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1953/07/15 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 大蔵委員会 第19号
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1953/07/15 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 大蔵委員会 第19号

#1
第016回国会 大蔵委員会 第19号
昭和二十八年七月十五日(水曜日)
   午前十一時三十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           西川甚五郎君
           小林 政夫君
           菊川 孝夫君
           森下 政一君
   委員
           岡崎 真一君
           木内 四郎君
           藤野 繁雄君
           山本 米治君
           前田 久吉君
           三木與吉郎君
  政府委員
   自治庁財政部長 武岡 憲一君
   大蔵省主計局法
   規課長     白石 正雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方公共団体の負担金の納付の特例
 に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢半次郎君) これより第十八回の大蔵委員会を開会いたします。
 地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案を議題といたしまして質疑を願います。
#3
○小林政夫君 この法律によつて認められる地方起債は、予算で定められておると言うか、地方起債の総枠の範囲内で、この分は一応切られておる枠の外に出してもいいのかどうか。
#4
○政府委員(白石正雄君) 現在地方債として計画しておりますのは、預金部で引受ける分、それから一般公募に出します分、こういつたものを計画しておるわけでありますが、その枠の外にこれはなつておるわけであります。
#5
○森下政一君 今の点をもうちよつと説明してくれませんか。枠の外になるということはどうなるのです。
#6
○小林政夫君 それに補足して、今年度の予算の地方起債の枠というのがありますね、その外ですか。
#7
○政府委員(白石正雄君) これは本来は地方が二十八年度中におきまして、国が直轄事業でやりまする分の納付金でありまするから、従いまして現金で国の歳入として取るべき分として計画すべきものであります。併しそれを地方債で納付させることができるということにしておるわけでありまして、現在計画せられておりまする地方起債とは別個のものに相成つておるのであります。例えば二十八年度の予算の説明でございますが、予算の説明の六ページから七ページにかけまして財政投資の資金計画があります。そのうちで資金運用部、それから公募地方債というように計画せられておりますが、これと別個に相成つておるわけであります。
#8
○森下政一君 別個になつておるということは、そうするとこういうことなんですか。地方公共団体の発行する地方債の証券で納付させることができるというのだが、そうすると新たにこの納付のために起債をするということになるのですか。
#9
○政府委員(白石正雄君) 本来は現金で納付すべきものを証券で納付せしめる。だから地方公共団体が証券を発行しまして、その証券をそのまま政府のほうに納めるということになるわけであります。
#10
○森下政一君 そうすると二十八年度に予定されておる地方債の枠ですね、その外だというのでしよう。この納付するものは……。
#11
○政府委員(白石正雄君) 公務の地方債としまして百八十億というようにここに計画せられております。それから又資金運用部で引受けておりまする額が幾らというように財政投資のほうで計画しておりますが、それとはほかに相成るわけであります。
#12
○森下政一君 そのほかこれだけのものの起債を認めることになるわけですか。政府は……。
#13
○政府委員(白石正雄君) そうなります。
#14
○小林政夫君 そうすると、この予算説明書の十九ページにある「国の直轄事業に対する地方分担金を交付公債によつてまかないうることとする」という、この九十八億ですね。
#15
○政府委員(白石正雄君) さようでございます。
#16
○小林政夫君 この九十八億の算定は具体的に二十八年度はこうだというこれは確実な数字なんでしようね。全部を交付公債で賄うのだとは限らないが、今の地方財政の状況から言つて、これに該当するものは全部交付公債でやるだろう、こういう見込みのこれは九十八億ですか。
#17
○政府委員(白石正雄君) 二十八年度におきまして、国が治山治水、それから土地改良等の直轄事業を行う計画が別途予算のほうでわかつておりまするので、それに伴いまする分担金を全部計算しまして、その額がこれだけになつております。従いまして、若し地方債で出されずに現金で納付するという地方団体があればこの数字はそれだけ減少して来るということに相成ります。
#18
○森下政一君 資料配付を受けている地方公共団体負担金未納額調というのをもらつておるのですが、これの総額というものは二十八年の六月二十二日に調べられた現在におけるこれまでの累積した全体ですな。
#19
○政府委員(白石正雄君) これは大体二十四年度頃からの分がなお残つておるわけでありまして、二十四、二十五、二十六、二十七年という分の累積したものであります。
#20
○森下政一君 累積したその全額について地方公共団体の発行する地方債の証券で納付するということになるのですか。
#21
○政府委員(白石正雄君) 従来から累積した分が百十億程度になつております。それから二十八年度に新らしく分担金として納付せしむべきもの、即ち二十八年度で発生するもの、これが九十八億余りになるものであります。今地方債として証券で納付せしめることができるようにしようとするものは二十八年度で新らしく発生する九十数億のものを対象として考えておるわけであります。以前のものについては、いわば延滞になつておるわけでありますので、これは従来の条件において納付せしめるということが筋が通るわけではなかろうかというので、地方債の納付の対象には考えていないのであります。
#22
○森下政一君 一体累積しておる分が百十億あつて、速かに納付せしめるということを政府が勝手に言つておるが、そんな見込があるのですか。
#23
○政府委員(白石正雄君) これは地方債で納付せしめるものと関係が生じて来るわけでありますが、地方債で納付せしめるということになりますと、まあ或る程度の利息を取るということに相成るだろうと思います。ところが従来のものは二十四年以来の未納になつておりましても、利息の問題が実はないわけであります。従いましてこれはいつまでも放つておけば、そのまま督促はするし、又できるだけ納めてもらうように道義的な訴えはいたしますけれども、強制せしめるという方途が実は現在のところ余りないという状況でありますので、新らしく二十八年度から地方債で納めしめるものとの均衡を考えまして、やはり利子をとるという方法を考えるべきじやなかろうかということで、第二項のほうに、政府は昭和二十七年年度以前に国が直轄で行なつた事業についての負担金で、政令で定める日までに納付されないものについては、政令で定める日以後、政令で定めるところにより、延滞利子を附することができるということを規定しようとしておるわけであります。これは地方団体につきまして償還計画等を立てさせまして、速かに納付せしめるという方途を講ぜしめますると共に、その一定の期日以後に納めないというようなものについては利子をとるということにいたしまして、成るべく速かに納付せしめるという方途を講じようということを考えておるわけであります。
#24
○森下政一君 そうすると、その分については地方債で納めるというわけではないのですね。
#25
○政府委員(白石正雄君) さようであります。
#26
○小林政夫君 この延滞利子は幾ら附けるのですか。
#27
○政府委員(白石正雄君) これは只今のところまだ確定していないわけでありますが、いろいろの観点から考えなければならんだろうと思つております。これは一つの延滞利子でありますから、例えば物品の延納というようなことを認める場合におきまして、延滞利子を日歩二銭だとか或いは二銭七厘とか、これは取引では附するので、市中金利というようなものを勘案いたしまして、或る程度個別的にきめておるというような状況になつておるわけであります。従いまして、これは契約の場合にいたすのでありますので、このような法律の規定に基く負担金について、そういつた契約の場合の条項をそのまま適用できるかどうかということについては疑問があるであろうと考えられるわけであります。それからもう一つは、丁度この負担金と同じようなものといたしまして、国立病院を地方公共団体に譲渡した場合に、その譲渡の代金を地方債で納付せしめたという例があるのであります。この場合におきましては、たしか六分か六分五厘程度であつたと思うわけでありますが、その程度の利子を附するということでやつておるわけであります。従いまして、こういつた点を考えまして、今回地方債で納付せしめるところのものにつきましても、その相当の利子を附するということに相成るだろうと思うわけであります。そういたしますと、従来のものにつきましても、その利子との権衡ということを考えて、一定の利子をきめるべきものではなかろうか。例えば現在日歩二銭程度の利子を契約の条項でとるといたしますれば、年に直しまして七分何厘ということに相成るものでありますので、そういつたものと、地方債の普通の金利が大分とか六分五厘というようなものとの権衡を考えまして、まあ大体そういつたものと考えて適当なところにおいて定むべきものじやなかろうかというように考えておるわけでありますが、まだ実は確定的な意見とは相成つておりません。
#28
○小林政夫君 そうすると、この交付公債のほうと延滞利子とは性質からいうと延滞利子のほうを少し重く取るのが筋だろうと思いますけれども、その点はどう考えておりますか。
#29
○政府委員(白石正雄君) まあこれにつきましては御説のような考え方もありましようし、又従来今まで何ら利子が附いていなかつたわけでありますので、それは附けるのは不当であるというような意見も或いはあるかとも思うわけでありますが、併しいずれといたしましても、はつきりと今度制度として打立てた地方債で納付せしめるものとの権衡というようなものを考えまして、そうして適当にきめるべきものであろうと考えまして、いろいろの御意見を承わり、且つ又関係方面とも打合せいたしまして、適当に決定いたしたいというように考えておるわけであります。
#30
○小林政夫君 これは直轄事業の場合にですね、国の財政支出金につけて地方が金を出すというような場合に、地方債で納めさせるわけですが、そのほかに例えば母子福祉対策等で、政府が地方公共団体に金を渡しただけ相当額の金を地方公共団体が付けて、母子福祉対策にする。例えば奨学資金に決定するというようなことになつて行く。それを地方公共団体が一千万円出せば国も一千万円出すし、その地方公共団体には例えば三千万円の割当があるのだ。国が三千万円まで出して亡いと言つているのだけれども、地方債との関係で一千万円しか出せない。従つて二千万円の権利は棄権してそして一千万円だけ付けてやる。こういうケースが多々あるのですが、そういうような場合には利用できないのですか。
#31
○政府委員(白石正雄君) お話の場合は国から補助金を貰つて、同時に地方団体も一定の支出をして併わせて工事をする、こういう場合であろうと推察いたしますが、そのような場合はこの法律では実は予定していないわけであります。これは国と地方団体との間だけの問題といたしまして、国の直轄事業に伴つて当然発生する地方団体の納付金というものだけを納めしめるということだけを予定しておるわけであります。
#32
○木内四郎君 ちよつと念のために承わつておきますが、そうするとこの受入れた地方債というものは、歳入の上においてどういうふうに処理するのですか、どの会計に帰属させるのですか。地方債は……。
#33
○政府委員(白石正雄君) これは地方債はその償還の計画が立つと思いまするので、従いましてその償還せられる時の歳入に当てるというように考えておるわけでございます。
#34
○木内四郎君 それじやそのときに地方債の債券を持つて来たらどの会計が受取るのですか、債券を持つて来たとき……、地方債を持つて来るのですよ。地方債の債券をね、それを償還するときまで、償還するときは一般会計の歳入に入れるのです。入れるまでその公債を誰が持つているのですか。つまり物納と同じことになるでしよう。どこかに、何かの会計が持つていなければ。
#35
○政府委員(白石正雄君) 技術的には、これは大蔵省の管財局でその関係を扱うことになると思います。
#36
○木内四郎君 現金を納める代りに地方債券を持つて来るのだから、それをどういうふうに処理されるか、どの特別会計か、どこかに帰属せしめていなければいけないだろう。金が入つて来たときすぐ一般の歳入で歳入に繰入れるわけに行かないのでしよう。物納と同じことになるのだろうと思いますが、管財局として実際上は保管するだろうと思いますけれども、どの特別会計に帰属になるのか、一般会計の帰属になるのか、そういうところを調べて……あとでもいいですが。
#37
○政府委員(白石正雄君) 会計といたしましては、一般会計になると考えております。
#38
○森下政一君 一般会計に入れるのですか。その証券を受取つたときに…。
#39
○政府委員(白石正雄君) これは証券というようなものでありますので、これの帰属といたしましては特別会計でなくて一般会計の帰属になるわけでありますが、併し歳入といたしましては、それが現実に償還期限が来て、現金収入が入るその年度の歳入にとるということに相成るだろうと思います。
#40
○森下政一君 一体こういうふうに地方債の証券で納付することができるというようなことを新たにやろうというのは、根本は一体何ですか。結局この説明に書いてあるように、地方公共団体の財政状況が非常に窮迫しておる。現金納付というのは困難だ、こういうところを考えて行くんじやないんですか。
#41
○政府委員(白石正雄君) 御承知のように二十四年から二十七年までの分がすでに未納付となつて残つておるということは、その原因はいずれにもせよ現状といたしましては、地方団体の財政状況から納付が思わしくないという現実でありまするので、その現実に即して一つの方法を考えなければならんのじやなかろうかという意味で、現状に即したこういう方法を考えておるわけであります。
#42
○森下政一君 それなら二十四年から二十七年までに未納で山積しておるものが百十億もある、それに延滞利子を附けるなんということを考えんほうがいいのじやないですか。従来通り利子を取らずに成るべく速やかに納めろというふうな態度をとつていいんじやないですか。さなきだに地方財政が窮乏しておる、二十七年度の分でも現金で納めることができないだろうというので、地方債の証券で受取つてやるという気持があるときに、だからと言うてそれとの比較において、これまでの比較において、これが山積して延滞利子を納めなければならん、現実はそうでしようけれども、実情は窮迫しておるのにきまつておるんだ、窮迫しておるからこそ未納に終つておるんだ、それなのに延滞利子なんということを考えないほうが納まりやすいんじやないですか。
#43
○政府委員(白石正雄君) これはまあいろいろの考えがあるだろうと思うのでありますが、地方団体といたしましてもよく納めておる団体もありますれば、そうでない団体もあるわけでありますので、従いまして、そういつた点の公平というよう点も考えなければならんだろうと思うわけであります。いつまで納めなくても利子も附かないということでありますれば、ますますそれを放つておく。そうしてまあほかの財源に廻すというようなことも考えられ得るわけでありますので、従いましてその酷にならん程度において或る程度延ばしたものと一定の時期までに必ず納めたものとの権衝を保持するという意味から、やはり利子を附するということが適当ではなかろらかというように考えておるわけです。
#44
○森下政一君 ところでこの頂いた資料を見てみても、大体滞りの多いというのは貧乏県じやないですか。だからずるくて納めないのじやなくて、実際財政が窮迫しているのじやないかと私は思うのですが、どうですか。
#45
○政府委員(白石正雄君) これは地方財政全般の問題になりまして、決して地方団体が困つていないというようなことは申上げかねると思うわけでありまするが、併し一応国の制度といたしましては平衡交付金、その他の配分は自治庁のほうで適正に行われておると考えるわけでありますから、地方団体の財政の調整というものはそのいう意味から各団体ごとに適当に行われておりますという前提に立ちますれば、やはり納めるべきものは納めるものであろうという意味から、それが延びたところにつきましては利子を取るということが一応の筋ではなかろうかというように考えておるわけであります。
#46
○小林政夫君 一体この公債はどこで預かるんだという御質問も出ましたが、この金はどこから出すのですか。国が地方債をもらつても、地方債では仕事ができないから、工事請負人にその地方債を渡してもできないしね。金はどこから出すのですか。
#47
○政府委員(白石正雄君) つまり地方債と申しますのは、その二十八年度なら二十八年度に五億なら五億の負担金というものがあれば、その年度内に納めなければならないのを、それを五カ年なら五カ年の間に逐次五分の一ずつ納めるというような条件の証書として取るわけでありますので、地方団体自身が本来二十八年度に納めるべき五億を、これを逐次一億ずつ五カ年に亘つて納めて行く、こういう方法をとるわけであります。従いまして、地方団体が出すわけでありまして、別に請負業者その他の関係はないわけであります。
#48
○小林政夫君 いや、それは地方団体が、今のあなたの設けた例で言えば、五億負担すれば、五億を負担したものは当然金が要するわけですね。地方債は金ではないんだ、それを国と地方公共団体との関係は一応借用証書を出すことによつて済むけれども、実際に工事にその五億という金を投入しなければならんはずだ、その資金付けはどうするかというのです。
#49
○政府委員(白石正雄君) これは直轄工事をやる場合の金がどうかという、そういう御質問だと思うわけであります。これは直轄工事でありますので、その工事の工事費はこれは国がその年の予算に計上いたしまして、そうして出しておるわけであります。従いまして、二十八年度に工事をするその工事費といたしましては、これは地方団体と一応関係なくして国の公共事業費の予算の中から全額が出されておるわけであります。それに対して、あとで地方団体がその中の三分の一とか二分の一に相当する分を負担金として国に納付するという関係になつておりますので、その地方団体の納付金のほうだけがここに関係して来るわけでありまして、工事費のほうは別個の問題に相成つておるわけであります。
#50
○森下政一君 地方自治庁から見えておるようですから、どうですか、延滞利子というものはそれでいいと思われるのですか。そんなことはないようにしたほうが助かるんじやないですか、地方団体は……。
#51
○政府委員(武岡憲一君) 延滞金の納付に関しまして、延滞金の問題についてのお尋ねでございますが、今回このような特別な措置をお考え頂きますることも、総体といたしましては地方財政が相当窮迫しておるということから発しておるわけでございます。従いまして只今森下先生のおつしやいますように、本来から申しますならば、地方団体が今日まで国に当然納付しなければならない負担金を延納いたしておりますのも、そういつた各団体の財政窮迫ということに基いておるものと私どもも考えておるのでございます。従いましてそういうことから申しまするならば、なるべくまあ団体の財政状況、地方財政の全体的な状況に鑑みまして、まあ大変わがままな申し分でございますが、地方団体側といたしましては成るべくまあ軽い条件でお認めを頂きますならば、これは非常に仕合せなことと存ずるのでございます。ただ併しながら、地方団体といたしましても国庫に納付しなければならない大切な負担金の問題でございますので、先ほど大蔵省からのお話もございましたように、まあ万一にもずるいということはございますまいが、不当に格別な理由もなくして徒らにこれを延納するというようなことがあつてはならないわけでありますので、さようなことはないと思いまするけれども、さようなことが心配されるということであれば、或る程度の制約を受けることも止むを得ないかと思うのでございます。ただ問題は、従いましてこの溜つております負担金をどのような恰好で今後国庫に納めて参るかという具体的な問題に相成ると存ずるのでございまするが、只今考えておりますることは、例えば一定の期日を指定いたしまして、その期日以後になつてもなお正当な理由がなくて納付をしないというようなものについては、延滞利子を附するというようなお考えのようでございまするが、結局地方団体の財政状況に鑑みまして、大体無理な納付ができるというような整理計画と申しますか、それらの条件の幅を認めて頂きますものならば、それ以後なお納付ができないというようなものにつきましては、或る程度の制約を受けることは、これは止むを得ないのではないか、かように考えておる次第でございます。
#52
○森下政一君 それではもう一つ大蔵省側に聞きますが、この第二項ですね。この延滞利子を附することができるとあつて、必ず延滞利子を附することになつてはいないが、そうするとこの運用面においては、地方団体の実情によつては、これは延滞利子を納めさせる、或いはこれは延滞利子を取らなくてもいい、そういうふうなつまり差別がある。こう解釈してよろしいですか。
#53
○政府委員(白石正雄君) これは法令の形式的な面からはそういう政令を作ることも或いは可能であるという議論も出るかも知れないと思うわけでありますが、併し具体的な場合といたしまして、甲の団体には利子を附けないが、乙の団体は利子を附けるというようなことは、公平の観念から考えましてもなかなかできにくいのじやなかろうか、従いまして只今自治庁のほうから御説明のありました趣旨は、私のほうといたしましては地方団体の財政も相当困難であるということもありますので、従つてその財政の状態にも合うような償還計画をよく指導して頂きまして、そうしてその財政償還計画と、それから今後納むべき二十八年度以降の地方債の条件、或いは各地方団体間の調整というような見地から、適当なところに落着くような政令を定めたいというように考えておるわけであります。
#54
○森下政一君 そうすると、政令で定める時期までに納付されないものは、とあるが、大体いつ頃を予想されておるのでしようか。
#55
○政府委員(白石正雄君) これもまだ確定はいたしておりませんが、第一項に基きまするところの地方債は大体二十八年度末に納付さるべきものに相成るだろうと思います。そうなりますと、二十八年度末以降につきましては、地方債の定めの条件の利子が附せられるということに相成りまするので、そういたしますると、二十七年度以前の分につきましてもそれと同じ時期から大体利子を取るということが適当ではなかろうかというように考えておるわけでございます。
#56
○小林政夫君 これは当然そうなつておると思うのですが、自治庁のほうに聞きますが、基準財政需要額を算定する場合に、この直轄工事に対する地方公共団体の負担分の納付額、これは国の財政需要額に入つておるんですか。
#57
○政府委員(武岡憲一君) 公債費の元利償還金につきましては、今日基準財政需要額の算定におきまして公債費という項目が出ておりますが、この行政項目の中で算定をいたしておりますのは、補助災害事業のための起債並びに土木事業に用いました起債の元利償還金でございます。そのほかの一般的な公共事業費に対しまする元利償還金は特にその項目では特定をいたしておりませんけれども、それぞれ土木費或いは産業経済費等におきまして単位費用を算定いたします際に、その投資的経費の対象となつておりますものの耐用年数で逆算をいたしまして、その年度年度分にどれくらいの投資的経費が必要であるかというような形におきまして、それぞれの単位費用行政項目の中に算入をいたして見ておるわけであります。
#58
○小林政夫君 ちよつとあなたは質問を取り違えておらんですか。このまま交付公債に対する元利償還額を基準財政需要額に見ておるのかと言つているのではなく、この国の直轄工事による地方公共団体の負担金そのものが二十八年度には幾らということで基準財政需要額の中には入れてあるんじやないですか。負担金それ自体が入れてあるんだろうと思うのですが、どうですか。
#59
○政府委員(武岡憲一君) 財政計画の中には算入はいたしております。
#60
○小林政夫君 そうすると当然平衡交付金が行けば、それだけのものは何も交付公債によらなくとも現金で納付できる、こういうことに計算上はならなければうそなんですね。
#61
○政府委員(武岡憲一君) 先ほど申上げましたように、基準財政需要額で見ておりますのは、公債費並びに一般のそういつた単独補助事業費に対する元利償還金は計算はいたしております。ただ併しながら、基準財政需要額は、御承知のようにその団体の全体の財政需要額ということでなくて、必要最小限度の、総体から見ると税収の七割、それから交付金の九二%という範囲内で最低限度だけを見ておるわけであります。殊に、従いましてかような直轄事業の負担金というような各地方団体によりまして非常に何と言いますか程度の違いのあるような、それから又団体の財政力と関係なく非常に大きな負担を地方に課して来るような、こういうようなものにつきましては、これは必ずしも一般の基準財政需要額の中に正当にそれぞれの経費が地方の負担分が算入されてはおらないわけであります。つまりこれは国の直轄事業の特徴と申しまするか、性質上その必要によりまして、或る河川、或いは或る港湾というように事業が設定されますので、その団体の財政状態と直接関係がないものでございますから、従つてその団体の財政を見ますと非常に大きな負担を、その年々で負担をして行かなければならんというようなものがございますので、さようなものも各団体を通じて一般的な基準財政需要額という算定の中にはこれは現われて参らないのでございまして、従いましてそういう面が今日地方団体が年々これに対する負担を十分に償還して行くと申しますか、納付して行くだけの財政力を持たない非常に幅のない財政状態になつておる原因であろうと私は考えております。
#62
○小林政夫君 そういうことであれば、先ほど白石君に質問をした社会保障関係、或いは最近国の法律によつて国も或る程度金を出すが、或いは地方公共団体も金を付ける、その地方公共団体の金の付け方によつてその当該地方公共団体に対する割当額、国は三千万円なら三千万円まで出してやる、ところが同額の出資をすべき地方公共団体が財政の都合で一千万円しか出さん、そこで三千万円国から金をもらえるが一千万円しかもらえないというケースがあるのは御存じだと思う。そういうものも、これは国と地方公共団体の関係を解決するというわけではないけれども、地方公共団体の金繰りとしては当然それだけの地方債を発行さして一般から金を集めてもよろしいし、地方自治団体の財源の不足を公債によつて賄い得る、而もそのものは優先的に賄い得る措置を、これをこういうふうにやるならば、その方法も考えるべきではないか。
#63
○政府委員(白石正雄君) 只今の御質問は、つまり地方が事業費として支出すべき分についても、こういう方法を考えるべきではないかというふうな御質問のように推察したのでございます。
#64
○小林政夫君 それに附加えて、ただ単独に地方公共団体が、こういうことをやりたいやりたいという地方公共団体が自発的に事業をやるのでなしに、法律によつて規定される、又当然やるべきことを予定された事業、直轄事業じやないけれども法的にやるべく義務付けられておるというか、地方公共団体の出資を期待した法律というものがたくさんある。
#65
○政府委員(白石正雄君) 事業の内容、或いは性質ということにつきまして区別はあるかと存じますが、いずれにいたしましても地方公共団体が自分の支出をしてそうして事業をやる、こういう場合にも拡張すべきではないかという御意見のようだと拝聴いたしますが、こういうものにつきましては只今のところ運用部資金の引受けと、それから一般事業に対しまする地方債の公務という方法をとつておるわけであります。従いまして、そういつた場合において今ここでは国が地方団体の負担金を地方債で納付せしめるいう方法でありますが、若しこれを御説のような場合に拡張いたしますということになりますれば、地方が発行する運用部資金の枠を拡張するか、或いは地方公共団体が公募して、その公募の中の一部分を国が国庫資金で引受けるというようなこと等に相成るかと考えるわけであります。
#66
○小林政夫君 君は質問を取違えておるので、その通りの形でそういう金を集めろというのじやない、この方針を以てやれば今のようなそういつた事例の場合においては、起債の枠が何億だというようなことで余り窮屈にやらずに、枠外起債として認めるだけの優先的な措置をとるべきじやないか、これは恐らく地方自治庁は賛成だと思う。そういう面でこれだけ許される、これは一歩前進なんですよ。地方団体の財政の窮迫を解決するための一歩前進なんだが、大蔵省と折衝されて、あなたのほうがやつてもらつたというのであれば、私の今言つたような点についてはまだ折衝していないのか、考えなないのかということであります。
#67
○政府委員(武岡憲一君) その例に引かれました母子福祉の貸付資金、それからやはり同じような例が中小企業信用協会に対する貸付金等がございますが、これらの地方の負担額と申しますか、所要の資金融資につきましては、本年度の起債の査定の状況から申上げますると、いずれも大体相当なものを認めておるわけでございます。問題はその総枠にとらわれて必ずしも各地方団体が要望するだけのものをそのまま丸々貸付けるというわけに参らんという点が問題であろうと思う。ただこれも今日の地方財政計画の立て方といたしましては、さようなものに必要といたしまする地方の負担金というものも財政計画の中には一応入れておるわけでございます。ただ一方この歳入を見ますときの地方債の粋をどうやつてきめるかという問題でございますが、現実の問題といたしもしては、やはりこれはこの貸付の本となります政府資金というものの状況、これが本年度において最高限に考えてどの程度一体地方に対してして頂けるかという問題と、それからそのほかの公募いたすといたしますと、公募にもおのずから限度があるわけでありまして、大体今日の状況からして地方団体で公募し得るものの限度がどのくらいかということで毎年計画を立ててやつておるわけでございますが、なかなかこの資金に対する要望が、そういつた貸付資金のほか、補助事業に対する負担金でありますとか、或いは単独事業その他に亘りまして非常に御承知のように多額に上つておりますので、全部を賄うというわけには参りませんが、成るべく地方団体のほうの要望といたしまして申上げますならば、こういう方面にも政府資金の貸付の枠をできるだけ拡げて頂けるような御措置をとつて頂きますれば、御指摘のような、そういう資金に対する貸付というものもおのずから只今よりか相当改善されて参るものと考えておるわけであります。
#68
○藤野繁雄君 地方公共団体が国の直轄事業をやつて、そうして負担金になる場合の地方債証券ですね、その地方債証券で納付するか、納付しないかということは、それは誰がきめるのでありますか。
#69
○政府委員(白石正雄君) これは納付するか、しないかは地方公共団体の意思が先ず第一にあるわけでありますので、現金で納付したいという地方公共団体は、これはもう現金で国は受取るわけでございます。ただ地方債で納めたいという申出がある場合におきましては、それで取るか取らないかは国が決定できるという建前になつておるわけでありますが、この法案ができました以上は、大体そういう方法で申出があれば国が取るということに相成るだろうと考えるわけであります。
#70
○藤野繁雄君 只今の御説明によつて見まするというと、地方公共団体から地方債証券で取つてもらいたいということであれば、無条件で政府はそれを承諾する、こういうふうに解してよろしうございますか。
#71
○政府委員(白石正雄君) その条件につきましては政令で定めるわけでありますが、その政令の定める条件に合しておりまするものでありますれば、これは政府といたしましては大体申出さえあれば取るということに相成るだろうと考えます。
#72
○藤野繁雄君 そういたしますというと、地方債証券の利率、償還の方法、収納価格、そういうふうなものは政令で定めるというようなことになつておりますが、その政令は利率、償還方法、収納価格についてはどういうふうにお定めになる御予定ですか。
#73
○政府委員(白石正雄君) 只今のところまだ確定してはいないわけでありますが、先ほどもちよつと申上げましたように、先ず第一に問題になりますのは利率であろうと考えるわけであります。これは先ほど申上げましたように、国立病院を地方団体に譲渡いたします場合に、たしか六分か六分五厘程度の利子を附しておるという例があるわけであります。又普通の運用部資金で引受けております地方側の証券が六分五厘ということになつておるのであります。それから国が契約をいたしました場合に延納を認めるという制度がありますが、この場合にその延納を認めた場合につきましては一定の利子を取つておるわけでありますが、これは日歩二銭から二銭七厘という程度に、さまざまでありますが、相成つておりますので、最低の二銭といたしましても七分何厘ということに相成りますので、こういうことを勘案して大体六分か六分五厘程度のものに落ちつくのではなかろうかと考えておるわけであります。
 次に償還の期限でありますが、これは普通の地方債であれば十年とか、十五年、公募の地方債として大体五年と相成つておるかと考えております。併し本件につきましてはそういつた普通の地方債と必ずしも同一とすべきではなかろう。ということは、本来ならば、二十八年度なら二十八年度に一時に納付すべきものを、或る程度延納を認めるというような制度でありますので、そう十年とか十五年とかいうような長期に亘るのは如何かと考えるわけでありますので、大体五年程度のものではなかろうかというように考えておるわけであります。
 収納価格でありますが、これは大体額面で収納するというようなことが適当ではなかろうかというように考えておるわけであります。
#74
○藤野繁雄君 只今の説明によつてみますと、償還方法は大体五年くらいじやなかろうかと、こういうふうなことでありますが、若し償還方法が五年で償還すると、こう仮定いたしましたならば、その償還金額及び利率というようなものは、平衡交付金の算定基準に持つて来て、平衡交付金は交付されるように自治庁は算定するのであるかどうか。
#75
○政府委員(武岡憲一君) 直轄分担金のための交付公債につきまして仮りに五年ということになつて、その元利償還金は平衡交付金の中に算入するかというお話かと思いますが、これは先ほどもちよつと申述べましたように、基準財政需要額の中には、これは算入しにくいと考えております。ただ別に特別平衡交付金の制度が御承知のようにございますので、まあ団体によりまして、そういう償還をするために非常にその団体の財政に多大の影響のあることは、これは特に今度はこういう特例によつて延納を認めて頂くわけでございますから、さようなことはないと存じますけれども、団体によりまして、それがその団体の運営上に非常な支障があるということでございますれば、別途特別平衡交付金というようなことを或いは考えなければならんかと存じますけれども、これはまあその時の状況によると考えます。
#76
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。後意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお諸般の手続は前例通り委員長に御一任願いたいと思います。それから本院規則第七十二条により、委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
    木内 四郎  三木與吉郎
    西川甚五郎  森下 政一
    菊川 孝夫  前田 久吉
    小林 政夫  藤野 繁雄
    岡崎 真一  山本 米治
  ―――――――――――――
#80
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#81
○委員長(大矢半次郎君) それでは速記を始めて下さい。本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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