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1953/07/08 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第6号
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1953/07/08 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第6号

#1
第016回国会 水害地緊急対策特別委員会 第6号
昭和二十八年七月八日(水曜日)
   午後二時三十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     矢嶋 三義君
   理事
           秋山俊一郎君
           阿具根 登君
           寺本 広作君
   委員
           小野 義夫君
           剱木 亨弘君
           重政 庸徳君
           高野 一夫君
           谷口弥三郎君
           松岡 平市君
           河野 謙三君
           島村 軍次君
           三浦 辰雄君
           安部キミ子君
           吉田 法晴君
           山田 節男君
           加瀬  完君
  政府委員
   農林大臣官房長 渡部 伍良君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員会設置の件
○第二台風の災害対策に関する件
○参考人の出頭に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(矢嶋三義君) 本日の委員会を開会いたします。
 先ほどの全委員の懇談会でまとまりましたように、本委員会の今後の運営上次の四小委員会を設けたいと思います。第一、建設・文部に関する小委員会、第二、農林・水産に関する小委員会、第三、通産・運輸・通信に関する小委員会、第四、民生(厚生、地方行政その他)に関する小委員会、以上四小委員会を設けまして、今後の本委員会の審議を進めて行くことにいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないと認めます。
#4
○委員長(矢嶋三義君) 委員長ちよつと中座いたしますので、委員小野義夫君に暫時委員長を勤めて頂きたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
   〔委員長退席、小野義夫君着席〕
#5
○委員長代理(小野義夫君) それでは私が委員長に代りまして、暫時議事を進行させて頂きます。
 第二台風の災害対策に関する件を議題に供します。
#6
○島村軍次君 先般の本委員会において、第二台風に関する農林省その他の災害対策についての結論を成るべく早く出して頂きたいということを希望申上げたのでありますが、その後の経過を農林省のほうから一応御報告願いたい。その後の経過については、予算上の折衝及び今日までの経過、それを主体にお話を願いたいと思います。
#7
○政府委員(渡部伍良君) 第二台風の対策で農林省で講じつつありますものにつきまして、概略申上げます。
 先ず予算の関係でありますが、予算の関係につきましては、被害の状況が今年は長雨が主になつておりますので、丁度麦、菜種等の春作の収穫期に際会しております。それの被害の状況の調査が非常に困難を極めたのであります。凍霜害等の場合と違いまして、麦が刈入れられた後に圃場で芽を出すとか、或いは又収納されて後に黴を生ずるというような、非常に被害の状況がむずかしい状況にありましたので、農林省といたしましては、六月の中旬に現地に九州、四国、近畿、中国と分けまして係官を派遣いたしまして実情を再調査いたしました。一方統計事務所等におきましても細かい調査をやりまして、その間六月の終りからの大雨で九州等の通信、交通がまずくなりましたので、二、三県が非常に遅れましたが、大体資料がまとまりましたので、それに基きまして予算を作りました。前に中間報告として府県の報告を基にしまして予算を作つておつたのでありますが、その後の調査の結果、これに相当の変更を加えることを必要といたしました。例をあげて申しますと、麦につきましては、府県の報告は二百億以上の報告になつておりました。これを麦の価格で換算いたしますと、四百万石以上ということになるのでありますが、農林省の調査では一応二百四十万石程度の被害という結果になりました。これは勿論収納後に腐つたとか、或いは収納後に、その後の雨で流れたというのは入つておりません。刈取から収納されるまでの被害であります。