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1953/07/20 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 本会議 第24号
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1953/07/20 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 本会議 第24号

#1
第016回国会 本会議 第24号
昭和二十八年七月二十日(月曜日)
   午前十時二十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第二十三号
  昭和二十八年七月二十日
   午前十時開議
 第一 公認会計士法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第二 納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第三 国税徴収法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案(内閣出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
 第九 海上衝突予防法案(内閣提出)(委員長報告)
 第一〇 国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。
 この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(国立近代美術館評議員会評議員任命につき国会の議決を求めるの件)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
 去る八日、内閣総理大臣から、国立近代美術館評議員会評議員に衆議院議員竹尾弌君を任命することについて、本院の議決を求めて参りました。同君が国立近代美術館評議員会評議員に就くことに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#5
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て同君が国立近代美術館評議員会評議員に就くことができると議決せられました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、公安審査委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
 去る八日、内閣総理大臣から、公安審査委員会設置法第五条の規定により、挾間茂君、広瀬豊作君を公安審査委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、運輸審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
 去る十六日、内閣総理大臣から、運輸省設置法第九条の規定により、太田三郎君、松浦薫君を運輸審議会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(河井彌八君) 日程第一、公認会計士法の一部を改正する法律案、(衆議院提出)
 日程第二、納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案、
 日程第三、国税徴収法の一部を改正する法律案、
 日程第四、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、
 日程第五、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、
 日程第六、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の特別措置に関する法律案、
 日程第七、昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長大矢半次郎君。
   〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
#14
○大矢半次郎君 只今議題となりました七法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず公認会計士法の一部を改正する法律案について申上げます。
 本案は衆議院議員苫米地英俊君ほか二十四名の提出にかかわるものであります。昭和二十三年に公認会計士法が制定せられましたとき、計理士その他会計監査の専門家で公認会計士にふさわしい品位と能力を有する者に対しまして、公認会計士となる特別の途を開きますため、暫定的に二カ年を限つて特別試験制度が施行せられたのであります。そののち、この期間の満了いたします昭和二十六年になりますと、公認会計士の資格試験でありますところの第三次試験の受験資格者が余り多くないのと、特別試験を受験する資格のある優秀な学識経験者がなお多数存在いたしましたので、更にこの期間を二カ年延長いたしまして、今日に至つておるのでありますが、この期間が本年七月末を以て満了することになるのであります。然るに現在なお相当数の有能な適格者が存在することが考えられますので、受験者側の事情も考慮いたしまして、これらの適格者に引続き特別試験を受験する機会を与えますことは、公認会計士制度の円滑な運用を期する上に極めて望ましいものと考えられるのであります。本案は、右のような事情に鑑みまして、特別試験の施行期間を更に一年再延長しようとするものであります。
