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1953/12/08 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 法務委員会 第5号
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1953/12/08 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 法務委員会 第5号

#1
第018回国会 法務委員会 第5号
昭和二十八年十二月八日(火曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 小林かなえ君
   理事 鍛冶 良作君 理事 佐瀬 昌三君
   理事 古屋 貞雄君 理事 井伊 誠一君
      押谷 富三君    林  信雄君
      野田 卯一君    牧野 寛索君
      鈴木 幹雄君    飛鳥田一雄君
      猪俣 浩三君    木下  郁君
 委員外の出席者
        証     人
        (仏教保全経済
        会常務理事)  近藤 良譲君
        専  門  員 村  教三君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
十二月八日
 委員今澄勇君辞任につき、その補欠として井伊
 誠一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 井伊誠一君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 閉会中審査申出に関する件
 法務行政に関連する保全経済会等特殊利殖機関
 の調査に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち昨七日理事井伊誠一君が委員を辞任せられ、本日あらためて再び委員に選任せられたのであります。従いまして理事が欠員となつておりますので、理事の補欠選任を行わねばならないのであります。理事の補欠選任につきましては、先例に従いまして委員長において御指名いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小林委員長 御異議なしと認めます。理事には従前通り井伊誠一君を御指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○小林委員長 次に閉会中審査申出に関する件についてお諮りいたします。すなわち接収不動産に関する借地借家臨時処理法案は閉会中もなお審査するためその旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○小林委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○小林委員長 法務行政に関連する保全経済会等特殊利殖機関の調査に関する件について調査を進めます。
 この際申し上げておきます。本日出頭を求めておりました牧原証人は急病のため出頭できない旨、診断書をもつて通知して参りました。これにつきましてはいずれ後刻委員諸君と協議いたしたいと存じますから、さよう御了承願います。
 それでは昨日の決定に従いまして、昨日に引続き本件について証人より証言を求めることにいたします。
 近藤良譲君ですね。
#7
○近藤証人 さようでございます。
#8
○小林委員長 ただいまから保全経済会、仏教保全経済会について証言を求めることにいたします。証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証への後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務に知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。
 宣誓書の御朗読を願います。
    〔証人近藤良譲君朗號〕
   宣誓書
  良心に従つて、真実を述べ、何事
 もかくさず、また何事もつけ加えな
 いことを誓います。
#9
○小林委員長 それでは宣誓書に署名捺印してくざさい。
    〔証人宣誓書に署名捺印〕
#10
○小林委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。
 これより証言を求めます。まず委員長から概要の点についてお尋ねをいたしまして、そのあとで委員諸君の発言を許すことにいたします。それでは委員長よりお尋ねいたします。
 あなたのお名前と住所、年齢、それから今しておられる職業についてお伺いいたします。
#11
○近藤証人 京都市下京区油小路七条上ル西本願寺診療所内、近藤良譲、五十七才。しております仕事は仏教保全経済会常務理事でございます。
#12
○小林委員長 そのほかに何かしておられますか。
#13
○近藤証人 私は新潟県の自分の郷里の寺の住職をしております。
#14
○小林委員長 何という寺ですか。
#15
○近藤証人 長光寺というお寺であります。
#16
○小林委員長 東西本願寺のいずれに属しておられるのですか。
#17
○近藤証人 西本願寺の方です。
#18
○小林委員長 今まで西本願寺の役につかれたことがありますか。
#19
○近藤証人 約三十年くらい勤めておりました。その問いろいろ役をしておりましたが、一番おしまいの役は審判員と申しますか、監事という役をしておりました。
#20
○小林委員長 そうすると相当重要な位置におられたわけですね。
#21
○近藤証人 監事はたいして重要でもございませんが、大体重要でございますな。
#22
○小林委員長 仏教保全会常務理事というのはどういうことをやつておりますか。
#23
○近藤証人 常務理事は二人おりますが、一人は保全経済会側から出ます。一人は仏教側から出まして、仏教側から出ております常務理事が私でございます。
#24
○小林委員長 保全経済会から出ている常務理事はだれですか。
#25
○近藤証人 疋田桂一郎と申します。
#26
○小林委員長 この人は長浜の保全経済会の支店長をやつていた人ですな。
#27
○近藤証人 長浜においでになつたようには思いません。私が仏教保全経済会をぱ始めさせていただきましたころは、保全経済会の大阪の総支店長でございました。
#28
○小林委員長 どういう関係から仏教保全経済会ができるようになりましたか。
#29
○近藤証人 仏教保全経済会というのは、かねてからお寺が生活だけに追われて、自分の使命である布教伝道とか社会奉仕という方に十分尽すだけの力がないのでありまして、私たち同志が二、三人集まりまして、お寺だけの間の連繋をつくつて何とか経済的に力を得たいということが動機でありました。そういうことを考えてみましたが、私たちのような経済知識に乏しい者にはうまい考えが出て来ない。いろいろ考えておりますやさきに、ちようど私の友達であつたのが疋田桂一郎氏などと深い知合いだつたらしいのでありますが、たいへんうまい話があるということで疋田桂一郎氏たちと保全経済会というものを聞くようになりました。これならおもろしいなと考えましたが、私たちしろうと考えで聞いただけではわかりませんから、私たちの知つておる方にお願いしまして、経済的方面から保全経済会がやつております仕事の内容、またそれがやつて行けるものかどうかということも聞きまして、私たちの考えでは、これならば大丈夫だという考えを持ちまして、それではひとつ保全経済会と提携してわれわれも仏教保全経済会をやつて行こう、こういう考えであつたのであります。
#30
○小林委員長 仏教保全経済会の組織はどんなんですか。
#31
○近藤証人 最初考えましたのはどのくらい数がふえるかということはまだその時分にはもちろん予想もしてないのでありますが、最初は私たち寺院の気の合つた者だけが集りまして、保全経済会は当時三分配当しておりましたので、仏教保全経済会では二分五厘の配当をして、三分で預けて、五厘の差益で事業をしよう、こういうような考えであつたのであります。しかしそれがどうもうまく行かないというような相談ができて結局同じ機構の中へ流れ込むような形にしました。私たちは代理店式なものでございまして、会とは申しますけれども別に資金を持つとかなんとかではなしに、われわれ同志が集まつて出した金を、音通の保全経済会のお客様と同じ立場で向うへ投資いたしまして、そうしてその投資によつて将来大きくなつたあかつきには、何らかの差益をもらつて、それを事業費にして行こう、こういうふうな考えでやつておつたのでございます。
#32
○小林委員長 仏教保全経済会とは別なものでしようね。
#33
○近藤証人 私たちは考え方としては別でございます。しかし仕事の面では同じお客さんのような形になつているのでございます。
#34
○小林委員長 実際の扱い方はそうにしても、観念としては、別なものでしよう。
#35
○近藤証人 観念としては、仏教保全経済会と保全経済会とは行き方が違うと思います。
#36
○小林委員長 そうすると会員はどういう出資をするのですか。
#37
○近藤証人 別に、会員といつても普通に保全経済会に投資しましたら、これが会員の意思によつて、自分は仏教保全経済会だといつて投資しましたらそれを記録しておいてもらう。そこで判こを押して別にしてもらう。それの数が幾らかになりますか、それについてまだ今きめておりませんが、将来は差益をきめてもらうというように考えております。
#38
○小林委員長 そうすると出資をどういうふうにするかというようなことは別にきめていないのですか。
#39
○近藤証人 そういうふうなきめはございません。ただ向うの方へ普通に投資するだけでございます。
#40
○小林委員長 そうすると仏教保全経済会と保全経済会とは別なんだから、仏教保全経済会の会員というものは窓口が同じところから金を納めるけれども、その金は別のものになるわけですね。
#41
○近藤証人 別に取扱つておりません。
#42
○小林委員長 いや、扱うことは一諸に扱つておるけれども、仏教保全経済会の方へ入ることにはならぬのですね。
#43
○近藤証人 入ることにはならないのでございます。
#44
○小林委員長 どうなるのですか。
#45
○近藤証人 結局仏教保全経済会は将来差益だけもらうということになります。
#46
○小林委員長 そうするとさつきあなたは、その当時は月三分と言われましたが、一般の投資者は月三分の配当をもらう、仏教保全経済会の人は三分とか四分とかもらう……。
#47
○近藤証人 いえ、そのときの考えでは、仏教保全経済会は同じ三分をもらうということでございました。
#48
○小林委員長 同じように……。
#49
○近藤証人 初めは同じようにもらいまして、仏教保全経済会のお客さんだけは配当は二分五厘にする、そういう考えを持つておりました。
#50
○小林委員長 二分五厘にして五厘だけはあなたの方へ返す……。
#51
○近藤証人 仏教保全経済会へ返すという考えで初めはやつたのでございますが、どうもそれがいけないものですからやめてしまつたのです。
#52
○小林委員長 どうしていけないのですか。
#53
○近藤証人 どうもわれわれのようなものが金を扱いますと、これは本願寺でもいろいろやつたのですが、金を扱う仕事をするとみなしくじつてしまう。お寺さんが金を持ちまして、そういうことをしてはまた同じようなことで同じような失敗を繰返すという心配から、金を扱うことは一切しないことにしようということから始まつたのです。
#54
