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1953/08/06 第16回国会 参議院 参議院会議録情報 第016回国会 決算委員会 第19号
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1953/08/06 第16回国会 参議院

参議院会議録情報 第016回国会 決算委員会 第19号

#1
第016回国会 決算委員会 第19号
昭和二十八年八月六日(木曜日)
   午後二時四十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
八月三日委員村尾重雄君辞任につき、
その補欠として小林亦治君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     東   隆君
   理事
           植竹 春彦君
           長谷山行毅君
           大倉 精一君
           平林 太一君
   委員
           石川 榮一君
           入交 太藏君
           松平 勇雄君
           宮田 重文君
           奥 むめお君
           豊田 雅孝君
           岡  三郎君
           小林 亦治君
           八木 幸吉君
           鈴木 強平君
  政府委員
   通商産業省企業
   局長      中野 哲夫君
   運輸省鉄道監督
   局長      植田 純一君
   運輸省鉄道監督
  局国有鉄道部長  細田 吉藏君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   総局事務次長  山名酒喜男君
   会計検査院事務
   総局検査第二局
   長       上村 照昌君
   日本国有鉄道副
   総裁      天坊 裕彦君
   日本国有鉄道経
   理局長     高井 軍一君
   日本国有鉄道営
   業局長     津田 弘孝君
   日本国有鉄道施
   設局長     江藤  智君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国家財政の経理及び国有財産の管理
 に関する調査の件
 (株式会社鉄道会館用地に関する
 件)
 (朝鮮向輸出に対する対米債権に関
 する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(東隆君) それではこれより第十九回決算委員会を開会いたします。
 最初に皆さまにお諮りをいたしたいことがございます。理事松平勇雄君から理事を辞任いたしたいとの申出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(東隆君) 御異議がないと認めます。それではさよう決しました。
 つきましては、この際松平君の補欠として理事の補欠を一名互選いたしたいと存じます。互選は成規の手続を省略して、委員長から指名選任いたしたいと存じますが御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(東隆君) 御異議がないと認めます。それでは委員長から植竹春彦君を理事に指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(東隆君) 次に、本日の問題に供しますのは、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査として、最初に株式会社鉄道会館用地に関する件、それに交通公社の未納金の件を附加えます。第二番目に対米債権に関する件、この二つを問題に供します。
 最初に第一の鉄道会館用地に関する件について、専門員から概略の説明を求めます。
#6
○専門員(森莊三郎君) 少し時間が十分でなかつたものでございますから、調査が非常に不完全な点があるに相違ないと思いますから、どうぞ間違いのところがありましたならば、本日は当局のかたもたくさんお見えになつておりまするから、お叱りと同時に御訂正をお願いいたしとうございます。
 先般国鉄のほうから若干の資料を配付されましたが、その資料の一番初めに「東京駅八重洲口本屋建設について」と題した四頁物のガリ版刷りがございますが、ここに書いてありまするように、今日では東京駅の乗降客が非常に多い、いろいろな関係からして是非とも八重洲口の本屋を立派に作り上げなければならない、その必要に迫られている、その辺の事情が概略記されているのでありまするが、それの第二頁の六というところに、国鉄財政の現状からは首都の玄関たるにふさわしい駅舎を建築することは、当分の間国鉄のみでは困難であるので、経費の大部分を民間資本の導入に待つことにした、ときあたかも鉄道八十周年の記念に当るので、その際に東京駅の八重洲口駅本屋建設計画委員会というものを設けていろいろと検討した結果、別紙の要綱のような結論に達した、それでその道のほうのことに詳しい加賀山さんに御尽力をお願いするようなところへ進んで行つたということ、それから加賀山さんのお手許でいろいろ御研究の結果、結局一つの案ができまして、又各方面の名士のかたの御批判も頂いた上で、ここに株式会社鉄道会館というものができるようになつた。そうして国鉄側からの承認条件を受けまして、それに対する請書を会館のほうから出されて、ここに株式会社鉄道会館が発足するようになつたというその辺の一応のいきさつがそれに記されているのでありまするが、別紙、この専門員室で作りましたガリ版刷りの「東京駅八重洲口の件」に書きました、それの先ず最初に、民衆駅とか或いは民資導入とかいうことが近頃言われるが、それはどういう意味のことであるかということについてちよつと記しておきましたが、運輸省時代にはこういうような場合に寄付を受けるという形で建物を完成する、そうしてでき上つた建物の一部を使用許可するというような形式をとつていた。ところが国鉄となつてから後にはここに言う民資導入によりまして駅の本屋を建てる計画をとるようになつた例が若干あるということであります。それと言いまするのも、国鉄のほうでは金が十分にない、あるだけの金は成るべく鉄道の輸送力の完備というほうに廻すようにしておりまするので、駅の本屋を建てるような費用に向け得る金は毎年全体の一%以下にしか過ぎない。ただ唯一の例とも申すべきは、京都の駅が焼けまして、そのあとを国鉄の費用で復旧したことがある。あのときだけちよつと一%上廻つたけれども、それ以外には殆んどこういう建物のほうには僅かな金しか使わないで輸送力のほうにばかり廻している。ところが多数の駅の本屋が戦災にかかり焼けました。それを復旧するためにはどうしても民資導入ということが必要になつて来たのであるという次第であります。
 そこで現にどんなふうのものができておるかということを、幸いここに八月三日附の朝日新聞に相当詳しい記事が出ておりましたので、多少誤りがあるかも知れないと思いましたけれども、一応の概念を持つて頂きまするのには、このような例をお目にかけましたらどうかと思いまして、ここに記しておきましたが、先ず民間資本の一部だけ入つた駅を作つて、それがもうすでに完成しているものの例としては、札幌、尾張の一ノ宮、福井、富山、門司、松江、沼津、豊橋などがある。同じく民間資本の一部入つたもので現に工事中のものは、ここに言う東京駅八重洲口とか金沢というようなもの、なお同様のもので申請中のものというのが宇都宮、水戸、天王寺などがそれである。次に民間資本だけで完成しているものは池袋の西口、高円寺、秋葉原駅の一部、又民間資本だけで、決定はしたが未だ着手していないものには池袋の東口がある。同じく申請中のものとしては渋谷、桜木町、新宿東口、新宿西口というものがある。こういうような新聞記事がありましたので、ちよつとここに多少の間違いがあるかも知れませんが、転載をいたしておきました。
 そこでこの前配付になりました資料の第二番目の資料、それには番号が営旅第一四五九号、十二頁になるのでありまするが、先ず昭和二十七年の六月三十日附で営旅第一四五九号という番号の書面で、国鉄の総裁の長崎さんから加賀山さん宛の書面がございますが、その初めに、今度こういうような計画を考えて見たが、これの実現についてはどうか一つ何分の御配慮を願いたいというような書面がついておりまして、そこに第三頁に別紙と書いてありまするが、それがこの八重洲口本屋建設の計画なのでございます。それをお受けになりました加賀山さんは、第五頁になりますが、七月三十日附の書面で国鉄総裁長崎さんのところへ返事が行つておりまするが、これによりますると、こういうような駅を建設されるという画期的な計画でありまするので、その公共性に鑑み、なお技術的にいろいろな注意を払う必要があるので、立花さんとか伊藤さんというようなかたを専任者に選んで、お示しの要綱に基いて計画を立てて、更にこれを次にありまする早川さんその他七名のかたに企業的の見地から検討を求めて、そうしてその結果としていろいろな設計図、設立趣意書、目論見書、収支予算書、定款などを一応作つて見ました。なおその上に広く一般の世論を聞きたいというので、この計画を七十余名の各界代表のかたがたに御相談を申上げましたところが、皆さん幸いに多数の御賛成を得た次第でありまするので、それで先日の御書面に対する一応の回答をここに差上げまするが、ついてはこれを更に具体的に進めるためには国鉄のほうから認可条件を細かくお示しを願いたいというような返事をされたのであります。それに対して、次の七頁にありまするが、二十七年九月二十五日附書面の番号は営旅第一八四三号というので、国鉄の総裁から鉄道会館発起人代表たる加賀山さんのところへ「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」という標題のついた書面でありまして、先日こちらからお願い申したことに対して最も適任者をお選びになつて、詳細な計画を御立案頂いたことを誠に有難く思います。ついてはこういうような条件にいたしたいということで、その認可条件とでも申しますか、或いは承認の条件と申しますか、すぐ続いて九頁からあと三、四頁に亘つての詳細な条件が明示されたのであります。それに対しまして、又別の紙になつておりまするが、九月二十六日附の、この四頁物のガリ版刷りで、株式会社鉄道会館取締役社長加賀山さんから国鉄総裁の長崎さん宛で、「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用の負担及び構内営業その他について」という標題で、このたび認可条件をお示し頂いて感謝いたします。それでこのお示しの認可条件に基きまして、東京駅の八重洲口本屋の建設にあらゆる努力を尽して邁進すべきことを誓い、標記の件に関する請書といたしますというようなわけで、結局国鉄側から示されたその認可条件を鉄道会館のほうでお受けになつたわけであります。それで以てこの契約ができ上つたということに一応なつているのでありまするが、それにつきまして、別紙のガリ版刷りに私が御参考までに問題になりました一、二の点を記しておきましたが、他の委員会におきまして、東京駅の八重洲口の建物をなぜ競争入札にしなかつたか、随意契約にした理由は何であるかということが盛んに問題になつたようでありまするが、これは国鉄法の四十九条には競争入札を勿論原則にはしてありまするけれども、政令で定める場合などはこの限りにあらずというようなことが規定してありまするので、それに基いて国有鉄道法施行令の第三十三条の第六号に、契約の性質又は目的が競争入札を許さないような場合には随意契約によることを得るというような意味の規定がありまするので、この規定に従つて随意契約によつたという説明のようであります。なぜかと申しますれば、この事業は非常に公共性に富んだ事業であること、従つてこの事業に御関係を願うかたは十分こういう方面に理解のあるかたがたを選ばなければならない、単純なる営利事業となるようなことのないように、よほど気を付けなければならないから競争入札にはしなかつたということであります。
