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1953/08/07 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 人事委員会 第20号
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1953/08/07 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 人事委員会 第20号

#1
第016回国会 人事委員会 第20号
昭和二十八年八月七日(金曜日)
   午前十一時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員山川良一君辞任につき、その
補欠として高瀬荘太郎君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     村尾 重雄君
   理事
           宮田 重文君
           千葉  信君
   委員
           加藤 武徳君
           松岡 平市君
           高瀬荘太郎君
           溝口 三郎君
           岡  三郎君
           紅露 みつ君
           後藤 文夫君
  委員外議員
   地方行政委員長 内村 清次君
  衆議院議員
           大平 正芳君
  政府委員
   大蔵省主計局給
   与課長     岸本  晋君
  事務局側
   参     事
   (委員部長)  宮坂 完孝君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国家公務員等退職手当暫定措置法案
 (衆議院提出)
○一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(村尾重雄君) 只今より人事委員会を開会いたします。
 公報記載の通りの法案を議題に供します。本法案につきまして御質疑のある方は御発言を願います。
#3
○岡三郎君 只今議題となりました国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律は、七月三十一日までに政府提案として出されたものが審議を完了すべきところ、衆議院のほうが非常に会期末切迫したために審議未了の形で流産をしたことについては遺憾に思つておるわけでありますが、今回その法案に対して衆議院として議員立法せられたという点について御見解を問いたいと思う。政府とどのような話合いがなされたか。
#4
○衆議院議員(大平正芳君) それは全く立法技術上の理由でございまして、七月三十一日にこの法律が失効いたしますので、急いでこれを会期末までに仕上げにやいかんというわけで、政府提案にいたしますると、各省の了解を付け、法制局の審議を経て、次官会議、閣議というふうな順序を経なければなりませんので、そういつた時間的な余裕がないので、政府と打合せまして、議員立法として早急に本法案を仕上げたいという趣旨にほかならない。全く技術上の理由でございます。
#5
○岡三郎君 そうするというと、私は参議院の任務と言いますか、その仕事の役割と言いますか、その点について、衆議院との関連上において非常な不満を実は持つているわけであります。それは、聞くところによると、この法案が衆議院においては大蔵委員会にかけられたということを聞いておるわけであります。勿論この法案の当局は大蔵省でありましようけれども、大蔵委員会は非常にたくさんの法案を審議しておるということにおいて、この国家公務員に対する退職手当の臨時措置法が非常に遅れて行つて、而も会期末ぎりぢりのところで早々の間に上げられて来ておるということを聞いておるわけですが、従つて衆議院においてこの法案が討論審議をされ、参議院においても同等の立場で審議するのに、ほかの法案も同様でありまするが、いつでも鵜呑みのような形で、時間が殆んどないままに、ここに持つて来られることについて、私は誠に不満を持つておるわけですが、併し今その不満を大平委員に申上げても、これは何ともいたし方ないことでありまするので、昨日千葉委員のほうから、本法案に対する根本的な問題として、この法案の第一条第三項に、「昭和二十八年八月一日以降においては、別に法律をもつて恩給法(大正十二年法律第四十八号)の規定による恩給、国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)の規定による退職給付、この法律の規定による退職手当及びこれらに準ずる退職給与を総合する新たな恒久的退職給与制度を制定実施するものとし、前項但書の規定により支給するものを除き、その法律によらなければ、如何なる退職給与も支給されることがない。」こう書いてあるわけです。前国会において三月三十一日限りこの法案は失効することになつて、新らしく抜本的な今の多岐に亙つている退職給付についてまとめるということを、一応シヤウプ勧告でありましようか。ここに規定が出ておるわけです。これを尊重した規定として出ておるわけでありまするが、この第三項が今回は全然生かされていないで、前回の時限法であつたものが何らその点については触れておらないで、ぽんと臨時暫定措置法案として、期限も付いていない。こういうふうな点につきましては、脈絡一貫して法律が検討され、我々に提出されて来ておらない。こういうふうに考えるわけです。従つて国家公務員に所属するところの政府官吏は、一体我々の退職制度というものがどうなるのだ、非常な疑問とそれから不安を持つていることを私は絶えず聞いているわけなのであります。こういう点について、衆議院の議員立法として出されて来た大平委員に聞くということと共に、この点については政府当局に質さなければならん点が多々あると思う。これは軽々に、いつまで続く暫定法かわからんような状態で放置しておくということについては、誠に遺憾でありまするので、この点についてでき得る限り一つ大平委員のほうから御説明を願うと共に、この点については、政府当局との話合い、なお政府当局が出席できるならば、この点を官公吏百八十万の人が希望しておりますのでお聞きしたい。こういうふうに思うわけです。
#6
○衆議院議員(大平正芳君) 岡委員の御指摘の点は御尤なわけでございまして、大蔵委員会における審議は十分委曲を尽していなかつた、なお議員提案になつた理由も全く技術上の理由でそういつた形式を踏んだわけでございます。併しながら千葉委員が指摘された通り、我々は議員提案になつた以上、その責任を回避しようとは思いません。ただ只今御指摘の第一条の二項でございますが、この問題は、ずつと退職手当の法律に明記されておつたところでございまして、成るべく早く現在の恩給制度と退職手当の制度との間に、役人の資格によりましてばらばらまちまちになつておりまするので、これを集大成いたしまして、公正な妥当な退職手当の立法をしなければならんということは、前々から政府に課せられた課題であつたわけでありまして、人事院といたしましてもこの問題を慎重に考究中であるやに聞いております。ただ昨日千葉委員から指摘されたように、いつ一体それができ上るのかということにつきましては、正直に申しまして確たる見通しを持つておりませんが、こういつたばらばらの給与制度というものは、逸早く、成るべく早い機会に統一しなければならんということは既定の方針でございますので、今度の立法にもそれを踏襲して講つたわけでございます。ただこの法律が時限法になつていない、今までは時限法になつていたのに、なぜ時限法になつていないかと申しますと、過去の経緯を見ますと、どうも人事院側の勧告が待つておりますけれどもまだ提出されない。そのたび毎に期限を延長する法律を国会に提出して御審議を願うというのも煩瑣じやなかろうかということで、実体は変つておりませんけれども、法律の体裁は暫定法律ということにして、今までの期限満了の期限を特に附すということはしなかつたのでございまするけれども、併し精神は飽くまでもその退職手当制度そのものの集大成を一日も早く政府は期待しておると同時に、我々国会といたしましてもそれを期待しておるという趣旨にほかならないのでございまして、その点は御了承願いたいと思います。
#7
○委員長(村尾重雄君) 岡君にお知らせします。御承知のように一般職の職員の給与に関する法律案の発議者の赤城宗徳君が出席しております。
#8
○岡三郎君 今の御答弁を聞くというと、まあ前回までは時限をつけて出して来ておるが、今回は一々そのような点を修正するということになれば煩瑣であるというふうにお答えになつておるわけです。併しこの法案の対象となる公務員にとつては、早く恒久的な退職給与制度を実施してもらいたいというふうに願望しているわけなんです。明確に期限がついておるのを今回とつたということになるならば、誠に不可解な心理状態を持つと思う。その都度都度退職金の内容が変つて、それを受領する側から言つたならば、不利益になつたり利益になつたりするような、そういうふうなときどきによつて非常なる相違が出て来るということになるならば、落ち着いておられないと思う。そういう点について人事院に質すというと、人事院は、本人事委員会においては、この会期中に恩給と共にこれを出すということを淺井総裁は言いながら、慶徳人事院給与次長はもう暫く待つて下さい、こういうことを言つている。ところがこのもう暫く待つて下さいということは年々歳々であつて、皆聞き飽きて誰も信用していない。ただ一筋に、論理的な、合法的な、合理的な退職金制度というものがいつ出るのがということについて、皆渇望しているわけです。そういう点で、大平委員はそれらの経緯について人事院その他とどのように話合つたか。人事院の意向は一体どうなのか。この点について大平委員の今まで当つて来たことがあるならば、その点について御回答願いたいと思います。
#9
○衆議院議員(大平正芳君) 衆議院のほうの大蔵委員会におきましては、人事院の給与局次長を招致いたしまして、いつまでに勧告の予定かということを問い質しましたところ、成るべく早い機会に勧告いたしたいと、折角作業を進めているという答弁でございます。
#10
○岡三郎君 そうするというと新たなる恒久的退職制度の確立は、次期国会に議員立法として提案なさるご意志があるかどうか。
#11
○衆議院議員(大平正芳君) それは大蔵委員会のほうから、私、聞いておりませんので、見解を表明することを差控えさせて頂きたいと思います。
#12
○岡三郎君 そうすると、国家公務員に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正するというこの法律案を議員提出したのは、先ほど言つたような手続上の問題でやつたという点はわかるけれども、併しながら一応この法案に対して議員提出をした限りにおいては、やはり今後も責任があると私は思うのであります。従つて今後とも新たな恒久的な退職金制度に対して政府に対してどのような努力をせられるか。その点について一つ明確にお答え願いたいと思います。
#13
○衆議院議員(大平正芳君) 御趣旨を体しまして、大蔵委員会といたしましても政府を督励してできるだけ早い機会に統一的な退職手当制度を確立するように督励いたしたいと思います。
#14
○岡三郎君 まだまだこの程度のあれでは問題にならないのですが、私は具体的に申上げて、なぜこの問題について関心をもち、我々は早急に願つておるかということを申上げますと、まあこの法律は当然国家公務員のみならず地方公務員にも影響がある法律だと考えているわけです。こういうところが非常な作用をすると我々は思つておるし、現実に過去においてもそうであつたわけなんです。例えば教職員に属する地方の公務員においても、東京では二百万円近くの退職金をもらい、同じ資格の同じ勤続年数をもつた者が神奈川なら四十万円、五十万円しかもらえない。その中から税金をとられてしまう。又茨城県あたりへ行つてみるというと、三十万円程度しかもらえぬと、そういうふうに……、それでごちやごちやといろんなものがくつ付き合つて、そのときそのときの臨時措置によつて大きく膨れ上つたり少くなつたり、これが行政整理に対する一つの政策として善用していればいいけれども、或る一定時期だけは殖やすような形で、余儀ない理由でやめるというときにはその恩典に浴することができないとか脈絡として一貫しておらないと思うのですが、そういう点について国或いは国会が本当にすつきりした形で、こういつたものについてとやかくの批判がないような形でやつてもらいたい、こういうふうな願望が非常に強いわけなんです。そこで私はこの退職手当の性格について、恩給法の退職一時金、或いは共済組合退職給付との関係についてちよつとお聞きしたいと思う。その関連について、恩給法の退職一時金、或いは共済組合退職給付との関係ですね、今後これをどういうふうに措置されるかということです。
