くにさくロゴ
1953/07/28 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 地方行政委員会 第18号
姉妹サイト
 
1953/07/28 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 地方行政委員会 第18号

#1
第016回国会 地方行政委員会 第18号
昭和二十八年七月二十八日(火曜日)
   午前十一時七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     内村 清次君
   理事
           石村 幸作君
           堀  末治君
           館  哲二君
   委員
           長谷山行毅君
           小林 武治君
           秋山 長造君
           若木 勝藏君
           加瀬  完君
  衆議院議員
   公職選挙法改正
   に関する調査特
   別委員長    森 三樹二君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   自治庁選挙部長 金丸 三郎君
   自治庁税務部長 後藤  博君
  衆議院法制局側
   参     事
   (第一部長)  三浦 義男君
  説明員
   自治庁府県税課
   長       柴田  護君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(内村清次君) 只今から委員会を開会いたします。
 先に昭和二十七年の期末手当支給の件について奈良県知事から事情を聴取することになつておりましたが、奥田県知事は目下県の山奥の水害地を現察中であります。聴取のできる日にちを問い合せ中でありますので、判明次第時日を決定いたしまして、同君について事情を聴取することにいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(内村清次君) なお、委員会の決定は証人として呼ぶことになつておりましたが、参考人としても差支えないと考えますが、この点御了承をお願いしたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(内村清次君) ではさように決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(内村清次君) 実は今日の日程に上つておりました公職選挙法の一部を改正する法律案、これは衆議院提出でありますが、この法案を議題に供することにいたします。
 先ず衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長の森三樹二君から提案理由の説明を聞くことにいたします。
#6
○衆議院議員(森三樹二君) 私が只今委員長より御紹介頂きました衆議院の公職選挙法改正に関する調査特別委員長の森三樹二でございます。
 只今議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、簡単にその提案理由を御説明申し上げます。
 本案は、昨二十七日、衆議院選挙法改正に関する調査特別委員会におきまして、全会一致を以て起草提出いたし衆議院を通過した法律案でありますが、御承知の通り、衆議院の特別委員会は公職選挙法の改正につきましては、法全般にわたり、また根本的な問題につきましても、現在鋭意調査検討を重ねつつあるのでありますが、差し当り近く行われる予定の再選挙に備えまして、選挙の一部無効による再選挙に関する規定を整備する必要が生じましたので、ここに本改正案を提出するに至つた次第であります。
 申すまでもなく、選挙の効力について争訟が提起され、その結果、選挙の一部が無効となり、その一部の区域のみで再選挙が行われることとなりました場合、現行の公職選挙法の規定によりますと、選挙運動の期間、各種の選挙運動に関する制限、選挙公営等殆ど本来の選挙と同様の規定が適用されるのでありまして、本改正案は、右のような不合理を除きますために、選挙の一部無効による再選挙につきまして、その区域の広狭や選挙の種類等を考慮して、選挙運動の期間を短縮し、或は選挙事務所の数、自動車等の使用数、通常葉書及びポスターの枚数、個人演説会の回数等の選挙運動や選挙公営を制限する等、政令で特別の定をすることができるようにしようとするものであります。
 何卒、慎重御審議のうえ速かに御可決あらんことを切望する次第であります。
#7
○委員長(内村清次君) 只今提案理由の説明がなされましたが、この法案につきましての質疑がありまするかたは順次御発言願いたいと思いますが、その前に衆議院からどうですか。一応説明をして頂いて……。法制局の三浦部長から一つ……。
#8
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 只今衆議院の選挙法改正に関する調査特別委員長の森議員から御説明がありましたが、私からなお補足して御説明を申し上げたいと思います。お手許に差上げてございまする案は二百七十一条の二を新らしく設けまして選挙の一部無効による再選挙につきまして、従来の公職選挙法の中に特別の規定があるのは別問題といたしまして、新らたに選挙の一部無効に関しまして、再選挙の行われる区域の広狭或いは選挙運動の長短等に応じまして、それぞれの選挙或いはその選挙の行われる態容に応じまして、政令で特別の定めをするという委任規定の根拠を設けることにしたわけでございます。これにつきましては、すでに御承知の通り、現在の公職選挙法の中にも、例えば、七十二条とか、八十条、その他百六十七条或いは百九十五条、百九十六条等選挙の一部無効に関しまする規定が設けてあるわけであります。併しながら、こつらの規定だけでは、選挙の一部無効の場合に応じまして、選挙を執行しますにつきまして、必ずしも十分でないきらいがありますので、こういう規定を設けまして、政令で、その適切な処置をすることにしようというわけでございます。例えば、葉書等について申しますると、候補者につきまして五万枚の葉書を交付するというような場合におきましても、選挙区が、再選挙の行われまする区域が非常に狭い場合におきまして、有権者の数が五万以下の場合も勿論ありますので、それに葉書を従来通りたくさん交付するという必要はなかろうかと思うわけでございます。それから又或いは選挙運動の期間等につきましても、本来の選挙が行われるときと同様な期間を置く必要もないかと考えられますし、或いは又選挙の費用につきましてでございますが、これは現在公職選挙法の中に規定がありまして百九十六条にあるわけでございまするが、これは有権者の比率によりまして選挙費用を算出することになつておりますが、例えば、全国区の選挙等の再選挙におきましては、全国区の有権者数と、その再選挙の行われまする区域との有権者の比率というものは甚だしい差がありまするので、その費用は極めて僅少だということになりまして、選挙の実態にも合わない場合もありますので、それらについても適切な措置をしよう、こういうわけでございます。政令でどういうことを規定するかということにつきましては、一応自治庁で、政令案の要網を考えているのがございますから、必要があれば自治庁のほうから説明をして頂くことにいたしまして、衆議院といたしましては、只今のような事柄を考えまして、こういう規定を置いたわけでございます。
 なお、付加えて申上げておきますが、選挙の一部無効による再選挙につきまして、当選人が選挙無効になりますと、一応全部その当選を失う結果になりますので、これらにつきまして当選に影響のない人たちにきつましては、その効果を及ぼさないような法的措置を講じたらどうかというような意見もありまして、一応そういう案も考えて、衆議院の選挙特別委員会におきましても審議をいたしたのでございますが、その問題につきましては、いろいろ意見もございますし、なおその案につきまして多少の疑問等もありまするので、なお研究の期間をかすほうがいいだろうというわけで、その関係の規定だけは削除いたしまして提案になつたわけでございます。
 この改正規定は附則に書いてございまするように八月一日から施行することになるのでございまするが、熊谷市におきますところの選挙の一部無効の訴訟が先般確定いたしまして、本来の選挙法の建前からいたしますると、判決がありまして、確定いたしまして五十日以内に選挙を執行することになつておりまして、それが丁度八月二十日が予定されることになつておるわけでございます。そういたしますると、市の選挙につきましては、従来の選挙法の告示期間は選挙の行われます十五日前にやる、こういう建前になつておりまするので、八月五日には従来の選挙法の規定によりますると、選挙の告示をしなければならない。こういうことになるわけでございます。そういう場合におきましての一部無効につきましても、二百七十一条の二の規定によりまして適切な政令による処置をしようこういうわけで八月一日の施行ということを予定しておるわけでございます。
 それから附則の二項に書いてございまするように、選挙の一部無効による再選挙で、この法律施行の際に選挙期日が告示してあるものに関しましては、これは従来の規定によつて執行する、こういうことになつておるわけであります。
#9
○委員長(内村清次君) 次に自治庁の選挙部長金丸部長から政令案につきまして説明を求めます。
#10
○政府委員(金丸三郎君) お手許に差上げてございます「公職選挙法施行令改正案要綱」と「郡、市及び市の一部における再選挙の参考資料」というのがございます。便宜これを参考にして頂きまして御説明申上げます。
 只今の改正案に基きまして施行令で措置するように考えておりますのは、大きく申上げまして選挙運動の期間に関しますことが一つ、いま一つは、選挙運動と選挙公営の態容でございます。
 選挙運動の期間は、全国区の、人口五千とか、二千とか、或いは五万、六万にいたしましても、極めて小さな区域の市町村の選挙が無効になりましたような場合、三十日の期間に亘りまして選挙運動する必要もないのではなかろうか、かように考えられますので施行令の改正案要綱の(一)にありますように衆議院議員、参議院議員、これは全国区、地方区含んでおります。それから都道府県知事及び都道府県の教育委員会の委員の選挙の再選挙につきましては、少くとも十日前に告示する、即ち、二十五日乃至三十日前に告示いたしますのが原則でございますが、これを少くとも十日前というふうに短縮をいたしたい。
 次は、都道府県の議会の議員並びに地方自治法第百五十五条第二項の市、いわゆる五大市の議会の議員、長及び教育委員会の委員の選挙の再選挙につきましては、七日前、これは現行法では少くとも二十日前ということになつております。それから五大市以外の市及び町村の議会の議員、長及び教育委員会の委員の選挙の再選挙につきましては、五日前に告示をする、一般の市におきましては、十五日前、町村の選挙につきましては現行法では十日前になつております。これをそれぞれ三分の二乃至二分の一短縮をする程度で適当じやないか、こういうふうに考えておるのであります。
 第二は、選挙運動と公営の関係でございます。これは実例と申しましようか、実例をとつて御説明を申上げましたほうが、施行例の改正要項を御説明いたします上に、非常に便宜かと思いますので作つてみたのでございます。参考資料を御鶴頂きたいと思います。「一、人口、有権者数等について」でございますが、参議院の全国区につきまして例をとつて御説明を申上げますというと、これは市における再選挙、人口が五万五千百八十といたして、有権者の総数が三万一千百三十五人、その年におきまする全国の有権者の数が四千七百三万六千四百三十四人、これをそのような市におきまして再選挙をいたします場合、施行例でどのように私どもが現在考えておるかということを次の「選挙運動様態の相違について」というところに掲げておいたのでございますが、選挙事務所から次々に申上げますというと、全国区は十五個所になつております。これを市におきましては一個所にする。選挙運動用の自動車、船舶は通じて三台、三隻ということになつております。これを自動車一台又は船一艘、そのうちいずれか一つ。拡声機は三つになつておりますが、ここには二となつておりますが、間違いでございまして拡声機も一つしか使えない。通常葉書は現在では五万枚でございますが、市の一部無効の場合には二千枚程度でよくはなかろうか。これは現在全国区につきましては、公営になつておりますので、公営による無料の通常葉書を二千枚使えるように、運動用ポスターは、全国区二万枚になつておりますが、五百枚程度でよくはなかろうか、それから新聞広告では公営で二回できることになつておりますけれども、極めて地域も狭いのでございますので、新聞広告はできない。それから政見放送、経歴放送は極めて小さな市でございますので、特に行うということも困難でございますので、放送はいたさない。それから立会演説会の制度は全国区についてはございません。個人演説会は別に制限がございませんので、これは自由に行うことができる。標旗の数は十五枚交付することができることになつておりますけれども、一部無効の場合におきましては、一本に限定をいたす程度でよくはなかろうか。選挙運動に従事しますものの数、これは標旗一本について十五人であります。全国区はこの十五人になりますけれども、一つの市におきましては十五人でよかろうというふうに考えております。それから選挙会報は現行法によりまして一部無効の再選挙につきましては発行されないことになつております。これは現行法通りでございます。氏名掲示の箇所は全国区の場合一カ所になつておりますが、再選挙の場合におきましても必要かと思われますのでやはり一カ所、氏名掲示の期間は全国通じて選挙が行われます場合は十日でございますが、市の一部におきます再選挙では、告示の期間が十日間に短縮されて参ります関係上、六日程度でよろしくはなかろうかという考えであります。それから乗車券でございますが、これは市だけでございますので交付をいたさないというふうに考えております。
 それから次に市の議会の議員の選挙について御説明を申上げますというと、選挙事務所の数は一つでございます。運動用の自動車、船舶の数は拡声機もそれぞれ一つずつ、それから通常葉書は市の一般選挙では五百枚使用できますが、市の一開票区において再選挙が行われます場合には、市全体における有権者の総数と、当該再選挙の行われます区域におきます有権者との比率によつて使用し得る枚数をきめるようにいたしてはどうだろうか、これは有料でございます関係上、再選挙の場合におきましても有料にする。運動用ポスターの枚数は、通常葉書の場合と同じように、有権者の数に応じて貼れるようにいたしたい。新聞広告は区域も狭いのでございますので、普通選挙の場合は一回できますけれども、これはできない、これは勿論有料でございます。政見放送の制度はございません。立会演説会の制度もございません。個人演説会は回数の制限がございませんので、自由にできます。標旗の数、運動の従事者の数等は同じでございます。選挙公報を発行する、しないは市が条例できめる建前に一般選挙ではなつておりますが、市の一部無効の再選挙においては発行しないことにいたしております。氏名掲示の箇所は一ケ所、同じでございます。氏名掲示の期間は告示が五日に短縮されて参ります関係上、二日にする、乗車券はもともとございませんから、再選挙につきましても行わない。
 具体的に申上げますというと以上のように考えておりますが、施行令の改正案要綱にございますように、再選挙の行われます区域が市町村の区域でございます場合には、原則として市長或いは町村長の選挙に準じて行うようにいたしたい、これが大体の骨子でございます。ただ国の選挙、知事や教育委員の選挙につきましては、公営が行われておりますから、性質上、できる限りは公営を行うようにいたしたい、かように考えております。
 それから単に選挙の一部無効による再選挙を行う区域が二以上の都道府県に亘ります場合、或いは二以上の郡に亘ります場合、或いは二以上の市町村の区域に亘ります場合には、以上申上げましたような基準では不十分でございますので、そのほかの選挙運動の方法を拡げますなり、或いは選挙公営を認めるようにいたしますにも、これは当該選挙の事務を管理いたします選挙管理委員会が必要に応じまして拡げ得るということにいたすような権限を与うて頂くようにいたしたい、かように考えてくるわけでございます。と申しますのは、全国区につきまして、北海道の小さな村で再選挙が行われる、或いは関東地方で行われる、或いは九州で行われるという場合が考えられる、そうしますと、やはり無料乗車券と申しますか、そういうものが必要なことも考えられて参ります。又場合によりますれば、県の大部分が、県の一円には亘りませんけれども、県の大部分に選挙公報が配付できなかつた、それに近い隣の県につきましても配付できなかつたというような場合もございまして、再選挙の態容というものが実に種々様々でございます。これを一々法律や政令で事細まかに規定することができませんので、標準的なものを規定いたしておきまして、実情に応じてもつと選挙運動がやれるようにしますとか、選挙公営を行う必要がある場合、選挙管理委員会で適当な措置ができる途を開いておきましたほうが実情に即することができると考えまして、この要綱の三にありますような権限を与えますほうが適当ではなかろうか、かように考えている次第でございます。
#11
○委員長(内村清次君) 質疑はございませんか。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#12
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。
#13
○小林武治君 当面適用されるのはどこですか。
#14
○政府委員(金丸三郎君) 現在のところ埼玉県の熊谷市と、佐野市でございます。佐野市の訴訟は裁判所において係属中でございますから、果して判決の結果がどうなるかははつきりと予測つけかねます。それから長崎市の市議会議員の選挙につきましても、同様な訴訟が最高裁判所に係属中でございます。いずれにいたしましても、最近再選挙を行います事例が市町村等に以前よりも殖えて来ておりますので、何らかこのような規定を整理いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
#15
○小林武治君 熊谷市は確定したのですか。
#16
○政府委員(金丸三郎君) 確定しております。
#17
○小林武治君 これは衆議院ですか。
#18
○政府委員(金丸三郎君) 熊谷市の市議会議員の選挙でございます。
#19
○小林武治君 例えば佐野市というようなものがあれば、これは又その上行くのですか。
#20
○政府委員(金丸三郎君) これはまだ断定的には、判決の結果をみなければ、当然に上告されるとも言いかねると思いますが、まあ一般的には上告されると考えるほうが適当じやなかろうかと考えます。
#21
○小林武治君 参議院についてはまだ相当将来の問題だと考えていいわけですか。
#22
○政府委員(金丸三郎君) 若干の期間はあると存じます。
#23
○小林武治君 それから例を佐野市にとつて申上げますれば、この場合はこの前の全国区の候補者は全部選挙やるわけでございますか。
#24
○政府委員(金丸三郎君) 現行法の建前で申しますというと、判決が確定いたしますれば、参議院議員の身分も失われまして二百三十四名のかたが全部候補者ということになるわけでございます。但しその中でもう絶対に当選を失わないというかたが大分いらつしやいますから、恐らく事実上は選挙運動をなさらないというかたもおいでになるだろうと思います。
#25
○小林武治君 そうすると仮定で先ほどお話がありました当選人の当選を失わない、こういう修正を若しここでするとしますれば、選挙運動をなし得る者は、当選を失わない人は当然選挙には入らない、選挙をやらない、こういうことになりますか。
#26
○政府委員(金丸三郎君) さようでございます。
#27
○小林武治君 そうしますると、当選を失う僅かなかたと、それからそのほかの落選をしたかたと、これだけはこれは又新らしく届出をいたしますか。
#28
○政府委員(金丸三郎君) 当選を失わないという判決を受けました場合は、参議院議員としておられますから選挙運動をなされませんが、それ以外のかたは一部再選挙のかたはそのまま届出を要しないで候補者として選挙運動をおやりになる、こういうことになつて参ります。
#29
○小林武治君 そうすると、法律上当選を失わないかたは、もう選挙に入らない、こういうことになりますか。
#30
○政府委員(金丸三郎君) さようでございます。
#31
○小林武治君 その点に関しまして、当選を失わないかたが全部法律上当然選挙をやらない、こういうことになりますると、その当選者が得た投票というものが分散する、そのために前の選挙とは非常に違つた結果が出て来る心配があると思うのですが……。
#32
○政府委員(金丸三郎君) 実質上から申しますると、そういうことはあり得ると存じます。ただ仮に法的にそういう措置をいたしませんでも、絶対に当選を失わないとお考えのかたは、恐らくは選挙運動をなさらないだろうと思います。そうしますと、いずれにせよ、そういうような前の選挙のままの姿とは違つた形で再選挙の結果が現われるということにはなると思います。程度の差であろうと存じますが、それから再選挙が行われますのは、地方議会の例をとつてみますというと、一年後或いは二年後等になつておりますので、どういうような制度にいたしましても、前のままの形で行われるということは事実上あり得ないのじやないかと、かように考えます。
#33
○小林武治君 まだ仮定の問題でありますが、今の修正案、若しそういう修正をしたとすれば、当選を失わないかたは何人ありますか。
#34
○政府委員(金丸三郎君) 佐野の例で、仮定の例をとつて申しますと、私どもの計算いたしますところでは六名になります。当選を失わないかたが六名でございます。
#35
○小林武治君 今の問題は主として緊急の問題としては佐野市を対象として考えられておる修正だと思いますが、当然佐野市の判決の結果がいつ確定するか、それまで相当の期間があるかどうかということが、やはり関係して来ると思いますが、相当前途遼遠の問題であれば、この際やらなくてもいいが、最近の問題であれば急がなければならない、こういう見通しは自治庁としてお持ちだと思いますが、その辺の御返事は無理でしようか。
#36
○政府委員(金丸三郎君) 現在のところでは或いは八月中には判決はないのではないかというふうに思つております。
#37
○委員長(内村清次君) 速記をとめて。
   午前十一時四十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時三十一分速記開始
#38
○委員長(内村清次君) 速記をつけて。それでは休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
  ―――――――――――――
   午後二時三十六分開会
#39
○委員長(内村清次君) 休憩前に引続き地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。前回の質疑の続行をいたします。
#40
○秋山長造君 ちよつと税務部長にお尋ねしたいのですが、税法の第百十四条の二の三項ですね。国際観光ホテル整備法の規定によつて登録を受けたホテルは運興飲食税を免除するという規定ですが、これは何ですか、どういう理由でこういう規定ができているのですか。
#41
○政府委員(後藤博君) この規定は外客誘致のために、日本で外客を誘致いたしますことによつて外貨を獲得する、そういう意味でこの面の非課税規定が先々般の国会で修正されたのであります。
#42
○秋山長造君 まあそのような御答弁だろうと思つていたのですけれども、現在この条文によつて免税になつておる額というのは年間どのくらいの見当ですか。
#43
○政府委員(後藤博君) 推定の消費料金が約一億三千万円であります、一カ月……。それですから年額税にしまして一億四、五千万円じやないかと思つております。
#44
○秋山長造君 この程度のものが、結局都道府県の収入になるべきものがなつていないということになるのですが、こういう規定を設けなければ、日本へやつて来る外客が減るという心配があるのですか。
#45
○政府委員(後藤博君) お答えします。私どもといたしましては、こういう非課税規定が設けられることに反対したわけでありますが、議会で以て修正をされたわけであります。そのときの趣旨はこれは前から運輸省から私どもにも申しておりました話の筋は、日本と外国とを比較いたしまして、ホテル代が日本は割高になつております。その割高であるというのは、やはり税が高い、こういう理由を運輸省のかたがたは申されておるのであります。私はむしろそうでなしに、その他税以外の経費が相当高くついているのではないか、そのために高くなつているので、税がかけられているから、それで割高になつているのではない、こういうことを我々は言つておつたのでありますが、併し実情は、平均いたしまして外国のホテルよりも日本のホテルは割高になつているようであります。そういう意味も含めて外客を誘致するのには、やはりホテル料を安くしなければならない、それには税を下げる必要がある、こういうのが私は修正案の趣旨であつたと思つております。
