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1953/12/03 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 地方行政委員会 第2号
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1953/12/03 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第018回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十八年十二月三日(木曜日)
    午後三時六分開議
 出席委員
   委員長 中井 一夫君
   理事 加藤 精三君 理事 灘尾 弘士君
   理事 床次 徳二君 理事 西村 力弥君
   理事 門司  亮君 理事 松永  東君
      熊谷 憲一君    前尾繁三郎君
      山本 友一君    吉田 重延君
      藤田 義光君    北山 愛郎君
      滝井 義高君    横路 節雄君
      大石ヨシエ君    大矢 省三君
 出席政府委員
        自治庁次長   鈴木 俊一君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      後藤  博君
        総理府事務官
        (自治庁税務部
        長)      奧野 誠亮君
        参  考  人
        (東京都主税局
        徴収部長)   岡田  正君
        参  考  人
        (東京都主税局
        総務部調査課
        長)      香川 義雄君
        参  考  人
        (全国中小企業
        協議会副委員
        長)      国井 秀作君
        専  門  員 有松  昇君
        専  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方税徴収状況について参考人より説明徴収
    ―――――――――――――
#2
○西村(力)委員長代理 これより会議を開きます。
 まずきのこうの委員会の決定に基いて、地方税の徴収状況について、参考人として東京都主税局長、及び全国事業税対策協議会代表より、実情を聴取することになつておりますが、都の主税局長は都合により出席できないので、徴収部長岡田正君、及び調査課長香川義雄君が、そのかわりにお見えになりましたので、参考人として実情を聴取することにいたします。これについて御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○西村(力)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 それではまず岡田参考人より、徴収状況について実情を聴取いたします。岡田参考人。
#4
○岡田参考人 それではただいまお手元に差上げました資料に基きまして御説明を申し上げたいと存じます。
 表題にも書いてございますように、昭和二十八年度の都税の調定並びに収入の十月末日現在におきまする状況について、御説明を申し上げます。表の左方の下から三段目のいわゆる調定額のところでございますが、その計でございます。これはいわゆる現年度、過年度分の調定並びに収入を示した欄でございまして、現年度、過年度分につきましては、十月末日現在におきまして、三百二億五千百余万円の調定をいたしておる次第でございます。これに対しまして、収入いたしました額が百八十五億五百余万円に上つておるわけでございます。これを収入歩合についてみますと、六一・二%という収入歩合を示しておるわけでございます。従いまして差引未収入額といたしましては、百十七億四千六百余万円の未収入額を現在持つておるわけでございます。そのほかにただいま申し上げました欄の下に書いてございまする、いわゆる昭和二十七年度から昭和二十八年度への滞納繰越分が、その下の欄に掲げてあるわけでございますが、その額が八十八億八千四百余万円というものが、ただいま申し上りげました繰越額でございます。これに対しまして十月末日現在までに徴収をいたしました額が十八億一千余万円でございます。この歩合は二〇・四%という数字を示しておるわけでございます。そのほかにその次の欄に書いてございますいわゆる欠損額が一千二百余万円ございますが、これらのものを差引きまして現在滞納繰越分につきましての未収入額は七十億六千二百余万円というのが現状でございます。これを現年度、過年度並びに繰越分の合計をいたしましたものが一番下の欄に書いてあるものでございまして、調定総額は三百九十一億三千六百余万円に上つておるわけであります。これに対しまして収入をいたしました額は二百三億一千五百余万円でございます。収入歩合といたしましては現年度、過年度並びに繰越分を含めますと歩合が落ちて参りまして、現在のところ五一・九%というのが全体の収入の歩合を示しておるわけでございます。従いまして未収入額は十月末日現在におきましては百八十八億八百余円というのが、東京都におきます実情でございます。ただ、ただいま申し上げました数字の中で、特にこの各税目につきまして、上の方にそれぞれ説明がしてあるわけでございますが、その中で、固定資産税の関係につきましては、ただいま申し上げました調定額と申し上げますものは、昭和二十八年度分につきましては、五月に前期分を調定をいたしておるわけでございます。従いましてこの固定資産税につきましては、まだ三期、四期の納期が到来をいたしておりませんので、未収入額の中には入つておりますが、収入歩合の面では大きく影響をしておるという状況でございます。
 ただいま申し上げましたのは二十八年度の状況でございますが、それでは二十七年度のいわゆる十月末日現在におきます状態とし比較いたしてみますと、どういつたような状況に相なつておるかという点につきまして、合計額につきまして一応お話を申し上げてみたいと存じます。
 調定の面から見ますと、昭和二十七年の十月末日現在におきます調定の総額は三百十九億五百余万円であつたのでありますが、これに対しまして二十八年度は先ほど申し上げましたように、三百九十一億三千六百余万円の認定を見ておりまして、ここで差引きいたしますと約七十二億三千万円の増を見ておるような次第でございます。収入の面についてみますと、昭和二十七年の十月末日現在におきまして徴収をいたしました額は、百八十二億一千六百万円であつたのでありますが、これも先ほど申し上げましたように、本年度におきましては二百三億一千五百余万円の収入の増を見ておりますので、これを差引きいたしますと、収入の面におきましても二十億九千九百万円ばかりの収入の増を見ておるような次第でございます。ただいま申し上げました数字の中で昨年の十月末日現在に比較いたしまして、本年の十月末日現在の収入の増が約二十億あるということを申し上げたのでございますが、いわゆる入場税でございますが、これの税法の改正によりまして滞納を生じた場合におきましては、公給券の交付をしてはならないといつたような規定が設けられましたために、都といたしましては古くからこげつきになつておりました入場税の滞納分につきまして、相当強硬にこれを徴収いたしました結果、二十七年度におきましては見られなかつたような増収の面が、かなり大きくただいま申し上げました二十億の中には含まれておるわけでございまして、これがおそらく六、七億あろうと存じます。全般的な面につきまして、これは十月末日現在の状況について申し上げたわけでございますが、昭和二十八年度中におきまして、それでは一体どういうような状況になろうかという問題に関しまして、きわめて簡単にお話申し上げてみたいと存じます。
 二十八年度の全般を通じまして、私どもが合一応推定をいたしておりまする数字は、大体五百十一億程度のものを調定かできるのではないかというふうに見込んでおるわけでございます。但し御承知の通りに九月決算をいたしました法人関係の申告納付の期限が、十一月の末日になされることになつております。従いまして、この十一月末になされまする法人事業税の申告納付の状況というものが、どの程度に一体経済界の情勢その他が影響いたしまして出て参るかということが、認定の面にもかなりな影響を持つのではないかといつたような推測をいたしておる次第でございます。ただいま申し上げました五百十一億の調定に対しまして、私どもといたしましては何とか八〇%を越えまする徴収歩合を上げて参りたい、かように考えておる次第でございます。二十七年度の最終的な収入の状況について申し上げますると、実際に徴収をいたしました額は、いわゆる出納閉鎖期の五月末日現在でございますが、四百十三億六千七百余万円を徴収いたしたのでございます。しかしながらこの中には還付しなければならぬ金が約八千五十三万二千円ばかりでございましたので、実際に収入をいたしました額は、四百十二億八千六百九十八万九千三百二十一円八十七銭と申しまするものが、昭和二十七年度における決算の状況でございます。従いまして現在のような情勢から見ますと、私どもの方といたしましては、昨年度の調定額に比較いたしますると、多少の伸びが二十八年度においては見受けられまするので、ただいま申し上げました実際の収入四百十二億に対しましては、なお数億の増徴をはからなければならない。またそれだけのものはとれるのではないかというふうに考えております。数字的に明確な点はまだ出てはおりませんけれども、少くとも四百十五、六億までは徴収をしなければならないというのが、現在の東京都におきまする税の見通しであり、また私たちの希望をいたしておる点でございます。はなはだ簡単でございまするが、あとは御質問に応じまして御答弁を申し上げたい、かように存じます。
#5
○西村(力)委員長代理 次に全国事業税対策協議会代表国井秀作君より御発言を願います。国井参考人。
#6
