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1947/07/31 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第20号
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1947/07/31 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第20号

#1
第001回国会 本会議 第20号
昭和二十二年七月三十一日(木曜日)
    午後一時四十六分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第十九号
  昭和二十二年七月三十一日(木曜日)
    午後一時開議
 第一 救援物資の寄贈に関し亞細亞救援公認團体に対する感謝決議案(淺沼稻次郎君外十二名提出)(委員会審査省略要求事件)
    ―――――――――――――
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
 ただいま、ララ物資寄贈について御盡力くださつておる関係の方々が傍聽席にお見えになりました。御紹介いたします。
 総司令部公衆衛生福祉部福祉課長
 ネフ君。
    〔拍手〕
 ララ代表者バット君。
    〔拍手〕
バット夫人。
    〔拍手〕
マキロップ君。
    〔拍手〕
ローズ女史。
    〔拍手〕
     ――――◇―――――
 第一 救援物資の寄贈に関し亞細亞救援公認團体に対する感謝決議案
 (淺沼稻次郎君外十二名提出)
 (委員会審査省略要求事件)
#3
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、救援物資の寄贈に関し亞細亞救援公認團体に対する感謝決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。提出者山下春江君。
    〔山下春江君登壇〕
#4
○山下春江君 議題となりました、各派共同提案にかかる、救援物資に対し亞細亞救援公認團体すなわちララに対する感謝決議案上程にあたりまして、提案の理由を説明いたしたいと存じます。
 まず最初に、その案文を朗読いたします。
  米國における亞細亞救援公認團体(ララ)が米國人の厚意と同情との贈物である食糧、衣料、医藥品等をわが國生活困窮者救済のため寄贈されていることは、輸入食糧の放出とともに全國民の感謝感激に堪えない所である。
  今やこの救援物資は遍く全國社会事業施設に配分され、孤兒、結核療養者、病療養者等幾多薄幸のわが同胞はこの恩惠に浴し、日々感謝の生活を送るに至つたのである。
  それは國境を超えた崇高なる人類愛の具象化であり、その温い厚意によつて日常生活に喘ぐ困窮者も必ずや感奮更生し、平和日本建設の礎を築くものと確信する次第である。
  ここに衆議院は特に院議を以て亞細亞救援公認團体に対し深甚なる感謝の意を表するものである。
  右決議する。
    〔拍手〕
 再建途上にありますわが國が、物心両面にわたる米國の絶大なる援助を受けていることは、國民ひとしく感謝感激いたしているところであります。特に当面の重大問題でありまする食糧問題に関しまして、米國政府の寄せられました不断の御厚意に対しては、國をあげて感謝感激いたしているところでありまして、食糧の輸入放出及び遠洋漁業の許可に関しましては、すでに先議会において感謝決議をいたしているのでありますが、ここにまた、アジア救援公認國体から救援物資としてわが國生活困窮者に寄贈せられましたるその御厚意に対し、特に感謝の決議をいたしますことは、現下の國状から見て、まことに意義あることと確信する次第であります。(拍手)
 すなわち、参加者人員約百万人以上を有する米國の民間における宗教團体、社会事業團体、労働團体等十三團体からなるアジア救援公認團体、すなわちララにおかれましては、日本の生活困窮者を救済するため、昨年十一月から本月まで、すでに十六隻の船によりまして、約三千トンの食料品、衣料品、医藥品等を寄贈せられておるのであります。これらの物資は、現物で寄せられたものは、それをそのまま、また現金を寄贈されましたものにつきましては、ララにおかれまして、最も必要とする現物を購入されまして、救援物資として日本に贈られたものであります。これは、まつたく米國人の國境を越え、愛情の感情を超越した、崇高至純なる人類愛の発露でありまして、全然宗派的または政治的な意図をもつていないのであります。
