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1953/05/27 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 地方行政委員会 第2号
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1953/05/27 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第016回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十八年五月二十七日(水曜日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
   委員
           伊能 芳雄君
           西郷吉之助君
           小林 亦治君
           島村 軍次君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           八木 幸吉君
           加藤  完君
  国務大臣
   国 務 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   国家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
   自治庁選挙部長 金丸 三郎君
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   自治庁財政部長 武岡 憲一君
   法務省刑事局長 岡原 昌男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  参考人
   警視庁刑事部長 古屋  亨君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方財政暫定計画に関する件)
 (今次選挙の管理並びに取締状況に
 関する件)
○議員派遣要求の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 本日は、公報でお知らせいたしましたように、先ず地方財政の暫定計画について、政府側から説明を聴取することにいたします。
 本日は、新任せられました地方自治庁長官塚田長官が見えておられますからして、新任の御挨拶がある予定になつております。自治庁長官塚田君に発言を許します。
#3
○国務大臣(塚田十一郎君) 大変遅くなりまして、誠に恐縮に存じます。このたび計らずも私が自治庁長官の任を拝することになりまして、いろいろと皆様方に又お教え願わなければならない点も多々あると存じますが、今後ともよろしくお願いいたします。
 本日は、皆様方の御日程では、六月の暫定予算の説明をするようにということでお呼出しを頂いたようにあるのでありますが、何にいたしましても着任早々でありますし、私が着任いたします前に、もうすでに事務当局で考えて作つておいてくれた案なのでありますので、私から御説明申上げるよりも、政府委員から御説明申上げるほうか御了解が早いかと存じますので、そりように計らせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#4
○委員長(内村清次君) それでは武岡自治庁財政部長から御説明を願います。
#5
○政府委員(武岡憲一君) それでは昭和二十八年度の地方財政の四月から六月の三月に亘ります収支の見込みにつきまして、概要の御説明を申上げたいと思います。お手許に提出してございます資料に基きまして御説明を申上げます。
 本年度の四月から六月までにおける地方財政の収支見込みは、結論から先に申上げますると、支出の総見込額が二千六十三億六千六百万円、それに対しまして、歳入のほうは千九百六億四千二百万円でございまして、差引き歳入不足が百五十七億二千四百万円ということになる見込みでございまするが、これに対しまして、政府の資金運用部の資金百六十億円を融資することによりまして運営をやつて参りたいと、かような大体見通しになつておるのでございます。以下各項につきまして算定の基礎を申上げたいと存じます。
 先ず歳出でございまするが、歳出のうち、これを経営的経費と臨時的経費とに分けて算出をいたしております。経営的経費のうち、給与関係の経費でございまするが、この給与関係の経費を四月、五月分で四百三十七億三千二百万円と算定をいたしております。が、これは給与関係の年間の所要経費のうちから四月、五月において支払う、支出する必要のございませんところの期末手当、或いは勤勉手当、寒冷地手当、石炭手当というようなものを除きました額の六分の一の額を見込んだものでございます。但し、恩給に関しまする経費は、経費の性質上支給期日が毎四半期ごとになりますので、その四分の一の額を見込んでおるのでございます。それから、同じくその給与関係の経費を六月分は二百九十八億四千五百万円と見込んでおりますが、これはやはり給与関係の諸経費のうちから期末手当、或いは寒冷地手当等を除きましたものの十二分の一の額、それに六月において支出を要しまする夏期手当といたしまして〇・五カ月分を、これを加えまして計算をいたしたものてございます。それから、次は教育委員会に要する経費でございますが、これは昭和二十八年度におけるその関係の経費の年間の所要見込額は大体二十四億九千七百万円となつておりまするが、そのうちの六分の一の額を四月、五月において計上をし、十二分の一の額、即ち一カ月分だけを六月分に計上いたしたものでございます。それが四月五月において四億一千六百万円、六月において二億八百万円、かように見込んだものでございます。その次の恩給の特別措置に関する法律施行に要する経費、これは昨年この法律が制定せられまして、本年の一月から実施せられておるのでございますが、これに伴いまする経費の支出がこの昭和二十八年度から始まるわけでございます。この関係の経費は年間大体約十億程度を必要とするのでございますが、そのうちの第一四半期分に支出を要します分を二億六千八百万円、大体四分の一程度に見込みまして計上いたしておるのであります。これは経費の性質上六月にはその必要がないわけでございます。その次は義務教育費の国庫負担金を除きましたその他のいわゆる普通補助金に伴う支出見込額でございます。