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1953/12/04 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 厚生委員会 第2号
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1953/12/04 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 厚生委員会 第2号

#1
第018回国会 厚生委員会 第2号
昭和二十八年十二月四日(金曜日)
    午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 小島 徹三君
   理事 青柳 一郎君 理事 松永 佛骨君
   理事 長谷川 保君 理事 堤 ツルヨ君
      越智  茂君    高橋  等君
      寺島隆太郎君    亘  四郎君
      村瀬 宣親君    山下 春江君
      柳田 秀一君    杉山元治郎君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (恩給局審議課
        長)      畠山 一郎君
        総理府事務官
        (恩給局審査第
        二課長)    堀内  浩君
        厚生事務官
        (大臣官房会計課長)  堀岡 吉次君
        厚生事務官
        (社会局長)  安田  巖君
        厚生事務官
        (児童局長)  太宰 博邦君
        厚生事務官
        (保険局長)  久下 勝次君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生)  山口 正義君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
十二月四日
 委員中野四郎君辞任につき、その補欠として村
 瀬宣親君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員村瀬宣親君辞任につき、その補欠として中
 野四郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長選任
 参考人招致の件
 厚生行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小島委員長 これより会議を開きます。
 まず小委員会設置の件並びに小委員、小委員長の選任についてお諮りいたします。委員諸君の御要望もありますので、当委員会に小委員十名よりなる医療金融に関する小委員会を設置することとし、小委員及び小委員長の選任に関しましては委員長より指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて医療金融に関する小委員会を設置することとし、小委員には
   青柳 一郎君  加藤鐐五郎君
   助川 良甲君  高橋  等君
   松永 佛骨君  古屋 菊男君
   山下 春江君  柳田 秀一君
   堤 ツルヨ君  亘  四郎君の十君を、小委員長には青柳一郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○小島委員長 次に昭和二十八年度厚生省関係第二次予算補正の問題について委員会の要望もありますので、まず政府当局より説明を聴取いたしたいと存じます。堀岡会計課長。
#5
○堀岡説明員 お手元に配付しました印刷物によつて便宜御説明申し上げます。
 今般の第二次補正予算の内訳は、そこの事項にあります通り、第一番が政府職員の給与の明年一月からの改善の費用が一億五千二百八十三万六千円であります。それから期末手当及び勤勉手当の支給に伴う増加分、これが一億九千十六万二千円。それから三番目の暫定予算に伴う事務費の増加でありますが、たびたび暫定予算が出ましたので、そのために印刷庁に払う印刷費であります。それから米価改訂に伴う増加分、これは米価を一二・五%明年一月から引上げることに伴いましてこれたけの値上げを計算して、そこに記載いたしました通り、結核療養所並びに精神頭部、脊髄、看護婦養成所等に必要な経費をそれぞれ計上したのであります。それからその裏に参りますと、生活保護費につきましても先ほど申し上げました一二・五%の値上げに伴う分が八千六百八十六万円、児童措置費におきましても同様に七百七十三万八千円、合計一億一千二百五十一万二千円を補正分として計上いたしたのであります。それからこの十二月一日より国民健康保険の点数を改訂いたしました。御案内と思いますが入院料等の引上げに伴います必要なる経費三億二千七百七十八万三千円、その内訳は精神衛生関係の措置、入院の補助としまして一千百十万一千円、生活保護関係費が三億一千六百六十八万二千円、それから、後ほど申し上げますが、国立病院の特別会計へ同様な米価あるいは給与改訂等の関係で一般会計から繰入れますものが三千六百万円、以上合計しまして八億二千四十三万一千円でございます。
 なお在来の経費に伴いまして、あるいは年度末までの計算から見て不用額であるとかあるいは一般の節約であるというふうなものは合計四億四千二百十一万二千円、これのおもなる内訳は、国民健康保険、再建整備貸付金と、戦傷病者援護委託費、それから特殊医薬品の買上げの費用、それから傷痍軍人の伊東、別府等における保養所の経費等の不用、それらがおもなものでございます。従いまして今回一般会計としての追加は差引三億七千八百三十一万九千円でござい康す。
 それから特別会計におきましては、そこに記載いたしましたように厚生保険特別会計におきましては給与の改善と期末手当、勤勉手当、それが四千三百六十万四千円でございますが、この分は厚生保険特別会計の予備費から使用するということで予備費を減じたのであります。
 船員保険特別会計におきましても同様なことでございまして、二百六十九万六千円。
 それから国立病院特別会計でございますが、便宜歳出の方から申しますと、3以下の事項でございますが、政府職員の給与改善の増加六千百八十二万一千円、期末手当及び勤勉手当の増加八千九百二十八万四千円、並びに病院移譲に伴う退官及び退職手当を支給しなければならないので、これには特別の高い退官、退職手当を支給いたしますので、その分が三千六百三十五万三千円、米価改訂に伴う増加分が六百五十二万六千円、それから病院を移譲しますと、その病院としては年間の予算を組んでおりますので、すでに移譲しました分についてその後の不用額を千百六十六万二千円減少いたします。それから先ほど申し上げました一般会計より受入れの三千六百万円の収入と、健康保険の点数改訂に伴う歳入の増加一億二千五百万円を引いた残りの二千百三十二万二千円を予備費から使用するということで予備費の減をいたした次第であります。非常に大ざつぱでございますが、大要以上の通りでございます。
#6
○小島委員長 ただいまの説明について御質疑はありませんか。
#7
○青柳委員 ただいまの御説明の中で既定経費の減少の簡単な御説明があつたのですが、もう少し詳しくお話を願いたいと思います。
#8
○堀岡説明員 先ほど申し上げましたもののおもなものだけを申し上げますと、再建整備貸付金におきましては二億二千三十六万円の不用を計上いたした次第であります。それから特殊医薬品の買上げにつきましては八千六百万円でございまして、戦傷病者援護委託費におきましては二千五百三十八万八千円、伊東、別府等の保養所におきましては四百万円、これらがおもなものでございます。
#9
○青柳委員 ただいまの再建整備の関係と特殊医薬品の買上げ、戦傷病者等の援護法施行による委託貿の減、この三つについてその理由を伺いたい。
#10
○堀岡説明員 国民健康保険、再建整備貸付金の減は、現在までの申請が非常に少うございますので、そのための減でございます。それから戦傷病者援護委託費につきましては、これも御案内のようにこの経費は補装具等の支給でありまして、その実績によつて見込んだのでありますが、毎年々々続けて行きますのでだんだん数は減ります。それから特殊医薬につきましては手持の薬品が相当多数ありまして、本年度一ぱい十分まかない切れるということで減額をいたしたのでございます。
#11
○青柳委員 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の関係とは少し異にいたしますが、本年度から軍人恩給の支給が始まることになつたのであります。この支給に関連しての事務費についてですが、われわれ国に帰つて聞きますと、どこの府県市町村におきましてもその不足を非常に憂えておるのであります。この経費は恩給局に計上せられるものでなく、厚生省の予算に計上せられることになつておると聞いておるのでありますが、それが厚生省に計上せられておるかどうか。おるとすればその理由はどういうところにあるのか、またどの程度の金額が軍人恩給支給のための事務費として県並に市町村に行くのかという点について承りたい。
#12
○堀岡説明員 ちよつと手持ちの資料がございませんので、後ほど調べましてお答えいたします。
#13
○青柳委員 数字でなくてもけつこうです。
#14
○堀岡説明員 事務費は若干厚生省の所管になつております。
#15
○青柳委員 恩給法の事務を行うために必要な経費が厚生省の予算に計上せられておるとするならば、ひとつ伺いたいのでありまするが、この際急速に恩給の裁定を行つて、急速に気の毒な方々に恩給を支給しなければならぬ。それについての予算、これはどの程度計上されてあるかということを承りたいのでありますが、それは後にまわしてもよろしゆうございますが、大体十分な程度の予算が本年度あるかどうかという点につきまして、厚生省当局の責任ある御答弁を願いたい。
#16
○堀岡説明員 この軍人等の恩給事務処理については、厚生省所管としまして二億六千五百三十三万九千円計上いたしております。予定の計画のごとく進みますれば、本年度一ぱいはこの経費で足りる、今のところはそういうふうに見ております。
#17
○青柳委員 その経費は市町村にまで行くのかどうか。
#18
○堀岡説明員 市町村に一部参ります。
#19
○青柳委員 今の御答弁によりますと、大体これで足りるというお話でございますが、もし足らないというふうなことがだんだん出て来場合には、厚生省当局におきましては、来年度の予算におきまして十分この経費を計上せられるように切にお願いいたします。
#20
○小島委員長 ただいまの問題についてどなたか御質疑がありますか。
#21
○長谷川(保)委員 今補正第2の一般会計の支出の方を伺いましたが、私どもに配られております補正第2号の説明書の一般会計の歳入の方に、厚生省関係のものといたしまして、病院収入六億五千五百二十八万二千円というのがございます。説明には「病院収入の追加額は、健康保険法等の規定による診療報酬点数の引上げに伴う入院料金等の増加見込額である。」と書いてございますが、この病院収入という病院は何をさしているのでありましようか。
#22
○堀岡説明員 ただいまのお尋ねの点は国立の療養所でございます。
 なおこの際補足的に数字についても一応御説明申し上げたいと思いますが、六億五千五百二十八万二千円のうち、厚生省所管は六億五百三十三万一千円でございまして、健康保険等の点数増加による分は、そのうち二億三千二百四十二万七千円でございます。差額の三億七千二百九十万四千円は二十七年度からの繰越し歳入を計上いたしたものでございます。
