいまの地方公務員の期末手当の点についてお答え申し上げます。地方財政の計画といたしましては、期末手当の分とベース・アツプの分と両方を通じまして、財源措置を必要といたしますので、直接お尋ねではございませんでしたが、ベース・アップの分と両方含みまして申し上げたいと存じます。ベース・アップのために要する経費は全体として六十四億でございます。これは一月、二月、三月の三箇月分でありまして、国家公務員のベース・アップに準じて行うに要する財源でございます。期末手当の方は九十三億でございます。これを両方合せまして百五十七億が給与改善のために要します経費であります。これに対しまして、地方財政計画におきましては、義務教育費の国庫の半額負担金がベース・アツプについて十二億、期末手当については、ただいま副長官の仰せになりましたように十七億、合せて二十九億が参るのであります。従つて、百工十七億のうち二十九億を引きました約百二十七億が給与関係として地方が負担をいたさなければならない経費でございます。これに対しまして、いわゆる平衡交付金の参りません団体、すなわち税収等が多くありまして所要の給与増等を十分まかない得る建前になつておりますものがございます。これは府県にも市町村にもあるのでございますが、それが三十億ございます。この全体の百五十七億にはそういうものも入つておりますので、そういう交付金が行かないでも間に合うような団体の給与増の経費三十億をそれからさらに引くことになります。そういたしますと九十七億、これが純粋に地元が負担をいたさなければならない、要するに財源措置をいたさなければならない経費になるわけでございます。これについて平衡交付金を七十六億計上いたしております。副長官が今申されました三十六億というのは期末手当の関係の計算の際に出て来た数字でございますが、両方合せまして七十六億の平衡交付金が参るのであります。従つて九十七億から七十六億を引きました二十一億、これが税の増収によつてまかなわれるべき経費であります。これは便宜ものの言い方を逆に申し上げましたが、平衡交付金制度は御承知のように必要な経費を税をもつてまかないまして、足らぬところを平衡交付金をもつて補填するということでありますから、言いかえますると九十七億という純粋に地方が負担をしなければならない経費のうち、税の増収をもつて充て得るものは二十一億ございますので、結局七十六億の平衡交付金を国としては出さなければならない、こういうことになるのであります。しからば二十一億という税収は可能であるかどうか、その辺の見通しでございますが、これは国が法人税の自然増収を今回の財源として見込んでおりまするから、それに対応いたしまして、当然に地方の法人事業税もふえて参ります。また市町村の法人税割も、国の法人税がふえるのに相当いたしまして、当然ふえるのであります。またそのほかに自動車の増加で自動車税がふえまするとか、あるいは電気、ガスの生産増加で電気ガス税がふえますとか、あるいは償却資産の設備の増加によりまして固定資産税がふえて参りますとか、あるいは市町村民税の所得につきまして、所得の実績が明らかになるに従いましてこれも当然ふえて参るというようなことで、税収全体といたしましては五十四億の増収を見込んでおるのであります。そのうち今の二十一億程度が給与関係のために差向けられる、こういうことに相なるのでございまして、国家公務員に準じまして、給与改善措置を行うに要しまする地方の財源といたしましては、これで処置ができておるというふうに、私ども考えておるのであります。
#13
○櫻井委員 大体次長の考えておられることはよくわかりました。なお今おつしやつたことは非常にこまかい数字でございましたので、全貌にわたつてつかみにくい点があるので、参考資料としてプリントにしてちようだいしたいと思います。
    〔田中(好)委員長代理退席、委員長着席〕
 それで問題は、二十一億当然地方に税収入として入つて来る、こういうことであると思うのでありますが、これは自治庁で机の上で計算なさると、そういうことになつて来るので、当然そうだというようにおつしやるかもしれませんが、しかし必ずしも実態がそういうふうになつて来るかどうかということはわからないわけです。地方においては、〇二五と言いますか、幾らになるかわかりませんが、そういうものを国家公務員並にやつて行くためには非常な困難が起きて、いつも団体交渉をやつたり、またいろいろな紛争が生じて来るのです。そうしてその結果まず財源を見つけて捻出できるところはいいといたしまして、事実上捻出困難で、しばしば例を出して恐縮ですが、去年の奈良県のような事態も起り得るわけなんです。これはどこが起るかということを今から予測できませんけれども、地方財政の財源の枯渇しておる今日においては、なおこういう事態が多く起きて来るということが予想されるわけです。そうすると同じ国の中におきまして、国家公務員は別として地方公務員が、甲の地方と乙の地方において、非常な不均衡を生ずるということは、現実の問題としてあり得ると考えられる。そのような場合に監督官庁として、自治庁あたりはどのような処置を考えておられるか。そのように財政的にほんとうに困窮しておる地方には、何らか財政的な裏づけをなさる意思があるのかどうか。机の上ではつきりこれだけ税の収入がるるのだからそれでやれ、こういうふうにほうつておかれるつもりか。あるいはこれを短期融資とかなんとかいう形ででも、援助して行くというようなお考えがあるのか。そこをひとつはつきりお聞かせを願いたい。
#14
○鈴木政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、昨年の年末の給与改善に要します経費につきましては、御指摘のような問題が事実あつたのであります。しかし昨年は御承知のごとく、今年のように法律をはつきり直しまして、期末手当を〇・五増す、あるいはべースアップをするというような、いわば数字が明確に、法的にも備わりました給与改善ではございませんで、国家公務員について若干超過勤務手当というようなものを繰上げて支給するといつたようなことが、事実上行われましたような関係に対応して、地方でも、何らかそういうような給与改善措置ができないか、またそれに要する経費は国として心配すべきではないかという御要望に応じまして、国といたしましていわゆる地方債のわくを拡張いたしまして、大体〇・二五の給与改善財源に相当する程度の起債を割当てたのであります。しかしこの起債は、結局起債を割当てることによりまして、従来起債をもつて充てるような事業の方に、税金を使つておりましたのを、そういう税金を浮かして、それを給与改善にまわすという、そういう間接的な財源措置であつたのであります。そういうことのために、県によりましては、実際起伏する事情のないところに起債を割当てられましても、一般財源でやりくりをしてまわして行くことができないというようなことで、事実そういう間接的な財源措置でございましたために、奈良県等においては若干問題があつたことは事実でございます。しかし今回は国の方におきましても、それぞれ給与関係の法律を制定されるわけでございますが、地方につきましては、具体的には各都道府県市町村が、給与条例を制定いたすことになるわけでございますけれども、その財源措置といたしまして、先ほど申し上げました財政計画上の措置をいたしますほかに、地方財政平衡交付金法という法律の改正法律案を今国会に提案をいたす予定でございます。その改正の内容は、ただいまのベース・アップと期末手当の〇・五の増額、この二つの人件費増に対応いたしまする経費の単位費用の増額であります。従つてこれは各地方団体におきまして、各種の経費について人件費を含んでおりますものは、いずれも基準財政需要額の増額になるのであります。そして一方税につきましては、先ほど申し上げましたような種数の税につきまして、基準財政収入の税収の増加を見込みまして、それの差額を平衡交付金として出す、こういうことになるのであります。さような法的措置が明らかにとられることになりますので、御心配のような事態は起らないのじやないかと思うのであります。ことに昨年〇・二五というようなものを超過勤務手当の増額と申しますか、実際の支給によつて改善をするというような場合に、地方教育公務員等につきましては、さような費目の超過勤務手当がないために、いろいろの名義で、研修費とか何かそういうようなことで、実質それに相当するような措置を講じなければならぬような、いわば一種のあまり明確でない形の給与であつたのでありますが、今回の措置はさようなことはまつたくないわけでありまして、ただいま御心配のようなことは、私どもは万々あるまいと考えておる次第であります。
#15
○櫻井委員 あなたの御答弁によると、いろいろこれに関連した法律が今度の議会に出されて、それの法的裏づけによつて措置されるならば、私の心配するようなことは起きないであろう、こういう御答弁でございますが、これに関連する法律というものの内容も私は見ておりませんので、こまかい質問はできないわけでありますけれども、しかしそのような法律が通りましても、事実地方の財政がそういう法律が出ても、それをまかなうだけの財政的余裕があるのかどうか、これは私はしろうとでありますからわかりませんが、それがない場合に、いかにりつぱな法律ができても、ないものはどんなにしぼつたつてしぼれない。その見通しはどうですか。その法律ができれば、どのような貧弱自治体でも、都道府県でも必ず実施可能な法律なんですか。必ずそういうことができるものであるかどうか、それをお聞かせ願いたいのです。
#16
○鈴木政府委員 実際の措置として給与改善をいたしますために、地方が財源的に困りはしないかというお尋ねでございますが、先ほど結局税に期待するところは二十一億程度ということを申しあげましたが、これは各団体において、やはり税金がよけい入つて来るところと、あるいは逆に税が減収になるところと両方あるわけであります。ことに多くの災害団体におきましては、地方税の減収が予想せられるわけであります。こういう税の減収の予想せられます団体に対しましては、特別平衡交付金というのがございまして、これの中から地方税の減収に見合うようなものを若干交付することになります。またさらに先般の国会で通過いたしました災害の起債に対する特例の法律がございまして、この特例法によりますると、災害のために地方税を減額したりあるいは免除したりする措置をとつた場合に、その税の赤字を補填するために地方債を起すことができる、こういうことになつております。しかもこの地方債に対しましては、国が元利を補給する、こういうことになつております。これは今財政計画上約五十億のかような種類の記債を用意いたしておりまするし、また先ほど申し上げました特別平衡交付金におきましては、昨年度は約二十億程度災害関係の方にまわしたものがございまするが、本年はやはり少くともそれ以上のものを災害の方に特別平衡交付金から振り向けたいと思うのであります。そういうようなことである程度税の減免というようなことは補填をいたすつもりであります。税収全体といたしましては相当有力なる、税収の多くなる点もあると思いますので、そういうところで今の税によつて給与改善をはかるということが出て参りましても、これは今の平衡交付金制度の建前から今しまして、むしろ当然であると私ども考えておるのであります。
#17
○櫻井委員 それでいろいろな法律案というようなものも、今後私も目を通して研究させていただきますが、結論的に申しますれば、そのようなものが措置されておるから、昨年起きたような混乱はことしは起きないであろう、こういうことをあなたは責任を持つて御答弁なさつたわけですね。そのような混乱が起きない、こういう自治庁の見解でございますね。それではなおいろいろ今の数字、計数、そのような参考資料をちようだいいたしまして、またあとで質問をいたします。私の質問を終ります。
#18
○岡委員 私は淺井人事院総裁にお尋ねをいたしたいと思つて、質問を申し出ておつたのでありますが、ただいまの鈴木次長の御答弁に関連して一、二点承つておきたいと思うのであります。
 まず第一点としては櫻井君の質問と復複もいたしますが、第一点はたとえば地方の税の自然増収をもつて、自治庁はカバーできると見ておられるということでありますが、御承知のように本年度の災害その他のことで地方といたしましても、これらの自然増というものを十分に元込んだ予算を、私はとつておると思つておるのでございますが、そういたしますと特に地方として二十一億の財源を給与改訂その他に振り向けるだけの余裕が、はたしてあろうかという点を、非常に心配をいたしておるのでありますが、その点についての自治庁の見通しはいかがでございましようか。
#19
○鈴木政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、団体によりましてはただいま御指摘のように、税の自然増収をある程度他の経費に引当てて、すでに見込んでおるというようなところもあろうかと思つております。しかしながら税のさような自然増収の見込まれますような団体におきましては、やはり何と申しましても今の災害県、あるいはことに貧弱な県等に比較いたしまして、財政上の弾力性がやはり相当あると私ども考えておりますので、もちろん決して楽ではございませんけれども、先ほど申し上げたような措置を講じて参りまするならば、全然そういう団体に平衡交付金が参らないわけではないわけでございまして、平衡交付金が当然一部は参るわけであります。そのほかに若干は税を見込まなければならぬ、こういうことになつておるわけでございますから、私は必ずしも楽とは申し上げられませんが、経費全体の適切な使用をはかれば給与改善は可能である、また一方平衡交付金の単位費用の算定の基礎におきましても、その点を明らかにいたしておりますので、県といたしましては、国家公務員に準じました給与改善を、私は当然行うものというふうに想像いたしております。
#20
○岡委員 特別平衡交付金が支給されないような町村もあるわけでございますが、こういう町村における給与改訂なり、あるいはまた臨時手当等の増額についての財政的な考慮は、どういうふうに払つておられますか。
#21
○鈴木政府委員 いわゆる平衡交付金の参りません不交付団体でありますが、この不交付団体につきましては、税の増収といいますか、伸びが非常にありますとともに、そもそも税額が非常に大きいわけであります。大きくて必要な財政需要をまかなつて、なお余りがある団体であるわけでありまして、そういうところでもそれほど税収の伸びが多くなくて、しかも今回の期末手当の増額、ベース・アップのために基準財政需要が非常に伸びて参ると
 いうようなところでは、やはり不測の赤字が出るわけでございますから、そうなつて参りますと、そこにはやはり平衡交付金が行くようになるということになるわけであります。従つて今まで不交付団体でありましたものが、今回の給与改訂の結果といたしまして、若干交付団体になるものも出て来ると考えております。しかしながら給与改訂による需要増を、なお税でまかない得るような団体も相当あるわけでありまして、そういうところは自主的な税財源だけで処理をしてもらう、たとえば東京都とか大阪府というようなところは、そういうようなことになるわけでございます。
#22
○岡委員 先ほどの御答弁によつて、地方財政平衡交付金の交付に関する法律の改正ができて、このたびの給与改訂あるいはまた臨時手当の増額分に伴う地方の財政需要は、法的にこれを補償するというお話でございましたが、私どもの懸念するのは、政府の方あるいは地方自治庁の方で計数を整理されるときの読まれた結論、たとえば九十数憾のうち七十何億は平衡交付金をもつてまかなうといわれますが、その基礎となる人員その他現実の数字、現実の実態というものが、しばしば地方団体とかけ離れておるような事態もあるやに、私どもは承知いたしておるのでありますが、このたびはそういう点については、地方自治庁としても十分に地方の現実の人員数その他に応じて、的確に交付金その他の措置を請ずるというようなことについて、何か私どもの納得のできるような御答弁が願えればけつこうだと思うのですが、どうですか。
#23
○鈴木政府委員 今回のベース・アップの措置につきましては、地方財政計画におきまして、国が予算上国家公務員についてとられました九・四%のベース・アップの率を基準にいたしまして、地方公務員の二十九年一月一日の想定の給与ベースに対しまして、これをベース・アップする、こういうことにいたしておるのであります。その出し方といたしましては、各級別にそれぞれの職員数がございますから、それに対しまして国の各級ごとのべース・アップ率をかけ合せまして、それで全体の加重平均を出して、本俸の上昇率を出しております。また勤務地手当の関係につきましても、各級地ごとの地方公務員の数に対しまして、国の勤務地手当の支給率の調整したものを使つて出しておるわけであります。そういう両方の総合の加重平均をいたしましたものをもつて、二十九年一月一日の想定される平均の給与をアップいたしておるのであります。地方公務員は御承知のように教育公務員が半数を占めておりまして、これの学歴構成等が非常に高いわけであります。従つて今の方式で計算をいたしますると、国の九・四%の上昇率に対しまして、地方では一〇・二%程度の上昇率になるのであります。その結果といたしまして、一万五千四百八十円でありますが、国の新しいべースに対しまして、地方のベースの方は総平均いたしますと、さらにこれより若干上まわることに相なるのであります。大体六十円程度高いような基礎になるものと考えております。そういう意味で先ほど申し上げましたベース・アップの額六十四億というものを計算いたしておるわけであります。私どもといたしましては、大体これで実情に沿い得るのではないか。もちろん自主的に給与は決定されておりますから、団体によりましては若干でこぼこはあろうかと思いますが、総体といたしましては大分実情に沿うようになつて来ておるというふうに考えておるのであります。
