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1953/06/29 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第7号
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1953/06/29 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 通商産業委員会 第7号

#1
第016回国会 通商産業委員会 第7号
昭和二十八年六月二十九日(月曜日)
   午後一時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           小松 正雄君
   委員
           石原幹市郎君
           黒川 武雄君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           松平 勇雄君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           海野 三朗君
           藤田  進君
           白川 一雄君
  政府委員
   中小企業庁振興
   部長      石井由太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  参考人
   日本中小企業団
  体連盟常任理事  武山 光信君
   東京商工会議所
   理事中小企業委
   員長      五藤 齊三君
   全国地方銀行協
   会会長     亀山  甚君
   商工組合中央金
   庫理事     門司 正信君
   国民金融公庫総
   裁       櫛田 光男君
   全国信用金庫協
   会常務理事   安武 善藏君
   全国相互銀行協
   会常務理事   島崎 政勇君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○参考人の出頭に関する件
○中小企業金融公庫法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。最初にお諮りをいたしたいことがございます。それは目下当委員会において審議中の鉱業法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、鉱業権と文化財保護法との調整問題が先般来論議をされておりますことは御承知の通りでございます。これにつきましては、実は去る金曜日にこの問題を審議いたしまするはずでございましたところ、本会議の都合で流会となりましたので、本問題は次回水曜日に取上げたいと存じております。つきましては、これに関連いたしまして、業界の代表者として事情をよく知得をいたしておりまする石灰石鉱業協会会長芳賀茂内君を参考人といたしまして招致いたしたいと存じております。参考人として同君を呼びますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中川以良君) それではさように取計らうことに決定いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(中川以良君) 本日は最初に中小企業金融公庫法案につきまして政府側の内容説明を聴取いたします。
#5
○政府委員(石井由太郎君) 中小企業金融公庫法の提案趣旨その他につきましては、提案理由におきまして御説明申上げた通りでございますが、なお若干補足をいたしまして内容につき御説明申上げたいと思います。
 中小企業の安定と振興を図りまするためには、いろいろな施策が各方面から行われなければならんと考えるのでございます。先ず第一に中小企業者みずからがその経営を改善し、合理化し、よつて以て、この激しい競争場裡に自立し得るという態勢を整えることが最も肝要でございまして、この点につきましては企業者みずからの創意と努力とを促しますると同時に、むしろ企業合理化促進法によりまして、政府並びに地方機関みずから企業の合理化のための診断制度を普及いたしまして、これによつて中小企業の、通弊とされておりまする諸点を改善し、その将来経営上向うべき方向を指示し勧告するという制度をとつております。又中小企業者自身に対しまして、その共同の力で或いは大きな経営からの圧力に対抗し、或いは中小企業者みずから一人では行い得ない事業に新生面を開拓し乃至経済界の変動に対応いたしましてその抵抗力を強化組織化するということの方途も、協同組合法を中心といたしまして大いに推進をいたしておるところございます。同時にこれらの協同組合を育成いたしまして、その仕事を真に経済性のある合理的なものたらしめるためには、いろいろな共同施設の助成金を交付する等の方途を講じ、乃至商工組合中央金庫を通ずる融資の円滑化等を図つておるのでございます。なお最近の傾向でございまする不況の深刻化に対処いたしまして、中小企業者みずからが、或いは原料高の克服のために、或いは過当競争の回避のために共同するための中小企業安定法の円滑なる運用ということも考えられておるわけでございます。
 以上いろいろな施策がいろいろな方面から重合的に行われておるのでございまするけれども、中小企業者をいたしましてその経済活動を円滑ならしめるためにはその不足勝ちな資本を補充すること、即ち資本的に中小企業者を強化するための国家の助或施設が必要なわけでございまして、これがためには中小企業の金融、これを特に円滑にする必要上或いは中小企業信用保険制度乃至は中小企業に対する信用保証協会制度の活用というようなことが、国民金融公庫の活動でございますとか、信用銀行、相互銀行の強化といつたような金融上の諸施策と共に行われているわけでございまして、併しながら中小企業者をしてその必要といたしまする長期の資金を通常の金融機関から調達させまして、過不足なき運用をやらせるということになりますと、現在の金融制度上いわゆる市中金融に頼つてばかりおりましたのではなかなか円滑に参らないのであります。それは各種の金融機関が、商工中金でございますとか、長期信用銀行でございますとかいうような債券発行銀行を別といたしますれば、大部分が短期の預金に資金源を仰いでいるわけでございまして、これらの資金源を以ちまして中小企業者に、特に経済界の変動を受けやすい中小企業者に長期の資金供給をいたさせますことはとかくに支障が多いのでございまして、これを何らかの形で補充し、補完してやる必要があると政府としても考えるわけでございます。このような見地から、曾つての復興金融金庫におきまして、中小企業のための特別の枠を設定して融資を行いましたことは御承知の通りでございます。又見返資金の特別会計におきましても国家枢要の産業に対しまして集中的、重点的融資を行いますと同時に、中小企業に対しましては特に重要産業の関連産業、或いは輸出産業或いは重要な民生物資の生産業、こういつた面の設備貧金を中心といたしました政府特別会計からの直接貸等の方策を講じて参つたのであります。更には昨年私以来日本開発銀行におきまして、それまで日本銀行の扱いで行われておりました見返資金の中小企業者向け融資の業務を引継ぎまして、暫定的に開発銀行から市中の金融機関の機能に乗せまして、中小企業のための特殊の長期資金を出すという制度が行われておつたわけでございます。併しながら開発銀行によりまするこれらの業務は飽くまで暫定的措置として行われたのでありまして、近き将来におきまして中小企業に長期安定いたしました資金、殊にその財源を財政資金に仰ぎました資金を流しまして、機構の確立に待つというような態勢にあつたのでございまするが、たまたま昨年年末に衆参両院におきまして財政資金を中小企業に流し得るための適当な機構を講ずるようにという御決議がございましたので、予算折衝の過程その他種々の経緯を経ました結果、中小企業金融公庫の設置となつたわけでございます。
 法案の内容につきましては、お手許に配付してございまする中小企業金融公庫設置要綱を中心といたしまして御説明申上げるのが便宜かと思うのでございます。
 先ず中小企業金融公庫の目的は、「中小企業者の行う事業の振興に必要な長期資金であつて、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的」といたします。即ちこの公庫は長期資金を供給する金融機関であるということが一つ。第二は一般金融機関の融通が或いは期間の点で、或いは使途の点で、或いはその事業に対する経済界の変動の見通し等の点で一般金融機関の融資に乗りがたいという事業なるものにつきまして通常の金融機関との競合を避けようといたしているのでございます。
 次に公庫の融資対象となります中小企業者の範囲でございます。中小企業者の範囲は従来いろいろな法律でございますとか、制度によつてややまちまちであつたのでございます。或る場合には従業員二百人以下を抱えておりまする事業者を中小企業者と、或いは五百万円の資本金であるとか、或る場合には一千万円、いろいろな制度の目的によりまして出入りがあつたのでございまするが、今回は中小企業者の範囲を次の四種類にいたしましてその範囲をやや従来より拡張いたしたのでございまするが、即ち第一に「資本の額又は出資の総額が一千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて、政令で定める業種に属する事業を行うもの」という概念でございます。但し商業その他サービス業を主たる事業といたしまする事業者につきましては使用人の数を三十人とし、鉱業を主たる事業とする事業者については千人といたしたのでございます。従来従業員の数二百人程度で押えるという概念があつたのでございまするけれども、現に開発銀行の融資等は三百人までの従業者を擁する業者を中小企業者として認めておりまする等の関係も考慮いたしまして、現在行われておりまする制度の中で、最も円滑に行くであろうという線を押えまして、これらの規模を確定いたしたのでございまするが、なお鉱業を主たる事業とする事業者については従業者千人といたしたのでありまするが、鉱業は御承知のように、原始産業でございまして、インダストリー、或いは商業と比べますと或いは事業の売上げ或いは設備の投入高等に比べまして、どういたしましても雇用人員が多くなるのでございます。