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1953/12/05 第18回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第018回国会 運輸委員会 第4号
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1953/12/05 第18回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第018回国会 運輸委員会 第4号

#1
第018回国会 運輸委員会 第4号
昭和二十八年十二月五日(土曜日)
    午後一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 關内 正一君
   理事 岡田 五郎君 理事 鈴木 仙八君
   理事 關谷 勝利君 理事 松井 豊吉君
   理事 原   彪君 理事 楯 兼次郎君
   理事 川島 金次君
      岡本 忠雄君    木村 俊夫君
      徳安 實藏君    山崎 岩男君
      臼井 莊一君    山口丈太郎君
      熊本 虎三君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 石井光次郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  西村 英一君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      植田 純一君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  細田 吉藏君
        日本国有鉄道総
        裁       長崎惣之助君
        専  門  員 岩村  勝君
        専  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 運輸行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○關内委員長 これより開会いたします。
 運輸行政に関し質疑を続けます。原彪君。
#3
○原彪委員(改) 一昨日来仲裁裁定及び年末給与の問題について、おもに社会党の諸君より質疑が続行されておりました。その質疑内容を承りますと、このたびの三割休暇ストに対する原因の追究のみに急であつて、このたびのストライキが国民大衆にどのような影響を与えているかという問題については、いささかの言及もなかつたために、私はあえてこのたびの三割休暇が国民の大衆に及ぼす影響について、どのような迷惑をかけたかということを中心に、当局の御意向を承りたいと思つております。なるほど、国鉄職員の給与の低いこともわかりますし、いかに職務に忠実にお働きになつているかということもわかりまするが、どうもこのたびの三割休暇のやり方については、国会できめたこの法律の条項に照して、遵法闘争とは私は思われない節が多々ございますので、当局はどのようにお考えになつているかを承りたいと思うものでございます。三割休暇の問題については、賜暇休暇ということは、私の調べた範囲では、病気とかあるいは葬式とか、あるいは私用とか、いろいろな職員のやむ得ざる用件のために、賜暇休暇は当然とれる建前にはなつておりますが、国鉄職員勤務規程及び休暇規程を見てみますと、病気その他で休む場合は一本の届出だけで済むことになつており、その他の事故で賜暇休暇をとる場合には、上司の承認を得る規定になつておると私は思うのであります。このたび三割休暇をやつた場合に、はたして上司に対してどのような手続がなされたか、まずその点を承りたいと思うのでございます。
#4
○長崎説明員 賜暇の手続につきましては、仰せの通りでございまして上司の承認がいるわけでございます。一ぺんに多数の者が休まれるということは、正常な業務の通常にさしつかえを生じますから、所属の現場長においてはこれを許可しなかつたのであります。
#5
○原彪委員(改) そうしますと、このたびのストというものは、職務規程を守らなかつたといわなければならぬと思うのでございます。おそらくこれは労組の中央本部の指令によつて――事ここに至らしめたその原因の問題はしばらくおくとしまして、おそらくこれは闘争本部の指令によつて、各組合員が全部意思を合せて、共同して休暇をとつたと私は思うのでございますが、そういつた場合には、この形は同盟罷業に私は当るのではないかと思うのですが、当局はこれに対していかなる御見解をとつておられるか。公共企業体等労働関係法を調べてみますと、十七条には「職員及びその組合は、同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻書する一切の行為をすることができない。」としてある。業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができないということは、意思を合せて一度に大勢の者が休暇をとれば、業務の正常な運営を阻害することに私はなるのではないかと思うのでありますが、これははなはだ労組の諸君に同情的でない言辞ではありますけれども、一応法規に照してこういうものはたださなければならぬという建前から、私は御質問申し上げておるのであります。これに対して総裁はどのようにお考えになりますか。
#6
○長崎説明員 公共企業体等労働関係法の主管省は労働省でございます。しかしながら私どもは十七条に照して明らかに法に違つておる、かように解釈いたします。
#7
○原彪委員(改) 先ほどの御答弁といい、今の御答弁といい、このたびの賜暇ストというものは遵法闘争ではない、こういう結論になると思うのでありますが、そうしますと、このような事態の起きる前に総裁はいかなる態度をもつて労組に、あるいは団体交渉の場合、あるいは労組の代表者に対して懐柔という言葉ははなはだ当らないのでありますが、このような事態に至らしめないような御措置をおとりになつたか承りたい。
#8
○長崎説明員 どうも三割賜暇というような戦術に出るのではないかというおそれがありましたので、その前に午前午後の両度にわたり、午前は副総裁、午後は私から団体交渉を申し込みまして、その席上においてるる現下の情勢等も話し、ことに仲裁裁定については国会の御審議中でもあり、また予算も御審議中である、この審議の進行の模様をもう少し見られたらどうか、さらに団交の目的である年末手当につきましても、予算上において公務員一二五で、公企業は一・〇〇ということになつておるが、われわれはできるだけ公務員の割合に近づけるように努力しようではないか、これは自分から当局だけではいけないので、諸君の努力にもまたなければならぬ。増収、経営の合理化、それらによつてそういうところに近づけるように、いろいろ研究問題もあろじやないかというようなことを申しまして、三割賜暇休暇戦術を翻意させようといろいろ説得したのでございます。しかしどうしてもやめるわけに行かぬと言いますから、それならば実施の時期を延ばしたらどうだ、そうして国会の模様なり何なり見たらどうかということまで申しましたが、どうしても自分たちの目的は仲裁裁定の完全実施にあるのであつて、今の年末手当のあんなことでは話にならぬということでありました。それならばしようがないから、とにかく法に触れないように、法に違わないようにやつてくれ、そうして世間に迷惑をかけぬようにしてくれぬかということでわかれました。
#9
○原彪委員(改) 私は何も健全な労働運動の発展を阻害する意思もないし、労働運動の健全な発達は願うところでありますけれども、このたびの三割休暇は、国民大衆の批判を見ますると、必ずしもいい批判をしていないことは事実であります。しかもまた昨日の新聞紙上を見ると、その事実はどうであるか私はわかりませんが、これがもしいれられない場合には、さらにまた三割の賜暇をとるというゆゆしき事態が起きることも保障し得ないというようなことが、新聞に出ておるのであります。総裁はこれは合法的ではないとおつしやりながら、今後合法的じやないその三割賜暇というものをまたやろうとするというようなことが新聞に出ているのであります。将来またそういうふうな、悪く言えばおどかされる。――原因問題はしばらくおきまして、おどかされるというようなかつこうになる場合において、この交通を大棚乱せしめる三割賜暇に対して、総裁はどのような態度でお臨みになるか、その御決意を承りたい。
#10
○長崎説明員 実は昨日の午後再び団交を開きまして、いろいろ協議またしております。きようの午後もまたその継続が開かれるはずであります。これらの空気から察しますと、もう一ふんばりで、労使双方の譲歩によつてある妥結点に達し得る方向に向うのではないか、かように私は見ておりまするしかしながらそれがもしそううまく行かなくて、非常に重大な時期が到来することになりますれば、われわれとしても相当慎重なる考慮を払わなければならぬ、重大なる決心もしなければならぬというふうな、おもしろくない、願わしくないことが起るのではないか、それを十分に考えてもらいまして、われわれも反省をし、組合の方も大いに反省しまして、できるだけ早い時期に、平和のうちに妥結の方向に持つて行きたい、またそういう方向が開けて行くのではないかという希望を私は持つております。
#11
○原彪委員(改) そこで私は政務次官に一言お伺いしたいのですが、けさの新聞紙上を見ると、赤松労働委員長が官房長官に会われて、大体〇・二五の年末手当を官房長官はのんだというようなことが新聞紙上に出ておりますが、そのような新聞紙上に伝わつたことが事実であるかどうか、これが一点、もう一つは、このような年末の〇・二五を支給するという問題は、団体交渉の問題であるのに、それを政府が労働委員長――社会党の代表か、あるいは労働委員会の委員長としての赤松君か知りませんが、要するに政治の面が争議行為に関与するということが、はたして望ましいものであるかどうか、この点、ひとつ運輸当局の代表者としての政務次官のお考えを承りたいと思います。
#12
○西村(英)政府委員 原さんのおつしやることを私も新聞紙上では見ましたが、まだ私はそういうことを聞いてはおりません。それから〇・二五をどうするかというような問題は、まつたくお説の通り団交の問題でありまして、政府がいろいろなことでやつているのは、希望やその他を述べたものであろうと思われますが、これは団体交渉によつてきめなければならぬことはもちろんでございます。
#13
○原彪委員(改) そうすると、新聞紙上によると、政府が団体交渉に関与しているような形になりますが、政務次官のお言葉だと、関与すべからずというお考えですか。
#14
○西村(英)政府委員 まず段階といたしましては、団体交渉によつてやるのがあたりまえで、団体交渉等によつて解決ができない場合は、それがあるいは国会の問題になるということは当然でございます。
#15
○原彪委員(改) 国鉄総裁にもう一点承りたいのですが、このたびの闘争の様子を見てみますと、私にはどうも政治闘争のにおいが非常にしてならないのでございます。なぜかと申しますならば、組合の闘争のビラには、年末給与ばかりでなく、MSA受入れ反対、米価値上げ反対、あるいはまた国鉄総裁を罷免せよというようなことが書いてあります。少くともMSA受入れ反対ということは政治闘争の域に入ると私は思いますが、総裁はどうお考えになりますか。
#16
○長崎説明員 私は政治はあまりよくわからないのでありますが、私なりの政治常識から申しますと、そういうことはやはり政治運動じやないかという気がいたします。
 なおビラその他の問題につきましては、これは国有財産に準ずる日本国有鉄道の財産をむやみやたらに使用するということは、これはやはり労組の行き過ぎじやないか。自分のものでない、人のものにみだりにビラを張つてはいけないということになつておりますので、さつそくそういう通告を出しまして、力を合せてはぎとらせているというような事実もございます。
 先ほどから国民大衆、旅客公衆にたいへん迷惑を与えたじやないかというお説でありますが、その点は私どもとしてもまことに遺憾にたえないところであります。
#17
○原彪委員(改) いろいろ申し上げたいこともございますが、これ以上つつ込んで聞きますと、団体交渉の過程において私の質問が非常に刺激する場合がありますので、私は刺激的なことは申し上げません。今の総裁の御答弁で私は満足するのでありますが、ああいうビラを公有物の建物にべたべた張るということは、これは労組だけの建物ではないので、少くとも国民から預かつた国有鉄道の財産建物でありますから、総裁の許可を得てあれをやるべきだと私は思うのであります。今後総裁は団体交渉その他を通じて、かような紛争を円満に解決されるよう切願申し上げまして、私の質問を終ります。
#18
○楯委員 原委員の質問に関連いたしまして、二、三御質問をいたしたいと思います。
 今私どもが聞いておりますと、当局といいますが、一方の側に立つた見解が述べられたのでありますが、私どもはやはり組合が今日の段階に入つて来たということは、国民には非常に御迷惑になつておると思いますが、組合の要求を貫徹する手段としては、もうほかに方法がない、こういうふうに私考えておるのでございます。それで仲裁裁定というものは、政府なり、あるいは当局なり、組合なり、それぞれ三者の考え方があるわけでございますが、先日の当委員会において私申したのでございますが、働きながら裁定の実施ということを念願をいたしておる組合員というものが、裁定が裁定通りに実施されない、こういう場合に、組合としてはこの裁定実施のためにいろいろな運動をするという組合の今日の態度を、総裁としてはどういうふうにお考えになつておるか。国会においては八月からの裁定が一月からしか実施されない。それでも組合としては黙つておるのが至当であるのか。あるいはこの裁定を完全実施してもらいたい。こういつて要請をする組合の態度は不当であるかどうか。総裁はどういうふうにお考えになつておるか、この点の見解を承りたいと思います。
#19
○長崎説明員 私の理解する限りにおきましては、裁定というものは最終的決定でありまして、私どもをも拘束し、労働組合も拘束するものでございます。しかしながらあの第十六条の条文には但書がございますが、その範囲においては、この問題は労使双方の紛争の解決には一応なつたのでありますが、爾後におきましては、政府並に国会の御意思に従わなければならぬということになると思います。従いまして政府に対し、るいは国会に対して、自分たちの欲するところ、また仲裁裁定において決定されたところを実施するよう、いろいろな要求、希望の強い運動をするということは、私はしていいのではないかと思います。但しその行動が法規の範棚を逸脱しますと、やはり法にたがうことになる。ことに国鉄の財産を何か自分のものであるかのごとくに使つているということを第一声において世間からいわれたことが、非常に痛いことでありまして、私が便つたのではございませんけれども、どうも私有物視しているのではないか。相かわらず国鉄一家じやないかというようなことを言われることは、非常につらかつたのであります。これは御承知のようにそういうときには、承認を得てやるということになつておつたにもかかわらずやつたものですから、つらかつたのでありますが、これは話がわかりまして、さつそくはぎとるということに協力してくださいましたからよかつたのであります。爾後三割一斉賜暇みたいなことが起りまして、これもやや行き過ぎというふうな形が見えまして因つたのです。非常な迷惑をかけたと思いますけれども、主としてこれは貸物の面で今後現われて来るのでありまして、旅客はどうやらこうやらまあまあというところで終つたという程度でございます。これを運賃額その他に計算しますと、一億数千万円に上る額になるようでございます。けれどもこれもやや治まりまして、爾後は平和のうちに話合いができるという傾きに向つているのではないかという強い希望を持つておりますから、日ならずして何とか解決の方向に向うのではないかと思つて、今いろいろ考えもし、お話合いもしておるところでございます。
#20
○楯委員 総裁の立場からは、私の質問に対して妥当な答えは出て来ないと思いますけれども、われわれが考えるに、労働者に理解のない吉田内閣のもとにおいては、ほかにこの裁定を貫徹するすべというものはないと思います。従つてビラ張りというようなものが行われ、輿論喚起に努めるという点も――ある見方から行けば私有物祝するという点もあるかと思いますが、組食してぎりぎりのやむを得ない線であろうと考えております。この問題は今総裁がおつしやいましたように、大体話はついたという話でございますが、その話のついでに出ましたことでお聞きしたいと思いますが、けさの新聞にも出ておりました係の労働委員長の発表であります。あの発表を組合が受諾をして、あの筋書通りに進展して行くかどうかということは、私は非常に疑問に思つておるわけでありますが、もしあのような措置が国会においてとらたると仮定をいたしますと、一体国鉄の現在の財源からいつて、企業内においてあの文面を生かし、かつ組内を納得させるだけのものが出て来るかどうか、こういう点を心配いたしておるわけであります。この点について御回答を賜わりたいと思います。
 それから第二番目にお聞きしたいことは、今一歩というところで解決の見通しがついた。七、八、九に再度実力行使に入ることは避け得るのではないかというような総裁のお話でございますが、具体的にいつてそういうことは何をもつておつしやるのであるかという二点をお伺いしたいと思います。
#21
○長崎説明員 第一の問題でございますが、私は新聞紙上に発表されたのがどういうことかつまびらかにいたしませんが、政府に承りましても、まだ事務当局の方でもおわかりになつておらぬようであります。ああいう発表があるといたしますれば、私は当然予算の裏づけがあるものだと考えます。予算の裏づけなしに〇・二五は当然であるというようなお話は、私は受取れないと思います。そういうことはあり得ないと思います。プラス・アルファ問題さえも、当委員会の席上でも私すでにしばしば繰返しましたように、国鉄の予算は非常にきゆうくつでありまして、今後の増収、われわれの努力並びに労働組合の諸君の努力、両々相まつてプラス・アルファが出るのでありまして、それ以上に〇・二五をさらに加えるというような確定的な御意見の発表は、これは当然予算の裏づけがあつてしかるべきものであり、またなければいけないのではないか、かように今のところは私は考えております。
 第二の問題でございますが、これは私の強い希望的観察であります。こういう事実があるからこうであるということではございません。
#22
○楯委員 話に聞きますと、改進党あたりでは今度の第二次補正予算について反対をいたしておるということを聞いておりましたが、新聞紙によりますと、また妥協して通るのではないかというようなこともいつております。見通しとしては、きようあたりおそくとも通るのではないかと考えておりますが、予算が通つてしまつて、そのあとでどういう線が出て来るかわかりませんけれども、一・二五以上のものを企業内において支出するということになりますと、今の予算内における操作ということになつて来ると私は思います。そういう前提に立つて措置ができるかどうか、これは仮定の上に立つておるわけでありますが、あの文面を生かすような一・二五以上の措置ができるかどうかという点をもう一回御回答願います。
#23
○長崎説明員 これはどうもまことに奇怪なお話を承るのでありまして、予算が通つてしまつてから決議があつて、〇・二五は必ず出るのであるというようなことは、非常にふしぎな決議じやないか、私は国会のことはよくわかりませんが、そう考えます。だからそれを〇・二五になるようにせよという希望の附帯決議でありますればよくわかるのでありますが、〇・二五を当然出すんだという決議でありますと、予算の裏づけなしでははなはだおかしいことになるのではないか、かように考えます。
#24
○楯委員 そういたします。と、あの新聞紙の文面というものがあの通りに決定をされたとしても、やはり予算面における、たとえば借入金とかその他の予算措置がなされなければ、あの文面は生遂て行かない、そういうふうに受取つておいてさしつかえないですか。
#25
○長崎説明員 どうも私まだ政府の御意思がわかりませんが、また新聞だけで意見の交換をしておりますのもどうかと思いますが、もしあれか政府でも賛成をされまして、そうして委員会の決議になつて、必ず一・〇〇の上に〇・二五が加わるということでありますれば、借入金だけの問題でなくて、やはり予算の方にも関係して来るのじやないか、かように思うのであります。
#26
○楯委員 そういたしますと、けさの新聞紙上の問題を仮定にしてお尋ねしたわけでありますが、先ほどの見通上と、七、八、九の第四波でありまするか、あの問題は避け得るということを盛んに総裁は言われておるわけです。それには先ほどは希望的観測と言われたのだが、その希望的観測がよつて来る原因がなくてはならないと私は思いますので、その具体的なことを、ひとつわれわれにお知らせを願いたいと思います。(発言する者あり)
#27
○長崎説明員 楯委員には、たびたびそういう仮定的な御質問をなさいますが、ことに団交というようなことは、まつたく両者の話合いの問題でございまして、私がいかにこうしようと思つてもそう行かない場合もありましようし、また相手の方でこうしようと思つてもそう行かない場合もありましようし、そこは互譲的精神で、そのときの空気なり、雰囲気なり、全般的情勢なりというものもございましようし、また組合自身の立場もございましようし、われわれが働いおる職場全体の経営の状態もございましようし、いろいろなものが集まつて初めてきまることでありますから、これは今私がここで何とも申し上げかねます。はなはだ残念でございますが……。(発言する物あり)
#28
○楯委員 自由党の方はばかにやじられるのですけれども、本会議で、あるときは新聞を信用せよ、あるときは新聞を信用しないという場合もありますが、盛んに新聞を主張されるので、私も主張してみたわけです。今ここで押問答をいたしておりましても結論が出て来ないと思いますが、どうも組合が何かやると、何といいますか、これを押えつけるというようなふうに私どもとれるわけです。あくまでも労使は対等の立場に立つて物事を処理して行くという基本観念が、私は抜けておるような気がします。つまり悪い言葉でいえば、権力をもつてこれを押えつけて行くというふうにわれわれには受取れるわけでありますが、やはり労便は対等の立場に立つてものを処理して行くというところの考え方で今後交渉していただかないと、まとまるものもまとまらないと私は思います。でき得るたけ総裁としては、年末手当の団体交渉という点が残されておる唯一の道であると思いまするので、一・二五以上出るように、ただいまから政府の方へひとつ予算面における措置を要請していただきたいと別心います。
 最後に一点お伺いしたいことは、裁定を総裁は、私を拘束するものであるから、当然自分としては実施をしてもらいたい、補正予算を組んで政府に要求もしてある、こういうことをおつしやつておるわけでございまするが、今の見通しでは、裁定の完全実施ということは、私はまず望み得ないだろうというふうに考えておりまするが、もしこの裁定が完全実施されなかつたならば、あなたとしては道義的責任というものが私はあると思います。この点についてどういうふうにお考えになつておるか。
#29
○長崎説明員 私は遺憾ながら楯委員と所見を異にいたします。なるほど仲裁裁定は当事者を拘束いたします。しかしそれは十六条の規定の及ばない範囲においてのみでありまして、十六条の規定にひつかかつた場合においては、これは政府並びに国会が判断をしておきめになる。この判断と決定というものは、国会は国家の最高の意思決定機関でありますから、それに服従するのがわれわれ当然の責務であると考えます。
#30
○楯委員 そうすると総裁はやはり従業員を指揮し、国鉄の運営をしておる立場に立つて、最終的に服従しなければならない。裁定が実施されない場合には、たとい政府が予算的措置によつてこれを否決しようとも、総裁自身としての道義的責任があるのではないかというふうにお伺いしたの、でございますか、この論争をいつまで続けておつても切りがありませんのでやめます。
  そこで運輸次官にひとつお伺いしたいと思いますが、あなたはこういうような場合にどういうふうにその責任をお感じになつておるか、一言承つておきたいと思います。
#31
○西村(英)政府委員 私にどういうふうに責任をと申されても、これは政府全般の考え方によつて、現在提出の予算のようになつておるわけでありまして、もちろんその国民に対する政治責任は当然負わなければならぬと私は思いまするが、しかしそのために現在の政府がどうだこうだというわけではございませんので、政治責任は当然国民に対して負わなければならぬと、かように考えております。
#32
○楯委員 とにかく私はこの前の委員会にも申し上げましたように、政府が裁定を尊重するということを実地に生かして行くならば、今政府が言つておりまする〇・二五でも、これは裁定をさかのぼつて実施をしなければうそだと思う。それぞれわれわれ考えるに、年末手当をさいても裁定というものを八月から実施をしてこそ、政府はほん、とうに裁定を尊重するという意義が生れて来るわけです。ところが口では裁定を尊重するということを言いまするけれども、その資金操作を見ますると、これは必ずしも裁定を尊重しておらない。こういう責任を私は問いたい。この点についてもう一回……。
#33
○西村(英)政府委員 ただいまも申しましたように、当然政府が政治的責任をとることは明らかでございまして、現在のところでは、私はそれ以上は申し上げられないと思います。そのための国民に対する政治的責任はあると思います。
#34
○關内委員長 川島金次君。
#35
○川島(金)委員 この機会に二、三ち
 よつと私お尋ねをしておきたいと思います。先ほど同僚の楯君からのお話で、けさの東京の有力紙に出た問題が取上げられたのですが、この取上げられた内容について私調査をいたしたのでありますが、労働委員会の委員長の赤松君と労働大臣の小坂氏とが会いまして、そして小坂労相からのけさの新聞に報道された原文が赤松君に提示されております。それに対して赤松君の方から別な原文が提示されておる。両者若干の食い違があつたので、小坂労相と赤松君との間に、その食い違いになつた文面だけを削除したものが、けさの新聞に一部伝えられておるものとなつて、話合いがきめられたということだけは事実であります。そこでこの際お尋ねするのですが、小坂、赤松会談で話合いにおちついた文面の概要というものは、三公社五現業の年末手当については、一般公務員と同様に措置をとる。しかしこのためには各企業体の努力によつてそれは捻出するというのが、小坂労相の提示した原文であります。ところが赤松君の方は、一般公務員と同様にすることはもちろん、なおその上に、公共企業体の内部において努力できて、生み出すことのできる金があればそれを支給したいこういう。ところが今申し上げましたようにこのため公共企業体の努力というのが「このため」が消え、それから赤松君の「なおその上に」というのが消えておちついたのが原文になつております。そうすると、少くとも閣僚の一人であり、しかもこの問題について非常に重大な地位にある労働大臣が、公文であるか私文であるかは別といたしまして、労働委員会の委員長と話合いの際に提示された文書というものは、きわめて重要性を持つものといわなければならない。しかも労働大臣との話合いの結果おちついた文書というものは、一般公務員と同様にいわゆる一・二五を支給する、その支給する方法としては、各企業体の内部の努力的な操作によつてやる、こういつておるわけでありますが、一体運輸大臣あるいは国鉄総裁として、あらかじめか事後か、何らかその問題についてけさあたりお話があつたかどうか、連絡があつたかどうか、その点はいかがですか。