○小林委員長 仏教保全経済会の会員なるものは、あなた方やきのう調べました大谷照乗師とか、東西両本願寺の信者からずいぶん尊敬されている人々が中心になつて仏教保全経済会というものをつくられたのだから、その者を信用して仏教保全経済会の会員というふうになつて来るのが普通じやありませんか。
#55
○近藤証人 大体私たちの目当にしましたのは寺なのでございます。仏教保全経済会のパンフレットは、初め日本の全部の宗教宗派を越えた運動にしようという考えですから、全国八万のお寺が対象でございましたけれども、いきなり八万の寺というのはちよつとできませんので、それで最初いたしましたのは、東西本願寺のお寺、浄土宗のお寺、これだけにパンフレットを配りまして、現在寺院の麻痺状態になつているのをお互い立ち上ろうじやないかという気持でやつたわけであります。
#56
○小林委員長 そうすると東西両本願寺のみならず、浄土宗もさらに進んでは全国八万の寺及びこれらの信徒を目当にしたのですか。
#57
○近藤証人 大体一番がお寺、仏教伝導の仕事をして行くための資金に生へして行きたいということが目的でございます。
#58
○小林委員長 そういうものをやろうということは伊藤の方から勧誘があつたのですか。
#59
○近藤証人 いいえ、最初私たち伊藤さんを知らなかつたのでございます。私たち二、三の同士が集まつておりまして、話をしておりました。友だちの一人が疋田さんから私たち聞いていろいろ機構を初めて知つたわけでございます。そんなことでございます。
#60
○小林委員長 この仏教保全経済会の会長は大谷瑩潤師ですか。
#61
○近藤証人 仏教保全経済会の会長は大谷驚潤師、副会長は大谷照乗師でございます。理事長は伊藤斗福氏でございます。
#62
○小林委員長 常任理事はだれですか。
#63
○近藤証人 常任理事は疋田桂一郎氏、近藤良譲でございます。
#64
○小林委員長 三名となつておりますね。
#65
○近藤証人 初め三名でございましたけれども、今二名になつております。
#66
○小林委員長 初めはだれですか。
#67
○近藤証人 もう一人山口徹澄という人です。
#68
○小林委員長 理事は二十名以内というのですが……。
#69
○近藤証人 理事は現在おりますのは大山賢、それから橋本顕誠、そのほか保全経済会から理事がありますが、はなはだ失礼でございますが、今名前をはつきり暗記しておりませんが、大体各地の総支店長が理事になつているわけです。
#70
○小林委員長 幾人くらいですか。
#71
○近藤証人 現在六名から七名かと思います。今はつきり覚えておりません。
#72
○小林委員長 監事は三名ですか。
#73
○近藤証人 監事は現在三名でございます。
#74
○小林委員長 だれとだれですか。
#75
○近藤証人 その一人は保全経済会側の西六郎氏、それから仏教保全経済会側の方といたしまして、これは宗教側と申しましようか、仏教側の方からは吉田黄雲、それから熊本源吉。
#76
○小林委員長 この定款を見ると仏教保全経済会の事業の中の第一号は「保全経済会への出資」としていますね。こうなつているのだから仏教保全経済会というものがあつて、これが保全経済会へ出資するという形をとつているのではないですか。
#77
○近藤証人 初めそういうような形になつて……。最初三分のときにそんな考えを持つたものですから一応全部保全経済会に集めまして、そうしてあらためて入れようというような考えを持つたので、そういうようなことにしたのがその後改まらなくてやめてしまつたのですが、定款の方だけまだかわらぬでおります。
#78
○小林委員長 そこで保全経済会で仏教保全経済会の出資も扱つたわけだが、その新しい会員ができるとあなたの方に報告があるのですか。
#79
○近藤証人 そうでございます。毎月取扱いましたものは名前は一々は毎月来ておりませんけれども、毎月取扱い高につきましては各支店から表が東京へ集まりまして、東京でまたその表をちやんと整理して毎月一回ずつ報告してくれます。
#80
○小林委員長 あなたの方につづりはできておりますね。
#81
○近藤証人 あります。
#82
○小林委員長 そうするとこれまで保全経済会から仏教保全経済会がいろいろの金などでどういうものか知らぬが配当を受けたことがありますか。
#83
○近藤証人 配当ということはありません。こういうことなんです。最初私ども仏教保全経済会を計画しましたとき、われわれとしては力がないわけであります。そのときに疋田桂一郎氏を通しまして、一体ほんとうに保全経済会、仏教保全経済会にどういうつもりで協力してくれるだろうかという意思を問いただしました。そうしましたら、伊藤理事長の考えとしまして、自分は金をためて死んだというのでは一向意味がないので、実は世間のためになる仕事をしたいと考えておりますが、その仕事といつても永久に残る仕事は宗教的な仕事が一番だ。しかるにあなた方がそういう計画をしておるというなら非常によいことだから、できるだけ協力いたしましよう、こういうことで意思表示があつた、こう申しますから、重ねて私の方から二年や三年はとてもわれわれは仕事という仕事はできないのだが、そのときに一体どうするか。私たちの会が目立ができないような場合、それは会の趣意がいいのだから忍耐して育てて行つたらいいじやありませんか、こういう話だというから、さらに私の方からそれじやどのくらい助けてくれるのだ、こういう話をしましたら、できるだけ自立するまで助ける、ですから私たちの方でいるものは出してくださいますか、こう言いましたら、それでは無限というわけには行かないけれども、あなた方の方で申し出たものでよければお出しいたしましよう、こういう約束で現在までわれわれがいる費用を申し込んで、向うで検討してくれてこれでよいというものは出してくれることになつております。歩率なんということにはなつておりません。
#84
○小林委員長 それは合計どのくらいになりますか。
#85
○近藤証人 経営費は職員の俸給や何かでございますが、そのほかの仏教側の、たとえば世界仏教徒大会があるから協力しましようとか、あるいはまた各本山に御法事があるから協力しましよう、また社会事業の面で協力しようとか、あるいはまた雑誌とか新聞とかの発行物に協力しよう、大体こういうものが一箇月平均約七万円くらいあつたと思つております。それからことしの券から、かねてから仏教保全経済会が志しておりました仏教保全経済会自体の伝道というようなことがございます。これは山間僻地へ参りますと、ほとんど伝道ということが行われておらぬもんですから、ことにりつぱな布教者に行つてもらうだけの経済的の力がない。ですからこちらからそういう費用を持つてそういう人々に行つてもらう計画を立てまして、それは一箇月大体二、三万程度でことしの二月から来ておりました。そんなことになつております。
#86
○小林委員長 そんなもんですか、そのほかにはありませんか。
#87
○近藤証人 そのほかには別にございません。大体私の方で記憶にありますのはそれだけです。
#88
○小林委員長 そうすると、一箇年大きく見積つて百万円くらいですか。
#89
○近藤証人 八十万から百万くらいだと思つております。
#90
○小林委員長 仏教保全経済会ができたのは二十六年の六月ごろですか四月ごろですか。
#91
○近藤証人 そうでございます。発会いたしましたのは二十六年の四月の六日の日だと思います。二十五年の秋から計画して――私ども身がつてな話でございますが、できないながらも下調査しましたり、保全経済会の内容を調査しておつたものですから、約半年かかりました。発会したのは四月からです。
#92
○小林委員長 仏教保全会の会員は、保全経済会からの報告によると、月平均どのくらいずつふえて来たのですか。
#93
○近藤証人 初めはほとんどふえませんでした。しかし去年の秋ごろから私集まつた表を見ますと非常に信用を得て来たようでありまして、ぐんぐん上昇しておりました。毎月の平均の数は私今ちよつと頭に浮んで来ませんが、現在でしたうちよつと七千五百名くらいになつておると思います。
#94
○小林委員長 そうすると、ことしの十月の二十四日に休業したのですが、保全経済会はそのころ相当ふえて来たのですか。
#95
○近藤証人 ふえておりました。
#96
○小林委員長 聞くところによると、初めのころは七分なんという配当をしておつたようで、このごろ二分ということになつたんですが、必ずこの利益を配当して行くということになれば、特殊な非常に異常なもうけがない限りは利益配当を出資者にやつておるというと、新しい会員の募集によつて、その出資を充てて行くほかはないと思うのですが、何だか仏教保全経済会は保全経済会がだんだん苦しくなつて行つて、その利益配当の金をあなた方の信者がみな負担しているような形になるように聞きますが、今になつてそんな感じがしませんか。
#97
○近藤証人 私どもそういうことは一向知らぬもんですから考えておりませんでしたが、世間でよく高率配当があぶないという話を聞いておりました。しかし当時三分のころはこれが一番大丈夫だろうというので、皆さんの定評もございましたし、それから二分に減しまして、それからまた近い将来においては社会情勢に合わして一分五厘にするだろうというようなことを聞いておりました。まあそういう堅実な経営法なら大丈夫なんじやないだろうか、こう私たち考えておりました。
#98
○小林委員長 十月の二十四日に休業したそうですが、その前に何かあなた方の方に話がありましたか。
#99
○近藤証人 何にも通知ございません。私がちようどその時分に島根県の方に伝道に行つておりました。そうして京都に帰つて来まして、突然そんなことを聞きました。非常にびつくりしまして、すぐに私東京へ参りました。そうしてどういうことになつたのだろうかと思いまして、理事長に会つたりいたしたのでございますが、そのとき理事長からたいへんに御心配をかけて相済まぬが、仏教保全経済会は休業しないのでございますから、というようなことであつたわけです。それにほかの方の方にも会いましたけれども、それぞれみな私たちの仏教保全経済会に対しましては格別な考えを持つていてくれるような気がいたしたもんですから、これなら大丈夫だろう、こう思つて一応帰つたのでございます。
#100
○小林委員長 仏教保全経済会の会員になる人は伊藤なんという者をよく知
 つておるわけなんじやないのだから、結局あなた方東西両本願寺の人々を信用して、出資に応じたのだというふうにあなた方考えませんか。
#101
○近藤証人 それはある程度そうでございますけれども、またこの間も西本願寺の宗会の議員さんたちと会つたんですが、その中には、――ちようど休業後であつたので、いろいろ御意見をちようだいしておりましたが、会つたうちの半数の方は、これは大谷照乗連枝という名前があるからだという人もありましたし、またお前を信じたという人もございましたが、あと半数の人は大谷照乗なんという連枝なんか経済のことなんかわからないのだから、お前なんか昔から一番貧乏人で、金なんかためたことがないのだから信用しないが、おれは伊藤理事長を信用して入つたんだ、こういう者が半数あつたのでございます。このたくさんの数の中には、やつばり寄付することなんかと大分気分が違いますから、おそらく入れる人の中には利益配当ということをかなり頭に入れておる者もあります。もちろんそれは大谷照乗さんや何かのお名前で入つた方もずいぶんあると思います。しかしその中にはほんとうの経済ということを考えるが、しかし投資することが、仏教を盛んにするという私たちの趣意ならば賛成してやろう、こういう気持で入つた方が多いのではないだろうか、こう思つております。
#102
○小林委員長 何かあなた方が説教のついでとかあるいは末寺のものに、仏教保全経済会に入るように勧誘などしたことがあるのですか。何か刷りものでも……。
#103
