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1953/07/16 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 厚生委員会 第16号
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1953/07/16 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 厚生委員会 第16号

#1
第016回国会 厚生委員会 第16号
昭和二十八年七月十六日(木曜日)
   午前十時二十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堂森 芳夫君
   理事
           大谷 瑩潤君
           藤原 道子君
   委員
           榊原  亨君
           高野 一夫君
           谷口弥三郎君
           中山 壽彦君
           横山 フク君
           林   了君
           廣瀬 久忠君
           湯山  勇君
           山下 義信君
           有馬 英二君
  政府委員
   厚生省保険局長 久下 勝次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       草間 弘司君
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  説明員
   厚生省保険局医
   療課長     五十嵐義明君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○参考人の出頭に関する件
○健康保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○厚生年金保険法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○船員保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国民健康保険再建整備資金貸付法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○歯科医師法の一部を改正する法律案
 (林了君発議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堂森芳夫君) 只今から厚生委員会を開会いたします。
#3
○廣瀬久忠君 動議を提出いたします。らい予防法案審査のために参考人を呼ぶこととして、その人選その他は委員長及びらいに関する小委員長に一任するという動議を提出いたします。
#4
○委員長(堂森芳夫君) 只今の廣瀬君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(堂森芳夫君) 御異議ないものと認めます。よつてらい予防法案審査のため参考人を呼ぶことに決定いたしました。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(堂森芳夫君) 先に健康保険法の一部を改正する法律案を議題といたしましたが、これと関連いたしております厚生年金保険法の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、国民健康保険再建整備資金貸付法の一部を改正する法律案、この四案は関連性のある法案でございますので一括議題といたしたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(堂森芳夫君) 御異議ないものと認めます。
 それでは厚生年金保険法の一部を改正する法律案以下三案の説明を求めます。
#8
○政府委員(久下勝次君) 健康保険法の一部改正につきましては前回御説明申上げたのでありますが、繰返して要点だけ申上げますと、先ず第一は標準報酬の改定をいたしまして、最低三千円から最高三万六千円にいたすということでございます。その二は適用範囲の拡張をいたします。新たに六十一万人の被保険者を健康保険の中に取入れる。それから標準報酬の改定を今まで変更の都度やることになつておりましたのを年一回にするということ。最後に療養給付の期間を三年に延長する。保険法の二年を三年に延長する。この四点が改正の要点でございます。
 厚生年金保険法におきましてもこの健康保険法の改正に伴います分だけの改正をいたしたいというのでございます。即ち第一は適用範囲の拡張でございます。健康保険法と厚生年金保険法とは御案内のように従来ともその適用の範囲は大体において一致している。殆んど一致しているのでございます。その意味合いにおきまして、健康保険法の一部改正を申上げたと同様に、改正を厚生年金保険法の場合においても行い、新たに土木、建築、教育、研究、疾病の治療、助産その他の医療、通信事業、報道及び社会福祉の事業まで拡張することにいたしました。この総数おおむね六十一万人を新たに被保険者の中に加えることになるわけでございます。この点に関連いたしまして、先般健康保険法の改正につきまして委員のかたのうちから通信報道の人員がわからかいからというお話がございました。調査をいたしましたので附加えて申上げておきたいと思いますが、通信関係が昭和二十六年の内閣統計局の事業所統計調査によりますと通信業というのが総数九千五百三十八人、五人以上の事業所に勤めておりますのが九千三百七人でございます。それから報道関係は資料がちよつと違うのでございますが、全国主要新聞だけの調査しかございません。これは昭和二十七年の一八月一日現在読売新聞社の調査によりますれば、総数が五万六千百七人でございまして、数字の出所が違いまするか、これを合せますと約七万五千人になるわけでございます。私どもといたしましては、すでにこの大新聞社などは殆んど例外なしに現在或いは法人の事務所ということで任意包括加入の方法によりまして健康保険法の適用を受けております。同時に又従つて厚生年盆保険法の適用を受けておりまする関係上、先ほど申しました六十一万の数字の中には大して影響はないものとしてこれを計上いたさなかつた次第であります。それから標準報酬の改定を回しく健康保険法と同じく行いたいのが改正の第二点でございますが、これは現在最低二千円ということで健康保険と同じようになつておりますのを三千円に上げましたが、最高は現行のまま八千円にとどめました。その中の区切りを健康保険法と同様に改定をいたしたいという事務上の改定でございます。それから第三点は標準報酬の改定を年一回に限り八月一日現在の改定に改めたいというのでございます。これも健康保険で申上げましたのと同様でございます。それから第四点は健康保険法におきまして療養の給付を三年に延長いたします関係上、厚生年金の障害年金或いは障害手当金を給付いたします前提としての癖疾認定の時期を療養給付期間の延長に伴つ一改定をする必要がございます。医師の治療を受けてから三年たつたところで改定をする、こういうふうに改めた次第であります。以上が厚生年金保険法の改正の内容ごございまして、これ自身としては格別に申上げることもないと思うのでありますが、念のためにこの制度につきまして根本改正の問題がございますから附加えて申上げることを御了承得たいと思うのであります。厚生年金につきましては、本年末を以て坑内夫の一部の人々に対して本来の目的である養老年金の支給が開始せられることに相成るのであります。ところが現行の制度というものはインフレ進行中に極めて暫定的な措置として改正が行われておりまして、恒久的な改正につきましては、経済事情の安定をいたしました際にやるということで今日ま下参つておるのであります。一方におきましては先ほど申上げましたごとく養老年金の支給が開始せられます関係、経済界もやや大分当時から比較すれば安定をした一見られますので、この際我々としては法文改正をいたすつもりで、あるのでありまして、すでに昨年来一応の私どもの試案を作り、社会保険審議会にも懇談の形式で御意見を伺つたりいたしておつたのでございます。ところが昨年暮までこの懇談の形式の御相談を続けておりましたのでありますが、労使双方の意見が根本的に食い違つておりまして、なかなか意見が昼するところがなかつたのであります。そこで取りあ争いろいろな予算その他の関係がございましたので、暮で一応の話合いを打切り、その当時までの各界の御意見を社会保険審議会長から御報告を願い、これに基いて私どものほうの改正案の再審査を進めております。現在殆んど実は最後の結論に近くなりつつあるのでございますが、肝心の数字計算のところが手間取つておりまして、まだ最後的な案として確定のところに至らない実情でございます。併しいずれにいたしましても私どもといたしましては早急に結論を得まして社会保険審議会にも早期に諮問をいたし、十二月以降に発生いたします坑内夫の養老年金の支給につきましては万遺漏のないようにいたしたい所存でございます。従いまして先ほど申上げました標準報酬の改定も最高額を現行の八千円に押えたのでございますが、これらの点も根本改正の際に考慮いたすつもりでございます。その他部分的な改正を要する点を差当り考えないわけでないのでございますが、これらの点につきましても制度の根本改正の際に考慮をいたそうとする所存でおりますことを附加えて申上げておく次第でございます。
