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1953/07/28 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 経済安定委員会 第9号
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1953/07/28 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 経済安定委員会 第9号

#1
第016回国会 経済安定委員会 第9号
昭和二十八年七月二十八日(火曜日)
   午前十一時十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     早川 愼一君
   理事
           高橋  衛君
           八木 幸吉君
   委員
           岸澤 忠恭君
           奥 むめお君
           岡田 宗司君
  衆議院議員
           栗田 英男君
  国務大臣
   通商産業大臣  岡野 清豪君
  政府委員
   公正取引委員会
   委員長     横田 正俊君
   公正取引委員会
   委員      湯地謹爾郎君
   経済審議庁調整
   部長      岩武 照彦君
   通商産業省企業
   局長      中野 哲夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       桑野  仁君
   常任委員会専門
   員       内田源兵衞君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保
 に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(早川愼一君) それでは只今から経済安定委員会を開会いたします。議題となつております私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして衆議院において修正されましたので、この衆議院の修正点について委員会における修正案の発議者衆議院議員栗田君の御説明を願いたいと思います。
#3
○衆議院議員(栗田英男君) 先般自由党、改進党、自由党の三派共同の独禁法の修正案の提案理由を極めて簡単に御説明を申し上げます。
 日本経済民主化の基本法たる独禁法はその第二十七条において独禁法の目的を達成するために公正取引委員会を置くことを規定し、独禁法の運用は公正取引委員会の専管であることを規定しているのであります。然るに今回の政府の提案した独禁法の一部改正案におきましては、トラスト禁止規定と相並んで独禁法の要であるカルテル禁止規定の適用除外についての認可権を同法の運用機関たる公正取引委員会に与えないで、産業の主管大臣という立場から通産大臣に与えることとなつていることは独禁法の趣旨と全く相反するばかりでなく、汚職の総本山と言われる通産省にかかる刃物を持たせることは危険極まりないと言わざるを得ないからであります。改正案はカルテルの認可権を主務大臣に置く理由として、産業の主務大臣たる立場を主張し、輸出取引法や中小企業安定法などの特別法の前例を主張しているが、独占禁止政策は一元的総合的に運営せしむべきものであり、その責任主体は当然に独禁法の目的達成のために設置された公正取引委員会が持つべきであり、全局的立場から認否の最終決定を与えることが理の当然であります。政府案のごとく公正取引委員会が認定を行い、主務大臣が認可を行うことになれば、実質的に終局的判定者たるべき公正取引委員会が認定した後においては、主務大臣がみずから帰納すべき余地は全くなく、又認定を得ない主務大臣の認可は無効であることは一点疑念の余地はないのであります。ここに至つてまで何故に主務大臣が認可を一主張するか、その心理は到底局外者たる私に理解することはできないのであります。かくのごとく独禁法の運用に徒らに疑念を抱かせ、純司法的手続を排して行政措置によることとなり、訴訟手続にも混乱を生じ、独禁法運用上の独自の法体系を破壊する結果を招くに至るのであります。この意味において認可権は独禁法の専管官庁たる公正取引委員会に一元化せしむるよう修正案を提出したゆえんであります。
 次にこの修正案の要点を申上げますると、第一点は独禁法の趣旨を尊重し、カルテルの認可権を公正取引委員会に一元化し、主務大臣が認可権を通じて官僚統制その他の手段により、独禁法と相反する政策を行う虞れのないようにいたしたことであります。
 第二点はカルテルの認可を公正取引委員会に一元化することにより、現行法における同委員会の純司法的手続に待つて認可申請の却下又は認可の取消変更はすべて審判手続を経て審決により行うことにいたしたことであります。
 第三点はカルテルの認可を取消又は変更すべき事態が先じた場合に、審判手続中、中小企業、消費者等に救済すべからざる損害を与える場合には、裁判所の緊急処分の途を開いたことであります。
 第四点は認可の申請に対する公正取引委員会が認可若しくは却下、認可内容の変更又は認可の取消処分をした場合は、当該処分の責任を明らかにする意味において、遅滞なく当該処分の理由を附して、その旨を公表することにいたしたのであります。
 第五点は公正取引委員会が認可事務を円滑にし、産業の実情を適切につかむために第二十四条の三の第二項、又は第三項の不況カルテル及び第二十四条の四の第二項の合理化カルテルを認可し、又は申請を却下し、或いは認可の変更取消処分をしようとするときは、あらかじめ関係ある主務大臣に協議しなければならないことにいたしたことであります。