#15
○衆議院議員(大平正芳君) 御質問の趣旨でございますが、恩給法上の恩給と、共済組合法上の退職給付との間には、特別な関係はございません。恩給法の対象になつておる公務員と共済組合の公務員と違いますから……。
#16
○岡三郎君 性格が違う。
#17
○衆議院議員(大平正芳君) そういつたことがまちくになつておりますので、一日も早く統一した退職手当制度を作ろうと努力いたしておるわけであります。
#18
○岡三郎君 結局私は、公務員としては、今のように安い賃金で生活をしておる。病気になれば医療費にも、一応共済組合制度があるとしても、なかなか家族のほうにも十分には参らん、そういうふうな形で三十年なり三十五年なりまじめに勤めて、いざ退職するときに、今のような物価高の時代において、そこばくの退職金においては誰だつて不安動揺と、将来の生活に対して何とかしてくれないかというふうな非常な願いをもつているのです。この点は国民全体の立場でもあると言えるけれども、少くとも私は、国家の枢機に参画して国民の多額なる費用というものを運営して行く公務員には、過誤があつてはならん。間違いがあつてはならん。こういうことを考えた場合には、清廉潔白に職務を遂行して行くならば何とか老後は保証してやるという立場において、この問題が早急に取上げられ解決されることを願つてやまないし、そういうふうなことを今期待して来ているわけなんです。そういう点で、この退職後の生活保証という問題について、恒久的立法をする場合において、大平委員のほうとしてはどのようにしたらばいいか。こういう点について一つお考えを聞きたいと思う。
#19
○衆議院議員(大平正芳君) 現在の退職手当の給与率は民間の一般の退職手当に優るとも劣るものではないように承知いたしております。併しながら御指摘のように退職給与が公務員の勤務条件として非常に重要な意味をもつておりますので、できることならばこれは立派に恒久的な法律として成立されまして、勤労条件の安定を得るようにいたしたいものだと念願いたしております。
#20
○岡三郎君 そうするというと、これもお考えを聞きたいのですが、退職後におけるところの生活保証としてはどの程度を適当とお考えになつておられるか、この点についてお伺いいたします。
#21
○衆議院議員(大平正芳君) 私からお答えして恐縮ですけれども、現在の退職手当の支給率は民間に比べまして決して不当に低いというようなことはございません。大体妥当な線を保つておるものと我々は思つております。
#22
○岡三郎君 それならば、私は下級公務員の実体につていろいろと今まで調査して参つたわけでありまするが、退職手当の支給の額を俸給月額によつてきめるということになると、何といつても下級の公務員の場合においては非常に少いわけなんです。こういう問題について、下級公務員の場合、生活保証として現在の制度は適当であるのかどうか。これだけいわゆる支給額を俸給の月額によつてのみ算定するという点、極めて適当であるのかどうか、この点についての所見を伺いたいと思います。
#23
○衆議院議員(大平正芳君) 折角の御見解ですけれども、本俸以外のものを算定の基礎にするということは、退職手当といたしましては適当でないと考えております。なぜならば、家族が多い少いによつて退職手当が多い少い、或いは勤務地の如何によつてその多寡が結果されるというようなことは、勤労の差異からいつての給与の思想の延長といたしまして適当でないと、私は考えております。
#24
○岡三郎君 そうするというと、下級公務員に対しては、私たちの考えとしては、やはり俸給月額というものによつて算定して行く場合、まあ本俸ですね、こういつた場合にやはりそこに何らかの調整をして持つて行つてやる必要があるのではないかというふうに考えるわけですが、将来としてこのような問題についてどのような御見解を持つておるか、お伺いしたいと思います。
#25
○衆議院議員(大平正芳君) それはやはり本俸の水準をどう持つて行くかという退職給与の問題になるのではないか。退職手当の問題をそれで解決するという二とは恐らく適当じやないと考えております。
#26
○岡三郎君 そうすると、どうしても本俸以外には方法はないという御見解ですか……。
 それでは、その点は又十分時間があるときにお願いすることにして、この法案の適用範囲について、第三条、第四条、第五条及び第八条についてお伺いするわけですが、今回の改正により適用範囲が変更される場合、特に不利な取扱いを受ける場合はないのか、こういう点について……。
#27
○衆議院議員(大平正芳君) そういうことはございません。
#28
○岡三郎君 ございませんか……。そうするというと、例えば政令で定めるというふうな点が、この法案に現行法規と違つておるところがあるわけなんです。この点については第八条にも関係し、第七条にも関係して来るのですが、林野庁の職員ですね、この職員が約十二万おるうちに、定員法によつて定員化されておる職員が約二万名程度ですね。約十万人の職員が国家公務員法によつて国家公務員となつておるのでありまするが、これが定員化せられていないのであります。つまり非常勤職員でありますが、従来は法に従つてこれらの非常勤職員、臨時職員は、退職手当の制度が実施せられておつたのでありましたが、この改正案では政令によつてなされるということになつておるわけです。この点について非常に、今すぐということにはならないかもわかりませんけれども、政令ということになりますると、法律ということよりも改変が自由である。従つていつ何時不利益を受けるかわからないというふうな非常な杞憂を持つておるわけです。そこで身分上非常に不安定となることが多いので、何とかこの点は元の現行法規を活かしてもらいたいというような要請が非常に多く来ておるわけです。政令で定める範囲というのはどの程度なのかという点について一つ御見解を聞きたいと思うのです。
#29
○衆議院議員(大平正芳君) 今の問題は技術的な点に亙りますので、勝手でございますが、政府委員のほうからお聞きとり願いたいと思います。
#30
○政府委員(岸本晋君) 退職手当の今回の改正案の規定の変つた点でございますが、従来は、岡先生御指摘の点、恐らく常勤を要しないものは退職手当を支給しないと言いながら、他面で日日雇われるものに支給するかという点であろうと存じます。この点が従来の法制が非常に技術的におかしいのでございまして、常勤を要するものには支給する。これは勤務形態を抑えているわけでございまして、他面、日々雇われる職員には、それを一月以上引続いたものには出す、これは雇用形態のほうになつております。この雇用と勤務形態、両者からだんだんまずい面が出て参ります。日雇の人は一日一時間か二時間しか働かない、こういう人がたまたま一カ月以上働いたからといつて、そのまま常勤並みの退職手当が出るというのもおかしいのでございます。本来の退職手当の規定から申上げますと、常時勤務の形態で、働いておられるかたは、それが勤務に対する報償である、退職手当制度からして妥当な考え方ではなかろうか、かように考えますので、今回の改正案では、先ず常勤を要するもの、これが本則である。併し今日予算なり定員法の上で常勤を要するものとして取扱われておりますのは、定員だけであります。そのほかに事実上はやはり常勤並みの職員がある。例えば岡先生御指摘になりました林野庁の職員のごときであります。こういう方々から従来の退職手当をもらう権利を取る、こういうことは毛頭考えていないのであります。ただそれが非常に法律面でごたごた規定いたさないで、政令に譲つて、従来通りの取扱いをやつて行く、かように考えております。
#31
○岡三郎君 そうすると、今の点については、いろいろ法律の内容とした問題があるという点から、こうされたという点はわかつたのですが、ただ従来の経験に鑑みて、いつ何時政令によつて定められる内容は悪くなるかも知れない。それじや却つて困る。内容が悪くされては困る。こういうふうな杞憂が非常にあるわけなんです。そういう点については、将来に亙つて、ここでどうこうお答え願えないかもわかりませんけれども、我々のほうとしては、やはりこれを法案の取扱上問題があるとしても、何とか法律の中に残してもらいたいという気持があるわけなのです。併しこの点はここで今言つても仕方ありません。そこは私のほうで修正案を用意しておるので、この点は後刻に譲るといたしまして、第五条関係の整理退職の場合ですね、本人の意に反する退職、国家公務員、法の第七十八条ですが、その場合の退職を、改正案第五条では適用範囲から除外しているという、この点はどうですか。
#32
○政府委員(岸本晋君) 実は本人の意に反する退職という、つまり何といいますか、本人の主観的な事由で問題を考えて参りますと、いろいろおかしなことになるわけであります。例えば定員の減少、組織の改廃で、お前やめてくれ、その代り退職手当をこれだけ出す。それでやめさせられた例がある。整理退職でも意に反しない場合と意に反している場合がある。つまり主観的な事由、客観的な事由、こういうことでございまして退職手当の支給をいたしますと、非常に話の筋が通らなくなつて参ります。今度の法律は、そうした主観的な、客観的な事由を押えて、国の事由でやめて頂くという場合には必ず五条の規定を適用している。或いは死亡とか病気とか客観的な原因がはつきりしているものは第四条に規定いたした次第であります。
#33
○岡三郎君 今のこの問題は非常に私は重要だと思うのです。この問題は、これは一つの杞憂かもわかりませんが、この秋に際しては相当多数の行政整理をするというふうに言われておるわけです。今、政府の委員が説明したように、本人の意思というものについてはなかなか付度しにくいとう点はわかるのでありますが、併しながら一方的に理由を作り上げて、そうして本人を退職せしめるという例は、今のような反動的な空気の中においては非常に強行されやすい私は憾みがあると思う。そういう点において我々としては、やはりこの本人の意に反する退職というものを濫用するということについて、この法案が適用されるということになれば、由々しき結果になるというふうに考えておるわけですが、この点についてもう少上その点を明確に一つ御回答願いたいと思う。
#34
○政府委員(岸本晋君) 退職手当と申します法律は、つまり退職という事実があつて適用される法律でございまして、整理とかどうこうとかいうことは、これからは自動的に出て参らないわけであります。整理というのは、国の一方的な都合で強制的にやめさせる、そういうような事態が生じた場合には第五条で該当する手当を支給する、こういう趣旨の法律でございまして、これによつて整理をやりやすいようにしているとかいうような意図は毛頭ないわけであります。
#35
○岡三郎君 それはもうあなた方のほうから言えばそういうふうに言えるのだが、それは法を盾に取つて冷酷なる御回答があつたわけなんだが、併しそういう法規があるということになれば、そういうふうにものの結果がなつて行くということは、もう日常しばしば我々としては経験して来たことなんです、実際は……。だから、そういう点について高い退職手当を出す、だから、それでいいじやないかということを言うことは、これは基本的な人権の問題に私はかかつて来ると思うので、当然万人がやめるべきものであるというふうに、なかなか一つの規定を設けることはむずかしいと考えられるけれども、非常に個々のケースについては無理強いの退職というものが今まで相当問題になつて、そうしてこれが人事委員会、人事院の公平委員会その他において、いろいろとやられて来ているということも、我々は知つているわけです。そういう点についてあなたにここをどうこう言つても、私のほうはこれでやめきぜるのではない、と言つておるのだから、それは水かけ論になるかわからないけれども「我々としてこの条項は非常に重視しているわけです。そういうふうな点でお聞きしたわけですが、非常に……。お答えがそれ以上出ないとするならば、これは大蔵大臣に聞かなければならんと思うのですが、これは保留することにして、次に予算の減少による過員、殊に今回の三派の予算修正案等から見ると、行政費を百億削れとか、まるで突拍子もないようなことが飛び出して来て、あれがそういう方向でないので幸いだと思うけれども、事実上今の状態であるというと、人だけあつてその人を使う費用がないということは、各官庁から言われているわけだ。具体的な仕事を遂行する場合において、意に反するような措置になつてしまつたというので、非常に復活要求が出ているということも聞いているのですが、その予算の減少により過員又は廃職を生ずることによる退職は、今回の改正案では除外されることになるのですか。
#36
○政府委員(岸本晋君) 予算の減少と申しますのは、つまり……単に予算が減つたから、金額が減つたから整理が起るという問題ではないのでありまして、つまり予算を減らすことによつて、つまり予算定員を減らすことによつて、それに応じて人件費を減らすというような場合は、当然整理ということも考えられるかも知れません。併し今回の改進党の、或いは国会で御修正になりました予算でも、人件費は全然削つていないのでございます。予算定員を削つていないのであります。これによつて予算金額が減つたからといつて当然整理になるというものではないのであります。ただ一般的に申しまして、予算の減少によつて過員又は廃職を生ずることによる退職は今度の改正案には含まれないかということでございますが、これは今申上げましたように、つまり予算を落すということは、つまり予算定員を落すという場合には整理を出す、従いまして第五条に定員の減少ということを書いてございまして、当然それに含まれるわけでございます。
#37
○岡三郎君 どうもその点はあなたの範囲を超える問題で、非常にこの法案は含みがあるので、誠に悪用すれば困ることになると思うのですが、併しこの点は後刻又首脳のほうからお答えを願うことにして次に進みますが……。
#38
○委員長(村尾重雄君) 岡君、ちよつと御相談したいことがございます。只今、加藤武徳君ほか三名から、成規の手続を以て、文書で動議が提案されております。その動議の取扱について実は申上げたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(村尾重雄君) 速記を初めて。
 この動議は相当重要だと存じますので、ここで暫時休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
   午後三時五十五分開会
#40
○委員長(村尾重雄君) 休憩前に引続き会議を開きます。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、加藤君ほか二君より、文書による質疑を終局し、討論に入られんことの動議が提出されておりますので、本動議の採決をいたします。本動議に賛成のかたの……(発言する者多し)速記を止めて。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて。
 動議に異議があるそうですから、発言を許します。
#42
○千葉信君 只今提出されました動議につきましては、これは動議として提出された方々はどうお考えになつておられるか知りませんけれども、この委員会には連合委員会の申込みがございまして、過去一回ずつ文部委員会と地方行政委員会と連合委員会を開催いたしました。ところが、その連合委員会はいずれも終結に至らずに、今後の連合委員会の開催については委員長に一任するということの決定を見ております。而もその連合委員会をどうするかということについてまだ明確な結論が出ておりませんし、従つて連合委員会を如何にするかということについて委員長がどう扱われて、それからこの問題を今後どう処理されるつもりであるか、この点を明確にされなければ、その動議を採択し、これを委員会に諮ることはできないはずでございます。
#43
○委員長(村尾重雄君) 御答弁を申上げます。文部委員長と私との間にその取計いを一任された文部委員会との連合委員会は、その後どちらからも話が出ません。但し地方行政委員会からは、常任委員から又委員長から、正式に連合委員会を開いてもらいたい、再開してもらいたいという申入れがあつたことは事実であります。これは両委員長で相当話合つた上でこれを処理したいと、こう思つたのでありますが、遺憾ながら私も委員会まで出向いて行つたのだが、開会中であることであり、話合う機会が未だないのでありましてそのままになつております。只今千葉君が発言されたようなことが正しいのかどうかということは、私は知りません。従つて私は今の状態だということより申上げるほかはわかりません。
#44
○千葉信君 その点については、法制局に至急連絡されて、委員長において善処されたいと思います。それが解決しなければ、その動議を採択するわけには参らないはずであります。
#45
○宮田重文君 今、千葉君から、文部、地方行政の連合委員会の打切りについての意見が出ておりますが、あの委員長にお任せしたということは、理事会においても連合委員会はこれで打切るという前提の下に、両委員長の協議に任せると、こういうことにしようという約束の下に、我々は委員長にお任せしたのであつて、地方行政との場合も、文部の場合にも、そういう取扱をしたから、同じように両委員長の協議によつて運営は任せるというようなことでお任せした。これは委員長理事で三人で確認しておるはずであつて、千葉君の今の発言はいささか事実と相違があると、こういうふうに思います。(「委員長、議事進行」「動議の採決」「委員外の発言」と呼ぶ者あり)
#46
○委員長(村尾重雄君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて。先ほど千葉委員から御意見があつたように、審議打切りの動議が出ましたが、未だ当委員会が地方行政委員会と合同委員会を先日開いて、その終りに再開を要求されましたが、再開の日を約束されましたが、その再開については、これで打切るか、なお会議を再開するかについては、双方の委員長においてそのとりきめを取計らうということに決定して打切つたのであります。その委員長同士の話合いが、その後話合う機会もなくして、その合同委員会がその程度で打切られたままで今日になつているのですが、そのままでこの審議打切りということが、これは違法であるか違法でないかということについての、委員部の御見解を伺いたいと思うのであります。
#48
○宮田重文君 委員長の発言中、連合委員会をやるかやらないかということについては、両委員長の会議に任せるというようなことは、勿論お任せしたことに相違ありませんが、そのときの状況は、すでに会期もないのであるから、もう打切るのである、打切るのであるが、併し文部委員会との打切りの場合にも、両委員長に任せたという形をとつたから、そういう形でお任せするのだと、こういう内意があつたわけであります。それは委員長も確認されておるはずだと思う。その点についての御意見が抜けておつたと思いますから、補足しておいてもらいたいと思います。
#49
○委員長(村尾重雄君) それじや委員部長から……。
#50
○参事(宮坂完孝君) 連合委員会の終結につきましては、ただ連合委員会に関する規定が極めて簡単でございまして、その点については詳細に規定してございません。それで従来とかく問題が起きたのでございますが、常任委員長懇談会におきまして、この終結につきましては、国会の役員である常任委員長のお話合いで決定すべきものであると、こういう御決定がございました。国会の役員である常任委員長のお話合いがつかないということは、法規も予想しておらないのであります。併し万一、両方の委員長のお話合いがつかないような不幸な事態に達しますれば、これは法案を持つておる委員長の最後の御決定によつて、その終結が決定されるのじやないかという常任委員長懇談会のお申合せがあるわけであります。そうして今問題になりました加藤さんから御提出になつた動議が、その終結を見ないうちに、この動議が提出されたわけでありますが、従来こういうときには、この本委員会におきまして御異議のなかつた場合は、そのまま次の段階の動議が決せられて、採決に持ち運びになつたわけでありますが、その連合委員会の終結についてまだ疑問である点が残されており、本委員会といたしまして、結論が出ておらないような場合に、御異議がございますれば、委員長といたしましてもお諮りになつて、そういうものを処理なされたあとに、採決に向う過程を踏み出されたほうがいいと、私たち事務局ではかように考えております。
#51
○委員長(村尾重雄君) 重ねて私からお尋ねします。合同委員会を開く開かないは、打切る打切らないは、両委員長の話合いで、その話がまとまらぬ場合においては、関係委員長のほうの御意思において取計らうべきである、これはわかるのです。今日のような委員会の審議打切りの動議が出て、その動議の最中に動議に質疑が出て異議が出て、そうしてこの合同委員会が打切られておつて今のままにおいて進行することが是か非かという問題なんです。そこで、その問題の取扱いは委員長の意見でそれを取計らうというのか、委員会にそれを諮つてそれをきめるというのか、その点一つ明確にしてもらいたい。
#52
○参事(宮坂完孝君) この点につきましては、只今千葉委員からのお申出がちよつとはつきりいたしませんのでありまするが、これがただ委員長に対する希望という点につきまして、委員長にお話合いでそこをきめて頂きたいという、こういう御趣旨でありますれば、本動議とは別にかち合うものではございません。但し千葉委員がその動議の出た瞬間におきまして、これの先決問題といたしまして、そういう問題を処理しろという動議が提出いたされたということになりますれば、委員長といたしましても両動議を御勘案になつて、これを事務的に法規にかなつたような処理をして行かなければならんのじやないかと考えておりますが、先ほどお伺いしたところによりますれば、まだ動議としてはお出しになつておらないのじやないかと私は承わつておりますが……
#53
○委員長(村尾重雄君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#54
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて。五時まで休憩いたします。
   午後四時三十九分休憩
   午後五時十八分開会
#55
○委員長(村尾重雄君) 休憩前に引続き会議を開きます。
 先ほど地方行政委員長と私と話合つて、地方行政と当人事委員会との連合委員会の取扱い方について円満に一つ話を進めたいと思つて、いろいろと地方行政委員長と懇談いたしましたが、先日も審議の時間が皆無であつたので、どうしても地方行政として、若し連合委員会が時間的に不可能なら、委員外発言として地方行政委員の発言を一つ許可されたいとの意見が出されまして、私は相当その御意見とは背いたのですが、当委員会の大勢の趣旨を体しまして、この法案審議のための残す時間が常識的に見て非常に節約されなければならんと、こう思つたのでできるだけ一つ御了解願いたいと思つていろいろと協議したのですが、どうしても同委員長との話合というものが一つの結論まで得なかつたのであります。まあそういうような点で、私、非常に地方行政委員長の説得力が私に足らなかつたのが、実は話がうまく行かなかつたのを、非常に私としても遺憾と思つておりまするが、私の真情から行きますると、できるだけやはり他の委員会の委員長の意思というものを尊重したいという私の考え方は、実はここに今もなお考えないのですけれども、万止むを得ず話合いがうまく行かなかつたことをば御報告申上げます。