これはあとの説明資料にもございまするように、先の四月五月の暫定予算におきまして計上せられましたこの関係の一般の補助金が九十七億七千七百万円ほどございまするが、それに対しまする地方負担額が四十一億五千四百万円、合せましてこの関係が大体百三十九億ほどになるのでございます。これに更に児童保護費、児童保護に関する事務が、二十八年度からはこれに要する経費が国庫負担制度と相成りまして、八割を国が負担することになつたわけでございますが、その関係の諸経費が歳出額といたしまして約十三億ほどございます。これをその今申しました百三十九億に加えまして、総額を百五十二億四千百万円と算定をいたしたのでございます。六月分は、今回国会に政府から提案をいたしておりまするいわゆる六月分の暫定予算によりますると、これに該当いたしまする普通補助金の額が四十一億八千四百万円と相成つております。これに伴いまする地負担額が二十億八千万円という計算なりまするので、合せまして六十二億六千五百万円、これを支出額として六月分に掲げた次第でございます。それからその次の公債費でございまするが、公債費は四月五月におきまして二十億二千二百万円、六月におきましては二億三千百万円というふうに減つておりまするが、これは四月五月におきましては、昭和二十五年度に預金部から借入れました資金の償還費が五月に一部償還をいたさなければならないものがございまするので、その償還見込額を合せて計上いたしております。その関係で四月五月におきまする公債費がやや多くなつておるのでございます。六月におきましてはそういう特殊関係がございませんので、一般の利子の支払い、償還分等を計上しましたので、二億三千百万円と掲げたのでございます。その他の経営経費でございますが、これは四月五月におきましては年間所要額の大体六分の一の額、それから六月分におきましてはその半額、即ち十二分の一の額を掲げてあるのでございます。
 以上が経営的な経費でございますが、次に臨時的経費について申上げますると、先ず公共事業費におきましては、四月五月の暫定予算に計上されましたところの補助金、それに伴いまする地方負担額それをそれぞれ計算をいたしまして、この見込額を出しておるのでございまするが、その内訳は備考の説明資料にございまするから、詳細はそれを御覧頂きたいと思います。それから六月分の計算につきましても同様でございまして、これはやはり今回の国会に提出いたしておりまする六月暫定予算に計上せられておりまする国の補助金、これを基礎といたしまして、地方負担分を計算いたしたものでございます。それから失業対策事業費もやはり同様でございまして、四月五月分の暫定予算に計上せられました予算額が補助金において十四億三千万円になつておりまするが、それに地方の負担額を加えまして、二十五億八千万円、六月分におきましては今度の予算に盛られておりまする予備金が七億四千万円ございまして、それに見合う地於負担は五億二千二百万円、合せまして十二億六千二百万円の計算になるわけでございます。最後の単独事業費でございますが、これは昭和二十七年度の地方財政計画に見込んでおきました単独事業費が五百十三億ございまするので、その額の一応見込といたしまして、その六分の一の額を四月五月の暫定計画の中に見込んだのであります。六月分におきましては、その半額分、即ち総体の十二分の一の額を計上いたしまして数字を出したわけであります。以上によりまして歳出の総額が二千六十三億六千六百万円ということになる見込でございます。
 次に歳入でございまするが、先ず地方税、これは四月五月並びに六月、それぞれの各月におきまして、大体収入し得る見込の税収を各税目ごとに見通しを付けまして計上いたしてございます。次の平衡交付金でございますが、四月五月におきましては、百八十七億円を暫定予算に計上いたしまして御承認を頂いたのでございます。その算定の根拠でございまするが、これは説明資料にございますように、先に昭和二十八年度の一応の地方財政計画を算定いたしました際に、義務教育費の国庫負担制度を実施いたさなければ、平衡交付金の総額が大体千七百二十億円必要であるという計画を立てておりました。これによりまして、本年度から御承知のように義務教育費の半額国庫負担制度が実施されることになりましたので、それに伴いまして、この見込んでおりました千七百二十億円の平衡交付金の中から、国庫負担金のほうに廻すべき額を五百億円と算定をいたしました。それを差引きました千二百二十億円が二十八年度の平衡交付金の総額の見込額、かように見込みまして、その額の中から普通交付金の率でございまする九二%、それの六分の一の額、こういうことで百八十七億というものを算定いたしたのでございます。それから六月分といたしましては、ここに二百八十億円を計上いたしておりまするが、これはこの今回の収支見込みによりまして、四月から六月までを通じまして、歳出に対し地方税、国庫負担金補助金、それから或いは地方債、まあ雑収入というような各財源を見込んで参りますると、差引二百八十七億ほど不足になる。こういう数字が六月末の数字として出て参つておるのでございまするが、それに対しましてたまたま千二百二十億円を年間の平衡交付金の総額といたしますと、それの普通交付金の四分の一の額というのが丁度この二百八十億円に該当するわけでございます。そこで普通交付金といたしましては、四分の一の額即ち二百八十億円を計上いたしまして、更にあと足りません分は短期融資の追加によつて賄つて行く、こういうような計画で以てここに交付金二百八十億円というものを計上いたした次第でございます。次の国庫支出金でございますが、これは四月五月分並びに六月分、いずれも暫定予算に計上せられておりまする額でございます。それから地方債でございますが、これは四月五月の計画におきましては見込んでおりません。御承知の通り年度当初におきまして長期債の借入は例年ございませんので、当初においては計上いたさなかつたのでございますが、六月分といたしましては約三十億円ほど長期債を見込んで計画を立てたいということで、この三十億円だけここに計上いたしているのでございます。それから雑収入でございますが、雑収入のうち四月五月分の使用料、手数料を四十九億五千三百万円を算定いたしておりますのは、これは年間における使用料手数料の収入見込みの六分の一の額を計上したものでございます。それから雑入を四十九億九千百万円と見込んでおりまするのは、これは雑入は、その収入の性質上、年度当初から全額が入るというわけにも参りませんし、季節的な関係もございまするので、当初の四月五月分におきましては二カ月でせいぜい総体の一月分くらい入るのではないか、まあ一応の見込みでございますが、さような意味合いで総額見込の十二分の一の額を計上いたしております。六月分におきましては、使用料、手数料はやはり十二分の一の額、それから雑入におきましても、すでに年度から三カ月目でもございまするので、大体この程度の雑入は得られるのではないかということで、やはり同じく一月分を見込んで計上いたした次第であります。
