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1953/07/09 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 大蔵委員会 第15号
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1953/07/09 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 大蔵委員会 第15号

#1
第016回国会 大蔵委員会 第15号
昭和二十八年七月九日(木曜日)
   午後一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
七月九日委員成瀬幡治君辞任につき、
その補欠として矢嶋三義君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           西川甚五郎君
           小林 政夫君
           森下 政一君
   委員
           岡崎 真一君
           藤野 繁雄君
           土田國太郎君
           前田 久吉君
           三木與吉郎君
           平林 太一君
  政府委員
   日本専売公社管
   理官      今泉 兼寛君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   大蔵省管財局閉
   鎖機関課長   岩動 道行君
   日本専売公社塩
   塩脳部長    西川 三次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○閉鎖機関令の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○塩業組合法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより第十五回の大蔵委員会を開会いたします。
 閉鎖機関令の一部を改正する法律案、予備審査について内容の説明を聴取いたします。岩動閉鎖機関課長。
#3
○説明員(岩動道行君) 閉鎖機関令の改正令を用意いたしたのでありまするが、この閉鎖機関は、昭和二十年に総司令部の要求に基きまして、千八十八機関が閉鎖機関に指定をいたされました。その後大蔵大臣の監督の下に、特殊清算人によりまして特殊清算が爾来引続き行われて参つたのでありますが、最近の状況は、その千八十八機関の内八百四十四機関が清算を結了し、或いは指定の解除をいたしまして、現在清算の結了をやる必要のあるものは二百四十四機関となつております。これらの残存機関につきましても、すでにその清算の状況は大体最終の段階に到達して来ております。更に又講和後の日本の状況に基きまして、いろいろと改正を要する点もありまして、早急に閉鎖機関の結了を進めるという必要を生じて参りましたので、ここにこの改正令を提案いたしたわけであります。
 大体改正の要点は、先ず第一に戦時中主として外地で活動しておりました在外活動閉鎖機関は、現在の法例におきましては、社債及び残余財産の処分が禁止されておりますが、これを改めまして、在外負債の総額が在外資産の総額を超える額、それから政令で定める金額を留保いたしますれば、社債及び残余財産の処分も認める。そして閉鎖機関の指定も解除することができるという点を改正の一つの要点にいたしております。それから株式会社でありますところの閉鎖機関が、指定を解除されました場合には、現行法では商法の規定に従いまして、清算を結了する建前になつておりますが、この点を改正いたしまして、株主総会の議決があれば、もとの会社を復活することもできる規定を設けてございます。第三番目は、閉鎖機関の株主が新らしくその閉鎖機関の残された財産を以て会社を作ろうという希望を持つております場合は、一定の條件の下に、新らしい会社を設立するという道も開いたわけでございます。これらの改正の要点に従いまして、関係の法令に関する多少の條文整理等をいたしておるのでございます。改正の條文につきまして若干順を逐いまして御説明申上げてみたいと思います。
 改正の第十九條におきましては、従来の在外活動閉鎖機関、或いは在外債務を持つておる閉鎖機関におきましては、残余財産の処分についての制限があつたのを、この度この第十九條におきまして、在外債務が在外資産を超える場合にはその差額と、更に政令で定める一定の金額を留保した場合には、残余財産の処分ができるというふうに規定をいたしております。但しその政令で定める金額は、在外債務の総額を超えることはできないという制限規定を設けてございます。
 第十九條の三以降は、会社を新たに設立する場合の規定でございまして、第十九條の三におきましては、会社の設立をする場合の申立権者が誰であるかという点を先ず第一に規定いたしております。これはその閉鎖機関の株主の十分の一以上が、新たに会社を作りたいという申立をした場合には、これを特殊清算人に申出まして、特殊清算人はこれを取次いで、大蔵大臣のところへ承認を求める、こういうことになつております。この場合に、新らしい会社を作る條件といたしまして、第十九條に規定されたと同じように、在外債務があります場合には、在外債務が在外資産の総額を超える場合にはその差額と、更に政令で定める金額とを加えたものを留保する。そういうものがない場合でも政令に定める金額があれば、それを留保したあとでなければいけない。その残つた財産を以て新らしい会社を作る基礎とするという規定をいたしておるわけであります。この特殊清算人に対する株主の新会社設立の申立は、文書を以てしなければならない。このための申立の事項等についての規定が最後のほうに設けてございます。
 第十九條の四におきましては、新会社の設立の計画案の作成に関する規定が設けられておりますが、特殊清算人は前條によりまして申立があつた場合には、それを直ちに大蔵大臣に報告して、その承認を求めなければならないことになつております。
 そこで、特殊清算人は、大蔵大臣の承認を受けた場合には、直ちに新らしい会社の設立計画案、ここでは計画案と申しておりますが、その計画案を作成いたしまして、そうして株主総会の決議を経るということにいたしております。第三項におきましては、その計画案に記載すべき事項を規定いたしておりますが、これは商法におきますところの会社の設立の場合に要求されておる事項と大体同じでございますが、ただ新らしい、この新らしく作られる会社が、その前身が閉鎖機関であつて、そうして在外債務等を持つておるような場合がございますので、その点に関して若干の特別な事項の記載も要求いたしております。
