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1953/08/04 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 内閣委員会 第27号
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1953/08/04 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 内閣委員会 第27号

#1
第016回国会 内閣委員会 第27号
昭和二十八年八月四日(火曜日)
   午前十一時十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
八月三日委員成瀬幡治君辞任につき、
その補欠として高田なほ子君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小酒井義男君
   理事
           長島 銀藏君
           竹下 豐次君
   委員
           白波瀬米吉君
           高瀬荘太郎君
           松永 義雄君
           松原 一彦君
           野本 品吉君
  政府委員
   人事院総裁   浅井  清君
   行政管理庁監察
   部長      山中 徳二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   常任委員会専門
   員       藤田 友作君
  説明員
   人事院事務総局
   給与局次長   慶徳 庄意君
   行政管理庁監察
   参事官     山口  酉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○行政機構の整備に関する調査の件
 (行政監察に関する件)
 (新恩給制度に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。
 行政機構整備に関する調査を議題といたします。先ず行政監察に関する件について。
#3
○松永義雄君 衆議院の決算委員会その他運輸委員会等において問題になつております鉄道会館問題と称するものの真相はどういうものでしようか、簡単でよろしうございますが。
#4
○政府委員(山中徳二君) 行政管理庁といたしましては本国会でいろいろ論議になりました各種の事案につきましては、これの調査を一応いたしまして今後どういうふうに取扱うかということの資料にいたしたいと考えておりますのでございまするが、只今まだ各個の問題につきまして具体的に調査をいたしておりませんので、只今の御質問に対しましては私ども調査に立入つておりませんものですから、具体的に御返事申上げることができません。
#5
○松永義雄君 将来これをどうするかということに持つて来なければならないと思うのですが、それは今日その結論を得られることはなかなか困難だと思うのですけれども、現状においてどういうものであるか大体のお話はできるはずだと思うのですが。
#6
○政府委員(山中徳二君) 鉄道会館等の問題につきましては具体的に調査いたしておりませんのでお答が或いは十分当らないかと思いますが、私どものほうでこの第四・四半期の監察計画といたしまして通運行政の監察をいたしましたのでどざいますが、その都度行政監察の結果によりますると、その監察の一部の結論といたしまして、国鉄の駅構内の土地の使用料が、日本通運とその他の新しい通運会社との間の料金が、必しも同一でないというような結論が得られましたことと、それから各駅毎の使用料金が非常に区々であるということも発見されましたし、又長い期間に亘りまして土地の使用料の単価の改訂が行われていなかつたもの、甚しいものに至りますと無料、若しくは国鉄の承認がないままで使用されておるもの等も、極端な事例として発見されましたものでございまして、これにつきましては本年の六月に私のほうから運輸省に勧告をいたしまして、運輸省のほうでも現在鉄道用地に対する、国有鉄道固定財産管理規程の適用、或いは管理規程そのもの規定の仕方等に欠陥のあることに検討を加えて、これが是正をするという回答を寄越しておるのでございます。このことは私どもが国鉄の使用料を調査するということから出発したのでありませんで、通運行政の監察という見地から、その結論の一部分として表面に出たのでございますが、この事実から見ましても、土地の使用料等の取扱いについて、相当改善を要しなければならんものがある、私どもの極く内輪の推算によりましても年間一億数千万円程度の増収が可能ではなかろうかと、これは極く荒つぼい胸算用でございますが、こういう点が出たのでございまして、今回いろいろ問題になつております国鉄内部の使用料等につきましては、やはりこの機会に国鉄或いは運輸省の監督の立場におきましても、十分反省をいたしまして、是正改善の具体化に努めねばならんものと考える次第でございまして、私どもの監察の計画といたしましても、今回の改正によりましてこれから公共企業体に対しましても、強力に調査ができることに相成りました。現在電電公社等の調査を実施いたしておりますが、冒頭に先ほど申上げました如く、今期国会におきまして問題になりました事案につきましては、私どももこれを一応整理して監察の企画の際に考慮いたしたいと考えておる次第でございますので、御了承を頂きたいと思います。
#7
○松永義雄君 今度のこの鉄道会館のことについて部内の委員会なるものがあるということを聞いておりますが、その部内の委員会というものは国鉄ですか、運輸省内ですか。
#8
○説明員(山口酉君) 只今の御質問でございますが、これは私どもが監察なり調査をいたした結果ではございませんが、運輸省に連絡をいたしまして聞きましたところでは、鉄道会館の建設について協議をいたしました委員会というのは、国鉄の部内の委員会であつたというふうに聞いております。
#9
○松永義雄君 今の鉄道会館の敷地となるだろうというその地所というのは誰が所有しておるのですか。国有財産と見ていいのですか。
#10
○説明員(山口酉君) これは只今問題になつておりますところは、日本国有鉄道の所有、まあ国とは別の法人格を持つておりますのでその日本国有鉄道という法人の所有、かように解釈いたしております。
#11
○松永義雄君 そうすると国鉄が株式会社鉄道会館というものにその土地を賃貸して、そして賃借した鉄道会館が広壮な建物を建築して、その建物の一部を国鉄が自分の経営上に使用するということでしようか。
#12
○説明員(山口酉君) 実は詳細に調査をいたしておりませんので明確には申上げられませんが、只今私どもの知り得ております程度で申上げますと、只今御意見をお述べになりましたような関係であろうかと思つております。
#13
○松永義雄君 そうしますと国鉄は自分の地所の上に建てられた他所の人の建物を借りて賃料を払うということになりますと、地代は取るけれども家賃は払わなければならない、こういうことになる。
#14
○説明員(山口酉君) さように考えております。
#15
○松永義雄君 そうしますとそこにいろいろのことが考えられて来るのですが、その点を一つ只今御返答は容易ではないのでありますから詳細にこれを調べまして、一体どういう勘定になるということを一つ次の国会の委員会にでも報告して頂きたいと思います。
 それからもう一つくわしくお聞きしたいことはその建物ができますと、国鉄が賃借して、そしてどういう用にこれをあてるか、国鉄の運営上のどういう用にあてるか、若しおわかりになつたらその点を大体でよろしうございますから御開陳願いたいと思います。
#16
○説明員(山口酉君) 実は使用区分についての詳細を調べておりませんので申上げかねます。
#17
○松永義雄君 この点も一つ詳細に調べられて御報告願いたいと思うのです、これは新聞記事ですからどこまで真相をうがつておるかどうかわかりませんので、乗降車広場とか出札室とか待合室とかいつたようなぐあいで駅のために使用するというものと記載してあります。他方又その建物がデパートの売場にもなりプライヴェートにも賃貸するということになつております。一体その結果として株式会社鉄道会館が資本金一億一千万円で発足して、第一期工事に着手して建設費をかけて建設したのちに、どういう収支になるのかという点を一つお調べ願つて、そしてここへ御報告願いたいと思うのです。
 更にこの土地の賃貸借契約のことですが、これは行政処分みたようなものですか、それとも民事上の賃貸借契約
 になるのでしようか。
#18
○説明員(山口酉君) この点につきましては実は研究中でございますが、今のところ国鉄側といたしましては、一種の公法上の契約のように解釈をいたしておるわけであります。併し運輸省の国鉄を監督しております部属は鉄道監督局であります。鉄道監督局と最近討議をいたしてみました結果、今のところ私どもといたしましては、これは私法上の契約になるのではないかと思つております。まだ併し最終的の結論ではございません。
#19
○松永義雄君 これはまあ法律上の解釈の問題になりますが、公法上の処分行為であるか私法上の契約であるかということは、別に国鉄と株式会社鉄道会館との関係が、国鉄がまあ公益法人であるからということから来る、こういう見解の相違でしようか。
#20
○説明員(山口酉君) 国鉄側で解釈いたしておりますのは、まあ国鉄の公共企業体として認められております特殊の権力関係に基いたものである、それの国鉄の目的に従つた一つの仕事である、国鉄の目的を達成するために必要な行為である、そしてそれは国鉄が国有鉄道法で認められておる一般的の私企業とは特殊な関係に立つておるものであるというふうに解釈しておるようでありますが、併しどうも建物の性格などを見ますと必ずしもさようには考えられないのでありまして、まあ一部駅の建造というような特殊なものもありますけれども、全体としてみまして多少そういうふうな貸借をするには無理な点があるように考えられます。
#21
○松永義雄君 これに類したことが虎ノ門の公園についてあつたのですが、行政処分であるか賃貸借契約であるかということが論議になつた、その点も一つ確たる解釈をこれ又次の国会までに確かめ、行政監察部としてどういうお考えを持つかということを一つ発表して頂きたいと思うのです、若し只今御説明の通りに私法上の契約だとすると新聞において伝うるところによると、ただ書簡の交換ですか、一方的な書簡によつて事実上土地の賃貸借契約ができてそして工事が始められたということのようですが、そうするとこれは極めて簡単で莫大もない価格に達する財産の使用権益を許すということについて、余り簡単な形ではないかというふうに考えられるのですが、これは仮定論なんですけれども、どういうふうに考えられますか。
#22
○説明員(山口酉君) 私法上の契約ということになりますと、これは国有鉄道法の四十九条によりまして入札に附するということが原則になつておる。但書の適用によつて特別の必要のある場合に、特に国鉄に不利益を及ぼすおそれのある場合に随意契約ができるという但書がありますので、その但書を適用してやつたものとしか解釈されないわけでありますが、そこにも多少問題がありますし、お話のように但書の適用がいいと仮定いたしましても、その契約方法がまあ非常に明瞭を欠く、後の責任の追及などに不明朗な点などを生ずるような書簡のやりとりということでやつたといたしますれば、その適当か否かということは相当問題であろうかと思います。
#23
○松永義雄君 虎ノ門の公園について申しますと、参考人の説明によると行政処分であつて、そしてそれに対応してか寄附金の形で事実上の賃借人からその土地の市価に照し割出して、それが余りにも普通価格から考えて少い金になつておるのですが、これは御承知の通り権利金というのはまあやかましい問題で取つてもいいか悪いかということになるのですが、権利金が若し取れないということになれば賃料を非常に高くする、まあ高いというか普通の値段にするということになるのですが、その点について先ほど部長さんからもお話があつたように国鉄の賃貸料が区々まちまちだ。著しく安いのもあるし無断で使つているのもある、こういうようなお話、その点は相当考慮したということになるのですか。あなたのほうのお考えで無論権利金は取つてはならないと考えておるんですか。どうでしようか。これはその借地借家法の解釈の問題ですから。そういうものをお取りになるということはないのでしようね。寄附金であるとかいつたような脱法行為的なことをなさるということはないのでしようね。
#24
○説明員(山口酉君) 実はこの虎ノ門公園の問題も、私どものほうで調査いたしておりません。只今御質問のありました点につきましては、従来の取扱は普通に民間で行われておりますような権利金というものは、まあ国有財産の取扱では認めておりませんのでその内容如何によるかと思いますけれども、一般にいう権利金のようなものにつきましては認められないことになるのではないかと思います。
#25
○松永義雄君 御承知の通り昔東京市内の建物に附属する権利金、建物の価格というものは土地の価格の半分、所によつては六割も七割も家屋の値段に入つておる。こう言われておつたのですが、それと同様にこうした大切な土地を貸すという場合に、それだけの利得が賃借人に自然的に譲り渡される。そういう事実はお認めになるわけでしようか。これは法律の解釈ではなくて日常の慣習的なことを聞いているのですけれども、経済上それだけの利益を賃借人が受けることになる。そこで民間側においてはそういう場合に、権利金として地価の半額以上を賃貸人が取つておる。ところがそれは取れないということになると、それだけの利益を賃借人が受けるということになる点はお認めになるのですか。
#26
○説明員(山口酉君) これはむずかしい問題で、私がまあ実は個人的な意見になりまして恐縮ですが、現在の法規の建前ではやはり賃貸価格につきましては公定価格がございますのでそれを破ることはできないわけでございます。民間におきましては実はその公定価格の脱法のような意味合で、まあ経済実務に応じて他の名目で賃貸価格の取り不足の分を取つておるというようなことが、まあ最近の実情における権利金というような名前で言われておるものの大部分であるかと思います。法規の建前を今のままで行きますれば、まあ四角四面に扱います国の処置につきましては、反射的に国の建物なり土地なりを賃貸する者は、一般の民間のものを借りる者よりも相当利益になるという事実は、現在のところやむを得ないのではないかと思います。
#27
○松永義雄君 その点については意見を異にするわけですけれども、更に進んで株式会社鉄道会館がその建物の内部をデパートの売場としてデパートに貸付けるような場合に、若し仮に権利金でも取るというようなことがあれば、それは悪いということになるのでしようね。――お答えがなければそれはよく研究してやつてもらつたらいいと思います。
#28
○説明員(山口酉君) 実はこの権利金と一口に言いますものにはいろいろ営業権であるとか、或いは創設費の一部であるとかいろんな内容がございまして、その内容を検討しませんとわからないのであります。まあ賃貸価格の肩替りの意味といたしますと、まあ不当だということになるかと思います。
#29
○松永義雄君 私の言いたいことはそういつた法律論を実際するのではなくて、お気をつけにならないと、鉄道会館が非常な多額な、名前は権利金であつても何でもいいんですが、金を取ると同時に、逆に今度その建物を国鉄に賃貸した場合に、そうしたものを含んだ高い賃料を徴収するようなことになると、地所は安くは貸すわ借りる建物は非常に高いということになつて、一方は極めて正直に国家の法律によつて貸付けられている。さて今度建物を借るときには、利権的な経済的な価格において借りるということになれば、結果において非常な矛盾した計算が出て来る虞れがありやしないか。それをこつちがまあ憂うるからそういうまあ質問をしたわけであります。そういう点を一つよく調査して、どういう方策をとつたらいいかということを一つ御研究願つてこれ又御報告願いたいと思います。
#30
○説明員(山口酉君) 只今の御趣旨はよくわかりましたので、調査をいたします際にはそういう点も十分気をつけてやりたいと思います。
#31
○松永義雄君 まあ国家にしても都道府県庁というか市役所というものにしましても、えて一つの利権という形で国家のものを悪用しようとする人が相当あるので、そう高くは貸せるものではないのだ、国家のものは公けの性質のもので営利が目的じやないから、そう高く貸せるものじやないからと言つたからといつて、それじや安く貸してそしてそれが利権の対象になるようなことがあれば国家はばかをみるということになつて、一部の人の利益にのみ国家の土地が利用されてそして国家が損をするということになれば、国有財産の運用の目的を外れて来るのではないかという感じがするのですが、まあそれと同じ考えだろうと思いますが、如何ですか。
#32
○説明員(山口酉君) 只今の御趣旨は御尤もと思います。まあ将来そういう点を十分監察いたします上に留意いたしまして何とか将来防止できる道を見出して行きたいと思つております。
#33
○松永義雄君 とかく国鉄は問題を起しやすいんですね。国鉄内の売店とかいろいろなことについて非常な運動が行われてそうしていろいろ醜態を暴露していることは御承知の通りなんです。見えないものに至つてはずい分これはあると私ども耳にしている。国鉄の商売がらそういうふうなのかも知れませんが、鉄道省といつた当時からそういうことが行われている。これ又今度のように法律の改正が行われて会計についてあなた方の任務が非常に重くなつて来た。最近にルーズになつて御承知の通り公共事業の会計がどうとかいわれているときなんです。十分その点一つ的確な調査をして国の不利益にならんようにして頂きたい。それあるが故に一部のかたから強硬な意見が出て協定なんていう字句を外して監察としてもらいたいという修正が出ている。その精神を十分一つ今後考えて処して頂きたい。
 それから交通公社で国鉄の乗車券の売上代が未払になつている。その額が四億八千万になつているというのですが、正確な数字はとにかくとしてそれに近い未納が一体あるのですか。
#34
○説明員(山口酉君) 実は交通公社の収支につきましても調査はまだいたしておりませんので、私どもといたしましてはさような未払、延滞金を確認いたしておりませんが、交通公社は、只今月日を正確に記憶しておりませんが従来は切符の取扱をしますと一分の手数料をとつておつたのでありますが、その手数料をなくす代りに延滞の期間を認められているということを聞いておりますので、或いはその延納の期間であるかと思いますけれども、問題になつておりますところを見ますと、その延納期間よりもさらに延びているというふうに言われておりますので、或いは最近の経済状態からそういう結果になつたことも想像されないことはございません。これにつきましては調査をいたしませんとわかりませんので的確に御答弁できませんので、甚だ恐縮でありますがその程度しか只今のところわかりません。
#35
○松永義雄君 今度の法律の改正によつて国有鉄道も監査の対象になるし、自然交通公社の内部についてもこれを監査することができるということの解釈をとつてよろしいですか。
#36
○説明員(山口酉君) 今度成立いたしました設置法によりますと、監察は運輸省の監督行政を監察することになりまして、その裏付をするために公共企業体の調査をすることができるということになつたのであります。さらに交通公社になりますとこれはその他の関係者ということになりますので調査について協力を求めることができるという四条の六項によつてやることになると思います。
#37
○松永義雄君 併し国鉄に対しては協力なくても調査できるわけですね。
#38
○説明員(山口酉君) できます。
#39
○松永義雄君 そうするとこの乗車券というものは国鉄が交通公社に交付するというのですが、その交付というものは交通公社に来るのですか、それとも委託販売ですか。
#40
○説明員(山口酉君) 委託販売であります。
#41
○松永義雄君 そうすると新聞記事に書いてあることは果してどの程度まで真相を把握しているかどうかわかりませんが、新聞記事の記載によると四億八千万円という額に及んでいるのですが、若しこの四億八千万円を国鉄に未納になつておつて、若し交通公社がこれを他に流用しているということになれば、交通公社は国鉄の金を横取りして使用している、そういうことになりますか。
#42
○説明員(山口酉君) 国鉄と交通公社との契約の内容になるかと思いますが、一定の延納期間を認めているという趣旨が、無手数料でそういうことを認めたということになりますと、その一部売上金を納入期間までの間社内で運用するということを認めた趣旨になるという解釈も成り立ち得る余地がありますので、直ちにそれが横領になるということは断定しがたいのではないかと思います。これは国鉄と契約をいたしました際の内容によつて検討をいたしてみないと只今さような断定をすることはできないかと思つております。
#43
○松永義雄君 そうするとその契約はどういうものであるか、書面であるか口頭であるかということになるんですが、若し書面であればその書面の移しをここへ提出して頂きたいと思います。口頭であればどういう話合になつているかという点をここでお話願いたいと思うんです。御承知の通り交通公社は財団法人で寄附行為によつて成立しているかと思いますが、寄附行為というと金額が限られておつて、株式会社と違つて増資して株主に払込をさせてそうして収支を償うということはできない。財団法人になると場合によつては一文も取れないということにならんとも限らないのですが、交通公社は財団法人ですか。
#44
○説明員(山口酉君) 財団法人であります。
#45
○松永義雄君 そうしますとこの何億円という金が一体未納になつておるということは、実際小さい金額ではないので極めて重大だと思うのですが、御承知の通りたばこの小売店の場合においてはたしかあれは保証金を納めているし、その上に代金引換というか前渡に近い取引が行われている。そして而もたばこ小売店は高い税金がかかつて来てしよつちうこぼしていることは御承知の通りなんです。これに反して切符のほうはそんなに多額な金額による枚数を平気で渡して、そうしてそこで契約が結ばれて自由に使われてもいい。うまく使われて行けばいいけれどもへたまごついて使いそこなうようなことになるとどうしたら払えるかということになるのですが、そういうような点について現在国鉄と交通公社と行なつておる取引というか売買というか委託販売というか、そうしたことについて相当厳重にして行かなければいけないというふうに考えられるのですが、その点はどうですか、まだお調べ付かなければ……。
#46
○説明員(山口酉君) 交通公社の只今の延納金の問題について調査をいたします際には、只今お話のありましたような項目は十分調査いたしたいと思います。延納期間につきましても、果して技術的に計算をして提出をするのに適切な期間であるか、或いはそれ以上に非常に恩恵を与える期間であるかというような点もございますし、保証金という問題もありますし、更に交通公社の担保力と申しますか、資産の状況、延納期間を経過した場合の延滞金の問題とか、これに関連いたしました国鉄としての収入の安全確保という面からいろんな点を調査いたさなければならないかと存じております。
#47
○松永義雄君 この間国会に出ました法律案で、北海道の材木を売るというので、買つた人から国が公債ないしはその他の担保品をとつて一年間は支払を猶予するというような法案があつたのですよ。そういうものと比べますと何億円という莫大な切符を渡したきりでそして何ら担保を取つておらんとか、その代金の徴収に付ら担保がないということになるとこれくらい危険なことはないので、ずるずるずるずるたまつて打つちやうという虞れがあるので、我々それをまあ憂慮するわけなんです。それは国鉄というものをめぐつて、国鉄は全割か全部悪い人ばかりではないでしようが、国鉄は臭いぞ、こ、いつたことから非常にまあ心配されるごとなんです。それであなたのほうはこの委員会で質問応容で繰返されておる通りに、ただ単に摘発ではないんだ、事実の調査の結果こうしたらばいいという積極的の勧告なりへ及ぶんだ、こういうことになつておるのですから、私の求めるのはその後段の結論が主点であります。一つ十分御研究の上衣の国会に開かれる委員会かその前にできましたら一つその案をここへ提出じて頂きたい。私はこれで質問を終ります。
#48
○政府委員(山中徳二君) 只今御指摘の問題につきましては十分私どもも監察の計画を立てます際に取入れまして、いろいろ是正を要すべき問題につきましては積極的な具体策というようなことにつきましても工夫をいたしまして、せつかく御期待に副うように実施することに検討してみたいとかように考えております。
#49
○松永義雄君 まあわざわざ大臣を呼び出して言質を取る必要はないと思いますが、あなたから強く大臣に要望しておることをお伝え願いたいと思います。
#50
○政府委員(山中徳二君) 私ども長官からも実は今国会で各委員会等で問題になりました事項を一つ調査をするようにということを命ぜられておるのでございます。それと併せまして外郭団体につきましてもやはり調査をしておく必要があるのじやないかということを実は過般長官から命ぜられておりますので、恐らく長官もこれらの問題についてどういうふうに取扱うかという点を考えておられると思います。又只今のことはお伝えいたしたいと思います。
#51
○松永義雄君 徹底的に一つやつてもらいたい、ことを希望しておきます。
#52
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#53
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
 それでは次に新恩給制度に関する件を議題といたします。
#54
○野本品吉君 ちよつと人事院の総裁にお伺いしておきたいことがあるのですが、私から申上げるまでもなく国家公務員法が昭和二十二年の十月二十一日公布されてその後六年近くたつのですが、あの公務員法の百八条ですが、人事院はできるだけ早く日本の新らしい恩給制度のあり方について研究をして、その研究の成果を国会と政府に提出しなければならない、こう義務ずけられておるわけです。私はいろいろな事情もあつたろうと思うのですが、六年という長い日子をできるだけ早くという義務ずけがあるにもかかわらず経過しておるということは、これは人事院の怠慢だというふうに言われても仕方がないところがあるような気がするのです。それからこれは国会のほうとしても、立法した法律が素直に遵守実行されておらないということをだまつておつたことも変なものだ。内閣のほうとしても政府のほうとしても又そういうそしりを免かれない。こういうふうに考えておるわけですが、いずれにしましてもできるだけ早く研究の成果を提出しなければならないというのがこういうふうにじんぜんとして今日まで遅れておりまするのは、いろいろと事情もあろうと思うのですが、これはどういうことなんでございましようか。先ずその点。
#55
○政府委員(浅井清君) お尋ねを受けて甚だ恐縮するわけでありますが、国家公務員法制定以来お示しのように大分時間がたつたのでございますが、国家公務員法の中で人事院がやるべき仕事がたくさんありまして、例えば職階制度のごとき或いは任用制度のごときだんだんとまあ片付けて参つたつもりであります。そこで例の恩給と申しますか退職年金と申しますか、これにつきましては一番あとに廻つたようなかつこうで遅れておるわけでございます。給与法の給与準則もやつと最近勧告する運びに至りまして、残つておる仕事といたしまして一番大きなものは、只今お話のこの恩給法の問題でございますが、これも又司令部がありましたときに専門家を呼んでその人の報告書等も求めまして、更にこれを我が国の実情に合うように努力を重ねまして、最近に至りまして大体目鼻を付けたつもりでおりますが、なおいろいろと再検討するところがあつて今日までまだ勧告に至つておりません。実はこの国会中に御審議が願えるように勧告いたしたいと努力して参つたつもりでございますが、給与ベースの勧告等と一緒になりまして遅れておりますので、もう二、三日に国会も迫つておりますので、この会期中にできるかどうか、これは疑問だろうと思いますが、もう勧告いたしますまでにはそう長い時間はかかるまいと思つておりますので、どうぞその点は御了承を願いたいと思います。
#56
○野本品吉君 そう長い時間はかかりますまいと言うのですが、大よそのめどは付いておるのではないのですか。
#57
○政府委員(浅井清君) 大よそのめどと申しまして、それをちよつと公の席上ではつきり申上げかねるのでございますが、私どもの考えといたしましては、この次の国会がいつ召集されるか私はよくわからないのでございますが、そのときには御審議が願えるように準備して適当の時期に成るべく早く出したいと思つております。
#58
○野本品吉君 この次の国会と言いますと、大体まあ巷間伝えられますように、この秋にもなれば補正予算のための臨時国会が召集せられるであろう、それを今総裁のおつしやるこの次の国会と了解してよろしうございますか。
#59
○政府委員(浅井清君) 私もそのつもりで申上げたのでございます。
#60
○野本品吉君 それから先般あれは何新聞でしたか新らしいと恩給制度の詳細に亘る記事が報道されて、ああいうものが今度勧告されるであろうということを一般が考えておるのですが、あれは人事院の公式な発表なんですか、どういうのですか。
#61
○政府委員(浅井清君) 一体この人事院といたしまして、国会及び内閣へ勧告いたしまするものは、その勧告の前に公式に発表することは絶対しないつもりでありますので、ただどういうわけでああいう記事が出ましたか、ともかく人事院でいろいろ案をたくさんこしらえまして、次から次へとこしらえましたのですが、その一つが或いは不幸にして外部に洩れたかと思つて大変我々国会に対して恐縮しておるわけでございます。決して国会へ勧告する前に勧告の内容を発表しないことにいたしております。
#62
○野本品吉君 それからこれは少し中肉なようなことになるかも知れませんですが、私は人事院は一般の行政官庁と違いまして、せめて人事院だけは円本で最も純度の高い科学性を以てあらゆる物事を考え、処理して行く機関であらせたいということを絶えず念願しておるのですが、時折その人事院の科学的に研究した結果が何と言いますか、政治的にゆがめられるとか、ゆがめられておるとかいうようなことを聞いて、私は人事院のためにもこれは実に残念なことだと思いますし、我々自体も今までの人事院の純粋性と申しますか、中立性を守つて行きたいという気持でいつぱいになつておりますが、かような点についてのお考えはどうですか。