○国井参考人 今東京都の徴収部長からの御報告を承りまして、いわゆる過年度の滞納税金が八十八億あるのに対しまして、損失金として百二十三億、滞納金以上の金を処分しておられるような御報告を承りまして、いかにこの徴税が苛斂誅求なものであるかということを評明できる思いますので、どうぞ委員諸公の御賢察を願いたいと思う次第でございます。私は、本日細田主税局長がお見えになりまして、先般諸外国の税制制度等をつぶさに、御調査なされ、ことに欧州方面の日本と実情を同じゆうするような各国の租税制度を御調査なされた点で、さらにここでお話を承りたいと思つたのでありまするが、私は事業税の矛盾と不公平な点を突き、かつ大体東京都を中心といたしまして、東京都のやつている方法が間違つておるということを申し上げて御賢察を願いたいと考えるのであります。地方税中の事業税がきわめて不合理かつ不公平であるということは、すでに万人の認めるところであります。かつ法人と個人とに賦課されるところの、すなわち梨税対象のとり方について、大きは問題点がある次第でありまして、これが現在全国にほうはいとして起つておる事業税問題の中心問道になつておると考えるのであります。地方によつてはすでに個人の課税に対しまして税率を引下げまして、法人の場合との不公平是正に手を打つておるという向きもあるやに承知いたしておりまするが、これは詳細なることを知りませんので省略させていただきまして、各地方庁では、この事業税のとり方及び課税の仕方というようなことが、ただちに平衡交付金との関係があつるというので大部分の府県におきましては、個人からとれるだけはとるという方針で、国税では免税になつておるほんとうにその口幕しの零細事業者までが、事業税を賦課されておるというのが実情でございます。私のようなしろうとが申し上げるまでもなく、地方税法の第七百四十一条には「事業税は、法人の行う事プ並びに個人の行う第一種事業及び第二種事業に対し、所得を課税標準として、事務所又は事業所所在の道府県に起いて、その法人及び個人に課する。」ということが規定されておるのであります。従つて「所得を課税標準として」というところの課税標準は、国民負担の公平の見地からいたしましても、法人の場合でありましても、個人の場合でありましても、その課税の標準というものは同一でねければならぬと思う。また同一でない場合があつたとしても、あらゆる沖津できめられておる条件を満たしたあとの所得で広ければならぬと信ずるのであります。しかも同法の第七日四十四条の九項には、個人に対する課税の方法が規定されておるのでありまするが、ここには個人課税の計算方法は「総収入金額から必要な怪費及び十二月分として五万円を控除した金額とする。」ということが規定されておるのであります。言いかえまするならば、第七百四十一条の今申し上げました課税標準とするところの所得と、この七百四十四条の九項の総収入金額から必要なる経費及び十二月分を控除した金額とは大体一致するものでなければならぬと思うのであります。法人の場合ばこの「必要なる経費」を万遍に給料とかあるいは手当とか、その他の方法によつて差引いた残りの所得に課税されておるのが事実であります。しかし個人の場合日はこの総収入合願に課税しておるのでありまして、法律で「必要な組費」ということがきめてあるにかかわらず、これを活用していただいておらぬのでありまするから、法律でいうところの「必要な経費」というのは、大体において不要の条項となつておるというのが現在の実情でございます。さらに事業税の改廃等につきましては、第一種、第二種あるいは特別所得の第一種、第二種等、いわゆる課税の方法に非常に不公平な点がありますので、この点は一応別といたしまして、この機会に私からお願い申し上げたいことは、現行の事業税法であつても、この全国の商工業者が訴えておる事業税の課税の不公平と盾矛というものは、完全に私は是正できるという立場から、お願いをいたしたいと思つておるのでございまして、ぜひこの地方行政委員会の諸先生方の強い御支持によりまして、自治庁長官から事業税課税の適正化に対して、最もすみやかな指令が出るようおとりはからいを願いたいと考えるのであります。そこで地方の問題は一応別といたしまして、現在事業税がどんなやり方でかけられており、そしてその中には法律違反的なこともあるという点につきまして、東京都の実例をもつて申し上げたいと思うのであります。
 私どもが東京都に対しまして、この事業税の不公平と盾矛に対しまして、いろいろ主税局の首脳部の方々あるいは都理事者の方々と会談をいたしました際における東京都側の申出というものが、一応こういう形になつておる次第でございます。東京都の主税局首脳部の見解といたしましては、この法人、個人の負担の不公平は認める、しかしこれは都としてはどうすることもできないのだ、これはいわゆろ政府の方で法律が改正されるか、そうでなければ政府の方からいわゆる命令でもなければ、主税局としては現在のやり方以外には、やる方法がないといつてつつぱねておるのであります。つまり政府の方からの命令というのは、私は自治庁からの命令と承知いたす次第でございます。またさらに去る十月一日の自治記念日の街頭録音では、岡安副知事は、もしも事業税に対して、不公平あるいは不合理なものがあつたならば、都税務事務所に申し出てくだされば、その不公平は直すと言われておる。しかしながらその意思というものは、主税局あるいは都税務事務所に浸透しておらないのが現状でございます。かような次第でありまして、それでは東京都は、この地方税法にきめられた範囲をかたく守つて、法律通りやつておるかどうかという点から考えますと、東京都はかなりかつてなことをやつておるのであります。その例を申しますならば、ただ東京都の考え方によつて、大工さんとか左官屋さんとか、ブリキ屋さんなどというものに非課税の取扱いをしておるのであります。さらにまた十五万円以下の零細企業者には一割から三割までの軽減措置をとつておるのであります。これはおそらく政府からの指令でなく、東京都のとりはからいでやつておると私どもは信ずるのであります。もしこういうことが一部の人に行われるならば、全体の中小商工業者のためにも、通当な措置がとれるのではないかと、私どもは実は残念に考えておる次第であります。そして一般の商工業者に対しましては、国税まる写しの、総収入金額にこれを基準として強引に課税しておるのでございます。私どもが事業税の独立税であることを強く主張いたしますと、これに対しましては、主税局の首脳部は、それは偶然の一致だなどとこれを放言しておるわけでありまして、そして私どもが話をするときには、ただ強い主張を受け流して、そのあとは生殺与奪の権カキ振りまわして、強行徴収しておるというのが、現在東京都のやつておる事業税徴収の実態である次第でございます。さらに東京都に対して、二十八年度の事業税の行き方につきまして、私ども東京都内のいわゆる商工業者は、事業税の非常に不公平なる点を突きまして、九月十四日、三万四千人以上の人人が異議中立てをいたした次第でございます。これは東京だけでなく、全国各都道府県においても、この手が打たれたのであります。ところが、私どもがその異議中立書を出したにかかわらず、またその異議申立書には、申すまでもなくわれわれの主張としてのいわゆる課税対象の額を書き入れて出したにもかかわらず、東京都としては何らの検討も補正もされようともせず、九月二十八日に一括棄却をせられたのでございます。私どもはこの措置を見まして、実に官僚専制の悪い面を露呈しているものと考えるばかりでなく、異議申立てに対して当然なすべきところの実態調査すらせずに、われわれ納税者に与えられた税法上の一片の権利すら剥奪した官僚独善の行為をあえていたしておるのでございます。しかも一般納税者に対しましては、昨年の民商のやり方と同じである、あるいはこれは共産党が指導しておるなどと悪宣伝を飛ばして、納税者の団結とか立ち上りを阻止しておるというのが現在の形でございます。しかしいかにそういう悪宣伝をいたしましても、昨年度の事業税に対しましては、別冊に書いてございます通りに、現実に民主商工会の斗いに東京都は負けておるのでございます。さらに民商から課税に対する違法について取消しの訴訟までされまして、東京都は取下げを条件として、これらの人々に対して三割から五割に及ぶいわゆる訂正をいたしておるのでございます。もしこれが間違いでないとするならば、一般の商工業者が民商の戦術を学ぶということは、決して悪いことではないと思うのであります。私どもは少くともその戦術を若干学びまして、今回いわゆる異議中立ての三万四千通に及ぶものを押出したわけでありますが、ただいま申し上げた通り、これが一括棄却になりた次第でございます。これを申しますならば、民商のやつた三百や五百ならば、東京都全体の税収入に影響がない、しかし三万四千通の異議申立てでは、東京都の税収入に影響があるからこれを棄却するということをやつておるのでありまして、この精神こそ過去における悪代官以上の官僚専制のやり方だと私は思うのでございます。そればかりではありません。所得税が、まる写しにしていることによつて、異議申請を税務署に出しました結果、協議団のあつせん等によつて、減額になつて来る人が相当ございます。そのたびに東京都はまた徴収したものを返すような、あるいは令書の書き直しをするようなことは、これは枚挙にいとまがないほど多数ございます。いかに東京都が弁解をいたしましても、この事実はどんなにでも、はつきりと皆さんに証言できることを、ここに申し上げておきたいと思うのであり顧す。