 第十九條の五におきましては、特殊清算人が株主総会の決議を求めるための手続の規定を設けております。この場合に、株主総会を本部以外の場所において開催するという定款を持つておる場合には、これは現在外地において開催することは事実上不可能なことでありますので、それを本邦内において開くことができるという特例を設け、定款或いは法令の規定にかかわらずにそういうことができるという規定を設けております。それから株主総会の招集の場合におきましては、商法の規定に準じまして、公告をして行くという規定をいたしております。第四項におきましては、決議の方法を規定いたしておるのでありますが、これは旧会社の発行済株式の総数の二分の一以上の議決があればよろしいということにいたしております。会社の設立に当りましては、これは極めて重要な事柄でありますので、本来ならば商法の規定いたしますところの特別決議の方法で、もつと厳格にやるべきところでありますが、この場合、閉鎖機関におきましては、いろいろな特殊事情もございますので、できるだけ簡便に新らしい会社ができるように考慮いたしまして、ここで二分の一というふうに、若干の要件を緩和いたした規定にいたしております。
 第十九條の六におきましては、認可の申請を大蔵大臣にすべきことを特殊清算人に要求いたしております。
 第十九條の七におきましては、特殊清算人がこの認可の申請をした場合には、閉鎖機関に関する利害関係人の異議の申立を一定期間できるようにしなければならないという規定を設けてございます。
 十九條の八は計画の認可に関する規定でございますが、大蔵大臣は特殊清算人から認可の申請があつた場合には、その計画が法律の規定に違反していないか、或いはその計画が公正であり、そうして実行も可能であるというものであれば、これを許可するという建前をとつております。この場合異議の申立をその前に行なつておりますので、若し異議の申立があつた場合には、その異議の申立に対する保護をいたすために弁済をするか、或いは一定の條件の下に受益者に対する弁済を受けさせることを目的とした信託を行うとかいつたようなことで、異議の申立に対する保護をすべき規定を設けてございます。
 十九條の九におきましては、決定の計画ができましたならば、これを公告すべきことを規定しております。
 特殊清算人が決定計画の実行前におきまして、何か事情の変化によりまして修正をする必要があるという場合には、大蔵大臣に修正の認可を申請して、実情に適したものにその計画案を修正する道を開いております。これが十九條の十でございます。
 その次の十九條の十一におきましては、新会社の設立の手続でございますが、これは発起人の職務は特殊清算人が行うということを規定いたしております。
 それから新会社の創立総会におきましては、決定計画に定めておることと反した決議はできないということを規定いたしております。これは株主の意見を参酌しながら特殊清算人が計画を立て、更に大蔵大臣の認可を得てやつて参りましたことでありますので、更に創立総会においてこれと異つた決議をされるということはその計画の実行性等にも相当影響して参ることもあり得るので、決定計画と異つた決議をすることはできないというふうに制限をいたしております。
 その次は登記の規定でございますが、更に十九條の十四におきましては、新会社ができました場合には、その成立の時におきまして他の法令の規定等にかかわらず、そのまま閉鎖機関の権利義務がそつくり直ちに新会社の株主に移るという規定を設けております。新会社が成立いたしますれば閉鎖機関の特殊清算事務は終了する。そしてその旨を清算人は大蔵大臣に報告するという規定を設けてございます。
 それから十九條の十七におきましては、決定計画の実行に関して、その後の情勢の変化等によりましてその実行が極めて困難であるというような見通しがはつきりいたして参りました場合には、特殊清算人或いは利害関係人の申立によりまして、その設立の手続の廃止を大蔵大臣は命ずることができるようにいたしております。その場合には直ちに従来の清算手続が開始されるという注意規定が第十九條の十八に規定いたしてございます。
 それから十九條の十九におきましては、設立の費用の負担に関する規定が設けてございまして、新会社ができた場合には、その新会社、新会社ができななかつた場合には閉鎖機関の清算事務費の中で負担するという規定を設けてございます。
 その次の十九條の二十は、これは新らしい会社ができた場合に、その会社の株主の関係で独占禁止法の株式の所有制限に関する規定に抵触する場合があり得るのでありますが、これは現在の法令におきましては、ポツダム政令に属する場合には、一応そのまま許されることになつておりますが、現実にはこのようなことがありますれば、経済民主化の線にももとるということになりますので、その取得した日から二カ月間は例外的にその株の所有を認めますけれども、二カ月たつたならばこれを放さなければならないという規定を設けて、独占禁止法の一般的な規定の趣旨に副うようにいたしてございます。その場合に二カ月でその株式の処分等ができないという特殊事情もあることを考慮いたしまして、その場合には公正取引委員会の認可を経て更に二カ月以上所有することができる。但し公正取引委員会の認可の條件としては、できるだけ早く処分しなければならないという條件を付けるようにいたして、独禁法の趣旨にできるだけ副うような措置を講ずることにいたしております。
 以下十九條の二十一から二十五までは、以上の改正の要点に伴いまするところの條文の整理でございますので、説明を省略さして頂きます。
 第二十條は閉鎖機関の指定解除に関する規定でございますが、従来は在外債務を有しておりますところの機関につきましては、この指定解除を認めていなかつたのでありますが、この規定によりまして、そのような在外債務を持つておる会社につきましても、指定解除はできるという規定に改正いたしたのであります。この場合の條件といたしましては、残余財産の処分、社債の弁済等ができる第十九條の規定と同様の趣旨によりまして、在外債務が在外資産を越える場合にはその越える額と、更に政令で定める金額がある場合には、それを加えたものを留保財産としてとつておいて、その上で残つた財産に関する指定解除をするというふうにいたしております。
 それから第二十條の八におきましては、冒頭に申上げましたように、会社の復活に関する規定を設けてございます。それから会社を復活いたしました場合に、その課税に関する事業年度の区分につきましては第二十四條の三に規定を設けまして、これを三つの期間に分けて整理をするということにいたしております。第一が、指定があつた日の属する事業年度開始の日から、指定のあつた日までが一つの期間、第二がその指定のあつた日の翌日から会社の継続を決議した日までの期間が第二の事業年度として、それからそれ以後決議の日の翌日からその会社の事業年度の終了の日までが第三の事業年度ということにいたして、課税上の年度区分を簡便にいたすことに規定をいたしております。第二項におきましては六カ月ことに中間申告をいたすことになつておりますのを省略する規定でございます。
