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1953/07/10 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 決算委員会 第11号
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1953/07/10 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 決算委員会 第11号

#1
第016回国会 決算委員会 第11号
昭和二十八年七月十日(金曜日)
   午後二時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     東   隆君
   理事
           長谷山行毅君
           松平 勇雄君
           島村 軍次君
           菊田 七平君
   委員
           石川 榮一君
           植竹 春彦君
           谷口弥三郎君
           宮田 重文君
           飯島連次郎君
           豊田 雅孝君
           岡  三郎君
           永岡 光治君
           山田 節男君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 石井光次郎君
  政府委員
   調達庁総務部長 山内 隆一君
   運輸大臣官房会
   計課長     辻  章男君
   海上保安庁長官 山口  傳君
  ―――――――――――――
   会計検査院長  佐藤  基君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院検査
   第二局長    上村 照昌君
   会計検査院検査
   第二局調達検査
   課長      平松 誠一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国家財政の経理及び国有財産の管理
 に関する調査の件
 (第六管区海上保安本部不当経理に
 関する件)
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(東隆君) 只今より第十一回決算委員会を開会いたします。
 本日は初めに前回の委員会において決定いたしました通りに、第六管区海上保安本部不当経理に関する本委員会の要望事項につきまして、それぞれ会計検査院長並びに所管大臣であります運輸大臣に対しまして申入れをいたしますと共に、両君より御答弁を得たいと存じます。申入れの要望事項につきましては、昨日文書を以ちましてそれぞれお手許までお届けいたしましたが、重ねてここで朗読をいたします。最初に会計検査院に対する要望事項を専門員より朗読いたさせます。
   〔森専門員朗読〕
   第六管区海上保安本部不当経理に関する参議院決算委員会要望書、
  現在第六管区海上保安本部不当経理に関する件は、昭和二十三年以来逐次発生したものであり、現地においては同本部の乱脈状態について相当風評もあつた模様である。事件の一部には単なる贈収賄に属するものもあるが、スクラップの盗難、横領等国有物件の管理よろしきを得ないもの、又は架空の物品購入、架空の工事代金支出等、経理の紊乱しているもの、乃至はこれらの不当経理による資金をもつて職員宿舎を購入し、これを個人名義としているもの等、会計検査院が当然指摘の対象とすべき事件が含まれている。
  然るにこれを決算検査報告について見るに二十五年度及び二十六年度においては、全くこれを取り上げていない。これに対しては、会計検査院の現在の陣容においては必ずしも全般の実地検査に十分でなく、機宜重点的にこれを行なつている関係上、網の目を洩れたものであり、遺憾であるとの趣旨の説明があつたので、既往のものについてはその事情を諒とするが、此の機会において二十七年度に発生した事件については勿論、二十六年度以前の事件についても可能なものについては、十分なる検査を実行されたい。関係帳簿類は目下呉市警察署に押収されている由であるが、必要によりこれを借覧する等、なるべく速かに検査の実を挙げ、その結果を報告せられることを要望する。
  昭和二十八年七月八日
      参議院決
      算委員長 東   隆
   会計検査院長佐藤基殿
#3
○委員長(東隆君) 会計検査院長の発言を求めます。
#4
○会計検査院長(佐藤基君) 只今朗読になりました要望審の御趣旨はよく了承いたしました。私どもといたしまして、この要望書に書いてありますように限られた人間でやつておるのでありますが、勿論どこに重点があるかということを十分確かめまして、そうしてての方向に検査をしておるのであつて、全然見落しがないとは申せませんが、比較的見落しがないものと思つておつたのでありますが、御指摘のような、こういうふうな大きな見落しをしんということを非常に遺憾に存じておる次第でございます。この事件につきましては、その後係りの部局におきましてなお十分な検査を行いまして、只今検査報告の案ができ上つて、局において審査中であるということになつております。なおどこにおきましても同じような事件があるもので、念のためこの事件につきましても、同じような事件が他の管区にもありやしないかと思いまして早速調べたのでありますが、現在まで調べたところによりますと、第二管区、静岡なのでありますが、第八管区舞鶴、その他につきましても同様な事件が若干あるということを確かめた次第でございまして、これらにつきましても速かに報告書を作るように目下努力をしております。
#5
○委員長(東隆君) ちよつと速記をとりて。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(東隆君) 速記を始めて。何か委員のかたに御質疑ありませんか。
#7
○山田節男君 今の会計検査院長の御発言大体了承いたしましたが、先ほど言われた目下調査中の第六管区以外の第二管区、第八管区、こういつたようなものもまとめて報告書は本委員会に他日提出願えるのですか。
#8
○会計検査院長(佐藤基君) それは今関係の部局において作成して、所管の局において審議しております。その手続を申しますと、その審議が終つて事務総局で総括的な審議をしまして、そして我々の権査官にかけまして、それで間違いないということになりますと、報告書として国会提出になります。
#9
○山田節男君 了承しました。
#10
○委員長(東隆君) 別にございませんか……ございませんでしたら暫時休憩します。
   午後二時五十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時十一分開会
#11
○委員長(東隆君) これより委員会を再開いたします。