 第六点は以上の諸点の修正に伴い、主務大臣の行政報告聴取に関する項目と関係条項の整備を行なつたことであります。
 以上が三派共同の修正案の要点であります。何とぞ御審議の上御賛同をお願いいたします。
#4
○委員長(早川愼一君) 只今の御説明に対して御質疑がありましたら御発言を願います。
#5
○高橋衛君 これは審査の参考になると思いますので、大体経過をお話願えると非常に結構だと思いますが、新聞の報ずるところによりますと、只今御説明になりました点以外に、二点ばかり重要な点において論議になり、結局結論的には修正になつたようでありますが、その点の修正案が提出され、それが採用されなかつた事情を、理由を一つ御説明願います。
#6
○衆議院議員(栗田英男君) これは一番最初改進党は党議で決定をいたしたのではなかつたのでありまするが、経済安定委員会の当該委員だけで最初修正案の三点を立案したのであります。
 その修正案の第一点は、只今提案理由を御説明をいたしましたカルテルの認可機関というものを二本建ではなく、飽くまでも公正取引委員会一本にするということが第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、価格協定を認めるということは適当でないということで、第二点といたしまして、価格協定の項を全面的に削除するということが修正案の第二点でありました。
 次に第三点といたしまして、再販売価格維持契約に適用除外の十一団体を認むるということは、今日の情勢から見ますると、この十一団体の一部の不心得者が街頭に進出をいたしまして、値引販売或いは濫売をいたしておりまして、中小小売商人に非常に迷惑をかけておりますので、再販売価格維持契約を設けた以上、この十一団体を適用除外にするということは、折角この法案の設けた趣旨が損われるということを非常に私どもは憂いまして、十一団体を適用除外にしないという、この三点の修正案を改進党の当該委員会で決定をいたしまして、改進党の政策委員会であらかじめ了解を得まして、この三点の修正案を基礎といたしまして各党との話合いをいたした次第であります。その結果、第一点の認可機関の問題は、自由党も分自党もこれを呑みまして、第一点はこの問題は改進党の案の通りに決定をいたしたのであります。
 そこで問題の第二点は、これは約三日間非常に紛糾をいたしまして、私どもは最後までこの価格協定というものを、いわゆる法律によつてこれを認めるということはこれはとんでもない話である、飽くまでもこういう価格協定というものは認むべきでないというふうに極力主張をいたしたのでありますが、いよいよこの問題も紛糾をいたしまして、このままでは衆議院通過の見通しもつかなくなりましたので、我々委員といたしましても一旦党に持ち帰りまして、最高判断をお願いをいたしましたところが、第一点の公正取引委員会の認可機関が我が党の主張が通つたのであるからして、これが通つた以上は、第二点の価格協定というものは、今までの通産省と違つて容易に認可するはずはないのであるからして、第一点の修正が通つたのであるから、第二点はこの際引つ込めてはどうかというような幹部の大多数の意見でありましたので、まあ我々は非常に不満足ではありましたが、第二点の修正案を引つ込めたわけであります。併しながら我々は今日でも信念的に価格協定というものは一つの不良児みたいなものでありまして、幾らこの認可機関たる教師が善良怒る教師に変つたとしても、なお不良児をそのままにしておくということは私は適当でないという、今日もかような信念を持つておりまして、価格協定は反対という立場を私は今日も堅持いたしておる次第であります。
 又第三点の再販売価格維持契約につきましては、特に党内の農業団体等から猛烈なる反対がありまして、折角十一団体を除いたのであるからして、今後この十一団体が部外者に販売をするというようなことは絶対に禁止するという規定も作れるし、又このようなことをして非常な多数の中小小売商人等に迷惑等がかかつた場合においては、公正取引委員会のほうからも勧告し或いは反省を促してもらうというような方法をとることができるならば、十一団体を今日早急に除かなくとも、この再販売価格の維持契約の目的はそう損われないのではないかというような、これも党幹部の圧倒的な意見によりまして、特に第二点、第三点に関しましては、委員長以下絶対に反対でありましたけれども、党議が決定をした以上は、我々は脱党してまでも反対をするわけに行きませんので、第一点の修正点だけでは誠に不満足ではありましたけれども、他の二点は保留いたしまして、第一点の修正案で賛成をいたした次第であります。
#7
○委員長(早川愼一君) 別に御質疑はございませんか。御質疑がなければ、以上をもちまして修正案に対する質問を終ります。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   午前十一時二十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時八分速記開始
#8
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて下さい。
 通産大臣は本院の要求によりまして午前中から待機されておつたのでありますが実は午後は予定されていることがありまして、甚だ時間がないですけれども、保留されておりまする通産大臣に対する質疑を継続して頂きたいと思います。
#9
○岡田宗司君 私は今次の先ず改正の理由からお伺いしたいと思います。政府が提出されました改正案の最後の頁に理由が附せられておりまして、その理由の中に「わが国経済の特質と実態に即応するよう、共同行為の禁止を緩和するとともに、」云々とあります。そこで先、ず我が国の経済の特質と実態とは何ぞやということからお伺いしなければならない。なぜその特質と実態の故にカルテルの禁止されておるものを緩和する必要があるのかという関連をお伺いしたいと思いますが、先ず我が国の経済の特質と実態ということについての御見解を伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これは日本の経済は御承知の通りに、戦後財閥も全部潰してしまい、それから又戦前より変つた方向でいろいろな経済が運行されておる。而も民主主義的に自由競争を独禁法によつて十分やらしておるということになりますというと、経済界というものに大きな安定した勢力がない。この安定した勢力がいいか悪いかはこれは又見解の相違でありますけれども、少くとも少々の不況とか何とかいうような波が来ましても、それに持ち堪えるだけの実力が日本の経済界にはどこにもございません。よく独占資本であるとか何とかいうことが言われまして、一番大きなことは金融独占資本がどうとかこうとかというようなことも批評される点でございますが、併し例を一つ金融界にとりましても、こういうことが言われるのでございます。日本は御承知の通りに戦時中に非常に爆撃を受けまして、国土の大事なものはみんな壊われてしまつた、而もその経営をしておつたところの、コンビネートしておつたところの一つの財閥とか何とかいうものは皆解体されてしまつて、思い思いに一人立ちになつてやつておる。そういうようなときにこれを復興して行かなければならんと同時に、対外的には競争して行かなければならない。そういたしますと、これは非常に金がいることでございますが、その金が一体どのくらいあるか、こういうことを申上げますれば、基礎といたしまして只今日本の全金融機関に対して三兆四千億くらいな預金がございます。これから申しますというと、非常に金融独占ということになりますけれども、その一番目立つたところのその金融独占と称せられるものが如何なるスケールのものであるかということを考えて見ますというと、昭和九――十一年の平均から見ますというと、その当時の預金の四〇%にしかなつていない。そうしますと、九――十一年頃は今のような国土は壊れてしまい、若しくは人口が四つの島にこんなに過剰になつたという時代ではなくつて、およそ平和な生活のできておつたときの情勢であります。そのときに一〇〇%といつた金融がどうにか動いておつたにかかわらず、今日すべてのものが荒廃してしまつてこの復旧に力を出さなければならん。又十年の空白のあるところのいろいろな経済界の設備とか何とかというものもこれを新らしくし直さなければならん。そうしますというと、資金の需要というものはその九――十一年の三倍、五倍の必要があるにかかわらず、いわゆるその資源であるところの金融機関の持つている預金というものはその当時の四〇%しかなつていない。これが端的に日本の経済界の底の非常に浅いという例証でございます。ほかの企業につきましても皆そういう情勢でございまして、経済の系列から御覧下さればおわかりになりますように、元は自己資金によつて相当程度の資産があつて、あと借入金は運転資金、若しくは或る程度の設備資金を金融機関から借りておつたようなことでございますけれども、今は全く状態が変りまして、自己資金というものは僅かなパーセンテージでございまして、あとは如何なる企業といえども借入金によつて大部分が賄われておる。こういうような情勢、これが即ち日本経済の現状でございます。そういうように非常に不安定な、而も基礎の薄弱なところの経済の実態、特質というものは、我々が或る程度の特別立法でもして、そうして財界全体の破綻を救わなければならぬというような処置の法案を出しましたゆえんでございます。
#11
○岡田宗司君 そういたしますと、こういうようなお考えがあると今の御説明から推測できますが、実は戦後国民経済の底が非常に浅いということは、これは私どもも認めておりますが、この底の浅い経済というものの上に立つて、岡野さんのお考えになることは、こういうふうに底の浅い経済だから、つまりここに安定した一つの大きな経済力というものを作らなければいかん。これが中心になつて国民経済全体を動かして行かなければいかんというお考えのように思う。その際に戦争前において日本の経済は特に満洲事変以降におきましては、日本においては経済の発展が戦争準備といいますか、準戦時体制更にその次には高度の戦時体制というようなことで非常に産業構造の変化があつた。その際に特に起りました問題は、非常に強大な資本が集中されて、つまり資本の集中が行われまして、そうして非常に財閥が強化された。それから又或いは大きな産業会社がカルテルを作りまして、市場を支配いたしました。そうしてこれが強い力を持つた。こういうようなものが戦後私的独占禁止法によりまして解体を先ずされた。ところがこれが今日の底の浅い日本の経済に合わないと言われる。ということになりますと、先ずそういうようなトラスト或いはカルテル或いはコンツェルン、こういうようなものを大体安定勢力と認めて、それが復活という方向へ進めようというふうに私には受取つたのであります。又現実にこの改正案が実施されるようになりますというと、そういうものができて来ることが今日以降かなり自由になる。いろいろ制限はあるよう言われておりますけれども、一種の突破口ができて、そういうものができる、こういうふうに考える。そこでお伺いするのですが、この戦争前にあつたような財閥とか或いはコンツェルン、カルテル、トラスト、そういうものが復活されて、これが日本の産業を支配することが安定した状態への一歩である。又そういうような勢力が安定勢力であるというふうにお考えになるかどうか。