#46
○秋山長造君 そういたしますと、観光ホテルの実態は、やはりこの税金を免除しておるだけは安くしておるわけなんですか。実際は必ずしもそうじやないんじやないですか。
#47
○政府委員(後藤博君) お答えします。あのホテルの場合は、大体料金の外側にかける、税込みでなくて、税の外側にかける、外国がそうでありますので、そういうことにせざるを得ないようです。これは外客の場合は特にです。それでその外側にかけますところのものを安くできるわけであります。ちよつと日本の一般の旅館とは外客関係は違うようであります。
#48
○秋山長造君 併しそれは一応形式的にはそうかも知れませんけれども、併しこれは実質的に幾らでも抜道はあるわけなんで、ホテル代を高くして行けばいいわけです。そういうことを実際にやつておるのではないですか、どうもこの外人を泊めるホテルだけ税金を免除するというようなことは、これは外客を誘致する一つの手かも知れんけれども、併しそれは又半面からいえば、丁度税金の違いを認めるような恰好にもなるので、特にそういうことがあるから、なお更この間衆議院の外務委員会で川崎秀二氏が持出した何とかハイツの大ホテルの建設計画、ああいうものができて来るんじやないかと思うので、やはりまああの占領中は、こういう面も止むを得ないとしても、今となつては、こういう点はもう少し再検討すべきじやないでしようか。別に遊興飲食税をかけたからといつて外人が減るとか、観光客が減るとかいうことは、まあ考えられんことだろうと思うのですけれどもね。
#49
○政府委員(後藤博君) おつしやる通り私ども同感なんですが、いろいろのいきさつがございまして、国会で修正されましてこういうものが入つた、実は運用上も困つておるわけであります。
#50
○秋山長造君 国会で修正したといういきさつを私よく知らないのですけれども、どういうことだつたのですか、国会で修正したいきさつというものは……。
#51
○政府委員(後藤博君) 参議院の修正で、ここの修正で実は入つたわけであります。
#52
○委員長(内村清次君) その点ちよつと当時おりましたものとしまして御説明いたしますと、このホテル整備法は附則がありまして、これには整備関係の設備をするため相当な規格があるわけですね。そういう耐用年数その他を加味いたしました設備の規格のために、そのホテル業者は相当資金の必要がある、そうしてそれを維持するにも又相当な資金関係の必要も生じて来る。そこでこれは運輸省関係の観光部で取扱つて、政府案としては観光部案として出たわけですけれども、これは一般の旅館業法の、旅館法の法案とは違つた角度から出した法案です。そういうような関係で、地方税としての免税点は、これは地方の地方長官との折衝によつて税を減免することができるというような規定の内容だつた。全部この整備法関係のホテルは免税をするのだというような規定にはなつておらなかつた。併し地方の例えば愛知県なら愛知県の議会において、この整備法関係の旅館業者に対しては免税をするというような決定が条例においてなされれば、これによつて免税ができて行く、地方的に点々としてそういう免税或いは半減をするような形態に、地方の税としてはなつておるわけです。それが集計して今後藤税務部長が言われたように年間これくらいになる、こういうような形でやつたわけで、法案につきまして相当な設備資金と維持資金が特別に要るというような関係で、この減免規定というものがなされたと私たちは考えておりました。
#53
○秋山長造君 まあ只今の御説明でその当時のいきさつはわかるわけなんですけれども、この点は何ですか、もう今後無期限にそういう免税の措置をするということだつたのですか、何年か期限を限るというようなことだつたのですか。
#54
○委員長(内村清次君) その点は期限は定つておりません、やはり……。
#55
○秋山長造君 ないのですか。
#56
○委員長(内村清次君) ちよつと待つて下さい。それでは政府委員のほうで説明を願いまして、柴田府県税課長。
#57
○説明員(柴田護君) その当時の経過を御説明申上げます。たしか先の先の国会だつたと、実は昨年の春の国会だつたと思いますが、今の国際観光ホテル整備法において、固定資産税について不均一課税をしてもよろしいという規定が置かれたのでありますが、そのときの趣旨は先ほど委員長から御説明がありました通りの趣旨であります。その後におきまして、固定資産税はとにかく、遊興飲食税も何とかならんか、それは外人が相当日本に来て泊るんだけれども、どうもホテル代が、宿泊料とそれに伴う遊興飲食税、これが非常に高くて評判が悪い、そのために日本に外人が余り来ない。それによつて失う外貨というものは相当なものであるという説明が、運輸省からも何とかならないだろうかという話がありまして、いろいろ我々研究したのでありますが、確かに当時の我が国の外貨の獲得状況からは或る程度の、何億という数字でありまして相当の数字でありますので、その当時税率が宿泊に対しましては二〇%でありまして、それから又飲食に対しては四〇%であつたわけです。それが非常に高いために外人が来ないということであるならば、それじやその分について不均一課税をやろうじやないか、そこで外客の登録ホテルにおける宿泊及び飲食に対しては五〇%の法定税率の半分の税率で以て課税することを認めてもよい、そのようにせられたいということを地方団体の長に対しまして地方税法の六条の適用例として通知したわけであります。それでやつておつたわけでありますが、たまたま遊興飲食税、入場税の税率半減の問題が起つたわけでありまして、昨年のたしか六月の国会でありましたが、通常国会の延長で税率半減が実現したのであります。そこで税率が半減いたしますれば、大体現在におきましては、私たちといたしましては可能と考えられる税率である。そこでこの不均一課税というものはやめるというつもりでおつたのであります。ところが国会におきましは税率半減というような生緩いことじやおかしいじやないか。一〇%の税率だつておかしいんだ、だから国際観光ホテルについて、外人客についてだけは免税すべきである、それが外貨獲得に資するゆえんであるというようないきさつから、参議院で修正されまして、あの当時は衆議院で最初修正されまして、それは営業税、遊興飲食税の税率半減を中心にした修正を行なつたのでありますが、その後におきまして、参議院に回付されましたときに、登録ホテルにつきまして免税の規定が置かれまして、現在の法律ができ上つたわけであります。それで現行法の建前からいいますと、一応永久に非課税だということになつておるわけであります。
#58
○秋山長造君 どうもこの点がよく納得がいかないのですがね。自治庁のほうで実際公平にお考えになつて、この程度のものをあえて免税にすることによつて、税金を課した場合よりも、目に見えてどの程度に効目があるかというようなことを、何か御調査になつたことはあるのですか。
#59
○説明員(柴田護君) この規定は本年の一月から実際に動いておるのであります。そこでその後におきまして調べましたところは、先ほどちよつと部長から申上げましたが、該当登録ホテル数が大体九十六軒、非課税該当の外客数が、一月これが二万八千人です。それからその推定消費料金が大体一億三千万円、これが二十八年一月の実績であります。それから推定いたしまして、大体一億四、五千万の減収になるというように推定されるのでありますが、それによつてホテル料金がどうなつたかということは、現在調査が十分できておりません。ただ施行の実際からいいますと、地方団体側の意見としては、これは外客だけの宿泊、飲食に対する非課税であります。ので、而もその外客というのが一定の制限が、総理府令で設けられております。それでその分別が非常にむずかしい、課税上実に扱いに困るということはしばしば耳にいたしておりますし、私たち事務的にもこの非課税規定につきましては、いろいろ批判の余地があるのではないかというふうに考えております。
#60
○秋山長造君 月に二万八千人の外客が泊るということですがね。それはホテルへ遊興飲食税をかけた場合には、月に二万八千人のお客さんがうんと減るだろうというようなことになるのですか。
#61
○説明員(柴田護君) むずかしい御質問でありますが、私たちは事務的にはそんなに変動はないじやないかと考えます。
#62
○秋山長造君 大体自治庁の考え方と私は同じ考え方をしておるのですがね。どうもこういうことは外貨の獲得なんかいうことを言つておれば、およそ外国に関する限り人も物も一切税金をかけないということになつて来るのでね。ここをやはりおのずから日本の国内事情と両方の睨み合いの問題だろうと思うのですけれども、この国際観光ホテル整備法にいたしましても、二十四年にできたのですから、大体もうでに四年たつておるわけなんですし、どういう内容のものか私余り詳しくも知らないのですけれども、整備法というような名前のものだから、永久に続くものじやないだろうと思うのですけれども、どうもそういうものに基いて、いつまでもこういう規定を残して置くということはどんなものでしようかね。
#63
○政府委員(後藤博君) お答えいたします。先ほどから経緯を申上げたのでありますが、私ども事務当局としてはおつしやるようなことは大体同感でございまして、臨時的な意味、観光ホテル整備法自体が私は臨時的な法律だろうと思つております。従つて大体この法律があります間は、やはりこういう措置をして、この法律と一緒にこの規定も考えなければいかんのじやないか、そういうふうに考えておる次第であります。
#64
○秋山長造君 そういたしますと、やはりこの条文を削除するためには、その前提として国際観光ホテル整備法というものを一応廃止せなければいけないことになるのですか。
#65
○政府委員(後藤博君) 国際観光ホテル整備法というのは、先ほど委員長からお話ありましたように、特殊な設備をホテルに命じておるわけであります。そういう意味もありまするので、私ども固定資産税につきましては不均一課税を認めておるわけであります。それに関連して先ほど申上げましたように、一般の宿泊、飲食に比べて半額の税を徴収しておつた経緯がございまするので、やはりこの整備法と併行して物事を考えて行かないといけないのではないか、勿論一般の料金が安く、コストが安くなりまして、ホテルの料金が非常に安くなつて参りますれば、私はこの整備法と関係なしにはずしてもいいのではないかと思いますけれども、現状で判断いたしますると、なかなかコストが安くならないのではないか。従つて一応は国際観光ホテル整備法とやはり運命を共にするのがいいのではないか、かように考えておる次第であります。
#66
○秋山長造君 これはホテルの宿泊代が高いというお話なんですけれども、これは高いというのは、いろいろなコストが高いということですか、それともホテルが非常に儲けているということなんですか。
#67
○政府委員(後藤博君) そこまでは、はつきりわからないのですが、日本の大体ホテルの料金は平均八ドルぐらいになるかと思います。運輸省の観光部で私どもに示した資料によりますと、大体八ドルくらいです。外国の例は六ドルくらいが平均ではないかと思います。勿論それよりいいところもございます。日本でも勿論いいところもございますが、平均したところが八ドルと六ドルくらい開きがあるということを申しております。従つてそれがもつと六ドル以下に若しもコストがなるようでありますれば、こういう特別な税の軽減を私はする必要がないだろうと思います。併しなかなかその八ドルから六ドルに下るということが、観光ホテルそのものの設備に相当資金をかけておりまするし、その償却も相当長くかかつてやらなければなりませんので、私はなかなか困難ではないか、かように考えておる次第であります。
#68
○秋山長造君 外国に比べて非常に高いという一番大きな理由は何ですか。
#69
○政府委員(後藤博君) 戦災その他によつて新らしく設備をしたものが相当ございます。それからすでにありましたものでも設備に非常に金をかけております。その関係で金利も勿論高く、設備費が非常に高くついておるということだろうと思つております。
#70
○秋山長造君 併しそういうことでしたら、そういうものは年を逐つて漸次改修して行けるはずなんですがね。だからやはりこういうものはいつまでもこのままで放つて置くべきものでも、そういう点から考えてもないと思うのですがね。どうもこの点はよく納得行かないのです。国会が修正しているものだから……。