 本案の審議に当りまして、一委員と提案者並びに政府との間に次のような質疑が行われたのであります。即ち「今回の改正案については、公認会計士及び特別試験の受験資格者の双方から反対の陳情がある。提案者は、今回の改正は一カ年限りの延長であつて、これ以上は延長しないつもりなのか。それとも一応一カ年延長しておいて、模様によつては更にこれを延長するのか。どちらの考えであるか」との質疑に対し、提案者から、「双方から反対の陳情のあるのは事実である。併し提案者としては一カ年限りの延長を考えていて、これを更に延長する考えはない」との答弁がありました。又、「政府は一カ年延長の必要を認めるか」との質疑に対し、政府より「一カ年延長はやむを得ない」との答弁がありました。その他の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案について申上げます。
 現行制度におきましては、納税貯蓄組合員が納税組合預金を以て預け入れ先の金融機関に委託して納税する場合のほかは、引出された部分に対する利子について所得税を課することになつておりますが、これを改めまして、委託納税以前の場合においても、一定の利付期間、これは政令で六カ月と定められる予定でありますが、この期間内に引出された金額の合計額が五万円以下である場合には、その利子については課税しないこととし、納税貯蓄組合制度の普及に資しようというのであります。
 本案の審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に国税徴収法の一部を改正する法律案について申上げます。
 本案は、過誤納金の還付を促進するため、税務署所在地の納税者に対しても、もよりの郵便局において還付を行うことができることとすると共に、延滞加算税の計算の基礎となる滞納税額が十万円未満のときは別に定める簡易延滞加算税額表によることとし、加算税額の計算の簡素化を図るほか、滞納処分の事務の簡素化を図る等、所要の改正を行おうとするものであります。
 本案の審議に当りましては別段の質疑もなく、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案について申上げます。
 現行の外国為替資金特別会計法によりますと、外国為替資金特別会計においては、毎会計年度の決算上剰余金がある場合は、一般会計の歳入に繰入れることになつておりますが、外国為替相場の変動等によつては、この会計に損失を生ずることも考えられるのでありまして、本案は、かかる事態に対処するために、毎会計年度の決算上の剰余金については、予算の定めるところによつて、一般会計の歳入に繰入れる金額を除き積立金として積立て、決算上不足金を生じた場合は、この積立金から補足し、補足しきれない場合は、翌年度において補足することができない金額の相当額を一般会計からこの会計に繰入れて補填することとすると共に、この積立金は余裕金と同様に資金運用部に預託して運用することができるようにしようとするものであります。なお、決算上の剰余金の処理は、昭和二十七年度以降の決算から適用することにしております。
 委員会における審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論、採決の決果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案について申上げます。
 先ず特別措置法の改正についてでありますが、改正点は、第一に、現在、旧陸海軍の共済組合、外地関係共済組合等の組合員であつた者で、年金受給権を有した者に対して、年金を支給することとなつているのでありますが、これらの組合の共済組合規則が各組合まちまちでありまして、年金受給権について不均衡を生じておりますので、これを是正いたしまして、旧陸軍共済組合及び外地関係の共済組合の組合員であつた者のうち、昭和二十八年八月十五日において二十年以上勤続していた者について、国家公務員共済組合法の規定による退職年金又は遺族年金に相当する年金を支給することとしたこと、第二に、旧陸軍兵器廠職工扶助令の適用を受けていた者についても同様の措置を講じたことであります。
 次に国家公務員共済組合法の改正についてでありますが、改正点は、組合員の範囲を明確にすると共に、保育手当金につきまして、組合員の資格喪失後も、組合員として受けることのできる期間、継続支給できるように改め、健康保険法との権衡を図つたことであります。
 本案につきましては格別の質疑もなく、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 次に、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の特別措置に関する法律案について申上げます。
 本案は、国家公務員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定によりすでに支給せられている年金のうち、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた年金については、従来機械的な年金額の改訂を行なつて来た結果、同年七月一日以後において給付事由の生じた年金との間に不均衡を生じておりますので、これを是正するため、年金額算定の基準となつている俸給に対応する新たな仮定俸給を作りまして、これにより昭和二十八年一月一日から年金額を改訂いたしますと共に、公務による傷病を給付事由とする年金につきまして、恩給法の規定による増加恩給の例に倣い最低保障額を定める等の措置を講じようとするものであります。