 この寄贈にあたりましての数々の美談のうち、次のような挿話が傳えられております。ニューヨーク市のある二世夫婦が、一度はこの寄附をすることを拒みましたが、祖國の乳兒の困窮状態を聞くに及び、飜然として、かねて自分の子供の教育費として貯蓄しておきました百三十ドルの金を全部提供したということであります。(拍手)またシカゴ市の話でありますが、強制立退きで全資産を失つてしまつた一人の老人が、下町のホテルでさら洗ひをして一箇月百十五ドルのサラリーの中から、上衣を買うために月々貯金しておりました二十五ドルの金額を寄附してきたということであります。これらの祕められた挿話から、私どもははつきり米國人の厚意と愛情とをうかがい知ることができるのであります。
 終戰以来の國内には、いわゆる戰爭犠牲者ともいうべき戰災者、引揚者、戰歿軍人遺家族等の生活困窮者が急激に増加し、しかも現下の経済状況からいたしますれば、いよいよその生活状態は惡化の一途をたどり、眞に憂うべき状態にありまして、これが救済はまことに刻下の急務であると存ずるのであります。すなわち昨年生活保護法の制定を見ましたのも、まつたくこれがためでありまして、現在本法の適用を受けております困窮者は、実に三百万の多きに達しており、救済の方法は、現在では金銭による扶助を主としておりますが、最も困難を來しておりまする衣食の現物による救済の実施は、現在の物價高と物資不足の現況ではきわめて困難な状況にあるように承知をいたしておるのであります。また他面、各種社会事業施設は、各種寄附金の減少いたしました等のため、その経営は非常に困難を夾しておる現況でありまして、これがため、施設に收容されておりまする人達に対する待遇も、遺憾ながら十分と言えない現況であります。
 しかるところ、ララより寄贈されましたる物資は、目下わが國で一番欠乏しております食糧、衣料、医藥品等乏ありまして、なかんずく食糧は、きわめて滋養價の高いミルク、カン詰、穀粉等まことに貴重なる品々であります。これらの品々は、施設に收容されている人たちに対しまして最も効果あるように、厚生省から各都道府縣を通じまして、おおむね三箇月毎に配給されておるのであります。配分に当りまして当局が特に留意いたしておりまするのは、乳幼児の保護施設と一般結核患者の收容施設に対する配分でありまして、これらの者に對しては、一日平均五百カロリーを給與することを目標といたしておるとのことであります。特に乳幼兒に対しましては、一般に配給せられております牛乳その他の乳製品のみでは、とうてい保育の完全を期することは不可能でありましたが、さいわいにララ物資中には、乳製品等乳幼兒向きの食糧が比較的多量にありますので、施設に收容されている者に給與するほか、これら施設を利用しておる一般乳幼兒にも配分されておりまして、この結果、発育状況は極めて順調で、配分を受けた者は平均の体重や身長をはるかに凌駕する現況であります、また結核患者につきましても、同樣に重要な役目を果しており、その結果は、幾多の患者から寄せられている感謝状に、あるいは新聞紙上の読者投書欄等に記載されている通りでありまして、國家としてまことに感謝にたえない次第であります。
 以上のほか、癪療養所、或は那珂湊、青森、飯田市の火災地における罹災者、南海大地震における罹災者、あるいは、東京、神奈川、千葉におきまする學童給食等、各方面に対し適切な救援がなされており、現在までに給與されました施設数は、全國で千三百五十三箇所、対象人員は十三万人に達し、これに学童給食数を合算いたしますと、その数実に四十万人以上の多きに達する現状であります。
 最後に、ララの團体中には、先ほど一例として申し上げました通り、多数の在米邦人が参加いたしておりまして、贈られました物資中には、食糧にあつては、みそづけ、うどん、みそ、そうめん、あさだあめ等々、衣類にあつては、おむつ、ゆかた、おび、子供のちやんちやんこ等がありまして、外地にあつてなお、祖國を思う熱情あふれんばかりの品々が数多く含まれているのであります。また最近には、ブラジル邦人間においても、この種運動が開始され、すでに実行に移つたとのことでありまして、これまた感謝にたえない次第であります。
 かつては敵國であつたわれわれ同胞に対して示された、かくも國境を超えた崇高なる人類愛と友愛の情は、直接その恩惠に浴している困窮者に対しては、生活の慈雨であり、再起の光明であり、原動力であることを信ずるのでありまして、その感激の氣持は、さこそと察せれるのでありますが、また全國民といたしましても、心からなる感謝の言葉をささげ、その温かい御厚意に対しましては、誓つてこれに報いるの決意を表明いたしますとともに、將來さらにこの種の運動の継続と発展とを切にお願いいたしたいのであります。