○近藤証人 刷りものはさつき申しましたように、全国東西本題寺、智恩院の末寺が全部配りました。そのほかに、この会の趣意としまして、自分から勧誘を行う態度はとらぬということを申し合せておりましたので、別に勧誘したことはございません。説教伝道に参りましても、かたく私たちの伝道は広告せぬということを最初からはつきりしておりましたので、そういうことには一切触れないことにしておりました。
#104
○小林委員長 ただいま伺いますと、七千五百人の仏教保全経済会の会員があつて、二億円以上の出資がされておるようですが、これに対してあなたはどういう責任を持つて、これからやつて行こうというのですか。
#105
○近藤証人 こういう事態になりまして、投資者はそうした私たちと同志の人であり、ことに寺院でございましても、参加している寺院は約六十箇所くらいあると思いますが、みないわばあまりゆたかでない寺ばかりでございまして、私たち何とかしてこれは救わなければならぬというので、最後までわれわれにできるだけの、力一ぱいの努力をして行きたい、こう思つておるのでございます。
#106
○小林委員長 伊藤理事長と交渉したことはありますか。
#107
○近藤証人 伊藤理事長とは最初二十四日の日に発表を知りまして、すぐ来て交渉をしました。そのときには必ずこれはやつて行くようにいたしましようという言葉を得ております。それでほかの投資者の方々とも私ども会いまして、それぞれ相談してみたのですが、みなあくまでこれはやつて行こう、こういう気持になつております。
#108
○小林委員長 それはあくまでやつて行こうと口で言うことはやさしいのだけれども、一体そんなことができると思つているのですか。
#109
○近藤証人 はあ、とにかくできるだけやろうということで、最善の努力を尽して行く考えでございます。
#110
○小林委員長 けれども、あなたとしては相当責任が重いのじやないかと思いますね。
#111
○近藤証人 はあ、責任は感じております。
#112
○小林委員長 それではどういうふうにして解決しようというのですか。
#113
○近藤証人 現在私どものとつております態度というのは、保全経済会の投資者と同じ立場で来ておるのでございますから、保全経済会の投資者と歩調を合せて努力して行こうと思つております。
#114
○小林委員長 これにて委員長は終ります。
 委員諸君より発言の通告がありますから、順次これを許します。鈴木幹雄君。
#115
○鈴木(幹)委員 お伺いをいたします。ただいま委員長の御質問のうちにあつたわけでありますが、仏教保全経済会を設立なさるにあたりまして、大体こういうような構想をお話になつたのは保全経済会の方からお話になつたのか、それともあなたや仏教界の方々からこういうような組織をつくろうじやないかというようなお話があつたのでありますか。その点はいかがでありましよう。
#116
○近藤証人 この機構は私たちの方から考えたのです。
#117
○鈴木(幹)委員 そうするとあなたの方で仏教の興隆のため、あるいは社寺の経済上の窮乏も救いたいというようなことをかねがね考えておいでになつたのですか、保全経済会を利用しようということも自発的にお考えになつたわけでありますか。
#118
○近藤証人 仏教保全経済会という名前は後につけたのでございまして、最初はもやもやと、何か知らぬけれども、何かそんな運動をしなければいけない、こういうことを考えておりましたのですが、たまたま私たちの友達の中に大阪総支店長の疋田桂一郎氏を知つている人がありまして、保全経済会の大阪総支店長を私たちに会わしてくれました。それが動機で、だんだんと具体的に話が出て、保全経済会と提携しようという気持になりました。
#119
○鈴木(幹)委員 疋田さんを御存じになつている方があり、それを通じて大阪の総支店長にお会いになつて、大体の構想がきまつたようですが、設立するまでの間に伊藤理事長とお会いになつたり、あるいはお約束をなすつたり、あるいはいろいろと契約をなすつたようなことがあるのでありますか。
#120
○近藤証人 そういうことは発会式(事前までございませんでした。
#121
○鈴木(幹)委員 あなたの御地位は仏教保全経済会の常務理事ということでありまして、仏教界を代表して常務理事になつておられますが、常務理事という役は、私定款を詳しく存じませんけれども、実際の仕事の上におきましては最高の責任者といいますか、実務の上を通じての最高責任者と解してよろしゆうございますか。
#122
○近藤証人 私ども常務理事というのは、仕事を分担しておりまして、私の分担しておりますのは、会員をつくつたり、会員との間の連絡をとつたり、それから仏教保全経済会の志している事業、そういう方面を担当しております。
#123
○鈴木(幹)委員 そうすると仏教保全経済会の経理面を担当なさつていらつしやるのは保全会の方からおいでになつている常務理事である、こう解釈るわけですか。
#124
○近藤証人 さようでございます。経済の方は、すべて保全経済会の方で会の方を全部やつてもらう関係上、保全経済会側から出ていただいていた疋田桂一郎氏にやつていただいておりました。
#125
○鈴木(幹)委員 仏教保全経済会という団体は、一体商法に言う匿名組合しいうお考えでございますか、それとも商法の匿名組合ではない別個の一つの任意団体である、こういうような御解釈をとつておられるのですか。と申しますのは、商法に言う匿名組合におきましては定款というものを必要といたしません。ところが仏教保全経済会の方では定款をつくつておいでになつて、いろいろと事業の目的や方法というようなものもおきめになつているようですが、これはどういうような御解釈で出発なさり、今日においてどういうような御解釈をなさつておられるか。
#126
○近藤証人 実は私どもしろうとでございまして、最初匿名組合とかあるいは普遍一般の会とかなんとかいうことについて非常に観念が薄かつたので、さつきも委員長さんのお問いにお答えしましたように、最初考えましたとぎには、仏教保全経済会でお金を預かつて、それを投資しようという考えを持ちましたのですが、しかし結局それは改めまして、何でもなくて代理店のようなただ通過するような形になつてしまいました。仏教保全経済会というのは、実質上は経済の方、金という面については自分自身には何にも持たないようなことでございました。要するところ通過する――保全経済会のお客さんが通るだけであります。しかし仕事をする面においては、仏教保全経済会は事業だけは仏教保全経済会の立場でやつて行くわけで、その辺どう解釈していいか私どもわからないのですか……。
#127
○鈴木(幹)委員 金は各支店なり本店なりの方に申し込んで参りますが、これは仏教関係だということになつて仏教保全経済会の系統になり、従つて出資証書というものを仏教保全経済会の名前でお出しになつたわけでございましよう。従つて仏教保全経済会というものと保全経済会というものは個別の存在であり、従つておのおのその会員は所属を別にするということが法理的に見た一つの通念なのでございますが、私はあなたの御解釈は、仏教保全経済会というものは匿名組合か何かわからぬけれども、これは保全経済会と同じ性質のものだ、こういうように解釈してよろしいのでしようか。
#128
○近藤証人 申し上げます。それは匿名組合とかいうふうなものではないと思つております。ただ会員そのものは保全経済会という匿名組合には入つておりますけれども、その保全経済会の匿名組合に入つている人を、マル仏というはんこを押しまして、これは仏教保全経済会に協賛してくれた人だ、われわれの事業の方面を助けてくれる会員だというふうに考えてございます。それでそこは何ということになるのでしようか――ですから詳しく言うと定款というようなものもなくてもいいのかもしれないですね。
#129
○鈴木(幹)委員 ちよつと話がわからなくなつて参りましたが、仏教保全経済会の方は会員というもの、出資者というものはないのですか。
#130
○近藤証人 仏教保全経済会の出資者というのは、厳密に言うとやはり保全経済会の出資者です。ですから仏教保全経済会はちようど代理店と同じようなものです。
#131
○鈴木(幹)委員 そうするとその出資者は保全経済会の名における出資証券をもらう。それにマル仏という判こを押して、そうして、結局仏教保全経済会の立場から言いますと、これは支店と同じことで、ただマル仏という判を押したものは仏教保全経済会の方に趣旨において賛同してくれた、これだけにすぎないのであつて、仏教保全経済会は一切そういうことはやらないのだ、こういう解釈なんでございますね。
#132
○近藤証人 そうです。
#133
○鈴木(幹)委員 それなら仏教保全経済会の定款の第一に掲げてある保全経済会の趣旨というのはどういうものをさすのでしよう。
#134
○近藤証人 実はその趣旨と申しますのは、定款をつくりました最初は別な特別の機関にするつもりだつたのです。それで定款ができたのですけれども、それが実際やろうとなつてみますと、非常にさしつかえが多くてやめてしまつたようなわけです。それですから定款をかえなくてはならないのでしようけれども、そこまで手が届いていなかつたのです。
#135
○鈴木(幹)委員 たいへん立ち入つたことをお聾ねしますが、仏敬保全会の会長さん理事さん、常務理事さん、副会長さん、こういうような役職員の方は報酬を月々もらつておいでになつたでしようか。
#136
○近藤証人 職員だけいただいております。職員は常務理事とそれからその下におります課長、それから事務員というようなもので六人くらいであります。それだけいただいておりますが、そのほかはいずれそのうち仏教保全経済会が大きくなりましたらなんとかせんならぬと思つておりますけれども、今までは保全経済会に全部費用も出してもらつておるような形でありますから、仏教保全経済会としては、今何ともしようがありませんので、職員の費用でもこちらから予算を出しては送つてもらつておるようなわけであります。
#137
○鈴木(幹)委員 先ほど委員長からお尋ねのうちにありましたが、念のためにもう一つお尋ねをしておきたいことは、マル仏関係の会員に対するところの配当と申しますか、これは初め三分のものが、後になつて二分に下つた、これは会員には漏れなく三分なり二分なりの規定のものが休業いたすまでは行つておつたわけでありますか。あるいはそのうち若干のものが仏教経済保全会の方に納められておつたのでしようか。
#138
○近藤証人 そういうことは絶対にございません。あたりまえにしております。
#139
○鈴木(幹)委員 十月の二十四日のに突然に休業になりました。それを伝道先の方で御承知になりまして、あなたのお驚きになつたことは私も推察に余りあるのであります、そこで責任をお感じになりまして、あなたや大谷副会長さんが上京されて伊藤理事長なんかに合われて善後措置を協議なさいました。それで、大体伊藤理事長やそのほかの方が仏教保全経済会関係については、ほかの一般の出資者とは違つた取扱いをするような印象を受けられた。それならば休業後において何か出資者に対して配当を少しでも出すとか、あるいは出資の任期満了したものについては返すとかいうような格別の差異があつたとお思いになりますか、全然ない、一般の出資者と同じだ、こういうふうにお考えになつておりますか。
#140