#23
○青柳委員 まだほかにありますけれども、あとの質問のときにいたします。
#24
○小島委員長 では次に、青柳委員その他より予防衛生研究所の問題について発言を求められております。これを許します。青木委員。
#25
○青柳委員 私は先回の委員会におきまして国立予防衛生研究所を必要とする理由という文書をいただいたのであります。これによりまして、それまでも新聞に出ておりましたが、行政整理、機構改革に伴いましていろいろな方面にいろいろな問題が出て参ろう思います。私は別にこれに反対するものではなくて、行政整理、機構改革は大いに推進すべきものであるという見地に立つのでありますが、しかしながら必要なものはあくまでも置いておかなければならぬ、しかも実際に即しての解決でなければならぬということをかたく信じておるのであります。しこうしてこの文書を見ますると、いろいろな疑問が起つて来るのでありまして、この女書によつて要望する点が私といたしましては大いに是認せられるのであります。何とならば終戦後わが国の衛生状態は非常に混乱いたしまして、伝染病の発生はきわめて多く、特に結核、性病、寄生虫などの蔓延も著しかつたので、科学的な根拠に基いた衛生行政の実施が必要となつたために、伝染病の予防、治療その他に関しまして厚生行政に直接つながりを持つ総合的医学研究を行う機関を設置する必要から、この研究所が設けられたものと思うのでございます。この研究所の成果は現在相当上つておると私は思うのであります。敗戦画後のあの混乱の時代の国民の健康状態も漸次よくなつて来ております。聞くところによりますと、結核の死亡者の数が昭和二十六年度では十万人を割り、二十七年には七万人になつたとか、人口十万人に対する死亡率が一一一から八二になつておる、こういうような未曽有なよい成績を上げておられるということにつきましては、私はこの予防衛生研究所の存在が相当力をいたしたものと考えるのであります。しかるに今回機構改革によりまして、この予研が伝研と一緒になるということを聞くのであります。ところがこの伝研と予研のおのおのがになう仕事は、どう考えてみても私には違つておると思えるのであります。もちろん伝研は東京大学の付属機関でありまして、純粋なる学理の蘊奥をきわめるところであります。従つて学理の蘊奥をきわめるために自由な立場に立つてほんとうに学問的なことを追求して行くのであります。しかるにこの予研の方は、厚生行政の要請に応じまして、わくがはまつておるのであります。厚生行政の要求するところに従つて、その行政を助けるための方面の学理を進め、またその結果を各方面において応用するというようなことになつて出る。いい言葉を発見するのに苦しむのでありますが、実際的のにおいがするといいますか、行政との密接な関係を持つております。しかるに伝研の方は、行政との関係を持たずして、あくまでも学理の蘊奥を研究室の中において進めて行くというふうな感がするのであります。予研の方は実際に出て行つて実際的に仕事をする。しかもその仕事については、厚生行政の必要とする観点からの命令を受けてそのことに従う、そういうふうに私は考えるのであります。この二つはそういう意味から全然その設立の趣旨を異にしておる。これを異にしたところに、実際的に各種の伝染病を少くして行つた根本がつちかわれておつたと思うのであります。そういう意味からいたしましても、このよい結果を現在日本国民に来らすのに相当大きい貢献をしておるこの予研と伝研とを一緒にして、また研究室にとじこもつて学理の蘊奥をきわめるという方向に持つて行くということは、実際の国民の衛生状態に対して、今までよくなつておることを、また逆に持つて行くおそれがなきにしもあらずということを、大いに心配するのであります。そういう意味からいたしまして、この予研と伝研とは、あくまでも二つの機関として行きたい、こう考えるのであります。これは非常に大きい問題であると思います。ことに現在いい結果を持つて来ておるだけに、非常に心配になるのでありまして、何とかしてこの予研は、あくまでも厚生行政に必要な存在として、厚生省の方において現在のような仕事をなおも進めて行きたいものであると考えておるのでございますか、これらについて御当局のお考えを承りたいと存じます。
#26
○山口説明員 予防衛生研究所が終戦後の昭和二十三年にでき上りましたときの状況は、ただいま青柳先生から御指摘のございましたように、終戦直後各種の伝染病が非常に蔓延をいたしました。従来国内にあまりなかつた発疹チフス、あるいは痘瘡というような悪質の急性伝染病が、非常に蔓延をいたしまして、また結核、性病等も非常に蔓延いたしておりまして、当時の衛生状態が極度に混乱しておりましたので、従いまして、その対策に科学的な裏づけをするという意味から、その要請に基きまして、国立予防衛生研究所というものができ上つたのでございます。予防衛生研究所の行つております仕事を大きくわけますと、ただいま青柳先生から御指摘がございました、厚生行政あるいは衛生行政の裏づけになる研究と、それから各種の製剤の検定、国民に安全な製剤を与え得るように国家検定を行うという、研究と検定その二つの側面があるのでございます。ただいまお話のございました研究の部面を取上げてみましても、国立予防衛生研究所の行う研究と、それからただいまお話のございました東京大学に付属しております伝染病研究所の行います研究とは、その研究のあり方につきましては、ただいま御指摘の通り、予防衛生研究所において行います研究は、国の衛生行政上の要請に基きまして、国民生活に直結して、その疾病に対しまする予防並びに治療方法を研究するのを目的といたしております。それに対しまして東京大学に付属しております伝染病研究所で行います研究は、あくまで大学の付属研究機関として、衛生行政面というよりは、むしろ学理の探究を主といたしまして、研究者自身がそれぞれ自由な立場におきまして、――対象といたします疾病は両方共通する場合もございますが、しかしながらその研究の行き方といたしましては、予防衛生研究所の方は、そのときどきの厚生行政、衛生行政の要請に応じて行つて行く研究が主体となるのに対しまして、伝染病研究所の方はむしろ研究者を主体として、自由な立場から学理の研究をするというあり方であるべきだというふうに考えております。ただいま青柳先生の御指摘の通り、そういうふうに考えているのでございます。私どもといたしましては、国立予防衛生研究所、それから大学付属の伝染病研究所、それぞれの立場において存在しなければなりませんし、また存在する価値があり、その中において行います研究のあり方というものにつきましては、ただいま申し上げましたように、おのずからそこにはつきりした区別を持つて行かなければならないというふうに考えているのでございます。刻々そのときどきの要請によりまして、――いろいろな疾病が流行いたします。あるいは発生いたします。そのときに、その裏づけをする研究を一々大学の付属研究機関に依頼して行うというようなことでは、厚生行政を科学的に運営をして、そのときどきの要請に応じて研究を実施して行くということは、実際上困難なことというふうに考えますので、この厚生行政あるいは衛生行政を科学的に実施して参りますのには、その行政に科学的な裏づけをいたします研究機関を、厚生省として直結のものを持つて行かなければならないというふうに考えているわけでございます。検定の部面につきましては、申し上げるまでもないことでありまして、現在予防接種法に基きまして、いろいろのワクチンを人間に接種することになつております。その際に安全なワクチンを国民に供給するために、製造業者のつくりましたものを、国の責任において検定する。それは厚生行政に直結した研究をやつております。その研究から、すぐ検定のやり方をどういうふうにすればいいかということが引起つて参りますので、この研究と検定とは、密接不可分な仕事だというふうに私どもは考えております。実際に現在予防衛生研究所において行つております検定業務は、予研で行います研究から引起しましたいろいろな新しい事実に基きまして、検定をいたしております。この二つの研究と検定という仕事を実施いたしますために、私どもといたしましても、ただいま青柳先生の御指摘のように、厚生省に直結の予防衛生研究所というものをぜひ持つていなければ、科学的に正しい厚生行政を実施し得ないというふうに確信いたしておる次第でございます。
#27
○青柳委員 私はお役々のセクトによる対立というようなことは全然考えておらないのでありますが、予研と伝研と一緒になつた際に、一人の所長のもとにその二つを合せて行うような際には、いわゆる学理の蘊奥をきわめる伝研の方の部分が強くなつて行くと、厚生行政に直結しての衛生方面の仕事がおろそかになるし、また予研の方が強くなつて来ますと、学理の蘊奥をきわめる方がおろそかになるというような点からも、実は大いに心配をしておるものであります。ただいま御当局の御返事は、私の考えとよく合つておるのであります。御当局におきましても、十分この問題について御努力を願うと同時に、われわれといたしましてもなお検討に検討を重ね、この機構改革についての結論に関して、厚生行政の面から力を注ぎたいと思います。
 関連いたしまして、もう一言御当局の意見を聞いておきたい点があるのであります。それは承りますと、海港における検疫、これを昔にやつておつたように、税関に吸収するというような問題があるようであります。こうなりますと、相当不都合な点が出るかと私考えるのであります。人事の交流の面におきまして、非常に狭くなつて不都合が起るとか、あるいは検疫は国内における防疫との関係を持たなければならぬというような点からも、ぐあいが悪いのではなかろうか、こういうふうに考えるのでございます。この問題につきまして御当局の意見を承つておきたいと思います。
#28
○山口説明員 検疫という仕事は、申し上げるまでもないことでございますが、国際間の交通によりまして、各種の伝染病が国内に搬入されるのを防止する仕事でございまして、あくまでこれは衛生行政の仕事でございます。海港あるいは空港におきまして、海外から船舶あるいは航空機によりまして旅客が国内に参ります際に、その旅客に対しまして医学的な、衛生的な検査をいたしまして、そういう病源体が国内に持ち来されることを防ぐ措置なのであります。これは国際的な問題でございますのでどの国におきましても国が直接責任を持つて実施をいたしておるのでございます。これがほかの官庁の所管になるというようなことになりますと、ただいま青柳先生の御指摘がございましたように、この国際的な防疫、つまり伝染病予防でございますので、これはただちに国内の防疫、伝染病予防と直結するわけでございます。たとえば検疫においてコレラ患者が発見されましたという際には、ただちに国内的な防疫措置の手を打つて行かなければならないのでございます。ことに最近のように国際間の交通が非常に敏速になつて参りました際におきましては、その防疫的な措置の手の打ち方におきましても、非常に急を要するわけでございまして、国際防疫と国内防疫と一貫した行政系統において行われないと、これがばらばらの所管になつております場合には、国際防疫から国内防疫に移るというときの連絡などに迅速を欠く場合等も考えられますので、伝染病が国内に侵入して急激に蔓延するという心配も考えられると思います。私どもといたしましては、検疫と防疫、つまり国際防疫と国内防疫とは一貫した行政体系として実施して行かなければいろいろの支障が起つて来る、そういうふうに考えます。また現場におきまする検疫所の仕事でございますが、その対象になりまする人は旅客あるいはそれに付属する荷物などでございますので、あるいは税関あるいは出入国管理というような仕事と対象は同じになるのでございますが、しかし仕事の内容は全然別のものでございまして、検疫業務は先ほど申しましたようにあくまでも衛生業務でありまして、しかもコレラとかペストとか黄熱あるいは痘瘡というような、わが国に常在しないたちの悪い伝染病防邊のためにいろいろ仕事いたしまりまして、またそれに対します細菌検査室とかあるいは隔離室、停留室あるいは収容病院というような特殊な衛生施設を松疫所として所管しておりますので、これはとうてい衛生行政を所管していないほかの官庁に併設して、それを管理運営して行くというようなことでは、正しい管理、運営はできないというふうに私どもは考えております。検疫業務が衛生行政であり、国際防疫と国内防疫と直結させてやつて行かなければならない、またその仕事に非常に衛生的な特殊性があるという点から考えて、これは当然衛生行政を所管しております厚生省が所管すべきものであるというふうに考えているのでございます。事実また世界の国どこにおきましても、検疫業務というものはその国の衛生行政を所管しております官庁が直接の責任において管理運営しているのでございまして、米国におきましても英国におきましても、あるいはイタリアにおきましても、近くのフイリピンにおきましても、どこにおきましても、検疫行政は衛生を所管しております官庁が直接実施している仕事でございますので、そういう点から考えましても、検疫業務というものは衛生行政を所管する省が直接所管し、また検疫所というものは衛生行政を所管する官庁が直接管理運営すべきものである、そういうふうに考える次第でございます。
#29
○長谷川(保)委員 昨日大蔵大臣は、二十九年度の予算編成の骨格について、防衛と賠償に相当重点を置いて行かれるというようなことを言うておるのでありますが、私は最近の国の事情、政治の事情等を見まして、厚生行政が後退をして行く傾向がすでに出て来ており、またそういう傾向が強くなるということを非常に憂えるのであります。たとえばただいま問題になりました国立予防衛生研究所の問題でも、民主主義社会の実現を目ざして、戦後の困難のうちにわれらの国は常々として歩んで参りましたが、その国民の健康の問題を扱いまするこの大きな機関、ことに今日までの実績を見まして、ただいま青柳委員のお話にありましたように、すばらしい実績をあげていると私は考える、これが今回の機構改革ということで伝えられておるところによりますると、伝研と一つになるというようなことでありますが、このようなことは断じてしてはならない。社会保障制度の進展という点から申しましても、公衆衛生の線がよほど進歩して行かなければ目的は達しないのでありまして、われわれはそういう立場からいたしまして、今町柳委員の御説にまつたく同感であります。厚生当局はこの予防衛生研究所をどうか後退させないように、十分な御努力をいただきたいということを要望するものであります。
 それに関連して私は一つ伺つておきたいことは、昭和二十八年度の予算におきまして、この予研のために目黒の海軍大学の建物を振当てるために三千五百万円の予算が計上してあつたはずでありますが、これがいまだに、すでに十二月でありまするけれども、実現しない。どういう事情にあるのか、事情を承りたい。
#30
○山口説明員 ただいま長谷川先生の御指摘のように、予防衛生研究所は現在、以前の伝染病研究所の建物を伝染病研究所と折半して、昭和二十二年の設立当時から使用しているわけでございますが、ただいま御指摘のように、厚生行政の進展に伴いまして予防衛生研究所の業務が非常に大きくなつて参りまして、どうしても現在の施設では手狭でございますので、また東京大学の方におきましても、今後伝染病研究所をいろいろほかの目的にも使いたいというようなお話がございますので、早くあそこを出てほかの建物に移つてほしいというような要望もございました。それでいろいろその移転先を物色しておりましたところ、ただいまお話のございました旧海軍大学、現在そこには駐留軍関係の看護婦の世帯が相当数入つておりますが、それが本年の夏ごろにはあく予定であるというようなことでございましたので、それで大蔵省当局に折衝いたしまして、あきました際にはそこへ移る、しかしながら、現在の内部の施設をいろいろ改造しなければなりませんので、当初予算に三千五百万円の経費を計上していただいたわけでございます。ところが現在入つております駐留軍関係の看護婦の数世帯の移転先がまだ完成いたしませんで、予定より非常に遅れましたために、まだその移転が完了いたしておりません。それで私どもの方といたしましても、いろいろ大蔵省の管財局を通じ、外務省を通じて、日米合同委員会の方に早く移つてほしいということを要望しておるのでございますが、現在まだその移転先が完成いたしませんために、海軍大学があかないという状態でございます。しかし最近の情報では近く移転できるようになるだろうというふうな話でございますので、幸い予算も計上いたしていただいておりますので、何とか年内に早くあけてもらつて海軍大学の方に移れるようにということで、現在大蔵省の管財局の方にも再三折衝を重ねている次第でございます。
#31
○長谷川(保)委員 ほのかに聞くところによりますと、この海軍大学の建物を他の省の他の目的に違う意図があるというようなこともうわさに聞くのでありますが、そういう点厚生当局はいかに考えておりますか。
#32
○山口説明員 ほかの省でもいろいろ現在不自由な建物に入つておるところがございますので、一つの建物があきます際にはいろいろな省から要望があるのでございます。海軍大学につきましても、ほかの省から何とかしてあそこへ入りたいというふうな要望があるということも私どもは承知はいたしております。しかしただいま申し上げましたように、本年度の予算に予防衛生研究所が海軍大学に移転するための必要な予算を計上していただいておりますので、私どもといたしましては大蔵省の管財当局に折衝いたしまして、ぜひ予防衛生研究所がそこへ入れるようにということで現在折衝を続けているわけでございます。
#33
○長谷川(保)委員 その点について厚生当局の十分な御努力を期待いたしまして次の質問に移ります。
#34
○柳田委員 関連して。今国立予防衛生研究所の問題で自由党の青柳君から御質問がありました。私もまつたく同感であります。ただ少しく観点をかえて御質問をしてみたいと思います。青柳君も言われましたように、予研の設立の目的は現在の伝研とはまつたく設立の目的が違つております。従いましてその活動の部面が違うことは当然であります。また研究の内容が違うことも当然でありますが、新聞でほのかに知るところによりますと、行政機構改革で伝研の方に吸収併合されるということで、これらに関しましては私の質問するほこ先が違つておる、むしろ塚田国務大臣なり、あるいは内閣委員会等においてやるべきかと思うのでありますが、この際明らかにしておきたいのは、これは厚生大臣の言明をいただかぬとはつきりせぬのじやないかと思いますが、大臣はいらつしやいませんからまた別の機会に譲るとして、厚生省の御当局に伺いたいのですが、第一点は、こういうような国立予防衛生研究所を設立されたのは、これはひとり日本だけのことではない。現にイギリスの国立医学研究所、米国の国立健康研究所、ドイツの国立健康院、あるいはその他の国々の国立血清学研究所等、みんなそれぞれ国立の施設を持つておつて、一つの特定の大学の付属研究機関にこれをあげて一任しておるというような国はまずないというふうにわれわれも教えられておるのであります。そこでわが国におきましても、これの歴史を見ましても相当紆余曲折を経て来ております。大体において今の伝研そのものの歴史を見ますと、相当にこれが学閥の争いになり、あるいは学閥以前の個人的の二大勢力の争いにもなり、さらにその背後には時の元老の力まで動いて来たことは周知の事実であります。それと同時に別個に考えるべき問題は、現在の伝研は、東大の附属機関になつておるということ、当時の東大は、いわゆる東京帝国大学であり、日本の国家行政とも関連したところの学術の総本山であり、さらにそれが行政にも結びついたところの学校であつた。ところが現在の東京大学は、医学教育の機関としては規模内容等においては別個としても、一県立の医学部と何らその間においてかわりがないのです。大分性質が異つておるということが第一点。従つてしいてこういうような改革をなさんと一するならば、厚生省においてはどうお考えになるかということ。むしろ現在の伝研のうちの、特に一大学の付属機関としての、いわゆる学術の蘊奥をきわめるに必要なる部面のみを東京大学に残して、他はあげて先進諸国のように国立予防衛生研究所、名前はどうあろうとも、そういうような仕組みのもので厚生行政をやる。しかもこの厚生行政のうちの予防医学あるいは公衆衛生というようなものは、あくまでも科学が根拠になるべきものでありますから、その行政の根拠をなす科学をきわめるものは厚生省が所管される方が私は正しいと思う。従つて、もしもこの機構を改革するならば、現在の伝研のうちの必要部分のみを東大の付風機関として残す。あの建物はロツクフエラーの寄付と思つておりますが、そう簡単にかりに行かぬとしても、むしろ歴史はどうあろうとも、現在の実情に即するならば、今の伝染病研究所そのもの一部分をあげて予研の方に併合して、厚生省が所管せられる方が筋道は立つておる。東京大学の人に言わすと、あるいははなはだしくおしかりを受けるかもしれませんが、私はその方が筋道が立つておると思いますが、厚生省の所見はいかがでありますか。
#35
○山口説明員 伝染病研究所におきます研究と、予防御生研究所におきます研究のあり方につきましては、先ほど青柳先生から御指摘がございまして私もお答え申し上、げた通りでございますが、ただ現在の伝染病研究所の施設あるいはその中でやつております研究を極度に限定して、それを厚生行政に関係のあるようなものは予防衛生研究所に移したらどうだというような柳田先生の御意見でございますが、私どもといたしましては、これは他の官庁との関係もございますので、現在の施設について私どもの立場でいろいろ軽々に申し上げることはどうかと思うのでございますけれども、研究のあり方としては、先ほどから申し上げましたように、伝染病研究所の研究はあくまで伝染病の予防あるいは治療ということについて学理的に研究して行くというふうに持つて行かなければならないと思うのでありまして、東京大学にやはり伝染病に関して学問的に学者の立場において、学問の自由を尊重して研究して行く機関が必要であるということは、柳田先生もお認めのことと思うのでございます。単に東京大学ばかりでなく、他の大学におきましても同様の研究所が存在しておりますので、私といたしましては、東京大学に伝染病研究所というものが必要であるということは考えなければならないと思うのでございます。ただ文部省の所管となつております現在の建物を厚生省に移すというようなことにつきましては、これは他の庁との関係もございますので、ここで私よりはつきり申し上げることは差控えたいと思います。
#36
