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1953/07/06 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 内閣委員会 第8号
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1953/07/06 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 内閣委員会 第8号

#1
第016回国会 内閣委員会 第8号
昭和二十八年七月六日(月曜日)
   午後一時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小酒井義男君
   理事
           上原 正吉君
           竹下 豐次君
   委員
           井上 知治君
           白波瀬米吉君
           松永 義雄君
           松原 一彦君
           野本 品吉君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   内閣官房副長官 江口見登留君
   行政管理政務次
   官       菊池 義郎君
   行政管理庁次長 大野木克彦君
   外務大臣官房長 大江  晃君
   外務省参事官
   (外務大臣官房
   審議室付)   広瀬 節男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会専門
   員       藤田 友作君
  説明員
   厚生大臣官房総
   務課長     小山進次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○行政管理庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○外務省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○厚生省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○青少年問題協議会設置法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小酒井義男君) これより内閣委員会を開きます。
 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず案の説明を求めます。
#3
○国務大臣(塚田十一郎君) 只今議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 政府におきましては、かねて行政運営の民主化、能率化を推進するため行政監察機能の活用に意を用いて参りましたが、行政運営を改善し国費の効率的使用を図りますことは、行政費を節減し国民負担を軽減するゆえんでありましてまことに刻下喫緊の要務であります。この意味におきまして、行政の能率的運営を推進する行政監察の機能は、更に一段と強化を策すべき要があると信ずるのであります。
 このため当面の措置として、監察の実施又は監察結果の処置に関する権限等について、行政管理庁設置法に所要の改正を加えることといたしました。以下その要旨について御説明いたします。
 第一に行政監察を実施するに当り、その実効を収めるためには、各行政機関の業務の実施状況について、実地に調査してその実情を把握する必要がありますが、現行法では各行政機関に対して資料の提供及び説明を求めることについての権限を規定しているのみでありますので、監察を行うため必要な範囲において各行政機関の業務を実地に調査することができることといたしました。
 第二に、各行政機関の監察に関連して行う公共企業体の業務及び国の委任又は補助にかかる業務の調査について、従来は特別の規定はなく、一般関係者に対する場合と同様、資料の提出に関し協力を求めることができるとの規定によつたのでありますが、右の調査は、各行政機関の監察の手段として特に重要な関係を有するものでありますから、この限りにおいて当該行政機関と協力して、書面により、又は実地に調査することができることを明らかにいたしました。第三に、現行法では、監察の結果については単に改善意見を述べることができるとの規定があるにとどまつていますが、行政監察の目的を達成するためには、どうしても勧告に基く改善措置を確認して、その改善を推進して行く必要がありますので、その勧告に基いてとつた措置について報告を求めることができることといたしました。
 第四に、監察の結果は、場合によつてはこれを特に強く行政に反映させるために、内閣総理大臣に対し関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう意見を具申することができる道を開きました。
 第五に、監察の結果、綱紀を維持するため必要があると認めたときは速かにこれが是正の措置をとるため、これをそれぞれ関係行政機関の長に連絡し、その判断による適宜の措置が講ぜられるように意見を述べることができることといたしました。
 第六に、第二条第十二号について、昨年七月三十一日法律第二百八十八号による公共企業体労働関係法の改正に伴う所要の改正をいたしたほか、長官の権限を規定した第四条の各項の規定の配列を整理いたしました。
 以上が行政管理庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議のうえ速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(小酒井義男君) 続いて本法律案について補足説明を頂きますか。
#5
○政府委員(大野木克彦君) 只今提案の理由を申上げました法律案の各改正点につきまして、条文の順によりまして簡単に補足して御説明申上げます。
 第二条第十二号の規定の一部を改めましたのは、現行法の公共企業体の説明規定といたしまして、引用条文中「公共企業体労働関係法」とありますのを、昨年七月三十一日法律二百八十八号を以て「公共企業体等労働関係法」と題名が改められ、又同法中公共企業体の規定は同法第二条第一項第一号に掲げるものとなりましたので、右に伴う字句の修正をいたしたものでございます。
 次に第四条第三項を削り、同条第四項を同条第三項といたしましたのは第四条各項の配列を整理するためであります。即ち所要事務全般に亙る長官の権限に関する諸規定を先ず一括して第三項までに規定し、次いで監察のみに関する権限を第四項以下に配列することとしたものであり削りました第三項は改正法案の第六項として規定いたしております。
 次に第四条第四項の規定を設けました趣旨は監察を実施するに当り、その実効を収めるためには、各行政機関の業務の実施状況について実地に調査して、その実情を把握し、これを検討する必要があることは申すまでもございませんが、現行法では各行政機関に対して資料の提供及び説明を求めることができる権限を規定しているのみでありますので、この際、監察を行うため必要な範囲において各行政機関の業務を実地に調査することができることといたしました。
 次に第四条第五項の規定を設けましたのは第二条第十二号によりまして、各行政機関の監察に関連して、公共企業体の業務、及び国の委任、又は補助にかかる業務は調査ができることとなつておりますが、この場合の調査についての権限を明確にいたしたのでございます。公共企業体及び国の委任又は補助にかかる業務の調査は、行政機関の監察の手段として行うものでありますが、その調査に関する権限を明確にするため、行政機関の業務の監察に関連して、当該行政機関と協力して、書面又は実地による調査をすることができることといたしました。
 次に第四条第六項の規定は只今申上げました条文配列の都合で従来の第三項をここに移したものでございます。
 第四条第七項の規定を設けましたのは、監察の目的は申すまでもなく行政運営の改善を図ることでございますから、その実を挙げるためにはどうしても勧告に対して相手かたのとつた改善措置を確認し、これを推進して行く必要がございます。従来は単に勧告し得るにとどまつておりましたので、今回勧告した場合は、当該行政機関の長に対し、その勧告に基いてとつた措置について報告を求めることができることといたしました。
 次に第四条第八項の規定を設けましたのは、監察の性質上場合により必要と認めましたときは、監察結果の取扱につき、直接内閣総理大臣に対し、関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう、意見を具申することができる道を開いておくこととしたのであります。
 第四条第九項の規定を設けましたのは監察の結果、法規上問題になる点を発見した場合には速かにこれを関係行政機関の長に連絡し、その判断による適宜の是正措置が講ぜられるように、意見が述べることができるようにいたしたのでございます。
 以上簡単でございますが、御説明申上げます。
#6
○委員長(小酒井義男君) 続いて専門員一言何か説明がありますか。
#7
○専門員(杉田正三郎君) 行政機構につきまして、現在の行政管理庁の行政機構ができ上るまでの沿革と、それに関連いたしまして、一般に行政監察機構について御参考のために御説明申上げておきたいと思います。
 この現在の行政管理庁の監察機構ができます前の行政監察、殊に外部からの監察機構の一つといたしましては、従前経済安定本部に経済調査庁という外局が設けられまして、この経済調査庁におきましては主として経済統制の観点から経済統制法規の励行を主眼とした外部監察を行なつておるのでございます。ところが経済統制も殆んど数が少くなりましたので、こういう経済統制法令の励行に関する監察は各主務省において行わしめて、特に経済調査庁をしてなさしめる必要がないという建前から昨年この経済調査庁が廃止せられたのでございます。そこで昨年即ち十三国会におきまして行政管理庁設置法の一部を改正する法律案が制定せられまして、昨年の即ち昭和二十七年法律第二百六十号を以てこの法律が成立し、昨年の八月一日からこの法律が施行せられることになつたのでございます。
 この法律によりましてここに行政管理庁に先ず監察部というものが設けられまして、主として行政機関、各公共企業体の監査、監察又は調査という仕事のほかに、各行政機関の業務運営の監察に関係する限りにおきましては、公共企業体の業務と国の委任又は補助にかかわる業務との実態状況を、関係各行政機関と協力して調査するということになつて発足いたしたのでございます。
 そこでこの行政管理庁の監察機構といたしましては、中央に行政管理庁の監察部というものが設けられると同時に、その手足の機関即ち出先機関といたしましては、各地方に監察局が設けられることになつたのでございます。当時の政府から出されました法律案におきましては、全国の八つのブロツクに地方監察局を設けて調査に当らしめるということになつておつたのでございますが、参議院の内閣委員会におきましてはこの法律案に修正案が提出せられまして、その修正案が成立することになつたのでございます。その結果出先の機関を十分強化して監察することが監察の周到を期する上において適当であろうという観点で、この修正案が成立したのでありますが、その結果といたしましては、全国を東京初め八つのブロツクに管区監察局を設けまして、そのほかこの管区監察局の設けられていない県、北海道に三カ所の地方監察局を設けまして、この出先機関として監察の周到を期するということになつて、昨年の八月からこの行政監察の仕事が発足して、今日に至るまで約一年間仕事が運んでおる次第でございまして、その間にいろいろの問題を取上げられておるのでございます。
 例えば昨年度におきましては定員外職員任用の実態調査であるとか、或いは戦傷病者戦没者遺家族等援護行政監察とか、或いは輸出振興外貨資金制度の監察であるとか、或いは建設機械の運用状況の監察であるとか、或いは郵便物の運送業務の監察であるとか、或いは大蔵省の管財局の特殊財産課の業務の監察であるとかそういつたような事柄を昨年度においては実施しておるようなことを私ども承わつておる次第でございます。
 そこで現在この監察部即ち中央と地方とを通じてこの監察の仕事に当つておりまする職員は、定員が全部で千六百七十名でございまして、今般定員法の一部改正法律案が提出せられておりまするが、そのうち三十五名が今回減員になる予定になつておる次第でございます。
 なおこの外部監察、行政監察には二つの狙いがあろうと思います。その一つは業務が適正に行われるかどうかというような業務監察と、他は人事監察であろうと思います。すなわち職員に汚職があるかどうか、不正があるかどうかというような面の監察であろうと思いまするが、行政監察は勿論主務大臣が自分の管下の職員の執務について周到な監察を行つておりまするが、これはいわゆる部内監察でございまするが、外部からの監察機構といたしましては、この新らしく昨年から発足いたしました行政管理庁の監察機構はその最も著しい目ぼしいものであろうと存じます。
 なおこの行政管理庁の監察機構以外に現在存在しておりまする外部監察の機構といたしましては、大蔵省に相当強力な監察機構がございます。すなわち国税庁にある国税監察官として百二十名が配置せられておりまして、これは主として、主税官吏が租税の賦課徴収に関連いたしまして汚職があるかどうかというような問題も過去においてございましたので、その点において周到なる監察を行わしめる次第でございます。
 なお郵政局には郵政監察局という地方部局がございまして、この地方郵政監察局が全国に十カ所ございまして、これが又業務監察と人事監察とを合せて行つております。郵政監察官は郵政省設置法によりますると、七百名以内を置くことができると規定せられておりまして、これ又相当厖大な監察機構であろうと思います。
 そのほか建設省、或いは調達庁、或いは海上保安庁などにそれぞれ監察官が置かれてございますが、これは数から申しますると極めて小微なものでございまして、或いは業務監察なり或いは人事監察を行なつております。
 かくのごとく先に挙げました大蔵省或いは郵政省に厖大な監察官の配置せられておりまするのは、主としてこの人事監察の面であろうと思います。すなわち直接国民と接触する官庁においては往々にして汚職の問題もございますので、かくのごとき多数の監察官を配置して職員の汚職などの問題を十分監察して行きたいという機構になつておるのでございます。
 以上御参考までに御説明申上げておきます。
#8
○委員長(小酒井義男君) それでは本法律案に対して御質疑のおありの方は御質問をお願いいたします。
#9
○野本品吉君 この法律案の審議に先立ちまして行政管理庁長官に一つお伺いしておきたいと思うことがございます。
 その一つは今年の三月に出されております会計検査院の年報によりますと、国の行う工事に対しまして実施計画という項目の下に、幾つかの工事が有機的に結合して全体として一つの機能を発揮するような施設を作る場合には、工事の実施計画が総合性を欠くこと、法規に例をとつても一つの工事が完成しても他の関連工事ができ上らん時には、せつかくでき上つたものが使いものにならないので、結局関連工事の最終のものが完成するまで遊休して、いわゆる死金を使つたことになると言つております。更に工事の検収というところに、工事の施工に当つて着手後の実施監督を十分にすべきことは勿論であるが、完成工事の検収に対しては単に形式的な図面等の対象にとどまらないで、目に見えない箇所に手抜きや粗悪材料の使用等の不正が多い点に鑑み、場合によつてはやむを得ず一部を解体しても検収の万全を期するくらいの心がまえが肝要と思われる。と言つております。
 更に昭和二十六年度歳入歳出決算検査報告に関し国会に対する説明書におきまして、一般会計予算経理の所で直轄工事の経理が紊乱していくという項目が盛られておりました。それで具体的な事例が多数挙げられておるのです。更に機構の管理当を得ないものという項目の下におきましても同様でございます。それから物品の調達に当り処置当を得ないものれも同様でございます。更に災害復旧工事に対する国庫負担金の経理当を得ないもの、この項目の下に相当具体的な事例を挙げてこの点を指摘されております。
 これらの只今申上げました二十六年の歳入歳出決算検査報告に関し国会に対する説明書、及び本年の三月出されております会計検査院の年報報に記載されておりますようなことにつきまして、行政管理庁はどのようにお考えになつておられますか。又これを具体的にどう扱おうとする考えを持つておられますか。
#10
○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘の点は私ども全くそのように感じておりますし、今度行政監察を強化しようという考え方はやはりそういう点に非常に原因があるわけであります。大体、第五次吉田内閣の組閣になりました直後に、私が行政管理庁長官を拝命いたしまして総理から特に強く指示を受けましたのは、只今御指摘になりました主として公共事業の面における金の使い方の非効率性というものを何とが直す工夫はないか、これは自分は非常な重大な関心を持つておる、こういうことで指示を受けたのであります。従つて今いろいろここに御審議を願うために提出いたしました行政管理庁の一部を改正する法律案もその一環なんでありますが、いま自分といたしましては監察機構を何とかしてもう少し強化し有効に役立つものにしたいという考えを持つておるわけでありますが、そうしてその仕事を当面何に重点をおいてやるかということを考えました場合に、少くとも二十八年度中は公共事業費の使われ方と、それから指定補助金、負担金がどういう工合に使われておるかということに重点をおいて行く、こういうように考えております。いろいろ御指摘を受けました点でありますが、実は只今専門員のかたからも補助説明を頂きましたのでもおわかり下すつたと思うのでありますが、大体機構が仕事に携わりましてからまだ間もないものでありますから、私も管理庁長官を拝命いたしました後いろいろ部内の情勢を調査をいたしてみますと、これだけの大きな仕事をいたしますのに必ずしも今の機構が十分であるとは思えないということは、数が不足であるというような意味ではないのでありまして、むしろ質的にもう少し仕事に携わる人たちを向上させなくてはいけない。もともと人間がやつて或る程度意図してごまかしておるのでありますから、その後行つて見てそれを摘発して直させるというためにはやはりそれ以上に知識を持つておらないとうまくできないことは、これは常識でも御想像がつくことであると思うのであります。ところがたくさんの範囲に亙つていろいろの目的に使われます金を、全部今なお管理庁の千六百人ぐらいの人間ですぐうまくできるということは到底おぼつかないのはありますけれども、一方こうして法的な意味において権限を必要なだけは強化して頂くと同時に、一方部内の職員の研修をいたしましたり、そうしてそういう素質の向上と相待つて是非この仕事を完全に仕上げたい、こういうように考えております。
 そうして御指摘のように、今の公共事業費は補助余や負担金の面に一番大きなロスがあるのではないかと私ども考えられますので、こういう面を差当り仕事のとりかかりにやつて行きたいと、こういうふうに考えております。
#11
○野本品吉君 私は先般御指名を受けまして九州各府県の災害の実情をつぶさに見て参りました。その災害地の視察の結果といたしまして、私の頭には強く災害復旧工事その他只今長官の言われたような事柄につきまして徹底的な行政監察を行う必要があるということを痛感いたしておるわけです。このことは本論外に属するかも知れませんが、後刻私の意見を長官のおられる前で申上げたいと思いすするが、委員長さようお取計らいを願いたいと思います。
#12
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質問はございませんか。
 それでは私からちよつと伺いたいのですが、この法律案によつて提案理由を聞きますと、行政機関の業務を実地に調査することができることになるという説明ですが、現地はそれを調査することができる方法がなかつたのか、どうか、その点について伺いたい。
#13
○政府委員(大野木克彦君) 現在まではその点がはつきりしておりませんでしたので、その他の権限はあつたわけでございますので、事実上は実地の調査もいたしておつたのでございますけれども、その点を一層明確にいたしますために今回法律に規定を願つた次第でございます。
#14
○委員長(小酒井義男君) そうしますと、現在でもこの法律ができなくて本実地に調査することはできるわけですね。
#15
○政府委員(大野木克彦君) できないことはないのでございまするけれども、積極的にできる権限は持つておりませんでしたので、ちよつとあいまいな点がございましたので、はつきりさしたわけでございます。
#16
○国務大臣(塚田十一郎君) 委員長からお尋ねがありましたので、この機会に今度の設置法の改正を出しました考え方を少し申上げて御了解を得ておきたいと思うのでありますが、大体今専門員のかたからも御説明頂きましたように、監察機構というものは幾つもあるのであります。その一つ、として行政管理庁というものがあるのでありますが、監察をいたします場合に、監察を受ける者の立場から考えてみますと、あんまり大きなものをあちらからもこちらからもひつかき廻されるということは非常に困る。却つてそれがプラスになる面よりもマイナスになる面が多いということも言われておりますし、又その通りだと思うのであります。そこで現在まであります各監察機構というものの間の権限の調整と、実施面、運営面の調整というものをよほど考えていかないとうまく行かない。却つてマイナスになるということを非常に私は懸念いたしております。
 そこで監察機構の強化を考えます場合に、その点を非常に考えたのでありますが、そういう本質的な問題は今皆さん方も御承知でいらつしやると思うのでありますが、政府は九月か十一月、つまり二十九年度の予算編成の時期までは行政機構の改革をもう一度やりたい、こういうように考えておりますのでその時期に機構改革の一環として監察機構のそういう面も考えたい。そこでそれまでどういう工合にやつて行くかということを考えました場合に、取りあえず今の機構で以て今まで大体やつて来た方針を踏襲してやつて行こう。従つて今次長がちよつと申上げましたように、今までも大体やつておつたのでありますから個々の法的措置をしませんでも、今まで通りやつて行くことはそんなに困難ではないのであります。そして恐らく法的根拠がなくとも事柄が事柄でありますから、監察したいという場合は当該部局の協力を得てできておつたものでありますが、よく法律を調べてみますと、やはり法律に十分根拠がないと協力をしてもらえない場合にやはり、つつかかつてしまう。そこでまあぼんやりしておつた面はこの機会に直しておこう。従つて今度のこの設置法の改正はそういう応急の措置として当面どうしてもしておかなければならないものだけを取上げて、本格的な監察機構の再検討というものはあとの機会に行政機構改革の一環として持ち越されてある。こういうふうに御了解願いたいと思います。
 従つて今度のこの管理庁の権限を強化いたします基本の考え方は今まで各省が、例えば大蔵省が御承知のように会計法四十六条の規定に基いて予算の執行を見るという意味で監察する権限を持つている署のほかいろいろな省が持つておりますそのような各省の監察機構が現在持つておると同じ程度の権限を、行政管理庁も持てるというのが今度のこの行政管理庁設置法の基本の考え方に大体ありますからして、そういうように今度は直つておるというふうに御了解を願えればよいとこういうふうに申上げておきたいと思います。
#17
○竹下豐次君 改正案のこの四項と六項ですが、第四条第三項から第五項までというのがありますね。この対照表をちよつと御覧下さい。四項に「長官は、監察を行うため必要な範囲において」と書いてあつて、六項に「長官は、監察上の必要により」と書いてありますね。これはその内容が違いますか。
#18
○政府委員(大野木克彦君) これは言葉の使い方で特別な違いはないと思います
#19
○竹下豐次君 国それからこの四項に「各行政機関の業務について」とあるが、これは国の行政機関だけでなくして、府県庁あたりなり或いは市町村あたりの行政機関も包含しますか。それとも国の行政機関だけですか。
#20
○政府委員(大野木克彦君) この四項の行政機関は国の行政機関だけでございます。それから地方庁等につきましては、その補助とか委任とかいう場合に限りましてこの五項で規定いたしております。
#21
○竹下豐次君 そうすると六項の公私の団体の中には地方自治団体、府県市町村というようなものを含みますか含みませんか。
#22
○政府委員(大野木克彦君) それは団体すべてを含んでおります。
#23
○竹下豐次君 それから現行法の今の三ですね。「長官は、監察上の必要により、公私の団体その他の関係者に対し、資料の提出に関し、協力を求めることができる。」今度は「必要な」という言葉が入つておりますが、これは今までだつて不必要な資料の提出を要求されるはずはないと思うのですが、取立ててこういう文字を入れられたことは悪いとは申しませんけれども何か意味が特別にありますか。
#24
○政府委員(大野木克彦君) 特別な意味はありませんで、ほかの条文と調子を合しただけでございます。特にほかの機関に対する関係者でございますから、なるべくしぼつた方がいいと思いましてそれと調子を合したのです。
#25
○竹下豐次君 それからこの六項に「必要な資料の提出に関し、協力を求めることができる。」とこういう文句が使つてありますね。これは、若し長官から協力を求められたときには、公私の団体その他の関係者はこれに応じなければならないというふうな書き現し方と意味が違いますか。その法律の効力において。
#26
○政府委員(大野木克彦君) 若干この現在書いております方が緩いと思います。これは第三者に対するの場でございますから、余りその強制がましいような感じが出ないように、結局相手方の協力に待つというふうな意味でこういう扱い方をいたしました。
#27
○竹下豐次君 これは「協力を求めることができる。」と書いてありまして、協力を求めた場合に応じなかつたら如何ともすることができないということになるのですか。
#28
○政府委員(大野木克彦君) その通りでございます。
#29
○竹下豐次君 それでいいのですか。遠慮するということで。
#30
○政府委員(大野木克彦君) どうもやむを得ないと存じておるのでございます。
#31
○竹下豐次君 やむを得ないというのはどういう理由ですか。
#32
○政府委員(大野木克彦君) つまりどうしてもこの協力してもらえなくて資料を出さんと言われてもどうもこれを強制することが困難だと、こういうふうに考えております。
#33
○竹下豐次君 ただ自治体であるから、或いはほかの団体であるからという理由からですね。この間名古屋方面に出張いたしまして聞いたうちの一つでありますが、国の補助などをもらつていろいろな仕事をしている、それを調査されようとする場合に、地方自治団体、県庁のほうでいいと言つてくれないと、私のほうですぐにでは調べて下さいとも言いにくいというようなことを言われるような場面が起つて来そうなんですね。非常に監察局ではお困りになつているように察したのですが、県庁のほうも気が進まない、本人も気が進まないということになると、少し問題が起りかかつたいやなような場合には、これは協力しない、承諾されないということが普通の状態になつて来るので、殆んど目的達成をすることができないのじやないか。ややこしい問題だけ監督は厳重にしなければならないのだが、併しややこしい問題であるだけ手が届かないという結果になるのではないかと私は心配するわけであります。これは法律的に考えても、もう少し強い規定を作ることはもうできないこととはつきりしておりますのですか。それとも多少遠慮の気味があつて今度のようなことになつているのですか。
#34
○政府委員(大野木克彦君) 地方公共団体に対する関係におきましては、御承知のように、自治の本旨という点から考えまして余り無理な要求はしにくいのじやないかと思つております。
 それから第三者に対しましては、実は行政審議会の方々なんかの御意見も伺つたのでございますけれども、結局強い扱い方をいたしましても、罰則でもない限りは、ただ調査のできる権限を持つという点につきましては大して変りもないので、こういうふうな扱い方のほうがより民主的ではないかということで、こういう書き方をいたしたわけであります。
#35
○竹下豐次君 その点は何だか惜しいような気がいたしますけれども、一応これでその話は何いたしまして、それから五項に「当該行政機関と協力して」という言葉がありますね。これも困りますと言つて断わられたら手が出せないということになるわけですね。
#36
○国務大臣(塚田十一郎君) これは一番問題になりました点なんでありまして成案がまとまりますまで何遍も行つたり来たりした一番問題点なんです。そしてこの点を最後に「協力して」という字を入れたために、新聞に非常に行政監察の強化骨抜きと叩かれた点なんです。併しいろいろこれやつてみますと成るほど協力を求めてということになれば、協力がなければできないということになるのでありますが、実際問題としては協力を求めないでもできるというように法律がなつておつても協力がないと実効は非常に上らないのです。殊に公共企業体でありますとか、自治団体になつて行きますと、これはその協力という字をはずしたいということを考えました動機は、前に一度国鉄の調査をやりたいということを言うたらば、運輸省から困るということで非常にもめたことがある。それで何とか協力という字をはずしておきたいということで、当初の事務当局案がそういうようになつておつたのでありますが、私運輸大臣といろいろ折衝いたしました結果、成るほど協力を得なければ無理してやつても実効が上らないから、法律の上では協力という形でけんかをしないで見せてもらつて、お互いに悪い点は直して行くという考え方にする方がいいのじやないか。ただそのときによく閣議においてもそのように私から発言しておきましたのでありますが、今度はやつてみて非常にあつちこつちで協力を得られないために運営がうまく行かないことになれば、これはやむを得ない。どうしてもここのところを元の案に再修正させて頂かなければならんことになるかも知れないが、是非一つ協力をして監察がうまく行くようにやらして頂きたいと、こういうふうに了解を得て、これはそのままに戻つたわけなんです。
#37
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質問ありませんか。ほかにないようでしたらこの法律の質疑を次回続行することにして、本日はこれで打切りにいたしたらどうかと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(小酒井義男君) では本日は一応質疑を打切ります。
  ━━━━━━━━━━━━━
#39
○委員長(小酒井義男君) では先ほど野本委員が発言を求められていられましたのですが。
#40
○野本品吉君 この際、先ほども申しましたように、今次の北九州全域に亙ります大風水害の惨害につきましては、もう国民のすべてが胸を痛めているところでありまして、今後この応急復旧、或いは恒久対策の樹立が十分に完全に行われて、再びかような災害を受けることのないように、又災害が来るにしましても最小限度にこれを食いとめることができるようにということは誰もが考えておることだと思うのであります。で、私は各地を廻つて見まして、国が直接行なつた工事におきましても、国から補助金或いは交付金を出して地方において行われた工事におきましても、これが無数に決壊し、倒壊し、破壊されておるのでありまして、このことを見るにつけましても、私はかねがね頭にありました、先ほど申上げましたけれども、目に見えない箇所に手抜きや粗悪材料の使用等の不正が多い点に鑑がみ、場合によつてはやむを得ず一部分を解体しても検収の万全を期すぐらいの心がまえが肝要と思われると言つておつた言葉を強く思い出したのであります。ここでは会計検査院は心がまえが必要と思われると言つておるのでありますが、恐らくかようなことは従来なされておらなかつたと思う。そこで又不仕合せを転じて仕合せにすると、禍いを転じて福とするというような意味におきましても、今度の災害によつて工事がどのように行われておるかということは、各地に実際に解体されておるのであります。
 そこで私はこの際どこでやるかは別の問題といたしましても、主要な箇所に対しましては施工当時の設計書並びに仕様書を現地に携行いたしまして設計書、仕様書の通りに施工されておるかどうかということを現認する必要がろうと思う。このことはいろいろな意味を持つて来ると思います。第一の点は工事が設計書、仕様書通りに行われておらなかつたとするならば、これは工事を担当しました者の責任が追求されなければならない。又設計書、仕様書通りに立派に工事が行われておつたとするならば、これは設計そのものの欠陥ということも考えられる。それから第二の点は今後莫大な国費を投じて復旧して行かなければならない道路、河川、橋梁等の工事がかような厳正な実地検証の結果といたしまして相当注意深くまじめに行われるであろうというところに、只今長官からも言われました国費の効率的使用ということが期待できると思う。従つて過去の施工に対する反省検討の資料と同時に、私が強く期待いたしますのは将来の工事が絶対に手抜きや粗悪材料使用等の不正がないようにしたいというところに狙いがあるわけであります。私はかような意味におきまして是非この際一応主要な点に対しまして只今申上げましたような現地の視察並びに検討を必要とすると、かように痛感いたしておるわけでございます。かくすることによりまして総理大臣が言われておりまする国費の効率的使用というようなことも期待できますし、又災害を将来最小限度にくいとめるという点におきましても非常な意味があると、かように考えておるわけであります。
 この法律案の審議に直接関係のないようなことでありますけれども、本質的には全く通ずる点があると思いますので、私が九州を視察いたしましたなまなましい実感を申上げまして御参考に供したわけであります。
 なお委員長にお願いいたしたいと思いますことは、私の只今の希望をどのようにお取扱くださるかということにつきましては、理事各位と十分御相談され又長官等とも話合われまして、くどいようでありますけれども再び会計検査院が指摘しなければならないような事態の発生を絶対に防ぐ、かくすることによつて国費の効率的使用目的を達せられるように格別なお取計らいを願いたいとかように考えるわけであります。
#41
○松原一彦君 野本氏の意見に私は全然同感でございます。野本氏が帰りまして出会つた真先の話がこの点にあつたのであります。今行けば橋脚等が露出しておる、コンクリート等の築造の堤防等がひつくり返つてその底が現われておる、今が一番いいと思います。見るときであります。歴々として粗悪な材料手抜きの箇所が窺われると、こういう非常に思い切つた説明を聞いて私は全く同感です。私は実際大分県でその被害地、而も私の村は約一千ミリも三日間雨を受けた、非常に大きな被害を受けておりまするが、御承知の通りに今日の綱紀の弛廃は上下を通じてあるし、なお工事関係者は莫大な運動費を使つている。何割かの運動費を使つている。あの運動費を使うということは結局手抜きをするということにならざるを得ない。そうして而も架空の人夫を使つて県庁などでも相当供応にこれを廻すというような事実がある。私はこの天譴のような感じのする今回の災害、これは不思議にも私の所に来る手紙は多数これを書いておる。どうも最近の政治が悪い、国民の心得が悪い、かような戦後の経費の増大時期に政治家といい、国民といい不心得千万なことをやつて来たのでは先が恐ろしいという感じを持つておつたら、果して最近に行わるる災害は如何にも天譴という感じが痛切に感ぜられるということを言つて来ておる。天譴という事柄は一つの迷信でもありましようけれども、山を伐り荒したところから洪水が出るし、建ててはならんところに風向きも考えずに家を建てるといつたような戦後の風潮は、土堤の上に家を作つたり、無理な地ごしらえをする。どうか一つこの際は吉田首相がそのことは常に言つておられるのであるから、思い切つて野本氏の提案の通りに即刻手を打つて頂きたいということを、単なる水害の応急救済事業ではなく、もつと恒久的な災の根源をこの際確かめて、そうして資材の上にも資金の上にも無駄がなく、長く災害から免るる方法をとつて頂きたい。
 大分県の山国川では長年に亙つて流れぬ堤がある。川の中の堰堤がありますが、これは有名な鶴市神社のお鶴市太郎という母子が人柱となつて沈んだ。その上に築かれておる。昔の人は崩してはならない土堤には人柱まで立てたのです。今日のごとく空洞のような石垣を積んだりしたのではとても災害は持てません。どうか一つ誠意を以て事にお当りを願いたい。
#42
○竹下豐次君 先ほどお尋ねしました「必要な資料の提出に関し、協力を求めることができる。」と書いてあります。4のところは「実地に調査することができる。」ということが書いてある。この種の団体、その他の関係者に対する場合には実地の調査はできないということになるわけですか。
#43
○政府委員(大野木克彦君) 工事の団体等に対しましては補助金でありますとか、委任でありますとかいう特別な関係がございませんのでこの6に規定しております場合には実地の調査を遠慮しておるわけでございます。
#44
○竹下豐次君 書面の資料ですね。
#45
○政府委員(大野木克彦君) そうです。
#46
○竹下豐次君 それから口頭でいろいろな説明を求めるということはできませんか。
#47
○政府委員(大野木克彦君) それはできます。
#48
○竹下豐次君 地方自治体あたりが国の補助をもらつて工事をしておるというような場合、その工事においては会計検査院は検査する権限を持つておりますか。
#49
○政府委員(大野木克彦君) 持つております。
#50
○竹下豐次君 持つておりますか。それでは法律できめさえすれば、何も地方団体であるからこの監察局のほうに持たせることはできないということはないわけですね、法理論としては。
#51
○政府委員(大野木克彦君) 理論的にはそうかと思いますが、御存じのように会計検査院は内閣から独立した検査の機関でございますし、行政管理庁は総理府の内部の、大体対象を行政機関に置いておる機関でございますので、ちよつと……。
#52
○竹下豐次君 そこは違いますが、考えようによつては政府が自分の責任で補助金をやつて行くんだ、それが手を抜かれているかどうかを調べるためには検査院よりも重い責任を持たしてやらなければならない。そうも考えられます。
#53
○政府委員(大野木克彦君) 補助金の限りにおきましては実地調査もできます。五項によりまして調査はできることとなつております。
#54
○竹下豐次君 そうすると補助金の関係によつては或る場合には市町村の分も調査ができるのですか。
#55
○政府委員(大野木克彦君) 調査はできます。
#56
○竹下豐次君 そうですが、そうすると実地調査はできる。「必要な資料の提出に関し、」これで見ると先の御説明によると実地調査はできないもののように見えるんですが、国の行政機関直接のものについては調査ができる。市町村の場合には資料の提出だけだからできない。
#57
○政府委員(大野木克彦君) 第二条第十二号に規定する業務を書いてございますが、これが一番初めにあります。
#58
○竹下豐次君 これは補助金をもらつて工事するような場合に該当するわけですか。
#59
○政府委員(大野木克彦君) そうでございます。国の行政機関の監察に関連して、公共企業体の業務及び国の委任又は補助に係る業務の実施状況に関し、関係各行政機関と協力して必要な調査を行うことというのが十二号に規定してございます。これを受けまして第五項に「第二条第十二号に規定する業務について、書面により又は実地に調査することができる。」ということになつておりますので、補助又は委任に係る業務については書面又は実地調査ができることになつております。
#60
○竹下豐次君 実は監察の問題が審議されました時に、地方自治団体が国の補助を受けながらそれを正しからざる使い方をしておる部面が相当多いようであるというような事例が特に取上げられまし、どうしても監察は厳重にしなければいけない。特別にそういうことが取上げられたということを長官にお含みを願つておきたいと思つております。そういう歴史を知つておりまするとこの改正案ではまあ私どもとしては少しもの足りないような感じを抱かざるを得ないのでありますが、その点を一つお考え願いたいと思つております。
#61
○委員長(小酒井義男君) それでは先ほどの野本委員の発言は非常に重要だと思いますので、御希望のあつたようにこの問題については理事会議に一応御一任を願つて、そうして必要な処置を講じたいと思いますが、御一任願つて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#62
○委員長(小酒井義男君) それでは本法律案に関連する問題は一応本日はこれで終了をいたしたいと思います。
  ━━━━━━━━━━━━━
#63
○委員長(小酒井義男君) 次に長官がおられまするので本日の日程にあります外務省設置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。実は行政機構ちいろいろな関連もあると思いますので御質疑がありましたら先ず御質疑をお願いいたします。……それでは私か長官にお尋ねしたいりですが、政府といたしましては行政機構の簡素化をできるだけして行こうとしておられる分針だと考えております。必要があれば定員を殖やして行く、或いは新らしいいろいろな部局を殖やして行くのだという御方針があるかどうかお尋ねしたいと思います。
#64
○国務大臣(塚田十一郎君) それは私も今度自分で行政管理庁の長官を拝命していろいろ部内の様子を聞いて亀も実は意外に思つておるのでありまして、外におつていろいろと行政機構改革の考え方を聞いておりました時分と、現実に行われている行われ方との間に大分開きがあるものだという感じを実は持つておるのであります。
 その一つは今度やはり御審議願つております例の定員法の改正の問題もそうなんですが、政府の今の方針としましては絶対にもう人間をふやさない、できるだけ更に減らして行くんだということになつておりながら、今度の定員法の改正もやはり人間がふえるということになつておるのであります。そうすると今委員長からお尋ねのあつたように必要ならばふやすのかということになるのでありますが、必要ならばふやすのかとお尋ねになるとふやしたくはないんだけれども必要やむを得ない場合には押え切れないでふえてしまうのだ、こういうように御了解願いたいと思うのです。今の外務省の問題もやはり行政管理庁としてはこの考え方として是非これをやらして欲しいということを強く主張し、希望しましたのでありますけれども、いろいろな政策的なものの考え方がありまして、これはまあ私の場合には前内閣のときに、閣議できまつておりましてそれをそのまま引継いだという形になつておりますが、私が聞いてみると、閣議でそういうようにきまつてこれが法律になつたと、こういうように私は引継ぎを受けて了解をしておつたのてあります。ただ併し私自身のものの考え方といたしましては、そんな考え方をしておつたら絶対に行政整理なんというものはできない。今あるものは一応考えてみれば、なければならない理由があつてできたものですから、それによつてすべてのものがしておるのだから、本当に機構改革なり、行政整理をやるならばなくちやならない理由なんというものを考えておつたなら絶対だめだ。そういうことは一応抜きにして、絶対にこれだけはなくちやならないということを強く考えて、そうでないのは大胆に一つ打切るというような強い考え方でないと、とてもこの仕事はできないと、そういうように考えて、従つて今九月以降に企図しております行政機構改革には、私としては今申上げたような心がまえで臨んでいるわけでありますけれども、併しこれだけの考え方は、行政管理庁だけで行政機構はできるものではないのでありまして、どれだけ実行ができるかは自信はありません。考え方としては私は相当強い考え方を持つております。
#65
○松原一彦君 長官これは政府の行政整理をするするというかけ声だけは大きくて、而もいつのときもできない。むしろ逆現象を生じているのですね。議員もよくないと思う。せつかく行政機構の改革ができても、そのときはいろんな事情に動かされてそれを又元のもくあみにしてしまうということを従来も繰返して、今回の外務省設置法の一部を改正する法律案、これは海外移住局を作るというのですけれども、先般お聞きしてみると局長以下一局で二十人くらい、二十人で一局を設けるということは、海外移住局というものの観念からいうと遺憾に思つているのですが、対外的に何か局長でなくちやならんといつたような場合はむしろこれは次官のほうがよくはないか。これもせつかくかけ声を大きくかけておいでになるのですから、郵便局も局長ですけれども、局長となればやはり昔の勅任官、いろいろ仕事が大きくなります。確かに費用もかかるこういうことを何とかならんでしようかね。移民についても計画を今要求しているのですが、まだ資料が出ておりませんが、人口問題の調節にはならないでしようか。こんな小規模のことでは何にもならない。むしろ人口問題の調節をなさるならば大きな移民局を設けて、ヒマラヤ山のふもと辺り何百万の移民と言われておりますですね。その他ボルネオ移民というやつ、これは何千万人こういう方面に何とかうん開ける道が残されている。これはボルネオはそのままでは行けませんけれども、少し友好的に手を握れば日本の内地の三倍半もある、あれば空いているのですから。地球の向う側のブラジルに持つて行つても人数はどれほどにも行かないと思うのです。やるならばもつと大きな規模から世界の人口を調節するというような意味でもそれがされるならば移住局の規模を大きくすることに異論はありません。併しこんな小さなことで名前だけを大きくするようなことはどうかと思うのです。御再考の余地はないだろうか。まあ審議の途中でありますから所信を申上げておきます。
#66
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質疑ありませんか。
#67
○竹下豐次君 先日資料の提供をお願いいたしておきましたところ詳しい資料を提出して下さいまして、なおそれだけでわからない点、事務的のことになりますが、少しお尋ねしたい。ブラジル移民審議会というものは現在まだこれはあるのですか。
#68
○政府委員(広瀬節男君) ブラジルの大統領の下にございます、今おつしやいましたのはブラジル大統領の直轄の下に移民審議会があり、その許可を得ませんとこちらの移民ができないのであります。
#69
○竹下豐次君 それから営農資金ですね。これはブラジルの政府が移民に直接貸付けることになつておりますのですか。上塚さんとかいうようなお方に貸付けて間接に移民の手へ渡るということになつているのですか。
#70
○政府委員(広瀬節男君) 本来はブラジル政府が直接農業者個人々々に貸付けるのでございますが、便宜上引受人に国家として貸付けております。
#71
○竹下豐次君 日本政府は渡航費の貸付をすることになつておりますね、これはまあ後で長期の貸付で取返すことになつておりますが、ほかに日本政府としての経費の負担というものはないわけでございますか、役所の事務費など別にいたしまして。
#72
○政府委員(広瀬節男君) 募集を終りまして選考されました者が出発いたします場合に、最低二週間神戸の移住斡旋所であらゆる講義を受けます。この前御質問がございましたので後で申上げると思いますが、その際そこの宿泊料は食費といたしまして一日五十円を徴するのみで、その他旅券発行の手続であるとか査証の取付け、健康診断、予防接種いろいろございますが全部国費でいたします。
#73
○竹下豐次君 長い間従来の移民についても政府の渡航費の補助というものはなかつたのでございますか。
#74
○政府委員(広瀬節男君) 戦前は本当の補助でございました。只今は渡航費の貸付の形をとつておるわけでございます。
#75
○竹下豐次君 今度の計画に対しては補助の問題は起らないで、ちよつと私など考えますと、従来あつたことであるし、移民を奨励されるならば補助の問題が外務省でも論議されたんじやないかというような気持がいたしますけれども、政府の予算の関係というようなことで出せないというのですか。
#76
○政府委員(広瀬節男君) 従来通り最初は補助という考えを持ちましたが、移民に行かれる方に対して依頼心を起させるので、いつかは返すという自立心を起させようという建前と、国庫の状況上まるで全部与えるということはなかなか困難でございましたので一応貸付けるのでございます。
#77
○竹下豐次君 それからこの日本政府と移民との関係は今わかりましたが、日本政府と上塚さん松原さんみたような世話をして下さる方と、そういう一つの間の関係はどういうことになつているわけですか。
#78
○政府委員(広瀬節男君) 只今申上げましたように、移民を募集しまして、あとこちらの送出団体といたしましては、現地におきましては今アマゾンの場合は辻さんでございますが、上塚さんがやつておりますアマゾン拓植会社、それから南の方へ参ります松原移民のほうは各地域ごとに松原さんと連絡をとつております。こちらの送出人をきめまして、その責任ある送出人をこちらで指定いたしまして、或いは現地からの指定者をこちらで確めました上で政府との間にいわゆる渡航費の補助の貸付の契約を行いまして貸付けるわけです。
#79
○竹下豐次君 ちよつとよく聞きとれませんでしたが、それは上塚さんあたりを通じて…。
#80
○政府委員(広瀬節男君) 今のアマゾンの方の移民は上塚さんのやつております上塚アマゾン拓植会社、現地では上塚さんの下で働いておりました辻さんという方がやつておりますが、その人も上塚さんと連絡をとりまして、こちらにおります上塚さんが送出人となられまして、上塚さんと我々の間で移民渡航費の貸付の契約をいたします。
#81
○竹下豐次君 その上塚さん、松原さん等の斡旋して下さるお方の、何と申しますか、手数料と申しますか、そういうものはどういうことになるわけですか。まあ御礼と申しますか。どういう契約になつているわけですか。
#82
○政府委員(広瀬節男君) 御礼というものはこちらではございませんが、現地におきまして引受人がこちらの船舶が入りますと、ペレン或いはサントスへ出て参りまして、その人たちがそれから先に現地に連れて参ります。そのために要ります引受人のかたのために事務委託費を組んでおります。その一番大きいのは受入者の旅費とか、事務費、主として旅費が多いのでございますが、これが現在のところ五百九十二万円を組んでおります。これは奨励と申しますか、実際の受入者の実費でございます。
 それ以外にはこちらで御礼とか手数料とかいうものは全然ございません
#83
○竹下豐次君 一応この貸付で、政府が貸付けた渡航費の取立、四年間据置で八年間で取立てるということになつておりますがこれはどういうふうにして取立てられることになりますか。やはり斡旋者が世話して取立てることになつておりますか。
#84
○政府委員(広瀬節男君) 政府とその受入者との契約によりまして、受入れたほうが取立てることになつております。
#85
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質問、ございませんか。
#86
○松原一彦君 私は何も知らないのですけれども、何とか何かはかに大量移民その他の移民の御計画がありはしませんか。あつたら具体的にお伺いしたいのですがありませんでしようかね。
#87
○政府委員(広瀬節男君) 先ほどの松原さんのおつしやいましたお話を伺いまして、まあ世界中どこへでも行けますれば非常に結構でありまして、日本移民の人口問題も解決できるのでありますが、我々素人で考えましても、世界国家と言いますか、世界どこへでも国境を離れて自由に人間が行けるようにならなければ移民によつて日本の人口問題を解決するということは私はまあできないとこう考えております。夢だけ申上げても何の役にも立ちませんで、その点一り御了承願いたいと思います。
#88
○松原一彦君 私は知識がないのですから希望だけを持つのでありますが、満州移民が明らかに失敗であつたことは過去の事実がこれを証明しておると思う。寒い地方で輸送機関の少い、百五十日ぐらいしか働けない北満の移民の苦労と、その成果の上らなかつたことについては、私も数回行つて見てこれを知つたのでありますが、今の日本の実情から人口問題の解決にはならんと言うてすましておるわけにもいかんのですが、今後何かそういう方面に大きな国策として今は行けなくとも将来はこういう所に道があくというようなことのどこかにでも見通しはないものでしようか。どうでしようか。今言われないというならこれは強いてお聞きしなくともよろしいですが。
#89
○政府委員(広瀬節男君) 言われないということを申しましたら、夢のようなことを申上げてお笑いを招くだけですが、現在地球を見渡しまして人間のたくさん入れる所と申しますれば、先ほどおつしやいましたようなボルネオとかスマトラとかまあ南米ではブラジル、アルゼンチンも勿論でございますが、ビルマとかスマトラの方は今後の問題でございまして、只今まだ戦後なまなましい日本の大東亜戦の記憶を持つておりますし、又現実においてインドネシヤとは正式な国交も開けておりません。ニユーギニアでありますれば、濠州、マヌスの戦犯者もなかなか帰れない。濠州方面としてそう安直に我々の人間を引受けてくれるとも考えられません。差当り心よく引受けてくれますブラジルというところに中心をおいている次第であります。これは非常に遠くでありまして船賃はかかる、甚だ不経済のように見えますが、一面明治四十年以来かの地に行きました日本移民は現在でも三十数万に及びまして、最近におきましては億を以て数える資産を持つている者は相当の数になつております。これは戦争中目ざましい発展を遂げて最近における彼らの経済状態は我々の従来想像以上になつておるそうであります。こういう所へ新たな日本人の血を注入して、とかく二世でブラジル化してしまつて若いから動脈硬化とは申しませんが、動脈硬化に類似したような所へ新らしい日本人の血をつぎ込んで日本の橋頭堡を拡大して、単に人口の解決というよりも、むしろこれによつて日本の経済発展の橋頭堡を作ろうという考えを私たち抱いております。移民の問題もそういう点に考えてただ人を送りまして少しでも日本の人を減せばいいという考えで私は立つておらないのであります。
#90
○委員長(小酒井義男君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#91
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
#92
○野本品吉君 この前の委員会のとき、幾つかのことをお願いしておいたのですが、御答弁願いたいのですが。
#93
○政府委員(広瀬節男君) この前竹下さんから御質問出ましたが、野本さんの御質問ちよつと忘れましたが如何なる方法で募集するかということは条件等についてお尋ねになつたのであります。それから渡航前の教養訓練、それをちよつと…。
 それから松原移民、上塚移民の計画内容その移民の募集の選考方法等でございますが、これは農業移民につきましては外務省と農林省が共同して募集に当つております。全国の各都道府県に募集条件を示しまして適格者の依頼をいたします。推選いたします。各都道府県は面接及び書面審査によつて適格者を決定する。その理由及び順位を附して推選いたします。中央におきましては外務省と農林両省移民の送出責任者、さつき申しました上塚さんでありますとか、松原さんのこちらにおける責任者が推選者につきまして協議の上合格者を最終的に決定する。なお各都道府県におきます面接選考に際しましてはできるだけ外務省からも農林省からもできる限り人を派遣して立会つております。これが移民の募集及び選考方法の第一であります。
 第二の移民の募集条件につきましては、主として受入国及び現地受入責任者の要求に基いて決定いたします。これは本年度の移民の募集条件ブラジル等のほうからきめて参りました条件でありますけれども、これは十五歳以上五十歳以下の者三名以上を含み且つ夫婦及びいずれかの三親等以内のものだけで構成する純農家であること身体強健思想健全つ開拓意欲が旺盛であること、犯罪その他反社会的行為をしたことのない者であること受入国に永住の目的で渡航する者であること、現地における自己資金は一戸当り五万円以上携行し得る者であること、これを移民の募集条件としております。
 第三の移民の訓練につきましては先ほど申しました外務省附属の機関であります神戸移住斡旋所に出帆前二週間収容いたします。旅券発注事務、査証の取付け、予防接種等を行いますと共に、専門家によりまして次の講習を行います。一移住の第一目的は受入国産業の振興に貢献するところにあることを徹底させ、自己の生活の安定を第一義とする出稼ぎ根性の非を強調する。二は移住後移住地の善良な移民として定着し、受入国民と十分同化することを促進するため受入国の言語、地理、風俗、習慣、宗教、農業事情、熱帯衛生等の講習を行う。なお移民船におきましても移民監督が約五十日の航海中彼らと行を共にいたしまして連日移住の心得、言語、現地事情等を彼の地に着きますまで講習して参ります。
 四の移民が入植するまでの保護助成方法と言いますか、第一は移民に対する渡航費の貸付、これはブラジルまでの船賃はオランダ船で従来十四万三千百三十六円払つておりましたが、今回大阪商船に切替えましてから十一万三千円まで低下いたしました。移民自身が一時に支払うことは不可能でありますから、政府が長期貸付をいたしております。条件に四年据置、八年間の均等年賦償還、利率は五分五厘、将来は無利子とすることを研究中でございます。神戸移住斡旋所におきます保護、これは先ほど申しましたが、船待期間二週間、食費は一日五十円を徴収するのみでありまして、他は一切官持ちでございます。
 それから三の旅券発注手数料の減額、これは一般旅券発注手数料は旅券法第二条一項の規定によりまして千五百円と定められております。同条五項は永住目的の渡航、その他特別の事由ある場合においては減額し得る旨を規定しております。それで移民の保護及び促進の見地から、昨年の十一月政令第四百五十二号を施行しまして、移民に対する旅券発注手数料は三分の一の五百円にいたしました。なおブラジル総領事の査証料も、交渉の結果向うの千八百二十五円は免除されております。
 移民船の手当でございますが、戦前における南米移民はいずれも我が移民船によつて輸送して参りましたが、戦後は我が方船腹払底のため、オランダ船によつて前記の通り十四万何がしの高額を払つてやつておりました。それで船賃の引下げ、輸送中の保護の徹底というためから、日本船による移民送出を至急手配することといたしまして、日本開発銀行から大阪商船に対しまして取りあえず二隻、アメリカ丸及びアフリカ丸の二隻を、移民収容力が五百名の移民船に改造するための所要資金を融資してもらいまして、五月十二日の閣議了解を得ました。この結果ブラジルまでの船賃は前記の通り十一万三千円に引下げられ、将来移民送出の増大に伴いまして更に船賃低下を交渉する考えでおります。それからなお移民船の新造乃至改造ということも来年度は十分努力したいと思います。
 移民監督の乗船でございまするが、ブラジルまで約五十日を要します移民の輸送期間中には、移民の統制の維持、現地事情の講習、輸送の監督、移民の保護等を徹底しますためには、外務省から毎船移民監督を乗船せしめることとしたのであります。現地受入責任者の指導監督という面でございますが、現地到着後の移民の安全を確保いたしますためには現地に大規模な移民受入機関を設立することは必要でございますが、これは現在においてはまだこういう大規模な一本の移民受入機関は樹立されておりません。これは将来、将来と言いますか早速これの問題に着手しなければならないと思います。これには相当多額の資金を要しますし、いろいろ事情もございましたが最近調査団が帰つて参りましたので早速只今検討しております。差当り本年は松原安太郎氏と、上塚司氏のような移民計画立案者、又はその指定する者を現地受入責任者といたしまして移民がブラジル到着後配当されるまでの保護、入植後の営農指導、ブラジル側からの営農資金借入の斡旋等の責任はこの方たちに請負つて頂いております。ブラジルの松原さんの中部のブラジル移民計画におきましてはサンパウロ州の邦人成功者の一人で、資産数億と言われます同氏自身が移民受入責任の一切をとつておられます。又上塚氏のアマゾン移民計画では、曾つて同氏の現地支社員でありました、現在アマゾン流域邦人成功者の随一と言われております辻保太郎氏が受入責任者となつて、送出責任者であります上塚氏との契約によりまして移民受入の全責任を負つております。これらの方々はその現地に受入機関を一本建てました時には全部これに吸収するような考えでおります。又在外公館はもつぱら移民保護の見地からこれらの現神受入責任者を指導監督し、ブラジル政府に対しまして国内輸送費の負担とか、営農資金の貸付、入植地における教育、衛生、公共施設の供与等の外交折衝をし、これを承諾せしめております。これが御質問の要点でございますが、最後に御質問が松原移民のほうでございましたね。
