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1953/07/17 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 農林委員会 第17号
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1953/07/17 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 農林委員会 第17号

#1
第016回国会 農林委員会 第17号
昭和二十八年七月十七日(金曜日)
   午後一時五十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事
           宮本 邦彦君
           森田 豊壽君
           白井  勇君
   委員
           佐藤清一郎君
           重政 庸徳君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           戸叶  武君
  衆議院議員
           遠藤 三郎君
  政府委員
   農林大臣官房長 渡部 伍良君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
  説明員
   農林省農林経済
   局経済課長   中西 一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農林政策に関する調査の件
 (林野庁職員の賃金改訂及び増額に
 関する件)
 (西日本水害対策に関する件)
 (特定中小企業の安定に関する臨時
 措置法の一部を改正する法律案に関
 する件)
○農業機械化促進法案(衆議院送付)
○小委員の選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(片柳眞吉君) 只今より農林委員会を開会いたします。
 最初に林野庁職員の賃金改訂及び増額に関する件を議題に供します。この件につきましては、昨日の委員会で政府に申入を行うのとになつておりますので、先ずその案文を朗読いたします。
    案
  昭和二十八年七月十七日
         参議院農林委員会
  農林大臣 保和   茂殿
  大蔵大臣 小笠原三九郎殿
   林野庁職員の賃銀改訂及び増額に関する件
  かねて林野庁当局と全林野労働組合との間に交渉中であつたこの件について、去る六月二十六日調停案第三号を以て公共企業体等中央調停委員会から調停案が提示せられその受諾が勧告せられているのであつて、
 この問題は国有林野事業の遂行に多大の影響を及ぼす事実にかんがみ当委員会においても深甚の関心を払つておるのであるが、右について左記のとおり措置せられたく当委員会の総意によつて右申入れする。
    記
 一、本調停案中、国有林野事業に従事する職員中定員内職員及び常勤労務者約三万人の現行給与の不合理については、給与ベース改訂に関する部分を除き、調停案の趣旨を尊重してこれを是正すること。
 二、給与ベース改訂に関する部分については、今後一般公務員並びに公労法適用の公社及び現業のべース改訂の際これと均衡を失することのないよう遺憾なく措置すること。
 只今朗読いたしました申入案で御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認め、政府に申入れることに決定いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農業機械化促進法案を議題に供します。先ず提案者より提案理由の説明をお願いいたします。衆議院議員遠藤二郎君。
#5
○衆議院議員(遠藤三郎君) 只今議題になりました農業機械化促進法案の御説明申上げます。
 戦後、農地改革によりまして我が国農業は独立自営の農民を主体とする民主的な体制に進んでおりますが、この基盤の上に合理的且つ近代的な農耕技術によつて食糧生産の増強に強力推進いたしますことは、当面する最も重大な課題であります。我が国の農耕技術は、明治以来、主として品種の改良、施肥技術の改善の面において著しい発達を示したのでありますが、生産手段の高度化はやや進歩が遅く、今なお多くの農民は可酷な労働の下に生産を続け、そのため年産増加の限界は低く、経営並びに生活の改革も又期待し得ない状況にあります。併しながら最近におきましては、農機具に関する改良も相当程度進展し、なかんづく農民の側における農業機械化に対する意欲も急速に高まつて参りましたので、このときにおきまして、自動耕転機、カルチベーター、二段耕型その他の動力又は畜力を利用する農機具を急速に改良普及し、我が国農業経営の現状に即応しつつ農業機械化の適正な進展を助長し、以て我が国農業の発展と、食糧自給度の向上を速かに達成しようといたしまして、この法案を提案いたす次第であります。
 この法案の主要内容は次の通りであります。第一は、国は、農民が効率的な農機具を共同で和用しうとするときに必要とする農機具購入資金に対して、長期且つ低利の資金を確保するような必要な措置をとらない旨を規定したことであります。
 第二は、国は農機具の試験研究を盛に行なつて農機具の改良発達を促進するため、農業改良助長法等に基き地域農業試験場及び都道府県農業試験場の設備人員の強化充実を図り、或いは大学又は民間の試験研究機関における農機具に関する試験研究を積極的に助長しようとすることであります。
 第三は、都道府県が農業機械化を適正に促進するために行う事業、即ち農機具の教習展示施設の設置及び運営、農機具の共同利用組織の育成整備の指導並びに農機具の共同利用を効果的に推進するために必要な農民技能者の養成等を行うのに必要な経費の一部を補助することができる旨を規定したことであります。
 第四は、農機具の改良発達並びに優良農機具の普及奨励に資するため従来実施して参りました農機具の国営依頼検査を法制化するものであります。即ち農林大臣は農機具の検査を依頼されたときは、検査基準に照らして合格又は不合格を決定し、又それが検査基準に適合しているかどうかを随時検査して、適合しないときは合格の決定を取消すことができるようにし、他方検査成績或は合格の取消に対しては異議の申立の途を開いてあるものであります。
 第五は、農業機械化に関する重要事項を調査審議するため、農林省に農業機械化審議会を設置し、その組織、議事及び運営等は政令で規定することであります。
 第六は、以上のほか、国又は都道府県は農業機械化を促進するのに有効な事項、例えば研修会、共進会等を積極的に行うよう努めなければならない旨を規定したことであります。
 以上がこの法案の主要な内容でありまして、御説明いたしました通り、この法案は国又は都道府県のとるべき措置、施策に多大のものを期待しておりますので、これが施行に際しましては、逐次それらの措置、施策の拡充、強化を図りまして、これが立法の趣旨の実現に万全を期したいと存ずる次第であります。何とぞ慎重審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#6
○委員長(片柳眞吉君) 本件の質疑は後日に譲りまして、次に先日設置されました農業災害補償制度に関する小委員の選任を行います。その選任は指名を委員長に一任せられましたので私より指名いたします。佐藤清一郎君、関根久藏君、河野謙三君、清澤俊英君、戸叶武君、松浦定義君及び鈴木強平君の七名にお願いいたします。