一般的業界の通念といたしまして、大体千人以下の鉱業事業者というものは中小企業という通念であるという見解に従い、かたがた曾つて今までの中小企業等協同組合法におきましても、三百人以下の業者でありませんと協同組合が組織できないのでございまするけれども、公正取引委員会の承認を受けますれば、それを超える従業員を包容いたしていましても、特に協同組合を組織できると相成つておのるでございまするが、それからの事例を調べましても、或いは五百人、或いは九百数十人といつた程度までが中小の鉱業者という見地から特に承認されている事例等もございまするので、このような取扱といたす考えでございます。第二には中小企業に関連いたしておりまする各種の組合でございます。中小企業等協同組合、農業協同組合、農業協同組合の連合会、或いは水産業協同組合、森林組合、森林組合連合会等でありまして、第一に掲げました中小企業と同じような事業を営むものもこの範囲に加えたのであります。農業や森林業、水産業等の事業をこれに加えましたことは、一見いたしまして或いは農林漁業金融公庫の仕事との重合を生ずる虞れがあるような感じを持たせるのでございまするが、狙いといたしておりまするところは、これらの協同組合が現に行なつておりまするのは一般の製造業であるという事例が多いのでございまして、これらの事例を取上げまして中小企業金融公庫の融資対象といたそうと考えている次第でございます。第三の範疇は医業でございます。お医者さんの仕事が、いわゆる中小企業といつたような概念で把握できるものかは今いろいろと論議のあるところと存ずるのでございまするが、現に中小企業信用保険制度におきましても、お医者さんに対しまする融資を信用保険の対象として取上げておりまする等の事情もございまして、比較的小規模な医業、医療事業をこれらの対象として取上げようといたしておるわけでございます。第四の範疇は調整組合及び調整組合連合会でございます。調整組合と申しまするのは、先ほどもちよつと触れました中小企業安定法に基きまして中小の事業者が主として生産の制限調節等を行いまする目的で組織いたしまする組合でございます。いわば小規模なカルテルでございまして、その主たる仕事は、組合員たる中小企業者の生産事業、経済事業に対する意思的規律を行うことが中小でございまして、経済事業はその対象と相成つておらないのでございますが、ただ金融の仕事だけは行い得るように相成つておるのでございます。これはときによりましては調整組合におきまして組合員の調整活動に必要な資金の融通をいたす等の必要から設けられておる規定でございまするので、これらの活動に附随して資金が必要である場合も予想してこれを加えた次第でございます。
 第三には、中小企業金融公庫は、他の公庫におけると同じようにこれを法人といたします。
 第四は資本でございまするが、資本は一般会計からの出資百億と、後に述べます産業投資特別会計から出資があつたものとされますいわゆる法定出資額との合計と相成るのでございます。公庫の資本金をできる限り多くし、その運用資金をできるだけ多くしたいということは我々の念願であつたのでございまするが、財政上のいろいろな睨み合から結論的に百億ということに相成つた次第でございます。
 役職員といたしましては、総裁一人、理事四人以内、監事二人以内を置くということにいたしまして、役員の任期は一般公庫におけると同じように四年ということに考えこおるのでございます。公庫の役員及び職員は刑法その他の罰則の適用ではこれを公務員とみなしまして、業務の公正を期したいと考えておる次第ございます。なお公庫の職員は出発の当初におきましては五十人程度の極めて簡素な組織を以てスタートいたしたいと考えておる次第でございます。
 公庫の業務でございまするが、公庫は中小企業者に対しまして安定しました資金を流すという第一条の目的を達するために、中小企業者に貸付の仕事を行う。保証とか或いは手形の割引でございますとかいうような仕事は公庫の業務の内容といたさないのでございまして、専ら貸付のみを行うことと考えておるのでございます。貸付の条件は、これは公庫が創立いたされますると、公庫みずからが業務方法書に規定いたしまして主務大臣の認可を受けることになつておるのでございまするが、現在大体次のような方式を以て貸付ける予定でございます。設備資金及び長期の運転資金、設備資金と申しますればこれは一般的に長期資金になりますことは御承知の通りであります。又運転資金に対しまして国家乃至は政府機関が補充的金融をやる必要も極めて少いのでございまするが、或いは設備の増設等からみ合つて必要といたしまする長期の運転資金乃至は積極的に苦難を打開いたします或いは合理化いたします等のために必要な長期の運転資金をば公庫から貸出させようと考えておる次第でございます。貸付金額は、一企業者当り累計一千万円までと考えておりまするが、中小企業等協同組合又は調整組合若しくは調整組合連合会等のいわゆる合同体にありましては三千万円までを貸付限度といたします。この貸付限度一千万円という点につきましては、やや多きに過ぎるのではないかというような御議論もよく伺うところでございます。従来見返資金特別会計の資金を日本銀行の窓を通じまして中小企業に放出いたしておりました時代は、これが五百万円あつたのでございます。又現行の中小企業信用保険法におきまして、規定いたしておりまする一件の貸付限度も五百万円ということに相成つておるのでございまして、或いは従来の常識から考えまするとその程度の資金量が中小企業のために必要な最高限度ではないかとも考えれるのでございまするが、実は開発銀行に対しまして私ども中小企業行政を担当いたしておりまする見地から申しましても、五百万円までの限度では足りない場合が相当あるのであります。それはお手許に曾つて配付いたしました中小企業関係統計資料によつて御覧を願えばおわかりになると存ずるのでありまするが、各種中小企業者の業態を調べまして、いろいろと設備の更新等やらねばならぬ幾つかの設備類があるのでございます。併し、これを調べて見ますると、一件の金額が或いは六百万円或いは八百万円或いは一千万円程度のものでございまして、これを指導診断の結果等から考えまして設備いたさせませんとなかなかに中小企業が合理化されんという場合も多くありまする事実に鑑みまして、現在開発銀行におきまして一千万円までの融資を中小企業向けにいたしておるのでございまするが、今後も大体従来通り五百万円見当を中心的な狙いといたしまするが、或いは後に申上げまする金融機関に専決的な貸付代理をいたさせます時分などには勿論五百万円までといたして、特に只今申上げましたような或いは非常に合理化に役立つ機械を据付けるといつたような場合に限つて一千万円までの貸出を認める等の方法を講じまして、限度といたしましては一千万円と相成つておりまして、事実は成るべくこの限られました資金量が広汎な中小企業層に向つて流入し得ますような措置を講じたく考えておるような次第であります。利率は、現在開発銀行の行つておりまする貸付の利率の基準と同じく一割ということを一応の目途といたしておりますが、勿論金利情勢等が変動いたして参りますればそのときの利率によることと相成るわけでございます。償還期限は、一年以上五年以内、特に必要のありまする場合には五年以上の資金の貸付も認める考えでございます。一年以下の資金につきましては、これは政府の補完的な金融をいたしまする対象といたしましてはやや補完的金融をいたしまするほどの必要のない資金ではなかろうかという考えの下に、大体中期以下、長期資金という常識から考えまして、一年以上のものに限つた次第でございます。なお設備資金等でございますると、据付運転等のために相当の据置期間を認めてやる必要がございまするので、一年以内の据置を認めることと考えておるのであります。担保は、これら信用業務の性質上原則として不動産殊に当該でき上り設備といつたようなものを担保として徴収いたしまするが、或いは運転資金融等でどうしても担保が出せないというような場合には保証人を以て担保に代えることもできるような業務扱いといたしたい考えでございます。
 公庫の業務は、大部分を原則といたしまして金融機関に対しまして委託して運用させる考えなのでございます。即ち只今申上げましたように公庫の機構は極めて簡素なものでございまして、みずから支店、支所等を設けまして直接に中小企業者と貸付の業務をいたすということになりますると、厖大な陣容が必要でございまするのみならず、新らしい仕事でございまするから、その活動が滑り出すまでに大分の時間がかかるようでございまするので、各種の金融機関と中小企業者との従前の取引関係等に基きまして、ただ資金の使途や或いは資金の償還期限や、その他の関係から財政資金を投入するにふさわしいといつた用途をそれぞれの金融機関に選んで頂きまして運用してもらう考えでございます。
 受託金融機関に対する受託方法は全部専決代理の方式と一部代理の方式とを考えておるのでございます。専決代理の方式と申しまするのは借入の申込の受理から貸付の決定、担保の条件、償還期限その他すべてを金融機関に専決させる方式でございます。この場合におきましてはおおむね元利金の八割につきまして当該金融機関に責任を持つてもらうようにいたしたいと考えておるのでございます。又一部受託方式と申しまするのは、貸付についての申込の受理、審査、そのような一部を金融機関に委託いたしまして、最終的な貸付の決定は公庫みずからが行うという方法でございまするが、この場合におきましても各金融機関において責任ある業務をとつて頂きますために貸付元利金の三割程度について金融機関の元利支払の保証をとるという扱いといたしたい考えでございます。
 第八は公庫の会計でございまするが、これは公庫の予算及び決算に関する法律の定めるところによりまして、おおむね国の会計に準じました処理をいたし、勿論予算は国会に提出いたしまして議決を仰ぐという考え方でございます。公庫に対しましては、公庫はなお主務大臣の認可を受け、予算の定めるところに従いまして政府資金の借入が行い得るということにいたしてございます。公庫の資金源といたしましては一般会計からの出資に多く頼るということが或いはその資金コストを低下させる意味で非常に望ましいのでございまするけれども、これだけに頼つておりましたのでは財政上の規模等の必要から十分なる資金を確保できないという場合もございまするので、或いは資金運用部或いはその他の会計から借入ができるようにした考えがこの第九の借入金の条章でございます。なおこれら借入金に対しましては一般の場合と異なりまする関係もございますので、利息につきまして加減、或いは利息の減免といつたようなこともでき得ることといたしたのでございます。
 なお公庫は一〇〇%政府関係機関でございますので、国庫以外の或いは日本銀行に頼り或いは市中金融機関等から借入をいたすことはこれを禁じようと考えておる次第でございます。