 簡單でありますが、以上をもちまして本決議案上程の趣旨を御説明いたした次第であります。願わくば全議員の皆樣一致の賛同をお願いいたしたいと存じます。(拍手)
#5
○議長(松岡駒吉君) これより対論に入ります。山崎道子君。
    〔山崎道子君登壇〕
#6
○山崎道子君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました感謝決議案に対しまして、心から賛意を表すものでございます。
 私はかねがね、アジア同胞救援團体から寄せられまするララ物資に関しまして、心から感謝いたしておりましたものでありますが、先日、厚生委員会が神奈川縣下の諸施設を視察いたしまして、また直接、ララ物資のあまりも清潔にして、厚意のあふれた物資が山積いたしておりますのを見ましたとき、貧しい母子の心を思い、不幸な人の上を思い、乏しき物資の中で不自由なる勉学を進めておる人々が、これら物資の恩惠によりまして、さらに感謝の念を新たにいたし、この御厚意に対しましても、私たちは早く起ち上つて、このアメリカの人々の御厚意を心の糧として、必ず再起して御恩返しをしなければならない、こうしたことを言つておる心持を私は聞きました。(拍手)ほんとうにその通りだと考えさせられるものでございます。
 ただいま提案説明に申されました通り、あらゆる物資をいただきまして、かつては敵國でございました私たちの上を、心から案じてくださいますこの隣人愛に対しまして、ひるがえつて國内のお互いが、また反省する多くのものをもつのではないかと考えるものでございます。この御厚意に対しましては、心から起ち上りますると同時に、私たち、また現在直面しておりまするこの経済危機、食糧危機を突破いたしまするには、ただいたずらに人を責め、人をうらやみ、他力本願になつては、断じて日本の再建はあり得ないと考えるものでございます。私たちは今こそ國民お互いに協力いたしまして、深い隣人愛に直結して、何としても、直面しておりまするこの危機を突破してまいらなければならないと考えるものでございます。
 先日、ある女学校の子供がララ物資を與えられ、われわれが敗戰後見たこともないような、うるわしい衣服を與えられましたとき、その生徒たちが申しておりました。私たちは、この御厚意を、こうしたものを今いただけようとは思つていなかつた、私たちは断じてこの御厚意にあまえてはならない、私たちは早く起ち上つてこの人たちに喜んでもろうのだ、これが今私たちに課せられた唯一の報恩の道であるというようなことを、その女学生が申しておりました。これは、私たちおとなにとりましても、反省させられる多くのものが含まれていると存じます。
 私たちは一日も早く、この深い愛情を心の慈雨として、國民ひとしく起ち上り、お互いが他力本願的な氣持を沸拭いたしまして、みずから起ち上ることをもつてこの大いなる隣人愛におこたえしなければならない。これができ上りましたとき、この姿が眞にアメリカの人々の目に映りましたとき、アメリカの人々もまた心から喜んでいただけることと私は信ずるものでございます。(拍手)
 また日本には物資は乏しいのでございます。ないのでございます。けれども、また乏しきを分かち合おうという心持に徹しましたならば、私たちお互いの手でも、まだいま少しこの打開ができるのではなかろうかということを考えまするとき、今日の道義の廃頽を毎日見せつけられますたびに、はずかしい多くのものが私の胸に浮びます。私は、海外遠く敗戰祖國の空を案じながら、海外同胞が乏しい中からいろいろわかつて送つてくれまする物資を見ましたとき、胸の中に痛むものを感じるのでございます。アメリカの人々の御厚意と、海外にありまするブラジルその他の同胞のその祖國愛と、私たちの努力、これをもつて起ち上つてまいらなければならないと、かように考えているものでございます。
 殊に私は、先日横浜で一般要保護者の母子が、このララ物資の配給物を手にいたしまして、泣いて感謝していた姿を今ここに思い出すものでございます。今後もこうした物資によつて、あのやせ衰えてる子供が、日一日と肥え太つてまいりまする姿、それは今山下さんが申されました通りの状態でございます。このすくすくと伸びていくこの子供たちの姿、貧しい母子喜んでおりまする姿、ララの物資に心を潤しつつ勉学にいそしむ学園の子供たち、その他諸施設にある人々の上を思いつつ、ここに心からララの方々に感謝いたしまするとともに、私たちが今後一層自力によつて起ち上ることをお誓い申し上げまして、はなはだ簡單ではございましたけれども、一言賛成の御挨拶に代えたいと思います。(拍手)