 以上によりまして歳入の総額が千九百六億四千二百万円と相成るのでございまするが、このように収入と支出を見込んで参りますると、四月五月の分といたしまして、大体計算上二百二十億円ほどの四月五月末におきましては歳入不足になるという見込みの数字が出て参つておるのでございまするが、これに対しまして政府におきましては、政府資金百五十億円の短期融資を以て引当てるごとにいたしておりまするので、各地方団体におきましては、団体がそれぞれ従来から行なつております。る市中銀行その他からの借入れと、更にこの政府資金の短期融資の借入れ、これによりまして今日地方財政を運営しておるというような状況でございます。で、六月におきましては、只今提出いたしておりまする暫定予算案を御承認いただきますれば、これによりまして地方に対して平衡交付金が二百八十億円、その他の国庫支出金が二百二十億円程度交付されることになりまするし、更に政府資金のうちから長期債として三十億円、短期債として十億円がそれぞれ引当てになる見込みでございまするので、これに地方税その他の実質財源を徴収して参りますれば、大体これによつてここに掲げておりまする程度の支出につきましては、地方財源と政府からの賦与財源並びに政府資金によりまして引当てができる、かような一応見込みになつておるような次第でございます。
 以上概略でございまするが、大体御説明申上げた次第でございます。
#6
○委員長(内村清次君) 御質問ありませんか。
#7
○若木勝藏君 私は六月の暫定予算に対する質問の前に、丁度大臣がおいでになりますから、大臣に対して簡単に質問したいと思うのでありますが、暫定予算のために地方公共団体が財政上非常に困惑しておるということは、もう御承知の通りであります。併し従来から考えて見まするというと、ただ単に暫定予算のためにということばかりでなしに、非常にこれは地方財政は窮乏しておつた。私の知つておる限りにおいても、各地方とも非常に困つておる。それで問題はなぜそういうふうな一体地方財政が困るのであるか、この問題につきまして、或いはいろいろこの地方財政に関する制度上の問題もあるかも知れませんが、大きな問題としては、私は政府のやり方がいわゆるこの地方財政の計画の規模を圧縮して、国家財政の規模を拡大して行くような傾向があるのではないか、そういうふうに考える。いわゆる戦時中におきまして極端な方向にそれが進んだと同じような傾向が現在においてありわしないか、そういうところに大きな原因があるように思うのであります。地方財政委員会を廃止したという問題も、私はそこにあるかと思うのでありますが、更にそれらは地方財政ばかりでなしに警察法にしても或いは選挙法にいたしましても、或いは東京都におけるところの区長の任命問題につきましても、全部それらが相関して、そういう中央集権の方向に走つておるような状態があるのであります。そこに私は大きな原因があると思うのでありますが、そこで今御説明になりました短期融資によつてこれを補うとか、或いは起債によつてこれを補うとかいう、そういう一つの場当り的と言えば失礼に当るかも知れませんけれども、余りに局部的な問題で以て進めて行つても、根本的な解決はできないのであります。そういうことに関しまして、今回塚田大臣が新らしく就任されましたので、新らしい感覚と観点からこれに対してどういうふうな御所見を持つておられるか、構想を持つておられるか、この点について伺いたい。
#8
○石村幸作君 ちよつと御説明を聞きますと、質問したいようなこともたくさん皆さんおありだと思いますが、今日は一応政府側の説明を聴取するというので、自治庁関係その他大分ここにあるんですが、一応説明だけをずつと聞いて、それから質問をするというふうにしたら如何でございましようか。
#9
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#10
○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。
#11
○国務大臣(塚田十一郎君) 只今若木委員から御指摘且つ御説明頂きました点につきましては、私も全く同感なんであります。殊にこの地方財政の窮乏というものは、もうだんだんとひどくなつて参つておりまして、私の考え方といたしましては、もうこれ以上放つて置くわけに行かんじやないか。ただ暫定予算は予算の性質上、暫定的なものでありますので、只今御説明申上げましたような形のものになつておりますけれども、地方財政全体の二十八年度の予算におきましては、これは余ほど考えなければならない点がたくさんある、こういうように考えておるわけであります。ただ地方財政がこのように窮乏して参りました原因は、地方財政を圧縮して国家財政を膨脹しているというようにお感じになつておるという御意見でありますけれども、私は実はそのようには思つておりませんので、政府の近年の考え方と申しますものは、財政は地方も中央も共に圧縮するという方向で強い努力をいたして参つたことは御存じの通りであります。ただその努力が十分実を結んでおらない点は確にあるのでございますが、その考え方としてはそのようにやつております。地方財政も、できますならば今後とも圧縮して参りたいという考え方には変りはないのでありますが、併し今の状態を、それだからそのまま放つて置いて、財源をこのままにしておいて、それに合うように地方財政の歳出を詰めて行くというような考え方で解決方法をもつて行くわけには参らないのじやないか。そこでこの問題をどういう方向で、どういう形で解決するかということになりますと、これは非常にむずかしい問題であるように私にも思われますので、ただ足りないからして財源を与える。而もその財源の与え方は地方の個有の財源、つまり税その他の財源を与えるという形でするか、国から平衡交付金を増額するという形でするか、非常に問題があると思うのでありますし、更に又足りないから今後幾らでも財源を考えてやるという形だけで行く場合に、それでなくてさえ地方財政がだんだんと膨張する懸念があります今日の際に、それをどこでチエツクして行くかという点も考えておかなければならん。そういうように考えますと、これは地方財政の窮乏を解決する方法というものは、結局地方制度全体の解決策を考えた上で、その一環として地方財政の窮乏というものを解決して行く、こういうように持つて行かなければならんのじやないかと実は考えておるわけであります。そういり意味におきまして、大体只今地方制度調査会が鋭意御研究をして頂いておるのでありますから、その結論を待ちまして、その意見を十分参酌して成るべく早く実は解決点を、解決の構想を得て今日の地方財政の窮乏を解決したい、こういうように考えておるわけであります。