 次に、西日本水害対策の件を議題に供します。最初に渡部官房長より御説明願います。速記をとめて下さい。
   午後二時二十分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時三十五分速記開始
#7
○委員長(片柳眞吉君) これから速記を始めますから御資疑があれば御発言を願います。
#8
○重政庸徳君 二号台風に対する予算ですね、大体いつ頃までに大蔵省との折衝が付くお見込みでしようか。それからこのたびの九州の災害の三十億の繋ぎ資金、これはまだ或いはわからんかもわからんが、農林関係にどれだけぐらい廻つておるか、現地のほうで……、調べがわかればお答え願いたいと思います。
#9
○政府委員(渡部伍良君) 第一点の二号台風の予算の関係でありますが、これは実は六党議員連盟の案が昨日やつとまとまつたのでありまして、それまでは農林省だけの案で、もう大蔵省も扱えなかつた、議会の意思かどうであるかということを度して延び延びになつておつたのであります。恐らく本日の衆議院の対策委員会でこれは決議になると思うのであります。そうしますと、大蔵省のほうもいつまでもぐずぐずしておるわけに行かんと思いますので、又私のほうとしましてもその決意がきまれば、できるだけ早く解決したい、こういうふうに考えております。的確に何日ぐらいということは申上げかねます。それから繋ぎ資金の分は、これはまだ農業用に何ぼというようなのはわかりません。恐らくこれは県に照会すれば、もう配当は済んでおると思うのですけれども、まだ私どものほうの手許に来ておりません。
#10
○白井勇君 協同組合あたりで手持をしておりました肥料なり、その他相当のものが流失をしておるようなことがあるわけですね、そうしますと、片方は中小商工業者に対しましては、低利な、而も長期の融通が考えられるということになるようですが、それにつきまして、協同組合は今申しましたようなものについても、やはり何かそういう融資の方法が考えられるわけですか。
#11
○政府委員(渡部伍良君) 協同組合の運転資金の融通は、当然これは中金からも現地に小野理事が行きまして処置しました。これも……。
#12
○白井勇君 いや、一般の融資資金でなしに、今度の災害、特にそういう損害がありましてもですね。
#13
○政府委員(渡部伍良君) この利子をどうするかという問題はですね、若し中小企業のほうの融資が利子を軽減されるのであれは、当然それと同じような処置を講じたいと思います。まだそちらのほうも問題になつておる程度で、安い金を出すようにはなつていないように聞いておりますが。
#14
○白井勇君 私九州に参りまして、現地を私が見た範囲におきましては、そういう農協が相当あるのです。恐らくあなたのほうでも係官が行つておるわけですから、情報が入つておると思いますけれども、我々現実にそういう実態を見て来ておるわけであります。当然それは補助というようなことは考えられないかも知れんけれども、融資的な措置というのは、普通の中小商工業者と同様にこれは少くとも考えられるのじやないか、全くこれは不可抗力なことじやない、と思つておりませんが、その辺一つ善処方をお願い申上げます。それからもう一つこれは内輪のことで、農林省として非常にお苦しい立場になるかも知れませんが、やはり農林省の出先機関というものがあるわけです。これの職員というものはやはり災害関係で非常なまあ活動に二重三重に苦しい思いをしてやつておることだと私拝見して来ておりますが、片方今度行政費が縮減をされるというような面もあるわけですし、当然プラスをしなければならないような面につきましては、やはり災害の場合にはお考え願つておるものと思いますが、その辺どういうものですか。
#15
○政府委員(渡部伍良君) 職員の罹災に対しましては、例の共済組合の金で救済措置を講じております。これはもうすぐ現地に人をやりまして、それで現地で……。
#16
○白井勇君 私のお尋ねしておるのは、そういうものじやなしに、つまり勤務も日曜もない、或いは居残りも今まで七時までのものを十時、十二時までになるというような、非常にまあ激しい仕事をやつておるわけです。出勤しておる者はそういう状態で、片方は出ていない者もあるかも知れませんが、そういう一つの……、従来平生の場合におきましてやつておつた仕事も、仮に一日でできたものが、或いは三日も四日も一週間もかかるというような状態になつておるのですから、そういう関係の経費ですね、当然これはプラスになる筋合いのものじやないかと思うのですが、その辺どういうことなんです。
#17
○政府委員(渡部伍良君) その点は俸給の繰上支給はやつておりますが、あと超過勤務の額をどうかするとか、旅費の不足を増すというような点はまだ処置じておりません。これは全般的の対策を講ずるときに一緒に解決されることになると思いますが、まあむずかしい問題になつて来ると思います。これは一般の国民も同じようにやつておるので、これは相当議論になつて来るのだろうと思います。
#18
○白井勇君 私ただ今度の凍霜害の関係で多少事柄が違うかも知れませんけれども、まあああいう凍霜害を受けますというと、特別の技術の指導をしなきやならんとかいうようなことで、いろいろな面を加味しまして、六千百万円ばかりの経費が計上されておるわけです。あれが外部の団体の職員であればああいうことになる。内部の場合におきましては、ああいう措置が考えられない、予算的な措置というものがちよつと腑に落ちないのですがね。
#19
○政府委員(渡部伍良君) 私のほうでは、今度の二号台風等についても、そういつた事務費の増を要求しておりますから、北九州の対策につきましても、当然それをやりますけれども、これは先ほど申上げましたように、非常にむずかしい問題を含んでおると思います。そうすれば一般の罹災国民にも同じものを出さなければいかんのじやないかと、こういう議論も出て来てなかなか……。今度はほかに使う金がありますから、問題が簡単でないと思います。
#20
○白井勇君 今度の九州の水害におきましては、特にまあ誰も困るのだが、農民が最も困窮する状態にあると私は思うのでありますが、これは農地災害の、特に現にある農地施設の復旧に対する問題、と助成の法律、これをどうしても私は改正せねば農民が負担に堪えないと思うのでありますが、この点は水害の特別委員会のほうで姐上に上げて来ることになつておりますが、申すまでもなく、政府のほうからその点を法律改正として提案せられるほうが私は至当であると、この際は……、というようにも思うのですが、或いは官房長に御質問するのもどうかとは思うのですが、御意見はどうですか。
#21
○政府委員(渡部伍良君) 農林省の内部におきまして今検討を加えておりますが、ざつくばらんに申上げますと、なかなかなお暇がかかりますので、急を要するやつは議会のほうでも御立案願いたいと思うのです。と申しますのは、先ほど申上げましたように、役所でやるとすれば農地事務局なり、何なりの意見が上つて来るのを待つてやると、或いは現地へ行つて調査してやるということでありますが、これはひとり農業地だけでなしに、河川とか、規模の多少の関係等もありまして、それの振合い、それとの歩調を合わすというようなことが、まあそう簡単にてきぱき片付きませんので、改正するとしましても、この議会がいつまで延長されるかちよつとわかりませんが、仮に当初の期間通りであるとすれば、恐らく改正せねばいかんということをきめて、こういう点を議論しているうちに済んでしまうのじやないかと思つて実は、心配しておるのです。今朝も衆議院の対策委員会のほうでもその問題を議論しておるのです。まあ対策委員会の中でもいろいろな意見が出まして、大体直さなければいかんという腹ずもりには、農林省としてはなりかかつておるのだけれども、さあそれじやどう直すかというのにはまだ相当暇がかかるのじやないかと、こういうふうに私は感じております。なおこの点は更によく検討を進めたいと思います。こういうふうに考えております。