 本案の審議に当りまして、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた年金に対する措置が遷延せられた事情、障害年金額の算定の基礎並びに国庫と共済組合との費用負担の決定方法について質疑が行われたのでありますが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に、昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律案について申上げます。
 本案は、昭和二十七年十一月一日に行われた国家公務員の給与水準の改訂に伴い、国家公務員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額を、昭和二十八年十月分以降、国家公務員の現行給与水準に合せて改定しようとするものであります。
 本案につきましては、格別質疑もなく、討論、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#15
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより七案の採決をいたします。七案全部を問題に供します。七案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて七案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#17
○議長(河井彌八君) 日程第八、町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
#18
○内村清次君 只今議題となりました町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
 本法案は衆議院提出にかかるものであります。御承知の通り、警察法第四十条の三第八項の規定によりますると、毎年十月三十一日までに所定の手続を経て警察を維持しないことに決定した旨を内閣総理大臣に報告した町村につきましては、翌年四月一日にその警察維持に関する責任の転移が行われることになつておるのであります。本法案は、これに対する特例を設けて、昭和二十七年十二月二十一日から昭和二十八年七月三十一日までに右の報告のあつた町村のうち、当該町村長が議会の同意を得て警察維持に関する責任転移の時期の繰上げを昭和二十八年八月二十日までに国家公安委員会を経て内閣総理大臣に申請し、同年八月三十一日までに承認を得たものにつきましては、その警察維持に関する責任の転移は、来年四月一日を待たず、本年九月一日に行われるものとするのであります。而して、本法案によつて時期の繰上げが認められる見込の町村は、福岡県鞍手郡小竹町、同嘉穂郡碓井町の二カ町でありまして、いずれも石炭業不振の影響を受けて財政は困難を極め、加うるに今次の西日本水害による被害甚大であり、その事情には同情すべきものがあると考えられる次第であります。
 地方行政委員会におきましては、七月十七日、衆議院議員中井一夫君より提案理由の説明を聴取した後、政府側より「本法案が成立した場合、これらの二カ町から国家地方警察に身分が移る警察吏員の数は二十七名程度であるから、既定予算の範囲内で賄い得る見込であり、法律の効果として警察維持の責任転移の時期が繰上げられることに異存なき旨の言明を得ました。
 次いで提案者を呼び、政府側との間に質疑応答を重ねましたが、その詳細は会議録によつて御覧願うことといたしまして、ここではその主なものの二三を紹介いたします。即ち、(一)「民主主義に基いて現行の自治体警察制度が設けられておる以上、これが育成強化に努めるのが至当であつて、このような特例を次々に定めて町村警察廃止の時期の繰上げを認めるのは、民主主義の精神に逆行するものではないか」との質問に対しまして、提案者側より、「自治体警察に対して財政的裏付けその他の方途によつて育成に努むべきであるとの御趣旨には同感であるが、本法案は気の毒な事情にある町村に対する救済のために特別に考えた特例である」旨の答弁がありました。(二)「本法案の趣意は警察の能率の点から自治体警察は成るべく国警に編入したほうがよいという考え方であるか」との質問に対しましては、提案者側より、「さよな考えは持つていない。一にその町村の事情を気の毒と考えたからである」旨の答弁があり、政府委員より、「自治体警察が次々に廃止されて行くのは自治庁としても残念であり、今後、地方行政全般の問題として事態の改善に努めたい」旨の答弁がありました。(三)「本法案に便乗しようとする町村が出る虞れはないか」との質問に対しましては、提案者側より、「小竹、碓井両町は、本法案の提出を見越してその自治体警察を廃止したのではない。若し右両町以外の便乗的町村が出て来ても一切認めない趣旨である」旨の答弁がありました。
 次いで討論に入り、日本社会党第四控室を代表いたしまして若木委員より、「今問題になつておる町村に対しては同情するが、民主警察の建前に対して重要な意味と役割を有する自治体警察が、単に財政上の理由を以て次々に廃止せられ、特に本法案のごとく時期繰上げの特例まで設けるのは、警察国家再現へ拍車をかけるものである。自治体警察を維持する上に財政上の困難があれば、政府は平衡交付金の増額等の措置によつてこれを救うべきである。以上の理由を以て本法案に反対する」旨を述べられました。日本社会党第二控室の松澤委員は、「政府は先に警察法の改正を企て、自治体警察側に動揺を与えているが、弱小町村、弱小警察に対しては、十分これを助長育成しなければならん。併し問題の二カ町の事情は同情すべきものがあるから、止むを得ざる特別の場合として本法案に賛成する」旨を述べられました。加瀬委員は「(一) 本則尊重の立場から今後特例を通例とすることのないようにする。(二)今次の特例は災害等の特殊事情による。以上の二つの点を確認して本法案に賛成する」旨を述べられました。