#12
○若木勝藏君 大体の構想についてわかつたように思うのでありますが、今の地方制度調査会の結論を得てということは私は非常にいいことだと思うのでありますが、併し従来そういうようなふうにその結論を得てということを言われますけれども、なかなかそれがいつになるものか、何年後になるものか、そういうふうなものが多かつたのでありまして、その点は十分一つ大臣におかれましても早い機会に結論を参酌してそういう面を解決をしてもらう、こう考えております。
 差当つて、この平衡交付金の問題についてどういうふうにお考えになつておりますか、この制度について……。それから地方の住民にもその他まあどういうふうにして財源を与えるつもりでありますか、これらの点について若しお考えがありましたら併せて伺いたい、こう思います。
#13
○国務大臣(塚田十一郎君) 何にいたしましても着任早々でありますので、個人としての意見は持つておりますが、まだ庁内でも意見調整をいたしておりませんし、従つてこれから申上げることは私が個人としてそういう考え方であるのである、勿論個人としてそう考えておりますことは、私が長官に就任いたしました以上は、その考え方が新らしい制度の上になにがしかは必ず織込まれることになるとお考え頂いていいと思うのでありますが、そういう意味におきまして実は私は平衡交付金の制度というものにはやはりかなり疑点を持つておる面があるのであります。それはまあ平衡交付金制度は御承知のようにシヤウプ税制勧告の際に取入れられた制度なんでありますけれども、非常にいい点がたくさんあると同時に、この考え方を強く推して行きますと、どうしても地方財政をどこかで支出が厖大になるものをチエツクする機構と併せて持つて行きませんと、却つてマイナスの面が出て来る虞れがあるのじやないか、こういうように考えております。従つて私は今後地方財政の窮乏を打開する方法としては、考え方の方向としては、やはり独自の財源を余計与えるという工夫をするのが考え方の筋ではないか。そうなれば従つて平衡交付金は或いはこれよりも減らすということになりますか、或いは減らさんまでもこれ以上殖すということがないという形になりますか、まあ考え方としてはそういうような実は考え方を持つておるわけであります。それでは独自の財源を与えるとして、一体どんな財源があるのかというお尋ねがきつとあると思うのでありますが、これはなかなか国税との睨み合いで、いろいろ私も考えてみておるのでありますけれども、そう簡単にはうまい財源かあるとは実は思われない。殊に地方税というものはよほどうまく考えませんと、地域的に非常に偏在するものが多うございますから、その面から又地方財政の困難が出て来る。そうすると偏在しない地方税というものにはどういうものがあるかということになると、なかなかむずかしいとは思つておるのでありますけれども、併しむずかしいからといつて放つておくというわけにも行かない問題でありますから、場合によつては国税のほうは減税をししも地方税に独自の財源を与える。そして平衡交付金は余りこれから殖やさないというような方向へ持つて行つたならば、現在の地方財政の窮乏を、いろいろな欠点を補ないつつ何とか直して行けるのではないか、こういうように実は考えておるわけであります。
#14
○委員長(内村清次君) 他にありませんか。……それでは次の議題に入つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#15
○委員長(内村清次君) それでは次に今次選挙につきまして管理及び取締の面から見たる実施状況及び結果について政府当局から説明を聴取することにいたします。自治庁の選挙部長の金丸部長から……。
#16
○政府委員(金丸三郎君) 過般行われました衆参両院の選挙につきましては、大体はすでに御承知かと存じますので、委員長からお話のございましたように私のほうは管理でございますので、その面から御説明を申上げてみたいと存じます。
 先般の選挙は解散が突然でございましたので、選挙の執行の経費につきまして昨年末公務員の給与ベースの改訂がございました関係上、職員に支給いたします超過勤務手当の基準を増額する必要がございましたので、緊急集会に必要な法律の改正をいたすように法律案を提出いたしまして可決を見たのであります。それに伴いまして衆参両院合せまして約二十九億の予算を以て執行いたしました。解散がございましたけれども、幸いにと申しますと語弊がございますが、とうとう選挙法の改正がございませんでした。直前に選挙法の改正がございますと、北海道から九州、殊に離島まで法律案を周知徹底させます上に、非常に混乱を伴うのでございます。今回はそれがございませんで、昨年の十月の総選挙の経験を活かして、先ず府県、市町村とも昨年の十月の職員の陣容を以て選挙に臨むことができましたので、私どもといたしましても非常に安心をしていたしたのでございます。そういう関係上、衆議院と参議院、殊に参議院は全国区と地方区の両方でございましたから、実質上から申しますと三つの選挙を行つたわけでございますが、一般に惧れられておりましたような演説会場の問題とか、或いはビラを衆参両院の候補者の関係で強要されるとか、或いは新聞広告とか演説会等いろいろの混乱が予想されたのでございますけれども、全国的に殆んどそのようなことも聞きませんで、円滑に事務の執行はできたように存ずるのであります。ただ昨年の十月の選挙から余り間を置かないで行われましたことと、衆議院の選挙の後に参議院の選挙が行われましたことが主な原因であろうと存じますが、衆議院の選挙におきましても、参議院の選挙におきましても投票率が前回よりも下廻つたのであります。