#12
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。先ほど安定勢力ということ、それから財閥という言葉が出ましたために或いは私の申上げ方が無論足りないのでございますが、誤解があつたのじやないかというような感じがいたします。私は元のような財閥ができて欲しいとか、いわゆるあれに似た大きな独占資本ができて欲しいということじやございませんで、元そういうものがあつた時代には、相当に日本の基礎がその安定勢力によつて救われておつたのじやないかという一部の見方もあつたのですが、併し今日ああいうものを復活するとか、又復活して行つて欲しいということは一向思つておりませんので、国民全体、企業家全体がその気持を強固にして頂きたい)又そうあるべきはずだということが、通産行政としての根本思想になつている次第であります。それからこのカルテルを独禁法の例外として作りまして、そのために又集結したところの財力ができるかと申しますと、私はそうじやなくて、これは御承知の通りに法案に明記しておりますように、過剰生産であつて物資の需給が非常にアンバランスになつて、そのためにその業界において非常な危険が出て来、同時にその業界がばたばた倒れることによつて、ほかの事業にもいろいろな影響を及ぼして、甚だしくなれば、大正九年の財界パニックというものが出て来はせんかということも非常に心配になりますので、そういう需給上のアンバランスができたときに不況カルテルを作りまして、一時抑えて行つて、財界のパニックを未然に防ごう、こういうのが趣旨でございます。それからその必要がなくなれば、当然これは解消すべきものでありまして、これは修正案になつて、どうなりましたか知りませんけれども、この法案を当初出しましたときには、通産大臣がその必要なしと認めて、財界が安定したという場合には、これは認可を取消しまして解消せしめるし、又通産大臣がまだ放つて置いていいという考えがありましたときに、又仮にありましても、公取委員会のほうでそんな必要はないのだということを御請求になつて、そうして公告なされば、当然三十日以内にこれは解消することが法的に結果として出て来る。こういうことでございますから、このカルテルを永久に作つて、そうしていわゆる昔の財閥とか、大きな財力を結集して行くということには、一向考えておらん次第でございますから、この点はよく御了承を願いたいと存じます。
#13
○岡田宗司君 とにかく不況カルテルにしろ、或いは合理化カルテルにせよ、ここでカルテルを結成することを認めるということになつておるわけであります。独占禁止法の今までの考え方は、とにかくカルテルを作らせない、こういう考え方だと思います。そして事実上カルテル行為が行われておつて、これが実際に取締られておらん、そしてカルテルとしての成果を相当挙げておるものもあるようであります。これは実情そうなつておるようでありますがとにかく法の建前として、その背後にあるこの法律の考え方というものは、カルテルを禁止する、こういうことであります。ところが今度のまあ改正案につきましては、大体カルテルを例外的にでもあれ、とにかく不況の場合に、或いは合理化というような場合に、これを認めるという立場に立つておるわけです。又他の点におきましても、不当な事業能力の較差の排除の規定を削るというようなことによりまして、例えば企業の集中、そして巨大資本の成立を認めるということが行われることになつております。又株式の保有、役員の兼任、合併等の制限を緩和するということも、実際においてはこれらの方法によりまして、他の企業を支配する途を容易ならしむることにしておるのだ。こういうふうなことを見ておりますというと、この法律は今まではカルテルを禁止するという建前から作られておる。又資本の過度なる集中をさせないようにするという建前をとつておつた。ところが今度は例外明なものを認めるという立場には、表側はそうなつておりますけれども、事実はそうではなくて、これらのものをまあ特殊な場合だけれども認めて行こうというような考え方が先ず出て来て知る。これは前々から通産省側は、日本の経済の底が浅いのだから、こういりようなカルテル等の成立を認めて行う、併し認めるが、弊害についてはこれを押えて行こう、こういう考え方になつて、この改正案が出されたというふうに私どもは聞いておるのです。建前が逆になつてしまつておる。で、この点について、通産大臣がこの法案についてお考えになること、又今後の日本の産業構造なり何なりの上についてお考えになることは、こういう企業連合といいますか、企業の共同行為といいますか、そういうものは原則的には認める、併しながらこれは弊害の部分はこれを抑えて行くというお考え方になつたのかどうか、その点をお伺いしたい。
#14