#7
○議長(松岡駒吉君) 近藤鶴代君。
    〔近藤鶴代君登壇〕
#8
○近藤鶴代君 私は、日本自由党を代表いたしまして、きわめて簡單に賛意を表したいと思います。
 日本の復興は、日本人の自力によつて達成する覚悟と、それに伴う努力が傾倒されねばならないということは申すまでもございません。けれども、近代の歴史を見ましても、敗戰國で外國からのクレジットを受けないで、まつたくの自力のみで経済復興をなし得た例は、ほとんどないのでございます。私どもが自力更生を強調するとともに、外國の好意ある援助を懇請してまいりましたのは、それがためでございます。マツカーサー司令部は、飢餓に瀕した日本に多量の食糧を放出して、わが國の窮状を救うことを初めとして、数多くの厚意を寄せてくださいました。この米國官辺の感謝すべき御取扱いに並行して、米國の民間團体が、人類愛ゆたかな数々の贈り物をいち早く送付され、困窮者の心を慈愛の惠みで潤してくださいましたことは、殊に感激深いものがございます。(拍手)
 米國の慈善團体を初めといたしまして、十三の團体からなるララの贈り物は、五月末現在で、二千五百三十トンに上る被服、食糧、医藥品などであつて、これを受けたところの乳幼兒あるいは老人、戰災者などは、永久にその厚意を忘れないでございませう。心のこもつた温かい親切ほど人の心の奥底に触れるものはございません。今日ララに対する感謝決議の上程されましたことは、まことに國民全体の謝意を如実に盛り上げるものでございまして、私どもはこれにより、人類史上に特筆すべき美挙を永く記録せんといたすものでございます。(拍手)
#9
○議長(松岡駒吉君) 大島多藏君。
    〔大島多藏君登壇〕
#10
○大島多藏君 私は、國民共同党を代表いたしまして、ただいま上程されました感謝決議案に対しまして、満腔の賛意を表する次第であります。
 何事におきましても、直接関連しないことに関しましては、その感銘の度が必然的に薄いわけでありますが、去る二十六日に私は横浜へ参りまして、直接この目で、山と積まれました救援物資を拜見いたしまして、特に感謝の念を深くいたした次第であります。殊に私は、それらの物資が横浜の乳幼兒保護協会において困窮せる方々に配給される現場を目撃いたしまして、その人たちが非常に感謝感激に燃えておつた状態を見、さらにまたそれらの物資によつて、先ほどの御説明の中にもありました通り、乳幼兒の方々がまるまるとと大きくなり、すくすくと成長しておられるのを見まして、さらに感銘を深くいたした次第であります。昨年の十一月以來、わが國に御贈與をいただいた物資の総量は、三千トンということでありましたが、私たちが、拜見いたしました三井の倉庫におきましては、もうすでに配給した残品とも申すものでありましたでせうが、私たちはそれを一々拜見するだけでも、相当の時間がかかつた次第であります。
 ところで、これらの貴い海を超えての贈り物は、わが國の困窮者並びに乳幼兒、その他引揚者、療養施設の方々に配給されるということを承りましたが、特に私たちが心を打たれましたのは、それらの品物は、つい最近までアメリカの少年少女たちが着ておつたであろうと思われる衣料品が、りつぱに洗濯されて、またついこの間までアメリカの女学生、少年たち、あるいは工場に勤めておる職工の方々がはいておつたであらうと思われるくつ、そういうものが、かえつて私たちの感謝の念を深めるものであつたと申し上げるのであります。
 と申しますのは、あり余るそういう品物を放出していただいたというよりも、むしろ乏しい中から、わが同胞のためにはるばる海を越えてお贈りしていただいた、その御親切というものを、しみじみと私たちは感じた次第であります。それで私たちは、これらの海を越えたアメリカの人々からわが國民に與えてくださつた親切心の趣旨が、必ずや近き將來におきまして、それらの物資の惠みを受けた少年少女達が大きくなりました場合にりつぱな実を結んで、世界平和のために將來寄與するであろうことを私は確信いたしておる次第であります。
 さらに、ここに附け加えて申し上げておかなければならないことは、その当時私たちは、今傍聽席にお見えになつておりますバット氏並びにバット氏夫人、マキロップ氏、ミス・ローズとお目にかかりましたが、それらの方々が心から私たちを懇切丁寧に御接待くださいまして、いささかも恩惠の贈與者であるという感じを私たちにもたせてくださらなかつた。このことが、さらにララ物資の私たちに與える感謝の念を倍加いたしたということを附け加えたい次第であります。(拍手)