 なお次は開発銀行からの債権の承継でありますが、従来復興金融金庫、見返資金特別会計等の行なつておりました債権はすべて現在開発銀行に一応引継がれまして同銀行の処理するところとなつておるのでありまするが、これらはすべてこれを公庫に集中いたしまして、今後は公庫においてこれを管理し、その回収金は貸付の資金源に加えて参るという考え方なのであります。この点につきましては過去の国会特に当通産委員会においてもこれらを集中的に利用するようにという御意見も出ておつたところでありまして、その御意見に副い得たかと考えておるのであります。引継の債権の種類は、第一は、開発銀行が見返資金特別会計から承継した中小企業者に対する貸付に係る債権でございます。お手許に一枚紙の資料がお配りしてありますが、これを御覧願えばわかりやすいかと存ずるのでありますが、中小企業者に政府関係機関から貸出されました資金は三通りあるわけであります。第一番が見返資金特別会計日銀扱というのがございます。これから中小企業者に出たもの、第二は復興金融金庫から中小企業者に出たもの、第三が3とあります中小企業見返資金から出たもの、この三通りでございます。この三通りの債権が、現在では復興金融金庫の分は開発銀行が引継ぎ、又見返資金特別会計から日銀扱を以て中小企業者に出ておるものも開発銀行に引継がれておるのでありますが、これらを中小企業金融公庫に引継替えいたしまして、中小企業金融公庫から中小企業者に貸付けたこととして、将来整理して参るというのが第十に書いてございます承継の規定でございます。開発銀行が見返資金特別会計から承継した中小企業者に対する貸付に係る債権というのは1でございます。開発銀行が復興金融金庫から承継した中小企業者に対する貸付に係る債権と書いてございますのが2という債権でございまして、開発銀行が小企業者に対して行なつた貸付に係る債権と書いてございますのが、丁度真中のところにある3でございます。これらを引継ぐことといたしまして、そうしてこれら引継債権のうち第一号の債権即ち見返資金特別会計から中小企業者に出しておりました資金に相当する額は、産業投資特別会計を通じて引継がれまして、中小企業金融公庫への出資として扱い、その他の債権は開発銀行から公庫が借りたものとして扱うということにいたしたのであります。見返資す特別会計の中小企業者に対する貸付金は産業投資特別会計に引継がれまして、産業投資特別会計から中小企業金融公庫に出資、いわゆる債権出資の形で引継がれるという関係にいたしましたのが、冒頭に申上げました資本金のところでありますが、「産業投資特別会計から出資があつたものとされた金額との合計額」云々という条章に該当する規定でございます。なお開発銀行が本年四月一日から公庫成立の日までこれは中小企業者向けの貸付をいたしておりますが、この貸付債権は、公庫みずからが現金を以て買取る、債権を承継いたしまするが、無償ではございませんで、有償の現金払の承継ということに考えておるのであります。
 次は商工組合中央金庫との関係でございますが、公庫の出資に振り替えられた一般会計からの商工中金に対する貸付金二十億円は、公庫の成立の日から二年以内で政令の定める期間公庫から商工中金へ貸付けたものとすること、昨年の十二月に商工中金に対しまして一般会計から二十億円の資金の貸付を行なつておるのでございまするが、この三十億円の債権も、公庫の資本金にいたすという考えで、これは一般会計から商工中金に出資されることに相成るわけであります。従いまして公庫と商工中金との貸借関係を明らかにいたす関係がございますので、この条章を設けた次第でございます。この公庫の監督は、通産、大蔵両大臣に帰属するという主管を明らかにいたしておきたいと考える次第でございます。
 以上が大体の要綱でございますが、予算的な出資につきましては、一般会計予算書の第三百五十頁、大蔵省所管の中小企業金融公庫の項に、中小企業金融公庫出資に必要な資金として八十億円を計上してございます。なお公庫自身の歳入歳出は政府関係機関予算といたしまして本国会において御承認を頂くことに相成つておるのでございまするが、その予算総則第三十条におきまして、中小企業金融公庫は、先ほど申上げました借入金のなし得る限度を二十億円というように定めてあるのでございます。従いまして一般会計からの出資二十億円、並びにこの予算総則三十条によりまして行います借入金二十億円、合せて百二十億円が公庫を運用いたしまする資金の一応の量でございまして、なお先ほど申上げました開発銀行からの引継債権の承継額、こういつたものが、回収金等が公庫の運用資金源と相成るわけでございます。収入支出につきましては政府関係機関予算書百七十五頁以下が公庫の予算を規定いたしてございまするが、これによりますれば事業益金収入五億九千四百余万円、支出合計三億六千一百余万円ということに相成つておりまして、その差額が国庫に納入されるということに相成つておるわけでございます。なお開発銀行の業務を引継ぎますると、これに伴いまして或いは業務管理のための経費と、人員等を要するわけでございまするが、その点は政府関係機関予算の総則第三十五条におきましていわゆる弾力条項を設けて支出の増額分は収入の増額で賄つてよろしいということについても併せて御承認を頂く予定と相成つておるのでございます。なおこれに関連いたしまして御参照を願いまする条文といたしましては、大きなものといたしましては、民法の法人の不法行為についての関係条章及び公庫の予算及び決算に関する法律が主たるものでございまするが、添附の資料により御覧を願いたいと思います。なお従来の中小企業向けの政府関係機関等の融資の概況、その他につきましては配付申上げました横書の長い資料がございまするが、これによりまして従来各種の金融機関が中小企業者にどのような資金を流しておるかという程度乃至は復興金融公庫関係乃至は見返資金特別会計の関係、開発銀行の中小企業者向け融資等町の概況を明らかにいたしたつもりでございまするが、御審議の御参考にして頂きたいと思う次第でございます。
#6
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは政府側に対しまする質疑は次回にいたしまして、今日は参考人においで頂いておりますので、引続き参考人の御意見を承わることにいたします。
 参考人のかたに申上げますが、本日は御多用中のところをわざわざお出ましを頂きまして、誠に有難う存じました。御承知のごとく只今中小企業金融公庫法案に対しまして、本委員会におきまして慎重に審議をいたそうといたしております。つきましては、我々長い間考えておりました中小企業の金融を円滑ならしむるために法案ができましたので、これが実施に当りましては是非とも中小企業関係の人々の期待に副うようなものにいたして行きたいと考えておりますので、この法案に対しまする産業団体並びに金融業者方のいろいろ御意見、殊に実際の場面におきまするところ御注意等、又これに関連いたしまするいろいろな御指摘の点等を腹蔵なく承わりまして、私どもが本法案審議の下の尊き参考といたしたいと存じております。つきましてはどうぞ腹蔵なく十分に御意見をお述べ頂きたいと思います。ただ本日は遺憾ながら時間が十分ございませんので、お一人大体十分ぐらいの御予定を以てお述べを頂きたいと存じます。
 それでは先ず最初に日本中小企業団体連盟常任理事武山光信君にお願いいたします。
#7
○参考人(武山光信君) この法案の実施に当りましては、すでにこれまでいろいろ検討協議をされまして、現在ではこれのできました暁の運用上の問題が二、三あると思つているのであります。
 その第一の問題としましては、中小企業の協同組合化、これの運用に当りまして、組合化が阻害されないような方法をとつて頂きたい。こういうことは具体的に申上げますと、商工中金が現在協同組合金融を行なつておりますが、これは単位企業に対する貸出もございますので、それと組合の金融というものがどういう工合にお互いに影響を受け合うか、こういう問題で、その点を心配しているのでございます。でありまするから協同組合化が阻害されないように、これの運営に当りましては特に御注意をして頂きたい、こういうことを一つ申上げたわけであります。
 それから第二の問題としましては、利息が商工中金の場合は現在約一割三分程度になつておりますが、この点公庫を通じて見ますと一割ということになりますが、ここに又一つ差額ができますので、考えようによりましては、一つは低くなるのだからいいではないかということにもなりますが、業界としましてはやはり商工中金の一割三分を一割になるように、低利の資金を商工中金のほうへ流すように御考慮願いたい、こういうことを特に希望しております。この点も一つ併せてお考え願いたいと、こういう工合に考えております。
 それからもう一つ、第三としましては、中小企業の中でも比較的大きな企業に流れるのではないかということを心配する向きも相当にございますが、この点も特に御注意の上中小を問わず公平に流して頂きたい、こういうことを業界でも非常に希望しておりますから、その点も一つお願いいたします。大体私から特に希望を申上げるのはその程度でございます。
#8
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それでは次は東京商工会議所理事中小企業委員長五藤齊三君にお願いいたします。
#9
○参考人(五藤齊三君) 中小企業界の金融の梗塞の様相は、過去数年に亘りまして各方面で大変問題になつたのでありますが、殊に最近におきましての国際情勢の変化から一般産業界の景気が後退いたしまして、御承知の通り過日来不渡手形の問題が大きく現われて参りましたのでありますが、少し前まではその不渡手形は大部分中小企業のものである、こういうふうに見られております。中小企業の金詰りの深刻さを端的にその面からも現わしておつたと思うのでありますが、最近に至りましては、御承知のように大企業の中からも続々不渡手形が出るというような深刻な経済の行詰り状態が見られるようになつたのでありまして、従つてこれらが更にそれに関連をいたしまする中小企業界に対する金融の圧迫となつて現われておることは申すまでもない次第でありまして、全く中小企業界の金融問題としては容易ならん時期にあると考える次第であります。でその時に当りまして政府が本公庫案を御提出になつて、近くこれが運用に入られるということは非常に意義深いものがあると私ども大変賛意を表する次第であります。で、先ほど政府委員からも御説明がありましたように、従来の中小企業金融の諸施策に更に補完的な意味を持たしてこの公庫の出現が見られるにいうところに特に私は深い意義があると考えるのであります。で、中小企業の金融に関しましてはその量におきましては一般市中銀行、地方銀行の役割が非常に大きく働いておりますることは、これ隠れなき事実でありまするけれども、この市中銀行、地行銀行の特性からいたしまして、どうも中小企業に十分なる面倒を見てもらえない事情である、これ又隠れなき事実でありまして、皆様御承知の通りでありまするが、それは要するに市中銀行の資金と申しまするものは、どうしてもその短期の商業手形を偏重して運用しなければならんという性格上の点がありまするのでありますから、中小企業界におきましての特性といたしまして商業手形の準備にいうものが比較的少い。特に零細企業の中では殆んど期待できないというようなことから中小企業金融を市中銀行が担任をするということは全般的には非常に困難であるのでありまするから、中小企業者の不満が市中銀行、地行銀行に対しては相当に高まつておるわけでありまするが、そういう観点からこれらの既存の普通銀行は何と申しましましても大企業金融に偏重せざるを得ない実情であると思うのでございます。そういう観点に立ちまして現下の一般産業金融の大勢を観察いたして見ますというと、大企業に対する金融措置としてのいろいろの機関は日本興業銀行、或いは輸出入銀行、開発銀行、長期信用銀行等いろいろの銀行が政策的にも次々に設立をせられまして、その分野に応じて大企業の今後の育成の金融努力が払われておりますると思うのでありまするが、又中小企業に対しましても商工中金か系統機関としての重大な役割を果しておられますと共に、無尽会社と申しまする名前によつて四十年前に誕生をいたしました庶民金融機関も今日は四十年の歴史と共に育つて参りまして、相互銀行という形において中小金融の上に一つの重点を持つようになつたと思うわけでありまして、そうして信用金庫及び組合におきましても、大体これは相互金融の概念から出発をいたしましたけれども、発達をいたしました信用金庫となりましたものは、今日では中小企業の一般金融機関となつて育つておると思うのであります。そのほかに国民金融公庫におきましても大体は社会政策的な庶民の金融を掌る機関として生れたと思うのでありますけれども、今日におきましては中小企業金融に相当の役割を演じておられることを承知をいたすのでございます。そういう観点から申しますと、中小企業に対する金融機関及びその施策もだんだん完備をして来たように思うのでありまするが、そういう中におきましても金融梗塞の声はなお非常に強い。そういう観点からこれらの既存の機関も多々益々弁ずるように拡充しなければならんことは当然でありまするが、その中でも特に金融の梗塞をしている階層は、どんなところにあるだろうかというようなことを私どもの観点から観察をいたして見ますというと、一つは今日市中の闇金融機関のごとく考えられております株主相互金融会社等の利用しかようやらないような零細企業層の金融が非常に梗塞をしておると思うのであります。いま一つは、中小企業の中の中大企業の金融がこれ又非常に逼迫をしておるように思われるのであります。で、即ち先ほど政府委員からもお話が出ましたように、いろいろの法令、規定で中小企業の範疇が謳われておるのでありますが、その中からだんだん軌道に乗りまして、育つて参りまして、その範疇を越えたようなもの、或いはその極点に近付いておるというような企業のほうには得てして金融が忘れ勝ちである。既存の大企業相手の金融機関はそういう面に殆んど相手にしてくれないし、従来ありますところの中小企業金融機関も又少しく規模が大き過ぎるというような感を懐きまするような結果と思うのでありますが、相当にこの方面の金融が梗塞をしておるのではないかと思うのであります。
 そういう観点からこの公庫ができまして、先ほど政府委員から一千万円の融資総額は大き過ぎるではないかという議論もあるがというお話がありましたのでありますが、中小企業或いは中小企業の金融のためにこの公庫が運営せられるかというところに一つの意義があるのではないかと思うのであります。で、零細企業に対しましては、今日国民金融公庫がそういう観点から、社会政策的な面における活動が行われておりまするに鑑みまして、国民金融公庫の今後の一層の拡充と、或いは株主相互金融機関等の健全なる育成と、監督を強化いたしまするための法制化等が望ましいと思う次第であります。
 なお中小企業の団結から、今後の日本産業の進展のために不可欠の至上命題でありますることに鑑みまして、この集団的中小企業の系統金融機関でありまするところの商工中金が今後ますます弁ずるように、これらの系統業者の上に系統金融を図つて行かなければなりませんので、この公庫法におきましては、やや中金の圧迫をこうむるのではないかと思われるような点がありまするに鑑みまして、本法の三十四条の四項にありまするところの、商工中金に昨年十二月に貸付けた金額をこの公庫に肩替りをする規定が載つておりまするが、これが二年以内の期限で返済をすべしというように明文化せられておるのでありますが、この資金のごときは、昨年国庫から御融資をなされましたときの条件は、五年未満の貸付をしてよろしいということで出されておるかのように私は拝聴いたしておりますが、そういう点からこの二年以内ということは、少くも五年以上というふうに訂正をせられるのが至当ではないかと、そういうところから商工中金の今後の育成を図つて行くべきではなかろうかと思うのであります。なおこれでは足りませんわけでありまして、資金運用部資金等でいろいろ御勘案を願つて、商工中金のために多々益々二十八年度においても資金の追加支出をおやり頂きますように、切にお願いを申上げておきたいと思います。
 それからこの法案の中で気が付きましたところでは、第二条中の中小企業者の範囲が規定せられておりまするが、これは既存の各種の中小企業者を律する法律の中にありますることを大体踏襲をいたされておりまするところと思いまするが、この中で商業及びサービス業の範囲を、従業員三十名未満とせられておりまするのは、今月の商取引の状況から考えまして問屋業等の中には、或いはサービス業等の中には三十名では到底足らない中小企業の分野があるということをいろいろの会合の席上でよくその主張を聞くことでありまするが、これらもこの有意義な金庫の運用に当りましては、せめて五十人まで商業及びサービスの従業員の範囲を拡げて頂くことをお願い申上げたいと存じます。
 それから法律の中には見えておりませんが、通商産業省のお示しになりました要綱によりますると、調整組合への貸付限度が普通の協同組合と同様に三千万円以内というふうになつておりまするが、特定中小企業の安定に関する臨時措置法による調整組合ができまして、これに対する融資が必要というような段階になつて参りますと、これは当然公益多数の業者の団体であるべきはずでありますので、これは三千万円融資総額では少しく小さ過ぎるのではないかと私は思うのであります。調整組合の融資に限りまして差当り五千万円以内というふうに改正をされたほうがいいのではないかと存じます。これは将来は一億円程度にして頂きたいと思うのであります。当初における総資金量に鑑みまして先ず五千万円程度で我慢をしておくべきではないかと存ずるのであります。そうしていま一つは法第二十五条第三項の政府の貸付金に対する利息の減免の措置が謳われておりまして、これは中小企業育成のために成るべく低コストの資金を得て安い金利で貸出しが行われるということを裏書をされている規定で非常に結構だと存ずるのでありますが、同時にこれを活用した結果といたしましては、個々の業者へ貸付ける金利も可及的に逓減するように運営せられるべきだということは、これは運用の問題でありますけれども、希望を申上げておきたいと存ずるのであります。そうして第二十六条に更に公庫の余裕金は国庫以外に預託してはならんという規定が明記せられておりますが、これは公庫の性格上、こういうことも言えるわけでございましようけれども、中小企業育成のためにおやりになります公庫といたしましては、余裕金のあつた場合におきましては、中小企業金融機関に預託をせられて本公庫の使命が倍加せられますように取扱われますことが必要ではないかというふうに考える次第であります。
 なお公庫の一般金融機関へ業務を委託するということはその業務の簡素化及び運営の経済化の観点からこれは至当であると思うのでありますが、ややもいたしますと、一般金融機関の中には過去にその金融機関が貸付けまして、どうも不良貸しの傾向が強いといつたようなものを、新らしいこういう政府施策の政府の金融に肩替りするという傾向が従来相当にあつた。それであるから、一般金融機関に業務委託をさせるのは絶対反対だといつたような意向も中小企業界には相当強く叫ばれておる。こういうことを一つ御記憶願いまして、この弊が起りませんような運用ができますように留意して頂くことを願つておきたいと存じます。
 それからこの公庫の運用に関しましては、是非とも民間業界の代表者を多数入れました運営委員会といつたようなものを作つて頂きたい、政府出資によるいろいろの金融期間もありますけれども、ややもいたしますと、それらの機関が官僚化するというような不平が相当に業界には起つておる。そういうことから鑑みまして、本公庫は本当に業者のために新らしく資金が追加支出せられるのだという運営ができますように期待いたしたいと存するのであります。そういう意味におきまし、民間業界の代表を多数含めました運営委員会を設置するという一項を加えて頂くならば非常に結構だと思うのであります。
 最後に中小企業界の金融の総括的な情勢は、私その数字の詳細を存じませんけれども、恐らく全金融機関を通じましては八千億を超えておる数字ではないかと考えるのでありますが、それに対しまして商工中金なり或いは本公庫なりの資金がまだまだ中小企業振興育成のために十分な金額ではない、こういうことを考える次第でありまして、本公庫の出現は百尺竿頭一歩を進めるという意味において非常に結構なことでありますけれども、本年だけでなくして、来年度、再来年度におきましても、一般財政資金、或いは預金部資金を追加支出せらまして、真に中小企業の育成ができまするように御配慮を願うことをお願い申上げまして、私の陳述を終ります。
#10
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それではちよつと皆様に申上げますが、全国地方銀行協会長の亀山さんは非常にお急ぎのようでありますのでありますので、今日直ちに御旅行にお出になるそうでありまするので、直ちにこれから亀山さんに順序を変えまして御説明を願いまして、なおのちほどの御質疑に対する御答弁は亀山さんの代理のかたにお願いすることに只今お話合いいたしましたので、御了承を願います。それでは全国地方銀行協会長亀山甚君。
#11
○参考人(亀山甚君) 私から申上げます。私は今回の法律につきまして中小企業金融公庫の設立につきましては、その目的が中小企業に対する金融でありまして、一般の金融機関が融通することの困難なものについて融通するという点にあるのだろうと思います。金融ベースに乗りがたいものに金融が門戸を開くという意味で重要なる意義を有するものでありますので、地方銀行は全面的に賛成の意を表する次第あります。
