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1953/06/24 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 電気通信委員会 第3号
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1953/06/24 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 電気通信委員会 第3号

#1
第016回国会 電気通信委員会 第3号
昭和二十八年六月二十四日(水曜日)
   午前十時三十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     左藤 義詮君
   理事
           島津 忠彦君
   委員
           新谷寅三郎君
           小林 孝平君
           山田 節男君
           三浦 義男君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   郵政省電気通信
   監理官     庄司 新治君
   郵政省電気通信
   監理官     金光  昭君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 榮一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公衆電気通信法案(内閣送付)
○有線電気通信法案(内閣送付)
○有線電気通信法及び公衆電気通信法
 施行法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。
 有線電気通信法案、公衆電気通信法案、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案を一括議題といたします。先ず右三法案の提案理由の説明を求めます。
#3
○国務大臣(塚田十一郎君) その前にちよつと御了承を得まして、先般所管業務の報告をいたしました際の補足を若干させて頂きたいと思います。
 先般当委員会において所管業務の概要を御説明申上げましたが、その際には未だ日本電信電話公社の二十八年度本予算案が決定しておりませんでしたが、その後同予算案が決定いたしましたので、この機会にその概要について御説明申上げます。
 同公社の二十八年度予算は、損益、建設等五勘定に分れますが、各勘定間の振替による重複額を控除した純計額は、収入支出とも一千一百四十三億余円でありまして、前年度に比較して一百六十六億余円の増加となります。
 主要勘定について申しますと、先ず損益勘定におきましては、収入支出とも九百四十九億余円で、昨年度に比し、一百九十四億余円の増であります。その収入の増加額のうち、一百三十四億円は通信料金改訂によるものであります。
 この料金改訂による増収分は、老朽施設に対する特別償却等の経営損費に約五十八億円、建設改良工事費財源として資本勘定へ繰入七十六億円とに充当されます。
 建設勘定としましては、収入支出とも四百六十一億円でありますが、この資金は損益勘定より資本勘定を通じて繰入れられます額が、減価償却費一百九十一億円を含めまして二百六十七億円余、電信電話債券発行によるものが公募債券額七十五億円を含めまして一百二十三億円、その他設備負担金等によりまして七十一億円であります。この資金を以て電信電話拡充五ケ年計画の第一年度として電話加入者十四万、市外電話回線十八万キロメートル、電話分局開始九局等の建設を主とする工程を予定いたしております。
 以上を通じまして従来の電気通信関係の予算と異なつております点を申上げますと、従来は施設の整備拡張の財源の大宗は毎年の財政資金に頼つており、又減価償却もその必要額を計上し得なかつたのでありますが、今後は、電信電話債券の発行による民間からの資金調達と相待つて、今回の料金改訂により、適正な減価償却費の計上、事業収入よりの繰入金等を以て現有施設の維持と建設改良の主たる財源とすることにしたことであります。以上簡単でございますが、公社予算案の概要についての説明を終ります。
 次に、只今議題となりました有線電気通信法案、公衆電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案の提案理由を御説明いたします。
 この三法案につきましては、去る第十五回特別国会に提出し、審議未了となつたものでありますが、前国会衆議院において修正せられた事項を改めると共に、減価償却費の不足及び設備拡充資金の一部を補うため料金別表に必要な改訂を加え再提出いたしたのであります。現在電気通信に関する法律としましては、有線の私設電信電話を監督規律すると共に公衆電気通信の業務を規律するものとしての電信法があり、無線に関する電信電話の設備並びに運用を監督規律するものとして電波法があり、日本電信電話公社による電気通信設備の建設及び保存のための土地の使用については電信線電話線建設条例があり、電信電話の料金については、電信電話料金法があるのでありますが、これらの法律につきましては、電波法、電信電話料金法を除きましては、明治中期に制定せられて以来、長年月の間殆んど据え置かれているのでありまして、これを現在の実情に沿うよう改正することとし、有線電気通信設備の設置に対する監督法規として有線電気通信法を、公社又は国際電信電話株式会社が提供する電信電話サービスに関する基本的事項を規定すると共に公社がその電気通信設備を建設保全するため必要とする土地の使用に関する事項を併せて規定するため公衆電気通信法を、又、これらの二つの法律を施行するため必要な経過規定その他関係法律の改正を行うためこれら二つの法律の施行法を制定しようとするものであります。
 次に、法案に規定してあります主な内容について申上げます。先ず有線電気通信法案につきましては、第一は、電気通信の利便を広くするため、有線電気通信設備の設置及び供用についてはでき得る限り自由にすることを建前とし、ただ公社又は会社が行う公衆電気通信業務の独占を侵されることのないようにするため、公社又は会社以外の者が有線電気通信設備を設置し、又は使用するについて次のような制限を設けております。先ず有線電気通信設備の設置については、一人の専用に供するものは、自由でありますが、二人以上の者が共同して設置することは、公社又は会社の業務の独占の侵害となる虞れのない特定の場合に限り、これを認めることとし、又他人の設置した有線電気通信設備との接続につきましても、共同設置と同様の取扱をすることとしております。又公社又は会社以外の者の設置した有線電気通信設備については、その設備を用いて他人の通信を媒介し、その他、他人の通信の用に供することを業とすることを制限しておりますが、社会経済生活の実情に即応させるようにするため、前に申上げました他人の設備と接続を認める場合において相互に接続するとき、その他の法律において別段の規定がある場合等において認めることといたしております。
 第二としては、行政簡素化並びに有線電気通信設備の設置者の手数を簡略化する趣旨から、届出、報告等の手続は必要最小限度といたしますと共に、有線電気通信設備の設置及び使用に関する規律の保持についてもできる限り設置者の自律に待つ建前をとり、許可事項は極力少くしたのでありますが、技術基準について指導する必要があるものについては、原則として工事の開始前に届出を要することとしております。
 第三に、他人の設置した有線電気通信設備に漏話雑音等の妨害を与えないようにするため、又入体又は物件に損傷を与えないようにするため、設備の設置及び保存上必要な技術的条件として必要最小限度の基準を定め、若しこの基準に適合しないために、他人の設備に妨害を与え、又は人体若しくは物件に損傷を与えると認める場合においては、郵政大臣はその設備の使用の停止又は改修を命ずることができることとしております。
 次に、公衆電気通信法案について申上げます。
 法案は第一章から第八章までに分れておりまして、第一章は総則でありまして、このうち、現行制度と異なる主なる改正事項といたしましては、第一点として、従来日本国有鉄道、船舶等の私設の電気通信設備の設置者に対し、主務大臣の供用命令により電報事務の一部を取扱わせていたのを改め、郵政省が取扱う場合と同様、事務の委託によることとし、その他必要と認める場合においては、他の者にも広く電報、電話の事務の一部を委託することができることといたしております。第二点といたしましては、国際電信電話株式会社が行う国際電気通信業務の範囲を政令で明定することとし、公社は右の政令で定める業務以外の国際通信業務を行い、両者の業務範囲が重複しないようにしておるのであります。これら末端の業務につきましては、両者はその重要なる事項について、郵政大臣の認可を受けて相互に事務の委託ができるようにしております。
 第二章は電報に関する規定でありまして電報の種類、伝送及び配達の順序等を規定しておりまして、官報、局報、私報の区別をなくしたほかは、現在の取扱と殆んど相違はありません。
 第三章は電話に関する規定でありまして、現行制度と異なる重要な改正事項としましては先ず、普通加入区域外に加入電話を設置するときは、新設に要する費用について現在は設備料として実費の料金を徴収しているのを改めまして、その負担の合理化を図ることとしたこと、次に加入電話の種類として現在の単独電話及び共同電話の外に甲種増設電話機、いわゆるP・B・Xを加えたこと、加入電話の利用関係を私法上の契約関係であることを明定したこと、又「電話加入権の取扱及び電話の譲渡禁止等に関する政令」の失効に伴い電話加入権の譲渡は自由となりましたが、投機的な加入申込を抑制するため電話加入権を譲渡した者がその加入電話と同一加入区域内において一年以内に加入申込をしたときは、その加入申込については事実上承諾できないこととすることであります。