○近藤証人 実は私たちは休業せずにずつと仏教保全経済会はやつて行くように思つたのであります。またそんなふうに額が小額なものですからやつて行けると、初めは投資者も考えておつたようであります。ところが実務を扱つております総支店長、それから支店長方面の意見としては、同じ窓口で片方が泣き顔をしておるのに片方が笑つておることは人情としてきない、こういうきつい抗議が来ましたので、それもごもつともなわけで、仏教保全経済会と申しましても保全経済会と申しましても実際一つになつて、きようだいのような、また異体同心というようなことで来たのですから、それが急に悪くなつたというて、仏教保全経済会だけは同じ窓口で保全経済会の方がどんなに泣いておつてもかまわないということは仏教者としてたえられないことだ、しばらくは向うに同調して、一箇月なり二箇月なり休まなければ、ならぬだろうということはわれわれも考えております。また自然興奮が治まるに従いまして、出資者も大体そういう感じを持つようになつて参りましたので、それでまあ支店長さんや総支店長さんが相談して、これならよいという時期に開いていただきたい、こういう希望を述べております。いづれ伊藤理事長さん初め――これは保全経済会の理事長であると同町に仏教保全経済会の経済的長高責任者でもあるのです。またほかの方々――総支店長も理事をして、おいでの方も仏教保全経済会の中心の人ですから、必ず適当な時期には適当な方法をとつてくれると現在信じております。なおたびたび会つて聞いた印象でもそう行けると考えております。
#141
○鈴木(幹)委員 最後には行けるというようなお言葉がありました。これにつきましてはいろいろ今日巷間にも伝えられております。また昨日の大谷副会長さんからのお話もございましたが、この事態を収拾するために一体どういうことを国会に、あるいは政府に、あるいは保全経済会合にお望みになり御要望になつておりますか、その点をひとつ率直にお聞かせ願いたいと思す、
#142
○近藤証人 率直に申し上げます。ただいま保全経済会の方々は、保全経済会を立法化していただこうということについて、理長長初め投資者の方に至るまで署名運動などして一生懸命やつておられますが、私たち仏教保全経済会といたしましても同じ中の人間なのでございますから、やはり同じ歩調であくまで進んで行きたいと思つております。ぜひそういうことになりまして投資君が救われたら非常に在合せだと思つております。
#143
○鈴木(幹)委員 ただいまのお話ですと、保全経済会の望んでおる立法措置を講じてもらえれば保全経済会も仏教保全経済会も救われる、こうお考えなさつていらつしやるよりですが、その通りですか。
#144
○近藤証人 その通りです。
#145
○鈴木(幹)委員 それはちよつと私、いささか意見になりますから差控えてもよいのですが、保全経済会の方から要望されております書類、これは私正式に受取つたわけでありません、郵送されて来たものを受取つて拝見したのでありますが、かりに百歩を譲つても、立法措置を講じてみても、どこに保全経済会の休業破綻という問題が救われるということがあるだろうか、これは非常に疑問なんです。と申しますのは、これは投資をやつたり事業をすることについての監督をし、許可をし、認可を与え、そして事業の円満な、また完全な遂行を企図している立法なんです。今起つている問題はそうでなしに、各種の事業があるいは失敗をし、破綻を来したがために相当な損失金を生じておる。これは、真相はわかりませんが八億円とか十億円とかいう赤字が生じておる。その赤字の問題は、その立法によつては救われるという、その立法を考えておいでになるのか、立法ではそれはないけれども、別途またこれは当然あるのだというふうにお考えなさつておられますか。
#146
○近藤証人 そういう専門のことは私には全然わかりません。ただ皆さん、私なんかとても及ばない専門の方がたくさん保全経済会におりますから、そ、の方々がどうしてもこれでやつて行けるのだといつて、一生懸命やつている以上、私たちもそれについて行くはかに方法はないと思つております。
#147
○鈴木(幹)委員 それではこれ以上お伺いしても、専門的にはもちろん御存じなかろうと思いますが、ただ立法措置をやつてもらえば、これでもつて保全経済会の過去において生じた赤字も救われる、今後の事業もうく行くというようなお考えのもとに、立法措置をやつてもらいたいと、こうおつしやつておるように解釈してよろしゆうございましようか。
#148
○近藤証人 私たちはそういうふうに思つておりますが、いろいろお聞かせ願つていると、私たちとしてはたいへん参考にもなつたように思いますので、ひとつ心して一生懸命働いて行きたいと思つております。
#149
○小林委員長 古屋貞雄君。
#150
○古屋(貞)委員 近藤さんに、なるべく重複しない意味でお尋ねしますが、定款がございますね。この定款はどういう機会にどなたがおつくりになつたのでしようか。
#151
○近藤証人 それは四月六日の発会式をするときでございまして、私はその定款のことは詳しく知らなかつたのでございますけれども、そういうことをやつてくれておりました友だちが、大体原案をつくつてくれまして私も見まして、わからぬながらにこれならばよかろうということで賛成いたしたわけでございます。
#152
○古屋(貞)委員 おそらく定款はこの会の魂であり基本となるべきものだということは、あなたも御存じのはずでございましようね。さような重大なものが、総会の発会式のときにつくられたとおつしやるのですが、その重大な問題については御審議をなされたのかどうか。発会式のときにおそらくこれが印刷されて皆さんにお配りになつたろうと思うが、お集まりの人々はみなこれを見て、これを承認して成立したのであるかどうか伺いたい。
#153
○近藤証人 発会式の日にみな見ました。るして集まるつた方々もそれについて二、三質疑応答はあつたのでございますが、原案通りきまりました。そして印刷はその口は謄写版でしたが、後に印刷したのでございます。
#154
○古屋(貞)委員 そこで私は承りたいのですが、仏教保全経済会という会は、その当時成立し、現在も現存しておるのでしようね。その点を明確にお答え願いたい。
#155
○近藤証人 仏教保全経済会というのはそれからずつと続いております。
#156
○古屋(貞)委員 しからばそこで承りたいのですが、この定款を承認されたとおつしやいますが、会長と理事長との権限はどういうことになるのでしようか。
#157
○近藤証人 権限と申しますと、私はつきり何と申し上げてよいかわかりませんが、会長さんは、会を全部指揮してござるのですが、理事長さんは経済的な方の責任を全部持つということになつております。
#158
○古屋(貞)委員 定款の第六章の第九条を拝見いたしますと、「会長は本会を代表統理す。」とあります。それから「理事長は本会経営者にして本会運営に関する一切の責任者とする。」とあります。同時に「常務理事は理町長を補佐し理事は理事長の指示を受け共同又は分担して本会の業務を掌理する」こうあるのですが、会長さんが本会を代表して統理するということなんです。そうすると、これは本会のことについては一切を代表し統理されることであると私は心得ているのですが、この点はいかがでございましようか。
#159
○近藤証人 その通りでございます。
#160
○古屋(貞)委員 そのあとへ、今読み上げましたように、理事長は本会経営者であつて、本会運営に関する一切の責任を負うものである、こう書いてありますから、私どもがこれをこのまま受取りますと、第二策の事業というところに列挙された事業を経営するのは伊藤のやること、こういうように私ども承れるのですが、この点は間違いありませんか。
#161
○近藤証人 そうでございますが、理事長さんの仕事の大きなものはお金の方でございます。そうして事業の方面と申しましても、一々会長さんの御指示を受けて、たとえば伝道をいたすにつきましても、あるいはまたほかのお寺の事業を協賛するというような事業をするにつきましても、そういう根本的な指導は長さんでございますが、お金を出してくれるのは理事長でございます。
#162
○古屋(貞)委員 ただいま証人からお答えされたように私どもも考えているわけであります。そこで承りたいのは、保全経済会というのは、これは別の団体でございますね。保全経済会と仏教保全経済会との関係につきましては、証人は常務理事でございますから、事務上のことはよくわかるはずでありますが、事務的にはどういうことになつているのでございましようか。たとえば仏教保全経済会の事務を、先刻からの証人のお話を承ると、経費がない、経験もない、だから保全経済会におまかせしたんだ、こうおつしやつておりますが、その通りであるかどうか、その通りであるとすれば、おまかせするということは、委任をしてやつていただいているというように解釈していいかどうか、この点伺いたい。
#163
○近藤証人 事業の面は委任してございません。ただ私たち東業をやつて行きますのに、経済的な面は、われわれが独立して、仏教保全経済会自体で仕事ができるような日まで、私たちの要求通り――といつても向うに査定してくれますけれども、できる範囲においてお金は出してくれる、こういう意味においてお願いしているのでございます。
#164
○古屋(貞)委員 そこで今承りますと、金の経理上の面についてだけは委任しているのだ、事業の点は委任しておらないということですが、そこで承りたいのは、しからば定款第二章の第二条には「本会は左の事業を行ふ。」として、「保全経済会への出資。」「出資にともなふ配当金外の定められた利益の授受。」「配当金差益に依る宗教事業への援助。」「第一項を除く理事会に於て定める諸事業。」こうあります。そこで別に、ただいま証人がおつしやられたように、仏教保全経済会には事業がある。その事業に必要な金については、保全経済会から出してもらうというようなお話がありましたが、保全経済会の金をもらうのでなくして、仏教保全経済会が委任して預けて、契約してもらつた金を保全経済会が預かつている。その金を、仏教保全経済会が事業をするために要求をして、そうして向うから持つて来るのだ、こういうことになるのじやないでしようか。これを言いかえますと、保全経済会から適当に、保全経済会の都合で仏教保全経済会にわけてもらうという意味でなくして、仏教保全経済会の金を預けておいたものをこちらへ返してもらうのだ、こういうことになるのじやないでしようか。この点どうでしようか。
#165
○近藤証人 そうならなくちやならないのであります。しかし最初仏教保全経済会には何もないものですから、それで最初のときに仏教保全経済会の仕事をしたいと思いましても、二、三年くらいはとても自立できませんから、そのときどうしましよう、こういう相談のときに、仕事そのものがいいのだから育てて行きましよう、こういう向うの約束に従いまして、われわれがある時期にそういうふうな差益というものをきめまして、これだけ入つているからこれだけ私どもの方にもどしてくれるようにという時期に至るまで、しばらくはその形式で行こうということで、定款にはそう書いてありますけれども、実際的には差益とかあるいは利益とかいうことでなしに、とりあえず仏教保全経済会を育てて行こう、こういうような行き方を今しておるのであります。
    〔委員長退席、井伊委員長代理着席〕
#166
○古屋(貞)委員 そこでおもしろいことをおつしやるから私は承りたくなるわけです。仏教保全経済会と出資の約束をする方と、それから初めから保全経済会に出資するという約束をする方と二つの区別が記帳され、あなたの方にも区別して報告されておるということを先刻御承認なさいましたのに、そうしますと、仏教保全経済会と契約をした人の金は、初めからあなた方が常務理事をやつておられます仏教保全経済会の金であると私は思う。それは間違いない事実だと私は思う。この点はどうでございましようか。
#167
○近藤証人 これはやはり投資している人は保全経済会へ投資しているのでございまして、仏教保全経済会は仏教保全経済会として区別した人だけが仏教保全経済会の仕事を助けてくださる。そういう趣意に賛成してくださる方であつて、それが会員とはいうのでございますけれども、投資の面から見たら保全経済会への投資なんでございます。
#168
○古屋(貞)委員 まことに私はおもしろいことを聞くのですが、そうすると、保全経済会で取扱つた出資契約というものは、仏教保全経済会という証券を交付しておる場合のその交付者に対しても、全部単に保全経済会の出資者ということにお認めするとあなたはおつしやるのですか。