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これは独禁法の趣旨、即ち自由競争を十分やらして行つて、民間業者の創意工夫を認めて、そうしてフェアな競争をさせるということの根本方針は、私どもは堅持しておりまして、独禁法の趣旨は十分これを尊重して行きたい、これが根本の思想でございます。併し先ほども申上げましたように、そうは言いますものの、底の浅い非常に微力なところの経済基盤に立ちまして、余りにも競争激甚のために、若しくはほかの情勢もありますし、いろいろの事情もございましようが、生産需給のアンバランスを来たして、その一時的現象のために需給の基礎を危く下るというような、こういうことが出、はいけないから、臨時的に不況カルテルというものを認めて、その危機を救おう、こういう場合でございますから、飽くまでも独禁法の趣旨は十分通産省としても尊重してやらして行き、併しながら若しも財界を危機に陥れるこいうことがあつてはならないから、臨時的にそういうカルテルを認めて行こう、併しその必要がなくなつたらすぐこれを解消して、やはり独禁法の趣旨によつて財界に活動させる、こういうことでございますから、私只今お説のようなことにはならないと、こう私は考えてもおりますし、今後もそういう方針で通産行政を行なつて行きたいと、こう考えております。
#15
○岡田宗司君 先ほど御説明のうちには、財閥とか、或いは戦争前のような非常に大きな資本が経済界を支配するようなことは考えていない、そういうふうにさせようとは思つておらん。併し何分にも戦後の経済は底が浅いから、相当な力を持つた企業があつて、経済を安定させなければいかんというお考えをとつておつたように思います。それはやはりまあいろいろな面から見まして、かなり大きな自己資本を持ち、又設備を持ち、更に又銀行から相当な金を借りられるような、そういう企業というのが恐らくあなたの言われたような企業だと思うのです。これが不況等の際にかなりな力を発揮し得るものは、こういうものは今日かなりまあ各産業において力をすでに持つて来ておる。恐らくそれらの企業は自己の努力によりまして、不況時代においてもなおこれに堪え得る力を持つものであろうということは、私どもは認められるのじやないか。そうすると、そういうようなものが経済界の支配を握つておるときに、更に不況時代において不況カルテルを認めて、そして価格が不況時代において或る程度下らなければならん。これは根本的に自由党は自由主義経済を認められておるものでありますから、そういうことがあることを予想されておると思う。そういたしますと、それをチェックして今言つた、今日カルテル等を作り得る強い相当な勢力を持つたものに更にカルテルを作らして、そういうふうな場合に価格を維持して、そして或る産業のいわゆる独占的な価格及び独占的な利潤を維持さして行こうということは、どうもこれを単に、例外的に不況の場合に一時的にこれを認めるのだということとは大分違うように思うのです。成るほど今言われておるところは、不況の場合にそれを作ることをまあ認可してもよろしいと、併しあとになつてこれを解散するのだと、ほんの一時的のものだというような考え方でありますが、併し根本的に考えて見ますと、あなたの言われた安定勢力というものを作るというようなことは、単に一時的なものの考え方ではないようです。やはりこれによつてあなたの言う力を持つた安定勢力というものを作るということが、やはり根本にあるのじやないかというふうに考えられるのですが、その点はどうお考えですか。
#16
○国務大臣(岡野清豪君) 言葉が安定勢力とか財閥とかいう言葉に触れましたものですから、そのほうにお話が飛んだと思いますけれども、御承知の通り独禁法の趣旨を十分尊重して、そして自由競争によつて仕事をさして行こう、そういたしますというと、各個人個人、各企業企業がへ先ほど申上げましたような借入金が八〇%もあるようなものであつてはならない。これはやはり昔の平和時代のごとく、とにかく各企業者とも自己資金によつて大部分を賄つており、同時に流動資金を銀行に依存する、こういうようなしつかりした企業者にすべての人がなつて欲しいのであつて、私どもといたしましては、今押しなべてすべての企業は皆そういうふうに安定しておりません。でございますから、安定勢力という言葉が悪うございますれば、勢力というのは誤解を起しますから取消します。少くとも各企業者が皆個々別々に自分自身の企業が、安定しておるということが望ましいことであつて、その安定に来ていないときに、生産過剰とか何とかいうことによつて財界に思わぬ危機をもたらすというような場合には、臨時的にやはりカルテルを作つてその危機を救うということが例外的に認められて欲しいということでこの法案ができたわけでございまして、その意味におきまして、若しそのいわゆる一時的の生産過剰、需給のアンバランスというものがそれによつて救われましたならば、又必要がなくなりましたならば、このカルテルは当然解消せしむべきであつて、又公取委員会のほうでも、独禁法の原則によりましてこれをやはり取消請求権を以て取消して行かれるということでございますから、私はこのカルテルに対する、いわゆる独禁法に対する例外規定によつて昔の財閥を作るとか、若しくは財閥に似たような大きな資本家を作つて行つて、そうしてそれに日本の財界を牛耳らせるというようなことは毛頭考えておらん次第でございます。
#17
○委員長(早川愼一君) ちよつと岡田先生にお諮りいたしますが、実は時間が大分過ぎておりますから、一時休憩したいと思いますが、よろしうございますか。
#18
○岡田宗司君 この問題についてはまだあるのですが、又あとで伺います。
#19
○委員長(早川愼一君) それではこれで一応休憩いたしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(早川愼一君) それではこれで休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十六分開会
#21
○委員長(早川愼一君) 休憩前に引続きまして委員会を開催いたします。質疑を継続いたします。
#22