六月一日の生産高は、予想収穫高は二千九百万石前後でありましたが、それに比べまして二百四十万石程度減る、こういうような数字になつております。そこでこの新らしい調査された数字に基きまして予算を弾きまして、実は本日国会の六党の懇談会にも御報告申上げましたが、なお計数の整理等でまだ印刷になつておりません。ここでお配りはまだできませんが、大体の概数を申上げますと、開拓地等の関係に対する対策、或いは前には菜種とか或いは蚕豆というような全国的には大きい被害じやないが、佐賀とか兵庫等で特殊にひどい被害を受けたそういう作物について対策を講ずる等やりまして、この前の府県の報告に基きまして出した数字は十九億余りでありました。そのうち農業用施設が十四億余り、農作物に対する補助等は五億五千万円ばかりになつておりましたが、只今申上げましたような新しい項目等を追加することにしますと、五億七、八千万円という数字が一応出ております。これを整理しまして、早速大蔵省と最後の折衝を始めるという段階であります。
 次に共済金の仮払乃至概算払でありますが、これにつきましては、仮払の資金としましては農林中金から共済基金に金を出し、共済基金から連合会を通じて共済組合に流すと、こういう準備をしております。共済金の見込額は大体当初五、六十億になるだろうという予定をしておりましたが、その後統計調査部の報告等を基にしますと、それよりも若干減つた数字になると思います。と申しますのは、府県から上つて来る数字を睨みますと、余りにも統計で調べた数字とは違うのであります。ひどい所は四倍くらい違う数字が出て来ました。そこで多少念を入れて調べますと、そういう県では共済組合の野帳の整理等もできておらないというような所がありますので、そういう県につきましては、若干仮払の金額を内輪目に渡すというような方針にいたしまして、府県から申請があつた順に仮払の金は流すというふうにしております。その際仮払のために資金を借入れる利子の問題でありますが、利子の問題は、この前共済基金ができたときに借入によつて処置しておる利子の場合と同じように、仮払の金額にそれのために要する利払をプラスした金額を融通することにいたしまして、利子の負担につきましては、基金制度は今の災害では十五億余りでありますので、非常に不足でありますので、これをもう少上拡大したい、こういうふうな希望を持つておりますので、その際に利子の負担を農家の負担にするか、一部国の負担にし、或いは全額国の負担にするか、そういう問題をその際に解決したい。ともかくにも利子を払えんから金を融通しないというふうなことでなしに、利払分もプラスした仮払の金を融通する.こういうふうに用意しております。
 その次は長雨による麦の等級の低下に対する対策でありますが、これほ本日恐らく参議院を通過すると思いますが、農産物の検査法の改正が成立しますので、これに基きまして五等麦に入らない等外の品を大体重量を一升につきまして二十匁乃至三十匁親格を下げ、整粒歩合は一〇%下げた規格で買上げるような方針にいたしております。それから又標準品に対する格差の点でありますが、これも大体格差を一割程定狭めるというふうな方針でおります。これは大体本日法律が通りますれば、数日の予告期間を置きまして、一週間か十日後には施行できると、こういうふうに考えております。
 営農資産の融通及びこれに対する利子補給の関係でありますが、先ほど申上げました被害の調査によりますと、約四十億乃至五十億の営農資金が要る計算になりますので、これに対しまして凍霜害の場合と同じように府県と国で二分五厘ずつの利子補給をいたしたい、開拓地については三分ずつの利子補給、融資期間は一般は二年、開拓地は三年、こういうふうなことで営農資金を流したいというふうに考えております。
 そのほか、開拓地に対する特別の処置といたしましては、御承知のように開拓地は農業共済に入れないことにしておりますので、一般の営農資金とか或いは種子代の補助のほかに開拓者資金の借入金をそれぞれ持つておりますが、それの償還期に来ておるものを延長するとか、或いは麦の災害に対しては特別に助成を厚くするようなことを予算の中に織込みたいと、こういうふうに考えております。
 なお、施設関係の災害は十四億農業関係であると申上げましたが、繋ぎとして先般三億五千万円が資金運用部から出されましたそのうちから農業関係のものも一部行くと、こういうふうになつております。施設の災災害に対する査定は大体今月の二十日頃までに完了したい、こういうふうに考えております。
 予算をいつまでにきめるかという問題は、できるだけ早くということでありますが、やつと本日大蔵省に最後の案が持つて行ける、こういう状態でありますので、これから大車輪で大蔵省と折衝を終了したいというふうに思います。
#8
○島村軍次君 そこで具体的な被害総額は、そうすると農林省の見積りでは麦の石数二百四十万石ということですが、全般を通じて被害総額なんぼと御推定になつておりますか。
#9