#22
○上林忠次君 今回の九州の災害は九州を中心にしておりますが、どの辺まで……、災害がひどかつたところですね、どの辺まで行つておりますか。その調べはもう農林省に来ていると思いますが、九州、山口のほかにどういうような県があるか、又どういうような県に対して今の災害対策を講じようとしておるか。
#23
○政府委員(渡部伍良君) 六月末の災害としましては、只今申上げました六県であります。その後山陰等相当水が出ております。併し雨量の調査で行きますと、福岡、大分、熊本の三県を中心とする最高五千ミリ、ほかのところ、山陰等は三百ミリから四百ミリ程度でありますので、まあ程度は比較にならんと思いますが、やはり相当な災害が起きているようであります。それらの資料は今調査中であります。県から報告は来ておりますけれども……。
#24
○上林忠次君 多分この六県以外に相当災害の多い県があろうと思いますが、特に農産物或いは農業施設の関係については、この委員会から今回のできております水害対策緊急委員会、あのほうに問題を提供しなくちやいかんのじやないか、大県以外にまあ兵庫或いは島根、鳥取、京都、あの辺まで相当な被害があるのじやないか、これを含めてのこちらの関係の調査もしなくちやならんし、緊急対策委員会のほうにも連絡をしなくちやならんと思います。その点農林省の現在の調べはどのくらいまで行つておりますか、調査がありますならば、お聞きしたいのですが。
#25
○政府委員(渡部伍良君) まだまとまつた調査はできておりません。県の報告程度であります。
#26
○清澤俊英君 九州の水害問題とは直接じやありませんが、先般決算委員会でいろいろ調査した結果、殆んど建設と農林の土木事業において九〇%不正事実が行われている、従つてこのたびの九州のような大惨害も多くその原因がそこらに発していないとは考えられないというようなことの新聞発表があつた、こう思つておりましたが、非常な重要な私は記事だと、こう見ておりますが、まあ今非常にお取込みの中、すぐこれに対してどうこうという手は打たれておるまいとは思いますが、打たれることが本当じやないかと思う。それらに対して、これからどういうような態度で、あなたに言うのもちつと無理かも知れませんが、省内においては考えておられるか、一つお伺いしたいと思います。
#27
○政府委員(渡部伍良君) それは先般内閣委員会で、会計検査院のたしか小峰局長だつたと思いますが、それの局長の答弁だと思いますが、検査をいたした個所のまあ九〇%が大なり小なりの不正事実を包蔵しておるようだと、こういうふうにおつしやられたと聞いておりますこれはなかなかデリケートな問題がありまして、例えば補助金をもらつて地元負担を使わずに、補助金だけで事業をやつておつたというのも内容になつておりますし、それから補助金の額が少なかつたから、補助金を申請した設計よりも余分なものをやつておつたというのも不正事実の内容になつております。それからひどいのになると、セメントを食つたというのもあれになつております。その不正の内容がまあ千差万別と言いますか、あれなんでありまして、今それで例の十万円以上の工事だけしか補助の対象にしないのを、それをもつと下げろと、こういう御意見があるのでありますが、やはり農林省の監督が細かいところまで及ばないのであります。又一方地元負担もできるだけ節約するという、これには今の地元の町村その他の団体のかたがたの努力も相当あるのじやないかと思いますが、不正の内容をもう少しはつきり会計検査院のほうから、九〇%ということで局長が仰せられたようなことは非常に迷惑しておるわけなんです。私のほうでは会計検査院のほうへまあ余り無責任に言つて頂かないように、むしろ農林省の責任は回避するわけではありませんけれども、農林省がそういう細かいところまで直接責任主体となつてやるのがいいかどうかという仕組の問題もありますので、そういつた小規模の災害復旧をやる責任主体をどこにしたらよいか、考えなければいかんのじやないかという議論も今しておるのであります。まあいずれにしましても、この点は相当役所的な監督だけではなしに、事業の監視と言いますか、監督と言いますか、そういうものも相当働かして頂かなければいつまでたつてもこの問題は絶えないのじやないかと、こういうふうな気がいたしております。
#28
○河合義一君 先ほど上林委員からお尋ねがありましたが、島根、鳥取、兵庫、京都、相当被害があつたようでありまして、県からの報告はお手許にすでに参つておるそうでありますが、農林省の出先機関の統計調査部のほうからも来ていると思いますが、あの地方に対しては救済ができるのでありましようか、対象になるのでありましようかその点を一つ聞いておきたいのですが、兵庫、京都……。
#29
○政府委員(渡部伍良君) 勿論これに対して救済の措置を講ずるつもりであります。ただ先ほど申上げましたように補助率とか、融資の利子補給の程度、そういうものを北九州と同じにやるべきかどうかという点については更に検討を加える必要があると思います。
#30
○河合義一君 じや何かの方法でそれ相応な救済はできるわけですね。
#31
○重政庸徳君 今災害復旧に対する不正の問題が出たのでありますが、不正は勿論不正ですけれども、私はもう少し掘り下げて国が考えねばならんのじやないかと思うのでありますが、それは農民の負担というものは従来昨年漸く法律改正して、ややよくなつたのでありますが、それ以前は十五万円以下は農民の負担、なお災害の大小を問わず、一律に六割の負担というような法律でやつておつたために、農民は実際負担能力がない、どこまでついて行つても全然負担能力がないものに、ない立場において復旧しておつたのでありまして、これは不正は不正だけれどもが、そのよつて来たるところは全然不可能な復旧をやつておるということを政府は承知して、そうして私は行政の指導に当らにやいかんと思うのです。このたびの九州の災害においても、まさに私はこのままにしておけば、農民に不正を助長するような結果になるのじやないかと思うのです。その点を非常に心配しておる。勿論何万カ所という小さい工事に対して農林省がその監督の責任を持つということは、これは現実においてはできないので、不正をやらんでも復旧ができるように私はやつて行かねばならん、こういうように思うのでありますが、どうお考えになりますか。
#32
○政府委員(渡部伍良君) お話の趣旨は全額国庫でやれ、こういう趣旨かとも思いますけれども、これは昨年度補助率の特殊な被害の場合には補助率を上げる法律を出しております。いわゆる補助率の高率適用の法律であります。全額を国で持つということはなかなかできないので、やはり被害の程度に応じて補助の率を考えて行くという、もう少し合理化するという程度でやむを得ないのじやないかと、こういうふうに考えております。なかなかむずかしい問題で……。
#33
○重政庸徳君 私はこの農地に対する復旧は、一律な法律で補助を国が出すというのは大体間違いだ、法律を制定したのが間違いじやないか、県の負担能力並びに町村等の自治体の負担能力、災害の大小によつて、農民の負担能力によつて私は補助率は決定すべきだろうと思う。こういう意味から言うと、法律を制定しない従来のほうが最も私も合理的であつたろうと思う。従来は例えて言えば、島根県の災害においては島根県に九割まで政府は助成いたしたのであります。むしろ私はその実情を勘案してそうして、そのときに政府は補助率を決定したほうがいいと思うのですが、実際九州の災害もまさにその通りになつていると思うのですが、どうお考えですか。