○柳田委員 建物のことは別にとやかく言うたわけではありませんが、かりに予研が伝研に併合でもされることになると、そのものは東京大学の一附属機関としては、内容において、規模において、また実際において、あまりにも厖大過ぎる。私はこれは附属機関じやないと思います。このことは現在の伝研そのものの歴史的発展過程を見ればすぐわかることであります。そこでこの問題と多少違いますが、伝研は大学の附属医院の附属じやなしに、大学の附属でありますが、大学の医学部あるいは医科大学と厚生省との関係が、どこにおいてもこういうふうにとかく不明朗な場合が多いのです。そこで問題のインターンの問題を持つて来ますけれども、これも私が申すようにはなはだしく不明朗である。こういうような態度を厚生省がとつておられるから、こういう問題が派生して来るのであつて、たとえばインターンの問題でもそうです。大学医学部でも医科大学でも、これは医学の蘊奥をきわめるところではあるけれども、率直に言うならば、医師を養成する機関です。医師にならない人もありますが、これは例外中の例外です。そしてその医科大学、医学部において、医師としての資格が大体あるという者に卒業試験を課して、それに卒業証書を出している。その者がさらにまたインターンを厚生省の所管においてやつて、そして国家試験を受けている。私はいつも言うように、そういうことはあげて大学医学部なり医科大学の責任じやないか。それに医師としての免状を与えるかどうかということは厚生省の責任であるから、厚生省がふるいにかけたらいいのであつて、厚生省がいまさらあわてて、自分の出身の医科大学においてインターンをやらせない。そしてそこでは過剰になるからふるい落したいというのでは、学生が困る。それで何んとかかんとか言つてふるい落しては問題が起つて来る。従つて厚生省はもつと毅然たる態度を持つて――医科大学なら医科大学で、文部省の方で責任を持つてこういう試験を受けるに足る者と思うからとそ、あなたの方は卒業試験を受けさして合格させるのです。それはあなたの方の御責任ですから、三〇%お与えになろうと、五〇%与えましようと、卒業証書はお与えになつていい。あなたのところで卒業証書を与えた者は、無試験でも厚生省としては医師免状を差上げましよう。けれども戦後独立した医科大学おいては多少戦前と違うから、暫定的にしばらくの間でも国家試験をやりましようといつて、さらに一〇%でも五%でもふるいにかけようと、それは厚生省の御随意だ。そうすると各医科大学はインターンをやらざるを得ない。それを二四の過程においてやるか、どこの過程においてやるかわからないが、やらなければならない。現にやつて十分に医師ができておる。厚生省はこういう点をもう少しはつきりさせておかないと、やけりこういうところから足元をすくわれる結果になると思う。私はその点な言いたい。片方においては文部省の責任を厚生省が十分に要求せずに厚生省が引受けている。片方においてはどうしても厚生省がやらねばならぬ仕事を、これまた文部省の方にこういう点うに巻き上げられる結果も起つて来る。この点はやはりはつきりしておかなければならないと私は思う。その点に関連して私は意見を申し上げておつたのですが、なおこれに対しては、国立予防衛生研究所の問題は、今後の日本の文化国家建設の上にも非常に重要な問題でありますから、これは委員長においても何らかの機会に大臣から、特に今度の行政機構改革等においては、二行政長官の立場として、あるいは、国務大臣の立場で、むずかしい問題もあろうかと思いますけれども、所見を伺う機会だけはつくつていただきたい、かように要望しておきます。
#37
○小島委員長 次に長谷川委員より健康保険、国民健康保険の財政問題について発言を求められておりますのでこれを許します。長谷川君。
#38
○長谷川(保)委員 私はこの問題につきましてもやはり厚生行政の前途を優えておるのでありますけれども、今度の入院料に関係いたしますもの、その他健康保険の点数改正によりまして、健康財政及び国保の財政が相当苦しんで来るのではないか、あるいは赤字になるのではないか、国保のごとき、前国会においてようやく二割の国庫負担を実現いたしましたけれども、今度の点数改正によつて、またここで因つて来るのではないか、さらにまた一方におきましては、実績その他の医療関係の上から行きまして、一点単価の改正む強く要望されており、前途相当暗いものがあると私は思うのでありますが、今回の点数の改正によりまして、健保組合の財政及び国保組合の財政に、一体どんな影響が出て来るというお見通しであるか承りたいのであります。
#39
○久下説明員 今回の点数の改訂によりまして、各府県に及ぼします影響は若干ずつ違いがありますが、政府管掌健康保険、組合管掌健康保険、日雇労働者健康保険、それから共済組合、私学共済組合、こういうようなものは大体におきまして給付の内容が同様でありますので、私どもとして、は、いずれも率におきましては同じような影響があるものとうえております。主として政府管掌の健康保険の従来の実績を基礎といたしまして、今度の点数改訂が及ばします影響を計算いたしたのでありますが、いずれも全医療給付費に対しまして六。三%の影響がある、こういうふうに推定をいたしておるのであります。金額で申し上げますと、政府管掌健康保険におきましては、本年度十二月から四箇月間の影響は、総額で四億九千六百万円、組合管掌は四億一千五百万円、日雇労働者健康保険は八百九十四万円、船員保険が千四百万円共済組合が全体で三億四千九百万円、私学共済組合が六百万円、それから別に国民健康保険でございますが、これは御案内のように各保険者ごとに給付の内容が違つておりまして、入院の給付をやつていないようなところもあります。そういうようなこともありまして、健康保険と同じような影響はないと推定しまして、全体の医療給付金に対する影響は四・五%と見ておるのであります。その金額は本年度内二億二千七百万円程度と見ておるのでございます。
#40
○長谷川(保)委員 この四箇月の数字を今伺つたのでありますが、すでに組合管掌等では、とていこれは赤字を避け得ないということを申しております。国保におきましても入院を許しておらないところもありますけれども、それはきわめて例外であります。やはり大体はみな入院を許しておる。二割の国庫負担によりまして、各地にほうはいといたしまして国保の再建の機運が出て来ておる。そういたしますると、このことによりまして、国民はやはり相当大きな打撃を受けると思う。ようやく二割の国庫負担でもつて何とかやつて行けるのじやないかという見通しがついて、国民は非常に医療の費用に苦しみ抜いておりましたから飛びついて来ておる。だから当然ここに新しい手を打たなければならぬ。政府はこれにつきまして国庫負担をふやして行く、あるいはその他の手を打つ。健保に対しましても、新たに国庫負担をするというようなお考えを持つているのかどうか。政府は社会保障制度審議会の勧告も尊重しておられることを、私は従来拝見いたしておるのでありますけれども、当然この上医療社会保険に対しましては重点を置かなければならぬ。この国保に対しまして、国庫負担をふやすかどうか、あるいは健保に対しましても、その他の社会保険に対しましても、新たに国庫負担というようなことを考えておられるかどうか、またその見通し等につきまして伺いたいのであります。
#41
○久下説明員 先ほど申し上げましたように今度の点数改正が、各保険者に及ぼします影響が軽いものとは決して私ども考えておらないのであります。ただ政府笹掌健康保険の実績によりますると、月々被保険者の給与が上つておりますので、大体保険財政も、この程度の負担には耐え得るという確実な見通しを打ちましたために、他の保険者団体等にも御相談をいたしましたのであります。その結果相当な論議もありましたが、結果において、各保険者代表それぞれの御賛成を得たのでございます。ただ国保の問題につきましては、ただいま御指摘のように、私ども決して楽観できない問題であると考え、また国保関係者からも、国保の現状、特に全国的に災害を受けております本年度の窮状につきましては、強く訴えられました。中央社会保険医療協議会の席上におきましても、この問題がいろいろと論蔵の焦点となりましたが、災害の程度に応じまして実施の時期は延ばすということに話合いがつきまして、結論を得ておるような次節であります。従いまして、少くとも今年度中は先ほど申し上げた数字が、国民健康保険につきましてはそのまま現実に現われるものとは思つておらないのでありますが、来年度の問題となりますると、これはやはり相当の影響があるものと考えております。
 それに関連いたしまして、国庫負担のお尋ねでございまするが、私どもが、国民健康保険の二割国庫負担というのは、すでに御承知の通り当該年度の療養給付金の所要額を計算いたしまして、それの二割相当額を補助する、こういう建前になつておりますので、本年度の点数改訂による影響というものは、当然来年度の補助の中に計算をされて行くべきものと考えているのであります。それからその他の現在療養給付に対する国庫の補助のでございません健保、船員保険雄町につきましては、私どもは国民健康保険と同様に、療養給付に対する二割の国庫補助を要求いたしておるのでございます。これは従来からの関係もありまして、相当強くまた最後まで主張をいたしておりましたが、今日までその実現を見なかつたのであります。私どもは今度の点数改訂は、何とか徴収額の増額等によりまして、あるいは国民健康保険につきましては未収保険料の徴収成績の向上というようなことによつて、この程度は、つけて行きたいと思いますが、社会保険全体の国庫の補助につきましては、この点数改訂があつたからということでなく、もつともつと根本的な建前から強く要求をいたしたいと思い、すでに要求書も提出をいたしておるのであります。見通しについてのお尋ねでございまするが、まだ今日まで具体的な折衝に入つておりませんので、ただいまのところは何とも申し上げかねるのであります。いろいろ財政上問題も多いようでございまして、楽観はできないと思つておるような次第であります。
#42
○長谷川(保)委員 保険組合連合会等の統計を見ますと、健保の財政が組合管掌等におきましては、ある程度黒字になつておるというような数字が出ておりますけれども、実際において現地に行つて当つてみますと、相当ひどい制限診療が行われておる。もし赤字になれば、どうも政府管掌にとられるおそれがあるというようなことまで杞憂いたしまして、それを言いがかりにして、現地におきましては相当ひどい制限診療をしているという事実をしばしば発見するのであります。こういう点は、実際表面からだけ健保の財政を見るのとは、内実は非常な違いがあるということを思うわけであります。ただいま保険局長から、点数改正という点からだけでなしに、従来からの問題といたしまして、健保財政のことにつきましては深く考えておる。また国庫補助を要求しておるというようなお話でありますが、どうかそういう実情を十分にお考えくださつて、今回の二十九年度予算においては、今厚生当局のお話のような健保に対しまする国庫負担、国庫補助というような問題につきましては、最後まで一歩も引かずにひとつ御尽力を願いたい。われわれもその点につきましては大いに協力をいたしますから、十分な御尽力をいただきたいということを要望しておきます。
#43
○小島委員長 村瀬委員より、共同募金の問題につきまして発言を求められておりますので、これを許します。
#44
○村瀬委員 私は共同募金の保管状況についてお尋ねをいたしたいのであります。その前に二、三補足的な質問をいたします。共同募金年報二十八年版というのがあるのでありますが、この第二十五表と第二十六表にはよりますると、売上げの還元総額が、二十七年度は二億八千七百六十一万二千円、利子が三百五十五万一千円、合計二億九千百十六万三千円となつております。二十八年度は還元総額が二億九千六百三十八万円で、利子が前年度の一割にしか相当しない三十八万九千円、合計二億九千六百七十六万九千円となつておりまするが、二十七年度と二十八年度とで、その利子が前年は三百五十五万一千円、二十八年度はただの三十八万九千円というふうになりました理由は、どこにあるのでありましようか。
#45
○安田説明員 ちよつと私その点を承知いたしておりませんから、後ほど調べましてお答え申し上げたいと思います。
#46
○村瀬委員 利子がお調べになつていないということになりますると、これから私がお尋ねすることもおわかりになるか、どうかわかりませんが、ことしはお年玉葉書がもはや四億枚売れたようであります。これは五円で売つて、そのうち一円を共同募金にまわすという次第ですから、そうするとその四億円は、一体どういうふうな保管をなさつておるのでありましようか。
#47
○安田説明員 共同募金全体のことかと忠つていたのですが、お年玉葉書につきましては、これは、大体十二月中あるいは一月あたりからだんだん売上金が入つて参りまして、それを中央共同募金委員会で保管いたします。そして大体二月か三月までには、地方にその売上げの実績によりまして、還元して行くような仕組みになつておるようなわけであります。その間の保管は、現在の共同募金委員会の定款によりますと、確実なる銀行、郵便官署というふうになつておりますが、そういうような保管の仕方をいたしております。二十七年度と二十八年度の利子の点が、どうしてそういうふうに違つたかということは、ちよつと私ここに資料を持つておりませんのでわかりませんが、よく調べましてお答えいたしたいと思います。あるいは推察いたしますのに、集つた金を早く分配できたのではないかというような気もいたしますけれども、共同募金委員会の方と取調べをいたしまして、お答えいたしたいと思います。
#48
○村瀬委員 あるいは早く処理ができたかもしれないという御答弁でありますけれども、そういうことについては十分厳重な監督を、現にやつておるのであろうと私は思うのでありますが、そういたしますと、ただいまお答えになりましたように、十一月からこの金が入つて、そして十二月、一月ごろに全部入つてしまう。入つてしまつてからは、どういうふうに配分目をなさるか。この本にいろいろ詳しく出ておりますけれども、原則として、局長の方でどういう御監督と、早くやれというような御指示を二十八年にはなさつたのでありますから、今年はどういうふうなことをなさるのであるか。
#49
○安田説明員 共同募金の配分その他につきましては、法律の建前から、なるべくその自主性を導重するということで、監督官庁はかれこれ言わないのであります。しかし最近そういう保管等につきましては、定款に定められましたことを私どもが監督いたしまして、それで定款通りやつておるかどうかということを実は監督いたしておるわけであります。ちよつと先ほどもお話がございましたが、本年度おそらく四億円以上のものが入つて来ると思います。そして、自分のところでどれだけ売り払つたかという各地の実績がございますから、それによつて府県の方へ還元するわけであります。これはなるべく早いに越したことはございませんから、私どももせいぜい早くするように申したいと思いますけれども、今のところいついつまでになつたら還元配付できるかということはちよつとわかりかねると思いますので、共同募金委員会の方ともよく調べまして、お答えいたしたいと思います。
#50
○村瀬委員 私は、各官庁はなるべくセクシヨナリズムに立てこもることをやめて、国民生活の総合的な観点に立つて問題を御処理することが望ましいと常に思つておるのでありますが、厚生省あるいは社会局が、自分の管轄に誤りがなければそれでよいといつて、任務が全部満了したものではないと思うのであります。そこでこの年末を控えての四億の資金の保管並びに運用ということは、たしかに国民生活にとつて非常に重大な問題だと思うのであります。ただいまの御答弁並びにこの冊子によりますると、これらの金は社会福祉法人中央共同募金委員会定款の第二十四条によりまして、確実な銀行もしくは郵便官署に預け入れ云々とあるのでありますが、現状は聞くところによりますると、関東で三大銀行、関西で三大銀行に預け入れられているとのことであります。そこで局長におかれても、この年末金融というものが、中小商工業者にとつていかに窮迫をしておるかということは、十分お聞きであろうと思うのであります。この年の瀬を越すのに、何もこの四億を大銀行のみに渡す必要はないと思うのであります。もし保管の目的さえ達成されて、この配分にもさらに支障がないということでありますならば、この年の瀬を越す中小商工業者に還元する方法があるならば、これは一挙両得であろうと思うのであります。現在数行の大銀行のみにこの四億が預金されておる。こういう状態でありまするが、これは実際の運用面から言いまして、中小商工業者にただちに還元のできる機関、しかも確実なものというと――政府は半官半民のような形で、一つの大きな機関として、商工組合中央金庫というものを、すでに以前から育成強化なさつておるのであります。従つてこの金をこの商工組合中央会庫に預入しても、何らの弊害も不安もなく、また運用上に支障もないのであつて、こういう点に監督官庁としてはお考えをめぐらすべきで、それは通産省の管轄だとか郵政省の管轄だとかいうことでなしに、国民生活全体をお考えになつた上の当然の御処置と考えるのでありますが、それに対してはどのような御意見であるか、承りたいのであります。
#51
○安田説明員 現在何行でございますか、私もはつきり労えておりませんけれども、確実なる銀行に預けておるのたと思つております。今いろいろお話がございましたけれども、こういう金は何と申しましても、確実であるということが一番大事であります。私ども現在の共同募金委員会の定款から申しまして、現在預けておるとこなの方法が問違いであるとは、実は思つておらないわけであります。
#52
○村瀬委員 どうもそういう御答弁では私の質問がはつきりおわかりになつておるのかどうか疑われるのであります。私は現在預けておるのが不確実とも何とも毛頭申しておりません。ただ同じ確実さ、あるいはより以上の確実さがあり、しかもそれを引出したり運用したりする上に何らの支障、不安がないならば、その金が生きて使えるようなところに預け入れるのが至当でけないかということを聞いておるのであつて、今預けているのが不確実であるから、もつと確実なところへ入れよというようなことでは毛頭ありません。しかし今の御答弁によると、商工中金というものは現在の預けておる銀行よりも不確実のような響きがするのでありますが、私は、現在預けておいでになる銀行、五つでありまするが、それが不確実とは毛頭申しません。むろんそれは確実ではありますが、商工中金もまたこれは確実と思うのであります。その確実の度合いにおいては、これは兄たりがたく弟たりがたしというよりも、むしろ国家がこれをつくつておるのでありますから、荷工中金の方が、もししいて確実というならば、少くとも序列は第一位である、かように思うのでありますが、さようにお考えになりませんか。
#53
○安田説明員 現在の定款が、先ほどもお話になりましたように、銀行あるいは郵便官署となつておりますので、その銀行の中に商工組合中央金庫が入るかどうかということも実は研究してみなければならぬと思うのであります。お話の趣旨もごもつともでございますから、ひとつ共同募金の方の委員会と十分その点を相談してみたいと思つております。
#54
○村瀬委員 大体おわかりくださつたようでありますが、これは私は現在の預け入れておる銀行へももちろん引続き預け入れてけつこうと思うのであります。ですが、幸いにこの年末を控えて、四億円という多額の、ちようど年末年越しをするのに都合のよい金がここにあるのでありまして、今日中小企業者の年越しの金の逼迫しておる現状を見ておりますと、まつたく胸の詰まるものがあるのであります。従つてこれを政府機関ともいうべき商工中金にもその五割なり三割なりを預入なさいますことが、いわゆる国全体の政治として最も適切なものであり、また預金の保管方法においても完全なものである、かように考えますがゆえにお尋ねしたのでありますがどうぞひとつ実現のできまするように、今現にこの金は続々集まつて来ておるのでありますから、共同募金事務局の方に早急に局長の方からお諮り願えますように、ひとつ御努力を願いたいのであります。
#55
○小島委員長 次に長谷川委員より、未帰還者留守家族等援護法に基く復員患者の恩給の問題、児童保育行政及び保育園措置費の定員制、定額制の問題、社会福祉事業振興会法の問題等について発言を求められておりますので、これを許します。
 長谷川君に申し上げます。政府委員の都合がありますので、未帰還者留守家族等援護法の方を先に願います。
#56
○長谷川(保)委員 前国会におきまして、未帰還者留守家族等援護法第二十条におきまして、恩給法の規定による増加恩給を受けております者、傷病年金、傷病賜金を受けております者、あるいは戦傷病者戦没者遺族等援護法の規定による傷害年金を受ける権利を有する者で、指定医療機関に入つておりまする人々につきましては、療養給付を行う場合に、政令で定めるところによつてその者からその者に係る収容中の実費の一部に相当する額を一部負担金として徴収することができるというふうにいたしまして、今日指定医療機関に入院をしておりまするところのこれらの者につきましては、療養給付とともに、恩給がある意味では併給される。実際におきましてはその中から一部負担金として支払いまして、千円ぐらいのものをその患者に残すというようなことができるようにする道ができました。これはいわゆる特例患者といわれて今日実施されておるのでありますが、このいわゆる特例患者ではございませんところの、新たに恩給の裁定を受けて恩給を交付される資格を有する者、そういう者につきましては、今日地方によりましては、恩給か医療の給付かどちらか一つにせよということを府県の当局から迫られておるというようなことをわれわれのところに訴えて来る人が最近非常に多いのであります。恩給局といたしましては、この未帰還者留守家族等援護法によりまする行き方、新しいそれらの裁定を受けて恩給を交付されます者につきましても、同様に実施するのか、しないのかその点を承りたい。
#57
○畠山説明員 お答え申し上げます。恩給法上の傷病恩給は、公務員が公務のために負傷しあるいは病気にかかりまして、その症状の程度が法律で定められている程度に逃しまして退職いたしました場合、あるいは退職後症状の程度が法定の程度に達しました場合に支給されるものでありまして、入院しているかどうか、あるいは医療給付を受けているかどうかということとは直接の関係はございません。ただ実際問題といたしまして、法律に定める程度に症状が達して、固定したと申しますのは、入院後である場合が多いと思われますけれども、入院中でありましても傷病恩給の請求はできることになつておりますし、入院中に支給される場合においても、恩給年額の方につきましては全然変化はございません。増加恩給を受ける、あるいはその他の傷病恩給を受ける者が、医療給付を受ける場合にどういう措置をとるかということは、むしろ厚生省関係の問題でございまして、恩給局といたしましては、ただいま申し上げましたような条件によりまして、傷病恩給の裁定をするというだけでございまして、今御質問の点につきましてははつきりとしたお答えはいたしかねますけれども、ただ恩給局といたしましては、公務傷病者に対しましてはできるだけ手厚い処遇が与えられるようにしたいとは考えております。
#58