#63
○政府委員(浅井清君) 誠に御尤もでございまして、我々といたしましては飽くまでも純粋に考えておりまして、決して政治的に干渉を受けたことはございません。これは給与ベースの勧告等におきましても、よく新聞などにはいろいろなことを言はれますが、これは余りに新聞記事がおもしろ過ぎるのでありまして、我々といたしましては事前にそういう干渉を受けたことは絶対にないのでございます。恩給につきましてもそのようなことは絶対にございません。ただ勧告しましたものを内閣が国会へ提案する場合にいかがになりますかは、これは又別の問題でございますけれども、人事院といたしましては国会と内閣へ同時にその意見を発表することができるのでございますから、その点は御心配ないと思つております。
#64
○野本品吉君 大体総裁の気持は了解できましたが、更にこの二十二年から今月までに至ります公務員法で規定しております新らしい恩給制度に関する人事院の調査と申しますか研究の経過の概要、どんな足どりで着々それが進められて来たかということをこの際お伺いしておきたい。
#65
○政府委員(浅井清君) 最前申しましたように、いよいよ正式に勧告をいたします前に只今の案がどのようになつておるか、もう私は却つて申上げないほうがいいように考えております。また最終の結論には達していないのでございます。ただその前からいろいろな案こしらえて参りましていろいろ苦心がございますが、それは実は余りここでお話すると長くなると思うのでございますが、まあ一番初めは日本の恩給制度を新らしい公務員制度の線に沿うように直す、この線は全然違いはないのでございます。これはどういうふうに現われて来るかと申しますれば、いわゆる官吏だけの恩給であつたものを公務員全般の恩給といたす、これは一つの大きな基本線でございまして、これは最初から今日に至りまするまで決して変つておりません。
 もう一つはこれまでの恩給制度を保険数理の基礎の上に置くということでございまして、これは公務員法にも書いてございますし、それで財政計画を立てるつもりでございます。ただ保険数理と申しましても、民間のいわゆる生命保険におけるような保険数理と違うということはもうすでに御承知の通りでございますが、一つの確固たる財政計画の上に置く、この二つか一番の基本線になつておりまして、これは終始変つておりません、
 それから最初はいわゆるマイヤース氏の報告によりまして研究をいたしましたが、同時にこれが日本の現状に副うようにいろいろと修正をいたしまして、その点の調和を考えておる。これかまあ一口で申せは只今までの結果でございます。その後いろいろ各方面の意見を聞きまして、なお目下最後の結論に達すべく努力中でございますが、そう長い時間はかからないように思つております。
#66
○野本品吉君 只今お話のございましたマイヤースの報告ですが、あれは無論占領中の事柄でありましたのですが、あのマイヤースの報告は世間でも相当尊重されるというふうに一般が了解しておると私は見ておるのですが、占領中のものであつたので、独立後いわゆる占領中における行過ぎ是正というようなことが最近盛に言われておりますが、やはりそういうような点からあの報告が相当何と申しますか、改められると言いますか是正されて行くと、こういうことでございますか。
#67
○政府委員(浅井清君) 只今終始一貫して変らないと申しました二つの方針、これ即ちマイヤース勧告の方針でもあるわけでありまして、そういう大きなところにおきましては決して我々変えてはおりません。ただ個々のいろいろな項目につきましては我が国の現状をも考え修正をしておるところもあるのでございます。
#68
○野本品吉君 恩給と申しますか、今度人事院では退職年金という表現を用いられておるようでありますが、あの旧軍人、軍属の恩給の復活にからみまして、国家財政から見た恩給ということが大きな問題になつて来ますことは当然であります。そこで私がここでお伺いしておきたいと思いますことは、いわゆる保険数理に基く恩給計画というものは、一般か非常に心配されております恩給亡国の線に行かずに、合理的な退職年金制度というものが運営できるのであるという御見込でございま場すか。
#69
○政府委員(浅井清君) 私どもといたしましてはそういうような御了承を願えるつもりで只今立案をいたしております。これも最後に財政計画を詳細に国会及び内閣へ示すことになると思いますが、そのとき御覧下されはわかると思うのでありますが、我々といたしましては決していわゆる曾てあつた恩給亡国というようなそしりはないように考えております。
#70
○野本品吉君 そこでもう一つお伺いしたいのですか、恩給亡国に行かないということを聞きまして、私は年金制度の将来に非常な明るみを感じましたし、同時に絶えず退職後の生活の問題を心配しております現職の公務員の諸君にとりましてもそれは非常に喜ばれる事柄であろうと思つておりますが、大ざつぱに見まして費用の負担の方法というようなものはどういうことになりますか。
#71
○政府委員(浅井清君) そのことは今日まで少し研究中でございますので、この席上でまだちよつと申上げる段階に達しておりません。
#72
○野本品吉君 これは国家公務員法の百七条の規定の中で私が特にお聞きしておきたいと思う点ですが、つまり相当年限忠実に勤めた者に対しては恩給が与えられなければならないと規定しており、一方傷病等によつて、何と申しますか、遺族に対する扶助料ですな、これを与えることができる。こう規定されておるのですが、一方は与えられなければならないと規定してあり、一方は与えることができると規定してある。これはどういう意味ですか。
#73
○政府委員(浅井清君) その最初のお尋ねでありますが、一方恩給亡国にならないということを申上げまして、野本さんからそれでは公務員の負担が多くなるのではないかという疑いを或いはお持ちになつてのお尋ねかと思いますが、その点は十分調整をいたしてうまくやれる確信を持つております。
 その次の公務員法の規定につきましては、成るほどその当時の書き現わし方には恩給を与えなければならないというのと、与えることができるというこの二つになつておりますが、只今立案しておりますものは両方とも与えると、こういう線で立案いたしております。
#74
○野本品吉君 まあ国会の会期末に特に私どもがこの委員会で総裁の出席を煩わしました一つの大きな狙いは、先般恩給法の一部を改正するという法律かできたわけですが、その機械的な適用の結果といたしまして、特殊な業種にありますものが非常な不利益をこうむる。こういう事態が起つて来たことを委員会としても、委員の皆さんも心配されておると思うのです、そこで私どもは、恩給法の一部を改正する法律は八月一日から向う六カ月問をなお従来の規定によるということでありましたものを、特に年度内いつぱいに期間を延長する修正を加えたわけです。その修正を加えました趣旨というものは、先ほど申しました恩給法の一部を改正する法律の機械的な適用から生れて来る欠陥について、できるだけ早い機会において人事院の新しい研究の結果を提出して頂いて、それに基く新らしい恩給制度というものを制定するときに、先ほど申しました欠陥の排除と申しますか、救済と申しますか、そういうことを考えようという意図が多分にあるわけなんですが、その点につきましてはこれは細かいことになるかも知れませんが、慶徳次長さんにお伺いしたいと思いますが、あの機械的な適用の結果かようなものが生れて来るということをお認めになりますですか、どうですか。
#75
○政府委員(浅井清君) 最初に私からお答えいたしますが、私といたしましてはそういう御配慮をお加え下さつたことは非常に感謝いたします。人事院といたしましてはその期間に間に合うように勧告をいたしたいと思つておりますが、只今お尋ねの点につきましては次長から申上げます。
#76
○説明員(慶徳庄意君) 恐らく加算の問題の撤廃の点であろうかと思うのでありますが、その具体的な中味になりますと、只今総裁がお答え申上げましたように目下検討中でございますので、その結果に基いて又改めて御覧を願いたいというように考えております。
#77
○野本品吉君 これは人事院が直接の責任を持つておることではないと思いますが、事実問題といたしますと非常に考えさせられる問題があるわけです。それはつまり地方公務員の問題でありますが、例を教員にとりますと、教育公務員特例法の施行以後の教員というものは恩給法の適用対象になつておらない。恩給法の保護が受けられるか受けられないのかわからないという状態である。国のほうでどうにもならないので、地方々々でそれぞれまちまちな考え方、扱い方がされておるようでありますし、又将来もそういうことになつて来ると思います。こういうことになりますといわゆる富裕県、経済力の豊かな地方に奉職する地方公務員と貧弱な地方に職を奉ずる公務員というものの間に待遇上の非常なアンバランスができて来る。このことは地方公務員の勤務の上に精神的にも又具体的な活動の上におきましても非常に影響して来るところが大きいと思いますので、私はこの問題は直接人事院の関与すべき部分でないと、こう逃げれば逃げられると思うのですが、新らしい恩給制度のあり方をまじめにお考え下さるとするならば、当然この問題にも考えを及ぼし、又この問題に対する一応の方策もお考え下さるであろうと、こう期待しておるのですが、かような点について現在どのようにお考えになつておりますか。
#78
○説明員(慶徳庄意君) 只今御質問がありましたように、人事院といたしましては国家公務員法に基きまして国会及び内閣に対する成果の提出ということになりますので、法律的に考えましても、地方公務員等につきましてこれを強制適用の範囲にするというようなことになりますと、いささか問題があろうかと考えます。同時に又先ほど御質問がありましたように、新らしい年金制度は健全な保険数理に基くところの長期財政計画によるという建前をとつておりますので、遺憾ながら私どものほうとしましては、地方公務員の全体につきまして、正確な統計的な資料等を持合わせておらないというような関係等からいたしまして、結論といたしましてこれを強制適用することには非常に大きな困難性があるであろうというふうに実は考えておるわけであります。ただ年金制の特質上からいたしまして強制適用が不可能だからといつてそのままにしておくことにも問題があろうかと思いまするので、地方自治法の精神を侵害しない程度におきましていわば一種の任意包括加入というような道を開くようにいたしたら如何であろうというような考え方をもちまして、目下準備を進めておるような状態でございます。
#79
○野本品吉君 只今の問題は地方自治庁等におきましても、もうとつくに心配しなければならない問題であろうと思つておるのですが、地方自治庁との話合と申しますか、総合研究と申しますか、そういうことをお進めになつておられるのでございますか。
#80
○説明員(山口酉君) 地方自治庁のかたとも事務的には十分に連絡をとつておるのでありまするが、御承知の通り地方自治庁自体も昔の内務省とは違いまするので、地方公務員について頭から強制的なものをやつて行くというようなことに困難性があるやに伺つておりまするので、事務的には十分に連絡をとりつつ案を進めております。
#81
○野本品吉君 それからもう一つお伺いしておきたいのですが、国家公務員法の百八条によりますと、まあ退職当時のいろいろな条件に応じて、生活を営むことができるだけの所得を与えることを目的としなければならん、こう言われておるのでございますが、このことは、何と申しますか、生活費と申しますか、物価と申しますか、そういうものが上昇して来た場合に、今までの恩給法のそのときそのときの改正によつていわゆるベース・アツプと申しますか、スライド・アップと申しますか、そういうことを行なつて来たことと、まあ深い関連を持つておると思うのですが、そこで私は生活を営むことのできるだけの所得を与えることが目的ということになつて参りますと、当然スライド・アップの法文化というようなことによりまして、そのつどつど政府も国会も又それを受ける者も大騒ぎをしなければならないというような事態を避けなければならん。かように考えたのですが、この点についての考えはどうですか。
#82
○政府委員(浅井清君) 只今の仰せの点は相当大きな問題だろうと思います。国家公務員のベース・アツフの度ごとに恩給の金額が自動的にスライドして行く。こういうことになりますると、又一方において財政上その他いろいろ問題があると思つておりますので、この点は慎重に考えたいと思つておるのでまだ結論に産しておりません。
#83
○野本品吉君 今の総裁のお話によりますと、それに対しては相当慎重にかまえなければならん。大体そういう表現を用いられたときは今までの役所の人のお気持はやる気がないときにそういう表現を用いられるのですが、若しそうだとすれば私は一つ言つておきたいことがある。それは当然なすべきときにスライド・アツプしないということは、物価の下落、生活費が低下して行く場合、これはいつも俸給その他のスライド・ダウンを考える。アップを考えるときにはいつもダウンも含めて考えなければならん。そしてアップをするべきときにしないということはダウンすべきときにダウンしない。こういうことの裏付けになると思うのであります。この点についてはもつと十分お考え願いたいのですか、如何なものでございますか。
#84
○政府委員(浅井清君) よくその点は考えたいと思うのでありまするが、これはよほど大きな問題になるだろうと思いますので十分慎重に考えたいと思います。
#85
○野本品吉君 最後にもう一つ伺つておきたいと思いますが、それは私らどうも恩給の問題を単にふやせふやせということでなしに、結局公務員は国家公務員法に規定しておりますように仕事以外のことを考えてはいけないのだ、それから仕事以外の事業も営んではならんのだ、政治的にもあくまで制約を受ける、そういうようなことになつてみますと、この退職年金の問題というものはよく考えて行かないと公務員精神のし緩、それから起る、先ほどもこの委員会で問題になつており又どこでも問題になつております汚職、涜職というようなことも派生して来る場合もあるので、現職中の給与の適正化、退職後の生活の保障、この二つの条件を整えることなくして、ただ職務に専念せよとか或いは私企業から隔離するとか政治的な自由を拘束をするとかいうことをしたのでは、いわゆる公務員制度の窮極の理想を実現することはできない。むしろ難きを強いるということになつて来ると思うのですが、現職中の給与の問題と同じようにやはり退職後の生活の問題について、全公務員のためにできるだけ親切にお考え下すつて、そして日本中のあらゆる職務における公務員が一〇〇%全体の奉仕者としての務を果すような境地を打建てることに、総裁としての最善の努力と深い考慮とをめぐらして頂きたいと思うのでありますが、これらのことについてお考えを、
#86
○政府委員(浅井清君) 御 意見実に御同感の至りでございまして、我々といたしましては御趣旨の線に沿うて努力をいたして参りました。実はこの恩給制度で一番問題になりますのは社会保障制度との関係でございますが、我々といたしましては、国家公務員法の規定に基き、現恩給制度というものを確立いたしたいと思つて勧告の準備をいたしておりますのも、只今申されました御趣旨に沿うということにほかならないのでございますから、そのつもりで努力いたしたいと思います。