 それから私どもの関係といたしまして、いわゆる公明選挙運動というものが昨年に引続いて行われておりますが、総体的に見ますというと、昨年よりも具体的になり、それから部落とか町内とか、そういう下部の組織まで滲透して行つたということが言えようかと思います。もう一つは昨年の選挙の際には教育委員の選挙もございましたせいか、いわゆる候補者を推薦団体で立てまして、その人を当選させようという政治活動、実質は選挙運動が若干行われました。その後各方面から批判がございまして、今回はできるだけそういうことを避けて、この運動の本来の目的である国民の政治教育ということに重点をおいて行かなければならないということに一致したようでございます。勿論一部の団体におきましては、やはりみずから候補者を立てる、或いは実質上その人のために選挙運動を行なつたということで、厳しい批判を受けているむきもございますけれども、総体としては政治教育の方向へ動きつつあるように思います。
 それから更にもう一つの今回の選挙の傾向といたしまして、一面に同情票が多かつたと言われておりますけれども、相当な政治的な自覚或いは批判というものを持つて投票するようになつて来たということが言い得るのではないかと存じます。
 そのほか各投票率でございますとか、或いは投票の結果等は御存じでございますから申上げるのを省略をいたしますけれども、なおもう一つ見逃せない点は、無効投票でございます。これは我が国の選挙におきましては、大体無効投票は一%内外、達観して申しまして言い得るのでございます。衆議院の総選挙は一%に達しておりません。ところが参議院の選挙は、約九%に達しております。二十五年の参議院の通常選挙は、一〇%強の無効投票が出ております。即ち一割が無効になつておりましたのが、今回は九%弱にまでなつておりますことは、やはり国民が選挙に慣れたとか、よく考えて投票するようになつた結果だと思いますけれども、ここにやはり一つの参議院の選挙制度に関します大きな問題があるのではないかと存じます。
 最後に、総体として選挙は円滑に執行したと申上げましたけれども、個々具体的に、全国一万の市町村について事故がなかつたかどうか調べて見ますというと、まだ全部集つておるわけではございませんけれども北海道の根室とか栃木県の佐野市におきまして、候補者の氏名表、これは外に掲示する分でございますが、氏名表の党派をば間違つて掲示をした、それから立会演説会の候補者をば間違つて掲示をした、それから投票用紙を間違えて交付したというような事例が若干ございまして、この点を、私ども昨年十月の経験で、そのままの陣容で臨みますので間違いない、むしろ昨年の選挙におきましては選挙管理委員や事務職員の中に選挙運動を行つたような事例がございまして、そういう点がないように十分に注意をいたしたのでございますが、今回はそのような事例がございません代りに、全く事務上のミスをいたした例がございまして、この点は私ども申訳なく非常に遺憾に存じておるのであります。恐らく全くの過失で或いは解散から両方の選挙まで職員が、善意に解しますというと、疲れておつて、このような間違いを生じたのではないかと存ずるのでございますが、そのような事例があつたのでございます。
 なお現在佐野の事件は訴訟が提起されておりまして、現在第一回の公判がございます。訴訟のことでございますので、どうなるとも申上げかねるのでございますが、私どもといたしましては公正な裁判が行われますように必要な資料を集めておるような状況でございます。
#17
○委員長(内村清次君) それでは次に国警長官からお願いいたします。
#18
○政府委員(斎藤昇君) このたびの選挙につきまして取締りに関係をいたします概況を申述べて御参考に供したいと存じます。
 選挙の状況はかねてこちらの事務局のほうに数字の資料を出しておりますが、詳細は又他の政府委員からも御説明を申上げますが、概況を申しますと、このたびの選挙の違反件数は、お手許に差上げましたのは五月十九日現在でございまして、人員にいたしまして全国を含めまして一万八千二百六十三名ということに相成つております。これは衆議院及び参議院両方を含めた数字でございます。これを昨年の十月の衆議院議員選挙に比較をいたしますると、昨年は衆議院議員だけで四万八千人の検挙者を出したのでありますが、このたびの衆参議員両方を含めまして先ほど申しますように一万八千あまりでありますが、恐らく最後全部終了をいたしますならば、大体二万名前後ではなかろうかと考えております。それにいたしましても前の衆議院だけの四万八千人に比べまして半分にもみたない。衆議院だけをとりますると前の選挙の四分の一ということに相なると考えるのであります。この理由はいろいろございましようが、警察、検察、密接に連絡をいたしまして、この間に捜査等に齟齬のないことを期するのみならず、今回におきましても前回と同様の方針で当つたのでありまするが、一つは只今自治庁のほうから御説明がありました公明選挙運動がだんだんと軌道に乗つて来たということが考えられるのではないだろうか、とかように考えるのであります。今一つは昨年の検挙によりまして四万八千人にも達しました関係から、選挙運動に携わる方々におかれても、又一般投票をする人の側におかれても、選挙違反についての自粛が大分徹底をして参つたのではないだろうか、かように考えておる次第でございます。
 検挙件数のうちこれを種類別にいたしますと、これも表にあります通り殆んど大部分は買収でございます。衆議院においては八割五分以上買収、参議院におきましても六割五分くらいが買収という数字を示しております。今度の選挙におきましては、我々どもといたしましても、できるだけ選挙犯罪をなくする、而もできるだけ未然に防止をするということを主眼にいたしたのであります。ただ徒らに数多く検挙するというよりは、むしろ選挙犯罪が行われないようにして行くということに重きを置いたのでありますが、その方法といたしまして形式犯或いは軽微な犯罪につきましては、或いは犯罪を放つておけば相当な犯罪になりそうだというようなものは、警告を発しまして……、主として形式犯のものでありますが、形式犯につきましては、警告によりまして事前に防止をするということを行つたのであります。この警告の件数は前回に比べまして非常に多くなつております。この点は前の選挙の取締と比較をいたしまして相当効果を挙げた一面であり、又警告件数が前よりも非常に多いということが一つの特色でもあつたように考える次第であります。
 詳細につきましては御質問に応じまして又お答えを申上げます。
#19
○委員長(内村清次君) 次に法務省の刑事局長岡原昌男君。
#20
○政府委員(岡原昌男君) 私のほうの所管事項であります検察庁において今回の選挙の事犯をどのように取扱つておるかという点につきましては、昨日お手許のほうにお配りするために統計を三表ほどお届けいたしておきました。その数字に基きまして概略を御説明申上げることといたします。
 最初にこの総括表でございますが、これは今回の選挙に関連しまして、と申しますのは前回の選挙違反が、まだ若干残つておりますので、それとダブつておる面がございますが、今回の選挙だけを取上げまして、これを衆参両院に分けて比べてみたのが第一表でございます。これによりますると、検察庁の五月二十日までの受理、これが衆議院において一万八十八人、それから参議院におきまして五千三百十九人、合計一万五千四百七名となつております。更にその処分の内訳でございますが、これは衆議院の事件におきましては、公判請求をしたのが四百六人、略式請求をしたのが四百四十九名、不起訴の処分をしたのが六百七十七名で、末済が八千五百五十六名でございます。参議院のほうは公判請求は百五十五名でございますが、略式は百八名、ちよつと印刷がぽつんと点がございますが、これは百八名でございます。不起訴が四百四十八名で、末済が四千六百八名となつております。この内訳は更に細かく犯罪別に申上げるとよろしいのでありますが、大体第二表と第三表に行きまして、衆議院と参議院とに分け、買収、「その他」の事犯俗に形式犯といつておるのが中心でございますが、「その他」の事犯と分けました。数字によつて御覧願うとよくわかるのでございますが、第二表の衆議院議員選挙事犯の一番下の欄を御覧頂きますと、受理の一万八十八人のうち買収犯が八千三百六十二人、その他が千七百二十六人と、かように相成つております。このうち処理が、先ほど申しました公判請求、略式請求、不起訴と相成つております内訳がそれぞれ掲げてございます。未済が八千五百五十六名とございますのは、これはまだ選挙違反に正式に、正式にと言いますか、本式に取組んで一月余りより経つていないというので未済が残つておるのだろうと思います。参議院のほうの関係も全く似たような関係でございまして、ただ国警長官からもお話がありました通り、買収、「その他」の違反との比率が若干変つております。「その他」の処分の内訳はすべて第三表に記載してあります通りでございます。なおこの数字が国警側の数字と若干違いますのは、御承知の通り、かような事件の取扱いにつきましては、或る者は身柄付で、以る者は不拘束のままで取調べをするわけでございますが、そのうち身柄を拘束しない者につきましては調書の整理等に割合に時間的余裕が出ますために、警察で事件を挙げましてから検察庁に送るまでに若干日が経つ場合があるわけでございます。従いまして、その数は違つて参るのが当然なんでございまして、これが選挙事犯を取調べる最終段階においては大体同じになつて参る、かように御了承願いたいのでごごいます。
 なお御参考までに申上げますると、衆議院議員の候補者を党派別に調べたのが、五月二十六日現在で出ております。これはお手元に配りませんが、これは毎日動いて参りますので、一番新らしいものをと思いましたのですが、自由党は当選二十一名、落選十名、鳩山自由党は当選一名、落選七名、改進党は当選七名、落選八名、右派社会党当選三名、落選二名、左派なし、諸派落選一名、無所属落選七名、計当選三十二名、落選三十五名、かように相成つております。なおこの関係は候補者本人が事件の被疑者になつたものと、かように御了承願いたいのであります。その他「その他」の違反ということになりますと、これは非常に多いことは御承知の通りであろうと存じます。
 なお参議院の議員候補者の関係を党派別に見ますると、全国区におきましては自由党が落選二名鳩山自由党なし、改進党落選三名、右派社会党当選二名、落選一名、無所属当選一名落選十名、計全国区の当選五名落選十六名。なお地方区についてこれを見ますると、自由党当選一、落選二、鳩山自由党なし、改進党落選三名、右派なし、左派社会党当選一、諸派なし、無所属落選二名、地方区の合計当選二名、落選七名、全国区と地方区を総計いたしますると、自由党の関係では当選一名、落選四名、鳩山自由党なし、改進党落選六名、右派社会党当選二名、落選一名、左派社会党当選一名、諸派なし、無所属当選一名、落選十二名。全部の総計が当選五名、落選二十三名と相成つております。なおこれらの事件は候補者本人に関するものであることは、先ほど衆議院の関係で申したと同様でございますし、両方を通じてこの中には告訴事件、告発事件等を含んでおります。中には相当変な告訴なども出ております。それらも併し一件としてそれぞれ計上されておりますことを付け加えておきます。
 大体以上のような状況でございす。
#21
○委員長(内村清次君) 次に警視庁の刑事部長古屋亨君の説明を聞きます。
#22
○参考人(古屋亨君) お手許に警視庁といたしまして衆議院参議院両議員選挙取締に表われた違反の諸傾向という印刷物を配付してございます。大体今度の選挙違反の諸傾向として従来と違つております点をここに数項目書きましたのでありますが、簡単に御説明いたしますると、第一は、季節的行事と選挙運動との関係で、結局年度決算期、或いは春の行楽季節に直面しておりましたために、各種の総会、例会、慰安会等の旅行、観光、遊山等の行事が輻輳いたしまして、これを計画的に或いは便乗的に利用する選挙運動が相当展開されております。
 第二番目は、抱き合せ運動と選挙ブローカーの暗躍でありますが、三つの選挙が一緒に行われましたために、この間に乗じた選挙ブローカーが運動の押売りをいたしまして、戸別訪問その他によりまして、候補者の使い分けをしていたという事例が相当多かつたのじあります。
 それから第三番目に、事前運動でごごいますが、第一に申上げました行事のほかに、氏名入のマッチ、退官挨拶名刺、映画案内状、業界新聞、新聞折込というような文書頒布、或いは後援会の結成に名をかりまする脱法文書の趣意書の配布、或いは入会勧誘を兼ねた投票依頼の署名運動の形態でなされたものが特に目立つております。
 次に四番目に、戸別訪問でございますが、昨年までは戸別訪問の際に家庭用品とか手拭というものを携えて戸別訪問するという、物品供与を伴つた事犯が多かつたのでありますが、今度はこういうものが非常に少かつたというのが一つの特徴として現われております。
 次は、選挙妨害事犯でありますが、昨年の選挙におきましては、相当悪質な、演説会で候補者を演壇から下したり、或いは首を締めたりするような暴行行為を伴つた妨害事犯が相当多かつたのであります。今度はここにありますように、目立つたものといたしましては、枝川町の朝鮮人部落におきまして、某候補者が街頭演説中脅迫を受けました事犯一件のほか、他は動機単純なポスターの撤去、損壊というような事実の程度でありまして、悪質妨害事犯というものは一応影をひそめたという形が見受けられるのであります。
 第六番目は、二重登録、詐欺投票でありますが、前回の選挙でも数件あつたのでありますが、今度の場合におきましては、公示直前に住居の移転をしたことを奇貨といたしまして、詐欺の方法によりまして二つの区役所で二重の登録をいたしまして、旅行、結婚、帰省などと称して、更に二重の不在投票を行なつたものや、或いは又芸者、特飲街従業婦等が、旅行又は外出中の同僚の投票入場券を利用いたしまして、資格氏名を偽つて、その本人になりすまして投票した事犯が数件ありました。
 最後は、適法な選挙運動の現われと申しますのは、今度は従来と違いまして、こういうことをすれば違反になるかならないかということが、事前に、そういう行為前に問合せが非常に多かつたということが、一つの特徴であつたと思うのであります。
 次に数字関係を御説明いたしますと、警視庁管内におきまして、選挙終了後、衆議院の選挙終了後一カ月、つまり五月二十日現在におきまして検挙いたしました数字を申上げますと、これは検挙したものでありまして、身柄を不拘束のまま取調、送致したものは入つておりません。検挙した数が、衆議院二百七十四名、参議院二百九十九名、その中で勾留が付きましたものが、衆議院百九十九名、参議院が二百二十七名、候補者は、衆議院五名、参議院五名というふうになつておりまして、その七割が数字で現われておりますように、買収、供応が多かつたということが申されると思うのであります。この中で特に昨年よりも非常に、この表にございますが、少かつたのは、文書図画違反の問題でありまして、今年が両方合せまして五十四件、昨年は二百四十件でございます。これは一口に申上げますと、極左分子の黙秘権行使という事例が非常に少かつた。従来黙秘権行使をしておりますために、逮捕いたしまして勾留されておるのが大部分であつたのでありますが、これが今年は非常に少くて、殆んど正直に、文書等を貼つておつても、自分の住所等を言つておりまして、勾留逮捕の必要がなかつたために、こういうように減つておるということが、一つの特色と申上げることができます。
 次の表には形式犯の処理状況を数字で示したのでございますが、警告を与えましたものが大体三万五千百五十七という数字になつておりまして、そのうち送致したものが五十一、つまり指導、防犯に非常に重点を置きまして、検挙も止むを得ないものにとどめたということを申上げておきたいと思うのであります。なお現在のところ数件の事犯につきましては、目下捜査、取調を進めております。
 以上申上げましたのが、現在までにおける取調の状況であります。
#23
○委員長(内村清次君) 以上で説明を終りましたが、御質疑はありませんか。
#24
○若木勝藏君 自治庁並びに警察関係のほうにお尋ねしたいのですが、御説明によりますというと、公明選挙の実が挙つた、非常にこれは喜ばしいことであるというふうなことでありましたが、成るほどこれは去年の十月の選挙に比べて、件数の上では相当減つておるようでありますが、併し御説明の中にもありました通り、この犯罪の内容、事犯の内容から考えてみますというと、非常に買収、供応というような悪質なものの率が高くなつた、こういう点は見逃すことができないだろうと思います。この問題につきまして、なぜ一体そういう結果が起きておるかということにつきましては、自治庁並びに警察関係のほうでいろいろ御検討のことと思うのでありますが、これは私は選挙法に関係しておるのじやないか、こう思うのであります。現在施行されておるところの選挙法は、昨年の国会において、これは両院を通過したのでありますが、あの際におけるところの選挙法の内容について考えてみますというと、我々非常に不満なものを持つておる。というのは、公明選挙というようなことが主張されて行くならば、当然これに伴うところの、いわゆる言論であるとか、或いはそういうことによる選挙民に対するところの政見の周知ということが問題にならなければならない。ところがこの方面につきましては、衆議院から廻つて来た原案について考えてみますというと、先ずいわゆる街頭演説、或いはポスターの数、或いは葉書、或いはマイクの数、或いは演説回数、政党の政治活動の抑制、全くこれは言論或いはそういう面に対するところの抑圧ということが主体になつて来たように思うのであります。その際に我々は若しこういうような選挙法が実施されましたならば、これは闇の選挙が行われるに違いない。悪質なるところの事犯が起つて来るであろう、こういうことを警告し、これに反対し、この大修正について我々は闘つたのでありまするけれども、遂に我々の意見が容れられずして、殆んど原案に近いものが参議院を通過した、こういうような結果になつたのであります。そこでそうなりますというと、この候補者の政見の発表、いわゆる公明な立場の発表を抑圧するというと、片方に出て参りますからして、勢いこれに対する警察関係の検挙或いは取締が強化されて来る。従いましてより以上に、必要以上に或いは弾圧にならないかというような恰好まで進み得る余地が出て来るのじやないか、こういうふうに思うのであります。そこでこの問題は先ずこの公明選挙をどこまでも行おうとするならば、自治庁自体がこの選挙法に対して一つの検討を加えて、一つの定見を持つて行く、そういうようなことが選挙管理者の立場でなければならないと思うのであります。同時に警察関係のほうでは、取締によつてこれを公明選挙に持つて行くというような方法を変えて、全く公明選挙の本質であるところの自由に政見を発表させるという方向に協力するという考えを持たなければならない、私はそう考える。これらにつきまして、自治庁並びに警察関係では、特に検挙の上から見た現在の選挙法についての御所見を伺いたい、こう思うのであります。
#25
○国務大臣(塚田十一郎君) なかなか選挙が公明に行かないので実は恐縮に存じておるわけなんでありますが、選挙というものはこういうものなのかなと考えることもあるくらいなんであります。併しそれではならないのでありまして、何とかしてたび重なる経験を基礎にいたしまして、逐次悪い点を直して行かなければならないという強い意欲を自分としても持つておるわけであります。今度は昨年よりはよかつたということの程度であるという御指摘でありましたが、私もその程度であるのじやないかと思つておるのでありまして、決してこれで満足しておるわけじやありませんので、折角この選挙制度調査会、又国会にも引続きまして衆、参両院で選挙法改正特別委員会が置かれますようでありますから、この方々と協力いたしまして、是非公明選挙の実が上つて参りますように、今後一層努力して参りたい、こういうふうに考えております。
