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1953/07/21 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 地方行政委員会 第13号
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1953/07/21 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 地方行政委員会 第13号

#1
第016回国会 地方行政委員会 第13号
昭和二十八年七月二十一日(火曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
           館  哲二君
   委員
           西郷吉之助君
           高橋進太郎君
           長谷山行毅君
           小林 武治君
           若木 勝藏君
           松澤 兼人君
  政府委員
   自治庁次長   鈴木 俊一君
  説明員
   自治庁公務員課
   長       山野 幸吉君
  参考人
   全国知事会代表
   富山県知事   高辻 武邦君
   全国都道府県議
   会議長会代表大
   阪府議会議長  野邊 相三君
   全国市長会代表
   平塚市長    柿澤徳太郎君
   全国市議会議長
   会代表金沢市議
   会議長     徳田與吉郎君
   全国町村会副会
   長福岡県桂川町
   長       吉田  繁君
   全国町村議会議
   長会長静岡県富
  士川町議会議長  斎藤 邦雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○町村合併促進法案(石村幸作君外十
 四名発議)
○自治大学設置法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 只今より地行行政委員会を開会いたします。
 石村君から町村合併促進法案の提案をなされておりますから発言を許します。
#3
○石村幸作君 町村合併促進法案につきまして、提出議員を代表いたしまして提案の理由並びにその内容の概略を御説明いたします。
 新らしい地方制度によりましてからここに数年、その間における地方自治の進展には見るべき多くのものがありますが、同時に地方自治の確立を目標とする数次の改革にもかかわらず、その結果には予期に反するものも多いのであります。これは歴史的な特殊事情に基くことも多いのでありますが、同時に最近まで行われました数次の改革の内容に未だ至らざる点があることと併せて、基礎的地方公共団体として都市と並ぶ町村の規模が余りにも狭小に過ぎ、新制度下において負担すべき責務に比較して余りに弱小な場合が多いことも一つの重要な原因と思うのであります。
 新憲法の根本精神を貫徹するについては、地方自治の拡充がその前提であることはあまねく認められているところでありまして、それについては先ず現在の町村についてその規模を適正にすることが先ず出発点となるべきものと考えるのであります。
 御承知のごとく憲法には特に地方自治の一章を設け、地方自治の本旨について規定し、又その他の関係諸法規と併せまして、地方公共団体については直接的な民主政治制度の要素を多く採用いたしまして、地域的政治社会の発達を期待し、それに伴うべきものとして権能の拡充、国の権力的関与の排除、自主的な財政権の附与等を図つているのでありますが、これを徹底し、又それによつて国と地方とを通じての民主政治の完成と行政の能率化、延いては住民の福祉の増進を期待するについては、町村規模の適正化が先決問題であるということなのであります。
 町村の数は昭和二十七年十月一日現在で九千七百七十四でありまして、これを明治二十二年の大合併によつて一万五千八百二十町村となつた当時の数に比較いたしますと相当の減少となつているようでありますが、この間の町村数の減少の多くは、市の設置、或いば市への編入によつたものであります。それでありますから、町村の規模は現在においては極めて狭小のものが多く、数字的に申しますと人口段階別の調べでは、人口五千以下の町村の数は全町村数の六三、四%、人口八千以下といたしますと実に八六・三%というようになつているのであります。而もそのうち大部分を占めるのは人口二千乃至五千の町村でありまして、人口二千乃至三千のものが二〇%、人口三千乃至四千のものが一九%、人口四千乃至五千のものが一五%ということになつているのであります。又面積の点について見ましても、北海道を除く全国平均は二八・六一%平方キロということになるのであります。
 以上の数字が示すところは、要するに最近における交通、通信の進歩、産業経済の発達、或いは町村を単位とする行政内容の非常なる向上にかかわらず、その単位としての町村の規模は自然の推移に放任されたことによりまして、全く実情に合わないということになつていることを示すものであります。
 ただ、私どもといたしましては町地規模の適正化を急にするの余りに、それについて国或いはその他の機関が権力的に関与するということは避けなければならないと考えるわけであります。地方自治の本旨の根本が団体自治と住民自治にあることを思いますときに、その合併を促進いたしますについても先ず考えらるべきことは、その町村の自主性ということであり、町村の自発的意欲によつて合併の進むことを期待いたすべきものであると考えます。本法案をまとめますについて私どもが終始念頭に置ましたのはこの点でありまして、促進についての勧奨的措置或は合併についての関係法令上の障害を除去する措置を中心としてとり上げて諸規定を設けているのもこの意味であります。
 従来、国の方針として行われました町村の合併は、市制、町村制の実施に際して行いました明治二十一年の大合併であります。当時、憲法の制定或は国会開設を前に、政府は地方行政機構の整備をその前提処置としてとり上げ、七万以上ありました町村を僅かに一年有余の間に強制的な合併によりまして一万五千八百二十町村に減少せしめたわけであります。このときの知事会議における山縣有朋の訓示はあまねく知られているところでありますが、その中には「今や中央政府の制度を整備するに当り、これに先立つて地方自治の制を立てんとするは目下の急務なり。地方の制度、整備せずしてひとり中央の組織を完備せんことを求むるは決して順序を得たるものにあらざるなり。故に国家の基礎を鞏固にせんと欲せば必ず先ず町村自治の組織を立てざるを得ず。これをたとえれば町村は基礎にして国家はなお家屋のごとく、基礎、鞏固ならず、家屋ひとりよく堅牢なるの理あるべからず」と述べているのであります。これによりまして徳川時代の単位をそのままに受け継いだ明治初年の町村は近代国家の行政の単位に転換するに必要な程度の規模のものと改編されたのであります。
 事情はやや異なりますが、町村を改編してその規模の適正化を計ることは急務中の急務と言わなければならないのであります。ただ、地方自治の本旨に鑑み、その方法にもおのずから異なるものがあるべきことはすでに申述べたところのごとくであります。
 法案の第一章総則中に第一条目的として「この法律は町村が町村合併によりその組織及び運営を合理的且つ能率的にし、住民の福祉を増進するように規模の適正化を図ることを積極的に促進し、以て町村における地方自治の本旨の十分な実現に資することを目的とする。」と掲げましたのも以上の趣旨によるものであります。
 法案の内容の概要は第一章を総則といたしまして右の目的を掲げましたほか、用語の定義、町村の規模等、総則的事項を規定し、
 第二章は「他の法律の特例」として議員の任期、定数等に関する特例のほか、町村合併について多くの法律の特例を規定いたしたのであります。これらはいずれも合併について勧奨的措置となるものを定め、或いはその障害となるものを排除した諸規定であります。
 第三章は「町村合併及び新町村建設計画の実施」に関する諸規定を掲げ、第四章はその「促進」について規定し
 第五章は「雑則」としてその他の関係規定をとりまとめて掲げたのであります。
 法案の各条項についての説明はお手許に要綱もお配りしてありますので、極めて概要に止めます。
 第一条は目的、第二条は「町村合併」「合併町村」「合併関係町村」の用語の定義を明らかにし、第三条は町村の規模としておおむね人口八千を最低の標準とすることを明らかにし、第四条は都道府県は町村合併促進審議会、第五条は町村は町村合併促進協議会を置くことができることを定め、第六条は町村合併に際しては新町村建設計画を定むべきもの、とし、第七条はその内容は住民の融和と協力を得べきこと等を根本とすることを明らかにし、第八条はその変更の手続について規定したものであります。以上が総則に関する部分であります。
 第九条以下第廿条までは諸法律の特例について規定したものであります。
 先ず第九条、議員の任期等に関する特例であります。これは地方自治法の原則によるほか、二つの型を定めまして、そのいずれか一つをとる道を開いたものであります。即ち旧町村の議員は新設町村においては合併後二箇年を超えない範囲で協議で定める期間、編入町村については編入をする町村の議員の任期の残りの期間、合併町村の議会の議員として在任することを認め、新たに選挙することをする場合は両者を通じて自治法の原則による定員の二倍までを認めるということにいたしてあるのであります。
 第十条及び第十一条は、町村合併に際し、一部の区域の境界変更について住民投票による特例を認め、第十二条は警察法の特例として部分の区域についての警察の維持を認め、第十三条は地方財政法の特例として新町村建設計画の事業について同法第五条第一項の規定にかかわらず起債を許すこととし、第十四条は合併町村について不均一の課税の例外を規定し第十五条は地方財政平衡交付金法の特例にして五箇年度間は合併なかりしものとしての交付金を交付することを旨とし、第十六条は国有財産の払下に関する特例、第十七条は国有林野整備臨時措置法の特例、第十八条は部分の区域で国民健康保険を行い得る特例等、第十九条は、水産業協同組合法の特例、第二十条は農地法の特例として合併による行政区画の変更にかかわらず小作地はそのまま保有することを得ることとしたものであります。
 第三章は町村合併及び新町村建設計画の実施に関する諸規定を設けてあります。先ず第二十一条は町村合併に対する知事等の協力、第二十二条は関係町村の事務の処理の方針について、第二十三条は財産及び営造物の管理引継等について、第二十四条は職員の身分の取扱いについて、第二十五条は公共的団体等の統合整備について、第二十六条は新町村建設計画の実施とその町村の一体化等について規定したものであります。