#34
○政府委員(渡部伍良君) まだ決定的な結論的な意見はきめておりませんが、九州の災害に対しては、例えばこういうことができるのかどうか知りませんが、冠水期間の長さとか、或いは土砂の堆積の厚さとか、そういつたものを一つの客観的な標準として、そうして補助率を考えることができないかと、こういう議論もしておるのであります。九州全体について高率の補助を適用するということは今後災害が起つた場合、全画的に……、局地的に見れば全部同じ状態の分が出て来ると思いますので、なかなか九州全体に一律に法律の補助率を適用するというふうなことはなかなかできないのじやないかと、こういうふうに考えております。現在のやつは被害の額が一戸当り八万円以上を超えるものに対して法律の補助を適用しておるのであります。これをもう少し合理化したらいいのじやないかと、そういうふうな議論はしておるのでありますが、まだ結論は得ておりません。
#35
○重政庸徳君 八万円ですつて……、現在の法律は八万円、二戸当り被害農家の……、そうすると八万円以上の負担能力が農民にあるということになる、そこへ持つて来て十万円以下の工事は農民の負担になる、なお中小河川関係とか、道路とか、或いは小学校とかいうようなものも、煎じつめればやはり農民にやつて来る、そういうことになると、どのくらい農民が今度の九州の災害で負担するかということも結局つかんでおらない、私は恐らくもう不可能なものを政府が押付けるようになるのじやないかと思う。そうすると、今の問題のように不正を助長するように……、善良な農民でもそれをやらにや背に腹は代えられんということになる、私は政府のやりようによつて善良な農民は不正はしない、勿論全部不正ということはない、悪いのも中にはいるのだから……、だけど非常に、極めて災害復旧に対する不正がなくなるのじやないかと思う。監督を厳にするとか何とかいうのは、これはそういう施設をして然る後に私はとるべき方法じやないかと、かように思つておるのであります。どうか一つそういう意味において不正の責任を誰が持つか、監督を厳にせいとかいうところの不可能なものを農民に与えておる。で、これは不正をしても何とかやつて行かねば背に腹は代えられない、生きて行かれん、生きることができんという結果になつておるのでありまして、どうかその点をよく掘下げて農民の気持になつて一つやつて頂きたいと思います。これを似ちまして私の質問を終ります。
#36
○河野謙三君 私遅れて参りましたので、質問が重複するかも知れませんが、若し重複をしたら委員長から御注意願いたいと思います。災害対策について、過日本院におきまして附帯決議で農産物検査法の適正なる改正、例えば五等の乙を作るとか、規格外品を買うとか、更に規格外品の中でも食糧にならんものを食管法の改正によつて餌として食管が臨時に買上げるとかいう希望を強く付けましたが、この本院の決議に対しまして、今日まで農林省は如何なる措置を決定されたか、これを伺いたいと思います。
#37
○政府委員(渡部伍良君) 農産物の検査法の改正に伴いまして、五等にはかからない、五等よりも一升の重量について二十匁乃至三十匁、精粒歩合で一〇%引下げた規格を作りました。これはたしか十五日付で告示したと思いますので、二十日過ぎから有効になると、こういうふうになつておると思います。五日間の予告期間をおいてやつております。それから買上げにもならないようなものを飼料として買うというような点についてはまだ結論を出しておりません。
#38
○河野謙三君 飼料の問題は解決していない、併し飼料としてというほどではないけれども、規格外品として、まだ五等の乙を作つてもなお且つ飼料と五等の乙との間のものがまだあると思います。これはいはゆる従来の一般の規格外品ですね、これはどういうことになりますか。
#39
○政府委員(渡部伍良君) 従来の規格外品というのは非常に特殊のもののようでありまして、今のお話のように、今度の新規格のものにも入らないもつと品質の悪くて規格外品というのはどういふうになるかはつきりしませんが、例えば三等なら三等、四等なら四等で、水分が余計あるというような規格外品につきましては、ほかの条件はこれまできめた規格に合つておる、併し一つの条件だけが合つてない、こういうものは従来通りの方針で買上げるというふうに承知しております。
#40
○河野謙三君 私は実はその措置は至急にきめてやつてもらいたいと思う。というのは、私が聞いておるところでは、災害地で農林省手持の米麦が、相当雨濡れその他事故品となつて処分されておりますね、これに対して非常に需要が殺到しておるわけなんです。ということを聞いております。そういう際でありますから、この時期を失せずに農林省がそれらのいわゆる規格外品でありますとか、そういうものについて積極的にその解決の措置をとることによつて、私はこの時期を外してはこの措置というものは将来非常にやりにくくなるものと思います。おのずとこういう災害のあとには時期というものが一番大事でありますので、これは至急に私はきめて頂きたい、こう思うのです。それからもう一つ伺いたいのは、この間災害対策委員会でも私は希望を述べたのですが、将来これだけの大きな災害でありますから、一番政府が考えなければならんのは災害地の物価高の問題です今はその日その日に追われて殆んど食い繋ぎをしておるという状態で、又一部においては金もないし購売力も全然起つて来ておりませんけれども、これからだんだん政府の災害地における対策というものが実効を挙げて来ると、これは購買力になつて私は必ず現われて来ると、さように思うのです。そういう際に過去二十日間の災害地における関町の上り下りの不通の関係、その他船も聞いて見ますと、博多の港までは船も入つているけれども、貨車がないために博多の港に船が一ぱいになつて、一日に五車か六車しか貨車積みができない、こういうようなことで、私は必ず災害地には非常な物資不足という現象が現われて来ると思う。これが物価に影響して来るのはこれからだと思います。そういうことについては十分政府も考えておられると思いますけれども、取りあえず農林省関係で、今災害地の農民に何が一番欠乏しておるか、まあ肥料等につきましては、それぞれ対策をとられておるようでありますけれども、これとて果して現物化しておるかどうか、又その他味噌、醤油の問題から災害地のあらゆる物資が不足しておるでしようけれども、取りわけ生活必需物資、援護上におけるところの不足物資、これらにつきまして何が一番不足しておるか、その不足しておるものに対して、どういう今措置をとつておられるか、これを私は伺いたいと思う。今までは必ずしも私の聞いておるところではうまく行つておりません。たとえば岡山から折角ほうぼうから集めて稲の苗が船で送つたところが、向うに行つて使えるのは三割で、あとの七割は皆中で腐つちやつたと、こういうへまなことあつたようであります。併しこういうふうに安定して来た、落着いて来たのでありますから、これから災害地に向けるところの物資の補給というものについては非常に急ぎつつ万全を期してやらなければいかんと思いますので、これについて一つ災害地の認識を非常に欠いておるのでいろいろお教え願いたいと、こう思うのです。
#41