 以上で大体今回の改正の要点を概略申上げたわけでありますが、今回の改正は在外債務を持つておる場合の清算を如何にするかという点に中心がございましたので、そうしてその場合に留保財産を必ずとつておかなければいけないという規定になつております。そこで最後にこの留保財産の処理をどうするかという問題が残るわけでございますが、これは対外関係等によりまして早急にこれを決めて、今日この処分方法をどうするということもできない状況にございますので、これは別に法律で定めて、その方法をきめるということにいたしております。以下関係法令の條文整理等をいたしております。特に実質的な点について一点申上げますと、特定在外活動閉鎖機関等の引当財産の管理に関する政令というのがございますが、それの第六條におきまして、従来引当財産につきましては、これを日本銀行に預入するか、或いは寄託をするということになつておりましたが、それでは折角残された財産の活用が十分でないというので、今回はこれをもう少し広く運用できるような方法に改めたいという点で、その管理の方法につきましては大蔵大臣の認可を受けて、その引当財産の活用を図るというふうに改正をいたしたいという規定でございます。
 以上甚だ簡単でございますが、御説明申上げました。
#4
○委員長(大矢半次郎君) 質疑を願います。
#5
○小林政夫君 先ず第十九條の、ちよつといなかつたので、或いは逐條説明の時にお述べになつたと思いますが、政令で一定の金額を定めるというのはどういう趣旨で、丁度在外債務に見合う資産にプラスして、政令で全部定めるというのは、どういう方法でその金額を算出するのか。
#6
○説明員(岩動道行君) その点につきましては、本来でありますれば在外資産と、在外負債と比べて、その差額があれば、債務のほうが多ければ、その債務に相当する部分だけを残してやれば宜しいということが言えると思うのでありますが、今日の状況におきましては、在外資産の状況がまだ正確に把握されていないという事情、又仮にそれが正確に把握されても、それがどのように国外において処分されておるかという点も明白になつておりません。又為替レートの関係、或いは資産そのものの評価の問題等につきましても、いろいろ今後研究を要する点、検討を要する点もございますので、そのような点を十分検討した上で、在外債務が在外資産だけを引当てにしておけば十分であるかどうかという見当をつけまして、若しそれで不十分であるというような場合に、ここでいろいろな條件、事情を考慮して、一定の金額を定めて行きたい。それによつて在外債務の支払いに対して遺憾なきを期したいという気持でこの規定を設けたのであります。
#7
○小林政夫君 そういう気持、抽象的な説明はわかつている、読めば大体そういうことだろうと見当はつくのですけれども、いやしくもあなたのほうで定めると、一定のこれこれの金額を積立てろと言うのには、計算の基準がなくちやならない、それで在外債務に見合う在外資産の不足分だけでなしに、それにプラスアルフアーを加えるというのは、一体何割増しというように見るのか、併しまあそう簡単にも行かないから、何か一定の基準がなくちやならない、その都度各閉鎖機関ごとに、内容を検討して一々指示をする、こういうことですか。
#8
○説明員(岩動道行君) その点は抽象的な包括的な規定が設けられれば一番よろしいわけでございますが、これも相手のあることで、在外資産のある国等によりましていろいろと事情が異つて参りますので、或いは地域ごとにきめるというのも一つの方法かと存じますが、場合によつては只今お示しのように、個々の機関についてそれぞれきめて行くという場合も起つて来るかと思うのであります。ただその場合に最高額を、この十九條の別の項で、在外債務の総額までしかやらないという最高限度は、ここではつきりきめているわけであります。
#9
○土田國太郎君 この閉鎖機関の業務の運営について、ちよつとお伺いいたしたいのでございますが、昭和二十年に大体開始されまして現在に及んでおつて、その報告を見ますと、四百七十三が未決であるというふうに了承しているのでありますが、私も曾つて、今もこの表の中に出ておりますが、閉鎖機関を指定された時分があつたのでありまするが、非常に我々の経験いたしておりまするところでは、事務の取扱いが非常に遅れがちで、関係者一同は迷惑しておつたことは事実でありまして、特に臨時的な官庁である関係もありましようが、職員諸君がもうなかなか我々がお願いに行きましても、承知しましたとは言うておるのですが、なかなか仕事をやつてくれない。極端な例は、すでに事務が完了して小切手を書くばかりになつてから、二月も三月も小切手一枚で時間を費やされるという極端な例でありますが、そういうようなことも私ども聞いておりまするし、又現在はどうか知りませんが、先般職員がスト的態度で、我々が行つて何とか話をつけようといたしましても、相手になつてくれんというような状況で、国民はこれは非常に迷惑いたしておるんでございます。それとまあ時間がかかりますれば、その閉鎖機関は経費の分担を命ぜられてありまするから、資本金をどんどん食われてしまうというような状態であつたのでございますが、現在におきまする事務の実際の状態はどうであるか。それから一番多い時の職員はどうであるか、それから又現在の職員数はどうであるか、それから大体この職員がサボをするという原因はどこにあつたのか、なおこの事務は、大体一緒に努力させて職員を鞭撻して、いつ頃までに大体完了できるものであるかと、これは皆聞きたい。関係者は聞きたいところでありまするので、その点を一つ簡潔にお伺いいたしたいと思います。
#10
○説明員(岩動道行君) 只今閉鎖機関事務所の仕事のやりぶりについてお話がございましたが、私どもも多少そういうことを耳にいたしておりまして、監督の立場上できるだけ懇切丁寧に迅速に片付けるようにということを心掛けて注意をいたしておりますが、なお一層今後そういう点には留意いたして参りたいと思います。
 現在の職員数は、四百五十六人でございます。それで現在残つておりまする閉鎖機関の数は二百四十四になつておりまして、このうちすでに閉鎖機関の清算事務所の手を離れて大蔵省のほうまで認可申請を持つて来ておるというのもございまして、清算事務所で現在扱つておりますのが二百七になつております。従いまして三十七というものは大蔵省のほうに参つておりますので、これは大蔵省におきまして、資料、書類等十分検査して間違いないという確認がつけば、これはもう早急に解決がつく問題でありますので、これはもう済んだも当然と申上げてもよろしいかと思います。
 それから二百七につきましては、只今事務の進歩計画を樹立いたしまして、大体二十九年の三月末には数機関を残して清算を結了するという事務の進捗計画を樹立いたしております。これに伴いまして、この職員も相当数時期の進行につれ減員をして参るという計画で進んでおります。ただこの幾つか残る機関と申しますが、例えば正金銀行でありますとか、或いは公益営団でありますとか、そういつた特殊な債権債務の関係を持つておる在外関係の多いところ、或いは公益営団のように特殊な問題を持つているところというものは、これは年度内に完了するということは多少困難であろう、翌年度まで持ち越すんではないかという予想をいたしておりますが、先ずこの二百七機関の内の大部分は二十八年度中に結了するという見込で現在進めております。
#11
○土田國太郎君 お返事は要りませんが、全くこれは国民が一日も早く完了を要望しておりまするので、折角一つ御鞭撻願いまして早く御完了願いたいと思います。私どももまあこの中に入つておりますが、実際あとの始末に困つておるような状況でございますので、どうぞその点然るべくお願いいたしたいと思います。
#12
○小林政夫君 在外債務と、それから留保財産、新らしい会社を作るにしても、作つた場合におけるその経理ですか、経理上の処置はどういうふうになつているのですか。
#13
○説明員(岩動道行君) 在外財産を……会社を新らしく作つた場合でございますか。
#14
○小林政夫君 そうです。
#15
○説明員(岩動道行君) 新らしく会社ができました場合におきましては、当然新らしい株主が自主的にそれを運営することになりますので、政府の監督等は当然離れて、完全に一般の会社と同じような活動をいたすことになります。
#16
○小林政夫君 そうすると、ただこの法律によつて留保財産についての指示をするだけであつて、在外債務及びそれから留保財産を含んだものが、新会社の資産、負債という内容に載るわけですね。
#17
○説明員(岩動道行君) この法律によりまして新らしく会社が引継ぐ財産は、留保財産を除いた残りの部分だけでできることになつております。従いましてその留保財産は飽くまでも閉鎖機関のものであるという法律上の建前になつております。
#18
○小林政夫君 私も法律を読んでそう思つたんだけれども、あなたの先ほどの説明では、新株主が新会社を適当に管理するのだという説明を聞かされて、今重ねて聞いたような疑問が起るわけです。そうすると、閉鎖機関に残るのは、一体今までの株主に対して、新株を与えるというようなのは、この新会社設立計画案、この新会社設立計画案の内容で、従来の株主には、どれだけの額面の株をどれだけやる、こういうことが計画案の内容になるということであると思います。その在外債務と、そして留保財産というものが、完全に清算ができた暁において万一差額があるというような場合においては、国庫の収入になる。こういうふうに了解してよろしいのですか。
#19
○説明員(岩動道行君) 留保財産が清算をされまして、更に追いかけて債務を払わなければならないという場合も起り得ると思います。又逆に財産が余つたという場合も考えられるわけでございます。その場合に、その留保財産の処理をどうするかということは、この法律では何らきめてございません。別に法律できめるということになつてございますが、私は、これは当然従来の株主が権利を主張し得るものであると思いますので、この設立の計画案を作成する場合に、その計画案の記載事項の中に、何かその点に関しても一項謳つておくということも一つの方法ではないかと考えているわけであります。従いまして、第十九條の四の三項に、記載事項を列記いたしてございますが、それの一番最後の号に、十一といたしまして「その他必要な事項」という号を書いてございますが、この辺で、或いは留保財産に関する株主の希望なり、何かを規定すると書いておくということも可能ではないかというふうに考えているわけであります。
#20
○小林政夫君 そうすると、今の質問の最初の第一点である設立計画で、従来新しい会社の株を与えるという場合においては、当然今の留保財産は除外した、在外負債、在外資産及びその留保資産というものを除外した残りの資産でもつて、その会社の資産評価をする、こういうことになりますね。それで今の説明で、その他必要な事項へ新会社の株主の希望を表示しただけで、今度別に法律を制定する時に、はつきりその株主の希望が受入れられることになるかどうか、多少疑問が残ると思う。すでに閉鎖機関の整備の方法としては、従来の政府出資が半額、民間出資が半額というようなものについて、民間出資に対しては一応の払戻しをして、相当含み資産等があつた場合は、全部国家に帰属しているというような事例もある。時の政府のやり方によつては全部取上げられる。株主は希望を表示したけれども、あなたは今そういう気持を持つておられるが、これからできる政府の運用によつては必ずしもそう行かぬことがある。前の政府の整備計画等の場合において、第二勘定を設けて、新会社に第二勘定を設けるという方法が一番今の問題について、新会社の株主のそういう問題についての主張を活かし得る、こう考えるのですが、それは如何でしようか。
#21
○説明員(岩動道行君) この新会社を作る場合に、在外債務、資産関係を全然切離して、留保財産をとつたあとのきれいな財産だけで作るという規定にいたしました趣旨は、結局この在外資産関係のことは将来どのようになるかということが非常に不安定な状態におかれておりますので、そのような不安定な要素を新らしい会社に持込んで行くということは、折角作りました会社が又非常に不安定な要素を含んで出発するという結果になりますので、できるだけそういう不安定な要素はなくして、きれいな純粋な財産で活動ができるようにしたいという趣旨できめたわけでございます。併し全然新らしい会社と、閉鎖機関になつた会社の留保財産とが関係がないということも一概には言い切れないわけでございます。その点は将来法律を以て留保財産の処理を考える場合に公平に処理をして行きたい、かように考えているわけであります。これはでき得ることかどうか、ちよつと極めて仮定的な問題でございますが、そのため必要な事項におきまして極く僅かな資産だけが留保財産として最後に残つたというような場合に、そんなものはもう要らないから、そういうものは権利を放棄するというようなことも、場合によつては考えられると思います。これはそれぞれの個個の会社につきまして、それぞれ事情を異にいたしておりますので、その場合その場合に従つて公平な考え方で処理をして行きたい、かように考えます。
#22