#169
○近藤証人 それは出資の面では保全経済会へ投資する、しかしちようど何と申しましようか、代理店さんとして考えますと、出資しておるのは、これはちよつとたとえて申しますと、お寺の代理店と見るとちようどよいのでありますが、今仏教保全経済会に約六十軒くらいお寺が代理店をしております。そのお寺の代理店をしておりますのは、全部が全部とは言いませんけれども、ちようどその中にはこの保全経済会の行き方と同じような行き方をしておるお寺があるのでございます。それは投資しておりますのは仏教保全経済会に投資しておりますけれども、投資しておることによつて得た利益と申しましようか、それが自然に保全経済会の代理店をしておりますそのお寺へ、保全経済会からもどつて来るわけであります。それによつてそのお寺が維持されたり、あるいはまた布教伝道の仕事をする財源になつておるお寺がありますので、現在の行き方としましては、仏教保全経済会というのはちようどそれを大きくしたような形になつておるのでございます。
#170
○古屋(貞)委員 私はそういう経過をお聞きしておるのではないのですよ、経過でなくしてあなた方がおやりになつておる――あなたは常務理事ですから常務理事の責任があるし、権限があるし、常務理事としての仕事をなさつているから承るのですが、経過より事実上一体仏教保全経済会との出資契約をなさつた方が先刻の証言によると七千人からある。昨日副会長さんの大谷さんは二億数千万円その金がある、こうおつしやつておる、その金は私どもは、また契約した方は、仏教保全経済会に出資したということを言つておる、そういう証言をされておる。その金は保全経済会の金でなくして、保全経済会はただ事務上の取扱いをして代行しただけであつて、権利者は仏教保全経済会だと、私どもは社会通念から考えても、常識から考えても、われわれの知識ではそう考えるわけです。あなた方はそうお考えにならないかということ承つておる。
#171
○近藤証人 そうなんでございます。それはあなたの御解釈の通りでございますが、それで大体実は今年も今おつしやつたように二億円くらい出資いたしましたし、保全経済会は差益と申しましようか、それから生れて来るものよりはよほど現在よけいもらつておるはずなんでございますけれども、ある時期にひとつそれもきつちりと勘定しまして、差益というものを幾らにしようかということも定めてしようということに実は話が進んでおつたのであります。まだ具体的にそこまで行かないのでございますが、そういう意思はあるのでございます。
#172
○古屋(貞)委員 そこでその金の利子とか利益ということは別にしまして、その二億数千万円に対しては、あなた方の仏教保全経済会が全部責任を負うということになると私どもは思うのですが、契約しておるのですから、元金の方のことでしよう。利益とか利子のことではない。それに対してあなた方は一体どうお考えになつておるか。ただ利益をもらう、利子をもらうといつておりますけれども、利益じやないですよ。あなた方の仏教保全会というものに出資をするという申出があり、あなたの方の代理をしておる人はこれを承諾して契約が成り立つておるわけです。ですから仏教保全会自身が元利合計に対する責任を負つておるわけです。その責任についてあなた方の方では負う意思があるのかないのか、その点はどうなのですか。
#173
○近藤証人 それは伊藤理事長が代表しておるわけなんで、仏教保全会の理事長も同一人にしておかなくちやならぬということも、そういうところにあるわけでございます。
#174
○古屋(貞)委員 伊藤理事長は事務的な方面だけの仕事をするだけであつて、本会の会長はすべて大谷瑩潤さんだということをあなたはさつきおつしやつておる。この方が全部の責任者であつて、事務の担当、営業運営をするのは伊藤理事長でありますから、たがいまの二億数千万円の金は契約と同時に仏教保全会の金でなければならない。この点いかがでしよう。
#175
○近藤証人 そういうふうな考えでけなくて、これは会長、副会長は初めから経済的な責任者ではないのであつて、われわれがこの事業をする責任者である、お金の方に関しては伊藤理事長が全部責任を負う、私たちはそういう考えで今日までやつて来たのでございます。
#176
○古屋(貞)委員 あなた方のお考えはそうであつても、外部にはこういうパンフレットが出ておる。これをもつて契約しておる。これではあなた方の考えとはまるつきり違つておることになる。この点はいかがでしよう。これと違つておるということは事実をお認めになりますか。
#177
○近藤証人 私たちの解釈は、私たちは間違つておらぬと思つております。
#178
○古屋(貞)委員 それでは承りますが、そうするとあなた方がこの会が成立してから今日まで足かけ三年、昭和二十六年から二十八年の十二月になんなんとしておる。この定款を拝見しますと、「本会は毎年三月末日及び九月末日を以て決算期とする。」決算をされて、そうして会員に対する報告の義務があなた方にはおありになるのですが、決算をした事実があつたかどうか。
#179
○近藤証人 いたしました。そうしてことしは五月にいたしました。ちよつと遅れたのでありますけれども……。
#180
○古屋(貞)委員 決算を五月にされたというのは、そうすると、七千人の契約者で二億数千万円に対する決算が行われて、そうしてはつきりと決算報告があり、これは税務署あるいは官庁にお届けになつておるのですか。
#181
○近藤証人 税務署や官庁には届ということはしませんけれども、税務署さんはやはり見てくださつておりますけれども……。
#182
○古屋(貞)委員 その決算書はただいま申し上げたような七千人の契約者並びに契約金額二億数千万円ということで、それに対する利益というようなことの明細が書かれた決算書になつておりますか。
#183
○近藤証人 別に全部に報告したというようなこともございませんでしたけれども、理事会で全部それを承認いたしました。そうして決算報告をしたのでございますが、その会員というのは、実は私の方では名前がわかつておらないのでございます。各支店、出張所、取扱い店の方では知つておられますけれども、お名前は私の方でわかつておりません。そうして先ほど申しましたように、私の方に投資していらつしやる方は、すべて保全経済会の投資者と同じ立場で取扱つておつたものですから、ただ報告は受けておりますけれども、お名前の報告は受けておりません。金額と人数だけをいただいておるわけであります。
#184
○古屋(貞)委員 私の申し上げるのは、取扱いは同じ営業所でやられておるから同じであつても、契約主は違つておるはずてす。そうじやないでしようか。保全経済会と出資者との契約、仏教保全経済会と出資者との契約、同じところが取扱つても二つに区別されておらなければならぬはずです。というのは、保全経済会が契約いたしまするときに出資証というものを出すんですね。このここのところに片方は保全経済会の理事長、片方は仏教保全経済会の理事長と、こうなつて、二つに区別されているわけです。ですから、あなた方の仏教保全経済会の方は別個の投資者ですよ。取扱いは同じでも……。日本銀行で取扱つても、日本銀行は東京都の経済事務を取扱つておる。おわかりになりますか。相手方である東京都の金を日本銀行の窓口から支払いたする、また預金も受ける。取扱い場所が同じでも相手方が違うわけですね。仏教保全経済会と出資者、保全経済会と出資者と、こうある。このことははつきり区別がされておるはずですから、そういうことによつて保全経済会から仏教保全経済会に報告が来ておるはずなんだ。財産目録を見ると書いてありますが、そういうことについてはつきりと計算のことが行われておつたかどうか。
#185
○近藤証人 出資証書の方は、仏教保全経済会は出資証書は別に持つておりません。ただそこの保全経済会へ投資していらつしやる証書、保全経済会へ、匿名組合に申し込んでおるのです。すべての会員は……。ただその中で仏教保全に協賛するという意味で意思表示あつたものだけはマル仏の判こた押しまして、これはそれに対する差益々打来仏教保全経済会に入れようということであつて、仏教保全経済会と投資者との間には直接契約がないのでございます。
#186
○古屋(貞)委員 それでわかりました。そうすると、この仏教保全経済会というのはうそなんですね。
#187
○近藤証人 うそとは違います。
#188
○古屋(貞)委員 ただ単にこういうものをやつて信用さして、そうして出資者にはマル仏という判だけを押して、あとの方はみな同じなんだ、責任はみな保全経済会の伊藤理事長が負うのだ、こういうことになるというのですね。
#189
○近藤証人 いえ、うそとかなんとかという意味ではないのでありまして、それは仏教保全経済会はあるのです。けれども、この投資は保全経済会へ投資してもらうということになります。
#190
○古屋(貞)委員 出資する人が仏教保全経済会に出資するのだと言うて申し出るからマル仏というものを押すのでしよう。そうおつしやつているのでしよう。その相手が仏教保全会でないということなら、うそということになりはしませんか。片方では私は仏教保全経済会に出資いたします。そうすると、今度は保全経済会の方でマル仏というマルだけは押すけれども、契約の相手方は保全経済会だとあなたはおつしやるのだから、これと違うということになるのじやないですか。
#191
○近藤証人 いえ、そうじやないのです。私たちそう思つていないのでございます。これはただ事務の手続上そうしておりますが、やはり仏教保全経済会は仏教保全経済会の立場があるのでございます。会員は仏教保全経済会の投資者なんでございまして、それはもちろん仏教保全経済会としては資任を感じているわけなんでございます。
#192
○古屋(貞)委員 それじや伺いますがね、仏教保全経済会へ投資いたしますと言つて出した人のその金の所有はどこに帰属するのでしようか。これが問題です。それを私は育つているのですよ。仏教保全経済会へ投資しましようという人の相手方は保全経済会であるかあるいは仏教保全経済会であるか、その点を伺つておる。相手はどちらでございますか。相手は仏教保全経済会だと今あなたがおつしやるならば、この出した金の所有権は全部仏教保全経済会になければならぬから聞いておるのです。その点いかがですか。
#193
○近藤証人 それは仏教保全経済会に投資したものと思います。
#194
○古屋(貞)委員 所有権は……。
#195
○近藤証人 所有権というものがどういうものか、私は意味はよくわかりませんが……。
#196
○古屋(貞)委員 投資ということはそちらへ金を出すということでしよう。金を受取る人はだれですか。事務取扱いは保全経済会の窓口でもいいけれども、私の申し上げているのは、保全経済会という会で受取る。仏教保全経済会で受けるものを保全経済会に事務の代行をやらしている、こういうことは間違いないのじやないですか、この点はどうですか。
#197
○近藤証人 その通りであります。
#198
○古屋(貞)委員 そこで承りますが、そうすると、先刻決算をいたしたと申しまするが、ここに監事がおりますね。監事がお二人で調べて、監事報告があつて、はつきりと監事の責任を果されているのでしようか。ただいま証人の証言されたような形で、要するに仏教保全経済会が契約の相手になる二億数千万の金が、そういうものによつて仏教保全経済会の金だということになつて計算がされ、決算がされ、それを監事がちやんと監査して報告された事実があるかどうか、伺いたい。
#199
○近藤証人 申し上げます。監事は二人でよく監査いたしまして、そうして決算書に署名、捺印しております。
#200
○古屋(貞)委員 いかがでしよう。その決算書をこの法務委員会にお出しになつていただけませんか。
#201
○近藤証人 その点は事務の問題ですから、いずれ私もう一ぺんはかりまして何したいと思つておりますが……。
#202
○古屋(貞)委員 そこで私は、今証人の証言されたことのようになつて行かなければ、この保全経済会の筋が通らないし、さように私ども信じたいのであるが、しからば二億数千万円の金はあなた方の委託で保全経済会の理事長伊藤さんが預かつておるのだから、あなた方は預け金をいただいて来て、そうしてあなた方の責任を果すということについてお考えになつたことがあつたかどうか。交渉した事実があつたかどうか。そういたしますると、鈴木委員のお尋ねのように、これから伊藤さんが何とかするとかいう、その言を信じているとか、こういうようなことを軽率にお考えにならずに、あなた方が伊藤さんに預けている金ですから、保管している伊藤さんが使つてしまつたかどうかということは別個の問題です。そういう立場においてあなた方の御請求なされて、そしてはつきりと伊藤さんから―― 今伊藤さんの財産はたくさんあるのだから、これを取上げて、あなた方の方に返していただけると思う。ところが先刻証人の証言では、自分たちの方だけ保全経済会の契約者と別扱いをするわけにはいかぬという証言をされていらつしやるから、私は非常にふしぎに思つている。所有者は別個になつているのです。なるほで伊藤さんが預かつたことは事実だけれども、保全経済会と仏教保全経済会の金は別だから、伊藤さんか預かつておつても、他に使用することができない金です。この目的以外には使用することのできない金です。それで私は、あなた方の会の代表者の大谷瑩潤さん、この方が堂々と伊藤さんに請求して、預け金をお返しくださいという態度をとり、行動をとられれば、日本中の、本願寺に対する信頼をもつて契約された人々に対して、御迷惑がかからぬようになると思うのですが、そういうことをおやりになる意思があるかどうか伺いたい。
#203
○近藤証人 ただいまのお話では、預けた金ということでございますが、運営は一切向うにまかせておりますので、私たちとしては一投資者と同じ立場でございます。ですから、どういうふうに浬営していただくか、それはおまかせしているのでありますが、ただ私たちは、原則としては、将来それによつて生ずる利益、つまり差益でございますが、仏教保全経済会の投資者にも、普通二分なら二分、三分なら三分、保全経済会の出資者と同じ立場で配当していただいて、その投資したものを仏教保全経済会が扱つたということによつて、仏教保全経済会が、ちようど代理店手数料のような形で差益をもらつて、それで事業をするということが私たちの念願でございますから、そういう意味で、そのお金は向うに運営をおまかせしたのであります。
#204
○古屋(貞)委員 事業の運営と金の保管は別じやないでしようか。事業を企画して運営するということと、金との問題は別じやありませんか。私はそう思う。今あなたが、仏教保全経済会の金だということをはつきりおつしやられている以上は、その金を使うにはこの定款に基いて、この第二条以外には使えないはずだと私は信じます。もしこれを別に使えば、背任が成立するし、使つてしまえば横領が成立すると思います。その点はいかがですか、はつきりしてください。
#205
○近藤証人 お答えする前にちよつとお伺いしたいのでございますが、一投資者の立場としましたらどういうことになりますか。こちから投資しまして、その投資した金を向うにまかせて、もちろん元金も配当ももらわなくちやならぬのですが、向うに投資した以上は、そのお金をまかしたということになるのじやないかと思いますが……。
#206
○古屋(貞)委員 お尋ねですから、私の考えを申し上げますが、投資者は伊藤さんの事業に投資したのでありますから、伊藤さんは伊藤さんの投資する目的以外には、この金を使つてはならない。そしてその営業によつて、定款に定められた期間に必ず契約通りの利益配当をしなければならぬ。ところが保全経済会なり仏教保全経済会は、この契約書を見ますと、三箇月ごとに、常業の結果利益があつてもなくても、常業の決算をしなくても、どういうことがあろうとも、三箇月日には利子を払う、三箇月たてば投資した元金も全部返すということになつている。あなた方は投資者だから、それははつきりわかつているでしよう。契約書に書いてあるのだから……。だから三箇月たつたら、あなた方に、貸した人が元金と利息を返してくれと言つて来ている。そういう権利はない、相手にやつてしまつたのだ、投資したのじやなく贈与してしまつたということならかまわないが、あなたの証言の通り、三箇月日にはその元金と利息を全部返してもらうことになつているなら、返してくれと言つてあなた方は請求しなければならない。あなた方はいやしくも仏教保全経済会の代表者であり、常務理事であるならば、お返しくださいと言う権利を持つている。三箇月目ごとにその権利を請求しなければ、あなた方は出貸した人に対して背任行為になり、いろいろ刑事上の責任を負うことになるしよう。
#207
○近藤証人 今日までは、怠りなく配当もし、満期して元金を希望する者には返しております。休業後は、満期が来ましても配当ももらつておりませんが、しかしそれは先ほど申し上げましたように、こういう時期で、各支店、総支店の方の希望としまして、今取扱いは非常に困難だから、少し待つてもらいたいという話でございますから、しばらくそれにわれわれとしては同調することにしたので、今日まで保全経済会としては、配当も元金も少しも怠つておりませんし、またそれに対して、会員から何の不平もいただいておらぬわけ、であります。
#208
○古屋(貞)委員 私の聞いているのはそうじやない。保全経済会のことは別で、私は仏教保全経済会のことを申し上げている。仏教保全経済会の方は、保全経済会ともちろん関連はございましようが、保全経済会自身と仏教保全経済会は人格が違つておりますから、あなたの方ではそれを請求しなければならない。あなたの方のお寺を信用し、仏教保全経済会に出資した方は、保全経済会の経済とは違うわけです。そうじやないでしようか。だから仏教保全経済会が一束になつて町うに出資したということになるでしよう。だから私があなたに承りたいことは、こういうトンネルのでたらめな会をこしらえて、コミツシヨンさえもらえばいいという無責任の立場からこれをこしらえて、七千何百人から二億四千万円の契約をさせたと、こう私は固く信ずる。そうじやないですか。コミツシヨンをもらえばいいでしよう。もし責任があるということなら、私はさつきのような無責任のことは言えないと思うから聞いている。少くとも信仰上の相当権威のある人たちがみな名前を出しているのだから……。そこで私承りたいのは、実際におまかせしてしまつたのだからあとはしかたがないのだ、こういうお考えか。それともはつきり責任を感じて、あなた方の方の保全経済会でなくて仏教保全経済会としては、出資した方に対して責任を負う意思があるのか、あればどういう意思をその責任のために実行されるか、こういうことを聞きたい。
#209
○近藤証人 たしかにおつしやる踊り、私どもの仏教保全経済会はコミツシヨンで事業しているのだということが原則でございますから、その点ははつきり認めます。そこで私どもの名前によつて入つてくだされ、われわれの趣意に賛同してくださつたという方々に対しましては、私たちは責任を感じております。それで、これは仏教保全経済会から固めて請求するとか、これは自分の財産だとかいうような、むずかしいことは知りませんけれども、とにかく私たちがこういうりつぱな事業をして行きたいという念願から、その仕事に賛成してくださつて、仏教保全経済会という名前で投資してくださつたのですから、それに対しては私たちはできるだけの力を尽して行きたい。これは会長初め全部深い責任を感じて尽しておるわけであります。それは私たちも同感であります。しかし別であるとかないとかいうむずかしい法理論は私たち実はわかりません。
#210
○古屋(貞)委員 それでよくわかりました。これは過日伊藤自身が大蔵委員会でそう述べております。あなたたちにはコミシヨンをやるだけだ、トンネルだということを言つておるのです。そこでなおひとつ承りたいのは、その御心情はよくわかりました。それであなた方がそういう純真な気持で伊藤さんにだまされた、こういうことに結論はなつて来るのですが、伊藤さんは大蔵委員会ではこうおつしやつています。このままで行くならば、保全経済会は破綻をするよりしかたがない、何か政府の立法措置によつて助けてもらわなければならぬ、こういうことをおつしやつているのであります。助ける、助けないは今後の問題でありまして、今の状態では伊藤さんの自分の力ではどうにもならないということを申しておられるので、きのうも私は大谷昭乗さんにもお尋ねしたのですが、伊藤さんの言を信じて、何とかなる、かようにお考えになつておるようですが、伊藤さん自身は大蔵委員会ではそうおつしやつておる。おそらく今の十億からの赤字は、ただ立法化しても、これは鈴木委員からもおつしやつたのですが、政府が財政的援助をするという結論が生れて来なければ救われないというのが常識でございましよう。立法化しても立法が、こういうものはやめろという禁止規定の立法になれば、なおだめになるし、いずれにいたしましても十億の経済がここに生れなければならない、あるいは十億以上のものが生れて来なければならない、今そういう状況になつているので、あなた方といたしましては、伊藤さんからまことにとんでもないことをやられてしまつた、そういうお考えがあるかどうか、そういうお考えのもとに善後策を講ずる誠意をお持ちになつているかどうか、その点だけを承りたい。
#211
○近藤証人 その点につきましては、大谷正副会長どころでなく、この会を発起したのが私でございますから、今非常に大きな責任を感じております。しかし私は現在の心境を申しますと、法律をつくつていただく、いただかぬは政府の方のお力でございますから、伊藤さんにどり信頼いたしましても、
 これは私たちではやつて行けません。しかし現在伊藤さんが示していてくれる言葉や態度につきましては、これをまだ疑うだけの段階に私たちは来ておりません。しかし今後の出方いかんによつてはやはり自分も責任上追求するようになるかもしれません。しかし今私たち疑わないで、ひとつその方式によつて運動させていただきたい、こう思つて努力を続けておるわけでございます。
#212
○古屋(貞)委員 最後に、これは御忠告になるかもしれません。あまり出過ぎておしかりを受けるかわかりませんが、実は保全経済会に対しては破産の申請が近く実行されることになつております。そういたしますと、――破産の宣言が行われる、行われぬは今わかりませんが、そうすると、一銭一厘どうにもならぬことになつて来るということは、そういう事態がいいかどうかはわかりませんが、伊藤さんの宣言しておるごとく出資額が四十五億、自分の財産が三十五億、十億ないということになりますと、これは破産せざるを得ないということになるでしようが、そういうこともよく御考慮願つて、最善の努力をして、あなた方の仏教保全経済会に出資された方たちの損害がわずかでも少くなるような御努力を願いたい、かように御忠告申し上げまして、私の質問を終ります。
#213
○近藤証人 たいへん御親切なお言葉をちようだいいたしまして、私ども責任を感じておる者としましてはたいへん肝に銘じてお礼を申し上げます。
    〔井伊委員長代理退席、委員長着席〕
#214
○小林委員長 木下郁一君。
#215
○木下委員 重複しないように二、三の点確かめておきたいと思います。