○岡田宗司君 公取委員長にお伺いいたします。公取委員会におきまして、カルテ行為に対するいろいろ取締といいますか、やつておられるわけですが、実際この法律ができましてから各産業において事実上カルテル行為が行われておる。そして又それに調査しろという要求もあり、それからそれを取締つてくれという要求も出ている。従来こういうふうな法律があるにかかわらず、実際においてカルテル行為が行われておるということについて、あなたがたのほうでふだん調査されておると思うのですが、その調査はどういうような方法でおやりになつておりますか伺いたい。
#23
○政府委員(横田正俊君) 御承知のように公正取引委員会の事務局の機構は大体審査部と、それから経済部とこの二つに分れておりまして、審査部は正式に違反事件として取上げる場合の機構でございまして、これに反しまして、まだその段階に至らない場合につきましては、経済部におきまして一般的に経済全体の動きなり、或いは特殊な事業につきましての一般的調査、或いはその業界においてちよつと面白くないような事態が見えます場合に、経済部で一応の調査をする。大体この二段階がございまして、実は正直に申上げますと、現在までの段階におきましては、公正取引委員会のここ数年の動きを正直に申上げますると、経済部におきます活動は最近におきましてやや軌道に乗つて参つたようなわけでございまして、実は審査部におきまする活動が割合に活溌に行われませんもので、外部から御覧になりますと、如何にも公正取引委員会が非常に手ぬるいとお感じになると思いまして、これは又私ども自身もそういうふうに実は感じておるのでございますが、職員も少のうがざいますが、併し今後はだんだんにこの経済部におきまする活動から更に進みまして、違反事件としてこれを相当強力に調査をして参るというほうへだんだん裏を置いて参りたいと考えておりますが、先般そちらへ御提出いたしました最近におけるカルテル類似活動の状況というものの中に一応最近におきまするそういう事業界の動き並びにそれに対して公正取引委員会がどの程度の仕事をしているかということを率直に、且つ非常に簡単なことでございますが御提出したわけでございますが、この中にもございますように審査事件として証拠をはつきり把握してこれを事件として取上げたものは割合に少いのでございます。今後はそちらの方面に十分力を尽したいと考えております。
#24
○岡田宗司君 特にまあ岡野さんの言うように一時的にせよ、カルテルを開くという途が開かれて参りますというと、まあカルテルの認可申請も大分出て来るだろう。そうすればこのカルテルの認可申請をされた場合にこれは一遍やはり調査しなければならない。届出主義とは違うのです。そうなると今までのこれだけしか仕事ができないというのをこれを又審査をしていたらとても違反行為の審査というか調査もできなければむずかしくなるのじやないかと思うのですが、今までの人員でそれができるとお考えでしようか。
#25
○政府委員(横田正俊君) その点は私どももかなり心配をいたしておるのでございます。大体カルテルに関する事柄は今度の改正法にもございますように経済部で取扱うことにいたしておりますが、先ほど申しましたように審査部の活動もこれから相当充実しなければならんと思つておりまするし、経済部は現在の仕事の上にカルテルの仕事が加わりますのでこれはどうしでも機構の拡充ということを考えなければならんのでありますが、この点は御承知のように行政整理というような方向で最近二、三年の動きというものは公正取引委員会の機構をむしろ縮小するほうの方向へ向つて来ておりまして、私どもとしては相当こちらの立場を強く政府のほうにも申してあるわけでありますが、如何せん非常に定員を減らされましたし、予算も僅か九千万円そこそこでありまして、この機構で果して簡単にできるかどうかは正直のところ非常に心配をいたしておりますが、併し大体只今のおります職員も相当慣れて参りましたし、かなりその道々の専門的な知識も相当殖えて来ているようでありますし、非常に熱心に仕事をいたしておりますので、一応はこの態勢でやつて見たいと思つておりますが、やはりそのうちどうしても定員を増すとか或いは予算をもう少し頂戴するというような必要ができて来やしないかと考えております。
#26
○岡田宗司君 私もこうやつて仕事が殖えて行くのにこれは人間もとんと殖やさないということは実際上の働きを麻痺するのを放置して、こういうことになつて事実上そういう面からもこのカルテルの活動が行いやすいようにしようということをどうも含んでおるようにも思われる。併しまあ、まさか意識的にそういうことをやつておられるとは思いません。まあカルテルが非常な活動をしておるということはこれは申すまでもないのでありますが、先ほど言われましたように行政整理によつてだんだん人員等が縮小されたということでございますが、公正取引委員会が出発いたしましてから、今日までに行政整理でどれくらいの影響を受けておりますか。
#27
○政府委員(湯地謹爾郎君) 公正取引委員会が発足いたしましたのは御承知の通り二十二年からでございますが、その当時はまあ年度の途中でありましたが、一番人員の多くなつた時代は昭和二十四年でその時分には約三百五十人くらいの人員であつたのであります。その後大体毎年行政整理というような関係もありまして、現在の人員といたしましては委員が五人、それから事務局の職員が二百四十五人と、まあこういう程度になつておるわけであります。人員の点はそうでありまして、まあ予算の面からいたしますと人員は只今申しました通り減つて参りますが、予算額自体といたしましてはやはり給与の引上げとかいうような関係で、予算額自体はむしろ多少殖えておるというような恰好であります。併しまあ実質的事務上に必要な経費ということは、やはり人員の減に大体伴いまして減つておるということを申上げていいかと思います。