#71
○若木勝藏君 税務部長に私二、三伺いたいと思います。
 第十三回国会ですか、いわゆる遊興飲食税等が半分になつたのは……。それから映画などもやはり半分になつたと思いますが、ところが映画のほうの例をとつてみても、例えば五十円の入場料に対して五十円の税金がかかつておつた。それが五十円の料金に対して二十五円になつた。そうすると、当然七十五円にならなければならないわけなんですが、その後一向映画のほうの入場料は下つたようなふうも見えないのですが、これは一体どういうふうなことになつておりますか。
#72
○政府委員(後藤博君) 入場税を下げたのに料金が下らないのはなぜか、これはしばしば受ける質問でございまして、私どもも興行者のほうには、税が下つたのだから料金を下げるように、こう私ども申しておるのであります。おつしやるように、五十円の場合には、五十円税金がかかりますから百円であります。百円の場合には税が半分になりますと、三十六円だけ料金を減さなければならないということになるわけであります。ところが映画の場合には映画の配給業者とそれから映画興行者の間に、フイルムの供給の契約があるわけであります。そのフイルムの供給の契約の代金がいろいろな理由で以て引上げて来ておる。それからもう一つは今までは一本立乃至二本立の立て方を映画でやつておつたのでありますが、それを例えば三本立にするというように、配給の組織とか興行の方式を変えることによつて料金を下げない、下げられない、こういうことを業界のほうは申しておるのであります。併し税率を引下げましたのが丁度一月でございまして、一月というのは毎年前年の十二月よりも大体料金の上るときであります。上るときでありますが、今年は上げないで大体十二月と同じ料金にしておりました。従つて上げなかつたという意味で下げたということを申しておるのであります。それから二月以降は大体十月程度下げております。下げておりますが、これも今申しました二本立乃至三本立という方式の変更を理由にいたしまして漸次元に復しております。私どもとしては、いろいろ勧奨はしおりますけれども、配給業者とそれから興行者の間が自由契約でありますので、その契約の中に勧奨するわけに参りませんので、実は隔靴掻痒の感があるわけであります。
#73
○若木勝藏君 そうすると、まあ自治庁とか或いは税務署関係では、何ともすることはできないわけですね。
#74
○政府委員(後藤博君) 法律上は何ともいたし方がないと思います。併しこの間も衆議院の委員会で興行者を集められて、いろいろ御意見を聞かれたようでありますが、私は興行者だけを責めるのは酷ではないかと思つております。興行者のところに映画を配給する配給会社、その元である映画の撮影所、そういうところがやはり税の半減に協力をして、料金の安くなるように、配給の値段をできるだけ上げないようにするということが必要だろうと思つております。いろいろな機会に、輿論も引下げを要求しておるのでありますが、なかなかいろいろなことを理由にして契約自体を、むしろ前よりも契約価額を上げておるようであります。
#75
○若木勝藏君 そうすると、結局は料金を下げないのは、配給関係もあるし、それからサービスをよくしておる、こういうようなところに大きな理由を持つておるんだろうと思う、興行界ではですね。
 ところが実際においてそれらを相殺して、私は相当大きな儲けをやつておるのではないかと思うのですが、この点はどうですか、実際問題として……。
#76
○政府委員(後藤博君) 率直に申しまして、私は興行者も少しは楽になつたと思うのですが、やはり配給業者のほうが利益がたくさん行つておるのではないかと思つております。興行者だけを責めるのは少し酷じやないか、こう考えております。
#77
○若木勝藏君 そういうふうな看板を掲げて、実は相当収入を挙げておるのではないかというふうに我々は疑わざるを得ないのですよ。あれだけ入場税が半減しておるにかかわらず、料金が一向変らないということになりますといろいろな例を申述べておるけれども、それは一つの言訳であつて、その言訳に相当するだけのものじやなしに、もつと大きな利益が来ておると見られる。これは非常にああいうふうに、大衆の立場を考えて入場税の半減というようなことを図つたにかかわらず、結果が殆んど変りないということは、非常に遺憾だと思つております。
 次にやはり前の改正に伴つて伺いたいのでありますが、遊興飲食税ですね。これはどうも戦時中余り遊興などをやらないようにというようなところから、一〇〇%かけられたものだと思うのでありますが、現在になつてみれば、遊興飲食税というのを、私は今の映画の場合とやはり同じように、非常に割切れないものが残つておるのではないかと思うのです。例えば同じ旅館に泊つても、本当に泊つたというふうなことと、それからそこでお酒を飲んだりしたというような遊興というような恰好と、この区別がつくかどうかという問題です。この点は実際の今の税の取立てというような面からみて、現状はどういうふうになつております。
#78
○説明員(柴田護君) お答えいたします。遊興飲食税の徴収状況でございますが、改正されます前、つまり本年の一月以前でありますが、におきましては御承知のように遊興飲食税の徴収状況というのは非常にでたらめなところが多かつたのでありますが、改正後の施行状況は税法通りの徴収をやるということで、大体各府県足並を揃えて適切な徴税に努力しておりまして、大体その実績は上つておつたと思います。今お尋ねの旅館の場合でありますが、旅館の場合におきましても、普通旅館におきまする宿泊及び飲食につきましては、宿泊及び飲食の単純の場合、つまり一〇%の税率を適用しておりますが、同じ旅館でも、旅館におきます飲食でありましても、それが旅館におきまして宴会をやる、いわゆる割烹旅館のような場合です。このような場合には料理店に類するものとして高い税率を適用しております。ということで、本当の意味の負担の均衡を維持するように努めております。若干紊れておるところがまだあるかも知れませんけれども、大体におきましてその運営の状決は、税法改正前と比べましては遥かによくなつておるということが言えると思います。
#79
○若木勝藏君 あの、旅館に泊つてね、晩酌一本くらいやるというのは、これはどちらに入るんでしようね。
#80
○説明員(柴田護君) 晩酌一本くらいなら普通の飲食に……。
#81
○若木勝藏君 それは普通の宿泊という形……。
 更に関連いたしまして、私は麺類業者の課税のことについて伺いたいのですが、これはあの当時においても相当研究されて、そうして何か一品五十円までですか、これについては免税するというふうなことになつておつたようでありますが、その後総理府令か何かによつて、その業者の経営が麺類に関する方面が百分の八十ですか、これを占めておる場合は、これは今のを適用いたしまして、あとの百分の二十というふうな場合においては別な課税をする。ところが実際において、従来よりもそういうふうにされた結果、百分の二十のほうに対するところの税金が非常に多く見積られて、却つて非常に苦しくなつて来ておる、こういうふうな事情を聞いておるのですが、それはどういうふうでございますか、実情は……。
#82
○説明員(柴田護君) 総理府令できめておりますのは地方税法の百十四条の二で「もつぱらめん類、茶菓その他これに類するきのを提供する場所又は大衆食堂」この大衆食堂と言われるもの、或いは麺類茶菓その他これに類するものを提供する場所の限定を総理府令に委ねておるのであります。それで今お話の大体八〇%程度のものを麺類等を提供するというのは、それはそういう場所の一つの限定をしておるのでありまして、大衆食堂といい、或いは喫茶店といいましても、ピンからキリまであるわけであります。それで非常に大衆的なもの、つまり安い価格のものを出しておる。そういう意味で、そういうような限定をしたわけであります。そういう場所であつても、一品の価格が五十円以下のものでない、五十円以上おものを売つておりますれば、そのものについては遊興飲食税がかかるということになつて参りますので、そういう場所に指定されましても、それがすべて免税になるということにはならないのであります。
 今お話のそういうところであつて、昔と比べまして非常に税額が上つたというようなお話でありますけれども、それは恐らく昔の税の徴収状況が悪くて、税法通りの徴収をやつていなかつた。それを本腰を入れ出して、真面目な徴税をし始めたので、さような結果が出たのではないかというふうに考えますが、私たち大体調べましたところでは、非課税店舗として指定された場所におきまする遊興飲食税の徴収状況は、大体におきまして非課税店舗と指定されます前の税額に比べまして、大体二割くらいに減つております。それが普通であります。非課税店舗として指定されたものにつきましては、大体百十四条の二の第二項の規定の趣旨というものは達成されつつあるのではないかというふうに考えます。
#83
○若木勝藏君 今のあなたのお話では、先ず全国至るところ、ああいうふうに改正されない前よりも二割くらい減つている、こういうお言葉であつたようですが、実際は局地的に思えてみれば、そうでないような所もあるように伺つております。というのは八割までが麺類であるというふうな見方、それから二割がそれ以外のもであるというところの、いわゆる税務官吏の認定の仕方が非常に酷に過ぎて、そうしてどうにも堪えられなくて全部店の経営の方針を切替えてしまつて、そうして麺類ばかりにしなければならないというような工合になつておるところの実情を私も聞いておる、あなたのお話では、これは全国的に大体二割くらいがむしろ減税になつておる、こういうふうなお話であつたけれども、そういうふうな事態があることは御存じですか。
#84
○説明員(柴田護君) お話のような事例があることは承知いたしております。それは大体酒を出す店、うどん屋で酒を出します店の認定につきまして、地方でいろいろ問題がある。私たちが見て廻りまして、ややきつ過ぎはせんかといつたようなものが見受けられたのであります。それはこの改正規定が施行されまして三カ月くらいして見て廻つたのでありますが、そのときにさような事情があつたことは散見いたしました。その場合におきまして、規定の運用が酷に過ぎるということで注意いましましたし、その後におきましても自治庁命で以て規定の運用についてやや趣旨をはき違えている面もあるから、運用の適正を期するようにということは注意いたしております。
#85
○若木勝藏君 それで結局、そういうふうな総理府令で限定を受けるところの大衆食堂は、大衆が昼飯を食うとか、晩飯を食うところに私はなると思うのですが、それがそういうふうな税務官吏の行過ぎというか、そういうことであればいいんですけれども、そういうことによつても営業を切替えなければならない、店の経営が困るということは……。ところが私はそうではなしに、この税のかけ方に何か不合理なものがあるのではないかと思うのですが、その点はありませんか。改正するような方向に考えなければならない要素を持つているんじやないかとも考えるのですが、どうでしよか。
#86
○説明員(柴田護君) お尋ねの点は想像いたしますのに、特別徴収制度の問題ではないかと思います。特別徴収制度つまり特別徴収義務者として指定されました業者が、お客から税を徴収して、それを地方団体に納入するというのが、何かうまく行かない意識したものを残しているのではないかいう点は確かに御指摘のようにあろうかと思います。現在の特別徴収制度が完全なものであるというようには言えないのでありまして、法制的になお研究の余地があるということは私ども承知いたしております。ただ税の運営を歴史的にみて参りますと、この税金は昭和二十二年に地方税になつたのでありますが、それまで非常に高い税率で、禁止的な税率で以て税が課税されておつたのであります。それがそのまま地方税に高い税率のまま移管されまして、移管されました直後、料飲ストツプで全然税が徴収できなくなつた、そこで料飲ストツプ令が解除されまして、初めて本当の徴収に乗り出した。ところがそのときには、その以前に料飲ストツプ令のために徴収されていなかつたのであります。現実の徴税は非常にむずかしかつた。いわば初めて一五〇%といつたような高い税率で新税を興したということと同じ恰好になつたわけであります。それでそのときに締めればよかつたのかも知れません。相当締めたのでありますけれども、併し地方の実情はそうは行かなかつた。運用の実態においては当時やはりだらかんにならざるを得なかつた。その悪弊があとを引いておるという面もあるのであります。おつしやる通り遊興飲食税につきまして、いろいろ検討すべき余地はあろうかと思います。丁度今地方税制全般について改正が考えられておる際でもあります、そのときに併せて検討したいと、私たちは考えております。