 次に私は事業税の不公平な点について申し上げたいと考えます。事業税がいかに不公平であるかということは、お手元の公述の参考書に書いてあります。この表を見ていただくとわかるのでございますが、かりに三十万円程度の所得をあげておるいわゆる中小企業者の零細部に属する人々の事業税がどんな形であるかと申しますと、個人の場合には、三十万円の所得者はいわゆる十二月分の五万円の控除に一二%かかるのでありますから、事業税は三万円かかります。ところがこれが法人である場合に恥きましては、わずかに七千七十円の事業税で済むわけであります。言いかえますれば個人は法人の四・二倍の税金を納めておるというのが現実でございます。この表は私自身がつくつた表でありますので、もしこの表の数字に御疑念がございますれば、私どもに仰せくだされば、私はいつでも御説明することができると考えております。また六十万円くらいのいわゆる中小企業の中に属するところであつても、個人は六万六千円の事業税を払わねばならぬにかかわらず、法人は二万六千三百五十円しか払わないのでありまして、これも二倍半の税金を個人は納めておるのであります。さらに中小企業の大体上層部にある百万円の所得関係を調べますと、個人が十一万四千円払つておるにかかわらず法人は六万七千九百二十円で済むのであります。大体半分で済んでおるわけでございます。なおここで申し上げなければならないことは、個人の場合には固定資産税が滞納になつておると、これを経費としてはいけないと思つてこういうものを入れないのですから、今申し上げた税金よりはよけい出すのであります。法人の場合にはいろいろ店主、店員の給料とかその他のものを引く際に、いろいろと税務署に対して説明のつく限りのものは経費として落しますから、この場合においての法人の事業税というものは、その表よりももつと低くなるというのが実態でございます。かような次第でありまして法人と個人のことについていろいろまだ申し上げたいことはありますが、大体において三十万円程度の零細企業者が今申し上げたように法人の四倍の事業税を払つておるという実情は、これは決して軽視することのできない重要な問題だと私は考えるのでございます。先般、全国大会が去る二十七日に共立講堂で行われまして、各党の代議士先生方にもおいでいただきましたが、あの大会場にあふれるように人々が集まつて、あの盛り上つた皆さんの声をお聞きいただいた方は、事業税がいかに悪税であるかという点は、十分御認識いただいたと思うのでありますが、当日のあの大会の空気で興奮いたしまして、一人の老婆――これは新宿区柳町の角にささやかな文房具商を開いておる零細な商人でございまするが、興奮のあまり、その日気持が悪くなつて帰つて、遂に他界せられたというような悲惨事さえもあるのでございます。また二十六日の夕刊に出ております通り、巣鴨の一商人は、ちようど両親の留守中に、いわゆろ差押え物件の引上げをせられまして、十八になる娘が花も開かずして縦死をしたということもございます。かような悲惨事は、事業税を通じて相当この年末には深刻に現われて来ると私は思うのでございます。私はこういう観点からいたしまして、過般の風水害あるいは冷害等に対しまして、救農国会がこの国会に持たれたということによつて、借先生方の大きな力によつて、そぞれこの冷害、風水害の害を受けた地方に対して、救済の手が差伸べられておつたのでありまするが、私はこの事業税の問題が、この風水害以上の問題であるということを、考え方によつては言えるのではないかと思うのであります。
#7
○西村(力)委員長代理 そろそろ結論をお願いいたします。
#8
○国井参考人 そこで私といたしましては、この問題を諸先生方のあたたかい気持において、そうして年追つておる中小企業者の年末のこの苦しみを救済する意味におきまして、この公述書に書いてありまする通り、二十八年度分の事業税の項扱いに対して、自治庁長官から、各都道府県知事に対しまして、左の通り電報指令を発するように、ひとつおとりはからい願いたいと考えるのであります。
 その第一は、地方税に規定されておるところの必要経費の控除については、法人は現実に控除を実施しているが、個人の場合は控除していないのであるから、法人と同じ必要経費、言いかえれば自家労賃分の控除を認めるように指令をしていただきたい。さらに国税が免税になつておるような零細生産者に対しては、事業税をかけないということを御指令願いたいと思うのであります。さらに第三点といたしましては、現行事業税の矛盾と不公平は万人の認むるところでありまするから、これが公平化をはかるために、とりあえず二十八年度の事業税の強行徴収を中止するよう指令していただきたいと思うのでございます。
 以上が私からお願いをする全貌でございまするが、ぜひひとつ地方行政委員会の諸先生のお力によりまして、事業税のこの矛盾、不公平を現行下において公平化するための、特別の処置をおとりいただきたいということを特にお願いをいたしまして、私の公述を終ることといたします。
#9
○西村(力)委員長代理 大矢省三君。
#10
○大矢委員 ただいま国井参考人から発言がありましたが、私ども地方で大同小兵のことを聞いておる。今までの参考人の公述に対して、何か岡田さんの方で、これは間違つておつたというものがあつたらこの機会に開きたい。
#11
○岡田参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。私徴収部長といたしましては、ただいまの個人事業税の課税の公平、不公平、あるいはまた事業税法がいいか悪いかといつたようね問題に関しよしては、この際私の口から申し上げることは適当でない、かように考えておりますので、個人的な見解は持つておりまするけれども、東京都の主税局といたしましての御意見を申し上げることは差控えさしていただきたい、かように存じます。
#12
○北山委員 ただいまの岡田さんよりの、意見として申すことは控えるというお話でございますが、国非さんより東京都の税の徴収についての具体的なお話があつたわけであります。事実そういうことがあつたかどうか。たとねえば大工、左官等に対しての特別措置というようね事実があるかどうか。こういう点については意見でも何でもない。ないならない、あるねらあると、はつきり申された方がいいじやたいかと思います。
#13
○香川参考人 ただいま東京都の個人事業税にいろいろ課税方法等について御質問があつたようでございますが、一、二の点につきましてこの際お答え申し上げたいと思います。まず第丁番に大工、右官等につきまして、東京都の個人事業税の課税の仕方は、全面的にこれを課税から除外しておるといつたような、聞き違いなら別でございますが、そういう御趣旨の御発言があつたようでございますが、そういう事実は全然ございません。ただ誤解といいますか、こういうことがあるのでございます。それは御案内の通り、大工、左官というのは純然たる手間労賃の部分であり、それからそうでたくして、請負業としての事業所得の二通りあるのでございます。従つて事業所得の分につきましては、これは当然に課税はされろわけであります。ただ現実の認定の場合といたしましては、たとえばある大工をとらえまして、そのうちのどれだけが事業所得であつて、どれだけがいわゆる勤労所得であるか、これを現実に認定するむずかしさは相当でございます。そのために所得の階級にわけまして、もし現実を調査してわからないならばたとえば十万以下のものであるならば、これは何割勤労所得と見ろ、こういうような一応の華準をつかまえて実際の遺芳はやつております。従いまして大工であるからといつて、あるいは左官であるからといつて、全面的に保税の対象からはずしておるという事実は全然ございません。これをまず第一に申し上げます。
 それから第二番目には、総取入金額を課税標準としておるといつたようなお話があつたように聞きましたが、その事実はもちろんございません。法律の適正な運営をはかつておるわけでありまして、法律には総収入金額から必要な経費を控除したものを課税の標準とせよということになつております。従いまして、必要経費を控除したものを課税の標準としておるわけでありまして、いわゆる総収入金額と申しますか、売上げの総体の金額を課税標準とすることは、個人営業の特殊の業種は別でございますが、一般的な業種につきましてはそういうことは考えておりません。特殊の業務と申しますのは、申すまでもたく法律に書かれてありますところのいわゆる外形標準課税制度をとつておる、あの点でございますが、小運送業とかそういうものにつきましては、総収入金額を課税標準といたしてとつております。大体そのような点であろうと存じますが、なおまた御質問に応じてお答え申し上げます。
#14
○北山委員 これも東京都でございますが、先ほど本年の徴収率八〇%と見込んでおろというようなお話であつたようですが、本年の歳入の税収の予算上の数字、それから調定、それから今の徴収率、そういうものとの関係を、ひとつ御説明願いたいと思います。それから二十七年度の予算調定額、収入額というふうな関係をお示し願いたい。
#15
○岡田参考人 最初に二十七年度の点からお話し申し上げます。昭和二十七年度におきまする税取の予算額は、四百十億八百七十六万九十七百四十八円であつたのであります。これに対しまして調定をいたしました額は、五百四億二千二百六十五万九百六十円三十八銭というものを調定をいたしました。それに対しまして収入をいたしました額は、先ほど申し上げた通りでございます。昭和二十八年度におきましては、予算額といたしまして、現在までに税収入として見込まれておりまするものは、四百三億四千三百八十五万七千四百八十円でございます。これに対しまして、調定いたしました額あるいは収入いたしました額は、先ほどお話申し上げた通りでございます。
#16
○北山委員 先ほどお話で、本年の長調定の見込みが五百十一億、予算の方は四百三億となつておるわけです。ですから予算額よりも二割以上調定見込みが多いということになつておる。
    〔西村(力)委員長代理退席、委員長着席〕
これは昨年度でもおそらくそういうことじやねいかと思うのですが、要するに徴収の成績が非常に悪いので、予算額だけのものをとるためには、二割ぐらいのものをよけい認定をするということが、そこに意識的に働いているのじやないか、こういうふうに思われるのです。自治庁が平衡交付金や何かの算定、あるいは地方税の税収の見積りに見ておるようね徴収率、たとえば個人事業税については九〇%以上のものを微収率に見ておる。そういうようなもので健全にとれるような状態でないから、非常に徴収成績が悪いから、そこで調定額をよけいにしておる、水増しをしておるいうふうな意識がそこに働いておらないかどうか、やむを得ずそういうことになつておるのじやないかと思うのですが、そういうことはありませんですか。
#17
○岡田参考人 だいまの御質問でございますが、東京都といたしましては、収入の歩合がよくないからということで、調定の面の水増しをするといつたようなことは全然やつておりません。あくまでも課税すべき実態が存在するものにつきましては課税をして参る、その課税をいたしたものに対しましてできろだけ微収をいたして参ろう、こういうことでございます。
#18