#28
○岡田宗司君 そういうふうな工合で人員の面においてもだんだん減らされて来る。で公正取引委員会自体が例えば行政整理の対象になつた、つまり公正取引委員会をやめちまえという話が起つたことがあるということを、伺つたのです山が……。
#29
○政府委員(横田正俊君) そういう声は大分聞えて参りましたが、併し政府の方針としまして、公正取引委員会をなくしてしまうというようなことはなかつたのでございますが、ただ御承知のリツジウエイ声明後、いわゆる行政機構改革ということで、政令諮問委員会でございましたか、あそこで立てられました案が大体公正取引委員会につきましては定員を半分にして、委員が当時は七人でありましたのを三人にするというような殆んど潰しはしないのでありますが、殆んどこれを動かないような状態にしてしまうというような案であつたように思います。併し政府はさすがにその案はとりませんで、一応最初はやはり委員は三人、それから職員が三割くらいの減でございましたが、そういうような線を出して参りましたが、委員の三人というのはどういたしましてもこういう性質の委員会といたしましては体をなさないということで、これは五人を強く我々は主張いたしまして五人にしておられます。定員のほうはたしか二割でございますか、減になりました。
#30
○岡田宗司君 今言つたように大分機構が縮小されて参つた。これはどうも目の上の瘤だと考える人が相当多い。そういうことになつたんだろうと思いますが、最近私は何だつたかの新聞で公正取引委員会は今総理府にあるが、これを通産に移すと、機構を縮小するというような行政機構改革の案がどこで出たどういう案か知れませんけれどもたまたまそれのうちのそんなようなことが出ていたのであります。それが最近そういうような話がだんだん伝わつておりますが……。
#31
○政府委員(横田正俊君) 公正取引委員会を通産省につけるという話は今までございません。或る時期に、総理府の所管の外局的のものが非常に多いのでこれをできれば各省の外局というような形にしてはということはございまして、その際或いは法務府あたりへつけたらどうかというような案も一応ございましたようでございますが、これに対しましても、私どもはこの仕事がやはり純然たる法律とも違いまするし、やはり経済的な面もございますので、やはり総理大臣の下にあるほうがいいのではないかというような意見を出したこともございます。
#32
○岡田宗司君 それは公正取引委員会に対する政府の考え方というものが、今言つたように、これの機構をだんだん縮小しようという考え方もあるし、ときには総理府からはずしてしまうというような考え方もあつた。これはもう今公正取引委員長のほうからのお話でも明らかなことである。ところで、これが今度この改正案で仕事が殖えて来る、これはどうするのかということは、これは公正取引委員会の内部の仕事の配分の問題もありましようしいたしますけれども、この機構のままでどうやつてやつて行くのか、或いはもつと殖やす必要があるのか、これは前からの方針通り、目の上の瘤だからできるだけ力をそいでやるのだというような方針なのか、これは政府に伺わなければならんと思う。私はこれはやはり副総理にこの公正取引委員会の今後のあり方について政府がどういう考え方を持つておるかということを伺いたいと思うので、今日何でございましたら、明日一つ副総理の御出席を要求したいと思います。
#33
○委員長(早川愼一君) ちよつと連絡します。多分衆議院の本会議があるから……。
#34
○岡田宗司君 それなら明日でも……。
#35
○委員長(早川愼一君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#36
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて下さい。
#37
○奥むめお君 再販売価格の問題ですけれども、お醤油ですね。今までキツコーマンとかヤマサとかは横の連絡で醤油の値段を協調しておりますね。あれは今まででも認めておいでになりますか、又今度はああいうようなのは届出、認可をもらえば何かもつと有利になるというようなことがあるのですか。
#38
○政府委員(湯地謹爾郎君) 醤油業界の大メーカーヤマサとかキッコーマンが価格協定をしておるのじやないかという問題につきましては、実はこれは昨年でしたか、違反事件といたしまして公正取引委員会で審判をいたしまして、今後業者がそういう協定をして値段をきめてはいけないという審決が下りているわけでありまして、今後お互いに協定をしてやつたとすれば、現行法にも触れますし、同時にその審判にも違反するということになつて、お互いに話合つて値段をきめるということはできないことになつておるわけであります。
#39
○奥むめお君 今度の再販売価格制度によりあなたがたのほうの認定があれば今度はできるわけですか。
#40
○政府委員(湯地謹爾郎君) これはお互いに話合つて値段をきめる、言い換えれば再販売価格の値段を幾らにしようじやないかというような協定をしておのおのが再販制度の維持契約をするということになれば、当然これは違反になりまして、ただキッコーマンなりヤマサが自分だけで、自分の判断でほかと協定をしないで、自分のところを幾らにしようということをきめるような場合、若しその西中が指定されたような商品の場合に、それは自分の立場で再販売価格をきめるということはよろしいということになるのであります。
#41
○奥むめお君 それは何月でございましようか、去年の何か公告の中に入つておりましたが。
#42
○政府委員(横田正俊君) 古いのですが、事件として取上げましたのは昭和二十五年の十一月、丁度統制のはずれかかつた時分の直後でございます。審決がありましたのは二十七年になつていますが、これは大分前のことでございます。今湯地政府委員から申上げたのでございますが、現在実際野田とか、その他大きなメーカーが協定をしておるかどうかという点につきましては、我々まだ公取といたしましてはそういう事実をはつきり確認はしておりませんが、若し実際にそういうことがありましたならば、今後の再販売価格維持契約の認められます一つの重要な要件としまして、当該商品について自由な競争が行われているかというとが要件になつていますので、若しそういうような横の連絡がございまして競争が阻害せられているということになりますれば、維持契約そのものも独占禁止法の対象になつて適用除外にはならないということになるわけであります。
#43
○奥むめお君 私はどうもそれをうつかりしておりましたけれども、公取がそれを解決ついたと思つていなさるとしたらこれは大変なあなたがたの手ぬかりでございましたね。その程度の調査しかできないとしたら、私は非常に不信任を表明しなければならない。現に続けてやつているわけですね。それから、それで私どもが消費者の立場から無名醤油を非常にたくさんの種類を内容を調査いたしました。それは有名醤油は大変な宣伝費を使つて、醤油を配りますし、いろいろなものを配りますしね、新聞広告なんかも使いますし、醤油なんというものは水同様でございます、宣伝に使うので、我々はこういう費用がかかるからあれだけの値で売らなくちやならないと、こういうことを小売商人は言うておりますね。又一つは協同組合なんかに卸屋が全然あういう有名メーカーのものを出さないところがあります。くれないところがあります、その土地の協定を結びましてね。これは御承知でございましようけれども、それが大変この頃賢沢になりまして、うちはヤマサを使つている、うちはキッコーマンを使つているということが一つの虚栄になつているようでございます。このような残念な世の中になつていますから、その土地々々によりまして協定を結んで協同組合に出さないところもあります。それで我々はこの前それに対抗する手段として、無名醤油を調べまして、味も見、色も見、又使つても見まして、そうしてこれはいいとか悪いとかを示して、ヤマサ、キツコマーンと実質負けないような醤油を探し出そうということで随分調査いたしまして、我々幾種類かそういうようなものを探し当てました。広告代がないから安いのは当り前だというのでこれをうんと奨励しました。ところが残念ながら小さいメーカーは造るたびに味も色も変る。大きいのは一年分をずつと仕込みますから味も色も変らないところが私どもから言つても非常に信頼できるのですね。それで非常にいいところがあるかと思うとひよいつと悪いところがあるので大変困りまして、醤油の問題なんか、横の連絡で協定するということは公取も手がつけられないと聞いておりましたから公取というのはそんなものかと思つて追及しなかつたのが私も悪かつたのですけれども、そういうこともございます。ですから、事件をやはり一つ片付けたら、あともきちんと行われているかどうかを監視して頂きたい。現在も行われています。これはメーカーに言わせると、我々はそうしたくないのだ、何しろこれが卸屋で頑張つていて、資本を貸したりして、その力がとても強いから全然割引きも勿論させてくれませんし、消費者のためには非常に不自由をしております。今度これを協定するか、せんか知らないけれども、一つの醤油のメーカーが卸屋と小売人とそういう何を約束をすれば、同じ値段になつても、まあ別にそういう契約をすればそれはいいわけですね。本当の奥に横の連絡があることは確かですけれども、その横の連絡はなかなか固いものです。そうして資生堂のチェーン・ストアなんかではよそのものは売らないし、値段がきちんときまつていますね。
#44
○政府委員(湯地謹爾郎君) 資生堂のようなチェーン・ストア或いは薬のチェーン・ストアがあるかと思いますが、これは今後の再販売価格維持契約を認められるようになりますと、強いてああいう組織を作らなくても、まあ何と申しますか、メーカーの目的は達するようになるのじやなかろうか。現在のままでありますれば、小売値段を指図して、それ以下に売つてはいけないというような指示をいたしますと、或いは拘束契約というようなことになつて、独禁法に触れる疑いがあります関係上、特にチェーン・ストアのような、自分と特殊な関係を結んで、その信用によつて、そこを通じて売るというような形をとるに至つたのではないか。これは推測でございますが、今度の契約ができれば、どうしてもあういう形にする必要性がなくなつて来るのじやないかと思います。
#45
○委員長(早川愼一君) 岡田委員にお諮りいたします。只今政府に連絡いたしましたら、副総理はちよつと只今御出席いたしかねるそうでございますというお答えでありますから、明朝出席を委員会として要求いたしておきました。明朝しよつばなに副総理の御意見を要求したらと思いますが、それでよろしうございますか。
#46
○岡田宗司君 よろしいです。
#47
○委員長(早川愼一君) それでは、ほかに御質疑がなければ、一応岡田委員の質疑は保留されまして、本日はこの程度で散会することにいたします。
   午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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