○小林政夫君 これは見解の相違ということになるかも知れませんが、いやしくも新会社を作つてやつて行けるという会社であれば、今の或る程度のリザーブを見て在外債務と在外資産との丁度差額だけでなしに、それにアローアンスを加えて、或る程度の余分に資産を留保しておくという措置をとるのは、この新会社がそういうものを引継いでも、そう不確定要素じやない。而も棚上勘定で第二勘定というようなことでやつておけば、決してそれが発足する新会社の足手まといになるべき性質のものではない。むしろあなたの今おつしやつたその新会社に、悪いケースで案外負債が多くなつてとても新会社で背負い切れないというような事態が発生したときに、何か政府は救済の手を法律によつて打てばいいので、もうこの段階において、このような閉鎖機関というような立場において、国がそういつた清算事務まで扱う必要はなかろうと思うのです。先ほど土田委員から話があつたように、非常にあなたのほうの活動がスロモーであるということは、皆認めることなんで、もつとスピードアツプにやるというようなことから言つても、少くとも新会社として発足するような状態にある今までの閉鎖機関については、その爾余の清算は新会社の当事者に委して置くほうが、スムースに又敏活にそういつた整備ができるのに、なぜ全体をプールしなければならないかということなんですね。
#23
○説明員(岩動道行君) その点は御説誠に御尤な点もございますが、殊にこの在外資産、在外負債を特別に余計持つております地域は、現在の閉鎖機関におきましては特に臺湾、朝鮮というような地域になつているのでございまして、この両国との関係におきましては、平和條約の規定によりまして、それぞれ在外資産、負債は特別取決めをやつて行くという建前になつております。そこでこれが外交交渉においてどのような結果を生み出して来るか、その辺につきなしてはまだ私ども何ら見通しを受けていないので、できるだけそういう要素を、どのようにきめられても差支えないというところまで持つて行きたいと考えておりますが、併しこれも相手のある交渉でございますので、どのような結果になるかも測り知れないというような点も考慮いたしまして、殊に朝鮮銀行とか臺湾銀行といつたようなものにつきましては、相当の国内資産もございますが、これは発券銀行であつたというような特殊な立場にもございまして、この特別取決めがどのような結果をもたらすか、非常に我々としては見通し難になつているわけでありますので、そのような影響は新らしい会社にはできるだけ波及させないようにする。そうして将来においてこれがうまく資産として残りが出た場合には、当然新会社の前身である閉鎖機関のものでございますので、新たに法律を定める場合には、その点は十分考慮して新会社に行き得るようなことも十分考えられることだと考えております。
#24
○小林政夫君 それじや抽象的に話してもしようがないから、この資料としてもらつたリストについて、この法律改正によつて第二会社を作ろうというのはどれとどれとどれですか。
#25
○説明員(岩動道行君) これは法律が現実に通つてみませんと、それぞれの株主等がどのような態度に出て来るか、はつきりいたさないので、ほんのこれは現在までの清算の進行過程において、在外財産があつたから一つ何かやりたいというような気持を持つていると思われるようなところを多少拾つて見たものがございますので、これは極めて仮定のことでもございますので、そういうお含みの上でお聞取り頂きたいと思います。
 指定解除を申請したいという機関は約十七くらいございます。それから会社を作りたいというような希望が約十四ございますが、これも今後の清算の過程において果して残余財産が十分に出るか出ないかというような問題もございますので、不確定ではございますが、一応相当の残余財産が残つたら作つてみようかというようなこと、或いは作れるかも知れないというような見通しのものが約十四あります。
#26
○委員長(大矢半次郎君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(大矢半次郎君) それでは速記をつけて下さい。
#28
○小林政夫君 直接この法案には関係ありませんが、先ほどちよつと質疑の際に引例をした、政府が出資している、或いは民間も出資している、両方折半出資、この閉鎖機関の中にそういうものもある。それの清算方法ですが、いわゆる清算所得が全部政府のものになる、こういうやり方は少し酷じやないかと思う。例えば折半出資とした場合には半分が政府のものになるのはいいですが、あとの半分は清算配当をやるべきである。こういう意見が相当その関係者からはあるのですが、その点についてはどういうふうにお考えですか。
#29
○説明員(岩動道行君) それぞれの閉鎖機関のよつておりますところの根拠法令によつてその残余財産の分配に関する規定がきまつておりますれば、それに従つてやるわけでございます。又その根拠法令が現在なくなつております場合には、これはいろいろな場合があると存じますが、やはり出資者のその出資に応じた公平な配分を考慮すべきではないかというふうに考えております。従いまして、政府出資と民間出資が半分ずつあつたというような場合には、やはり残余財産のうちの半額は政府に帰属し、その残りは当然出資者のほうに配分される公平な清算の配分をやるべきであるというふうに考えております。
#30
○小林政夫君 これは都合で速記をつけなくてもいいわけですが、中央食糧営団はどうなつておりますか。
#31
○説明員(岩動道行君) これにつきましては残余財産もありますので、現在関係者とその配分をどうするかというようなこともよりより協議中でございます。併し一方におきまして指定の解除をして別の会社を作るというような考え方もなきにしも非ずでございますので、その辺をどういうふうにいたしますか、残余財産を全部分配するか、或いは残つたものを一つにまとめてそれを活用して別な新らしいものを作るか、その辺は只今関係当局とも相談して研究をいたしておる最中でございます。
#32
○小林政夫君 その残余財産を分配する際には、先ほどおつしやつた出資者に対して公平に分けるという原則は堅持されるわけですね。
#33
○説明員(岩動道行君) 法令に特別の定めがなければそうするべきであると考えております。
#34
○小林政夫君 だから法令に特別の定めがあるのかないのか、この中央食糧営団については……。
#35
○説明員(岩動道行君) 只今資料が不足しておりますので、後ほど調べて御報告いたします。
#36
○森下政一君 この改正が行われたら、株主総会の決議によつて会社が復活するとか、或いは新会社を残余財産を以て設立の道が開けるということになるわけですが、見通しとしてはそういうものがかなりあるのか、どのくらいの数に上るか、何か見通しを持つておられるのですか。恐らくそういうふうな見通しがあるとか、或いは要請があつてこういう改正をしようとされるのじやないかと思いますが、その辺はどうですか。
#37
○説明員(岩動道行君) この点につきましては先ほどもちよつと申上げたのでありますが、全然ないわけではありませんで、相当のものが残余財産を生じて、そうして指定解除をする。或いは新らしい会社を作るというような計画を持つております。或いはこの法律が通つたら一つそうやつてみようというような希望を持つているところも相当ございます。
#38
○森下政一君 それは恐らくそういうふうな申入れが当局にあつているのだと思いますが、どのくらいの数が…。
#39
○説明員(岩動道行君) これは極めて単純な見込みでありまして、一つの希望といつたようなものも入つた推定の数字でございますが、指定解除の申請が見込まれるような機関は十七ございます。それから新らしい会社を設立してみようかというような希望或いは計画を持つていると見込まれる機関が十四ございます。
#40
○委員長(大矢半次郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#41
○委員長(大矢半次郎君) 次に塩業組合法案を議題といたしまして、質疑を願います。
#42
○小林政夫君 塩業組合ですね、団体協約ができるという規定がありますね、塩業組合は。それは一体どういうことなんですか。私の想像するところでは、塩業従業員、企業者の組合である組合が企業者を代表して、個々の塩業者は非常に使用人員が少ない。そこでその従業員が連合して労働組合を結成しておる事例がある。その労働組合とその塩業組合との団体協約、労働條件についての団体協約はいわゆる労働組合法による団体協約と、こう解してよいわけですか。
#43
○政府委員(今泉兼寛君) これは組合員で、塩業組合を結成するわけでございますが、その組合員のために、組合が例えば石炭の運送契約というような場合において、そういつた石炭業者あたりとこの組合員に代つて団体協約を締結する、こういつた場合を大体予想しておるのでございまして、対内的に、その組合と組合の構成員との間にこういつた団体協約というものを予定いたしておるのではございません。
#44
○小林政夫君 それならばわかるのですが、団体協約の第八條の第六項ですね、「その違反する契約の部分は、その団体協約の内容に従つて契約したものとみなす。」ということは言えないだろうと思うのです。こう思つたのですけれども、今のような運送契約等の場合においてもこれだけの強いことが言えますか。労働協約だつたら問題外で、絶対にできやしないと思いますが、運送契約の場合においてもこういう強権的なことができますか。
#45
○政府委員(今泉兼寛君) この六号の場合には、中小企業協同組合法のほうにもございまして、大体それを引継いでこちらへも規定しているわけでございますが、まあ中小企業協同組合においてもこういつたことができるならば、塩業組合においてもできないことはなかろう、多少強権的なあれはございますが、そういつた趣旨で書いてあるわけでございます。
#46
○小林政夫君 これは実行確実ならしめようとすれば、万一この協約に従わないというような場合には除名をし、同時に除名するということは塩業をやめさせるというようなところまでやる肚でないと、これは実行できないと思うのですが、その点はそのくらいの肚を以てこれは計算しているのですか。今の御説明ですと、ほかの法律にもあるのだからお願いしたのだという程度じや、なかなか実行できないだろうと思う。
#47
○政府委員(今泉兼寛君) 除名の場合、もう製塩業者たることをやめさせるまでは、そこまでは考えておりません。
#48
○小林政夫君 これは罰則の適用はあるのですかね。「みなす」というのですから、これは一方的ですから……。
#49
○政府委員(今泉兼寛君) 無効になるたけで、ほかの罰則の適用はございません。
#50
○藤野繁雄君 昭和二十八年度の塩の需給計画表によつて見ますると、合計が三百三十万トンになりますね。この間の説明によるというと、食料塩が百万トン、工業塩が百万トン、自給が五十万トン、輸入が百五十万トン、こういうふうに御説明のようであるが、この表と数字の異なつているところの理由はどこにありますが。
#51
○政府委員(今泉兼寛君) この前は極くラウンド・ナンバーで申しまして、需給関係は、食料塩が大体年間百万トン、それから工業塩が大体百万トン、合計二百万トンの消費があるのだということを申上げたつもりでございますが、ここに三百三十万トンという「受け」ということで上つておりますのは、その間初めに二十七年度より「越し」という数字が九十五万八千トンほどございます。従つて毎年持越す数量が大体百万トン近くでございますので、合計において三百万トン余り、こういう計数になつております。又従つて二十九年度への「越し」のところにもやはり九十一万七千トンと、約百万トン近くやはり翌年度に持越しになる、こういう計数になつております。
#52
○藤野繁雄君 そうすると、百万トンの越しということは、それだけの数量がなくては、塩価の平準が保てないというふうな意味でございますか。
#53
○説明員(西川三次君) 需給の安定を期するのには、最低限度のストックが……できればこれが多ければよいということになるわけでございますが、そういう意味合いにおきましても、これは数字的には弾力性の数字だと考えられるのでありますが、実際の需給操作をやる場合には、最小限度におきましては、食料塩については全国的に需給の操作をやるので、これは輸送機関の便否ということも考えなければいけませんが、大体抽象的に考えましても六カ月程度くらいのものは必要である。それから工業塩につきましては、一般の工業原料と同じように、いわゆるランニング・ストックとしまして、三カ月くらいのものは必要であるということになります、その算定からいたしますれば、若干この百万トンという数字は多いというように考えられますが、この数字になりました沿革をお話いたしますと、御承知のように朝鮮事変の勃発後、国際情勢に鑑みまして、特に工業塩関係で原料塩の払底が予想されますので、当時化繊業者或いはソーダ・メーカなどが挙つて、一つ思い切つて備蓄輸入をしてもらいたいと、こういうような要望がございまして、それが端になつてこういつた約百万トンというようなストックを擁するようになつたのでありますが、そういう意味合いから百万トンのストックになつております。
 なお参考のために申上げますが、インドのごときも一時は随分食料塩に困つたような状態でありましたが、四、五年前でしたか、国策的に需給安定策を立てまして、二、三年かかつて約一年分ぐらいのストックを擁するようになつた。こういうようなことを聞いておるわけでございます。そういう点から考えまして、食料塩のごときも理想から言えば少くとも一年分ぐらいということを考えられます。工業塩につきましても、現在の国内生産から言いまして、国内塩に期待することは全然できないわけでございますので、而も輸入地が相当遠方から運ばなければならん。こういう点もございますので、工業原料塩は三カ月がランニング・ストックとして普通に考えられておりますけれども、日本の現状からすれば、これも需給の安定を本位に考えますれば、三カ月よりも若干多いのが理想じやないかと、かように考えるわけであります。
#54
○藤野繁雄君 政府では塩の自給の限度をどのくらいとお考えであるのであるか。
 又この法律の施行によつて現在よりも自給度が増すとお考えであるかどうか、増すとすればどのくらい増すというお考えであるか。お答え願いたいと思います。
#55