○北山委員 お答えとしては、おそらくさようにお答えになろと思うのですが、おそらくこれは東京都のみならず、他の地方団体でもあるいは国の方でも、こういうふうな経済情勢になつてて来ると、どうせ徴収が悪いのだからというので、調整額の方をふやすというふうな意識が働くのじやねいかと思うのですが、これに対する自治庁の考え方をお伺いしたいと思います。それは自治庁の地方税の徴収の算定上には、非常に高い徴収率を見ておる。たとえば九〇%あるいは八五%あるいは九五%というような高い徴収率を見ておりますが、実質は東京都あるいはその他の地方はなおさらそうなのぢやないか、結果として出て来るのは、各人の税負担がよけいになるということなんです。結局事業税でも、その所得の見方というものは決して固定したものではないのですからその所得額をよけいに見積つて行くという結果になつてしまつて、個々の人については税負担がそれだけふえて来る、全体の徴収率が悪いために、だれか損をする人が出て果ろというような傾向があると思うのですが、これについて自治庁から御説明を願います。
#19
○奧野説明員 今お話がございましたように、税制自体がかなり無理をしておりますと、徴収率は勢い下らざるを得ない。そういう意味におきましては、なるたけ税制に無理がないようにいたしまして、徴収成績をあげ、課税の公平を実体の上にも確保して行かなければならぬと思つております。ただ事業税につきまして、東京都でありますとかその他の団体でありますとか言いかえれば、捕捉の容易なところと、捕捉の容易でないところというような関係におきましても、徴収率に若干食い違いが出て来るということも現実の問題としてはやむを得ない姿になつているのじやないだろうかというふうに思つております。ただ地方財政平衡交付金を計算して行きます場合には、現在のところでは、全国的な平均のところを目途にいたしまして、徴収見込額等を推定いたして参つておるわけであります。
#20
○北山委員 徴収率のことですが、もう一つ自治庁の方にお伺いしたい。昨日の委員会でも問題になつたのですが、昨今一般の経済情勢が非常によくなつて来ておるその際に、税の徴収見込みというものを、地方財政計画においては当初の数字よりも相当よけいに見積つておる。しかし実際には昨年よりも税の徴収が困難になつておるのじやないかと思うのですが、昨年と今年と比べまして、地方税の徴収の状況がどうなつているか。おそらく今までの傾向でも相当悪くなつて来ておるのじやないか、滞納がふえて来ているのじやないか今後においてもその状況は悪くなるのじやないか。こう思われろのですが、先ほどの東京都のお話ですと、非常に明るいお話であつたのですが、実態はそうじやないのじやないかと思われるのですが、その点をお伺いいたします。
    〔委員長退席、西村(力)委員長代理着席〕
#21
○奧野説明員 税金の徴収見込みの問題になつて参りますと、税目によつても若干違つておりますし、地方団体の実態によつても若干違つておるだろうと思うのであります。去年と今年とがどうかわつておるかということを、非常に抽象的に申し上げますならば、法人に関しまする収入歩合というものは、逆に向上して来ているのじやないかというふうに思つております。もちろん個人事業税等におきまして、いろいろな動きもございまして、かなり困難をきわめておる点もあるようでございます。ただ昨年の地方財政計画の上に見込みました税収入の見込額と決算額とを比べて行きますと、決算額の方が大分上まわつて来ておるようです。そうしますと、考えました見込額よりも、かえつて成績がよかつたのじやないだろうかというふうなことも言えるのでありまして、これはもちろん税制自体の問題もございましようし、納税者の意欲の問題もあるだろうと思うのでありますが、ただ数字的な結果では、そういうようなことになつて来ております。
#22
○北山委員 自治庁にお伺いしますが、先ほど国井さんが、事業税を中心としていろいろな強い意見を述べられたのですが、これに対して自治庁としてはどういう見解を持つておるか。
#23
○奧野説明員 まことに申訳ない次第なのでありますが、実はただいまお呼び出しを受けてやつて来たばかりでございまして、存じておりませんでした。ただ事業税につきましては、事業税撤廃運動というふうなものの生じておることも承知しておるわけでございます。しかし事業税は、事業を行つておる人たちが、府県の経費の一部を負担するのだというような考え方で、ぜひ納めていただかなければなりませんし、もとよりまた零細な面につきましては、できる限り負担の緩和をはかつて行かなければならない。問題は財政需要ともからんで参るわけでありますけれども、将来の税制改正の方向としては、何といいましても個人事業税の負担を緩和するというふうなことに、一番力点を置いて行かなければならないのじやないだろうか、こういう考え方を持つているわけであります。
#24
○大石委員 岡田さんに私ちよつとお尋ねしたいのですが、わが党の先輩である大矢先生がさつきあなたに質問なさいました。ところがあなたは公としてはここで御返事することができないけれども、自分個人にはこの事業税その他の徴収方法についろいろ考えておるとおつしやいました。今日あなたにここへ来ていただいたということは、参考人としてあなた方のいろいろおつしやることを聞いて、私たちは参考にしたいから来ていただいたようなわけでございますから、あなたはどういうようなことを個人的に考えていらつしやるか、その個人的に考えていらつしやることを、まず私たちに発表願いたい。
 それから第二点、ここにいらつしやろ皆さんが、あなた方はうそをついておるとみなここではつきり私に言うておる。あなた方はそういううそを言わぬと言われるが、ここにたくさんの傍聴人がいらつしやいますからほんとうであるかうそであるか、それを聞くのが私たちの仕事でございますから、ほんとうであるかうそであるか、どうぞそれも聞きたいから、はつきりおつしやつていただきたいと思います。
#25
○大矢委員 ちよつと関連して。私が尋ねたのは、今の参考人が法人と個人の事業税に非常に不公平がある、当然控除される分も控除されておらないと、きわめて具体的に述べられた、そういう事実がありますか、これに対してどう考えられるか。もつと繰返して言いますと個人、法人の課税に対して、当然法律で認められたものをもこれを適用されず、非常に不公平だ、こう言つておられる。それに対してそうではない、法律に基いてこういう不公平はない、ここうやつているということ、われわれが参考人の言つをとと、どう違うかということをお聞きしたい。個人の意見を聞いているのではないのです。
 それからいま一つ、奥野さんに伺いますがこういう陳情というものはしばしがあるのです、今始まつたことではない、ずいぶん苦しんでいられる。最近共産党が税金攻勢をやつて、何か団体で行くと共産党と見られてはいけないといつて自粛している、それをいいことにしてできるだけ成績を上げろというのか。それから何かしらぬが非常に弱い部面に強くしわ寄せをして来る、成績が上つたとか納税意欲が上つたというけれども、これは予算より非常に大きな増収入がある――どうしても軽い方を望んでおるのによけいとるのですから、どこかへかかつて来る、予算というものはでたらめにしたものではない、社会情勢が違つて多少の違いがあるとしても全国的に見て非常に数字が多い、こういう陳情に対して事実陳情が正しいのかどうか、実際のあり方はどうか。地方々々の条例によつて違いましよう、条例によつていろいろ違うが、免税の条例のないところはない、事業税をとらないようなこともない、水害あるいは災害に対して特例を設けろとか、地方々々の条例によつて返すところもございますからそれは別ですが、全体を通じて顕著に不公平なものに対しては一応調査するとか、あるいは陳情に対してどういう処置をしられたか。今ちよつと遅れて来たようですから、十分公述要旨がおわかりでなかつたかもしれませんが、きわめて具体的に数字まであげて、間違つておれば私はいつでも弁明しますとまで言つている。この点はここに陳情書の要旨及び参考資料もありますから、ただちに今どうというのではなしに、今後慎重に考えてやつてもらいたいということと、今までの陳情に対して、どういう扱いをされたかという点、今までのことと将来のことについてはこれを参考に――ほんとうに非常に苦しんでいるので、単に私どもが聞いただけではなく、地方税にもほとんどそういうことを聞いている。この機会にぜひそれらの具体的立場を、特に参考人の三つの条件をあげてこれこれはぜひやつてくれ――そこは聞いておつたと思いますから繰返して申しませんから、その点をどうするか、今お考えがあつたならば伺いたい。なお慎重に扱うということでありますならば、将来どうしようという点をお聞きしたいと思う。
#26
○岡田参考人 ただいまの最初の大石先生からの御質問に対しましてお答え申し上げます。事業税の徴収の面に関しまして、私どもが特にほかの税と取扱いを異にして徴収を強硬にやつているといつたような事業はございません。ただいま私の方で出しました資料がございまするので一応御説明申し上げますと、昭和二十七年度におきまして個人事業税の関係を見ますると、二十七年の十月末日現在におきまする収入歩合は四二%の収入歩合を上げておつたのでございますが、本年は三四・五%の収入歩合を示している。従いまして二十七年に比較をいたしますると、七・五%というものが収入減にほつているわけでございます。いろいろな関係がございまして、先ほど来いろいろ個人の事業税問題についてお話があつたのでありますが、これらの面がいわゆる徴収の面に、かなり大きく響いて来ているというふうに私どもは考えております。従いましてこの収入歩合が示しまするように、特に私どもが全般的に見ますると収入歩合が上つておりますにもかかわらず、個人事業税について見ますると、このように低くなつているという点を御勘考いただきますれば、私どもが特に零細なる中小企業者に対する事業税の徴収の強化を、ことさらにはかつているということはないということがわかつていただけるのではないか、かように存じます。それから個人的見解を述べろというお話でございますが、たくさんな条項を並べられましたので、全部私ども参考資料を持つておりませんので、御説明を申し上げかねるのでございますが、ただ私個人的な見解を申し上げますると、地方税法の改正にあたりまして、特殊な業者の方々の税率が場合によつては引下げられろ、あるいはまた事業税から特別所得税に切りかえられるといつたような税制改正が行われているものでございますから、こういつたような問題が、納税者の業態を別にいろいろな面で扱われますると、勢いそういつたような問題は他の事業の経営の方々にも強く影響をいたしまして、いろいろな混乱を招来するのではないか、かように考えております。従いましてでき得ますならば私の個人的見解としてみても、個人事業税に関しまする限りは税率の変更等を行われまして、いかなる事業を経営される方も同じような税率にされるということがきわめて望ましい、かように考えております。