 それから次に問題となりましたことは、加賀山さんという或る一個人のかたとこういう契約をしたことがよいことかどうかというような点について問題が出ておるのでありまするが、只今別紙のいろいろな資料について概略申上げましたように、先ず最初は加賀山さんに別紙要綱による計画の実現方について御配慮を願うということが言われたのが六月三十日附の書面なのであります。そこで加賀山さんはそれぞれの権威者にその計画の検討を願い、鉄道会館という株式会社の設立の趣意書などをきめて、更に各方面の名士七十名ばかりを賛助員という名で以てその御賛成を得られ、そうして加賀山さん自身が鉄道会館発起人代表という肩書を以て認可条件の明示を求められたのが七月三十日なのであります。それに対して国鉄総裁は認可条件を提示したのが九月二十五日附、ところが実はこれより先き鉄道会館という株式会社は九月一日附で成立をしておりまするが、これが国鉄会館へ認可条件の提示となつたわけであります。
 そこでこの認可条件に対して鉄道会館の社長の地位におられる加賀山さんから請書を九月二十六日附で出されて、これによつて契約が成立したのだと、こういうふうに言われておりまするのでありまするが、その経緯につきまして、ここに備考といたしまして、四つほどのことを御参考に記しておきました。或る委員会では正式の契約書があるかどうかということが問題にされたことがあるようでありますが、当局のほうの御答弁では、改まつて契約書というものはないが、九月二十五日附の認可条件、それに対する相手方の請書が九月二十六日附、それで以て契約書の内容はでき上つておるものであると、こういう御答弁であるように存じますが、ただここで備考の二で注意すべきことは、九月二十五日附の認可条件を示されたその書面には、発起人代表と書いてありまするけれども、それは九月一日附ですでに会社ができ上つておるのでありまするから、実質的に言えばこれは会館の社長に宛てられた書面なのであることは間違いないわけであります。なぜこんなに日附が逆まになつておるかという質問に対しては、これは実は悪い癖ではあるけれども、とかく役所というものはあちらこちら判を取りに廻つたりしておるようなわけで、つい遅れてしまう。九月二十五日というのは形式的の日附であつて、実質的にはもうそれより以前にきまつておつたことであるというようなふうに言われております。なお、そこに括弧の中に、第十九条とちよつと書いておきましたが、それはこの認可条件の第十九条というところを見ますると、この書面はまだ会社ができていないものだという前提の下に、発起人代表宛に出されておりまするから、将来会社ができた場合には、この認可条件はそのまま会社のほうに移るものであるということが謳われてありまするので、もうすでにできておる会社の社長宛の書面であり、できておる会社に対する認可条件というふうにとつて然るべきものと思われるのであります。以上述べましたようなわけで、いずれにいたしましても、加賀山さんという個人との契約ではないのであつて、発起人総代たる加賀山さん、或いは社長たる加賀山さんとの間にこういう書面の往復があり、契約ができ上つたものと見るべきではないかと存ぜられるのでございます。
 なお備考の四のところを見ますると、九月二十六日附の請書、これは二十五日に出された認可条件書に対して、すぐ翌日附の請書でありまするが、その書面の初めのほうを見ますると、認可条件の示しを頂いた、それでお示しの条件に従つて、先に提出しました目論見書を変更して研究を重ねたと共に、一方デパート、店舗、銀行その他の賃借希望者の調査をいたしました結果、この計画が一般の非常な協力を得る見込みが十分あつて、企業として、成り立ち得ることの見通しを立て得るようになつたと言つて、少くとも数日間の日数がなければこれだけのことはできそうにもないものが、すぐ翌日の日附の書面で出ておりまするが、これらは余り日附に拘泥してかれこれ申すのはどうかと思われますが、とにかく役所の仕事というものが、こういう形式的なことで納まりがつくのが多いものであり、誠に遺憾なことではありまするが、そういうふうに実資的にものを見たほうがよろしいのではなかろうかと存ぜられますので、ちよつとその点を御注意までに申上げておきます。
 それから次に問題になりましたものは、工事は誰がやつているかという点であります。この工事は請願を受けまして、請願による委託工事として国鉄が行なつているということであります。こういうようなやり方の工事は、ほかにも昔からたくさん例のあることなのであります。本件の委託工事は今日までのところでは、その契約高が六億三千四百万円で、これに対する予納額は六億四千五百万円全部受入れ済みになつている。従つて決して国鉄のほうがお金を立替えて仕事をしているというようなことはありませんということであります。なおその工事は、すべてそれぞれ競争入札の方法によつて行わせているということであります。ただここで多少の例外とも認むべき事柄は、このような請願工事というものは、その費用の全額を予納するということが従来一般に採用して来た方針であつたのであります。そうすれば、本件についても同様にすべきであるかも知れませんけれども、余りにも大きい仕事であり、数年に亘る工事でもありまするので、工事を幾つかに分割しまして、その分割された部分が一部分一部分進むにつれて分納させている。強いてほかの場合と違うところがありというならば、この点であろうということであります。
 それから次に書きました一つの問題は、先日配付を受けました図面を見ながら申さなければはつきりはわからないかと思いますが、ただちよつと簡単に申上げますると、現在東京駅には電車の線や鉄道の線が何本かございますが、あそこを将来もう少し拡張をするために残されているところがあります。又あそこに高架線が二本か三本かできるはずであります。ところがそれがまだできずにありまするので、そこに一時的の建物を鉄骨造りで造つたのであります。で、本年七月に完成した第一期工事の中で、将来高架線が造られるときに取除けなればならない建物があるが、それを鉄骨造りとしておる。これは一体どういうわけかという問題が起つておりまするので、これは東京都の建築基準法によりますると、どうしても鉄骨造りでなければならないということになつておるので、止むを得ず鉄骨造りにはしましたけれども、勿論一時的の建物でありまするので、コンクリートのごときものも極く薄く表へなすり付けたという程度に過ぎないものでありますということであります。なおそれにつきまして、然らば他日ここを立退かせる必要が起ることにもなる、そのときには又例の虎の門公園の二の舞を演ずるようなことでも起りやしないかというような問題がありますが、それについてはあのいわゆる認可条件の第十五条というものに、他日国鉄のために必要があつた場合には何時でもその要求通りに応ずるという一カ条が入れてある、こういうことなのであります。
 次に使用料金をまだきめていないのは一体どうしたことかという問題が起つておりまするが、ここに書きました事柄が実は私の調査が不十分でありまして、又事実少しわかりにくいことがありまするので、或いは私か申すことが思想上の混乱を来たしておられるかも知れません。何だか自分ながらそんな気が多少いたさないでもありませんので、どうか当局のほうからそこをはつきりとあとでさせて頂きたいと思いまするが、要するにあそこの土地を使用するとするならば、使用料を取るべきわけであるが、併しそれは認可条件の中に例えば構内営業規則を適用するとかというようなことで標準的にはもうすでにきめてありまするから、確定し得べき状態にあるわけで、それがただ具体的に確定数を計算していないというだけのことである、全然何もなしに契約をしておるというそういう意味ではない、決定次第遡つて徴収する予定であると、こういうお話でございます。なお又あの辺の土地の値が坪当りどのくらいするだろうかというようなことも、或いは勧業銀行のほうへ聞き合せてみたり、税務署へ聞いてみたり、いろいろとしてみるが、どうもなかなか評価がまちまちになつておつて、今日のところではまだ確定した金額を見付けていないという御返事であつたように記憶いたします。ところが、ここに世間で問題になつておりまするあの名店街といういろいろな飲食店、みやげ物などをいろいろと売つておりまするあそこには、すでに七月一日頃から五十名ばかりの人が入つて商売をしております。そして鉄道会館はそこから向う三年分の使用料を徴収しているというのであります。すでにそれだけの金が鉄道会館へ入つておるならば、鉄道会館はそのうちの一部分を国鉄のほうへ払うべきはずである、国鉄はなぜそれを取らないのかという、こういう問題が起つております。これにつきましては、国鉄のほうでは一両日中に仮決定をする予定でありますということであります。ただここで私の書きましたこれにちよつと誤解があつては悪いかと思いまして、一言附加えまするが、この五十名ばかりの専門店から三年分の使用料として合計三億円ほど取つたと申しまするが、これはいわばまあ家賃とでも見るべきもの、家賃を分析しますれば、建物を建てる建築費用と、それから土地を借りるほうの地代の二つを含むわけでありまするが、その建築費のほうは鉄道会館が負担して建てておられるわけでありまするから、国鉄のほうが取るべき地代はこの三億円のうちの何パーセントかに過ぎないのでありまして、三億円全部では恐らくないだろうと存じまするが、先ほどもちよつとお断りいたしました通り、この辺のところの調べが少し私の調べは不十分でございます。
 それから次に営業者に又貸ししておるということは一体どうなのか、元来構内営業規則というものでは、現在各地の停車場などに営業を許しておる例などがたくさんありまするが、そういう場合には転貸を禁止しておる、ところが鉄道会館の場合には国鉄から鉄道会館が借りて、その借りたものを名店街におる営業者に又貸ししておるじやないか、又貸しは禁ぜられておるではないかという問題が起つておるのでありまするが、これにつきましては、鉄道会館との契約書と書きましたあの認可条件の第十一条でありまするが、あそこのところに又貸しすることを認めているわけであります。営業者を選ぶとか営業の種類を選ぶとかいうようなことが書いてあります。これは構内営業規則というそのそれ自体が国鉄総裁が自由にきめられる規則でありまするので、今度の契約書において総裁自身で構内営業規則の例外を定めたというものであるから、規則違反ということにはならない、併しどうすれば穏当であつただろうかという点を考えてみるならば、或いは構内営業規則を改正するか、或いは又別の規則を作るか、そういうふうにしたほうが穏かであつたかも知れない、但し規則違反ということにはなるまいと考えると、こういう当局の意見のようであります。と申しまするのは、実は従来構内で営業を許しておりまするのは、ほんのちよつとした小さいものばかりなのでありまして、今度のようなこんな大きいものは従来構内営業規則では殆んど考えてもみなかつたことがここへ突然現れて来たのであるという、そういう特別の事情を一つお含みを願いたいということでございます。
 それから次に、この土地は一体国有財産か何であるかというような点が問題になつておるようでありまするが、この国鉄の土地や建物は公共企業体の財産ということになつております。成るほど国有の財産には違いありませんけれども、国有財産法上の国有財産ではなく、国有財産法の適用が排除されておりまするので、これの管理又は処分については大蔵大臣の管理権のほかにあるということになつております。従つて国鉄総裁限りで管理、処分をなし得るということになつているそうであります。但しこれが法律上の性質はどういうものと言われるならば、従来の扱いでは国有財産に準じたものとして取扱つて来ている、こういう話でございます。
 最後に現在株主がどんな工合に分布されているかということを、これ又八月二日の朝日新聞の記事でありましたが、ちよつと出ておりましたので、ここへ御参考に最後に記しておきましたが、国鉄現職者若しくは国鉄退職者、これがもう殆んど全部、なおそれに国鉄共済組合とか、国鉄関係の法人というようなものが大部分を占めておるというような工合になつているということでございます。
 甚だ簡単でございましたけれども、なお又甚だ調べが不十分な点がありまして、違つておるところがあるかも知れませんけれども、どうかお許しを願いたいと思います。
#7
○委員長(東隆君) この関係の事案に見えております人を御紹介いたします。日本国有鉄道副総裁天坊裕彦君、経理局長高井軍一君、営業局長津田弘孝君、施設局長江藤智君、運輸省鉄道監督局長植田純一君、これだけ見えております。
#8
○専門員(森莊三郎君) ちよつと専門員室で作りましたガリ版刷に一カ所文字を書き誤りましたので、訂正させて頂きとうございますが、第二頁の右から七行目のところに、東京駅八重洲口の建物をと書きましたこの建物というのが、あそこの土地を使わせるということになるわけでございますね。建物を随意契約によつたわけじやなくて、土地の使用というふうにして頂いたほうが一層適当だろうと思います。つい書き誤りました。
#9
○委員長(東隆君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#10
○委員長(東隆君) 速記始めて下さい。
 それでは今専門員のほうから一応事案の大貌を説明をしたのでありますが、それについて国鉄のほうから御意見もありましようし、違つたところもあるかも知れませんし、そういうような点を一つお話を願いたいと思います。
#11
○平林太一君 議事進行について。先ほど委員長から国鉄から出席した各位の御紹介がありましたが、聞きとれなかつたのでもう一度……。これは円滑に審議の目的を達するには、やはり当局者個々に対して聴取することが大切でありますから、一応委員長から御指名になつて、それからその当事者である各位、代表各位から何して承知したい、こういうふうに思うものですから、そういうふうにお取計らいを願います。国鉄の御出席になられた各位においての善意に御解釈頂いて……。実は私副総裁の天坊君だけは了承いたしておりますが、他の各位は存じません。
#12
○委員長(東隆君) それでは御紹介します。一番こちらの端におられるかたが高井経理局長、それからその次が江藤施設局長、その次が津田営業局長、それから天坊副総裁、植田鉄道監督局長、山名会計検査院事務総局次長です。
 それではお話をお願いします。
#13
○説明員(天坊裕彦君) 専門員から非常に詳細に御説明がございましたので、私から附加えることもないのでございますが、ただ民資導入と申しますか、一番初めの考え方の基礎になりました民資導入駅、ここにも書いてございますように、従来駅舎をこしらえまするに当りまして、町のほうの御寄付というような点で、私どもから言えば、事務的には一階建の建物でもよろしいというようなものが、町の美観等から二階建、三階建というような御要望も相当あるわけでございます。これに対しまして、ここに書いてございますように、従来は寄附でやつて頂いたということもあるのでありますが、特に戦争後駅の復旧というものが、片方では新築に伴いまして、駅舎を修理復興するという必要が各地にあつたのでございますが、なかなか国鉄の財政から申しまして希望通りそれを修復するということは困難であつたのであります。そこで一方では市なり商工会議所なりというような公共団体から御寄附を願つて二階建なり三階建なりというものができました所と、それ以外にも民間の資本で土地だけを一つ貸してくれたら駅舎をこしらえたいというようなものが出て参りまして、例えば池袋の西口というようなものがその例でございますが、鉄道の土地の上に駅舎の建設を民間資本でできることを認めたわけなんでございます。そうして一階につきましては、鉄道で駅として使うということでやつたのでございますが、いろいろやはり民間資本の資本家のほうの考え方というものも強いのでございまして、単に契約条項だけではうまく行かないというもの、実際の民間資本でできた駅の一つの問題であつたのであります。それらの点をよほど考えまして、東京駅というものを作りますに当つて、一応民衆駅といいますか、そうした特別の資本、或いは第三国の資本というような話もないわけではございませんでしたが、そういう点を資本的に何かこさえる工夫というものがなければ、ただ一般の民間資本だけではうまく行きにくかつた。そういう点でまあしまいにもございますように、共済流合の金を一億近く出すとか、成いは職員の小さい金を中へ入れた、こういうようなことにいたしまして、会社の経営自体にも鉄道自身が或る程度発言権が待てるというふうな性格を特に考慮した次第でございまして、その点だけを附加えまして、あとはもう専門員の非常な懇切な御説明がございましたので、申上げることはないと存じます。
#14
○平林太一君 今副総裁天坊君から極めて詳細な、又謙虚な御説明があつて了承いたしたのであります。そこで列席をいたしておりまする経理局長高井君、営業局長津田君、施設局長江藤君、運輸省の鉄道監督局長植田君、こういうかたから一応更に……副総裁としては御職柄総括的の御説明であつて然るべきでありますが、そう了承いたしましたが、ただ専門員からは相当それぞれ決算委員会の審議の性格から申しますれば、疑問点と申しますか、そういう疑問の点について具体的に数カ点についてこれを述べられておるのでありますが、各位がお聞き及びでありまするから、この際只今申上げました四君から、それぞれ御職務の上から、又会館の建設に終始当られましてその実情を十分把握せられておるのでありますから、定めし専門員からその疑問を言われたことに対して、一応の御納得の行かない点もおありのことと拝察ができるのであります。そういう点について一つそれを十分に弁明、或いは違つた点に対する正誤を正しくせられるように、こういうことはけだし必要なことと思いますから、自分の立場におきまして、その点をお話になられることが却つて御便宜かとも思いますので、私からそういうふうに取りなしをいたし、或いは要求をいたす、こういうふうにいたしたいと思います。然るように……。
#15
○説明員(津田弘孝君) 営業局長の津田でございますが、こちらの専門員のかたが、今回の鉄道会館をめぐる問題の、今までに取上げられておりまする要点につきまして、ここに非常に手際よく整理をしておられまするので、これにつきまして大体順序によりまして、私並びに施設局長から簡単に国鉄の立場なり、或いは考えておりまする考え方を申上げたいと思つております。
 先ず第一の民資導入の駅について、この点につきましては、先ほど副総裁が申しましたところで尽きていると思うのでありますが、元来鉄道の駅は鉄道の旅客、貨物を扱うための駅でございますから、当然自分の経費で、自分の予算で駅を作るべきではございますが、何分にも戦災によりまして非常に大きな損害をこうむりました鉄道といたしまして、先ず第一に手がけなければならないことは、輸送力の増強である車両を作り線路を丈夫にすることである。なかなか駅舎まで手が及びませんので、そこで考えました一つの方式といたしまして、民間の資本と鉄道の資本と合体をいたしまして、又場合によりましては、民間の資本だけで駅を作るというような一つの構想を立てまして、すでに数駅につきまして実施をいたしましたし、又計画中のものもあるわけでございます。で、いろいろなその態様がございまして、民衆駅の種類というようなものがございますが、ここで先ほど専門員が御説明になりましたようなふうに、全額民間資本だけで、地元の資本だけでやつたものもございまするし、或いはやつた後におきまする駅の所有権につきましても、鉄道が寄附を受けるというような場合もございまするし、或いは民間の資本でできた駅を鉄道が駅の部分につきまして借りている。使用料を払つているというようなものもございます。いろいろな態様が具体的の場合にはあるわけでございます。
 それから第三番目は、この点が従来衆議院におきましても非常な論議の対象になつた点でありますが、東京駅八重洲口の建物、先ほど土地使用とお直しになつたのでございますが、随意契約によつた理由でございます。で、これはちよつと専門的になるわけでございまするが、私ども国有鉄道の仕事をやつて参ります上の一番根本的な、法律的な基礎となつておりまする法律は日本国有鉄道法という法律でございます。で、その日本国有鉄道法の四十九条によりますると、すべて物の売買でございますとか、或いは賃貸でございますとか、請負とか、そういう場合には一般競争入札によるべきである、オープン・ビッドによるべきであると、こういう大原則が掲げられておるのであります。従いまして今度東京駅を整備する。それについて旅客附帯の施設をするというに当りまして、具体的には土地の賃借とか、建物の賃借とかというような、或いはそこで行われるところの構内営業を誰にさせるかというような場合にも、この大原則によりますると、一般公開入札でやらなければならないということになるわけでございまするが、どうも今申上げたような、東京の中央停車場を整備する、そうしてそこに旅客に必要いろいろな附帯施設をやるというような仕事は一般の競争入札によるということが非常にむずかしい。又それは国鉄にとりまして必ずしも有利でない。先ほど副総裁が言われたように第三国の資本が入つて来てあの東京の玄関口を掌握してしまつたらどうなるか、或いは一部の財閥が金だけ出すから、俺に東京駅を作らせろ、その代りそこにおけるところのいろいろな営業は俺のほうに掌握させろというようなことになりますことは、これはもう国家的に考えましても、或いは国鉄の運営から見ましてもとるべき策ではない。それは有利でないのみならず、不利であるようなふうに考えまするし、又そういつたような仕事自体は競争入札をやるのにその目的なり性質が不適当であるというような考え方から申しまして、国鉄といたしましては、いわゆる我々が申しておりまする競争入札によらない随意契約という方法によつたのでございます。その法律的な根拠といたしましては、先ほど申上げました四十九条に、大原則といたしましては一般競争入札によるのだ、但し一般競争入札の方法によることが不利である場合、或いは政令の定むる場合にはこの限りでないというふうにございまして、不利の場合がここに謳つてありますが、政令の定むる場合がどういうことが謳つてあるかと申しますと、国有鉄道法の施行令の第三十三条、それの第六号に契約の性質又は目的が競争を許さない場合と、こういう項が謳つてある政令があるのでございますが、この両方の不利である、或いは目的、性質が競争を許さない場合と、この二つの条項を根拠といたしまして、私どもは随意契約をしたのであります。併しながら説をなされるかたでは、やはりこういうものも競争入札によることができる、或いは競争入札によるべきであるというような説をなされている向きもあるわけであります。我々といたしましては、今申上げたような考え方から、今回は随意契約にしたということでございます。
 それからその次に加賀山氏、前国鉄総裁との関係と契約、これはもうここにずつと書いてある通りでございまして、こういつた東京駅を再建するという重大な仕事の性格からいたしまして、最も国鉄に対しまして理解もあり、経験もある前総裁に依頼した累次の書面を日附順にここで専門員が整理をしておられるわけでございます。
 それからその次の工事と予納金は、これは後ほど施設局長から御説明をしてもらうことにいたします。
 それからその次の一時的の建物で鉄骨造りとしたもの、これも後ほど施設局長から御説明をしてもらうことにいたします。
 それからその次の使用料金の未決定というのが謳つてございますが、実はこの点は衆議院におきましても指摘をされたところでございますが、一般の民間の賃貸契約であるならば、当然に契約の細かい要素、例えば坪当り幾らの地代にするのだ、或いは構内営業料、これは大体売上げに対しまして百分の一を取つておるのでございますが、そういうものにつきましても非常に具体的にきめまして、然る後に取りかかるべきであるにかかわらず、今度の鉄道会館の場合にはそういつた土地の使用料というようなものをはつきりきめずに、ただお手許にありまする契約書によりましても、構内営業規則によるのだということだけをきめて、具体的な細目をきめずに工事に取りかかり、更にすでに七月一日以後におきましては、名店街と称する商店があの中でお店をやつている。そのお店からは鉄道会館は坪当り相当の金額の家賃を取つているにかかわらず、鉄道に対しては一文も払つていない。又鉄道も取ろうとしていない。こういう点が問題になつた点でございます。この点につきましては、いささか釈明がましく相成りまするが、御承知のように今問題を、土地使用料の問題に限定いたしまして考えましても、あすこの土地に対してどれだけの地代を坪当り取つたらいいかということにつきましては、その坪りの地価の時価によりまして、それに対しまして何分かの、大体これは借入金の資本に対する利子六分とか七分とかいうような率で取つておるのでございますが、先ずその根底になるところのあの八重洲口附近の地価というものが非常に算定が困難であるのであります。若干の例を申上げまするならば、あの附近の固定資産の根拠になりまする中央区のあの横町一丁目から三丁目附近の地価というものを、中央区の税務署では四万円から十万円ぐらいに算定をいたしております、最高十万円というくらいに。それから又勧銀の調査によりますると、二十万円から二十五万円というような調査もございます。又人によりましては、あの辺は八十万円、百万円するとおつしやるかたもありまするし、又今までの地価に対しまして、更にあすこに中央停車場が立派に整備することによつて、更に地価が上るというようなこともありまするので、なかなか算定がむずかしい、ひまどるというような関係からいたしまして、相手が鉄道会館でありまするし、まあ鉄道としては取りつぱぐれが絶対にないというような点から申しまして、この構内営業規則によるのだ、この構内営業規則で使用料は取るのだということははつきり謳つてあり、又その点はわかるのでありまするが、地代を幾らにするかというような点をきめるのが、そういうような関係から申しまして若干遅れていた。その点を非常に突いて来ておられるのであります。併し確かにそういう点は若干事務の処理が緩慢であるという嫌いは勿論ございまするので、最近におきまして、大体この坪当り幾らにいうことに一応の算定をいたしまして、今後改訂を前提といたしまして、すでに使用料金等につきましては算定を了し、極めて最近の機会に徴収をいたしたいというふうに考えております。
 それからその次に、営業者に転貸の件、この点も衆議院等におきまして問題になつておつたのでございまするが、鉄道の構内で営業をいたしまする場合に、基本になりますところの構内営業規則には、構内で営業する場合には直営でやらなければならない、特別に承認を得た以外のほかは転貸をしてはいかんということが明らかに謳つてあるのでございます。然るにこの鉄道会館の場合においては明らかに転貸ではないか、鉄道から土地を借りて、それを又貸ししているのではないか、その点は明らかに構内営業規則の違反ではないかという点が問題になつておるのでございます。で、この構内営業規則はもう昔からあり、累次の改変はやつて参つておるのでありまするが、何分にも従来は、この構内営業と申しますると、極めて小規模な駅の隅つこにある売店でございますとか、或いはせいぜい大きくても弁当屋さんの営業の監督というような程度のものでありまして、今回の鉄道会館の場合におけるような、非常に大規模な、又総合的な営業の規模、形態というものを律するのには、いささかじやなしに大いにまあ時代おくれなわけであります。従いまして、今後の問題といたしましては、やはり新時代に即応するようなこの構内営業規則の改正なり、或いは新らしい鉄道会館、民衆駅というようなものを想定いたしました条項を更に附加しなければならないというふうに考えておるのでございます。ただ今回の鉄道会館の場合には、この契約の十一条を御覧になりますると、当然に転貸を前提とした条項が総裁と鉄道会館の社長との間に取交わされました。先ほど専門員からお話のありました基本的な契約書の十一条にそれが謳つてございます。転貸を何と書いてございましたか、この営業者の選定については、ちよつとその十一条をここで読まして頂きますると、「この施設内における営業については、日本国有鉄道構内営業規則を適用する。」ここではつきり「構内営業規則を適用する。」ということは、土地の使用料も、建物の使用料も、又売上げに対する構内営業料と申しておりますが、それも取るのだということを謳つておるのでありますが、その今申上げるのは但書きのところでありまして、「但し営業者の選定については、国鉄は会社の意向を尊重し、会社は営業種目の選定については事前に国鉄の承認を要する。」、この書き方は、そこでどういうお店がどういうような飲食業をやるとか、或いはまあ浴場営業をやるとか、そういつたような業種は鉄道が指定するが、どういう業者を入れるかということにつきましては、会館自体でやつてよろしいと、こういうことを謳つている。直接の表現ではございませんが、この但書きは明らかに転貸を前提としているということでございます。従いまして従来ある構内営業規則で当てはまる部分は当然この鉄道会館にも当てはめる、そうして構内営業規則で律し得られない部分につきましては、別にこいつを定めて行く。そうしてそういつたような判例的なものが次々にできて参りまする結果が、新らしい構内営業規則を予定し、考えているというような経過になつておるわけでございます。
 それからその次にございます公共企業体の財産、これは一体国鉄総裁は自分の国鉄の土地、建物を賃貸借することができるかどうかであり、その前提といたしまして、一体国有鉄道の財産というものが国有財産であるかどうかという点でありまするが、その点におきましては、国鉄が公共企業体組織に移行しました場合に、国有財産法の適用をはずされまして、現在におきましては、ここにありまするように、公共企業体の財産ということになつておるのであります。国有財産につきましては国有財産法という法律がありまして、その管理、運営につきましては法律的基礎があるのであります。現在公共企業体の財産につきましては、そういつた法律的なこれを律するところの法律がございません。衆議院で問題になつておりました点の一つが、やはり公共企業体の財産につきまして、その特殊性に合うような法律的な財産の管理規程を設けるべきではないかというような点が問題になつておるのであります。現在におきましては、国有財産ではないというようなことをここで書いておられるのであります。ただいろいろな扱い方におきましては、国有財産に準じた考え方、扱い方がされているということがここに記されているわけでございます。
#16
○説明員(江藤智君) 施設局長の江藤でございます。副総裁並びに営業局長から詳しく御説明がございましたので、私からは、主として技術的な面から御説明いたしたいと思います。
 八重洲口の本屋の建設の計画は、終戦直後戦災復興都市計画によりまして、こちら側に相当大規模の本屋をこしらえるということが都市計画委員会によりまして決定されておるわけなんでございます。その後こちらのほうが非常に発展して参りましたので、いつまでも焼けたままで放つておけませんので、木造の二階建ての本屋を終戦後建設したのでございますが、これは失火のために焼失いたしまして、再び元のままの焼けたままで、駅本屋らしいものは何にもなくて、お客さんは直接通路から出入りをするというような状態に放置されておつたわけでございます。たまたま東京駅の混雑緩和と申しますか、或いは列車の増発に対応いたしますために、従来五本のホームで扱つておりましたプラットホームを二本増設するということになりまして、三年ほど前からその工事にかかつておつたのでございますが、今年の七月一日にこの二本のホーム、六番ホーム、七番ホームと申しておりますが、そのホームができ上つたのでございます。お手許に差上げましたこの図面で、丸い柱がここにこうございますが、この線でございますね、この線までが只今新らしいホームのできておる所でございます。即ちこの下が高架下になつておるわけでございます。それから将来を見越しまして、ここに八番、九番という列車ホームの余地を残しておるわけでございます。これは将来遠行旅客の旅客列車が殖えましたような場合の余地といたしまして、停車場設計上当然将来の拡張余地というものを考えてあるわけでございます。その前にいわゆる駅本屋を、この梯形になつております部分が駅本屋になるわけでございます。そこで少し技術的になりますけれども、東京駅の只今の丸の内側の駅はこれは余り長くて、設計上御非難を受けておるような駅なのでございます。即ち二百メートル以上の長さがございまして、その両側が乗降の通路になつております。で、八重州口をこしらえましても、どうしてもこの通路は裏表通さなければいけないというわけで、この図面で御覧になりますように、この両側の黄色くなつております通路が丸の内のほうの現在の乗車口或いは降車口の通路と真直に連絡いたしておるのでございます。非常に長うございますから、この間に駅の旅客扱いとしまして余り有効でない場所ができて来るわけでございます。ここで黄色く書いてございます所が旅客の取扱いに必要な通路、或いは、付合室のような所になつておるのでございまして、赤く塗つてございます所がそういう駅設計上空いて来る場所というふうにお考え願いましても結構な場所なのでございます。そこでこれを使わないで、まあ板囲いにでもしておけばそれまでなんでございますけれども、先ほどから御説明をしておりますように、停車場の本屋に振り向け得る工事経費というものは非常に僅少でございます。昨年度も今年度も、約五百億余りの工事経費に対しまして四億四千万円という程度の工事経費しか駅本屋には振り向け得ないような状態でございます。如何にこの金額が苦しいかということは、全国の停車場が四千四百ばかりでございますが、殆んど木造でございますから、その耐用年数を仮に四十年といたしましても、一年に百程度の駅はいわゆる取換えをしなければいけない。その上にまだ戦災の復旧も十分にできておらない所がございますし、旅客が非常に殖えまして、非常に狭隘な駅舎もたくさんございます。こういう駅を何とか直したい。ついてはこういうような利用し得る、非常に利用価値の高い所は何とかこれを一般に利用してもらつて、その金で八重洲口のようなところの建設費の足しにして、そうして少しでも一般の駅のほうに金を振り向けたい。まあこういう気持ちが非常に強くこの鉄道会館を置くということに響いて参つたというふうに私たちを考えているわけであります。そこでどういう部分をそれでは鉄道会館を作ることによりまして経費の足しにしておるかと申しますと、この図面で黄色く塗つてございます部分、これは若し鉄道会館を作らなくても、国鉄といたしまして、旅客扱いの面でどうしてもこしらえなければいけないところなんでございますが、ここに店屋などを置きますと、この黄色い部分もやはり店屋に行くお客さんも通るであろう、こういうような理窟の下にこの黄色く塗つてございます部分は費用を折半負担いたしたわけでございます。それから基礎につきましても、仮に国鉄といたしましては、まあ一階ということは実際問題としてないと思いますけれども、仮に一階の駅をこしらえるといたしましても、これは東京の表玄関ということを考えますならば、基礎工事、或いは地階というようなものは、これは高層建築に対する構造にしておきまして、そうして将来余裕ができたならばその上に継ぎ足し得るような設計にするということは、一応技術上当然考えることでございまして、そういうような考慮を払つた駅も大阪その他にはあるのでございまして、仮に八重洲口に一階の駅を作るといたしましても、基礎部分については、相当の将来を見越した工事をするのは当然であると考えられるわけであります。そういう部分に対しましても、この鉄道会館のほうに経費の分担をさしておりますので、そういう金を合計いたしますというと、これは予算でございますが、約二億八千万という金が工事経費に直接足しになつておる。まあそのほか将来ともここから上ります構内営業料金というのが年に数千万円というものは上るであろう、そういうようなところで、鉄道会館をこしらえますことによつて工事の面においても相当にプラスになつておる。又我々といたしましては、十分公共性を持たせながら、そこから上つて来る利益によつて国鉄もプラスになるのだ、こういう確信の下に仕事をやつておつたわけでございますが、まあいろいろな面におきまして、世の御批判をこうむるようになつたことは誠に遺憾に存じ、又我々といたしましても十分考え直しておるわけでございます。
 次に設計上、将来プラットホームになります部分の鉄骨部分、これは先ほども御説明になりましたように、ここは甲種防火地帯でございまして、仮のものといえども不燃性のものにいたさなければならない。鉄骨だけでもいけないのでございまして、鉄骨構造にいたしました場合には、その外をコンクリートで巻かなければならないという法律が出ておりますので、それによつたわけでございますが、そういうような構造物になりますというと、勿論契約面におきまして、鉄道の都合によつては会社のほうは自分の費用でいつでも立ち退くということになつておるのでございますが、併したとえ契約でそうなつておりましても、そのために非常な損害を会社に与える、或いは国鉄自身も損害を受けるというようなことではまずいのでございまして、設計の面におきまして、そういう点は十分に実は考慮してあるのでございます。即ちプラットホームになります所は、鉄骨の上がすぐプラットホームに使えるように実は設計してございます。極く僅かな経費の増加で、そういうプラットホームに耐える程度のものはできすから、プラットホームになる所はそのまま使えるわけでございまして、従いましてその下にある店は別に将来動く必要はないわけでございます。それから線路が入ります所は、これは列車荷重が非常に大きいのでございますから、そういう基礎も今からこしらえておきまして十年先か十五年先かまで資本を寝かしておくということは非常に不経済になりますので、この部分はその工事をする間だけ一時店屋が移つておらなければいけない。順々に仕事はやつて参りますから、極端に言えば一部屋ずつ移して、返して行けばいいわけなんでございまして、事実ここからみんな追いのけてしまうというわけではないので、工事をする間だけ一時のいておればいいというわけでございますから、こういう程度ならばそれほど無理なく改造ができるのじやないか。殊に只今のように技術が進んで参りますというと、只今でもいろいろ基礎工法がございますから、まあそう一般に考えておられるように、みんなとつぱらつてやるのだというようなことをやらなくてもでき得ますし、又鉄骨の補強などもいろいろと技術が進んで参つておりますから、大した犠牲は払わなくてやり得るというように設計上の考慮が払つてあるわけでございます。
 それから工事につきまして、国鉄が如何にも停車場と申しますか、鉄道会館の仕事を鉄道工事のようにしてやつておるというような御非難も耳にいたしておるのでございますが、こういう本屋の仕事でございますとか、或いは鉄道線路に直接関係があるような仕事は、従来とも国鉄が委託工事といたしまして、相手から金をもらいまして、或いは資材を現物で提供してもらいまして、そうして仕事をやつておるわけでございます。勿論これに従事する職員の給料なども、本俸或いは地域手当などの総計に五割増し、即ちこれは恩給その他の費用になるのでございます。恩給だとか被服などの費用に充てるのでございますが、五割増しの経費としてもらうというような規則になつております。この請願工事の規定によりまして国鉄が引受けてやつておる。但しこの仕事は国鉄の二部分に直接関係があるところ、或いは二階以上の鉄骨とか、或いはコンリートで巻きます主体工事、これは国鉄の上に乗るのでございますから、変なものを作られても困るので、その部分を委託工事として引受けておるわけでございます。併し二階から上の部分の間仕切りであるとか、或いは仕上げ工事であるとか、或いはこの鉄骨部分にいたしましても、この赤く塗つてあります部分の会社の専用部分につきましては、すべて会社自身のぼうで仕事をやつておるわけでございます。
 なお電源の問題につきましても問題が起つたのでございますが、この本屋につきましては、一階以下は勿論国鉄の電力を使い、国鉄でそれの受入れ設備をいたしますけれども、二階から上につきましては全然別個に会社自身が電源の引入れ装置をいたし、又電力も国鉄の電力でなくて、一般の関東電力から電気を入れるというようなふうにはつきりとその点は区分いたしておるわけでございます。
 以上簡単でございますが、設計につきまして御説明いたしました。
#17
○平林太一君 私からは一応いろいろ当事者からの説明を聴取いたしましたから、各位から御質疑があると思いますので、私はこの程度にいたします。
#18
○長谷山行毅君 この専門員の作成した書類の工事と予納金の問題ですが、今施設局長からお伺いしたところですが、これが本件委託工事は今日までのところ契約高六億三千幾らという話なんですが、この関係をもう少し詳細に説明して頂きたい。
#19
○説明員(江藤智君) お手許に差上げました図面で、只今までにでき上りました部分は、この高架下の部分でございますね。高架下の部分と、それから連絡上屋の丁度半分でございます、半分が今でき上つております。それからこの半分残つておりますのは、只今旅客の通路にここが当つておりますので、ずつとここの工事は遅れるわけでございます。この本屋の基礎の工事に只今かかつておるわけでございます。それで先ず高架下の工事で、国鉄が委託を受けまして工事をいたしました額が四千四百四十万円、即ちこの黄色い部分、これはまあ会社のほうが費用を半分持ちまして、私のほうに寄附するわけでございます。それが鉄道に対する委託工事として……、私のほうの工事と一緒にしなければいけませんのですから、委託工事でやつております。次に連絡上屋でございますが、この連絡上屋の半分の工事で会社のほうで負担する金が、これは主に鉄骨でございますが、約一億三千万でございます。これもやはり私のほうと一緒に仕事をやりますところで、向うの委託を受けて仕事をやつております。それで合計で約一億七千になります。それから今根掘りをいたしまして、それから鉄骨の製作を発注いたしたところでございますが、この根掘り及び鉄骨の製作は、これはやはり委託工事といたしまして当方で受けております。これが約四億余り、合計いたしまして六億という工事が委託工事として只今までに国鉄がやつておる工事でございます。
#20
○長谷山行毅君 この工事の、委託工事という観念が余りはつきりしていないので、質問が的を外れておるか知れませんが、こういう請願による委託工事というものがある場合には全額を予納させるというのが原則だということになりますと、この工事の工事費の総額を予納させる、こういう意味なんですか。
#21
○説明員(高井軍一君) この点について御説明を申上げます。只今御質問がありましたように、在来の扱い方といたしましては、委託工事いわゆる請願工事でありますが、そういうようなものにつきましては全額の予託をする、現金で。例えば一億の工事の見積りがありますれば、一億を現金で予納するのが建前であつたのでございます。そういうような規定にずつとなつておりましたが、よく考えてみますと、何故にこの予納金を取るか、これははつきり担保が保証されれば、国有鉄道に損害を及ぼさないことがはつきりすれば何も現金を取る必要はないじやないか、そういうふうにかねて私ども考えておりましたので、二十八年度になりましてから予納金の制度というものを改めたのでございます。即ち予納には現金を建前にいたしますが、必ずしも現金じやなくてもいい、銀行の支払保証とか、はつきりした担保を提供させればよろしいというので、現金の担保を原則といたしますが、若し分納を認める場合におきましては、これを全額に銀行保証をさせまして、分納の分だけ現金を予納しろ、そういたしますと、この工事費を分納しましたときにおきましては、支払の金だけははつきりそこで入るのでありまして、支払の必要以外のものにつきましては、ちやんと然るべき銀行の支払保証なりというものが保証されることになるのでございます。これが本則でございまして、これは全般に地方局長、工事事務所長にそういうようなどちらでもよろしいということを指示してございます。併し一方におきまして、数年度に亘ります大きい工事でございますとか、或いはこの経費の見込額が十億とか二十億とかいうものがございますと、そういうような二十億、三十億という額を現金を積めとか、或いは銀行保証を初めからやれというようなことは、現在のいわゆる経済常識から申上げましてちつとおかしい、そのときには数年度に跨がりますものとか、或いは非常に厖大なものにつきましては、これは資力、信用確実なものについては、分割いたしまして工事をやりますので、分割部分につきまして銀行保証乃至現金の担保というものを提供させるようにしなさいというような工合にいたしましたのでございます。それでこの出ておりますのは、鉄道会館だけにとりました処置ではありませんので、全部の委託工事につきまして適用いたしまする予納金の制度を改訂いたしたい、こういうことでございます。
#22
○長谷山行毅君 この請願工事に対する何か規則とか規定というものが制定されてありますか。
#23
○説明員(江藤智君) 鉄道請願工事経費負担規程というのが部内で制定されてございます。
#24
○長谷山行毅君 今のその規程を資料としてあとで一つ提出するように取計らつて下さい。
#25
○委員長(東隆君) 提出を願います。
#26
○長谷山行毅君 それから今の、本件の場合には請願による委託工事というのは、その分量はどれまでを委託されたわけなんですか。
#27
○説明員(江藤智君) 先ほど申しましたように、高架下のいわゆる黄色く塗りました一般の旅客とか駅施設になる部分、それから鉄骨……。
#28
○長谷山行毅君 ちよつと、発言中ですが、そう細かく御説明を聞くよりも、この総設計工事費が計画書によると三十二億七千万円、そのうちに国鉄負担分が三億九千万円ですか、あとは会社その他の負担ということになつておるのですが、工事全体を委託を受けたのか、そのうちの一部分を委託を受けたのか、その点を説明してもらいたいと思います。
#29
○説明員(江藤智君) 本屋でございますと、基礎の部分について向うの分担金がございます。その分担部分は向うから委託を受けます。それから主体と申しますと、鉄骨、いわゆる建物の骨になる所でございますね、こういう仕上げとか何とかというのは除きまして、鉄骨及びそれを包むコンクリート、これだけを委託工事でやることにいたしております。
#30
○長谷山行毅君 その委託を受けた部分が今日までのところ六億三千四百万円だ、こういう意味じやありませんか。
#31
○説明員(江藤智君) 今日までに委託を受けました工事の分につきましては、全部現物或いは現金或いは銀行保証で予納されておるわけであります。それが六億幾らでございます。
#32
○長谷山行毅君 そうすると、これは分納したというわけでなくて、むしろ予納額が六億四千五百万円全部受入れ済だということになれば、これは全額を受けておる、こういうことなのですか。
#33
○説明員(江藤智君) これまで発註いたしました工事については全部受入れ済でございます。併し今後まだ鉄骨を包むコンクリートの工事というようなものがまだ出て参るわけであります。
#34
○長谷山行毅君 それじやこの問題については、あとで請願工事に関する規程を見た上で質問いたします。
#35
○小林亦治君 使用料金の未決定のことなのですが、何かぴんと来ない。鉄道とこの会館との私的関係はどういうことになつておるかわかりませんが、いやしくもこの東京の都内で或る企業を行う、まして高価な建築物を建てて、それを基礎に企業をやるというような場合は、ここの地代というものは企業経営なり或いは営業のもくろみについては重要な要素だと思う。それをきめずして、而も未だ徴収してないということは、御釈明の如何にかかわらず常識上納得しません。そういうところに疑惑が胚胎しておるのじやないかと思われるので、一体そういう先例が従来あるかどうかということと、どの程度まで会社を信頼し、いわば放任的な状態にさらして、問題化する今日までかまわずにおいたか、この点を一つ明瞭に聞かせてもらいたいと思います。
#36
○説明員(津田弘孝君) 只今小林委員からお話がございましたように、土地の使用料等につきまして具体的細目をきめずに、親契約だけして工事を始めた、而も更に転貸者を入れて、そこに対しては家賃をとつているという点が非常に論議されておる点でございます。その点は先ほども申上げましたようなふうに、いろいろと土地の使用料等につきまして評定が困難でございまうた事情はあるにせよ、大変遅れておりました点は恐縮に思つております。従いまして、いろいろと地価の評定につきましては、今後我々の間で話合つおりまするのは、いろいろと評価がございまするので、又国鉄が独断的にきめるということもどうかと思いまして、今後はこういつた土地の賃貸価格、或いは不動産事業というようなことにつきましての専門家を構成員の中に入れましたそういつた地価の評価委員会とでも称すべきようなものを国鉄部内に設けて、慎重に而も迅速にやつて参りたいというふうに考えております。この鉄道会館の場合におきましては、先ほども申上げましたようにその地価がはつきりいたしませんので延び延びになつておりましたが、先日一応坪当りの価格を表側も裏側も、これは鉄道会館は非常に裏と表では、通りに面したところと高架線に近いところとでは地価の違いがあると思うのでございますが、一様に中央区税務署の最高価格と言つております坪当り十万円という価格に評価いたしまして、徴収の令書を出しております。
 なお土地の構内営業料、これは売上げに対して百分の一を取るのでございますが、あそこに入つておりまする店がまだ七月一日に開業したばかりでございますので、果してどの程度の売上げになるかということの算定が困難でございまするが、これ又やはり東京都内におけるところの百貨店の坪当りの収入を根拠といたしまして、これも先般令書を発出いたしております。
#37
○小林亦治君 売上げの一%というものが将来のいわば使用料のようなことになりますから、そういう形で入つてくるのであるから、地代についてはさまで几帳面に考えなかつたということはこれはわかる。わかるが大体この国鉄の経営は、小さいのは電車に乗る場合でも何でも現金収入だ、前金収入なのです。而も営業的なかような設備を会社と共営的にやる場合に、地代をきめないでやつたということは、これはどうも納得が行かない。まあ気を許された点もあるかとも思うが、私どもは将来かようなことがあつてはならないと思うのです。それについて副総裁はどういうふうにお考えになるか、そのような場合には事前に評価の方法を仕組んで適正な評価が工事契約に入る前にぴんと浮かんでおらなければならないはずなのです。それを将来そういうふうにされるかどうか、どうすべきものか、どうですか、責任者として……。
#38
○説明員(天坊裕彦君) 只今の御質問は全くおつしやる通りでございまして、ただ誠に申しにくい話でございますが、実際問題として小さい場合においてもあとからそれをきめるというようなこともやつていないとは実は申上げられない事実があるのでございます。それだからといつてこういう大きなものになりますれば、なお更これは正確にやらなければならなかつたということは当然でございまして、その点は全く申訳ない次第でございます。若し地価等がわからなければ概算ででもはつきり取つておくべきだつたというふうに考えております。将来はこういうことにならないようにいたしたいと存じております。
#39
○小林亦治君 国鉄の土地と建物、不動産なのですが、国有財産法の適用を受けない。まあ管理経営はこれは適用を受けないでも、結局国有には間違いないと思う。これは実例をお聞きするのですが、国有財産法の適用を受けざる国有財産はその管理者が、これはお聞きするのですが、所有権も処分してもいいのですか。
#40
○説明員(天坊裕彦君) 国有鉄道法の四十六条に「日本国有鉄道は、法律に定める場合の外、営業線及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、交換し、又は担保に供することができない。」というのがございまして、重要な財産については制限がはつきりしてあります。従いまして逆に、国有鉄道法の第一条並びに第三条の精神からその他の重要ならざる部分については処分できる。然らばこの東京の問題でございますが、こういうことが重要でないかどうかの問題でございますが、本来の目的の用途に支障ないという判断の下で或る程度貸すことは勿論できるというふうに考えております。
#41
○小林亦治君 貸すことはいいと思うのですが、ただかような永久的の建造物を設ける場合には、これは常識から言つて当然なのですが、そこに堅固な建造物を認めるということは、結局永久の権利を与える、所有権にあらざれば所有権類似の、或いはそれに近いところの強固ないわば賃借権を取得せしめるという結果になるので、これは譲渡に準ずると思う。所有権の移転が行われなくても、欲する場合にその取戻しはできないというような契約がなされるので、そこでかような場合には、これは八重州口だけの問題でなく全部の問題ですが、これは違法ではないかと私は思う。ビルディングを建てて三年間なら三年間、国鉄の御用がある場合はいつ何時でもお返ししましようというような時貸しの契約である場合ならば、今おつしやるような権限の範囲内に入つておると思う。かような何百年でも保存のできるようなビルディングのようなものを建てるということになると、所有権の譲渡はしなくとも所有権と同じような権限を賃借人に与えるということになつて、これは違法だと私は考える。そこまで国鉄の権限はないと思う。こういうふうに思われるのに、その点をどういうふうに御解釈なすつておやりになつたか、これは非常に大きな問題であり、若しこれが私が疑問を持つておる通り違法だとするというと、随分問題が波及すると思うのです。その点を一つお聞きしたい。
#42
○説明員(天坊裕彦君) 先ほど申しましたように、固定資産につきましては、その用途に応じて最も効果的に運用するということが規定に謳われておりますが、鉄道総裁といたしましては、その精神に則つて、財産の有効活用を考えておるわけでございます。成るほど賃貸借としても永久構造物を作るということは大きな処分ではないかというお話でございますが、これが将来において本来の仕事に邪魔にならないのだという判定は、只今のところ国鉄総裁に任されておる問題ではないかというふうに考えております。又高架下或いは連絡上屋等につきましては先ほど説明がありましたがこちらが明渡しを要求するときには返してもらうという信頼が先ず必要なのでありまして、相手方を十分選んだ理由も又そこにあるわけでございます。
#43
○小林亦治君 個人の場合であるならば、今副総裁がおつしやるようにそれは間々あることであり、やはり相手が株式会社であると経営者も違いますし、それから株主が主に国鉄の縁故者によつて構成せられておるという関係上、そういつた憂いは少いと思うのですが、これは一つの国有財産法の盲点だと私は思うので、念を押したんです。そういう場合までは、最も効果的な用法に従つて管理経営するという言い訳があつても、これはここまでは権限がないのが本当じやないかと思うので、疑問を持つたのでお聞きしたんです。これは私繰返して言うと、国有財産法の盲点だと思う。かようなところまで、将来そんなことはあるまいが、万一国鉄がその使用を廃止した場合には、その廃止したものを受継いだところの国家機関がどうしようもなくなるのです、その会社に対して。会社こそ永久の権利を握つてしまうということになる。建物が腐つて潰滅しない限りその土地に対するところの占有権を持つておるのです。従来違法でない、権限の範囲内だと思われてやつて来たかも知らんが、将来はそうであつてはならない。これは国有財産法に対するところの一つの示唆になるんじやないかと考えるので、そこまで権限があるものと思つてもらつては困るというような気がするので、少し考えて頂きたいと思う。簡単にバラックを建てた時貸し営業とは違うのだから……。
#44
○説明員(天坊裕彦君) 只今お話の通り、私どもとしてはできるだけ慎重に考えたつもりなのであります。又この会社自身にも共済組合というようなことで、共済組合の責任者としての総裁が関与しておる、三分の一の株を持つておりますれば、実質的にも何とかリードできるというのが大体経済の常識のようでございます。私どもとしてはその点は将来は慎重に考えなければならんことは勿論でございますけれども、この場合につきましては、私どもとしてはできるだけの考慮を払つてやつたと申上げるよりほかございません。
#45
○小林亦治君 今までは問題が起らなかつたのであるから、善意におやりになつただろうことはこれは諒とするのですが、将来のことを考えると、それは少し行過ぎじやないか、財産法の適用がなくとも国有財産に相違ないし、所有権の譲渡がいけないとすれば、所有権を譲渡したと同じような権利を第三者に設定することは能わないはずではないかと思うので申上げたのです。
 そこでもう一つ聞きたいのですが、この会館の中で営業をするところの各商人に対する何といいましようか、会館側が監督するわけなんですが、会館とその商人との間の契約とか、取りきめとか、それらに対して鉄道当局としては奈辺の干渉権があるものか、まあ権限はないにしても何らかのこれは責任があると思うのですが、その辺はどういうものなんですか。
#46
○説明員(津田弘孝君) 一般の構内営業の例でございますと、国鉄と契約をいたしまする相手方はその構内営業をいたしますもの自体でございます。即ち構内で弁当営業をやつておりますれば、つの構内営業につきまして鉄道局長と構内営業人との間に契約があるわけでございます。今回の鉄道会館の場合は、この従来の方式でございませんので、国鉄と契約の相手方は株式会社鉄道会館だけでございます。この契約の十一条にも先ほど読上げましたが、営業者の選定については国鉄は会社の意向を尊重する、飽くまで選定は会社がやるのだ、それから会社は営業種目の選定については事前に国鉄の承認を要する、如何なる営業の種目をやるかということにつきまして国鉄の承認が必要でございまするが、個々の業者の何者を入れるかということにつきましては、これは国鉄と直接の契約関係はございません。勿論構内営業の通例といたしまして、旅客、公衆の便宜に供せられるような業種、又当然のことながら鉄道の構内営業として品位のあるものでなければならんといつたような点はこの場合も同様でございますが、今お話のございましたような、直接の国鉄との間の契約関係にはなつておりません。従いまして例えば転貸者でございますと、営業者から会社が幾ばくの家賃をとるかといいうことにつきましては、国鉄は直接関与はいたしておりません。
#47
○小林亦治君 今局長がおつしやつたように、やはり会館の経営状態、それから会館の賃貸借人らに対するところの態度そのものというものは、これは法律上はいろいろな面がありましようが、ともかくこれは国鉄の信用に関する問題だと思うので、その会社のそれらの政策のよろしきを指導するという親切な方法を考えなければならんと思うのです。或いは一つの責任ではないかと思うのであります。その面について考えてみますというと、秋葉原会館なんかもやはり同様の問題が起きておる。秋葉原会館は昭和二十六年の十一月に竣工したのだそうですが、これも鉄道当局がその会館を今局長各位がおつしやつたように、非常な信頼を以て任したものだと思うのです。ところがその任されたところの会館の経営者は当時商人に対しては売上の五%を徴収することになつておる。こういうような契約だつたのだそうですが、現在七%から一四%を取上げておる。それから同種の営業者に対しては、その営業と同じ営業を直営しないという確約があつたにもかかわらず、その経営者の懐があたたかくなつた途端に、いろいろな同種の営業者をどんどん入れ込んで来て、最近では五十何名の業者が悲鳴を挙げて国会に陳情或いは請願というような形で押寄せて参つておるのです。これについて或いは副総裁なり局長が何かお耳にしたことがあるかどうか、それをお聞きしておきたい。
#48
○説明員(津田弘孝君) 先ず最初に申上げたいことは、先ほども申上げましたように、この今問題になつておりまする鉄道会館におきましても、或いは只今おつしやつた秋葉原会館におきましても、そこで営業しております店と国鉄とは直接の契約関係はないのでございますが、併しながらいろいろまあやつて参りますると、国鉄が構内営業につきまして考えております方向、とつております方針というようなものに対しまして、それに矛盾するような事態も若干生じて来ておるような現状でございますので、今後の問題といたしまして、取りあえず鉄道会館につきましては、会社が業者と契約をするその契約の中に、鉄道の構内営業規則を遵守するという条項を入れさせるということにいたしたいというふうに考えております。間接的ではございますが、構内営業規則で狙つておりまする効果はそれで達せられる次第でございます。
 それからなお今お話のございました秋葉原会館につきましては、さような風聞を私どもも聞かないではないのでございますが、これらにつきましては、なお十分に実相を調査いたしたい。国鉄といたしましては、構内営業料といたしまして所定の土地使用料とか、建物使用料以外に先ほど申上げました百分の一の売上げに対する構内営業料というものを取つておるのでございますが、会社がこの土地の使用料なり国鉄から課せられるいろいろな料金関係を更に個々のお店にぶつかけておる。而も相当多額にかけておるというようなことはあり得るのではないか、まだ風聞だけでございますので、実態を今後確かめたい、かように考えております。
#49
○小林亦治君 今局長がおつしやつたように、一つ睨みをお持ちになつておりますから、そういう非難が起らないように、そこは鶴の一声でどうにでもなるのです。業者の五十何名は非常に苦しんでいろいろな組織を作つて対抗しようという工合になつておるので、これは一つ是非監督を厳にしてもらつて、適正な程度に引戻してもらうように御配慮願いたいと思います。そこで今の秋葉原の問題も、もう一遍実相を研究して、次の機会に詳細に伺いたいと思うのです。本日のようにお歴々に全部おいで願つては大変恐縮で、お忙しいところ大変ですから、その関係において必要な場合にはその局長さんにおいで願つて御説明願い、或いは御抱負を披瀝して頂くことにいたしまして、本日は如何でしようか、もうくたびれてもおるし、或いは大体間口を見せて頂いた程度にして、我々の審議は今後に移してもらいたい、そういうようにしたらどうでしようか。
#50
○委員長(東隆君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(東隆君) 速記をつけて下さい。
#52
○長谷山行毅君 資料の提出を求めますが、国鉄の構内営業規則と、それから国鉄財産貸付規則、そういうふうな内部的ないろいろな規則があると思うのですが、そういう規則についてあるあのの提出方をお願いいたしたいと思います。
#53
○八木幸吉君 資料の要求をいたしたいと思います。いわゆる民衆駅の既設のものと工事中のものと、建築決定済のものと計画中のもの、この四つに分けまして、契約の内容、契約先の定款及び若し株式会社であればその株主名簿、それから使用料及び建設資金の負担割合、それから工事の進捗状況、又貸しの有無及びその状況、それからステーシヨンのターミナルにいろいろな建築物が、恐らく外国にもその例があると思うのですが、外国の同じような例がありました場合の鉄道会社と建てておる或いはホテルなりなんなりとの契約の内容等で、御当局の調べたものがあれば、その参考資料も併せて御提出を頂きたいと思います。
#54
○平林太一君 これは専門委員室で次回までに調べて提出をせられたいと思うのですが、公共企業体の財産についての専門員室の調査資料によれば、国鉄の土地、建物等は公共企業体の財産である、国有の財産ではあるが、国有財産法の適用が排除されているとこう書いてありまするが、この法律の適用はどういうところにこれが裏付けられてあるのか、それを調べて頂きたい、こういうことでございます。
#55
○委員長(東隆君) 専門員にですね。
#56
○平林太一君 専門員のほうで、次回までに……。
  ―――――――――――――
#57
○委員長(東隆君) それでは次に、公社問題について専門員のほうから説明をしてもらいます。
#58
○専門員(森莊三郎君) 公社問題につきましては、本日国鉄のほうから「交通公社の乗車券発売代金納入の経過について」と題する印刷物を配付されましたが、それを拝見いたしますると、前後の事情が非常に明らかになつておりまするので、それ以上附加えることは殆んどないと思いまするが、昨日私のほうでそれと同じ種類の材料に基きまして作り上げましたものが、別紙のガリ版刷りのものでございまするが、日附の前後の関係などを見て頂きますには、このガリ版刷りのほうがおわかりやすいかと思います。極く簡単に申上げますると、先げ汽車の切符の売上代金は大体において翌月末日に納入させることとなつておつたのであります。併し大体においてというわけでありまして、各鉄道局において必ずしも厳格に一定していたというわけにも行かなかつたのであります。それはたくさんな切符を発行いたしまするし、それらを国鉄の各鉄道局のほうでも調べなければならない、又売上げた交通公社のほうでも調べなければならない、両方の数が合わなければいけないというような面倒なことがありまするので、三日や五日そこらは前後したことがありまするが、こまかいことは抜きにいたしまして、要するに翌月の末日に納入させることになつていたのであります。但しそれは別に法律の基礎に基くわけではなくて、ただ契約上鉄道局から指定した納入日に納めてもらうこと、こういうふうに抽象的な言葉で書かれてあつたのであります。ところが交通公社といたしましては、大正二年に創立いたしまして以来、引続きこの売上代金の約五%を手数料としてもらつていたわけなのであります。これも大ざつぱに申しますれば五%でありますが、こまかく申しますれば、その切符の種類その他によつて多少の差もあるようでありまして、絶対的に五%というわけではなかつたそうであります。ところが昭和二十四年の六月一日から、占領軍の占領政策に基きまして、この手数料を全廃されたのであります。これがつまり問題の起つて来たゆえんでありまするが、なぜそのようなことを言われたのか、事情はわかりませんが、当時GHQのほうへ呼ばれた人々などの話によりますると、一方当時国鉄においては財政がかなり困難であつたという事実があります。従つて自分自身財政困難でありながらよそへ手数料を払う、そんなことはやめてしまえ、交通公社は手数料をとるならばお客のほうからとればいいのだというような、ちよつと普通には考えられないような御命令だつたのだそうでありまするが、当時の事情として如何ともいたし方がなかつたということのようであります。で当時の公社の一年間の取扱高を見ますると、約五十五億円ほどでありましたから、五%の手数料が一文ももらえないということは、約三億円に近い収入減になります。そうなればもう公社としては到底立ち行くわけには行かない。併し交通交社は外客、外国からの観光客の誘致とか、外貨獲得とかいつたようないろいろな事情もありまするので、国家的見地からみてこの公社を消滅させるということは、これはどうしてもできない。ここで非常な困難にぶつかつたのでありまするが、公社は一番主な収入の源を断たれたものでありまするから、勿論経営難に陥ります。従つて私立鉄道会社の切符の売上は勿論やりまするが、それ以外いろいろな附属事業に手を染めたので、これによつてどうかこうか生き長らえようとやつたようでありまするが、どうもその業績が面白くなかつた。こうなれば自然の結果として、国鉄への切符売上代金の納付遅延というようなことが起ることは当然予想される状況であつたのであります。このGHQから手数料をとめられてからあとおよそ一年を過ぎました昭和二十五年六月末における未納額は、東京鉄道局の分が約四億八千万円、それは四月分と五月分とが納めてなかつた、それ以外の他の鉄道局の分が約五千万円、これだけが計算上未納になつておつたというわけであります。それでこれからあと申上げますることは、すべて東京鉄道局の分だけであります。それを一カ月だけ従来よりも納期延長を認めることにした。そうなりますれば、幾らかこれで公社も息がつけるということなります。併しそれと同時に、この切符の売上代金を普通の一般の金と一緒くたにしておきますれば、監督も届かない、或いはほかの目的に用いられるという虞れもありまするので、二十五年八月から東鉄局の切符売却代金は別品預金にしまして、国鉄へ納めるとき以外には金を出すことはならんというふうにえらい監督を受けたのであります。なお、それ以外にいろいろ日常の業務などについても相当国鉄からは監督が加えられたように聞いております。ところがどうしてもまだそれだけでは立ち行かないというような状態になつたものですから、二十六年の一月からは東鉄局の分だけもう一カ月納期を延長してやるということになつたわけであります。いわばこれだけ利息を稼がせてやるとでもいつてよいのじやないかと思います。併しその未納がなかなか消えそうにもありませんので、二十六年の二月になりまして、少しは手数料をやろう、五%出ないが、せめて三%やろうというふうに考えたようでありまするけれども、これを手数料という名で以て出しますれば、又もやGHQのほうから叱られる。従つて切符代の割引、切符の割引というような名称を用いて手数料に相当するものをやることにしたのであります。それから更に本年の一月になりまして、この切符の割引を五%に復するようにした。これだけの収入が入りますれば、公社としては立つて行くこともできまするし、又従来の未納の分をだんだんと減らして行くということもできるわけでありまするから、二十八年の二月から納期を十五日だけ短縮することにした。つまり六十日延してやつておいたのを四十五日延してやるというところまで引締めて来た。更に本年の五月からはもう十五日短縮したものでありまするから、結局只今のところでは一カ月だけ延長を許しているというようなわけでありますが、これは是非とも当年度中にはこの一カ月延長を消してのまつて、以前の状態に復するようにいたしたいという予定だそうであります。
 この書きものの中に一つ書き落した点がございまするが、それは他の委員会において問題にされておりました点で、延滞償金、納付を延滞しておりますればそれに利息をとる、この延滞償金をどれだけ免除したかということが問題になつておるのであります。それにつきましてこの点が少し私の調査が行届いておらん点がございまするが、問題を二つに分けて考えなければならないかと思います。それは一カ月延長を許すということにしますれば、許された日に納めさえすればよいわけで、そもそもの契約が指定したところの納入日に納入すればよいというのですから、一カ月指定日を遅らしてもらいさえすれば一銭一厘の延滞償金をも出す必要はないのでありまするから、それを延滞償金ということは言葉としては適当でないだろうと思います。併しながらここにもありまするように二十五年の六月末における未納額は四億八千万円ほどもあつた、そういたしますれば、その前の五月にも四月にも三月にもそれぞれ若干の未納はあつたわけであります。それに対しては幾らかの、日歩四銭ということでありまするが、その利息を延滞償金としてとるわけ下ありますが、それを果してとりますか、或いは自然のうちに免除をしてしまうような結果になつてしまつたか、そこのところだけ少し調査が不十分でございます。
#59
○委員長(東隆君) 会計検査院のほうからお話ございますか。
#60
○石川榮一君 ちよつとお伺いします。二十六年の六月末における未納額は、東京鉄道局の分だけとありまして、ほかは総計で五千万円とありますが、もつとあるのですか、これだけですか、どうなんですか。
#61
○専門員(森莊三郎君) これだけでございます。
#62
○石川榮一君 それ以前にさつきあなたが触れられました延滞償金という名称をつけて、他のほうから意見が出ておるということですが、その面の延滞の情勢はわからないのですか、金額がどのくらいであつたか。
#63
○説明員(高井軍一君) 只今の御質問は、二十五年の六月現在では東鉄の分が四億八千万円、その他の局で五千万円というものがあつたが、その前はどういうことになつておつたかということでございますか。
#64
○石川榮一君 そうでございます。
#65
○説明員(高井軍一君) その前と申しますか、そういうふうにだんだん遅れて参つておりまして、ちよつとお答えしにくいのでございますが、全部で五億三千万円でございます。そういうものがあつたということでございますけれども、だんだんこれが、この最初手数料となつておりますうちは順調に入つておつたのでございます。滞納はなかつたのでございますが、手数料が全然廃止になりましたので、だんだんそのほうが未納として積つて来たということでございます。