○長谷川(保)委員 だから問題は、実際問題としてそれらの諸君がわずかの恩給を与えられるということによつて、今まで給付されておりました療養を打切られるということになりますと、重大な問題になります。いわゆる未復員患者でありまして、召集されて長い間家をあけて、病気になつた連中であり、そしていまだに病気が癒えない連中である。これは毎国会問題になるのでありますけれども、この諸君がいまさらその家庭から療養費を受けるということは不可能である、あるいは小づかいを受けるということは不可能である、それを何とかしてくれという血の出る叫びが長い間あつて、ようやく前国会でもつて未帰還者留守家族援護法でこういうようになつたわけです。だから恩給局では裁定だけだということを言うが、恩給を受ける、すると、療養を打ち切られる、あるいは全然療養中の小づかいがないということになりますと実際重夫問題なんです。今特例患者は一応そういう手ができましたけれども、ただいま申しましたように、新らしく裁定を受けて新らしく交付されるまでは、今のところどつちをとるか迫られているというのが実情である。これは厚生省の関係でもいいですけれどもどういうふうにこれを扱われるか伺いたい。
#59
○小島委員長 適当な課の者がおりませんから、あとで研究してお答えするそうです。
#60
○長谷川(保)委員 それではその問題はあとにします。
 次に保育園の問題でありますが、厚生省は七月六日付をもつて昭和二十九年度から保育所の定員数を厳守するようにという通牒を発しているそうでありますが、今日全国の保育所の保育の実情は、定員数通りに収容して保育をしているのではありません。私のところに来ております資料によりましても、大体全国平均いたしまして一三〇%の収容をいたしております。ひどいところは約一九〇%からの収容をいたしております。これをこのままにしておきまして明年四月から定員数をあくまで厳守せよということになりますと、平均して三〇%、ひどいところは今申したように八、九〇%の、半分ぐらいの子供を退園させなければならないということになつて来る。これを厚生省はどういうふうにお扱いになるか伺いたい。
#61
○太宰説明員 現在保育所では御指摘の通り大体定員の三〇%ほど上まわつた児童が入つていると私も思つております。しかしながらこの保育所の定員をオーバーして入れておきますといろいろの点で支障もございますので、私どもといたしましては定員はこれを守つてもらいたい、かように考えているわけであります。なお本年の七月六日付で通牒で出しました場合に、特に児童を即刻に定員通りにさせるというのにはやはり相当の余裕を与えなければならない。大体保育所の児童の交代期というのが年度末でございますので、さような意味から今年一ぱいは徐々にその方向への努力はしてもらうことにいたしておりますが、なお本格的な切りかえというものは児童の交代期でありますところの本年度末によつてこれを切りかえた方がいいのじやないか、かような意味から今年度一ぱいはオーバーしているのを認めるが、明年度からは定員の線を守るようにということを申している次第であります。
#62
○長谷川(保)委員 年度末に至つて子供が減るわけじやない。でありますから結局するところ、切りかえは年度末でありましようけれども、子供の数は次次に大きくなつて来るし、保育園に預けなければ動きがつかないというようなものも次々に出て来るわけでありまして、別に減るわけではありません。乳児にしても幼児にしくもこれを預かる。本来保育園というものが今日のように世人に理解せられ、世人の支持を受け保育園にたくさんの人々が入るようになつたということは非常にいいことである。たから一〇〇%の定員に対して一三〇%の子供が保育されているというならば、当然これに対する方法を積極的に立てなけれ、はならない。しかるに年度末に至れば切りかえができるからというので、それまでは何とかかんべんしておくけれども、そのときになつたらこれを厳守させると言つたつて問題は解決いたしません。ちつとも解決しておらない。結局そういうことになれば退園してもらうか、でなければやみにいたしまして入れておく。そうしてしかもその児童がいわゆる措置児童が多い、援護する児童が多いとでもなつて参りますれば、悲劇は非常に大きいと思う。これをただ定員だけを実行するということになれは、一面から見ますれば、保育園に預けなければならない勤労者のお宅では非常な生活困難にもぶつかると思う。だからそういうお役所としての一方的な定員を厳守させるというだけでは私は問題は、解決しないと思います。だからもつと積極的な手を打たなければならないのじやないか。何か積極的な手はないのか。こういうことを伺つているのです。
#63
○太宰説明員 現在オーバーしておりますものの大半は私的契約児と申しまして、これは本来ならは保育所に入れてやらなければならないいわゆる措置児童と異なりまして、措置児童に余裕があつた場合においては私的契約児を入れていいということになつているのでありまして、いわゆるその措置しなければならない児童とは異つた私的契約児が相当大半を占めております。そういう子供はこういう際でありますから、私どもといたしましては整理しなければならないと思つております。なおさらに現在措置している子供につきましても、それがほんとうに措置を要するかどうかということを、さらに検討して参りますれば、そう私は定員をオーバーしないで今やつて行けるという考えを持つている次第であります。なお積極的な手を打たなければならないという御意見は非常にありがたく拝聴するのでございまして、私どもも今日の保育所の置かれております社会的な使命にかんがみまして、これを大にい伸ばして行きたいと考えている次第でございます。
#64
○長谷川(保)委員 今日児童施設の現状というものは、幼稚園にいたしましても、保育園にいたしましても、決して十分でない、きわめて不十分であります。そこにこういう問題が起つて来る。幼稚園は文部省の管轄、保育園は厚生省の管轄といたしましても、現実におきましてはどつちにしても同じようなものなんです。そう言うと一面からいうと叱られるかもしれませんけれども、現実においては同じようなものです。だから結局ここで受取らないといたしますれば、道の上で遊ぶ、あるいはいい監督者がなしにほつたらかしておくというようなことに事実なるのです。でありますから私は、ことに保育園で預かつていただければ、いわゆる生活保護を受けた家庭の措置児童ということにならないけれども、これを保育園で預からなければ結局お母さんは働くことができない。親たちは働くことができないということになつて、生活保護を受けるほかに道がなくなるというような方々も相当多いと思う。でありますから、私はあくまで定員を減少させるというような方向でなくて、もう少し緩和して行つたらどうか、設備がもつとできますまで緩和して行つたらどうか。ことに振興会法もできたようでありますしどの程度それができますか、後に伺いたいと思うのでありますけれども、新しい手を積極的に打つて行つて、この観たちの子供の要求が満されるまで、適当な緩和策をとつたらどうか。たとえば今日の保育室というものの定義でありますけれども、現実問題といたしましては、必ずしも一定のものではないように見ております。緩和策といたしまして、たとえば休養室や廊下やあるいはベランダというようなものでも、これは府県当局に認定をさせまして、それを保育室に認めるということにしてもいいでありましようし、純粋の今一人当り〇・六坪という面積を、ある程度引下げてもよろしいでありましようし、実際に保育者に聞いてみますと、少しは引下げてもよろしいというような意見が多いようであります。何か手があると思う。そういう手を打つたらどうか、その点についてどのようにお考えになつておるか、もう一度承りたい。
#65
○太宰説明員 もちろん幼稚園と保育所の違いは御承知と思いますので、申し上げませんが、仰せの通り保育所が働く人々の援護施設として非常に喜ばれておりますので、できるだけ多くの子供を収溶して行きたいのは、私どもも当然そう思つておるわけであります。但し国家財政が許さないときに、無理に数多くの子供を入れます場合において、その保育が不完全になるというようなことがありましては、使命が達せられないというような問題も実はあるのでございます。お話の最低基準をもう少しゆるめるという問題につきましても、現在最低基準によりますると、坪数の方の関係では〇・六坪について一人という割合の基準ができております。ずつと昔からある設施につきましては、当分の間それをそのまま認めるという便宜措置をとつておりまするが、最近できますものは、すべてこの基準によつてつくつておるわけでございます。この基準を引下げるという声も一部にはございます。しかし必ずしも全部の声ではないのであります。特にこれを引下げろという声は、私設の経営者の側には起きておりまするが、かんじんの保育を担当いたしまする保母の立場から、この基準を下げることについては反対の声が非常に多いのであります。というのは、あまり引下げますと、保母が子供を保育する場合に自信を持つて責任がとれないという面もあるのであります。さような点からいたしまして、今日のところでは私ども〇・六坪というものを引下げることについては軽々にその措置をとることを躊躇しておる次第でございます。なおたくさん入れました場合に、当然それは経費の問題に影響して来るわけであります。多くの子供を入れて、それを全部まともに保育できるだけの経費を持つておりますれば、また話も非常に簡単になつて参るのでありますが、今日の実情ではいたずらに多くの子供を入れましても、それに関する経費の面で裏づけがございませんと、結局その子供の保育は不完全になるという面もございまして、かような点から、私どもといたしましては、政府の気持も、また私どもの聞いております気持でも、その気持はよくわかるのでございますけれども、今日の段階では遺憾ながらこの定員をオーバーするという問題については、しばらくはこれを軌道に乗せる、定員通りにさせるという方向で進まざるを得ないというふうに考えておる次第でございます。
#66
○長谷川(保)委員 憲法でも社会福祉の向上に対しまして国は努めなければならぬ、こう言つているのでありまして、今の児童をただ定員制でほうり出すということになれば、保育が十分できないという保育園の保母さんの意見も私はよく存じております。しかしこれらの人々にいたしましても、ただほうり出すということになれば、ずいふん考えてしまうと思うし、私はこういう面につきまして、少くともここにおいでの各党の厚生委員にいたしましても、こういうことの費用を出すということにつきましては、大いに協力してくれると思う。だからこれは費用が困るから何でもかんでも定員制でやつて、それ以外のものは預かつてはいけないというようなことに行かないで、積極的にこの点についても、もつと予算をとるという線に、厚生当局に対しましても十分の御努力をいただいて、さきに申しましたような設備をつくるという金が今出ないということであれば、さしあたつての問題といたしましては、ただいま申しましたようなベランダだとか、廊下だとか、あるいは休養室だとかいうようなものを、各都道府県の当局の認定にまかせまして、それを保育室として考えるという手もありましようし、まだまだ手はあると思う。私はその点について当局の御努力が足らぬと思う。どうでありましようか。今の各保育園の設備の認定をできるだけ府県当局にまかせまして、さしあたつての問題といたしましては、設備の問題につきましてはベランダだとか廊下だとか休養室だとかいうようなものも、それが著しく不適当でなければ保育室として認める。〇・六坪の基準が下げられないならば、そういうようにしてみる。また予算につきましては各党の厚生委員が協力して尽力するようにわれわれも努力するということで、こういう子供というような大きな問題、児童憲章というりつぱなものがありましても、結局それが順次無視されて来るというような傾向は憂うべきことである。さきにも申しましたように、ここにも厚生行政の後退があると思う。そんなことではならないのであつて、ぜひともそういう点を御努力願いたい。重ねてそういうような保育施設の認定のことについて府県当局にその認定をゆだねて、一時この困難な問題を切り抜けるという方法をおとりになる意思があるかないか伺つてみたい。