 それから先ほどの大石先生の、うそをついているというようなお話でございまするが、私の知つている範囲内においては、私はうそを申し上げてはいないのでございまして、この点はひとつ御了解を賜わりたい、かように存じます。
 それから大矢先生の個人と法人との関係で、相当な不公平があろのじやないか、こういう御質問であつたように存じますが、個人の場合におきましては、いわゆろ基礎控除は認められておりますが、法人の場合には俸給と申しますか、給料、そういつたものが経費として差引かれておるのでありますが、個人についてはそういつたようないわゆる自家労力的なものが引かれておらないというお話があつたのであります。この問題に関しては、個人の場合においてはどれが一体自家労力であるか、あるいは自家労力でないかという判定になつて参りますと、きわめて困難な問題ではないか、かように考えるのであります。たとえて申し上げますと、薪炭業者のような方々で、消費者から注文がございますと、これを消費者の宅までお持ちになる、そういつた場合にいろいろ炭を切つて消費者に提供される。仮定でございますけれども、こういつた面を考えてみたといたしますと、これは商法上のサービスであろうか、あるいは自家労力であろかといつた面になつて参りますと、その判定がきわめて困難ではないかというふうに私個人としては考えておるのであります。自家労力の面になると、一体どこからどこまでが自家労力で、またそれを事業所得の中から差引くかどうかということになりますと、きわめて困難じやないか、こういうふうに考えるのであります。法人の場合にそれが引かれておつて、個人の場合においてはそういつたものが引かれていない、ここに非常に大きな不公平がある、こういうお話のように承つておるのでありますが、ただいま申し上げましたようにいろいろな面から個人の自家労力の捕捉、認定がきわめて困難であるという問題で――私は法人と個人との場合におけろ認定の困難さということでもつて、何も逃げろというわけではございませんけれども、法人の場合ですと比較的帳簿等が整備されておりまして、それを見ることによつて相当程度の基礎資料がつかみ得る。しかしながら個人的な場合になりますと、非常によくおやりになつておるところもございますけれども、中にはそうでない方がありまして、はたしてこれが専従者であろか家族の方のお手伝いであるのか、どこまでが一体自家労力の提供であるかどうかという問題の判定がきわめて困難である。従つて私は現在の税法上では不公平はないかのように考えておる次第でございます。
#27
○奧野説明員 大矢さんのおつしやいましたようなことを私も聞いております。個人の事業所得と法人の事業所得との間に不公平があろじやないかという問題、同時にまた市町村民税などの課税を通じて給与所得者と事業所得者との間にも不均衡がある。給与所得者に重くて事業所得者に軽いというような意見もよく聞いております。御意見のありました事業所得のうちで、法人の分が軽過ぎるじやないかという御意見、これは個人と法人との性質が違うのじやないか、また法人の性格をどう見て行くかというむずかしい問題もあろうかと思うのであります。しかし現在のところでは法人が給与を支払いますと、全部必要経費として落します。そのかわり給料をもらいました人に対しては、所得税を課して行くわけであります。反面に、個人が事業を営んでおります場合には、このような控除のしかたをしませんけれども、家族労働等につきましてある程度必要経費の算入を認めるわけであります。そしてこの分については所得税は課して参りません。問題は、私は個人の事業所得を計算いたします場合は必要経費をどこまで見るかという問題だろうと思います。法人の場合には、かりに法人が所得として留保しますその所得が、さらに結局は個人に帰せられると考えられておるわけでありますし、個人に帰しました場合にもそこへ所得税を課して行くのだ。また経費として落しました給料も所得税の対象になつて行くのだ、こういう考え方になつておるわけであります。しかしながら小法人につきましては個人とあまりかわらないような実体のものもございますし、必要経費の考え方には実際問題として困難な問題を含んでいるだろうと思います。しかし、個人事業所得につきましても、漸次必要経費の範囲を拡げて参つておるように所得税法の改正を通じて私には見受けられます。またこのような方向が正しいのじやないだろうかと考えておるわけであります。問題はこの必要経費の範囲を、どこまで合理化して行くかというところに帰着するのではないかと思います。それでは事業税の面について何か考慮を払わないのかと申しますと、昨年でありましたか一昨年でありましたか、事業税の課税標準の中で、個人事業者に対しましてだけ基礎控除を行う、法人事業税につきましては基礎控除の制度をとらない、こういう若干の考慮を試みておるわけでございます。さらに将来税率についても差等をもうけてはどうかという意見も出ておるわけでございまして、こういう点も今申し上げた点とからみ合せて研究して参りたいと思います。
#28
○大矢委員 東京都の人に申しますが、自家労力の認定の困難なものについてはどうだというようないろいろな御意見が、今の参考人の方からあつたようですが、これはお聞きのようにきわめて具体的なんです。つまり扶養の控除もなければ基礎控除もないその全所得をまる写しにしてそれに課税しておる、それに反して法人の方はそれをちやんと引いてから課税しておる、すこぶる取扱いが不公平だ、きわめて具体的なんです。認定が困難だということ一つだけをとつてそう言われるが、初めから控除すべきものがしてない、所得まる写しにしてそれに課税しておるから、個人、法人によつて非常な不公平があると言うのです。それを認定を取立てていろいろ言われるが、根本的にこの取扱いに非常に不公平があるということを強く言つておるわけです。その点をお聞きしておる。いや、そうじやない、現にそれを引いてある、引いて純所得に対してのみかけておるのだと言うならけつこうです。ただ認定困難であるからというので、それだけによつてあとにあるものをのけられたのでは迷惑する、その点をお聞きしておるのです。
#29
○香川参考人 ただいま先生から東京都の個人事業の税の取扱いについて、お話があつたのでありますが、扶養控除等が本来引くべきであるものを実際引いてない、こういうお話だつたと思います。しかし扶養控除等は税法上引くことになつておらないのでありまして、東京都の扱いはすべて税法上の規定に従つた通りの扱いをやつておるので、決してお話のようなことはないわけでございます。
 それから、先ほどちよつとお話がございましたが、今の問題で、この運営においてはそういうような問題は全然ないのでございますけれども、立法論としてはいろいろと問題があろうかと存じます。それにつきましては先ほど奥野税務部長からも若干お話があつたようでありますが、立法論としては問題があろうと存じますが、少くとも東京都の運営が法律の規定と違つたことをやつておるという事実は、全然ありません。はつきり申し上げておきます。
#30
○大矢委員 国井さんですか、先ほど参考人の方が言われておりますが、聞いておりますと、地方税法にこれこれの規定がある、当然そうすべきであるにかかわらず、特にこういう扱いをされておるというお話があつたのですが、今の説明によりますと、そういうことはないと言つておられる。取扱い上そこに何か食い違いがある。その点に御意見があつたら承りたい。
#31
○国井参考人 ただいま自治庁の係官並びに東京都の徴収課長さんからのお話を承つておりますと、税法の七百四十四条の九項にある総収入金額から必要なる経費を引いたものに課税するという個人の課税方針が、ちやんと法律できまつておるわけであります。今の、認定ができないとか、そういうところに非常に問題点があるという自治庁係官のお話でありまして、問題はそこにあるのです。私が先ほどから申し上げておるのは、今法律できめられてある必要経費というものは、あの条文がないと同じ扱いをしておるというところに、ひとつ諸先生の大きな御考慮をお願いしたいということなんです。法律にはちやんと個人の課税方法として総収入金額から必要なる経費を差引いたものに課税するということが規定されておりますから、その必要なる経費というものが、現在は空又になつておるという事実です。これだけはいかに答弁せられても間違いないのであります。それから違法なことは課長さんは全然しておられないということを言つておりますけれども、たとえば私はこういうことから例証できろのであります。この前の会見のときにも、これは国税のまろ写しではない、偶然なる一致だ、こう言つておられろ。それでこれではいかぬというので、私どもが異議申請を出すと、少しもこれを調査せずして、棄却決定をせられたわけです。でありますから、東京都は法律上何も違法をしていないといつて棄却をしたにもかかわらず、その後において税務署の方の所得の変更があると、税務事務所は変更しているのです。これは数をあげたら枚挙にいとまがないのです。言いかえますれば、税法上に違反を犯していないと言われるけれども、こういう事実を一体どう弁解されるか。私は非常にふしぎに考える次第であります。
#32
○滝井委員 ちよつと東京都の方にお尋ねしたいのですが、東京都の課税の方式は、所得を決定する場合に、地方公共団体として独自の立場から、各個人の総所得を調査しておると思われるのですが、今の発言では、国税の方の所得金額をまる厚しにされておるというお話でございますが、その通りでございましようか。その点ちよつとはつきりしていただきたい。
#33