 運輸大臣宛の要望書を専門員をして朗読させます。
   〔森専門員朗読〕
   第六管区海上保安本部不当経理に関する参議院決算委員会要望書、
  海上保安庁並びに各地海上保安本部については、かねてより必ずしもその綱記が厳正を保たれていないかの風評がある。偶々今回広島市所在第六管区海上保安本部における過去数年間に亘る一連の汚職事件が呉市警察署の取調を機として明かにされたが、これらの事件のうちには、国有物件の横領、架空名義による国費の支出、その他直接間接に国損を招来し、一面会計経理を甚しく紊乱しているものがある。
  本決算委員会においては、海上保安庁長官に対し、本件につき口頭をもつて警告を与え、速かに善後処置を講ずべきことを要求したのであるが、此際所管大臣たる運輸大臣において左記のような処置をとられることを要望する。
    記
 一、海上保安庁の職員、殊に幹部職員において今後一層自粛自戒、もつて既往の風評を払拭するに努めること。
 二、調査の結果明かになつた事件の関係職員に対しては、起訴された者については公判の結果を待つとするも、それ以外の者については速かに厳正なる懲戒処分等を実行すること。
 三、懲戒処分等に当つては、その範囲を事務取扱に当つた職員に止むることなく、決定又は監督の任に当つた職員について特に厳格にその責任を問うこととし、もつて綱紀粛正の実を挙ぐるよう措置すること。
 四、経理の紊乱が機構制度等の欠陥に基くと認められるものについては、速かにこれが改善の措置を講ずること。
 五、不当の経理によつてねん出した資金をもつて購入し、職員個人の名義をもつて登記している宿舎については、速かに事実に適合した処置をなすこと。    ―以上―
  昭和二十八年七月八日
      参議院決
      算委員長 東  隆
   運輸大臣石井光次郎殿
#12
○委員長(東隆君) 運輸大臣の発言を求めます。
#13
○国務大臣(石井光次郎君) 要望にお響えする先に、本日所用で少し遅れまして皆様お待たせいたしまして誠に恐縮でございました。お詫びを申上げます。
 要望の一についてお答えいたしますが、職員の綱紀の粛正につきましては、重大な関心を払つて所管部局に対して遺憾のないように常に強調して参つたのでありまするが、かかる不当な経理事件を起しましたことは誠に遺憾に堪えないことでございます。事件発生以来部内におきましては、昨年七月及び本年三月管区海上保安本部長を中央に招集しまして、海上保安庁長官から厳重な訓示を行わせ、又私からも昨年十二月同様の趣旨を指示して職員一同の自粛を要望したのでありますが、この趣旨の徹底につきましては、三月海上保安庁長官からの訓示全文を海上保安庁公報に掲載いたしまして、全職員の末端に至るまで徹底せしめると共に、幹部職員は率先自粛し、官紀の振起に努め、時々監査の励行、会計職員の業務の指導、研修等を行いまして、その趣旨に副うよう努力せしめておりますから、この点御了承をお願いいたす次第でございます。
 要望の第二及び第三について申上げます。現在裁判所に係属中のものにつきましては仰せの通りでございまするが、その他のものにつきましては、御承知の通り講和条約に際して公布せられました公務員等の懲戒免除等に関する法律の関係もございまして、形式的には処分ができないことに相成つておりまするが、事件関係者は勿論、監督責任者に対しましても厳重訓告をいたさせると共に、同管区幹部以下の人事の刷新を行わしめたのでございます。今後におきましても御趣旨を体しまして、人事異動に際しまして十分留意いたさしめる方針でございます。要望の第四について申上げます。海上保安庁の機構といたしましては、先に昭和二十七年四月二十六日会計事務の責任の所在を明確化すると共に、事務分担の適正化を図りまするために、本庁並びに地方管区本部においては総務部のうちより分離して経理補給部を独立せしめました。又一方においては監察及び会計検査制度の増強を図りまして、適正なる運営を図ることといたしたのでございます。さよう御了承をお願いいたします。
 要望の第五について申上げます。本件につきましては、その後調査をいたしました結果、いずれも速かにそれぞれ所有名義により国に寄附せしめることが最も適切なる処置と考えまして、昭和二十八年六月寄附採納願いに対して承認を与え、目下現地において移転登録手続申請中でございます。右お答え申上げます。
#14
○委員長(東隆君) 御質疑ございませんか。只今海上保安庁長官、運輸省の会計課長も見えております。御質疑がないようですから、この件はこれで終ることにいたします。
 なお、決算審査に関する小委員会につきましては、前回の小委員長の報告を以ちまして、委託審査の件及び委託調査の件の両件につきまして審査を終了いたしたわけでありますが、小委員会そのものはなお現在の構成のまま存続することにいたしたいど存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#15
○委員長(東隆君) 御異議ないようですから、さように決定をいたします。
  ―――――――――――――
#16
○委員長(東隆君) 次に昭和二十六年度決算三件を議題に供します。本日は前回に続き終戦処理関係批難事項の第三十四号より第三十七号までを問題に供します。専門員からの説明を求めます。
#17
○専門員(森荘三郎君) 三十四号は解除物件の取扱の当を得ないものというのでありまするが、仙台の特別調達庁で東北電力会社に電線などを売渡す約束で前以て使用させておいたものがありまするが、それが二十五年度から二十七年度に至つてもまだ売渡しの処置がとられていないということの検査院からの指摘でありまするが、これに対して当局の説明は、検査院の御指摘の通りでありまするが、こんなに遅れたのは事務が忙しかつたことと、当時又係員の更迭が頻繁であつたなどのために生じたことで、誠に遺憾に存じますということでありまして、その後直ちに是正されておるのであります。
 次の三十五号は少し話が込み入りますので、別紙に多少長たらしく書いておきましたが、或いは私の申しますことの中で、多少不明瞭なこと、或いは悪くすれば間違いがないとも申上げかねまするので、万一そのようなことがありますれば、お許しを願い、当局なり検査院のほうから十分に説明を願いたいと思いまするが、これは軍のほうからエナメル用稀釈剤を納入するように言つて来ました。それで特別調達庁でそれを調達して納めさせたわけでありまするが、軍のほうから要求して参りました規格品は、検査報告の五十二ページに記されてありまするが、簡単に申しますれば、(二九一a)というものでありまするが、価格は単価二百十円くらいなものであるということであります。検査院の指摘では入札のときにこの規格を入札者にみせて、入札をさせたのであるが、当時軍で使用中の高級の規格品、符号が(三〇六)となつておりまするが、それによつて予定価格を見債つて入札をさせたので高い値段を払うことになつたという批難であります。