#67
○太宰説明員 最低基準は法律に基きまして厚生省令できめておるのでございます。その省令の線に沿つて知事に認定させておるわけでございます。おそらく御質問の趣旨は、そういう省令にも反するけれども、便宜的にもう少しゆるめろ、こういうお話だと思いますが、さような点につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨から、ただいまのところは私どもではいたしかねるというふうに申し上げたいわけであります。なおこういう措置をとりますことは、保育所の後退とは私どもは考えておりません。保育所行政を軌道に乗せるために今せつかく努力しておる次第であります。
#68
○山下(春)委員 関連して。ただいまの問題でございますが、十一月の四日だつたと思いますが、厚生委員会においてこの問題を――私は福島県という非常に冷害のきびしい県だつたものですから、この問題は定員制を実施されたのではまつたく困つてしまうのでありまして、ただいまいずれの保育園でも一三〇%を収容しておることは、厚生省でも御承知のはずでございます。それで先月の十四日に保育園の全国大会が、ございまして、私はその四日の速記録がちようどできておりましたので、厚生省から定員制を通達してはいないと――堀岡課長のようでございましたが、いないはずだ、こういうことがちやんと速記にありましたので、それは間違いだろうと言いましたところが、七月の何日かに、この通り持つておりますとみな持つておりました。そこで私もたいへん困つてしまいましたけれども、そういうことはえらいことだが、それをどうしても実施されるなら、全国から集まりました者が、私どもきようまで自分の身をはいでやつて来た事業だけれども、返上するよりほかに方法がないのだというたいへんな荒れ方でございましたので、それは厚生省では七月にはそうお考えになつたのであろうが、その後の事情等を御勘案の上そのことを緩和されて、十一月の四日にはそういうものを出す意思がないということを御表示になつたのであろうから、なお委員会でその点はよくお尋ねをするけれども、多分そういうことにお考えが逐次変更しつつあることの証明であろうと思う、こういうふうに申しました。ぜひそうしてもらいたいということでございましたが、長谷川委員のお話と重複する点がございましようから一々は申しませんが、それを御実施になることは、社会、特に今年の情勢にまるきり逆行したことでございまして、長谷川委員の仰せになつた通り、このことに要する予算が厚生省でとりにくい何かの理由がございますならば、委員会は結束してこのことに当つて、厚生省の予算のとりいいように協力をいたしまして、なるべくそういうものは四日の速記録の通りに御訂正を願つて、この事業を完遂していただきたい。私はこれはお願いではなくそうだと実は言つていただきたいと思うでございますが、いかがでございましよう。
#69
○太宰説明員 前回政府側の答弁に齟齬があつたようでありましてたいへん恐縮でございますが、ただいま申し上げました通り、この最低基準の問題は、やはり一応この線を貫いて行きたいという気持でございます。その点につきまして、少しでも多く措置してやるのが国の考えるべきことじやないかという意見が出るだろうと思いますが、先ほど申し上げましたように、現在超過しておりますうちの大部分は、いわゆる私的契約児であつて、ほんとうに措置しなければならない子供ではなくて、まあその子供が家におつても一向さしつかえないという家庭の子供も来ております。そういうものも整理して参ります。それから同じ困る度合いにおきましても、こういう時代でございますから、一番困つた人から入れて行く。そのうち調べて参りますと、さほど無理して入れぬでもいいというものもあろうかと思います。そういう人には遠慮してもらうことにいたしますれば、私はそう最低基準の違反を犯してまでも定員を超過して入れなくても済むのではないかという今一応の考えを持つております。この最低基準の違反をさせることは私どもとしても非常につらい点であります。なお先ほど申し上げましたように、子供を取扱う施設の保母さんの方ではこれに対して反対をいたしておりますので、少し余裕を持たせろというのは多く施設者側の意見でございます。その点で、やはり実際に取扱う保母さんが困るというならば、その点を無視してまでやるということについてはまだ容易に決意しかねておる状況でございます、なおもう一つの件は、これがオーバーいたしますと、当然私的契約児でございませんので、その家庭からはたして経費の全額がとれるかどうか、おそらくとれないと思わねばならない。そういたしますと、そのとれない面については公の費用で見てやらなければならぬ。そういたしますと当然それに伴う国庫負担分の予算というものが追加になります。現在その問題で非常に苦労しておるような次第でありまして、これは今の定員のままでもはたしてこの際に間に合うかどうか苦施している状況でありますので、さらにオーバしたものをそこに収容して、その分までも国家において負担をして行くということになりますと、これは並たいていのことではできないへたをいたしますと結局保育が不完全なままに、裏づけのないままにまかされる、こういうことになりましてはかえつて大きな問題になりますので、目下のところではこの行政を軌道に乗せるべくせつかく苦労しておる段階であります。
#70
○山下(春)委員 私は厚生省をいじめようという意思は毛頭ございません。こういつた問題を何とかひとつ円満に解決しようという観点からでございますが、今お話の定員をオーバーしておるものは大体私的契約だ、こういうことでありますが、オーバーしておるものという言葉じりをとらえてはいけませんが、オーバーしておるものは、見るに見られなくて連れて来てやつて、おるのであつて、ほんとうの措置を必要とする児童でございます。従来から入つておるものは、こまかいことを申して恐縮でございますが、たとえば電車通りの通りの狭い商家などで、手がないものですから、保育所に裏からまわりまして入つておる。これは子供を預かつてもらつた方が、自分が安心して商売ができるということのためで、措置するのに値しない子供でございます。そういうのが従来入つておるというのが実情でございます。今やむを得ずオーバーしておる分は、どうしても措置をしなければならない、見ていられないという子供が多いようでございます。その点も御調査をなさつていらつしやることと思いますが、一体今年はこれに対する予算は、厚生省ではちよつともおふやしにならぬのかどうか、今年災害対策にあれだけの大きな費用を苦しみながら出すということのゆえんから考えましても、どうしてもその親たちが、母といえども多少の現金収入を得なければならないところに追い込まれているということだと思いますので、どうしてもそれらの子供を収容してやらなければならないという特殊な事情が今年、来年はあると思うのでございます。それでそれをあえてどうしても軌道に乗せるためにこれを遵守するのだと言われますと、この事業が非常な大きな破綻を来すことは目に見えておるのでございますが、予算の点については、今年よりちつともふやさないわく内で来年度もお考えになつておるかどうか。それから今年が一体そんなきびしいことを言う段階でないということに対する厚生省のお考え方はどうであるかという点が、この問題の大きな問題だと思いますので、予算の点ならば厚生省でもいろいろお考えはありましようけれども、この問題は特にここ一両年特別に国が見てやるべきだと思うのでございまして、そういう点に対してはどんなおつもりで御計画を進めておいでになるのでございますか。
#71
○太宰説明員 今年度の補正予算には出ておりません。しかしこれは実を申しますと、他の施設でもそうでございますが、保育所におきましては、子供の保護者からできるだけ負担してもらう。そして負担できない度合いに応じて公でやつて行く、こういうことは御承知の通りと思います。その負担力の認定の問題について、ただいま財政当局と折衝しております。それがはつきりきまりませんと、それによつてどれだけ不足を来すかということがはつきりいたしません。財政当局の見解ではその負担力の認定をもう少し厳正にやれば予算を増額しないで済むという見解をとつているかのようでございます。さような点で話合いがまだつきませんので、今回の補正予算の段階ではない。私どもは残念ではございまするけれども、明年度予算の編成の際においてこの問題についてとつくりと話合いをしてそこできめたい。その場合に、できれば二十八年度分についても赤字が出るということでありますれば、過年度分としてそこに計上させていただくように折衝いたして行く、かように考るわけであります。
#72
○山下(春)委員 先ほど保母のお話が出ましたが、この大会にはたくさん保母が参つております。確かに非常な過労でお気の毒でありましたが、まだそれでも公営の方はよろしいのでありまして、私営の方になりますと非常に気の毒な状態でございます。そのことに対しましては、厚生省としては、何か別途な保育園に働く――今保母が非常に過重だからというお話もございましたが、しかしその保母たちは、いかに過重でもいいのだ、――その保母の中には、自分は子供を産みたいのだが、子供を産んでいたのではこの子供たちを預かれないからだになるので、子供さえも産めないような過労に耐えているけれども、それでもそのことを不平は言わないという言葉もしきりに出ていた状態でございましたが、ただ、公営に比べて非常に較差がついているのが私営の方でありまして、それに対して何か御措置をお考えでいらつしやいましようか。
#73
○太宰説明員 私立の保育園の保母さんのおそらく待遇の問題じやないかと存じておりますが、何と申しましても、公立の方は台所が大きいわけでございますので、相当物の考え方がゆるやかでございますが、私立の施設になりますと、その施設だけで切り盛りをしなければならないのであります。私どもが見まするに、私立の保母さんの待遇というものは相当低いと思います。それについては、私どもの方で流しておりまする予算の平均単価、それにも合わないような者が相当おるわけであります。それでもつてどうしているかといいますると、結局その施設の長の立場からいたしますると、その経費でもつてとにかく切り盛りして行くということになりますると、いろいろなところに経費がいる。そういう場合。たとえば修繕をするとかなんとかやる、あるいは、これはまあ推察でございまするが、人によつては新しく拡張をしたいとか、その場合の金を残しておくとかいうふうな人もあるかもしれない。さようないろいろ切り盛りの関係で保母さんにも満足な待遇ができないものもある、かような点につきましては、私といたしましては、今後十分に監督したい、そうして不当に安い待遇をしておるものについては警告を発して行きたいと思つております。何と申しましても保母が中心でございますから、これの待遇は極力よくして行きたい、かように考えております。それで、私立の施設になりまするといろいろな問題があるようでございますが、その問題を聞いてみますと、私ども中央の努力が足りないために心配をかけておるという面もあると思います。さような点は今後逐次手直しをして行く、かように考えておる次第でございます。
#74