 はなはだ簡單でございますが、これをもつて感謝の言葉といたし、本案賛成の言葉といたす次第であります。(拍手)
#11
○議長(松岡駒吉君) 相馬助治君。
    〔相馬助治君登壇〕
#12
○相馬助治君 かつて終戰直後上京した私は、進駐軍関係宿舎の残飯捨場にむらがり集まつて、血眼で何物かを探しておる子供の姿を見たことがございました。これは、いうところの浮浪兒でなくて、りつぱに小学校の学帽をかぶり、その校章を帽子の先頭につけた子供であつたのでございます。私は後にまたララ物資による学童給食の実況を学校において参観する機会を得ました。血眼で、人が捨て去つた食糧をあさつている子供たちの姿を見たときと、この厚意にあふれたララ物資による学童給食の姿を見たときに、私はほんとうに心から胸打たれるものがございました。人間はパンのみに生くるにあらずとは申しますけれども、また人間はパンなしで生きられないことも現実でございます。(拍手)こういう限りにおいて私は、ただいま青少年の不良化が叫ばれ、あるいは血なまぐさい事件が市井に頻発して識者を悲しませておりますが、これらの原因が、具体的に言うならば、働いても飯が食えぬという現実に立つていることを思わなければならないのであります。
 戰いに疲れた人々に対して、この多数の輸入食糧が放出され、あるいはララ物資の放出となつたことは、何と申しましても感謝にたえません。特にこのララ物資が、戰いに疲れた人々、結核患者――と申しましても、あえて戰地で肺病にかかつたのでなくとも、これは間接的な戰爭の犠牲者でありまして、これらの人々に向かつてララ物資が放出され、しかもまた小さな乳のみ兒、將來の日本を背負ふべきところの子供たちに向つて、これらの物資が配給されておるということは、実に日本人に対する大きな教訓であるとして把握しなければならないと思うのであります。(拍手)
 私どもは、この政治的意図をももたない、このララのほんとうに崇高なる、友愛にあふれた同情に対しまして、ただ口先だけの感謝をすることに止まつてはなりません。政府当局、特に厚生省におかれましては、少くとも困窮の度合いを、國民生活の現実に即して公平に診断し、これを公正にしかも有効に、集中的に配分するの用意がなければなりません。官廳が、一部官僚が、人々に恩惠を與えてやるぞというような意味で、人のふんどしで相撲をとるようなことがあつては絶対にならないと私は思うのであります。(拍手)一さじの粉ミルクにもこもつておるこの人々の崇高なる愛情に、心からなる敬意を表するとともに、私は小会派一同を代表いたしまして、以上政府に対し要望するとともに、ただいまの決議案に対して、心からなる賛意を表するものであります。(拍手)
#13
○議長(松岡駒吉君) これにて対論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#14
○議長(松岡駒吉君) 起立総員。よつて本案は全会一致をもつて可決いたしました。(拍手)
 この際、厚生大臣より発言を求められております。厚生大臣一松定吉君。
    〔國務大臣一松定吉君登壇〕
#15
○國務大臣(一松定吉君) ララ物資の放出が、いかに窮乏せるわが國民の生活方面を潤しておるかということは、申すまでもないことであると同時に、國民がこの御厚意に対しまして多大の感謝の意をもつておりますることは、筆紙のよく盡すところではございません。このときにあたりまして、わが衆議院が満場一致の決議をもちまして、ここに感謝の意思を表明せられましたことは、所管大臣としてまことに喜びとするところでございます。私は、今後なお放出せられまするこれら貴重なる物資に対しましては、でき得る限りの公平をもちまして、これらアジア救援團体の人々の心に十分副うことのできまするような処置をとりたいと考えております。
 この機会に、ララの皆さまに対して厚く感謝の意を表すると同時に、ただいまこの決議をなされました当院の皆さまに対しまして、深く謝意を表します。(拍手)
     ――――◇―――――
 特別調達廳法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#16
○土井直人君 日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、特別調達廳法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#17
○議長(松岡駒吉君) 土井君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 特別調達廳法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員長北村徳太郎君。