#24
○岡委員 教育公務員の点でありますが、地方の実在しておる教育公務員の数と、国の方で要求され、また国の力で承知をしておられる数というものの間に、かなりの食い違いがあるという事態もかつてはありまして、その結果が先ほどの奈良原のような事態も起つて来る大きな原因になつておると思うのですが、そういう点についての顧慮は、地方自治庁としてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#25
○鈴木政府委員 定員と実員との数の開きがどうであるかということでございますが、これは教育公務員につきましては、義務教育費半額国庫負担制度が実施になりましたので、今の教員の数というものは的確に把握されて来ておると思うのであります。これは昨年義務教育費半額国庫負担金が、どういう額になるかということを計算いたしました際に、この点につきましては自治庁、文部省、大蔵省、それぞれ協議をいたしまして、詳細に数字を出しておりますが、これは今日ではそれほど大きな開きがないような事態になつて来ております。その他の地方公務員につきましても、大体従来からずつと来ておりまする基礎を用いまして、おおむね実際の数字に近い数字ではないかというふうに考えております。
#26
○岡委員 二十一億は税の自然増加でまかない得るという地方自治庁としての見通しの根拠を、何か数的にありましたらお知らせを願いたい。
#27
○鈴木政府委員 今回の地方財政計画におきましては、五十四億というものを財源の一部と考えております。ちよつとその点申し上げますと、今回ただいま申し上げました給与関係の経費のほかに、学校生徒増に伴います建築費の増加でありますとか、行政協定関係の道路整備の経費等の関係が約三十億ありまして、さつき申し上げました給与関係費の百五十七億の増等に加えますと、新しく地方が今回負担をいたさなければなりませんものが、減つて来るものもありますので、相殺いたしまして大体百五十憾程度になります。その財源措置といたしましては平衡交付金が七十六億、地方税が五十四億、さらに地方債が十五億、こういうことで全体として地方の負担がまかなえるということになつておるのであります。その五十四億のうち二十一億というものが今給与関係の地方の財源にまわつて来る、こういう建前になつておるわけであります。
#28
○岡委員 ただいまの数字は先ほども承つたのですが、そういうような数字だけでもつては、たとえば地方独自な県単事業でいうようなものについての財源措置というようなものについて、何ら余裕がない、あるいはそれに食い込むような印象を受けたので承つたのですが、そういう関係について地方自治庁としての御見解を承りたい。
#29
○鈴木政府委員 二十一億の税を給与関係に充てるということは、すでにそれらの税の増収を余部何らか他の経費に充当いたしておりますならば、これは若干無理ということになるわけでございます。しかしながら税の増収につきましては、先ほどもちよつと申し上げましたように、いずれも当然に増収を見込むべき筋の増収でありまして、法人の増益とか、あるいは前年の所得の実績を基礎にして出しております特別所得税、あるいは個人の所得割というようなものは、前年の実績が今日の段階におきまして明らかになつて来るにつれてふやして来ておるのでありまして、また電気ガス税等は、生産増加の実際の実績がだんだん明確になるに従いまして、増額を見込んだわけでありまして、かような経費が地方においてすべて増収としてすでに見込まれておるとは、私ども考えないのであります。従つて五十四億の税の増収のうち二十一億程度を、この給与関係費にまわそうというわけでございますので、その程度のことは最小限度できるのではないかというように考えておるのであります。もちろん御指摘のように、すでにそういうものをいずれかの団体においては実際見込んでおるというようなところがあるかもしれませんが、しかしそういうように税の増収を見込み得る団体は、財政上弾力性の多い団体でありまして、何らか既定経費の調整をいたしますれば、給与財源に事欠くことはないであろう、また給与財源だけは何としても出すであろうというふうに、私どもは期待をいたしておるのであります。
#30
○岡委員 御存じの通り都道府県にしたつて、市町村にしたつて、この十二月にはおおむね定例の都道府県議会なり、市町村議会なりも開くわけです。ですから市町村財務当局とすれば、給与あるいは期末手当等の部分を除いて、ないものとしての形で自然増を見込んだ予算整理また編成をやつておると私は見ておるわけなんです。もしそういう場合に二十一億というものが、さらにまた負担増として支出をしなければならないということになりますと、地方としては市町村によつては非常な悩みが起つて来るのではないかということを、実は心配してお尋ねをしておるわけでありますが、かりにそういうような事態が起つたときには、やはりそういう都通府県に対しましては、特別なる何らかの措置を講ぜられる御意思がおありでしようか。
#31
○鈴木政府委員 数多い団体でありますから、御心配なさいますような事実が全然ないとは申し上げられないと思いますが、しかし今の平衡交付金制度の建前といたしましては、やはり所要基準財政需要額に対しまして、税の一定率の収入というものを一定の計算方式によつて見込みまして、その差額を出すということに相なつておりますので、これはやはりさような方式から、その団体として必要な経費がまかない得るという計算が出て参りますならば、平衡交付金は義務教育の国庫負担金というものとは違つた、いわゆるひもつきの財源ではありませんので、これはさようなものが行つて、つじつまが合う建前になつております以上は、現実に財政収支の上で赤字が出て参りましても、それを当然に補填するというほどにはならないのであります。ただ私どもといたしましては、地方財政全般といたしまして、何もことしの給与の問題から特に生ずるという意味でなく、過去の赤字が相当累積いたしております。二十七年度の決算が、ようやく最近になつて明らかになつて参りましたが、大体いわゆる翌年度の歳入を繰上げて使つている団体が約一割、約一千あるのであります。またその赤字額は大体支払い繰延べでございますとか、翌年度の歳入を繰上げ使用いたしました額が大体三百億、二百九十九億くらいになつておるのであります。従いまして、そういう団体におきましては確かに苦しいと思うのでございますが、先ほど来申し上げましたように、災害とそれがつながつておつたり、あるいは特別交付金を交付いたします事由に該当する限りは、ある程度そういうところに特別交付金と起債が参るのでありますが、全体といたしましては、地方財政の再建整備法というものが、ただいま衆議院の地方行政委員会にかかつておりますけれども、かようなものが将来どういうふうになりますか、政府といたましても地方財政の再建整備につきましては、何らかの措置を講じなければならぬのではないかというふうに考えておりますが、これはこの給与の問題とむしろ引離しまして、地方制度改革全体の問題の一環として、私どもは考えたいというふうに思つておるのであります。
#32
○岡委員 私が老婆心ながら心配いたしますのは、御存じの通り、もう地方の財務局も政府資金の引上げが始まつておりますために、財務局につなぎ融資を申し入れましても、なかなか思うように行かないという実情になつております。そこで私がお尋ねいたしましたのは、交付金は交付金という建前から、ひもつきでなく。ある一定の基準において出ますが、しかしそれでもなおまかない切れぬというような場合においては、自治庁としては何らかの対策を指示される御用意があるのかどうか。
  それからもう一つ、これは万々ありようないと思いますけれども、しかし事生活資金に関する問題でありますから伺つておきますが、平衡交付金中に、給与改訂あるいは臨時手当に関する地方財政の所要部分が含まれて来る。ひもつきではないということになつて、他に流用されるというふうなことは万々あるまいと思いますが、そういう点についての自治庁としての監督指導と申しましようか、それのできないようなお話もありまするが、そういう点いかがですか。
#33
○鈴木政府委員 財政上財源の点において、非常に困るというような団体につきましては、私ども先ほど来繰返し申し上げまするように、来年の二月が特別平衡交付金の交付の時期になつておるわけでありますが、起債特例法もさような時期にこれを配分いたしたい、両方並行して考えて参りたいと思いますので、その約七、八十億のさような経費というものが、ただいま御心配がございまするような団体に対する、ある起度の財源の補強になろうと考えておるのであります。それ以上の措置は、ただいまのところ何ら措置しようがない。現在といたしましては、そういうような措置を講じて参りたいと思つておるのであります。
 それから給与の財源に充当せられる予定で配分せられる平衡交付金を、他の経費にまわすというふうなことはないかということでございますが、これは義務教育費半額国庫負担制度がございますから、義務教育につきましてはさような心配はまず全然ないと思いますが、その他の義務教育職員以外の職員につきましては、制度上そういう意味の保障はございませんけれども、しかし昨年の年末の〇・二五というような、いわば一種の筋の通らない給与改善と今回は違うわけでございまして、それぞれの平衡交付金の単位費用を、給与改訂に見合うだけ改善をいたしておるわけでありまするし、私どもといたしましては、かような給与費というものについては、それぞれの各府県市町村にも、人事委員会あるいは公平委員会があるわけでありまして、そういうような考え方も財政当局にも十分反映をすると思いまするので、制度は条例及び予算の範囲内において、自主的にきめる建前になつておりますが、実際問題といたしましては、大体国と同じような措置を講じ得るというふうに考えておるのであります。
#34
○岡委員 もう一回念を押しておきたいのですが、この期末手当については、これも繰返し申しますように、地方財政の枯渇の折から、この法律が通過するということになりますと、多少のウエートをかけて来ることになるわけでありますが、これについての国としての措置、実際の財政的な所要資金は、この法律が通過するとして、いつ地方の方に交付されるようなことになるのですか。
#35
○鈴木政府委員 先ほど申し上げましたように、地方財政平衡交付金法は、たしか法の改正案は明日は提案できると思うのでございますが、計算が非常に時間がかかりますので遅れておつて恐縮でございますが、その地方財政平衡交付金法の改正法案が通過いたしますれば、年内に普通平衡交付金の増額分を交付いたしまして、大体これは先ほど申し上げました七十六億のうち六億が、要するに総額の百分の八が特別平衡交付金に法律上なる予定になりますので、六億だけは特別平衡交付金になる、従つてこれは来年の二月に行くことになります。残りの七十億は本年内に配分を了したい、そして今の給与改善の財源に使い得るように処置をいたしたいというふうに考えております。
#36
○岡委員 最後に希望いたしておきますが、先般、一昨日でございましたか、知事会議のあとの懇談会の模様を聞いておりますと、政府が二十一億を地方の税収入自然増をもつて、給与改訂等の所要経費としてまかない得るということは非常にずさんである。少くとも都道府県としては十四億、それから市町村は三十一億くらいの負担増になるという計算を出しておる。こういうところから、これはまた地方財政に対しての非常な大きい圧迫が来るということを、一部の知事の諸君が訴えておる。私自身もそういう話を聞いておるわけなんですが、そういう点について自治庁としても、地方財政の実態、またその定員の実働の数、その他一切の資料を十分に、的確に把握されて、地方財政がこれ以上圧迫されないように、そういう点についての十分な考慮をしていただきたいということと、いま一つは期末手当の問題でありますが、今お話を聞いておりますと、今度の国会の八日目には通過するであろうというようなお話ではありますけれども、何しろ政府の方の打たれる手というものが、せつかく打たれても時期を失する、そして遅れるということが起つては何にもならない。期末手当というものは、暮れとお正月を控えて、地方公務員なり、教育公務員の切実な要求でありますから、これらの諸君の手に直接渡るような考慮をしていただきたいということを、心からお願い申し上げておきたいのであります。なおあとで淺井人事院総裁が来られてから質問を行います。
#37
○受田委員 自治庁としては、地方公務員の給与が、その実績において国家公務員よりも三百数十円ずつ高いという算定を今日なお持つておられるかどうか、それを教育職員と府県職員・市町村職員にわけてお答えをいただきたい。
 次は給与実績というものを根拠にして、ただいまのお説のような、地方公務員が一〇・二%のベース・アツプという計算をされておるのかどうか。そして平衡交付金の交付基準には、その給与実績を算定基礎にしておられるのかどうか、ここをお尋ね申し上げたいのであります。
#38
○鈴木政府委員 地方公務員の給与につきまして、ただいま御指摘のように、昭和二十六年の十月のベース・アップの際に、当時の財政計画上の数字を引下げまして、財源措置をしたということは事実でございますが、その後その際の調査が必ずしも適当ではなかつたということで、さらに大蔵省、自治庁、文部省等が一緒になりまして調査をいたしました結果、調査の誤りは二十七年度の地方財政計画におきまして、これを調整いたしたのであります。しかしながら、なおそれでも若干実情に即しない点があつたわけでございまして、御承知のごとく本年の夏の国会におきまして、地方財政平衡交付金が五十億の増額になつたわけでございますが、さらにその際四十八億の地方の旅費、物件費等の節減を財政計画上いたすことになつたわけであります。その四十八億円の節減で浮いて参りました財源と五十億の平衡交付金の増額になりました分を合せました九十八億というものを、地方財政計画上の給与単価の調整の財源として使つたのであります。これによつてただいま御指摘の昭和二十六年十月の算定の際に用いられておりました給与単価の引下げられた分は、相当程度改善をされたのであります。従いまして、今回のベース・アップによりますならば、若干その差は広がるわけではございますけれども、まずそう大きな開きはなくなつて来ておる、だんだんと改善の方向に向つておると思うのであります。義務教育職員につきましては、給与の三本建の問題もございまするし、また義務教育費半額国庫負担制度の実施もございまして、実際と財政計画上の数字というものは、まずマッチしておるというふうに考えてもさしつかえないと思つております。今回の給与改訂につきましては、二十九年の一月一日のベースを、国家公務員の昇給率と同じような昇給率を用いて推定をいたしまして出したものでございまして、それに対しまして先ほど申しましたように、一〇・二%すなわち一割二厘というものがベース・アップになるのであります。数字の上で申し上げますと、一万四千九十五円というのが、一万五千五百四十三円、すなわち一千四百四十八円増額になる、こういう計算にいたしておるのでございます。これは国家公務員の九・四の引上げと比較いたしまして、よけい引上げられるかつこうでございますが、これは学歴構成あるいは扶養家族数の多いといつたようなことから、かような結果になつて来ておると、私ども考えておるのであります。
#39
○受田委員 今お説の中にありました義務教育職員以外の地方公務員に対する給与実績と、それから実際中央から交付せられる算定基礎になる給与との間に、実際今日なお幾らの開きがあるか、非常に縮まつたというお言葉でありましたが、幾らに現在縮まつておるのか、これをはつきりした数字でお答えいただきたいのであります。
#40
○鈴木政府委員 大体都道府県の職員につきましては六百二十九円、市町村の職員につきましては八百二十三円という計算が出ておるのでありますが、大体そういうわけであります。
#41
○受田委員 この数字は給与実績が国家公務員の算定基礎となる給与と、これだけほど高いということになるわけですね。そういうことになりますと、この差額に対する国家の補償がない限り、地方はその差額に対する財政負担を当然しなければならないことになりますが、この点について地方財政に対する一つの圧迫が起るという結論になると断定してよろしゆうございますか。それが第一と、それから今ちよつとお言葉に出た教員の給与三本建の問題ですが、これは去る夏の国会で突如として国会を通過したのでありますが、いよいよ二十九年一月からこれは実施ということになります。ところが地方の実情からいつて、ことに各府県の教育委員会――市町村の教育委員会もさようでありますが、この教員の給与の三本建によつて、人事の交流等に非常に大きな支障が来されておる。教育尊重の度合いにおいても差等がつけられておるという非難があるということにおいて、府県によつてはこの給与三本建の中央の措置に伴う条例を設けることを、躊躇しておるところさえもあると聞いております。こういう点において自治庁に報告されておるところの各府県の給与三本建に対する受入れ態勢の状況もお伺い申し上げたい。
 その次は高等学校の教員に対する特別措置がなされる結果、平衡交付金において何がしの単位費用を、増額されるように用意されておるか、この三つをお尋ね申し上げたいと思います。
#42
○鈴木政府委員 今の給与の比較論でございますが、これは財政計画上の、かつてありました数字を基礎にいたしまして、それとただ形式的に比較いたしますと、先ほど申し上げましたような数字になるということであります。給与費全体といたしましては、さような単価と、職員数との相乗積によつて給与費が出て来るわけでございますから、単純に単価の比較のみでなく、そういう全体の給与費の上で、はたしてどうかという問題になつて来るわけでございますが、しかし平衡交付金制度という建前は、あくまでも義務教育費半額国庫負担という制度とは違うわけでございますから、これはあるべき地方の財政需要に対して、あるべき地方の財政収入というものを見まして、その差額を平衡交付金という形で補填する、こういう形になつておりますので、それが実際上の経費とそこに開きが出て参りましても、これはむしろ平衡交付金制度としては当然の建前であります。ただそれがどの程度の実際の開きになるということならば、これはやむを得ない、どの程度ならばそれは調整しなければならぬ、こういう問題になつて来るだろうと思うのであります。きちつと形式通りに足らぬ分が必ずこうだ、こういうこともなかなか右から左とは言い得ないのじやないかと思うのであります。
 それから給与三本建と申しますか、高等学校の教員の関係の調整の問題でありますが、これはすでに地方財政計画におきましては、三億六十万織り込んで計算をいたしております。それを今回期末手当、ベース・アップの給与費の改訂にあたりまして、高等学校教育の給与費の単価増の改訂を加えることによりまして、先ほど申しました地方財政平衡交付金法の改正法案を提出しようということでございまして、平衡交付金法の改正案の中には、今の三本建に要する経費を、単位費用として当然に見込むことに相なつておるのであります。そういうものを明日提案できるかと考えております。
#43
○受田委員 いま一つ地方公務員の国家公務員との給与差という点でありまするが、府県によつては一斉増その他の措置によつて、相当高いところの給与になつておる府県もあるし、また府県によつては非常に低い線にある県もある。こういうものの調整を、自治庁としてはどういうふうにとられようとしておるのか、この点をお聞きしたい。と同時に給与の高い府県に対しては、地方財政の状況がゆたかであるからというので、非常に低く切り下げた一般的な基準でこれを処置して、実際に職員を優遇しつつある府県は、財政的な圧迫を受けるという結果になつておることを十分検討して、お答えいただきたいのであります。
#44
○鈴木政府委員 今の地方団体といたしましては、それぞれ団体の自主性によつて、地方公務員に対する給与をやつておるわけでございますから、これはもうでこぼこがございますことは不可避でございます。現に自治庁といたしましても、それぞれの地方団体の財政の調査をいたします際に、やはり給与の問題が非常に財政の経費の中で占める比重が大きいわけであります。その点を特に調査いたしておりますが、やはりずいぶん団体によつては開きがあります。しかしこれは地方公務員法の建前といたしましては、国家公務員なり、生計費なりあるいは民間の同種従業者の給与等々を考えて、権衡を失しないようにやらなければならぬという基本原則はうたつてございますが、それをいかに具体化するかということは、各団体の条例あるいは人事委員会の勧告に基きます予算あるいは条例等の内容によつて、結局きまつて来るわけでございまして、この点は特に給与統制法とかそういつたような国家として統制する方式がございません限りは、これを特に調整をするということは困難でございます。ただ財源上の問題といたしましては、地方財政平衡交付金という制度によりまして、いかなる団体に対しても一定の方式によつて給与の財政需要を算定する、そうして税との関係でその財源を保証する、こういうことになつておるわけでございますから、これによつて間接的には給与の調整がある程度はかり得ると思つております。事実でこぼこのあります団体におきましては、だんだんさような数字に近づけるように努力をしておるということは事実でございます。ただ給与でございますから、一挙にすぐあるべき給与の線まで持つて行くということは、これは不可能であります。相当長い年月をその調整には要するのではないかと考えております。
#45
○受田委員 最後に一つ今の御答弁に関連するのですけれども、先ほどお答えいただかなかつたことですが、地方の義務教育学校の職員と、それから高等学校の職員、そうした学校種別による俸給差というものが設けられましたので、それに伴う地方の実情がその受入れ態勢において満足しておるか、あるいは三本建は非常な弊害が伴うておるという実情の報告が来ておるか、こういう点のお答えがなかつたわけですが、まずその実情を伺つて――今度の給与法の改正案も出ておりますので、これに対してこういう改正案はいかぬ、これは元にもどさなければいかぬということが、すでにここに生ずるわけであります。その点特に実情を御報告願いたい。
 それから今三億六千万円の予算の配分についての御答弁があつたわけですが、この三億六千万円というものは、給与三本建に全部使うことに計算をしておられるのか、あるいは実際は三億六千万円は三本建の方に行くのでなくして、でこぼこ是正の方に、そのうちの幾らかがまわることにしてあるのか、はつきりした数字をひとつ示していただいて、御答弁いただきたいのであります。
#46
○鈴木政府委員 給与の三本建を地方として受入れるのに困難の実情があるかどうかということについて、地方から何か報告のようなものがあるかという点でございますが、私どもの方は特にその点について困るといつたような報告は聞いておりません。これは地方といたしましては、まだ国の財源措置が今日まではなかつたのでございまして、今回の地方財政平衡交付金法の改正によつて単位費用が改訂され、それに相応する財源が保証せられて初めて考える問題であろうと思うのでありまして、ただいまの建前から申しますならば、それを実施するに必要な財源はあると、私ども考えておるのでございます。
 それから、三億六十万円の算定でございますが、これは三本建のあの俸給表を、それぞれ級別の構成の職員に対して適用いたしまして、そうして全体の現在の高等学校教員の俸給に対する平均増加率を出しまして、それによつて平均の給与費を出し、それを基礎にして単位費用を出しまして、それを現存の単位費用の改訂の単位費用にするわけであります。従いまして、そういう国の高等学校教員の俸給表を基礎にして行う、こういうふうに御承知を願います。
#47
○受田委員 ちよつと今回の問題で、第一線の団体ではこの三本建に対して、何ら受入れ態勢において支障ない、喜んでこれを受けておるようであるという意味の御答弁だと思うのですが、この点については府県の教育委員会、市町村の教育委員会等あげて猛反対をしている事実は、自治庁としても御承知であろうと思います。そして府県によつては、これに伴う条例の設定についても躊躇しておるという事実は、幾つも私は報告を聞いておる。こういうことを喜んで受入れておるのだというような報告は、はたはだ私は実情に即していないと思うのです。いま一度三本建に伴う各府県の受入れ態勢に関する詳細なえる資料の御提供をいただいて、われわれはこれを検討して、この給与法改正案に対する審査の標準にしたいと思いますので、各府県別の三本建受入れ態勢の状況を御報告願いたい。
 それからもう一つは、今三億六千万円が全部三本建に使われるようなお説があつたのですけれども、われわれの計算によると、この三本建に伴うところの給与改訂に要する費用は、二億円をちよつと越える程度であると思います。従つてあとの一億円ばかりというものは当然余る金なのでありまして、自治庁といたしましてその三億六千万円を、全部三本建に使うということにしておられるとするならば、その計算においてはなはだわれわれとしては解せない点があると思うのです。この点についても、実際に三本建を実施するのに、幾らの予算がいるのかということを、これまた詳細に細料として御提出をいただきたい。
 そしてもう一つは、さつき次長さんが仰せられた言葉の中にある三十一億の地方税その他の増収入に伴うところの金額でありますが、これは今いろいろ例をあげられましなが、自動車税とか電気ガス税あるいは住民税が幾らふえるとか、固定資産税が幾らふえるということでありましたけれども、全体の増収入である五十四億、それからべース・アツプにまわす二十一億というものに対して、とにかくこの財源というものは、どれに幾ら財源の増加を見積つておるのだという的確な数字をこれまた御提出いただいたならば、非常に仕合せだと思います。この点もあわせてお願い申し上げておきます。
#48
○川島委員長 森三樹二君。
#49
○森(三)委員 ちよつとお尋ねしますが、ぺース・アップに伴う平衡交付金七十六億、それから二十一億が地方の税収入になつておる。この地方の税収入にまつという点は、非常に私は重大だと思うのです。われわれは実際各地方の実情を調べておりますと、まつたく地方税としても、もう税を吸い上げる実情になつておらない。非常に困つておるというのが実情であります。そこで自治庁としてはいろいろ御説明をしておりますが、私の受取つたのは、七十六億だけは出してやるけれども、あとは出せないからお前たちかつてにしろというように聞きとれてしかたがない。それにつきまして、あなた方は税収入の数字というものはどういう根拠に基いて――二十一億程度の増収があるだろうということを見込んで、七十六億の平衡交付金を出すというのか、七十六億しか平衡交付金を出せないから、あとの二十一億は税収入によつて、かつてにまかなえというのか、その辺はどういうことになつているのですか。
#50
○鈴木政府委員 地方税は大体地方団体の財政でございますから、必要な財政重要というものは、まず自己の税金をもつてまかなうというのが大原則でございます。地方税について増収が見込み得るというこの増収は、先ほど来繰返し申し上げますように、国の法人税が、これは法人がみずから法人事業税を申告納付するわけでありますから、当然にふえて参るわけであります。この間は全然間然するところがたいと思います。また法人税割につきましても、これは法人税の程度によりますと、それの一二%というものが当然に入つて来るわけでございますから、これらも国に実際さように入つて来たということになりますと、これはもう入らないというわけに行かぬ、事実入つて来るわけでございます。その他償却資産にいたしましても、いずれも最近の実績に応じまして、それぞれ明らかにたりました数字によつて、税の増収を見込んだわけでございまして、その税の増収が現実にございまするならば、地方財政計画というものはそれに応じて改訂せざるを得ないわけであります。そこで今回の給与の所要財源といたしましては、さような税の増収をもつて見込み得る以外のものは、これは平衡交付金をもつてまかなう、こういうことにいたしたわけであります。ただ地方財政計画としては、給与費だけを別に考えているわけではございませんので、先ほど来由しまするように、来年度約五十万人の新制中学の生徒がふえる関係で、急遽学校をつくらなければならない。そういう関係の経費が二十億とか、あるいは行政協定関係の道路の特別舗装に要する経費の十億というようなものが地方の負担になるのであります。その他にも若干こまかいものがございますが、そういう新しく財政需要として出て参りました全体の所要経費に対して、先ほど申し上げました税の増収をまず第一次に充てるわけであります。それで足らないところは、その性質によりまして――学校の建築とか、道路の舗装とかいうことは、これは事業費でございますから、起債をもつて充てる。給与というものはこれは経常的な経費でございますから、平衡交付金というようないわゆる一般財源をもつて充てる、こういうことになるわけであります。そこで先ほど申し上げましたように、今回としては必要な経費に対しまして税の増収を五十四億見込み、平衡交付金を七十六億、起債を十五億、こういう総体の財源をもつて、給与費やその他の地方財政として新しく出て参つた財政需要全体をまかなつて行こう、こういうのであります。特別に給与の財源として何が幾ら、かにが幾ら、こういうふうには参らぬわけであります。ただ先ほど説明の便宜上、平衡交付金を全部給与に充てた場合には税として二十一億はどうしても充てなければならぬ、こういうことを申し上げたわけでありますが、実際の財政計画の建前といたしましては、第一次に税を考え、足らぬところを平衡交付金なり、起債でまかなうというのが当然のことであると考えます。
#51
○森(三)委員 そうしますとあなた方自治庁としては、各府県の実情等も調査され、今年の風水害その他冷害の実情等も勘案されて、どの府県ではどれだけの税収があるというような調査までなさつておるのですか。われわれは府県の実情において赤字の累積が、非常に増大しておるように調査しておるのですが、あなた方の調査によると二十一億の税収があるという。その点は非常に認識の相違だと考えるのですが、そういう税収を見込んでこのべース・アツプの予算化をしようというようなお考えは非常に危険ではないか。私どもは地方へ行つてみますと、ベース・アップのありました場合、そのために地方財政が圧迫されて困るということを間かされておるのです。従いまして、私は心配でなりませんので、こうした質問を申し上げておるのですが、各府県の実情に十分即された調査の上に立つて、こうしたところの税収をお考えになつておるのかどうか、その点をお尋ねいたします。
#52
○鈴木政府委員 各地方団体の本年度の締めくくりというような意味での財政の調査ということは、先ほど来申し上げますように来年の二月に特別平衡交付金を交付するのであります。この特別平衡交付金は百億余りあるわけでございますが、それを交付いたしますときには、それぞれ一定の税収の見積りの一般基準から申して、その団体ではとうていそういう税金が入つて来ない。たとえば災害のために減免したから、それだけ入つて来ないというようなものを補填いたしますとか、あるいは一般の基準で各団体を通じては必要な経費とはならないけれども、その団体だけに、どうしても特別に出さなければならない重要な経費である、しかもそれが、その団体が無理に、かつてに出した経費ではなくて、出さなければならぬ客観的な理由のある経費である、こういつたようなものがありますと、そういうものに対してそれを補填するような意味で、特別平衡交付金を配分するわけであります。そこで結局その特別平衡交付金を配分いたしますのには、それぞれの事由について、各地方団体全部にわたつて調査をするのであります。自治庁では大体都道府県を中心にいたしますが、各府県が市町村全体について調査をいたしますので、その調査の結果の事実に基きまして、総体的に裏打ちする意味において特別平衡交付金を交付することになるのであります。それによつて相当程度のいわゆる財源の補填ができるのではないかと私は考えております。ただ全的に地方財政は決して楽ではない、非に赤字にあえいでおるということは体実でございます。ことに年度の途中常において、かようなベース・アップが事あるということは、地方財政に対してそれが当初の計画を変更せざるを得ない破目に陥らしむることになるわけでありますから、確かにそういう点では地方財政に圧迫を加えることは事実であります。従つて年度当初の計画から、そういうベース・アップならベース・アップが行われるという方が、地方財政としてはやりやすいのでありますけれども、しかしこれはまた別の理由でベース・アップを行う、こういうことでありますならば、やはりそれに見合つた地方財政の調整を行うということも、先ほど来の政府のいたしました財源措置によつて可能であろうと私は思うのであります。もちろん一部のある団体でありますから、個々の団体から見ますと、あるいは非常に苦しいところも出て来るかと存じますが、それは今申しましたように来年二月に行われる財源措置で、ある程度調整ができるのではないかというふうに考えております。
#53
○森(三)委員 時間がありませんからこれで最後にしますけれども、そうしますと各地方の実情をお調べになつて、そうして大体平衡交付金として七十六億出してやるということになつたのではないかと私は思います。ただ現在のところ大まかにこれくらいは自然増収があるだろうというようなお考えで、私はやつておられるのではないかと思うのです。もつと地方的に各府県の数字を出されて、どの府県ではどれだけの自然増収があるということを、ちやんとお調べになつて、そうしてこうした数字をお出しになつたのではないように思いますが、もしそうだとすれば、今後非常に混乱が起きるのではないかと思う。やはりあなた方がこうした数字を御発表になるとすれば、各府県の実情によつてデータをとつて、各府県の負担がこれだけできるという基礎に立つて、この数字が出て来なければならぬと思うのですが、その点はいかがですか。
#54
○鈴木政府委員 ただいまの点、特に誤解がないように申し上げておきたいと思いますが、平衡交付金は、現実に各地方団体で生じた赤字を補填するという制度ではないのでございます。たとえば道路の面積がその県で幾らある、あるいは学校は基準で参りまして幾らある、あるいは児童数が幾らある、こういつたような客観的なデータに基いて、所要のあるべき経費を算定いたしまして、一方また収入につきましても、同様な方式であるべき収入を算定いたしまして、その差額を出すのであります。そういう計算をいたしますために必要なデーターは、これは各府県、市町村から漏れなくとつておるのであります。そういうものに基きまして、普通平衡交付金を交付するわけでございまして、現実に各地方団体の財政を、一々国が調査してやるということは、とうてい不可能であります。そういうふうな一般的な基準に基いて交付する。一般的な基準に立つて給与の改善をするならば、それに必要な財源を補償する、こういう方式でやつておるのでございますから、すべて一々調査した上でやるという建前ではないのでございます。
#55
○森(三)委員 一応留保しておきます。
#56
○川島委員長 休憩いたしまして、午後一時半から再開いたします。
    午後零時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十九分開議
#57
○赤城委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 両法案につき審議を継続いたします。岡良一君。
#58
○岡委員 私は淺井人事院総裁にお伺いをいたしたいというものでありますが、昨日の給与局長に対する私の質疑またお答えと、多少重複のきらいがあることはあらかじめ御了承を願いたいと思います。と同時にまた私どもは人事院総裁という立場は、国家公務員がその基本的な権利を返上されている対価として、その身分なりあるいは生活についての保障に任ずる責任があることは、法律においても明らかになつておると承知いたしておりまするので、その立場から、単に政府のとつた態度に対して、批評することは好ましくないというような考え方ではなく、むしろやはり勧告を出した以上は、勧告の実施に対しても十分道義的な責任を感ずるという立場から、率直な御答弁を煩わしたいと思います。
 そこでまず第一点としてお伺いをいたしたいことは、人事院勧告が七月十八日に出されまして、なお今次改正案が今国会に御提出をされておるのでありますが、人事院としては、政府がかかる改正法律案を提出されるまでの過程において、人事院と政府間において何らかの話合いがあり、あるいはまた了解を与えられたというふうな事実があるかどうか。この点をまずお伺いをいたします。
#59
○淺井政府委員 お尋ねの御趣旨は、勧告の実施が遅れたということに対して、何か了解があるかというように承つたのでありますが、さようなことはございません。
#60
○岡委員 そうではないのであります。七月十八日に人事院が勧告を出されましてから、その勧告の趣旨を取入れて、人事院の勧告を尊重してと提案理由の説明にもうたわれておるような今次改政案が、いよいよ成案として決定いたすまでの間において、人事院と政府間において何らか事前に御了解に関する工作があつたかどうか、また了解を与えられたかどうか、この点を承つておきます。
#61
○淺井政府委員 人事院といたしましては、すでに勧告をいたしており、この勧告がなるべくすみやかに実施されることを要望いたしておるのでございまして、内閣といたしましては、その点を考慮せられて今回の御処置になつたと思うのでありますが、内閣及び人事院の事務当局間におきましては、この国会に出まする法律案の内容については、いろいろ打合せがなつたのでございます。
#62
○岡委員 それでは人事院総裁としての淺井総裁にお伺いをいたしたいのでありますが、私どもはこの改正案と七月十八日の人事院の勧告の内容、趣旨等とは、非常に大きな開きが実はあるというように感じておるのであります。またこの開きについての政府当局のいろないろ御答弁についても、正直のところことごとく不満を感じておるのであります。
 それはさておきまして、それでは逐次お尋ねをいたしたいのでありますが、人事院が三月一日において、あるいは国家公務員の生計費指数であるとか、あるいは民間産業に従事しておる人たちの毎月勧労統計であるとか、あるいは消費物価の指数の動きであるとか、かかる事情を勘案されて、三月一日付において、国家公務員の給与の毎月の平均は一万五千四百八十円と推定される、こういうふうに書いてありますが、その前にはそれぞれの職に応じ、またその階層に応じてのいわゆる俸給表が提示されております。そこでお伺いをいたしたいことは、人事院としては、あの俸給表の実施を勧告されたものであり、その説明として、この俸給表を実施した場合においては、三月一付における国家公務員の給与の平均月額が、たまたま一万五千四百八十円になるのである。俸給表の実施に重点を置いておられるものと、私どもは承知しておるのでありますが、その点についての御見解はいかがでしようか。
#63
○淺井政府委員 それは昨日局長からもお答えを申したと存じますが、御説の通りでございます。
#64
○岡委員 昨日給与局長からのお話によりますと、すでにこの十二月においても、国家公務員の給与の平均月額は一万四千円を上まわつておる。しかも人事院があの俸給表をもつて政府に勧告された諸条件、いわゆる消費物価の指数とか、生計費指数とか、毎月勤労統計などを勘案するならば、来年一月一日においての国家公務員の給与というものの平均月額は、一万六千余円になる、こういう御説明があつたのでありますが、人事院総裁は、その点は御了承いただけるでしようか。
#65
○淺井政府委員 来年一月一日ごろにおきまして御説の通りそれくらいな額になろうと思つております。これも局長が昨日申した通りであろうと思つております。ただこれはその間における昇給を考えて申しておるのでございましよう。つまりその後における物価の変動等は、その条件の中に入つていないのではなかろうかと思つております。
#66
○岡委員 ちよつとその給与局長にお尋ねいたしますが、私どもは給与の改訂というものと昇給というものは、別な気持で考えておるわけでございますが、昨日の御答弁によると一万六千余円というものは、昇給を含めての一万六千余円という数字でございますか。
#67
○瀧本政府委員 国家公務員は現行給与法によりまして、俸給表が定められておりますが、また同時に昇給も定められております。その給与法が適用されまするならば、定期昇給期に相当いたす者もあるわけであります。このようにいたしまして、平均的に公務員は昇給いたしておりますが、昨日私が答えましたことは、人事院が勧告いたしました俸給表を来年一月一日現在で――すでに昇給しまして号俸の高くなつておる者もあるわけでありますから、級別、号別の人員の分布はかわつて来ております。そういう状況のもとにおいて俸給表を適用いたしてみますならば、その平均はおそらくは一万六千余円になるであろう、こういうことを申し上げたわけであります。
#68
○岡委員 それでは重ねてお伺いをいたしますが、昨日御答弁の一万六千余円という数字は、人事院の勧告の基礎として、御採用になつておられるところのたとえば毎月勤労統計とか、生計費指数とか、あるいは消費物価指数というふうなものの三月一日以後における動向を勘案しての一万六千余円ということではないとおつしやるのでございますか。
#69
○瀧本政府委員 昨日も御質問が、そういう趣旨でごさいましたが、私がお答え申し上げましたことは、本日申し上げておることと同様のことを申し上げておるのでありまして、われわれが勧告いたしました俸給表というものを作成いたしまする場合には民間給与なり、本年三月当時における生計費の状況を勘案いたしまして、本年三月現在に適用するような俸給表をつくつたのであります。この俸給表を来年一月現在で適用してみれば、一万六千余円になるということを申し上げたのでありまして、三月以後におきまして生計費の上りがとうであるとか、あるいは民間給与がどうであるとか、その指数を勘案するという趣旨ではないのであります。
#70
○岡委員 私どもの調査したところによると、大体本年の一月で平均の昇給は六百円と推定されておるのでありますが、そういたしますと、一万五千四百八十円プラス六百円ということで、全部昇給でもつてこの一万六千云々という数字は解消をされるような結果に相なつて来て、そうなると何もすぐに改訂をしなくても昇給でまかなえるというふうな論理が成立するという矛盾を感ずるのでありますが、その点数字的にいかがでしようか。
#71
○瀧本政府委員 一万五千四百八十円を本年三月現在でかりに実現いたすといたしますならば、その当時の平均給よりもこれは十三・九%上昇になるであろうというように考えます。それで現行給与法におきまして本年三月現在から、来年の一月現在までにただいま仰せのように、六百円程度の昇給がございまして、それが来年の一月現在では、おそらくは一万四千百円ないし二百円程度に相成なるで走りましよう。これを基礎に申しますならば、一万六千円何ぼというものは、これはおおむね十三・九%の上昇に相なる。このような関係があろうと思うのであります。
#72
○岡委員 私も数字の点は、もう少し考えてからお尋ねをしたいと思います。
 次に総裁にお伺いいたしたいのでありますが、今度の給与法の改正については、実は御存じのように地域給が一級地及び零給地については、これを全部一級地並に引上げて、一律本俸に繰入れるということになつております。この関係を考えますと、かりに一万五千四百八十円というベースといたしましても、おおむね国家公務員の処遇については、この繰入れ部分だけがマイナスになつているような感じが実はいたすのでありますが、その点はいかがでしようか。
#73
○淺井政府委員 そのマイナスというお言葉にちよつと問題があると思うのでございまするが、人事院の勧告にいたしましても、このたびの政府の処置にいたしましても、ともかくそれは来年の一月一日におきまして、勧告のあの一万五千四百八十円になる、その点については間違いがないのでございます。ただそのベースの中身で、ただいまの問題が起きるのでございますが、この政府案では、つまり五分だけ本俸へ繰入れておるわけでございます。でございますから、それだけ本俸はふえ、それだけ地域給の方が減つておる。ベースの全額といたしましてはかわりはありません。結局本俸でふやしてあるか、地域給でふやしてあるかということになるのでございまして、これは結局金を右のポケットへ入れておくか、左のポケットへ入れておくかということの違いのように思つてあります。
#74
○岡委員 私は公務員の基本給に対する考え方で、今の給与局長なり総裁のお考えが、どうも納得できないのです。一三%強の昇給、その昇給を必要とせられる理由は、先ほど申しましたような諸要因によつて必要となつた。ところがそれが今日すでに六百円ばかりの昇給がある。これは何パーセントになりますか、それを引くと九・何パーセントくらいになる。そこへまたほとんど五%に近いものが、地域給として受取る部分が滅つて来るというようなことになつて来ると、基本給というものは何といたしましても十三・九%マイナスの五%プラス現行給与で割つた六百円、こういうことで、方程式ができると思うのですが、いかがなものでしよう。
#75
○淺井政府委員 その点でございますが、問題が二つあるように思つております。ただいま仰せの昇給の点はお説の通りであります。もし昇給の部分を見積りますれば、来年一月一日のべースはお説のように一万六千円以上になろうかと思つております。ですからその点はお説の通りでございます。ただ地域給はさらにそれから五分減つておるのではなくて、それだけ本俸に入つておるのでございますから、それはお話のいわゆるマイナスにはなつていない、かように私どもは考えております。
#76
○岡委員 入つておるところもあれば入らないところもあるような感じがしますが、これはもう少しぼくも観念を整理して行きたいと思いますが、それではこの問題についてあらためて新しい角度からお尋ねをいたしたいのは、この勧告では、人事院は地域給については、従来通りの地域区分に従つてこれを支給するということが、明文としてうたわれてあると私は承知しておる。ところが今度の改正案では、これをいわば込みに解決されようとしておる。私どもも地域給そのものに固執するものではないのです。地域給の持つておるいろいろな矛盾なり不合理というようなものは、何とかやはり改めねばならない、かねてからそういう気持を持つておりますものの、そのためにこそ衆議院にしても、あるいは参議院にいたしましても、人事委員会が地域給に関する小委員会まで設けて、そして適当な結論を出そうと努力し、従つてこの問題の解決については、法制的にも予算的にも別途に処置をしてもらいたいという意思表示もいたしております。人事院といたしましても、その勧告に盛られておる内容から見れば、地域給の問題についての合理化なり、是正なりあるいは均衡化については、別途な措置を講ぜられるという御意思がある、人事院の立場においても、衆参両院の意思表示においても、そういうことであつたにもかかわらず、今度はこれが一挙に解決をされようとしておる。そこで問題は、内容において軽重があるかどうかということは別といたしましても、そういうような取扱いをなされることは、やはり明らかに人事院勧告が無視されておるというふうにも私どもは考えておる、国会の意思表示をも無視されておるとも考えたいのであるが、この点について、いわば政府のこういう取扱いは、少くとも筋の立つた取扱いではないと、私どもは考えておるのでありますが、この点についての人事院総裁としての淺井総裁の御意見はいかがでございましようか。
#77
○淺井政府委員 御説の点まことにごもつともでございますが、人事院といたしましても、国会の両院人事委員会の申入れといたしまして、第一には、いわゆる不均衡を是正すること、第二といたしましては、ベース・アップと別途に地域給の級地を整理すること、この二つがありまして、まず人事院の従来の立場といたしましては、第一には、どうしてもアンバランスを是正をしなければならないじやないか、そうしてその次に段階を四段階にする、あるいは三段階にする、こういう作業をするという心構えでやつて来たわけでございます。しかし人事院といたしましても、この級地を整理いたすことについては、これは決して反対じやないので、これはいつかやらなきやならぬ問題と考えておつた次第でございます。それが今度の政府案においては、順序が逆になつて先に本俸へ繰入れられまして、アンバランスの是正が残つておる。こういう状態になつておるのでございますから、われわれの従来やろうとしておつたこととちよつと反対になりました。しかしながらこの級地の整理そのものについては、人事院といたしまして何も反対する理由はない。ことにこれは本俸へ繰入れるのであつて、切り捨てるのではないのでございます。
#78
○岡委員 その次に人事院給裁の率直な御意見を承りたい。これはきのう問題にしておつたのでありますが、人事院の勧告によれば、お盆の手当と暮れの手当はそれぞれ〇・七五、同率が明示されておつたわけなんです。ところがこの改正案を見れば、盆は〇・七五であるが、今度は、総額としてはなるほど勤勉手当を増額いたしまして一・二五になつておりますが、しかし期末手当としては〇・五ということになつております。私どもはきのうも力説しておつたのですが、社会通念上、お正月と募れを控えておる国家公務員の状態から見れば、何といつて生活資金の要求は暮れにおいて非常に大きなウエートを持つておることは、常識上考えられると思うのであります。してみれば、当然法制的にもやはり期末手当は盆の手当を上まわるように、少くとも〇・七五なりを上まわるものを、私どもは数字として法律の上に明記するというのが常識だと思うのでありますが、これが逆にたつておる。この点は非常に遺憾に思うのでありますが、少くとも同率にせよという勧告を出された人事院といたしまして、こういう取扱いについて、あるいは事務当局の間で何か話合いがあつたというふうなこともお聞きいたしますけれども、人事院総裁として、こういうような不条理な取扱いについては、どう思われますか。
#79
○淺井政府委員 この問題につきましては、年間を通して二箇月、この点は人事院の勧告も政府の提出案も同じでございます。ただその中身におきまして、期末手当と勤勉手当との割合が御承知のような点がございます。しかし夏期には〇・七五、年末には一・二五、この点は異なつていないように思うのでございますが、要するに勤勉手当と申しましても、期末手当と申しましても、結局実際の運営の上におきましては、あまり違いはないように心得ております。
#80