 かくて採決の結果、多数を以て本法業は原案の通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
 以上御報告いたします。(拍手)
#19
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#21
○議長(河井彌八君) 日程第九、海上衝突予防法案(内閣提出)を議題といたします。
 先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長前田穰君。
#22
○前田穰君 只今議題となりました海上衝突予防法案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 この法案は、一九四八年ロンドンにおいて開催されました海上における人命の安全のための国際会議におきまして採択されました国際海上衝突予防規則に準拠して、現行の海上衝突予防法を全面改正をしようとするものであります。運輸委員会における質疑の主なるものを申上げますと、その一は、「燈火等についての規定を改正又は新設することにより、船舶によつては新しく施設することを要するものがあることと思われるが、船主に経済的負担を課することとならないか」という質疑であります。これに対し政府委員は、「この点についてはすでに船舶安全法に基く船舶設備規程によりおおむね実施されているので、本法施行による新規の経済的負担は余りない」と答弁いたしました。第二は、「本法案は、燈火、航法等についての規定を改正又は新設しているが、明年一月一日から円滑に施行するためには、船舶側に対し十分周知徹底させる必要があると思う。このため政府は如何なる措置を講ずるか」という質疑に対し、政府委員は、「運輸省地方機関、海上保安庁、民間関係機関を動員して、周知徹底に努力する」と答弁いたしました。第三は「軍艦や軍の船舶については本法適用上特則が設けられているが、保安庁の船舶についてはこの特則によらず、一般船舶と同様に適用があるものと解してよいか。又保安庁の船舶に適用する場合、船舶の構造上或いは任務の遂行上支障を来たす虞れはないか」との質疑に対しまして、政府委員は、「保安庁の船舶も一般船舶と同様、本法の適用を受ける。又適用しても船舶の構造上も運航上も支障はない」と答弁いたしました。その他詳細は速記録について御承知をお願いいたします。
 かくて討論に入りましたところ、一委員より、「この法案は国際規則に基くものではあるが、日本語としては意味不明瞭で理解しがたい点が少くない。併しながら国際的関係もあるので賛成するが、将来この種の法案を提出する場合は十分留意せられたい」との意見が述べられました。又一委員より、「この法案は、保安庁船舶についても特則によらないで、一般船舶と同様に適用されることとなるが、現実の問題としてこの点の妥当性については疑問があることを附言して賛成する」との意見が述べられました。
 採決に入りましたところ、本法案は原案通り可決すべきものと全会一致を以て決定いたしました。
 右御報告申上げます。(拍手)
#23
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(河井彌八君) 日程第十、国の援助等を必要とする帰国者に対する領事官の職務等に関する法律案、
 日程第十一、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。
   〔佐藤尚武君登壇、拍手〕
#27
○佐藤尚武君 只今議題となりました国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律案につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 この法律案は、領事官の駐在している地に在留する在外邦人が、困窮のために帰国を余儀なくされている場合、或いは在留する国の官憲によつて強制退去の処分を受けた場合に、それらの者が自己の負担で帰国できないときに、領事官がその職務の一端として帰国を援助する措置を定めたものであります。
 法律の要綱の二、三を説明いたしますと、一、領事官は、日本船舶を利用できるときは、その船長に対し帰国者の送還を命ずることができること、二、日本船舶が利用できない場合は、領事官は帰国者のために旅費等を貸付け、厚生大臣は帰国者が本邦上陸の際に帰郷費を貸付けることができること、三、帰国者又はその扶養義務者は、貸付を受けた帰国費及び帰郷費等を外務大臣又は厚生大臣に償還しなければならないこと等を規定いたしております。政府の説明によりますと、平和条約の発効後、在外邦人で政府が援助の措置をとる必要があつた事例はすでに発生しており、例えばシンガポールで保護を受けた海難者七名の件のほか、中共、ドイツ、スペイン、フランス、インド等よりも送還させた例があり、今後件数の増加が予想されるとのことであります。
 委員会は三回に亘つて本案を審議の上、七月十六日の委員会において原案の通り全会一致を以て可決した次第であります。