○香川参考人 ただいま両先生から課税標準の決定の問題につきましてお話がございました。それにお答え申し上げます。御案内の通り個人事業税の課税標準であります所得と、それから国税の所得税の課税標準であるところの所得とは、まつたく同一とは言えませんが、おおむね同一でございます。従いましてこれは一千規定のずれ等がありまして、厳密に言えばごく例外的な例で違う点があろかもしれませんが、おおむね同一であろというふうにお考えいただいてもさしつかえないと存じます。そうであろとすれば、国で調査をし、また地方団体でも同じ納税者に対して調さを繰返す、これは全体の立場から見た場合においては、たいへんな不経済でございます。従いまして国税が一度決定をされまして、それが正しいものと思われますものにつきましては、東京都はあらためて調査をしないで、それをそのまま採用しておるものもございます。それからまた国税の決定が、事業税というのは毎年々々課税するわけでございますから、去年と今年と比較しまして、今年が著しくふえているとか、あるいは著しく減つているとか、要するに普通の伸び方でないというふうに思われますものにつきましては、各税務事務所におきまして、それぞれ個々に調査をいたしております。
#34
○滝井委員 そうしますと、客観的に見て国税で三十万円と決定をし、お宅で当然今度は国税で三十万円が妥当である、こういう認定に立つためには個個の業者について、少くとも全般にわたらなくても、抽出的にそれらの一つ一つの業種別に科学的な調査をやつて、その見解によつてこれは国税と同じだから、総所得金額は地方税も同じである。そうしてその総所得金額から、終質を引き、十二箇月分の五万円を引いて課税をしている、こういうことなんですね。
#35
○香川参考人 さようでございます。
#36
○滝井委員 ちよつと自治庁の後藤部長にお尋ねしたい。東京都の行き方は、その通りであれば大体妥当だと思われますが、私の方の福岡県あたりのやり方は、少し違うようであります。国税は国税であろ。国税が何と言おう、ともそれは全然われわれの関係のないことだ。国税のものは調査する必要はありません。問題でない。しかし一応国税はただすのはただしますが、全然それは問題にせずに独自の立場でやる。福岡県あたりの事業税は東京の二割くらい高い。大体今の言葉で国税のまる写しと言われることは、国税と同じことが多いということである。ところが福岡県あたりは二割くらい高いのが普通である。こうしてみますと、地方の公共団体における課税の仕方が、今の証言でぴんと来たのですが、まちまちだということです。これでは今の比較から言うと――東京都の方がおられるからちよつと言いにくいですが、まる写しならば国税と同じです、福岡県は国税より二割くらい高いというと、地方税のかけ方が地方団体においてまちまとだ。おのおのが地方税法にのつとつてやつているけれども、そのやる主体によつて、都道府県の考え方によつて、課税がまちまちにやられているということになれば、将来われわれが地方平衡交付金やあるいは今度のベース・アップ、期末手当をやる上におけるその徴収の成績を見る場合に、非常にものさしというものを、どこにおいてよいかわからないことになつてしまう。この点自治庁は各府県に対して徴収面における具体的な指導を、国税との関係において、やつているかということである。この点は私はこの問題の最後のポイントになつて来る問題だと思いますが、その点自治庁の見解を聞きたいと思う。
#37
○奧野説明員 御承知のように事業所得は、収入金額から必要な経費を控除して決定いたします。この必要な経費という言葉は、所得税法の場合におきましても、あるいは地方税法の場合におきましても、同じだと考えておるのであります。先ほど国井さんでありますか、この必要な経費の中に扶養親族等に関する経費が入つていないで、それがけしからぬのだという御意見がございましたが、現在の法律の建前は、その収入金額を上げるに必要な経費であります。子供さんがたくさんおればよけいかかるんだというふうなことでなしに見ておるわけでございます。ただ所得税の課税標準をきめます場合には、必要な経費のほかに扶養親族等に伴いましてさらに幾ら控除する、こういうふうなことになつて参ります。こういうふうな諸控除が多い結果、所得税が課せられない。しかしながら事業税の課税標準はある、こういう場合に、単純に所得税の課税標準となりました額と、事業税の課税標準となりました額と比較されたのでは困ると思うのでございます。もしそうでございませんで、ただ総収入金額から必要な経費を控除した結果の額でありますれば、元来両者は同一であるべきである。もし食い違う場合には、お互いに力を貸し合つて適正な決定に持つて行くべきである、こういうふうな話をして参つております。具体的の東京都の例になつて参りますと、先般来税制調査会でもいろいろ議論があつたのでありますが、どうも東京都の決定しておる金額というものが、国のよりもむしろ低過ぎる、こういう非難をわれわれ受けて参つたわけでありまして、まことに遺憾に思つておるのでありますが、この席に出て参りますと、まつたく違つたような空気なんで私は驚いておるわけでございます。なおよく検討して参りたいと思います。
#38
○北山委員 この際に一般的なことをちよつとお伺いしますが、日本の今の産業界は、大きな産業もそうですが、ことに中小企業、個人企業等においては、その事業の資本が他人資本が大部分であろ。何か数字によりますというと、九〇%以上がよそから金を借りて事業をやつておる。その借りた金の利子が非常に高いというのが、実際の状況です。その結果として、事業をやつている人が一生懸命になつて働いて――ある私の知つている人から聞いた話では、その人は八百万円というものを計算上もうけた。しかしそのうち六百万円は利子に払つて、あとの二百万円の中から税金を払う。そうすると残るのは、ほんのわずかなものだという話なんです。そうすると、こういうような産業界の状況からして、中小企業においては、利子として銀行なりそういう金融機関なりに、働きの大部分をとられておるのじやないか。そしてそれはおおむね法人であつて、先ほど来お話のあつたように、法人は税金をとられる上においては非常に有利な地位を占めておる。そしてあとに残つた少い分から、今の所得税なり事業税なり、あるいは住民税を払つて行くという。こういうような実情にあるからこそ、今のような問題が全国的にも、東京においても起つて来るのじやないか。従つてこれはよその国との比較も考えて、日本の事業が今置かれている状況はある意味では特殊な事情であるから、日本の国税あるいは地方税をきめる場合に、そういうように大部分が他人資本によつているために非常に利子に苦しまされておるという事業の実態というものを考慮すべきじやないか、こういうふうに考えるのですが、そういうことをお考えになつておられるかどうか、考えるだけの値打ちがあるかどうか奥野さんにお伺いします。
#39
○奧野説明員 その問題は、非常にむずかしい問題だと思つております。ただ先ほども申し上げましたように、法人の所得を計算いたします場合には、支払い給与額は全部控除する。そのかわり受けた人に対しては所得税がかかつて行く。反面旧人事業に対しましては、家族労働者が多いからといつて、一応経費をたくさんにはしない。しかし最近になつてからは、一部これについて経費を認めるようになつて来た。これは所得税法の一つの進歩だと思つております。これがどの程度まで行くかということについては、非常にむずかしい問題があろうかと思います。この部分については、所得税は課されておりません。そういうような、個人と法人との使いわけはしておるわけでございます。それに関連いたしまして、他人資本でやつている場合には、大きな利子を払つている。従つて現実の所得はわずかなものじやないかというふうな御意見もございました。こういう問題につきましては、御承知のように資本の是正をはかる。どうも会社が他人資本でやつていた場合には、支払い利子額というものは全部控除されて行くものだから、増資をして利益をたくさん出す努力をするよりは、むしろ借入れ資本金でやつておつた方が有利だ、資本の是正をはかるためには、借入れ資本について、支払う利子も、利益の中に算入すべきである、そして税率を軽減して、広く課税して行くべきであると、こういうふうな意見を言う方もあるのでございまして、おつしやつている問題は、非常に深い意味を含んでおるのでございます。これらの間葉、いろいろな点を考えて行かなければならぬと思います。
#40
○大矢委員 最後に東京都の人にもう一ぺんお聞きしておきますが、先ほど来課税方法についていろいろ議論がありましたが、国税を免税された零細事業者に対しても、事業税を全部かける、その件数が相当多いようです。それは一体どのくらい東京都内にあるのか。
 それからいま一つは、先ほど国井さんからの話によると、東京都内だけで、課税決定に対する異議の申立てが三万件もある、それに対して一括拒否されて、そのあとから申請した結果、全部とは行かぬが、相当認められて、更正が加えられたという実例を述べられ、ここにたくさん参考資料としていただいております。こういうことになつたということは、これは取扱い当事者としては、はなはだ軽率というか、納税者の意思を十分尊重しなかつたという結果から来ておると思う。そこでこういうことが事実あつて、申請所の意思がいれられたという結果になつておるようですが、この二つの点、つまり国税が免税になつたような零細業者にも、依然として事業税をとるのか、あるいは、その程度ならば実際上はとつておらないというのか。いま一つ、更正決定に対しては、あとで修正されて、本人の意思がいれられた結果から見て、将来はもつと納税者の意見を聞き入れて、慎重に取扱うべきじやないかということを、私は今の公述を聞いて考えたのです。その点についての意見なり取扱い上のことについて、何かあつたら、この機会に承りたいと思います。
#41
○香川参考人 国税で失格者になつております者に対して、東京都で個人事業税をかけているかいないかという御質問でありますが、これはかけております。と申しますのは、かけるような法律になつておるからでございます。法律の方でそういうことになつております。たとえば国税の方ですと、御案内の通り、扶養控除とかその他いろいろな控除があります。個人事業税におきましては、法律上そういう控除は認められておりません。従いまして所得税の方では失格の対象になりますものでありましても、個人事業税においては課税されるものが当然出て参るわけであります。