#87
○若木勝藏君 そうすると、まああなたのお話を聞いてみると、ここにやはり将来一つ研究して、地方税制度というようなものの全般の改正というようなときに、検討する余地のあるところの税である、こういうようにお考えですな。
#88
○説明員(柴田護君) 現在の徴収方法はそのままこれでいいかどうかという質問に対してでありますならば、検討する余地があると思います。ただこの税金をこのままとるのは適当じやないから全くやめてしまうほうがいいのではないかという問題ならば、いろいろ意見があろうかと思いますけれども、やはり現在においてはこういう遊興とか高度の飲食行為というようなものに対しましては、やはり課税するのがいいのではないか、だから遊興飲食税の存在そのものにつきましては否定できないだろうと思いますけれども、徴収方法については十分検討する余地があると思います。
#89
○若木勝藏君 それで今のこの税の問題ですが、一品五十円というふうなものを百円程度あたりまで引上げて行くということを考えたら、或る程度までその点は緩和されはしませんか。
#90
○説明員(柴田護君) その当時におきましても、百円に上げたらどうかという意見もあつたわけであります。地方財政が非常に困窮しておる際でありますし、代り財源の問題が一つあるわけであります。それから一つは余り免税点を上げますと、脱税行為を誘発して行つてしまつて徴収が非常に困難になるという問題であります。免税点を結局どこに引くかということは、その引き方如何によつては却つて脱税を誘発するだけになるというむずかしい問題がありまして、その辺取上げまして考えなければならんのではないかというふうに考えております。
#91
○石村幸作君 今の若木君の質問に関連するのですが、ちよつと聞きたいのですが、今の五十円麺類、あすこなんですが、こういうことはよく聞いておるのですが、麺類及び一品五十円、一人一回消費が百円、これが免税だつたのですね。ところが飲食店の営業の内容で、例えば五十円以上のものを売つている店ですね。それが二割か……。それで八割が五十円以下のものでなければ免税してはいけないという何か通知が出ておりますか。
#92
○説明員(柴田護君) それは御指摘の点は、もつぱら麺類、茶菓等を提供する場所、もつぱらとは何かということなんでありますが、大体八割程度というのがもつぱらの解釈として言われておつたわけであります。
#93
○石村幸作君 それでわかつたのですが、そうすれば同じ当然免税であるべき五十円までのものを食べて、隣りへ行つて食べると税金をとられる。隣りに行くとビールが並んでいる。そうするとそこの家へ行くと、同じものを隣りの家で食べると、これは税金をとられる、これは事実なんです。それでよくそういうのを調べると、そういう通牒が県のほうでは、自治庁からの通牒かなんか、総理府令か何か知らんがある。それで止むを得ないといつている。それは頗る不合理であると思つておつたのですけれども、丁度今若木君の質問と同じようなあり方だろうと思うのです。ちよつと聞いてみたのです。そのいい悪いは、いずれあとで……。
#94
○説明員(柴田護君) ちよつと釈明いたしますけれども、「もつぱら」という言葉を通常常識では全部だというように解釈されております。それで法制的には全部ということにしますと、例えば酒をちよつと出しても駄目だというふうになります。そうすると、田舎の場合に雑業態が非常に多いわけであります。そういうものにつきましては免税の恩典を受けないで、都会地ばかりが免税の恩典を受けるということになりまして、折角の免税の趣旨というものが逆になるのではないかということから、「もつぱら」というものの解釈を研究したのであります。そこで八割という程度にしたのは「もつぱら」の解釈をやわらげたということであります。併しそれが通るならば、この免税の設け方自体が問題だということになると思います。
#95
○石村幸作君 その「もつぱら」の解釈で、この免税の趣旨を徹底するためには、私はそれがあべこべじやないかと思います。これはそこの店の業態が基本じやなくて、その消費者がどういう消費の仕方をしたかというのが基準じやないかと思うのですがね。だから食べる人は免税点の五十円の、例えば四十五円のものを二杯食つた、九十円はこれは免税なんです、当然。これがこの免税点の趣旨なんです。たまたま二割以上ビールもあつた、酒もあつた、二割以上販売するような家で、同じ程度のものを同じ人間が同じ方法で消費しても、これは税金をとるというのは、もつぱらの解釈が逆じやないか。
#96
○説明員(柴田護君) 常識的にはそうなるかも知れませんが、法律的には無理なんです。一応場所で限定をして、その場所の中で更に一人一回の料金が百円以下で五十円以下のものとなつておりますので、それで摶り方が二重になつておるわけであります。最初の搏り方がいけないということになれば、法律が悪いということになります。
#97
○石村幸作君 そうすると、「もつぱら」というところから矛盾が出て来る原因をなしておる。そういうときは、解釈をすると、成るべく税を大衆から搾りとつてやろうという観念と、免税してやろうという観念と、観念の置き所なんですね。これは議論になるから……。
#98
○委員長(内村清次君) それではこの地方税法の逐条的に、一般的に一つ御説明を……。
#99
○説明員(柴田護君) お手許にお配りしてあるかと思いますが、地方税法の一部を改正する法律と、改正前の対照という新旧対照表がございます。便宜それによりまして御説明申上げたいと思います。
 第九条の改正規定と第十条の改正規定は、共に規定の整備を図つたのでありまして、第九条の改正規定は納税義務の承継につきまして合理化を図る。第十条の改正規定はすでに納税義務が確定いたしましたものにつきまして、その承継の義務について、承継の合理化を図つたのであります。内容は清算人につきましては今までの現行法では大体無限責任制度をとつておつたのでありますが、これは清算人にとりまして酷な場合がありますので、国税徴収法の例に合せまして、今回有限責任にいたしました。その分配又は引渡しをした財産の価額の限度といたしまして、納税の義務を承継するように改めたのであります。それから相続の場合におきまして相続人が二人以上あります場合の承継につきまして規定の整備でありまして、相続人又は包括受遺者が二人以上あります場合におきましては、その相続人又は包括受遺者は地方税又は納入金のそれぞれについて、その相続又は遺贈によつて受けました財産の価額に按分した額につきまして納税する義務を負うということにいたしました。又この場合におきまする連帯納付の義務の範囲を規定いたしたのであります。大体この規定は国税徴収法の四条の四及び四条の二の規定に照応した規定であります。
 第十一条の改正規定は共同事業者等につきまして、名義上の経営者と、実買上の経営者が異ります場合におきまして、その名義人と実質上の経営者との関係が非常に緊密であります場合におきまして、それを共同事業者とみなす規定を置いたのであります。これは最近におきまして非常に名義上の、看板だけの経営者が殖えまして、実体は全然別の人が経営しておる。ところが現行の規定では、こういう場合に、実質的なものに対しまして納税義務を負わすことができません場合が多いのでありまして、そういう場合に、これは共同の事業者とみなしまして連帯して責任を負う、そのようにいたしまして脱税を防ぎたい、脱税防止のための規定の法律であります。ここで制限せられます範囲でありますが、大体名義上の経営者の親族、或いは名義上の経営者から生活費の給与を受けておるものといつたような経済的な繋りの濃いものだけに限定して定めることを、大体政令では予想しておるものであります。
 それから第十五条の先取特権の改正規定は、これも規定の整備でありまして、現行法では国税と地方税とは原則として同順位でありまして、財産差押えの場合におきましては差押えの先着取順位によつて優先権がきまることになつておりますが、その裏の規定、つまり国税が差押えました場合におきましての地方税と、差押えをいたしました国税との徴収順位が明確を欠いておりますので、裏の規定を置きまして、国が差押えをいたしました場合におきましては、地方団体が交付要求をいたしますが、その交付要求をした地方団体の徴収義務というものは、国の徴収基準に先取しないという規定を置きまして、規定の整備を図つたのであります。本改正規定も大体国税徴収法の二条の三項に照応するものであります。
 それから第十六条の七の改正規定は特別徴収義務者等につきまして担保の提供の義務を負わしたのであります。これは入場税又は遊興飲食税にかかる地方団体の徴収金につきまして、徴収金を保全するため必要があるときは、その特別徴収義務者に対しまして、期間、金額を指定して徴収金を保全する限度において相当の担保の提供を命ずることができるという規定でありまして、この規定は酒税法の三十一条の二項に大体規定しております規定に照応するものであります。最近経営者が頻々に交代いたしますことによりまして、租税の通脱が図られる場合が多うございますので、そのようなものにつきまして徴収を確保し、悪質な脱税を封じますために、この規定を置いたのであります。ここで「保全するため必要がある」ときという意味は、大体過去におきまして滞納をしており、滞納の実績が相当あるといつたような場合、或いは非常に極く短期の営業であつて放つておきましたならば逃げてしまうというような虞れのある場合、こういう場合を予想しておりまして、担保の種類は大体国債、その他の有価証券、金銭、それから保証人といつたようなものを予想いたしております。それから二項の準用規定は、徴収猶予の場合におきまする担保についての諸規定を準用いたしておりまして、増担保或いは滞納処分の場合の担保物の処分の順位、或いは担保物処分の場合におきまする優先順位といつたようなことに関しまする規定であります。それから七十七条の改正規定は、制限税率の入場税につきまして、制限税率の適用するものを従来財政委員会規則で定めておつたのでありますが、財政委員会が自治庁に発展的解消をいたしました際に、総理府令に読み替えたのであります。本規定はやはり税率適用の区分に関しまする重要問題でありますので、総理府令を以てきめまするのは、適当ではごごいませんので、これを政令に引上げることにいたしたのであります。これも規定の不備を是正いたしたものであります。
 それから八十四条の改正規定は、入場券の前売制度を合理化したのでありまして、従来前売券の場合でも公給票券を使つておつたのでありますが、前売引換券というものが最近だんだん出て参りまして、前売券の引換えをする。その引換券を売りまして、前売引換券を持つて参りまして、入場券の前売券とを引換えて、それを以て入場し、或いはそれと入場券を更に引換えて入場する、こういう一連の入場行為の前の手続が行われるという事例が最近あるわけでございますが、このために引換えがうまく行われました場合には問題はないのでありますが、どうも引換えがうまく行かない。そこでそれが脱税に使われる。最近この前売券、引換券を使つて脱税をした事例が若干ございます。地方団体側からも強い要望がありますので、そういう前売引換券といつたようなものを発行する場合は、やはり公船券を使うというように改正をしたのであります。そこで公給券を使いましても、前売引換券を発行いたしました場合におきましては、やはり入場券と引換えなければなりません。そこでその手数が非常にかかりますのと、この際に脱税が行われますために、その際におきましては道府県が検印をすれば、そこでそれを入場券と見倣して、規定を適用する。手数の簡素化を図つて業者の負担も軽減し、入場税脱税の発生を防止しようという趣旨から七項を置いたのであります。
 第八十五条の改正規定は、入場券と引換券につきまして、票券を公給するという制度を設けましたのに伴いまする規定の整備であります。
 第八十七条も同じく引換券発行に伴う徴収手続の整備であります。これは入場券、引換券を発売いたします場合には、併せて入場券をとれという意味でありまして、この際に実際問題としては、入場券、引換券を売るのでありますから、その際に税込み料金として徴収をするという建前にしたい。但しすべてそういう場合でありませんで、入場券引換券を只でやつている場合もありますので、只であります場合におきましては、道府県条例で定めて除外することができるというように、弾力性を持たしたのであります。「前項の規定にかかわらず」というのは、引換券を発売しないことが明瞭である場合を予想しております。八十七条の改正点、引換券を発売することが明瞭である場合……。