 次は船員保険法の一部改正でございますが、これ又御案内の通り、船員保険法は健康保険法、厚生年金保険法の両制度を一つのうちに包含しておりますが、失業、労災等いわゆる小さいながらも総合保険の形をとつておるものでございます。そこで健康保険法と厚生年金保険法の改正に伴いまして、それと同様の改正をこの法律案につきましても行いたいというわけでございます。即ち適用範囲の拡張はこの法律案にはございませんけれども、療養給付期間の延長は健康保険法と同様に三カ年にするつもりでございます。又障害手当なり、障害年金の擾疾の認定の時期につきましても厚生年金保険法の改正と同様に療養の給付開始後三年たつたときというふうに改正をいたすのでございます。ただ若干違いまする点は、船員保険につきましては傷病手当金の支給を療養の給付の延長に伴つて同様に三年にいたすというところが他の規定と違つておる。特に健康保険法と違う点でございます。これは若干の御説明を要する本のでございますが、私どもの考えといたしましては、健康保険の制度としては、医療保険の制度といたしましては、理想は飽くまでもやはり療養をして仕事を休んでおりまする間に他に収入がなければ傷病手当金を支給して生活の安定をできるようにして行くのが本来の行き方であると考えておるものでございます。健康保険法でそれができませんのは、前回申上げました通り専ら財政上の理由でございます。船員保険につきましてはその点が若干事情が異なつておりまして、一方におきましては被保険者代表のかたがた、つまり被保険者全体の御意向として従来から船員という特殊な事情もあり、傷病手当金は、療養の給付期間全部に亙つて支給をすることになつておつたのでございます。具体的に申上げれば、二年の療養給付期間二年間傷病手当金をやつておつたのでございます。この点は従来から健康保険とは実質上違つておつたのでございます。そこで更にこれを三年に延長をして、傷病手当金を三年間出すということは、実は船員保険財政の上から申しますと、これが非常に重荷になつておる実情でございまして、現在の保険料率を以ていたしましては、予定保険料を以てしてはこの点が延長困難の状態になつたのでございます。ただたまたま船員保険につきましては二、三年前から短期給付の面、つまりこの健康保障に関する部面が相当の赤字が出まして、長期保険の部分の積立金を食つておつたのでございます。そこで労使双方の御了解を得まして千分の十四に相当する保険料を赤字補填のために今日まで徴収をいたしておるのであります。これはこの赤字補填のほうは大体今年末一ばいくらいで不要になりまして、長期保険の積立金のほうを食つておりましたものが全部戻すことになることができることになるわけでございます。その後はこの千分の十四という保険料はその意味では不要になるわけでございます。そこでこの不要になるべき保険料をこのほうに廻すことができれば傷病手当金が三年間支給できるという計算になりますので、この辺の計算をいたしました上で船員保険関係の労使双方のかた、中立のかたにお集まりを頂いて相談をいたしましたところ、三年に是非延ばしてもらいたい、その財源として一部を、一部である千分の四、千分の十四の中の千分の四を短期給付の面に廻すことは異存はないからというお話合いがつきましたので、法律としては増額がきまつております。以上のような内容の割振りの点で、社会保険審議会の船員保険部会としての了承を得ましたので、三年間傷病手当を支給する、こういうことに改正をいたすことにした次第でございます。
 以上で船員保険法の改正の御説明を終るわけでございますが、厚生年金保険、船員保険法ともいずれも健康保険法で申上げましたと同様の施行の期日は実質的には皆十一月一日からということになるわけでございます。たた厚生年金保険法の範囲拡張の分だけは九月一日から法律の施行をして二月間準備をいたす予定でございます。
 最後に国民健康保険再建整備資金貸付法の一部改正、これも提案理由の説明で尽きておりまするので、大体のことは御案内であろうと思いますが、若干数字に触れて申上げたいと思うのでございます。
 御案内の通り現行の貸付法は一定の条件を付しまして、その条件に該当いたしますものに赤字解消のための貸付をするという考えでありますが、その条件そのものには大した問題はないのでございます。即ち一部負担の率が五〇%以内である、それから保険料の徴収割合が七割以上であるというようなことにつきましては運用上はそれほど問題はなかつたのであります。又同時にこれらの点につきましては、災害その他特別の事情で緩和し得る規定もありますので、それらの点の活用によつてもできる面もありますので、この点は法律的な問題はないのでございますが、一番現行法の制度で難点として考えられますることは、未収保険料がありますが、それを対象として金を貸付けるのでありますが、貸付対象額は半額だけを貸付けましてあとの半額即ち同額は保険者自身が調達をいたさなければならないということに法律上義務付けられるような恰好になつておつたのでございます。この点が非常に窮屈な規定でございまして、そうでなくても財政上困難な国民健康保険の保険者が、受けた金と同額を自己財源で支弁するということは非常に困難である、その結果でありましようと思いまするが、昨年四億六百万円の予算をとりましたのでありますが、結局貸付ができましたのは二億円程度にとどまつていました。二億六百万円という昭和二十七年度予算を本年度に繰越さざるを得なくなりました次第でございます。解散前の国会にも同様の提案を申上げたのでありますが、そこで私どもとしては貸付対象額の八割までこの法律で貸せるようにして行きたいというのが改正の要点でございまして、一方今度の改正案におきましては解散前の提案を申上げたのと若干違います点は解散前の提案した案の考え方は昭和二十七年度で残りました分、金は、昭和二十七年度ですでに貸付を受けたもの、或いは新たに貸付を受けたものに対して、当該年度内に貸付を完了して、余つた二億六百万円ほどの金は全部使つてしまうという考えで御提案をしておつたのであります。解散のために年度を越してしまいましたので、今度の改正案では繰越されました二億六百万円という予算を昭和二十八年度の特別貸付ということで、実質的には昭和二十七年度に貸すべき事のを二十八年度に貸すというような取扱をいたしまして、新たにもう今年度予算に組んでございまする四億六千万円でございます、これは改正法そのものによつて貸付をするというようなことにいたすのでございます。これは言葉を換えて申上げますと、今申上げた繰越された予算の範囲内で貸しまする特別貸付と申しまするのは、昭和二十六年度末に各保険者に存在する赤字を対象として貸付けるという考えで、それを即ち昭和二十七年度で貸すべきものを二十八年度で二十六年度末の赤字を解消するため貸す、二十八年度の本来の貸付は昭和二十七年度末に存在する赤字を対象として貸付ける。こういうようなちよつと面倒なことでございますが、二つの、今年度だけは二つの特別貸付と普通貸付というようなものが現われて来ることになつております。私どものほうでいろいろな資料を基礎として計算いたしましたところでは昭和二十八年度貸付金の貸付の対象となるものでありまして、これは二つございまして、一つは昭和二十六年度末に存在した貸付赤字でございます。それから昭和二十七年度に新たに生ずる赤字、この二つに分けて考えたのであります。その前者のほうは四億二千七百万円、これは七〇%以上の保険料を徴収しておる、いわゆるこの法律による原則的に資格を持つておる保険者であります。これだけを集計いたしますと、その額が四億二千七百万円、そのほか新たに昭和二十八年度に生ずるいわゆる赤字が六億六千二百万円になります。合計いたしますと、端数は切捨ててございますが、十億九千万円になるのでございます。この十億九千万円というのがこの貸付法による貸付の対象となつて、更にこの中の八割が貸付対象額になるわけでございます。従つて十億九千万円の八割、八億七千二百万円というのがこの法律による貸付対象額でございますが、これを三カ年に分けまして、当初の年度である昭和二十八年度には四億六千八百万円、二十九年度に二億七千二百万円、三十年度に一億三千万円、こういうような計画で貸付をいたす考えでございます。その他或いは御質問があろうかと思いますが、私から御説明を申上げます改正案の要点及びそれに伴う予算上の措置は以上の通りでございます。