 それから異議の中立てに対する取扱いというような点の御質問でございますが、実は私課税部の方の仕事をいたしておりませんために、まことに申訳ないのでございますが、実際上どういうようなことになつて、何件くらい慶正決定をされたかという数字を、実は承知いたしておりません。ただ私どもの承知しております範囲内について申し上げまりと、大体異議の申立ての内容と申しますのは、東京都が十度も調査をしないで、国税の所得の決定通りの裸視をしておる、これは違法ではないか、これが第一点であつたように記憶しております。第二点としましては、勤労控除をたしか引いてもらいたいというような趣旨の異議の申立ての内容であつたかと存じます。多少間違つておるかもしれませんが、大体そんなようなことであつたと私は記憶しております。この国税通りの決定をしておることが、違法であるかどうかという問題につきましては、先ほどどちらの先生かにお答え申し上げた通りでございます。それから勤労控除の問題につきましては、先ほど奥野さんからもお話がありましたように、これは自家労力を控除するかどうかという問題でありまして、運営の問題ではございません。先ほど岡田徴収部長からもちよつとお答えいたしましたが、運営の問題として改正されるべきではなく、これは税法上の立法論でございます。よろしくお願いいたします。
#42
○西村(力)委員長代理 門司亮君。
#43
○門司委員 非常に遅くなつて参りましたので、大体皆さんから、すべての問題は聞かれておると思いますから後ほど速記録を見て、なお聞く点があればあとで聞きたいと思います。
 この機会に、私は自治庁に一応聞いておきたいと思います。これは税法上から言つて、二十八年度限りでなくなる税金であります。従つて来年度は新しい税金になつてこのまま生まれて来るかどうか、それはわかりません。そういうことのために、もし改正をするとすれば、非常にいい機会であると思います。従つて自治庁は今のようないろいろな意見を総合して、そういう問題が起らぬようにこれを改正して行くことが、この際必要だと考えます。きようお出でを願いましたのも、やはりそうした意味を多分に加味いたしております。そうして地方税が改正されるか、あるいはこのまま存続されるといたしましても、いずれにしても立法措置によらなければならない段階になつている。従つて自治庁の意見を私はこの際はつきり承つておきたいと思いますが、自治庁としては当然この事業税が残されるものとして考える方がいいと思う。残すということになつて参りますと、たとえば税制調査会の意見を見て参りましても、この税金が現在の地方税と国税を通じていかなる役割を演じておるかということは、私が言わなくても自治庁の方がよくおわかりだと思う。ことに個人の事業を憎んでおりまする者に対しましては、固定資産税としての償却資産税がまず第一段階としてかかつておる。これが動いて参りました所得につきましては、所得税をかけておる。さらに所得の中から、全部が赤字というわけには参りませんので、従つて所得に関係しないで黒字の分に税金をかけるという建前が、一応とられております関係から、所得税の方は荒磯控除その他で免税になつておつても、事業税はかかつて来るという一つの矛盾ができ上つて来ている。これらの点を改正するということが一つと、それからもう一つは先ほど奥野君から言われたように、この税法をきめます時分、昭和二十五年当時、法人に税金のウエートを多く置くか、あるいは個人にそのウエート左置くかという税の立て方が、シヤゥプさんとの間には、かなり問題になつたのでありますが、このときのシヤゥプの意見は、大体法人といつても法人の収益というものは個人に還元さるべきである、従つて一面において資本の蓄積をするとともに、一面においては還元さるべきものであろとするならば、何も法人にそうむやみにかけなくてもいいのじやないか、個人の所得というものを中心とした税法の建前が一応正しいのではないか、こういうシヤウプの意見がかたり強く実は反映していると考えられる。しかしこのことは日本のようなきわめて少い所得の中で、ことに一面中小の個人事業者を非常にたくさん持つておる今日の日本の産業構造の上から考えて参りますと、これは必ずしもシヤゥプの考えているようなわけには私はいかないと思う。ここがやはりこの税法をきめたときの誤りの一つではなかつたかと思う。これは所得税においても同じでありますが、国税においても同じ考え方をしている。そこで今回の税法改正をしようといたしますには、この点はやはり十分考慮さるべきである。従つて基礎控除にいたしましても、数字的に言うと、あるいは所得税の基礎控除の半額ということになろかもしれませんが、二面からいえば所得税を一箇月二万日、一年を通じて二十四万円まで免税にしようという考え方があるならば、少くともやはり個人所得に対しましては、それにやや匹敵するだけの甚磁控除をここに設けておくということが、個人の事業を擁護し、個人の生活を守つて行く、一つの大きなゆえんではないかというように考えられろが、この点に対して税法改正を通じて、自治庁は一体どういう意見をお持もになつておるか。もしあらかじめ御意見を伺えるなら、この際発表しておいていただきたい思います。
#44
○奧野説明員 門司さんの御意見たいへん上要な点だと思いまして、毎日検討を加えておるわけであります。地方制度調査会の答申におきましても、税制調査会の答申におきましても、附加価値税を廃止いたしまして、事業税及び特別所得税をおおむね現状において存置するというふうなことを方針にしておるわけであります。従いまして大体このような線で、地方税法の改正を考えて行くべきではなかろうかというふうに思つております。どのような課税標準をとるかということは別といたしまして、やはり事業をやつておる人たちには、市町村の経費の一部を分担してもらいたいし、同時に府県の経費の一部を分担してもらいたい。もうかつておれば経費の一部を分担して、損をしておれば経費の分担は一切しないということではなしに、元来事業をやつて行く場合には、最初からこれだけの経費がかかろんだということを、府県税と市町村税については頭に置いて、あたつ行つてもらいたい、こういう考え方をしておるわけであります。なお税負択の分については、大体おつしやいましたような方向に、私たちも考えておりますけれども、来年度の地方財政事情がどういう姿になるかということが、税率を決定して行く場合に、大きな要素になつて参るわけであります。しかしなからいずれになりましても、税負担を軽減いたします場合には、個人事業税に重点を置いて考えて行きたい、こういうような気持を持つておるわけでございます。そのような方向といたしましては、一つには基礎控除額を引上げて行くという問題がございます。これは法人については別に採用していない制度でありまして、個人事業税についてだけ基礎控除の制度を採用しておるわけでありますが、さらにこの額をできるだけ上げて行きたいという希望を持つておるわけであります。もう一つは税率の点でありまして、税率もできる限り引下げて行きたい。法人事業税の税率を引下げることができなくても、個人事税の税率は引下げて行きたい、こういう方向で、いろいろな問題を研究しておる最中でございなす。
#45
○門司委員 大体の方向はわかりましたが、問題になりますのは事業税自身の問題でございますが、事業税については大体廃止の意見も非常にあるようでありますが、私は、これをすぐ廃止することは、地方財政の規模の上から見てどうかと考える。しかしながら財政の規模がどうであろうと、悪い税金であるならば、これを廃止しなければならぬというように考えるが、私もう一度聞いておきたいことは、事業税自体は都道府県税であるということ、従つて先ほどのように塩菜がもうかつても、もうからなくても、公益性から考えれば、やはり税金は納むべきものであるという議論でありますが、これも一応なり立つかと思いますが、しかし悪税ならばそういう議論はすみやかにやめなければならない。それで問題になつて来るのは、この税金の姿がちようど昔の営業税の附加税のような形を、今日やはり残していはしないかと思う。従つてもしこれが営業税の附加税内性格を持つて存続されておるとするならば、一方において所得税という一つの制度ができておつて、ここに生活の基準を脅かさない程度に、まず税金をかけようということが生れて来ておる。ところが事業税の中にはそういうことが割合に考えられないで、今の奥野君の説明のようなことは、昔の営業税的のものの考え方ではないかと考える。従つて常業税的のものの考え方というものは、一体いいのか悪いのかということが、次の段階に来るのでありますが、われわれから考えますと、なるほど事業をしておるということは、やはり一面において自治体に対して迷惑をかけておるということにもなることは十分考えられろ。しかし一面において入門はどんな仕事をしておりましても、生活をしなければならないことは当然であります。従つて生活をしておるということに考えを及ぼして参りますと、当然研得税のような形で税金をとろべきだ。これがもし営業税的な性格を待つということになれば、税の性格本来から言えば明らかに収益税でなくて、流通税とまで行かねくても、ややそれに近い性格を持つて来ることになる。従つてこの税金の性格上のあいまいさというものが考えられろ。私は、この税金はこういう性格上のあいまいさがここに来ておるのではないかと考える。もしこれが例の営業税的な性格を持つとするねらば、これは事業の内容の中に含まれろ税金であつて、収入は物に転化して行けばいいという一つのものの考え方が出て来る。しかしこれはどこまでも収益課税であるという考え方をすれば、この税金は当然純益課税が正しいのではないかという考え方である。この点の見解をぜひこの際伺つておきたいと思いますが、私どもは現在の事業税をそのまま考えて行けば、これは当然純益来税であろと考えるが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#46