#26
○政府委員(斎藤昇君) 選挙運動の手段方法を余りに制限し過ぎる結果、買収犯というような実質犯が多くなつたとは思わないかという御質問だと思いまするが、我々取締面から見まして、いつも割合の多いのは勿論買収でございまするが、併し只今御指摘になりましたその関係は全然ないかどうかとおつしやいますると、これは我々の感じでございまするが、どうしても表面的な合法運動が制限をされれば、内面に潜行して行くという傾向は、これはやはりあり得ると認めざるを得ないのではなかろうかという感じがいたします。併し選挙運動の仕方というものは、又いろいろな面から規制の必要もあることだと考えますので、この辺は又当委員会或いは国会におかれましても十分御審議を頂きまして、我々といたしましても取締のしやすい選挙方法を御研究頂くことができれば、非常に仕合せだと思います。
#27
○若木勝藏君 国警長官に更にお伺いしたいのでありまするが、昨年の総選挙よりも今度の場合に非常に件数が少くなつた、こういうふうな点から考えまして、取締が非常に強化されたのじやないか、或いは我々からいうと、これは弾圧ではないかというような程度まで強化したのじやないか、そういうような取締の方針について強化して行く、こういうことが行われたのであろうかどうか、この点ちよつと伺いたい。
#28
○政府委員(斎藤昇君) 昨年の衆議院議員の選挙は御承知のように事前運動が相当行われている、これを何とか取締をすべしという御議論が衆、参両院のほうにもございました。又事実昨年は私は実質上の事前運動が相当多かつたと思います。これにはいろいろ理由はございましよう。又警察の取締面におきましても、この事前運動の取締が非常にむずかしいという点があつたわけであります。従いまして選挙が始まりますると、昨年はこの違反件数が非常に多くなつて参りました。我々警察当局といたしましても、選挙が全く法律を無視したような運動によつて行われるということになりますると、これは議会制度の信用という面から非常に大切なことであるというので、公明選挙運動の一翼と申しますか、公明選挙運動を期待する一般の輿論或いは国会等における御議論というものにも応えるべく選挙の取締には力をいたしたのであります。その結果、昨年はかように非常に多かつたのであります。本年は方針においては変りはございませんが、併しできるだけ納得されるような取締、ただ件数を多く挙げるということよりも、選挙違反を将来なくして行くということに役立つ取締、そうして取締を受けた側におかれても、納得ができるような取調方法、人権の尊重はもとよりのこと、苛察であるという無茶な取締ということではなくて、尤もな取締ということに重点を置かした次第であります。何と申しますか、昨年の十月の選挙の場合の取締、このたびの選挙の場合の取締、根本方針においては何ら変りはございません。それから昨年の選挙の場合においていろいろ教訓になつたような点を更に参酌して、只今申しまするような趣旨を全うしたい、かような方針でやつて参りたいと存じます。
#29
○若木勝藏君 もう一つだけ自治庁のほうに伺いたいと思います。先ほどの御説明の党名のいわゆる誤記の問題については、北海道並びに佐野市のほうに合せて二件ある、これは非常に遺憾なことであるということでありましたが、問題は、今佐野市においては訴訟の問題になつておりますが、公明な一つの結論を望んでおるというような話であります。これは誠に私は遺憾な事実であると思うのであります。殊に佐野市の場合においては、その影響するところが非常に大きい。而も北海道においても、佐野市においても、これはどういうものか、一体、社会党、いわゆる左派が共産党に間違われておる。これはどうも符合を合したように両者で以てなつている。これは何で一体そういうふうな問題が起るのか、或いは又社会党の左派は共産党と同じだというふうな観念があつて、委員のほうでそういうふうなことにしたのじやないか、こういうふうに思つたのでありますが、これは極めて私は遺憾なことだと思う。特に公明選挙を標擁しておるところのいわゆる選挙管理方面において、こういう事態を発生させたということは、ただ単なる、この問題は当落の関係で訴訟の結果きまるという問題でなかろうと思う。私は選挙管理側において非常な責任のある問題だと思うのでありますが、一体これらの間違つたいわゆる当面の責任者に対する処罰とか、或いはそういうふうなものの規定というものはないものかどうか、この点伺いたいと思います。
#30
○政府委員(金丸三郎君) この二つは調べてみますと、全く偶然の一致でございまして、意識してやつたということは絶対にございません。懲戒の問題でございまますが、現在選挙管理委員自体に対しましては、いわゆるリコールによりまするほかはございません。職員に対しましては勿論委員長に懲戒権がございます。事態によつてそれぞれ処置をすると存じますが、佐野のほうはまだ事件もはつきりと片付いておりませんので、いろいろと考慮中の模様でございます。
#31
○委員長(内村清次君) ほかに質疑はありませんか。では質疑を打切つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(内村清次君) それでは次の議題に入つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#33
○委員長(内村清次君) 次に議員派遣に関する件についてお諮りいたします。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#34
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。一応右のような計画で議員派遣の要求をすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(内村清次君) それでは費用その他の関係もありますので、要求書の作成その他の手続に関しましては委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(内村清次君) さよう取計います。
 それでは本日はこれで散会をいたします。
   午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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