 第四章は、町村合併及び新町村建設計画の実施の促進について国の補助金に関する規定等を第二十七条以下第三十三条までに掲げてあります。
 第五章は、雑則といたしまして、その他の関係規定を掲げてあります。即ち第三十四条、この法律施行前の申請にかかる町村合併についての適用関係、第三十五条合併町村が市となつた場合の適用関係、第三十六条市の区域を含む場合についての準用、第三十七条市が設置され、又は市に編入する場合についての準用、その他の諸規定であります。
 以上提案の理由並びに内容の概略を御説明申上げましたが、速やかに御賛成あらんことをお願い申上ぐる次第であります。
#4
○委員長(内村清次君) 本日は町村合併促進法案について、地方公共団体の代表者の方々から御意見を拝聴して、本法案審議の参考としたいと存じます。
 先ず参考人の皆様がたには、御多忙中にもかかわらず、おいで下さいまして、本法案に対しまする重要な参考意見を申述ベて頂きますことにつきましては、委員一同に代りまして厚くお礼を申上げる次第でございます。
 それから参考人の方々の御発言はどうか腹蔵のない御意見を頂きたいのでございまして、ただ時間の関係でお
 一人の発言時間は十分乃至十五分ぐらいといたしたような次第でございます。この点もあしからず御了承をお願いしたいのでございます。甚だ簡単でございますが、参考人の皆様がたに厚くお礼の言葉を申上げた次第でございます。
 それでは、只今から順次参考人の御意見を拝聴することにいたします。全国知事会代表冨山県知事高辻武邦君。
#5
○参考人(高辻武邦君) 全国知事会を代表いたしまして町村合併促進法案に関する陳述申上げます。
 只今本法の提案理由においてお述べになりました通り、我が国の現状から考えまして、我々は町村合併促進法は一日も速かに国会を通過いたしまして、これが実施せられることを深く希望いたす次第であります。なお全国知事会といたしましては従来は知事会の意向を国会方面に資料として御送付申上げ、又自治庁を通じまして意見を申上げておりまする関係からいたしまして、只今成案となつて御審議に相成ろうとするところの町村合併促進法案の内容におきましては、大体において我々の意見を御採択下さつておることと考えておるのでありまして、従つて全般的に原案を支持する考えを持つております。但し近時衆議院その他の方
 面におきまして、この法案に対する修正意見が存在するかに承わつているの
 でありまして、本日私が全国知事会を代表いたしまして意見の陳述をいたしますのにつきましては、この修正意見に関する事柄を主として申上げたいと考えております。
 修正意見の第一といたしましては、地方自治法の第七条を改正をいたしまして、市町村の配置分合に関して、都道府県並びに当該都道府県の議会の介入を排除いたしまして、市町村の配置分合はもつぱら関係市町村の合意と、内閣総理大臣の決定により処分をするものとし、都道府県知事は意見を付して中央に経由進達する機関とするという意見が現れております。現行法によりまするというと、町村合併の議決がありました際には、その事案を府県知事が当該の県議会に提案をいたしまして、その議決によつてこれに認可を与える、このことを内閣総理大臣に報告をいたしまして、内閣においてこれを告示せられることにおいて、一切の手続が終了することに相成つております。私どもといたしましては、この点につきましては現行法を以て妥当であると考えております。とこに申上げましたところの町村合併の議案を、知事が当該府県議会に提案をいたしまして、議会がこれを議決する場合のその内容を考えてみますというと、通常の議案の提出若しくは通常の議案に対する議決とその性質を異にすると考えるのであります。例えば通常の場合におきまして、予算案或いは条例案につきましては、知事がこれを提案いたしましたならば、議会はこれの修正をして議決することが許されております。然るに町村合併の議案に対しましては、知事は町村の合併の議案を受理いたしましたならば、その内容を変更修正することは認められておりません。又議会もこれを修正して議決することは法律上認められていないものと解釈できるのであります。即ち通常の場合の提出若しくは議決と性質を異にするのでありまして、法律的にこれを考えるというと、その町村議会の合併の議決を確認若しくは決定をするというような性格のものと考えられます。従つて知事は成るべく速かにこれを県議会に提出をし、県議会は成るべく速かにこれに確認を与えることが妥当であると考えているのでありまして、現にその通りに大体において行われております。特殊の場合において、相当の時日を知事が空費をいたす、若しくは議会が相当の時日を要して審議をいたしている例は、事実は極く稀に存在するかと考えますけれども、これを以て知事若しくは県議会の介入を排去するという理由には私は乏しいものと考えるのであります。仮に修正案のごときにいたしましても、内閣総理大臣は知事の意見具申に従つて、その採否を決定するよりほかに方法がないだろうと考えられます。何となれば、地方の実情を最もよく認識します者は、地方の知事であり、府県議会であります。故にこの介入を排除するということは、その根拠と理由に乏しいものと考えます。従つてこれは現行法を以て可と考えられますが、承わるところによりますと、参議院におかれましては、知事若しくは議会の議決に一定の期間を付して、そうしてこの介入権を従来通り存続せしめようという御意見があるやに承わつておりますが私はその一定の期間においてこれを行わしむるという考えは、これ又妥当であると考えております。要するにこの点につきましては、衆議院の修正意見に私どもは反対の意向であります。
 第二に、法第三条前段を町村はおおむね八千以上の住民を有するのを最低の標準とし、云々と改める。最低標準のみを抑えようという修正案があるように承わつております。その法第三条の人口おおむね八千人ということでありますが、これは若しも最低を絶対的の八千人という、最低標準を絶対的の標準にせられるといたしますというと、これは法律の実行上支障を生ずる場合が相当あるだろうと考えます。地形の関係、例えば山間僻地等における町村の合併につきましては、たとえ最低の基準を絶対的に八千人と抑えましても、八千人の合併が事実不可能な場合が相当多いであろうと私は考えます。従つて私はこれを原案程度のおおむねの標準といたしまして止むを得ざる場合におきましては、八千人に満たない町村合併をもこの法律は認めることにお進みになることが妥当であると考えております。
 第三は、法第三十四条の第一項第六号の規定でありますが、都市と町村とが合併をいたします場合において、その都市の人口が最低五万であり、最高十万の都市である場合に限り、この町村合併促進法を準用するという規定に相成つておりますが、これは原案が適当であると考えております。修正案によりますというと、この都市における制限の人口五万乃至十万という規定を削除いたしまして市の町村を併合する場合におきましても、無制限にこの本法を準用しようとする意向のように承わつておりますが、これは私は実情から考えまして、その必要がないものと考えます。けだし人口最低五万若しくは十万という市におきましては、これは都市として発展の、大体において第一段階におるものと考えられまして、これらの都市において町村を合併する場合におきましては、あたかも町村同士の合併に似ておる実情が多分にあるのでありまして、本法を準用することは十分の理由あるものと思いますけれども、それ以上の大都市として発展しつつある都市が隣接の町村を合併いたします場合におきましては、かくのごとき促進法の手続をとるまでもなく、十分なる話合を以て進み得ると考えられます。これを無制限に都市と町村の合併にまで本法の準用規定を拡張いたしますことは、却つて地方行政を奔放せしめる虞れがあると考えられますのでこれは原案を可と考えております。
 次は、法第五条の町村合併促進協議会の構成メンバーに関する問題でありますが、これに関しましては、原案の第三項におきましては、臨時的に委員を設ける規定がありますのでこの原案による第二項第三項の規定によつて修正意見を十分に私は満たし得ると思うのであります。修正意見によりますというと、例えば農業協同組合、或いは商工会、或いは婦人会、青年団等の責任者をもこの協議会の委員に加えなければならないという絶対的の規定にいたしたいという意見のように承わつておりますが、これは原案が適当であると考えております。
 次は、法第九条の、合併関係町村の議員の任期に関する特例の問題でありますが、これは原案の規定が適当であろうと考えておりますが、この場合におきまして、新たに選挙を行う場合におきましては、地方自治法に定むる定員の二倍までこれを認める、このことはこの規定を以て十分に実情の要求を満たし得ると考えますが、その他の場合におきましては、例えば町村が十数カ町村等の広範囲に亘る合併も今日地方において行われておりますが、かような場合において、その合併町村の全員の議員を一定の期間この議員の任期として在任せしめる場合におきましては、実際上その議会の運営に非常な支障を生ぜしめるものと存じます。場合によりますと、百数十人、若しくは二百数十人という多数の者が議員として一定の任期在任することに相成りますが、かような場合におきましては、往年の参事会制と申しますような、一種の代議決の機関を設けまして、日常の、日常と申しますか、比較的軽微な事件に関しましては、その代議決機関を以て議決を行わしめる。そうしてその合併全町村の重大な事柄に関しまして、多数の議員を集めまして、議決をせしめるというような代議決機関を設ける必要があると考えております。
 次に、修正意見によりますというと、法第九条の次に新たに一カ条を設けまして、そうして合併関係の町村の吏員の身分を一定の期間保障しようという意見であります。このことは如何にも今日の民主主義という方針から考えまして、かような意見が行われるものと考えられますけれども、実情から考えますというと、町村合併の主要な目的の一つは、行政費の節約にあると考えられます。従つてこれらの吏員の身分を長く保障せしめるということは、町村合併の本旨に逆行するものと考えられるのであります。私の県におきましては、昨年の四月以来、町村合併を大いに勧奨いたしておりまして、二百二十二の町村でありましたものが、今日百七十に減少いたしております。即ち私が昨年の四月以来、何回もこの町村合併を勧奨いたしまして、これを行なつて参つておりますが、その際における吏員の身分の問題は、これはむしろ関係町村の話合いによつて行わせることが適当であろうと思います。要するにこの規定は法律に規定をしないでおきまして、この規定を設けないほうが適当である。設けないでおきまして、話合いによつてその後選挙によつて選ばれましたところの町村長の行政手腕によつて適当なる方法によつて、或いは行政整理を行う。有能なる者を除き、比較的老齢若しくは比較的能率の薄い者を漸次整理をいたすという方法に実際の運用をされるほうが適当であろうと思つております。それは要するに身分の保障ということの規定を設けますことは、むしろ町村合併の本旨に逆行すると考えますが故に、反対の意向を持つております。
 最後に、附則の第二でありますが、本法の施行期間の五カ年を三カ年に短縮する修正意見があるように承わつておりますが、これは修正意見のほうが適当であろうと考えております。本法の施行期間を五カ年にいたしますことは、今極めて緊急の要請となつております町村合併を促進せしめるところの熱意と、これに対する努力をむしろ私は消磨せしめる虞れがあると思いますので、むしろこれは三カ年程度に御規定を願いまして、三カ年間に成るべく急速に本法の実を挙げるように、相共に努力いたしまして、なおその間に年数においてなお延長の必要があります場合において、附則の規定をその際に御改正に相成るほうが適当であろうかと存じております。
 以上知事会を代表いたしまして、所見を陳述申上げた次第であります。
#6
○委員長(内村清次君) 有難うございました。それでは次に全国都道府県議会議長会代表大阪府議会議長野邊相三君。
#7
○参考人(野邊相三君) 私は大阪府議会議長野邊相三と申します。
 町村合併促進法案なるものにつきまして議員提出法案として目下参議院地方行政委員会で御審議下さつておるようでありますが、私どもは町村合併促進法案なるものは重要なる意義をもつて適切なる法であると考えまして満腔の敬意を表するものであります。原案の速かに国会を通過することを念願して、特にこの法案の生みの親でありまする参議院地方行政委員各位の一層の御努力を御期待申上げておる次第であります。
 本法案の審議に関連しまして国会内の一部に極めて重大なる御意見が出ておる、即ちこの法案について遺憾な点を申上げたいと思います。
 その一つは、市町村の合併に府県知事が県会に諮りまして、そうして議決をする、地方自治法第七条の規定を削除して内閣総理大臣が審議機関に諮問し、その意見を懲した上処分するというふうに改正すべきであるという御意見があるようでありますが、これに対しては私どもは絶対に反対申上げるのであります。内閣の審議機関なるものが如何なるメンバーによつて構成されるかは存じませんが、全然市町村の実情を知らず、住民に対して何らの責任を負わない審議機関の審議と、直接住民との繋りを持ち地方の実情に最も適しておるところの府県議会の議決と、いずれが適当であるかということが私は民主主議の基本である、かように考えたのであります。私ども府県議会も議会制度の一翼をなすものでありますが、その府県議会の権限を取上げて内閣の審議機関にその権限を移すがごとき考え方は、これは正に議会軽視の思想でありまして、私どもはかかる考え方に対しましては断じて承服ができないのであります。又町村合併促進法を作つて、この際大いに町村の合併をしようという際に、府県の権限を取上げて誰が町村合併の締めくくりをするのでありますか、どこでするのかということを申上げたいのであります。府県はすでに町村合併の計画を立てて、大いにこれに努力を払つております。私どもは町村合併のごとき地方の重要問題は、やはり府県が中心になつて、その実情がよくわかつておるものが推進しなければ決してうまく行かない、よい結果を収めないということは、いろいろ理窟はあると思いますが、実際問題としてそうでないかと思うのであります。なお折角町村合併促進法案が成立しようとする際に、わざわざ地方自治法第七条の規定を削除するというがごときは、町村合併に対する府県の熱意を失わしめるばかりでなく、地方住民を惑わすこと甚だしいと思うのであります。私はさように存じますので、この点よろしく皆様方の御高配をお願い申上げたいと存じます。
 次に、本法案でございまするが、人口五万乃至十万という制限を削除するという意見があるように承知するのでありまするが、この点は、弱小町村の合併という本法の最も重要な狙いが、これでぼやけてしまうと思うのであります。そればかりでなく、力の強い都市がこれに便乗して無暗と市域拡張を策することになるのでありまして、これによつて合理的な市町村の合併がむしろ妨げられる虞れがあると思うのであります。それでは本法案の趣旨も徹底しないことになるわけであります。やはりこういうものには確たる区切りが必要でありまして、区切りをつけたからと言つて、何も十万以上の都市の合併は認めないということではないのでありますから、一向差支えないと思うのであります。弱小市町村の合併を促進するという本来の趣旨を貫いて頂きたい。
 以上、二つの点を申上げまして、本案が一日も早く原案通り通過いたしますよう、皆さんの御努力をお願い申上げまして、御参考に申上げます。
#8
○委員長(内村清次君) 有難うございました。それでは次に、全国市長会代表平塚市長柿澤篤太郎君にお願いいたします。
#9
○参考人(柿澤徳太郎君) 全国市町会を代表いたしまして所見を述べさせて頂きたいと思います。
 都市行政の運営につきまして当委員会におかせられましては引続き御配慮を煩わしておりまして、私は市長として誠に感銘している次第であります。このたびのこの議員立法を以て、私ども市町村を通じた自治体の最低基準を設けて、そして力を強めて頂く積極的の立案をせられたこのことにつきましては、心から敬意を表している次第でございます。
 由来、先ほどの提案理由の説明の中にありましたように、町村おのおの結社意識を持つておりまして、そうした住民の習性を代表しておりますために、山縣内閣以来、市が積極的に誘導合併した以外は、自主的の合併が殆どなかつたと言われております。正にその通りであります。その理想は承知しながら、それができなかつたというのが実情であります。それをこのたび大胆にこの方法によつて督励断行されまして、そうして小さい町村を誘導且つ奨励激励の途を、而も自主的な面を尊重されつつこうした立案をされましたことにつきましては、殆ど全面的に私どもは賛意を表するものであります。併しながら、私どもは今少し御考慮を煩わしたい点がございますので、ここにその点を二三述べさせて頂きたいと思うのであります。
 その第一は、本法案の名称を町村合併促進法ではなくて、市町村合併促進法と改めて頂きたい。市をその中に入れる以上、どうしても題名も市町村合併促進法と改めて頂きたいことを申上げたいのでございます。この理由につきましては長くなりますので、今はこれだけで御了解頂けると思います。
 次に第二点といたしましては、合併市町村の人口制限を撤廃して頂きたい。なお、私どもが市町村会で決議して参りましたものと、今日の案を見ますと、この間に大変変つておりますので、その点は決議と私どもの意見とをまぜて申上げるつもりでありますが、私ども先に人口五万乃至十万ということがありました。あれをなぜ撤廃して頂きたいかということを申上げますと、その制度を設けられた御精神はよくわかるのであります。なぜならば、都市というものが大きい小さいにかかわらず、全部真中が密集地帯で周りが野原であるという観念に立つた場合には、全く小さい都市は面積も狭いだろう、従つて周りを合併しなければならない。大きい都市は従つて面積もそれと同じように大きいであろうという概念の下になされたと私は考えております。実際の実情はそうでなくて、先ほど富山の知事さんもお話がありましたように、必ずしもそうでない。例えば市制を布く場合に、大きい農村を合併して市を作つたような場合には、人口は散漫でありましても、面積は非常に大きい場合もある。又逆に旧東京都のごとき、或いは現在の大阪のように全く市街地の境まで人口が都市的形態をなして密集しておる、而もその境はすぐ向うは肉眼で見ては、殆んど何人もわからないように市街地的職業を営み、又市街地的形態をなした形が連続しておる。こういつた場合の人口と大変違うのでございます。従つて若し現在、市制施行地を全部仮りに入れない御精神だとするならば、その分け方をするならば、周りは田圃を越えて、周りが野原で区切られた、それから先の遠いところの町を合併しなければならないような市の場合は、これは入れないほうがいいのではないか。こうしたふうに実情にふさわしく改めるべきではないかと、私ども考えております。従いまして、この点はなかなか個々にはむずかしいのでございまして、一つの法案としてはまとめにくいので、私ども市が慎んでその途を選ぼうということを常に叫んでおりますのでございますので、むしろこれはその人口の制限をなくして頂きたい、そうして市のほうの自主的な運営にそれを任して頂くということを考えております。飽くまでも私どもは、今度の町村合併はその精神は、全く日本に或る程度以下の自治体をなくそうという、地方自治体の行政能力を向上させるのが目的であつて、背を揃えよう、大きいのを圧縮して、そうして小さいのを大きくして、そうして中間を並べようというのでないということを、私どもは考えたいのでございます。従いましてこの人口八千以上ということになりますならば、地域につきましては全くこの人口の制度もやはり撤廃して頂きたい、かように考えておるのでございます。而もその運営につきましては、運営につきましてはというのは、府県でそれを規律される場合、若しくは内閣総理大臣がそれをされる場合には、私ども今言いましたような線で、都市的形態が連続しておるかどうかということで、その御判断をそのときに願いたい、何らかの方法で大きな野原を越した向うの町村が合併の案を持つて来た場合には、内閣総理大臣は、そうした点で判断し得る機会が十分あるので、この人口制限を撤廃した弊害はないと私どもは考えております。
 第三の点におきましては、市町村の合併については、関係市町村の議会の議決があればされることと改正されたいという、私どもは主張を持つて今月臨んだのであります。然るに今日ここに議案を拝見しますというと、更に府県がこの議案を一定の期間審議しなかつた場合、これこれの措置があるというふうなことがありますので、この点につきましては、この点をまだ私どもは会議として検討しておりませんので、これにつきましては多分に個人的意見も含まれますが、今までの精神を一貫して恐らくこれであるとして申上げたいのでございます。私どもが府県の議決を要らないで、この関係町村だけの合併決議でいいというのは、全く国でも府県でも一切ものを言つてくれるなという意味ではなかつたのでございます。これは過去において、府県だけの議決で行なつた場合に、しばしばその目的を疑うような、いわばその判断が政治的判断かのごとき実例がしばしば見受けられたのでございます。そうして実例を申上げると長くなりますが、その結果、私どもは是非そうでなくて、折角一応の能力ある自治体同士が政治の機関で決めたのでございますので、これをそのまま認めて頂きたい。若しそれが一つの町村だけでそれがいけないという考え方、この新しく直されたこの法案には、私どもは大賛成をしたいと思うのでありますが、併しここでちよつとお尋ねをむしろしたいのでございますが、この一定期間内に町村合併の府県知事が処分をしなかつたという解釈でございますが、これは議会に提案しないで、その期間あつためてしまつた場合と、それから更に否決された場合、好ましい処分をしなかつた場合という意味にも解釈を当然されるものと思いますが、その文面が少しあいまいに考えられますので、これは是非明確に一定の期間内に審議をしなかつた場合、或いは否決をした場合に、その関係町村が国にあれされた場合には、これこれのことをする、そうしてそうする場合には、私どもは町村が、私どもの最初の、先ほど申上げましたのは町村の議決だけでしてくれ、そうすると議決が最終で決まつてしまうのでございますが、そうすると今度のこの新らしい案を私がいいと言いますことは、幾らかは違つて来ます。全部がそのままでいいと言えない場合がある。内閣総理大臣がいけないという場合もあり得るかも知れない。併し私どもはそうした二度の段階を経て、府県でもいけないと言い、なお且つ内閣総理大臣もこれをいけないという場合には、以て銘すべきであるというふうに私は考えておる。従いましてこれは全部撤廃しなくても、こういうふうになるならば、或いは又そうしたことを、うしろにそうした内閣総理大臣の判断が控えておるので、府県会もおのずから常識ある議決をされて、結果においては内閣総理大臣にまで行かないで済む、今までの弊害の予防の策、この立案は誠にいい立案であると私は考えまして、是非これをお願いしたい。若しこれができないならば、むしろ今までの府県をも廃してしまつて、この町村の議決のままにして頂きたい。先ほど中間の意見がありましたが、若し中央政府において、中央政府は地方の町村にまで目が届かないという概念を仮に持つたとしたならば、遠い所は目が届かないとしたならば、府県でもやはり届かないと言えるかも知れない。若し本当に地元の意思が尊いならば町村の意見こそ尊いということになる。仮にそうでなくても、もつと大所高所からものを見ろという精神であるならば、むしろ府県更に内閣総理大臣ということがあるので、いずれの議論からいたしましても、このいずれがより適当であるというように私は考えておるのでございます。
 まだ申上げたいこともございますが、いずれあとの質疑応答もございますと思いまして、一応私どもは簡素にして強力にこの以上の三点を申上げまして、私どもの意見と御了解を願いたいと思うのでございます。
#10
○委員長(内村清次君) 有難うございました。全国市議会議長会代表金沢市議会議長徳田與吉郎君からお願いいたします。
#11
○参考人(徳田與吉郎君) 私金沢議会議長徳田與吉郎でございます。
 本日は御審議中の町村合併促進法案に対しまして、発言の機会をお与え下さいまして、私どもの意見をお聞きとり頂きますことは誠に有難いことでございます。
 地方自治法が制定せられまして以来、市町村が民主政治の基盤として住民の意思により行政を行い得ることに相成つて参つたのでありまするが、先ほど提案理由の御説明にもございましたが、僅少なる人口を有しまする小町村が併立する現状におきましては、本当の民意による施政は困難でありまして、地方自治に関係をいたすものといたしまして、誠に遺憾に考えておつたのでございます。勿論地方公共団体の規模の適正化は地方自治団体みずからの自覚によつて当然行わなければならないことではございますけれども、実際の問題といたしましては財政その他もろもろの隘路からいたしまして、その実現は遅々として進まなかつたのでございます。従いまして、これが促進には、その隘路を排除する格別の御配慮を願いたい旨を全国市議会議長会におきましても、総会の議決を経てお願いをかねて申上げておつたところでございます。今回各位の御尽力によりまして、議員立法として法文化されましたことは、誠に地方自治確立のため仕合せなことでございまして、速かに本法案が成立いたしますことを期待いたしておるものでございます。
 以下二、三点私どもの立場から本法案に対する意見を述べさして頂き、是非とも御批判をお願い申上げまして、御配慮をして頂きたいと存じます。
 その第一点は、本案の適用範囲を、先ほども市長さんの代表から申されましたが、拡大して頂きたいということでございます。法案によりますれば、人口十万未満の市までは本法の適用をお認め願えるようになつておるようでございますけれども、私どもといたしましては、これを人口に制限なく適用して頂くことを希望いたしております。理由は、本法の目的が町村の規模の適正を図つて、弱小町村をでき得る限り少くして、その自治能力を向上せしめる点にありといたしまするならば、これを吸収或いは合併する相手方の大小を問わず、受益せしめることが妥当であるということでありまして、殊に市といたしましても、御承知の通り人口十五万を超えて初めて政令都市として保健所その他の施設が認められるのでございまして、人口十五万が市としての適正規模であるとも言い得るのでありますから、少くともこの線までは適用範囲を拡大して頂きたいと思います。よつて本法案第三十七条第一項五号及び六号を削つて、第三号及び第四号の人口五万未満の市を、少くとも十五万未満の市といたすよう是非とも御訂正相願いたいのでございます。
 第二の点は、数カ町村が合併いたします場合に、市を新らしく設置することによつて合併が促進せられることがあります。この場合地方自治法では人口三万以上であること、中心市街地を形成しております戸数が全戸数の六割以上であること、都市的業態に従事するものと同一世帯に属する人口が、全人口の六割以上であること等の規定を設けておるのでありますが、人口三万以上であることは別にいたしまして、市街地戸数六割以上、都市的業態を営む人口六割以上という要件が満たされないために市となることができず、合併が促進されない場合があります。この際、中心市街地とも言うべきものがなく、連担区域が二、三に分れておるような場合でも、おおむね都市体制が整え得る能力があると認められる場合には、市を新設できるように多少条件を緩和して頂きたいと思います。
 第三点は、本法案第四条町村合併促進審議会構成員の中に、市議会及び市の長の連合組織が推薦してある者を除外してあるようでございますが、法案第三十五条乃至三十七条に関連して、市としての意見が疏通いたしまするためにも、是非ともこれらの人々も参画できるように御考慮を願いたいと存じます。
 最後に、合併市町村の区域拡大に伴いまして、相互の連絡を緊密にし、住民の利便を図るためにも、公営乗合自動車等の路線を拡張する必要が生じて来るような場合がございます。そういう場合には、他に優先してこれを許可する等の措置を講じて頂きますならば、非常に住民は仕合せだと、合併住民は仕合せだと、こういうふうに考えます。
 以上、私どもの立場から考えておりますることを申述べたようなわけでございまして、市町村住民の福祉増進のために是非とも御高配を頂きまするようお願いを申上げまして、私の公述を終りたいと思います。
#12
○委員長(内村清次君) それでは次に、全国町村会副会長福岡県町村長会長桂川町長吉田繁君。
#13
○参考人(吉田繁君) 私は全国町村会を代表いたしまして一言陳述をさして頂きます。本案が提出になりまして本日ここに地方行政委員会の会合を開かれまして、私どもの意見を聞いて頂きますということは、誠に感謝に堪えない次第であります。
 大体町村会といたしましては、すでに自治庁を通じましてそれぞれ意見も具申しておつたのであります。大体におきまして提出議案に対しまして満腔の賛成と敬意を表する次第でございます。ただ私どもが私ども自身で合併を促進しなければならない事柄でありますが、御承知の通りいろいろな障害がありまして、遅々として進まなかつたのでありますが、本案によりましていわゆる合併の障害になります点をいろいろ条項によつてきめて頂きますこと、それから合併後におきましての町村が財政的その他いろいろな不利を招かないように十分その点を御考慮頂きますことをお願い申上げたい。
 その他洩れ承わりますと、衆議院のほうで内閣総理大臣の決定によるというようなことが、意見があるようでありますが、本質論から申しますれば、まあ如何かと存じますが、現在の実質論から申しますと、現在の実態から申しますと、お互い今日まで町村の合併が遅々として進まなかつたということに対しまして県の議会或いは、知事でこれを決定して頂くということは、誠に私は本質論から申上げますと、多少意見もあるかと思いますが、現実論から申上げますれば、お互い合併するもののまあ世話役と申しますか、そういう意味におきまして、県議会或いは知事においてこれを決定して頂くということが、現実としては誠に結構ではないかということを考えられますので、この点は知事会の意見と同感でございます。
 次に、市への無制限の問題でございますが、これは人口無制限の問題は多少私ども町村会としましては賛成ができないという点であります。
 それから先ほど知事会代表からお話になりましたが、現在の法案の五カ年という期間があるが、これを三カ年にして早くこれを促進するということがいいのではないかというような御意見もあつたようでございますが、私ども町村会といたしましては、町村では促進はいたしましても、いろいろの事情があるのでありまして、なかなかそう速急にということにも行かないような場合が起りはしないか、こういうことを考えます際に、私は原案の通り五カ年を以て賛成いたしたいと、こう考える次第であります。
 それから先ほど市のほうからでございますが、町村合併法案という名前、これを市町村合併法案としたらどうかという意見もありましたが、これは私どもは市町村と言いますと、市同士の合併も含まれるというような言葉にもとれはしないかというようなことも感じられますので、私どもは町村合併のほうがよくはないかというようなこと考えておりますので、一応述べておきます。
 ただ私どもはかねてこの法案が一日でも早く通過いたしますことを念願いたしておりました次第であります。又時期的にも早くこの法案を国会で通過して頂きますように皆さんがたの一層の御努力をお願い申上げたいと思う次第であります。
 甚だ簡単でありましたが、意見を申述べた次第であります。
#14
○委員長(内村清次君) それでは次に全国町村議会議長会長、静岡県富士川町議会議長斎藤邦雄君から……。
#15
○参考人(斎藤邦雄君) それでは私全国町村議会議長会長の斎藤でございますが、いろいろ皆さんからすでにお話がありましたので、重複をするような点もあるかと考えますが、一通り議長会を代表して二、三の所見を申上げたいと思うのであります。
 先ず以てこの町村合併促進という問題は、すでに御案内のように、只今地方制度調査会におきましても、我が国の地方制度の全般に亘つて大幅な改正をいたそうということで、総理大臣から諮問をされて、私も委員として加わつて折角審議の過程におりますが、それの一環といたして考えましたときに、御承知のように現在の日本の地方制度の中におきまして余りに行政の面、財政の面のいろいろな面から考えまして、町村が九千八百何がしあります中を眺めてみますというと、甚だ語弊がありますが、いわゆる行政の能力、財政の能力、規模におきまして弱小町村というものが極めて多い。これをできるだけ解消をいたして、それによつて我が国の地方行政が中央の余り厄介にもならないで、自主自営できるということに持つて行くということは、これは中央、地方を通じて大きな私は課題であると同時に、これはどうしてもなし遂げねばならん、今日の地方制度の上におきましては、お互い関係者として当然これを取上げてやらねばならんことと考えております。その意味からいたしましても、この町村合併促進法案というものの精神は、すでに皆さんからお述べになり、又いろいろ本院におきましても先般来非常な御配慮を頂いておりますことに対して、私は関係者の一人として深甚な御礼を申上げて、一日も早く法案の通過をお願いをする次第であります。
 そこでこの法案の精神も考えましたときに、只今市の両団体の代表からお述べになりましたことと私は見るところを異にいたします。先ず第一に、これを町村合併促進法案でなくして、市というものを入れて市町村合併促進法案としたらどうかという御意見がありますが、これは私どもは今日のこの町村合併促進法案の精神から考えましたときには、遺憾ながら、これは同意できないのであります。市を入れてのいわゆる市町村合併促進法案ということでありまするならば、これは又別個に考えて頂かなければならん問題であります。私は前段申しましたように、弱小町村を、解消して、行政、財政の能力を充実強化という意味において、全国に散在をするところの九千八百有余の町村の中において、この弱小町村をできるだけ経済的にも地理的にも或いは文化的にもその他いろいろな面から考えて、合併を促進させることの必要なことは繰返して申上げるまでもありませんけれども、こういう意味から言いましても、市をこれに加えてやるということは、これは妥当でない。先ず最初にこれは市の両団体の諸君に対しては反駁をするようでありますが、私の意見としてはさように、私の意見ではなくして、議長会の意見としてはかように申上げたいと思うのであります。従つてどこまでもこれは雑則におきまして準用規定がありまして、五万ということでありますが、これは準用をする場合が起り得るのでありますからして、この程度は止むを得ないのでありますが十万にするとか、或いは市を加えての市町村合併促進法案にするというような点に対しましては、はつきり私は御同意を申上げるわけに参らん、かように申上げる次第であります。
 それから御審議の過程におきまして地方自治法の第七条を改めるということが話題に上つておるように伺いましたが、これは先ほど知事会及び府県議長会を代表せられまする御両所の意見と私は同感であります。現在地方制度調査会におきましても、府県の存廃問題というものがたまたま話題に上つておりますが、現状の府県が存在する限りは、府県議会において議決をする、こういうことでよろしかろうと考えております。将来府県が仮に廃止されるということに相成りました場合には、そのときに初めてかような意見のような或いは法文の修正をなすつても、これはそのときでいいのではないか。今日町村合併法案が先ず冒頭からこれを入れて置くということは妥当でない。これは高辻知事さんの意見と私は全く同感であります。現在府県の議会におきまして、これを議決をしてやつて頂くということが妥当である、かように考えております。
 それからその次にいろいろ議論になつておるように伺つておりますが、「おおむね八千以上の住民を有する」ということを最低の基準として云々こうあります。これは「おおむね」でありますからして何も八千を限度として、八千以上はいけないとか、以下はいけないとか、そんな杓子定規的に考える必要はなくして、これは国におきましても、又私どもの静岡県におきましても、昨年来、県の地方行政審議会を設けまして、県下二百七十の町村の行政、財政のあらゆる面から、どのくらいが、人口の点で今後行政、財政の面からいたしましたならば、適当であるかということで調べた結果によりまするというと、やはり七千乃至八千という答えが出ておる。これはたまたま自治庁あたりでお調べ下さつたことと符節を合わせるようなふうになつておりまして、私どもも、これは現在の二千、三千若しくはもつと小さな町村が散在をいたしておりますので、おおむね八千くらいが適正規模である、かように考えますので、原案の通り「おおむね八千」ということが妥当であると考えております。
 市の問題については先ほど申述べた通りでございますが、次に議員の問題でございますが、これはいろいろ議論がありますので、私どものほうの立場からいたしましても、これにつきましては研究をいたしておりますが、私はかようなことに皆さんの御考慮を煩したいと思いますことは、先ほど来御口述の各位から御意見の出ました中にもありますように、合併を阻害する一つの問題といたしまして、甚だ我々町村議員の立場から申しまするというと、どうかとは思いまするけれども、従前の合併前の議員が残任期間若しくは最高二カ年を限つて在任をするということは、これは普通ならば考えられないことであります。でありますが、合併ということに対しまする一つの障害を除去するという面と、もう一つは新らしく町村が合併をいたして新らしい町村を作りました二年若しくは三年乃至は五年という間においては、これの善後措置をするということは、私は議員に課せられた重大なるこれは責務だろうと思う。そこで合併さえできれば、さようならばと言て去るということは、法律上からはさようにおきめになつてもいいことではありまするけれども、少くとも地方関係議員として、住民の意思を酌んで、そうして立派な合併を作り上げるという建前から行きましたならば、これは若干数が多くなる点はありまするけれども、この点は暫く特例として二カ年なり若しくは残任期間なりというものは残つて、そうして善後措置を立派になし遂げて、次の新らしい今度は自治法に基いたところの新らしい町村の議員の選挙に臨む。そうして新らしい議員を作つて、これに引き継いで行くということが、私は町村を強化するという意味から申しましても、重要な一つの点だろうと考えております。さような意味からいたしまして、これは是非本会が主張をいたしました意見に対して皆さんの御賛成を仰ぎたいと思うのであります。
 それから議員の身分の問題についていささか触れてみたいと思いますが、これは私は先ほど知事会を代表せられました高辻富山県知事さんのお説のように、町村合併ということは成るほど行政整理でありますので、こういうことを法律上規定するということはどうかという点もありますが、やはりこれも或る程度はさようなことにして、そうして相協力をして、この新らしい町村のよりよい発展を図るためには暫くの間は必要じやないか、かようにまあ一応考えておりますので、そうして新らしい町村ができた後で、立派な歩みができるようになつたときに、初めてこれは行政整理を本格的にやつて行くということも、取りようによつては私は必要じやないか、かように考えておりますので、この点については精神的にこれらのことを考慮して頂くということは、例えば法文の中に規定をいたさなくても、或いは合併町村同士の協議の間においても、こういうことだけは一応は認めてやらねばならんことじやないか、こう考えておる次第であります。
 それから附則の問題になりますが、法律施行期間の五カ年を三カ年とするということでありますが、これは一つ是非五カ年ということに願いたいかように考えております。
 その他は大体以上申述べましたような趣旨の下におきましてお願いをいたしたいというのでございまして、繰返すようでありますが、本法の立法精神を十分に生かして頂くようにお願いをして、これの成立を是非一日も早くお願いをしたい。最近の各府県の地方新聞などによつて見まするというと、各府県におきまして非常にこの法案に期待をかけておる。町村合併の動きが非常に動いておる。これは御承知のことと考えます。私は全国的に町村を合併しようというような熱意の動いておるこのときに、かような法案を早く成立さして頂きまして、それによつて目的を達するように御配慮を願いたい、これを附加えてお願いをするのであります。
#16
○委員長(内村清次君) ありがとうございました。以上を以ちまして参考人の御陳述が終つたわけでございます。各委員のかたから質疑がありましたら一つ御質疑を願います。
 それでは午前中はこれで終りまして、暫時休憩をして午後一時半から委員会を再開することにいたします。
   午後零時分九休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十四分開会
#17
○委員長(内村清次君) それでは午前に引続きまして地方行政委員会を開会いたします。
 町村合併促進法案を議題に供します。本法律案は地方行政委員の皆様で発議した関係もございますので、質疑討論は省略することに御異議ございまんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(内村清次君) 御異議がないと認めます。
 では、直ちに採択に入りたいと存じます。町村合併促進法案を原案通り可決することに賛成のおかたの御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#19
○委員長(内村清次君) 全会一致でございます。よつて町村合併促進法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(内村清次君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を付することになつておりますから、本法案を可とせられるかたは順次御署名を願います。
 多数意見者署名
    石村 幸作  堀  末治
    館  哲二  西郷吉之助
    高橋進太郎  長谷川行毅
    小林 武治  若木 勝蔵
    松澤 兼人
#21
○委員長(内村清次君) 御署名洩れはございませんか。
 御署名洩れはないと認めます。
 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#22
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
 それでは自治大学校設置法を議題に供します。
 先ず質疑を続行したいと存じます。
#23
○館哲二君 これも提案の理由の説明は聞いたのですが、一応内容に亘つて学校の組織、或いはそれに関連した予算の内容というようなものについて、政府側から一つ説明を聞きたいと思います。
#24
○委員長(内村清次君) 尤もなことであると思いますが、只今館委員から言われましたように、政府のほうで提案理由外の補足的な各条の説明、これを一つ鈴木次長からお伺いしたい。
#25
○政府委員(鈴木俊一君) それでは自治大学校設置法につきまして概略御説明を申上げます。
 この自治大学校の設置法を今回提案をいたしました趣旨といたしましては、数年前からでき得ますれば、アメリカの、例えばロツクフエラー財団であるとかフオード財団であるとかいうようなところから、日本の民主主義の発達のためにということで、何か地方公務員の研修というようなことのために若干の経費を支出してもらえないだろうかということを、占領時代におきまして、司令部の民生局を通じて、いろいろ折衝いたしおつたことがあるのでございますが、その話はいろいろ経緯がございましたが、結局どうもうまく行かないということになつたのでございます。併しながらこの占領後の地方自治の状況に鑑みて、当時の総司令部側におきましても、非常に地方公務員の研修教育ということについては深い関心を示しておりまして、た差かく本国のほうでそれを現をする運びまでに至らなかつたという実情があつたのであります。政府といたしましても、司令部側の問題はともかくといたしまして、やはりこの地方自治の新らしい姿において一番重要なことは、やはり地方公務員の資質を向上し、勤務能率の発揮、増進を図る。そうして民主化された地方行政が本当に、民主的な且つ能率的な運営ができるということに狙いを置かなければならんということで、この地方公務員の研修につきましては特に関心を持つておつたわけであります。一方この地方公務員法の中に、地方公務員に関しまする研修の規定がございまして、各任命権者は地方公務員の勤務能率の発揮及び増進のために、職員に対して研修を受ける機会を与えなけならない、こういうことを書いておるのであります。地元公務員法の第三十九条にそのことがあるわけであります。各府県の実情或いは市町村の実情といたしましても、大体府県が府県の職員のために研修所を設ける、自治講習所或いは自治研修所というようなことで、各府県にそういうものを設ける、或いは市町村の職員、殊に町村の職員のための研修施設を各府県に設けておるというのが少くないのであります。そういういわば初歩的な研修と申しますか、講習に対しまして、やはり府県なり市町村の中堅幹部の職員の研修ということがやはり心要であろう、いわば高度の研修が必要であろうということになるのでありまして、その高度の研修を各府県でいたしまするとしますると、やはりどうしても講師を得ること、或いはその他の研修の施設を用意いたしまする点において、なかなかうまく参らない。そういうことから、やはり中央に何らか高度の地方公務員の研修機関を設けることがよろしいというような意見がいろいろございまして、自弁といたしましても、地方公務員の高度の研修機関を設け、国がこれに対して或る程度の資金を出しますと共に、一部地方でも職員の旅費等を以て研修をするというようなことにしたらどうであろうかということで、かような高度の地方公務員の研修機関といたしまして自治大学校を設置しようということになりまして、今回の提案をいたしました予算にも関係の経費を計上いたしまして、一方この自治大学校設置法案を提案いたしました次第であります。
 以下逐条で大体申上げますと、第一条は、設置の目的を書いておるのであります。地方公務員に対する高度の研修を行う機関として国家行政組織法の規定に基いて、自治庁に、自治大学校を置くということであります。
 それから第二条は所掌事務でございます。この書き方は、国家行政組織法に基きます各省設置法等の大体用例に従つてこれは書いておるのであります。「自治大学校は、左に掲げる事務を行う。一 地方公務員でその任命権者の推薦に係るものに対し、高等の研修を行うこと。二 地方公務員法第三十九条に規定する研修の内容及び方法について調査研究を行い、及びその成果を刊行すること。2 自治大学校は、前項に規定する事務とあわせて、左に掲げる事務を行う。一 地方自治に関する制度及びその運営に関する理論及びその応用について基本的な調査研究を行うこと。二 地方自治に関する制度及びその運営に関する資料を収集し、編さんし、及び保存すること。3 自治大学校は地方公共団体の行政に密接な関係がある職務に従事する国家公務員に対しても、その任命権者から依頼があつた場合においては、研修を行うことができる」これは大体第一号におきましては高度の研修を行うものである。その対象は任命権者が推薦するものということでありまして、都道府県なり市町村の長が推薦する、或いは委員会の職員でありますならば委員会が推薦する、議会の職員なら議会が推薦するということになるわけであります。それから第二号に書いてございますのは、任命権者が地方公務員法第三十九条によつて行います研修の内容、方法について調査研究を行なつて、その成果を刊行する。地方の研修機関に対してかような調査研究をやつていろいろ援助をするというようなことが、ここから出て来るわけであります。第二号におきましては地方自治に関する制度、運営に関する理論、及びその応用について基本的な調査研究をする。それから資料の収集、編さんをやるということであります。これはいわば自治大学校の研究に属する部門のことでございます。第三項では地方公務員の研修が自治大学校としては本旨でございますけれども、地方自治に密接な関係のある職務に従事しておる国家公務員についても、特に依頼を受けて研修することができるということであります。
 第三条は、地方公共団体の研修機関に対する技術的援助、第二条の第一項、第二号で申上げましたような調査研究の成果を提供するとか、講師を斡旋するというようなことで、技術的な援助をするということであります。第四条は、地方公共団体の機関の委託を受けまして、第二条にございますような調査研究を行うことができる。それから自治大学校は、更に関係機関、これはまあ国の各省庁或いは地方の研修所或いは国の内外、外国の研修機関、その他の文化機関といつたようなものとの間、或いは地方団体の連合会というようなものとの間において、必要な資料その他の交換を行うことができる。こういう意味でございます。
 第五条は位置でございます。
 第六条に組織といたしまして、校長その他の所要の職員を置く。校長は自治庁長官の承認を得る。内部組織は総理府令で定める。組織といたしましては、あとで予算の上で申上げたいと存じますが、今回は自治庁の職員の一部を割きまして、この職員に充てたいというふうに考えております。
 それから第七条の自治大学校運営審議会、これは自治大学校がその設置の本旨に鑑みまして、やはり地方公共団体の要望に十分副うものでなければなりませんので、校長の諮問に応ずるために地方公共団体の長、議会の議長の全国的連合組織の代表者並びに一般学識経験者で組織する自治大学校運営審議会を置いて、いろいろ意見を聞いて運営をして行くということにいたしておるわけであります。その組織運営は政令で定める。附則の第一項は、八月一日ということに予定いたしておるわけであります。それから附則の第二項に自治庁設置法を改正いたしまして、自治大学校を自治庁に置くという関係から第二十四条の二というのを新しく入れる。なおその所掌事務の範囲に、地方公務員に対して当該地方公務員の任命権者の依頼を受けて研修を受けるというのを入れようということであります。
 なお、自治大学校の経費といたしまして、今回の提案をいたしておりまする予算に計上されておる状況を公務員課長から説明を申上げます。
#26
○説明員(山野幸吉君) 自治大学校の二十八年度の予算について御説明申上げます。自治大学校の当初の予算は千二百万ございましたが、今度の修正された予算におましては総額七百九十八万七千円でございます。そのうち事務局職員の手当が六十二万四千円ございまして、講師その他の謝礼金が百七十万円でございます。そのうち専任の教授の手当が二人分入つております。それから庁費といたしまして四百八十一万七千円ございます。そのうち諸度調弁費に当るものが百六十七万円ございます。その他は印刷製本費の百六十万円、その他一般の経営費が若干ございまして、総額庁費といたしまして四百八十一万七千円になつております。これは今年度半期分の予算でございますが、仮に現状通り平年度化して考えますと、大体一千万円になるだろう、かように考えております。
#27
○石村幸作君 そうしますと庁費以下のやつは……。
#28
○説明員(山野幸吉君) 事務局職員といたしましては、諸般の事情から定員が認められませんでしたので、非常勤職員として八名分を計上されたわけでございます。従いましてその額が六十二万円になつております。
#29
○石村幸作君 前に資料が出ておりますが、これに合せて言つてもらいたい。会議費とか、各所新営、これはないのですか。
#30
○説明員(山野幸吉君) これはございます。極く大ざつぱに申上げます。地方自治研修費が七百九十八万七千円ございまして、非常勤職員手当が六十二万四千円、謝金が百七十万一千円、職員旅費が九万一千円、庁費の総額が四百八十一万七千円、その内訳としまして、備品費が百六十七万九千円、消耗品費が二十三万三千円、印刷製本費が百六十万六千円、光熱水料が百八万一千円、通信運搬費が八万三千円、借損料が五十二万八千円、雑役務費が六万円、自動車修繕費が十万二千円、各所修繕費が四万五千円、会議費が一万六千円、各所新営が六十九万三千円でございます。これは先ほどちよつと申上げましたように、当初は総額が千二百万ございましたが、第一次の修正で九百十三万に査定されまして、更に今度の修正で七百九十八万七千円になつたわけでございます。
#31
○若木勝藏君 次長さんにいろいろ伺いたいと思うのでございますが、先ず私は自治大学校という名称について伺いたいと思うのです。地方公務員の地方にあるところの研修のためのものは研修所というふうな名前がついておるのですが、特に自治大学校という名称を調う理由ですね。私は中央研修所とか何とかいう、研修所の系統としていいのじやないかと思うのですが、特にこういうような名称をつけた理由を一つ伺いたい。
#32
○政府委員(鈴木俊一君) 自治大学校と特に申しましたのは、実質は第一条にございまするように、地方公務員に対する高度の研修機関でございますが、そういうような性格の現在研修機関といたしまして、御承知のごとく警察大学校というようなのがあるわけであります。これもやはり自治体警察の職員に対する高度の研修を行なつておるわけであります。勿論国家公務員である警察官につきましても研修をいたしておりますが、自治体警察についてやつておるわけです。このほうが圧倒的に数は多いわけであります。そういうことがございまするので、やはり同じ市町村或いは府県に勤務いたします地方公務員に対する高度の研修機関として、警察行政事務に従事いたしますものについて警察大学校という形のものがございまするならば、一般の地方自治行政に従事いたしますものについても、何らかかような形の呼称の研修機関にいたしまして、やはり本当にそこにおいてそれだけの強い関心と熱意を以て研修を受けるという気風を起し、それが結局その地方公共団体、その地方公務員の属します地方団体の全体の励みにもなるというようなことで、やはり同じような名前をとることがどうであろうかというふうに考えたのであります。
 なお、この自治大学校ということにつきましては、先ほどちよつと当初の経緯を申上げましたが、初めから自治大学校というようなことで、資金関係につきましてアメリカのフオード財団等に対しまして要望いたしましたこともございまして、それに関しましては全国の地方団体連合組織の代表者の方方がいずれも賛成をいたしまして、さような形で要望するというようなことになつておりましたので、さような、一面、沿革と申しますか経緯もあつたわけでございます。そういうようなことで自治大学校という名前を選んだ次第でございます。
#33
○若木勝藏君 そうしますというと、今の、答弁を聞いておりますと、自治大学校という名前にするというと、生徒も喜び勇んで熱意を以てやつて来る。警察大学校もあつたから、かたがたそれと肩を並べるというふうに聞えるのですが、そういうことは如何なものですか、本当に上調子な名譽心にかられて入つて来るというのでなしに、本当に自分の教養を高めるということになれば、ちよつと目新しいようなそんな名前というものは如何かと思うのです。殊にこれは学校教育法には立派に学校を学義してある。そういう方面になるというと小学校とか、中学校とか、或いは高等学校、大学というような工合に一つの系統を持つておる。ところがそれによらないところのものは大抵学校という名前を用いないで、ここにもあるように養成所とか、或いは研修所とかいう名前を用いるのが普通じやないかと思うのですが、そういう点から非常に学校系統から考えて紛らわしい一つの名称になるのではないかと考えられるのですが、その辺はどういうふうにお考えになりましたか。
#34
○政府委員(鈴木俊一君) 只今若木委員の仰せになりました点も確かに一理ある点でございますが、何分これは数年前から自治大学校ということを一つの与えられた問題に対する解決方法として、地方団体の連合会の人たちの何とかこの自治大学校を作りたいということで、それには政府も地方もそれぞれ協力してこれを作ろうではないかというような考え方がずつとあつたわけでございまして、先ほど申上げましたように、さような一つの目標に対して地方公務員のほうでの或る程度のこれに対する期待を持つておるということがございまするので、成るべく当初のさような考え方をそのまま実現をいたしたいということが、やはり一つの理由であるのであります。と同時に、各府県単位に地方公務員の研修施設があるわけでございまするので、それらに対する関係において、その系統としてはやはり一つ上の研修機関という意味で、丁度まあ警察につきましても、同様な管区の警察学校といつたようなのに対しする上の研修機関、こういうような形で警察大学校がございますので、何らか同様な趣旨で自治大学校というような名前を与えて、できるだけ地方公務員に対するしつかりとした基礎的な幹部職員としての研修をいたしたいということが、この趣旨でございます。
#35
○若木勝藏君 そうしますというと、そこに入つて来るところの入学者といいますか、そういうものの資格ということについて一応考えて見なければならんと思うのでありますが、普通の学校教育法に示されたところの学校の場合においては、例えば大学なら大学、高等学校なら高等学校に入るものの入学資格というものはこ御承知の通りはつきりしておる。そこで先ずこの自治大学校の入学者の資格というものを、学校という一つの系統を考えるならば地方の研修所を出たものを以て有資格者とするとか、何かそういうものがなければならんように思うのでありますけれども、ただ単に中堅の地方公務員を研修するために、地方の任命権者の推薦によつたものを資格者にする、こういうふうな工合に考えられるようなんでありますが、この辺はどういうものですかね。私ならば一つの系統的に研修所を出たものは入学資格があるというような形にしたほうがすつきりするのじやないかと思うですけれども、その辺はどういうふうにお考えになりますか。
#36
○政府委員(鈴木俊一君) 御指摘のように、地方の大体府県単位でございます公務員の研修機関というものを、将来逐次内容の充実した、整理されたものになるようにいたして参りますならば、それとこの自治大学校との間に一つの系統的な脈絡、連絡をつけるということは、勿論可能であろうと思います。将来はそういうふうに是非持つていきたいと思いますけれども、今日の段階におきましては、まだ必ずしもすべての府県単位にございます研修施設が、そこまで直結するという段階にまでなつていないものもあるわけであります。従いましてすでに内容の充実し、整備されておりますようなものにつきましては、そういうようなことが可能と思いますけれども、そうでないものにつきましては、やはりその他の方法によりまして推薦をしてもらうということになろうかと思うのであります。やはりその団体の任命権者として、一番かような種類の研修を受けさせるのに適当であると思われるものはとにかく推薦せしめる。その際に御指摘のような研修施設を出ておるものも一つの要件と考えるというようなことがやはり適当ではないかと考えております。
#37
○若木勝藏君 私はそこに問題があると思うのです。とにかく普通の学校の場合におきましては、高等学校に入るものは中学校を出たものというふうに、おのずからそこに資格というものは備わつて来ると思うのです。ところが折角研修所なら研修所というものに入つて修養しておるにもかかわらず、それが一つの資格と認められないで、他の方法によつて任命権者の推薦というような方法で、全くこれと無関係な形に、一応ですね、そういうことにやられるということは、研修して行くものの将来ということを考え、又公務員の間において任命権者の大体お目にとまつたようなものがそういう所に入つて行く、こういう形で、非常に収容系統としては普通の形じやないのじやないか、そこに私は問題が生じて来ると思う点があるのです。これはこういう方面で見込のある人間だから、これは一つ自治大学校に入れてやれ、こういうような形でとることは地方公務員全体に及ぼすところの、一つの何と申しますか、気持といいますか、或いはそれらの将来という点から、折角自治大学校というような名称まで用いておるのだから、そういうことにとらわれずに、一つの収容系統を作つてやつたらどうか。併しあなたのさつきの御答弁では、将来研修所も充実して来れば、そういう形になるというお話でありましたから、その点について私もまあ同感の意を表しますけれども、現在においては、研修しておるものを除外されて、お目にかかつたものがそこに行くということについては一応考慮してもらう、こういう点を考えてもらいたい。
 そこで更にお伺いしたいのは、そうすると自治大学校に入つて来るところの入学者は何という名前がつくのですか。生徒ですか。
#38
○政府委員(鈴木俊一君) これは今の学校教育法に基きまするような意味での、いろいろ生徒とか学生とかいうようなことがないわけでございますから、結局今の自治大学校の運営審議会に諮問をいたしまして、全体の運営をどういうふうに持つて行くかということがきめられることでありますから、大体生徒というものもちよつとおかしいと思いますけれども、学生というような表現を用いることが適当じやないかと思います。別にこれはまだこうしなければならんということにきめた呼称もございません。
#39
○若木勝藏君 そうなつて参りますというと、私はこの名称にとらわれるようであるけれども、妙な名称になるのじやないかと思います。実態にそぐわない名前、自治大学校ということにして、それらの何と申しますか、名誉心というか、悪く言つたら虚栄必ということになるかも知れませんが、そういうものを満たすだけの名称じやないか、こう思うのです。自治大学校というふうなものが学校系統によらないとしても、それに準じた一つのしつかり’した形を持たなければならん。名誉という以上はそういうふうに考えなければならん。今の警察大学校というものは私はどういうふうにできておるか、その内部組織をよく知りませんが、若しそれらのものと同様のものであつたら変なものじやないか、こう考えます。
 そこで更に伺いたいのは、「自治大学校の内部組織は、総理府令で定める」、この内部組織というものはどういうふうなものをいうのですか。
#40
○政府委員(鈴木俊一君) これは先ほど公務員課長が予算について御説明申上げましたように、特別な定員として特に増員をいたしておりませんので、自治庁の中の定員の一部を割いてこの仕事に当らせるということにいたしておりまして、そのほかに予算にございます非常勤の職員を以てこれに充てるというふうに今考えておるわけであります。この内部の組織といたしましては、従つて各いわゆる庶務的なことをいたしますもの、或いは教務的なことをいたしますものというようなことを、適当に線を引いて考えて参りたいというふうに考えておるのであります。
#41
○若木勝藏君 特に私はその点について伺いたいのは、職員組織ですね、普通の大学にせよ、或いは高等学校にせよ、一つの学校を運営して行くためにはそれに相応するところの組織がきちんとしておる。そういう立場から伺いたいのでありますが、この自治大学校の職員組織というものは、どういうふうな形になつておるか、それを伺いたい。
#42
○説明員(山野幸吉君) 先ほど次長から御説明ございましたように、差当りは非常勤職員八名が予算で認められたというのに過ぎませんので、実は附属機関でありますから、誰か本定員の職員を管理者として置かなければいがんだろうということで、管理者として一名を自治庁の職員から割いて行きたい、かように考えております。そうして先ほどの予算の説明で申上げましたように、専任講師として一人分の手当が組んでございますので、こういう方々にまあ教授と申しますか、その講師になつて頂く。それから事務局職員といたしましては、まあ差当つてそういう非常勤の職員を以ちまして書記課、大学の庶務を司る課、それから研修を司る教務と申しますか、そういう課、それから調査研究に従事するような研究課と申しますか、或いはこれは当分は係ぐらいになると思いますが、そういうような構成でやつたらどうだろうかというふうに考えておるわけでございます。
#43
○若木勝藏君 更に内部組織について私は伺いたいのですが、それだけのいわゆる学生だか生徒だかを収容いたしますと、実際建物というようなものはどこでやられるのか。
#44
○説明員(山野幸吉君) 建物につきましては、現在麻布の材木町に、地方公務員共済組合で中央に宿泊所を建設しようという計画で、只今土地を買収しております。そこに丁度手頃の建物がございまして、そこを一時借用いたしまして施設に充てて行きたいと考えております。
#45
○若木勝藏君 生徒はどのくらいいますか。
#46
○説明員(山野幸吉君) 生徒の数は、大体都道府県の課長補佐級に当るものを五十名、それから係員、係長のクラスを百名、大体差当つて百五十名でございますが、そのうち都道府県に限らず、若干は市町村の職員を収容して行きたい、かように考えております。
#47