○奧野説明員 今おつしやいました事業税の本質をどう解して行くか、非常にむずかしい問題であると思うのであります。第一には現在の事業税の性格をどう判断するかという問題がございましようし、将来にわたつて事業に対する税負担をどういう形に持つて行くか、どういう性格のものに向けて行ぐかという問題もあろうかと思うのであります。どういうような方向に向けて行くかというものを中心に考えて行きました場合に、この税金というものは経費と観念されて行かなければならないものか、もうけのうちから払わなけ七ばならないむのかというふうに考えて行きますと、やはり経安と考えて行きたい。府県の経費の一部を分担するのだという考え方で行けないものだろうかというふうに考えるのであります。しかしながら現在のように所得を保税標準にして参りますと、欠損になれば税負担はいたしませんからその面は現われて参つておりません。反面にまた御承知のように電気供給業であるとか、ガス供給業であるとか、あるいは運送業でありますと、その総収入金額を課税標準にしておるわけであります。こういう面におへましては、もうけがあればとか、あるいはもうけがなければということにかかわらず、一定の租税負担の経費として考えて行かなければならないようになつておるわけであります。どのようなところに課税標準を設けて行くかということについては、いろいろ問題はあろうかと思うのでありますけれども、事業が行われておりますねらは、あるいは道路施設を設ける、教育施設を設ける、保健施設を設けるというようなことも、府県の経費としてはございますので、それらの経費の一部を分損するという意味において、この種の税金を存置して行きたい。これを事業税と見るか、附加価値税と見るか、売上税と見るか、これは課税標準の思い方によつて、名前がかわつて来ると思うのでありますけれども、そのよな方向にこの税を考えて行きたいというふうに思つておるわけであります
#47
○門司委員 私はその考え方はちよつとおかしいと思うのだ。名前をかえろことによつてというよりも、私の向いておりますのは純益課税に面すことぶ正しいのではないかということでありまして、今の税法から行くと、一面において常業税的な性格を持つておつて、何だか流通税的な性格のようにも聞えるのであります。それは所存税の方では基礎控除の面から、あるいは扶養控除まで差引いておる。この場合にはそういうものも二面考えられておつて、一面はまた考えられていない。いわゆる零細な人にまでかけようという性格を持つておる。従つて業者の方から言わせますと、生活を確保することのためには、やはり税の性格自身がすつきりしなければならないというようなことが考えられて参りますので、むしろこれを純益誤脱とすれば、所得税と同じような標準にこれを置いて行くということになれば、今まで私が知いい間の時間に開いておりました論争点というものは、自然になくなると思います。その点が非常にあいまいだと思います。それからもう一つは、さつき私が申し上げておりました営業税的な性格の中に、外形標準でやつておるものがホる。これもこの税金を不明朗にした一つの原因だと思います。従つてこれは純益課税であるか、あるいは外形標準にかけておるかと言えば、さつきから申し上げておりますように、営業税的な性格を持つておるということははつきり言えると思う。従つて営んでおります事業、たとえば販売をしておるものなら販売をしておるものに税金がかけられる。あるいは製造をしておるものなら製造単価の中に織り込まれる。一つの性格を持つておるものは外形輝準にかければ私はそういうことが言えると思う。外形標準にかけてなければ、結局純益課税でなければ筋が通らないような気がするのであります。従つてわれわれが開きたいのは、業者の納得の行くようにしてやるように、なお減税として負担区分の問題ほありましようが、この負担の公平という点から言えば、当然応益悦にかんがみて、税金を納めろということがいいかもしれない。しかしそれにはすつきりしたものが必要だと思う。どちらともつかないものがあろから、こういう問題が起きて来る。これを応益課税にしてしまつて、外形標準をなくしてしまつて常夫税的の性格をなくしてしう、どちらかにはつきりきめた方が、この際いいのではないかと思いますが、その点についてもう一度聞いておきたいと思います。
#48
○奧野説明員 お話になりましたことは非常に学問的な問題でありまして、私も今後なお研究して参りたいと思います。事業税は事業そのものに着目して課税するというふうに言われておるわけであります。従つて人的な要素は考慮しないという意味において考えて参りますと、これは経費として考えられて参らなければほらぬし、そういう意味においては、人的な事情というものが、ある程度課税標準から除外されて参ら欺ければならぬのではないかと思つております。すつきりした形にして性格をはつきりさせる必要もあろうかとも思いますけれども、何分外形標準課税を行つておるようなものにつきましては、自由主義経済組織をとつておりましても、料金統制が行われるというような問題もございますので、なかなか困難ではなかろうかというふうに思うわけであります。しかしながらこういう問題も総合的に検討しながら、実際に、当つてて行きたい思います。
#49
○大矢委員 東京都の方に伺いたい。先ほど三万件からあると言われたが、その中には現に審査されて相当希望が満たされたという人もあるから、相当理由があると思う。二つの理由を申されましたが、その内容を調べれば相当あると思う。そこでこれをもつと再審査をするような、御意思があるのかどうか。私どもからいえば、ぜひそれは十分納得の上で審査してもらいたい。今審査を拒絶した理由を東京都の人が述べられましたが、国井さんはそれに対して何か意見があつたらこの機会に述べていただきたい。
#50
○香川参考人 今三万件というようなお話がございましたが、私の承知している範囲ではそんなになかつたかと思います。その件数に対しまして東京都が御承知のような措置をとりましたのは、現行税法の面では実はどうにもならない。そういうような理由ではこれはどうにもならない。もし課税が高い低いというなら、これが適正だということを個々に申してもらいたい。これが法律の定める一定の期間内に行われるものなら、税法の規定通り個々に審査をして決定をして行かなければならないと考えます。
#51
○国井参考人 いろいろ御親切に伺つていただいてありがとうございました。冒頭にきよう細目主税局長に参考人としての御出席をお命じいただいたにかかわらずおいでなかつたというようなことは、非常に国会の権威を軽視している問題でありますので、諸先生方も相当それに対してお考えいただきたいと思います。さらに前には、岡田徴収部長は、偶然の一致だ、いわゆる国税まる写しが課税標準である、こういうことを言われたが、今の課長の表現は、おおむね一致だということを言われた。これは速記録にちやんと載ることですから、他日拝見させていただきますが、おおむね一致したものから必要経費を引いたものに課税しておると、はつきりおつしやられた。この事実は絶対に東京都にはない。私どもはこの速記録によりまして、はつきりと東京都知事にお話に行くつもりです。諸先生方のいろいろ御同情ある御配慮ありがとうございました。
 最後に私は、先ほども申し上げました通り、この暮れ辿つておる全国の中小商工業者のために、あたたかい国会1の贈りものといたしまして、この必要経費の控除について十分考慮してやるようにということ、及び国税の免税点になつておるような零細業者に対して旧は課税するなということ、さらに現行行事業税が以上の問題を解決づけるためには強行徴収をするなということを、自治庁長官の名において、全国の地方長官に対して強力なる御掲示を出していただきますよう、特に諸先生方にお願いをいたします。
#52
○大石委員 奥野さんにちよつとお聞きしたいですが、ここへ来て非常に雰囲気が違つたようなことをおつしやつた、感じが違うということをおつしやつたんですが、その感じが違つたということは、どういう意味をお感じになつたか、その感じの意味をここでお話願いたい。それからここに社長以下全従来員の給与は、損金、必要経費として問題なく控除されている。そうして貧乏な人には苛酷に課税される結果となつている。私はこの事業税というものは非常に不公平であろうと思う。私はこの国ヨーロッパ行つて帰つて来まして、地方行政に携つておりましたから各国のを調べました。ドイッにもない、デンマークにもない、ノルウエーにもない、どこにもこんなものはない。こういう悪税がどこにあるのか、これを奥野さんに尋ねたい。はつきり言うてちようだい。承知せぬ。
#53
○奧野説明員 最初お尋ねになりましたようなことは、多少表現は違つておつたかもしれませんが、私の申し上げましたのは、先ごろ税制調査会でいろいろ税制の問題を論議しました場合に、東京都の自治庁の課税標準の決定額が少な過ぎる。東京都の税務行政が暖漫に過ぎるというふうな非難を聞いたのであります。ここでしかし傍聴の方の空気を察しておりますと、どうも東京都の税務政が苛酷だとおつしやつているように私には思えたわけであります。その両者に食い違いがあることを発見した、かように申し上げているわけであります。第二の問題につきましては、事業に対する課税標準に対しまして、売上げ金額を使いますとか、所得金額を使いますとか、従業者数を糧いますとか、いろいろ課税鷹のとり方は違つておるうかと思うのでありますけれども、大体似たり寄つたりな税制が、各国にあるのではなかろうかというふうに思つているわけであります。
#54
○大石委員 そこで奥野さんどこを調べましても、納税する者は快くみな納税しております。そうしてこういうような日本の官僚は、こうしてこの通りであるというと反感を持つ、もつと気持よくお互いが話合つて、もつと皆さん官僚のようないばつたふうをしないで、もつとお互いが話合うて、そうしてこういう点はこうですよと言うて、もつと親切丁寧に取扱つたらどうですか。どこの国でも、もつと親切丁寧に、民衆に対して非常に徴収者が接近しておるから、それで各国とも喜んでみなが税金を納めておる。それは一体何であるか。それはこんな苛酷な税金をとらないで、貧乏人にも非常に少くしておる。日本の国は一体すべてが弱い老いじめである。それに対して私は非常に不合理であると思つておる。皆さんに最後にお願いしますが、どうぞこの貧乏人のためには、皆さん方は少しく考えて、もつと公平妥当な課税をしてくださることを、切に私は望んでおきます。その返事をしていただきたい。
#55
○奧野説明員 私も大体似たり寄つたりな考えを持つておるのでございまして、税制の改正の問題も大切であろうかと思いまするが、納税道義の高場というような点に、税務行政を迷んで参りたい。こういう点において努力をささげて行きたいと思つております。
#56
○西村(力)委員長代理 それでは参考人の方々には、お忙しいところをまことにご苦労様でございました。
 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
   午後五時五場分散会
ソース: 国立国会図書館
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