 なおお差支えなければこの前の榊原委員から御質問のありました点を附加えて申上げさして頂きたいと思いますが、政府管掌健康保険と組合管掌健康保険における標準報酬の改定に伴い保険料収入額の影響ということについてのお尋ねでございました。これは実はいろいろな面から申上げなければならないのでありますが、先ず政府管掌健康保険について本年度の財政見通しを申上げたいと思います。現行通りといたしまして、即ち現行通りと申しまするのは、標準報酬最低二千円、最高二万四千円に押えておる。これを実際に賃金の変るごとに上げるという建前で、従来の実績に基いて推算をいたしますと、本年度の保険料収入総額は三百三十一億五千万円になるわけでございます。それからこれを十一月から実施して最高三万六千円に上げる、最低が三千円でございますが、そういうふうにいたしますと、総額の金額は当然殖えまして、三百三十四億一千三百万円になるわけでございます。ところが改正の要点でも御説明申上げましたように、以上の数字は被保険者の賃金が変る都度若干ずつ標準報酬の値上りがございます。それを予想に入れての計算でございますが、今回は年一回の改定という精神で参りました。従いまして事務的には九月一日現在の実報酬をとりまして、そうしてこれを、十一月以降変らないものとして来年の九月末まで有効に存続させますが、そうなりますると、そこに収入減が生じて来るわけでございます。即ち言葉を換えて申しますと、標準報酬最高三万六千円、最低三千円にして、年一回改定の精神で参りますると、以上申上げた収入額が減りまして三百二十九億二千百万円でございます。この以上の三つの比較を申上げますと、第二のもの即ち三万六千円まで引上げ、月々上げるというような、年一回改定の精神を入れない場合、現行通りにしておいた最初の総額というものは二億六千二百万円収入増になります。これは当然のことでございます。問題は、新らしい改正案の精神と標準報酬の引上げとそれから年一回の改定という両方を含めましたものとを比較いたしますと、これを現行通りやつた場合と比較いたしましても、二億二千二百万円、これは差引きすれば出て来る数字でございますが、二億二千二百万円の収入減でございます。標準報酬を三万六千円に上げて、月々上るのを予想に入れると、この改正の精神と比較して見ますと、これ又赤字でありまして、二十八年度年間を通じて四億九千二百万円の収入減というように予想をいたしております。これは言葉を換えて申しますれば、この標準報酬の引上げによつて、少くとも比較的には現行制度のまま置くよりも、被保険者の負担は殖えて行かないという数字になるわけでございます。
 同じことを組合管掌の健康保険について申上げますと、第一の現行通りにする場合が三百三十五億三千三百万円、それから三万六千円に引上げて、月々の値上りを見ると、二つの計算をしますと、三百四十一億六千百万円、これに標準報酬の引上げをいたしますと同時に、年一回改定の精神を入れると、これが三百三十六億一千万円になるわけでございます。この場合は若干前とは事情が違つて、第三と一の差が八千百万円ほど増収になります。それから三と二の比較を申しますと、五億四千七百万円の収入減になるわけでございます。以上のようなことで、この前の御質問のお答えができたかと思います。
#9
○委員長(堂森芳夫君) 御質疑はございませんですか。
#10
○廣瀬久忠君 社会保険の全体の体系の問題にも関係して来ると思いますが、今回社会保険の各種の改正案が出ておりますが、何かびつこのような感じがするのですが、医療給付のほうは、三カ年にするが、傷病手当のほうは据置きというようなものもあるし、野放しというものもある。船員保険のほうは、医療給付と調子がとれている。健康保険のほうはとれておらない。何か片ちんばのような感じがする。それから又厚生年金保険の問題は、これは適当な措置をとるということをあらかじめお話しになり誠に結構でありますが、やはり大体社会保険の内容については統制がとれるようにして頂きたいと考えるのであります。そこで先ず私は伺いたいのですが、先ほどのお話に、船員保険のほうは傷病手当金は三カ年だが、健康保険のほうはそう行つておらん、その理由は財政上の理由だ、こう言われておる。これについての見通しはどういう工合にお考えになつておられますか。
#11
○政府委員(久下勝次君) お答え申上げます。お話の通り傷病手当金の給付につきまして違いのありますことは財政上の理由でございます。先ずこの点につきまして私ども考えもし、検討もいたしました点は、保険料率の引上げができるかどうかという点でございます。この点は国会方面における従来からの皆様の御意見、その他各方面の御意向、或いは私どもの知る限りにおきまする日本の現在の経済情勢等を勘案いたします場合に、保険料率の引上げを全体として行いますことは先ず不可能であり、不適当であるという結論に到達したわけでございます。従つてその面において保険財政収入を増すということは採用いたさなかつたのでございます。そうなりますと、又自然に残りまする問題は、やかましく従来から言われておりまするし、私ども自身も年来予算の要求を続けておりました給付費に対する国庫負担ということの実現を期待する以外にはないという結論に達しました。私どもとしては、国庫負担二割相当額の要求を、本年度の予算につきましてもやりました。これは従来からやつておる点でございまするが、結果におきまして、政府全体の方針として容れるところとなりませんで、健康保険その他国民健康保険を除きましては、療養給付に対する国庫負担の実現を見ることができなかつたわけでございます。従いまして、その点から止むを得ず、傷病手当金というものを療養給付期間において改定をすることができなかつたのであります。
#12
○廣瀬久忠君 今までも厚生当局としては大蔵省に要求しておつた。が、併し今までそれが、成功しなかつた。併しそれが今回は、国民健康保険について一割五分に一応国庫負担が通つたわけであります。それを今回予算が、新聞等によりますと増額されて、国民健康保険については二割、誠に然るべきことであると思います。そういう状況になつた場合においては、私はやはり是非とも、これは健康保険についても強く考えて頂きたい。できるならばやはり社会保険の体制を整えて、余り片ちんばにならないようにして行くという面からも、又実質の上からも、是非ともこれは通して頂きたい。政府の負担、国庫の負担というものについて、成功するようにして頂きたいと思いますが、この点についてははつきりとした見通しというものを持たなくちやいかん。こんなままにして片ちんばにして置いては駄目ですが、今のお話で要求はするといいうのですが、我々としては少し強い希望を、この案に賛成するについては付けておきたいと思う。あなたがたの、政府当局の考えは、とれるという確信をお持ちでしようか。
#13