 次に、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部改正する法律案につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 政府の説明によりますると、本件は、我が国外交施策の推進、殊に通商関係の発展を期するために、在外公館を増置する必要があるに鑑みまして、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正し、在キユーバ、コスタリカ、パナマ、ヴエネズエラ、ボリヴイア、イラン、オーストリア及びルクセンブルグ等の在外八公使館並びに在ベレーン、ダツカ、ナイロビ及びラゴスの四領事館、合計十二公館を増置すると共に、これに伴う関係諸法規の改廃を行わんとするものであります。
 次に本法案の要点を簡単に御説明申上げます。
 第一は、増置予定十二館のうち、在パナマ、コスタリカ、ボリヴイア及びルクセンブルグの各公使館は、それぞれ在メキシコ大使、在ペルー公使及び在ベルギー大使をして兼摂せしめんとするものであります。第二は、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正するものであります。即ち、新設公館に勤務する外務公務員の在勤俸を定め、且つ特別職員の給与に関する法律の一部を改正する法律において整理漏れとなつておりました大使及び公使に関する期末手当に関する改正と、これを支給する手続規正を定めたものであります。第三は、マニラを除き、名目上残置されていた日本政府在外事務所を一括廃止するもりであります。
 委員会は本法案を三回に亘り審議いたしましたが、さしたる問題もなく、七月十六日採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り可決いたした次第でございます。
 以上御報告申上げます。(拍手)
#28
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午前十一時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十三分開議
#30
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際、議員派遣の件についてお諮りいたします。去る十八日の和歌山県を中心とした豪雨による被害状況を調査するため、被害地に四日間の日程を以て議員四名を派遣することとし、その派遣議員の指名は議長に一任せられたいと存じます。これに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて議長は、水害状況調査のための派遣議員に、瀧井治三郎君、島村軍次君、荒木正三郎君、赤松常子君を指名いたします。
     ―――――・―――――
   〔相馬助治君発言の許可を求む〕
#32
○議長(河井彌八君) 相馬助治君。
#33
○相馬助治君 私はこの際、水害の調査に関する動議を提出いたします。即ち、七月十八日の和歌山県を中心とした豪雨による被害は誠に甚大なものがありますので、これに対する緊急対策樹立に資するための調査を、九州地方の水害以後の水害の調査と共に、さきに設置せられた水害地緊急対策特別委員会に併せ付託することの動議を提出いたします。
#34
○剱木亨弘君 只今の相馬君の動議に賛成いたします。
#35
○議長(河井彌八君) 相馬君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつて相馬君の動議は可決せられました。
 次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十五分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、国会法案第三十九条但書の規定による国会の議決に関する件(国立近代美術館評議員会評議員任命につき国会の議決を求める件)
 一、公安審査委員の任命に関する件
 一、運輸審議会委員の任命に関する件
 一、日程第一 公認会計士法の一部を改正する法律案
 一、日程第二 納税貯蓄組合法の一部を改正する法律案
 一、日程第三 国税微収法の一部を改正する法律案
 一、日程第四 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案
 一、日程第五 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特例措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案
 一、日程第六 昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の特別措置に関する法律案
 一、日程第七 昭和二十七年度における給与の改正に伴う国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律案
 一、日程第八 町村の繁察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案
 一、日程第九 海上衝突予防法案
 一、日程第十 国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律案
 一、日程第十一 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案
 一、議員派遣の件
ソース: 国立国会図書館
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