○政府委員(渡部伍良君) 今度の計算では、被害金額の見積り方についていろいろ疑義がありますので、予算作成上は被害の面積を主にしまして、例えば営農資金を算出する等の場合には、面積又は石数を基にして、農家経済調査の現金指数をとりまして、それを基にして計算をしておりますが、この前の府県からの報告は三百億余りでありましたので、今の麦の石数そのほか菜種等の被害町歩の農林省の調査と、向こうの府県からの報告との開きを推計しますと、大体二百億余りになるのじやないか、こういうふうに推定されます。
#10
○島村軍次君 そうすると、先に農林省で大蔵省へ折衝するのに、約十九億ということであつたのですが、当時に比して、施設のほうでは同じ額、それからその他の被害に対する助成として八千万円、約八千万円が増額されたこう見ていいわけですか。
#11
○政府委員(渡部伍良君) 前は五億五千万円でありましたので、約三千万円弱の増であります。併しこれは内容的には違うのであります、費目によつては減つたもの殖えたもの、トータルといたしまして、開拓地に対する対策等新らしく加わつたものがありますので、差引きまして……。
#12
○島村軍次君 補助率は最初予定されたと同じ補助率で計算されておるのかどうか。
#13
○政府委員(渡部伍良君) 補助率は最初の通りであります。凍霜害の例によつて計算をしております。
#14
○島村軍次君 そこでこの共済の五十億というものは、県から出た数字を実地調査の結果、農林省において認定をされたと申しまするか、共済支払の基礎になる額を約五十億と見ていいわけですか。
#15
○政府委員(渡部伍良君) 共済組合が組合員に払う額、それをその辺と見ております。
#16
○島村軍次君 そこで概算払は法律上から言えば九割以上、併しこの際県の連合会等で支払う額が、三割以上はすぐ支払う、こういうことのために要する資金が中金を通じて基金から支出される、その標準を大体どういうふうにお考えになつておりますか。例えば三割とか、或いは五割、五割以上に対する、農林省の認定をした額に対して出すというのか、或いは三割以上に対して何割出すというのか、そういう点についての考え方なんですが……。
#17
○政府委員(渡部伍良君) 大体は五割以上のものにつきまして、それを対象にして仮払の資金を補助しております。
#18
○島村軍次君 五割以上については、査定の全額についての計算をとつておられますか。
#19
○政府委員(渡部伍良君) いや、全額ではありません。これは結局払い過ぎになりますと、あとでその損害評価等がルーズになりますので、それぞれたしか五割の場合は半分程度、七割の場合はそれよりももう少し……、九割以上は八割程定、たしかそういう標準を指導方針としてきめております。
#20
○島村軍次君 それから先般の参議院農林委員会において決議されました凍霜害の場合については、今度の検査法の改正によつてやる以外に、格差をこの際下げることと、それから検査法の改正によつて、水分及び混雑物のパーセンテージといいますか、それの上げ下げをやるという二つの方法がとられた、こう見ていいわけですか。
#21
○政府委員(渡部伍良君) 等外の規格は五等の最低規格から二十匁乃至三十匁、整粒歩合一〇%引下げる、こういうようなことであります。それからもう一つは、価格の格差ですね、これを狭めることにしております。
#22
○島村軍次君 現在の五等までは大体価格がきまつておる。それから次にいわゆる等外に対して、五等格の乙ですか、乙以外に等外を定める場合、その格差は一割以内にとどめた、こういうことですか。
#23
○政府委員(渡部伍良君) いや、そうではないのです。五等……、三等が標準になつておりますから、四等、五等の格差は、今はたしか東京なら六十円ぐらいたと思いますが、仮にそれの五等の乙といつて五等格の規格のものより下つた価格はこれはまだきめていない、これからきめる、こういう段階であります。
#24
○島村軍次君 それから営農資金の対象は、この前の基礎は三十九億であつたのであります。それを調査した結果五十億までに拡大をして、利子の補給をする、こういう算定の基礎と考えてよろしうございますか。
#25
○政府委員(渡部伍良君) 今の計算は、たしか四十七、八億が出ております。これはこの前の計算が相当内輪に計算しておつたので、今度は基礎データが相当はつきりしましたので、それを共にして計算をするとそういう数字が出ることになります。
#26
○島村軍次君 それからこの被害麦の等外の買上げが、こういうふうにしてきまつた以外に、それに洩れる飼料については別途買上げるべきものだ。而もその方法については或いは食管会計によるか、食管会計によらなければ食糧の需給安定の特例として適切の方途を講ずるか、或いは別途の法案を作るか、こういう問題については今の場合どういうふうにお考えになつておりますか。
#27
○政府委員(渡部伍良君) まだそれは全然結論が出ておりません。検討中であります。
#28
○島村軍次君 官房長のお考えについて、この問題に対する率直な意見を一つ聞かして頂きたい。