○政府委員(久下勝次君) まだ確信の段階には至つておりません。と申しますのは、これは私から申上げますると、各保険ごとに……私ども直接関係しております保険制度だけでもそれぞれ事情が違つています。従いまして、全体として調子を合せますことは、勿論私どもとして考えなければならない点でございまするけれども、完全に一つにするということ、同時に又、それと国庫負担の要求ということとは、大分基礎的な理由が違つて参る点があると思います。この辺の関係から、国民健康保険で実現ができたことは、健康保険なり、船員保険なり、厚生年金保険なりの方面で同じように実現できるかどうかということにつきましては、今私どもとしては確信のところまでは行つておりませんけれども、先ほど来申上げておりまするように、又船員保険でちよつと申落したのでありまするが、船員保険では、現在本人の配偶者の分娩の給付はござい幸せん。又事業主あたりから、船主あたりから盛んに要望のございまするのは、船内給付といつて船に乗つております間に医師が乗込んで治療をいたしておりますが、保険給付の内容として範囲外になつている、それらを入れて頂きたいという要望であります。これらの点を考えますると、健康保険と足並みを揃える、そういう点から考えますると、私どもとしては、保険給付の汗うでも歩調を合せる必要が両保険の間ではあるのでござい童す。何もかも申上げて恐縮でございますけれども、国民健康保険の場合と健康保険の場合とは又事葉違い手。いろいろその包丁の根拠等はさまざまございますが、要は、私どもといたしましては、いずれの保険におきましても給付の内容を必要の限度に高めて参る、それに必要な財源か他に補填の途がないとすれば、何とか一つ、これは従来の主張であります6が、社会保障に対する国庫の負担という精神で国のほうから当然出してもりうべきだ、それによつて健康保険の場合には傷病手当の給付を出す。その他の点においてもいろいろ各方面から御要望があり、財政上の理由等も加えてお断りをせざるを得ないような事情があります。御質問に対して余計なことを申上げて恐縮でございましたが、そういうような考え方から、非常に確信を持つたお答えをいたしかねるのでありますが、私どもとしては苦しいながらも説明はつくと思います。十分努力いたすつもりでございます。
#14
○廣瀬久忠君 私は、必ずしも全部同じに各社会保険がならなければならんとも思いませんが、併し同じ健康保険の中で、療養の給付と手当金と違つた取扱になつておるということは、甚だ適当でないと思います。まあ確信までお持ちにならんでも、私としては強い希望をいたしておく次第で、これで質問を終ります。
#15
○林了君 保険局長にお尋ねしますが、厚生年金の問題で、現在大蔵省に預託してある総額はどれくらいでございますか。
#16
○政府委員(久下勝次君) 昭和二十八年、本年の六月末現在、総額六百七十六億五千六百万円、ちよつと端数がございますが……。
#17
○林了君 その預託してあることについて、厚生省が大蔵省に預託してあるものと、厚生省が更に預金部資金の中にできた差額があると思いますが、それはどのくらいになつておりますか。それからもう一つは、その差額に対して利子がついたものが一体この厚生年金の基金の上に繰入れられておると思いますが、或いはその一部がどういうふうに使われておるか、それをちよつと……。
#18
○政府委員(久下勝次君) 第一のお尋ねの趣旨がよく了解をいたしかねるのでありますが、現在の厚生年金の財政のやりくりと申しますかやり方は、こういうやり方をしておるのでございます。毎年々々の保険料を厚生保険特別会計の年金勘定の歳入に見込んで、同時に又積立金によつて生じて来ます利子、これも同様に歳入に繰入れます、その他の雑収入を入れまして、厚生保険特別会計年金勘定の歳入にいたしました。それから一方、年金給付が、傷害年金等が始まつておりますので、それらの支給に要する費用或いは業務勘定の繰入額等の歳出に組みまして、そうして歳入歳出を見るのであります。大体昭和二十八年度の予算と申しましても、歳出は五十数億に過ぎません。これに対して保険料及び積立金の収入は二百億を超えております。そうすると相当な差額が出るわけであります。その差額を、年度を過ぎました、或いはその保険業どんどん溜まつて参つて年金に入つて参りましたその都度、仮に預託をいたします。そうして決算が済みましたあとで、正式に積立金としての預託をすると、こういうような扱いをしておりますので、差額という問題は、その意味では、あると言えばあるし、そういう取扱になつておりますので、そういうお答しかできないと思います。
 それからこの積立をいたしました金は、営業資金として預金部資金運用部におきましてはこれ又他の資金運用部の収入と一括して歳入に組みまして毎年毎年資金運用計画を立ててやつておるのでありますが、何か御質問の点がちよつと御了解しにくいのですが、その点はどういうふうに……。
#19
○林了君 その預金部運用資金に一括して収入になつた分が、その枠内で使われている、各方面のほうに出ているようでありますが、厚生関係の方面に特に還元融資されている分をちよつと私伺いたいと思います。
#20
○政府委員(久下勝次君) 丁度この制度ができまして少し積立金が溜まりましてから終戦直後まで、若干の金が勤労者の住宅、寄宿舎、或いは病院、そのほかいろいろな補導施設などに使われるように出されたのであります。又社債の買入をさせられましたようなものもございます。その金額を年度別に参考までに申しますと、昭和十八年度は十万円、それから昭和十九年度は五百三十九万三千円、今申上げたような目的のために出されておる。それから昭和二十年度に千二百四十二万七千円、昭和二十一年度に二百七十三万円。以上のようなものがその当時出されておりましたが、連合軍総司令部の指令によりましてこれが禁止をされまして、現在の資金運用部資金法に至つておるのでございます。併しながらこれは多年の御要望でもありましたので、私どもとしては今おつしやいました還元融資の実現をその後もずつと主張し続けて参りました。昨年度占領政策の廃止と同時に事実上現行法のままで還元融資は行われることになりました。昨年度は病院に六億、労務者住宅に十億、計十六億円が直接年金被保険者の施設として還元をされました。昭和二十八年度、即ち今年度におきましては総額二十五億の金が同じく病院或いは勤労者住宅資金として融資されるごとになつておるわけであります。合計以上申上げた数字を集計いたしますと四十一億二千六十五万円、これだけが年金制度始まりまして以来いわゆる還元融資の形式で出されたものでございます。
#21
○林了君 今の御説明でほぼわかりましたけれども、この四十一億という金が現在今言われました六百七十六億五千六百万円に対して非常に少い金でありますので、これは厚生省は今のお答えで大変、司令部から禁止されて以来、このことについては努力をされておるというお話でありますが、是非ともこれは、厚生年金はこの方面の厚生関係の還元融資をするという面にもう少し使つて頂きたい。又そういうようなふうに大蔵省にも話をして頂きたいと、こう思うのでありますが、同時にこの金額六百七十六億全体を厚生省で預かるというようなことはできないにいたしましても、私はこの一部分を、少くとも利子ぐらいは厚生省で預かつてもらつて、直接その関係方面にこれを使つて頂くということを考えておられないかどうか、これを一つお伺いしたい。
#22
○政府委員(久下勝次君) 還元融資の額を漸次増額して参りますことは私どもとしても考えてもおりまするし、又現に昨年に比較して約十億ほど殖えましたのも、これらの主張が認められた結果であると考えておるのであります。この点は今後とも努力いたす所存でございます。ただ資金運用部に積立てておりますこの積立金を全部或いは一部別途の運用をするということにつきましては、私どもとしてはまだそこまで考えがまとまつておりませんのであります。この点については随分御要望も多いのでありまして、是非そうすべきであるとまで言われることもあるのでございます。ただどうしてもこれは考えなければいけないことは、今後数十年後に勤労者の年金として支給をされる重要な財源でございますので、その間における運用というものはできるだけ有利であることは勿論でございますけれども、併しながら絶対に確実でなければならないということが一つ要請されると思うのであります。そういう面におきまして、よほどのことがございましても、この重要な年金支給のもとになりまする積立金が確実に保管をされるという点を考えて参りますとき、簡単に国庫資金から引離してしまうことがいいかどうかという点につきまして、もう少し研究を要する点があるのではないか、かように考えております。これは極く僅かな例で私の申上げることを例証して申上げて見たいと思うのであります。戦争中に満洲用の国策会社などの社債を国の方針でこの資金から、この資金であえて買取白されたと申してよろしいと思います。そういう例がございます。ところが敗戦の結果これが全然無価値になりましたので、それだけ厚生年金の中に穴があいたのでございます。併しこれは先ほど来申しておりますように、この金額は大したこともございませんが、当時の金で社債、国債合せて二十一億を買わされまして、そのうちの一部分は満州重工業、或いは満州興業等の社債を買入れたのであります。これは当然その分が赤字になるのでありますが、これは厚生年金の赤字ということでなく、国庫の一般財源の赤字に振替えてもらいまして、年金としては積立てた金がそのまま確保いたされましたような実例もございます。かような点から考、えまして、私どもとしてはこの問題はよほど慎重に考える必要があると思うのでございます。
#23
○林了君 厚生省が何となく大蔵省に対して遠慮されているというような気持があるのではないかと私も思つたのですが、私がもう少し研究して見ないとわかりませんが、少くとも厚生年金はこれを納めた勤労大衆のために還元を全部してもいいというような私は考えを持つているのですけれども、これに対して今局長のお話では満洲の国策会社の例をとられて、そういうことがあつてもまずいから、厚生省としてはこれを特別扱いする意思が今のところないという御意見ですけれども、まあ御研究をなさつた結果どういうふうになるか、これは御答弁を頂けないにいたしましても、私はこの問題はむしろ厚生省が率先して頂いて厚生年金は厚生省でこれは自分の所管にする、而も金を預かつてこの方面に還元融資をやるという私は熱意を持つて頂きたいと思うのですが、これは局長さん、これについて如何でございましようか。
#24
○政府委員(久下勝次君) 皆様からさような意味合いにおきまして御注意を頂いているのであります。ただ私どもといたしましては、主たる理由は先狂ど申上げたような理由でありまして、勿論そうした御意見に対して、私ど承は否定的な態度は全然とつておりません。ただそういう態度で、本式に厚生省が乗り出して交渉を始めるという段階までにはまだ検討は済んでおりませんので、もう少し考えさして頂きたいという意味で申上げておるのであります。
#25
○林了君 それでは今、更にお伺いいたしますが、それでは厚生省は自分のほうでそれをやる意思がないというのではなく、むしろやろうという御意見で、或いは又御意思はお持ちなことは……、我々のほうでそう承知して差支えありませんね。
#26
○政府委員(久下勝次君) そういう言うに念を押されますと、非常に苦しいのでありますが、やろうということは結局、やろうということがきまれぱその線に向つて交渉も始めなければならんと思います。私どもとしては、まだ厚生省でやろうというところまで全面的な決断は下し得ない状態であるということを申上げておるのでございます。そうかといつて、やらないという結論では毛頭ないという意味で申上げておるのでございます。
#27
○林了君 なおこの質問は、今日はこれで保留して、次に又譲りたいと思います。
#28
○有馬英二君 本日この法案に対して直接関係ではないのでありますが、保険のことに関連いたしましたので、少しく質疑をいたしたいと思う次第でありますが、お許しを願いたいと思います。只今皆さんにお話をいたしました北海道における保険医の不当処分に関する陳情というのがあります。北海道の札幌医師会の人から私どもの手許に参りましので、いろいろ話合つて見たのでありますが、かねて保険監査につきましては、本年の三月に、当委員会で、長崎、広島等の例がありました。本委員会で山下委員等も非常にその点について御奮闘になつておることも私は記憶しておるのでありますが、そういう矢先でもあり、是非この点について当局の意思を一つ明らかにしたいと思つておるのでありますから、ちよつと時間を頂きまして当局に対してこの点について質問したいと思つております。
 北海道における保険医に対する不当処分ということでありますが、昭和一十八年の五月の二十三日付で、北海道知事から、道内各地の保険医四十四名に対して、指定取消その他の処分があつたのであります。そこで札幌市の医師会におきまして、それを調査いたしましたところが、その処分に誠に不当な点があるというので、本日その陳情書を提出したのであります。ここでは余り時間もございませんから、極く概略……、あとからそれをお読み願うことにいたしまして、概略その点をつまんで申上げますると、昭和二十六年の八月に行われた保険監査後本年まで、何ら指導ということも、注意もしないで、全然放置をしておいて、にわかに処分して、その間注意も何もしてないわけであります。それが一つ。
 それから処分に用いたということの基礎資料である調査書の内容が甚だ不完全である。当該保険医の承認を要するものであるにかかわらず、承認を求めたような形式で擬装さして、そしてこれを社会保険医療協議会に担出したというのであります。それからこの処分を行うに当つて、まあ被告と申しましようか、医療者に弁明の機会を与えておらない。そして一方的、独善的な処置に及んで、保険医の生活権を剥奪するような指定取消を行なつている。それから地方社会保険医療協議会等の運営上にも甚だ解しがたい点がある。それから更に社会保険医療担当者監査要綱というものが厚生省から出されておるが、れにもいろいろ不備な点があるようである。例えば処分後一定期間たつてから再指定を行うという項目があるのでありますが、それも四つあるが、そのうち二つは指定がしてないので、それはどうも甚だ片手落ちと言うよりほかはないというようなことが、大体の医師会側の主な要望であります。
 そこで私からこれらの点について二、三御質問を申上げたい。当局がこのことを知らないわけはないのでありまして、この処分をするにつきましては、地方の保険課から厚生省の保険局に対して指令を仰いでおるに違いはないのでありまして、その指令に当つておる人が一体誰であるか、これを受取つているのが誰であつたか、責任者が誰であるかということを伺いたい。
 それからこの監査に従事しているのは、地方の技官、若しくは事務官が当つておるのでありますが、本省からは大村技官が一緒に行つて監査をしたというのであります。そこでこういうようなまあ余り簡単でよくおわかりにならんかも知れませんけれども、片手落ちな、独善的な、そうして初めから少しも弁明というようなことを与えていないし、まるで懲罰的な、つまり罪人を作るというようなやり方におけるところの、かような処分が一体正当であるかどうかということを私は伺いたい。それについてはどういう御意見でありましようか。
#29
○政府委員(久下勝次君) 先ず最初に本件につきましては、実は私は昨日午後、北海道医師会長からの書面を受取りまして、開封いたして見ただけでございます。本日まで、実は只今まで細かい点についての調査をいたしておりませんので、お許し頂ければ、幸いその点につきましては、担当の医療課長が来ておりますので、私が今申上げるととを補足して、医療課長から申上げろことをお許しを願いたいと思います。
 先ずこの保険医の処分の責任者は誰か。これは中央の責任者は誰かということであろうかと思いますが、どういうふうな御趣旨でございまするか。現在の取扱は、もう御案内のように、都道府県知事が指定の取消をすることにたつておりまして、ただ全国的ないろいろな調整を保ちますために、厚生省に内議をさせております。その内議に対しまして、こちらとして意見を申伝えておるのでございます。そういう意味合いにおける責任者は私でございます。
 それから非常に独断的であるというようなお話でございまして、昨日私が拝見をした医師会長のあれによりますと、弁明の機会を与えなかつたということであり、厚生大臣の、解散前の本委員会における弁明と違うのではないかというようなことが書いてございます。その時日などの食い違いの点も指摘されておるのであります。併しながら厚生大臣が三月の十四日頃でございましたか、本委員会において今後は弁明の機会を与えるように方針としてはつきりさせるというお約束を申上げました。私どもはそれによつて御了解を得ました本委員会の御趣旨を酌みまして監査の要綱を作り、その後日本医師会、日本歯科医師会等とも事細かに打合せをいたしまして、最後に中央社会保険医療協議会に諮問をして決定をいたした次第であります。その結論は、従いましてそうした手続のために決定を見ましたのは、六月の十一日に出ました通牒によつて初めてきまつたと、こういうことに相成つているのであります。その間そういうような事情でありまするので、正式な弁明の機会というものは従来の慣例で与えられませんでしたことは、どうも甚だ悪い時間に丁度当りましたので申訳ないのでありまするが、制度としては時間的に止むを得なかつたものと考えておる次第であります。非常にまあ今のお話で独断的であり、或いは挑撥的であるというようなお話があつたようでありますが、私が抽象的に聞いておりまするのではそうではないように聞いております。この点につきましては医療課長から補足して申し上げることにいたします。
#30
○有馬英二君 三月十四日の参議院厚生委員会における厚生大臣の了解事項というものがある。厚生省の保発三十一号として四月二十日付保険局長通達として地方にそれが通達されている。このことは、処分がはつきりされるよりもずつと前にこれは地方庁の当局は知つていなければならんことであると考えられるのであります。でありまするから、そういうことから考えますると、厚生大臣の了解事項を地方の保険官が考慮しなかつたということにも考えられるのでありますが、この点についてはどういうお考えでありますか。
#31
○説明員(五十嵐義明君) 私から御説明をさして頂きます。
 今回の医療監査要綱の規定については三月の二十四日でございましたか、医療協議会、第十一回の医療協議会の際に監査の規定が議題になりまして、これが小委員会に付託されたわけであります。その後の監査の運用につきましては、当委員会におきまする厚生大臣の御答弁の趣旨に副いまして運用するようにということで局長から通牒が出ましたことは只今有馬先生のお話の通りであります。私が承知しておりまする範囲では、処分の決定をいたしますのに北海道の医療協議会にこれを諮つておるということであります。その医療協議会が保険局長の通牒が参ります前に開かれたというふうに私は了解しております。従いまして弁明の機会を与える医療協議会或いは都道府県知事が決定する際に弁明の機会を与えるという取扱につきましては、このケースは大臣がここで答弁され、又局長から御通牒が出ました線と少し趣を異にしておるというふうに私は了解しております。ただその際松本剛太郎先生から私に半個人的にお尋ねがございました。弁明の機会を与えることはできないのかというお話がございましたが、これは大臣の御答弁の趣旨もあり、又現実にそういうことも行われておりますので、それは取扱上差支えないということを御答弁したことがございます。
#32
○有馬英二君 先に申上げましたが、この監査が二十六年の八月に行われ、又二十七年の八月にも行われておるのが、今回の処分のそれが材料でございますが、かように長いこと処分を行うまでに十分の時日があるにかかわらず一回も注意を与える、或いは指導をしないということについてはどういうようにお考えになりますか。
#33
○説明員(五十嵐義明君) 保険医のかたがたに対しまする指導の点は毎年の年次計画といたしましてブロツク別に指導方針会をやり、その伝達講習を行なつております。それからこれは直接指導という趣旨ではありませんが、診療報酬の明細書を審査いたします場合に、その審査の結果が事実上指導の役割を或る程度果しているということも言えると思います。全然指導を無視して抜討的に摘発的な監査をやるというような考え方は私ども従来持つておらなかつたわけでございまして、そういう点は十分注意してやつて来たつもりでありますが、ただ非常に、古い監査の結果を一度にまとめまして医療協議会にかけた、その結果多数のかたが議題に上りまして、その中から取消のかたも出たということにつきましては、これは私どものほうからも再三道庁のほうに注意しておつたのでありますが、保険課長の異動その他の関係で、これが遅れて来ておつたというふうに了解しているのであります。
#34
○有馬英二君 かような長い間一年何カ月前のことを資料として取扱つておるというような、今の御答弁では保険課長の異動があつたというようなことで遅れていたということでありますけれども、何らかこれは当局の落度があり、それを糊塗するために、中にはこういうことが書いてあるのですが、保険課長の不信任案を医師会のほうで出したというようなことにからんで、報復的な処置に出たのではないかという疑いが濃厚であるということが陳情書に書いてある。それは推察に過ぎないのでありましようけれども、多分にそういうにおいがすると私どもも思う。そういうことは保険当局としては誠に慎まなければならんことであろうと考えるのでありますが、そういうことについてどうであるか伺いたい。
#35
○政府委員(久下勝次君) 若しもさような事実があるといたしますれば、おつしやる通り甚だ遺憾に存ずるのでありますが、保険課長不信任案が出ようといたしました際の事柄につきましては、当時私も直接北海道医師会の代表のかたがた、にもお目にかかる機会もございましたし、又その後県の民生部長等との、或いは保険課長の上京等によつていろいろと注意をいたしておつたわけでございまして、この問題につきましては北海道知事が乗り出しまして、途中調停の労をとられ、あの問題としては一応解決を見ておるものと理解をいたしております。多少その辺か時期的に前後いたしておりまするためにさような疑いを持たれるということは或いはあるかとも思いますけれども、私はさような事実は今申上げたような事実から、あり得ないことだと考えております。
#36
○有馬英二君 なお監査のあとの調査書を作成した、協議会に提出した調査書の作り方ですね。それについてはどうも甚だ解せない点がある。先ず保険医にその記載を求めてそれの承諾を得て、そこに岩石捺印をさすべきところを、空欄にしたままでそしてそこへ署名捺印をさした。それをあとから見るというと、そこに記載されている事実がどうも誤つた事実がたくさん見出されるというので、これに詳しく書いてありまするからお読みを願えばわかるのでありますが、この点が若し事実とすれば甚だどうも調査の記載に当つた人は誠にどうも間違つたことをしておる。或いは公文書偽造というようなことにもなりはしないかというようなことが考えられるのでありますが、そういうふうな監査の後始末と申しましようか、調査書の記述ということについて、健来そういう例がほかにもありますかどうでしようか。
#37
○政府委員(久下勝次君) 私からお答え申上げます。先ほど最初にも申上げましたように、私はこの問題について私どもとしてこの問題のあることを具体的に知りましたのは昨日のことでございます。若し御指摘のようなことが事実であるとしますれば、これは考えなければならないと思つております。過去においてそういう例があつたかというお尋ねでございますが、私どもは過去においてはさようなことは絶対になかつたと確信をいたしておるのであります。従いまして、若しも取消処分を受けたかたの御主張のごとくかような事実があるといたしますれば、私どもとしても相当考えなければならないと思つておりますが、その点につきましては早速調査をいたして行きたいと思います。
#38
○有馬英二君 そういうことを詳しくここに書いてありますからよくお読みを願いたいのでありますが、誠に遺憾なことがたくさんあつたらしい。そうしてこの事実の責任をやはり大村技官が共同者でありますからして負わなければならんと私は思うのですが、大村技官は恐らくそういうことについては詳しく知らないに違いないと私は思うのです。地方技官がやつて、監査のとき大村技官が立会つているに違いない。併しながら責任はやはり本省の技官も同じにこれは負うべきものであろうと思うがどうでしようか、そういう点について御見解は。
#39
○政府委員(久下勝次君) 法律的に申しますれば厚生大臣がその所属の官吏をして検査をさせることができるという規定に基いて技官は動いておるわけでございます。先ほど私ということを申上げましたけれども、大臣から委任をされている現在においては私の責任であると思います。従いまして大村技官が個人的にあの立場においてその責任を負うべきではございません。若しも不都合なことがございますれば私が全責任を持つて処置すべきであると考えております。
#40
○有馬英二君 この点はよくお帰りになつてから大村技官に詳しく質されて、そしてこのことが正当であるか正当てないかということについてよく御考慮を願いたい。
 なおもう一つは先ほどもちよつと申上げたのでありますが、社会保険医療担当者監査要綱というものが二十五年のものと今度のものとの間に少しく変つた点もありまするけれども大体同じでありますが、この処分について指定を取消す、それから戒告、それから注意とこの三段階に分れておるようでありますが、特に指定の取消というものが一定期間経過をするというと再指定をすることができるということが(ハ)(ニ)と二つの項にはそれがありますが、(イ)(ロ)については何ら記載がない。そこで、故意に不正又は不当な診療を行なつたもの、それから又(ロ)故意に不正又は不当な報酬請求を行なつたもの、この二つのものが指定を取消してしまつて取消しつ放しになるというように了解ができるのでありますが、そうでしようか。それを一つ伺いたい。
#41
○政府委員(久下勝次君) この問題は実は私もかように解釈しておるのであります。(ハ)(ニ)のほうにありまするのは、期間付き指定取消というものであります。併しながらそのほかの期間付き指定取消と申しましても取消は取消でありますので、当然にこれが元に戻るということは法律的に考えられませんものでありますから、期間が過ぎたときに再指定の措置をとるという意味で書いたものでございます。最初の指定取消にそれがございませんのは、これはそういう期間付きで、期間が来たらどうなるかという疑問が起る余地がございませんので、書かないだけのことでございますが、併しながら実際問題として無条件に指定取消を受けたかたは、その後そういう指摘を受けましたような点が改善をせられまして、再び保険医として御協力を頂くことが適当であるという認定が参りますれば、これは期間に関係なしに再指定の手続がとれる。又そうすべきであるという考えでおる次第でございます。従いましていずれの場合にも再指定ということはあり得ますけれども、期間付きの場合には期間が過ぎたらどうなるかという点が多少疑問がございまするので明確にいたした次第であります。
#42
○有馬英二君 私はこれはこの要綱の甚だ不備な点じやないかと思うのですが、ここに書いてあるようにその項目に確かに故意に不正又は不当な診療を行なつたとか或いは又診療報酬の請求をやつたとかいうような人であつても、一定期間指定弄取消されて、それから改俊の心情が明らかであるというようなことであれば、医師会等、或いはその他の手続を経てもう一遍再指定をすることができるような手続をここにとるべきであると思う。その点について……。
#43
○政府委員(久下勝次君) 私もお話の通りに考えておるのでございます。ただそういうふうに書分けてありまする趣旨は、先ほども申してくどいようでありますが、御案内のように医師なり歯科医師の免許の取消、免許権の停止というような制度がございまして、停止というような法律上の制度がございますと、期間が過ぎれば当然に復活するわけでございます。ただ取消という法律上の制度は仮に期間付きというようなことをやりましても、当然に戻るというようなことになりませんもんですから、そこでそういうふうにただ書いただけに過ぎないので、実質的には停止と同じような考えで、期間付取消を取扱うという趣旨を現わしたに過ぎないのでございます。全般的に取消を受けましたかたは、その後において適当であると認められた時期が参りますれば期間の長短を問わず必要な時期に再指定をなされることは当然と考えておる次第でございます。
#44
○有馬英二君 もう一度その点に、ここに明記されていないというと、指定を取消された、処分を受けた者がどういうような手続をしていいか、或いはそういう手続をして、それがどういう時期にそれが再指定になるかならんかというようなことが明文にないものですから、非常に不安な念を抱くと私は思う。お説のように随分悪いことをして医師免許状を取上げられて、医師の行為ができないというような非常にひどい処分を受けた者でも、一定の期間改俊の情、明らかであるといつたようなことであつた場合は、審議会の議を経てそれが回復することができるようになつておるのである。まあそういう事実がたくさんあるのでありますから、この際にも、ここには故意に不正又は不当と、或いは故意に不正又は不当の報酬請求というようなことが書いてある、そういうような人も、或いは相当たくさんの人の中にはいないとは言えませんし、或いはたくさんのそこに過失か或いはいろいろなことが列挙されておつても、その中には故意の部分とか過失の部分とか、いろいろなものが重り合つておるという事実が幾らもあるらしい。私自身がそういうことに当つたことがないからよくわからないのでありますが、どうもそういうことであつて、余りにこの峻厳な、それこそ生活権を奪うような、或いは生活権に脅威を与えるような峻厳な処分というのは、これは殆んどここでは、現今のような保険診療が診療を行う部分を形作つておるようなところでは、これは非常に峻烈なる刑罰というように考えられる。そういうようなことは全体においては私は非常な疑義があるのですが、その点を申上げるというと余り長いということになるんで余り申上げません。ともかく監査というものそれ自体も欠点があるので、その監査をしてそれを判断する人にも多大な落度があると私は思うのですが、余りに峻烈な処分をしないほうがいい、又しても改俊の情が明らかであるというようなのは、速かに取消すというような方法をとられるように、私はこの社会保険医療担当者監査要綱というものを、これは別に法律じやないようですから、厚生省で作られて各地方に配付されるまあ覚書のようなものですから、早速これを直して、医者に不安を与えないように、或いはこういうことをしよつちゆうやらせてはいけませんけれども、成るべく寛大な処置をとられるように私は希望するものであります。
 なおこの地方の医療協議会ですね、医療協議会が各方面から三人ずつ若しくは四名ずつの人が選抜されてやつているようですが、それの定員、或いはそれの採決に当つてどういうような規則があるか、どういうような場合にはそれが不当であるか、正当であるかというようなことについて、余り明瞭な規定がないようなことを聞くのですが、その点について一つ詳しいことを向いたいと思う。
#45
○政府委員(久下勝次君) 先ず最初の点は、御意見でございましたが、私どもとしてもお話のように指定取消の処分或いはつまり戒告の処分、いずれもお話のような影響の大きい問題でありますので、十分注意をしてやつておるつもりでございますし、又今後ともそのつもりで措置をいたしたいと思つております。具体的に要綱の改訂をして、お話のような点を入れるかどうかにつきましては、全文を中央社会保険医療協議会において審議して決定をしております関係もありますので、次の協議会の機会に御意見のありますところをお伝えして、お諮りいたしたいと思います。私どもは実質上は当然のことと考えております。ただ只今御意見のありました医師法、歯科医師法の再免許の問題は、これは私どもはやや法律的な性格が違つておると思います。片方は身分上の問題でございまして、前段のほうの免許そのものに厳重な制約がございまして、免許取消を受けました者が再免許を与えられるかどうかということが必ずしも明確でありませんので、取消を受けた者が再免許を受けられるという規定が必要になつて来ると思います。この場合におきましては保険医の指定をいたしますことそれ自身が、法律的には何ら条件の制限がございません。そういう意味合いにおきまして、再指定をするということは特に書かなくても当然できることであると考えて書かなかつたのでありますが、併しこの点は、或いはお話のように確かに疑問のある点であるかも知れません。関係の機関にも諮りまして、必要があれば改正をいたしたいと思つております。
 それから地方の医療協議会の組織につきましては、社会保険医療協議会に関する法律の規定がございまして、その構成は極めて一般的な規定があるのみでございます。それ以上の人選は具体的には各関係団体にお願いをしまして、その御推薦によつて任命をいたすことになつておるのであります。ただ中立の委員だけは、各地方都道府県知事がその考えで任命をすることになつておりますが、各団体を代表するような地位にある医師、歯科医師、或いは社会保険に関する団体につきましては、それぞれ関係の団体に候補者の御推薦を願つて、その者を任命するということになつております。
 それから協議会を開きました場合に、事案の審理につきましては、これは何分にも諮問機関でもございまするので、やかましい議事規定はございません。それぞれの協議会におきまして、適当な議事規則を定めるということだけでございまして、一般的には定めてございませんし、又定めないほうが運用上適当ではないかと考えますような次第でございます。
#46
○有馬英二君 その構成が、例えば、十二名と半数以上でなければ採決ができないとか、或いは四分の三の必要があるというようなことについて、何らか成規的の明文がないものですか、規定が。地方医療協議会においてですね。
#47