○説明員(西川三次君) 大体自給の目安といたしましては、従来申上げておりますように、食料塩が大体百万トン、工業塩としましては百万トン乃至百二十万トン、これに対しまして国内塩が五十万トンございますから、百五十万トンから七十万トン程度を輸入することになつておりますが、これでは需給調整上不安定でございますので、国内塩の増産を図りたい、かように考えておる次第でありますが、この国内塩の増産につきましては、御承知のように二十五年の三月に閣議決定の線がございまして、その閣議決定の趣旨は、大体食料塩の全量百万トンを確保することが塩業政策としては理想であるわけでありますが、目先七十万トンの確保を図るべきである、こういうふうな決定の線があるわけであります。そこで我々といたしましても大体この目先七十万トンの確保を図りたいと、かように考えておる次第でありまして、今回の塩業組合法もこれの一連の施策の一つになつておるわけであります。
#56
○藤野繁雄君 そういたしますというと、この法律の実施せられた暁、或いは本年か明年かまでで七十一万トンの自給の達成ができる見通しでありますか。七十万トンの自給の確保はどのくらいの期間を要するお見込でありますか。それを伺いたいと思います。
#57
○説明員(西川三次君) 実はこの計算につきましては、現在作業中でございまして、確定的のことは申上げられないのでありますけれども、我々のほうとしましては、各地方局から具体性のある計数を目下集めておるわけでありますが、それによりますれば、大体五年くらいの計画で以て七十万トン程度の確保を図ると、こういうふうな目標で作業をいたしておる次第でありまして、現在の生産は、昨年のごときは災害関係で若干生産が低かつたのでありまするが、四十五万トンというのでございまして、二十五万トン程度を五年くらいかかつて増産するということで考えておりますが、若し所要資産の確保ができますならば、五年と言わずこれを三年くらいで完成したい、かように考えておる次第であります。
#58
○藤野繁雄君 そういたしますと、この法律を実施して、且つ所要の資金の融通ができたらば三年間で七十万トンの確保ができるというふうに承知してよろしうございますか。
#59
○説明員(西川三次君) 大体そういうふうな目標で考えております。
#60
○小林政夫君 前の専売法による塩業組合は預金業務を行なつておつたのです。今度はこれがはずしてありますが、どういう趣旨ですか。
#61
○政府委員(今泉兼寛君) 前に塩業組合が扱つておつたのだから、今度も預金業務を扱わしてもいいのではないか、こういう内部にも議論もございまして、一応草案のときやはり預金業務を扱わせる案も出たわけでございましたが、大蔵省全体として討議いたしました結果、まあ以前は以前として、現在の大蔵省の金融政策としてとつているのは、金融機関というものは大体もう事業でやりたい、こういう趣旨から言つて、今後新たにこういつた金融業務を扱わせるというものについては、専業関係に認めて兼業関係は成るべく認めないほうが適当じやないか、こういう趣旨で今回の提案から落ちているわけでございます。まあ最近の例としては農業協同組合がやはり預金業務を扱つておりますので、それとの振合いはどうかという議論もありまして、衆議院のほうでも実はそういう質問を受けたわけでございまするが、まあ農業協同組合は非常に地域的にたくさんの組合が辺鄙な所にたくさん偏在しておつて、ほかの金融機関を以てしてはなかなか預金をするのに非常に不便だと、こういう特殊の事情があるために止むを得ざる例外として認めたのであつて、まあ塩業組合はそこまでそういつた農業協同組合と同じような理由があるものとも認められないから、やはり全般のこの金融機関の許認可の方法といたしまして、大蔵省としては成るべく新規なものは専業は認めて兼業関係は認めたくない、こういう趣旨で本法案から落ちているような次第でございます。
#62
○小林政夫君 第六十條の第四項、剰余金の積立ですが、八條の六号及び七号、こういうような経営及び技術の改善向上のため必要な指導、研究、調査、或いは組合員の親睦を図る事業を行う場合は特にこういう積立をしなければならない。これはどういう趣旨でそういう事業を行うためには剰余金を積立てて行かなければならんか。こういう規定を置く必要があるわけですか。
#63
○政府委員(今泉兼寛君) 組合の財政的な基礎をできるだけ強固にするという趣旨から、まあ準備金の制度も設けられたわけではございますが、更にやはりその趣旨だけの問題ではなくて、これは永続するものと見なければなりませんので、こういつた繰越金の制度を設けて、できるだけ組合の財政的な基礎を少しでも強固にして行こうという趣旨に出ておりまして、この二十分の一というのは一体どういうきめかたかと言いますと、これにはいろいろな議論もありますが、余りたくさんの金額を又繰越しても如何かということで、大体の目安で二十分の一以上というような金額が出ておる次第でございます。
#64
○小林政夫君 それはあなたの今條文を読んで常識的な解釈をしたような説明であるのです。甚だ説明としては不十分です。そんな趣旨ではなかろうと僕は思う。私もよく知らないのだけれども。なぜ余り多くしてもいけないか。二十分の一以上を翌年度に繰越さなければならないと書いてある。もそつと研究して答弁してもらいたい。特に事業の経営及び技術の改善向上のため必要な指導、それから教育事業、そのために特に二十分の一を次年度に残さなければならんということは、どういうわけでそうしたのか。
#65
○政府委員(今泉兼寛君) 甚だこの点については確信ある答弁ができませんので……。
#66
○小林政夫君 若しできなければ次でもいい。
#67
○政府委員(今泉兼寛君) 勉強いたしまして、この次に又申上げます。
#68
○森下政一君 同じようなことですがね。資力のある組合員の出資の余地を拡げると、そうすると組合の必要とする資金の獲得が容易になる、これはよくわかるのですな。そこでその組合員一人あたりの出資の限度あたりが百分の三十五、百分の三十でもなければ、百分の四十でもない。三十五と押えたのはどういう理由かということと、それから議決権或いは役員の選挙権も各一個が原則であるけれども、出資口数を加味して定款で如何ようにも定めることができる、但しその最高限度がその総数の六分の一、四分の一でもない、五分の一でもない、六分の一、これはよほど実情から考えられてこういうところに押える必要があるのではないかということが思えるのですが、ちよつとわからないのです、私ども法文を読んだだけでは。
#69
○政府委員(今泉兼寛君) 従来は出資口数の最高限が百分の二十五になつておりました。これをまあ百分の三十五に上げたということは、この問題についてもまあ内部にも、それから法制局で審議する際にも問題がありましたのですが、まあどの程度までに最高限押えるかということはいろいろ問題になりましたが、結果から申しますれば、百分の二十五であつたものを百分の三十五にしたということは、増加の割合を大体一割にした、それから大体全体のまあ三分の一程度でございますね。ということで押えたということと、それから従来二十五じや少し少いからやはり一割程度は増してやろうじやないか、その結果が大体三割程度に最高限がなる。こういうことで大体押えたわけでございます。