○政府委員(渡部伍良君) 全般的にいろいろのものが不足しておるということは或る程度やむを得ないと思つております。そこで最初に申上げたのでありますが、飯米、飯米の問題は一時うんと闇が上つたのですが、これは例えば博多の例をとれば三百五十円まで行つたのが、今二百五十円以下に下つておるそうです。野菜なんかもやはりそれと同じ率で下つておるということであります。そのほか木材等につきましても一時相当暴騰するのじやないかと、こう言つておりましたが、これなんか製材で持つているやつを取りあえず後で国有林のやつをやるからというので全部配給さして、あと国有林の分は高知、大阪の営林局の管内からも動員してやつておりますので、今のところ私のほうに特にひどく言つて来ておるものは、まあ何と言いますか、こちらが責任を持つておるから、ひいき目に見ておるのかも知れませんけれども、相当まあ今度思い切つて現地に改良局長以下やりまして、やつたので相当行つておるのじやないかと、こう思つております。問題はやはり今のように、それから飯米の問題でも、これは闇米だけをとつて議論するのはいろいろ問題がありますけれども、繰上配給も、これはまあここだけの話にして頂きたいのですが、東京の闇米対策に繰上配給せいというような議論もありますので、余り大きくは、全部波及すると問題になりますので、むしろそれに対しては、事務としてはどうせとにかく福岡なら十五日しか配給していないと、佐賀でも二十日なら二十日しか配給していない、あとは麦を食つてもらわなければいかんのだから、麦を食つてくれと、事務は相当声を大きく出して言つておるのですが、なかなかデリケートな問題で、麦食え、麦食えという声も余り出せたいようでありますが、現地には米も麦も十月一ぱい食つてもまだ余る量を持つておりますので、そういう心配もないと、幸いと言つちや語弊がありますけれども、何というか、冬と比べて衣料がなくても、これはまあ佐賀の人の話なんか、奥さん方は、女の人はやはり衣料を欲しがつておるけれども、亭主は裸で揮一つでやるとこういうふうにそういう働きができる時期で相当我慢してやつておるところがあるのも一つの原因じやないかと思いますが、まあ毎日電報で必要なものはとつてやつておりますので、幸いにして農林省関係のものでは大体うまく行つておるのじやないかと思うのです。あと一番心配になるのは種を送つて蒔付けをやらしておりますが、それがどれだけの効果を発揮するか、共済連の人なんかまあ平年作でしようと、北九州を通じてですね、そういう悲観的なことを言つておりましたが、これからの問題は稲がどれだけ回復してくれるかと、これだけを頼りにしておるような状態でございます。
#42
○河野謙三君 今お話のように私の報告を受けておるところでは、今回の災害地におけるところの応急措置につきましては、他の省に比較して農林省が断然応急対策について成績を挙げた、これは各方画から伺うので、私たちもともどもに肩身を広くしておるわけなんですが、ただ私は折角今まで応急対策をうまくやつても、あと失敗してはいけないということを私実は心配する。それは私はどうも非常に疑いを持つのですが、世間でひどいひどいというならば、もう少し物価高にそれが現象として現われなければいかん、ところが聞いて見ると、今お話のように米は二、三日上つたけれどもすぐ下つちやつた、その他のものも平生になつたと、ところが運輸省へ聞いて見ると汽車はとまつた、船もとまつた向うに行くと道路はない、まるで運輸機関はとまつておる、それならそこに必ず物資の欠乏ということが起つていなければならん、起ればそれが物価高に現われなければならん。ところがそういう現象が起つていない、で、私は一時はあれはニユースや何かで皆ひどいところだけ見て。私は行つて見ないのだけれども、大したことはないのじやないかと、こういう実は疑いを持つたのですよ、ところが現地から帰つた人に聞いて見ると、ひどいのは事実だ。そうすると、又今度物価のほうの関係としてどうもおかしくなつて来た、いろいろ聞いて見ると、私がひどいというのは想像以上にひどいのであつて、もう金は勿論ないと、もう全然買出しに行くにも道路がない、乗物もないというので全くその日暮しをやつて、余りひどいというのでもう全然購買力というものは現われて来ない、これからそろそろ橋もかかつた、道路もできた、汽車も通じた、金が渡つたと、畳を敷かなければならん、味噌を買わなければいかん、醤油も買わなければいかん、こういうことになつて、私は実はこれは自分の独断かも知れませんけれども、これだけひどい災害だと、これから十日なり二十日なり先に行つて本当に……、災害地といえども、やはり着物を買わなければならん、味噌、醤油は勿論買わなければならん、あらゆるものを買わなければならん、畳も替えなければいかんこれが一遍に購買力になつて現われた場合に、私はこれから十日なり二十日先に行つて必ずこれが物価高になつて現れれて来る、それに先廻りしていろいろなのを送つておかなければ私どうにもならんと思う。今も種の話が出ましたが、私は種あたりも是非これはやつてもらいたいと思うが、今重政さんのほうから専門的な農業土木の話がありましたが、農業土木もやらなければいけませんが、私はそれよりももつとやらなさやならんことは耕地の利用ということ、例えばあの地区は百七、八〇%ですか、現在……、日本だつてすでに二〇〇%以上利用しておるところもあるのでありますから、種等もかゆいところに手の届くようにして、土地か荒されて狭くなつたならば、狭いところの利用度を上げて回転率をよくすると、こういうことに是非農林省が先になつてやらなければならんと思う。いろいろ抽象的になりましたけれども、まあ一々味噌、醤油から始まつて、いろいろなことを一々御質問申上げても又それも御迷惑でありましようが、是非一つ私は総括的に考えて、どうも物が足らなくて、それが何か近いうちに必ず物価高という現象になつて現われて来やしないかと、こういうことが気になつてならないので、折角今まで成績を挙げられたのでありますから、農林省で万全を期してもらいたい。それから繰返しますが、先日の我々の決議に対しまして、私はあの際この決議はお座なりの決議じやないぞと注文したほどでありますが、今以てそれが具体化されないということになると、どうも農林委員会の決議というものは政府に舐められたという恰好なんです。まあ議会が終つてからならいいけれども、こういうふうに開会中に舐められたままで、こうやつて毎日我々議会に通うわけに行きませんから、これは至急規格外品の買上、又餌の買上措置なり、食管法の改正筆につきましては、議会開会中でありますから、出して頂けば私はすぐ通ると思いますから、至急にその措置をとつて頂きたいと、こういうふうに思います。
#43
○上林忠次君 今回の災害は前回の風水害に引続いた災害でありまして、ただ一作だけが大きな被害をこうむつたというわけでないので、春作と夏作と共にやられた、作物がやられただけでなしに、家財道具、着物までもやられておるというような大きな被害でありまして、思想的の影響、混乱状態が起きるのじやないかというようなことを私心配しておるのであります。これまで挙げられておりまするような、ああいう中途半端な災害対策じやなしに、思い切つた対策を講じなくちや、これはいかんのじやないか、折角のこの大きな被害、この損害をただ損失で終らさずに、これをもつと思想的に政府を信頼させる、日本の国のために働くのだというような工合に農民の思想を善導しなくちやいかんのじやないか、ただ損害だけを補填するようなことでなしに、日本の国民の思想善導或いは生産力を拡充し、邁進させるような気持をここで奮い立たすというような工合にするのはこれまでの対策の安易な微温的なやつでなしに、思い切つた善後策を講じまして、この災害をもつと或る半面有効にさせるということに政府は考えなくちやいかんのじやないかと私は考えるのです。まあ要するにこれまで我々が考えております対策は少し微温的じやないか、もつと大きく災害を救う、そして再生産ができるようにするということに一歩躍進しなくちやいかんのじやないか殆んど堪えないような今状態になつておるのじやないかということを痛感しておるのであります。
#44
○委員長(片柳眞吉君) この問題はまだ今後いろいろ御審議を願うことにいたしまして、農林省でもまだ正確な被害の実態が、まだ調査できておらんと思いますから、今後逐次又委員会でも審査をしたいと思います。本日はこの問題はこの程度にしておきたいと思います。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(片柳眞吉君) 次に目下通商産業委員会で審議中の特定中小企業の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の件を議題といたします。これは農林委員会にも非常な関係があるようでありまして、この件につきまして宮本、戸叶、白井、河野等の各委員から発言を求められております。
#46
○宮本邦彦君 議題になりました特定中小企業の安定に関する臨時措置法案は、前の国会で通りました法案の拡張になつておりますので、この法案をざつと見ますというと、適用業種にも指定された要件というものが非常に緩和されております。それから又調整組合の事業内容が非常に拡張されております。もう一点重要なことは、これは指定業種の数が新たに十一種追加されております。この追加された中には合板或いは清涼飲料水のごとき、大体において今までこれらの事業の所管が農林省であつたというような業種が含まれておるわけでございます。ところがこの今度の措置法では主管大臣が通産大臣になつておるというようなこともあり、前国会で小林孝平君が委員会で以て提案者並びに通産大臣に質問をしておりますが、その質問は丁度今私が疑念を持つておりますようなこの問題についてでありまして、この間も河野先生から御質問がありましたように、事業を主管しておるところの最も詳しいエキスパートのおるその省で以て扱つておるものを、違う省の所管大臣がこの法律で以て一切の規制その他の取扱をするということは一貫性を欠き、農林行政を伸展させるためには非常に大きな障害になるのじやないかというようにも考えられるわけでございまして、これらの種々の点もありますので、そういつた点を中心にして農林当局のほうのこの法案に対する御意見、或いは従来この法案が今日通産委員会にかかります間に通産省との御折衝の経過、そういつたものを承わりたいと思うわけでございます。
#47
○政府委員(渡部伍良君) 本件に関しましては、先ほど宮本委員からお話がありましたように、この前のこの法律が出たときに合板及び清涼飲料水の関係をどうするかというので問題になつたのであります。先ほどのお話がありましたように、当然これは農林省設置法の関係から行つて農林省の所管であるから、これらの業種については農林大臣がこの法の運用をやつて行くべきである、こういう議論もいたしたのであります。そこでその後その線に沿いましていろいろやつておつたのでありますが、今度再び議員提案で改正案が出ておりますので農林省としましては、通産省及び衆議院の法制局にこれは困るから直してくれ、こういうふうに申し入れてしばしば交渉を重ねて来ておるのであります。追い追い事業界が落着くにつれて、農林省関係のものにつきましては、やはりこの法律を適用する必要がありますので、所管争いみたいになつてなかなかいやなのでありますが、設置法その他法令の従うところによれば、どうしてもいやでもそれをそういうふうに直して頂かなければいかん、こういうふうに考えるのでございます。
#48
○宮本邦彦君 私どもは何も間口争いを応援したり、或いはそういうことで申上げておるのではなくて、こういつた場合にやはり肥料行政なんかと同じように、そのために迷惑をこうむるのは実際この法の適用を受ける人たちであつて、それ相当のこういつた一貫した行政措置がとられておらない場合に、そういうものを解消することのできるような措置がとられておるか、今後とり得る自信がおありかどうか重ねて承わりたいと思います。
#49
○政府委員(渡部伍良君) 今までの交渉では行詰りになつておるのであります。ざつくばらんに申上げますと、通産省のこれは議員提案だから仕方がないのだと、こういう態度で誠意を認めることができないのであります。
#50
○河野謙三君 私は根本問題を伺いたいのですが、これは議員提案かも知れませんけれども、農林省から見た場合に、こういう法案は一体国民経済のために、又日本の経済産業発展のためにこういう法案は必要だと思われますか、どうですか、議員提案でありますから批評は少ししにくいとおつしやるかも知れませんが、そういうことは場合によつてはあとで委員長に速記を削つてもらつても、私はこの際その根本問題を伺いたいと思います。
#51
○政府委員(渡部伍良君) やはり先ほどもちよつと触れましたように、何というか、経済界がまあダレ気味といつてはおかしいが、横這い気味になつて行きますと、特定の業種だけが違う方法をとることもできないと思いますので、同じ規模程度の業界がこういつたやり方をやるとなれば、やはりそれに追随せざるを得ないのじやないかと、こういうふうに考えております。
#52
○河野謙三君 まあそれならば当然この法律については従来も関心を持つておられると思うので、従つてこの法律の中に規定せられる品目について、特に農林省主管のものについては当然農林大臣の所管に移さなければ私はいけないと、こう思うのですが、ただこの際に私は意見を附加えますが、これは私たち末端、いわゆる田舎で暮しておりますと、これは特定中小企業安定なんとかと書いてあるけれども、これは例の独禁法の改正が大ボス擁護法案なら、これは田舎の小ボス安定法案ですよ、これは……。それはよつて来たるところは、統制中において政府からの指定により統制会社との繋りにおいて、その特典において営業を営んで、そうしてそれが丁度公団の職員と同じです。公団の職員が公団が解散になつてみたらこれは使い物にならん、皆今公団の職員というのは、これはごみみたいに扱われておる、同様に戦争中から戦後にかけて統制中に政府から頂いた特権によつて酒屋の指定商になつたとかやれ何の指定商になつたとかいうのは特権によつて儲けた、ところがいよいよその統制が外れて今度は自由経済になつたところが、これは本気でかかつて命がけでかかつて来るところの中小企業には、これらの特典の上にあぐらをかいて、あんのんのうちに財布をふくらましたやつは、これはそういう顔が付いているから競争にならないのです。そこでこれらのいわゆる田舎の小ボスが考えたことは、こういうようなうまい名前で、そうして仕事はするけれども、顔は利かないというようなそういう実力者を追つ払つて、そうして自分たちがもう一遍何かそういう特典の上に営業権を復活しようと、この意味以外に私は何もないと断定する。そういう意味合で、私は私個人の意見ではこの法案は勿論それは一、二の例外的には必要な面もあるでしようけれども、総体的に眺めてこれは決して私はいいものじやないと思う。中小企業の中で本当に能率を上げるには、本当の家庭工業的に親子兄弟そろつて朝から晩まで働いておると、こういうのが強いのですよ。こういう連中に対して、今言うところの昔統制会社との繋りにおいてあぐらをかいた連中が参つ棄てから一そうしていろいろ画策して議会に働きかけてやつたのが私はこれだと思う。こういうことを先ず私は一応田舎で生活しておる私から見たこの法案の提出したその経過において、そういうものであるということを私は断定せざるを得ない。そこで、併しまあこれが農林委員会の主管であつたら、これは私大いに議論しなければならんと思うけれども、不幸にして我々のほうでないから、委員長はいずれかの機会に連合審査か何かして頂けると思うから、そのときに言おうと思うが、併しまあこの法案を認めるといたしましても、今宮本さんの言うようにこれは農林省の責任において農林省が仮にこの法案の精神というものを是とするというなら、この精神を本当に生かして農林省主管の業種に対しては十分この法案の運営を過たないように、進んで私は農林省の主管にすべきである、これを主張することに何の私は縄張り争いも何もないと思う。それにつきまして私は政府のほうから……、今我々も大体わかつておりますけれども、この法案に盛つてある品種の中で、何と何が農林省主管になつておるかということをこの際教えて頂きたいと、こう思うのですが。
