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1953/05/29 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第2号
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1953/05/29 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第2号

#1
第016回国会 通商産業委員会 第2号
昭和二十八年五月二十九日(金曜日)
   午後一時五十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           三輪 貞治君
           小松 正雄君
   委員
           黒川 武雄君
           西川彌平治君
           松平 勇雄君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           藤田  進君
           山口 重彦君
           團  伊能君
           白川 一雄君
  国務大臣
   通商産業大臣  岡野 清豪君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       古池 信三君
   通商産業大臣官
   房長      石原 武夫君
   通商産業省石炭
   局長      佐久  洋君
   通商産業省鉱山
   局長      川上 為治君
   通商産業省公益
   事業局長    中島 征帆君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
  説明員
   通商産業省通商
   局次長     松尾泰一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員会設置の件
○小委員の選任の件
○小委員長の互選
○国際的供給不足物資等の需給調整に
 関する臨時措置に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (貿易政策に関する件)
 (石炭問題に関する件)
 (電源開発問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それではこれより通商産業委員会を開会いたします。
 先ず本日は最初に、先日懇談会において御相談を申上げておりました中小企業に関する小委員会を設置いたしますることを本日御決定を願いたいと存じまするが、先ず小委員会を設置いたしますることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それでは小委員会を設置いたすことに決定をいたしました。つきましては、この人選につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。それでは只今より小委員のかたを御指名申上げます。松本昇君、三輪貞治君、小林英三君、西川弥甲治君、岸良一君、豊田雅業君、山口重彦君、松浦定義君、團伊能君、白川一雄君、以上十名のかたにお願いいたしたいと存じます。
 なお小委員会におきまする委員長を互選をしなければなりませんが、これは如何ように取計らつたらよろしうございましようか。
#5
○豊田雅孝君 只今の件につきましては、委員長に指名を一任することの動議を提出いたします。
#6
○委員長(中川以良君) 只今の豊田君の御動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(中川以良君) それでは委員長より御指名をさして頂きます。小委員長に松本昇君をお願いをいたすことにいたします。
 なお小委員会におきましては、各会派で委員外のおかたで御関心をお持ちのかたは、是非一つ小委員会には多数御出席をお願いいたしたいと存じます。
 なお本通産委員になつておられない議員のおかたでも、御関心のかたは是非一つ皆様がた御勧誘になりまして、小委員会においていろいろ御意見等もお述べを頂いたほうがいいと存じます。さようにいたしたいと存じまするが、御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(中川以良君) それではどうぞさように一つお取計らいを頂きたいと存じます。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(中川以良君) それでは国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。本法案につきましては、先日の委員会におきまして、政府側より提案理由及び一般説明を聴取いたしたのでございまするが、本日はこれより質疑をいたしたいと存じます。御質疑のおありのかたは、何とぞ逐次御質疑をお願いいたします。
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#10
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
 別に御発言もございませんようですから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(中川以良君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言もございませんようでありまするが、討論は終局いたしたものと認めて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたは御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#13
○委員長(中川以良君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(中川以良君) 御異議ないと認めます。
 次に本案を可とされましたかたは慣例により順次御署名を願いたいと存じます。
  多数意見者署名
    三輪 貞治  小松 正雄
    黒川 武雄  西川彌平治
    松平 勇雄  岸  良一
    豊田 雅孝  西田 隆男
    藤田  進  山口 重彦
    團  伊能  白川 一雄
  ―――――――――――――
#15
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#16
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
 それでは先般御決議を願いました調査事項のうち、本日は通商に関する一般事項につきまして、一応通産当局より最近の情勢並びに今後の対策等について説明を聴取いたしたいと考えております。
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
 只今岡野通産大臣が出席をされましたので、もう一度委員長より本日の政府側に対しまするところの要望に対する説明を申上げます。本委員会が先般決議をいたしました調査事項に関連をいたしまして、本日は通産省の諸政策の総合的な問題を取上げてみたいと思うのでありまするが、併しなお今日は組閣後日浅く、大臣も御就任早々でございまするので、全体的の御構想を承わることもまだその時期ではないかと存じまするので、差当り当面の個々の問題につきまして、お話を承わりたいと存じます。すでに大臣も各関係局長ともしばしば御協議なり、又大臣自身の御意見等をも発表されておりまして、これらが新聞紙その他を通じて出ておりますので、こういう問題につきまして、一応大臣の御所見を承わりたいと思うのでございます。
 先ず第一は貿易政策に関する問題でございまするが、これは基本的な問題は他日に譲るといたしまして、通産省側で只今も申しましたように、公式、又は非公式に見解を発表をされておりますること、或いは行政的に処理をせられておりまする事項のうち、次のようなことにつきまして御意見を御開陳を願いたいと思うのであります。
 先ず最近停滞ぎみになつた輸出を振興させるために補給金を考慮しておるかのように仄聞をするのでございまするが、この問題について。
 第二には中共との貿易につきまして範囲の拡大を、いわゆる輸出禁止品目の範囲の拡大をアメリカに要請するかのように、大臣の御意見のように承わつておるのでございまするがこれらの問題につきまして、そして対中共貿易の現状と将来性についての御見解を承わりたいと思います。
 第三には対ソ貿易がバーターによつたならば実施し得るかどうかというような問題につきましても、いろいろ今日論議をされておりますようでございます。この問題の点、その品目の範囲、金額等の見通し等について伺いたいと思います。
 それから第四には、出光興産がイランの石油の輸入をいたしまして石油業界に大きな波紋を投げかけております。これらの問題の経緯と今後の見通し等についてのお話を承わりたいと存じます。先ずその点につきまして最初に一つお願いいたしたいと思います。
#18
○国務大臣(岡野清豪君) 先般ちよつと二、三のかたにはこの委員会で御挨拶申上げましたけれども、その後初めてのかたがおありのようでございますから、改めて御挨拶申上げます。私は今回通産大臣といたしまして皆様がたの御協力を得てこの職責を全うして行きたいと存じておりますが、御承知の通りに実業家出身ではございまするけれども、その後七、八年ほかの仕事をしておりましたので、現実には即していない、いわゆる旧体制のものでございます。新らしく今日の現状に即して行政を行なつて行きますについてはいろいろ御指示、御指導をこうむつて、そして私の考え方も変えて行く、又お直し頂くことはお直しをして頂くということにして行かなければならんと思つております。いずれにいたしましてもこの委員会の絶大なる御支持と御支援と、又御指導とによりまして私を勤めさして頂くということに切にお願いする次第でございます。どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
 只今委員長からお話の出ました四点でございますが、私まだ就任後早々でございまして、まだ経審庁、通産省も実は講義を半分ぐらいしか聞いておりませんので、自分の確固たる意見を立てるまでにならない、即ち知識が充実しておりませんので、如何かと存じますけれども、只今御質問のありました点につきまして私の只今考えておることを率直に申上げたいと存じます。
 これは輸出貿易の振興ということは、これはもう我々として現在考えておることでございまして、これは当然のことでございますが、それに対して先ず手つ取早く補給金をやるかやらんかという問題があるわけでございます。そこでいろいろこれについては私も事務当局の意見なり、又各方面の手当りを考えておりますが、まあ今の輸出貿易を急速に振興させようといたしますならば、これは最も効果の多いことたろうと思いますけれども、折角自由経済になつて、一人立ちで各企業者が今日鍛え上げて来ておりますときに、即ち合理化をしておるときに、補給金制度というものを又復活しますというここは或いは合理化を阻害しやしないかということが一点。それから又補給金を出すにしましては、どうしてもやはり或る程度の統制じみたことをやらなければならない、これも相当問題のあることと思いますので、この補給金の問題につきましては、まだいささか納得の行かん点もたくさんございますので、もう少し研究しまして、この補給金というものを出すか出さんか、それじや補給金を出さなければどういうふうにして輸出貿易を振興させるかというような方策も併せて今考え中でございます。