 それから議決権並びに選挙権を六分の一をこえない程度ということに押えましたのは、大体二割をこえないまあ二割程度までであれば、そう多額の出資者が発言権を余りに強化した結果横暴を極めるというようなこともなかろう、二割程度で押えるのが大体適当じやないかということで、まあ六分の一という規定に大体したわけでございます。
#70
○森下政一君 それからこれはほかの委員諸君には甚だ御迷惑のことであるかもわかりませんが、何しろ塩業なんということは甚だ私は縁が遠いので、全く素人で、用語からしてわからないようなことが随分多いのですがね。大体説明を聞き、いろんな頂いた材料を読んでわかるのですが、中小企業等協同組合法等によつて創立した組合ではむしろ工合が悪い。それは例えば塩業の基礎を強固にするために、出資を余力のある者から多く求めるというような点からもそういうことがあると思うのですが、頂いた資料の中に塩業組合と中小協同組合の比較がしてあるのですがね。その中で重点的にここなんだ、ここが中小企業協同組合のほうでは工合が悪いのだ、新たにこの法令によつて塩業組合を設けたいのは、こういうところをこういうふうにする必要があるのだというポイントを教えてくれませんか。そうすると非常によくわかるのです。ほかのかたはよく知つているのかも知れませんが、皆さんには御迷惑かも知らんけれども、僕はわからん。そこを説明してくれるとよくわかると思うのですね。何しろ塩を作るなんという仕事は私ども都会に住んでいる者は塩田を見るということも少いし、ここに書いてある何というのですか、煎熬施設とか何とかいうものは見たこともないのですからね。ここがポイントだということを教えてくれませんか。
#71
○政府委員(今泉兼寛君) 私も実は専門家でございませんので、果して御満足の行くような答弁ができるかどうか知りませんが、本法案の一番のポイントは、まあ塩業は御承知の通り採鹹といつて濃い塩蜜を取る作業と、それからあとは煎熬といつて濃い塩蜜を更に詰煮めてそうして塩を取る作業と二つあるわけです。採鹹のほうはどちらかというと農業的な色彩を持つている。煎熬という釜で煮詰める、昔は平釜で煮詰めたのですけれども、最近の方法は真空式とか加圧式とか、工業的なものになつているわけですが、その二つの面があるわけでございますが、採鹹のほうは、最近普通の塩田のほかに流下式ということで大分経費も安く、濃い塩を取れるという方式もだんだん出ておりますが、そう画期的なあれはございませんが、煎熬のほうは平釜で煮詰めるのと、真空式でこれを製塩するという設備ではえらく設備資金の点、それから効率の点で違つて来るわけです。この煎熬設備のほうを近代的にやるためには非常な資本を食つて来るわけでございまして、その点で今の中小企業協同組合の一人一票というような式でやつておりましては、本当に資力のあり熱意のある、いわゆる田舎で言う大旦那衆が喜んで自分の資金を全部これに投入して、大規模な煎熬設備をやるということに非常に躊躇があるわけでございます。そこで今後こういつた平釜式を真空式なり加圧式に変えて行くには近代的な工業設備が必要であり、それには莫大なる資本が要る。これは御承知の通り一面政府では農林漁業金融公庫から融資をいたしまして、かなりの融資は見ておりまするが、それだけでは到底先ほど申上げました五年間に七十万トンに更に増産するという目的を達することには足りませんので、どうしても内部的な自己資本のある、こういつた熱意のある組合員が本当にもう全財産を投げ出してもこれに投資すると、こういつたあれがありませんと、この五カ年間計画、殊に近代的な煎熬設備に変えるということが不可能であります。そこでこういつた資力のある熱意のある者も喜んで自己資本をこれに投入するような仕組みに変えて行きたい。それには今の中小企業協同組合では一人一票というような式でございまして、幾ら資本を投下してもそれに応ずるだけの発言権もない、又更に利益金の配分等においてもどちらかというと中小と言いますか、小さなその年その年ですぐ配分してもらいたいということで、内部資本の蓄積もできない、こういうことに相成りますので、こういつた資本力のある熱意のあるこの塩業者を総動員して、この五カ年計画を達成するというその必要性から生れたのがこの本法案の一番の眼点でございます。従つて先に申上げました、従来の出資口数を制限して百分の二十五でやつておつたのを百分の三十五に改める。それにつれて従来の一人一票という発言権を六分の一まで発言権を持たして行く。こういうのが改正の眼点でございます。それに合わして従来地方組織があつたのでありますけれども、全国的な組織として法人格を与えて技術面の指導、或いは有無相通じて資金の融通その他をやる、或いは中央との連絡調整をやるといつたような、法人格を持つた連合会というものがなかつたわけでございます。これを今度全国的には中央会というようにいたしまして、これに法人格を持たして強固な組織にいたしまして、一面内部的な連繋を密にすると共に、専売公社乃至政府機関との連繋も密にして、必要な資金、それから必要な技術の指導に当らせよう。こういつた仕組みが今度の塩業組合法の一番の眼点でございます。どれが重点かと申しますと、今言うたように、やはり資金を持つた人の熱意を最高度まで発揚させよう。それには今の中小企業協同組合では不十分である。どこが不十分であるかというと、今言つたように出資回数に制限がある。それから発言権が、従来だと一人一票だ、それを是正して行こうというのが、今度の法律案の眼点でございます。
#72
○森下政一君 非常によくわかつたです。そうすると恐らく実情は、こういうふうに塩業組合というものができて、出費口数ももつと幅が広くなり、或いは議決権等も六分の一までというようになつて来ると、それなら私ども大いに心魂を傾けましようというような盛り上るそういう声があるのでしようね、業者に。
#73
○政府委員(今泉兼寛君) この法案は、上からむしろそういうあれを引つ張つたということでなくして、むしろそういつた機運が今の中小企業協同組合法で律せられている組合でございますが、組合員の間で鬱勃としてこれではどうにもならん、もつとこういつたふうに改めてもらえば、我々はもつと熱意を持つてやれるのだが、是非改めてくれという下の声に応じて介添役として、これを中央に塩業組合協議会というのがございまして、それが中核となりまして、公社のほうに要求し、公社側から大蔵省に要求してこの法案が生れた。こういう次第でございます。
#74
○委員長(大矢半次郎君) 本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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