 第四章は公衆電気通信設備の専用についての規定であります。
 第五章は料金に関する規定であります。現在各種サービスに対する料金は、すべて法律を以て定められているのでありますが、これを改め、主要な料金は法律で定め、その他の料金は、公社又は会社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。なお、現在料金の滞納の場合は、国税滞納処分の例によつて徴収することができることとなつているのでありますが、今後はすべて一般の民事上の手続によつて取立てることに改めました。なお、料金の改訂につきましては、後ほど御説明申上げます。
 第六章は土地の使用に関する規定でありまして、公社において公衆電気通信業務の用に供する線路、空中線及びこれらの附属設備を設置するため、他人の土地等を使用する心要があり、且つ適当であるときは、土地收用法によらないで、この章に規定する手続に従い使用権を設定できることとし、別に政令で定めるところにより対価を支払うことといたしております。又他人の土地の一時使用立ち入り、植物の伐採等をなし得る旨を規定しておりますが、これによつて生じた損失に対しては、適正な方法で適正な補償をすることといたしております。
 第七章は雑則でありまして現行制度と異なる主要な事項としましては、構内交換電話の交換設備、内線電話機又は専用設備の端末機器の設置、保存については、現在、原則として公社の独占とし特別の場合に限り、加入者又は専用者の自営を認めているのでありますが、利用者の要望等に鑑み、今後は公社が行うほか加入者又は専用者が自由に建設、保存を行うことを認めることといたしました。但し、この場合において、これらの設置について公社が郵政大臣の認可を受けて定める技術基準に適合することを要し、且つ、郵政省令で定めるところにより交換設備の種類に応じた資格を有する工事担任者によつて建設、保存を行わせることとしております。又現在においては、電信電話サービスを提供すべき場合において提供しなかつたため利用者に損害を与えたときには、一切その損害を賠償しないことになつておりますが、これを改めましてその損害が、不可抗力及び利用者の故意過失によつて生じた場合を除いて、一定の場合に一定額の限定賠償をすることといたしております。
 第八章は罰則に関する事項を規定しておりますが、公社又は会社の業務法規である建前上極力罰則は少くし、この法律の実施を確保するため必要なもののみを規定しております。
 次に料金改訂について申上げます。我が国の電信電話事業の当面している最大問題は、拡張資金の不足のため、積滞している尨大な電話需要を充足することができないことと、投下資本の維持が不十分であるためそのサービスが低下していることにあります。このためには、設備拡張に要する資金を確保し、安定した長期計画を遂行すると共に資産の健全なる維持を図るため必要な償却費を計上し、老朽施設の徹底的取替を行うことが肝要であります。この要請を満たすため一面公社をして必要経費を極力節約し、経営の合理化を推進せしめることは勿論でありますが、他面上記所要資金の一部を賄うため止むを得ず本年八月一日より約二五%の増収を図るため所要の電信電話料金の値上げを行うことといたしたのであります。
 その概要を申し上げますと、先ず内国電報については、現在多額の赤字を生じており、給与ベースの改訂に伴い、ますますその傾向が増大いたしまするので、相当大幅の値上げを行う必要があるのでありますが、今回は最小限度の値上げにとどめることとし、市外電報の基本料現行十字まで五十円を六十円に改正し、累加料その他の電報料は据え置くことといたしております。次に市内電話料金につきましては、度数制局は市内通話一度数ごとに現在の五円を十円に値上げすると共に、基本料について最低度数制を採用し、一カ月六十度数までの通話度数料は基本料に含めることとし、これに伴い度数制局における事務用と住宅用の区別を廃止することとし、定額制局における使用料は度数制局の料金との均衡を考慮して平均二七%の値上げを行うことといたしました。なお、度数制局における度数料及び基本料の合計は平均約五割の値上げと相成ります。附加使用料、加入料及び装置料につきましては据え置くことといたしました。
 次に、市外通話料については、現在近距離区間における料金が相当原価を割つておりますので、これを経費に対応する合理的な料金に是正するという見地からこの際この区間の料金値上げを行うこととし、現行の待時区間の最低料金七円を十円とし三百八十キロまでの区間についてそれぞれ十円ずつの値上げを行い、これを越える区間については据え置くことといたします。又即時、準即時区間の料金は現行待時区同の普通通話料の約五割増となつていますが、C・L・R方式等の採用を考慮して五乃至八割増とすることといたしております。又、市外専用電話料については、市外通話料の値上げに伴う但上げのみとし、市外通話料に対する値率は変更いたしません。