    〔北村徳太郎君登壇〕
#19
○北村徳太郎君 ただいま議題となりました特別調達廳法の一部を改正する法律案につきまして、財政及び金融委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 元來特別調達廳は、政府の監督指示のもとに、連合國または政府の需要する建造物資及び設備の営繕並びに物資及び労務の調達に関する業務を行うことを目的とする法人であります。近く準備を完了いたしまして発足する予定でございます。
 本來、特別調達廳の業務は政府のなすべきものでありまして、従來は主として戰災復興院及び終戰連絡中央事務局を主務官廳といたしまして、各地方長官がその責任を負つてまいつたのでありますが、今回これを特別調達廳に一元的に集中いたすことに相なりましたわけであります。しかし、その契約に対する支拂は一切國庫からこれをいたす建前でございまして、特別調達廳のなす契約に基く支拂は、八月から発足するものと相なつておるのでありますが、本年度中に二百億ないし二百五十億の巨額に達するものと予想されておるのであります。従つて、この特別調達廳の業務が適正に施行されるか否かは、國家財政の見地から申しましても、きわめて重大であることは申すまでもないのです。
 次に、今回改正の要点を申し上げますと、第一に、第二十條の二つの規定を追加いたしたことであります。連合國関係工事の請負契約につきましては、さきに昭和二十一年法律第六十号の施行によりまして、着々その成果を收めてきたのでありますが、特別調達廳発足以後は、これらの契約すべて特別調達廳の掌るところとなりまして、現行のままでは、この第六十号の規定は特別調達廳に適用されないことになるのであります。これらの契約については、契約金額の適正化をはかる必要がございますことは、從前とまつたく同樣でございますから、ここに新しく第二十條の二の條文を追加いたしまして、特別調達廳の契約に対しても法律第六十号を適用できることにいたしたのであります。
 第二点は、第一條の改正でありまして、現行のままでは多少不備の点がございます。これに関し、特別調達廳が主務大臣の指示を受けなくては、その業務をなし得ないことに規定いたしたのであります。
 次に、本委員会においての質疑の経過を簡單に申し上げますと、第一に、終戰連絡事務局の支出するところの費用としては、労務省の給與、物品購入費及び借上費等である旨の答弁があり、第二に、法律の規定されている特別契約の委員会はどうするのかとの質問に対して、この委員会は中央と地方とに組織されることになつており、当局、業者及び学識経驗者等で構成されるが、資格審査等のため遅れているけれども、近く活動を開始する段取りになつているとの答弁がございました。第三に、この委員会ができ上らない前の一方的な價格査定を、関係者が異議なく承知しているかどうかとの問いに対しては、これまで当局において一方的に決定したことはなく、関係者と大体話合いによつて決定しているとの答弁がございました。なお委員側から、工事請負等につきましては、終戰連絡事務局には專門技術家がいないはずであるから、これは復興院等に移して適正化をはかるようにとの希望意見の陳述もありました。
 引続き三十日午後零時半より再開いたしましたが、この改正案は事急を要することであり、大体問題もないようであるから、討論を省略し、採決に入ることとなりまして、総員起立、原案を可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申し上げます。(拍手)
#20
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○議長(松岡駒吉君) 内閣総理大臣より、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に基いて設置せられる公正取引委員会の委員長に中山喜久松君を任命するについて、本院の同意を得たいとの申出がありました。本件に同意を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本件に同意を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
#24
○議長(松岡駒吉君) 小峯柳多君より、議事進行に関する発言を求められております。この際これを許します。小峯柳多君
    〔小峯柳多君登壇〕
#25