 それから九十二条の改正規定並びに九十四条の改正規定は、共に八十七条の規定の改正に伴ないます規定の整備でありまして、条文の整備であります。百九十五条の改正規定は入場税の更正決定を行います場合の納付期限の短縮であります。現在は更正決定を行いましてから一月を経過した日を納付期限にしておるのでありますが、この納付期限が短縮になりまして、その間にいなくなつたりなんかしまして、実際問題として徴収がしにくい、時日におきましても一月は長過ぎますので半月に縮めた。二項の規定は、八十七条の改正に伴います条文整備であります。九十六条も同じく八十六条の改正に伴ないまする規定の整備であります。
 百十四条の二の規定は、これも先ほど入場税で申上げましたと同じ意味でこれは非課税の範囲をきめておるのでございますが、この非課税の範囲のきめ方を、縛り方を財政委員会規則に委ねておつたのでありますが、財政委員会が廃止されまして、自治庁になりました際に、総理府令に読み替えたのでありますが、総理府令で読み替えること、限定することは、非課税というものの性格上適当ではございませんので、これを政令に引上げ、規定することに改正するのであります。
 それから百十六条の改正規定は、この前改正を行いました場合、これは議会で修正いたしたのでありますが、その際に規定の不備がありまして、その規定の不備を是正するものであります。
 百二十五条の改正規定は、遊興飲食税にかかりまする更生決定の場合の納期の短縮でありまして、これも先ほど申上げました入場税についての九十五条と同様の趣旨であります。
 百四十七条の改正規定は、自動車税の税率の引上げでありまして、すでに自治庁長官が御説明申上げたと思いますが、物価の変動に伴います税率の調整を行いまして、一律に五割引上げることにしたのであります。
 百八十一条の改正規定は、鉱区税の賦課期日であります。現行法は十一月一日でありますために、四月一日から十月末までに鉱業権を取得して、これを買却したものに対しましては、鉱区税がかからないという結果になりまして、いわば現行法の一つのミスであります。これを是正しようとするものであります。
 百八十二条の改正規定は、鉱区税の賦課期日を変えましたのに伴いまして、納期を早めたのであります。
 三百九十二条の改正規定は、市町村民税に関しまする用語の意味の問題の規定でありますが、従来この一号の規定は、総所得金額の規定でありますが、従来この規定によつて総所得金額の中に退職所得が含まれるか否やという点について若干疑義があつたのでありますが、これを明文を以て解決したのであります。それから第五号の改正規定は、特別減税国債法という法律が提案されていますが、この国債の場合におきましては、所得法人税から一定額が控除されることになつております。これは国税の場合はそれでいいのでありますが、地方税の場合におきましては、当然にその影響を受けなければならんという理由がございませんし、地方財政も困窮しておりますので、特別減税国債法による軽減された所得税額は軽減しないということになるわけです。つまり減税国債法の規定によつて軽減された所得税額を含んでおりますので、所得税額というのは減税国債法によつて軽減される前の所得税額を言うのだということになるわけであります。それから十六頁の末尾の改正規定は、規定のミスを是正したのであります。それから第七号の扶養親族の改正は、所得税法が改正されまして、扶養親族の規定が改正されております。それに合しまして、つまり昭和二十六年度の所得税と、二十七年度の所得税につきまして、扶養親族の規定が変りまして、総所得金額の範囲が上つておりますので、それに合しまして、総所得金額の範囲を上げたのであります。それから十一号の規定も、先ほどの五号の規定と同じく特別減税国債法によつて軽減される法人税額というものは、法人税割の課税標準である法人税額においては考慮しない。つまり特別減税国債法によつて減税される前の法人税額をとるという意味であります。
 それから二百九十六条漁船保険中央会、これは忘れておりましたのを入れたのでありまして、規定の不備を是正したのであります。
 それから三百三条は、市町村民税の申告義務でありますが、この申告の猶予でありますが、市町村民税につきましては、給与所得にかかります。市町村民税について特別徴収の制度を置いておりますが、その特別徴収の制度を合理化且つ簡素化いたしましたのに伴いまして、申告につきましても簡素化いたしました。今まで四月末までというやつを三月末と、早めまして入れたのであります。それから三号、四号は、特別徴収の時期の変更に伴いまして、不要となりましたので、削除することにしたのであります。
 それから三百七条は、右に伴いまして条文の整理を図つたのであります。
 三百八条は、すでに不要になりました条文を削除することとしたのであります。三百十条も規定の整備であります。
 三百十三条は所得割の税率の改正でありまして、従来の第一方式によります所得税額を課税標準といたします場合においては、標準税率が百分の十八で、制限税率が百分の二十という規定があつたのでありますが。これを所得税額を課税標準にいたします場合におきましても、その額が第二方式、課税総所得金額を課税標準にいたします場合のその百分の十を越えない額であるときにおきましては、ある限りにおきましては税率の制定は自由であり、市町村の自由にいたしまして、第一方式の課税の合理化を図ろうとしたのでありまして、その趣旨によりまして税率の規定を変えて、標準税率、低減税率の規定をとつぱしたのであります。
 三百十四条は、これも不要になりましたので削除いたしました。三百十四条の二の規定は、これも条文の整理であります。一条づり上げたわけであります。その次の三百十四条の三の規定も同じく条文の整備であります。
 三百十九条の二も規定の整備でありまして、従来法人と単純に書いてありますが、この法人の中には権利能力なき社団又は財団も含むのでありまして、法人と書きましたのでは、若干意味の明確を欠くのであります。それでこれを「個人以外のもの」というふうにはつきりいたしまして、誤解、疑義を一掃したのであります。
 三百二十一条の四は、源泉徴収分にかかります特別徴収の方法の改正に伴います改正であります。
 三百二十一条の五は特別徴収の手続でありますが、従来は特別徴収にかかりますもの、つまり給与所得者にかかります市町村民税につきましては、大体四月から翌年の三月まで十二カ月に亘りまして、毎月十二分の一の額を徴収しておつたのでありますが、この規定は実際の運用におきましては、計算が非常にに不便であること、時期が四月分からでありますので、事務的に忙しくてやり切れないといつたような地方団体からの要望もありまして、そこで今回これを五月から翌年の二月までの十カ月の間に十分の一づつ徴収することにいたしまして、徴収方法の合理化を図り、同時に事務の簡略化を図りまして、徴収能率の向上を期したのであります。
 三百二十一条の八は、今回法人税につきまして、清算所得課税が行われることになりました。それに伴いまして、法人税割につきましても、清算所得に対する法人税に関する部分につきまして、法人税割がかかりますので、それに伴います規定の条文整理をしたわけであります。三百二十一条の十三も同様であります。
 三百四十八条は固定資産税の非課税の範囲でありますが、これはすでに不要になりました存在しないもの、つまり死文になりましたのを処理しただけであります。但し第五項の改正規定は、農業災害補償法に基きます組合につきまして、各種協同組合と同じように、事務所、倉庫につきましては、固定資産税を課さないという規定を置いたのでありますが、これは前の解散されました国会に提案いたしました当時、衆参両院から修正意見がありましたが、その国会の修正意見を尊重いたしまして、ここに非課税にすべき規定を入れたのであります。
 三百四十九条の二は、電源開発関係の不均一課税の規定でありますが、これは現在の条文では切角の不均一課税の条文が最初の年におきましては適用をしない。最初の年におきましては百分の一・六の税率が適用されまして、切角の不均一課税の条文が働かないというミスがありますので、それを是正いたしまして、規定本来の、制定されました趣旨通り最初から三年間制限税率を不均一の半分の税率を適用するというふうに、規定の不備を是正したのであります。
 三百八十九条は、移動性償却資産の価格の配分の規定でありますが、従来は地方財政委員会規則で以てこの配方方法をきめておつたのでありますが、地方財政委員会がなくなりましたので、その根拠がなくなつたのであります。そこで「総理府令の定めるところによつて」というふうに条文を改め、根拠を定めることにしたのでありまして、いわば地方財政委員会から自治庁に移りますときの規定の整備がまだできていなかつた、そのミスを補正するという意味であります。
 四百八十九条は入場税、遊興飲食税と同じく、総理府令で定めておりました非課税の範囲を政令で定めることにいたしました。これも総理府令で、政令の範囲を定めるのは適当じやございませんので、政令に上げることにしたのであります。
 六百二十条は、入場税の標準税率の規定であります。定額税であります入場税の標準税率をその後におきます物価の変動に即応いたしまして、二倍に引上げることに規定したのであります。
 七百四十二条の二は事業税の課税につきまして、実質課税主義の開明と申しますか、名儀上は如何にもあれ、真実に事業を行なつている者に事業税は課税するのだという、従来から税法の運用において貫かれております実質課税主義の原則を闡明いたしたのでありまして、これは所得税の三条の二、法人税の七条の三の規定に照応するのであります。
 七百四十三条は事業税の非課税範囲でありますが、これは規定の整備であります。でありまして、抜けておりましたものを入れたのと、すでに存在しなかつたものを落したのであります。
 七百四十四条は、事業税の課税標準の規定でありますが、これは第九項の改正は、いわゆる基礎控除の引上げでありまして、三万八千円を五万円に引上げたのでありますが、これは従来三万八千円ときめておりましたのは、昭和二十六年におきます国税の所得税の基礎控除の額に準じておつたのでありますが、基礎控除の額が国税におきましては、二十七年度におきましては、五万円に引上げられておじます。昭和二十八年の事業税は二十七年中の所得を基準にいたします結果、同じく五万円に所得税に準じまして、引上げることにいたしたのであります。
 第十一項の改正規定は、各種健康保険にかかります療養の給付に関する課税標準除外の規定であります。前の国会で参議院におきまして、国民健康保険法と健康保険法につきましては、課税標準除外の規定を置かれたのでありますが、又その適用業種は医師と歯科医師に限られておつたのでありますが、運用の実際は同じような種類のものもほかにありますので、非常に運用上不備があつたのであります。それを今回は同じような種類のもの、例えば船員保険法に基くもの、国家公務員共済組合法、未復員者給与法、特別未帰還者給与法、戦傷病者戦没者遺族等援護法、これらの規定に基きまする療養の給付も含め、又その療養の給付も家族療養までも全部含むという扱いにいたしまして、その範囲を拡大いたしますと共に、又その適用業種を拡げまして、又生活保護法の規定に基く医療扶助のための医療、結核予防法の規定に基きます医療も、それぞれ課税標準の算定除外の範囲に入れまして、規定の合理化を図つたのであります。
 第十四項の改正は青色申告法人の損金算入の限度でありまして、現在は青色申告法人につきましては二年でありますが、それを事業税が更に一年延期されましたことに伴いまして、一年間延長することにしたのでありまして、三年に改めたのであります。
 それから、その次の三十二頁の「(二種の事業又は業務をあわせて行う場合における事業税額等の算定)」というところに実はミスがありまして、第七百四一十七条の二というのが抜けております。三十二頁の十五略、これの次に「(二種の事業又は業務をあわせて行う場合における事業税額等の算定)」と書いてあります。その次に第七百四十七条の二というのが落ちております。この七百四十七条の二といいますのは、例えば薬屋さんが化粧品を販売しているといつたように、二つ以上の異る事業又は業務を兼営いたしております場合の事業税額の算定方法をきめたものでありますが、基礎控除の引上げを行いましたのに伴いまして、規定の整備を図り、三万八千円でありますのを、五万円にいたしました。