なお、それに附加えて(二九一a)というものであるならば、石油製品登録販売業者から安く買入れることができるはずだのに、(三〇六)ということにしたために、塗料業者のほうから買入れることになり、その中の何名かを指名入札させることになつたので約百万円ばかり結果において高くついておるということであります。ここにガリ版ずりに書きましたように、四つの会社からそれぞれ納入しておるのでありまするが、そのうち一番初めに書きました北河製品所というのは、これは正当な価格で納入しておりまするので、検査院の批難から抜かれてありまして、ほかに三つの会社だけが個々に何々会社ほか二名ということにして指摘されているわけであります。それで検査院でお調べになつた結果によりますると、軍の検収は(二九一a)という規格で検収を行なつたもののようである。北河製品所というのは確かにその(二九一a)を納めている。東京ペイント会社は(二九一a)を納めている。併し入札の価格は高い値いになつている。日本油脂株式会社はそれとは違つた(三〇六)を納めたものであるから高い値いになつているのはこれは当然であるかも知れない。他の神東塗料会社はどのような品質の品物を納めたか、ちよつとわかりかねます。そこでなおそれに附加えて申上げたいことは、これは軍の要求して参りました(二九一a)というのは、ミネラルターピンという品物で足るものであつて、北河製品所も東京ペイント会社もその通りの品物を納めている。軍もそれを検収して使用している。これが当時軍の使用しておつたところの規格品であつた。ところが当局のほうで予定価格を見積つたところの品物は、ミネラルターピン九割とソルベントナフサー一割とを混合したものであつて、日本油脂会社はこれを納入している。ところがこの品物は前に申しました、当時軍が使用中の規格品にも合わないものであり、なお次に申上げまするものにも適合しない中間のものだということであります。それから三〇六というところのものであるならば、ミネラルターピンを五割ソルベントナフサーを五割混合したものであつて、当時これは軍の規格品にはなつていなかつた。その当時現実にこれを使用しておつたのは追浜における米軍だけであつたのであります。後に至つてこれを規格品と定めるようになつたものだそうであります、
 以上が会計検査院からの報告でありますが、これに対する当局の弁明を簡単に申上げますると、軍の調達要求書にはエナメル用稀釈剤とペイント用稀釈剤とを同じ規格品(二九一a)ということで示して来たものでありますから、これはおかしいというので軍のほうへ申入れましたところが、その軍の返事は、軍が要求する品物は(三〇六)であるが、これは将来このものに変更をするつもりで、現在のところは未だ決裁を経ていない品物であるから、それを表面に出すわけには行かない。従つて先ずこの際は品物は(三〇六)という品物を納めておいてもらいたい。書類を訂正することは新らしい規格が採用された後において訂正をするから、こういうことであつたので、当局は(三〇六)というものを納めたのであるということでありますが、かようなわけで書類の上にはそのことが記されていない。後になりまして、この新らしい規格が正式に決定されましたあとに書類の訂正を願つたのでありまするが、それは訂正されずに終つてしまつたということであります。それから入札者に対してはこういう事情だということを明らかに説明をしておいたということでありまするが、そこのところが検査院の検査報告の文章と心持違つたようなふうにも思われます。
 それから検査院の御指摘では、エナメル用稀釈剤はミネラルターピンを以て足りるものであるというふうに言われているが、決してそうではない。塗装の技術の上から言つてもこれは適当でない。それから納入の業者の関係でありますが、塗料に使いますための稀釈剤は塗料専門業者から買入れるのが慣例になつている。検査院の言われるように、石油製品登録販売業者から購入するものではないという説明であります。それから最後に納品書には確かに(二九一a)と記されてありますが、これは先ほど申しましたようなわけで、ただ文書の形式上書かれているだけのことで、本当は(三〇六)という新らしい規格品であります。こういうふうにいろいろと話が混雑をいたし、且つ検査院の指摘と当局の弁明との間に多少の食違いを見ている件なのであります。
 次の三十六号は、石炭を買入れましたところが、カロリー検査の結果不適格品でありましたので、その代金を減額するわけでありますが、当時軍のほうでは石炭不足に困つているときであつたものでありますから、金で、減額をする代りに石炭で以て納入をさせるようにという軍の指示がありました。ところがこれにつきまして(1)と(2)と二つありますが、先ず(1)のほうから申上げます。そのうち先ず最初に不適格品となつたものは六千五百二十二トンでありましたが、軍のほうからは千三百八十二トンだけ納めさせろという指示があつたのであります。それでその通り納めさせるように計つておりましたが、この会社が営業成績がよくなくて解散をすることになつたものでありますから、実際納めたのは僅かに六十九トンに過ぎない、でそのままになつてしまつた。それから更に次に同じ会社でありまするが、不適格品が一万三千五百三十九トン指摘された。これについても代金を減額すべきでありますけれども、軍のほうからの指示によりまして石炭で以て納めさせるということに指示されまして、それを五千六百二十四トンだけ納めさせろということになつたのであります。ところが会社はほどなく解散いたしまして、全然これは納入せなかつたのであります。そこで検査院の指摘は、当時当局のほうからこの石炭会社に対して支払わねばならなかつた金が二千五百十九万円まだ支払わずにあつたものでありまするから、向うのほうが納めて来なければならないその不適格品の見積価格、それと丁度相殺することができたのであるのに、相殺をしないで軍の指示のままに全額を先ず以て支払つてしまつた、それは処置が甚だ適当でないと思う、なぜなればこれより先特調のほうからこの会社の納入成績が不良であるから契約の不適格者として指示をされていたのでありまするが、出先のほうでは本庁からの指示を軽く見て軍のほうの指示のままに金を全部払つてしまつたということであります。その後最後にどうなつたかと申しますると、今申しました二口合計で六千九百三十七トンの石炭は到頭未納のままになつてしまつたのでありまするが、それに対する賠償金として四百万円を収納したのに過ぎないのであつて、相当多額が未収になつてしまつております。で、この事件に対する当局の弁明の一番主な点を申上げますると、石炭の検収とか、又何ほどの賠償をさせるとか、それを金でさせるか物でさせるかということなど、すべて軍の権限でありましたので、当局としては如何ともすることができないのでありましたということであります。なおそこで御参考に申上げたいと思いますることは、石炭を買入れた、そうしてカロリー不足の不適格品を生じたという問題は、この前の二十五年度の決算報告の中に四十号から四十五号というふうにたくさん掲げられていたのでありまして、軍側が何と言つてもこちらの側の容啄を許さないものでありまするから、その点は或いは止むを得ないことでないかとも思われまするが、ただこの際検査院が指摘されておりまする意味は、向うの言うがままに聞いておつてはいけない、十分な熱意を以て折衝を重ねなければならないはずなのに、その軍と交渉する熱意が不十分だというふうに検査院は指摘されているのであります。
 なお、もう一つ附加えて最後に申上げたいことは、当局のほうからの説明でありまするが、軍が石炭の賠償量を非常に緩和しております。それは例えば最初の分は六千トン不適格品があつたのに千トン代りに納めればよい、その次には一万三千トンの不適格品に対して五千トン納めればよいというようなふうに、賠償の量を非常に緩和しておりまするが、これは当時石炭山の労働者のストライキがあり、世間一般が石炭の不足に非常に苦しんでおつた、それで自然石炭の価格も非常に騰貴をした、そういうような事情があつたということ、及びその当時の賠償規定が非常に厳格であつたのでこれでは余りに気の毒だという点が参酌されたもののようであるということであります。その最後の点につきましては現に二十六年の九月以後は賠償を半分以下に減じているという事実もあるようであります。今申上げましたのはこの三十六号の(1)のほうでありまするが、続いて記されておりまする(2)のほうも事情はもう全然同じ事情なのであります。
 それからのその次の三十七号、これは名古屋の特別調達局で氷を買入れて向うへ供給をするというのでありまするが、その単価のきめ方が高過ぎるということであります。検査院の指摘のほうを読みますると、先ず最初に名古屋地区の分でありまするが、ここには一方に公共施設に対して供給するものがあります。それは大きい塊のまま供給するのでありまするから、卸売価格をそのまま支払をするということでありまするから、これについては全然問題はないのであります。ただ家族住宅のほうへ供給するものだけを検査院は取上げておられるのでありまするが、これは百五十ポンドの大きい氷の塊を十五ポンドくらいに小割りをする、そうして供給するわけでありまするが、一ポンド当りの卸売価格を一円四銭五厘としまして、小割りをするために必要な経費を十三銭、小割りをしますれば自然氷の損耗というものがあのまするから、それがために十銭四厘五毛、これらを加えると一円二十七銭ということになるので、その価格を業者に払つているということであります。ところが検査院がこれを調べてみますると、百五十ポンドの大きい塊をただ四つなり六つなりに割るために鋸の目をただ入れるだけのことでありますから、損耗なんというものを認める必要は全くない、小割りをするために少し人手がかかるにもせよ、一日について人夫一人くらいな手間で間に合うわけであるから、そうすれば一ポンドについて僅か三銭くらい割増をすればよいはずだ、結局全体として八十七万円高価に払い過ぎておる。而もほかの所と比べてみると、同じ時期に同じ条件で東京、横浜、大阪は一円二銭で買入れておるし、京都は僅か九十六銭八厘で買入れておるが、名古屋は一円二十七銭で、確かに高過ぎるというのであります。
 次に岐阜地方の分を見ますと、そのうち大部分、九二%を占める分が工場渡の納入ということになつておりまするから、それは一つの塊りが二百ポンドという大きい塊りで、卸売業者に売る場合とどこも違いがないはずである。然るに卸売価格よりは高い値いで買入れておるので、全体で二十三万円も高価に当つておる、こういう批難であります。これに対して当局の説明書の報告を見ますると、検査院の指摘と当局の説明とがピントが合つておりません。これだけでは本当のことはわかりかねるのでありますが、ただ政府から提出されておりまする説明書に書いてあるものをここで要点を抜き出しますると、名古屋の部分については二十四年度の進駐軍用の例外許可価格として一円三十三銭というものが先ず最初に定められた。ところが名古屋の地方財務局におきまして、当時問題になつておりました法律第百七十一号によるところの検査というものをやりましたときに、それでは高過ぎるから一円十九銭に下げろということであつたものでありますから、それに従つて一円十九銭として認めましたのでありまして、爾来年々物価は高くなつておるにもかかわらず、この値いをそのまま継続しておるのでありますから、高いとは思わないという意味の回答であります。それから岐阜地方のものにつきましては、名古屋において一円十九銭を基準として計算しておるから、それを岐阜においても基準に採用した、そうして二十六年度は一般に物価騰貴でありまするから、民間の小売の値いは二〇%高くなつておるが、こちらとしても若干認めないわけには行かないので、値上げはしたけれども、それを一二%半だけにしか値上げをしておりません、こういう答弁なのであります。つまり今も申しました通りに、三十七号に対しましては、検査院の指摘と当局の説明との間にどこかピントの合わない部分があるような感じがするのであります。
#18
○委員長(東隆君) 会計検査院のほうから説明を願います。
#19
○説明員(平松誠一君) 只今審議になつております三十四号乃至三十七号の案件でありますが、三十四号につきましては、先ほど専門員より御説明のありましたことで尽きておりまするので、特に申上げることもないと思います。
 三十五号につきましては、当局の言明と多少見解を異にいたしておりますので、この点を申上げますと、この検査報告ができましたときには、只今専門員から御説明のありましたように、調達局におかれましては(二九一a)ではない、軍の要求しておるものは(三〇六)ではないかということで軍に折衝した、それから入札の際にもそれで軍の要求も(三〇六)であつたので、(三〇六)を実際に欲しいということで入札の際にその説明をしたということでありましたのですが、併しこのことは検査当時にはそういつた説明ではないのでありまして、調達局の側において軍と関係なしに、軍が今使つておるものは(三〇六)である、それで(二九一a)を要求してあるけれども、(三〇六)を実際に使うのだろうという推定の下に予定価格を積算し、それによつて入札したという御答弁がありましたので、それに基いてかような案ができておるわけでありますが、その後の調達局側の説明によりますと、只今申上げましたように、軍に照会いたしましたところが、(三〇六)の規格のものが欲しいのだ、そこで入札の際にもそういうことを説明して入札したのだ、こういうことでありますが、これについて検査院の意見を申上げますと、(三〇六)という規格につきましては、当時は日本における調達在日兵站司令部、この進駐軍の調達業務を担当しておりまする調達在日兵站司令部としては、正式にまだ取上げられなかつた規格でございますが、アメリカ本国の規格といたしましてはすでにあつた規格でございます。ただ契約当時にはそれを日本の調達在日兵站司令部においてはまだ正式に取上げていなかつたというものでありまして、規格の内容ははつきりしておつたものであります。そこで軍は(三〇六)が欲しいのだ、P・D――調達要求書には(三九一a)とあるが、(三〇六)が欲しいと言つたといたしますと、(三〇六)という規格のものは合成樹脂……ちよつと話が専門的でありますが、合成樹脂系のエナメルを溶かす稀釈剤でありまして、合成樹脂系のエナメルを溶かすためには芳香属炭化水素、これが実際の製品で言いますと、ソルベントナフサー、キシロールというものがそういう合成樹脂系のエナメルを溶かす能力を持つておるものでありますから、この(三〇六)の規格で申しますと、そういつた芳香属炭化水素の含有量が四五%乃至六〇%なければならないということが規格にはつきりいたしております。然るに特調が軍から(三〇六)が欲しいのだということを聞かれまして作つた予定価格はどういうことになつておるかと申しますと、これはミネラルタービンが八五%で、ソルベンートナフサーは(三〇六)の規格からいたしますと四五%乃至六〇%は含有していなければならないものを一五%ということで以て積算しておるのでありまして、果して(三〇六)が欲しいのだということであつたかということにつきまして疑問があるわけであります。そこで実際の納入業者について調べますと、納入業者が四社ありますが、このうち本件は単価について妥当であるといたしまして、検査報告に載つておりません北河製品所、これが製品納入いたします際、自分の所で製品の分析試験をやつておりますが、その分析試験の結果について見ますと、ミネラルターピンそのものを全部ミネラルターピンで納入したことになつております。それから東京ペイントについてもこれは全部一〇〇%ミネラルターピンのものを納入いたしております。それからそのほかの日本油脂と、もう一つ神東塗料というのがございますが、これは予定価格はミネラルターピン八五%にソルベントナフサー一五%に対しまして、納めておる分はミネラルターピンが九〇%、ソルベントナフサー一〇%というようなことになつておりますので、そういつた(三〇六)が欲しいということで入札をしたといたしますれば、四業者の納めた分は全部不合格となつて然るべきであると考えます。そこで軍からそういう話があつたかも知れないし、又それに基いて現場説明で多少の説明はしたかも知れませんが、それはその説明が非常に不十分であつたために結局(二九一a)のものを納めてもそれで通る程度の不徹底な説明しかなされなかつた、そこで(二九一a)の規格ならば二百十円程度で買えるものが非常に高い価格で以て購入されたことになつた、こういう点は否めないと考えております。
 それから塗料でありますので、塗料業者から購入するのが慣例であるということでありますが、軍の要求いたしましたのは、これこれの塗料と特定な品目を指定して要求があつたのではありませんので、規格を示して要求いたしたものでありますので、その規格に該当しておるものであれば必ずしも塗料業者を指定して購入する必要はない。軍の要求する規格がミネラルターピンで足りるものであれば、ミネラルターピンを販売しておる石油販売業者から購入すれば足りることである、そういうふうに考えます。
 次の三十六号の石炭につきましては、軍が物でこれだけ納めろといつたから納めたという説明でございますが、併し石炭の購入におきましての契約書をみますと、購入契約で要求しておるカロリーに不足のあつた場合には、その不足カロリーに相当する減額を自動的にやる。その減額に別表が付いておりまして、カロリーが何%不足した場合には契約単価の何割引という別表が契約書に付いておるわけでありますが、それに照して自動的に減額をするという条項になつておるわけでございます。そこでそういう条項が認められておるのにどうしてそれだけの減額をしないか、又当時石炭が少くて軍のほうで物を欲しいということであつたならば、その減額に相当する額だけのものを納めさせるようにどうして交渉しなかつたかということが問題になるわけでありまして、その点の折衝について努力が足りなかつたというふうに考えられます。
 名古屋及び岐阜の飲用氷につきましては、こちらといたしましては、実際軍のほうに納めている実態を調べまして、その氷が一般市中に販売されておるものと同じような製造過程において作られており、全く製品において違いのないものでありまして、而も大量の購入の場合におきましては卸売価格でいいんではないかということに対しまして、特調の側におかれましては、費用におきまして実費検査をした結果が一円十九銭であつた。それよりも一般的に氷の値段は高くなつておるのだから、高いその点を考慮すれば別に高いものとは思われないということでありますが、こちらといたしましては、現実に納めておるものの実態を調査いたしまして、一般の民間人に卸売いたしておりまするものと形態において全然変りがないのでありますから、卸売価格からいつて差支えない、こういうふうに了承しておるわけであります。
 以上で終ります。
#20
○委員長(東隆君) 調達庁より説明を求めます。
#21
○政府委員(山内隆一君) 私のほうの立場を一つ簡単に御説明申上げます。
 この三十四号につきましては、検査院の御指摘の通りでありまして、誠にこれは遺憾に存じております。将来十分注意するつもりであります。なお代金は右二件とも二十七年十二月中に収納済でありますることを御報告申上げておきます。
 三十五号につきましても、専門員のかたから詳細に私の立場を御紹介がありましたので、ダブることは略しまして、只今検査院側から申された点について特に申上げてみたいのであります。
 この問題の一番誤りのもとは、何といつても調達命令書にあつた規格と違つたものを軍が口頭で要求して、それを入札の現場説明に当つて口頭で訂正をしたというところに問題の起る原因があると思うのであります。こういうことは調達庁としては極力避けておりまして、調達命令書が出、それに対する詳細な規定なり、或いは仕様書等が出ました場合には、もう極力その書面による、文章にある事項によりまして説明するのが原則であります。若し万一軍が途中で改めるような話がありましても、必ず正式な訂正を受けてからやるように、どうしても正式の訂正がすぐには間に合わんような場合には、せめて何か現場監督官のとにかく書いたものをもらわなければやらないようにということを厳重に注意はしてあつたわけでありますけれども、かようなことが起りまして、非常にいろいろ問題を引き起しましたことを遺憾に存じております。
 なおこの石油業者を指名してもよいのではないかというような問題につきましても、検査院の立場から申しますれば御尤もでございますが、調達庁としましては、その石油販売業者を指名しなかつたのは、ナフサーを混入するというような或る意味の加工が必要であつたから、石油販売業者を指名せずに塗料業者を指名したというような事情でございます。いずれにしましても、かような口頭であとで問題の残るようなことをやりましたことは誠に申訳ないと存じまして、将来こういうことのないように十分注意いたすつもりであります。
 三十六号につきましては、これも専門員のかたからのお話や、検査院のかたからも御説明がありましたので、ダブるようなことは省略いたしますが、契約の中にカロリーの不足の場合には、当然罰金というような規定があるにもかかわらず、なぜ履行しなかつたというお説尤もではありますが、これも専門員のかたの御紹介の中にもあります通り、契約は調達庁と業者がやりましても、実際の検収の権限は全部当時軍が持つておりまして、調達庁はそこに立会うこともできないような事情でありましたので、これ又さような契約をしておりなから、契約者みずから履行を強行することができなかつたという事情でありますことを御了承願いたいと思います。なお当時非常にこの罰則が重かつたために問題になりまして、その後いろいろ話合いの結果、二十六年九月頃から改正されまして、それまでよりも遙かに緩和されたような実情もあります。なお又軍においてこちら立会うこともできないばかりでなしに、軍において試験のためにとりました試験炭でも残つておりますと、まだ再検査をするという途もありましたが、それすらも全然保有してないというような事情がありましたので、当局としても業者のみを責めるというわけにも参らないような事情があつた次第であります。なおこの喜清商事の賠償金は二千五百四十二万一千二百八十円と決定しましたが、うち四百三十六万四千九百四十九円は徴収済みでありまして、このほか同社に対する支払いで保留中のものが二万二千二百四十九円ございましたので、これを差引きまして二千百三万四百八十二円につきましては責任者と交渉いたしております。
 三十七号でありますが、これは専門員も申された通り、少しこの説明の不備がございますので、簡単に申上げさして頂きたいと思いますが、名古屋の氷については予定価格の内訳がまずかつたので、その点遺憾に存じておりますが、値段そのものとしては、二十四年度に統制価格を下廻る一円十九銭に押え、それを二十五年、二十六年度両年度とも踏襲しまして契約をしているので、高いということはないと存じております。岐阜地区につきましては、説明書の記載がちよつとポイントを外れておりますので補足さして頂きたいのでありますが、一般卸売価格でいいんじやないかという検査院の御意見につきましては、進駐軍向けの氷は衛生上或いは規格の上で優先出荷をしなきやならんというようなむずかしい制約を受けて、特別の費用を要するので、統制時分には許可価格というものが認められていたので、一般のと同じようには参りませんような事情のために、今のような価格になつた次第であります。
#22
○委員長(東隆君) 御質疑を願います。八木さんに申しますが、保留になつた三十号の資料も出ておりますから……。
#23
○八木幸吉君 三十六号について質問してよろしうございますか。今の石炭の……。
#24
○委員長(東隆君) どうぞ。
#25
○八木幸吉君 今三十六号の石炭の購入に当り処置当を得ないものというところの、調達庁側の御説明を伺つたのですが、つまり購入した石炭のカロリーが不足しているかどうかということは、その物を受取るところに立会わないから、強い意味で交渉するわけにも参らないと、こういうふうに今承わつたのですけれども、特別調達庁の立場としてはその石炭のカロリーが不足していること自体は軍がきめるにしても、これだけ不足しているということを軍が調達庁のほうに言いさえすれば、その軍の言われたその不足量を請求するのは、これはもう品物の受渡しに関係なくしても当然請求できると思うのですが、現にこの三六号の(1)のほうの(イ)ですが、契約上で言えば千五百九十六万余円を減額しなければならんのを、六百七十七万円で辛抱しておこうと軍が言つて来たのですから、その金を請求すればいい。立会わないからと言つて、それを遠慮する理由にはならんと思うのですが。
#26
○政府委員(山内隆一君) 今のお尋ねでありますが、立会わないと、こちらが立会うことができないから取ることができないということじやなくて、契約にはどういう場合にはどうということをきめましても、それが幾ら不足か、或いは炭質がどんなに悪いかということの決定を軍が持つておつて、而もその罰金を幾らにするかということまでも軍のほうできめて、調達庁のほうに言うて来るわけです。従つて調達庁としては、決して無関心でいるわけじやありません。これも私のほうとしてもカロリーがどうかということはときどき抜取り的に軍と関係なしにはやつてはおります。併しどこまでもこれは調達庁の試験的のことであつて、不足をしたといつて、こんなに不足だから、罰金を幾ら出すように指示してくれと言うわけには参りません。そんなような事情から、軍がこのカロリー不足のものを何トン現物で賠償するようにと言つて参りますれば、それを執行しなければならんやうな事情になつております。
#27
○八木幸吉君 つまり、その軍の査定の金額が六百七十七万円であるから、それを強力に取り上げなきやならん金額だと思うのですが、石炭の数にしてつまり千三百八十二トン取らなきやならんのにかかわらず、六十九トンでやめてしまつたということは困るじやないかと、こう申上げているのです。
#28
○政府委員(山内隆一君) この点は私ども当時全く調達庁の仕事で努力が足りないということは申上げにくいのですが、調達庁としては軍の言つた六百何十万円分を賠償するようにと言うて参りますれば、それをどこまでも取らなきやならん調達庁としては義務があるわけです。極力取るようにいたしましたが、僅かな現品を納められただけで、会社のほうとしては納めることはできなくなつてしまつたというのが実情でございます。
#29
○八木幸吉君 もう将来は取る見込みはないのですか。この会社が解散されたから。
#30
○政府委員(山内隆一君) 会社としてはもう潰れておりますが、その会社を経営している重役と言いますか、幹部は何か又一つやつてやろうというような意味で、相当再起の計画を立てて、今努力しているようにも聞いておりますが、まだ到底多額の賠償をすることできるような程度には落しておりません。
#31
○八木幸吉君 法律上の請求できる何と言うか、金額と申しますか、相手方と申しますか、ないのですか、道徳上の問題になりますか。
#32
○政府委員(山内隆一君) 会社は解散をしまして、今精算中でありますから、法律的に請求はできるわけです。
 それから只今資料はこの御指示を受けたものをやつておりますが、今日二種類だけしか間に合いませんでして、あとで作つてこの次にお届けしたいと思います。
#33
○八木幸吉君 委員長、資料の関係で今お願いしてよろしうございますか……追加資料を調達局にお願いしたいのですが、二十六年、七年両年度の調達した品目と金額、契約の形式、つまり随意か入札かという、それから契約先、但し契約先は百万円以上ので結構であります。それからその備考として、その契約に対して会計検査院から、この決算書に出てなくても、口頭若しくはどんな形においても注意をお受けになつたら、その意味をお書きを願いたい。それからもう一つは、特別調達庁と軍との関係を規制する条約と申しますかい規則と申しますか、内規と申しますか、そういつたようなことがあればそれも一緒に成るたけ早く願いたいと思います。
#34
○委員長(東隆君) 調達庁のほうようございますか。
#35
○政府委員(山内隆一君) 承知しました。
#36