#94
○野本品吉君 よろしうございます。結構です。
 今の五万円以上携行ということは、移民にとつては相当の負担ではないか思いますが、移民のための各種の準備、その他のために相当な費用もかかりましようが、実情はどうでございましようか。
#95
○政府委員(広瀬節男君) 只今の和歌山県の例を見ましても村長初め一村挙げて出ている所がありまして、中には十万円二十万円を持つておられる方もございます。皆先祖代々の家、財産を売つて出ておられまして、私は現に神戸にその方々を見送りましたが、我々よりも遥かに立派な服装をしておりますし、立派な持物でちつともそういう点ではお困りになつていないようです。和歌山県などは殊に一家族宛一万円ずつの餞別料を出しております。そういう点で現在のところはこの五万円携帯することに対する難色はございません。
#96
○委員長(小酒井義男君) ほかにありますか。
#97
○松原一彦君 今の五万円携行はこれは見せかけといつたような意味がありますか。それとも概算五万円くらいは要るというわけなんですか。
#98
○政府委員(広瀬節男君) 移民の人たちが船で現地の港に着きまして早速取りあえず要る金として五万円を一般外貨に代えて持つて行つてもらいます。差当り要る金として携行してもらつております。
#99
○松原一彦君 船の中に五十日もおるのですが、その間の小づかい等はこのほかでございますね。
#100
○政府委員(広瀬節男君) それは今の携帯金とは別になります。中は日本銭でございます。
#101
○松原一彦君 それらは皆自弁でございますね。相当に金が要りますね。
#102
○政府委員(広瀬節男君) 併し最も大きな悩みは渡航費でございます。これは家族五人といたしましても、一人でしたら十一万円ですから五人家族で五十数万から六十万くらい要るのでございますが、この渡航費が一番大きな問題でございまして、今の五万円はみんな家の財産と金で持つて行かれる。今のところこれが多過ぎる、これが堪えられないというような方は今のところはありません。
#103
○委員長(小酒井義男君) それでは本法律案に対する質疑がまだおありかと思いますが、本日はこの程度で終りたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ━━━━━━━━━━━━━
#104
○委員長(小酒井義男君) 次に厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。
#105
○竹下豐次君 お尋ねいたします。人口問題審議会というのは移民問題も審議されるのですか。これはやつておられませんですか。
#106
○説明員(小山進次郎君) 広い意味では人口問題の中の一部として移民問題をどういうふうに考えて行くべきであるか、移民問題について国はどういう政策を持つべきであるかと、そういうような意味合においては移民問題も一応討議の内容にいたす予定でおります。併し移民の実施方法というような問題まではこの審議会では立ち入らない。かように考えております。
#107
○野本品吉君 従来館さん等がおやりになつておりました人口問題研究会と、この人口問題に関する審議会というのはどういう関係にありますか。
#108
○説明員(小山進次郎君) 人口問題研究会というのは人口問題に関する民間の研究機関でございますが、御承知のように歴史も非常に古く、又人口問題につきましては我が国において啓蒙的な役割を曾て果し又現在におきましても人口問題の解決をいろいろ討議する中心の団体になつております。その意味におきまして、今日政府側が人口問題にいよいよ取り組まなくちやならんといつたような態勢をとるようになりましたについては、このような研究会が従来数次に亙つていろいろ政府側に建議したり、或いは意見を申したりというようなことが大きな影響を与えております。そういうような関係でございます。
#109
○野本品吉君 将来設けられます人口問題審議会においてはあの研究団体というものは主要な役割を果して行くというようなことになりますか。
#110
○説明員(小山進次郎君) 先ほど申上げましたような意味におきまして、今後も人口問題研究会がこの審議会の審議にいろいろな意味で助力するというような関係があるだろう思います。それ以上に現在日本の人口問題に関する研究をしている殆んど大部分の人があの研究会に網羅されているという意味合におきまして、例えば人口問題に関する学識のある人というようなことになりますると、あの研究会に所属しておりまする人々の中から相当な人々が御参加を願わなければならんだろうというように考えております。
#111
○松原一彦君 予算が八十一万七千円となつておつて、この委員会の構成は委員四十名、専門委員二十二名ともる。専門委員を二十二名も置いてやられるものとすれば、この予算は誠に微々たるもので、どうにもならんように思うのですが、月額にして七万円ないのであります。どういうふうに、これは人件費等は御覧になつておるのでふりますか。お聞かせを願いたい。
#112
○説明員(小山進次郎君) 人口問題審議会におきましていろいろ審議をします場合に、一番必要なことは一体人口問題の現状がどうなつているかと、人口問題の問題の所在がどこにあるかということを先ず討議してきめて頂くということでございます。この意味におきまして、人口問題はいろいろ論ぜられておりまするけれども、人口問題の問題の所在という点になりますと、必ずしも意見が一致しておるわけではなく、いろいろな意見の相違があると、こういう意味合におきまして先ず第一段階において固めて頂かなければならん問題はこの問題なのでありますが、このような問題につきましては、従来部分的に実施いたしまし調査研究のたぐいは相当あるのでございます。特に厚生省におきましては附属機関といたしまして人口問題研究所を持つておりまして、これは御承知の方が多いのでございますが、世界で人口問題に関する国立の研究機関を持つておりまするのは日本とフランスだけでありますが、この研究機関がすでに十数年に亙りまして人口現象についての研究を続けております。そのような研究機関におきまする研究成果を取りまとめ、又関係各省がそれぞれ今まで研究しておりまする研究資料を取まとめて討議して頂く、そういう意味合におきましてこの予算は決して十分な予算ではありませんが、そういつたこれまで関係各省が実施いたしました調査の上に立つてこれを検討し、又そういう調査に現われている問題の所在をつかんで頂く、こういうふうな考え方で以て組んであるわけでございます。従つて調査そのものの費用は関係各省の調査費等に従来組まれて実施されておりましたものが一応前提になると、こういうふうな関係になつておりまして、この予算に組まれてありまする委員手当等は専ら委員の方々に御会合願つていろいろ討議して頂くという場合の雑費、及びなお審議会をやて行きまする上において今までできている資料をもう面まとめ直していろいろ研究の際に参考にして頂くというような必要がありますので、そういうように組替える費用、そういうものが中心になつておりますので、このような少額な費用になつておる次第でございます。
#113
○松原一彦君 そうすると専任者というものはございませんか。
#114
○説明員(小山進次郎君) 只今のところでは専従者というものは置かないで、専ら厚生省の職員、人口問題研究所の職員等がその事務に当るということにいたしておりすす。
#115
○松原一彦君 よくわかりました。併しそれにしましても月額にして七万円に足らず、それは委員の手当に終り、会議費は年額五万円とある。こんなことで以てやつて行けるのですか。
#116
○説明員(小山進次郎君) やつて行けると、こう申上げなければならんわけなのでありますが、実際上の問題としては恐らくこれだけでは足りなくて、何らかの意味において厚生省から持出しをしなければ相成るまいかと思つております。ただこのような少額が組まれておりますのは、会議費等につきましてはそれぞれ予算上に一定の基準がございまするので、それに予定された回数を付けるというようなことで組まれますので、会議費として認められるものがこれを出ることができなかつたというような事情からこのような少額になつておるわけでございます。
#117
○松原一彦君 その人口問題研究所は幾人くらいの人員で、どのくらいの予算がございますか。
#118
○説明員(小山進次郎君) 予算は年額にいたしましてこれは年によつて変りますが、およそ千六百万円から八百万円の間を上下しております。人員は全部混ぜまして約四十名近くおります。
#119
○松原一彦君 そうしてその研究所が基本になつて重要なる問題の所在を確めてそれを審議会に移して審議して一つの方針をきめる。こういうわけなんですね。そうしますと審議会というものはおよそ年間何回くらい開かれるお見込なんですか。
#120
○説明員(小山進次郎君) この予算を組みました時は四月早々に発足いたす予定でございましたので、年間毎月一回と見て十二回開く予定で発足いたしたのでございますが、いろいろな事情で遅れましたので成立いたしましたあと十二回開くことは非常に困難かと思つておりますが、できるだけ勉強して頂きまして、どうせこれは一年ではむずかしいことはわかつておりまするけれども、一刻でも早く結論が出せるような体制に持つて行つて頂くようにいたしたい、かように考えております。
#121
○松原一彦君 もう質問ありません。どうぞ御進行願います。
#122
○竹下豐次君 内閣総理大臣の諮問機関である人口問題審議会、これは今もあるわけなんですか。
#123
○説明員(小山進次郎君) 現在ではございません。
#124
○竹下豐次君 これはもう任務を果して必要がなくなつたからおやめになりたわけですか。
#125
○説明員(小山進次郎君) 昭和二十四年の一応当時の情勢の下において、取りあえずこれだという意見を取りまとめて解散をしたわけでございます。
#126
○竹下豐次君 それは今度の計画の委員四十名、専門委員二十二名で、これだけはつきりきまつたわけじやないでしようが、大きい審議会を作るという前提の下に諮問機関はもうやめろということになつたわけですか。
#127
○説明員(小山進次郎君) そういう次第ではなく前の人口問題審議会は当時の情勢の下において、これでこの審議会としては一応解散しようということで解散になつたわけでございます。
#128
○竹下豐次君 当時の情勢の下にというのは、人口問題の研究の必要を今あるとお考えになつておるならば、その当時だつて厚生省としちや、その必要をお認めにならなかつたはずはないと思います。然るにもかかわらずおやめになつた。必要を要するとお認めになつたならば、この際又僅かの期間に問題をお起しになるのはおかしいと思います。何かその間に続きがあるんじやございませんか。
#129
○説明員(小山進次郎君) 私の申し方が足りなかつたのでありますが、当時の審議会としてはいろいろ研究をいたしました結果、人口収容力に関する建議と人口調整に関する建議という二つの建議をいたしまして、審議会といたしましては一応結論を出して、それで一応解散したと申しまするよりも任務終れりとして、自分たちとしては先ずこれだけ結論を出しておくということで解散をされたわけでございます。このうち人口調整に関する建議はその方針にのつとりまして、現在の受胎調節の指導が行われておるわけでございますが、人口収容力に関する方はその後いろいろ又経済条件も変わつて参つたりしておりまして前の人口問題審議会の建議が必ずしも行われるというようなことになつておらないわけであります。
#130