#87
○野本品吉君 今社会保障制度のことが出ましたが、私伺い落したのですが、私も世間往々にして、社会保障制度の実施によつて、公務員制度と表裏一体の関係にあります恩給制度を否定し、或いはこれを排除しようというような、私どもから言わせれば間違つた考え方をする向きが相当あるように思うのでありますが、これは社会保障制度がいかに広範に実施推進されましても、退職年金制度であるとか恩給制度というものは公務員制度にもうひつついて離れないものだ、又そういうものでなければならんとかようにまあ考えておるのですが、この点についてのお考えは如何ですか。
#88
○政府委員(浅井清君) それはお答えいたすまでもなく御同感でございます。
#89
○松原一彦君 野本氏の質問で大体尽きておりますが、一つ私は疑問があります。これは恩給制度、退職年金制度というものに伴つての、年金でない一時金というものがある。現に恩給では一時恩給と称しておりますがこの制度と、今現に行われておる退職金制度、年金条件の最短年限に達しない者に、現行法では一時恩給というものがあつて、なおそのほかに別系統として多額の退職年金制度というものがいつの間にか発生して、最初は閣議の了解事項的なものであつたのがだんだんこう具体化して来て今では非常に大きなものになつているが、この点に対してこの二重建を総裁はいかにお考えになつておりますか。
#90
○政府委員(浅井清君) 私どもといたしましては、いわゆる現行の一時恩給というようなもの、これを制度の中に入れたいと思つております。そこで問題となるのは同じような一時退職金の性質を持つておるところの現在の退職手当というものでございますが、この関連はお示しのように十分考えなければならないと思つて目下検討中でございます。
#91
○松原一彦君 受ける側から見れば成るべく多く受けるほうがいいのでありますが、日本の財政の現状から言いましても、又過去、現在、将来にわたつて考えたときに不公正なことがあつてはいけないと思うのです。例えば最近における退職公務員の実例で、東京都あたりでは小学校の校長でも退職手当として二百万円もらう。そして恩給として年額二十数万円もらう。これは私は受ける側から見れば実にいいものでありますが、ここ数年前に退職した者などは非常な不満を持つ、遡つて我々の退職手当をよこせといつたような小言をつい言い出す者もないではない。これはこういう二重建はよろしくないと思う。現に今あるのですが、総裁、人事院としてはこれをどう御覧になつておりますか。
#92
○政府委員(浅井清君) それは実は人事院といたしましても、大いに問題にいたしておる点でございますが、この二つをどう考えるかはまだ結論に達しておりません。
#93
○松原一彦君 それで伺いますが、今の退職手当と称するものは一体今日予算面に現われた年額は幾らになつておりますか、国家公務員で。
#94
○説明員(慶徳庄意君) ちよつと今材料を持つて参りませんでしたので、年額がはつきりいたしておりませんが相当な額になるものと思います。
#95
○松原一彦君 それでは一つ慶徳次長にお願いしておきますが、この退職手当の沿革とその予算面に現われたる沿革、現状ですね、これを一つ資料としてお示して頂きたい。私どもは大いに検討したい。無駄があつてはならない一非常に大きなそこにふくらみがあるように思うのです。巨額のふくらみになつておるように思うのです。そうして、一方においては極く古い時代の、いわゆる不均衡といわれた古い時代の退職者の退職年金が、まあ非常に低いままに放置せられ、そのスライドが始終停滞がちで、現に昨年の十一月のベースアップ以来本年の十月までストップだ。ここに差を生じておる。一方には現職の公務員はどしどしその期間に退職しては数百万円の退職手当と、数十万円の恩給がびしひしその率によつて上つてついて来る。そこに大きな不均衡を生じ開きがある、こういうことは私は正しい政治ではないと思うのです。その過分の給与があつてはならない。と言うて不公正なる給与があつてもならんと思いますので、この点は一つ大いに研究したいので資料を御提出願いたいと思います。
 それからなお野本氏が申されましたように、この委員会では明年の三月三十一日までの手当をして、先般の元軍人の恩給の一部が復活した者に対する法律案を可決いたしておりますが、四月一日からは公務員退職年金制度が出るものという固い希望的見通しをもつてやつておりますのでこれは一つ速急に御提出頂きたい。私ども念を入れて一つ協賛いたしたいと思いますが、但しまあ人事院からお出しになるのは政府、国会への御勧告であります。政府がこれをどういうふうにして提案するか、若し政府が出さなかつたならば議員提出にするか。併し、大きな予算を併うものでありますから、御承知のように大蔵省には前からの関係がある。又恩給局の職員というものはもう行政機構からいえば実は人事院に移らなければならない。これももう数年間中ぶらりんの姿である。又今回四百五十億の大予算を盛り上げた一部軍人の恩給の復活というものは、世間では恩給法を改正して軍人の恩給が帰つたようにいいますけれども、これはもう御承知のように、国家公務員の現行恩給法は軍人の軍の字も書いてありません。ただ附則の経過規定の中で今回限りの特例的に今回は扱つております。これはあとを根をひかんものである。これは特例的なものと私は見ておる。即ちあれははつきり申せば恩給特例法であつたと思うのですが、いかにも国家公務員恩給法を改正して軍人恩給の復活を図つたようであつて、それが再軍備の呼声をもひき起しているけれどもこの誤解は解いて、これは今回限りの特例法であつたと私は見ておるのでありますが、総裁どうでしようか、御所見を。
#96
○政府委員(浅井清君) この軍人恩給のことは我々の所管でございませんので、人事院としても意見を述べることはできないように思つておりますが、私どもの退職年金法案、つまり文官恩給の改正というものは只今お話のように公務員に対する恒久的な立法と、こういうことで立案をいたしております。
#97
○白波瀬米吉君 ちよつとお尋ねしますが、現在の地域給の制度というものに対して人事院としてはあれを変更されるようなお考えがあるのですか、如何ですか。
#98
○政府委員(浅井清君) これは先般来本会議においても申しましたように、人事院といたしましては将来はあれを廃止いたしたい、その方向には私どもは向つておるのでございますが、ただ問題はいかなる時期に、いかなる方法で廃止するか、これが研究すべき問題だろうと思つております。この点につきまし七は両院の人事委員会とも折衝をいたしておるのでありますが、衆議院におきましてはこの地域給をどういうふうにするかということについて小委員会等も設けられておつて研究中でございます。
#99
○白波瀬米吉君 地域給というものは現在の国会の請願、陳情あたりを見ても大部分を占めておるのですが、あれはどうも現在の制度というものは陳情してやつと認められたというとそれに対照して隣接地帯が又上に上つておる。こういうことは際限がないことであつて、何かこれは将来なんと言わないでもう少し早く何か考えられることが必要じやないかと私どもは考えておるのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#100