○政府委員(久下勝次君) 法律には社会保険医療協議会に関する限りは、その規定は今手許にございませんで、自信がございませんがなかつたと思つております。審査会等一種の裁判に似たような採決決定いたします。それ自身として決定をいたしまする機関につきましては、定足数の規定がはつきりいたしております諮問機関でありまする関係もありまして、その規定はないと記憶いたしております。これを設けるほうがいいかどうかという点につきましては、確かにお話のように設けたほうがいいと思いますが、これもいろいろ地方地方の事情もあることと思われますので、一律にきめたほうがいいかどうか、少し検討させて頂きたいと思つております。少くとも中央の社会保険医療協議会の運営につきましては、事実上各界のかたがたの御出席がないと、協議会が成立しないような扱いになつておりますし、又どうしても御都合の悪い人のあつた場合は、各委員の御了解を得て、後刻当該委員の御意見を聞いて、その御意見を聞いた上で、最後に協議会の意見の決定をするというような取扱をいたしておるわけでございまして、恐らく地方におきましても同様の取扱をしておるものと信じておるものでございます。
#48
○有馬英二君 この前のこのケースですね、その当時のことを医師会の人に伺うのですが、地方社会保険医療協議会の構成が、その当時甚だ不完全であつた。医師会側の人が非常に少数であつたというようなことであり、而もそういうような構成であつたがために、これを暫らく延ばすとか、或いはこれを何と言いますか協議をやらないようにというようなことを言うたにかかわらず、押切つてやつてしまつた。それがどうも甚だ人数が少くなつて、どうもその採決の結果について疑義があるというようなことを聞くのです。それだから私はこういうことをお尋ねするのですが、若しそういうような故意に、一方の代表の人が非常に少い、そのほうの、つまり権利を主張する人が非常に少いために押切られてしまうというようなことがあれば、甚だこれは不当なことであると言わなければならんが、併しそれについて運用上どういうような規定があるか、これに対してはつきりした規定がなければ何とも異議の申立てようがないわけですから、ですからして、こういうようなあとからそれが資料となつてこういう峻烈な取消を求めるというようなことが行われるとすれば、地方医療協議会なるものはぼんやりしてこういうことを許しておるわけではない。もつと正当なはつきりした規定の下にこれが運用されないというと、これは医療方面ばかりではありませんが、ほかの方面も同じでありますが、甚だ不利益をこうむる人が出て来るのでありまするから、この点について若し協議会のほうではつきりしたそういう規定がないというようなことであれば、この際はつきりした規定を作つて正当なる運用を期したいと私は思うのです。それですから、そういうことをお尋ねしたわけですが、なおこの点についても十分一つ御調査になつて医療協議会が、これは何も北海道ばかりのことではないのです。各地の協議会に十分間違いのないように当局から注意を発せられたいと私は思うわけです。なお最後にこの処分が、只今質問したようなことからして、甚だ当を得ていないというようなことが明らかになればこの処分を取消すことができるか、或いは取消すように当局から知事に対しまして取消をあなたのほうから、当局から申付け、申付けと言つてはおかしいかも知れませんが、注意をされるか、そういうことについて。
#49
○政府委員(久下勝次君) 先ほど申上げましたことにちよつと補足して申上げておきますが、法文が出て参りました、御参考までに、社会保険審議会、社会保険医療協議会、社会保険審査官及び社会保険審査会の設置に関する法律というのがございまして、この法律によりますると中央及び地方協議会の議事規則につきましてはそれぞれ中央及び地方の協議会において定めるという規定がございますが、定足数なり、議決数につきましては一切任されておるわけでございます。それらの運用につきましてお話のような点がありますとすれば、私どもとしてはそれが違法であるかどうかは別問題といたしまして、少くとも不当な処分であるというような材料がございますれば、関係の道知事に厳重に警告をいたす所存でございます。それがその程度のものでありまするか、或いは当然無効になりまする程度のものでありまするか、この点につきましてはなお精密に調査いたしませんと何ともお答えできませんが、善処する考えでございます。
#50
○有馬英二君 なおこの処分が不当であると言つて、この処分を受けた保除医が訴願をするということについて、何か手続が明らかになつていないのですが、そういうようなことについてはどういうような、一般の処分についての訴願を行うと同じような手続で訴願をするのですか、それについての御意見を伺いたい。
#51
○政府委員(久下勝次君) 只今の制度としては、行政処分に対する不服につきましては各種の訴願の制度がございますが、保険医の指定取消の処分につきましては、お話のようにその制度がございませんので、従いまして一般法に基きまして裁判所に訴訟を提起することはできることになると考えております。これを行政上簡易迅速に、而も公平に不服の訴えを処理するような機関を作るべきであるというようなことにつきましては、私ども実はその必要を感じておるものでございます。ただこの問題は保険医の身分等についてもいろいろ御議論もある際でございまするのでこれらの問題と併せて検討をいたす必要があると考えまして、暫らく研究の時期を待つておるような実情でございます。御了承願いたいと思います。
#52
○榊原亨君 只今の問題に関連して二、三質問がありますが、今日は時間もありませんので、この次に今の実情の御報告のありますときまで保留したいと思います。
#53
○委員長(堂森芳夫君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#54
○委員長(堂森芳夫君) 速記を始めて下さい。保険関係四法案の審査は、本日はこの程度にいたしまして次に移りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(堂森芳夫君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#56
○委員長(堂森芳夫君) 次に歯科医師法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案者から提案の理由を御説明願います。
#57
○林了君 提案理由を御説明いたします。
 只今議題となりました歯科医筋注の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 歯科医業の本質は、歯科領域の疾病の診療にあり、人体全体を対象としたものではないといわれておりまするが、歯科医業の一部門であるといわれる口くう外科におきましては、その治療中に大出血等のために死亡という事実が稀に生ずるのであります。かような場合に、現行法のごとく、歯科医師みずから死亡診断書を交付することができないということにしておきますると、円くう外科を担当する歯科医師の責任の所在の明確を欠く虞れがある一兵に、現代悪医学がますます一般医学と共に進歩しつつある現状より我が国歯科医学の発達を阻害しておることになるのであります。
 更に、歯科医師は、医師と共に国民医療の担当者として、解剖学、生硬学及び病理学その他の一般基礎医学に対しても一定の卓識を修得しており、みずから診療した者に対して死亡という現象が生じた場合にもその正確な判断を下す能力を千分有しておるのであります。
 従いまして、死亡診断書の交付の能力を十分有しておりますこの歯科医師に対しましても、その交付を認めますることは、歯科医療の向上の点から見ましても重要な意義を有するものであると信じまして、ここに本改正案を提出した次第であります。どうか、御審議の上、速かに御可決下さるようお願い申上げる次第であります。
#58
○委員長(堂森芳夫君) 質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(堂森芳夫君) 御異議ないと認めます。
 それではこれを以て本日の委員会は閉会いたします。
   午後零時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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