○竹下豐次君 諮問された審議会のほうから見れば、今お話のようなお答えができると思つておりまするがそういう諮問機関を政府が作つて、そして二つの問題だけを諮問してあとを諮問しないでもう打切つたということについては、それは政府のほうの考えであつてその諮問機関の委員たちの考え方じやないわけだろうと思います。人口問題について研究の必要が続いてあるというならばそのままにずつと続けておやりになるのが当然じやないか。但し余りに規模が小さいからちよつと大きいものにしたいというような考えがあつたならば、今度のようにもとはただの諮問機関であつたものが今度は法律でもつてきめるというようなふうに一つの発展上の解消をするというようなことも考えられますけれどもただ問題が職務をすませたからということじや、この後の問題の研究の必要性と関連して少し途中が切れてしまうんじやないかと思います。初めから二つだけに問題を限定されての諮問機関にしておられたのかどうかその点はどうでしようか。
#131
○説明員(小山進次郎君) この問題については政府側の考えとしてのことを申述べるのは私の立場上ではおこがましいことになりますので、ただ事実だけを申上げますと、極めてひややかな客観的な事実としては人口問題というのは一応議論してもどうもなかなか議論がし易いけれども、一旦取組んでみるとなかなかそううまい工合に結果がまとまりかねるというような事情がありましたので、恐らく審議会としては一旦組んではみられたけれども、これは深入りして行くと結局日本の産業構造の問題まで触れて行かなくちやならん、それはどうもまだまだ機が熟しないと申しますか、構えとして十分じやないといつたような考え方と申しますか、或いはもつとむしろはつきりそういつた事実が只今申上ていいと思うのでありますが、そういつたようなことからいたしまして、先ず取りあえず人口問題の解決に向つて誰でも確実にそれだけやつたほうがいいということが言えることだけをまとめておいて政府に建議をしよう、それ以上の根本的な問題になるともう少しこれは時期も待つし、又構えも変えなくちやならんといつたような気持もあつてそれ以上の問題に取組むということを一応差控えられる、政府のほうもたまたま然らば審議会はそうであるとしても政府自身が人口問題に非常な問題を感じ積極的に取組んで行くというようには、当時経済条件その他が非常に動揺しておつて自信がない、もう少し根本的でない目の前の現象的な問題で片附けなくちやならん問題がある。こういうような事情からかたがた事実としては戦後の審議会は一応それで終止符を打つて、ということが事実あつたと思います。
#132
○竹下豐次君 この各種の行政委員会などがやめられましたね、いつの国会でしたかたくさんやめられた、そのときの一つにやつぱりこれはなつていたんじやないんですか。それと同時期にやめられたんじやありませんか。
#133
○説明員(小山進次郎君) 時期としてはさようでございますけれどもこれも先廻りして申上げるようなことになるわけですが、非常に人口問題審議会というのは大切な審議会であつてなお今後も継続してやつて行かなければならんというような判断を当時の者がするというような事情でありまするならば、たといほかの審議会が整理されようともむしろこれを本格的な審議会に直して行くというふうになるべきが当然でございまして、そこまで行ききれなかつたというのは諸般の情勢からまだそこまで取組む条件が熟していなかつたというような事情に基いてこういうふうに申上げなくちやならんと思つております。
#134
○竹下豐次君 どうもこれは私の勘違いかもしれませんけれども、感じといたしましては端的に申しますると、ほかの委員会などがやめられた、諮問機関も大分整理された、そのときの一環だつたんじやないか。それもよく私は証拠を持たないんですけれども、そういう感じがするのです。そのときに今の政府とは違いますけれども、同じ吉田内閣時代です。その当時おつきあいがあつたかどうかしれませんが、やめたということになる、又僅かの間にそれを復活するどころじやない、より以上の大きな組織にするという今度の提案如何にもこう政府の考え方がふらふらしている。政府は今言つたように第五次ですか、第四次吉田内閣であつたかもしれませんけれども、何だか政府の考え方がふらふらするというような感じが起つておるのです。私としてはその点をあなたから、あなたの御説明では政府の考えを代表しておつしやるのは少し私からお尋ねして御無理かと思つております。私としては政府委員として出て来られた以上は政府委員と同じ気持でおしやべりになつているように希望するのでありますけれども、まあ実際面からいたしますと、そこまで私は無理は申しませんで、あとの機会でよろしうございますから、どなたからかそのいきさつをはつきり私どもの納得の行くように説明して頂きたいと思つております。
#135
○説明員(小山進次郎君) 納得して頂けるかどうか疑問なのでありますが、ただ条件の違いということは私、確実に申上げられると思つております。当時の問題としては移民ということをここにも問題として持出して議論するにはまだ条件が熟しておりませんでした。然るに現在においては人口政策の一つとしての移民ということをまともに取上げるようになつて参つたわけであります。
 もう一つ根本的な問題としては、日本の経済組織に内在している問題でありますが、農村地方における過剰人口という問題も当時の米価高と言いますか、特に農産物価格の闇等によりまして、その矛盾が必ずしもまだ当時は表に出きつておらなくて、あたかも農業経済は一応あのままの状態で行けるような姿を示しておつたわけでありますが、二十四年から今日までの推移の中にやはりそういつた日本の農業機構の持つておりまする矛盾が次第に現われて参りまして、農村における過剰人口ということは今日非常にはつきりした形をとつて現われて参つております。現にここ二年来農村の次三男対策問題ということが非常に論議されておりまして、今年から二、三男対策に対する問題の極く一部が農林省所管と建設省所管におきまして、それぞれ開発青年隊として現われて来るというような工合に、人口問題という角度から見ましてもこれを議論する場合の基礎になる条件の現われ方において、やはりこの三年間に相当な違いが出て参つた。従つて昭和二十四年の当時におきましては勿論炯眼の士にはこういつたようなことは当然目に映つておつたことでありましようけれども、万人ともに問題がそこにあるということをはつきりした形では現象として現われておりません。それが三年たちまするうちにこれは誰が見ましてもやはりそこに問題があるということがはつきり現われて来るようになつた。そういうような事実に基きまして政府としては、今回やはり人口問題というものにいよいよ真正面から取組むという体制をとらなければならないというように考えて参つたというのが、今回人口問題審議会を作ろうという考えを持つに至つた理由でございます。
#136
○竹下豐次君 こういう人口問題が非常に困つているということはもういくさに負ける前からの話でありまして、農村の二、三男の問題は戦争前からの問題なんです。特にいくさに負けてたくさんの人が引揚げて来て、六千万が八千万を超したということで人口問題が一層大切な問題になつて来たわけです。従つて従来は産児の調整とか何とかいうことは人道に恥じるとか何とかいうように皆なが考えておつて、それがくるつと変つてそれさえやかましく言わないようになつて来ましたのは何もここ一、二年くらいの前のことではない。もう戦争が済んだらすぐにその問題が盛んに取上げられた。だから今の説明は役所の一部分の人々の考え方であります。国民全体の考えとしては人口問題を早く解決しなければならないということはもうあの戦に敗けた当時から一番深刻な心配な問題です。これは私の見込が違つておるとすれば別ですけれども、私はそう思います。
 そうだとすれば一応あつた審議会をやめて、諮問機関、そうして又始めるというときには、その実際の状況は変つて行つたということでもない限り、ちよつと御説明が無理じやないかと思います。これはあなたのお考えと私の考えとは見込が違うのですから、何遍繰返しても同じことですから御答弁は要りませんが、もう少しよくお考え下さいますか、ほかの人でも結構ですから納得できるような御説明をあとの機会で結構ですから、一つその点を我々としては、委員会やその他の機関、政府の機関が多すぎる、人が多すぎる、それを減さなければいけないということは国民の世論であるから成るべく減すことのできるところは整理してもらいたいという希望を委員会としては持つておつたわけなんです。それが行われたその一端として現われた現象でこれがあつたとすれば、それは復活以上の大きなものになるという場合には、はつきりした理由の説明を願いませんとちよつと困る。ただ私は人口問題の調査が不必要であるとかいうことを言つているのじやないから、その点は誤解のないようにお願いしたいのですが、それもどういう程度でやつたらいいか、或いはもとの諮問機関の程度でいいのか、それも必要がないのか或いは人口問題研究所だけにそれをしつかりお頼みすればそれでいいのかというふうのことも、大いに研究の余地があるのじやないかと思う次第であります。
 なお委員の四十名、それから専門委員の二十二名、これなどもやはり人の数においてもいろいろ議論があるだろうと思うと、一応それだけ申上げておきます。
#137
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#138
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
 それでは一つお尋ねしておきたいのですが、この四十名の委員の構成或いは任命の手続というのはどういうふうになつておりますか。
#139
○説明員(小山進次郎君) この四十名の任命、その他の手続につきましては厚生省設置法に基く政令できめることになつておりますが、これは大体やはり参考資料に差上げてあります通り、委員は四十名以内ということにいたしたいということで現在準備を進めております。
#140
○委員長(小酒井義男君) そうしますと具体的にどういう方法で依嘱しようという具体案はないわけでございますか。
#141
○説明員(小山進次郎君) 具体的にどなたというところまではまだ固まつておりません。おおむねどういう構想の方法という程度の準備でございます。
#142
○委員長(小酒井義男君) 御質問ございませんか。
#143
○竹下豐次君 五つの部門に分けるということになつておりますが、これはやつぱりそれぞれ専門の人を委員に嘱託し、又専門委員が二十二名、やつぱり五つの部門を標準として選定されることになるのですか、どうなるのでしようね。
#144
○説明員(小山進次郎君) 仰せの通りでございます。
#145
○竹下豐次君 委員と専門委員というのはどう違うのですか。どうせこういう問題の専門の知識を有する人が委員におなりになるのが大部分ではないかと思うのです。そうでもないですか。
#146
○説明員(小山進次郎君) 委員のかたはどちらかというと常に展望の広い方にお願いするそれから専門委員はやや学者がかつたかたにお願いすると、こういうふうな取り運びにするつもりでございます。
#147
○竹下豐次君 そうするとその委員会は、四十人と二十二人を加えた六十二人でお開きになるわけですか。決議権とか何とかいうようなものは両方に違いがあるわけですか。
#148
○説明員(小山進次郎君) 総会は委員だけで開くという考えでおります。専門委員は専ら部会において参加をして頂く、それで部会における表決権とでも申しますか、そういう場合は委員のかたも専門委員のかたも同じく一票として行使して頂く、こういうふうになります。
#149
○竹下豐次君 定員法の改正案のうちに入つているのですか。
#150
○専門員(杉田正三郎君) 関係ございません。
#151
○委員長(小酒井義男君) それでは本法律案に対する質疑は次回に引続いて行うことに一応しておきまして、本日はこの程度でよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ━━━━━━━━━━━━━
#152
○委員長(小酒井義男君) それでは次に青少年問題協議会設置法案を議題といたします。前回に引続きまして質疑を続行いたします。
#153
○竹下豐次君 青少年問題協議会というのは現在もあるのですね。
#154
○政府委員(江口見登留君) ございます。
#155