#56
○委員外議員(内村清次君) 私、地方行政委員長の内村でございますが、案は地方行政委員会におきましては、今回の人事委員会にかかつて、おります「一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案」、これと密接な関係がありますし、同時に委員会にかかつております政府提案の平衡交付金法の一部改正法案、このなかに、教職員関係即ち小学校、中学校それから高等学校その他という方々の単位費用の法律案がかかつておるのであります。ところが、たまたま今回の国会におきまして、自改の協定によるところの二十八年度予算案に五十億の平衡交付金の増額修正がなされております。そこで私のほうの地方行政委員会でも、この単位費用の問題が政府の法律案として出ておりまするその法律案に対しまして、修正された五十億のこの修正の額の設定がまだ政府のほうでは操作中でございまして、その費用が確定しておらない、確定しておらないのを法律案に出しております。たまたまこれに又今回の一般職の職員の給与に関する法律案の中に、教職員の方々の俸給の三本建がその内容となつております関係で、これは非常に密接な関係があるというようなことで、この地方行政委員会の委員会におきましても、是非、人事委員会と連合審査をさせてもらいたいという要求のために決定をいたしまして、そして去る四日の日に連合審査をやつたわけでございます。で、委員の皆様方の中には当時御出席になつていらつしやつたかたもあられるようでございますが、又御出席でないような委員の方々もおられまして、私ずつと終始各地方行政委員の方々の発言と、政府の塚田長官との質疑の内容、それから又提案者との質疑の内容を聞いておつたわけでございますが、たまたま若木委員及び秋山委員との自治庁塚田長官との質疑の点におきまして、以前に地方行政委員会でこの単位費用の設定の問題につきましての塚田長官の答弁と全く喰い違つた答弁がなされたわけでございます。そこで若木委員も、これでは本委員会におきまして、即ち地方行政委員会におきましての平衡交付金の大事な法律の設定に対してこういつた喰い違つた答弁がなされるとしたならば、これは大変な問題である。そうして又その波及するところが一般職の職員の給与に関するこの法律案に対しましても関係が重大であるからして、もう時間も来ておりましたから、この連合審査は一時保留をしてもらいたい、留保してもらいたいという動議が出されたわけでございます。それから人事委員長におかれましても、委員会に諮るというようなことになりましてその後、私といたしましては、人事委員長の委員会における決定を待つておつたわけでございまするが、保留されたところの委員会の開会については両委員長の協議によつてきめるというようなことに決定されたという通告を受けて、実は人事委員長とは是非一つ協議をしてこの喰い違つたところの政府の答弁を直さないと、平衡交付金の私のほうの委員会のこの審理にも困るし、又、当委員会におけるところの一般職の職員の給与に関する法律案のこの基礎になるところの単位費用の問題に対しても困る、かように思つて、私は合同審査、連合審査を強く要望いたしておつたわけでございます。で、今日に至つたわけですが、先ほど人事委員長は、地方行政委員長を説得することは私が足らなかつたとおつしやるのですけれども、決して私はそうでなくして、是非一つこれは、地方行政委員の方々の中にも、まだ若木委員も、秋山委員も、加瀬委員も、松澤委員も、是非この点を一つ質しておきたいというようなわけでございます。又提案者にも是非聞きたいというような希望がございまするからして、実は先ほど委員会をやつておりましたころにお呼出しがありましたから、来て、又、再度連合審査を是非一つ開催してもらいたい、こういうような要請をやつておるわけでございます。議院の建前といたしましても、連合委員会の開催というものは、これはお互いの即ち委員会の尊重の上におきまして、従来慣行としてやつておる問題でございまして、切なる私たちの委員の方々のこの疑点を是非質したいということでありまするし、この法律案の根本的な問題でもございまするからして是非一つこれを主管しておるところの人事委員の方々が、この連合審査を通じてこの基礎になる問題につきましても究明をして、そうして正常な採決に持つて行かれる、審議を了されるということをもう一度お考え直しを願いまして、そうしてこの連合審査ができまするように、委員長といたしましては特に皆様方に要望いたすと同時に、人事委員長にもどうか一つこういうような私の誠意からいたしまして委員長にお願いするのでありまするからして、連合審査ができまするようにお取計らいのほどを是非お願いしたいのでございます。
#57
○加藤武徳君 只今の地方行政委員長の内村君の御発言は、地方行政委員会と我々の人事委員会との連合委員会を更に持て、かような御要望と了解をいたします。なお御発言の中には、地方行政委員会に属しておられまする二、三のお名前を挙げられまして、その人の委員外の発言をも認めて頂きたいというような意味をも若干含められておつたように了解いたすのでありますが、もうすでに今国会の会期もあと数時間しか残つておらないということは、お互い十分わかり切つておることでもございまするし、私は先ほど書面を以ちまして、他の常任委員会との連合審査は打切られたい、又委員長並びに委員外の委員の御発言は御遠慮願いたい、この二つの動議を提出いたしておりまするが、確実を期するため書面を以て提出いたしております。私は更に発言をいたしましてこの動議をお取上げ願いまするよう発言をいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#58
○委員長(村尾重雄君) 先ほど委員長の発言がなされて、いろいろと地方行政委員長から一訴えがあつたのですが、動議の出ていることも事実であります。ところが発言がありましたが、私たちとしては、当委員会の理事並びに委員長の意思がここにあると思つておつた。ところが時間のないことを理由にして、実は御了解願つて地方行政委員会からの申入れを打切つてもらいたい患つているく懇請しあです。私どもとしては、只今なお重ねての委員長発言としてお話があつたが、それ以上私としては意見はありませんから、他に委員長の御意見に対して何かありましたら。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#59
○岡三郎君 地方行政委員会の内村委員長の発言を聞いて見ると、私もその点についているくと問題がある意うのです。そういう点について、一つ地方行政委員長の内村委員長に質問したいと思う。それは、先ほどからこの問題については、千葉並びに宮田両理事の間でいろいろ話があつたのですが、その間の経緯は別として、とにかくあの合同審査の場合において幾多の疑点を残したまま現在に至つておる。そういうふうな経緯の中から、いろいろと時間がなかつたので本日に至つたのである。こういうふうに申されておるのであります。然らば、この連合審査の中において、単位費用の問題に対して、塚田自治庁長官と若木委員との間にも喰い違いがあると申しておりましたが、その内容について具体的に一つ指摘してもらいたいという点と、もう一点は、これは若木さんという問題でないかもわかりませんが、私たちはそう思つておつたのですが、塚田自治庁長官が、地方行政委員会で言つた点と、それから合同審査のあの委員会の席上において言つた点について、一体どういうふうに喰い違つておつたのか、そういう点が明確にならないというと、あの場合において、単に若木委員なり或いは秋山委員なりが喰い違つておつたという点については、その当時、合同審査に列席しておらなかつた委員の方々が多数あるわけであります。そういう点に鑑みて、この問題はなかなか重要な問題でありまして、つまり本法案が仮に通過したといたしましても、その財政措置というものが混乱するということになれば、非常に地方の教職員に甚大なる御迷惑をかけることにもなるように見受けられるわけであります。そういう点で、私はその箇所について、もう一応塚田自治庁長官に地方行政委員会と合同審査会との喰い違いを一つはつきりしてもらいたい。
#60
○委員長(村尾重雄君) 岡君に注意しますが、実は連合委員会を持つことの可否について御意見を一つ伺つておるのですから、質疑内容に亙るようなことは……。(「議事進行」「発言中だ」と呼ぶ者あり)連合委員会の可否について、聞いて頂きたいという御意見に対して実は私としていろいろとお話し申上げたが、御了解を得られなかつた、それについて御意見のおありの方はと言つて私は伺つておるので、質疑内容については御遠慮願いたい。(「委員長の注意を聞きなきい」と呼ぶ者あり)
#61
○岡三郎君 その点についての注意は十分了承いたします。併しその点が明瞭にならなければ、本委員会で何を聞くのか、何が喰い違つておるか、わかつておる人とわかつていない人とがちやんぼんになつておる。そこで、今、私が地方行政委員長の内村さんから、いろいろその間の経緯について十分お述べになつたと思う。そういう点で或る程度、時間を限るなら限つても私は結構だと思うのですが、この際十分私はやつてもらいだいと思う。その短時間の中で、私どもとしては三十分程度発言を許可して、そうしてこの問題については明確なる……(「動議が出ているのだ」「委員長何をしておるか」「発言中だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)同僚の君が同格の他の者に発言進行中に文句を言う法規が一体どこにあるか。そこで私はこの点について(「委員長は委員会のやり方を知らん」「動議が出ているのだ」と呼ぶ者あり)この点について(「動議、動議」と呼ぶ者あり)委員長、議事を整理して下さい。ああいう発言はやめさして頂きたい。私は今言つた点を十分了承いたしますので、その点について、数時間という言葉で、加藤君は不明確な言葉で言つておるけれども、明確に、本日午後十二時までには六時間有余というものがあるわけです。我々の言語学上から言えば数時間というものはない。そういうふうな点について、(「発言を求めた内村君に対して質問しろ」と呼ぶ者あり)ちよつと待ちなさい。内村君にしようと思つているのに、委員長のほうから注意があつたからだ。もつと冷静に……(「委員長の注意を守つて発言しなさい」と呼ぶ者あり)注意を守つて私は話をしておるのに、質問しちやいけないというから……(「委員長、議事を整理しろ」と呼ぶ者あり)議事を妨害するじやないか。そこで私は、先ほど内村委員長の言つた点について……同じようなことばかり言うようだけれども、(笑声)そういうふうな点について時間をとるということはなかなかできないと思う。そういう点で、議事の進行に協力するという意味を以て両委員長間における今後の感情的な問題も残つてもいかんし、又、地方行政委員会と本人事委員会との間に……ちよつと聞きなさい、着席して……(「俺に質問しているわけじやないだろう」と呼ぶ者あり、笑声)そういう点について私は、長時間は勿論いけないと思うから、併し先ほど言つたような、地方行政委員会と人事委員会の両委員会の今後の運営にもういろいろと重大な影響を持ち来たらしてはいかんという意味で、時間を限つて、この点については地方行政委員会の意見を短時間に言つてもらうことによつて、この問題の解決が私はつくと、こういうふうに今思つておるわけです。そういう意味で、私は長い時間はとらないのです。何人地方行政委員会から発言があるかもわかりませんけれども、併し幾人あるとしても、全部をまとめて三十分程度やつてもらつたならば、大体真意が掴めるのではないか、そのことによつて、本委員会のこの法案の裏付けとしての平衡交付金の単位費用の問題と、この法案に基くところの三億六千万円なり或いは一億五千万円という金の措置について分明すると思うのです。そのことがこの委員会の議事を促進さぜるものだというふうに私は考えるのです。
#62
○委員長(村尾重雄君) 簡潔にして下さい。
#63