 なお法案によりますれば、既存金融機関を利用することになつているが、この点については貸出すについての審査能力を有しまする銀行を初め、各金融機関を十二分に活用することになりました。又公庫と民間金融機関との競合が避けられることにもなりますので適当な措置と考えております。この金融機関を利用することについては地方銀行は全国に隈なく店舗網を有しておりまして、丁度六十三行、全三千六百五十店舗があります。公庫の有力な窓口となり十分御期待に副い得るものと考えて、地行銀行全部が公庫の受託金融機関として活用せられることを期待している次第であります。
 なお公庫に対する政府出資金は百億円と聞きますのですが、成るべくこれが増加をいたしますように御期待申上げる次第でございます。以上でございます。
#12
○委員長(中川以良君) 有難うございました。次は門司正信君。
#13
○参考人(門司正信君) 中小企業に対しまする対策にいろいろございます中に、業者の組織化によりまする合理化ということが非常に重要であるということにつきましては、各方面において言われておるとところでございますが、商工中金といたしましては協同組合並びに組合関係の貸出につきましてこの公庫の資金を運用するにつきましては公庫から商工中金に対して資金の貸付をして頂きまして、商工中金は自主的に協同組合並びに組合関係にこれを貸付けるような仕組として頂きたいと存ずるのであります。現在昨年の十二月に五年の期限を以て政府からお貸付を願いました二十億円は二年間に返済しなければならないというような法案になつておるのでありますが、これは或いは一定期間内にお返しをしなければならないものであればお返しをするといたしまして、やはり公庫の資金事情が許します際には、先ほど申しましたように資金を貸付けて頂く途も開いておいて頂きましたならば仕合せと存ずるのでおります。それから今回の公庫法案によりましては、一貸出先に対しまして個人の場合一千万円以下、それから組合の場合は三千万円以下という規定がございまして、金額の点におきまして個人と組合とに差等が設けられてはまするけれども、これは組合は多数業者の団体であるというところから考えまするというと、いわばむしろ当然なことのようにも存ずるのでありまして、我々の立場からいたしまするというと、政府におかれて、一層協同組合の組織を促進し又育成強化を図るというそういう見地からいたしまして、でき得べくんば公庫の貸付利率に対しましても、中小企業等協同組合に対しましては一般の貸出よりも若干でも低率にお取扱い願いまして、これによつて広く中小企業界に対して組織化の方向へ向つて拍車をかけて頂くということができれば幸いに存ずるのであります。それから新公庫は一年以上五年の長期の金融をいたされるということに相成るわけでありますが、商工中金におきましても現在短期運転資金は勿論でありますが、一年以上五年程度の融資は実行をいたしておるのでありまして、而も一般金融機関の補完的な意味においての金融をしておるということも間違いないのでございまして、で、この長期の貸出のパーセンテージは現在のところ総貸出高の二二、三%程度でございますが、だんだんとそのパーセンテージは上昇をいたしつつあるのでございます。その貸付の期間は、大体三年程度のものが中心になつておるのでありますが、これは金庫が発行いたしまする債券は三年ものであるというところに一応根拠があるのでございまして、新らしくできまする公庫の金融が商工中金の行いまする融資とできるだけ重複をいたさないようにいたしますることが大切ではないかと思うのであります。そういう意味から申しまして、公庫の資金の運用に当りましては、一年以上五年とはございまするものの、或るべく三年から五年というような長期の方面に重点を置いて運用を願えたらと思うのであります。それから公庫は先ほど石井振興部長の御説明を承わりましても非常に簡素な機構でございます。全国に一店舗でございますが、業務遂行上いろいろ御不便もございましようから、我々商工中金の地方店舗を窓口として十二分に御活用を願いたいと存ずるのでございます。それから業務代理機関の問題でございまするが、この点に関しましては単に従来の資金の量のみならず、質的な面に検討を加えられまして、適当に御配慮を願いたいと思うのであります。以上で陳述を終ります。
#14
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それでは次に国民金融公庫総裁の櫛田光男君にお願いいたします。
#15
○参考人(櫛田光男君) 櫛田でございます。このたび政府から御提案になつておりまする中小企業金融公庫法案につきまして、私どもの感じと申しますか、率直にこの機会に御参考までに申述べさして頂きたいと存じます。先ず結論から先に申上げますと、この公庫法案の御趣旨、大賛成であります。一日も早くかくのごとき金融公庫ができ上りまして、現在私どものやつておりまする国民金融公庫と手をつなぎまして、中小企業のためにできる限りの金融を今後ともやつて行きたいものだと熱望して止まない次第でございます。と申しますのは、或いは釈迦に説法というふうなことになるかも存じませんが、現在の国民経済の情勢におきまして、中小企業の育成がどれだけ大事であるかということは申上げるまでもございません。それにつきましては、いろいろな方策が必要でございましようが、取りわけ金融の問題は大事のうちの大事な問題であると申して過言でないと存じます。私の考えによりますると、あらゆる全国の金融機関がその総力を挙げても、なお足らないような分野がこの中小企業に対する金融分野であろう、これが現状であろうとさえ存じております。ところが一般の金融機関におきましては、或いは資金の点、或いは私企業的性格の点、そういつたいろいろな点からいたしまして、自然その金融には限界がございます。つまり中小企業金融として残された分野が非常に多いということが言えるかと存じますので、具体的に数字を、或いは御承知かも存じませんが、申上げてみますというと、この三月末におきまして私の推算によりますというと、この中小企業金融公庫法案に示されてありまするような中小企業者、それに対しまする資金の融通、各金融機関からの貸付状況は、大体一般銀行におきまして八千億になつておろうかと存じます。又信用金庫、信用協同組合、相互銀行、無尽会社或いは商工中金、又私のような特別の金融機関或いは開発銀行その他の方面から出しております金額が大体三千六、七百億円に、或いはもつと以上になるかも知れません。その程度にはなつておるのじやないかと思います。かように考えますというと、総額において一兆二千八百億見当、大体一兆二千億というものが出ておるような現状でありますから、現在の経済情勢から見ますと、相当に出ておるということは或いは言えるかも知れません。併しながら他方全金融機関の貸付の総額を、これ又私の推算になりまして恐縮でありますが、二兆九千億見当になるのじやないかと思います。大体三兆に近い、かように考えて見ますというと、全体が四割足らずのものが、この中小企業といつたようなものに一応投ぜられておる現状だと存ずるのでありますが、金額はかように必ずしも多くないのみならず、問題は更にその貸付の内容であります。この資金の内容でございます。つまり長期資金が非常に手薄であるということ。設備なり、運転なりに長期資金が手薄である。又この長期資金が実は中小企業のかたがたに、殊に一昨年以来不況のしわ寄せを非常に受けておりまする中小企業のかたがたが最も現状において熱望しておるという状況でありますることは、ささやかでありますが、私の金融公庫におきまして小さな経験から申しましても、しみじみとわかる事柄でございます。事実私どもの金融公庫におきましては御承知の通りに、大体二年見当を中心といたしまして、月賦を以ちまして、極めて少額の金融をいたしておるのでありますが、そのかたがたが一様に申されますことは、こういうことであります。私どもの金融公庫の資金を利用いたしまするというと、期限に追われるということが比較的少い結果、又月賦で元利を償却して行きまする結果、借りた金が資本として残り、その儲けを以て元利を返済して行くことができる。そうでない、或いは二カ月とか、三カ月とかに一応資金の返済等に追われるような状況にありますれば、儲けは若干残りましようが、資本として残る面が極めて少い。これが常に私どものお客さんから承わつておることであります。これが恐らく、小さな経験ではありますが、現在の中小企業全体に通じての大きな熱望なのではないかと、かように存じておる次第であります。かような点等から考えまして、今回中小企業金融公庫法案が成立いたしまして、このような金融機関が一日も早くできますることを、中小企業金融の一部を担わして頂いておりまする私どもとしては非常に熱望いたしておるような次第でございます。なお若干附加えて、或いはこういう点があるのではないかと存じますので申上げたいと思うのであります。その点は他の金融機関ができないような仕事を大体この中小企業金融公庫がいたすわけでありますが、その場合におきましても若干他の金融機関との間に或いは競合とか重複といつたような問題も起り勝ちであろうと存じます。この点につきましては私は殊に国民金融公庫との間の競合をどうするかというような御疑問と申しますか、御心配が或いはあるのではないかというふうに忖度いたしまして、これから申上げるのでありますが、この中小企業金融公庫はこの法律にもございます通り、又その法案の要綱或いは又通産省当局からのかねてからの御説明等からお伺いいたしましても大体千万円まで、又特定の組合等におきましては三千万円まで、大きな金額をお貸しになるのが一つのお狙いであるようであります。で、国民金融公庫は現在最高二百万円までしか貸出しができないのであります。従つて二百万円を超える貸出しについては私のほうでは今、現状におきましては、何とも御便宜を図ることができない事情にあります。この点を中小企業金融公庫がおやり下さいますことは大変に望ましいところでありますと同時に、なお二百万円の何にしても競合する面があるのは、これはどうするかという問題が起きるのでありますが、この点につきましては私は多々益々弁ずるという感じを持つております。事実現在国民金融公庫におきましては、年間を通じまして一千億見当の申込がございます。その平均は、一件当り平均は三十万円の申込であります。申込の数から申しますと、大体金額において五%ぐらいが百万円以上の申込に相成ろうかと存じます。全体を平均いたしますと、三十万円見当であります。それに対して現状においてどのくらい貸出ができるかと申しますと、今の資金量並びに人手の関係等から申しまして、約二百五、六十億、二割五、六分見当しか貸出ができないのでありまして、私の感じを以てすれば、更に全体から申しまして四、五百億の貸出は或いは可能になるのではないか、又しなきやならんのではないかという工合に存じておるような次第でありますけれども、これが財政上のいろいろな御事情等の関係がございまして、現状においてはこの程度にとどまらざるを得ない。そういうような事情がございますから、私は大部分の業務の分野においては競合いたさないといたしましても、或いは若干の点において、両公庫がその業務の面において競合するところがあろうかと存じますけれども、ありましてもこれはいささかも意とすることはない、多々益々弁ずで、中小企業のために両者手を携えまして、できる限りのことをいたしたい。かように考えておるような次第でございます。この点御了承をお願いいたしておきたいと存じます。なお細かい点につきましては、大体においてこの法案は国民金融公庫法案と大同小異と申上げてよろしいかと存じます。国民金融公庫法と大体の構成なり、その他の点が似ておりますが、ただここで先般来から伺つておりまする、主として経営を簡素化すると申しますか、そういつた見地から代理貸を中心として御実行されるような御方針のように承わつております。私はこの点につきましても至極結構なお話であると存じますが、なお或いは場合によりましては直接貸といつたようなことも御必要なことがあるのではないか、さように実は考えられます。そういつた意味から、これは法律そのものとは関係ございません、法律施行後におきまする運営の問題でありますから、そこら辺あらかじめ余りお縛りにならずにお考えになつたほうが、この中小企業全体のためにどうすればいいかということが大前提なんでありますから、余りお縛りにならずにかなりゆとりを持つて、機に応じていろいろ御施策ができるような途をと申しますか、お考えで初めからおやりになつたほうがよろしいのではないかというふうに考えております。その点につきまして、一つこれは法律に関係があることでありますが、この公庫が新らしいこの中小企業金融公庫の余裕金の運用等でありますが、国債の保有と、それから資金運用部への預託、それからその次第二十六条の第二項であります。「公庫は、業務に係る現金を国庫以外に預託してはならない。」これは大体住宅金融公庫の例におとりになつたのじやないかと存じます。この点が国民金融公庫とは違つております。国民金融公庫におきましては、大体事業の六割から六割五分は直接貸出をいたしておるような次第でありますから、日常金の出入りがあるわけであります。極めて少額でありますが、少額のものがたくさん出入りがあるわけであります。むしろその点におきましては銀行の預金業務と余り変りない出し入れがあるわけであります。従いまして公庫といたしましては、その業務にかかる現金を一般の金融機関に預託いたしております。国庫以外に預託してはならないとなりますというと、これは日本銀行に参るわけでまありす。日本銀行から金を出しましたり入れましたりするには、かなりこれは手数がかかるわけであります。そういつた点が若干気が付くのでございますが、ただこれも実際に当つてみました場合に私どもが先ほど申上げました業務の内容から行きますと、最近は申込が三十万円平均、貸出が一品平均が十五万円見当であります。極めて少額のものであります。それが又月賦の形で毎月還付して来るのでありますが、一件当りの出し入れというものは先ほど申上げましたように、銀行の預貯金等の取扱に当るようなわけなんでありますので、この中小企業金融公庫においては、或いはそれほど小口ではなく、もうちよつと大きなところということになる。又据置が一年以内で又認められる。又その償還方法が月賦等によらず、或いは半年年賦とか、いろいろに相成りますればそれほど日常の資金の出入りは多くない。又件数もそう嵩まない。こういうことでありまするならば、この第二項の通り、業務にかかる現金を国庫以外に預託しなくても、円滑に行くかと思いますが、まあこの点は法律の批評になつたわけでありますが、極めて事務的な見地から見まして、或いは中小企業金融公庫が将来御不便を感ずることがありはしないか、まあかように存じましたものですから、一言私どもの経験から顧みまして申述べさして頂いた次第であります。大体その程度であります。
#16
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それではその次に、全国信用金庫協会常務理事安武善藏君にお願いいたします。
#17
○参考人(安武善藏君) 今回中小企業金融公庫が創立されるということで、御提案になつておるのでございますが、元来中小企業の金融の解決につきましては、すでに御案内のように、短期資金の問題と、それから長期設備資金の問題があるのでございまして、短期資金につきましては、既設の信用金庫なり相互銀行なり或いは商工中金等の中小企業の金融機関がそれぞれ活動いたしております。又銀行等におきましても、相当これに努力をして頂いておるわけでありまして、これらの資金の不足の場合におきましては、国庫の余裕金の導入というようなことの施策も行われておるわけでございますが、長期設備資金等につきましては、今まで商工中金のほう、それから開銀の中小企業金融という面だけでございまして、現在荒廃いたしました中小企業の設備を更新するなり、近代化して行くという面につきましての施策が十分でなかつた。従つてこれを補充いたしまして、これを中小企業の設備資金或いは長期の運転資金を導入するということが考えられましたことにつきましては、私どもはこれに対しまして全幅の賛意を表する次第でございます。ただ、これの実効といいますか、運用につきまして一、二の意見を申上げてみますと、先ほど申しましたように、中小企業に設備資金が非常にたくさん要るというにもかかわりませず、これは予算等の関係もあるかも知れませんが、僅かに百億の資本金ということでございます。これは前回の案におきましては五十五億ということで、約倍額に増額をされておりますことは極めて結構でございますが、今後補正予算等が出ます場合、或いは次年度の予算等におきましては、この公庫の資金を更に増額されるように、継続的に増額されますように希望いたしたいと思うのでございます。
 それから第二の問題は、公庫の運営につきましては、原則として代理者を運用されるということにつきましては、他の亀山さん等もお話になりましたように、金融機関側といたしましては、是非とも既設の金融機関を活用をして頂いて、徒らに直接貸をして経費の増嵩、或いは店舗の増設を必要とするということのないようにして頂く、そうして既設の金融機関の窓口なりを活用して頂くということにつきましても、我々としては賛意を表する次第でございます。併しながら、代理者の選定について、これは極めて重要な問題でございますが、従来公庫或いはその他の機関の代理者の設定につきましては、ともすると例えば資金量の如何というようなことでこれをきめられておつたのでございます。特に住宅金融公庫等の場合におきまして見ますことは、同一市内におきまして公庫の代理者をお設けになる場合におきましては、銀行さんもありますし、相互銀行もあります、或いは信用金庫もあるわけでございますが、その場合その銀行なり相互銀行なり、信用金庫なりの資金を中心として代理店を見ておつたのが実情でございます。こうなりますと、何といいましても業務区域が小さいし、金の量の小さい信用金庫等が次の次のあと廻しになるというのが現状でございますが、果してその地方におきまして信用金庫と相互銀行、或いは普通銀行というのがどういう活動をしておるかということになりますれば、あながち信用金庫が一番活動していないということになつてはいないと思うのでありまして、こうしたことは形式的に、資金量というのでなくて、その土地におきます金融の実態ということと睨み合せて御決定を願いたい、こういうふうに思うわけでございます。そこに代理者の数等がいろいろ問題になりまして、同一の所におきましては一つしか置かないというような場合には、今申しましたような点が非常に問題になつて参るのでありますが、私といたしましては、同一の市内におきましては、相互銀行のお客さん、銀行のお客さん、それから信用金庫の対象というものは、それぞれ分野が違うのでございますので、それぞれの各機関に代理者をお願いするというふうにいたしたほうがいいのではないかというふうに考えておる次第でございます。それから特にこの点につきましては、地方銀行のほうにおきましても、いろいろ御希望があるのでございますが、地方銀行のほうにおきましては長期資金といたしましては、長期信用銀行ができまして、これの代理者をおやりになつておるわけでございます。これは必ずしも中小企業に貸してはいけないというものではございませんで、でき得れば地方銀行さんは長期信用銀行のほうの活用をして頂くことにいたしまして、信用金庫なり相互銀行なり、或いは商工中金なりの中小企業専門機関において、代理者として優先をして御決定願いたい、こういうふうに考える次第でございます。
 それから次に、貸付の限度の問題でございますが、先ほどからの参考人のかたの御陳述では、一千万では低過ぎるという議論でございます。現在の中小企業の設備資金にどの程度のものが適当かということになりますれば、極めてむずかしい問題でありますし、私も一千万程度の設備というものも中小企業において是非とも必要であり、それ以上のものも必要かとも思います。が、最初にありますような、資本金が百億という程度でございますと、一千万の貸出を仮にいたしますとすれば、年間千件しか貸せないわけでございます。これは必ずしも一千万円ばかりのものとはならないとは思いますけれども、どうしても貸します場合におきましては、限度が高くなりますと、限度に近い所に行くというのが実情でございます。従つてたくさんの業者に貸すということでございますれば、資金の少い間におきましては、限度を下げて、少くとも五百万円程度ぐらいにいたしまして、協同組合の場合におきまして一千万という程度でお始めになつたらどうだろうかというふうに考えます。そして、資金が増加いたしますに連れまして、限度を上げて行くという方法がよくはないかと考えておる次第でございます。
 それから最後に、国民金融公庫との問題では、只今総裁からもお話があつたのでございますが、公庫のほうの御任務もこれはあるわけでございますが、これは私の気持といたしますれば、現在五十万、それから連帯の場合が二百万というように伺つておりますが、この程度もでき得れば下げて頂きまして、今まで中小企業金融公庫がなかつた時代はそうした要求もあり、それの要望をいたして頂くことが必要であつたのでございますが、政府機関として中小企業金融公庫ができまして国民金融公庫との分野を明確にいたすためには公庫の貸出は五十万、それから連帯の場合に百万という程度にして頂きまして、国民金融公庫自身がもつと小さい所に満遍なくお働き願うというようなふうにして、国家機関の機能を明確化するということが望ましいのではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。以上の点私の意見として申上げます。
#18
○委員長(中川以良君) 有難うございました。それでは最後に全国相互銀行協会常務理事島崎政勇君にお願いいたします。
#19
○参考人(島崎政勇君) 大変遅刻をいたしまして申訳ございません。大体先ほど安武さんからお話の通り、我々の行き方としまして、この今度の公庫の資本金が、資金が非常に少い。これも併し初めのうちは止むを得ないと思いますが、現在の中小企業の金融難が今後も、これはいつまでも続くと考えられますので、これは機会あるごとにこの資本金を増額、その他政府からの資金を導入されて、ますます大きくなられるようにお願いいたしたい。
 それから貸付の金額でございますが、これは一千万を一応考えておられる。それも結構でありますが、私どもはここで心配するのは、この中小企業と申しましても二百万、三百万、五百万そういうようような階層もたくさんございます。どうぞそういうような観点から、この資金の配分、そういう点についてはいわゆる中小企業といつても、大きいほうに金が余り流れるということについては、相当一つ運用面について御注意を願いたいと思つております。我々はこの中小企業と申しましても、どつちかというと、信用金庫さんと同じく割合に小口なものをやつている。その小口のものが非常にたくさんの資金の需要がございますので、一つ代理所をやられる場合でも、先ほど安武さんが言われたように、十分この相互銀行、信用金庫の、この中小企業に対するこの分野、こういう点も配慮に入れて一つどの金庫、相互銀行、信用金庫も代理所のできるようにしてもらいたい。それからもう一つはこれは相互銀行は必ずしもその府県だけに営業所が限定されていない。殊に六大都市におきましては、相当各相互銀行がございますので、代理所を指定される場合でも、その相互銀行全体というような角度から一つ御考慮を願いたいと思つております。又資金の配分をされる場合でも、我々としましてはできるだけ小さく考えてもらうと同時に、この相互銀行、信用金庫等の立場をよく理解されて、単にその銀行の資本金とか、或いは預金の残高とか、そういうような観点からこの各金融機関に配分される場合に、それだけに限られず、各金融機関の立場ということも一つ御考慮を願いたいと思つております。殊更に私からお願いするところはございませんが、ただ私ども櫛田総裁が言われたように、余裕金の運用でございますが、これについは単に代理店をやつている金融機関にも、この余裕金を預託されるというような形に一つ御改正を願いたいと思つております。大体のところは安武君の言われたのと殆んど同じでございますので、余り重複すると如何かと思いますので、これで終らせて頂きたいと存じます。
#20
○委員長(中川以良君) 有難うございました。只今の御説明に対しまして、又それの関連事項に関しまして、委員諸君より御質疑をお願いいたします。
#21
○小林英三君 この中小企業金融公庫法案につきましては、まだ政府に十分の質問をいたしておりませんから、どうも参考人の諸君に十分な質問もできないかも知れませんが、今いろいろ御意見がありました範囲内において質問をさして頂きたいと思います。先ほどこの第二条の貸付の総額の問題ですが、この問題につきまして全国信用金庫の安武君からして一千万円というのでなくて、成るべくたくさんの人に貸すという意味、中小企業の数多くの人々に貸付けるという意において、個人又は法人には一千万円とあるのを、むしろ五百万円にして、組合のほうには一千万円くらいにしたらどうかという御意見があつたのですが、私もこの点についてはやや同感なんですけれども、そのほかの参考人の諸君の御陳述によりますと、一千万円結構だというようなお説もあつたのでありますが、先ほどの国民金融公庫の櫛田さんからのお話によりますと、国民金融公庫等におきましては、大体まあ平均の申込が三十万円、これに対して貸出の平均が十五万円だと、こういうお話がありまして、これによりますというと、大体四十三都府県といたしますと、一県下平均私ちよつと勘定して見ますというと、一万人くらいの人に貸出されているような零細の貸出をなさつておるように思うのですが、この一千万円ということになりますと、どうしても委託を受けた金融業者というものは、そういうたくさんの金を借り得るような中小企業のほうが貸しやすいのだから、貸出はどうしてもその方面に走りやすいということになり、先ほどお話がありましたように仮に一千万円として貸出しすれば僅かに一千人、三百万円として貸せば三千人の人しか貸せないという結果になるのですが、この点につきまして最高を一千万円にするか、或いはそれ以下にするかという問題につきまして、他の参考人の五藤さんだとか、或いは武山さんだとか、門司さんだとかというかたがたの御意見も承わつておきたいと思うのであります。そういう問題について……。
#22
○委員長(中川以良君) それでは今の御質問に対しまして門司さんですか、最初に……、
#23
○参考人(門司正信君) 一千万円が適当か、五百万円が適当かという問題、なかなかむずかしい問題でございますが、私直接それにお答えいたしますることを御勘弁願いまして、商工中金の現在融資いたしておりまする実績から言つて、一件の貸出がどれくらい、一組合当りの貸出どれくらいになつているかということを御参考に申上げさして頂きたいと思います。これは五月末の実績でございますが、一組合当りの貸出残高は五百九十二万六千円という数字になつております。直接貸のほう、金庫で認められておりまする直接融資のほうは、一貸出先平均は百五十六万九千円と、こういうことになつているのであります。その程度で一つ御勘弁を……。
#24
○参考人(武山光信君) 只今の一企業者当り貸付一千万円の問題ですが、大体私たちの知つております範囲では中小企業の中で中以上まあ大に属する企業では一千万円という数字は、実際面から見ましてそう大きなものではないし、又この一千万円以下で、一千万円を最高限度とするわけでありますから、それはそれぞれの運用の面で適宜斟酌して行けばいいのではないか、ここういう工合に考えます。
#25
○参考人(五藤齊三君) 先ほど国民金融公庫の櫛田総裁からのお話を承わつておりますと、公庫における貸出の限度は二百万円であり、その一件平均額は十五万円だというお話でございましたが、仮にその公庫がこれをおやりになつたことといたしますと、その比例で行きますというと最高一千万円の場合には平均は七十五万円ということにまあなる勘定になると思うのであります。信用金庫のかたもお見えになつておりまするが、私ども仕事をいたしております範囲では、都市における資金量を多く持つている信用金庫の一件貸出平均は国民金融公庫の平均を倍以上上廻つてい現状だと思うのでありまして、これらは決して中大企業を融資の対象にしてないと思うのでおりますが、それでなお且つそんなふうに今日の金融情勢からはなつていると思うのであります。で、私は先ほど申述べました趣旨の中に申上げました通り、今日の金融梗塞の状態を分解して考えて見ますというと、ずつと下のほうと、そうして中小企業としては中以上のところに金融梗塞が多く存在していると思うのであります。そういう観点から私はこの公庫ができまして、従来の機関の補完的な金融を掌つておいでになるという観点からは、むしろその隘路を打開するという意味において最大限度は大きいほうがよろしい、こういうふうに私は考えてます。併し実際運用面においてはこの一件貸出平均額は決して多くはならないはずだ。これは多くの中小企業金融をおやりになつている機関の平均を調べて見ますとこれはわかりますように、この程度で十分目的が達せられるのではないか。決して一千万円だけの貸出が行われるわけではない。五十万円も三十万円も行われるのであろう、こういうふうに私は考えるのであります。この法案に盛られております一千万円はそれでよろしいのではないか、そう考えます。
#26
○小林英三君 重ねて武山君か五藤さんにお答えを承わりたいと思いますが、中小企業の中でも業種によりますというと、三十人乃至五十人くらい使つているような中小企業が、その業界としてはもう中堅層の中小企業である。百人も使つているような工場でありますと、そういう業種というものはもう殆んど第一流の業者であるというような業種もたくさんある。例えば鋳物工業のごとき尤も大阪の久保田鉄工所その他少数の大工場は別でありますが、大体百人も従業員を持つております鋳物工場はこれは一流の工場であるとされておりますね。そういうようなこともありましてこれは鋳物工場ばかりでなしに、他にいろんなそういう業種があるだろうと思う。その業種といたしましては大工場がなくて中小企業しかない。而も中小企業といたしましてはそのくらいの程度のものが最高のものである、或いは一流のものであるというような業種が私は日本にはたくさんあると思う。そういう観点からいたしまして、それじやそういう人がおれに一千万円貸してくれ、或いはおれに五百万円貸してくれと言えば貸すだけの資格があれば貸さんわけに行かんと思う、窓口は……。そういうことを考えました場合において成るべく日本の五十何方ありますか、とにかく九十何%ある中小企業に対してできるだけこの中小企業金融公庫ができた以上はできるだけ満遍なくこれを均霑させ、将来資金をどんどん殖やして行く、或いはこの五百万円を将来一千万円にして行こうということもあり得るでありましようが、これが開かれた場合において、成るべく多くの中小企業に多く均霑させて行くという意味からいたしまして、私は先ほど安武君がおつしやつたような意見も、ちよつと私はまだ政府に十分の質問をいたしておりませんからして十分のことは言えませんけれども、そういうような感じがちよつといたしたものですから、武山さんと五藤さんにお伺いしたのですが、その点これはどうでしようか。この一千万円という点についてどうでしようか、五藤さん。
#27
○参考人(五藤齊三君) 御趣旨は誠に御尤もと存じまするけれども、先ほども申上げましたように、実際公庫ができまして運営をおやりになりますというと、そんな大口に偏重することはないと私は考えるのであります。これは現に櫛田総裁がさつきおつしやいましたように、国民金融公庫でも二百万円まで貸せるのでございまするけれども、決して二百万円に偏重した貸出はおやりになつていらつしやらない。実際は一件平均十五万円というような零細なことになつている。こういう観点から考えまして、その御心配は先ず杞憂ではないかと私は考えるのでございます。半面企業の中には今日の物価水準から申しましてこれが長期の設備資金或いは長期の運転資金に限られた運用をおやりになります上から考えますというと、中小企業の中には一千万円ではとても足らないという企業が相当に私は半面あると思うのであります。その限度をそこにおきめになつて置くということは、単に今までの機関で、先ほども櫛田総裁がおつしやいましたように、既設機関で十分賄えない面を補足的に賄うという妙味がそこに出て来るんじやないか、こういうふうに私は思うのであります。
#28
○小林英三君 今の五藤さんのおつしやることも一応納得できるのですが、ただ私どもは立法機関といたしまして、初めて折角できる公庫法が、最初にスタートするときに、一千万円でもいいというのでなしに、つまりこういう法律を出す以上は、中小企業の零細な、たくさんに何千万もいらつしやることを考えて、ポイントを一千万円に置いたほうがいいか、或いは五百万に置いたほうがいいかということを我々は考えたいものですから、お伺いしたわけでありますが、一千万円としても実際貸すときには、もつと少く貸すんだからいいじやないかというのでなしに、この法律を立法する上において、どこにポイントを置いたほうがいいかということを、参考のために聞いておるわけでありますから、もう一遍重ねて御答弁願いたいと思います。
#29
○参考人(五藤齊三君) 何遍も申上げますように私はこの公庫が従来の大企業対象の金融機関の補完的の素質を以て生れ出ると、こういうところに、むしろ高いところに目標……高いと申しましてもその限度は一千万円でございますが、このところに最高の目標が置かれておることこそ、私は非常に意義があると、こう思います。ただ実際は一千万円と言つて来ても五百万円しか貸さんというのでなしに、真に一千万円必要とする向には一千万円の融資ができて然るべきだと存じますが、実際はそういう業者だけではない、たくさんの業者から申込があるものを、これをケース・バイ・ケースでお貸出しになつておいでになつて、実際の平均はずつと下になるというのが、従来の経験に鑑みましても実情ではないか、こういうことを考えますると、むしろ限度は高いところに置いて、真に必要の場合には、それが賄えると、こういうことが私は望ましいと思います。
#30
○小林英三君 然らば安武君にもう一遍その問題についてあなたの御意見を……。
#31
○参考人(安武善藏君) 只今商工中金のほうから貸出の御実績について、一件当りの御報告があつたのですが、私はその詳細な数字は持つておりませんが、開発銀行の現在中小企業保険をやつておりますものの平均が百二十万か或いはそれ以下だというぐらいに聞いております。従つて現状におきます開発銀行の出資が一千万を最高としておりますが、百二十万ぐらいの程度だということであれば、先ほどおつしやいましたように一千万でも百二十万程度にしかならないようだという議論もありますが、若しそうであるならば五百万で現実に平均でお貸ししておる、実際に近いところでお始めになるということが望ましいのじやないかという点で私は五百万程度が適当であろうという意見を申上げます。
#32
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。……それじやちよつとこの機会にお伺いをしたいのでございますが、丁度中小企業関係の金融のかたがおいでになつておられますので……。最近いろいろ株主相互銀行とか相互金融とかいろいろのことで、正当でない闇金融が横行して来まして、そういう面に正常な預金が流れているのじやないか、又ああいう正当でない金融機関がはびこりますると、将来零細な金がそういうところへ流れまして、このまま放置して置くと、これは大きな社会問題も起しかねんような状態でございますので、最近取締を始めたようでございまするが、これらに対しまして一つ皆様がたの御意見ございましたら伺いたいのでございます。
#33
○参考人(五藤齊三君) 私その問題につきましてちよつと最初の陳述で触れました関係上申述べさして頂きたいと存じますが、先ほども私が申上げましたように今日の金融梗塞のポイントがどこにあるかということを考えまする上におきまして、一つは中以下の零細企業者の金融が非常に梗塞しておる、これらは今あるままの金融機関は十分な利用ができない、或いは担保力が非常に欠けておる、或いは経営がシステマテイツクに行つていない、こういつたようなことから、いわゆる金融機関が取上げられないといつたような階層の零細企業者が非常に私は多いと思うのであります。そういう面の自然的欲求からああいつたようなものが生れて来ておるのではないかと思うのでありますが、今日大きな流行を見まして、中には非常な害毒を流しておるものがある、これを取締を始めておられるということは当然のことでありまして、十分な監査、監督をなさる必要があると思うのでありますが、ただああいつたようなものが社会情勢上金融の面に求められておるという社会情勢も又考えなければならんのじやないか、こう考えるのでございます。その件に鑑みまして、私は今から四十年前に遡りまして、今日の相互銀行が初めて営業無尽として無尽会社というものが認められました当時のことを回顧いたしてみますというと、明治の末年から大正の初葉にかけまして、従来日本の隣保援助の美風として残つておりました頼母子講というものが営業化しまして、営業無尽という名の下に全国に燎原の火のごとく普及したことがあるのであります。丁度今日の株主相互金融というものがその当時のその状態に私は防御としておると思うのであります。私はやはりその当時庶民金融というものの機関が非常に欠けておる、今法大総長をやつております大内兵衛氏が当時大学を出られて、大蔵省の特別銀行課に属官としてお勤めになつて、この情勢を御覧になつて、どうしても庶民金融を規制しなければならん、又一面においては伸張しなければならんという観点から無尽業法の立案を担任せられて、たしか大正四年であつたのではないかと記憶いたしますが、初めて営業無尽が業法によつて縛られることになつて免許事業になつた。こういう歴史があるのでありますが、爾来四十年の年月を閲しまして健全な発達をお遂げになつて、今日ではいわゆる相互銀行という一般金融機関に成長せられたわけでありますが、でありまするから、一階上つてできるようになつたので下が抜けてしまうというのが今日の社会情勢からの本当の下級金融機関の欠除の現状ではないかと思うのでありますが、これをまあ街でやつておるのが今日の株主相互金融ではないかと思うのであります。これはアメリカのシステムに則つてやつているので、制度そのものは私は悪くないと思いますが、これを律する何らの法令がない、或いは監督する権限がどこの行政官庁にもないといつたようなことで、全く野放しになつて、ほしいままに不正運営がなされているというところに問題があるのではないか。これはよろしく一つ検査監督をなさつて、そうして準拠する法令をお作りになつて、最下層の資金を賄う金融機関として、これをむしろお認めになつて、そうして適正な運営をおさせになる、これが私、四十年前に無尽業法ができました、以来四十年を閲してこれが発達したあとに又必要の範囲が生れて来ている、こういう観点から御検討なさる必要があるように私は考えるのであります。
#34
○参考人(安武善藏君) 現在類似金融の問題につきましては、第一点に、先ほど御指摘のように一般の金融機関から手が着けられないクラスの人たちが、金融の便を得るために自主的に作つたということも一つはあろうかと思いますし、その人たちを金融のベースに乗せるということにつきましては、これは私どもも相当の努力はしているのでありますが、何しろ信用がない、担保がないということでありますれば、どうしてもこの金融のベースに乗つけるわけには行かない。従つてこれを解決いたしますのには、もう少しこの中小のそういう人たちに対しての保証制度と言いますか、保険制度を拡充して頂きたい。そうして現在も中小企業信用保険なり、或いは府県の信用保証協会というような制度があるのでございまするが、これが更に拡充強化されまして、そうしてそうした一般の金融機関から救えない人たちに対して、保証をして金融ベースに乗せるということが必要ではないかと思います。
 それからもう一つは、果して現在株主相互金融等を利用しておりますのは、そうした金融機関のベースに乗らないといいますか、零細企業者ばかりであろうかと考えて見ますというと、最近の不渡手形等の問題にも関連して見られますことは、大企業の関係につきましても、この類似金融を非常に利用しておつたということが非常に如実に出ているわけであります。従つてその金利に追われまして、遂にああいう状態になつているという事例も出ているのでありまして、そういうものの点はむしろこの類似金融という制度を新らしく作るということが私は適当なのではないか。これはむしろ株主相互金融の場合におきまして、そういうほうにおきます授権資本の濫用である。それから又もう一つの形としては匿名組合契約によります保全経済会式のものも現在あるのでありますが、これはやはり匿名契約によります商法の規定の行過ぎじやないかというふうな点を考えまして、そうした点では商法の改正もして頂きまして、これらの点の徹底的な取締を要望したいのでございます。特に巷間ありますものが、この一般の名前、或いは更に金庫というような名前を利用いたしておりますもの、信用金庫が一昨年から発足いたしましてまだ十分社会的にも一般大衆に親しまれておらない、名前自身が親しまれておりません関係から、類似金融の何とか金庫と混同されまして、信用金庫が非常に迷惑を受けている事例が少くないのでありまして、そういう点から政府のほうも類似機関の金庫という名称の使用を禁止する法律を今国会に提出されているような次第でございまして、私どもといたしましては、こうした機関の法制化は反対でありまして、今申しますように、むしろ保証制度を拡充強化することによりまして、それから既存の中小企業専門機関を何らかの形で育成強化することによりましてこれは解決されるのじやないかというふうに考えております。
#35
○委員長(中川以良君) なおいろいろ御発言もあるようでありますが、実は只今議長より各委員会は直ちに中止して全部議場に議員は出席をするようにということを通告して参りましたので、本日は一応このくらいで打切りをいたしたいと思います。本日は御多用中のところ、参考人の皆様がたには御出席を賜わりまして、誠に尊い御意見を数々御陳述して頂きまして、今後本委員会が公庫法案を審議いたします上に得がたき参考ともなりまして誠に感銘を深ういたしました。ここに謹んで厚くお礼を申上げます。
 それでは本日はこれにて散会をいたします。
   午後三時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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