#36
○西村(英)政府委員 さいぜん原さんからもそういう質問があつたのでございますが、私はただいまのところそういうことは何も知りません。しかし、これは推察してどうかと思われるのでありますが、新聞で見ましても、〇・二五を追加するというのは無条件ではないのでありまして、労働大臣もやはり、団交によつていうことを言つておるのであります。つまり今後の団体交渉によつてそういうことがきまるのであつて、もしかりにそうであるとすれば、やはり予算上の措置を考える。実はそういうことができないのは当然でございます。これはどういう文書がとりかわされておるか、その辺は私は知りませんが、大臣も後ほど来ますから、大臣にも伺つてみたらよかろうと思います。かりにそれが公式のものだとすれば、予算上の措置は当然でございます。私はやはり今後の団交によつて行われということの交渉ではなかろうかと思つておるのであります。
#37
○川島(金)委員 今政務次官の西村さんのお話、筋合いとしてはそうあるべきであると思いますが、しかしそうではない。この原文は私は下に置いて来ましたので持つておりませんが、団交などということはまつたく書いてない。そうして冒頭において、三公社五現業の職員に対する年末手当に対して一般公務員と同様とするということが明確に書いてある。これはかりそめにも政府の責任ある労働大臣が、しかも権威ある労働委員会の委員長に手交し、しかも両者がそれで結論的には意見が一致しておる。そういう文書がとりかわされておる。これは少くとも労働大臣に実はこの委員会に来ていただいて、この問題をやはりお尋ねしなければよくわからぬが、しかし事実はまぎれもない。それでしかもわが党の国会対策委員長はけさこの問題で小坂君に会つて、小坂君から示された文書というものを控えて来ており、私もそれを読んでもらつてただいま控えてある。そういうことになつたということは、何か閣内においてか、あるいは各現業の責任者との間においてか、事前の打合せか、事後においての何らかの連絡があつてしかるべきだと私は思うのであります。しかるに今のお話によれば、国鉄総裁の弁解の言葉でも、西村さんのお話でも、全然わからぬと言つておる。これは私はきわめて重大なことだと思うのであります。これは少くとも、事後ではなく、事前に閣内で何か話が出て、そうして労働大臣としてはこう思う、責任者の関係閣僚もその方向について同意し、協力をするということが行われて、初めて小坂労相の文書となつて現われる性質のものではないかと思う。ところがそういうことがなされておらない。しかもああいうように大きく新聞に出ますれば、少くとも小坂募相の意見じやないのだ。もはやこれは吉田内閣の意見としてまとまつたものと、労組も国民もそれを信ずるということは当然のことだと思うのであります。そういうことについて小坂労相の行為というものが、もし皆様と話合いがなかつた、あるいは閣議等においてそういう話も出なかつたということで、独断でやつたとすれば、私は労相の行為はきわめて重大なる責任を伴うものではないかと思うのでありますが、そこでさらにお尋ねをいたします。今朝の予算委員会の席上で小笠原大蔵大臣並びに緒方副総理は、やはりこれとやや似たことを言明しておる。すなわち言いかえれば、一般公務員の年末手当と同等なことを考慮する、こういうことを実はけさの予算委員会で言明しておる。これは私は速記録を見たわけではありませんが、同僚からの聞き伝えで承知したのであります。そういうことが言われておるそうであります。そうすると運輸大臣は何ら関知しておらない。国鉄総裁むその問題については関知しておらぬ。しかるにかかわらず一方で小坂労相が、しかも言葉ならよいが、文書をもつて明らかにしておる。予算委員会は予算委員会で、緒方副総理と小笠原大蔵大臣はそれに違いないと言明しておるというわけである。一体政府の言つておること、やつておることのどこをわれわれ信頼してよいのか。まことにわけがわからぬことになる。しかもその話の内容の結論をいうと、いわゆる一プラス・アルフアというものは各企業内の努力でやる。企業内の努力ということについては今楯君から質問したが、そこを言つておるのじやないかと思います。かりに予算的に大きな措置がなくとも、企業内の努力によつてそれに近いものが生み出されるようなことに国鉄もなつておるのかどうかというところが問題になつて来ると思いますが、その問題を楯君が聞かれておると思うのであります。その〇・二五という予算的の形の上から尋ねておるものでありますから、総裁の答弁もまた違つた形になつて来たのだと私は想像し、聞いておつたのでありますが、もし小坂労相、小笠原大蔵大臣の言つておることは、真意は、予算の修正はするのではない、しかし各企業内の努力によつて〇・二五もしくはそれに近いところの財源が生み出されるようなことであるならば、これは支給してもよいのではないかこういう方向ではないか、こういう解釈をするのでありますが、そういう場合であろならば、一体国鉄内部でそういうことが可能であるかどうか、そういう見通しを立てることができるかどうかということについて、総裁の御意見を伺いたい。
#38
○長崎説明員 国鉄予算が非常にきうくつであつて、年末手当並びに仲裁裁定の問題について一番財源的に苦しいということは、大蔵大臣も各大臣もよく御存じであります。従つて私の方で〇・二五、それ以上のプラス・アルフアというようなものが出るか出ないかということは、皆様よく御存じなのであります。にもかかわらずそういうお話がないところを見ると、何かそこに大きな食い遠いのようなものがあるのじやないかという気がしてならぬのであります。
#39
○川島(金)委員 われわれの立場からいつてみると、この問題について政府内でいろいろ大きな食い違いがあるようでございます。しかもこの問題の推移いかんは、ことに国鉄を中心として事態の必ずしも楽観を許さない事情も現存いたしますので、これは至急に政務次官は、長崎総裁においても政府と緊密な連絡のもとに、この真相というものを、真意というものを、私は明らかにしておく必要があるのではないかと思いますので、その点を希望いたしまして一応とりやめます。
 そこでしからば団交の問題になりますが、総裁は組合との団交を、この仲裁問題が国会に上程されて以来今日まで、一体何回ぐらいやられたのか。それからなお今日、この団交関係はどのような状態になつておるか、それをひとつお伺いいたしたい。
#40
○長崎説明員 お答えいたします。裁定が国会に上程されましてから、たしか三回か四回やつておると思います。それから三日間のあの例の闘争が終りまして、昨日の午後、それから今日の午後もたしか組合の方からの申入れで、今度は話合いをする。場合によれば明日もやる。午前でも午後でも双方ともにやれる姿勢で、話の方向がきまり次第いつでも話合いをしよう、こういうことになつております。
#41
○川島(金)委員 その団交の焦点はしぼつてみると、何と何にあることになつておりますか。
#42
○長崎説明員 これは組合の方としましてもいろいろな考え方をしておりましようが、今後は国会の審議等の模様、経過等をたどつてみますと、大体年末手当の方に移つて行くのじやないか、こういう観測をいたしておりますが、しかしこれはどういうふうに変化するかは予断を許さないわけであります。
#43
○川島(金)委員 まだ団体交渉が今後ともひんぴんとして開かれるそうでありますが、総裁におきましてはもちろん言うまでもなく組合との団交の間において、できるだけ最大限の配慮をもつてこれに当るべきだと私は思いますので、その点強くわれわれの希望を申しておく次第であります。
 そこで次に一言、これは念のために聞いておきますが、一昨日のこの委員会で総裁は、組合の今日までにおける組合活動というものは、著しい違法性を認めておらぬ。かりにまたその違法性があつても、その違法性を摘発することはきわめて偵重を期さなければならないという、きわめて含蓄ある答弁があつたのでありますが、このままの状態でもし問題が最終的に何らかの形で解決をしたと仮定いたします。その場合に前回のように問題が解決したあとで、組合の中から犠牲者を出すというようなことは、われわれは絶対に慎重を期してもらいたいと思いますが、総裁としてはこの当面の違法性に対して、今後組合の内部から犠牲者を出すよ参うなことを増えておるのかおらないのか、この点はどうですか。
#44
○長崎説明員 憤重に今考慮をしておるのであります。
#45
○川島(金)委員 今日までのところでは、総裁の言明のように違法性もない。従つて積極的な態度に当局も出なかつた、こういう明らかな言明をされておる。しかしその後における実情というものは大体大同小異の形で、変化がないといつても過言ではない。場所によりましては、むしろいわゆる労働組合の行動というものがきわめて沈潜しつつある向きもある。こういうことでこのまま推移すれば、さらに総裁の言葉をわれわれの立場から受取れば、犠牲者などは出せるものではない、こういうふうに理解をしなければならぬとわれわれは思つておる。従つて慎重という言葉の意味はどういう意味であるかわかりませすけれども、かりそめにもあとでまた犠牲者を出すなどというよろな卑劣なことのないように、この際われわれは厳に総裁に要望しておきたい、こう思います。また犠牲者を出すと、その犠牲者をきつかけとしてまた労働組合の活動が始まる。平和のうちに国鉄の再建をはかつて行かなければならぬ重要な責任を持つておる総裁は、問題をことさらになめて再びこじらせる、また紛糾させることのないように、大いに文字通りの慎重を期することを強く重ねて要望しておく次第であります。
 それから恥後に伺つておきたいのであるが、一番最初に私が申し上げました今朝の小坂労相のいわゆるやりとりした文面の問題にもどるのでありますけれども、一体われわれとしては国鉄の企業内の努力いかんによりましては、財源はある程度生み出せるという考え方を持つておる。この委員会で私の欠席中すでに触れられたのではないかと思うのですが、国鉄は現に日通に対して相当額の債権を持つておる。あるいはまた交通公社に対しましてもある程度巨額ないわゆる支払い請求権のある債権を持つておる。かりにこういつた問題を既定通りに、しかもすみやかに解決をするという努力がなされますならば、組合員の従来やつて参りました企業努力によつての節約も相当額になるという見込みでありますが、それ以上に財源はあるという形にならなければならぬ。こういう事態に対しまして、国鉄総裁はそれがそのまま給与の問題に直結する上ないは別といたしまして、こういうときにこそ私は総裁の責任において、交通交社に対する厳重なる支払い、あるいはまた日通のたまつておる分の支払い金の督促を強硬にやつて、問題を一歩前進させることに努力するという責任があろうと私は思うのでございますが、総裁はそういつた問題に対して今どのような努力をされようとしておられるのか、この点について最後にお伺いしておきたい。
#46
○長崎説明員 交通公社は十月に迫つておつた金を全部支払いました。これからはとるものもございません。それから日通の方も九十何パーセントの支払いぶりであります。これは全額まるまるとればとれないこともないと思いますけれども、現在の延喜取引の状況は、九十日の支払い手形というようなもので取引をしておるようでございますので、どうもあまりに苛酷なことをいたしますと、いろいろな方面いろいろな響きが起きて来はしないか。私どもの仕事はやはり世間の企業全体と一緒になつて歩いております。あまりに自分のことを考えてきゆうゆういじめることもできない、結局取立てということでなしに、企業体内での節約、あるいは本業の増収というような面、そういう面を考えて行くのがほんとうだろうと思います。お話の交通公社の分は十月で全部成規の通り支払いになりました。
#47
○關内委員長 熊本虎三君。
#48
○熊本委員 運輸大臣に対して質問をすることを委員長と約束しておりましたが、いろいろの手違い運輸大臣は見えられないし、従つて私の質問は範囲がだんだん少くなつて参りまして、あとの方は保留しておきたいと思います。
 そこで第一に承りたいのは、長崎総裁にお尋ねするのですが、鉄道会館を中心として、国鉄内における不正事実、というとそちらはごきげんが悪いでありましようが、まあわれわれからいえば不正に類する事実と考えて、いろいろ憎まれ口をきいて来たわけです。その後これらの輿論にこたえるという意味で人事の刷新をされた。そうして新聞によれば三局長が左遷された、こういうようになつておりますが、これは鉄道会館等の契約その他の推移にかんがみて、そうしたような不首尾な点があつたのでこれを左遷したのか、あるいはそうでなしに、単に総裁や副総裁の面子を立てるためのゼスチュアとして人事の入れかえをしたのか、その点は一体どういうふうになつているか、お答えを願いたいと思うのであります。
#49
○長崎説明員 お答え申し上げます。実は国鉄の人事も新機構になりましてから大分動かないままでございましたので、早晩多少の異動をやらなければならぬと考えておつたときであります。その際にたまたま鉄道会館の問題その他が出まして、これはすでにその当時私が申し上げましたように、はつきり申し上げて多少投げやりになつておつた点もあり、また会館等の契約について手抜かりのあつた点もございます。別に不正とか不法とかいうことはございませんけれども、手抜かりのあつた点もございましたので、やはりこれはその事務をやつておる局長として現任の地位を去つて、責任をとつて、しばらくどういう手抜かりがあつたかということを反省してみるのも一つの考え方ではないか、かように考えまして地位をかえたわけであります。
#50
○熊本委員 そうしますとまことにあいまいで、人事の異動をなすべきところだからなしたというのか、あるいはああいう大問題が起きたので、やにり空気転換の意味をかねてこれをやつたというのか。あるいみは責任もあつたらやつたというのか。そうしてそれは左遷であつたのか、あるいは左遷でない単なる人事異動としての異動であるか。
#51
○長崎説明員 左遷であるとか、左遷でないとかいうことは明確にわかる場合もございますが、総支配人という地位と局長というような地位がどういう関連にあるかということは、これはなかなか明確でございません。ございませんが、まあ中央におつた人が地方に行くということはみないやがります。そういう意味で、本人にとつては左遷であるだろうと思つたと私は考えます。
#52
○熊本委員 しからば私は、ただいま総裁の答弁から推定いたしまして、今度の三局長の移転は責任を感じて左遷をした。そうして人事の刷新をこれからやる、こういうことに答弁を了承しておきます。
 なお鉄道会館の方も加賀山社長及び立花専務が辞表を提出して、大いに自粛自戒をする、こういうことが新聞紙を通じて報道されております。まことにけつこうなことだと思つておるわけでありますが、ただ問題は、人がかわつたからそれで国鉄の乱脈が終つたというわけには参らないと思います。そこでいかに鉄道会館の社長が何のだれべえになろうとも、問題は、問題の中心である国鉄と鉄道会館との契約内容及びこれからの運用について、根本的な改訂が行われなければならない。この問題は一体どういうふうになつておるか、その点をお尋ねしたいのであります。
#53
○長崎説明員 お答えいたします。なおさつきのお答えでちよつと落しましたが、そういうふうに左遷らしく名三者感じておつたようでありますけれども、爾後非常に考えまして、あれを契機に大いに国鉄再建のために努力をしようということで非常に力こぶを入れて、再起のかつこうでやるという覚悟でおるのであります。そういう意味において、個人的なことでございますが、彼ら三氏にも今後大いに応援していただきたいと思います。
 なお会館問題の爾後でございますが、これにつきましては過般来申し上げましたように、民衆駅等運営委員会といろものをつくりまして、民間の有識の方々の御意見等も聞きまして、一体どういう運営をして行つたらいいか、契約等についてもどういう改善を加えたらいいかというような基本的事項を、目下研究していただいております。なおさらに最近人事異動と同時に、臨時財産管理部という部を本庁に置きまして、そこで一切の管理の事務を集中的にやるということにいたしまして、これから力こぶを入れまして整備をはかつて行きたい、かように存じております。
#54
○熊本委員 形式は左遷であろうと、あるいは右遷であろうと、とにもかくにも中央の人事刷新の意味において入れかえたということについては、私はいずれにしてもこの際よろしいと思います。しかし総裁は左遷らしく本人に考えせしめず、あと応援してくれというようなことでございますが、私はこの際左遣らしく考えさしたらよろしい。と同時にその最長の責任者である総裁自体もまた心の刷新をしなければならない。これが今度の三局長の異動の根本的なねらいでなくてはならないと思う。従つて私は何回かの決算委員会においても、運輸委員会においても、総裁のただちに責任をとるか、とらざるかというような言動につては、私は反対をして来た一人でありまして、責任者であろならば当然自分の生命をつないでおいて、そこにその生命を打込んだ刷新の実を上げて、もつてみずからの態度を決定するということが、人としてなすべきことだと私は信じておるから、であります。だからして今度の三局、長の異動についても、まず国鉄の刷新の第一歩であるというふうに考えて、私は歓迎しておりまするし、あるいは社長の更送も実質内容がかわつたかかわらないかということが東大問題でありますけれども、それにしてもかわつたかかわらさるかといえば、かわつた方がよろしいという結論である。従いまして、国鉄総裁は病気でもつてかんじんかなめのときにはいなかつたのでありますけれども、その代理をする天坊副総裁等には、私は急激な言葉をもつて反省を促して参りました。総裁はこの機会に十分運営の上の粛正、心の刷新をして、もつてこういうような諸問題の処理を一日も早く解決するように、努力を願いたいと考えておるのであります。
 そこで今の鉄道会館の問題でございますが、これらについては百般にわたる調査審議の委員会もできまして、いずれはその方面で十分国民の納得し得るような案ができるであろうとは存じますが、念のためにお伺いをいたしておきますが、国鉄が契約する地代あるいはその他の使用する間代というようなものについては、何回も説明を受けまして、坪十万あたりということにして、それの最低利子七分五厘というものをもつて算出した地代をとつておる。このことは公共企業体であるがために、その受益者に最大の便益とサービスとを行うことのために行われておる国鉄の処置について、私は反対ではない。しかしながらせつかく国鉄が、よそとの比例をいたしますならば、何十分の一というような形においてサービスしておるにもかかわらず、それを鉄道会館が二十倍以上の暴利をもつて他に転貸しておる。とれでは何の意味かわからないのであつて、とにかく営利会社鉄道会館が不当利益を享受するにすぎないということになるわけでございます。従つて国鉄の責任者といたしましては、そういうような鉄道会館の持つておる従来の計画方針、経営方針というものについては、国鉄の意思を浸透せしめて、訂正、是正せしめなければならない。こういうことについて総裁自身としては、これからの調査審議に対して、国鉄の意見を大いに具現し、その実践に向つて努力されるという御意思があるかどうか、この点を念のために承つておきたいと存じます。
#55
○長崎説明員 ああいう場所柄の土地の評価というようなものは、なかなかむずかしい問題でございますので、従来とても、あるいは税務署、あるいは各種の公の機関のようなところに問合せをしておつたのでございますが、今回さらに東京と大阪とに、民間並びに関係官庁の人々からなる土地建物等の評価委員というものができまして、そこに諮問し、審議していただいて、そして公正妥当なものを決定して行きたい。なを地価等に変動のある場合には、それに従つて適正なものにして行きたい。かように考えて目下それを着々調査進行中であります。
#56
○熊本委員 審議機関ができたのでありますから、結論はそこできめるのが当然だと思います。しかし当事者たる国鉄としては、現在の国鉄がやつております賃貸が妥当であるかどうかということよりか、現在決定して一応貸すという約束をした、たとえば高架線下の坪当り三百三十三円に対して、鉄道会館が六千百何十円という二十倍にひとしい暴利をとつておるというがごときことは、国鉄の基本的な方針に反する。かようなことをやつてはならないということは、国鉄自体として十分その精神と反対の方向でありますから、意見を具申して、国鉄の考えておる大衆本位の運営が行われるようなことを希望されることは、あたりまえであろうと私は考えておりますが、いや、そうではない、せつかく向うがやつておるのだから、向うは向うだ、こうおつしやるかどうか。念のためにもう一ぺんお伺いしておきたいる
 それから先ほど私も聞こうと思つていたのですが、私から言わせれば、口が悪いけれども、だにみたいな十九団体、そのほかに民衆駅が十四、それから国鉄関係の土建事業については、あの二十三の営利会社の中で、四つを残す以外はことごとくが国鉄の元の幹部が重役になつて、そしてかつての自分の部下であつた者を相手として契約、取引をしてやつておる。こういうようなことをあげますと、ここに三十幾つかの関係団体がある。こういうものについても根本的に是正しなければならない。こういうふうに問題が発展していろいろと議論されたわけでありますが、これに対する先ほどの川島君の問いに対して、交通公社は未済を皆済したとおつしやる。まことにけつこうな話だが、それをいつ、そして皆済された金額は幾らであるか、それを御答弁願いたい。
#57
○長崎説明員 この国鉄を踏み台にすると申しますか、それによつて不当な利益をさせるということはいけないことでございますから、そういうことのないようにいたしたいと思います。公正妥当なる方に向けなくてはならぬと思います。それから外部団体等についてもとかくの批判がございますので、これに深き反省を加えまして、そういう御批判のないようにしなければならぬというかたい決意を持つております。交通公社の方は確か四億だと思いますが、十月末で負債は消えました。
#58
○熊本委員 本年の三月現在における交通公社の未払い金額は、二十五年の八月以降を計算いたしましても、十一億と何千万かあつたはずであります。そのほかにそれ以前の未払い金額も加算されておつたはずである。それをわずか四億何千万を払つたことによつて皆済したというりくつは、はなはだ私は了承することができない。あなたが答弁しようとすることは、二箇月間清算を遅らせておる、借金はとつたのだから文句は言うなということだろうと思う。しかし現金で売払う交通公社の切符代を、どこに二箇月間貸し与えておかなければならぬ理由があるか。そういうものは、ものの清算の過程であるから、せめて一箇月くらいのあと払い、清算はやむを得ないとしても、二箇月間にわたるあと払いを今月までも引続きやつているだろうと私は思うが、はたしてその点は是正されたかどうか。
#59
○長崎説明員 それは私まだ精細なことは――たしか二箇月払いということで一応契約してございますが、せんだつて私は口頭をもつて私のところの専務理事に、二箇月はすみやかに一箇月にしろ、これは本年度末くらいまでにそういう手続にしなければいかぬぞという話の警告は与えてあります。ただ一箇月ということは、清算の期間その他の関係上やむを得ないのじやないか、かように私は考えております。行く行くはやはりお説のように、これは即時に現金払いというところに行くべきだと思いますけれども、なかなかそう急激に行きませんから、早い機会に、本年度一ばいくらいに、一箇月あと払いというところまで持つて行きなさい、こういうことを言つてあります。
#60
○熊本委員 そういうことをほつたらかしておいて、交通公社には一銭もございません、御安心願いたいというあなたのたんかは当らないと思う。何がために二箇月で清算しなければならぬのか。交通公社というものの利益のために、国鉄がそういう便宜を与えているにすぎない。従つてわれわれがものを言う場合においては、そのとき現在において未納になつているものを未払分と称するのである。一箇月ということは、先ほどから私も言つておりますように、ものの清算の過程であるからやむを得ないとしても、二箇月もあと払いにさせて、それで貸越しはないとか、清算は済んでおるとかいうたんかを切られること自体、すでにあなたの頭の切りかえができておらぬということになる。これはさつそく総裁は、緊急に二箇月清算を一箇月清算に切りかえる、こういうことにして、国鉄経営をやはり国民から見て、だらしがないという方向をとめなければならない。私は概算したのであるが、かりに十六億ということになつて――今中小企業は金利の融資インフレをおそれて圧殺しておる。従つてあなたはお知りにならないだろうと思うが、たとえば信用金庫のごときは、戦前においては一億の組合員の預金を持つておれば、その半額である五千万円程度は政府が低利融資をして、そうして一倍半の融資をさせて、中小企業の金融を緩和しておつたのです。しかるに最近の政府の措置は、一億円の預金の中から三〇%を保有金として押えて、そうして残りのみずからの積んだ金の七割程度を融資しておるにすぎないのです。そういう場合に国鉄が何の因縁があつて、何億というような金をただで交通公社に貸しておかなければならないのか。これを概算して、かりに十六億といたしますれば、普通の銀行利子二銭五厘でも一箇年間にその金利驚くなかれ一億と五千万円である。何のためにそういう交通公社に頭が上らない今日の国鉄の経営の実情であるのか。今中小企業をごらんなさい。片つぱしから金融難に襲われて、破産、倒産の前後にある。こういうことをあなたたちは考えて、国民にこたえなければ、あなた方の頭の切りかえをしなければ、国鉄のほんとうの刷新はできない。たとえばやむを得ざる場合における運賃値上げについても、この国鉄総裁のもと、国鉄がかような努力のもとに経営されながらどうにもならないというのであるからというて、国民が納得して運賃値上げも了承するというような、そういう態度をとることがあなたの責任であろうと思う。やはりこの点は強く私は警告を発して、あなたの勇敢なる処断をここで希切望しておきます。ねおその他の質問はたくさんありますが、その中でもう一つ聞いておきたいのは、たとえば民衆駅の問題であります。なるほど国民の要望にこたえて、駅舎の建設はまことに今日の国鉄の経営実情から見ますと、思うように行かないことはよくわかつております。しかしながらそれねるがために、いわゆる民間資本を導入して、そうして鉄道会館と同じような形において民衆駅を建設するということは、将来国鉄自体の経営、運用に重大な暗礁となる。現在でもそういうことがあるようでありますが、将来悔いてもおつつかほいというような重大問題が横たわつておると私は憂慮する。従つて民衆駅の建設のごときは、現在ある十四というものについては厳格なる取引上の契約をあらためてなし、そうして国民の納得するようにするということにし、その他の民衆駅の方針というものはこの際打切つてもらいたい。そうして国鉄の経営の堅実と相まつて、これをなす。そのためには、多少輿論の希望がありましても、これらはまげてかんべんをしてもらうのが、将来の国鉄のために妥当であると考えておるが、この点について一体どうお考えになつておるか、お答えを願いたい。
#61
○長崎説明員 交通公社の問題につきましては、私の言葉が足らなかつたと思いますが、お話のように考えましたので、少くとも今年度内に一箇月あと払いということにしてくれという強い申込みをしております。
 それから民衆駅につきましては、御説のような考久方もできますが、目下民衆駅等運営委員会に考えを聞いております。それらのお考えをも聞き、また熊本委員のただいまの御説も参照いたしまして、将来の方針を決定して参りたいと思います。
#62
○熊本委員 国会の各委員会はおおむね裁定実施について議論が闘わされておつたようでありますが、これは当然のことだと思います。しかしながらこの裁定実施の問題に伴つて、国鉄従業員の多数の中には、こういうふうは国鉄経営の中における正常ならざる方向、一部特定人に対する利益のためにこれらが行われておるというような弊風、こういうものとあわせて、一方従業員四十数万の努力による今日の輸送量の増強にこたえるこれらの賃金あるいは賞与等の額等を見たときに、やはり国鉄幹部としては一般に納得せしめるに足るようなよほどの努力と熱意がなければ、国鉄四十万を代表する組合中闘の諸君というども、なかなかこれを納得することができないだろうと思う。従つて裁定実施の問題は急を告げるのでありますから、どなたも触れるのはあたりまえでありますが、こういうような問題についても総裁の方の腹が確かにきまり、そうしてだれしも納得するような処置の上に立つて、さてべース・アップ問題についてもあるいは年末賞与についても、その現状と決意をやはり従業員に知らしむるべきである。これは親としてなすべき当然のことであろうと信じて、以上のような質問をいたしまして、これからでもおそくはないと考えますから、十分に御配慮を願いたいと存じます。それから運輸大臣も見えたようでありますが、今度の水害によりまする推定約百億円というこの国鉄の被害に対する復旧の措置でありますが、この前も大臣からお答えになつておるようでありますけれども、なかなかその点は政府の方は冷淡のようであります。一体国鉄総裁としてはこういうような緊急な特定の場合において、政府に向つてどれだけのものを援助してくれという要求をされたのか、そうして国鉄輸送について完璧を期されようとされたのか、この点をひとつお尋ねしておきたいと存じます。
#63
○長崎説明員 水害、風害等の災害復旧のためにいろ費用は全部で約百五億円、そのうち本年度内にやらねければならぬものが八十九億であります。そのほかにべース・アップの完全実施をいたしますと九十数億かかります。それに期末手当の〇・二箇月分、夏に繰上げたのを埋め合せる、というので、かれこれ百八十億くらいあるわけであります。それに対しまするわれわれの補正予算の要求はこういうことであります。財源としましては五十六億ばかりの増収、これにやはり二十数億の経費がいりますから、それを差引きまして三十数億、もう一つは予備費として今年初めに修練費等を削つて予備費に持つて行つております三十六億ばかりの金、それから去年運賃値上げがずれましたために欠損を生じて一般会計から借りました三十億、それを今年度返さなければならぬのでありますが、その返還の延期、さらに建設線の費用かつら二十億ばかり繰延べるということと、節約十六億でつじつまを合せてください、こういうふうに御要求したわけでございます。
#64
○熊本委員 この前にどなたかが質問しておつたから多くは言いませんけれども、不時の災害等についても、あるいは農村の復活についても、あるいは地方自治行政の被害についても、国は非常処置による被害対策というものを講じておる。国鉄ばかりがどうしてその恩恵にあずかることができねいのか。それからもう一つは、何回も言つておりますから申し上げませんが、とにもかくにも二千六百億を突破する改良、修理を背負い込んでおる国鉄としては、当然これらの水害等については、非常処置としての政府の補助、援助を受ける資格があると私は考えております。今総裁のお答えによりましても、ただ借入金を繰延べたとか、あるいは予算にあるものを繰延べた、そしてこれに充てる、そういうようは、いわゆる国鉄内の経営の運用面によつてこれをまかなおうとしておる、こういうことは総裁としては政府に向つてはなはだ弱い。弱いといつても独立採算制でありますから、みずからの力でできればよろしい。しかしながら当然与えらるべき従業員の待遇上の問題を削減し抑圧して、これをねすということは不当であるといわなければならぬ。この点について国鉄総裁としてのものの考え方の上に、いま一歩前進してもらうべきではないか、こういうふうに私は考えるわけでありますが、はたして私の考え方が違つておるかどうか、総裁のお考え方を承つておきたいと思います。
#65
○長崎説明員 ただいまの説明中大造なものを一つ落しておりました。それは六十数億の借入れを申し込んだのであります。それがなければできません。ですから結局自己資金でなくて他人の資金でまかなうものは、当時の計算によりますと、六十二億の借入れと三十億の返還金を延ばしてもらう、それから借金をしてやつておりますところから二十億浮かして来たことは、言いかえればやはり借金でありますから、それで百十億ばかりの金は全部自己資金じやない。他人から借りて来たものでありますので、とにかく一応政府から融通してもらつた金である、こういう考え方でありまして、補助じやございませんが、やはり政府の資金の融通をお願いしたわけでございます。
#66
○熊本委員 総裁はなかなか人がいいから、どうしても私とは少し考え方が違つて、政府の方には忠実なる総裁としてまことに遠慮がちである。総裁は政府からは大いに喜ばれる総裁であろうと存じます。しかし反面従業員のことを考えたら、まことによろしからざる総裁ではないか、こう思う。私どもからいうと、いかに独立採算制とはいえども、借金を北負うておるのであるから、そういう借金のために、非常災害等があつた場合においてはよそ並の補助金、政府出資くらいは求める意思で無理ではないと信じておる。あなたのおつしやることはあくまでも将来自己清算をしなければならはい借入金とか融資とかそればかりで、政府は大いにめんどうを見てくれたという感じを持つておられる、そこに食い違いがあるわけです。それでも独立採算制の本質から行けばぜひそうありたい。そのかわりに何回も言うように、旅客においてもあるいは貨物においても、戦前に見ることのできない三五%に近い能率を上げておるその従業員に対しては、他の官公吏以上の待遇を与えなければならぬ。そつちの方は忘れてしまつて、政府の方にばかり忠実であつたのでは、これは妥当なる国鉄の総裁とは言えないのではないか、私はそういうことを考え、そういうことから来るいわゆる今度の労組の闘い方等についても、結局これが遠因、近因となつて、いささか行き過ぎではないかと思うようなこと等をもあえてなしておるといこうことになつておりのではないか。せつかくの総裁の頭のいいところで政府に向つて闘うところは闘う、従業員の努力に対してはかくのごとく政府に向つても要求しておる、しかしながら政府の実情かくのごとくにして思うよにならないから、われわれも最善を尽すから諸君もその点を理解してがまんしてくれという努力があねたにはない。回答がないのであります。だから問題はだんだん複雑になつおるということをお気づきにねらないのかどうか。私はそういう点にまで親たるもの十分にしんしやくして、子供の優秀なる成績を上げつつある今日の労力に対しては、最大限の答えをするということがあつてしかるべきだと思う。この点どうですか、もう一応お答え願いたい。
#67
○長崎説明員 自分の口からそういうことを申し上げましてははなはだ恐縮でありますが、熊本委員のお言葉がございましたから申し上げますが、私どもの従業員は世間に対してそうひけをとらない。むしろ一般よりはやや上向いた働きをしておるのじやはいかと自負しております。従いましてこれに対して大いに報いてやらねばならぬということは人後に落なちい。先ほど申し上げましたことは結論的に申し上げたことでありまして、もとより建設線等につきましては、政府の出資でやつてくれということを数次にわたつて私はお願い申し上げております。また今回の災害等につきましても、周囲を見ますとみね国家の補助ということでやつておられることを考えましたとき、これに対して政府の何か補助でもあればけつこうだという考え方は持つております。しかしながらいろいろ話し合つてみまと、なかなか政府としてそれだけの余裕がないようでありますので、万やむを得ずして借入れという措置をとつたのであります。また一方りくつ的に独立採算制という建前から申しますと。借入れでやつてきておる、だんだんこれを返して行くということは、国鉄の一つの健全なる財政の行き方であります。従つてそういう方法をとうたらどうかと考えたわけであります。決して従業員の待遇、福祉の増進ということについて等閑に付しておるわけではありません。一銭でも一厘でも多くの給与を与えたい。そうして喜んで国鉄の再建のために働いてもらいたい。一旦水害その他の場合においては、家族をも顧みず働いてくれる国鉄の職員に、幾らかでも多くの給与を与えたいということは私の念願であります。
#68
○熊本委員 国鉄の裁定を見ましても、今度の裁定は一万五千三百七十円であります。しかしながら最優位といわれるけれども、官公労勧告案は一万五千四百八十円でありまして。必ずしも最上位ではありません。その他の産業との関連性においては優位におるということだけは事実でありますが、それはおのずから作業内容が違うということであります。私いつかも言いましたが機関車に乗つてみまして――総裁も乗つてごらんになつたろうと思いますが、普通の考え方をもつてしては機関車労組の執務などというものはまことに想像もつかねい。従つてそれによる賃金の上位は多少のことは当然でなくてはならないが、最上位におらない。総裁としては一生懸命やろうとしておられることは私も一応うなずけるのでありますが、その努力があるなら政府にもう少し強くふんばりなさいということです。それがふんばつておらないからどうしたのだということを言つておるのであつて、これから先はもうこんにやく問答になつては困りますからやめますが、とにかくそういうあはたの考え方を新たにして、借金を背負つて独立採算制をしておるのですから、政府にそう遠慮する必要はない。国鉄経営というその当面の最高責任者たる老は考え方を改めて行かなければならない。それをただ政府に忠実たりということばかり考えておるから、もう両立しないという形が現実に起きておるわけであります。この点を私は御注意申し上げて、将来の御奮闘をこいねがつておきたいと存じます。
 運輸大臣が幸いにお見えになりましたので、運輸大臣に二、三お聞きしておきたいと思いますが、ちようど今私が質問しておることと関連して、その監督庁である運輸大臣にお答えを願いたいのでありますが、先ほどから総裁にお尋ねしております私の考え方というものは、少し行き過ぎとお考えでしようか、それとも妥当とお考えでしようか、その点をお答え願いたい。
#69
○石井国務大臣 公共企業体と独立採算制という問題をあわせていろいろ考えますと、私は今度のような水害の場合の扱い方といたしましても、一応自分のところでやれるものならば自分のところでやつてみるのが筋だと思います。日本のような細長い国では毎年どこかに災害が起るので、ことしのようなはげしいのはまれでありますが、そういう場合のために予備費も設けてあるのであります。今度の場合には、さつき総裁からお話しいたしましたように、いろいろな形の措入金、また事業の繰延べ、その借入金の流用等によりまして復旧をはかつたのでございます。公共事業がみんな政府の仕事でどんどんやられておると言いますが、これは別にかわりの収入の方がないのでありますから、港の修復でありますとか、堤防、河川等は政府の仕事でやらざるを得ない。またそのほかの公共団体と一緒にやるのも事実でありますが、国有鉄道はその意味において独立採算制をとつておるところであります。自分のところでやる場合とほかと比べますと、同じような業態の民間の私鉄会社が幾つも災害を受けております。御承知のように、指定された県の災害の大きいものにつきまして、苦しいものには二割からの国庫の援助も出るのでありますが、大きい会社で、立つて行き得るようなところには、金融の道等についてはいろいろお世話もいたしましたが、そういう援助も出ない、独立でやつて行くという状態にもあるのであります。そういうことから考えますと、日本国有鉄道としては、この支出のために、普通の修繕でありますとか、あるいは電化、ディーゼル化というような、交通をよくする面を阻害するとか、あるいは給与の面においてひどく阻害するとかいうようなことまで入るようになりましたならば、これは負担が少し無理になつて来ておるという状態になるのであります。今度の場合を考えますと、今申しましたような借入金等をもちまして、そういう極端に無理なところまで行かずにやれる状態でありますから、借金で国有鉄道をやつて行くというのも、私は今日の日本の経済財政の状況から見ますと、すぐ何でも政府が出せるほど余裕綽々としておるときならば別でありますが、災害復旧費も思うにまかせぬくらいな支出しかできない際でありますから、国有鉄道に借入金をしてやつてもらうという程度の政府の行き方も、今日としてはやむを得ぬであろうというふうに存じておるわけでございます。またこういう問題に関連いたしますと、将来の新線の建設等の話がよく出るのでありますが、実際国有鉄道が独立採算制と一方で言いながら苦しいのは、もとは、戦時中いろいろな災厄を受けました復旧という問題に相当悩んでおるということと、それから一方には収入の方で世界的の比率に見ても低運賃であるというようなこと等がそこにからんで来るのでありまして、そういうふうな点から考えまして、どうして独立算制らしくいろいろやつて行くかということは、まず第一には企業自体の内容を十分よく検討いたしまして、この間からいろいろな問題も提起されますが、企業そのものの経営の合理化という点でもつともつと力を入れていただくということ、それからそうやつてもできない場合においては、待遇改善その他のために運賃の値上げもやむを得ぬようなことが起るかもしれませんが、これはほかの方を十分やつた後最小限にとどむべきものであろうということが、私どもの大体の筋として考えておるところでございます。ちよつと御質問の先まで言つてしまいましたけれども……。
#70
○熊本委員 ただいまは運輸大臣としてお尋ねをしたのでありますが、今度は国務大臣としてお尋ねをしてみたい。と申し上げますことは、そういう独立採算制で行く公社については、損をしたときにはお前のふところでやれ、従つてもうかつたときにはまたそれなりのバランスをとつて、経営の内容に即して独断でやつてよろしい、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
#71
○石井国務大臣 独断ではやれないのは、監督権の問題、いろいろありますから、そうは行かない場合があると思うのであります。筋といたしましては、もうかつたものは、どこに使うかは別として、この企業体で使うようになりましよう。一応積み立てるということになつております。この企業体で使うに違いない。貧乏してやれないときには、一応今のような借金の問題もありますが、どうしてもそれがいけないというような状態にあり、また政府の方としても何とか出せるというようなことになれば、交付金という制度もあります。まだ一向活動いたしておりませんけれども、そこらに一つの目じるしをうけて、その中でうまくやつて行くことだと思つております。
#72
○熊本委員 石井国務大臣はなはな逃げるところを逃げて答弁しておるわけでありますが、利益があつて健全経営になつた場合は、規定があるから、かつてなことはできない。損をしたりしている間はできるだけそつちでやれ、こういう虫のいいことが、私は公社の本質じやないと思う。たとえば専売局のごときは、御承知の通り二十八年度の当初予算で一千四百六十億の利益を計上している。今度の追加予算で七十億円また増加しようという。そういうようなところでも、政府は他とのバランスその他を考えて、思うようには行かない。ここに専売公社の裁定が出ておりますが、これがわずかに一万四千八百五十円という裁定が下つているにもかかわらず一千五百億を突破する利益を上げておきながらほかとの振合いがあるからそうはいかない。こういつてまたごてごてして大いに闘つて、あまりみつともよくないような要求の闘い方をしている。これはこちらの方がほんとうだとするならば、国鉄のごとく借金をしてどうにもならないものについては、やはり他との振合いを考えて、国鉄に対しては特別補助あるいは援助というようなことを考えられるのが、公社の意義だと私は考えているのですが、その点もう一回御説明を願いたい。
#73
○石井国務大臣 専売の話が出ましたが、これはわれわれのところの収入の関係と性質が全然違うのであります。ああいう独立採算制か何かで利益がどんどん上つて来る、利益が出たのはみんなの福祉の増進なり仕事の改良に使うということであれば、専売局に行く者ばかり日本中にあふれて、しようがないだろうと思う。あれは一種の税金であります。そのうちに今年のような増収のあるときも、ちようど税の自然増みたいなもので、これをちよつと使つて行くということは、あはたが専売局長官におなりになつてもできないと思うのであります。私らの方といたしますと、これは実際国鉄は運賃を昨年二割五分上げていろいろな改造やら修繕もやる、それからりつぱな電化なんかも促進させる、と同時にみなの給与も上げるようにしたいというような、ああいう場合に独立採算制であれば、そのままそういうものを認めてくれれば、もつと待遇も相当にしながら――待遇というのは自分たち従業員だけでなく、お客様なり品物の扱い方でよくなるのだからという趣旨は、よくわかるのでありますけれども、どうしても日本の経済に及ぼす影響ということで一割上げたというようなところにこの国有鉄道の非常な悩みがあるわけでございまして、そういうわけでありますから、その中でやりくりをして行くことにおいて、非常に国鉄当局の苦労があるのでございます。もしそこに足りない場合があつたならば、それではそういうことをしておるのだから、政府が援助すべきじやないかということでございます。たとえば今度の裁定の問題にいたしましても、これが全然国鉄の方に金がなく、また運賃も絶対に上げられないという――仮定でありますが、そういう時代があつたとして、それではそのほかの方面はみな仲裁の金額を一応認められる。発効する期日は違つても、金額は認められた場合に、国鉄だけないからということでやれるかどうか。それは私はやはりできないだろうと思います。これはどういうふうにしてやるかは別問題といたしまして、今度のような裁定にいたしましても、今お話のように、金の余裕のあるところもあるし、金のないところもありまするし、いろいろあるのでありまするが、国家の財政、国民生活に及ぼす影響、お互いの間の振合いというようなもの等を当然考慮してきめるのでございますから、今後といえども、おそらくそういう問題のときは同じように考えられまして、国有鉄道の従業員だけがうんとあやめられるというようなことには、決してならぬようにやつて行かなければならぬし、やつて行けるだろうと思つておるわけであります。
#74
○熊本委員 私が専売局と比較いたしましたので大いに御説明をいただきましたが、それくらいのことは私もわからぬわけではございません。しかしながらものの考え方というものについては、二通りはないはずです。とにかく国の借金を背負い込んだまま独立採算になつたということだけは、あなたもお認めになつておるはずなんです。ですからそういう国鉄の悩みについては、特に水害等のごときは、これは他にも類例のある事例でありますから、何とか補助というようなことが行われても、私は不当ではないと考えている。しかしそれはいくら言つても、もうきよう予算が通過しようというのに、ここで議論しても始まらないと思いますが、まあ大臣にしても総裁にしても、もう少し国鉄というものの経営については、根本的にものの考え方を改めて、そうして国鉄というものの運営に、刷新された方針を盛つて行つてやつてもらいたいということを、私はここで希望を申し上げておきたいと存じます。
 それから大臣がおいでにならなかつたので、先ほど総裁にあとの調査委員の問題、これが改善繭正の問題等についても承つたのでありますが、きようは時間がございませんから、その点はあらためて承ることをやめまして、特にこういう問題と関連して国鉄経営のの刷新、合理化のためには、強力な監督権を発動して、そうして国民にこたえていただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで最後に聞きたいことは、裁定実施の問題については、政府としてはどうしても一月からということにかたい腹をきつめられたようでございますが、これについてはいろいろ議論がございますが、もう一つあるのは年末手当の問題でございます。これについて運輸大臣はただいま、どういう程度で国鉄の方を処理させるべきが妥当であるというふうにお考えになつておりましようか、その点ちよつと承つておきたいと思います。
#75
○石井国務大臣 年末手当の今度の予算が通りますれば、われわれの方に盛つておりますのは一・〇〇ということになろわけでございます。これを基準にいたしましてみなの努力賞と申しまするか、努力によつて出せるものを盛つて、これを団交によつてきめてもらうということを考えておるわけであります。それで裁定の一・〇〇ということだけははつきり申し上げられますが、それから先は団交によつてきめられるもので、それが出て来て、適当だということになりますれば賛成をするということでございます。
#76
○熊本委員 いろいろけさの新聞にも出ておりますし、それからわれわれの党では緒方副総理その他等々にもこれらの問題について幾度か会見しながら、われわれの考えております政策をもつて折衝中でございますが、これらの問題が具体的に発表されたのはけさの新聞でございますが、政府としては最低一・二五はこの際の年末手当に出すという腹をおきめになつたかどうか。この点をもう一ぺん聞かせてほしい。
#77
○石井国務大臣 私が今申し上げましたように、国鉄の場合を申し上げますと、これは裁定を受けるどこでも同じだと思いますが、一・〇〇を基準といたしまして、それにプラス・アルフアということに了承しております。
#78
○熊本委員 そうしますと、労働大臣が発表しましたところの一・二五というものは出すという方針ではないわけですか。
#79
○石井国務大臣 労働大臣は一二五を最低にするというのですか、それにプラス・アルフアというのですか。私どもの方ははつきりとはそれはきめられてないと思います。労働大臣はそれは含みとして団交でそこらに近づけるというのじやないかと思いますが、私はまだどれだけまでそつちの方で金を捻出されますか、そこらになりますれば望ましいことでありますが、どう出ますか。私だけの立場からお答えすると、一プラス・アルフアのそのアルフアは、団交で腹を打割つて御相談願いたい、こういうふうに思つております。
#80
○熊本委員 これでおしまいにいたしますが、政府は官公庁の職員について一・二五出すということについてはさまつているはずだと私は思います。発表は別といたしまして――。従つて裁定につきましても、これは当然申請があつたならば、予算措置としてこれを認めるという態勢をとるべきである。その上にその企業全体によつてプラス・アルフアができれば別だというような形のものが統一されて行くべきであろうと私は考えます。断つておきますが、もちろんわれわれは一・二五でよろしいというのではなくて、政府の今日のあり方、方針というものから考えて、そうして官公労と公企労との関連性においては、これとならうべきであるということだけは統一してほしい、私はさように思いますから大臣としても十分にその点は考慮の上、折衝方を願いたい。もちろん団交によりましてそれより以上にとれれば、大いに出してもらうわけでありますけれども、方針としてただ一・〇をもつてその上は団交というような形では、私は片手落ちだと思う。あくまでもやはり裁定の一・二五を基準として、その上を団交をもつてするというふうな形に改むべきであると私は考えておりますから、その点を特に御希望申し上げて、私の質問を打切りたいと存じます。
#81
○關内委員長 臼井莊一君。
#82
○臼井委員 私は一、二簡単に運輸、御当局並びに国鉄にお伺いしたいのですが、運賃の値上げを来年せざるを得ないということが、たびたび新聞紙上等に報ぜられているのですが、結局来年においてベース・アツブをする。その結果として運賃を値上げせざるを得ないというのであるかどうか。またもしかりに上げるということになれば、大体どの程度に上げざるを得ないというのでありますか、その点をお伺いしたいのであります。
#83
○長崎説明員 ベース・アップの来年一箇年の平年度の所要額は、大体百二十数億になると思います。従いまして、できるだけわれわれは経営の合理化あるいは増収というような、あらゆる面でしぼり出すつもりでございますけれども、どうしてもやはり相当の額不足が生じるのではないか、そういうものは一時ではありますれば借入れというような進むございますけれども、これはやはり恒久的な問題でありますので、今そういう案を練つておりますが、ここで多分運賃値上げという方向に向わなければならぬかと思います。なお今年度三十六億の削減を命ぜられまして、予備費に繰入れ、それを災害復旧等に使いましたが、当然その不足が残ります。そのほか来年度には第三次評価等によつて再評価をいたしますと、減価償却に当る金が生じて来る。あれやこれやを考えますと、どうしても運賃を多少上げなければならぬのじやないかと思います。これは貨物の方面になるべく触れたくない。物価その他の関係がございますから触れたくないということで、今いろいろ案を考えておりますが、まだどのくらい上げるかどうするかというような確定案を得ておりません。いずれ近く成案を得まして、運輸当局にも御相談をし、成案を得ていろいろの手続を経て国会の御審議を願うことになろうかと思います。
#84
○臼井委員 大臣のお考えを伺います。
#85
○石井国務大臣 大体同じお答えになると思いますが、私ども鉄道の会計全体として見るべきものであつて、べース・アップ即ち運賃値上げ、そう簡単に行つてはならないものだというふうに考えております。それでベース・アップが今度あれば、その金が足らぬのはよくわかつておりますが、まずできる限りにおいて国鉄の企業の合理化と申しますか、国鉄の中でやれる限りのものをやりくりをし、それでもどうでも運賃に持つて来るよりほかに節約の余地がないという分が運賃に行くようになるべきだと考えております。まあ数字的にはいろいろな問題がありますが、その線に沿うての懇談をときどきやつておる程度でありまして、どの程度上げるかということは、まだ何もきまつておりません。今国鉄総裁の申しましたように、まず物を上げないということで、人の方だけ上げるかというような問題もありましようし、その度合いは各等いろいろの案もありますから、それをどういうふうにするかということも、これは数字的に、そこまで行けば、研究しなければならぬと思つております。
#86
○臼井委員 鉄道の合理化ですが、私も前々からこの点は機会があるごとに申し上げたと思うのですが、要するに新線の問題です。これはよく国会で話が出るのですが、新線を建設する費用――今年は借入金等も鉄道債券等が発行されることになつたのですが、どうも地方の開発のために国鉄が自分の力でしなければならぬということが合点が行かない。もちろん国鉄は単なる営利会社でないということはわかつておるのですが、だからといつて、独立採算制をとつておる国鉄が、非常に十きな額に上る新線を独力の計算においてやつて行くということは、これがひいて国鉄の経世の内容を悪くして、結局運賃の傭上げということにも響いて来るし、またベース・アップの場合においてもいろいろ困難な状況があるといろふうに考えるのです。これは当然国が投資して行くべきである。なお収営費においても、すでに赤字が出ておるのですが、極端に言えば、この赤字の出た分についても、国で何とかこれを補充するくらいの考えにまで行くべきでしようが、しかし有利な線で、いうやら収支が行けるということであればそれまで補給するということはむずかしいにしても、少くとも国がそれだけのものを投資して建設するというふうにすべきであると思いますが、運輸当局の方ではこの点についてどうお考えになつておりますか。
#87
○石井国務大臣 この問題は、新線が始まつたときから問題になつておるようでございます。建設審議会の力でも附帯決議として、建設に要する借入金の利子は政府で補給すべしという附帯決議が出ておるのであります。さていよいよ予算が組まれる場合において、その問題もこういう決議がついておる線をやつておるのだからどうだというと、金が苦しくなつて来るせいでありますか、しまいにとうとう、それはまだいいじやないかというようなことで消えてなくなつてしまつたわけでございます。鉄道当局としては、この問題は事あるごとに絶えず言つておるのでありますが、まことに新線は、建設中はもちろんのこと、でき上りましても、三年、五年ですぐもうかるというような線がそう残されておるわけではありません。国民経済の大きな立場から見ますと、有利な線ばかりであると思いますけれども、鉄道の経営線としては、それにインヴエストして、それの利子を払つて収益とにらみ合つて行く問題になりますと、赤字になるものが大部分じやないかと、初めのうちはそう思われるのであります。それではこれをみんな政府の出資にしてしまうかといいますと、政府の出資という形に持つて行くことは、突際上いろいろ折衝してみてもなかなか困難のように私は思います。考えられます問題は、せめて建設が終つて営業が開けるまでくらいの費用については、政府がみんな利子を補給する、その先の度合いは逓減するようにしてもいいから、何か補給する方法を考えられぬだろうかというようなことを考えておりまして、実は来年度の予算の上にも運輸省としてはそういうことを考えながらしておるわけであります。御趣旨は私どもも全然同感でございますが、もつともだけれどもかんべんしてくれ、平たく言うとそういうふうな形になつております。これを国家で直営しておるのはそんなことで、ほかの問題は独立企業体になつておるのだから、やれる限りやつてみてくれ、もし将来利子も何も払えなかつたら、そのときはまた考える、今は出せるのだから、お前のポケツトでやりくりしろというのが、平たく言つた現状だと思つております。
#88
○臼井委員 国鉄総裁にお伺いしますが、新線をお引受けするときには、何年後においてはある程度収支がつぐなうという数字的な計算は幾らでもできると思いますし、採算が合うかどうかということは、実際には経験上すぐわかると思う。最近は大体において合わないという計算も出ているようですが、そういうときに、ほかの改良工事等もあるし、できないということでつつばねてしまうわけに行かないものでしようか。あるいは過去に何かそういう実例があるのでございますか、その点をお伺いしたいと思います。
#89
○長崎説明員 大胆からもお話申し上げたのでございますが、私は新線に対しては最近こういう考えにだんだんなりつつあります。それはお説のように、ただいま着手しております新線三十線ができ上りますと、年間大体四十億ないし五十億の赤字になります。私どもが鉄道に入つて、新線建設はなやかなりしころは相当いい線があつたのでございますが、その当時さえも、鉄道は十年かかる。十年かからなければものにならぬといわれておりました。今残されております線路のごときは、私は十年ではとてもものにならない。大体腰だめで参りまして、等観的にいつて三十年ないし三十年かかのではないかと思います。中をとつて二十五年としましても、四十億の損をしますと、二十五年後には千億の借金を国鉄が背負うわけであります。国鉄としては、千億の借金を現在の状態のままで背負いますと、これはまつたくにつちもさつちも行かなくなつて、破産の状態になります。しかし翻つて日本の現状を顧みてみますと、電源開発でありますとか、国土開発でありますとかの関係上、どうしてもトラックではいけない。鉄道でなければならぬという場合があります。これを民営の鉄道でやれといつてもなかなできることではありません。結局国鉄が国民全体の福祉増進なり、公共性のゆえをもつてやらなければならぬことになります。結論的には、私はそうなると思います。
 ただその際に、皆さん並びに国民の各位に誓えていただきたいことは、電源開発をすれば、今まで流れておつた水が動力にかわります。それによつて利益が生れます。国土開発ができますと、今まで眠つておつた森林が生きて動いて来る。鉱山の鉱石が製錬されて力になる。いろいろな面で国家、府県あるいは市町村、それらのものを持つておる方々、そういう方々が莫大なる利益を得ると私は思います。その利益は、結局公正なる分配という問題に帰着するのではないかと思います。そういう面で何か道を探して参りますれば、国鉄を滅亡に至らしめなくてもいいのじやないかと思うのであります。
 そのときに一番障害になるのは、普通国鉄は独占企業である、こういうふうに申すのであります。そして規模はいかにも大きくて、二千数有徳の収入がある。何かそのくらいの程度のものはしぼり出せるではないかということでありますが、今申し上げますように、年に四十億の赤字でも十年、二十年後になると非常に莫大な額になりますから、そのときはたいへんなことになつて、どうにもこうにもならなくなる。今のうちに何とか手当をしておかなければならぬ。ことに今できます新線は昔と違いまして、非常に高い原価になります。それらの点を勘案しまして、何か方法を見出さなければならぬというふうに思います。独占であると言いますけれども、今は独占ではありません。バス、トラックに非常に食われまして、につちもさつちも行かないというところがたくさんございます。ところがバス、トラックの運送業者は、トラックだけ持つておればよいのでありまして、道路は全部ほかの方が修築し、改築しておるのであります。鉄道だけは依然として軌道も、橋梁も、トンネルも、全部自分で維持修理しなければならぬ。水害があると右から左と直さなければならぬ。バス、トラック業者は、水害があつても、道路ができるまでは手をこまねいておるというようなことで、何と申しますか、鉄道の陸運に占めておる地位というものは、従来独占の王座にすわつておつた地位はゆらいで来たのであります。そういうことを考えまして、私はできるならば政策上においては大きな転換をはかつていただきたい。かようなことを実は考えてありまして、これから皆様によくお話を承りまして、筋を通していただきまして、急速に考えて参りたい、かように存ずるわけであります。
#90
○臼井委員 大体当局のお気持はわかりましたけれども、どうも従来政治的な関係から新線を敷くようなこともないではなかつたということも聞いております。結局政府においても、ひとつ従来の国鉄と違つて、公社となつて独立採算制をとつておるのだという点において、やはりある程度私鉄と同じように、採算の合わないところを無理にするということは、どこかに無理がある。これを乗客の運賃に負担させるということはどうも当を得ないのではないか。運賃は割合に他の物価と比較して安いということは、これは認められるでありましよう。しかし安いからといつてそれを上げれば、やはり一般の物価に響いて来ると思います。やはり現在の運賃を基準にしてよその物価が現在の水準を保つておるので、従つて安いからといつてこれを上げれば、ほかのものにただちに響くことは当然であるわけであります。従つて新線を敷いて開発されたその地方が利益を受ける。ひいては国家が利益を受けるということであれば、これは当然国家がやるべ遂であるか、どうも直接仕事をやるのが国鉄であるために、国鉄ばかりに荷が加甫玉れてしまうように思われるのであります。そういう点から断固として政府の方のもう少し強い力を出してもらうように、当局が主張することをわれわれは要望するのであります。それともう一つ、ベースブツプ、裁定等の当面のことに関しましては、いろいろ国鉄からお話がございましたので私は申し上げませんが支払う上において困難のある国鉄が、今度の遵法闘争において一番尖鋭化してやつていた。これは内容を知つておれば職員である国鉄の組合の方は、むしろ他よりは遠慮あつてしかるべきだというふうにわれわれは考える。ところがそれが非常に尖鋭化していて、一般大衆に迷惑をかけるのも国鉄が一番ひどいわけであります。タバコ等はなくなつても、喫煙者は不便でありましようが、そう大衆的な問題でない。郵便も困りますけれども国鉄ほどでない。要するに一番痛いところを国鉄の組合方面でついているというふうに私ども考えるのであります。これは遵法ということであつても、目的は一つのストライキである以上は、これはやる方の側はやむを得ないわけでありますが、一番痛いところをついて来ているのじやないかというふうに考えるのです。ただそうなつたことは従業員の方の理解がないとともに、従来積弊された国鉄会館等のあれに対するいろいろの問題から、幹部の方に対する不信というもの――理解がないというのでなくて、わかつているけれども、それに対する一つのレジスタンスというような意味で、強く出て来ているのではないかと考えるのであります。そこで従来もあれでしようけれども、こういうあれのないように十分納得の行くように組合側にも話す。話しただけではわからぬとおつしやるかもしれませんけれども、誠意を尽してやればある程度そら尖鋭化せぬでも済むのじやないかと思うので、こういう点について何か――そういうことがありますということはおつしやらないでしようが、国鉄当局でそういうことが影響あつたということがあるのかないのかとい思い当る節があるか、そういうことを除いた純然たるベース・アツブの問題についての一つの遵法闘争であるというふうに御解釈であるか、その点をひとつお伺いしたい。
#91
○長崎説明員 ただいまの御質問、なかなかお答えいたしにくいのでありますが、私自身の感じから申しますと、なるほど会館問題等についていろいろ組合の中にも論議があつたように聞いております。聞いておりますが、これにつきましては私は団体交渉の席に出て参りましていろいろ話してみました結果、大体了承したのではないかと思つております。そういうふうに私は認めました。今度の闘争の方法、戦術についていろいろ世間から御批判を受け、ことに皆さんにたいへん御迷惑をおかけしたということは、私は心から遺憾に思つております。これらのやり方あるいは行き方等については、大いに考えさせられるものがございます。従いまして十分私は慎重に考慮いたしたいと考えております。ただしかし組合側の立場から言いますれば、おそらく言い分はあると思います。言い分はあると思いますが、われわれの業務自体というものがどういう本質を持つておるかというところにかんがみまして、その業務を著しく阻害するような行動をとろことは何としても避けなければならぬことで、やつてはならぬことであります。そういう意味合いにおきまして今度やられましたことについては、十分なる調査と懐重なる処置を講じて行きたい、かように考えます。
#92
○松井(豊)委員 第二次臨時国会が開かれて、運輸委員会も四日間通して、それぞれ各派の代表から質疑応答されておりまして、私たちが言わんとするところはほとんど先輩同僚各位から言われておりますが、一、二の点をお伺いしてみたいと思うのでございます。
 大体この第二次臨時国会が開催されたのは、待遇改善という問題が重点でありまして、大分論議を続けられたのでありますが、その間当局初め国鉄総裁、関係の者も、それらに対する相当の努力をされたというお答えに対して了承をしております。ただ私がお伺いしたいことは、この独立採算制を持つたる国鉄が、一応年度の経理の面を見ましてもあまり黒字でない。相手はお客であります。今回全国の多数のお客にたいへん迷惑をかけております。なおこれらの問題は相当続けられるのじやなかろうか。旅行の予定も、いわゆる公用、私用に対しても予定がほとんどはずれておることを、たくさんなる人から聞いておりますが、これらに対するどんなふうな措置を講じておりますか、総裁に一言伺いたいと思います。
#93
○長崎説明員 今回の十一月二十日から二十五日にわたりまして行われました遵法闘争、それから十二月一日から二日、三日と三日間にわたりまして行われましたいわゆる三割賜暇戦術、これらがいろいろな面において旅客公衆、荷主の方々に非常な御迷惑を来したということは私ども認めまして、これははなはだ遺憾とするところでございます。ことに三割賜暇闘争等につきましては、事前に団体交渉におきまして組合の幹部とも会い、そのことを行いますと相当法に触れるような、また御迷或をかけるようなことが予見されましたので、今仲裁裁定は国会の審議にかかつておる。従つて近くその動向も見るであろうから、そういう重大な結果を引起すことはやめたらどうかということを申し入れましたが、やめるわけに行かないということでありましたから、それでは一両日延ばしたらどうか、それもいけないということで、遂にやむを得ずして、それではなるべく法に触れないように、迷惑をかけないようにという申入れをいたして、ただいままで来たのであります。その結果として一番混乱を生じましたのは広島の地区、それから東京の地区、広島の地区のごときは操車場の作業が全然できないという事態が生じたのであります。東京地区につきましても列車の遅延、遅れというものが相当あつて、長いものは二時間余にわたつて遅れたのでありますが、これは沼津の機関区の機関士を応援に来させまして、曲がりなりにも遅れましたが、ごく一部の急行列車の運転を除きましては運転ができたのであります。電車等につきましては御存じの通り少しも不都合なしに、大体通勤者の輸送はできたというような次第でございます。ただ私が今一番心配いたしておりましたことがだんだんと現われて来るのじやないかと思うのは、貨物列車であります。旅客列車はそういうふうに多少の無理、あるいは大いに無理があるかもしれませんが、ところによりましては貨物列車を半数ぐらいやめてしまつたというような点もございましたので、そういう貨物列車の運転をやめたことの影響が今後において響いて来る。これが整理にはなお数日を要するのではないかという点で非常に憂慮いたしております。これもしかしながらできるだけわれわれの力を尽して早急に整理をして、この暮れの皆さん方の生活の上に影響のなるべく少いようにいたしたいと考えております。
#94
○松井(豊)委員 この問題については、長い時間を費されておりまして、当局側のいろいろ努力されたことはよくわかつたのでありますが、私たちも側面から相当調査研究をしております。すでに場所によつては、貨物の輸送が半分になつておるという事実も聞いております。それから私たちが先月蒸気機関車に乗せていただきまして、その人々が特に加算があつたのがなくなつた。一般公務員の中に入れられたので、われわれこの機関区関係のものは全国五万内外のものは別に組合をつくつておる。これらはどうしても相当の加算をつけなければ将来容易でない。停年まで勤めて、三年、五年でほとんで死亡する。これらを聞かされて、まじめに箱根峠を通る実情を研究した。しかしながら今回のこの争議に対するわれわれの新心をもつて待遇改善に努力しようという考えも、機関車を運転する考は技術者であるから、相当その人員に対しても余裕がございません。貨物なりあるいは客車を時間に運行させない、ここに責任がある。それらの調査に参つたのであります。断じてわれわれはあの当時の親心を忘れた。彼らは定期の時間に弁当持つてそれぞれ部署に到着して職場へ着く、それらはもよりよりに代表がおつて帰れ、帰りなさいという事実を調査したのであります。ただ三分の一の賜暇をとる、たとえば許される法がありましても、かつてにあの休暇をとつたのではないという事実も聞いておる。これらの問題は、先日来の新聞においても、実力行使云々も出ておりましたけれども、これらが事実とすれば、私は断じてこれは実力行使をする必要があると思う。もしこの重大なる輸送機関というものが、こういう一つの待遇改善の問題を中心に、何かいろいろあらゆる政治面まで首をつつ込んでがちやちややつておる。この議会の沿道の両方を見ても、どの塀、どの壁にも、千枚も二千枚も張つてある。そのポスターを見れば、単に越冬資金の、待遇改善とか、ボーナスの増額云々とか、そんなことは書いてありません。ずいぶん吉田の悪口も書いてある。政治的関係がずいぶんからまつております。これらは私たちはだれが指導者かしりませんけれども、一応正しい運動で、正しい議論をもつて運動をする機関があるのでありますから、そういう希望を持つております。今申し上げた通り、重大なる技術者が職場に参られたときに、妨害をされて、家に帰る。そうして三分の一の賜暇というようなわくに入れられておる。こういう事実がある。これらの問題に対して、当局は今後どういうふうなお考えを持つておりますか。その点をお伺いしたい、こう思つております。
#95
○長崎説明員 お話のような事実は、私はあつたのじやないかと思います。当人は、個人としては出勤して勤務したいと考えても、組合全体の空気なり何なりに押されて、そうしてやむを得ずああやるという場合が全然なかつたとは考えられない、あつたことと思います。そういう場合でも、いわゆるピケ・ラインの問題、あるいは説得戦術というようなものにつきましても、十分これは法規に照しまして、違法の行為の明らかなものについては、私はやはり相当の決意を持つて臨まなければならぬ、かように考えております。まことに仰せの通り、機関士のごときは重要なる職務であります。これが職責を遂行するやいなやということは、交通の生命を制するものでございます。従いまして、それらについては十分慎重なる調査の上、事の明らかなものについては、私は相当の処置をとらなければいけない、かように考えております。
#96
○松井(豊)委員 時間がありませんので、結論にしますが、長い時間を今回の公労法の第十六条を中心に、あるいは待遇改善の問題で論議が尽されたのでありますから、それぞれ大臣、総裁、あるいは関係の局長さん、部長さんから、いろいろ御説明もあり、よく実状を聞かれ、上研究されたことと信じております。われわれはよく両当局に対し、大義名分の立つような措置を請じていただきたいと思います。もしこれらの問題が悪例になつて、再びこれ以上の大きな問題が起きるということになると、たいへんなことじやなかろうかと信じております。以上私の希望を申し上げて、私の質問を終ります。
#97
○關内委員長 岡田五郎君。
#98
○岡田(五)委員 一、二問ごく簡単に御質問申し上げたいのですが、過般の一日、二日、三日にわたる三割休暇闘争により、鉄道の受けました直接的な損害は、新聞によると一億とか三億とかいつておりますが、大体どのくらいの額を想定しておられるか。これはまた非常にむずかしい問題だと思いますが、山陽線で貨物列車が五割運休になつたというような、貨物列車関係に基きまするといわゆる貨物収入に及ぼす影響、またはこれに伴う間接的な損害というものがどの程度になつておりまするか、もしおわかりでございましたらお尋ね申し上げます。
#99
○長崎説明員 この算定は、岡田委員御承知のように、非常にむずかしゆうございます。また今日まだ未定のものも私はあろうかと思いますが、大体われわれの推測するところによりますと、これは私のきわめて概算的な数字でありますから、あるいは間違いがあるかもしれませんが、貨物は八千万から一億くらいになると私は思います。旅客の方は、払いもどしその他いろいろな点を見ますと、これがやはり七、八千万、乗るお客さんが乗らなかつたというふうなところは、これはちよつと計算がなかなかできませんから、まずその程度のものではないかと大体押えております。
#100
○岡田(五)委員 もう一つお尋ねいたしたいのは、これは新聞紙で私たちは拝見いたしておるのでありますが、国鉄労組は、この七日ごろから、団交その他がもし不幸にして妥結いたさなければ、五割休暇戦法をやる、こういうことが出ておるのであります。私たちといたしましては、きようから開かれておりまする団交によりまして、労使といえばはなはだ何でございますが、経営者側と労働組合側との間に互譲の精神を十二分に発揮せられまして、円満解決することを期待いたしておるのでありますが、万々が一、この五割休暇戦法というようなことが行われまするならば、鉄道すなわち線的状態をもつて事業を進められておりまする国鉄の事業体の本質からいたしまして、五割休暇戦法が行われます。ならば、国鉄全線は麻痺状態に陥ります。麻痺状態というよりも、むしろ輸送は全面的に停止されるという緊急非常事態が発生することを非常におそれておるのであります。なるほど休暇は五割ということでも、私は過去の経験からかんがみまして、実際は百パーセントの作業停止であるという結果を来すことを憂えておるのでありますが、かような闘争方式がもし国鉄労組において研究しておられるとするならば、またかような情報を経営者側が入手しておられまするならば、これに対する対策につきましても十二分に御研究あつてしかるべきであり、またかような非常の事態が一時といえども起らないような対策を講ぜらるべきである。起つてしまつてから云々をし、起つてしまつてからいろいろな対策を講ずることは、私は知者の行うべきところでない、かように非常に憂えるのでありますが、かような五割休暇戦法とかいう――あるいは労働組合が吹聴せられておるだけの戦法かもしれませんが、かような風説に対して、経営者側は対策を御研究なさつておるのか、またいろいろお考えになつておられるのか、その辺のところを漏れ承らせていただきたいのであります。
#101
○長崎説明員 私どもも、そういう指令なり考え方なりを持つておるということを聞いております。かくのごときことは、ただいま岡田委員が申されましたように、国鉄労組のやり方によりましては全線を麻痺させることになるおそれが十分ございます。そこで昨日から団交を持ちまして、今までの経過に照していよいよもつて重大なことになるから、そういうことのないようにというような申入れを行い、今日もおそく団体交渉を行つておると思いますが、今後そういうことの発生しないように、あらゆる意味において、労使と申しますか、組合側並びに経営者側が話し合おうというふうな空気なり、方向なりが、漸次曙光を示して来たように私どもは感じております。その明りを消さなように、ますます明るくなるように持つて参りたい、私はかように思いまして、組合の幹部もそうでございますが、私の方としましても、必要があつたら何どきでも、日曜でもお互いに話合いをしようというふうな気持にだんだん持つて来ております。組合の方でも胸襟を開いて話し合おうというふうな気分になつているように私は考えております。
#102
○岡田(五)委員 私もさように期待をいたしておるのでありますが、これは私の間違つた見方であるかどうか知りませんが、国鉄労組の動き方を見ておりますと、国鉄労組自体のといいますが、自主的な動きという面がもちろん大部分でありますが、どうも全官公労の統一的戦法と言つていいと思いますが、同じ統一的戦法に基いて闘争をやつておられるようにも見受けますし、またそれが総評傘下の労働組合の統一的な闘争方式であるのかもしれませんが、かようなことからいたしまして、国鉄労組の団交の場合においても、主軸性を十二分に発揮できない、最後の一線というものが残されているのではないかという感じがするのでありますが、そのような感じからいたしますと、せつかくのどたんばへ行つて総評関係の統一的闘争、あるいは全官公労との統一的闘争というような関係からして、妥結はしたいが、妥結し切れないというようなことから、つい五割闘争にまで入り込まざるを得ないというようなことがあるのではないかと心配をするのでありますが、そういう点は団交等をいろいろ進めておられる場合におきまして、かようなひらめきを感じておられるかどうか。その点非常にデリケートな問題でございますが、お話していただけるならば、お話していただきたい、かように存ずるのであります。
#103
○長崎説明員 私も今日まで関係して参りまして、感づいたところを申しますと、ただいま岡田委員が申し述べられましたようなことは、なるほど今日までのところでは――というよりは、むしろ三割賜暇闘争あたりのところまではそういうことが感じられましたが、やはり国会の御審議の模様が進み、予算が大体衆議院を通過するというような空気、いろいろなことから勘案しまして、必ずしも従来のような感じで進まないのではないか。むしろこの際自主的な面がはつきり現われて来るのではないかというようにも感じている次第であります。しかしこれはいずれにいたしましても予断を許さないことでありまして、こういう運動というものはりくつでなく、勢いのおもむくところでありますから、これは十分注意をしております。
#104
○關内委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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