○政府委員(浅井清君) 将来と申しましたのはただ漠然と言つたわけではなくて、それはでき得べくんばごの次の国会にも考えたいと思つておりますが、ただ問題はどうしてなくすかという問題になつておるわけでございます。只今一万幾ら市町村がありまして、そのうち三分の一の三千幾らが地域給をつけておるということでございます。そこでもうそういうふうになりました以上は、これは地域給を成るべく廃止する。ただその廃止するのにただ切つて捨てますと減俸になつて来るので、先ず只今のところの多数のかたがだの意見としては、これは本俸に組入れる段階に縮めるという方向に向いておるのでございますが、ただ只今の五段階を四段階にいたしますと恐らく三、四十億円の予算がかかります。若し二段階まで廃止いたしますと百数十億円の予算がかかります。つまり全部のベースアップをすることになりますから、そこで而もその大部分は地方公務員のべースアツプになつて参ります。現に国家公務員は九三%が何がしかの地域給のつく所におりますので、国家公務員だけにつきまして一級地を廃止することは極めて容易でございますが、問題は地方公務員が全部これにならつておる。つまりそれだけ平衡交付金が計上されてあるというところに問題が多いように思つております。
#101
○松永義雄君 私この間機関士の不健康な状態とそれから来る影響について、あの改正の結果機関士の勤続年数ですかが十七年に及ぶかたが非常に少くなつておるという結論を得たのです。もとより気の毒なことは言うまでもないのですが、これは感情的な点ばかりではなく事実上下健康な状態で呼吸器病とかその他の病気にかかつて勤められなくなつている。勤めれば死んでしまうし、十七年に達するまで勤める人は非常に少くなるといつたような、いわゆる不健康状態で、気の毒だとか気の毒でないということばかりでなく、事実上もらえないような長い年限にしたということが、我々のほうから言うとこんなものはただ法律の上に書いてあるだけで事実上もらえないのじやないか、そんな規定を置いてもしようがない。そういう改正をしてもしようがないということになるのですけれども、そういうもらうものは極めて少くなるということを承知の上でああいう改正になつたということは、先ほど野本さんのおつしやつた機械的な改正であるから、だからそういう結果になつたということになろうかと思うのですが、そういう事実はお認めになるのでしようか、計数的に、数字的に。
#102
○説明員(慶徳庄意君) 只今の御質問の問題は、非常に問題があることは私どもも十分それは承知しておるわけであります。ただ先刻野本さんにお答えいたしましたように、丁度地方公務員の場合と公共企業体との場合は全く同じような立場でございまして、私どものほうはやはり国家公務員だけが所管なものでございますので、更に機関士、乗務員の実態その他につきましては、まだつぶさに検討いたしていない現状でございます。従いまして問題のあることは十分知つておるのでありまするが、権限外でございまするので遺憾ながら只今の御質問のような、果してそれに妥当するかどうかというような問題になりますると、人事院の立場としてはお答えしにくいというようなことになろうかと存じます。
#103
○松永義雄君 とおつしやいますと、どこかでその欠点を補充しなければならないということになろうかと思うのですが、その補充の方法にいろいろあるのじやないかと思うのです。先ほど、野本さんのおつしやつた点、新恩給法はいつ出るかというようなことがあるでしようし、いろいろなことから考えられると思うのですが、ただ私はあなたに申上げたいことは事実上もらえなくなる。それでは何のための法律であるか、何のための規定であるか、それなら設けないほうがいいじやないか。これは少し極論になつてしまうがそういう結果に陥る、と極言していいくらいに事実上もらえなくなる。そういう状態にある人たちだという点だけは一つお認めになるということにしても、それから先の、どうしたらいいかということは別の方法として、次長さんの機関士の諸君におつしやつた中に、機関士の諸君が誤解している点もあるかも知れませんが、相当次長さんに対しては言われたとか言つて……。
#104
○松原一彦君 関連して。それは機関士のほうは本当を言うと公務員じやないから現恩給法の外にあるのだけれども、適用してあるずつと以前から継続している危険なる業務に従事する者はという条項ですね、危険なる業務に従事する者に対しては将来設けらるる退職公務員制度の中にも特殊な考慮が払われますか。こういうふうにお尋ねすればあなたのほうでは御返事ができるのじやないかと思うのです。如何ですか。
#105
○説明員(慶徳庄意君) 只今の問題は、不健康或いは不健康業務の問題こ思うのでありますが、これも非常にデリケートないろいろな問題もありますので目下検討中でございます。
#106
○松原一彦君 もう結論は出していられるでしよう。
#107
○松永義雄君 僕はそういう状態になつているかということをお認めになるかでいいのです。その先の結論はいろいろ方法があるかと思うのですが。
#108
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕

#109
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
#110
○野本品吉君 恩給に関しまする国会の論議が非常に活発になつて来ておりますし、私は退職年金、恩給の問題につきましては、国会の論議どころでなしにすでにその前にちまたの一つの議題になつておるような状況ですから、従つてそれらの影響その他を考慮されまして、今のような具体的な問題についての御発表に対して極めて警戒的である気持は私には一応わかるのです。併し一般の論議が盛んになつて来ただけに、特に私の希望いたしますことは、ややもいたしますと、恩給或いは退職年金の本質というものを理解することなしに、いろいろと公務員に退職年金を出すならば百姓にも出せというようなことで、俗論が横行する傾きが多いと思います。そういう俗論が世間の退職年金、恩給等に対する考え方に支配的な力を持つて来る場合がある。このことを私は非常に警戒しなければならないことだと思つておりますが、そこで特に人事院の現在構想されておる退職年金制度というものはこういうものだということを、理念なり内容なりにつきまして十分一般の者に正しく理解され協力をされることは人事院のお考えになつておりますことがすなおに国会に受入れられ、大衆に受入れられる意味において非常に大事だと思う。かような意味において役所の中でこつこつ非常に詳細ち密な検討を進められると同時に、外部に対し退職年金制度の正しい理解認識を与えるための広報活動と申しますか啓もう活動と申しますか、それをあらゆる機会と方法をとつでやつて頂きたいという私は希望を持つておるわけであります。そのことについてどういうふうな何かお考えがありますか。
#111
○政府委員(浅井清君) 御尤もでございまして私どももそのように考えておるのでありますが、先ずともかく最後案を決定いたしまして、それから一つ野本さんなどの御協力を得ましてそういう方向に向いたいと思つております。
#112
○野本品吉君 今までいろいろとお伺いしましたが、いずれにいたしましても総裁ができるだけ早い機会に人事院の研究の成果を国会と政府とに報告するという公務員法の義務に対して熱意と誠意とを持たれておりますことを私は感謝いたします。同時にこの問題は先ほど申しましたように、過去、現在、将来の公務員にとりましては極めで切実深刻な問題でありますので、できるだけ公正妥当な結論を発見して発表されますことを期待いたしまして私の質問を終ります。
#113
○委員長(小酒井義男君) ほかに御発言がありませんので、これで質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(小酒井義男君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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