 七百六十二条の三は同族会社の行為又は計算の否認の規定でありますが、この規定におきまして、現在は同族会社だけにつきまして行為、計算の否認が認められておりますが、国税におきまして今回同族会社的な一般会社につきましても、同族会社のこの行為、計算の否認を準用することにいたしておりますので、その規定に合せまして第二項の改正規定を置いたのであります。これは法人税法の三十一条の三の二項に該当するのでありまして、三以上の支店、工場、その他の事務所又は事業所を有する法人で、その事業所等の二分の一以上に当る事業所等につき、当該事業所等の所長、主任その他の当該事業所等に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と特殊の関係ある個人が前に当該事業所等において個人として事業を営んでいた事実があり、且つ、当該所長等の有する株式又は出資の金額の合計額がその法人の資本又は出資の金額の三分の二以上に相当するものの行為又は計算で、これを容認した場合に、事業税の負担を不当に減少させる結果となると認める場合があるときに、その同族会社の行為又は計算の否認規定を準用するという規定であります。同族会社的なものと考えられるこれらの法人につきまして、同じように行為、計算の否認の規定を準用して行くという意味であります。
 それから七百七十六条の改正規定は、特別所得税の納税義務者に関するものでありますが、新たにあん摩、はり、きゆう、柔道整復その他の医業に類する業務という規定を入れまして、これは現在は政令で以て医療等に類するものとして、課税客体として定められておつたのでありますが、あん摩、はり、きゆう、柔道整復その他の医療に類する業務につきましても、各種健康保険にかかる療養の給付について支払を受けました金額については、課税標準除外の規定を拡張することにいたしました結果、立法技術上法律に上げることが適当でありますので、法律に上げたのであります。
 第七百七十六条の二の改正規定は七百四十二条の三と同じく、特別所得税におきまする実質課税主義の開明であります。
 第七百七十七条の特別所得税の課税標準に関しまする改正規定の第三項は、基礎控除の引上げであります。第四項は、各種健康保険の療養の給付に基く支払いを受けた金額に関しまする課税標準の算定除外の規定であります。従来医師及び歯科医師、医業に限られておりましたものを、今回は薬剤師、助産婦、あん摩、はり、きゆう、柔道整復師まで拡張いたしましたのが一つの改正点であります。それからいま一つは従来は健康保険法と国民健康保険法に限られておりましたのを、先ほど説明いたしました医療法人の場合と同じく、その他船員保険法、国家公務員共済組合法等によつて療養の給与をいたしました、その給付について、支払いを受けた金額まで拡張するというふうに拡張したのであります。
 それから附則でありますが、附則の一項から八項までは、施行に伴いますいろいろな移り変りの規定をしておるのでありまして大体市町村民税の特別徴収方法の変更は本年度はもはや間に合いませんので、来年からやりたい。それから入場税及び遊興飲食税に関する部分、これは類似税でありますので、八月一日から施行いたしたい。あとはそれぞれ移り変りに関する規定の整備であります。
 それから第九項から十四項までは、昭和二十五年度分以前の法人事業税、つまり賦課課税、現在は申告制度でありますが、当時の法人事業税は賦課処分によつて課せられたのであります。その賦課処分によつて課せられました昭和二十五年分以前の事業税の中に分割基準を間違つておりましたために、課税が間違つておるものが相当あるのでありまして、これは課税標準の総額、つまり納税義務者にとりましては、総額は全然間違つていないのでありますが、各府県が課します課税標準額が、分割基準が間違つていますために間違つているのがあるのであります。これを是正いたしますためには、法律上はすでに行われました課税処分を取消しまして、再評価処分をしなければいかんということになるのでありますが、そうなりますと非常に納税義務者に迷惑をかけることになるので、迷惑をかけないで、各地方団体間で正しい課税標準、分割基準に従つて再計算をいたしまして、その再計算の結果、差引勘定が出ましたものにつきまして、各府県間で相互に決済する一種の手形交換のような操作を行いまして、その間違つた部分を相殺しようという趣旨に基くものであります。非常に規定がややこしいのでございますが、大体の趣旨はそのような趣旨でございます。原則は各府県間がこの法律の規定に従いまして、自主的に操作をいたしまして、府県間で話合いをするのを原則にいたしておりますが、話がつかん場合には自治庁官が中に入つてお世話をするということになつております。
 それから第十六項の改正規定は、外国船舶の所得税等免除に関する法律の一部改正でありますが、これは非常に古い法律でありますが、大正十三年の法律で、日本に住所を持つていない外国人又は外国法人に対しましては、外国の船籍を有する船舶の所得に対しましては、所得税又は営業税を免除するという法律があります。これが、この法律が、占領下におきましては実質上眠つておるのでありますが、これが占領の終了と共に、実質的に動いて参りますので、営業税を事業税と改めまして、当規定の整備を図ることとしたのであります。
 第十七項は鉱業法の改正であります。鉱業法のこれは鉱区税の徴収強化を行いますために、従来鉱業法で試掘権の延長、それから試掘権から採掘権への転換という制度が認められておりますが、試掘権の延長、試掘権から採掘権の転換をいたします場合に、現に鉱区税を滞納している者に対しては許可をしないということにいたしまして、従来非常に徴収成績の悪うございました試掘権に関する鉱区税の徴収の確保を図つたのであります。
 第十八項は、国庫出納金等端数計算法の改正でありまして、これは抜けておりました規定を加えまして、規定の整備を図つたのであります。
 以上が改正法案の内容であります。
#100
○委員長(内村清次君) 只今政府委員から改正法案に対する補足説明がありましたが、委員のかたがたの御質疑がございませんか。
#101
○若木勝藏君 先般来私質問した事項に関連いたしまして、三百十三条ですか、これについて又自治庁側の御説明を願いたいと思います。
#102
○政府委員(後藤博君) お手許に配布しましたオプシヨン・ワンとオプシヨン・ツーの本文の比較という二枚綴りの表、OPと書いた表がございます。これによつて一応御説明申上げます。
 先般申上げましたように、現在の市町村民税の所得割の課税方法に三つございます。第一の方法は所得税を課税標準とするもの、これをオプシヨン・ワン、それから第二の方式が、その所得税の元でありすすところの課税総所得金額を標準にするものであります。その課税総所得金額を標準にするものに、課税総所得金額そのままとつて行くという場合と、それから課税総所得金額の元である総所得から基礎控除だけを引いたものをとつて行くものの二つの方式があります。その課税総所得金額をそのまま使うところの方式をオプシヨン・ツー本文と称しております。それからもう一つはオプシヨン・スリーと申しますのは、課税総所得金額から所得税を除いた金額を課税標準とするのであります。第一の方式、第二、第三の方式は先般申上げましたように、第一方式は大体全国の市町村の一二%くらいは採用しております。オプシヨン・ツーは全体の八四%くらいの市町村がとつてあります。それからオプシヨン・スリーは、大体四%くらいであります。三%幾らになると思います。
 それで今度改正しますオプシヨン・ワン、第一方式と、第二方式の問題でありますが、三つの標準はどれを採用してもいいことになつております。昭和二十五年の地方税ができました年は、第一方式しか採用してはいけない。而も第一方式の一八%を採用するということになつておつたのでありますが、翌年度から、二十六年からは第二方式、第三方式いずれを採用しても構わない、自由選択に委ねておつたわけであります。その後の傾向を見ますと、今申上げましたように、第一方式が漸次第二方式、第三方式に移つております。主として第二方式に移つている傾向があるのであります。
 第一方式が現在残つてありまするところは、大体都市とそれから農村の、特に財源の豊かな固定資産税、法人税割の入りますようなところしか大体残つておりません。大部分の町村がこの第一方式から第二方式に移つているわけであります。第一方式の残つていますところの市のうちで、市の大体半分くらいが第一方式で残つております。第二方式に移つた残りの半分のうちで第二方式の本文をとつているところがたくさんございます。つまり総所得金額をそのままとつているところ、その例が、ここに、立川がその一つの例であります。で、第一方式の残つておりますところでも、現在最高制限率であります二〇%をとつているところは大体二十ばかりございます。それからその第一方式では賄い切れないので第二方式に移つて、第二方式の本文をとつておりますところの市が大体四十二、三あると思つております。四十二、三ありますところの市のうちの一つであります立川、この立川の例は、ここに立川のオプシヨン・ツーの本文を採用して、その税率は超過累進制で次のようにきめております。
 この第二方式の本文をとつております場合に、どういう税率のきめ方があるかと申しますと、超過累進制が非常に多いのであります。このほかに比例税率というのも考えられます。それから又単純累進制というものも考えられます、三つの場合が考えられますが、多くの都市は大体超過累進税率をとつております。所得税の税率と同じような税率の組立て方であります。立川の場合には所得段階別に税率を漸次超過累進しておるわけであります。この税率のきめ方は、所得税の税率に、その市でとろうと思つておりますところの税の総額と所得税の総額との比率を出しまして、その比率をここにかけて行くわけであります。そうして右のほうの税率を出しております。大体そういうやり方でやつているところが多いのであります。そうしますと、五万円以下の場合には四・六%の税率であります。だんだん所得が上つて行くに従いまして上昇して参りまして、五十万円以上のところが一〇%になつております。第二方式の場合には税率が一〇%でなければいけないというふうに規定しておりますので、五十万円以上のところから頭打ちをしまして、だんだん下つて行くわけです。つまり本当でありますと、所得税に乗つかつて参りますると、十何パーセントになるのでありますが、所得税が非常に上のほうが高くなつておりますので、一〇%という制限税率で抑えておりまして、五十万円以上の人は一〇%と、こういうふうに頭打ちをするわけであります。
 この下の表を御覧になりますと、この場合にはオプシヨン・ワンで直しますと、二三%とつているわけであります。この下の夫婦子供一人、子供二人、子供三人の場合の比較でありますが、上のほうのオプシヨン・ワンというのは、私どもの三百十三条の改正をやることによつて、二三%とつた場合の税額であります。現在立川でとつておりますのが下のほうの、OPIこれであります。これで御覧になりますと、五十万円のところの所得段階のところで頭打ちをして、八十万円の段階になりますると、オプシヨン・ツーのほうの下のほの段階より安くなつて参ります。百万円もそうであります。だんだん八十万円以上の所得者になつて参りますと、オプシヨン・ツーの本文で一〇%の制限税率で行きますと、だんだん安くなつて、つまりオプシヨン・ワンより安くなつて参るわけであります。オプシヨン・ワンの場合に一〇%の、改正法にあります課税総所得金額の百分の十の額としなければならない、こうしてやりますと、大体百六十八万円くらいのところで頭打ちをしてしまいますですから、百六十八万の所得者のところでオプシヨン・ワンの場合は頭打ちをして、そのあとの所得者が大体少し下つて行くわけであります。ところが現行法のオプシヨン・ツーの本文で参りますると、八十万円で頭打ちをする、こういうことがこの表に見えるわけであります。
 従つて私どもの見解では、立川市は所得税の二三%をとつているのでありますから、この二三%の所得税の比例税率で行つたほうがいいのではないか、合理的である、こういう結論になるわけであります。こういうややこしいことをやるよりも、二三%の比例税率で以て所得税にぶつかけて行つたほうがより合理的であり、一般の市民にもよくその税の額もわかつて来るのではないか。こういうオプシヨンーツーの本文を採用して、二三%の税率になるような超過累進制をとつておる、そういうややこしいことをするよりも、所得税の方式をとつて二三%にしたほうがいいということになるわけであります。その場合に二三%以下でも私はいいと思つております。高額所得者が非常に多い場合には、二三%以下に税率を下げられるのじやないか。現在の方式としては二三%より下げることはできませんけれども、私は所得段階の非常に多い人が多数でありますれば、二三%以下の税率も可能である、つまりオプシヨン・ツーの本文と今度の改正法の本文との比較であります。つまり頭打ちがオプシヨン・ツーの本文のほうが早く来るということであります。