 それから第二点の中共貿易でございますが、これ総理がたびたび申上げておりますように、中共というものは今の日本の国際情勢下に置かれた立場から行きますというと、大して期待をかけられないということはこれは事実でございます。併しながら私どもといたしましては、殊に輸出振興をしなければならない。十一億しか輸出ができないのに十七億も輸入があつたという去年の情勢を見まして、而もそれが国際バランスを特需によつて補なつて行つてどうにか収支が償なつておるということでは、私は本当の自立経済というものが立つて行かないものと思いまして、無論特需というものはなくても、正常な貿易によつて日本の国際収支のバランスがとれるという方向に持つて行かなければならん、それには輸出を振興しなければならん、輸出を振興するにつきましてはどんなに少い貿易でも塵も積つて山となると申しますので、できるところへ、分野へ、どこへでも一つ出て行つて輸出をしたい、こういうような考えでおります。それに私が中共貿易をこれは何とかしなければならんと思いましたことは、昨年六十万ドルしか輸出ができなかつたのにかかわらず、今年の一月から三月の統計を見ますというと、輸出が二百二十万ドルになつております。六十万ドルが一年間であるにかかわらず、この一月から三月まで二百二十万ドルになつておるのはどういうことかというと、それが輸出の制限物資を少し緩和したということであつたということもございまして、それなら制限物資をできるだけ緩和してもらつて、たとえ二十万ドルでも百万ドルでも余計に輸出ができるようにして行きたい、これには力を入れなければならん、こういうような私は考えを持つておる次第であります。それから将来性と申しますか、できれば中共、ソ連あたりと日本が国交を回復することが一番望みでございますが、これは国際情勢でございまして、我々が如何ともすることはできませんが、それがないといたしましても、私は輸出するところの物の種類というものが広範囲に認められますならば、相当伸びるのじやないかという感じを直感しておる次第でございます。これは見通しでございますから、将来のことは予言めいて甚だ不確かでございますが、併し何と申しましても、遠い親類よりも近い他人ということもございまして、将来商売といたしまして、できるならばこれを進展さして行きたいという希望を持つてできるだけ努力して実現させたい、こう考えておる次第でございます。
 それから対ソ貿易の問題でございますが、これは只今問題になつておる一つの件がございまして、樺太の石炭を入れる、それに対して日本から漁船とか何とかいうようなものを以てバーター取引をしたいということであつてこれは私ちよつと詳しく覚えておりませんが、いずれあとから事務当局から御説明申上げさせますが、若しこれがいわゆる我々の出す条件が合いますれば、バーター取引ができれば私はこれは許してやつたらいいと考えております。
 出光興産の問題は大分紛糾した問題でございますが、一応ああいうふうに向うが、地方裁判所では却下になつておりますが、併し改めて高等裁判所にこれを控訴しておるようであります。その結果如何なりますか、その辺のところはわかりません。が、併し少くとも出光興産が割当てられました外貨約百万ドルに近いもの、これはどこで買つてもいいというようなことで外貨の割当ができておつたものでございますから、これを日本政府が阻止するということは一向にできないことでございまして出光興産がその範囲内において買付を再びやるということは、これは自由に任しておいていいじやないかと思います。将来の問題につきましては、日英会談との兼ね合いがございますので、日英の間の何と申しますか、非常な大きなイランとイギリスとの何年越しかに亙つて紛争を続けておりますあの緊張ぶりから申しまして、若しイギリスが非常にこれに対して、日本がイランの油を買うことに対して快く思わんということがありますならば、それは一応考慮に入れなければならんと思います。と申しますのは、これは理屈じやなくて、商売というものは国内でも国際的でも同じことでありまして、小さい利益を得て大きな利益を失うということはこれは常道に反するわけです。我々といたしましては将来のことはまだちよつと見通しがつきませんけれども余りイギリスを刺激せずに買い得るならば買つたほうがいいというのがこれが原則論であります。併しながら実際の情勢は如何になりますか、只今のところ私はむしろ当分は消極的になるのじやないか、ごう考えております。なおほかに詳しいことがございますならば、私はその程度しか持つておりませんので、事務当局にどうか一つお聞き下さることをお願いいたします。
#19
○委員長(中川以良君) それでは只今の問題に関連いたしまして御質疑をお願いいたします。
#20
○豊田雅孝君 只今大臣からいろいろ輸出振興につきまして御意見を伺つたのでありますが、この際大いに輸出を振興しようという見地から、最近軍工業に日本の輸出に大きな転換を図つて行かなければならんということが強く言われておるようでありますけれども、これ又大臣からお話がありましたごとく、輸出振興については小さいものでもこれも積もれば相当なものになるという考え方からいたしまするというと、軽工業の品目についての輸出もこの際極力努力しなければならんと思うのであります。そういう面において軽工業の輸出振興上、合理化を国家が力を入れてこの際やるということを強力に推進せられる必要があると思うのでありますが、余りに輸出品目の転換を強調せられまするために、軽工業関係に従事しておる業界の士気を沮喪せしめ、そういう点から却つて輸出の振興を差当つての問題としては阻害する方向に進むことになるのじやないかという懸念があるわけでございまして、この点について御意見を伺いたいと思うのであります。同時に中共貿易促進について品目の緩和をこの際図ろうということにつきましては、何人も異論のないところであり、又期待しておるところでありますが、差当りどういう品目について緩和しようという精想を持つておられるか。同時に対ソ連貿易につきましてバーターでやつて行くということになりますると、或る程度の貿易が可能であるということにつきまして、差当りどういう品目がバーターによつて輸出可能な状態にあるかというお見込につきまして御意見を伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(岡野清豪君) 軽工業の品種の転換とかということにつきまして実は私よく聞いておりませんので、事務当局から御説明さして頂きます。
 それから対ソ貿易でございますが、これは只今は石炭を三十五万トンぐらい入れるのでございましようが、それに対して漁船とか曳船とか或いは船をこちらで直してくれということを申出ておるそうであります。これも詳しいことは私よく存じません。一つ事務当局から御説明さして頂きます。要はソ連とか中共に対しましては、いわゆる国連協力の意味におきまして相当の制約をつけられておりますから、併しその制約、制限の以外のものなら私はまあできるだけバーターでやらしていいのじやないかという感じを只今持つております。
#22
○説明員(松尾泰一郎君) 只今大臣のお答えに対しまして若干補足をさせて頂きます。この輸出品目の重点が重工業品か或いは軽工業品かということでありまするが、外貨を獲得するということから申しますと、重工業品或いは軽工業品という区別をつける必要は毫もないわけでありまして、一応我々といたしましてはどういう商品であろうと、やはり同様の努力をいたさなければならんのじやないかというふうに考えております。これが根本の考え方であります。ただ海外の事情が、例えば最近東南アジアの諸国におきまして、いわゆる後進諸国家に軽工業がだんだん発達して参りますと、我々もそれに応じた考え方をいたさなければならん。そういう意味合いから行きまして、先方で若干軽工業をとつて来るということになると、向うから注文をして来るもの、そういう需要というものは、どうしても重工業のほうに向いて参つておりますので、そういう重工業品にも、遅い地域につきましては努力をいたさなければならんという意味で言われておるのではないかと思います。例えばアメリカ市場をとつて見ますと、日本の重工業品というのは、これは問題にならんのでありまして、依然としてやはり軽工業品を中心にアメリカへ輸出せざるを得ないという状況でありまして、地域に上りましてこれも違うわけでありますが、今いわゆる一般にそういう重工業品に重点を置くんじやないかと言われるのも、そういう海外の情勢の変化から来て、そいうようなものに比較的需要が多くなつて来ている、それに応ずるべく日本の態勢がどうしても若干貧弱であるという、いわば反省の結果といたしまして、重工業のほうにもう少し輸出を力を入れなければならんという事情になつて現われているのではないかというふうに考えておるわけであります。
 それから次に刈ソ貿易の問題でありまするが、これは従来からもう若干の制限は止むを得ないのでありまするが、非常にこの対中共と違つてそうむずかしい制限はなかつたのでありまするが、要するにああいう国営貿易の性質といたしまして、アプローチをする人間が我がほうに殆んど限られておるということで、とかく伸びなかつたのであります。最近に至りまして、石炭或いは石油類をもつと輸入いたしまして、こちらから柑橘類、それから電線、「まぐろ」の漁船でありますとか、それと曳船みたいなもの、それから船舶修理というようなことでバーター取引をやりたいという申入が出ております。今大臣が言われました趣旨から言いまして、できるだけ今の我々の許可基準に合せまして取引を成立させたいいう方向で今研究をいたしております。話がありましてまだ現実に書類としては現われて来ておらんものもありますが、取りあえず、書類として現われて参つておりますのは、石炭について十四、五万トンかと存じます。一応話としては三十何万という話を聞きましたが、書類として参つておりますのは十四、五万トンであります。これはできるものから、小口の方面からやつて行つたほうがいいんじやないかと考えております。
 それから対中共の輸出統制品目の緩和の問題でありますが、これは昨年の夏以来いろいろ研究をいたしまして大分緩和して参つておるのであります。その都度これは発表いたしております。品目の数にいたしますと、かなり数多く緩和して参つております。これもいろいろ国際的な関係もありまして、若干慎重な取扱をいたさなければなりませんので、今どの品目を緩和の対象として考えておるかということに対しましては、はつきりお答えしにくいのでありますが、できるだけそういう方向で今努力いたしております。御了承願います。
#23
○豊田雅孝君 只今の御答弁のありましたところで、私も輸出先の情勢の変化によつて、輸出について国内においてもその方向を変えなければならんということは了承はいたしておりますけれども、日本の重工業品が平和時にいよいよなつて参り、国際的な競争がいよいよ激甚な際において、果してどの程度の競争力があるかということについては慎重に検討しなければならん問題が一面あると思うのですが、同時に他面において軽工業品でも例えば東南アジアにおいて相当生産があつたといたしましても、それよりもより高級品を日本から而も低コストにおいてこれを生産合理化して輸出をするということになれば、可能な途もあるんじやないかというような点も一面考えられるわけであります。殊に御承知の通り中小企業関係は軽工業品に非常に依存する度合が多いものでありまするから、今後日本の中小企業対策の一連の関係におきまして、軽工業品の輸出について一頓挫を来たすということになりますると、これは非常に輸出のバランスの上においても勿論であるけれども、国内の中小企業問題として大きな問題となつて来ると思うのでありまして、さような面において軽工業品の輸出についてもより高級なものを低コストに生産する、合理化の方向に日本の産業政策を推進して行くということに十分お考えを願いたいと思うのでありましてこの点を特に希望いたしておきたいと思います。
#24
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
#25
○藤田進君 大臣にお伺いしたいと思います。
 先ず第一に、先ほどの御説明によりますと極めて抽象的でありますので、私ども将来についてどういう見通しなのか、明確に把握することができなかつたのであります。就任早々であるのでというお説もありましたが、確かにそういう御事情もあろうかと思いますが、要するに制限物資の緩和を求めることと、合理化を進めていわゆるコストを下げて行くという点が言われていたように思われます。そこで先ほど次長の御説明によると、的確に中共への品目の緩和について具体的に今日言うことはなかなかむずかしいように言われていたのであります。併し一応の見通しといたしまして将来、今日の貿易尻を見ると、実に悲観的なものがあるわけで、一般に一体どういうふうな将来の発展があるのであろうかという点が問題になるのであつて、例えば中共を含むこういつた地域に対する緩和が政府としてはどういうふうに具体的にこれを進めているのか、或いは又その見通しがどういう状態にあるのか、こういう点を一つお伺いしたいと思います。
 第二の点は、今日貿易振興がさほど、期待するほど発展を遂げていない点の中に、いゆるコスト高、これが言れていると思うのです。従つて企業の合理化、生産の合理化ということで、今日あらゆる産業において努力はなされつつあると思うのですが、なかんずくその合理化というものが即労働者の賃金や或いはその他の労働条件を圧迫するところに重点が注がれていると思うのです。併し専門家の説によりますと、このコスト高というのはやはり原料その他の単価の高いという点が主であつて、国際労働賃金その他の水準から見て決して労働条件の面のみにこれを負荷することは余りにも酷なように伝えられております。この点に対する見解がどうであろうかと思います。