○竹下豐次君 ありますね。これは衆議院やら参議院の決議もありまして、青少年の不良化防止に関する問題を研究する審議会であると思いますが、今度の審議会はやはりその範囲の審議会になりますか。それとももう少し広く文部省の関係の仕事、青少年の積極的な指導、教育というような問題も包含して広く、取扱う審議会に組織が変るのでありましようか、その辺。
#156
○政府委員(江口見登留君) 昭和二十四年の第五回におきまする衆議院の決議は、青少年犯罪防止に関する決議となつております。それから参議院におきまする分は、青少年不良化防止に関する決議になつております。その点は竹下先生のおつしやる通りでございますが、その決議に基きまして内閣に青少年問題対策協議会を設けるようになりましてから、いろいろと研究を進めて参りました結果といたしまして、昭和二十四年の両院におきまするその決議の範囲を多少拡げまして、青少年の指導保護及び矯正に関する総合的施策を樹立して、その適正な実施を図る目的を以てその二十四年の六月に閣議決定をいたしまして、その線に沿つた協議会が今運営されておるのでありまするが、その現状に即して今回法制化しようとするものでございます。
#157
○竹下豐次君 従来の審議会では省の分担で申しますと、法務省ですかの関係の仕事のみ、大体そうであつたのですね。多少文部省関係の人もタツチしておられたかも知れませんけれども、今度はその割合というわけにも行きますまいけれども、どちらも平等に取扱われるのか。これは文部省の関係の仕事も相当広い大きな仕事になるだろうと思います。青年会のことからいろいろな問題を入れますと、そういう範囲になるんですか。やはり法務省関係を中心にして多少文部省関係の意見も取入れるという程度のことになるんでしようか。その辺もう少し具体的にお述べを願いたい。
#158
○政府委員(江口見登留君) 不良化防止或いは青少年の犯罪化防止と申しましても、やはりこれに関係いたしまする各省の仕事というものが非常に多いのでございまして、その字句からばかり見ますと法務省の関係が多いようでございまするが、併し発足当時からも勿論法務省だけではなくて、やはり教育の面から文部省或いは労働の方面から労働省、或いは警察の面から警察というふうに、常に各省にまたがつた仕事として総合的に研究して参つたものでございます。従いましてその主管をどこにおくかということで、比重が若し法務省的なものが大部分ならば、法務省に持つて行つていいだろうと考えられましたものが、やはり時により所によつて比重というものがどこに固まるというわけに行かないから、内閣でこの総合調整の仕事をしたらどうかということになりまして、我々のほうでその連絡調整の仕事をお世話しておるわけでございます。
 更に今回は多少そのほかにも考え方を広めまして、例えば関係各省から出て頂きます委員の数も前案に比べまして一人ふやしております。それらはやはり青少年問題を総合的に扱うということになれば、多少今まで申上げました官庁だけでは足りない。従いまして例えば今まではそれほど直接には考えていませんでした農林行政を通じての青少年問題、青少年対策というようなこともおろそかにはできないのではないかというようなことが考えられて参りまして、その方面にまで青少年問題を関連付けてよき措置をとりたいというふうな点にまで考え方をおし延べて参つたような次第でございます。
#159
○竹下豐次君 この青少年問題協議会と申しますと、この言葉から判断して行きますと、犯罪防止及び不良化防止に関することだけでなくて、青年の一般教育指導というようなことも含まれるはずなんですね。そこで私は疑問を持つたのはこの前の国会であつたと思つておりますが、資料を提供されました。頂いてみますと、法務府関係の資料のみといつていいくらいにかたよつております。文部省関係の資料なんというものは殆んど僅かしか、あつたかどうかという記憶もないくらいのことで、殆んど法務省関係のことだけであつたようにその資料から私は推察したのです。これまでの会の運営のことについては私は詳細に存じておりませんが、資料から判断して私はやはりそういうふうな関係で消極的というわけではありませんが、犯罪或いは不良ということに関係するということに大かた制限されていたのじやないかという気持を持つたわけです。ところがまあこういうことに関心を持つておりまする或る人の話を聞きましたところが、今度は不良とか何とかいうようなことでなくして、広い意味で文部省と極く緊密な関係をとつて積極的な指導をやつて行く構想であるということ、これは政府の役人ではありません、ほかの人から聞いたのであります。まあそうなりますと非常に大きな範囲のことでございます。それだけ骨も折れるが非常にいい計画であるとは私は思うのです。その範囲がどういうことになりますか、それによりましてはその関係する人の範囲、予算の範囲等に関係して行く問題であろうとかように私は考えますので、その一番大きな構想がどうなつているかということを一番先にお尋ねしておるわけなんであります。
#160
○政府委員(江口見登留君) 先般御覧を頂きました資料といたしましては法務省関係のものが多かつたと、こう言われるのでございまして確かにそういう傾向は強かつたと存じます。と申しますのは法務省関係がやはり一番数字と申しますか、犯罪統計と申しますか、そういうものは勿論警察を通じての話になるかと思いますが、そういうものが比較的作りやすいのでございます。戦前はどうであつたかというような数字によつてその協議会が設けられました目的にそうような資料が出しやすいのでございますが、それと異なりまして文部省としまして青少年問題対策について資料をと、こう言われますと非常に漠然とした作文程度のものは出せるかも知れませんが、そうしますとそれは一般教育的な方針を資料として提出するというようなことにとどまるのでございまして、この青少年問題協議会らしい資料というのはやはり一番当初のあれでは法務省的なものが出しやすい、多かつたというふうなことが言えるのじやないかと考えます。従いまして今後は主としてそういう暗い面をいつまでも注視しながら、それのみに対しての対策を講じて行くというのでは、誠にいつまでたつても発展性がございませんので、その他の面につきましても十分視野を拡げまして、各省の協力を得ながらその間の相互矛盾しないように常に協議会を開く、或いは幹事会を開いて連絡をとつて行こう、こういうふうにして行きたいと存じておるわけでございます。
#161
○竹下豐次君 この審議会ができましたのが政府のほうでもお考えがありましたでしようが、参議院と衆議院の決議があつたという事実がありまして、それは不良化防止ということで謳つたのでありますので、仮にかたよつておつたからそれを不都合だということを私は言つておるのじやないのですが、こういう大々的におやりになつて文部省と本当に協力してやられるのかどうかということを聞いたのでありますが、そうすると両省の区別なしに本当の青少年に関する指導教育は全般的に大きくお取扱になりますと、こういう規模だというふうに承わつておいてよろしうございますかな。
#162
○政府委員(江口見登留君) その通りで結構と存じます。ただ決議の題目は、衆議院におきましては青少年犯罪防止の云々、参議院におきましては不良化防止云々と題目がなつておりますが、中をずつと決議の趣旨を拝見しますと、やはり総合的にいろいろ考えなければならんことがあるから十分に内閣として、政府としては留意せいというふうになつたのでございまして、その方向に進むことがやはり衆参両院の当時の決議にそうゆえんではないかとかように実は考えておる次第であります。
#163
○竹下豐次君 この前のことをくどく言う必要もございませんけれども、資料の点を申しましたけれども、実は文部省の人にも話を聞きたかつたのです。併しどうも余り熱意がなかつたのじやないかというような感じも私は持ちました。今度は一つ、この問題に関しまして委員長にお願いしておきますが、文部当局のこの問題に関する御意向、御計画というものをあとの機会で承わりたいと思つておりますから、その点をお願いいたしておきます。
#164
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#165
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
 小さい問題ですが、これは大体法律が施行せられると全都道府県にこの協議会ができるという見通しでございますか。
 もう一つ。第三条に委員の任期が学識経験者の場合のみ二年とするということがきめてあるのですが、その他の委員の任期というものはあるのかないのか、この二点なんです。
#166
○政府委員(江口見登留君) 青少年問題協議会の地方協議会と申しますか、都道府県分につきましてはもうすでに全部できております。今回その都道府県に関しましては、御説明申上げました通り、それを法制化しようということと、それから二十八年度から二千万円の国庫補助を都道府県に対して支給することができるようになりましたので、その趣旨のことが条文に謳つてございます。それ以外は現在あります都道府県協議会をそのまま存続させて行くということでございます。
 それから委員の任期でございますが、第三条の二項の五号に、「学識経験がある者八人以内」とございまして、その任期は二年以内とする、こうございます。併し、一号から四号までの分は、やはり一号、二号は衆参両院から指名する者となつておりますので、その身分をお持ちになつている間はそのまま続けられるのではないかと考えますが、三、四につきましては、これが各省の官職にある者を指名いたしたいと考えておりますので、その者が代れば自然又その人が代わるということで、任期をわざわざきめなくてもいいのではないかと考えております。
#167
○竹下豐次君 今御説明があつたのかも知れませんが、地方の協議会というのが現在あるわけですね。それはそれを法制化するということだけですか。
#168
○政府委員(江口見登留君) そうです。
#169
○竹下豐次君 これは作らなければならないことになりますか。義務はないのですか。
#170
○政府委員(江口見登留君) これは出発の当初には、せつかく国費多端の折に相当の補助金を計上できることになりましたので、現在ありまして知事の任意でやることもできるわけでございますが、強制設置にしたいとは実は考えたのでございますが、やはり自治庁の立場として考えますと、公共団体の自主性というものをできるだけ阻害されたくないという意見もございますので、そういう強制設置にいたしませんで任意設置にいたしましたが、現在のところはそれによつて支障はないものとかように考えます。
#171
○竹下豐次君 そうすると、各都道府県、やはり御希望の通り現在できておるわけですか。
#172
○政府委員(江口見登留君) できてございます。
#173
○竹下豐次君 そうすると、費用の点は従来は向うで補助金をもらわずにやつていた、今度幾らかもらえるということになるので、これは法律ができたからといつて、従来よりも府県では経営の面で迷惑するということがなくてすむということになるわけですね。
#174
○政府委員(江口見登留君) 地方の自治負担を非常に増加させるということにはならないで済むと考えております。
#175
○野本品吉君 従来全国青年団連絡協議会があるのですね、民間に。その青年の連給協議会と、今までありました中央及び地方青年問題協議会というのは何か関連を持つておりますですか。
#176
○政府委員(江口見登留君) 全然関係はございません。
#177
○野本品吉君 あの連絡協議会の今までの行き方からしますと、こういう企画に対して相当の意見があるのではないかと私は想像するのですが、そういうものは何も耳にしたことはございませんか。
#178
○政府委員(江口見登留君) 正規に我我の耳に聞えて参つたものはございません。
#179
○委員長(小酒井義男君) 質疑は次回に譲りまして本日はこの程度で散会をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○委員長(小酒井義男君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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