 あなたは今仏教保全会というのは代理店のようなつもりで、その世話料をもらつて、そうして仏教興隆のために費用を捻出するというのがこの会の建前だというお話でした。それはつもりはそうだつたかもしれませんけれども、両本願寺の人が正副会長に出ている。それであなた方は匿名組合がどういうものかということもよく御承知ではないままやつた、それは無理もないことだと思うのです。ただ伊藤は保全経済会というものは匿名組合だと言つております。匿名組合ということになると、伊藤はもちろんこの意味で責任があると思いますけれども、名を出した人は、法律の面でもこの匿名組合で自分の名を使わせることを承知した人はやはり全面的に責任があるのだということに法律的になつております。しかし私法律的なことをくどくど議論するわけではないが、あなた方も常識的にやはり会長が仏教保全会の出資者については責任があるというふうには考えておりませんか。それもやはり会長さんはただ名だけを出したのだから、そんな意味の責任は少しもないのだというふうに、涼しい気持でおいでになるかどうか、その点を確かめておきたい。
#216
○近藤証人 そういう涼しい気持では絶対ありません。たとい法律のことは知らないにしましても、道義的には十分責任あるものと思つております。
#217
○木下委員 先ほどのお話で定款にきめてある決算書を、自分も見てサインしたこともあるというお話ですが、それを出してもらえぬかという古屋委員の希望に対して、ちよつと一存ではできないという趣旨のお答えもありました。その決算書はどなたがお持ちになつておりますか。
#218
○近藤証人 京都の本部にございます。
#219
○木下委員  その京都の本部というのは保全経済会の本部のことだろうと思いますが、保全経済会のあの利殖のすすめというパンフレツトなどを見ますと、両本願寺は、宗教教団ではその代表者は普遍管長々々といわれておるのです。本願寺は法主とか何とかいうのだが、あのパンフレツトには連枝ということを書いているのです。法主とか連枝とかというのを作目大谷氏に伺いましたら、連枝というのは本願寺の大谷家の血を受けておる人間の呼称だというようなお託があつたのでずが、しかし血を受けておる者ならみなだれでも僧籍にあろうとあるまいと連枝だといつてまわつておるのか、それとも世間一般に、私なんかの考えでは、この連枝というのはやはり本願寺の相当重要な地位にある人で、血筋も大谷家だけでなく、宮さん方にも多少関係があるというような意味で、もつたいをつける意味で連枝というような名前が世間に通じておる、信者に対してはそれは相当効果があるものだと思うのです。その法主とか連枝とかいうのは、これは選ぶのはそういう血筋のある人から選ぶだろうが、やはり本願寺の一つの教団の役職名でありますかどうか、その点を詳しく述べてくれませんか。
#220
○近藤証人 連枝というのは役職名でございません。それはたとえて申しますと、法主の御兄弟という方で僧籍ある方を連枝と申します。それからまた家柄にしますと分家であります家柄、それが連枝になります。それからこれが何代かたちますと、連枝がなくなつてしまうのであります。大体三代くらいが普通なのでございます。しかし家柄によりましてたとえば八代目の、本願寺でいいますと蓮如上人というようなえらい方でありまして、その方が持におつくりになつた寺で、これは特別に待遇せんならぬというようなお寺、そこに住職する方がありますが、こういう方が大体分家するので、そこにすわるのであります。そういう方がやはり連枝と呼ばれる、一つの敬称でございまして、役名でも職名でもございません。法主というのも、これも敬破称で、役名でも職名でもないのでございます。ただ派によつて言い方が違いますので、お東さんなどの本山では御法主様、それからお西の本山では門柱様、そんなことでいろいろ呼び方が違つております。敬称でございます。役名ではありません。
#221
○木下委員 それから、問題は違いますが、先ほど保全経済会が店をとじてからあなた方が行つて仏教保全会のことを談判した、そうしたところが、仏教保全会の部分は払えば払えるのだけれども、保全経済会の方の出資者に払わないでおるのだから、仏教保全会の分だけを払つたということではどうもつり合い上、人情上考えてよろしくないというので仏教保全会の方も払わないでおるのだというふうなお話がありましたが、それはどこでだれがそういうことをして、まただれがそういうことをよろしいというふうにとりはからうことにしたのか、ちよつと詳しくお話を願いたい。
#222
○近藤証人 それは私もはつきり日などはわかりませんけれども、閉店直後総支店長会議がございまして、そのときにその問題が取上げられまして、半分ぐらいは総支店長は続けて行つた方がいいというわけで、半分くらいの総支店長は今そんなことをしては大混乱してしまうから非常に収拾がつかなくなる、こういう意見が強くて、しばらく論議があつたそうでございますが、結局とてもこれでは実情として混乱を生じてだめだ、おそらく実行できないだろう、こういう意見に全部行つたそうでありまして、その支店長さんというのは大よそ仏教保全経済会の理事でもあります。その方々の御意見も承つたものですから、さつそくまた京都でも理事会をいたしました。その結果、やはりこれは事実問題としてそうであろう、しばらくは待つてもらうべきだということで、私と疋田常務理事の名前で一般投資者にお願い申し上げたのであります。そしてそれについて御承認願つたような形で今まで来ているわけでございます。
#223
○木下委員 あなた方はしろうとの人たちで、こういう定款なんかもつくつて承認はしたけれども、その法律的な意味はあまりはつきりは自分たちはわからないなりやつてしまつたというようなお話で、それはそうではないかと思いますが、本願寺には法律顧問の人もいるはずだと思うのです。そういう人にこの問題なんかを御相談になりましたかどうか。御相談になりましたならば、それは何という人か、わかつていますならばお知らせ願います。
#224
○近藤証人 このことは本願寺とかほかの本山は直接には何も関係していないのです。それで私がもし聞けば、個人的に聞くわけでありますけれども、その辺に気がつかなかつたものですから、本願寺の顧問弁護士さんもおいでになりますけれども、つい聞いたことはございません。
#225
○木下委員 最後にもう一点、先ほどちよつと触れたことなんですが、手数料というか歩率というか、そういうものを定款にきめておる。配当金差益――月二分のきめた配当金を払つたあと利益がある、この利益を仏教興隆のために使う、そういうふうにしてあなた方の方がもらうということになつているのですが、これは本願寺あたりの収入というものについては税務署がよく調べてやることだし、また届出も当然されていると思いますが、この仏教保全経済会がはつきりした率をまだきめるまでには行かなかつたけれども、何百万円かはもらつている。万国仏教会議というものにそれを使つたという話ですが、そういう収入は会長の名前で、自分がこういう収入があつたということで税務署にも申告し、また課税を受けているのではなかろうかと思いますが、そういう点はどういうふうになつていますか。
#226
○近藤証人 会長の収入とか何とかいうことでなしに、今月はこういうところへ寄付したい、今月はこういうような事業に協賛したい、それでこれだけの金がいるからくれ、こういうふうに書いてやりますと、いやこれじや使い過ぎるからこれくらいにしてくれないかということで、ただいきなり仏教保全経済会から寄付したり協賛したりして出すためにもらつているので、会長の名前とか何とかいうことではないのであります。
#227
○木下委員 その寄付は会長の名前で出すのではないかもしれないが、その寄付を受けた人はだれですか、それはわかりますね。保全経済会から、そういうふうにあなた方が今月はこういう方に金を出してもらいたいというのを、いやそれじや金額が多いとか少いとかはあるかもしれませんが、やはり出してやつたか、寄付をしてやつたか、負担金を出してやつたか知らぬが、とにかく出してもらつた人はそれだけの金銭的な収入があつたわけですな。そういう点はやはり税務関係なんかきちんと帳簿なんかには仏教保全経済会の中には出ておりますか。
#228
○近藤証人 税務関係のことは私はわかりません。しかし寄付を受けると申しますと、たとえば万国仏教徒大会がございました。その仏教徒大会で協賛してほしいと申しまして、仏教保全経済会名で協賛した。それからまたある御本山で御遠忌がありました場合には、その御遠忌に仏教保全経済会として、たとえば協賛広告のようなああいう紙を寄付してあげましたり、それからまたある御本山でお出しになつております雑誌等にも毎月広告をお出しすることによつてその費用を助けてあげたりというようなことでほかの方には協賛しております。それから会としましては、事務費、そのほかに今のそういうふうなものはもらつておりますけれども、別に会がもらつて、それをあげたというふうなことじやないのでございます。
#229
○木下委員 その点で会がもらわないで、伊藤斗福が直接出すのじやなくて、やはり仏教保全経済会が伊藤斗福の普通の保全経済会との間の関係から、率はきまつていないけれども、その都度都度今までは査定してもらつて、相談がきまつた金額を使つて来た。それは言いかえれば仏教保全経済会の収入なのですな。あなたのいわゆる代理店手数料なのです。そうするとその受入れた代理店手数料を万国仏教徒大会の費用に出そうと、あるいはまたあなた方の懇親会の費用にしようと、そういう先のことは別です。私の聞いておるのは、その保全経済会からもらつた費用は、仏教保全経済会の会長たる大谷氏が、その会長としての資格においてそういう金額は受入れて、そうしてそれを支出しておるというその詳細はやはり帳博の上等においてあるいはまた税務署関係においてもはつきりしておりますかということを伺つておるのです。
#230
○近藤証人 そういうふうにしまして、会を通して出した金は全部税務署の検査を受けております。
#231
○木下委員 それは大谷氏から届出ておるわけですか。
#232
○近藤証人 いいえ、そんなことではございません。会として出納帳がございます。その出納舞の検査をして、向うから月額幾ら受入れて幾ら出したというような帳面検査であります。
#233
○木下委員 それで税務署は会に対して、税金なんかで、収入に対して何か言つて来たことはありますか。それとも会は法人格を持たない会だからというような意味で、会長に対して言つて来たか、そういうことを御承知ですか。
#234
○近藤証人 そういう点については私は何も知りません。ただ京都の東山税務署でございますが、東山税務署から検査を受けて、帳面全部を調べてもらつておることは事実でございますけれども、そういう点についてどういうことをおつしやつておるか、はつきり経済のことはわかりませんから御返事できません。
#235
○木下委員 いろいろ繰返し話が出ておりますが、あなた方は法制化で助かるというのですが、その法制化というのは救済資金を出す、保全経済会と仏教保全経済会に五億円ずつ出してやるというような法律をつくるならそれは助かるけれども、こういうふしだらなことができておるのに、常識的に考えてもそんなばかなことを、この国の税金から使うことは期待ができない。あなた方ただ法制化々々々というようなことで、抽象的な言葉で言つておるが、その助かるというのは、あなた方はやはり助けてくれる金が出る法律ができるから、それができたら助かるだろうということで楽しんでおいでですか。それともそういう内容の法制化で救済資金を出すのやら、あるいはこういうけしからぬ、えたいの知れない金融組織というものはよしてしまえと言つて禁止する法律が出るのやら、そういう内容のことは考えないで、ただ法制化されれば助かるからしばらく符つてくれというようなことを出資者に言つておるのでありますか。それともあなた自身は待つてくれというようなこともみな了解を得ておるという話ですが、その中には国民の税金の中から出た金が、このふしだらなことに対して救済資金として出してもらえるような法制をつくつてもらう。早く言うならば、この国民の出しておる税金の中から、このふしだらを救済するぜにを出してもらう、そういう法律をつくつてもらつて助けてもらおうというふうにお考えになつておるのですか。ただ漠然と法制化すれば助かるということを人が言うから、大方それでいいんじやろうということで、どういう法制をするのか、禁止するのか、あるいは助けるぜにをくれる法制をするのか、そういうことまで考えて言つておることですか。その点はもう少し抽象的な法制化という言葉でいいかげんにごまかしているのか。それともその法制化の内容を具体的に考え、伊藤なんかと相談するときも、そういう意味で相談しているのか。ちよつとその点を伺つておきたいと思います。