○山下(春)委員 お話はよくわかりました。補正予算には今ちようど考えられる余地がないということでございましたが、次年度予算には――長谷川委員から再々指摘されたように、国の政治、厚生行政がどうも後退しているのじやないかというような御疑念もあつたようでありますが、そういう疑義を払拭するためにも、――児童局などというものはどうも圧迫されやすいところになつておると思われますので、この委員会は超党派的に打つて一丸となつて、こういつたような局を守り、また闘わせるという態勢にあることを私は確信してやまないものでございますので、二十九年度におきましてもどうか確信を持ち自信を持つて、そうしてもうしなければならぬ義務としてこの問題を強力に推し進められることを心から要望いたしまして、私の質問を終ります。
#75
○長谷川(保)委員 大分おそくなりましたから、保育関係について二、三重要な点だけ伺つておきたいのであります。
 今、山下委員の質問の中に過労の問題がいろいろ出て参りましたが、それを当局はむしろ施設の長の方に責任を転嫁しておるようであります。私は今責任の転嫁という言葉をどうして使つたかといえば、措置費の中の内訳を見て参りまするに、そのうちの人件費の内容を見て行くと、職員に対しまして、保母に対する超過勤務費もあるいは年末手当というようなものも算定していない。これは、公務員諸君はこれを当然受けるということで、今われわれも一生懸命応援しているわけだけれども、しかし厚生省ともあろうものが、年末手当も、超過勤務に関するものも、そういうものを全然算定しておらないというようなことはどうも私どもは解せない。だから、保母の今の過労、待遇が悪いというようなことは、施設の長だけの問題でなしに、厚生省自身がその点でずいぶんいいかげんに考えているのではないか。これは考え直してもらわなければならぬと思うのであります。先ほどの定員の整理につきましても、何とかもう一度考え直していただいて、しばらくの間でもこれを緩和するとか、撤回するとかいうことをしてもらいたいと思いますけれども、今の人件費の問題でも、これは考え直してもらわないと、これでは筋が立たないのではないかと思いますが、当局のお考えはいかがですか。
#76
○太宰説明員 予算面では、これはまあ何と申しますか、財政当局の高率査定と申しますか、年末手当というものはこういう場合にとれないのでございます。結局川なぜ見ぬかというのは、りくつもございましようけれども、せんじ詰めて由しますれば、その予算だけの裏づけがないということであろうと思います。私も、そういう施設に働いている人の年末手当も合せて予算に計上してやりたいと思つておりますが、今日の段階ではそれがまだ実現しないような状況でございます。なおしかしながら現在私の方で配当いたしておりまする予算の人件費に比べてみまして、施設の実際に出しております費用というものは、やはりそれよりも低いように私は思つておるのであります。さような点では、どうしてそれが低いのか、それ以上出せないのか、それがその辺でちようどいいのかというようなことについては検討して参らなければなりません。先ほど私が山下委員に、なるべく待遇をよくして行きたいと言つたのは私の気持でございまして、現状においてはそういう点についての検討をいたしまして、むだなところへ使つておる分がありますれば、そちらの方に振り向けて行くように努力したい、かように考えております。
#77
○長谷川(保)委員 これは変だと思うのです。これは厚生省で監督指導している児童福祉施設なんだから、厚生省でその措置費を与えるというときに、年末手当も超勤手当も今考えておらぬ、それはやる金がないからだ、そんな考え方というものはないと思う。そんなばかな話はないのであつて、やはりとるべきものはとつて与えるという努力をしなければこれは筋が通りません。公務員は年末手当も超過勤務手当もとつている。厚生省で監督指導している児童福祉施設に働いている職員に対してはそれを措置費の中に計上しておらぬ、こういうようなことはどう考えても不合理であります。それが、元がないからできないというようなお話でありますが、そういう答弁に対しては私は非常に不満である。
 もう一つ私はついでに措置費のことで伺つておきたい。たとえばこの措置費の中の人件費、給与費等を除きましたあとにその他の事業費というものがございますが、これは御承知の通り二円五十六銭、昭和二十三年に決定したままで上つておらない、こんなばかなことはないじやないか。こういうことをほうつておいてそうして私設の長はほかに金を使つているじやないか、そのために待遇が悪いじやないかというようなこと、こういうようなことをしておかれて、そういうような御見解をとつておられることは、全国の児童福祉施設の社会事業の諸君のために、私は黙つておるわけには行かない。この問題だけでも、昭和二十三年に決定して、それから上げないのは、物価が上つていないのであるか、どういう考えでこういうふうになつておるのか。もう一つつつ込んで聞いておきたい。
#78
○太宰説明員 それは現在の単価は、二円五十六銭になつております。私どももこれを上げたいというので、明年度においてはさらに上まわつた要求をしております。三円六銭にしたいと考えております。
#79
○長谷川(保)委員 だから私はこういう点で、今おつしやつたような福祉施設の者にむしろ責任を負わせるという手をとらないで、もつと児童局かあるいは厚生省自体が積極的にならなければならぬ。こういうようなことをしておいていたずらに定員定額制を片方では押しつけるというようなことであつてはならぬと思う。
 もう一点伺つておきたいことは昭和二十八年度の保育員数につきまして、厚生省は予算を組むときに、五十五万六千人という数字を基礎数字として考えられたように伺つております。それでこの五十五万六千人に対して、福祉児童を多分三〇%とお考えになつておられたように伺つておるのでありますが、これに対して七月末の調査では、私の持つている数字では、六十三万五千四百人という保育員数になつております。そこで来年四月から定員制を実施するといたしまして、今あくまで厳守を命ずるという通牒を出しているわけでありますけれども、出すといたしまして、それは次の通常国会におきます問題としてあとに残しておりますけれども、さしあたつて年度内におきまして、この五十五万に対して大十二万という員数、その措置費、そこに私の計算では、二億一千万ばかり足らず分が出て来るのではないかという数字が出て来るのですが、こういうことをどうなさるか。もしこれを金がないから出さぬということになりますと、そういううわさがすでに巷間に飛んでおる。全国の施設の保育園は非常に狼狽しております。そういうことになりますと、措置費を私設の側で全部背負い込まなければならぬということになる。そうすると私設は破産するということになつて来ましよう。またこれを市町村にかぶせるとなれば、ただでさえ困つております地方自治体の財政が、これまた大きな問題をはうんで来ましようし、また親たちにと申しましても、新たちはとうていこれを負担しない。負担するのはきわめてわずかであるということになります。結局子供を退園させるというような不幸な目に合わせるといたしましても、今日すでに背負つておりまする措置費を、厚生省で年度内に予算がないからお払いにならぬということになりますと、私設にとつて非常に大きな問題になるわけであります。これを年度内のオーバーしておりますものに対します施設費、もちろんそれは当然親たちが払うべきものであり、払える能力があるというのならよろしゆうございますが、そうでない場合は重大な問題に立至りますが、厚生省はこれに対してどういうような方針をおとりになるおつもりでありますか。
#80
○太宰説明員 先にちよつと誤解のないように申し上げますが、私は決して私立の保育所の経営者に責任を転嫁して非難をする気持は毛頭ございません。非常に困灘なところを、よく協力してもらつておりますので、その点は感謝しておりますが、しかしこういう苦しい国家財政のもとでやつて行くのでございますから、お互いが協力して何とかしてこれをきり盛りする、こういう気持は持つておるわけであります。その点誤解はないと存じますが申し上げておきます。
 それから本年度予算面では五十五万六千、実際には六十三万人の子供を収容しているというお話はその通りだと私も聞いております。その場合に当然人員がふえておりますので、その面からいたしましても予算は不足するだろうと存じます。しかしながら、実はそのほかに、現在国が予算で計上しておりまする援護率と申しますか、これは御承知と思いますが、本人の保護者から負担できない、つまり公の費用で見ることでございます。それが現在の予算の率では足りないという問題が起つております。かような大きな問題を控えておりますので、先ほど山下委員にもお答え申し上げましたように、ただいまのところでそれの結論が出ないので、持越していることは非常に残念であります。ただその場合において、人員の増だけでもということでありますが、かえつてそういうことにいたしますと、やはりあとの折衝に悪い影響が起きるおそれもありますので、全部一緒にして現在折衝しておる段階でございます。話がまとまりますれば、また予備費その他のあれで、今年度内に出してもらうという折衝の余地もあろうかと思いますが、最悪の場合におきましても、これを何とかして明年度予算にこれを計上して、早々に支払いたい、このような気持でいる次第であります。
#81
○長谷川(保)委員 さつき私措置費で三〇%といつたのは、授護率三〇%の誤りであります。この援護率二〇%に対しまする費用を今から十分に考えていただきませんと、これは先ほど申しましたように、私設としてはたいへんなことになる。だからこれを明年度の予算においてするというようなことじなしに、今度の二号補正になぜお出しにならないか。こういう事実がわかつておりますのに、なぜお出しにならないか。七月末の調査で六十三万五千四百人という数字が出ておる。だからこれは当然一号もしくは二号補正予算に出さなければつじつまが合わぬ。それで来年にすると申しますけれども、その間私設はその金を融通する方法がありません。だからそうじやなしに、今すぐその手を打つてもらわなければならぬ。それをこの補正予算に要求なさらなかつたということは、これは重大な失態だと思うのです。明年度なんといつておつては私設は持ちません。当局も十分御承知でございましようけれども、こういう私設に対して銀行は金を貸さないのです。ですから動きがつかない。そこに社会事業振興会をつくらなければならぬ。あるいは全国の社会事業が非常に大きな期待を持つておるところがあるのでございますけれども、貸さない。だから何とか来年の四月を待たないで、あるいは五月、六月を待たないで、今その措置をしてくれなければ、全国の児童施設は因つてしまう。だから当局がこれについて改めて適当な方法をとられんことを要望いたしまして、時間もおそくなりましたから、あとの質問は次会に譲りましてきようはこれで終ります。
    ―――――――――――――
#82
○小島委員長 長谷川委員の他の問題に関する質疑は留保いたしまして、次に参考人選定の件についてお諮りいたします。
 医療金融に関する小委員会における調査の必要上、日本赤十字社の塚原政繁君日本医師会の中谷章君、恩賜財団済生会の榊田順蔵君、日本歯科医師会の鹿島俊雄君、全国厚生農業協同組合連合会の塩川藤一君、以上の諸君に医療金融に関する小委員会に参考人として御出席願うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
 なお小委員会開会の日時並びに参考人が事故等の理由で出席できない場合、これにかわるべき者の選定等に関しましては、委員長及び小委員長に御一任願つておくことにいたしたいと存じますから御了承願います。
 なお次会は来る八日午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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