○若木勝藏君 いわゆる学校におけるところの研修の期間というものはどのくらいになるのですか。
#48
○説明員(山野幸吉君) 半年間。
#49
○若木勝藏君 半年間、そこで更に伺いたいのでありますが、職員組織に関係するのですけれども、校長さんは次長さんがなるのですね、今度の場合においては。
#50
○政府委員(鈴木俊一君) その点ちよつと御説明を申上げたいと思いますが、前国会に提案をいたしました案におきましては、御指摘のように校長は自治庁次長を以て充てるということにいたしておつたのでございますが、これを今回の案におきましてはその点を抜いております。その趣旨は当初まあ国全体の行政の簡素化というようなことから、増員を極力抑制するという政府の方針に基きまして、増員を認められないという建前に相成りましたので、従つて何らか自治庁の中の職員で全体の仕組みを考えて行かなければならないというようなことで、一応校長は次長の兼任というようなことを考えておつたのでございますけれども、併しさように次長が当然に校長になるというふうに法定いたしますことにつきましては、如何かというふうに考えられる面もございまして、又必ずしも非常勤の職員を校長にするということも不可能ではないのではないかというふうに、その後考えられましたので、従つてさような拘束的規定は、これを抜くということにいたした次第であります。
#51
○若木勝藏君 その法案は二種類あつたわけなんだな、私は先のほうを見ておりましたが、それをとられたということは非常に私は意義のあることだと思うのです。自治庁の次長さんが校長にならんということは、それはまあ自治大学校の運営というような方面からいいますと、自治庁の次長というふうなかたが大学校の校長になるということになるというと、学校の自治というような方面で非常に運営上拘束されて来る部面があるのじやないかと思います。そこでいやしくも自治大学校というふうについた以上は相当この運営に自治的な立場をとつて行くべきである、そういうときにこの学校が直属しておるということは民主的に学校の運営はできて行かないというふうに思うのです。特に民主的というよりも、一つの自治庁なら自治庁というふうな官庁が、全国の地方公務員のいわゆる収容を規制して、行く行くはいわゆる一つの国家的な枠に地方公務員を当嵌めて収容さしてしまうのじやないか、こういうふうなことが考えられる。ですから私としてはその点を削つたということは非常にいいことで、なお更に言うならば、第六条にいうところの「校長は、自治庁長官の命を受け公務を掌理する」というふうなことを同様に考えるべきじやないか、もつと学校自体に一つの自主性を持たすべきじやないか。どうも大学校が官庁の直属になつておるということについては、殊に私は地方公務員、いわば地方行政に当るところの行政官の学校としては不適当なんじやないか、こういうふうに思うのです。この点は更に、もう少し私はわからない点があるのでございますが、一体高度の研修をするということになれば、この研修を受けるところの内容というふうなものは、科目的に考えて行つたらどういうふうになりますか。
#52
○説明員(山野幸吉君) 高度の研修と申しますのは、先ほど来御説明申上げておりますように、自治大学校は地方公共団体の任命権者では十分なる研修が行われないと思われるような研修を一般的に指しておるわけでございます。従いまして例えば初任者とか或いは単純な書記的な職務とか、或いは技能的な職務に従事する極く初歩的な研修は、これは十分地方公共団体でできる。従つてそれより以上の中堅幹部職員としての研修で、講師の不足とか或いは施設の不備等によつて、どうしても統一的な研修が困難であるというよ芸な研修を指すわけでございます。そこで一体そういう研修科目はどういう研修の内容になるかという問題でございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、地方公務員の構成をみましても、仮に府県をとりましても、現在府県の職員の中で、旧制の中等学校以下の学歴の人が大体府県職員の八割を占めております。旧制大学を出た職員というものは極く一割に満たない、たしか五・五%か、そこらの率にしか当らないわけであります。従いましてそういう学歴もそれぞれ異なつておる職員について、中堅職員としての研修をやつて行きます場合には、一応は基礎学的なものはどうしても取上げて行かなければいかんのじやなかろうか。そこで基礎学と申しますか、例えば憲法でございますとか、行政法総論でございますとか、或いは経済学、財政学、社会政策、そういつた一般の基礎学的なものになるわけでございます。勿論大学を卒業して研修を受ける場合には、そういう基礎的な学問はすでに得ておりますが、これも最近の終戦後におけるそういう学問の動向を知ることも一つの意味があると思いますので、一応そういうような基礎学を考えたらどろだろう。それからそのほかに基礎学として百般の自治講話とか、相当多年自治に従事されておる方々の講話とか、或いはそのときどきの政治経済の情勢の講話とか、そううう課題講話も相当考えて行つたらどうだろうか。それから次はその中核になるべき地方行政の一般の問題でございますが、地方行政の学問としましては、先ず一般的に、その地方行政についてのいろいろな科目が考えられるのじやあるまいか。その中では例えば地方自治の制度、地方自治制度の運営の実態、そういうものについての、これはまあ地方自治法その他を中心とする制度論になると思いますが、そういう、地方自治制度運営論と申しますか、それから地方税、財政に関する科目、それから議会制度或いは選挙制度、それから各国の比較地方制度と申しますか、比較地方制度論、それから都市経営とか農村経営、或いは国土開発とか国土計画とか地方計画、そういうようなものが地方行政の一般論的なものになるのじやあるまいか。そうしましてそのほかにまあ各行政論と申しましようか、建設行政でございますとか或いは商工行政でございますとか、中央各省庁の行政論を一亘りやはり教えなければいかんのじやなかろうか。それからそのほかに管理論、いわゆる一般のマネージメントの学問でございますが、そういう学問についても当然監督者としては教えて行かなければならない。例えば組織論でございますとか、或いは人事管理、人務管理とか、或いは会計等の財務管理、或いは能率論的なものも入つて来ると思いますが、それから法制、条例、規則の制定に関する一般の法制の関係、公営企業関係、こういうような学科を一応考えております。併しこうした学科につきましては、いろいろ中には学問としてまだ十分完成していない部分もありますし、いろいろ各方面の意見を参酌して、今後内容を充実して検討して完全なものにして行きたい、かように今のところ考えておるわけであります。
#53
○若木勝藏君 私は地方公務員なり、国家公務員も同じことであると思いますが、いやしくも自分のとつておるところの行政事務ということについては、相当私はどなたも堪能なところがあるのじやないかと思います。むしろ地方公務員或いは国家公務員の行政に携わつておる人らの修養上重要なことは、基礎学と申しますか、一般教養と申しますか、そういうような点は却つて重要じやないか、こう思うのですが、そういう点で今のお話ではそういう方面に半年間で以て相当研修されるようでありますけれども、私はそういうような人間的な一般の教養ということになりますれば、今教育界でも随分行われておるところの、何と申しますか、国内留学ですか、そういう大学なら大学の研究所に或る教授なら教授についてみつちり研究するというような、そういうような一つの制度が考えられるのじやないかと思うのです。そういう点を考えたときに、これだけの予算で以てやれば、年々相当の数の今皆さんが考えられておるような人たちの数を一カ年ぐらい私は留学させることができるのじやないか、こういうふうに考えられるのです。そういう点はどうですか。この自治大学校を以てやるということと、留学制度を以て十分選抜して研究さしてみるという制度と、共に御研究になつたことはおありですか。
#54
○説明員(山野幸吉君) 当初私どもこの大学校の構想を考えます場合に、同じような御意見が各方面からありまして、そうしてまあいろいろ考えたわけでございます。考えようによりましては、大学の委託学生的な行き方もいいじやないかという意見も相当ございましたのですが、ところが各地方公共団体の研修機関とか或いは任命権者の意向をいろいろ聞いてみますと職員に単に学問的な理論だけを教えたのでは、どうも地方公務員の幹部職員の養成には直接的にあまり効果がない。そこでどうしてもそういう地方で研修機関を作つてもらう場合は、飽くまで現任教育的な立場をとつて、実務と結びついた理論を、同じ理論を教える場合に実務と結びついた方面から教えてもらいたい、こういうような希望が非常に強いわけでございます。従いまして私どももそういう点もいろいろ考慮しましたけれども、まあ一応大学校として発足する場合には飽くまで現任教育的な、実務教育的な方面を相当重視しながら、なお且つそれの基礎理論を教えて行くというような研修科目の選定、教授の方法をとるべきじやなかろうか、こういう工合に考えたわけでございます。
#55
○若木勝藏君 それではあなたの今のお話からずつと考えてみますというと、相当これは一般教養も高めるし、又行政方面についての学問的な立場も考え十分研究さしたい、そういう点からみますと、あまりに学校の内容、組織というものは貧弱じやありませんか、こういうふうな職員組織によつて半年間で以てそれだけの効果を上げるということは、これは私は不可能じやないか、こういうふうに考えるのですが、次長さんはその点はどうですか。
#56
○政府委員(鈴木俊一君) 只今の若木委員の仰せは誠に御尤もな点があるのでございますが、何分今回の予算に計上いたしましたものは発足の第一年度でございますので、従つて予算その他におきましても、必ずしも十分とは言えない計上の仕方でございますけれども、できるだけこれは将来逐次改善をいたし、校長とか職員等につきましても専任の職員を更に充実いたしまして、逐次内容の充実したものにして参りたいというふうに考えておるのであります。今年は年度後半から出発いたしますことでもありますので、まおだんだんと将来に期待をかけまして、今年はとにかく基礎を全体としてはつきり作つて参りたいということを主に考えておるわけであります。
#57
○委員長(内村清次君) 質疑は又次回に続けることにいたしまして、本日はこの程度で委員会を閉じることにしてよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(内村清次君) それでは本日はこれにて委員会を閉じます。
   午後三時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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