#236
○近藤証人 私どもの考えておりますことは、つくつていただく法律ですからわかりませんけれども、望んでおりますのは、投資家を保護していただく法律ができれば幸いだということであります。
#237
○木下委員 投資家を保護するということは、言いかえれば投資家の焦げつきで足らぬようになつた分を、法律でもつて国からぜにを出してもらいたいという意味ですね。
#238
○近藤証人 その方法については私ども専門家でありませんからわかりませんけれども、何かの形で投資家が助かるような方法、こう思つております。
#239
○木下委員 何かの形でというのを私は伺つておる。あなた方の腹に持つておるその何かの形をどういうふうにお考えになつているのか。何かの形で天から金が降つて来て助けてもらうというような――あなたは宗教家だから、そういう奇跡的なこともお考えになつているかもしれませんけれども、そうでない、法制化で助けてもらうということを出資者に言つて待つてもらつて来ておる。それならそのとき法制化の内容について確信を持つて言うのでなければ、何も法制化というようなわけのわからぬ、内容のない言葉だけで出資者に待つてくれということは、考え方によれば非常に不親切なやり方になる。そういう意味であなた方がみなをなだめて待つてもらつて来ておるのか。一般に見ますと、私のところにもたくさんの人が来て聞きますが、法制化というが、君たちどういうことを考えるのか。いや、法制化で助けてくれると関係者が言いますからというようなことなんだが、その責任者でありその責任を強く感じておられるあなたは、ただそういう空漠たる形でなく、そういう法制化の何かの形とおつしやるが、その何かの形を頭に持つておる方は、どんな形を頭に置いておいでになつてのかを伺つておる。
#240
○近藤証人 私は専門のことはわかりませんけれども、投資家を保護してくださる方法を講じていただきたいと思つておるのであります。
#241
○木下委員 最後に一点聞きますが、何か投資家を保護してくださるということは、投資家に迷惑のかからぬように、かわつて金を払つてもらえるようなことを考えておるわけですね。
#242
○近藤証人 私はそういう法律ができまして、何か投資家を保護して、全部はもらわなくても、何かそういう方法に持つて行く、投資家を守つてくださるような法律ができたら非常に仕合せだと思つております。
#243
○木下委員 ただ投資家を守つてくださる、一向具体的な考えは持たぬ、何かの方法という、そういうことの具体的なことはもう考えないで、ただ結果的に投資家の出した金が焦げつかぬで返るような結果になる法律をつくつてもらいたいというふうに、結果だけを考えて、それでみなを待つてもらうというようにおやりになつているわけですな。
#244
○近藤証人 私はそれは詳しくわかりませんから、詳しい方々がそういうふうに運動しておりますので、私もその調子で行かにやいかぬものだと信じてやつております。
#245
○木下委員 最後に一点聞きます。伊藤のことをたいへん信用しているという話なんですが、これは今でもほんとうに確信を持つてそういうお考えになつておりますか。また出資者に対して、ここしばらく伊藤にまかしておく方がいいんだ。自分たちは金策などは少しもしないで、自分たちがやつてこれだけ迷惑をかけたんだから、関係者が出資してその一部分でも賠償してやろう、自分たちができる力で賠償してやろう。その自分たちの力の及ばぬところはどういうふうにするということを考えるか。今はまだ伊藤自身を満幅的に信頼しているのですか。それとも怪しいというようには思つているけれども、逆の結果が出ておつても、まだほれ込んでしまつて、伊藤そのものに何十億というような――あなたの関係では二億幾らですが、そういうような金がまるまる傷つかぬで利息とも出て来るというふうに本気にお考えになつておりますか。その点をもう一度だめを押してお尋ねしておきます。
#246
○近藤証人 私今考えておることは、伊藤さんを深く信じておるのでございます。
#247
○木下委員 それでは私の質問はこれで終ります。
#248
○小林委員長 猪俣浩三君。
#249
○猪俣委員 ごく簡単にお尋ねします。先ほどあなたの証言で、五、六の人間が集まつて経済保全会のようなことを相談しておつた。その中に疋田桂一郎というのがあつて、それがこの伊藤斗福のやつておる経済保全会につながることになつたような証言があつたが、その五、六人の人間が相談したという中に、安田力、梅原眞隆というような人たちも入つておつたかどうか。
#250
○近藤証人 安田力も梅原眞隆も最初の相談には入つておりません。
#251
○猪俣委員 安田力も梅原眞隆も最初の相談には入つておらぬ。いつごろ入つて来ましたか。
#252
○近藤証人 それは私たち大体具体化しまして、疋田桂一郎氏と会いまして――疋田桂一郎氏も最初の相談者じやないのですが、あとに入つて来て相談に乗つてくれたものですから、やや構想ができましてから、発会式をするちよつと前です。相談に参りまして、じやひとつ顧問になつてやろうということで、承認していただいた次第でございます。
#253
○猪俣委員 そうすると安田力、梅原眞隆というものも顧問になつたわけですね。
#254
○近藤証人 そうです。
#255
○猪俣委員 安田力というのはどういうことをやつている男ですか。
#256
○近藤証人 これは東本願寺の重役でございます。
#257
○猪俣委員 それから梅原眞隆は。
#258
○近藤証人 それは西本願寺の勧学寮の寮頭でありました。しかし寮頭というのは西本願寺の現職であるからというので、ただちにおやめになりました。
#259
○猪俣委員 そうすると大谷瑩潤、大谷照乗、安田力、梅原眞隆、これは東西本願寺の精鋭だと思うのであるが、これがことごとく仏教保全会に関係したということになりますね。
#260
○近藤証人 それはもう顧問になつておりましたから……。
#261
○猪俣委員 なおもう一点、昭和二十六年の八月ごろ、時事新報という新聞に両本願寺大いに怒るという題で、何か保全経済会のことについての記事が出たことをあなたは知つておりますか。
#262
○近藤証人 知つています。
#263
○猪俣委員 それはどういう記事なんですか。
#264
○近藤証人 あれはたしか大阪時事でございます。その前に、日本経済新聞というのが東京にございますが、それと産業経済新聞に仏教保全経済会の広告が出たのでございます。ところが、その広告の出し方が非常にまずくて、それに東西両本願寺の御門の写真を出しましたので、ほとんど本願寺がやつたがごとく見えるというので、非常にしかられたわけであります。
#265
○猪俣委員 それはこの仏教保全経済会ができて間もなくの話なんだが、一体そういう広告はだれが出したのか。
#266
○近藤証人 広告を出しましたのは、仏教保全経済会が出したのでございますけれども、非常にやり方がまずかつたことは事実でございます。
#267
○猪俣委員 仏教保全経済会が出したのか、あるいはまた保全経済会の伊藤斗福が出したのか。
#268
○近藤証人 これは伊藤斗福氏が出したわけではないのであります。
#269
○猪俣委員 だれが出したのか。
#270
○近藤証人 それは仏教保全経済会が出しました。
#271
○猪俣委員 あなたは仏教保全経済会のその当時、常務理事であつたが、あなたのさしずで出したのか、だれのさしずで出したのか。
#272
○近藤証人 それは当時東京の方に広告を図案してくれる方がおりましたので、その図案してくれる方が書きまして、京都の仏教保全経済会に一ぺんまわしてから出すという話になつていたのでございますが、向うがうつかり渡してしまつたということがあとでわかりました。その事情がわかりましたものですから、私どもとしては、その点も当時糾明しておいたのでございます。
#273
○猪俣委員 どうもあいまいだね。その広告を出した責任者はだれなんです。
#274
○近藤証人 仏教保全経済会でございます。
#275
○猪俣委員 個人の名前はだれなんです。仏教保全経済会といつたつて、漠然たるものじやないか。仏教保全経済会がやつたとしてもだれのさしずで、そういう広告を出したのか。
#276
○近藤証人 広告はその当時私やはり関連しておりましたから私でございます。
#277
○猪俣委員 あなたが単独でやつたのか。あなたと伊藤斗福あるいは疋田桂一郎と相談してやつたのか。
#278
○近藤証人 疋田桂一郎氏ではありません。その時分には私と山口という人がおりました。疋田桂一郎氏は、その時分は金のことばかりですから、事務所に顔を出したことはほとんどありません。その時分に京都の麩屋町に事務所を持つておりまして、私と山口氏とが計画しておつたのであります。計画して広告を出してもらおうと思いまして、図案というものを私たちはできませんので、図案をお願いしたのでございます。そのとき一番本願寺を怒らした理由は、その中に発会式のときに、正副会長の名前で出した文書があります。それが載つたことが怒られたのであります。それは私たち承認して出したのでございます。
#279
○猪俣委員 そうすると、あなたはどうも相当山気のあることをやつて来たと思われるね。そんな本願寺から腹を立てられるような記事、私もそれを読んでみたが、まつたくこれは信徒に対して本願寺をかさに着て信徒を勧誘する、考え方によると詐欺的な広告だね。それをあなたが出したとすると、あなたの責任は重大だが、あなたは単独でそんなことを考えてやつたのか、あるいは大谷照乗、あるいは瑩潤、そういう人の了解の上でやつたのか。
#280
○近藤証人 声明文は、やはり正副会長が、御承知の上で出された声明文でございますけれども、広告のときに出したのは、そんな本願寺のようなかつこうで出すのでなしに、あれはやはりあくまで個人の立場から、広告はその当時の声明文を載せただけです。ところがその声明文の中にたまたま大谷会長が述べられた言葉の中に、長い間東西本願寺で争つて来たが、保全経済会によつて、そういうことがなくなるように願いたい、こういうことが書いてありました。それを両本願寺の文書部の人が見て、長い伝統のものが保全経済会によつて融和するなど、そういうことは不遜だといつて怒つたのであります。
#281
○猪俣委員 そうすると、大谷会長が言うたその言葉は事実なんですね。
#282
○近藤証人 それは印刷に出しましたから事実でございます。しかしこれは両本願寺の争いをこういう保全経済会によつてうまく融和して行けば非常に仕合せだ、たとえばそのときに……
#283
○猪俣委員 それはよろしい君からそんな説明を聞く必要はないのだ。そういうふうな東西両本願寺一本になつて、一つの新しい保全経済会的事業をやるのだということを大谷瑩潤氏がしやべつた、それが文言になつて出たことは間違いないですね。
#284
○近藤証人 それは発会式のときの声明書にあります。
#285
○小林委員長 他に御発言はありませんか――他に御発言がなければ、本日はこの程度にとどめておきます。本日はこれにて散会いたします。
    午後一時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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