#29
○政府委員(渡部伍良君) まだ研究を加えておるのでありまして、いろいろなことが出ておりまして、まだ結論を申上げかねるのであります。
#30
○島村軍次君 そこで本委員会といたしましては、西日本の今回の九州を主体とする災害を中心に今日まで検討を加えたのでありますが、災害対策委員会としての施策は、いわゆる第二台風に関する災害をも含めて検討を加えるということになつておるのでありまして、この問題は、西日本の水害のために或いは予算的措置、或いは救済施設等が、そのために遷延したり、或いは減額をされるというようなことを地元としては非常に心配をいたしておるのであります。そこで再々申上げておるように、この問題については切離して至急に措置すべきものであるということを強く要望いたしておるのでありますので、五等と申しますか、六等の決定線、及び参議院の農林要員会等において申入れをしました件については、至急に措置されたいということを第一に希望申上げます。
  〔委員長代理小野義夫君退席、委員長着席〕
 と同時に予算上の措置について、只今承わるところによれば、府県知事のあの六等の案によりますというと、総額五億八千万円の予算要求に対して、施設を除いてたしか二十八億の予定の計算を六等として申入れておると思うのでありますが、この二十八億に対する現在農林省でお考えになつている数字は極めて少額なものであつて、恐らく今回の災害地の農家の救済、或いは又将来の再生産資金等の措置には非常に困難をすると思うのでありますが、補助率の増額及びその他資金の利子補給等について、更に増額するの御意図があるかないか、この点を一つ承わつておきたいと思います。
#31
○政府委員(渡部伍良君) 農林省としましては、農林省で作つている案が現在の段階では一番いいと、こういうように考えております。従いまして、これは要するに凍霜害の被害と第二台風とのバランスの問題になると思います。そのバランスの認定が間違つておるかどうかという問題になると思いますが、局部的にはそれゞ凍霜害につきましても、今度の第二台風につきましても、本当に完膚なきまでにひどい被害を蒙つている所があるのであります。全般的に見ますれば、大体凍霜害の補助率等の例を踏襲されて止むを得ないのじやないか、こういうふうに農林省としては考えております。
#32
○島村軍次君 私だけこの西日本の第二台風の問題だけをしやべつているようでありますが、これらの被害の問題は頗る重要でありましようから、一応本日は出席者も少いようですから、次回の開催の委員会の劈頭に、その問題に対する措置を是非大臣にお話を願つて、本委員会の態度を決定をして、申入れるべきものは申入れ、或いはどう措置するかということを更に全体にお諮りになることをここで希望いたします。
#33
○委員長(矢嶋三義君) それに関連して委員長からも渡部官房長にちよつと質したいと思うのでありますが、現在農林省で作つているのが一番適当でいいという御答弁でございますが、その農林省の考えているというのはいつ決定するのですか、最終決定するのは。
#34
○政府委員(渡部伍良君) 農林省としましては、この案で大蔵省に交渉したい。
#35
○委員長(矢嶋三義君) それはいつきまるのですか。
#36
○政府委員(渡部伍良君) 今もう印刷ができているくらいの段階でありますが、今日きめます。
#37
○委員長(矢嶋三義君) 私のお尋ねしているのは、大蔵省へ折衝しようというのは今日きまるわけですね、大蔵省との話合いがついて、そうして第二台風では政府としてはこういう措置をするのだということがきめられるのはいつですか。
#38
○政府委員(渡部伍良君) それほ先ほど申上げましたように、大蔵省と折衝をやりまして、ここ数日中に結論を出したいと、こういうふうに考えております。
#39
○委員長(矢嶋三義君) ちよつと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#40
○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。
 本件に関する島村君の質問は次回にいたすことにいたします。本件の質問は本日はこの程度で打切ります。

#41
○委員長(矢嶋三義君) 次にお諮り申上げます。
 長崎県知事、福岡県知事、佐賀県知事、大分県知事、熊本県知事、山口県知事、知事差支えの場合は副知事又は代理者を本委員会に参考人として出席を求めることに御異議はございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(矢嶋三義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれを以て散会いたします。
  午後三時十八分散会



ソース: 国立国会図書館
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