○委員長(東隆君) それではほかに御質疑がございませんか。検査院のほうから検査第二局長上村君が見えております。
 別に質疑がないようですから、その次の第三十八号から四十五号までを問題に供します。専門員の説明を求めます。
#37
○専門員(森荘三郎君) 三十八号は営業用の倉庫を接収しておりまするが、それの借賃について問題とされているのであります。その借賃の内容を分析してみますると、地代、家賃、保険料といつたようなふうのものがその要素として数えられるわけでありまするが、保険の料率が途中から安くなつた。そうすれば自然倉庫の借賃もそれに応じて安くすべきはずであるのに、その点を考慮しないで、相変らず従来通り高い借賃を払つているということが検査院から指摘されているのであります。それについて出局のほうでは、この借賃はほかの建物などの場合と違つて、営業用の倉庫には特別な事情があつたから、それを考慮に入れる関係上、保険料率のほうはそのままにしておいた、こういうふうの答弁のようであります。
 それから三十九号以下につきましては、特に御説明申上げることはございません。
#38
○委員長(東隆君) 会計検査院のほうから説明を求めます。
#39
○説明員(上村照昌君) 只今の三十八号の営業用倉庫の借上料の支払いの点でありますが、これはやり方といたしましては、先ほど説明がありました通りに、二十四年六月当時の借料、これはその地代、家賃、それから火災保険料、こういうもので構成されておるわけでありますが、これを修正するために、後に一定の倍率をかけて借料を出しまして、その差額を支払う、こういうふうにしたのであります。それで本件の申しておりますのは、そのうちの火災保険料が問題になるわけでありますが、二十四年六月当時の火災保険料は、ここにも書いてありますように、特別危険品を収容する倉庫の最高率を僅かに下廻る程度の、鉄骨建につきましては千円につき十円、木造につきましては十六円五十銭から二十円、こういうものが二十四年六月当時の火災保険料には入つておつたわけです。そしてその当時には入れられる物とか、そういうものが必ずしも明確になつておらなかつたのでありますが、借料を改訂せられる当時には入れられる物も大体わかつて参りまして、ここに記載してありますように、二十六年の三月からは、損害保険料算定会では収容品の級別が不明の場合はB級危険品の料率を適用する、こういうふうになつております。実際ここに入れられておる物を見てみますと、食糧なり被服等でありますから、この保険料はこういう点が明らかになつた以上は、前の借料に対する倍率をかける場合には正しいものに置き直して倍率をかけるほうが至当であるということであります。そうして保険料以外の点も、これはほかのほうの借料から見ますと、大体妥当であるということから、全体的にこの保険料を適正に勘案して算定せられたならば、支払われた金額に対して二千二百万円ぐらいが節減できた、こういうことでございます。そうしてこの案の骨子は、どういうことを申しておるのかと申しますと、調達庁のほうでは、ほかのほうとの均衡がとれないからというようなことをちよつと説明書を見ますと書いてございますが、ほかのほうとは当初均衡がとれなかつたから、とれるように合して倍率を適用されたものであつて、その倍率を適用した結果が、その倍率が違つておるからといつて必ずしも均衡がとれないということではなくて、均衡をとるためにそういう措置がとられたのである、こういうふうに考えております。それから実際こういうものに対しまする借料が幾らであつたがいいかということは、非常にむずかしい問題だと思います。それで私のほうで考えておりますのは、営業用倉庫のみならず、そのほかの借料が同じように均衡がとれたような形で、支払われるのが適当だということで、この案を書いておるわけであります。それで当時の営業倉庫が一般的に借りられる場合に、どれくらいの相場であるかというような点から見ると、或いはこれが安いという事態があつても、調達庁のほうで全体的にそういうふうにやつておられるならば、均衡をとつたやり方をやられるほうが至当ではないか、こういうことが私のほうの申しておる骨子であります。
 それから三十九号は、借料の支払いで間違いの分でありますが、これは是正措置を講じられることになつております。
 それからそのほかの号は不正行為、これは監督とかそういう面で十分調達庁のほうでやつて頂くよりほかにない。あとの四十四、四十五はこれもいずれも是正して頂いた案件でありまして、特に説明するところはありません。
#40
○委員長(東隆君) 調達庁のほうからの説明を求めます。
#41
○政府委員(山内隆一君) 三十八号でございますが、営業用倉庫につきましては、昭和二十五年八月一日から従来の営業用倉庫借上料算定基準を廃止しまして、これは運輸省の所管の規定でありますが、運輸省におきましてそれを廃止しまして、一般基準によることとなりましたために、倉庫業者は一割程度の減額となつたわけであります。従つてこれを基準にして倍率をかけましたために、その後の値上によりまして影響が更に大きくなつたような次第であります。ところが一方接収しないほうの倉庫につきましては、二十五年七月十一日統制がはずされてから接収のものとの借上料の差が著しくなつて参りましたので、借上料の要素である火災保険料率を下げて、更に低額にするということは当時の実情から言つても適当でないと考えまして、かような措置をとつたのであります。
 三十九号は全く会計検査院の御指摘の通りでありまして、遺憾に存じている次第であります。なお過払い分は今年度の支払分から返納させることにいたしております。
 それから四十号から四十三号は不正行為の問題でありまして、特に専門員、検査院から特別の御説明がありませんが、これは私のほうとしては誠に申訳ないことでありまして、各問題について少しく事情を説明させて頂きたいと思います。
 四十号はこれは横浜調達局に起つた問題でありまして、銀行に委任していた不動産の借料を委任状を偽造して引出したのでございます。被害金額の九十五万六千九百五十七円につきましては、犯人所有家屋(木造平屋瓦葺十四坪七合五勺)一棟を抵当に債務弁済公正証書を徴し分割納入させ、昭和二十八年六月一日現在で六十五万四千六百二十七円を回収し、残額三十五万二千三百三十円となりますが、二十七年十二月より犯人の所有家屋をパナマ総領事に賃貸いたしましたので、その賃貸料金を債務の弁済に充てさせる等、回収に鋭意努めている次第であります。
 四十一号は東京都技術渉外労務管理事務所に起つた問題でありまして、連合軍要員健康保険組合に払込む保険料を、所長名義の通帳、印鑑を盗用して横領したものであります。被害金額は三百九十万九千二百五十二円でありますが、このうち犯人が逮捕されたとき二百七十一万三千六百九十五円を回収し、その後二十万三千五百四十円の弁済がありまして、残額九十九万二千十七円につきましては、昭和二十六年十二月十三日東京中野簡易裁判所におきまして即決和解が成立し、以後厳重督促いたしましたが、その後本年五月末現在まで回収したものはざざいませんので、なお引続き督促中であります。本人は現在失職中で生活困難のようでありますので、回収は相当困難な状況であります。
 四十二号は福岡県香椎渉外労務管理事務所に起つた問題でありまして、進駐軍労務者に支給すべき給料、諸手当を小切手の偽造行使、金庫保管中の現金横領等の手段により着服したものでありますが、その被害金額は五十六万五千百万円であります。本年七月までに五万九千円を回収いたしましたので、残額五十一万八千百円につき本年四月十三日福岡簡易裁判所で即決和解が成立いたしましたが、その後五月末まで回収したものはございません。なお厳重督促中でございますが、本人は無資産で定収入がありませんので、回収は相当困難な模様であります。
 四十三号は長崎県佐世保渉外労務管理事務所に起つた問題でございまして、進駐軍労務者の出張旅費を旅行命令書の偽造等により詐取横領したものでありまして、被害金額は二百四十三万四千八百二十三円であります。その中には共犯者の分が含まれておりますので、以下区分して回収状況を申上げます。主犯木村による被害金額は百九十八万二千三百八十三円でございますが、うち一万四千百七十円を回収し、残額百九十六万八千二百十三円となつておりまして、木村は犯罪直後服毒自殺をいたしましたので、でき得る限り犯人の親族より回収すべく努力中でありますが、親族も無資産でありますので、回収は相当困難な模様でございます。共犯者岩永の被害金額は四十五万二千四百四十円で、うち一万六千五百六円を回収いたし、残額四十万五千九百三十四円につきましては、昭和二十八年三月二十四日佐世保簡易裁判所において即決和解が成立し、厳重督促中でありますが、その後収納はございません。本人は現在定収なく無資産でありますので、回収は相当困難な模様でございます。
 四十四号でありますが、負担金取扱要綱の、将来の需要を考慮して柱上変圧器、変電設備等をその申込需要に必要とする設備以上に説備をなしたときは、総工事費をその需要及び余裕の割合に分割しとある変電設備等の中に、電線は入らないと誤まつて解釈したためにかようなことになりまして、誠に申訳ないと存じております。二十七年一月に四百六十八万五千三百八十四円を戻入せしめました。
 四十五号は会計検査院の御指摘の通りで、誠に遺憾に存じております。
#42
○委員長(東隆君) 御質疑或いは御意見ございませんか。
#43
○八木幸吉君 ちよつとはつきりしませんでしたけれども、倉庫の中の危険物の入つているときの保険料率で初めやつておつたけれども、中のものがそんなものでなくたつたというならば、保険料が安くなるのは当然だと思いますが、何かバランスとか何とかお話がありましたが、ちよつとはつきりしません。危険物でないほかの衣料や何かならば安くなるのは当り前で、金額も二千何ぼということを書いてあるが、そのいけなかつた理由をもう一ぺん簡単でいいですけれども、おつしやつて頂きたいと思います。
#44
○政府委員(山内隆一君) 三十八号について、なお先ほど申しましたことについてもう一回申したいと思います。営業用倉庫につきまして、二十五年八月一日から今まで用いておりました運輸省できめているもので、私ども利用しておりました営業用倉庫借上料算定基準というものがありましたものを、それを運輸省が廃止されまして、一般基準によることにいたしたわけであります。その結果倉庫業者は一割程度の減額となりました。それを基準として、その次の倍率をかけて参りましために、その後の今度値上りのために影響が一層大きくなつて、非常に不利に陥つたわけであります。ところが今度接収されないほうの倉庫につきましては、二十五年七月十一日統制が外されてから、接収のものとの借上料の差が著しくなつて参りました。そんなような、状況でありましたので、借上料の要素たる火災保険料率は検査院のお話のように、保険料率が下がつたのだから下がるのが至当じやないかというわけでありますけれども、火災保険料を含む賃貸料全体として、接収倉庫については非常に他の倉庫に比べて割が悪くなりましたので、特に下げることをしなかつたのであります。内訳である保険料を下げることをしなかつた、こういうわけであります。
#45
○八木幸吉君 御説明は懇切で却つてわかりにくいんですが、つまり最初は収容品の内容が不明だつたからB級危険品の料率を適用した。ところがその後になつて入つている物が危険物でないということがわかつたから、安いほうの率を使つたらいいじやないかというのがまあ会計検査院の御指摘のように思うのですが、たとえ内容がわかつても高い率を使わなければならんのだということの納得の行く、簡単で結構でございますが、それを一つ伺わして頂ぎたいのですけれども。
#46
○政府委員(山内隆一君) 内訳をよく直して、そうして而も均衡をとればよかつたのですが、内訳の十分是正をせずに、全体から見て非常に割安になつているから、その内訳である火災保険料を下げなかつたと、まあこういうような状態でありましたので、やり方としては無論適当でない向きがあるかと思います。
#47
○八木幸吉君 つまり借賃が安かつたから、中のものが危険物でなくなつたけれども、それでバランスをとつたと、こういうわけですか。
#48
○政府委員(山内隆一君) さようでございます。
#49
○八木幸吉君 会計検査院のほうはそれで御納得が行きますか。
#50
○説明員(上村照昌君) バランスをとつたとおつしやいますが、その点については結論から申上げますと、納得か行かんということを申上げておきます。と申します根拠は、先ほどもお話がありましたが、四月十七日から統制が撤廃された、こういうものは住宅以外のものであります。住宅以外のものは営業倉庫もありましようし、ほかのものもある。ほかのものとの均衡を考える場合に、ほかのほうの場合はそういうふうなのではなくて、普通の建物としての危険料を、危険料といいますか、建物自身の火災保険料はこれは変りがないわけです。それの一定の倍率でやつてある。そうすれば中身に入れてある物もそれとの均衡を図るためには、本当に入れてある物のもともとの正しい姿に返して倍率をかけないと、そのほうの均衡がとれないと、こういうことを言うわけです。
#51
○八木幸吉君 会計検査院のおつしやるほうが私は正しいと思いますが、これで質問を打ち切ります。
#52
○委員長(東隆君) ほかに御質疑ございませんか。御質疑がないようでしたら、三十号はこれは保留になつておりますから、これを除く三十四号から四十五号までの調達庁関係の質疑は一応終了したものと認めて御異議がございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(東隆君) 御異議がないようでございますから本日はこれで散会いたします。次回は七月十五日午後一時から開会する予定であります。
   午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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