 それからその次はちよつと比較にならんかと思いますが、千葉県の旭町というところの実例でありますが、これはオプシヨン・ワンと、つまり所得税を課税標準にしたものと、オプシヨン・ツーの但書、つまり総所得金額から基礎控除を引いただけのものをとつておる比較でありまして、旭町におきましては、オプシヨン・ツーの但書をとつております。そうしてここにありますように八百六十万円の所得割の収入を挙げているのでああります。その税率はここにありますような税率の出し方であります。この町の納税義務者というのは、所得税の納税義務者は千三百七十二人あります。でありますが、実際に所得割を納めている人は千七百四十八人で、所得割のほうは、所得税を納める人よりも三百七十六人ばかり多くなつております。で、この税率を逆算をいたしまして、所得税との比率をまとめてみますと、約二五・三%になります。つまり所得税のほうで参りますと、二五%の税率でとつたと同じくらいの税額を挙げているわけであります。二五・三%の税率でとつた場合と所得税のつまり第一方式をとつた場合と、この町でとつておりますものとの比較がこの下の欄に出ているわけであります。これで御覧になりまするように、夫婦子供一人の場合には、所得で課税税されていない人で、課税されるものが七万円の段階にある人であります。ところが夫婦子供二人になりますと、七万円、十万円、十二万円、この三つの段階において所得税を課税標準にした者よりも多くとられております。それから夫婦子供三人になりますると、十五万円くらいまでが所得税の課税標準でとられるものより多くなつて参ります。つまりこれで参りますと、私はオプシヨン・ワンをこの町で採用することはちよつとむずかしいと思いますけれども、オプシヨン・ワンの方式と比べて、同じ税率で参りますると、オプシヨン・ツーの但書のほうは下層のほうに非常に重くなつておるということが言えると思います。従つてオプシヨン・ワンのこの改正をやりますると、この十五万円以下の所得者には非常に有利になつて来るのではないか。負担が軽くなつて行く、かように考えられるのであります。
 それから先ほどちよつと申上げました、この次のところで、一枚表がございます。これが非常にややこしい表でおわかりにくいかと思いますが、さつき頭打ちをいたすと私申しましたが、どこで一体頭打ちをするかというのがこの表であります。で、左のほうの表から、いつて、左のほうはオプシヨン・ツー、超過累進税率の表であります。一番上にある所得税の税率が昨年の所得税の税率であります。その次がオプシヨン・ツーの税率であります、その下がオプシヨン・ワンの一八%、つまり標準税率でとつた場合の税率であります。その下の段は、大体一九%とつた場合、その次は二〇%、だんだんこの税率が高くなるに従つて頭打ちが早くやつて参ります。例えば真ん中のところの、二一%のところで御覧になるとわかりますが、二一%のところを左にずつと参りますと、百万円のところで二〇%になります。つまり五十万円のところまではずつと比例して参りますけれども、百万円のところに参りますると、高額所得者、百万円の所得者になりますると、却つて安くなるわけであります。比較的安くなる。だんだんこの税率が上つて参りますと、頭打ちするところが早くなつて参ります。
 右側の表はそれを額で出している表であります。下のほうの欄が現行法による、つまり第二方式・オプシヨン・ツーの頭打ちの課税総所得金額でございます。一九%でとりますと、二百万円の所得者から安くなる。それから二〇%の税率で行きますると、大体二百万円。二一%、二二%は百万円、二三%より上になりますと、五十万円の所得者から頭打ちをして参ります。ところが私どもの今度の改正で参りますと、十九%のときには八百八十六万円、二〇%のときには四百二十万円、二一%のときは二百八十四万円。二二%のときは二百二十万円、こういうふうにだんだん下つて参りますが、現行法によるところのオプシヨン・ツーよりも下り方のカーヴが緩いのであります。高額所得のほうにまで比例税率制が適用される、こういうことになるわけであります。従つて私は現在のオプシヨン・ワンからオプシヨン・ツーに移るところの現在の傾向を、こういう改正によつて阻止できるのではないか。而も中都市が非常にややこしいオプシヨン・ツーの本文のような、超過税率制をとつているところの現在の状況を、簡素なオプシヨン・ワンの方式で以て同じような効果が挙げられるのではないか、かように考えておるわけであります。
#103
○堀末治君 後藤君にお尋ねしますが、一体どうしてみんなはややこしいオプシヨン・ツーのほうをとつているのだね。
#104
○政府委員(後藤博君) お答えいたします。それはいろいろあるのですが、農村の場合と都市の場合は違うと思います。農村の場合は、所得税を納める人はどんどん減つて参ります。この大体村の一割以下にだんだん下つ来るところが相当あります。村の戸数の一割以下の者しか所得税を納めていない。そういうところで所得税を課税模準にして、市町村民税をかけるということは、一割の人しかかからんというわけで、そうしますと、市町村民税が応益的な課税であるという趣旨に反しまして、一部の者しか所得割を負担しないということになります。それでできるだけ多くの人に所得割を負担してもらうために、本文のオプシヨン・ツーを採用するわけであります。
 それから都市に参りますと、都市は御存じの通り源泉徴収の関係では相当税が伸びておりまするので、都市のほうは所得税の納税義務者は必ずしも減らないのであります。そういうところでは財政上の理由から主として増収を狙つて、オプシヨン・ワンからオプシヨン・ツーに移つている傾向がございます。従いまして先ほど申上げましたように、オプシヨン・ツーの本文をとつている市が相当、四十幾つありますということは、結局増収を狙つているということも言えるわけであります。
#105
○堀末治君 併し今の説明だと、都市なんかはワンのほうでもいいけれども、農村なんかのはどうか。併し今度の所得税の改正によるというと、大分払う人が少くなるのだ。所得税を払う人が、減税にいうものが多くなるから……。そうなつて来ると、都市というものもやはりそういう傾向が多くなりませんか。
#106
○政府委員(後藤博君) お答えいたします。都市の規模によります。都市と申しましても二つ又ありまして、大きな都市、而も工場労働者なんか多い、勤労者の多い都市と、それからそうでない都市があると思います。中都市以下はおつしやる通りであろうと思います。併し中都市以上は多くの場合必ずしも減らないのじやないかと思つております。
#107
○堀末治君 今度の改正によつて、今の農村のような、どこでもワンを使つても、大抵バランスがとれるようになるという見込みなのですか。
#108
○政府委員(後藤博君) 農村の、純農村あたりでは所得税が殆んどなくなつて参りましたから、オプシヨン・ワンを使う余地は殆んどなくなつて来ております。従つて私どものところに参ります市町村の声としては、大体オプシヨン・ツーだけを残して、あとのものはやめてくれ、大体町村はそういう要求であります。それから市になりますると、オプシヨン・ワンを残してもらいたい、大都市は残してもらいたい、こういう要求が強いのであります。併し大都市も普通の都市も、漸次財政状況が悪くなつて参りまして、第一方式では二〇%の制限がございますので、二〇%では足らないという場合には、どうしてもオプシヨン・ツーに移らざるを得ない。こういうので、オプシヨン・ツーの最も簡単な、オプシヨン・ツー本文の、総所得金額を課税標準にする奴に移つて行くわけであります。
#109
○堀末治君 これはいずれあとで全般的のときに話をしようと思つていましたけれども、北海道なんかでは、音威子府・鉄道の分岐点なんですが、農村も殆んどない。鉄道の分岐点なるが故に、鉄道職員ばかりが半分以上村におる。それが今のこういうような形式で税が上らないで殆んど困る。そこの希望するのは、何を一番希望しているかというと、あの人たちの入つている鉄道の社宅に固定資産税をとつてもらいたいということをすこぶる言う。私はこれはどうしてもやらなければ、ああいう都市は立たないと思う。それで私は音威子府という都市、その隣りの幌延といつたところ、これもやはり鉄道線路の分岐点なんだ。これは音威子府から見ればまだ相当に商売も繁昌しているから、税収はあるけれども、それはそれでも、鉄道の社宅が非常に多い。どうしてもこれは社宅から、固定資産税をそれからとつてもらたいということを極力言うだが、私はこれは言つてもいるのだが、そういうことを自治庁としてはどういうふうな考えていますか。
#110
○政府委員(後藤博君) お答えいたします。お話のようなことは私どもたびたび承わつております。例えばこの近所で申しますと、大宮とか、それから吹田、そういうところではすでに問題になつているのであります。昨年の丁度十三国会でありましたかに、そういう国鉄所有の、国鉄の直接事業に供しないとこの資産に対する固定資産税を課税するという修正が衆議院でできまして、参議院に回つたのでありますが、参議院のほうで否決されましたのですが、私どもそういう経緯がございますので、今回の改正には遠慮したわけでありますが、でき得れば私ども国鉄の特に住宅でありますか、そういうものには私はどうしても課税をしなければ、非常に不均衡になりはしないか、かように考えております。
#111
○堀末治君 そこでこれは私もよく知つているのだ。もう総裁あたりまでが、ここまで運動して、ああいうふうに揉みくちやにしてしまつたのですが、私はひとり国鉄なんかばかりとる、或いは今の専売関係ばかりとると言うから、なかなか問題だけれども、ああいう小さい町村あたりにあるいわゆる一切の諸官庁の、要するに官舎、社宅は全部取ることにしたらどうか。これは行つて見るというと、全くそうなんだよ。甚だこれは失礼ですけれども、そういうところにおる人は皆下級者が多い。下級官吏という言葉はいろいろですけれども、割合にこういうのはそこに定着的で、そうして言うと悪いけれども、家族も多いんだね、そういうところにおる人は……。それですからどうしても学校なんかの関係も多い。そこに今言つたように税の負担が頗る少い。であるから、官舎なり社宅の中におる人の要するに、学校関係の費用、警察関係の費用、続いては消防関係の費用というものは全くあとの市町村民ばかりで負担している。で、その人たちは他の人の恩恵によつてすこぶる楽にしている。こういうことは私は地方自治ということから言えばよろしくないと思うので、私は今まではしきりと鉄道或いは専売なんというものは、公社になつたからということで主張していましたけれども、今度はそうせないで、あらゆる諸官庁のそういうような諸官庁建物、そのものから取るわけには行くまいけれども、そこの仕事をするために住いしている住宅の固定資産税は、私は当然出すべきだと思う。そうすれば鉄道ばかりということはない。全部公平に出されるのだから、私はこれが鉄道ひとり反対するという理由が成り立たなくなると思うから、要するに私はこれは是非ともやるべきだと思う。さつき塚田長官には大いに主張しようと思つたが、今いなくなりましたから、いずれ、明日、明後日には出ましようから、出たときは、大いに主張するが、あなたも同感だと思いますが、どうでしよう。
#112
○政府委員(後藤博君) お答えいたします。これはおつしやいますような場合には、以前、昭和二十五年は地方税法ができましたときは、使用者課税という方法で課税しておつたわけであります。ところが二十六年の春の国会だつたと思いますが、いろいろこれに対して問題がございましたので、使用者課税制度を廃止したわけでございます。所有者課税制度に現在の固定資産税を決定したわけでございます。その際に使用者課税制度がなくなりましたために、おつしやるような矛盾が出て来ているのであります。私どももおつしやいますような場合には、国が納めるものか、使用者が納めるか、国が納めるほうが私は合理的だと思つております。所有者として国が納める。而も官庁の直接の業務の用に供しない資産については、私は当然或る程度の課税をすべきものだと、かように考えておるのであります。
#113
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#114
○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト