くにさくロゴ
1953/06/12 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 人事委員打合会 第1号
姉妹サイト
 
1953/06/12 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 人事委員打合会 第1号

#1
第016回国会 人事委員打合会 第1号
昭和二十八年六月十二日(金曜日)
   午後一時五十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           千葉  信君
   委員
           後藤 文夫君
  政府委員
   内閣官房長官  福永 健司君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       川島 孝彦君
   常任委員会専門
   員       熊埜御堂定君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国家公務員の給与問題に関する調査
 の件(公務員の期末手当に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○理事(千葉信君) 只今より開会いたします。本日は公報掲載の通り人事委員会を開く予定でございましたが、御覧のように委員のお集まりが少いので、取りあえず打合会の形で会議を進行していくことにいたします。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○理事(千葉信君) 速記を始めて下さい。ではどうぞ。
#4
○政府委員(福永健司君) 先刻委員長からお話の夏期手当の件につきましては、いろいろ陳情等も承わつおりまするし、又人事院からのお話等もございまして、私どものほうでもいろいろ考慮いたしました次第でございますが、現在のところでは、法律の規定に基きまして、六月の暫定予算に計上いたしまして、本月十五日に支給するように予定いたしております。この法律の規定いたしておりまする以上に増額することにつきましては、先ほども申上げましたように、大蔵当局ともいろいろ折衝などもいたして見ましたのでございますが、現在のところ極めて困難でございます。大体そういうような次第でございます。
#5
○理事(千葉信君) そうしますと、今の段階では、大体法律上規定されておる分以外については、政府としては積極的にこれを増額するとか、何らかの方策を講ずるということについては、これ以上積極的に政府のほうでは手を打つ意思はないと、こういう御意見と解して差支えありませんか。
#6
○政府委員(福永健司君) 手を打つ意思がないというわけではございませんのですが、いろいろ事情等も我々のほうで承知いたしておりますので、できることならばと思いますが、財政上の事情等よりいたしまして只今も申上げましたように、現在のところでは極めて困難でございます。
#7
○理事(千葉信君) 法律上規定されているという点については、これは官房長官の御答弁のつもりでは、恐らく期末手当に関する法律上の条文だけをこの際根拠にしておられるのだろうと思います。併し若し法律上の条文云々という立場からこの問題を考慮するということになりますと、これは期末手当だけを切り離して考えるわけに行かない。明らかに現在の法律の条文の中には、勿論これは附則のほうですが、附則のほうに、この俸給表は暫定的なものであるから、合理的に改訂しなければならないということがはつきり規定されておる。ところが御承知のように、こういう別表の附則が付きました最も大きな原因は、これは現在の公務員の給与の状態は、特に二人世帯以上の公務員の場合には、明らかに標準生計費を割つているという事実が国会で明らかにされている。而も標準生計費を割つているという事実が、寡少の金額ではなくて、殆んど軒並みに一千円以上の金額が、俸給表とそれから標準生計費の間にあるということ、これは単に本俸だけの問題ではなくて、家族手当、勤務地手当等を含んでそういう甚しい差があるという事実が明らかにされて、それが原因となつて、そうして、この俸給表の金額そのものが合理的でないから、何らかの措置を講じなければならない。ところが、これは官房長官も御承知かも知れませんが、その審議の経過の中で、はつきりと、いついつかまでにその改訂を行うとか、若しくはこの法律自体に対して限時法の性格を厳格に持たせるということについて、一部希望なり異論が出て、そこで今の附則のような形で、暫定的なものであるから合理的に至急改訂するという形になつた。従つてそういうような点から言いますと、当然現在の公務員の給与は、この法律の建前から言つても、もう速かに改訂をしなければならないし、若しか場合によつては、その不足分に対して何らかの措置を講じなければならないということが、この法律の建前にちやんとできておるのです。而も今お話を承わりますと、財政上の問題を捉えて官房長官は言つておられますが、本年一月の第四次吉田内閣が予算を提出しましたあとで、本会議の席上において、暫定的な俸給表であるからこれを改訂しけなればならないという法律の条文に対して大蔵大臣は予算編成上どういう考慮を払つたかという質問に対して、大蔵大臣はその問題に対して直接答弁をしなかつた。而も大蔵大臣は壇上を下りてからあとで、おれはそういう法律の条文のあることを知らなかつたということを非公式に質問した議員に答弁しておる。そういう経過はとにかくとして、以上のような条件から言いましても、私は官房長官のほうで、夏期手当の問題については、これは今の法律にもちやんと明記されてある通りにおれのほうで組んだのだという答弁は、この法律に関する限りその答弁だけではこれは収まりがつかんことになると思うのですが、一体官房長官のほうでは、そういう問題についてはどういうふうに考えられるか。それから又その問題と夏期手当の増額の問題についてどういう関連を持つべきか、この点についてお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(福永健司君) 只今いろいろお話がございましたのでございますが、私どもといたしましては、財政上何とかなるというような状況にありますならば、只今の私の立場といたしましても、何とかできるということが望ましいと思います。従いまして委員長のお話のごとく、条文に〇・五とあるのを出せばそれでいいのだ、あとは何も考えないのだというような印象を与えるようにとれるようなことをちよつとおつしやつたのですが、決して私どもはそれだけならば十分だとのみは決して考えておるものではございません。先ほども申上げましたように、大蔵当局ともいろいろ折衝いたしてみましたが、現在のところ増額することは至難でございます。遺憾ながら現在のところではこんなことを申し上げるよりいたし方ございません。そういうような次第でございます。
#9
○理事(千葉信君) そうしますと、私ども確認の意味でこういうことをお尋ねしたいのですが、この問題の最終解決のためには勿論財政上の問題が当然起つて来ると思います。併し私どもの考えからすれば、勿論財政上の問題は、最終的にこの問題に対して大きな決定を影響させることになるとは思うのですが、併し今官房長官のほうからお話がありましたように、まあ財政上の問題については、一応そういう壁にぶつかつたけれども、自分のほうとしては、財政上の問題は別とすれば、少くとも夏期手当の増額の必要はあると認めて今までも考えられて行動して来られておる。これからも当然その必要は認めるという御意見のようですが、そうなりますと、問題は、夏期手当の問題についても、勿論財政上の問題が附随いたしますにいたしましても、併し公務員の給与の問題、単に期末手当の問題ばかりでなく、一応こういう問題を決定する場合に、財政上の問題が余りに先行し過ぎて、そうして問題を混迷させておるきらいがある。一体公務員の給与をどうするかという問題、若しくは夏期手当を増額するか、若しくはしないか、する必要があるかどうかという問題については、当然これは政府全体の問題として、各省に属しない問題の一つとして、総理府のほうでこの問題を検討しなければならん。その場合に、総理府のほうで、諸般の事情から、現在の公務員の生計の状態若しくは民間の給与の状態、民間の賞与の状態、そういう客観的な事実を基礎としてどうしても公務員諸君の現在の給与に対しては、期末手当を増額する必要があるかないか、あるかないかということの結論については、これは財政上の問題と切り離して、当然これを審議すべき審議室のほうでこの問題の検討が行われて、その決定は、やはり総理府のほうでなされなければならない。そうしてその後におけるこれに対する財政上の措置については、勿論閣内において大蔵大臣なり若しくは副総理なり、総理なり、或いは官房長官との間に、この問題についてのいろいろの協議がなされなければならない。それをやらないで、いきなり結論に持つて来て、財政上どうこうという問題を先行させるから、問題が混乱すると思う。そこで、今、官房長官として財政上どうこうという御答弁がありましたけれども、財政上の問題を抜きにして官房長官は現在の公務員に対する夏期手当の増額の問題は必要だと認めるお立場に、只今の御意見ではある。そうすれば、一応官房長官としては、財政上の問題を別として、そういう立場から一体どれくらいの夏期手当が必要だと官房長官はお考えになつておられるか、その点を承わりたい。
#10
○政府委員(福永健司君) どうも財政上の問題を別としてということは、政府といたしましては、こういう別として、いわゆる財政を無視しての見解というものはちよつと申上げかねるのでございますが、金さえあればどうだということはちよつと架空のようなことになりますので、まあこれを御了解頂けると思うのでございますが、私、先ほど申上げましたどれだけ必要があるとか何とかいうことを申上げたのでございませんが、実際のところ、出せるなら何とか考えたいというのが真意でございます。先ほど申上げましたような事情でございますので、この際、財政上の問題を別としてということにつきましては、ちよつとこの財政上の事情を無視してのお答えというものは、私といたしましていたしかねるのでございます。
#11
○理事(千葉信君) そういたしますと、逆に言うと、財政上の問題如何によつては、如何なる法律もその財政上の事情に基いて無視され、蹂躙される状態がある、そういうお考えですか。
#12
○政府委員(福永健司君) そういうわけではございませんが、まあこの問題につきましては、この点だけおつしやると妙に響くかも知れませんが、初めから私が申上げておりますることを総合してお聞き頂いて御理解を頂きたいと思つております。
#13
○理事(千葉信君) これは別に私は角を立てて言つておるわけじやないのですが、例えば財政上の問題をこれは我我無視するわけに行かないし、又そんな極端な意見は私は持つておるわけじやないのですが、併し財政上の問題と言いましても、その根幹となるものは、一体、国の必要に基いてどういうふうに財政を振向けるかということが決定されるが、その場合に、どこにどういう予算を計上しなければならんか、どこにはどういう根拠があるからどういう予算をこれに充当しなければならん、そういう立場で財政上の問題が附随して起つて来ると思うのであります。そういう意味から言いますと、今申上げましたように、例えば給与に関する法律の点から言いましても、当然今までの間に、政府として公務員に対する給与の改訂をこの法律の条文上からもやらなければならない責任を持つておるはずだし、特に副長官をやつておられた菅野さんの答弁として、政府としては速かに新しい俸給表を適用するように努力する。これは委員会の席上でも明白にそういう答弁そされましたし、又与党の委員も委員会の席上でそれを殊更に確認するという態度をさえとられた事実もあるのであります。そういう点からいいますと、今標準生計費を割つているような公務員の給与状態を政府が荏苒と今日まで放置したということについては、当然責任を持たなければならない立場にあると思うのです。そういう意味からいいますと、現在の給与法の建前からいつて、政府としては、給与を改訂するなり、さもなければ従来放任して来た機関等に対する補給金というか、赤字を補填するというか、そういう方針をとらなければならないということがこの給与法からはつきりと出て来ております。ですから、そういうふうな明確な責任を政府がとらないで、そうして財政上どうこうということだけ言うということは、私は少し責任を欠いた態度じやないかと思います。ですから、そういう意味で、私は特にそういう問題を所管し、そういう問題を担当している官房長官の立場から、一体そういう公務員の給与の状態に対してどういう方法を講じなければならないか、それから又一体公務員諸君の赤字がどこから来ていて、どの程度の赤字を現在持つているかということが、当然その所管する責任の立場からも私は検討されていなければならんし、そうして又検討されていれば、これは一応の結論として、財政上の問題如何にかかわらず、官房長官としてはそれに対する態度というものがなくちやならないと思うのです。そういう官房長官の態度がなしに大蔵当局などと折衝したりすれば、それは勿論財政上困難だとか何とかいわれれば、それで一遍にその問題が打消されてしまうというような現象さえも出て来ると思う。併し今申上げたように、飽くまでも官房長官がその所管している責任ある立場から、自分の所管の仕事に対して一応の明確な結論を持つていなければならないし、又そういう結論が、現在の夏季手当の問題については、一体政府のほうではどういう結論に到達しているのか、財政上の問題以前の問題について、この際もう少し官房長官のほうから御答弁願いたいと思います。
#14
○政府委員(福永健司君) 委員長の御強調になります点につきましては、私どもも努力もして参つておりますし、今後といえども努力をしなければならないということは重々考えております。ただ政府といたしましても、どういう方面にどういう支出をということにつきますと、いろいろの方面から非常にあつちでもこつちでもいろいろの要求に迫られまするので、これを全体をどう調整するかということで常に苦慮いたしておるわけでございます。委員長お話のごとく、私の所管でありまする、今の話題に出ておりますような点につきまして、私自身といたしましてはできることなら何とかしたいということは強く念願いたしております。だが、政府施策の全体から見まして、その実現を見るに至つておりませんことは残念に思います。今後とも努力はいたしたいと思います。
#15
○理事(千葉信君) ここで一つ官房長官にお願いしておきたいことは、今の官房長官の御答弁からも、これは速記もとつておりますし、官房長官としてはそれ以上具体的にはここで答弁はできないと思うのですが、併し当然今の御答弁の中からも、夏期手当等の問題について、官房長官としては現状でよろしいとはお考えになつておらないようでございますし、そして又できるだけこれに対して努力をされるというお言葉でございましたから、私はそれに対して重ねて官房長官に対して、折角そこまで官房長官としては、はつきりお考えになつておられるのですから、この際一つ官房長官としてこの問題を閣議に出されて検討される必要があろうかと思いますが、その点について官房長官は近い機会にその措置をおとりになるおつもりかどうか、その点をお聞きしておきたいと思います。
#16
○政府委員(福永健司君) 御承知のように政府といたしましては、只今二十八年度の本予算案も閣議といたしましては決定をいたしまして、その後の作業も進めておりまするしいたしますが、こういうふうなものとの関連におきましても財源ということにつきましては非常に苦慮いたしております。只今委員長御指摘のような問題のほかにも、いろいろ差迫つてとかしろといわれておる問題も相当あるのでございますが、閣議に出しますには或る程度の具体案を持つて臨まなければならんということは勿論でございます。今まで折衝しておりまする経過によりますと、客観的に非常に困難であるというように私どもは認識をいたしておるのでございますが、併しなお大蔵大臣等とも今後とも話合つてみたいと、かように考えております。
#17
○理事(千葉信君) どうぞ一つ……。
 それでは今日はこれで散会いたします。
   午後二時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト