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1953/07/24 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 決算委員会 第16号
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1953/07/24 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 決算委員会 第16号

#1
第016回国会 決算委員会 第16号
昭和二十八年七月二十四日(金曜日)
   午後二時十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     東   隆君
   理事
           長谷山行毅君
           松平 勇雄君
           島村 軍次君
           大倉 精一君
           菊田 七平君
           平林 太一君
   委員
           雨森 常夫君
           入交 太藏君
           植竹 春彦君
           谷口弥三郎君
           宮田 重文君
           奥 むめお君
           岡  三郎君
           小林 亦治君
           山田 節男君
           八木 幸吉君
  政府委員
   内閣総理大臣官
   房会計課長   三橋 信一君
   大蔵大臣官房会
   計課長     木村 秀弘君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   大蔵省主計局司
   計課長     柳沢 英蔵君
   通商産業大臣官
   房会計課長   及川 逸平君
   運輸大臣官房会
   計課長     辻  章男君
   郵政省経理局長 中村 俊一君
   労働大臣官房会
   計課長     百田 正弘君
  ―――――――――――――
   会計検査院事務
   総長      池田  直君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   大蔵省管財局国
  有財産第二課長  牧野 誠一君
   会計検査院事務
   総局検査第一局
   長       池田 修蔵君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十五年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十五年度政府関係機関収入支
 出決算(内閣提出)
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(東隆君) 只今より第十六回決算委員会を開会いたします。
 本日は昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十五年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十五年度政府関係機関収入支出決算、以上三件を議題に供します。これらにつきましては去る七月二十二日質疑を終了いたしております。本日はこれら三件につきこれより討論に入ります。つきましては一昨日来配付いたさせております審査報告書案は、去る二十二日の理事会において了承されたものでありますが、朗読を省略いたしまして、これを会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(東隆君) 御異議がないと認め、さよう取計らうことにいたします。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはどうぞ御発言を願います。
#4
○八木幸吉君 私はこの決算審査報告に三つの希望条件を附して賛成をいたしたいと思います。
 その希望事項の一つは、架空経理並びに汚職事件の頻出は官紀弛緩の結果と認む。行政各長官は一層官紀の振粛を図り、誤りを繰返さざるよう厳重自戒のこと。第二は、公共事業費の濫費と災害復旧工事の粗雑なる事実に鑑み、今次水害復旧工事の査定の厳正と工事万全に特に細心の注意を払うこと。第三は、日本国有鉄道、電気通信省の電信電話事業の放漫なる経営の実情に鑑み、予算の効率的使用、経費の節約、金銭出納並びに物品の貯蔵、受払制度の整備を期し、公共企業体本来の面目を発揮するよう監督官庁において善処すること。以上三つの希望条件を附して原案に賛成いたしたいと思います。
 なおこの決算報告は、本会議で上程され且つ審議されまするときに、内閣総理大臣の出席を求めまして、この決算報告に対する政府の所信をそのときに聞きたいことを重ねてこの機会に要望いたしておきます。
#5
○平林太一君 私は本報告書に対しまして、決算委員会の使命に鑑み、深く感ずるところがありまするによりまして、反対をいたすものであります。以下その理由を申述べるものであります。
 第一に申上げたいことは、この決算に対しまする不当事項として会計検査院が指摘して参りましたもの、これに対して本委員会が事実の審査をいたしました結果、会計検査院の指摘が正当であり、妥当であることを了承いたしたのみならず、むしろ会計検査院の鑑査の事実は私から申しますれば、その峻厳が今なお足らざるものを痛感いたすことしばしばであるのであります。現にこれらを裏書きするものの事実といたしまして、当年度におけるこの批難事項は一千百十三件あるのであります。私の監査いたしました、いわゆる私の考えておりますところによりますれば、これらの事項は、事実は遥かに大きいものを埋蔵いたしておるものであるということを申上げて差支えないのであります。然るにこの件数に対しましては、昭和二十二年度におきましては三百八十六件、二十三年度におきましては六百二十三件、二十四年度におきましては七百五十件であります。これに比較いたしまして、終戦直後の極めて我が行政が混乱に陥りました二十二年度の三百八十六件に比較いたしますと、当年度におきましてはまさにその四倍にも達するであろうという多数のこの不正事項を現出いたした次第であります。かくのごときことは、国会は予算委員会におきまして、微に入り細に入り、かくのごときことなからしめることを深く考えて、この予算に対して協賛を与えておるのであります。然るにもかかわりませず、その結果におきましてはかような事態を現出いたしておりまするということは、我が国の行政の各般の中に埋蔵せられておりまするところのこの不正の事実をいたすことのできるような機構がそういうものの中にあるのではないかということさえ感ぜざるを得ません。いわんや多年伝統不滅の牙城とさえ考えておりまするこれら行政に携わりまする官僚のいわゆる勢力、官僚の築き上げたところのその一つの権力、何者からもこの権力というものは侵されがたい、侵されることはないんだと官僚自体は自負しておるとさえこれは即断して差支えない。過去の既存の事実から申しましても、そうした中にこういうことが累年増加して行くという事実につきましては、これは容易ならないことであります。私はかくのごときことは、現れましたこの事件はこれだけでありまするが、これによつて決算を承認するという気持には、いわゆる国会がこの国民の粒々辛苦たる血税の中から作り出したその税によつてこの国家の運営を委託しておるところのその官僚、これらがやつておりまするところのこの事件、こういうことが出るということになりまするというと、全体に対しましてこれは深い疑惑と危惧を抱かざるを得ない。年々減殺して行くということでありますれば或る程度これは了承ができる。決算委員会におきましては、年々こういう警告をいたしておる。ところがその警告をいたしたことに対して、二十二年度よりも二十三年度では一件でも二件でもそれが減ることによつて、警告をしたことを誠に相済まなかつたということで、それを事実の上に立証することは減るということに相ならなければならない。にもかかわらず前年度の数年間に亙るこの決算というものにおきましてこういう警告をいたしておるにもかかわらず、これが殖えて行くということは、単にいわゆる参議院の決算委員会におきましてのこの結論の事項に対しまする、政府に対する警告というものを腹の中では笑つているのではないのか、それを鞠躬如としてこれはどうも相済まんことである、かようなことがあつてはならないので、次回には一つこういうことのないようにしようということならば、これは減つて行くべきである。然るところこれが驚くべし、それでも一年くらいの間がそれが殖えているというのでありますればいいが、年々殖えている、二十二、二十三、二十四、二十五、そうすると恐らく二十六は千二百件を遥かに超した又数倍するものが出て来るであろう。二十七年然り、二十八年然り、まさに我が国民の営々たる努力によつてこの国の再建を図ろうとしておるときに、この国を側面から亡ぼすものは政府である、官僚であると申して差支えないのであります。この事実の上に現われたものを見まして、それでありまするから、これに対しては決算委員会としましての警告というものは単なる形式、単なる報告に終つては困るのである。私はこれを根本的に改革、改正するために、二十五年度のこの決算に対して賛成することはできない。恐らく多数決によつてこれらは決せられるでありましようが、願わくばこれは私は否決いたしまして更にこれを持越して、溜つてもかまわない、二十五、二十六、二十七、二十八と、決算に対しましてはあえて一日の速かさを急ぐ必要は毫末もありません。全国民の多数はかような事実を知らないから、忠実に税を納めることに対して、自己の或る場合には衣食住を滅してまでも税に対する負担に対しては従順であるのである。然るにもかかわらず、その出した税があにはからんや、かくのごとき不正不当の事実に費消されるというに至つては、これは国民の心理というものに思い当りますれば、我々は慄然としてその責任を感ぜざるを得ないのであります。巷間伝えるところによりますれば、今日世界のいずれの国におきましても、それらの事情を調べるにつきましても、恐らく我が国のかくのごときこのいわゆる政府当事者の予算の執行に当りまして、かくのごとき不正の事実があるという国は、他にいずれにその例を求むるとも、私は極めてそういう例の少いことを思わざるを得ないのであります。今回の二十八年度予算におきましても、いわゆる今回のこの改進党によりまする補正予算の内容に現われたものを見ましても、いわゆる行政諸費において九百二十億円、これらを百億円を減額いたした。それが補正予算として今参議院の予算委員会において審議されておるのでありまするが、そういう事実がある。百億というそれは削減をすればそれだけできるのである。而も行政諸費が二十五年度においては五百億円程度のものであつた。それが二十六年度、二十七年、二十八年というふうになつて今度は倍の九百二十億円内外になつておる。昨日も或る知人からの話によりますると、英国政府においては官庁で使つておりまする封筒、この封筒に対して、表にいわゆる官庁用封筒として、そうしてその封筒に対しては官庁内部だけでその封筒が通信として利用されておる、そのときにはその表面に、次に又使えるようにいわゆるその封筒を全部使わずにその一部分を第一回には使つて、そうして第二回目にはそれを消してそれを更に使つておる、封筒を私用等にすることは厳禁しておる。これはいわゆる決して我々は他の例をのみまねるものではありません。併し英国政府においてはかような事実をしておるということを聞くにつけましても、これは決算に現れた不正事項以外に如何に無駄な浪費、それからそういうものに関心を持たないで費消をしておるものが九百二十億に達する、その何割かを占めておるというわけです。一割を占めた場合でも九百二十億円というのでありますから九十二億円でありますが、とにかく百億円というものが減殺されたということは思い当ることができる。まだそういうようないわゆる何ら反省しないふしだらな秩序のない行政諸費の使い方をしておる半面、なお且つまだこういう不正事実を、不正事態を惹起するというに至つてはこれは容易ならないことである。今日決算委員会がその使命としてこういうことを、事実を事実としてここに現わしてその反省を政府に求めるのでありまするが、当事者はさらでだに二十八年度における一兆億円になんなんとする予算の執行というものに対しては、一兆億円というものはこれは予算の数字上なれておるから案外楽に扱つておりまするが、この一兆億円はいわゆる十円、二十円の税金から、百円二百円のその税金による国民の粒々辛苦の血税である、そういう数字を考えて見ると、一兆億というものはなかなか容易なものではない。私はこういうものを数学的に実質的に考えて見て、そうしてこの銭金に対する価値というものはこれは我が国の政府当事者というものは極力考えてもらわなければならない。銭金の価値というものをただ紙面に現れた上だけで数字で考えておるから何らの刺激がない。兆億円という金は容易ならざるものである。そうなればこの執行、この使い方というものに対して如何に厳粛な態度を以てこれに臨むか、臨めばこういう事態は起きないのである。これが反省せられなければ如何に我が国の国民が優秀にして世界の民族に劣らないところの勤勉であり、正直であり、清潔であり、秩序正しく、そういう立派な民族性を持つていることについては人後に落ちない。併しながら如何にこれは働いても働いても、その働いたところのその余力というものを日本政府の手によつて、日本政府に携わる官僚の反省せざる、不届きなるこの態度によつてこれが三割、四割というものが消費されておる。その消費されるところの三割、四割が減税せられるところにおいて、我が日本国民というものが生活の安定を求めることができるのである。国家全体において二割くらいが税金としてこれを若し減額することでありますれば、いわゆる大衆課税なり、少額所得者の税金なんというものは直ちに全部免税ができるのである。免税ができればどうなるか、大衆というものはすでに間接税によりまして、負いがたき税金というものを国家のために負担している。だから所得税というようなものは最低所得者にとつては取つてはならないのである。ところが今日は最低所得者と見なされる大衆にまでその税がかけてあるのである。直接税の七割は大衆課税と見て差支えないのでありますから、だからそれが三割減ればどうであるか、日本の大衆国民というものはそれによつて生活の息がつけるのである。その三割を、いわゆる我が国の行政機構の複雑さ、我が官僚の長年に亙るところのその仕組みによつてこれが安易に使われておる。官僚のみ栄えて大衆栄えざるということは、政治方式において共産党の政治方式である。実に我が国が共産党というものを排撃しておるが、今日のようなかなかのごとき事件が次々に起きる、不正事項が次々に起きるということでありますれば、いわゆる共産党と同様なる政治方式があにはからんや我が国の官僚機構の中に、行政機構の中に伏在するのであるということを私は国民的見地に立つて言わざるを得ないのであります。共産党を恐れるよりもこの複雑なる浪費、複雑なる不正のこの予算上の執行におけるこの使い方をしておるところの我が国の行政機構の根本的の改革をしなければならん。同時にこれに携わるところの官僚の人事、人物、思想というもの、それを改めさせなければならない。それが以て今日の我が官僚に対しまする、これに百年の生命を与えるゆえんである。又国栄えるのゆえんである。今日我が国のかくのごとき官僚の機構を便々としてこれをそのままに放置することは、曾つて我が国の軍隊が盛んなりしときに、いわゆる軍隊によつてその国が支配される、そういうことを認めたが、その反省することを国民が見逃したから軍隊も亡び国も亡びたのである。私は同様の意味におきまして、今日の我が国の官僚を救うには、この官僚機構を改革し、又官僚の持つておる思想というものを心から改革せしめるということが官僚を助けるところの我々が国民としての最大なる慈悲であるということを強く申上げるものであります。それによつて官僚栄え、国栄える、国栄え、官僚栄える、国民も共に栄える、こういうことを私は希うのであります。故に極めて言峻厳なるものあることは忍びがたいものでありまするが、この場合以上の意見を付しまして、この程度においては二十五年度の決算というものは承認しがたきものであるということを表明いたしまして、これに反対をいたすものであります。
#6
○奥むめお君 二十五年度の決算報告は条件付きで賛成いたします。議会が新しく開かれますたびに、総理大臣の施政方針演説は綱紀粛正を調わんときはないのでありますけれども、決算批難事項を通して近年の報告を見ておりますと、年々非常な勢いで不正左事件が続出しているということは、若しもこれを一つ一つ国民が直接知ることができたら、誠に税金なんか払うのいやだという気持になると思います。これは血税を納めている国民としましては非常な問題だと思つて、私も熱心に審議に当つて来たと思うのでありまするが、近年政情が不安定であります。そのことは半面におきまして、官僚の非常なる支配、又はほしいままにするという非常にいけない事実が出て来ておると思います。これが批難或いは不正事項をあつちこつちで発生させておる原因となつていると思うのですけれども、私ども決算委員会を通して見ておりますと、国の予算というものはもつと決算の結果を通して国の予算というものは非常に編成し直すべき問題が多いと思う。金の使い方というもの、ただ予算を分捕りするだけが国会議員の能ではないのであつて、むしろ国のお金を如何に有効に、成るべく少い金でたくさんの国民生活のために、又国民の心要な面にたくさん早く金が行き渡つて有効に使われるということが一番の国会の関心の的でなければならないと思うのですけれども、予算分捕りに非常に熱心な半面には、各省取らなければ損だというふうな気持で、取つてしまえばあとは非常に杜撰な金の使い方をしているということが決算に現れている一部だと思う。恐らく決算の報告というものは何十分の一にしか過ぎないんだ。もつともつとたくさんの国費が無駄に使われているに違いないと私は考えますので、こういう問題を通して今日の国会のあり方、又委員会のあり方、予算の組み方というふうな問題を本当にみんなで真剣に検討しなければならないのでございますけれども、今日の二十五年度の決算の報告につきましては、各省が今までどの省もこの批難に当らなかつた省というものはないのでございますが、もつと虚心に、もつと厳粛な気持でここに現れておりました問題、或いは現れない問題、そういうふうな批難される問題につきましては、もつと真剣にこれから改めて、これからはそういう事件が再び起らないという決意を示してもらわなければならないと思うのでございますが、私はこういうことを考えますために、条件付き賛成ということで本案に賛成、承認したいと思います。
#7
○小林亦治君 私も条件付きで本案に賛成したいと思うのであります。結論を異にしますが、今までの各員のおつしやつた内容は全く同感なんです。特に平林委員の御意見には全面的にこれは賛成なんであります。そこで不当経理に対するところの政府当局の責任感をより層厳重にこれを求めること、第二は犯罪的な不当行為があつた場合にその処分ですが、これを更に一般の刑罰法規を考え、一般の刑罰理念を考えられてでありましようが、実行に当つたというので極く下級の官吏に対しては相当重い処罰をしておる。行政的にはより重要な責任を持つているところの上司には殆んど何らの処分がなされておらない。処分があつたとしても軽いところの訓戒程度で処理されておる。かようなことでは私どもが二十三年度の決算を審査するに当つて強く要望したところの注文というものは一向に未だに果されておらないということに相成りますので、それらの二点について委員長から政府当局に対して厳重なる警告をお与え下さるように申入れをいたしまして、私は本案に賛成したいと存じます。
#8
○長谷山行毅君 私は本案を承認することに賛成いたします。二十五年度の決算を審議いたしますと、確かに只今いろいろ御論議、御意見が発表せられましたように、公務員の遵法精神の高揚、又綱紀の粛正ということが非常に大事な問題でありまして、経理の厳正を期さなければならないのでありまして、そうして国費の有効適切な使用と、不正の発生を未然に防止しなければならないことは勿論であります。そういう意味におきまして、先ほど平林委員が憂国の熱情を以て吐露されました厳粛なる御意見の御趣旨に対しましては全く同感でありまするが、ただ同委員のおつしやられたことの中に私は多少考えを異にする点があります。それは累年不当事案が増加しておるといふことでありまするが、これは確かに会計検査院で指摘された件数においては非常に多くなつておるのであります。併しこれは一般の行政機関が全部綱紀が弛緩して遵法精神もないためにかような事項が増加しただけとは見られないのではないかと思うのであります。私はこの件数が多いということは、一つには会計検査院の制度と申しますか、検査機関が整備されて、又その能力も向上した点が一つだろうと思うのであります。なお又これは会計検査院の検査方針の重点の置き方ということによつても変つて来るのではないかと思われます。又これは件数においては確かに非常に多くなつておりますけれども、終戦直後の二十二年、二十三年、二十四年のこの決算委員会に現れて審議した事項に比べますれば、私は不当事項の金額の総数は遥かに減じておると思うのであります。この点につきましては、たしか会計検査院長からのお話でしたが、会計検査院のほうでも漸次改善されつつあるというふうに言われておるのでありまして、さような意味では、二十五年になつて非常に不当事項が多くなつたということはむしろ当らないのではないかと思うのであります。併しながらいずれにいたしましても、我々としてはこの不当事項が根絶するように、大いに経理の厳正を期してもらわなければならないと思うのであります。その意味におきまして、先般理事会で決定を見ました決算委員長の報告の案にありますような二点を強く内閣に要望いたしまして、本案を承認したいと思う次第であります。
#9
○大倉精一君 私は条件を附けて、二十五年度決算に関する報告書について原則的な承認をしたいと思つております。
 私は初めて決算委員会というものに来まして非常に驚いたことは、この大切な国家予算を使われる中で余りに厖大な不正事件、或いは疎漏な取扱い方というものをまざまざと見せつけられまして、全く意外な感じをしておるわけであります。殊に日本国民が最も大きな関心を持ち、直剣に考えておることは、生活の安定ということであろうと考えております。而もこの生活の安定を考えておるとろの国民が現在非常に高い税金で以て生活の苦しみに喘いでおる。こういう中から国民の膏血をしぼつたところのこの尊い税金で以て賄われておるところの国家財政が、このようにして年々累加されるような不正の傾向、或いは不当の傾向というものは、我々としてどうしてもこれは黙認できないところであると考えております。殊にこの不正の内容、或いはこの中に潜在しておるところの不正はまだまだたくさんあろうかと思いますが、中でも下級官吏と言いますか、いわゆる一般の官吏の不正につきましては、これは或いは生活条件なり、或いは職場の環境なりというものによりまして、同情に値いする点はたくさんあると思つております。併しながらこのような不正を生ぜしめるところの監督の疎漏と言いますか、監督の任に当るものの良心というか、そういうものについて私は質疑応答の中から非常に大きな疑惑を持つております。而もその責任の所在というものが甚だ明確になつていない。こういうようなことは我々としても徹底的に追及をしなければならんと考えております。特に先ほど平林さんのおつしやつたことについては私は深く同感をしておるものですが、特に上級官吏の不正、或いは監督の責任者にあるところの不当不正というものについては徹底的に剔抉をしなければならんという工合に私は考えております。従つて今後この監督の厳重、適正ということ、それから責任の所在の明確ということ、そうしてその責任は明らかにとつてもらう、こういうことを委員長から政府のほうへ厳重に申入れをされまして、そうして今後このような不正が絶滅を期するような方向に向つて行くように要望しまして、原則的に承認を与えたいと思います。
#10
○委員長(東隆君) ほかに御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(東隆君) 御異議がないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十五年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十五年度政府関係機関収入支出決算、この審査報告書案の通り議決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(東隆君) 多数と認めます。よつて昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十五年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十五年度政府関係機関収入支出決算は多数を以てこの審査報告書案の通り議決することに決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四条によりあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、一昨日来配付いたさせました委員長報告案につきまして、去る二十二日の理事会において承認を得ておりますので、この案を基として只今の討論中にあつた希望意見等を含め、報書案の作成を委員長に御一任を願いたいと存じますが、さよう御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(東隆君) 御異議がないようでありますから、そのように取計らいます。
 それから本院規則第七十二条により、委員長の議席に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、只今議決することに賛成せられたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    長谷山行毅  松平 勇雄
    島村 軍次  大倉 精一
    菊田 七平  雨森 常夫
    入交 太藏  植竹 晴彦
    谷口弥三郎  宮田 重文
    奥 むめお  岡  三郎
    小林 亦治  山田 節男
    八木 幸吉
  ―――――――――――――
#14
○委員長(東隆君) 次に、昭和二十六年度決算三件を議題に供します。本日は会計検査院検査報告批難事項、大蔵省関係の続きを問題に供します。
 先ず百十一号から百十七号、百二十九号、百三十号から百三十二号までを問題に供します。専門員の説明を求めます。
#15
○専門員(森荘三郎君) 只今議題となりましたものの中で、先ず最初に百十号から百十七号までについて申上げます。
 これは鉄くずなどの売渡しが不当であるという検査院からの批難でありまして、これと同じ種類のものが前年度にもたくさん掲げられておりまして、それは前年度の検査報告の百四十九号から百五十九号までの間に多数の問題が掲げられているのであります。どういうわけでこのような問題が起るのか、その全体についての説明が会計検査院の検査報告の八十六ページに記されておりまするので、これを見て頂きますればその全貌がわかろうかと存じまする。なおそれに対して内閣から提出されておりまする説明書のほうを見ますると、それの五十一ページから五十二ページへかけまして、一応の説明が掲げられているのでございます。
 さて一つ一つの問題について申上げまするが、百十一号は鉄くずを売渡したのでありまするが、実貫契約ということでありまして、実際引渡したその数量を一々看貫いたしまして、最初の契約よりも超過しておるならば超過分は追徴する、こういう約束のようであります。さて実際に引渡しました数量が当初の契約に比べて若干多かつた、然るに財務局のほうでは代金の徴収決定が甚だ遅いということが批難されているのであります。
 当局の答えは、遅かつたことは誠に申訳はありませんが、そののちこれらはすべて徴収済みになつておりますということを述べております。
 その次の百十二号は、舞鶴方面での問題でありまするが、地下に埋没されておりましたケーブルを或る会社に発掘をさせた。そうしてその会社に随意契約でこれを売渡した。そこまではまだよいのかも知れません。尤もそれについて果してそれが適当であるか、それとも競争入札にすべきであるかという点について、検査院と当局との間に多少の見解の差があるやに見受けられまするが、併し当局の説明書を見ますると、本件は予算決算及び会計令臨時特例第五条第一項第十七号により随意契約によつて一括処分ができるものであるということが善いてありまする。さてその点から続いてその内容に入りますると、検査報告の八十八ページの第一行目に出ておりまする通りに、これだけの分量のものを三回に分割をした、而も同じ人に三回に分割をして売渡したということは如何にも脱法行為のような意図が見える。それが甚だ面白くないというふうに記されておるものと見受けます。それからその価格につきましても、これはわかりやすいようにガリ版刷りで比較対象をいたしておきましたが、当局の認定価格のほうを上に掲げまして、それに比べて大阪の市場価格が下のほうに出ております。両方を比較いたしますると、どの程度認定価格が低いのであるかということがおわかりになろうかと思います。その低い理由につきましてその紙の裏のほうに書いておきました、業者側に対してマージンとして二五%を認めたというのが当局の答えでありまするが、検査院の認定では実際にはこういう場合にはこれを認めない取扱いになつておると言われます。その次に当局はこの埋没しておりました地下ケーブルを発掘するための費用その他いろいろな経費のために1トン当り三万九千円余りを認めて計算して、それだけ値段を引いて売ることにしておりまするが、検査院の見るところによりますると、ほかの所へ売つたものについては、こういうために要する費用として一万円だけしか認めていない。従つてそれだけの差額をこの際何故に多く認めたのかという批難のようであります。結局金額にいたしまして百二十二万円だけ安く売払い過ぎたというのであります。そうしてなおそれに附加えて、その代金の約半分が収納遅延になつておるという批難であります。
 これに対する当局の答えは、法律の適用を誤まつたということと、価格を調査するのにその調査が不十分であつたと言いまして、結局のところ検査院の指摘を全面的に認めて、遺憾の意を表しておられるものと見受けられます。
 その次の百十三号は、くず鉄を八幡製鉄会社に売渡したのでありまするが、四月一日に鉄くずの統制が解除になつておる。従つて値段はもつと高くなつておるわけでありまするが、実際鉄くずを売買されたのは四月及び五月であつた。そうすれば売渡し当時の市価は四月、五月のときに高くなつておるものでありまするから、その高い価格で売払わなければならないのに、これより先まだ統制がありまする間、二月に改訂された統制価格を適用して安く売つた。これがために八百余万円の損をしているという批難であります。
 これに対する当局の説明は、三月の末に売買契約はすでに決定されておつたのであつて、ただ手続きが遅れたために形の上では四月及び五月になつておる、併し実質は三月のことでありますから、二月改訂の統制価格を適用するのが当然である、こういう弁明であります。それに対して検査院は三月の頃には実際の取引価額は統制額を遥かに上廻つておつた、そうして四月一日から統制が解除されるということはもうわかりきつた必至の情勢にあつた、そのことを知りながら三月の末に何故に取急いで売渡しの決定をする必要があるかという批難が重ねて述べられているのであります。結局この百十三号は当局と検査院との意見が対立のままで残つているのでありまするが、先に申上げましたように、前年度における批難事項の中にもこれと極めて似寄つたようなケースが若干あつたことを記憶いたしております。
 その次には百十四号乃至百十六号というものを一括いたしまして、これは賠償指定となつておりました国有の機械器具類を連合国軍のほうからスクラップにしてしまうということを条件として賠償解除になつたものでありまするが、こういうような品物は従来保管をする場合にも非常に注意して保管がされておつたのです。本当に勿体ないような品物を無理にぶちこわすというようなものでありまするから、上級品が、上等の品物が相等多いはずである、ところが当局がこれを売却する際には上級品を極く少く見ておる、下級品を多く見積つて結局安い値段で売却をしておる。その実例としまして次の三件が挙げられているのでありまするが、百十四号の問題は、売渡したほうの計算では一級品というものを九十九トンしか見ておりません。買付けたところの八幡製鉄の取扱いを見ますると、五百六トンも一級品として整理しておる、それで二十九万円の損がここに現れる。
 次の百十五号を見ますると、当局の認定では上の欄に掲げました通りに、並故銑、よう解用二級品などというものが上に書いた通りの数字になつておりまするが、実際買付けたほうの取扱いを見ますると、並の故銑と言われるものが上等の故銑として扱われておる。よう解用の品物のごときは三種類に分けまして、非常に上等品の中へ大部分が入つておる。従つてこの価格を計算すると、百万円くらいは安く売り過ぎておるという批難のようであります。
 次の百十六号を見ますると、これ又上と下とを比べて頂けばわかりまするが、かように上等品として高い値段で売るべきものを安く売り過ぎておるので、この場合には二十万円の損が現れておる、こういう批難であります。
 これら三件に対して当局の説明を見ますると、当局は日本標準規格によつて等級を決定したのである、従つてその点この物差しから言えば少しも間違いがない。ただ買付けたところの会社のほうでは当時鉄くずが非常に需要が多くて品物が払底であつたというような場合でありまするから、高い値段で売るために違つた標準でこれを検収するというふうにしたので、そういう事情の下に買受人と売払つた政府との計算が合わないけれども、政府そのものは決して間違つたことをしておるのではないという弁明であります。なおそれに附加えてこういうことを言つておられるのでありまするが、こういうものの売り方はいわゆる仕切り売りと称するものでありまして、そこにあるこの一山を幾らで売るというような形の売り方をするものでありまするから、損をするときもあり得をすることもありまするが、検査院の御指摘になつておりまするのは損をした場合のみを取上げて御指摘を受けております。成るほどそれだけを見てもらえば確かに悪いということにはなりまするが、すべての場合がこういう場合ばかりでもない。全体を御覧を願いたいというような希望を附加えて述べておられるのであります。
 それから次の百十七号は、これは最初に契約いたしましたものに附加えてあとから品物が出て来たものがありますので、それとも一緒にしてしまつて当局では売却をされたもののようであります。従つて引渡した数量は初めの契約よりは超過いたしますが、その追加部分を徴収するに当りましては、最初の契約と同じ単価で売渡している。検査院の見るところによれば、これは最初の売渡しのものとあとから出て来たものとは別途に売買契約すべきものであるというのが検査院の御指摘であります。これに対して当局は、あとからそういうくず鉄が出て来た事情があるということを述べておられます。それは説明書のほうに出ておりますが、百十七号のイロハのイのところに、本件は警察予備隊が駐屯するための設営所構内に散在するスクラップを清掃し、これを池又は塵埃捨場に投入する等の措置をとりつつあり、残余のスクラップも投入される虞れがあつたので、至急売払いを必要としたため一括入札に付したものである。その結果埋没しているものの数量が確認ができなかつた点などもあるし、精算契約をした関係上、数量不足の際の払戻しなどを考慮し見積数量の八割を採用したことにより、実貫数量が見積りの量を超過することになつたとかいうようなことを弁明しておられまするが、検査院では、超過数量が余りにも多いではないか、最初の契約数量が相当あつて、若干の超過というならば話がわかるけれども、非常に超過が多いから、その点から考えても別途の契約にすべきものだという御意見のようであります。それから又検査院は、内訳の単価は入札のときの買受人の見積単価である、その見積単価を最後の精算の場合の単価にそのまま用いているが、これがいけないと言われるのを、当局のほうでは、契約書の中に超過する分は入札の単価により精算すると書いてあるから、その通りにしたのであると言つておられます。
 それから検査院では、当時の市価はもつと高いのに割合に安く売つたのではないかと言われるのに対して、当局では、入札価格にいろいろな費用を考慮に入れなければならないので、費用のかかる点を考慮すると、市価に比べて不当に安かつたというほどではないと言われております。
 最後に追徴すべき代金の中に未収納のものが五十万円ほどあるというのでありますが、当局はこれについては回収は努力中であるという答弁であります。
#16
○委員長(東隆君) 会計検査院のほうから説明を願います。
#17
○説明員(池田修蔵君) 只今問題になりました鉄くず等の売払いのことでございますが、専門員の御説明によりまして、おおむね事態の内容ははつきりしておりますので、特に附加えては申上げません。このうち只今の検査院と当局の意見の食い違つている点が二、三述べられたのでありまするが、その中で最初から申しますと、百十三号について申上げます。この統制価格が四月から撤廃になりまして、売つたのが四月と五月でありますが、大蔵当局においては交渉はその前からやつておつたからして、そのときの価格でやつた、契約の日付があとになつているのはその手続が未済であつたからだというような御説明のように思いますが、実はそういう前々からの実際の話合いの契約はできておつたかも知れませんが、昭和二十四年頃から統制価格は逐次改訂になつております。それはつまり市中の物価が順次高くなつて行きますので、それを迫つかけ追つかけ改訂になつたわけでございまして、而も四月から撤廃されるということは市中の新聞そのほかによりますと、三月の中旬頃にはすでにとてももう統制価格は維持できないということで、撤廃されることは必至であるというふうな記事もあつたのでございますし、スクラツフの値段はそのまま統制価格によつておりましても、製品のほうは撤廃したのでありますから、製品は高く売れるわけであります。そこでマル公以上の市中の実際取引の値段で買いましても、業者はそれを製品にして売るときには、統制価格はありませんから高く売れる。そこで材料を高く買つても引合いますから、非常な買漁りをしまして、実際の価格はどんどん上つて行く、それに応じて従来統制価格も逐次改訂しておりましたが、殊にその三月の中頃には材料たるスクラップの統制価格も廃止になることは必至だというふうな新聞記事も出ましたことでありますから、どのくらい先に話が出たのか知れませんが、多分三月中じやないかと思います。そうしますと、すでにそういう情勢もわかつているときでありますから、もう撤廃になれば市価の値段で売れるということは予見ができるはずだ。仮にそういう将来撤廃になるかどうかということは、新聞記事程度で予測することはできんという御意見でありますれば、それもそうでございましよう。ございましようが、将来マル公の変更があつたときには、そのマル公が高くなればそのときの価格でやる、或いは撤廃になつて市価で売れることになれば、それは市価で売るぞというような条項を契約条項の中に入れておきますれば、撤廃なり或いは改訂のあつたときには、それによれるのじやないかというふうに考えましてそういう心尽しを以て契約をしておけばよかつたのじやないかということを考えた次第であります。
 それから百十四号から百十六号までは、これは材種別の見込が違つておつた。というのは、数量は例えば百トンなら百トンという数量は動きませんが、その中に一級品が実際多かつた、二級品は少かつた。ところが売るときの見込の価格をきめましたときには二級品が多く一級品は少いものとして価格を算定しまして、そうして予定価格を算定されたわけでありますが、実際の会社で受入れた側で調べて見ますというと、実は一級品が多くて二級品が少かつたのだ。そこでこれは私のほうで調べますときには、会社のほうの受入れもやはり日本標準規格によつて受入れているという説明でございます。それに級品と二級品の区別でございますが、これは現物がもうすでに熔解されて残つておりませんから、現物でそれを確認するということはできませんけれども、会社側はとにかくそういうふうにして受入れているということでございます。それでは売る前にその判断がまずかつたかどうかという問題でございますが、例えば銑のくずでありますると、二級品というのは大体鍋釜とか五億の類でありまして、官が売りましたのは機械のくずとか、或いは工作物とか、ガソリンタンクとか、そういうふうな比較的工作物とか道具とかのくずでありまして、常識から考えてもこれが二級品ではなかろうということは大体想像がつくわけであります。それから鋼にしましても、大体そういう想像がつきますが、現物で確認しろと言われますと、現物が熔解されておりますからわかりませんので、会社側の受入の実績から持つて来た、こういうことでございます。以上を以て説明を終ります。
#18
○説明員(牧野誠一君) 只今の百十一号から百十七号につきまして若干附加えて申上げたいと思います。
 説明書の五十一ページから五十二ページにかけまして、百十号から百十七号につきまして総括的に述べてございますが、これは鉄くずの問題は昨年二十五年度におきましても、只今森専門員からお話がございましたように、相当な件数が会計検査院から本報告に出しまして相当問題になつたのでございますが、これは大部分が賠償に指定されておりました機械類でございます。それ以外の散乱しておつたくず鉄というようなものも若干ございますけれども、大部分はそうでございます。それでこれらにつきまして、当時の司令部の許可を得まして、この許可を得ますのに早いもので一年、遅いもので二年以上時間を要しまして、それで許可を得ますと、九十日以内にくず化して、その結果を当時占領軍が各府県に民事部というものを持つておりましたが、その民事部の担当官が検査をしに行くということをやつておりました。それで九十日という日数は相当我々としては短い日数であるわけですが、この間東京でその書類を受取りまして、それをすぐ財務局へ送りまして、財務局で処分をする。それで機械をぶちこわして、炉に投げ入れられるということが確実であるという段階までこわされるところを確認する。それが九十日であるということであつたわけでございますが、而もこの二十五年に朝鮮事変が始まりまして以来、非常に鉄類、或いはその他の非鉄金属類の値段が暴騰いたしまして、或いは又ときによつては下つたこともございますが、大本大勢として非常に上つておりました。一方鉄などにつきましては、鉄製品の公定価格は廃止されまして、それからくず鉄の値段だけは統制が残されておつたという妙な形になつておりました。この点につきましては、当時経済安定本部、或いは物価庁、通産省などいろいろおかしいじやないか、成るべく早く一本に、製品の統制がはずされるならば原料も統制をはずすべきである、こういうようなことを我々としては主張を続けて来たわけでございましたが、併しかなりこの時分の統制価格というものは市価と申しますか、闇値よりは安い値段で順々に改訂されながら、二十六年の三月の末に、四月一日から統制価格を廃止するということがきまつたように覚えております。それでこのくず鉄或いは非鉄金属類の売り方につきまして、我々のほうも時間的に急いだ。ところが当時やはり統制経済がかなり残つておりまして、こういうふうに処分してほしいとか、どこはくず鉄が非常に足りないとか、どの地方は余つているというふうないろいろな意見が各省から出て参りまして、その間に入りまして、この一年年間に約二十万トン近くの鉄類を処分しておつたかと思つております。それをやつて来たわけでございます。これを競争入札で財政法の原則通りやるということでかなりやつた部面もございます。ところが統制令違反であるということで警察に役人がつかまりまして、いろいろ調べられたというような事例もかなり発生いたしまして、それで我々のほうといたしましても統制価格があります関係上、競争入札でいつでもやれとにわかに言い切ることもできませんので、随意契約で行くという方法も認めたわけでございます。そういうような段階で処分されて参りました。それで価格の評定とか、或いは数量の確認とか、財務局での取扱いが片方は随意契約より、片方は入札によりというように取扱いが区々になつた点がございますが、これは我々は当時一生懸命にやつたつもりでございますが、若干遺憾な点があつたというふうに存じております。
 次に百十一号から順々に申上げますが、五十二ページの説明に書いてございます百十一号、これは小倉製鋼株式会社、八幡製鉄株式会社、これらについてそれぞれその代金は収納済というふうに相成つております。
 それからその次の百十二号、これにつきましては、この時分鉛とか或いは銅とかいうふうなもの、これは統制価格はなかつたわけでございますが、朝鮮事変発生以来色物とか称しまして、この非鉄金属類の値段がぐんぐん上つて行つた。それで地方により市価の上り方にも随分と区々なものがあつたように思います。それでなかなか価格の判定というものは当時としては、その波の中にいるものとしては非常に困難であつたろうというふうには存じますが、会計検査院が指摘しておられます通り、値段、或いは発掘費等について我々のほうも調査が粗漏の点があつたということを残念に思います。それから適用の条項、随意契約をやる際の適用の条項、これは説明書にも予算決算及び会計令臨時特例第五条第一項第十七号により随意契約によつて一括処分ができるものであるが、としてございますが、これは沈船とか、或いは地中に埋沈しておりますもの、これを発見した者に調査を許可しまして、その結果その者に随意契約で売るということができるという条項があるわけでございますが、本来本件については随意契約でやるといたしますれば、この条項を適用すべきであつたと我々存じますが、それを五十万円ずつというようなことで本来一緒にやるべきものを三回に分けて随意契約で売つてしまつたというようなことは、その処置誠に当を得ない、私どももそう存じます。誠に残念であつたと存じております。
 その次に百十三号、五十二ページの一番うしろの行に書いてございますが、これにつきましても、今検査院のほうから御説明ございましたけれども、先ほど申上げました通り、当時統制価格と闇値というものは相当開いておりまして、これについてはいろいろ問題もございまして、国会でもたしか取上げられまして、私の記憶では、このとき三月三十一日に統制価格の廃止をする際に、たしか国会の通産委員会で相当激論が闘わされたように覚えております。そうしてその日の夜、明日から統制価格を廃止するというようなことが物価庁から告示になつて出たというふうに覚えておりますが、それでこの件につきまして価格の改訂ということは、これは大蔵省の役人としては到底予断はできなかつたというふうに存じております。
 その次に五十三ページの百十四号から百十六号まででございます。これは日本標準規格によつて大蔵省としてはやつたということは、これはどうもこうせざるを得なかつたのじやないかというふうに今でも存じております。これは機械の専門家なんかに当時聞きましてもいろいろ意見の相違がございまして、どの程度これから何が出るというふうなことは、これなかなか人によつても意見が違いまして、物価庁は公定価格を作る際に採用しておつたのであつて、政府としては一般に使われておつた日本標準規格というものによらざるを得なかつたというふうに存じております。ただあとで会社に行きまして、いろいろ妙な、若干これと違つたようなことで検収されておつたということは、これはどうも財政収入というような点から言えば、残念なことであつたというふうに存じます。
 その次百十七号でございますが、これは当時警察予備隊が突然宇治の元の火薬工廠でございますが、あそこへ入ることになりまして、それでここにちよつと書いてございますが、いろいろ清掃作業を始め、それから又建物などもこわしたり直したり、いろいろ始めたわけでございますが、これは財務局としては当時予備隊が入ることを認めておらなかつたわけでございます。当時司令部の民事局というのがございまして、あれが予備隊を引き廻しまして、お前はここへ入れ、お前はここへ入れ、明後日までに入れというような話で以てこれが始まつたわけでございます。それで財務局としましても、大急ぎで池の中に捨てられたのでは意味がないということで一括入札に付した。その結果少し見積数量が内輪に過ぎまして、数量がかなり実貫した結果超過したということに相成つたわけでございますが、これは入札の条件で、入札の価格で精算をするということに相成つております関係上、これは止むを得なかつたのじやないかと存じております。ただ代金が十分うまく入りませんで、現在まだなお四十九万六百五十円が未納になつて残つております。これについては取るようにいろいろ努力しておりますが、これから先もちびりちびりという程度で入つて来る程度じやないかというふうに思われます。
#19
○委員長(東隆君) 御質疑ございませんか。
#20
○八木幸吉君 百十三の統制価格撤廃を見越して安く売つたという今のお話なんですが、私官庁のほうの仕切たりは存じませんが、普通であれば、三月はこれは年度末でありますから急いで契約書を作つて、そうして渡さなくても渡したようにして物をきめるというのが大体決算面で私は見ている官庁のやり方のように思うのですが、逆に話は三月にきめておいて四月になつてから正式の契約書を書いた。而も統制撤廃で品物は上るということは大体誰もが想像しておつたということになれば、少くともかようなものを払下げる衝に当つている人は、大体経済の、物価の上り下りについては一応の常識をお持ちになつておつたと思うのですが、今の御説明を伺つても少しも納得ができないのでありますが、当時この衝にお当りになつたかたに場合によれば一度おいで願つて話を聞いてみたいような気もいたすのですが、その辺なお重ねて納得の行く御説明を頂ければそれに及びませんけれども、伺つてみたいと思います。
#21
○説明員(牧野誠一君) この百十三号につきましては、四月と五月に契約をいたしておりますが、中国の財務局の管内ではかなり海軍の工廠がたくさんございまして、呉、光、徳山、陸軍の岩国と、たくさんございまして、くず鉄を処分した量というのは中国の財務局の管内では非常にこの年多かつたわけでございます。これはその前の年の暮頃からくず鉄の在庫調査などを通産省がやりまして、それで大蔵省もこれに協力したわけでございますが、それで在庫数量を出しまして、在庫については十分に活用する、併しなお且つ足りないから、アメリカからの輸入を頼むのだというようなお話でいろいろ資料を作りましてやつておつたわけでございますが、それで当時中国の財務局は相当ほうぼうの工廠からくず鉄をどこへ売るというふうな話を実行いたしたわけでございますが、その際に十二月、一月、二月、三月、四月、五月というふうに実は年度を跨つたわけでございますが、くず鉄の需要供給の関係上、非常に要望が強うございまして、それで統制価格はまさにございましたので、この統制価格で売るという話にして、数量の割当その他これは大蔵省だけでやつたのではございませんが、ほかの役所ともいろいろ相談をいたしまして、順々にやつたわけでございます。それが非常に数量が厖大でございましたもので、これは言訳に類するようでございますが、一部四月、五月に延びてしまつたものがあるということでございます。それから価格の点でございますが、これは一月、二月、三月頃などは随分各地の警察で鉄屋をつかまえまして、当時の統制価格違反であるということで経済調査庁、或いは警察と一緒になりまして、相当逮捕されたというような事例がございまして、それで統制価格でどうしてもやらなければならんということで、厳重に我々は当時当局からは要望されておりまして、中国ではございませんが、ほかの財務局では局長や管財部長が警察へ引張り出されてつるし上げを食うというようなことも現実にございました。それでどうしても統制価格は国が定めたものであるから守らなければいかんということで、統制価格でこの数量を売るということで話が進んでおつたのでございます。三月の三十一日に統制が廃止になりまして、四月、五月というものはこれは混乱の時代というように感じられまして、これは三月までは闇値は高い。呼び値というのは非常に高い値段から或る程度妥当と思われるような値段までいろいろな区々な値段がございましたが、四月、五月になりましてから、然らば統制が廃止されてどこへ値段が落着くかということは、これは東京におりましてもなかなか見当がつかなかつた。それでどの程度の値段でくず鉄の値段というものは落着くものだろうかということは、統制を廃止してみたけれども、よくわからないというようなことで、五月の末頃に大体くず鉄の値段はこの辺が妥当じやないかというようなことがはつきりして来たのじやないかというふうに思つておりますが、それで地方におります中国の財務局の者にいたしますと、統制は廃止になつたが、統制価格というものはいいものだといいますか、合理的なものであるというふうに当時まだ思われておつたと思います。それでそれが呼び値としてはいろいろある。併しこれが上るものなのか下るものなのか、どの程度で落着くのかということについては、ちよつと出先の財務局などではなかなか見当がつかなかつたのじやないかというふうに思われます。
#22
○八木幸吉君 私は官庁の払下げに統制価格以上の闇をやれというようなことは毛頭考えませんから、その点は論題の外になりますが、併し一方考えて、さように闇値が高いなら、従つて物の需要から統制価格以上に非常に上ると見られるので、どうもあわてて統制価格で契約をするという必要がないと思いますのが一つと、それから仮に需要者のほうで非常に要求があつて、早さの上から言つても早く動かさなければならんというなら、三月に売渡しをしている、そうして契約書は何らかの関係で四月になつたというならかわるのでありますが、はつきりここに出ておりませんけれども、恐らく現物の引渡しは四月に入つてからじやないかと思うのですが、その点は如何ですか。
#23
○説明員(牧野誠一君) 只今の御質問の第一点の、あわてて払下げたということは、これは私間違いなしに断言し得ると思うのです。これは大蔵省があわてたわけではございません。これは関係各省からの要望というものは、これは今になつてみますと、なぜそんなにあわてたのかとおつしやる議論も出るかも知れませんが、そのときとしてはくず鉄は鉄鋼屋の米の飯であるということで、価格が無理であつただけに数量がない。それで八幡製鉄の在庫はあと五日分しかないとか十日分しかないとか、富士製鉄もほんの数日分しかない、その他群小の鉄鋼業者に至つては非常に在庫の欠乏で悩んでいる。それで一部闇値で以て買つている鉄鋼業者だけが在庫を豊富に持つて、それで暴利を貧つているというようなことで、これが理論としては正しかつたかどうかということは、理論としては若干疑問はあると思いますけれども、当時通産省なり経済安定本部なりというものから主張された理論はその通りであつたわけでございます。それで公定価格で売り得るものというのは大蔵省のくず鉄と、あとはそれ以外は余りたくさんはなかつたかも知らん、現実はそうじやなかつたかというふうに思いますが、若干でも大蔵省のくず鉄を早く処分することによつて、その鉄鋼の需給関係、原料の需給が逼迫しているのを解決したいということで、その趣旨に大蔵省としてもできたら協力をしたいということであつたと存じております。
 それからその次の三月中にしておつたのではないか、四月に亙つたのはどういうわけかという点につきましては、これは余りにも数量が多過ぎたために、三月中に随分やつたのでございますが、延びたものが若干あつたということでございます。相当三月中にやつております。
#24
○八木幸吉君 全体の何パーセントくらいが三月に渡して、何パーセントくらいが新年度の四月に渡したか、数量でお伺いしたい。金額でもいい。
#25
○説明員(牧野誠一君) これは私ちよつと今数量の資料を持ちませんけれども、私の記憶ではここに書いておりますのは七百五十トンという数になつておりますが、中国財務局で処分いたしましたのは大体が二十六年の三月までに処分しているのが一番多うございまして、これは五、六万トンになつておつたかと覚えております。
#26
○八木幸吉君 私の伺つているのは、今議題になつている百十三の八百二十余万円安かつたというその数量が三月渡しになつたのか、四月にお渡しになつたのか、五月になつたのか、こういう意味であります。つまり今の大蔵当局の御説明でずと、非常にくず鉄が足りなくて、まじめな鉄鋼業者が困つている、闇で材料を買わない鉄鋼業者が困つている、だから一刻も早く払渡してやることが業界のためにも、延いては日本の産業界のためにも、よかろうというので非常に急いで渡したのだ、そこに事情があつて、統制撤廃後の値上りということよりも業界救済といいますか、産業界の安定のためにやつたのだ、こう言われますと、自然三月にたとえ一トンでも出すというのが当然の帰結でありますから、私は契約書をいつ書いたということよりも現物をいつ渡したかということが極めて重要な問題になつて来ると思うのであります。会計検査院のほうではそのことはおわかりになつておりませんか。
#27
○説明員(池田修蔵君) この中の一件につきましては、光工廠の分につきましては、搬出しましたのが二十六年の四月二十七日から七月の五日まででございます。それから岩国の分は終りましたのが六月二十九日でございます。
#28
○八木幸吉君 そうすると、今大蔵当局が非常に急いで業界にお渡しになつたという御説明でありましたが、三月にお渡しになつたものはありますか。
#29
○説明員(牧野誠一君) この百十三号に掲げられております数量については三月に渡したものはないと存じます。それでこれ以外に数万トンと申上げましたが、それが三月から四月に渡すのが遅れたのがあつたかと思いますが、順々に渡しておつたと思います。
#30
○八木幸吉君 今議題にして伺つているのは百十三号のことでありまして半値見当で大体下げている。而も四月からは統制が撤廃して物は上るにきまつている。財務局のかたが警察に引張られるくらい需要が頻りであつたというのに、年度末に渡されずに値段だけ年度末にきめたということは、どうも私として、いろいろ御説明は伺いましたが、結局納得行きかねますので、なおその間の事情を直接衝に当つたかたに伺うほうがいいかどうか、あとで委員長と御相談申上げまして、何分のことを聞きたいと思います。
#31
○委員長(東隆君) 速記をやめて。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(東隆君) 速記を始めて。
#33
○説明員(牧野誠一君) 先ほど申上げましたことと若干重複するかとも存じますが、これは二十五年の末項から数量の割当とか、或いは値段は勿論統制価格でございますが、値段とかというような話は、これは財務局といたしましては、これを含めまして大きな数量について話が順々に進んでおつたわけでございます。それで逐次契約を何回かに分けまして順々にやつて行つたということでございます。それで割当とか値段というようなものにつきましては、一応二月、三月にはもう話は会社との間にはきまつておつたということに相成つておりますが、それで三月までに契約の済んだ分というものについては、これは統制価格で売買が行われたということになつたわけでございますが、四月になつた、或いは五月になつたというものについては統制価格を変えるか変えないか、当時の闇値と申しますか、それで売るか売らないかというような問題はあつたかと存じますが、これは統制価格廃止直後、而もくず鉄の統制価格が当時のいわゆる呼び値と闇値とはかなり違つておつたような噂がございましたので、逼迫しておりましたところでぷつつりと統制価格が撤廃されましたもので、統制価格廃止後のくず鉄の市価というものがどこに落着くかということはなかなかわからなかつた。それで経済新聞とかいうようなものにしてみましても、四月、五月頃はくず鉄の値段というものは出てみたり出なかつたり、五月の末になつてくず鉄の市価というのはこうじやないかというふうな、大体何円くらいというのが出て来たわけでございます。それで統制価格というものは三月の末まではあつた。その値段は国としては正しい値段として合理的な値段ですということでやつておつて、闇値というものはけしからんものだということにしておつたのが三月三十日まででございます。それでそのあと価格の捕捉が当時困難であつたと私ども存じておりますが、困難であつた際に前から話が進んで契約一歩手前まで行つておつた。それで数量の関係上若干遅れて行つたものが四、五月に延びたものがある、それを統制価格で売買をやつたということでございます。それで当時の四月、五月に売るといたしましたら、幾らの値段で売つたかということについては、この場に誰が直面しましても、恐らく市価というものをつかまえるということに非宿に困られたのじやないかというふうに存じております。
#34
○八木幸吉君 やはり私業界の事情を知らんからであるかも知れませんが、今の説明だけでは納得いたしかねるのであります。その第一点は今いろいろ間値のことをかれこれおつしやいましたが、私は闇値で売つたほうが高く売れるからよかろうというふうなことは毛頭考えてもいないし、そんなことを言つているのではありませんので、当時ただ非常に闇値が出て、且つ皆が買いに来るというのは統制より闇値のほうが高い、自由価格であれば統制より高く売れるだろうということはやかましく言われている時代で、経済上の常識があろうがなかろうが、これは当然わかることでありまして、従いまして私の質問を整理いたしまして、二、三点にしてそれをよく皆に、成るべく余り事情のわからん者にもわかるようにするのにはどう説明したらいいかということの御協議の上で、書面で御回答頂きたいと思います。
 それは第一点は、業界が非常にくず鉄を希望しておつたのに、なぜもつと早く渡さなかつたか、渡す意思はあつたけれども、実体的な契約は三月にきめながら現品の引渡しが四月以降になつたのはどういう事情であつたか、これが一点。それから非常に闇値が横行しておつて各業者が買漁つて、闇値で買つたものが操業を続けて非常に儲けている。先ず経済常識から考えれば当然統制を撤廃したならば値段が上る、こう思われているのに、なぜ三月にあわてて実体的の契約をされたか、何が故にされたのか、その実体的な契約はつまり口頭でやつたとか、どこでどうやつたとか、こういう書面の往復があるとか、その契約の実際を証拠立てる書面があれば、それをお見せ願いたいと思う。それから第三点は、これはいろいろ他の場合にもありますけれども、こういつたようなものの売買契約は、殊に手続のやかましい官庁としては契約したときになぜすぐ書面をお取り交しにならないか、その遅れた理由を承わりたいと思います。それから第四点は、これは今でも御返事ができるのですが、大体五百万以上のものを売るのには本省の許可を得るとか、つまり金額によつて本省の指示を受けるか受けないか、もう全然地方にお委せになつているのか、その点は今おわかりになつていると思うのです。わかれば承わりたいと思います。
#35
○説明員(牧野誠一君) 第四点についてだけお答えいたします。五百万円以上云々ということは、その当時は本省の承認を要するということに一般的になつておりました。ただ先ほど申上げましたように、くず鉄につきましては九十日以内に処分しろとか、それに統制価格もきちんとございましたし、その関係上くず鉄についてはこういう規準でやりなさいという規準を示して、本省に書類の申達は要らないということにいたしております。
#36
○八木幸吉君 くず鉄の払下げた金額がざつと十七億八千万円とここに出ているのでありますが、その払下げた先か入札であるか、或いは随時契約であるか、どこからどこに幾らでこれを払下げたかといつたような資料があれば、一覧表にして御提出願いたいと思います。
#37
○委員長(東隆君) 今の八木委員の要請された資料を整えて一つお出し願いたいと思います。
#38
○説明員(牧野誠一君) その資料はほうぼうの財務局から取り寄せなくちやならんと思うのですが、当時申達をさせておりませんものがかなりでございますので、それでちよつとすぐというわけには行かんかと存じますが。
#39
○委員長(東隆君) 成るべく早く提出するように。
#40
○奥むめお君 こういう事例は随分たくさんあることだろうと思うのですけれども、これはもう見違いとか、見通し違いとか、何とかいうようなことで、問題じやなくなるわけですね。決算の報告に皆さんお取り上げになるということだけであつて、何でもなくなるわけですね。
#41
○説明員(牧野誠一君) これは売つた金を収納する歳入の面でございますが、物を買うとか、工事をするとか、支出したものが高かつたとか、或いは買つてならないものを買つたとかいうようにして国に損失を及ぼしたときには、一定のいろいろ条件はございますが、その責任者は国の国損の分を弁償しなければならないという法律はございます。併しこの場合は売るほうでございますから、その適用はございません。買うほうにはございます。
#42
○奥むめお君 事例はどのくらいの割合で、買うほうの損と売るほうの損と今までおありになつたのですか。
#43
○説明員(牧野誠一君) それは買うほうの国損の事例が多いと思います。大体売るというのはこういう不用品とか、こういう国有財産を売るほうでございまして、国の行政を行うのに必要なものは買うほうの場合が多うございます。
#44
○八木幸吉君 統制時代には大抵値段が一番上まで行つているわけでありましようが、統制値のものでもやはり入札にされたことがございますか。
#45
○説明員(牧野誠一君) 統制価格がありますときにも入札にいたしたものはございます。
#46
○八木幸吉君 統制価格以下で払下げたことがございますか。そういう事例がございますか。
#47
○説明員(牧野誠一君) これは統制価格以下で払下げたというものはないと存じます。
#48
○八木幸吉君 すべてが統制価格で払下げられるならば入札の効果といいますか、入札の実益はどういうところにあるのでしよう。
#49
○説明員(牧野誠一君) これは当時くず鉄というものには統制価格があつたわけでございますが、財務局で持つておりましたのはこれからくず鉄になるものでございます。それでもとは機械であり、或いは船であり、それは役に立たない機械である、役に立たない船であるということにはなつておりまして、これはくず鉄になるべきものだと、当時米軍のほうからもそういうふうに命ぜられておりましたし、そういうふうに運命ずけられてはおりましたが、船であり機械であるということは一応私ども思えるように思つたのでございます。それでそういう理窟を申しまして、我々統制価格で随契で売りますのは必ずしも望ましいとは思いませんでしたが、そういう理窟をつけまして、統制価格と結果において達つたような値段で入札に付して売つたというようなことでございます。一応やりました結果、それはやはりくず鉄だということで警察に干渉されたわけです。
#50
○八木幸吉君 統制価格が明らかにあるものを入札にされたことがありますか、もう一遍伺います。
#51
○説明員(牧野誠一君) これは明らかに統制価格のある物というもので入札にしたものと申しますと、今の統制価格がある姿になるべきものを入札に付したということはございますが、これは規格なんかきまつておりません。長さ何寸とか、いろいろこういうものが大蔵省にはございませんわけです。それを入札にしたという例はないと存じます。
#52
○八木幸吉君 逆に申しまして、統制価格がきまつている、但しこの統制価格は一級品は幾らであり、二級品は幾らであり、三級品は幾らであるというふうに統制価格がきまつておつて、例えばここにくず鉄を出した場合に、この品物は一級品であるが、幾らで入札するかと仰せられるのか、これを差等を業者のほうで勝手にきめて何級品として幾らで頂きますというふうな入札の方法であるか、どちらであるでしようか。
#53
○説明員(牧野誠一君) これは入札にいたします際も、随意契約で売ります際も、我々といたしましては予定価格を作る際は基準は同じでございます。これははかの件でちよつと問題になつておりますが日本標準規格によりまして分ける、一級は幾ら二級は幾らということをやつておつた次第でございます。
#54
○八木幸吉君 同じという意味は、この品物は一級品であるということをあらかじめ判定をなすつて、そうしておきめになるという意味ですか。
#55
○説明員(牧野誠一君) これはこの品物は一級品である、この品物は二級品であるということではございませんで、この品物からは一級品がどれくらい取れる、これからは二級品がどれくらい取れる、発生するくず鉄の一級品、二級品という規格でございます。それがこのものからはどれくらい取れるという規格があるわけでございます。それでやつたわけでございます。
#56
○八木幸吉君 その規格を政府のほうでおきめになつて業者にお示しになるというのですか。
#57
○説明員(牧野誠君) これは政府できまつておりますやつで値段をはじきまして、それを示したわけでございます。
#58
○八木幸吉君 いや、業者のほうでは、何級品が幾らということは当然きまつておりましようが、このもののくず鉄の中には何級品が幾ら出るということを政府は見込んでいる、それでお前は買うか、こういうふうにお売りになるのでありましようか。或いは一級品は幾ら幾ら、二級品は幾らということを政府できめているが、このくず鉄の中に一級品、二級品のできる予想のパーセンテージは業者自体がきめろ、こういうふうにおつしやつて随意契約でおきめになるのか、どちらかというのです。
#59
○説明員(牧野誠一君) これは業者自身がきめるということではございません。こちらがきめまして値段を示します。
#60
○八木幸吉君 それならば、大体もう統制規格のものと同じで、幾らに売れるということも政府でおわかりになるのでありましようから、第二段として私の申上げたいのは、さような場合には支払能力の極めて確実なものを御指定になるというのが当然の義務だろうと思います。ところが今ここで議題になつておりますところで、京都の宇治の第百十七号は五十万円のまだ未収入金があるようにこの報告では出ているわけでありますが、この業者をお選びになつた、さような未収入金を生ずるような業者を、殆んどはつきりきまつているにもかかわらずおきめになつた事情を承わつてみたいと思います。
#61
○説明員(牧野誠君) 百十七号でこの業者を選びましたのは、入札をいたしました結果、この業者が落札したのでございます。入札をいたします際は、これはこの説明書の五十三ページにも書いてございまするが、予備隊が入るという関係で非常に急ぎましたもので、附近のくず鉄を扱う業者というものを集めまして入札にいたした結果、その原田某というものが落したわけでございます。それでこの者が代金をまだ十分に納めていないということになつているので、随意契約をやつた分ではないのでございます。
#62
○八木幸吉君 入札する際の、大体どういうふうな資格あるものに入札をさせるという本省からの何か標準の指令というようなものはございますか。
#63
○説明員(牧野誠君) ございます。これは炉を持つている直接くず秩を必要とするもの、その中で当時通産局が各地にございましたので、そこで推薦する業者、炉を持つており、直接需要するもので通産局で推薦するものということにいたしております。
#64
○八木幸吉君 そうするとこの原田某はその条件に入つておつたわけですか、適合しておつたわけですか。
#65
○説明員(牧野誠一君) 百十七号の原田某は入つておつたから入れたのだというふうに、我々当時財務局ではそういうふうにやつたはずであるというふうに思つております。
#66
○八木幸吉君 現在はその未収入金の関係で、或いは会計検査院から御指摘になりました関係で、資力その他をお調べになつたことがございますか。
#67
○説明員(牧野誠一君) ございます。余り資力は豊富でないようです。
#68
○委員長(東隆君) ほかに御質疑ございませんか。
 御質疑がないようですから、百十一号から百十七号のうち百十三号を保留して、百十七号までの質疑は一応終了したものといたしまして、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(東隆君) 御異議がないようですから、そのように取計らいます。
 今日はこれで散会いたします。
   午後四時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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