 それから第三の点ですが、例えば東南アジアなど、殊にインドなどでは、御承知のように、かなり具体的な産業計画が進展して、電力などにおきましても、十カ年計画等で次第に産業の発展が期待されつつある状況でございます。そうなつて参りますと、我が国の貿易、殊に繊維製品などが近い将来にこういつた地域にはもはや必要としない状態、自給自足の態勢が整うのではないだろうかということが考えられます。従いまして、そういつた点との関連において、将来の市場の発展性についてどういうお考えを持つておいでになるか、以上三点について……。
#26
○国務大臣(岡野清豪君) お答えいたします。コストの引下げをしてそうして出そうということ、これはまあちよつと混淆いたしまするが、中共とその他の地域は別でございまして、その他の地域に対しましては、コストを下げて行くことは無論必要でございますが、これはいろんな通商協定とか何とかによつて新販路を獲得し、若しくは今まであつた坂路でございますけれども向うから輸入制限を緩和しまして、その枠を拡げてもらうというようなことで進んで行きたいと思います。中共の分に関しましては、これは御承知の通りに、戦略物資に影響されておりますので、この戦略物資の緩和ということがまあ一番の重点でございます。それから労働問題でございますが、私は労働者の負担において、そうしてコストを下げるとか、若しくぱ輸出貿易を振興するということは考えておりませんので、これはまあ御承知でもございまそようが、いろいろな事情がございまして、設備が古いとか若しくは設備の改善、新らしいものに代えなければならんとか、改善しなければならんとか、或いはまあいろいろなほかのこともございますが、そういう方面において、そうして又同時に原料を安く仕入れさして、そしてコストを引下げるというようなことがありますから、この点は私は労働者の負掛においてコストの引下げをするということには考えておりません。又そういうことをいたしますれば、諸外国から、やはり昔言われたダンピングとか何とかということを言われますから、できるだけ施設とか、原料を安くするとかいうような意味で進めて行きたいと、こう考えております。市場につきましては、これはちよつと私今はつきりした結論を持つておりませんので、事務当局が今まで考えておりました点を一つ御説明さして頂きまして、私の結論はちよつとよういたしませんことを御了承願いたいと存じます。
#27
○説明員(松尾泰一郎君) この輸出相手国が、だんだんそういうまあ何と言いますか、産業化計画等によりまして工業化して来た場合、或いは来た後における日本の輸出貿易はどうなるであろうかというようなお尋ねではなかつたかと思いますが、これは非常に重大な問題でありまして、一例を挙げますと、戦前におきましては、インド市場だけでも二億ヤール以上の綿布が出ておつた。今日では一ヤールも行つておらんというふうな状況であります。これは一例に過ぎませんが、そのようにして、まあ日本のいわゆる輸出市場が漸次工業化して来るということも当然のことであつて、考えなければいかんわけでございます。併しながら、この工業化と申しましても、一年、二年にすぐできるわけでもありません。例えば、今インドネシアを例に取つて見ますると、貿易協定の中の貿易計画におきまして、約五千五百万ドル程度のものを輸出する、こういうことになつて、大体その計画通り達成いたしておりまするが、これの品目を見ましても、必ずしも、先ほど豊田先生からもお話がありましたが、こういう地域はなんぼ向うが工業化する、或いは機械が要ると申しましても、まだ今の段階におきましては、輸出品の大半は軽工業品を以て占めておる状況であります。逆にこちらからもう少し何とか輸出できないかと思うくらいに、比較的そういうものが少いというような状況で、そういう地域もあるわけであります。概して申しまして、例えばインドとか、パキスタンにつきましては、そういう工業化のテンポはかなり進んでおるが、ほかの地域はまだそこまで行つておらない。こういう状況でありまして、いずれはそういう諸国家もかなり工業化するでありましようが、それまでの期間というものもかなりかかるのではないかと思つております。従いまして、結局向うの情勢に即応したものをやはり出す、その努力をいたすというほかまあ方法がないわけでありまして先方の工業化を引き止める、そのために機械類、或いはプラント輸出を出さないということもこれはできないことでありまして、一言に申しますと、向うの情勢に即応したような行き方をせざるを得ないのじやないか。併しながら、日本が、先ほども豊田先生からお話がありましたように、軽工業といえども高級品を出すように努めて行く、或いは又先ほども触れましたように、重工業品のほうに力を入れて行くということで、要するに先方諸国よりもいわば一歩ずつ先を越すというふうなつもりで努力をして参らなければならんということでありまして、見通しとして、理論的に申しまして、そういう工業化が非常に完了した場合には、これは正直なところ大変なことに相成ろうかと思いまするが、又、例えばドイツと日本との間の関係を申しましても、ドイツも日本以上にやは工業化している国ではありまするが、向うとの貿易協定におきましても、まあ現在通商局長が向うへ参りまして、協定の交渉をやつておりますが、現在のところでは、片道三千万ドルの貿易協定をやつておる。今度できればこれを五割がた殖やすような協定をいたしたい、こんなことで、品目はかなりお互いに有無相通ずるという原則で、選択に非常に苦慮はいたしておりまするが、今工業化している国に対しても又それ相応の品目を考えてやる余地もないわけではないのでありまして抽象的に考えますれば、相手国が工業化するにつれて、日本の輸出貿易は非常に困難な地位に立つことは、これは否定できない事実でありますがこれは今申しますように、現実は必ずしもそうでもありませず、まあ向うの産業の発展よりもこつちが一歩越えるくらいなつもりで努力をして参らなければならんし、又そういうふうに行きつつあるというふうに思つておるわけであります。甚お答えになるかならんかわかりませんが、大体そういうふうな気分でございます。
#28
○藤田進君 お答えの部分については、変つた見解を持つておりますが、議論はさておきまして、先ほどの設備万鐘化についての御答弁ですが、現在我が国の設備の合理化と称するものが極めて直輸入的なものがありまして、例えばアメリカ大陸のような場合、そしてアメリカのいわゆる生活水準というもの、こういう条件がそのまま日本の国の条件であるかのごとき観念で、向うの機械を押付けられたものかどうか、直輸入いたしまして、そしていわゆる企業の合理化、こういうことが行われている事例が相当最近見受けられます。従いまして、日本の場合には、アメリカのようなこの労働賃金なり、そういつた生活水準でないために、却つて、厖大な機械を輸入して、而も一度故障すれば、その故障修理にも相当な経費がかかる。結局労働者を使つて、労働力によつて運労したほうが有利であるというものがあるにもかかわらず、あえて機械化したりする傾向が非常に強いと思つております。従つて、勢い優秀な技術者、その他が失業したりして、結局得るところがない。これはやはり日本は日本の全体の経済情勢の中で、如何に設備を合理化するかという点で解決がなされなければならないと考えるのでありますが、この点ややもすればアメリカ、或いは最近ではイギリスあたりの機械などを買い込んでおりますけれども、政府としては、これらの傾向について一体どういう御方針であるのか。具体的に申上げてみますと、例えば日本人の算盤で以て計算すれば案外安くて、而も迅速にできるものが、医大な機械を買い込んで、そういつたアメリカあたりにもありますように、その機械によつて計算をさしたりするとか、或いは日本のような非常に小さい国であるのに、例えばヘリコプターを買い込んで、何と言いますか、電気などでも、これを巡視させる人と代えたわするというような傾向が見られると思うのです。又発電所などにおきましても、若干機械化と称する傾向になつて、失業者がむしろ増大して行くという傾向にあるわけでありますが、これらの関連をどのようにお考えか一つお伺いしたい。
#29
○政府委員(石原武夫君) お答え申上げます。政府といたしましては、特に欧米の機械を直輸入させまして、何でも向うの真似をさせるというような指導は勿論いたしたつもりはございません。これは、ただ戦後非常に日本の設備なり技術なりが遅れておりますので、外貨予算等を組みます場合にも、日本の工業水準なり、技術水準を上げるために是非必要であるという機械については、できるだけ輸入を認めるという方針では来ております。ただ、その際におきましても、国産でできるものにつきましては、国産の機械を使わせるという趣旨からいたしまして、輸入の機械は遠慮したいということにいたしております。政府といたしましては、貴重な外貨を使つて輸入する機械でございますので、是非必要だということが一応認められるものについて輸入をするというふうな考え方でやつております。ただ実際問題として果して今まで入つておる機械が全部そうであるかどうかということになりますと、これは個々の事例につきまして、或いは今御指摘になりました点等につきましては、或いは御議論の余地があるかと思いますが、考え方といたしましては、日本に機械を輸入することが是非必要だというものに限るということで輸入しているつもりでございます。
#30
○三輪貞治君 先ほど対中共貿易についての御意見を伺いましたが、勿論我我は根本的に日本が果してバトル法の適用を受けまして、これを全面的にその前に屈服をして、この制限に服さなければならんかどうかということ自体に問題があります。又それを一応認めるとしても、制限品目を如何に緩和して行くかということついてもいろいろと意見を持つておりまして、制限の緩和については勿論努力をいたしてもらわなければならんと思います。併し現在においては、もつと手近なところに障害があるのではないかという感じがする。その早い実例は、今年の二月大体百品目くらいの制限の緩和がされましたけれども、実際には実績が挙つていないというごの一事を以てもわかるのであります。例えば、輸入の保証金の問題等について、ほかの地域と違つた特別の制限を受けている。例えば、中国に対しては一〇%の積立をしなければならない、こういうことも実際の取引の上においては一つの障害になつていると思います。又船舶等の安全が保障されていない。これについても日本の保険会社等がやはり今年の二月以来の台湾の中立化解除等によりまして、相当に危険を感じて、その保険に応じない。そのために止むを得ず外国の保険会社に頼つている実情もあらうと思います。又金融機関等で信用状の開設について必ずしも積極的に御協力をされていないのではないかという考え方もあります。又中共貿易の業者に対しても金融の問題等の隘路があるのではないか。こういうふうに、現在許されておる品目についてもなお且つ手近なところにそれが十分に行われないところの制限が、制限と申しまするか、制約、障害があると思うのであります。それらの点について勇敢に一つそれを排除して、今の制限品目の中においてもなお且つ十分取引をせしめるという御努力をされてもらわなければならんし、なお一価においては、先ほど来お伺いいたしました制限の緩和等については努力を願わなければならんと思うのでありますが、その足許の現実の、今でもやれる、そういつたような問題についての通産大臣の御見解をはつきりお伺いしたいと思います。
#31
○国務大臣(岡野清豪君) お答えいたします。問題は私は純商業的の立場では中共貿易というものは解決できないというところに難点があるのだと思います。御承知の通りに、輸入保証金とか、只今仰せになりました船舶保険とか、金融機関の何とかというようなこと、又中小企業に金融をしろとかいうお話がございましたが、我々御趣旨に副いまして十分努力はいたしてれりますけれども、物事というものは、国際情勢を変更することができなければやはりその国際情勢の範囲内において商売の取引をしなければならん。そういたしますというと内地でも同じことでございまして、危険なところへ行くときには保証料が高いとか、若しくは回収ができるかできんかということか不確かな場合には、やはり金利も局いというようなことでございまして、これは純然たる経済問題といたしまして、輸入保証金とか、船舶保険とか、金融機関の貸出しの条件というものが自然にきまつて来るわけでございますから、この点はできるならばやはり中共ソ連と国交が回復して、そうして又中共と台湾政府がいがみ合つていないというようなことの出て来ることのほうが自然にお説のような方向に向つて来ることと思いますけれども併し、只今のところではそうではございませんで、恐らく金融業者としては貸した金が一体返つて来るのかどうかという懸念がありますし、又船舶もいつ拿捕されるかわからんというようなことがあれば、保険料が高いし、又保険をかけないということにもなりましようし、保証金といたしましても危険率がやはり多いから、余計積まなければならん、こういうようになるわけです。輸入保証金のことにつきましては事務当局からお答え申上げます。実際の中共貿易といたしましては、いわゆる国際情勢の緊迫ということによつて、純商売が高くつく、こういうような結果でそういうことになつておるわけです。併し我々は手の届きます範囲内におきましては十分努力したいと思います。私も金融界出身でございますから、金融機関等とよく懇談してみたいと思つております。又中小企業に対する金融は、これは又相当長い間の問題でございまして、政府資金も相当出そうと思つておりますし、又銀行自体にもこれをできるだけうまく運用するように融資させることに努力さしてみたいと思いますがこれは今後の努力によつて効果が挙ることと存じます。
#32
○説明員(松尾泰一郎君) 輸入担保金のことにつきましてちよつと補足して御説明申上げます。実は最近担保率の引下げを実施したわけであります。従来一〇%でありましたのを五%に引下げをしたわけであります。余談になりますが、盲説明をさして頂きますと、従来中共とのバ一夕ーのやり方といたしまして、輸入先行で実は実施をしておつた。ところが中共側は、それが又輸入先行でなくちやどうしてもいかんということを頑張られて、両方で頑張り合いをしておつたんではいかんということになりまして、我々としては中共貿易促進という見地から、我々のほうが折れまして、いわゆる輸出先行を認めた。輸出先行を認めました結果、輸入について実施ができないということになるといけないということで、実はこの担保金の制度をほかの地域よりも若干引上げておつたわけであります。最高ぼつぼつ、先ほど大臣からお話がありましたように、昨年の暮以来割合にバーター貿易が進んで参りまして、そういう実情から判断いたしまして、担保率を引下げようということで、最近引下げたようなわけであります。貿易は双方そういう気持でやらなければいかんわけでありますが、品目の点については若干我々としても考えるべき点がありますけれども、制度としましては、我々としては中共よりもより以上やりやすいやり方をしているのじやないかと実は考えておるくらいであります。
#33
○三輪貞治君 それからこれは中共以外の地域、即ちアジアにおける中共以外、特に東南アジア地域との貿易関係ですが、これについてはやはり平和条約の批准、或いは賠償問題等の解決がされていないために、それが非常に大きな障害になつていると思うのであります。賠償は、勿論、これは抽象的に申上げますと、成るたけ払わないほうがいいし、払つても少いほうがいいことは当然であります。併しながら、現在のイギリスの貿易政策、或いはアメリカのポイント・フオアー等が、両方から挾撃をして参りまして日本のそういつたような地域に対する侵入が非常に阻まれておるという情勢を考えますると、必ずしもこの平和条約に籍口いたしまして、賠償の金額を値切つてばかりおつたのでは、これらの方面における通商の発展というものはあり得ないのではないかというような気持が実はいたすのであります。例えば、インドネシアならインドネシアに一つの例を取上げましても、インドネシアが多年に亙つてオランダの支配下にありました。これが独立をいたしまして、一九四九年のオランダ、インドネシアの円卓会議によつて、過去のオランダの投資が借款に切替えられて、毎年その支払を貿易によつてするというような形がとられておるようであります。そうしますると、自然にインドネシアの貿易はオランダなり欧米のほうに口を向けておるようであります。これをこちらに向けるというのでありますから、相当無理があるわけであります。その場合に、賠償の問題において、日本が相当譲歩すると申しますか、向うの気持を十分に村度して、その折衝に当つて、細かい心遣いをして行くということは、これは非常に制限をされておる枠を破る上に非常に大きな力になるのではないか。従つて、そういつたような役務賠償等におきまして、日本の技術なり製品が湾透して参りますと、従つて又その他のものについても日本製品というものに馴染みを感じ、親しみを感じて貿易が伸びて行く、こういうふうに、私は賠償の問題が、将来この方面の地域における貿易の発展に非常に大きな解決点になるのではないか、こういうような感じを実は持つておるわけであります。この賠償問題についての通産大臣の将来のごの方面における貿易と賠償問題の関連についてのお考え方についてお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(岡野清豪君) 私が、いわゆる政府の代表とか、通産大臣とかいう立場を除きまして、純経済人として伺いますれば、御説誠に御尤もであります。私もその通りだと思います。併し、これはやはり国際条約とか、国際関係というものが、やはり今度は国として立つて行かなければならんいろいろな国際場裡の義務がありますものですから、そこで初めて賠償問題も通商に引つ掛けて、そうして、これをうまくやつて行くという下心ではやつておりましても、お説のような調子に行かんと私は思います。そこで、賠償問題は、平和条約に書いてあります通りに、役務賠償に限られるとなつておりますので、その線で無論行かなければならんと思いますけれども、これはやはり通商と引つ掛けてこれを利用すべきもんだと思います。ただ問題は、賠償に関する限り外務大臣の所管でございまして、私がとやかく申す筋合いでもございません。通商産業省の立場といたしましては、やはり外務省とよく連絡しまして、賠償問題に通商問題を引つ掛けて、そして、早く市場を確保して置くという方面に努力をこの際はしなければいかんと、これはもうお説の通りに、議論としては、私、実業界の出身として満腹の賛成をいたします。ただ、国際場裡の一国家として賠償という問題が相当重大な問題であるから、ただ実業家通りの考えに通商できないということも一つの事実でございます。そうして、我々といたしましては、賠償も連絡はとつておりますが、そのほかにやはり賠償は解決しませんでも、非公式と申しますか、半公式と申しますか、フイリピンとか、インドネシア方面にいろいろ通商関係の連絡をとれるようないろんな方策を講じまして、そうして、市場の確保に努力しておる次第でございます。
#35
○團伊能君 極めて小さい点でありますが、一点だけ伺いたいと思います。最近新聞紙上におきましても、又、只今の大臣の御説明を伺いましても、ソ連と日本との間に、石炭をこちらに入れて、船舶の修理その他をバーターとしてこちらからサービスをするという関係のことが出ておりました。これにつきまして御当局からちよつと伺いたいのですが、果してそういう新聞記事は事実であるかどうか心又事実であるといたしますると、何人がそれを提案したのか。ソ連代表部が日本の政府に向つて、果してはつきりとそういう提案をして来たのかどうか。事案をちよつと伺いたいと思います。
#36
○説明員(松尾泰一郎君) 大体事実なのでありまするが、ソ連との貿易は今向う側は政府貿易であります。我々のほうは民間貿易という形式でやつておりますので、直接日本政府に対しては何らの接触なり交渉はございません。こちらの、日本側の輸出業者がいろいろソ連代表部と接触した結果こういうことでやりたいがどうだということで話が持込まれておるような次第であります。
#37
○團伊能君 そういたしますと、今日のソ連代表部というもののあり方というものは非常に不明瞭なものでございまして、極東委員会が解散いたしました後におきまして、ソ連政府はなお今日四国理事会の存在を主張したり、日本を占領下にあるという観念の下にあるように思われますが、そういたしますと、そのソ連代表部の立場はどういう関係にあるか、御当局としてどういう工合にお考えになつておりますか、それが日本の商人の条約の相手方として成立つものであるかどうか、その点一つお聞きしたいと思います。
#38
○説明員(松尾泰一郎君) ソ連のこちらにおられます、これは代表部と言うていいか連絡部と申していいかこれ又議論のあるところかと思いますが、ともかくソ連側でこちらにおられるかたの地位につきましては、実は外務省でいろいろ議論のあるところでありまして、まあ我々が責任を持つてお答えもできませんし、又私もよく知りません。従いまして、例えば輸出を許可するという場合におきましては、勿論申請者なり、許可されるものは日本の輸出業者であります。実は申請書に書き込みまする向うの相手方をどういう表現にするのかというのがいつも問題になつております。これはまあ法律論と言いますか、そういう問題でありまして例えばこちらにおる個人の名前を書くというふうなことも一回はやつたこともありますが、まあ事実は事実であつて、外務省がこうしたほうがいいと言われれば我々はそれに従うというふうなことで余り通産省としては法律的な問題についてははつきり申しますればよく知らないと申上げたほうがいいかと思います。
#39
○團伊能君 そういたしますと、通産省としては両国間の国際的な関係如何によつて、例えば交戦状態がまだ続いてあるといたしましても、ここに現実の戦争はやんでおりますので、国際情勢の許す範囲において通商ができたらば通商をし、民間貿易もこれを助成してやりたいというお考えと思います。が、先ほど大臣からも同様な御意見を伺いましたが、そういたしますと、ソ連との国際関係は別として、これは大臣に伺いたいと存じますが、大臣におかれては、通商関係は若し事情が許すならば一つの国際条約に囚われないで、現象的な問題としてできるものは促進し許して行きたいというお考えでありましようか。
#40
○国務大臣(岡野清豪君) 私も国際公法とか何とか、又今のソ連と日本との関係の法律上の見解なんか実はよく詳しく存じませんけれども、併し世界各国ともやはり民間の貿易というものに対しては、これをやつておるようでございます。そこで私の考えといたしましては、これはあとで取消をさせられるかも知れませんけれども、私の考えといたしましては、たとえソ連といえども民間において、そうして日本の民間人が相手はソ連でありましても商売ができるということになりますれば、国際条約、若しくはいわゆる国際上の制約を離れて、そうして自由にできる範囲内のものだつたら商売をさせて行きたいこういうことが私の念願であります。
#41
○團伊能君 そういたしますと、我々もソ連は隣国でございますし、非常な豊富な資源もあり、経済的な組織も追い追い回復しているように仄聞いたしておりますが、そこにソ連と日本間の貿易が全面的に回復して来ることは、日本の立場といたしましても非常に有利なものであるということはよく理解しておりますが、いろいろな国際情勢から、今日これが甚だ支障が多く、これが遮られておるわけでございますが、若しも通商的な面から見れば、ほかの分野は別といたしまして通産大臣におかれては、日ソ間の国交というものがやはり回復するということを御希望になつておりますか、その点伺いたいと思うのであります。
#42
○国務大臣(岡野清豪君) これも私の個人の考えでございますが、折角サンフランシスコ条約ができまして、国交の回復が五十何ヵ国とできておりますが、そのほかに、回復ができていない国に対しましてはできるだけ早く、一日も早く国交が回復されることを念願しております。同時に、国交の回復ができませんでも、民間で商売をするならば、いわゆる国際信義、国際条約の義務を怠らん、即ちその範囲内でやり得るということならば、私はやらして行つていいのではないかと、こういう考え方でございます。無論国交を回復することが一番の願いでございます。
#43
○小松正雄君 私は大臣に対しまして一、二御質問を試みたいと思うのであります。
 本委員会は、常にこの貿易の問題が出まするや、中共に関しての貿易促進という問題が出まして、しばしば大臣或いは当局の専門のかたがたにも質問をされて来たことでありまして、こういう間にあるときにたまたま今回の組閣によりまして岡野大臣がここに就任せちれた。就任早々御自分の抱負の一端を新聞記者に語られたるところを新聞の報ずるところによりましても、少くとも中共の貿易が促進せられなくては国内の経済復興もあり得ないという観点に立たれてそういう御発表をされましたときに、通産委員の一人として心を強くいたした次第でありまするが、なお又本日この席においでになられて三、四の問題を挙げられ、而も又貿易という問題に重点を置かれてのお話の中に、心から私は大臣に対して満腹の敬意を表するものでありまするが、そういう意味合いからいたしまして、大臣は翼に心からこの貿易を、如何なる障害をも乗り切つて振興しようという御決心があるかどうかということをお尋ね申上げたいことは、昨日かと承わりまするが、通産大臣の新聞発表に関して総理大臣に質問をされた人があるのに、吉田総理大臣は、岡野通産大臣が如何なることに関して話されたか知らんが、国際情勢からして中共に関する限り自分としてはそういうことはでき得ることでないというようなことのあつたようなこともお聞きするわけでありまするが、そういう場合におきまして、閣議の席上において通産大臣としてその責務を全うする上に、その新聞に報道されたその心持を率直に披露して行く御決心があるかということをお尋ね申上げると共に、又委員長が最初に申されました中で、貿易、或いはイランの石油、石炭、電源開発、こう四件挙げられたのに、石炭と電源開発という問題について触れた大臣からのお話がありませんが、これも一つこの際にはつきり御抱負を語つて頂きたいと思うのであります。
 なおもう一つは委員長にお願いをするわけでありまするが、今日の段階で貿易の関係に対しましてでありまするが、どの国にどういう品目が輸出されておるか、そうして又どういう品目が国内に輸入されておるかということの数字的、品目的相手国等の今日の貿易のあり方を近いところにおいての統計と申しまするか、そういうものの資料を次の委員会に出して頂くようにお願いを申上げたいと思うのであります。
#44
○委員長(中川以良君) ちよつと委員長からお答えを申上げます。只今小松君のお話のございました通産大臣に対しまする質問事項は、今御指摘のような各項目を大体お打合せを申上げておりまするが、取りあえず最初に只今通産関係の問題を取上げて御所見を伺うことにいたしたわけでございます。これが済みましたら直ちに石炭のほうに移りたいと考えております。逐次只今御指摘の項目に移つて参ります。
 それから、只今御要求のございました資料は政府側において至急に一つ御作成の上御提出願いたいと思います。
#45
○国務大臣(岡野清豪君) 第一点についてお答え申上げますが、総理が日頃言つております言葉と、それからその考え方はこういうようなのでございます。中共に対しては国際情勢上余り期待できないのだという意味のことを言つております。私も無論それはその通り承服しております。けれども、これは当然の原則でございますから、そういうことを私は余り申しませんものですから、ただあとのことばかり出まして何か首相との意見が違つているようでありますが、これは御承知の通り我々は国連協力をしておるのだ、同時に中共への貿易には相当の制限をしておるのだ、これは国際信義の上からそうなつておるのだ。併しながら、大したことはなくても僅かなものでも輸出貿易が伸展するならば、できる限りこれを多くして行きたいと、こういうのが私の考えでございます。そこでできるだけ今の現状においても奨励して行きたい、同時に国際条約的にいろいろ制約を受けておりますものをもう少しその制約を縮めて自由に輸出ができる範囲を拡げたいと、こういうような二つの念願を持つておることが私の考え方で、又言い方なんです。無論総理に、昨日私総理と連絡しておりませんでしたものですから、昨日の予算委員会で総理が、岡野はどんなことを言つたか知らんが……、これは連絡がなかつた、落度でございます。併し今朝会いましてよく話をしておきまして、私は只今のように国際条約の範囲内、国際信義の範囲内において制約しなければならんところは制約する、而もその制約をだんだん縮めて行つて、自由に行くようにする、同時に中共に対して輸出ができればうんとやるつもりだと、こういうことを言つておきました。総理は笑つてその通りだというお話でございましたから、御了承願いたいと思います。
#46
○委員長(中川以良君) ちよつとお諮りをいたしますが、通産大臣は予算委員会に出席の時間も迫つておりますので、只今の通商に関連いたしまする大臣に対する質疑は一応打切つておきまして、次の機会に更にお願いをすることにいたしまして、石炭の問題に移つて参りたいと存じまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(中川以良君) それではさようにいたします。
 石炭の問題でございまするが、従来石炭は最近になりまして炭価が相当に高いということでいろいろ論議をされておつたのでございまするが、その後増産が著しく捗つて参りまして、最近の情勢は貯炭が漸次殖えて参り、これがために炭価も又低落をいたして参りまして、殊に低品位炭等に対しましては、石炭業界は困難なる事態に直面をいたしておるかのようでございます。これらに対しまして、通産省当局といたしまして、どういうようなお考えを持つておられるか、今日の現状、将来に対しまする対策等につきまして、一つ御所見を承わりたいと存じます。
#48
○国務大臣(岡野清豪君) 甚が申訳ございませんが、私これにはもう少し研究をする余地がたくさんございますので、毎日勉強しておりますけれども、これについて私の所見を皆様がたのお耳に入れて頂く段階に達しておりませんので、只今までの経過につきまして事務当局から一つお聞きとりを願いたいと思います。
#49
○政府委員(佐久洋君) 石炭の現状と申しますか、生産の状況、それから現在の貯炭の状況等について概略の御説明を申上げます。昨年の秋に行われました相当長期に亙るストライキの際には、石炭が非常に足りなくて、そのために緊急の輸入を行なつたような状況でありまして、その後ストライキが済んだあとの生産は極めて順調でございます。実は私ストライキの済んだあとの石炭の供給の問題について、非常に懸念をいたしたのでありますが、公益事業、つまり電気、ガス或いは国鉄用炭の優先的な供給、それから北海道の暖房用炭の優先的な配炭というような方針が極めて順調に行われまして、幸いにして事なきを得たのであります。ところが本年の二月頃から私の予想したところと若干食い違いまして、消費者のほうの石炭引取りが少し緩慢になり初めた。そこで今年の二月の生産は四百三十万トン、三月に四百七十万トン、四月に入りまして四百二十万トンに減りましたが、この三月に相当数出るということは、これは例年の例でありまして、四月に五十万トンほどの減少は来たしたものの、今の調子で出て行くと、本年度におきましては恐らく五千百万トンから五千二百万トンくらいの生産になれるのじやないかというふうに考えられるのであります。そこで本年の一月から三月までの需給の状況を見ますると、経済審議庁で調査いたしました産業活動なり或いは鉱工業の生産指数は、一月二月三月逐月若干の上昇をいたしております。国内炭の消費のほうは一月に四百万トンほどの消費があつたにかかわらず、二月にはそれよりも二十万トンくらい減り、三月には更に二月よりも三十万トン程度の減少を来たしておるということで、逐次貯炭のほうに増加の形となつて参つたのであります。なおほかに輸入炭につきましても、一月二月三月の入善は次第に増加しておりましたが、消費のほうは逆に少しずつ減少をしておるということでございまして、貯炭が三月におきましては、国内炭については四百七十万トンくらい、輸入炭につきましては九十二万トンくらいの貯炭の状況になつております。なお貯炭の状況は全国つまり山元、それから港、石炭の販売市場、こういうところの貯炭がだんだん殖えまして、大口或いは小口の工場の手持の貯炭の増加はそれほど顕著でない。これは即ち石炭の生産が相当上廻つております関係上、いつでも買えるであろう、或いは炭価も先安を見越すというような事情かと思います。
 それから今後の石炭の消費の見通しでございますが、二十八年度の全体の見通しでございますが、二十八年度の全体の見通しがまだはつきり立ちかねております。一応上期だけの需給の状況を見通しますというと、今の状況で進んで参りますと、十月の初めには恐らく山元、港それから販売市場、そのほかに大口小口の工場の手持とか全部を入れますと、一千万トンを上廻るというような状況を予想されるのであります。それから先ほど申しました経済審議庁の生産指数なり、或いは産業活動の率が上つているにもかかわらず石炭の消費は減つているというのは、どういう事情かと考えてみまするに、これは私の推定でありますが、過去における重油の転換がかなり顕著に行われております。今日までに私どもの手許にあります資料によりますと大体四百二、三十万トン、石炭に換算しまして四百二、三十万トンの重油転換が行われたのじやないかというふうに思われます。これが相当影響しているのじやないかというふうに考えられます。
 なお石炭の価格の問題でありますが、各炭種につきまして本年の一月二月三月というのは、そう大きな変更は来たしておりません。四月以降の炭価交渉がかなり前から需要者側と供給者側で交渉が行われておつたのでありますが、国鉄につきましては大手筋について大体平均して四百円、中小炭鉱については平均六百円ぐらいの値下りを以て協定ができております。そのほかに鉄鋼関係、ガス関係、電気関係、これの炭価の交渉は目下進捗中であります。大体概略の状況を御説明申上げると以上であります。
#50
○委員長(中川以良君) 御質疑お願いします。
#51
○西田隆男君 今佐久さんの御説明を聞きましたが、大体日本で工場、港頭、坑所等における貯炭は幾らまで通産省はできるお見通しですか。
#52
○政府委員(佐久洋君) これは貯炭場の限界の問題でございますが、過去における一番余計の貯炭が坑所、港頭、市場におきまして置かれましたのは昭和二十五年の十二月でございまして、大体三百万トンちよつと欠ける数字でございます。私どものほうで坑所、港頭市場関係の貯炭の限界というものを一応調査いたしましたが、概略三百六十万トン程度でございます。現在ございますのが三百十万トンくらいでございますから、余力というものはそうたくさんはないと考える次第であります。ただこのほかに貯炭場を作ろうと思えばそれは勿論できますが、非常に不便なところ、或いはそこに石炭を下すとか、又売るときに積込むとか、或いはその新らしく場所を借りなくちやならんとかいうような関係で、直ちに炭価なり、或いは炭鉱自体の経理の方面に響く問題が起つて参ります。
#53
○西田隆男君 そうしますと、今のお話で行くともう貯炭の限界点にすでに達しておるというふうに出ておるのですが、第十五国会の予算委員会で私があなたに聞いたときに、あなたはその当時の五カ年計画に見るべき計画を御説明なすつた、その計画をそのまままだ実行して行かれるつもりなんですか。何らか通産省では石炭対策を別に御研究になつておるのか、これを一つ……。
#54
○政府委員(佐久洋君) この前御説明申上げました石炭の計画というのは戦争中、又戦争後でもありますが、かなり濫掘をいたしまして石炭鉱業自体として極めて不健全な状態になつておる。これを根本的に解決しないと高炭価の問題は本来の解決にはならない。こういう趣旨で考えました方針でありますので、現在の貯炭の問題とは別個に従来通り私としては進めたいと、こういうふうに考えております。
#55
○西田隆男君 あなたのお考えで進めて行くとすれば、石炭の生産と消費のバランスが破れて、今あなたの説明なすつたように、今の状態で行つてすら九月には一千万トンという貯炭が見込まれておる、一千万トンという貯炭が、如何に佐久さんが骨を折つて貯炭場を作つても日本ではできません。そういう実情じやありません。そういう実情じやない限り何とか通産省としては理想的な炭鉱経営はかくあるべしということに対しての方針を基本的にお変えになる必要はないのか、臨時的にと言いますか、特例的には現在の情勢を打開して日本の石炭の需給がスムーズに行くように何とか方法をお考えにならなければならないと私は思うのです。従つて小笠原さんが通産大臣のときに、三割炭価を下げるというお話でした。今あなたのお話を聞くと、成るほど表面上の炭価は六百円ということで一応まとまつておるようですが、実際の市場における販売価格というものはそれが基準価格ではなくてべらぼうな値下りをしておるということは、これはあなたも御承知と思います。若し今のような状態で石炭が生産を確保され、そうして需要がなくて市場における石炭の価格が下れば、従つて日本の石炭産業というものは根底から方法を立て直さなければ、終戦直前と同じような大混乱に陥る可能性があるわけであります。通産省としては議論では生産を制限をすれば炭価が下らないとか、そういうことは官庁として計画すべきないとか、いろいろ議論があるようにも聞いておりますけれども、そういうことに拘泥されずに、これから先の石炭需給の見通しを立てられ、そうして石炭の単価を下げる方針は変更する必要はありませんけれども、何とか石炭の生産がスムースに続けて行かれるだけの何らかの方法をおとりにならないと、今年の夏頃は石炭業界は大混乱を来たす。私はそういうふうに考えておるのですが、通産省の御見解を一つ承わりたい。
#56
○政府委員(佐久洋君) 只今御指摘の問題は十分私ども考えておりますので、ただ従来通産省としては炭価引下げとか、又輸出不振の原因が私自身は石炭に全部があるとは考えておりませんが、その一因を成しておるということは、これは認めざるを得ない。そういう複雑な事情にございますので、何らかの対策を立てるにしても、時期の問題が一つあろうと思います。石炭局長として私はその対策についていろいろの問題は検討をいたしておりますが、まだ通産省全体としてその政策を打出すときではない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#57
○西田隆男君 いつからやられるのですか。何月からやられるのですか。
#58
○政府委員(佐久洋君) これはもう少し推移を見た上のことと考えております。
#59
○西田隆男君 もう少しというのは時間的にいつのことです。
#60
○政府委員(佐久洋君) それはどうも何日間しかいうことははつきりちよつと申しかねるのでございます。
#61
○西田隆男君 あなたの説明を聞くと、九月には一千万トン貯炭ができるという見通しがすでについておるというのですが、それがすべて時期的にわかないということになれば、九月まで待たれますか。
#62
○政府委員(佐久洋君) 九月まで待つというはつきりしたことを申上げるつもりはございませんが、まあもう少し時期をかして頂きたいと思います。
#63
○西田隆男君 それは二十八年の石炭の需給見通しはまだつかないというお話がありましたが、二十八年の石炭の生産はかくあるべしという見通しについては一応御発表になつているかのように聞いておりますが、その石炭の生産はかくあるべしというのは生産数量ですね。五千百万とか二百万とかいう数、こういう数量に対しても通産省としてはまだお買上げになるのに相当の時日を要しなければお買上げにならないということですか。
#64
○政府委員(佐久洋君) 通産省として本年度の生産の見通しを正式に発表したことは実はございませんので、ただ部内でいろいろの計画を立てて参考資料と申しますか、基礎資料として数字を出したことはございます。ただその数字も今日曾つて出した数字を固執する理由がなくなつておりますので、私のほうでは別に需給の状況から考えて、別個の生産見通しというものを立てたいと考えております。私が今需要の見通しから考えて、供給は大体四千六百万トンぐらいの生産があれば間に合うのじやないかというふうに思つている次第でございます。
#65
○西田隆男君 石炭の生産の問題に関連して、あなたの御説明になつた中に、重油の転換と外炭の輸入の問題はお触れになつているように考えておりますが、九月までこのまま行つたら一千万トンの貯炭ができるだろう日本の実情としてはそういう貯炭をするということが到底考えられないような段階になつて来ておりますが、重油に転換したものを石炭に転換させる方法とか、無理やりに外炭を輸入しなくても、日本の石炭で間に合うという数字に対しての外炭の輸入に対する考慮という点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#66
○政府委員(佐久洋君) 先ほど石炭局長としていろいろの検討を撃ているという中には、只今お話の輸入炭の問題或いは重油の問題も入つているのでございまして、ただこの輸入炭の問題につきましては、この輸入の大部分が製鉄用の強粘結炭とガス発生炉用炭でございまして、削る余地というものはもう少し検討しないとはつきりした数字は出ませんけれども、そう大きくはないというふうに思われております。重油の問題につきましては、本年度の重油転換の数量がどのくらいか、一応重油の輸入の計画の土から見ますると五十五万キロリツターの予算を組んでおりますので、石炭に換算すると百万トンということでございます。この問題については、将来の問題は一応何らかの手は打つているんですが、過去において重油転換を奨励した、そのために転換設備ができたというものについての取扱は少し慎重を要するんじやないかというふうに思います。
#67
○西田隆男君 さつき藤田君もちよつと触れられたんですが、今炭鉱は操業を中止したり、労務者を減らしたり、いろいろな苦境を脱却するために方法をやつておるのです。若し石炭に対する対策が時期的に遅れますと、そういう問題がますます大きくクローズ・アツプして来て石炭だけの問題でなくなつて社会問題になつて来る可能性が非常に知は強いと思う。で、通産省としてか大体のことはここで言わなくてもおわかりになつておるはずですから、もつと早く方針をきめられて、的確に実施してもらいたいということが一つと、それから第十五国会においてあなたの御説明の中にありましたいろいろの石炭原価を下げるに要する……政府としてこうもやりたい、ああもやりたいという御意見の開陳がありましたが、大蔵省と折衝中だつたということですが、まだその問題についての交渉は継続しておるのですか、はつきりした結論は出ていませんかどうか。
#68
○政府委員(佐久洋君) 第一の石炭の一生産制限に伴う労働問題というのは確かに一つの大きな問題でございます。ただ生産制限というか、勿論この石炭が過剰になつた場合に第一段に経営者自体が今後の見通しを立てて自己の企業をどういうふうにするかということを考えるのが筋だと思います。その際に生産を或る程度減らしたからすぐに首切りというような飛躍的な考えはどうかと思う次第でございます。なおほかにいろいろの智慧があろうと思いますので、その点勿論私ども十分な関心を払うつもりでおります。
 それから第二の長い目で見た石炭の対策について大蔵省と折衝いたす部面が非常に多いのでありますが、それはまだ大蔵省との話合いが結論的に出てはおりません。
#69
○西田隆男君 第二段の大蔵省との折衝はもう前国会から継続してやつておられるはずですが、いつ頃結論が出て実施に移られる御予定ですか。
#70
○政府委員(佐久洋君) 問題の主たる点は財政投資の問題、それから低金利の問題、長期融資の問題、なお税制の問題等非常に根本的な問題でもありますので、事務的な話だけではちよつと解決のできない性質のものでございます。従つて私としては新大臣にも是非お願いして実現に努めたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#71
○西田隆男君 あなたのお話を聞いていると若干混乱して来るのですが、いろいろ考え方は持つておられるようですし、努力もしておられるかのように考えますが、これも事務的の見通しのつかんことばかりであるので、現在の石炭業界の実情はそう時期的に長生きはできない、これは指をくわえて辛抱ができるという段階ではないのですがね。これは一つ専務的にできるとかできないとかいう問題は別にして、事務的にもできる問題はたくさんあるので、別に新らしい法律案を作らなければどうしてもいけないという問題は基本的な問題であるといいながらないように私はこの前の答弁でも聞いておりますが、もう少し早くやつて頂くように希望しておきます。
 それからいま一つの問題は石炭を減産しなければならん事態になつたから、それですぐ労働者を首切りにすることは業者は不都合だというような御見解をお述べになつておりましたが、石炭の原価は御存じの通りです。労銀が二千二、三百円、その他の経費が大手筋で二千二、三百円、中小炭鉱では幾らか安いかも知れません。従つてこの高い石炭の生産原価を下げる、そして炭価を下げて行くということがなければ、労銀は二千二、三百のうちから下げて行かなければならん。この中にはあらゆる経費が含まれておる。坑木は値上りしましたよ、鉄鋼も上りましたよ、全部石炭に要する資材は上つております。労銀も上げなければならんという段階にあるのです。この段階において石炭は値下りが続いて、六百円、五百円と言われておつた時代ならばこれはまだできるのです。ただ併しそのまま放任すれば九月には一千万のものができる。それはタンスの中にしまえるというものではありませんので、そうなつたら石炭の値段は、二千二、三百の人件費を除いて他の経費はすでに千数百円を下げておりますから、そういうものを下げて経営者の経営能力に応じてそれだけでやつて行けということはこれは数字を扱つておるあなたとしては言えないことだと思うのです。従つて経営者はできるだけやつて行つても金も貸し手はない、資材もない。炭鉱は継続してできんからやめてしまうせめて続けて行く人は労働者の能率を上げさせるためにやめさせてしまう。或いは賃金の不払をするという苦しい段階に追込まれておる。特に中小炭鉱はその影響が大きい。従つて通産省ではそういう問題を故郷しておくだけでなくして、早急に一つ解決して頂きたい。そのために大臣はおいでになりませんが、古池君も石炭問題は相当よくおやりになるので御承知と思いますので、大臣と話合つて閣議でも決定して早急に実施してもらうように強く希望しておきます。
#72
○小松正雄君 石炭の問題につきましては、只今西田委員から縷々御質問された点におきまして、私もこれに対しては同感であり、又そう加えてお尋ねするところもないまでに突つ込んでの御質問があつたのでありますが、なお二、三私の今の炭鉱の経営状態から見ましたときに、局長の考えられておることと異なつておる。要するに考え方が余りにも杜撰であり、考え方が余りにも合法的な考え方でない。石炭局長である局長の考え方は真にその職責から申しましても実際に考えておることだろうかどうかということが疑われるので、ここで御質問申上げたいと思いますが、私の見解ではこの十月になつて石炭が一千万トン以上も貯炭になるという考え方は持てない。というのは大手はどんどん出して貯炭をし、或いは又販売業者を通じて支払等の点についてはいつまでのうちに払つてしまえばいいから、取りあえずお前らのほうで捌いてくれということで、銘柄的にも例えば三井鉱山の石炭が西田鉱業の石炭と変つて納入せられておるというような状態にある今日でありまするからして、そういつた大手の出し方によつて貯炭が一千万トンにもなるかも知れませんが、中小炭鉱から考えまするときに、すでにもう今日の段階では大よそ全滅に近いと申上げても私は過言でないそういう見地から考えまするときに石炭が九月後、要するに十月には一千万トン以上になるだろうという御見解と私の見解とは大いに違つておるのでありまして、そうなつて来ますときにおきましては、少くともこれに従事する従業員はどうなつて行くか、こういう大きい社会問題もあることと思いますがこの点については先の西田委員からの御質問に対して、経営者みずから考えるべきだという放言的なお言葉であつたのは甚だ私は遺憾に堪えないのです。どういうお考え方でそういうことをおつしやるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#73
○政府委員(佐久洋君) 先ほど申上げましたのは、現在の趨勢で石炭が生産さ打て参りまするとという前提で申上げましたので、勿論石炭鉱業が一千万トンの貯炭を持つて、なお且つ健全であるというつもりは私も持つておりません。従つて先ほど西田委員の御質問に対しては時期的にはつきりしたことを申上げかねたのでございますが、そういう事態にならない対策というものも勿論我々としては考えなくちやならんというふうに考えておる次第でございます。
#74
○小松正雄君 それから局長はこの輸入炭を防正することについてどう考えておるかという御質問に対しまして、要するに特殊炭であるために輸入炭を防止する余裕は僅かしかない。こういうふうな御答弁のようでありましたが、敗戦後の日本の国内から生産せられました石炭において諸般の国内の需要を賄なりて来たという点から、昭和二十五年二十六年には四千二百万トンから四千八百万トン乃至五千二百万トンまで上昇させる計画を立てられたのは、少くとも石炭を管轄せられるところの石炭局でやられたと思うのでございますが、どうでありますか。
#75
○政府委員(佐久洋君) その当時の情勢から考えて、石炭の需要の今後の見通しということについてそういう数字を立てたと思いますが、併しこれは一応の将来の計画でありまして、情勢によつてはそれを変更することは止むを得ないのじやないか、こう思います。
#76
○小松正雄君 そこでお尋ね申上げますが、石炭が国内のものによつて賄われたとするならば、必ずしもその強粘結炭が国内から産出しないということには私は考えられないと思います。そこで国内で、例えば八幡製鉄に納めるとの契約のために出炭を増強せられたとしますと、長崎の一角の炭鉱におきましても然りでありまして、その石炭を以て八幡製鉄に使用せられておつたと思いまするが、その点どうでありますか。
#77
○政府委員(佐久洋君) いわゆる長崎の北松炭という特殊の粘結炭でありまして、これは八幡製鉄のほかに大製鉄会社に従来入つております。ただ北松で生産される限度と言いますか、これは非常に薄層を掘つておりまして、而も相当に古い山でございますので、大きな数量を、今後増産を期待することはちよつと無理があります。現在掘られておるのは、大体四十万トンから五十万トン程度一年間に掘つております。ところが製鉄会社で使う強粘結炭というのは三百万トン前後でございますので、国内の北松炭だけでは到底賄い切れないので、その不足分を輸入するということが従来行われて来ておりますので、今年度の上期の計画におきましても大体その線は外れていないのであります。
#78
○小松正雄君 長崎での生産は五十万トンと仮定せられての御答弁のようでありますがそれ以上に出るように中小炭鉱の中からも努力されて今日では大をなさんとしておる炭鉱もあるように聞きますが、そういう石炭増強のできるこういう国内の生産に対して出させようとせずに阻止してまで輸入をしなければならないというお考えがあるかどうか。
#79
○政府委員(佐久洋君) 北松炭の開発を阻止することは私全然考えておりません。ただ、今申上げましたように、非常に自然の条件が悪い関係上生産費がかなり高くかかります。そこで今日のような自由経済の下におきましては、折角掘りましても買手がないという結果になりはしないかということを懸念いたします。
#80
○小松正雄君 お尋ねいたしますが、現在の場合にさつき局長のお話の中にもありましたように、本年度の出炭は五十二、三百万トンに相成るという御推定でありましたが、その五千二、三百万トンの生産の割合、中小炭鉱がどの程度持つておるかということをお聞きしたいのであります。
#81
○政府委員(佐久洋君) 今正確なる数字を持合せておりませんが、仮に五千四百万トン或いは五百万トン程度という金田の出炭として、いわゆる中小と言われる部門から出るのは一千二、三百万トンではないかと推定いたします。正確な牧字をちよつと今持合せておりませんので或いは若干違いがあるかも知れません。
#82
○小松正雄君 それから中小炭鉱というのは、全国内に何鉱あるのか伺いたい。
#83
○政府委員(佐久洋君) 企業体として七百くらいあるのじやないかと思いますがこれも必要があればもう少し正縦な数字を調査いたします。
#84
○小松正雄君 この七百の炭鉱の中に従業員はどのくらいおりますか。
#85
○政府委員(佐久洋君) ちよつと従業員の数は記憶しておりませんが、若し必要があればすぐ調査いたしておきます。
#86
○小松正雄君 必要でありますので一つ。今すぐその従業員の数は出せますか。
#87
○政府委員(佐久洋君) 私の今持つておる資料では正確にその数字が出ておりませんが二、三の資料から推定しまして、十三万人くらいのように思います。全体の労務者が三十六万人、その中の十三万人程度と思ます。
#88
○小松正雄君 この七百鉱の中で、私は福岡県の選出でありますが、福岡県を中心として九州での中小炭鉱というのは二百鉱近くあると思うのでありますが、この二百鉱近くある炭鉱が今日の石炭の過剰と言いますかのために、すでにもう事業を中止しておる炭鉱は百にも近いということを言われておるのであります。それの従業員数から比較しますと、二十万はいるだろうということであります。これらの人たちに対して労銀も払えない、税金も払えない、諸般の費用も払えないということから今日休鉱せしめざるを得ないという状況になつております今日におきまして、石炭局としてどういうふうにこのあり方を、要するに失業者を出さないで万全を期するという方法があるか、どういうふうに考えられておるかどうか伺いたい。
#89
○政府委員(佐久洋君) 相当この過剰貯炭が各企業に影響しておるということは私もよく承知しておりますし、それの対策について頭を痛めておりますが、この石炭の従来高炭価の面もありましたし、石炭問題は何といつても産業の基礎でありまして、需要者の数も非常に多い、それが又極めて安い石炭を要求しておるし、従来の石なかこの施策に頭を痛めるものであります。先ほどお答え申上げましたように、もう少し検討をいたした上で万全の策を講じたいと思う次第であります。
#90
○小松正雄君 いろいろ問い申上げたいと思いましたが、只今の一言で私も了承いたしますが、できますればそういつた切迫しておりまする今日でありまするので、石炭局長としてこの労働施策、要するに失業をさせなくて済ませるということについてのお考えが、次の委員会等において御説明というか御答弁のできるように捗つておつてもらいたい。そういうことに対しまして一言ここに加えてお願い申上げておきたいことは、すでにもうそういうふうにいたしまして廃坑をしておる、廃坑し、或いは廃坑するにつれて従業員各位に対しての労銀が払えないで、未払いになつておるといつたような状態のままに置かれておつて、これに従事しておりまするところの鉱員諸君は全く食うに困る情勢下に今追い込まれておりまするために、これらの炭鉱も丸裸で何もやつていないと思いまするので、鉱区を担保といたしますか、或いは機械器具を担保といたしますか、そういつたものを担保として、即ち政府のほうで先ず石炭局の考え方、斡旋によつて通産省、通産大臣のお考えの下によつて地方銀行等にその借出しのできるように、何とか善処せられるようにお願いを申上げまして、又の委員会で質問をいたしたいと思います。
#91
○豊田雅孝君 先ほど来同僚委員諸君から随分深刻なる御質問があつたのでありますが、この石炭問題は非常に重大な問題だと思いますので、事務当局を如何にこれ責めましても、なかなか解決のつかん点が多々あると思うのでありますが、次回の委員会には是非大臣に出席してもらいまして、大臣が省内でも十分に一つ意を尽された結果をお話し願うことにいたしたいと思います。希望を申述ぺておきます。
#92
○委員長(中川以良君) それでは石炭の問題は一応本日はこれで質疑を打切つておきまして、只今各委員より御指摘のあつたごとく、石炭事情は急変をいたしておりまして、今後これが施策は極めて重大でございますので、通産当局におかれてはどうぞ新大臣を中心に、一貫した施策をおまとめ頂きまして、次の委員会に一つ大臣よりこれらに関する御答弁を頂きまするようにお取計らいを願いたいと存じます。
 それから只今古池政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。
#93
○政府委員(古池信三君) この席を借りまして恐縮でございますが、一言御挨拶をさして頂きます。
 今回図らずも私、通商産業省の政務次官を拝命いたしました。御承知の通り誠に浅学非才の身でありまして、果してこの任務を全うし得るや否や、甚だ心配をいたしておるのでありますが、どうか皆様がたの一段の御支援、御助力を頂きまして、是非この任務を全うさして頂きたいと考えております。何分よろしくお願いいたします。
#94
○委員長(中川以良君) 次に電源開発の問題に関連をいたして、当局の所信を承わりたいと思います。
 電源開発につきましては、二十八年度の電源開発計画及び資金計画、補償要綱、重要開発工事の進捗状況等を調査をいたし事るいろいろな事項がたくさんあるのでございまするが、本日は時間の関係上、電源開発会社のセメント製造事業経営に関する件につきまして質疑をいたしたいと存じます。本件につきましては去る十五国会の末期におきまして数回に亙つて本委員会で調査をいたしたのでございまして更に緊急集会中に、三月の十九日に通産委員懇談会をいたしまして、その際通産当局の説明を聞いたのでございます。出席委員にて打合せの結果当時の小笠原通産大臣に対しまして、本件の取扱に関しては十分に慎重を期せられるよう懇願をいたしたのでございまして、これらの懸案事項が前国会より引続きございますので、かような経過に鑑みまして、本日は本件に関する通産当局のその後の経過並びに今後におきまするところの御施策等につきまして承わりたいと存じます。
 念のために本問題の概要を申上げますると、電源開発会社では天龍川の佐久間及び秋葉発電所工事に必要なセメント約五十三万トンを確保いたしまするために、磐城セメント会社と提携をいたしまして、浜松附近の金指という所にセメント工場を新たに設けてこれを所有いたし、両発電所の工事期間中は磐城セメントにこの工場を委託経営をさせまして、その製品を優先的に確保いたし、発電所工事完成後におきましては、同工場を原価にて磐城セメントに売戻すという計画を持つておるのでございます。開発会社の試算に、いわゆる計算によりますれば、この計画によりましてトン当り千百五十円安くつく所要のセメントが入手できるという予定であるのでございまするが、電源開発促進法案審議の経過等より見まして、電源開発会社がこのような附帯事業を行いますることが果して妥当なりや否やという問題が残されておるのでございます。こういうような点についていろいろと先国においても論議をせられて参つたのでございまして、認可権を有しておりまする通産省においても、これが調査をその後行なつておるものと存ずるのでございます。かような次第でございますので、この点政府側のその後における経過及び将来の施策等について、御報告を願いたいと存じます。
#95
○政府委員(中島征帆君) 只今委員長から概略の本件の経過につきましてお話がございましたが当時問題になりました事項といたしまして、電源開発会社がかような事業を附帯事業として営むことが適当であるかどうか、これが法律上許されるかどうかという点が問題になつたのでありますが、この点につきましては、当時大体現在の法律の解釈上、別に不適当ではない、当然こういうものを以て附帯事業として考えられるということを申上げておりますが、その点に関じましては、現在におきましても私どもの見解は変つておりません。
 それから本契約によりまして電源開発会社が国家的な資金を使う意味におきまして、何らか不当な損失を受けるということになりますと、これは問題でありますが、そういうことがあるかないかという点につきまして、十分検討を加えておりますが、現在の契約案の内容によりますというと、この建設費の一部を開発会社が補償することになつておりますが、その点を除きましては如何なる場合におきまして、もこのセメント工場を自営することによつて特に損失を受けるようなことにはなつておりません。従つてそういう意味におきましても、経済的に電源開発会社がこのセメント事業を自営するということは不利ではないというような判断を下しております。
 それからいま一つの問題は、この工場で作つたセメントがダムに向くかどうかという技術的な問題でありますが、この磐城セメントで現在もくろんでおります設備は、日本では割合に新らしい設備でありまして、レポル式と言つておりますが、レポル式の窯から出ましたセメントは、従来の経験によると、ダムには適しない、余り優秀なセメントではないという話もあつたわけであります。これにつきましては、一応当時もいろいろ各方面の意見を聞いておりましたが、大体心配がないというふうな考え方で、この前の委員会までは御説明申上げておりましたが、この点につきましてはなお研究の余地があるということで、その後国会閉会中におきましては、電源開発会社が主体となりまして、各学校の土木或いは化学、窯業の専門の教授のかたがた、或いは電気或いは土木の研究所の専門家等のおいでを願いまして、権威ある意見を交換いたしました報告が来ておりますが、その結果に上りますというと、このレポル式のセメントというのは、すでに海外では相当早くから発達して、その品質も保証されている。又価格も比較的低廉にできるような優位性があるというような御意見が強くありまして、この方式に上るためにダムに不向きなセメントができるということは全然考えられないということが、全般的な判断のようでございます。
 それからいま一つの問題は、果してこの工場からセメントを買わなければ、日本のセメントというものが不足するのであるかどうかという点でありますが、これは本来から行きまして、日本のセメントの供給能力というのは、全体のバランスをとつた場合に不足するということはこれは考えられない。ただ現在の状態におきましては、中京地区におきましては、比較的需要に対しまして工場が少いためにややもすれば品がすれの状況が起きる。これはすでに現在行われております丸山その他の大きなダムの建設工事の途上におきましても、ときどきセメント切れの問題が出て来ます。そういうふうな懸念がときどき起るわけであります。そういう意味におきまして、更に大がかりな佐久間ダムの工事を始めますというと、そこにもつと一層確実な供給源を確保したい、こういうことを開発会社で考えますのは当然でありまして、その、要求と、たまたまそこに起つておりました磐城セメントの工場建設計画の問題が合わさつて話合いになつたわけでございます。そこで一時的な品がすれと申しますか、そういうものにつきましては、将来その附近の工場におきましても、それぞれ増設計画等もございますので、これは適当な対策を講ずることによつてそういうふうな支障のないようにするということは、これは不可能ではないかと思います。併し近くに工場があれば、これはますます安全なわけでありまして、殊に輸送費も相当助かるという点も出て来ます。ところが輸送上に一つの問題がございまして、佐久間にダムを作ります場合には、相当遠距離から多量なセメントを運ばなければならない。最需要期におきましては一日九百トン余り運ぶことになつておるようでありますが、九百六十トン毎日輸送しなければならない、こういうことになります。そういたしますと、これが果して円滑に行くかどうかという点につきまして、これは開発会社のほうで最も懸念いたした点ではございますが、この点につきまして鉄道の当局に十分研究してもらつたのであります。そうしましたら、現在あの附近の東海道線は相当手一ぱいに働いておる。そこで若し佐久間ダムの建設が始まつてセメントをよそから運ぶということになるとかなりそこに無理が来る。第一に、例えば一番近い有力な工場であります三重県の藤原工場、小野田セメントの藤原工場でありますが、そこからセメントを運ぶということになりますと、豊橋で専用の列車はこれは編成できませんので、ほかの貨物と一緒に輸送して来まして、豊橋で編成替えをする、こういう手続になる。そうしますと、豊橋の現在の操車場が現在では手一ぱいでありますために、そういうような大量の貨車を操車いたしますためには、更に千坪足らずの操車場の拡張をしなければならない。ところがその附近はかなり密集した商店地帯でありまして拡張のための買収に非常にこれは手間がとれる。通常の例から言つて、操車場の拡張のために土地を買収する期間というものは、一年から一年半はかかる。恐らく普通に行けば、一年半はかかるであろう。如何に無理して急いでも一年は十分かかる、こういうふうな鉄道当局の話であります。又それに要する費用というものが二億ぐらいかかる。これは当然電源開発のほうに負担がかかるわけであります。そういう費用の点は別にいたしましても、仮に買収に一年かかるというと、これから早速始めましても来年の春を過ぎるということになるとセメントの最需要期の来年の春以後、夏にかかります、この時期に対しまして操車場が間に合わんということになりますと工事の進捗が相当心配になる、こういうような点がその後判明したわけであります。大体今日までの調査の結果はこの程度でございまして、新大臣就任以後極めて簡単に只今までの経過を申上げまして御報告申上げておきますが、この取扱につきましては、なおもう少し慎重に研究した上でやるというように大臣は申されております。事務当局として申上げる点はそれだけでございます。
#96
○小松正雄君 この磐城セメントを電源開発が附帯事業としてやるということについて、先国会、先委員会でいろいろ論議せられましたのでありますが、さつき委員長からその内容についての概略の御説明があつて、新たに出られた委員のかたがその通りだとお考えになつておることに対しまして、一言加えておきたいと思うのでありますが、それは今申上げましたように、国の金でやる電源開発、国の金を借りてやる電源開発会社が、磐城セメントというセメント会社は、すでに収支合わずにやめておつたというものを拾い上げて、殊更に二重政策で附帯事業としてやらなければならないということは、いろいろ何と言いますか、裏に問題があるのではないかということが第一の問題に相成つたと私は思うのでありますが、委員長、そうだつたと思いますね。
#97
○委員長(中川以良君) そういうような御議論もあつたように伺つております。
#98
○小松正雄君 そういうことからして、一応資料の提出をして頂きたいということを各委員から申出られて、その資料というものはできておりますか、どうですか、当局のほうへ一つ……。
#99
○委員長(中川以良君) 小松委員にちよつとお答え申し上げますが、実は私、当時大蔵委員長をしておりましたので、私自身はこの委員会におらなかつたのであります。今伺いますと、資料の要求は正式にはやつておらんようであります。
#100
○小松正雄君 幸いに次官も見えられておりまするが、次官も当時委員としてこの席におられて、そういうお話をお聞きになつて、要望せられたと私は考えますが、そのことについてまだ就任早々浅いために、事務当局者の間でそういうものができたかどうかということを聞く間もなかつたかも知れませんが、これは一つ是非その内容がどうであつたということだけは、ここに新たに来られたかたがたにも明らかにしておいて、そうしてこの磐城セメントを二重附帯事業としてこの電源開発会社がやらなければならないかどうかという点に触れて行くことが一番正しいのじやないか、かように考えまして、今申上げましたように、補足して、甚だなんでありますが申上げましたのでありますから、幸いにその資料ができておりますなら、次回の委員会にでも一つ出して頂きたい、かように思います。
 それから局長にお尋ねいたしますが、只今磐城セメントの会社でもすでに生産をやつておりますか。
#101
○政府委員(中島征帆君) まだ工場建設の準備工事をしておる程度でありまして機械の発注をいたしておりますがまだ全然できておりません。従つてまだ製品もできておりません。
#102
○小松正雄君 電源開発を一部でも速かに着手せられ、一日も皐く完成せられることを私どもは願つておるわけでありまして、それには最も基本的な基礎であるセメントというものが附帯事業としてなされるために、磐城セメントのセメント会社からできることが遅延する場合には、他の方面からでも購入してダムの建設にかかるというようなことに相成つておりますかどうか。
#103
○政府委員(中島征帆君) 現在の準備工事の程度のセメントはこれは大した数量でございませんので、この程度のものであれば、どこからで本買えますし、又そういう手配をいたしております。ただ本格的な工事が始まります場合には先ほど申上げましたように心配の点が出て来ると思います。
#104
○小松正雄君 その磐城セメント会社の生産品がいよいよできて来るというときはいつ頃と考えられておりますか。
#105
○政府委員(中島征帆君) もう早速とりかかりまして来年の三月までというもくろみで進めております。併し今度の附帯事業の決定が遅れますとそれに関連してやはり着手が、多少意気沮喪ということも起り得ますので完成が延びることも考えられます。
#106
○小松正雄君 その磐城セメントの会社のすべてができ上つてしまいました場合に、一カ月の生産量というものはどのくらいですか。
#107
○政府委員(中島征帆君) これは設備能力といたしまして二万二千トンであります。
#108
○小松正雄君 ひと月……。
#109
○政府委員(中島征帆君) ひと月で
#110
○小松正雄君 そうしますと天龍川のダムの建設に関しまする一カ月の使用量はどのくらいと思われておりますか。
#111
○政府委員(中島征帆君) 二年半に五十三万トン使う、これがトータルでありまして、ピークのときには先ほど申上げましたように一日に九百七十トン、従つて月には三万トン近くになります。
#112
○小松正雄君 それから天龍川の佐久間に続いてその他の電源開発が開始せられるのか、一応天龍川のダムができた後に着手するのでありますか、期間はずれても天龍のダムができ上らないうちに着手するということに相成るのでありますか。
#113
○政府委員(中島征帆君) 只今の御質問は佐久間以外の秋葉のことでございますか。
#114
○小松正雄君 天龍のダムができ上がらないうちに次のものもやつて行くかということです。
#115
○政府委員(中島征帆君) 次のほうと申しますと、同じ天龍川の、同じ川筋の秋葉ダムのことでさいますか、それともそれ以外の開発地点のことでございますか。
#116
○小松正雄君 それに附随した、附随したと申しますと何でありますが、私の問わんとするのはそれでは申上げますが、天龍で使う量がどのくらい、それから又天龍のダムのみに使うための磐城セメントの工場でなく、電源開発会社がやろうとするその他のダム建設にこの磐城セメントの工場から使用するのであるかということを問うために今お尋ねしたわけであります。その数量がどのくらいになるか。
#117
○政府委員(中島征帆君) 只今のところは電源開発会社は天龍、秋葉のダムにこのセメント工場を使用いたしまして、ここの工事が完了いたしましたらこれを磐城に売戻す、仮にほかの地点で又大きな工事が始まりまして、又同じような構想が実現する場合には、又改めて個々の相手のところとこういう話を進めるということになるかと思います。
#118
○小松正雄君 そうすると、この天龍ダムの完成までこの磐城セメントから取つて使用して、終つたらぱ磐城に返すということに考えておつていいわけですね。
#119
○政府委員(中島征帆君) 契約上そうなつております。
#120
○政府委員(古池信三君) 先ほど小松委員からお話のありました点につきまして、私の考えを申上げたいと存じますが丁度前回当委員会におきましてこの問題の、審議の際に、私も委員として関係を持つたのであります。その際に資料の要求を、書面を以てしたかどうかははつきり記憶はございませんけれども、ともかくこの電源開発会社がセメントの工場を兼営するという問題につきましては、いろいろ皆さんの御質問もあつたことでありまするから飽くまでこの問題ははつきりいたしまして、委員各位の十分御了解を得た上で実行するようにいたすべきである、かように私は考えております。従いまして今後省内におきましても十分に検討を加えまして、更に必要なる資料を口頭なり或いは書面なりを以て皆さんに御提出をして、十分に御審議をお願いしたいと考えておりますから、さように御了承をお願いいたします。
#121
○三輪貞治君 内容についてはいろいろ意見なり聞きたいことがありますが、初めに一体今お伺いしますと、大体事務当局では確信を持つておられるように各条項についてお伺いします。併しながらなお詳細につて又検討するというようなことですが、そういつたような、今からお始めになつても工事の最盛期は来年の春までしかない。それにまだもたもたしておる。そうなりますと、真に検討したり何かする期間が相当あるとお考えになつておるのですか、一体いつ頃に結論を出して行こうとされておるのか、その点先ず初めにお聞きしたい。
#122
○政府委員(中島征帆君) これは我々としてはできるだけ早くきめて頂きたいので、上司にもそういうふうにお願いしておるわけであります。
#123
○藤田進君 電源開発会社の生い立ち等の経緯に徴しまして、私どもはかなりの疑問を持つているものでありまして、先般来御調査になりました十五国会以来の記録も現在検討しつつある状況でありまして、直ちに私どもの意見をここに申上げる段階ではありません。併しいろいろ調査を進めて行くについては、単なる御説明たけでは却つて疑問が多くなるだけでありまして例えば本日の局長の説明によると私の聞き違いかもわからないが、五十三一万トンの使用セメント量に対して、ピーク時一カ月が三万トン使うと言いましたか、というような点等についても、一体ダムの大きさなり、そういつたおよその、デテールがわからなと、ここで果してそうかどうかの判断もつきません。更に磐城セメント会社の問題に関連しているけれども、他にも相当疑問の点もありますので、逐次早急に資料を整えて頂きたいと思うのです。それは直接磐城セメントに関連する問題について従来の速記録を見ますと、進藤副総裁というようなかたがたか資料を別途に出しますというようなとろが非常に多」いのです。多いのだが、私どもは新らしく出て来たものでありましてもらつておりません。従いましてこういうものを逐次一つ整えて出して頂きたいと思うのです。それからできれば佐久間等工事の規模等のわかるトータルビユーでもいいですね、何かあるはずです。そういつたものを頂きたいと思います。
#124
○政府委員(中島征帆君) 只今各委員からお話がありましたような資料はもうできておりまして、あと印刷さえすればよろしうございますから、次の委員会までに提出いたしたいと思います。
#125
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。……御質疑もないようでございますが、本日はそれでは本問題に対しまする質疑は一応打切つておきたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(中川以良君) それでは次回までに一つ資料をお整え頂きまして御説明を願います。
 それから次の中小企業に対する問題が残つておるのでございますが、本日はもう時間も余りございませんので次回に譲りたいと思いますがよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(中川以良君) それではさようにいたします。
  ―――――――――――――
#128
○委員長(中川以良君) それでは最後にお諮りを申上げたいのでございますが、先ほど中小企業に関する小委員会を設けることに決定をいたしまして、委員は十名といたしたのでございますが、その後御希望のかた等もございましたので、二名殖やしまして、委員を十二名にいたすことに決定をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。つきましては委員の御指名に関しましては前例によつて委員長に御一任願いたいと思いますが、お差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。つきましては海野三朗君と松平勇雄君の御両名を御指名申上げます。それでは本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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