#53
○政府委員(渡部伍良君) この改正案に載つておるのは清涼飲料水、それからこの前の法律のとき問題になつた合板、こういうのも今後問題になつて来ると思います。それから玉糸、そういうようなものも問題になつて来ると思います。それから或いは「なたね」の搾油業等もやはり問題になつて来る危険性を包蔵しておると思います。それから或いは農水畜産物の罐詰等もこれも問題になつて来ますけれども……。
#54
○河野謙三君 これらにつきましては当然通産省と、この法案は議員提出でありますけれども、この法案について農林省は合同のいろいろ審議をされた経過はあるのですか。
#55
○政府委員(渡部伍良君) たびたびやつておるのですが、まあ御承知のように議員提案になると、それに隠れちやつて、なかなか話がうまく行かないわけなんです。
#56
○河野謙三君 議員提案ですから御無理もないと思うけれども、そのたびたびの会合におきましては、今我々が希望を申上げたと同様に、当然農林省の所管の業種につきましては農林大臣の認可というものを要するという御主張であつたわけですか。
#57
○政府委員(渡部伍良君) そうです。
#58
○河野謙三君 それに対して通産省のほうはどういう御意見であつたのですか。
#59
○政府委員(渡部伍良君) これは只今ガーゼ、脱脂綿、家庭衛生綿、繃帯というようなのは厚生省の所管になつておるわけです。厚生省もいいのだから農林省もいいじやないかと、こういうことを言つておるのですが、農林省としましては、今は清涼飲料水が問題になつておるけれども、だんだん世の中が落着くにつれて、只今申上げましたようないろいろな品目が出て来る虞れがあるのです。そうしますと、例えば合板、「なたね」、玉糸等になれば、これは本当に農村色色彩が多くなつて来る、清涼飲料水程度であれば、「みかんジュースとかいろいろの農村と直結しておるものもありますけれども、サイダーとか、そういうものもあつて、どつちでもいいという関係もありますが、将来の問題としては、やはりはつきりしておかなければ、本当に農業に非常にウエートを持つものの中小企業の対策を講じなければいかん場合、適切な手が打てないと、こういうふうに考えますが、是非所管通りやつて行きたいと、こういうふうに思います。
#60
○佐藤清一郎君 これと関連あるかどうかわかりませんが、先頃清涼飯料水の製造業者から陳情の書類を受取つて、それの内容を見ると、輸入飲料水を防止してもらわなければ国内の我々はどうしても対抗できないという切なる陳情でありまして、日本農業保護の面から尤もな陳情であると考えておりましたから、これと関連あるかどうか、私はよくわかりませんが、この輸入飲料水であるジュース類ですね。これらについて農林省としてはどういうふうな対策をとつておりますか、これを一つ一応明らかにして頂きたい。
#61
○政府委員(渡部伍良君) 農林省といたしましては、特に果物関係のジュースで清涼飲料水、これも今まではいろいろな問題がありまして、腐敗の問題とか、味の問題とか、処理の方法の問題とか、うまく行つて、いなかつたのでありますが、特に柑橘類のジュースについて非常な成績を収めまして、もうすでに愛媛、山口、三重、静岡等については相当改良を見ておるわけです。これはまあはつきり申上げますと、バヤリースなんかに比べて相当日本人の嗜好にも適して値段も安い、ああいう段々畑地帯の農業振興上非常な重大な意義を持ちますので、清涼飲料の輸入関係につきましては、できるだけ輸入を抑圧するという方針でおります。具体的に申上げますと、これを一挙に全部輸入禁止してしまう、輸入禁止するというのは今外貨割当をやつておりますから、外貨割当を付けないということによつて禁止ができるのでありますが、一挙にやるということは、いろいろな過去のいきさつ等もあり事ので、例えばバヤリースにつきましては去年六十万ドル入れたのが、今年はそれの六割程度しか認めない、コカコラにつきましても、これは相当アメリカの進駐軍等の用で入つて来ておりますから、それが一般民間にも流れておるような関係もありますので、これがOSSの廃止に伴つて民間輸入をやらせろと、こういうような議論が出ておりますので、これらについても慎重な態度で行きたい、こういうふうに思つております。
#62
○佐藤清一郎君 日本は柑橘類においても、アメリカやその他の国々に大量に輸出しておるのを、それを今度それらの原料のものを逆輸入するというようなことは甚だ国内産業保護の意味においても面白くないと思います。是非農林省としては日本農民の保護の意味から、いわゆる輸入関税をどうするか、できる限り今の保護を、更に輸入を圧縮して国内産業の発展を期せられるようにお願いしたいと思います。
#63
○宮本邦彦君 私はこの将来の日本というものの、一つの日本の農村というものの発展の当然な方向として、今佐藤さんが言われるようなあり方、そういう行き方というものは、これは非常に尊重しなければならんものじやないか、従つて清涼飲料なんというものは農林省の政策にこれは重大な影響のあるもので、これはどうしても農林省の大きな将来の日本の農政の面からも切り離すことのできないものならば、これを主務大臣が他者にあつて、そうして全く知らないものによつて規制されるということは、これは日本の農村のためにはならないのじやないかというような考え方がされるのでございます。そこで私は昨年合板のときに、まあ失敗と言いますか、微温的なあり方で以て遂に法案はそのままになつてしまつたと、又今日、今官房長のお話を聞けば、通産省と農林省との折街が議員立法であるがためにうやむやの間に法案だけが提案されておつて、一向そういつた大事な点の調整ができていないということがが実ははつきりしたわけなんでございます。これは大事なことであり、必ずしも私が先ほど申しましたように縄張り争いというような問題でなく、本当に日本の農政として、或いは将来の農村のためというような意味合でも重大な問題じやないかというふうに考えられるわけなんでございます。従いまして当委員会におきましても、今通産委員会にかかつております本法案の審議の過程におきまして、本委員会から連合と申しますというと、又或いは当委員会の心証を害するようなこともありましようが、皆様の御意向によつては連合委員会もいいだろうし、さもなければ、代表のかたがたに出て頂いて、そうして十分この点を審議されて、そして、しまつた、あのときもう少し本当にこの問題について深く検討しておけばよかつたというような悔いを残さないような措置をこの際講じたいと思うわけでございます。で、この案につきましては、委員長に私は一言申上げたいと思うのでございまして、一つの動議として提出いたしたいと思います。