 最後に、有線電気通信法及び公衆電文通信法施行法について申上げます。
 前に申上げました有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行期日を八月一日と定め、又これらの法律の施行に伴いこれらの法律に吸収せられる電信線電話線建設条例、電信法及び電信電話料金法の三法を廃止し、これらの法律の廃止に伴い必要な経過規定を規定しております。このうち、主な事項といたしましては、明治三十九年から大正八年までの間に五円乃至十五円を納付して今日に至るまで電話の設置をみないものが原簿上約十二万あるのでありますが、この際これらの権利の帰属を確定整理して、成るべく速かに架設して行くこととしたことであります。
 なお、有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行に伴い電話設備費負担臨時措置法、電波法、海底線保護万国連合条約罰則等の関係法令を改正することといたしております。
 以上誠に簡単でありますが、有線電気通信法案等の三法案の提案理由及びその内容の概略を説明申上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、速かに御可決下さいますようお願いいたします。
#4
○委員長(左藤義詮君) 三法案の内容説明聴取及び質疑は次回に行うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(左藤義詮君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。この三法案につきまして何か資料の御要求がございましたら……。
#6
○山田節男君 公衆電気通信法で今度料金が引上げになるというようなことを新聞で聞いておりますが、そういうことになれば、前の一割引上げですか、一割五分ですか、今度二割五分かの引上げになれば、その具体的な根拠、これを数字で一つお示し願いたい、そういう資料を次回までに一つ……。
#7
○委員長(左藤義詮君) よろしうございますね。次までに山田委員の御要求の御準備を願います。
#8
○国務大臣(塚田十一郎君) 只今の御要求の一部分は、本日お手許に差上げましたものの中にもあるはずですが、御検討下さいまして、又……。
#9
○新谷寅三郎君 これはできるかできないか知りませんが、必ずしもこの法律案に直接関係はないかも知れませんが、国際的な海底線ですね、この海底線の処理の問題は前から問題になつてまだ引つかかつているんじやないかと思うのです。ほかの国と交渉中のものもありましようし、いろいろ種類によつて違うと思いますが、主な対外ケーブルの所有権問題、規則がどうなつているか、極く概略資料としてお出し願つたら結構かと思います。
#10
○国務大臣(塚田十一郎君) 承知いたしました。
#11
○山田節男君 さつき私お願いした資料の、土五%増収を図るという内訳がここに出ているのですが、この数字はわかつておりますが、それによつて電話施設その他の施設の改善といいますか、そういう案ですね、これによつて賄うという、借上げによつて新らしく充実するというか、拡充するというか、そういう部面の数字なり項目をお示し願えれば結構だと思います。
#12
○国務大臣(塚田十一郎君) 承知いたしました。
#13
○山田節男君 それから増収二五%の数字はここに出ておりますから、それは要求しません。
#14
○国務大臣(塚田十一郎君) 承知いたしました。
#15
○山田節男君 今日は電気通信のこの三法案だけの委員会だと思うのですが、当委員会として勿論この問題以外に郵政大臣管轄下にあるテレビジヨンの問題とか、その他の予算外の問題で相当当面しておる問題があるのじやないかと思います。これは今日でなくてもよろしうございますが、この法案はすでに大要の審査は前国会でやつたわけでありますが、併し新らしく本国会で御審議願う以上は、又新らしく逐条説明も必要ですが、それと並行して、期日もあることでありますから、そういう当面しておる、郵政省の管轄しておる電気通信問題に対しての政府当局、それに関係方面のいろいろな意見を一応聞いた上で頭を整理する必要があるのじやないか、かように考えておりますので、今日の委員会はこれで散会することに異議ありませんが、次回或いはその次の委員会等において、そういう機会を一つ与えられるようにお願いしておきます。
#16
○委員長(左藤義詮君) 山田委員の適切なお話がありましたが、取りあえず明後日国産電気機器の問題について、保安庁や通産省或いは郵政省の電気通信研究所長等を呼んで、先ずその問題から一つ解決したいと存じております。順次そういう問題に入つて行きますようにいたしたいと思います。
 では本日はこれで散会いたします。
   午前十時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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