○小峯柳多君 歴史的な第一回國会の会期が、すでに半ばを過ぎておるのでありますが、その遅々たる議案の提出ぶり、從つて議事の進行がまことに緩漫でありますことに対し、政府は今嚴粛に反省をする必要があると痛感いたします。(拍手)
 政府は、今が日本経済再建の最後の機会だと言われております。また民族興亡の関頭だとも言つておられます。そうして現在の事態が超非常時であるということを繰返し言つておられます。そうしてまた事実國民は、インフレと飢餓に飜弄されまして、毎日々々の営みに四苦八苦の体であります。政治はすなわち生活だという民主主義政治の建前から言いますれば、國民が政府に対し、また議会に対し、血眼でもつて注視いたしておりますのも、まことに当然だといわなければなりません。
 しかし、昨今の議会の進行のしぶりは、欲目にも満点だとは言い得ません。これすなわちその重大なる原因が、政府が重要な議案の提出にきわめて怠慢であるからだと考えます。(拍手)吉田内閣時代の九十、九十一、九十二議会におきまして、吉田内閣の法案提出の仕方がいかにも緩漫だ、怠慢だ、非能率であると言つて、ときの社会党からずいぶん非難攻撃を浴びせられてまいりました。しかし、今日の社会党首班の内閣である片山内閣のその議案の提出ぶりが、吉田内閣当時のその議会に比べましても、数等能率の惡いのは、まことに皮肉な事実と言わなければなりません。
 このことは、私は感情的に申し上げているのではなく、九十特別議会は、会期は百十四日ではありましたが、議案九十五件、一議案の審議未了を残しまして、全部可決をいたしております。九十一議会は、会期三十日、政府提出議案十九で、これも全部可決確定いたされております。また九十二通常議会は、会期は九十四日でありましたが、やはり政府提出の議案は八十八件、これも全部可決になつております。しかるにこの歴史的な第一回國会、会期は百四日になつており、すでに七十三日を経過いたしておるのでありますが、衆議院に対して提案されたものわずか十七件、しかも片山内閣のその施政方針を現わす重要法案は、ほとんどこれを発見することができない状態であります。(「その通り」「社会主義政策の行詰りだ」と呼ぶ者あり)
 一体、片山内閣の國政運営ぶりを拜見いたしておりますと、議会が今開かれておることをお忘れになつておるのか、あるいはまた國政運営の焦点をずらしておられるかと思われるような点が少くないのであります。すなわち國会開会中でありますが……
    〔発言する者多し〕
#26
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#27
○小峯柳多君(続) 鉄道運賃に関する問題、あるいは料理飲食店に関する措置、また予算支出を伴うところのいろいろの新物價体系を、次々に議会に諮らず発表いたしております。またいろいろの会合で閣僚たちがおそろいで西下いたしましたり、また各團体や組合との應接に日もなお足りないような勉強ぶりでございます。もちろん、これは不必要だと言うのではありませんが、國民の代表である議会を十分に御活用になつてしかるべきだと考えるのであります。(拍手)
 もちろん、この議会の低調に対しましては、議員は発案権をもつと活用すべしという御意見もありましよう。われわれも、その点に対しては努力はいたしております。しかし片山内閣は、その片山内閣らしい独特の議案を積極的に提案されまして場所が場所、また事態が事態でありますだけに、その信を國民代表である議会に問うべきだと考えます。どうか、以上の私の申出を議長は十分に活かされて、政府に対して督励、御鞭撻を願いたいと思います。(拍手)
#28
○議長(松岡駒吉君) 政府から発言があります。國務大臣西尾末廣君。
    〔國務大臣西尾末廣君登壇〕
#29
○國務大臣(西尾末廣君) ただいま議長を通じて、小峯君からお尋ねのありましたことにつきまして、お答えいたします。
 政府におきましては、所要の法律案の整備につきまして鋭意努力いたしておるのでありまして、すでに今日まで二十二件國会に提出いたしております。なお残された問題につきましては、できるだけ早く國会に提出いたして皆樣の御審議を仰ぐために、政府部内においてそれぞれ督励いたすとともに、関係方面とも十分なる折衝をもちまして、できるだけ早く議会に提案いたしたいと考えておりますので、さよう御了承を願いたいと思うのであります。(拍手)
#30
○議長(松岡駒吉君) 次会の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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