#64
○河野謙三君 私は極めてこれは大事な問題でありますから、次回の委員会に農林大臣の出席を求めて、議員立法でありますが、この法案に対する農林大臣の一つ所見を私は質しておきたい、こういうふうに私は思います。その順序は是非とつて頂きたい、然る後に委員長の計らいによつて合同審査なり、若しくは代表を経済安定ですか、委員長に出して大いに質疑をするなり、こういうことにさしてもらいたいと思います。
#65
○委員長(片柳眞吉君) 只今宮本さんから動議の提出がありまして、河野委員からは問題が大きいので農林大臣を来週早々呼んで、大臣に対しても所見を質したいというような御意見がありましたが、ただ私の若干心配しますのは、通産委員会で相当早目に上げるという気配もなきにしもあらずと実は思うのでありまして、そういう御事情もお考えの上一つお含みを願いたいと思いますが、どういたしましようか。
#66
○戸叶武君 議員立去の場合に、こういう場合は今後も出て来ると思いますが、やはりこうしたときに前例を作つておくことが大切であつて、関係の委員会でこの法案を急ぐというあまりに、拙速主義でこういうことになつたのだと思いますが、その委員会においても、すでにこの通産省所管関係と農林省所管関係のものがあるのであるから、その調節をするようにするという意見が出ておりまして、それに対してとにかくとりあえずこうやるけれども、やがてはそれは趣旨が御尤もであるから変えるというような答弁もなされておるようでありまして、この際議員立法という関係からいたしまして、この農林委員会なり何なりで申込をやりまして、通産委員会の人々との話合において、こういう問題はやはり調節して行くという習慣を付けないと、やはり非常にでき上つてから又修正だ何だというとむずかしいことになるから、そういうような形で委員長が然るべき方法を講じて、皆さん方の意向を受けてこの調節に当り、何らかの打開策をきめて頂きたいと思います。
#67
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#68
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。宮本委員から先はどお聞きのような動議がありましたが、先ほどの懇談の結果、従いまして通産委員会に便宜当委員会から代表者数名が出て頂いて代表質問をして頂く、農林大臣は時間の余裕がありますれば、当委員会に出席を求めてこの問題について所見を質して頂く、若しそれができなければ、便宜通産委員会のほうへ出席を求めて、その席において農林大臣に所見を質して頂く、こういうふうにいたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(片柳眞吉君) ではさように決定いたします。代表者はまあどなたか、多数おいで願つてこれは支障はありませんが、一応私から御指名いたしましてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(片柳眞吉君) 河野委員、白井委員、戸叶委員、宮本委員、それ以上御希望のかたは、これはもう御出席を願つて御質問をして頂きたいと思います。なお修正案又は委員長に御一任願えれば至急作成いたしまして準備をいたします。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。それから私もこの問題で一点だけ法律論でもないのですが、同じ法律で両者に跨がつておるという先例が私は幾つもあると思うのですが、どんなものがありますか。
#72
○政府委員(渡部伍良君) 一番これに関係するのは中小企業等協同組合法ですか。
#73
○説明員(中西一郎君) 現在問題になつております特定中小企業安走法の所管問題と関連しまして、一つの法律で以て部分を分けて農林省、或いは通産省、或いは大蔵省というふうに所管を分けております一番の適例である法律は現在の中小企業等協同組合法であります。で、どういうふうになつておりますかと申しますと、原則的には府県の範囲内の組合は府県知事ということになつております。府県の範山内の組合でありましても、信用組合ならば大蔵省所官関係、運輸事業関係ならば運輸大臣の所管関係、そういうものは運輸大臣、或いは大蔵大臣と府県知事とか共管ということになつております。なお農林省関係の食糧配給とか、或いは味噌の協同組合とか、或いは醤油の協同組合とか、そういうものにつきましては、数府県に亘るものは府県知事でありませんで、農林大臣が直接これを所管する。そういうふうに中小企業等協同粗食法で興記されております。
#74
○委員長(片柳眞吉君) なおもう一点、これは所管の関係でこういう説があるということを聞いておるのですか、通産省設置法ですか、或いは中小企業庁の所管事項として、この特定中小企業の安定に関する臨時措置法の施行に関する事項というのが中小企業庁の所管事項になつておるから、そういう規定が現在あるからこれは通産省の所管であるという非常に詭弁的な見解があると思うのですが、これは私は逆であつて、農林省物資が入つて来れば当然農林省の所管になるのだから、むしろ農林省設置法を改正して、同様に農林省の設置法の中にこの特定中小企業の安定に関する臨時措置法の施行に関する事項を入れるべきであつて、現在あるから、それが向うの専管だということは、これは循遠的な詭弁であると私は思うのでありますが、その辺はどういうふうに農林省は見ておりますか。
#75
○説明員(中西一郎君) お説の通り、現在中小企業庁の設置法には特定中小企業の安定に関する臨時措置法の施行に関することというふうに明記されております。で、農林省関係では、合板についで、清涼飲料水その他いろいろな表現をとりまして、農林省関係の所管であるということを明らかにしておるわけであります。で、先ほど申上げました中小企業等協同組合法につきましては、その施行について同じように中小企業庁の設置法に中小企業等協同組合法の施行に関することというふうに明記しております。それにもかかわらす中小企業等協同組合法の本法では、当然の理論として農林省関係のものは農林大臣というふうに規定しておるのでありまして、農林官設置法で特定中小企業の安定に関する臨時措置法を施行すると申しませんでも、当然特定中小企業の安定に関する臨時措置法の中でそういうことを規定すべきものだというふうに法律的に解釈しております。
#76
○委員長(片柳眞吉君) 念のために……。そういう解釈をしておるというのはどこですか。
#77
○説明員(中西一郎君) 理論的な解釈につきましては、この法律が第十三回国会にかかりましたときに、衆議院法制局の御意見は明確にならないままにこの法律が施行されたわけでありますが、当時の法務府の参事官の御見解では、農林省の言うのが正しいのだということでありまして、それを元にしまして、我々としては通産省の事務当局に、或いは当時の提案者でありました南好雄先生なり、衆議院の法制局の事務のかたなりに主張を続けておつたわけであります。
#78
○委員長(片柳眞吉君) この問題はこの程度で御発言ございませんか……。他の日程がございまするが、本日は如何いたしましようか……。それでは時間も過ぎておりますから、他の日程は後日に譲りまして本日はこれで散会いたします。
   午後四時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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