○岡三郎君 これ以上簡潔にできない。(笑声)そういう意味で、私は今言つた点について、もう簡単に言いますが、三十分間程度でやつて、両委員長の間の溝をとつて、両委員会における溝をとつてやられることが……少くとも我々が今後質問せんとするところの事項の骨格をなす事項なんです。それは取りも直さず今後における我々の質疑を簡素化する意味においても、重要なる私は関連が明確にあると思う。そういう意味において、我々の今後のいわゆるこの給与法に対する質疑をいささか省略をしてでも、この問題については私はやる必要があると、こういうふうに思うので、その点についてそこばくかの時間をとつてやつてもらうことが、最も賢明で妥当であると、このように私は存ずるのであります。
#64
○委員長(村尾重雄君) ちよつと速記をとめて。
   午後五時四十一分速記中止
   午後六時三十分速記開始
#65
○委員長(村尾重雄君) 速記をお願いします。
 加藤君ほか二名から、成規の賛成者を得て、他の常任委員会との連合審議は打切られんことの動議が提出されております。本動議に賛成のかたの挙手を願います。
  (賛成者挙手〕
#66
○委員長(村尾重雄君) 多数でございます。よつて他の常任委員会との連合委員会はこれを打切ることに決定いたします。
 なお引続いて加藤君から成規の手続を以て、当委員会の委員以外の発言は認めないことの動議を提出記されております。
 ちよつと速記をとめて。
  (速記中止〕
#67
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて。
 只今加藤武徳君から、成規の手続を以て提出されました委員外議員の発言についての動議は、提案者から撤回されましたので、(「加藤武徳君「委員長が許さないという条件で」と述ぶ)さよう決定いたします。
 続いて休憩前に問題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、加藤君ほか主君より、文書によつて、質疑を終局し討論に入られんことの動議が提出されておりまするので、本動議の採決をいたします。本動議に御賛成のがたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#68
○委員長(村尾重雄君) 多数と認めます。よつて本案について質疑を打切ります。これより討論に入ることになるわけでありますが、ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#69
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて。
 七時十五分まで休憩いたします。
   午後六時四十三分休憩
   午後八時九分開会
#70
○委員長(村尾重雄君) 休憩前に引続き会議を開きます。一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について討論を行います。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見のおありのかたは討論中にお述べを願います。
 加藤武徳君より、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する討論時間は、社会党第四控室は一人三十分ずつ、(修正案に対する説明、質疑、答弁等の時間を含む)緑風会二十分、他はおのおの十分に制限せられんことの動議が提出されております。本動議の採択を行います。本動議に賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#71
○委員長(村尾重雄君) 多数。よつて討論時間は、社会党第四控室は一人三十分ずつ、(修正案に対する説明質疑答弁等の時間を含む)緑風会二十分、他は十分に制限いたします。
#72
○岡三郎君 私は只今議題となつておりまする一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について反対の討論をいたしたいと思います。反対の第一は、我々がいろいろの角度から検討しておりました俗に言う三本建のこの給与法については、二年前以来人事院において慎重に検討がなされて参つたのであります。そのときの主なる問題点は、現行の給与法を改正して、小、中と高等学校との間に別枠の給与表を作るかどうかという問題であつたのであります。そのような問題について、人事院当局は、教育基本法或いは学校教育法その他の給与法規を検討した結果、議員の各位がすでに御承知の通りに、国会と政府に給与べースの改訂と併せて、給与準則が出されているのであります。私はこの給与ベースの勧告と、給与準則とは、不離一体のもので、切離して措置はしてはならないというふうに考えております。又このことは広く一般に常識として考えられておるのであります。然るに提案者は、本法案を提案するに当つて、質問に答えて、人事院の勧告前にこの法案は用意されて来たのであるという御答弁があつたのでありまするが、私はそれならば次のことを言いたいのであります。それは、本法案は、当初予定されていたということについては、何とも不可解であります。これは当然法律を提出するときに、予算措置をというものが考えられなくてはならないのであります。政府は、三億六千万円の財源を平衡交付金五十億の中に措置したと、こういうふうに言つておりまするが、その予算の修正に当つて、三党で協議したときは、改進党の田中久雄衆議院議員が、参議院の予算委員会において明確に申されている通り、現在の教職員の給与の不合理を是正して、即ち学歴を勤年と対比して、これを現行より有利にする、而も現在の高等学校の職員は、前歴計算において非常に不当な措置がなされておるので、これを〇・五を〇・八に直したならば、何とか現在の不合理是正ができて、広く高等学校の職員と併せて、中学、小学校におる同一学歴、同一勤年の者にも潤うという理由が述べられておつたのであります。ところが、その協定がいつの間にか改正されまして、本法案が突如として提出されたためでありましようか、三億六千万円に対する措置としては、塚田自治庁長官、或いは小澤衆議院議員、或いは提案者の赤城宗徳氏と、すべてが喰い違つておるのであります。即ちこの法案が若しも可決されるとするならば、現在審議されているところの不明の点から申しましても、三億六千万円中、一億五千万円はこの法案で使われるのでありまするが、残りの二億一千万円に対しては、甚だ不分明なのであります。このような不分明な予算案を裏付けとした本法案が、あらかじめ人事院勧告よりも前に、仮に提案者の言うごとく用意されていたとするならば、如何にその用意……失礼でありまするけれども、お考えが杜撰であつたかということを表明するにほかならないと私は思うのであります。つまり、つとに用意されておるならば、予算措置その他等も、与党でありまするので、十分に法案と対比し、十分その措置がとられて、衆議院において検討され、参議院において慎重審議されるならば、現在までのように無用な議事の混乱を惹起さずに、素直に全部の教職員に納得できるところの措置ができたと存ずるのであります。そういう点で、私は、本法案が早急の間にでき、而も幾多の財政措置においても不明確な点を残して、現在討論に立ち至つていることについて国会議員として、又衆議院と違つた参議院の名誉のためにも、誠に遺憾の意を表せざるを得ないのであります。この点について、若しも三億六千万円が十分消費されるようになるならば、あえて我々は、溝口試案と称された一時話題に上つた法案について、非常に不満の点もあるけれども、賛意を表して、これを或いは可決しても可ではないかというふうにも一時考えたことがあるように、本法案に対する財源措置は、支離滅裂であるというふうに考えておるのであります。そういう点について人事院勧告との関連上誠に遺憾な法案であると、こういうように第一点を申上げます。
 次に第二点といたしまして、本法案の提案趣旨に次のように述べてあるのであるのであります。即ち「各学校種別に職域差を認めることの可否については、教育の本質如何という立場から異論があるかも存じませんが、」と、こういうふうに述べておるのであります。誠に、異論があるならば……特に教育という問題は、単に高等学校、中学校、小学校という、教員のものではなくして、一千二百万の学童と、数多くの父兄を擁しておるのであります。そのような広汎なる日本の教育の問題について甚大な影響をもたらす本法案の提出に当つて、「異論があるかも存じませんが」というふうに提案者みずから不可解なる言葉を用いまして、そうして提案されて来ておるということについては、私は誠に残念だと思うのであります。それは、本法案のこの俸給表にも書いてありまするが、「本表は、暫定のものであつて、なるべく速やかに合理的改訂を加えるものとする。」と、こうあるわけであります。現行の給与法は、誠に中だるみの、中堅公務員、或いは教職員の誠に遺憾とする俸給表であります。そのような観点から、現在の人事院勧告の俸給表は、異論があるとしても、これを大幅に是正しておる俸給表なんであります。私は、そのようなことをあれこれと考えた場合において、本法案が非常に異論があるというふうな点、或いは今のような矛盾があるというふうな重要なる点を含んで、而もあえてこれが国会審議のあとから出て来たという点について、誠に残念と思うのであります。なぜならば、本法案は、附則において「昭和二十九年一月一日から施行する。」と、こういうふうに書いてあります。然らば、本法案の欠陥なり、或いはその他未熟な点を十分に感得するならば、無理にこの法案を可決することなく、なお十分に施行まで審議の時日があるのでありまするから、これを継続審議なりして水害その他の対策で緊急に臨時国会が召集される傾向に鑑み、九月なり十月にこの法案について更に検討する機会が十分私はめぐつて来ることを信ずるのであります。そういうふうな建前から考えても、この法案については誠に遺憾であるというふうに存ずるのであります。更に今申上げました点の職域差の問題でありまするが、提案者は職域差の問題について、「学校教育法におきましては、高等学校は中小学校に比べ、高等普通教育のほか、専門的教育を施す旨の附加的条項があるのでありまして、それだけ負担能力等において専門的な負担が加わる次第であります。」こう書いてあるのであります。この点については、すでに赤城委員並びに文部当局の関係者に質して明瞭になつたように、学校教育法の中におけるところの高等学校の目的の中における専門的教育云云という字句は、工業高等学校なり、或いは商業学校なり、或いは水産なり、商船学校なりというふうに、特殊の技術員を養成する学校を考えて書いてあるのでありまして普通の高等学校がこのような字句にわずらわされないということは、すでに学校教育法の分析から一般の常識なのであります。この点を提案者は誤解されたのでありましようか、それを強調されて職域差を設定する理由の主なるものとしておるということについては、絶対に承服ができないのであります。少くとも、現在の教育制度を考えた場合に、仮りに提案者の言うように、高等学校がいくらかの専門的教育を施す云々と言われるならば、小学校と中学校の間に専門的な度合が更に深まつておるのではないかと私は思うのであります。これは比較対照論でありまして、少くとも私は、高等学校と小中を切離したこのような無理なこの俸給表は絶対に承服できません。若しも提案者の言うがごとくなるならば、幼稚園の俸給表一本、小学校の俸給表一本、中学、高等学校、大学、大学も大学院の設置されておるところと設置されておらないところの俸給表を作り、更に提案者が職域差の一部としておつた免許法をここに持つて来るとするならば、一級、二級を主張するならば、中学校に一級、二級あり、高等学校に一級、二級とあるということを御存じだと思うので、そのように差等をつけるところの俸給表を作るか、或いはそれを合理化するところの俸給表を作らない以上、免許法の観点から言つても、全教育体系から言つて絶対に納得できないのであります。更に、私は申上げたいことは、少くとも戦争前の高等師範学校、師範学校というふうな枠の別があるならばいざ知らず、終戦後における六、三、三、四制を通ずる新教育の確立を目指して努力しておる、その教員養成制度は、明らかに新制大学の卒業者をスタンダードなものとして採用することに決定しておるのであります。このことこそ、過去における師範教育なり、高等師範教育というものが、枠に閉じこもり、人間性を没却し、そうしてただ徒らに枠の中に詰め込む教育をしたというふうな各種の弊害その他を勘案して、広く一般教養と共に、教員としての資質を磨くための措置として高くこの点は主張を貫かれて参つたのであります。その意味において、私は少くとも新制大学の卒業者が、その率は別といたし、ましても、高等学校、中学校、小学校にそれぞれ配置され、それぞれの角度において教育の礎を築き、総体的に六、三、三、四制を通ずるところの大きなる日本の教育躍進を考えない以上、絶対に私は教育の振興はあり得ないと、このように感ずるのであります。そのように考えて参りまするというと、無理に職域差をつけて、或いは一般の父兄、或いは社会に対して、理由なく一号俸を高等学校のみにかぶせる。而も高等学校であれば、無資格者も、四級の一号に切替えたとぎになつておるならば、無資格者でも無条件に一号加えて、中学校において資格がある者に一号加えないというふうな、馬鹿げたことは常識のある者には当然考えられない措置と私は思うのであります。
 いささか脇に外れましたが、何と言つても私は、現行においては、提案者が初めに申しておる通り、職域差を認めるということの可否は誠にむずかしい。然らば、最初に私が申上げた通りに、全部の先生方に合理的に措置して喜ばれるような方途がないものかと、各種の角度から検討し施策をめぐらすのが、私は衆議院の欠点を補う参議院の使命と存ずるのであります。そういう点について、職域差の問題については、今後大きく国民的な非難の的になり、教育の根抵を揺がす一つの要素になることをここにはつきりと申上げて、今後ともこの問題については、過ちを認めたならばこれを直すに憚ることなかれという態度において、小中を萎摩沈滞させることがないようにされたい。私の言つていることは、単に月給が五百円、千円違うということを言つておるのではなくして昔、三円、五円違つたために下駄箱の配置の状況も違つていたというふうな、そういう身分的な封建的なことを今ここに実施することを避けて、何とかして新時代の教育の方向に行きたいと、こういうふうに考えるがゆえに、いささか脇道にそれましたけれども、この職域差については絶対に承服できないのであります。
 次に最高号俸の点でありまするが、これは免許法において、或いは教育公務員特例法において人事院勧告もいろいろの角度から検討された結果、彌縫策として最高号俸に差等をつけて参つておるのでありまするけれども、私はこの方式に対しても大きく異論があるのであります。それはなぜかというならば、現在の動きつつある生きている教育を眺めたときに、高等学校の校長は小中の校長よりも数が少いし、なる率が少い、このように馬鹿げたことを言つておりますが、併し俸給というものは、団体に給付されるものではないのであります。これは国家公務員の給与法を見てもわかるように、俸給というものは、個人々々に支払われるべきものでありまして、その場合において、小中の中において、東京でも、或いは徳島でも、或いは大分県においても、小中に徹底的に踏みとどまつて、あの戦争の最中においても高い俸給に釣られて工場に行つたということなく、地味ではあつても黙々と働いて勤続して来た優秀な小中学校の校長なり教師に対しては、あえて私は申上げまするけれども、大学の学長と同じように行けるという、これは理想ではなくて、全部が行けるのではなくして或る数の者はそこまでも行けるというふうな途を講ずることが、日本の文教政策を振興させ、小中の教師に、肉体的な或いは責任の過度な教育を遂行せしめるためには、倦まざらしめんことを要するという観点からも、その途を開いて置くべきだというふうに言つて参つたのであります。併しながら、この点についても、無条件に学校の種別によつて最高号俸が切られて来ているということは、余りにも機械的であるし、教育の実態を無視するものであると考えて私は反対をするのであります。特に終戦後のあのどさくさの中で新学制が樹立されて、中学校は、校舎もなければ、教材もなければ、ただ生徒のみがあつたのであります。その何にもない中学校に何とかしてこれをしつかりしたものに育てなければ、小と高を幾らやつても付け足しにはならないという観点から、各都道府県においては、高等学校を統合整理するような無理をしてまでも、優秀な高等学校の教職員、小学校の職員の中から、中学校に配置したのであります。それらの先生方は鋭意孜々として終戦以来ここに八カ年、現在まで努力して来たのに、同じ資格と同一勤年で、而も何ものもないところで新らしい教育の建設だ孜々として努めて来たそれらの人が、この俸給表によつて、中学校なるが故に仕方がないということを言われておるのであります。給与はすべからく公平であるべきでありまして、これにはいささかも政治的な意図なり、或いは、わけのわからん理由によつて差等を付けるということは、禍根を千載に残す問題であります。そのような観点から見ても、私はそれらの人々に対して、同一資格があり、同一勤年ならば、何とかして差別的待遇をしないようにと考えて参つておるものでありまするが、それらに対する質疑を一方的な動議で打切られ、誠に不分明な中において、この討論が行われておるのであります。特に文部大臣は、特殊な学校、盲聾唖学校、つまり同一屋根の下において、専門、或いは高等部、中等部、小学部、幼稚部とあるような、そのようないわゆる仕事の中身というものに対してお知りにならないのか、単に併任すればよろしい、こういうことを言つておるのであります。誠に教育に挺身している人々に対し無礼極まると私は言つても差支えないと思うのであります。それは、同じ屋根の下において或る者がこの法案によつて上がるということになれば、単に併任すればよいなんということで気持が納まるものではないのであります。つまり仕方がないからお前に一号つけてやるのだというふうな形の俸給表において、何で心から納得する者があるでありましようか。更に附属の場合においても併任すればよいというふうなお答えを出しておるのでありまするが、中小のみの附属の場合においてはどこに併任させて一号俸上がるのでありましよう。附属の中学校、小学校しかないところに高等学校があれば併任させる便法もとれるでありましようけれども、中小しかない所に何がその措置がとれましよう。非常に細かい点でありますけれども、これは文部当局は誠に無誠意、無責任に、この法案に対してただ徒らに闇雲に三本建にやればいいという政治的意図に出ている私の一つの解明でございまして、その他解明をすれば二十数項目に亙るところの杜撰なるところがあるが、併し、私は討論時間が制限されておりまするので、以上の点について詳しく申上げませんけれども、なかなかこの問題は将来に禍根を残すので、絶対に承服できないのであります。
 以上、各種の角度から申上げたいと存じましたけれども、時間がありませんので母上にとどめておきますけれども、最後に私は、この俸給表が出されることによつて、現実に良心的なる先生方はすべて大学から幼稚園を問わず憤激の情を燃やすことだろうと私は思うのであります。高等学校の先生方にしても、徒らに他を排して己れのみが己れのみというふうな行き方自体、これは過去におけるところの団体利己心である。個人で言えば個人的利己心であり、このようなことが若し白昼堂々と行われるならば、資格をとれば高くなるとか何とかいうふうな一方的なことばかり、教場に子供をほつたらかして自分はほかのことをやるというような教育現場の輩出を私は憂えるのであります。先ほど申上げました通りに、この三億六千万円を不合理是正に使うならば、高等学校の先生は少くとも三号程度上るでありましよう。若しその財源が不足するならば、更にこれを続行して、将来更に予算を獲得して、徹底的に不合理が改正されて、高中小すべてが納得ずくの俸給表に私はなることを信ずるのであります。そういう点において、給与ペースの改訂がなざれた場合においては、この法案は飛ぶのでありまして、役に立たなくなるという法案でありまして、それならば私は、給与ペースの改訂前に、今の金で合理化をして、その上に給与ペースの改訂を政府に促進させ、更にその上においてその職域差を論じても遅くはない、このように感ずるのであります。私は、この声が全国の諸先生方に届けば、不十分ではあろうとも大方の賛意を私は受けることを確信するのであります。高等学校の先生が上り、ほかの先生方も理由が正しくあつて上るということになるならば、すべての父兄も安心し、学童も高等学校に対して義務制を軽蔑するような気風を誇張するようなことはないと思うのであります。先般八十年のあの教育の記念祭に出席したあの白髪の老人は、小学校の教師、中学校の教師が如何に多くあつたかということであります。あれらの教師に対して形式的に褒賞をしておきながら、このような差別的法案によつて差等を付けるということは、誠に政府の文教政策というものが首尾一貫しないどころか、教育を振興させないことになると思うのであります。そういうような観点から、時間が参りましたので、不本意ではありまするけれども私の反対討論をここに終結いたします。
#73
○溝口三郎君 只今議題になつております本法案に対しまして、私は私の良心に訴えて、甚だ不本意でありますが、止むを得ず賛成するものであります。以下その理由の概要を述べます。
 第一に、本法案は去る七月二十四日衆議院議員益谷秀次君ほか二十三名の三派協同提案によるものでありますが、多くの議員立法のうちで代表的な悪法であるのでございます。私は教育職員の重責に鑑みまして、その地位の向上、待遇の改善を図る点については、提案者の趣旨を尊重し、賛意を表するものでありますが、本法案の内容を慎重審議の結果、私はこれに根本的な修正を加えまして、本案の不合理な点を是正し、完璧を期した法案として本国会においてその成立をされんことを切に念願をいたしていた次第でございます。然るに、昨日午後十時過ぎ、私の修正案の提案理由の説明を予期していた直前に、千葉委員長代理は委員に諮ることなく突如として散会を宣して、私の修正案の審議を本国会において事実上不可能ならしめたのであります。私が精魂を尽して立案いたしました修正案の説明も、かくのごとくにして永遠に暗闇に葬り去られたことにつきまして、私は国会議員としての職責を全うすることのできなかつたことを甚だ痛恨に堪えない次第でございます。せめてもその修正案だけは、委員長におかせられましては、その要綱につきまして、本国会において全国民に報告せられて、国民の批判を乞われんことを切にお願いいたす次第でございます。
 修正の要旨を申上げますれば、第一に、教員俸給の三本建はこれを認めるごと。第二に、各俸給表の内容は人事院勧告による給与準則の基準に準ずること。第三に、原案附則第二項の一律に直近上位の号俸への切換えへの規定はこれを削ること。第四に、新たに教育職員となる場合の俸給基準は、その特殊性に適合するように、又学歴を尊重して改訂すること。
 それに附帯条件がありますが、その第一は、人事院勧告による給与ベースの改訂並びに給与準則を政府は速かに実施すること。第二に、盲聾唖学校等の特殊学校の職員については、級別俸給表の適用に基いて人事院細則により合理的取扱い方法を講ずること。第三に、予算の範囲内において給与の陥没是正を行うこと。この附帯条件のうちで、第三項を抜きましては本法案の実施に当りましては特に要望をするところであります。
 本法案が仮りに明年の一月一日から実施されることになりますと、その結果はどうなりますかといいますに、第一に、地方教育職員にとりましては、大学、高等学校の職員の四級俸以上の者は一律一曹に一号引上げとなりますが、これは多年の要望であるところの二号乃至三号のいわゆる陥没の救済は、その目的に反しまして、二十八年度修正予算において折角獲得いたしました平衡交付金の三億六千万円のうち、二億一千万円は返上をしなければならんような羽目になつておるのでございます。本法案の賛成者たちは、教育職員から感謝されるどころか、必ずや公約無視の恨みを買うのみならず、中小学校等の職員軽視のそしりをも受けるようなことになることは、火を見るよりも明らかなところでございます。
 第二には、予算上におきましては、国立学校においては、本年度末三カ月間におきまして四千万円の赤字を生じますが、これの補正を必要とすることとなるのみならず、公立学校につきましては二億一千万円の不用額を生ずる等の違算を生ずるようなこの法案は、明らかに国の財政の基礎を紊乱するものであるのでございます。かくのごときことを十分に知りながらも、私の修正案につきましては一瞥をも与えず、強引に本法案を押切らんとしている与党諸君の心情那辺にあるか。私をして言わしめれば、与党議員の悲しさと哀れさと言うべきものであるようにも考えられるのでございます。私は、一私人としては尊敬する諸先輩諸君に対して甚だ礼を失するようでございますが、公人として民主政治のためにあえてかくのごときことを申上げまして、皆様の反省を促し、苦言を呈する次第でございます。
 次に本法案のように教育職員のみをこの際に取上げまして、特にその優遇の途を与えたことは、将来全公務員間に徒らな反撥と軋轢を生ぜしめるような重大な素因を残すことにもなるのでございます。本法の前例に倣いまして、必ずや公務員のうち研究職、医療職、技能職、或いは警察職、消防職等、各職員ごとに議員立法の名にかくれて、それ相当の理窟をつけてその要望を満さんとするようなものが続出することは明らかなところでございます。かような悪先例を開かれました本案の提案者諸君の深き反省を求め、将来におきまして再びかかることのないように、特にその戒心を望むものでございます。本案の実施時期は明年一月
 一日になつているのでございます。然るに人事院の給与準則案はすでに七月十八日に勧告されておりまして、目下両院においても検討中のものでございます。教員給与の三本建は、長年人事院で研究の結果、今回の給与準則案中に取入れられておるものでございまして、衆議院提出の三本建法律案は明年一月一日から実行の案でございますが、給与準則のこの三本建の部分だけを取急いで、而も近く全面的に改訂せられるべき現行給与法の一部分改正として取扱う理由は、原則的には成り立たないのでございます。又教員の給与改訂に要しまする経費は、予算案に明年一月以降の分として修正附加されておりますが、それまでには制度上の手続をとるためにも十分の期間と機会が与えられているのでございます。併しながら私は教職員の三本建待遇の改善の問題は、できるだけ速かに実施することが必要であると考えますが故に、人事院は多年の研究によりましてその成果を今回国会と政府に勧告したのでございますから、その趣旨を一日も速かに実現され得る趣旨においては、本案に賛成をすると同時に、政府は速かに人事院勧告に準じて給与準則法の裁定を行い、そのときは本法は失効すべきであると考えるのでございます。
 最後に、政府は、人事院勧告の給与準則案の実施に当りましては、本案が予算上その他幾多の問題を蔵したまま議員立法として成立いたすことになつたならば、そのことと、更に人事院の給与準則の勧告は、人事院の多年の調査研究に基く成果であることのこの二つの事実と、更に私の修正案の趣旨をも十分に勘酌して、速かに公平妥当な給与準則法を立案せられて、少くとも本法の効力発生以前において国会に提出せられんことを望むものでございます。その際、特に私の要望いたしますことは、給与準則案総則第二条に言うところの給与は、すべての職員に公平に適用されねばならないという衡平の大原則を、この全法律を通じて貫くことを、特に要望するものでございます。私の本案賛成の意見の概要を申述べた次第であります。
#74
○千葉信君 私は本法案に対して反対いたします。ただ併し、冒頭に一委員の討論の中で、私の昨日とつた委員長代理としての措置について言及がありました関係上、簡単に私は釈明を申上げたいと思います。先ずその第一は、当時私はいわゆる溝口修正案なるものの見通しにおいて甚だしく悲観的であつたという事実、それからもう一つは、修正案の提出は討論に入つたときに委員会に提出せられるという関係上、飽くまでもこれは昨日中における説明等の問題は、我々としては慎重に考える必要があつたということにも一応の理由はあるのでございます。決して悪意ある考え方を以て行動したのではないということを、この際一言釈明申上げておきます。
 さて反対の理由を申上げます前に、この法律案に対して、只今岡委員より、馬鹿げた案だという御批判がございましたが、私はこの法律案は誠にお粗末至極な法律案だと申上げなければならないと思います。例えば提案理由の説明等にいたしましても、衆議院において説明いたしました内容なるものと、本院においてなされました内容なるものとは喰い違つております。別個のものを提出されているのでございます。この事実は、衆議院における審議の経過に鑑みて、不用意であつた部分を修正して本院に提出されているのでございます。而もその法律案たるや、以下反対の理由の中で申上げますように、現行給与法に対する認識の不足、準備等に至つてはかなり長時日を要したと仰せられておりますが、それにもかかわらず、私どもは現行給与法の法体系を紊乱するがごとき法律案をあえてお出しになられたその事実から言いましても、私どもはこの法律案はお粗末至極な法律案だと私は考えております。
 そこで反対申上げまする理由の第一点は、昨日も質疑の中で申上げましたように、法律案自体に、この提案されました改正案の附則の俸給表は不合理なものであつて、速かに改訂を要するという条件が付加えられております。昨日も申上げましたが、私ども現行給与法に対する考え方としては、何人といえども先ず喫緊の問題として取上げられなければならないのは、何と言いましても、現行俸給表が公務員諸君の標準生計費をすら保障していないというこの事実に対して、若しも給与法等の改正を行うといたしますならば、これが先ず先決条件でなければならない。このことは衆参両院における修正の経過の中からもはつきり申上げることができると思うのであります。而もこのような杜撰極まる法律案を出しておいて、併しかなりこの法律案の作成に対しては慎重な態度で研究を続けたとおつしやつておられます。提案の理由の中にも、「すでに同法第十条第三項において、人事院は、教育職員についは俸給表の適用について研究し、俸給表その他これに関する事項について必要と認める勧告を国会及び内閣になすべきことを責任とされておるのであります。かかる実情に鑑み、本改正案を提案した次第であります。」若しもこの通りだとするならば、若しもこの通りだとおつしやるならば、第十条第三項をなぜこの法律の改正において改正されなかつたかということであります。教育職員の給与に関して給与法にもこう書いてあるし、従つて我々はこの点について本改正案を提出するのだというならば、当然現行給与法第十条第三項の改正を併せて本改正において行わなければならなかつたはずでございます。而もそれをなしていないところに不用意千万さが窺われるということが、この点からもはつきり申上げることができると思うのであります。
 反対いたしまする第二点は、この法律案の成立が、実は公務員諸君の給与の改訂、人事院から勧告されて問題になつておりまする給与の改訂の邪魔になるということでございます。御承知でもございましようが、人事院の勧告案に対して官房長官は未だ研究を始めたばかりと答弁し、大蔵大臣のごときは勧告の出ました直後における新聞記者団との会見において、人事院の勧告は承わつておく程度である、そしてその勧告案の内容に立至つてまで批判のメスを試みながら、そして最後には、恐らくそういう改訂を行う場合があるとしても、これは来年の四月以降であろうという談話をさえ新聞記者団に発表しているのであります。この事実は、給与の改訂の問題の前途に対して実に公務員諸君は暗濃たる気持で見守らざるを得ない状態でございます。場合によつてはそういう事態も起らないとも限らない。若しそういう事態が起るといたしましたら、これは実に行政能率の低下という問題さえも我々は憂えなければなりません。而もそういう現在の情勢の中で、この法律案が七月の二十一日に国会に提出されました。そしてその施行期日は来年の一月の一日でございます。来年の一月一日から施行ざれる給与法の改正の問題を取急いでこの国会にかけたその真意なるものに対して、我々は深い疑念を持たざるを得ません。今当然の措置として、人事院の勧告が実施されなければならず、而もその改訂が急がれなければならない段階において、その勧告の一部であるところの教職員諸君の級別俸給表の一部を取入れながら而も来年の一月一日から実行するのだという法律案を礎案された真意は、これは三党協定に基くいわゆる二十八年度予算の修正の過程の中で、当初の三億六千万円の予算を計上して陥没是正等を行おうとした当初の考え方は覆され、すり替えられて、そして今回の職域による給与の改訂というやり方にすり替えられて行つた事実の蔭には、この法律案を成立せしめて、そして給与改訂の前面に立ちふさがつて邪魔立てをしようとした意図が隠されておることを私は指摘せざるを得ないと思うのでございます。
 若しそうでないという立場をおとりになるとすれば、ここに大きな矛盾を生じて参ります。審議の過程の中で提案者は、我々は人事院の勧告等の実施については、これはできるだけ速かでなければならないと思うという御答弁がございましたが、そして又給与改訂の問題の障害になるとは考えなかつたということを言われておりますが、併し、若しもその御答弁のように、仮に人事院の勧告の実施が、若しもこの法律が邪魔立てすることなく早期に実施されるということになりましたならば、これ一こそ只今御提案になつておりますこの法律案は国民を愚弄し瞞着するものでございます。なぜかと言いますと、審議の過程にも、これは、はつきりと御答弁を頂きましたが、若しも給与改訂の実施或いは給与準則の制定という事実が来年の一月一日以前に行われると、この法律は当然無効でございます、こう提案者は答弁しておるのでございます。一体そういう事態に若しも仮になつたとしましたなら、国会が法律を制定し、教育職員に対してはこのような俸給表を適用すると約束し、そして高等学校並びに大学の教職員に対しては、切替えられた四級乃至九級、十級の者に対しては一月一日になつたら一号俸直近上位に引上げてやるのだという約束がこの法律でございます。その約束が反故にされるのでございます。つまり国民を愚弄するものであるばかりでなく、当該利害関係者に対して甚だしい打撃を与え約束を反故にするという結果になるのでございます。こういう点を考えますと、私はこの法律の提案者並びにこの法律案に賛成して成立せしめる議員諸君の責任を糾弾せざるを得ません。
 反対する第三点は、附則におきまして、括弧の中で、直近上位に一部の者が切替えられるというこういうやり方は、総体的な調査の上に立つての陥没是正という方針をとられる場合を抜きにしては、職域差を認めるなどというやり方は、そもそも公務員法の第一条、第三条或いは第六十二条、第六十三条、第六十四条、現行給与法第二十四条等を甚だしく踏みにじつております。公務員法の第一条には「この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準を確立し、」而も「職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む、」こういう形で根本基準を確立することが行政能率の確立のために必要欠くへからざる要素であると冒頭してそうして同第三条におきましては、「給与等の問題については、その調査研究等は人事院の権限に属する、」こうなつております。つまり公平を期さなければならない根本基準の確立等の問題、殊に給与の問題等については、人事院が慎重なる研究と調査に基いてこれに検討を加えるという権限を人事院に保障しているという事実は、用心深くこの問題を取扱わなければ下手にまごついて飛んでもないでたらめのやり方をしたら大変なことになるから、それを避けるという考え方、又第六十二条等におきましては、「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」第六十三条におきましても、第六十四条におきましても、これらの調査研究は人事院が必要な調査研究を行い、職階制に即した給与準則を立案し、現在の給与法はこの職階制に代る臨時立法でございます。第六十四条におきましても、俸給表の作成等については、根本の条件が明確に「生計費、民間における賃金その他」と相当の枠さえもはめて、人事院の権限並びに人事院の研究調査にこれを委ねておるのでございます。而も又、給与法の第二十四条におきましても、「国会は、給与の額又は割合の改訂が必要であるかどうか」ということについて、こういう条件についてその調査研究の根本は人事院が行い、人事院があくまでもその調査研究を行なつて、「人事院は、総理府統計局、労働省その他の政府機関から提供を受けた正確適切な統計資料等を利用してその調査研究を行い」と、慎重にこの法律は規定しているのでございます。そうして給与準則が出されました場合にも、給与準則には職域による是正というような措置は考えられておりません。人事院の給与局長の答弁におきましても、職域というような問題について今その問題を取上げてやる以前の給与の状態にあるということがはつきり指摘されております。つまり国家公務員法の各条によつてなされました国会と政府に対する今度の給与準則の根本的な考え方は、あくまでも給与準則としては折衷的なものである。その理由は、現在の給与水準、初換えられた場合における給与水準も甚だしく生活給としての低い水準であつて、人事院が勧告した要素以外の要素を考慮する等は人事院として不適当であると考えて、我々はこのような生活給水準における折衷的な給与準則の勧告を行なつたのであると答弁しているのでございます。これは恐らく衆議院における審議の過程等においても或いは人事院からその意見が表明されたかもしれません。表明されなかつだかもしれません。併し私は、人事院がこの改正案に甚だしい不満を持つているということを非公式にはつきりと知つております。これは若しも提案者がその事実を確かめたければ、すぐにでも確かめることができるはずでございます。そうして衆議院における人事委員会並びに文部委員会の連合委員会におきましても、一委員の質問に答えた給与局長が「この直近上位に繰上げる措置は技術的には可能でございます」と答弁しております。これは一行政官としての立場ではそれ以上の表現をすることが困難であるために、併し最大級の反対の意見を吐いているのがこの「技術的には可能でございます」という答弁となつて現われたととは、否定できない事実でございます。
 反対いたしまする第四点は予算上の問題でございますが、当人事委員会におきましても、御提案になりましたこの法律案と国立学校等における大学高等学校の教員諸君の給与の改訂に関する二十八年度の修正された予算の中では四千七十三万四千円不足でございます。この事実は、はつきりと委員会で明るみに出ました。一方、平衡交付金におけるこの法律改正案に伴う所要額は一億四千八百五十八万七千円でございます。従つて平衡交付金に算定されました修正の予算額を見ますると、これでは丁度二億七百三十二万一千円余剰を生じた予算額が平衡交付金に計上されているという事実は、本院予算委員会における湯山委員の質疑においてもはつきりと判明しているところでございます。一体こういう予算上のでたらめ極まる法律案を提出しておきながら、塚田自治庁長官の委員会における答弁等におきましても、その解決について明確なお答えが得られておりませんし、又提案者たる赤城委員は、当然その不足額については予算で補正されるでございましよう……私どもは、この重大な問題に対して、当然本委員会において大蔵大臣を招致して、そうして果して補正予算を編成する意思ありや否やという点について明確な御答弁が得られなければ、この法律案は通過せしめることが困難な事情にあると考えたのでご真事。而もとうくその審議は不可能であつたことは、甚だしく遺憾に存ずるものでございます。もともと私は、かかる措置が行われました経過については、十分承知しております。私以外の人々も皆熟知しております。いわゆる三党協定に基くところのあの不合理極まる予算の修正或いは特に教職員に対する待遇改善のための三億六千万円の問題の結着が、今日かくのごとく不手際極まる法律案の提案ということに落ち着いたのでございまして、我々はかかる事実に基いても、絶対に承服することのできない不満の意思を表明するものでございます。而も反対いたします第五点として、本院の予算委員会の質疑においても明白でありますが、当初三億六千万円の教員給与の改善費をめぐつて、この修正予算額を計上した最初の計画者は、途中において三党協定の過程においてその方針をボイコットされた。なぜボイコットされたか。私はその点に対して実は次のような見解を持つております。三党協定で落ち着いた先は、一応合理的な方針の下に計画されたいわゆる陥没の是正、不均衡の是正という方針よりも、むしろ三党間の協定によつて、この修正がされようとする予算額を利用して、労働組合に対する特にこの場合においては日教組に対する嫌がらせの政策、弾圧政策、分裂政策を強行しようとしたところに、当初の三億六千万円の修正額を今日のごとき法律案の提案にすり替えて、而も予算額が全くつじつまの合わないでたらめ至極な予算となり、そうして、一方には三党協定の如何なる内容かわからないその内容の中において、日本教職員組合諸君に対して挑戦をし、そうして又、日本教職員組合に対する分裂の傾向を助長しようとした底意に基くということは明らかでございます。若しも公務員諸君がその政治的な見解若しくは政治的な立場等によつて、その取扱いが、任用にいたしましても、給与にいたしましても、或いは昇格等にいたしましても、皆左右されるということになりましたならば、その措置を講ずるものは、これは明かに国家公務員法第十七条の違反でございます。
 私は以上を以て大体における反対の最も主要な点の反対理由とするものでありますが、最後に二言付加えて置きたいことは、この職域における直近上位に引上げるやり方が、詳しくは岡委員から触れられましたから省略いたしますけれども、事実はかくのごとき状態にあるということを申上げて反省を求めるものであります。六三制が適用されました当時のこの教育制度の切替の場合に、今度差をつけられる人々が、どういう形で中等学校、高等学校等に行つたか、東京の中学校創設のときには、こういう条件が起つております。旧制中学から約三分の一の人が今の新制中学に充当された、青年学校の校長などからあとの三分の一、小学校の校長の中から三分の一、こういう人人で構成されておるのです。中学校と高等学校との教職員に対して、六三制制定当時のこのような事実から見ましても、職域差を設けるということが、如何に前途憂うべきものがあるということはおのずから明らかでございます。私は時間の関係上、以上を以て私の反対の討論といたします。
#75
○宮田重文君 私は本法律案に賛成をいたすものであります。教育の重夫なることは今更論ずるまでもないのでありますが、その崇高な職責を果す教職員の待遇の問題についても絶えず重大なる関心を我々は持たねばならないと考えておるのでありまして、従来一般職の俸給表によりましてその適用を受けておりました教職員については、しばくこれが是事する必要募ると論ぜられておつたのでありまして、昭和二十三年にベースの切替が行われた際にも、高等学校の立場は非常に不利な立場に置かれたのでありまして、各県におきましても年齢的に見まして、四十歳前後の高等学校教職員は、三十六、七歳の中等学校の教職員と大体待遇が同じようなことに平均給がなつて参つておる、こういう実態であつたのでありまして、これは、高等学校教職員は、高学歴或いは実社会におきまして教職以外の職歴を持つておるために、教職の経験年数を主体とした一本建の体系からいたしますと、非常に不利な形に相成つた結果であると思うのでありまして、教職員の一般職の給与に関する法律のうちにも、「その職務の複雑、困難及び責任の度に基き或いは勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他勤務条件を考慮しなければならない」というような条項があるのでありまするが、高等学校の立場は、教育の本質からいたしますれば、我々は相違はないという原則的な考え方を決して否定をするものではありませんけれども、学歴と勤続年数のみによつて決定するということについては、我々は非常に疑義を持つものなのであります。で、高等学校が技術的に複雑強度であるというようなこと、或いは専門的な知識を非常に求められる面が多いと、こういうことからいたしましても、私どもはこの立場を十分考慮する待遇の方法が考えられなければならないというようなことを考慮する必要があるのでありまして或いは能率給の立場からいたしましても、或いは免許法の上から見ましても、こういう差別が或る程度あるべきであるということは、社会的にも常識に相成つておることが多いと感じておるのでありまして、今回の改正によりまして、この教職員の俸給を一般俸給表から分離いたしまして、特別俸給表を制定いたして、その適用を受けることといたし、大学、高等学校、中小学校全般を通じて、俸給の最高額を引上げ、改善を行うことにいたしました。この法律案は又、四級から九級、十級までの人々を、特に一号俸引上げましてこの人々は大部分の人々が旧制大学卒業者で、勤続年数が三年以上だが、この人々は種々の関係で、これまでのベース改訂にいつも不利な立場に立つておつた、そういう人人が改善を受けるという意味におきましても、私どもはこの改正案が、誠にそれらの人々の立場を救済する意味においても、適切なものである、かように考えるのであります。いろいろと先ほど来討論が行われておるのでありまするが、私は、提案者が、先般来、十分この三本建案について熱心なる提案説明をいたして、或いは議員各位の中には、違つた角度よりいろいろ反対意見も出ておるのでありますが、私は現段階においては、一応この法律案は、かような立場にある高等学校教職員の待遇を改善する意味合いにおいて、適切なる措置をとられた法律案だと、かように信じて賛成をするものなんであります。
 なおこの機会に附加えておきたいことは、全国に百六十校ばかりありまする盲学校或いはろう学校、そういう特殊学校の立場でありまするが、これらの学校は大体において、同じ屋根の下に、或いは幼稚園、或いは中小学校、高等学校、そういうものを併置しておるのでありまするが、この学校の教職員の待遇につきましては、本法の実施に伴つて、政府は適切なる措置をとつて、できるだけこれらの学校の教職員の優遇が実質面においてできまする措置をとつてもらいたい希望条件を附しまして、賛成をいたすものであります。
#76
○委員長(村尾重雄君) これにて討論は終局いたしました。これより採決に入ります。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成のかたは挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#77
○委員長(村尾重雄君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、先例により委員長に御一任を願いたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(村尾重雄君) 御異議ないものと認めます。
 それから只今本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    宮田 重文  松岡 平市
    加藤 武徳  溝口 三郎
    高瀬荘太郎  紅露 みつ
    後藤 文夫
#79
○委員長(村尾重雄君) 署名洩れはございませんか。署名洩れないと認めます。
#80
○委員長(村尾重雄君) 引続き国家公務員等退職手当暫定措置法案を議題といたします。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   午後九時三十八分速記中止
   午後九時五十分速記開始
#81
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて。暫時休憩いたします。
   午後九時五十一分休憩
   午後十一時二十九分開会
#82
○委員長(村尾重雄君) それでは委員会を再開いたします。本日はこの程度で散会いたします。
   午後十一時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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