○岡委員 淺井総裁はきわめて措辞の要を心得えておられるので、私どもあまりつつ込んでお尋ねする余地もないような気もいたすのでございますが、ただ申し上げたいことは、従来とも人事院の勧告というものに対しては、国家公務員は非常に大きな希望と期待をかけておる。ところがその勧告の時期といい、あるいはまたその勧告の実施に対する政府の態度といい、そうしてまた人事院としても、やはり勧告の出しつぱなしでは私は済むまいと思うのです。やはり勧告が実際に行われるように、その点に人事院としても、少くとも道義的な責任があろうと思うのでありますが、そういう点においての人事院の従来の態度が、私は何となく納得できかねると申しましようか、不安である。またこの法律案についての私のさつきからの質疑に対する総裁のお答えを聞いておつても、こう申してははなはだ失礼ですが、何か政府との間に一種の談合があるような印象を受けてしかたがないのであります。こういうことでは人事院の本来の権限といいましようか、自主性といいましようか、こういうものがまことに遺憾な姿になるのではないかと、非常な懸念を実は感ずるのでございますが、この点人事院は、やはり国家公務員が基本的な権利を返上せしめられている対価として設けられた身分なり生活の保障について、十分その責めに任ずべき権限と責任がある。この立場における人事院の自主性というものについて――きようも新聞を拝見いたしますると、総裁は再びまた人事官として国会の承認を与えられ、総裁としておいでになるような空気のようにも承知をいたしておるのですが、この機会に私どもの気持を率直に申し上げて、今後における総裁としての御所信を承りたい。
#81
○淺井政府委員 まことにごもつともでございまして、われわれその点おしかりを受けて恐縮するわけでありますが、ただ一つ御了解を願つておきたいと思いますることは、この人事院の勧告はなぜ出しつぱなしになるかという点でございますけれども、われわれは、ただ公務員の給与がいかにあるべきかということを、なるべく科学的に把握するような勧告になつておりますので、財政上それが可能か不可能かということについては、全然われわれの権限外になつて来るわけでございます。この点は内閣、国会にまかせるよりほかしかたがないのが現行制度でございますから、従つて、財政上からどうしてもこの人事院の勧告が完全に実施できないということは、われわれは非常に残念に思つている点で、どうもこれは現行制度上いたしかたがないかとも思つております。ただわれわれは、決してそれがために拱手傍観しておるものではないのあでりまして、人事院として、われわれのできることは十分いたしておるつもりであり、これからもそのつもりでおります。
#82
○岡委員 勧告に基く財政的な措置は、政府なり国会がいたすということはなるほどおつしやる通りでありますが、しかし、たとえば勧告の時期等にいたしましても、きわめて妥当でない時期に、それが出されることによつて、非常に公務員の期待を裏切つておるということも、総裁はよく御存じだろうと思う。財政的、予算的な問題は私どもが審議の任には当りますけれども、しかし、われわれが十分に審議し得るだけの適当なる機会に勧告が発せられるということも、やはりこれは非常に重要なことだと思いまするので、どうかこういう点を今後ともなるべく十分に御留意いただきたいということを、最後に心からお願い申し上げまして、私の質問を終りたいと思います。
#83
○赤城委員長代理 加賀田進君。
#84
○加賀田委員 具体的な質問に入る前に、人事院総裁でも給与局長でもけつこうですが、お伺いをいたしますが、今次の勧告は、いわゆる新しく俸給表をつくるということ、あるいは期末手当、勤勉手当を年を通じて二箇月にすること、その他俸給表を五種類を八種類にすること等いろいろございますけれども、こうした問題をここに区分して考えるのではなく、人事院としては、総合的な見地の上に立つて、極端に言えば、不可分な条件として、これらの総合的なものを出されておるものと考えておりますけれども、人事院としてはさよう考えておるかどうか伺いたい。
#85
○淺井政府委員 一般的に申し上げれば御説の通りでございます。
#86
○加賀田委員 そこで政府の田中副長官にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、人事院の提出いたしました俸給表の現俸給月額と新俸給月額と、政府の今次出されて参りましたものの中でことに異なつておるのは、七十一号俸以上が非常に少くなつております。これは御存じの過りだと思うのですが、これは国家財政上人事院勧告を完全に実施できない現状において、特に高級職員はその犠牲を多くしなくちやならないという気持から、こういう形のものが出されたのかどうかということを、質問いたしたいと思います。
#87
○田中政府委員 大体においてお話の通り、財政上の事情が許しますならば、努めて公務員の給与も一般的に増給いたしたいと思うのでありますが、それも制約を受けておりますし、しかもただいまの生計費指数あるいはその他の点から考えましても、まず、ごく上級の職員につきましては努めて遠慮をしていただいて、わくのきまつた財源のうちから、相当生活上の点から考慮を必要といたしまする職員の方に、これを振向けたい、こういう実情でございます。
#88
○加賀田委員 それはちようどこの政府の出された案の中で、人事院勧告を実施しているかのごとき感覚を大衆に与えて、事実は地域給の一階級を切り捨てるという内容を含んだ、まつたく人事院勧告を無視しているような状態であるのと同じような形のものを、この新しく出された俸給表の中に私は見出せると思うのです。具体的に指摘いたしますれば、今人事院の方では、この勧告の内容というものは単なる新しい俸給表だけを、あるいは期末手当の問題だけを切り離して、この勧告というものが出されたのではなくして、総合的不可分の状態として関連性を持つているということで出されております。それで人事院勧告の中でいわゆる特別調整額を、今度執務手当として、従来の最高二五%を二〇%に下げるという案が、この勧告の中に出されております。しかるに政府は、従来と同じように二五%にすえ置こうとしております。この点はお認めになりますか。
#89
○田中政府委員 お話の通りでございます。
#90
○加賀田委員 従来の特別調整額は、私はここに資料を持つておりますけれども、ほとんど本庁関係の課長以上は甲職として二五%を適用されているのです。なお乙の方は一八%になつておりますけれども、こういうようにして、人事院勧告の二〇%に引下げるというこの特別調整額は、やはりこの新しい俸給表との関連性の上に立つて出されていると思うのです。ただ、高給職員の給与を引下げてでも、できるだけ人事院勧告に近い線で、下の方に厚く持つて行きたいという説明でありましたけれども、この高級職員の五%というのは厖大な金額になるわけです。わずかに千円や千二百円あるいは二千円人事院勧告よりも高級職員の俸給を引下げておるのでございますけれども、この厖大な、本俸に適用されるという五%の金をそのまま適用しているということは、これは中だるみを是正するというよりも――もちろん現在ペースとして、その中に含まれている俸給並びに地域給、あるいは扶養手当、この三つの限定の上に立つては、私は中だるみは是正されていると思うのです。しかし総額的な俸給の中に立つて考えるときに、この五%というものは人事院勧告よりもプラスされているという現状、そうして人事院勧告の中で、たとえば千円なら千円を下まわる金額を呈示されたとしても、この五%というものは、おそらく四千円や五千円の価額になるのじやないかと思うのです。こういうような意味で、俸給表の中では上の方は遠慮しておるというような感覚を大衆に与えて、全般的な給与の内容に対しては増額しているというのが、この政府の提案された案の内容なんです。この点どうなんですか。
#91
○田中政府委員 ちようどお話の中にあつたのでございますが、この上級者の部分につきまして、かりに五%なり三%の割合をとつてみても、相当の額になるんだというお話があつたのでございまするが、そういう点も考えまして、実は今度この処置をとつたのであります。それは皆合さんごらんの通りに、上級者の給与の上りはごく少くいたしましたことは、先ほどお話申し上げた通りでありまするが、一方に上級者に対します地域給は、二五%のものが五%本俸に繰入れるという本来の形からいいますると、二割になります。つまり地域給において、五%を減ずるわけでございます。しかも本俸の上りは、ただいまごらんの通りの数字でございます。従いましてこの上級者におきまする地域給の減、二割五分から二割へ減というふうな点で、上級者に支給される額が減つて参りました。従いまして、実際において、かりにただいまの二五%を二〇%にいたしますると、従来よりも支給額が減つて来る者が出て来たのでございます。従いまして、人事院の勧告には二〇%になつておりましたが、私どもとしましては、そういうふうに、ほかの者が上つて行く際において、今までよりも給料が下るというような奇現象をなくするために、このパーセンテージをそのまま置いておいた次第でございます。
#92
○加賀田委員 本俸がわずかでも増額されるために実収入が減るこることはないと私は思います。いわゆる増額された金額だけの百%が税収入であり、それ以上百数十パーセントの税金をとられるという現象は起つて来ないと思うのであります。従つて、増額された金額の多くがとられるという現象は起ると思いますが、私は一つの具体的な実例をあげて御説明を申し上げます。数字の問題ですから御記入を願いたいと思います。人事院勧告と政府との間のいわゆる金額的に引下げられているところは、七十一号俸以下だと思うのです。八十二号俸までずつと引下げておりますが、たとえばこの中心をとつて七十六号俸を対象として考えてみますると、こういう現象が起ります。現在の俸給は五万六千七百円です。人事院勧告ではその五万六千七百円が六万二千百円になつております。従つて、五千四百円の増額になるわけす。政府が提出されたのは、五万六千七百円が六万九百円になつております。その増額分は四千二百円です。従つて、五千四百円と四千二百円との差額の千二百円だけ、人事院勧告が政府案では下げられておるということになるわけです。ところが逆に、二〇%と二五%の差額の五%を計算して参りますと、三千四十五円ということになります。従つて千二百円引下げられておつて、五%の三千四十五円がそのままであるということは、この点を取上げてみますと、人事院勧告よりも千八百四十五円多いということになります。とういう現象が現在起つて参つております。従つて私は、今ベースを問題として論争されておりますけれども、やはり生活というものはベースだけではなくて、総額的な俸給袋の中に入る金額というものが、生活に大きな影響をもたらすものだと思います。にもかかわらず、俸給表では中堅を擁護して上を削つたんだという印象を与えながらも、俸給袋の中では、実質的に高級職員が多くの金をとつているという現実です。こういうようなインチキな、いわば欺滿的な政策というものが、この中に含まれているわけです。従つて私はもし今説明された通り高級職員が、今度人事院勧告が完全突施されていないという現状にかんがみ、できるだけ多くの犠牲を払つて、下に与えなければならぬという気持で、この俸給表を出されたとするならば、人事院勧告と同じように、今次の特別調整額という、これは名前をかえまして、執務手当になつておりますけれども、これはやはり二〇%にかえるということを認めてこそ、今政府が説明されたように、同級職員が犠牲になつたという印象が起ると思うのですが、この点はどうでしよう。
#93
○田中政府委員 加賀田委員、から詳細数字をあげての御説明でございます。これは数字によつての同答を申し上げなくてはならないのでございますので、岸本説明員にお願いいたします。
#94
○岸本説明員 ただいま加賀田先生からも御指摘になりました人事院勧告でやつた場合の俸給表をとりまして、二〇%の調整額で参りました場合の手取額と、政府案の六万九百円で二五%で参りました場合の手取額と、その面だけを比較いたしますと、確かに若干有利であるようには考えられます。しかし先ほど官房副長官から御答弁がありましたように、勤務地手当の是正という問題も含めて反面考えておりますので、一応特別調整額はこのまますえ置いたという点もございます。さらに根本的に現在の超勤の手当の率と管理職手当と申しますか、特別調整額、それがどういうようになつているかと申しますと、これは管理職手当というものは少し得し過ぎているという印象があるのでございますが、これは管理職の俸給に対する比率というものは非常にわずかでございまして、たまたま二五%のところをおとりになつたのでそうなつたのでありますが、さらに一八%のところ、一二%のところ、こうした職員もたくさんおるのでありまして、そうしたものを平均して考えますと、決して高級職員だけが特にぼつているんだという結果にもなつていないのでありまして、これは総体の給与のバランスとして見た場合、今回は二五%にすえ置いても、それほど不合理はあるまいという判断でございます。
 それともう一つは、上だけを少しさいて、しかも実質は手取りをふやしているじやないかということでございます。いかにもそれはインチキ性を帯びているようにお尋ねでございますが、これは先ほど田中副長官から御答弁のあつた趣旨もございますから、さらにこれは技術的に考えまして、特別職の給与とのつながりもあるのでありまして、これは別途提案申し上げます特別職の給与法におきまして、認証官以上の俸給は、政府部内のいろいろの話合いもございまして、この際はすえ置こうというように話がきまつたわけでございます。そうなりますと、その振合いからは、どういたしましても、十五級職程度の俸給金額は、勧告通り参らないのでありまして、これは単なる給与技術上、上とのバランスという問題からも引下げられて来るわけでございまして、特に裏で得するために表でごまかしたというようなことはいたしてないのでございます。この点は御了承願います。
#95
○加賀田委員 これは一つの例でありますけれども、この項に適用される大蔵省関係でも金融検査官、十二級以上の者となつておりますけれども、これはやはり俸給表の中では人事院勧告と同じように下げられていないわけです。これもやはり一一五%現在もらうことになつております。従つて一般公務員は地域給の五%を切り下げられて人事院勧告が適用されている。人事院勧告の中では、この特別調整額は五%切り下げなくてはならないといつている。そういうような総合的な意味で人事院勧告が出されているにかかわらず、五%をそのまますえ置いて、そうして地域給を削つたということは、逆に言えばこの点だけは人事院勧告と同じような金額をもらうということなんです。こういうような問題が起つて来ておるわけです。もちろん大蔵省とすれば、特別に高級職員を擁護しようという意図はなかつたと説明されるけれども、擁護せんとするような現実が起つて来ておるわけです。しかももう一つお尋ねいたしたいのは、人事院勧告は総合的にこの俸給表を適用することによつて、やはりこの特別調整額は最高二〇%に押えなければならない。相当長期にわたつて詳細な調査の結果、やはりそうべきだという観点を打つておる。大蔵省の方では高級職員は二五%すえ置きだ、上の方を擁護すべきだという意見の相違があるのであります。これはやはり大蔵省として人事院勧告の案に対して、信念をもつて二五%すえ置くべきであるという形をとつておるのかどうか。なお人事院にお尋ねいたしたいのは、大蔵省のかかる見解に対して、人事院はどう考えておるかということをお尋ねいたしたいと思います。
#96
○岸本説明員 今回の給与改訂につきまして、特別調整額をすえ置いたということは、ただ大蔵省だけの見解ではないのでございまして、政府といたしまして、そういう方針まとつておるわけでございます。
#97
○淺井政府委員 人事院といたしましては、すでに体系的に今御指摘のように勧告をいたしておるのでございますから、それが一番いいと思つておることは申すまでもないことでございます。
#98
○加賀田委員 大蔵省は独自でやつたのでない、政府がやつたことだからと言つて逃げられました。では田中長官にお尋ねいたします。政府として責任ある答弁を願いたいと思います。
#99
○田中政府委員 政府といたしましては、先ほど申し上げましたような理由、あるいはまたただいま岸本給与課長が説明を追加いたしましたような理由、各般の事情を考えまして、ただいま御提案申し上げておるようなかつこうで処理いたすのが、最も適当であると考えております。
#100
○加賀田委員 金額的な比較になりますと、高級職員の方は金額的に多くなるのは当然だと思うのですけれども、やはりこうした俸給表を作成する上に立つて、率というものが当然その対象にならなければならないと思います。従つて金額的に低くなつた率というものは、政府の案は今申し上げたように、高級職員はよくなつておるわけです。中堅職員はかえつて高級職員よりも悪い率になつておるのです。こういう点は政府としても十分考慮して、この法案に対して修正する意思があるかないか、お尋ねいたしたいと思います。
#101
○田中政府委員 ただいま申し上げましたように、各般の事情を十分考慮に入れまして、検討を加えました結果の御提案でございまして、ただいま修正の意思はございません。
#102
○加賀田委員 修正の意思がないので、私は当初に申し上げた通りやはり人事院勧告を完全に実施しているような錯覚を起さす案として提示されたという、欺瞞的なこの給与改訂の法案に対してと同じように、俸給表の裏に今申し上げた特別調整額の中で操作されているということを私は明確に申し上げて、こういう点に対してはやはり明朗な政治を行うために、裏に隠されたような印象を起さないように、すべての問題を処理すべきが正しいのではないかと考えます。この点今後要望いたし、またこの点に対してはわが党としては独自の考え方をもつて対処いたしたいと思います。
 なおこの法案の中で、これは質問でありますけれども、十一ページにいろいろ地域給に対する改正の条項がございますが、ここにはただ「大阪府の項」という大阪の問題だけを取上げて改正されて、大阪だけをバランスを是正するような印象を与えておりますけれども、この点に対しての御説明を願いたいと思います。
#103
○岸本説明員 これは別に特に大阪府だけを対象にして、ことさら特別扱いをするものではありません。まつたく法制技術上の意味でございます。現在の給与表の別表にございます一級地を全部本俸に繰入れるということをいたしまして、一級地を消す必要があるわけであります。その消すための文句を、たまたま大阪府の部分が現行法では詳しくなつておりますので、消す文句も詳しくなつて出て来たのでありまして、まつたく法制技術上の問題です。
#104
○加賀田委員 わかりました。先日申し上げた通り、俸給の中にいろいろな矛盾があるし、あるいはあらためて出された政府の新俸給の対象の中にいろいろの矛盾が含まれておるので、私はこういうような状態で法案を出されて、審議も困難であり、公務員自体も非常に戸惑つているという現状の上に立つて、政府としては特にこの問題をすみやかに善処されんことを要望いたします。
 なおこれは人事委員会として付議されておる問題ではございませんが、警察官の俸給の改正に対して、少し疑義の点がありますので、政府にお尋ねいたしたいと思います。この法案の中で検事総長と東京の高検検事長の俸給は従来と同じになつておりますけれども、次長検事が約三千円ほど増額されております。しかもあとの検事長も全部増額されておりますが、同じ認証官でありながらも引上げられている人と引上げられない人があるということに対して、どういう理由でされたか、御説明願いたいと思います。
#105
○岸本説明員 検察官の俸給の改正につきまして、次長検事だけが上つておるじやないかというお話でありますが、これは認証官以下の検事の最高は、今度の俸給の改正によりまして、一般職と合せますと七万二千円になつて参るわけでございますが、現在次長検事は御承知の通り七万二千円、まつたくくつついてしまうわけでございます。特に検察庁、ああいう職務上非常に上下の規律を重視するという意味から、平検事の上と次長検事がまつたくくつついてしまうということは、やはりおもしろくないのじやないか、こういう考え方がございまして、若干その部分だけは検察官の職務の特殊性というようなことを考えまして引上げられておるものである、かように考えております。
#106
○加賀田委員 さらにその附則の中で検事と副検事だけは来年の一月一日から実施するということになつておるのですけれども、その他の部分は公布の日から実施するということです。これはたとえばこの法案が通過して公布されればすぐ実施するという矛盾が起つて参ります。この点はなぜ区分されたか御説明願いたいと思います。
#107
○岸本説明員 現在の一般公務員が現在ベースである間に、次長検事だけを七万二千円に上げる考えはないのでございます。来年度切りかえに際しまして、七万二千円に上げる、かように考えておるわけであります。ただ公布の時期が早くなると、御指摘のようにそれだけ先走るおそれがございます。しかしこの点は政府部内におきましても、これは十二月三十一日に公布するようにとりはからいたい、かように申しております。先走つてベース・アップすることはないと思います。
#108
○加賀田委員 再び話をもどしまして、人事院としては総合的な意味で、特別調整額に対しては二〇%が正しいという意見である、政府としてはすえ置きが正しいという意見の相違がありますが、従来政府としては人事院勧告に対して増額するような案を出したことがないわけでございます。今次の特別調整額だけ人事院勧告よりも多い形が出ておるわけです。これは人事院としてもあるいは政府としても非常に見当の相違があろうとは思いますけれども、一応総合的な意味で人事院と政府とは、十分この問題の意見の交換の上に立つて調整すべきではないかと私は考えております。ぜひその点留意願いたいと思います。
 先般もお尋ねいたしましたが、どうしても通し号俸が適用されていかないので、公務員では約五万程度の職員が頭打ちのために、非常に悩んでおるというのが現状だろうと思うのですが、この点政府としても早急に改善する意思があるかないかを特にあらためてお尋ねしておきたいと思います。
#109
○田中政府委員 加賀田委員のお話の通りに、ただいまの頭打ちの問題等につきまして、人事院ではこれらの点を検討いたしました結果、給与準則の改正、給与準則の制定等におきまして通し号俸の制度その他の点から、十分にこれが是正について案をつくられておるわけであります。先般の委員会でも申し上げましたような理由で、政府部内におきましてもまだその案を検討中でございまして、比較的すみやかに国会に提出するという機会をまだ得ていないわけであります。ただいまの頭打ち等の実際の問題につきましては、現在におきましては、現在許されておる範囲内におきまする適当な処置によりまして、努めてこの頭打ちの是正をはかつておるわけであります。もちろんただいまいたしておる便宜の処置でこれで十分であると申すのではありません。従いまして本論といたしましては、給与準則等のすみやかなる検討を終らなくてはならないとは思つておりますが、この点努めて加賀田さんのお話の通りに努力を続けたいと思います。
#110
○淺井政府委員 ただいまの加賀田さんの御説に対して、特別調整額の問題でちよつと補足いたしたいと思います。人事院といたしまして、人事院の二〇%が正しいと申しますのは、あの勧告がそのまま完全に実施された場合に、あの俸給表、あの地域給の段階であの特別調整額、こういう意味において正しいと申すのでございます。今回はそれが御指摘のような少し違つた形で現われておるので、そこで内閣側としては特別調整額のすえ置きをやつたのだろうと私は思うのであります。この点ちよつと申し上げておきたい思といます。
#111
○加賀田委員 だから私は冒頭に人事院勧告というのは、総合的に検討されてなされたのじやないかということを質問したわけです。私はきようまだ淺井総裁に質問もいたしますけれども、ほかの委員できよう初めて見えたので質問もあるそうですから、私は大体の質問をこれで終りたいと思いますが、この調整額の中で構想だけをちよつとお尋ねいたしたいと思う。従来二五、一八、一二、六%とこうなつておると思うのですが、人事院勧告としてこれを最高二〇%にすべきだということですが、もし二〇%にするならば、これを何段階でどれだけのパーセンテージにする意図があるか、ちよつとお尋ねいたしたい。
#112
○瀧本政府委員 この問題は人事院事務当局おきましても、いろいろ研究はいたしておるのでありますが、事実法律で二〇%ということが確立されなければ、そういう措置ができないわけであります。われわれの構想といたしましては、現在二五%、一八%、一二%、六%とこう四段階あるのでございます。現在はおおむね超勤の実績というところに着目いたしまして、そういう面から一番くくりやすいという点をねらつたわけでございます。そういう方法によりますれば、中央官庁、ブロック的な地方の官庁、その次の第二次機関、また府県単位の機関、このようになつて参りまして、その業務の性質、また超勤予算の按配の状況等から見ましても、地方出先機関の方が少いような状況もございますので、現在は大体このようになつておるのでありますけれども、そのようなくくり方というものが、必ずしも実際に適応しがたい面もありまするし、また病院、療養所でありまするとか、あるいは試験研究機関というように段階的にこれを把握いたしますことが困難なものもありまして、われわれの構想といたしましては、たとえば最高二〇%といたしました場合には、二五%が二〇%になるわけでございまして、従つて一八%のところも若干減らしまして、たとえば一六%にする、一二%のところはそのまますえ置く、あるいは六%というものはこれをもう少し上げる、あるいは二〇%、一五%、一〇%というような刻み方も考え得るのじやないか、いろいろございまするが、まだ結論には達しておりません。
#113
○赤城委員長代理 受田新吉君。
#114
○受田委員 淺井総裁は今度また人事官として再任をされをような状況にあられることは、まことにおめでたいと思います。慶賀にたえないこととお喜びを申し上げたいと思うのでありますが、まだ国会の承認が得られておりません。従つて総裁として先ほどお言葉の中にあつたことで、ことに人事院の権威を尊重しなければならない立場の点を、一つ申し上げたいのでありますが、先ほど人事院が出す勧告案は人事院として、公正妥当性を認めて出したものであつて、財政上の都合によつて支配されるものではないというお言葉がありました。この点において財政上の実現の可能性がないものをお出しになることも筋の通つた案としてはあり得るという結論に達するのじやないかと思いますが、そうなると、去る七月十八日に勧告された案にあるなるべくすみやかにというこの言葉は、一定の時期を示して出さるべきではなかつたか。昨年の勧告には時期が示されてあつた。時期を示したものもあれば、示さないものもあるという漠然としたものでなくして、この勧告案はいつから実施するという基準を、はつきりして勧告すべき性格のものではないか。その点なるべくすみやかにということは、いかにも財政上の都合によつて政治的になにおいがふんぷんたるものがあるのであります。この点についてすつきりした形で、人事院は勧告しているのだというお言葉と、なるべくすみやかにというお言葉とは、はなはだ矛盾するものがあり、人事院の権威を失墜するものがあると思うが、総裁の御所見を伺いたいと思うのであります。
#115
○淺井政府委員 お答えを申し上げますが、それはちよつと考えようによるかと思うのでございます。人事院といたしましては、ただいま申し上げましたように、国家の財政を考える権限も持ちません。また義務も持たないかとも思います。受田さんの御説明はその義務を持たない方から御力説になつたわけでございますが、権限を持たない方から申しますれば、何月何日より実施せよということは、少し権限にはずれるようにも考えておりますから、人事院といたしましては、ただなるべくすみやかに実施してもらいたいというだけの意思表示をしたわけでございます。
#116
○受田委員 しからば昨年勧告されたベース・アップのあの五月にさかのぼつて実施するという、この勧告案の期日を指定した理由はいかがでありますか。
#117
○淺井政府委員 従来人事院の勧告には何も書かないこともございましたし、それからまた基準の月に遡及してもらいたいというようなことを書いたこともございます。今回なるべくすみやかにとやりましたのは、実は給与準則の中に盛つてございますが、これを遡及することができないので、将来なるべくすみやかに、という意味で書いたのでございます。これはそのときどきで多少のニュアンスは出て来るかと思います。
#118
○受田委員 その点過去の勧告が支離滅裂であることは御指摘の通りです。この点人事院はすでにその政府の一般機関と離れた、こうした点における主要任務を全うすべき特殊機関としての性格を失つている。すでに私がさつきも指摘したように、政治的な立場には全然触れておらぬと仰せられましたけれども、この七月十八日は衆議院の予算委員会において修正予算案が通過した翌日です。昨年の人事院勧告は国会閉の七月三十一日の翌日八月一日でありました。すなわち政治的に紛争を避けるごとく、その翌日々々とお選びになる。その点に政治的な臭気ふんぷんたるものを感ずるのであります。私はそこを申し上げたいのであつて、人事院総裁として、その人事院の独立機関としての権威を保持するために、すつきりした立場で人事院の権威を守つてもらいたい。今回この人事院勧告が、ようやく一月からその数字の上で実施されたようになつており、先ほど委員の質問にお答えになつた総裁のお言葉の中に、定期昇給を考えなければ人事院の勧告した通りの数字になる、こういうお言葉があつた。こういうことは、私たちははなはだ現実を無視した、数字の遊戯にとらわれたお言葉であると思う。今回政府がとつたベース・アツプの法案の趣旨は、結局人事院が勧告した線を逸脱しておる。ことしの三月現在と来年の一月現在とは、もう定期昇給その他でずいぶん開きがあることを、人事院総裁としては御指摘にならなければならない。こういう点において、私は淺井総裁が少くとも人事院の権威保持のために、その職にあるとかないとかいうことを問わないで、日本国の民主化の立場より、強力なるあなたの立場を――個人の立場でなくして、公の立場を守つていただきたかつたのであります。私は、総裁として、自分は公の立場をよく守つたか、あるいは個人の立場を守ろうとすることに汲々として、公の立場を失わしめたおそれはないか、こういう点などを、御所信をお伺い申し上げたいのであります。
#119
○淺井政府委員 御説ごもつともでございますが、人事院といたしましては、御説のように動いているつもりでございます。ただ言葉はどうかと思いますが、昇給の点を除いて云々ということは、御説の趣旨と同じに云つているつもりでございますが、ただ私ども人事院の立場といたしましては、ちよつと労働攻勢のように強い言葉は出せませんものでございますから……。私どもとして、御趣旨の通りに動いておると思つております。
#120
○受田委員 基本的な問題でありますから、過去にさかのぼつて、もう一度お尋ねさせていただきます。私は政府のいろいろの財政上の都合などを顧慮して、それに適合させるような人事院勧告をしたわけではないというお言葉を信じて行くとするならば、去る七月十八日という勧告された日が、衆議院の予算の修正案が通つた翌日であるということ、それから昨年の勧告が、国会が終つた翌日の八月一日というような、この日がたまたまちようど重大な政治的な動きの翌日に当つたのでありますが、しかも人事院が公正な立場で、その権威を失隊しない立場で勧告したのが、ちようどそこにたまたま当つたのであるか。その点私は特に総裁の公正なる、絶対に政治的な動きにとらわれないお言葉をいただきたいのです。
#121
○淺井政府委員 昨年もことしも、決して故意に勧告を延ばしたものとは思つておりません。昨年はどうしても間に合わなかつたのでございます。ことしはすでにそれよりも一週間前に、来週中に勧告をすると申したわけでございまして、その申しましたときは、まだ衆議院で予算案がいつ通過するか、それは一向に心得てもおりませんし、それとにらみ合せてはいないのでございます。
    〔赤城委員長代理退席、委員長着席〕
#122
○受田委員 この点、総裁は、人事院が考えたことに政治情勢がずつとついて動いたように御答弁になつておられる。この政治情勢というものは、そうあらかじめ予定した通りに動くものじやないのです。従つてことしでも、七月の中旬の来週中というお言葉だけれども、できればその前週にでもやられるべきであつたのです。来週中にということを、一週間前に言われるというのは、政治情勢がこの辺で大方こういうふうになりそうだから、来週中という言葉が出たのであつて、これは一週間前ごろになつて情勢がわかつたから、そういう言葉を出されたのでしよう。情勢がわからぬときの言葉じやないのです。つまり来週中には修正予算が通る、そのころに出そうということと同じことですからね。こういう点を、私は総裁として、少くとももう時の政府の鼻息などをうかがうことをおやめになつて、よし総裁がこのためおやめになつたところで、浅井人事院総裁は実にりつぱな筋の通つた人だつたと、後世に名を残すような方になつていただきたかつたのであります。このことを私は総裁のために非常に惜しむものであります。
 次は、先ほど来の質問に対する政府の答弁で、田中官房副長官と給与課長のお答えと、人事院のお答えとをいろいろ総合してみますと、その間に時の政治上の動きに巻き込まれていないとは言いながら、三者の間に常に密接なる連絡がとられて、人事院勧告の数字に合せるように政治的な努力がされておる。そうして人事院も政府に歩み寄りをし、政府もまた事実上人事院の顔を立てるごとくに、いろいろと技巧を練つていらつしやるということがはつきりいたします。私はこうした基本的な体系である給与法案のごときものをいたずらにそうしたかけひきで決定せられたくない。もつと熟考して公務員というものの立場を守つてやるようにしていただきたかつたので、はなはだこうした政治的なかけひきを悲しむものであります。従つてここへ出された一般職の職員の給与法案、それから特別職の職員の給与法案、それから今加賀田君から申された検察官あるいは裁判官というような方の給与法案、また保安庁の職員の給与法案を私は特望しておるのですが、――これはまだできませんけれども、こういうものの中には常に一貫した給与体系の基本的な流れがなければいけない。その職種々々によつて、その体系がくずれてはならないのであります。そこで政府としてはこうした職員のそれぞれの職分に応じた給与体系を、常に統一するごとくおやりになければならないのであるが、ここへ出された秘書官の給与を見ますと、一般職の職員の俸給表に全然ないような数字が出ております。みなこれがずつておる。こういう点などを考えると、一般職の職員の俸給表のこれに祕書官の一号俸が当るのだというような、そういう俸給の各数字をまちまちにしないような統制が必要ではないか、こう考えるのでありますが、祕書官の数字を今例として指摘いたしますが、いろいろな立場から出されるこの給与法案が一貫した信念に欠けておるのではないかということをお尋ねしたいのであります。
#123
○田中政府委員 ただいま受田委員のお話の通りでございまして、過去の実績に徴しましても、給与体系はとかく非常に混乱いたしやすいものであります。また事実上非常に複雑になつておつたときもあるのでございますが、次第に整理されまして、今日のような体系になつて参つております。またもちろん今御指摘の通りにこれで十分だとは申しません。将来に向つてはもちろんこの給与体系をできるだけ筋の通つた簡明なものにいたしたいということは、私どもも受田委員のお話の通りでございまして、今後そのように努力いたして参りたいと存じます。
#124
○受田委員 保安庁職員の給与が日給をもととしておるように今まで私は記憶しておりました。この保安庁の職員だけを日給にした理由もはつきりいたさなかつたのでありますが、この点も今度の改正案では是正されるかどうかということを一応お伺いしておきたい。
 それからもう一つ、郵政省のごとき現業庁の職員が公労法の適用を受ける者と、この法律の適用を受ける者との間において、給与の差等が生じている。この点の調整はどういうふうにせられるのであるか。これは郵政省だけでなく、そのほか一般五現業の方はみなこれに属するわけでありますが、いろいろな立場においていろいろな法律の適用を受けることによつて、同じ仕事をしている者が給与に差等を生ぜられていることは、はなはだ不愉快なことであろうと、その職にある者に同情を禁じ得ません。この点の調整をいかがとりはからつておられるか、お尋ねいたしたいと思います。
#125
○岸本説明員 御質問の第一点の保安庁職員の給与でありますが、従来まで日額できめられていたのが、今度は月額できめられるのじやないかというお話でありますが、日額できまりましたのも保安庁の創立当時の沿革ないしは保安庁のいろいろ特殊性から、ああいう日額制にきまつているのでありまして、そうした沿革もあり、一朝にこれはかえられない。方向としてはできるだけ先ほど官房副長官から御答弁がありましたように統一することが、好ましいかと思うのでありますが、現在の段階では急に改めるわけにも参りませんので、近く提案されます保安庁の給与法は、従来の日額主義ということで参ることに相なつております。
 第二点の郵政省の職員の内部の問題でありますが、これは政府の方ばかりでなく、五現業特別会計全部さようでありますが、公労法の適用を受ける職員と、その他の職員との間に給与のアンバランスが漸次できつつある。そのアンバランスは何をさしてアンバランスと申すか、これは非常にむづかしいのでありますが、全体のベースとしての差ができつつあるのは、事実として否定できないのでありますが、ただ公労法の適用を受ける職員は政府の給与の中においては、あくまでもその企業の実態に即してやつている。つまり企業運営の実態、その人たちでなくてはならぬ実務に携つている人でありますが、これに対しまして公労法の適用外にある職員は、いわば管理、監督あるいは機密の事務というものを取扱つている人でありまして、何と申しますか本来の業務に直接携つているものではない。そうした意味において政府の他の職員と比較してみなければならない問題であります。そうした意味合いにおいて給与体系内部におけるそうしたベースとしての差が出て来るのは、実際問題としていろいろ不便かもしれないのでありますが、しかし他面においてまた私ども政府職員と同じような立場の仕事であるという点から考えますと、これはまた切り離して考えることもできないという、こうした現実であります。この点はひとつ御了承願いたいと思います。
#126
○瀧本政府委員 現在におきまして現業と一結に仕事をしております非現業でありますたとえば郵便局長さんでありますとか、今岸本さんからお話がありましたように郵便局の課長さんでありますとか、あるいは祕書的な機密の業務をしております者とか、こういうものは公労法の適用を受けておりません。もともとこの公労法の適用をどこまでにするかということが、非常にむづかしい問題であろうかと思います。しかし現在もうすでに公企労法の改正もございまして、そういう人を給与法の適用範囲からはずすということは、現実にこの国会でおきめになつているわけであります。その精神はやはりどう申しますか、現業非現業を問わず、一貫的に公務員たるものは給与のバランスをとるのであるという一つの原則を打ち破つて、そうしていわゆる現業については、もう特別会計でやつているのであるから、別のわくにしてしまうのだ、給与のバランスを破るのだ、ということが、言葉をかえて言えば確立されたわけであります。従いまして今のお話は根本的にはたいへん矛盾あるお話であろうかと思うのであります。しかし現実問題といたしまして、同じ職場で働いております者の間に相当の給与の懸隔ができるということにつきましては、現実にその職場におられる人々にはたまらぬ点であろうかというふうに考えますので、人事院といたしましては人事院規則の範囲内において、そういう問題が何らか解決できないであろうか。あるいは人事院規則を改正することによりまして、そういう問題が解決し得ないであろうか、こういう点につきまして目下研究を進めている次第であります。
#127
○受田委員 人事院は非常に親切な考え方を持つておられるようですが、それをすみやかに実現することを待望しております。ところが政府、大蔵省として考えておられることは、非現業と現業とには差等があるのだ、それぞれの立場で給与を出しているのであつて、というお言葉でありましたが、現業から非現業にかわる、たとえば課長あるいは係長でも、公企労法の適用と、またこの法律の適用とにわかれておりますが、係長から課長になることを、給与が下げられる理由をもつて拒むような人さえあるという実態です。これは現実なんです。問題は理論では解決できない問題なんです。同じ職場に働いておつて、そうしたそれぞれの職が異なることによつて、給与が、かえつて上級の職につくことによつて下げられるというような、こういう変態的なことは現実問題として、あり得べきことではないのですから。そこなんです。現実の問題なんです。そこで私が先ほど申し上げた、その会計が一般であろうと特別会計であろうと、その間にこういう持遇の問題については、できれば統一したものをもつて当るべきである。少くとも政府職員としての立場では、そうした形をとるべきではないか。ここを特に指摘して、私は政府の反省を促したいのです。いわんや、ここに掲げてあるこの特別職の秘書官の俸給表を見て、私ははなはだ不思議なんですが、この数字というものは今まで一般職と合してあつたのが、今度まちまちの俸給表になつて出ているけれども、この秘書官の俸給表だけを、一般職のどの号俸に当てはめるかという努力をしないで、中間の適当なところに持つて行つた。これは思いつきでやつたのか、あるいはそこに何か算定基礎を持つているのか。これもお伺いしておきたい。何だか今政府がなされている俸給表の作成方式には、まことにずさんきわまるものがあると思うので、この点をお伺いして当局の真意を質したいと思います。
#128
○瀧本説明員 先ほどの第一点の問題につきまして、非常に大蔵省は非現実的な考えであるというような仰せでありますが、現在の段階、国会で御制定いただきました公労法の建前では、どうしてもそういう取扱いをして行かざるを得ない、こういうことを申し上げたわけでございます。かりに将来人事院規則でも出まして、公労法関係の適用者が適用除外になつた場合、何か特別の措置を講ずるとかなんとかいうようなことになれば別問題かと存じますが、現在の与えられました法規のもとで考えると、ああなるということを申し上げたわけであります。その点ひとつ誤解のないように。
 第二点の秘書官の問題でございますが、これもでたらめに当てずつぽうにしたわけではないのでございまして、秘書官の一号から七号を、大体われわれ一般職でありましたら何号くらいに当るであろうかということを想定いたしまして、その上に秘書官については扶養手当も出ない、超過勤務手当も出ない、そうした事情を考慮いたしまして俸給額を逆算して参つているのでございます。ことに今回の秘書官は東京勤務でございますが、東京の勤務地手当が二〇%に落ちる、その点も一応考慮の中に入つているのであります。その積算基礎はまた追つて資料をもつて受田先生に詳細御説明申し上げたいと存じますが、考え方としてはそうした一つの筋をもつて考えて、結果としてたまたま数字が合わなかつたのは形式的には非常に遺憾なことでございます。実態については決してさようなものでないということを申し上げます。
#129
○受田委員 数字をもつて適当な表をお出しいただくということでありますので、それによつて一見でたらめに見える数字に、妥当性を持たせる公算があるかもしれません。
 それでもう一つ課長さんの言われたことの中に、保安庁の職員はその性格からいつて、日給でいいという言葉があつたわけですね。そうするとちようど昔の軍隊のときの日給月給制をほうふつたらしめるものがあるのでありますが、過去の軍人の待遇のような形に、保安庁職員の俸給表ができておる。これはすみやかに改められて、日額の俸給表を保安庁だけが持つておるということは、やはり時代逆行的な印象を国民に与えますので、保安庁職員も一般の公務員と同じ立場で国家の公務に従つておるのだ、従つて月給制度で行くべきであるという、この基本線を確立できないのでしようか。これは大蔵省としておきめになればできることですが、その特殊的な性格というのは、その日その日の働きで打切りをするというような意味か、あるいはいつやめてもやめた日までで俸給の支払いをやめるということになるのか、どういうところで日給をおとりになるのか、この点をお伺いして、そしてこれに対する改正の意図があるかどうか、この点もただしておきたいと思います。
#130
○岸本説明員 保安庁の職員の給与を日額制をとつておりますのは、昔の軍隊をほうふつせしめるものがあるというお言葉でありますが、昔は徴兵制で、いわば人を人と思わぬような取扱いで日額制になつておつたのかもしれません。あの当時でも日額でなく月給だつたかと思いますが、今日日額になつておりますのは、これは単純なる給与支払い事務の便宜上の問題であります。観念的に日雇い並にやるということはまつたくないのでございます。これはあくまでも給与支払い事務の関係上そうなつております。たとえば部隊異動がはげしいのであります。その場合にある部隊に勤務しておつて、月の半ばによその部隊に転勤するというような場合に、何日分までそこで支払つたかということは手帳に上つております。それに日額の数字をかけますとすぐ出て来ますので、残りを次の部隊で払えばいい。いわば部隊の給与支払い事務の便宜上から来ておるのであります。それ以上深い意味はないのであります。これを将来月額制にしていわゆる職業軍人たるにふさわしいようなものにかえて行くかどうかということでございますが、これは保安庁の方が何年か日額制でやつて来ましたので、日額による支払い事務になれておりますので、改める意思があるかどうか、なお保安庁の実際の担当者の話も聞いてみないと、大蔵省一存ではなかなかかえられないと存じませ。なお先生のおつしやる方向についてはいろいろ検討してみたい、かように考えております。
#131
○受田委員 課長さんのお言葉の中に、職業軍人としての待遇に切りかえるというような言葉がありましたが、私はそういうふうに発言したことはない。職業軍人というものではない。これは職業軍人としてお認めになれば別でございますよ。大蔵省と保安庁とは常に経理の連絡が密であるはずだ。ことに保安庁の経理局長が管財局長にかわりまた主計局次長が経理局長にかわる、そういうふうにしてその間のつながりは大蔵省と、密接な関係があるので、この点保安庁は経理的には大蔵省の出店のような形なんです。その間には何ら粗相はないわけです。ただ演習等で移動するような場合に、普通であれば公務員が出張するのですから出張旅費が出るのですが、演習の場合は旅費を払わぬで、公務員を移動しておるというような形になるのじやないかと思いますが、そういうような経理なども、保安庁の職員が公務で演習などに出るようなときにも、これに対して公務員としての出張旅費に準ずるものを出されておるかどうかというようなことも、検討を加える必要があると思いますが、これは課長さんがお知りになつておればお答えいただきたいのであります。とにかく国家、地方公務員を通じて、その間における給与の一貫性を持たせるということについては、どうか政府としては十分検討を加えていただき、私自身がしばしば御質問申しあげる通り、公務に従事しないで、一筋月に二日、三日だけ勤務して、国務大臣級の高祿を納め遊ばされる、いはゆる何々委員会の委員なり委員長なるものの給与に対しては、これはすみやかに是正しなければならないと思つて申し上げたのですが、今回それについても何らか考慮をしたいという田中副長官のお言葉があつたが、特別職のこの表を見ると、その職をむなしゆうして高祿をはまれる方々の俸給表の改訂ができておりません。この点についてどういうことで、それが改正なされなかつたのですか。あるいはその委員の職にある人の勢力があまりにも強大で、政府に圧力を加えることゆゆしいものがあるので、そのまますえ置かれたのか、前官礼遇のような人ばかりその職にあるので敬遠なさつたのか、この点勇敢にその措置をおとりになるほどの決断力が政府にいると思うのですが、この点についても副長官のお言葉をいただきたいと思いつます。
#132
○田中政府委員 前々回の委員会のときに、受田委員から認証官またはこれに準ずる者に対する給与について、十分善処するようにというお話がございました。実はこれらにつきまして、いろいろと論議がかわされたのでありまするが、お手元にありまする通りに、これらの者に対する増給等の処置につきましては、見送つたのでございます。その間ほかとの均衡上、実はほかの方を上げたいというような筋につきましても、ややがまんをせざるを得なかつたというふうな、いろいろな経緯をとりまして今日の提案となつたのでございます。受田さんの御議論になりますると、むしろ積極的にこれを減らしたらどうなんだというふうな御意見のように拝承するのであります。私はそれももちろん一つの御意見ではございまするけれども、現状におきまして、いずれにしましても、すでにこれらの額が支給されておる、体系を整えておるのでございまして、その部分についてのみ、ただちに減額するという、そこまでの思い切つた措置ができませんでした。しかし受田さんの御意見の中の消極部面、一般が全部給与が増額されるのに、とにかくそれらの部分について、できるだけ現状をそのままに級持したという点については、ひとつ御了承を願いたいと思うのでございます。
#133
○受田委員 非常に御親切な御答弁ですが、一般の認証官その他が、そのままがまんしておるということ、ほかの岩は昇給するのにがまんしたという御答弁があつたわけですが、これは認証官でも日々勤務する国務大臣のごとき者もあれば、あなたのような官房副長官、こういう立場の者もあるのであります。これは日々勤務されて、時間外勤務まで精励されるのですから、これは当然私は高藤をはまれても、ある程度納得します。ところが問題は、一箇月に二日、三日出るか出ぬかわからぬような、顔だけで給料をもらつておるこの方々です。そこを私は申し上げたのです。だから実績があるからというようなことを言つておると、いつまでたつてもこの俸給表の改正はできません。やはりこの際、思い切つて因果を含めて減俸するというくらいな処置が、政府にあつてほしいと思うのです。この点一般職の方の委員の手当も、この表で出た比が三千円くらいになつておると思うのでありますが、非常に局限された符過にとどまつておりますね。この点特別職の方は、二、三日出て七、八万円ももらうというこの差等を、どう解釈したらよろしいのでごさいましようか。そこを憂えるのです。この点大衆はまた高禄をはんでいる実情がよくわからぬので、このまま済んでおるのですが、一箇月に二、三日だけで、それだけの高禄をはむ者があるということが、もし大衆に周知徹底したならば、ゆゆしい問題が起ると思います。この点政府の所信を伺いたいと思います。
#134
○田中政府委員 受田委員のお話の中にも、委員会の委員等の者について、全部が全部という御意味でもないかと思うのでありますが、これはなかなか検討を要する問題でありまして、何しろ一応はそういうふうに法律で定まつているわけでございます。そしてそれぞれの委員が任命されて、それぞれその職責に応じて励んでおられるわけでありますので、一概にすべての委員に、ただいまお話になりましたような批評を全部かぶせるわけにももちろん参らないかと思います。従いまして実情に応じてのそれぞれの御批判とは思うのでありますが、これにつきましては、具体的にそれぞれについて十分の調査研究をいたさなければならないかと存じます。しかしお話の通りに、万一その勤務の実情から見まして、不当のものがありますれば、これはもちろん減俸をいたさなければなりません。ただ一方、かりに出勤の日数だけ、あるいはそういう会合の日数だけというふうなものをとつて、そういうふうな給与額を判定すべきかと申しますと、またそれもなかなかむずかしいことだと思います。いろいろそれのための専門の技術、経験、知識等も十分織り込んでの給与額が、一応ああやつて決定なされておりますので、その内容等についても深くこれを検討し、分析しなければならないと思います。ただいまのお話の趣旨はよくわかりました。十分に研究を続けたいと思います。
#135
○受田委員 私の質問は終りです。
#136
○川島委員長 石山君。
#137
○石山委員 淺井総裁にお聞きいたしますが、あなたは一日の本会議にも、勧告は尊重さるべきであると考えるか、勧告は財政上の考慮を加えないので、この点は内閣と国会が云々というふうに答弁している、ちようどきよう岡委員が問うたに対して、あなたは同じような答弁をしております。ところが先ごろ受田委員も指摘しているように、全然財政上の考慮をしないということになりますと、あなたの正しいと信じた、あなたの部下たちのつくつたあの給与準則というものは、何月から施行せよと言うのが、当然のりくつだろうと思うが、あなたはいまだにそういう考え方はかえることはできませんか。期日をはつきり明記して勧告すべきであつたというふうな考え方にはなつておりませんか。
#138
○淺井政府委員 それはちよつと考え方によると思うのでありますが、給与準則の場合は、これは過去に遡及することができない性質のものでございますから、将来なるべくすみやかにと、ういう意味で申したのであつて、このなるべくすみやかにが、決して一年も二年もあとを意味するものでないということは、もちろんの前提でございます。
#139
○石山委員 潤井総裁はそんなことを言つて逃げを打つているつもりだろうと思うのですが、常識上から言つてもそういうことはあり得ないと思う。しかしあなたが前々から言つている通り、これはあなたの変な信念とか、世界観の相違だとかいうような言葉を便えば、それまででありましようから、これ以上追究しませんけれども、勧告は尊重さるべきである、こういうことをあなたははつきり言つている。どこが結局尊重されたかということが問題になりますが、私たちは人事院の勧告にもいろいろあると思うのですけれども、中心をなしたものは給与準則だというふうに理解している。そこで給与準則の分は尊重されたかどうかということをお聞きしたい。
#140
○淺井政府委員 給与準則は一つの形でございまして、その中をなしているものが給与ぺース、この二つが一緒になつている次第でございます。給与準則と給与法との相違は、職階制を基礎とするかしないかということでありまして、その通し号俸表は両者ともに同じでございます。でございますから、今度の政府の提案が給与準則の形をとらないことは、われわれ残念に思つておりますが、何分にも給与の引上げはすぐにやらなければならぬものでございますから、これを給与準則の形に盛りますと、職種の区分等について、いろいろと国会に論議が出るだろうと思いまして、とてもこれは一週間や十日の国会では間に合わない、それならばその点は譲つて、現行の給与法の改正の形で行こう、こういうことでこうつなた次第であります。
#141
○石山委員 それは前々の委員会から、あなた初め事務当局から提案された趣旨とは、非常に食い違いがあるというふうに考えております。提案趣旨の理由はベースアップという言葉にはなつておりません。こういうふうな通し号俸をつくつて、こういうふうにするのが官公吏の給与体系には正しいのである、それに格付をした結果、たまたまこういう一三・九%という数字が出たというふうに説明されている。それとはあまりに相違があり過ぎますが、そういう点はどうですか。
#142
○淺井政府委員 それはお尋ねの通りなのであります。しかし今お尋ねの問題は、なぜ今回の給与注の改正が、給与準則の形で出されなかつたかというふうに了解したものでございますから、さように答えたのであります。
#143
○石山委員 人事院は給与準則のみに中心を置いていないということは、われわれもいささか察知できますが、では、人事院の権限の問題になると思うのですが、給与準則に中心を置いていない人事院の提案の仕方に対して、政府当局が何ら地域給の勧告を受取らない以前に、地域給云々というふうなことを、今回のベース・アップに入れて来たことに対して、あなたはどうお考えでございますか。
#144
○淺井政府委員 人事院は勧告の中におきましては、決して地域給に触れていないのではなくて、地域給は五段階ということになつているのでございますから、政府の提案とは違つているのでございます。これは明確な事実でございます。しかしながらその人事院が五段階にいたしましたことは、さいぜん申しましたように国会の両人事委員会の申合せといたしまして、アンバランスを是正すること並びに将来四段階に、もしくはそれ以上に段階を切り捨てて適当に処理をすること、この二つがあつたのでございます。そこでわれわれといたしましては、まずアンバランスを是正して、その後に四段階にするとか、三段階にするとかいたしたいと思つて、あの勧告の中におきましては――つまり現行のままである、かようにやつたのでございますが、それが逆になつて四段階にする方が先に来て、アンバランスの是正があとに残つているというのが現状であります。こ事院の勧告とは違つているのでありまれは人すけれども、人事院といたしましてはそれに必ずしも反対でない。と申しますのは、これはいずれの日かどうせやらなければならないものなのだ、こういうふうに考えているので、アンバランスの是正と今回の措置とは、不可分には考えておるのであります。
#145
○石山委員 人事院総裁がどんなに御弁解になつても、人事院の権限がこの場合傷つけられたというふうに私たちは解釈しなければならぬと思うのです。これはやむを得ない。
 残された地域給の問題に対して、人事院総裁はどういうふうに考えますか。
#146
○淺井政府委員 残された問題と言われますのは、結局不均衡の是正という問題だろうと思いますが、それは人事院といたしましては、第一には、もうすでに国会の両人事委員会の申入れの趣旨もありますから、それを尊重いたしまして、われわれとしては着々準備を進めている次第であります。
#147
○石山委員 大蔵当局にお聞きしますが、十二月一日の細迫氏の質問に対して、小笠原蔵相は、公務員の給与の九・三%の引上げは、財政の現状としては適当と考えるという答弁をしております。これは一三・九%というのは、からくりであつて、実質的には九・三であるというふうな表現であるかどうか。それを確認できるかどうか。
#148
○岸本説明員 ただいま御引用になりましたものは、ちよつと私手元にございませんから、正確なお答えになるかどうか存じませんが、大臣は九・三の給与引上げになるということは申しているはずでございます。一三・九とか、一四とかいう言葉は、これはおそらく昨年の十一月に比較いたしまして、それくらい上るということでありまして、今度のペース改訂によつて九・三%に上るということは申しております。
#149
○石山委員 この九・三%に関しましては、人事院の給与局長の証言を求めます。間違いありませんか。
#150
○瀧本政府委員 来年の一月現在におきまして一万四千百円ないし二百円に公務員の平均給与はなる予定でございます。来年の一月現在におきまして一万五千四百八十円にするというわけでございますから、個々の公務員に着目いたしませんで全体の平均のことを申しますれば、九・三%の上昇になるものである、こういうふうに考えます。
#151
○石山委員 これは田中さんの方へお聞きしたいのでございます。ということは、われわれは人事院の勧告案は七月中にいただいておる。よかれあしかれ資料も相当手に持つたので相当研究する余地もあつた。そうしてわれわれとしては、勧告案が少しく職階級的であるということは考えていたけれども、大体通し号俸については異論はないというふうに考えておつた。しかるに政府は、この国会が始まるやいなや、この人事院の勧告とはなはだしく懸隔のある給与法のようなものを出して来ております。そうして私がきのうから資料を求めても、まだわれわれに届かない資料がある。こういうふうな場合、われわれは何を基準にして研究すればいいか。特に先ほどわが加賀田委員からも指摘されたように、その陰にいろいろな隠された数字があることを思えば、はなはだ不愉快なんです。政府の意図するところは、一三・九%は実際は九・三%である、こういうふうなからくりを隠すために、給与体系を混乱させるために、そういう意図のもとに出されたように考えられますが、その点では何らそういう意図はないのでございますか。
#152
○田中政府委員 私どもといたしましては、別にただいよお話のように特に混乱を巻き起させるような趣旨で、今度の改正を考えたわけではございません。しばしば申し上げておりまする通り、筋を通して努めて平明にやりたい。またただいま他の説明員あるいは政府委員からもお話のありました通りに、来年一月になるであろう給与のペースを基準にして考えまするならば、九・三%にもなつておるということも、そのまままともに御説明を申し上げておるわけでありまして、決してお話のような趣旨で特別にめんどうに、乱雑にこの改訂の案をつくり上げてみようというふうなことは毛頭ございません。
#153
○石山權作君 私は正直に言つてのいるですよ。私自身は政府の案を受取つてみたとき、これがほんとうに政府の案通り、政府委員が説明されている通り、実際その数字が現われて来るかどうかということは。疑問視しているわけなんです。それではくつきり現われて来るのだという資料を出してくれと言つているが、その資料がまだ手元に届かぬ。そういう点を考えてみると、あなたたちの意図するところは、われわれの混乱に乗じて、そうして例の多数決で押し切ろうとするような意図ではないかということなんです。
#154
○田中政府委員 石山委員のお話、一部うなづける点があるのであります。お話の通りに、務めて平明に改正の案をつくつたつもりでございまするけれども、内容等につきましては、いろいろと盛られておりまするために、直截に御了解を願えない、従いまして、いろいろのそれに応ずる資料を準備いたしまして、御説明を申し上げるということも昨日あるいは一昨日来申し上げておるのであります。お手渡しいたしました資料は、まだごくわずかでございまして、十分にその資料によつて御説明ができておりませんので、ただいまのような石山委員の御不満が出ますことは、まことに申訳ないのであります。しかし私どもの方としましても、ただいま資料を作成中でございまするので、これによつて重ねて御説明を申し上げたいと思つております。
#155
○石山委員 人事院の給与局長にお聞きいたしますが、私たちは長い前から資料を見ているためか知りませんが、現状のまま大蔵省と申しましか、政府から提案された給与体系というものと、人事院がつくられた給与体系を見ますと、人事院でつくつた給与体系の方が、はるかにりつぱだというふうに私は考えているが、あなたは比較検討されましたか、されたとしたら、その感想を述べていただきたい。
#156
○瀧本政府委員 先ほどから総裁も申し上げておりまするように、われわれの勧告は、この給与体系を現行給与法からかえまして、職階制を基礎としたいわゆる給与準則をつくりたいということで、現行給与法とはがらりとかえた勧告をしているわけであります。従いまして、現在政府側から提案されておりまするものは、給与体系の主要な部分につきましては、おおむね現行給与法通りになつているわけでありまするから、比較しろとおつしやることは、われわれの勧告いたしました給与準則と、現行給与法がどう違うかということを言えと、こういうお話になろうかと思いますが、その点につきましては、もちろんわれわれはこの給与準則がよろしいのでありまして、これは給与準則の体系に一日も早く切りかえていただくことを、われわれとしては希望しておる次第であります。
#157
○櫻井委員 それでは、時間がありませんので、私は田中副長官にお尋ねいたします。午前中年末手当について、自治庁の次長さんの詳しい説明を受けたのですが、そのときいろいろ数字をあげられまして――まだ資料が出ておりませんので、詳細なる検討は私どもできないのでありますが、そのときの話では、今回政府が施行しますところの、いわゆる一・二五の地方公務員の期末手当、勤勉手当、こういうものが大体九十七億で、このうち平衡交付金によつて地方に還元されるのが七十六億で、あとの二十一億というものは地方の税の増収のようなもので、十分まかなえるのだ、こういう御説明であつたかと思うのであります。これは自治庁でどのような計算を立てられたかわかりませんけれども、現在の地方の自治体の財政状況を見ますと、風水害の地域もございますし、冷害の地域もありまして、非常にこれは困難な状況にあるということは、当然考えられるのであります。従つて、私がしばしば憂慮いたしておりますように、この一・二五というものは、これは地方によつて必ず不均衡が出て来る。一・二五の財政的裏づけがない府県、あるいは市町村が必ず生ずるということが、今日の事態から当然予想されるわけであります。しかるに自治庁次長は、そういうことはないと言い切つておりますが、これはあまりにも現実を見ないところの、いわゆる机の上の計算であろうど思うのであります。従つて私は、やはり昨年の奈良県のような状態が、ことしも起り得る、こういうことを憂慮するわけであります。そのような場合にあなたは――これはあなたの権限ではないかもしれないけれども、あなたはきようは代表として出ておられるわけでありますから、そのような事態に対して、政府はどこまで責任を持てるのでありますか。そのような非常に不均衡が起きて、一方においては一・二五の期末手当を支給されておるのに、一方においては一あるいは〇・七五というような事態が起きたという場合、これはあくまでもやはり公務員の公平の原則によつて、一・二五まではやつてもらわなくちやならぬと思うのです。あなたは政府当局としてこれに対して、あらゆる努力を払つてそういう不均衡が国内において起きないように、万全の努力をなさる決意であるかどうか、その点をひとつお伺いいたします。
#158
○田中政府委員 過去の実績にかんがみまして、櫻井委員が補方自治体のことに関しまして、非常な御心配を昨日来しておいでになります。この点は十分了承いたすわけであります。きようも午前中、自治庁の次長が詳細に地方自治の財政状態、またこの年末手当等の関係に対する財政措置につきまして御説明を申しまして、大体御了解をいただいたことと思います。また自治庁の次長も相当の確信を狩つてやつておるようでございましたので、まず万々ただいまのお話のようなことはあるまいとは存じます。けれども万一ありました場合、私どもといたしましてはこれは昨年の例にかんがみましても、努めて各地方自治体においてはなはだしい不均衡がないようにしなくてはならぬのは、これまた政府の責任でございます。従いまして今後におきまして、自治庁また地方自治体、政府、十分に連絡をとりまして、そういうことのないように、また万一そういう不均衡が起るようでございましたら、これに対して十分の対策を請じたい、このように考えます。
#159
○櫻井委員 大体あなたの御意思はわかりましたが、これは私どもたち悪く考えますと、今回のいわゆる期末手当を、私が最初から申しましたように六月は〇・七五でしたか、今度は〇・五、勤勉小当を〇・七五にしておる。それで期末手当というのは、当然六月〇・七五であるなら、今回も〇・七五であるべきだ、それを〇・二五だけ減らして勤勉手当に持つて来ておる。勤勉手当というのば操作ができるのです。可能であるのです。大蔵省では一律支給であると言つておりますけれども、地方自治体は、苦しくなればそういうことをやる可能性がある。お前は勤勉の度が少いから少し率を下げる、こういうことがあり得るのです。従つてたち悪く考えれば、勤勉手当〇・七五にしたことに対しては、そういう含みがあるのではないかとさえ考えられるのです。そのような事態の起きないように、あなたはあらゆる関係各庁との連絡を密にして、万全の措置をとるというはつきりした言明を、本日はいただいたので、私も安心するわけでありますが、その言質だけで安心できないことは、吉田内閣においては例証済みなんです。われわれは何度も苦杯をなめさせられておる。従つて私は、あなたの言うことを全面的に百パーセント受取るわけには行かない。従つてそういう事態が起きた場合に考えられ得る具体的方法として、たとえばどのようなことを考えておられるか、ひとつその所信をここに明確にしてもらいたい。
#160
○田中政府委員 これは先ほども申しました通り、私一存で処理できる問題ではございませんし、直接担当の自治庁あるいは大蔵省等関係省と十分打合せいたしまして、御心配の点のないようにいたしたいと思います。
#161
○櫻井委員 あなたは御一存で御答弁でまないと思います。従つて私どもはいつも要求するのですが、政府の責任ある人を、ここに出していただきたい。いつも次長さんだとかなんとかが来て、そうして私一存ではどうにもならない、こういう答弁で終つておるわけです。われわれは今、田中副長官に責任を追究いたしません。あなたとしては、それ以上のことは答えられぬのは無理もないと思います。だから次長さんよりもつとはつきりした、責任のある、政府を代表して答弁のできる人の出席を、私はここに求めたいのです。なお田中副長官には、あなたの今の記録にも載つた言葉を信じまして、ひとつあらゆる努力を傾注されんことを切に希望いたしまして、私の質疑を終了いたします。
#162
○川島委員長 本日はこの程度にとどめまして、明四日午前十一時から開会いたします。散会いたします。
    午後四時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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