 それからちよつと私のほうから、専門員に対する御説明が欠けておつた点があるかと思いますので、訂正さして頂きたいのでありますが、この専門員のほうでお調べになりました五のところでありますが、二十五年の六月から東鉄局の分だけ一カ月納期延長、この通りでございます。その次の二十五年の八月から東鉄局の切符売却代は別品預金にしたと、こういうことになつておりますが、これは二十五年の八月からこの東鉄局の分は勿論のこと、全国の代金を全部この別口口座にいたしまして、そうして順々に地方からは送つて来るのでございます。それを別品口座にいたしまして、交通公社のほうからそれを順々に報告をさせ、その通帳を睨みまして、この納期以内でもずつと現在高によりましては、未納の分を納入をさしておつたということでございます。
#66
○石川榮一君 これは参考に聞くのですが、東鉄が交通公社の分以外のいわゆる鉄道、国鉄、公社が扱いました切符代、この代金の計算上の過ち、或いは窃盗等の批難等もあると思いますが、そういうようなロスはどのくらい見込んでおられるのですか、実績がわかりましたならば、お知らせ願いたい。
#67
○説明員(高井軍一君) 残念ながら今ここには切符のロスと申しますか、それは持つてはおらないのでありますが、東鉄で交通公社の売却いたします、預けておりますこの切符も、やはり国有鉄道と同じく私のほうの監督員が参りまして調べておりますので、そうしたその中のいわゆる紛失なり、要するに売却をせずにどつかなくなつてしまつたというものは、東鉄のほうに責任といたしまして弁償をさしておるのでございますが、今ここにちよつと数字を持つておらないのでございます。
#68
○石川榮一君 それを資料としてお出しを願えますか、若しわかつたら……。
 それから切符を売却するために国有鉄道が何十億売るか何百億売るかわかりませんが、それに対する経費、いわゆる公社に仕事をさしておるこの三%か五%というものが、これは正しいのであるかどうかという意味合いを調べるために、国有鉄道自体がこの切符を売却なさるために要する経費、いわゆる公社が扱うと同じように勿論国有鉄道でも相当の人件費を使つておりましようが、それがどの程度のものなのでありますか、勿論このパーセンテージも無論低いでしようが、どの程度かかるものであるか、売却に対して、その資料を一つお出しを願いたいと思います。これは要するにGHQが手荒いストップをした、これは非常に手荒いのですが、五%でいいのか七%でいいのか、三%でいいのか、我々にはわからないのです。でありまするから、この交通公社なるものがどうしても必要だとすれば、その運営は或る程度までそう困難をしないでやれるように、いわゆるサービスができるような計算をして行かなければならんと同時に、又多く利潤を得させる必要もない。これらの点も一応検討をしてみたいと思いますので、それに要する費用をお出し願いたい。
#69
○説明員(高井軍一君) お説のように、代売代金が何パーセントでいいかということは非常にむずかしいものでありまして、これも売却の実費と申上げますよりも、この切符を売ること自体よりも、いわゆるインフォーメーシヨンと申しますか、案内サービスでございますね、これをどの程度さすかということが非常に関連するのでございます。それで切符について諸外国をずつと調べて参りましたのでは、こうした代売をいたしますときには、五%以内のものはないようございます。このいろいろ資料をも持つておりますが、多いところは一割ぐらい出しておるところもあります。けれども国鉄としては当初から五%を出しておりましたし、又この只今お説にありましたごとく、我々国有鉄道がやる場合の、職員でやりました場合にどの程度の経費が要るか、そういうものも十分算定をいたしまして、そうした案内というものも市中に出る以上は、窓口も鉄道の駅のものとやはり違うのでございますが、そういうものはどの程度すべきであるかということは、これもまあ多々ますます弁ずでありますが、やはり五%の範囲内におきまして、サービスの監督をいたすということにいたしておるのでございます。それで三%になりましても、これはやはり当時の三%を当然食い込みますので、やはりサービスの低下でございます。だからそういう点を全然廃止になつておりましたものを何とかいたしまして、向うの占領軍のほうの何を見まして、ようやく無手数料というものを、まあ三%が適正であるという考えで、一時やつておらなかつたのでありますが、ようやく認めてくれて、三%の範囲内において最大のサービスをさすという考え方を決定いたしたのであります。
#70
○長谷山行毅君 今の代売制度とそれからその手数料等について、諸外国の例がありましたら、これを資料にしてお出し願いたいと思います。なおその代売制度そのものが各国によつてそれぞれ違うと思いますが、そういうことも概略を見ればわかるように書いて頂きたい。
#71
○委員長(東隆君) それではこれはのちの審査に付することにいたします。
  ―――――――――――――
#72
○委員長(東隆君) 次は対米伝権問題を議題に供します。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#73
○委員長(東隆君) 速記を始めて下さい。それでは専門員のほうから説明を願います。
#74
○専門員(波江野繁君) いわゆる対米債権というものはどういうものであるかという概念を頭に入れて頂くために、その骨だけを申上げます。
 私拾いましたのは、衆議院の速記録から拾いましたので、或いは不十分の点があるかと存じますが、その点御了承願いたいと存じます。対米債権と申しましても、これは朝鮮向け輸出に対する対米債権、こういうのであります。そこで第一に、その債権の内容はどうであるか、どういうものなのかという点を御説明申上げますと、これは終戦後、昭和二十年十月頃から二十五年三月頃までの間に朝鮮向けの輸出、これは一つは石炭、数量が約二百四十三万トン、その価格が運賃保険料を加えますと、三千二百八万三千ドル、それから次には化学肥料、機械類その他、こういうものが保険料、運賃を加えますと、三千三百三十一万七千ドル、合計輸出の総額が六千五百四十万ドル、これに対しまして、朝鮮から輸入されたものが、海苔、鉱産物、その他、これを合せまして、価格としまして九百八十三万ドル現金として日本側で受取つた分が八百五十一万ドル、そこでこれを差引きいたしますと、結局債権額として残りますのが四千七百五万ドル、これが対米債権の内容であります。なおその輸出は二十年から二十五年までとございますがこのうち石炭と化学肥料は大体二十四年まで輸出されておりますし、二十五年に輸出されましたものは、金額の僕かな雑貨品が多いのであります。
 以上が債権の内容でありますが、第二に、本件債権発見の端緒、どうしてこれがわかつたか、これは昭和二十五年三月二十八日附外国為替管理委員会宛に総司令部から覚書が出まして、いわゆる外貨勘定の引継ぎに関する覚書であります。この覚書によりますと、朝鮮のオープン・アカウントの帳尻は、受取高千四百十三万ドル、支払高三百十九万ドル、差引受取残高千九十四万ドル、こういう内容になつておつたのであります。その後二十六年一月二十二日附に日本銀行宛に又覚書が出まして、それによりますと、この朝鮮の勘定は、受取高が二千百七十九万ドル、支払い高が四百九十九万ドル、差引受取残高は千六百八十万ドル前に千四百とありましたのを、千六百八十万ドル、こういうふうに訂正しろ、同時にこの金額は、同額を貸方のほうにも記入して、結局残高はゼロにしろ、こういう覚書になつておつたのであります。この数字につきまして、日本銀行に宛てられました通牒が発せられた後に通産省もこの事実を承知したのでありますが、通産省としては、朝鮮向け輸出入の数字から見て、残高の約千六百万ドルは少し少な過ぎるじやないかという点に疑問を持つて、更にこの千六百万ドルを落せということも納得できないのではないかということで、同年の夏頃から調査を開始して、その結果、先ほど申上げました四千七百万ドルが日本の債権だという数字になるということがわかつた、こういういきさつのようであります。
 そこで、その数字は一応わかりましたが、これを向う側に確認してもらつたいわゆる債権確認の経過はどうであるか。通産省はそういうふうにして調査をして、数字を大体見当をつけましたので、引続きいろいろ向うさまのほうとも折衝し、又関係方面とも協議を遂げまして、そうして二十七年の四月十八日附でこの四千七百万ドルが我が国の受取り債権であるということについて司令部に確認を求めたのであります。この確認を求めた書面に対しまして、翌日十九日に、次に申上げるような覚書が向うから出まして、これによつて日本側から申し出ました四千七百万ドルという数字がほぼ確認された、そういうような経過のようであります。
 そこで覚書の内容を申しますと、日本側により主張されておる約四千七百五万六千ドルのバランスは、次の条件が充たされるならば実質的に正確であると思われる。a、荷物の船積の到着を証明する文書が提供されること。b、日本側の記録に二重記帳がないこと。c、一ドル百二十五円の交換レートが当時の情勢下で適当であること。この三つの条件が充たされるならば、この数字は大体正当であるというように確認して参つたのであります。なお、ついででありますが、その次に、当日いわゆる四月十九日における総司令部の経済科学局長マーケット少将の講和に伴う通商協定等の移管等に関する新聞発表により、このアカウント決済の基本方針が次の通り明らかにせられたのであります。即ち韓国及び琉球との特別勘定に関してはこれら両国の民間救済のため、当初日本から買付けた分の支払はガリオア債務を最終的に精算する際に処理されるであろう、こういう方針が新聞発表で明らかにされたのであります。なお、ちよつと申落しましたが、ここに琉球とございますが、実際上日本から琉球に輸出したものはないようであります。
 こういうふうな経過を辿りまして、然らばその後この債権はどうなつておるか、その後の経過、これが四点であります。
 一としまして、通産省は二十七年の七月八日附公文書を以ちまして、当時の外国為替管理委員会、大蔵省、外務省及び日本銀行に対し本件債権確認のいきさつを連絡した。
 二、外務省は二十七年十月以来東京におきまして、アメリカ大使館に対し、本件債権の存在とそのいきさつを話して、本件解決処理の交渉をいたしておりますが、未だにこれは解決を見ていないのであります。
 三は、これは外国為替管理委員会にはこの金額は載つておるかどうかという点でありますが、外国為替管理委員会は二十七年七月に廃止になつております。そこでそれ以前の四月にこの金額は確認されておりますが、本件金額は外国為替管理委員会の帳尻には債権として記帳されていないのであります。然らばその後どうなつたか。
 四といたしまして、外国為替管理委員会が廃止され、その事務の引継ぎを受けた大藏省においても、本件を現在国の資産としては未だ処理されていない、こういうのがその後現在までの経過であります。なお現状であります。
 次に五といたしまして、この金はどこから払われたか、いわゆる本件朝鮮向け輸出品の内地円払い関係はどうなつておるか、この点は本件は貿易特別会計から円で支払われたものでありまして、終戦処理費からは支払われていないのであります。いわゆる終戦処理費には関係がないのであります。
 以上が本件の内容でありますが、衆議院の決算委員会で審議されましたそのうちで質問の主なるものを拾つて参りますと、これは向うの速記によつていますので、洩れが幾らかあるかと存じますが、一応御参考までに申上げますと、題目だけを申上げますと、
 一、本件はもつと早く発見できたのではないか、発見できなかつたのはどこかの怠慢か、なぜできなかつたのか、こういう点であります。
 二は、この円払い内地において円払いしておりますもの、円払いの支払先の明細はどこか、こういうことであります。このうちよつと申上げますと、この輸出のうちの金額として約半分が石炭であります。石炭は当時日本石炭、その後配炭公団になつておりますが、配炭公団に払つておるのでありまして、この貿易特別会計から直接炭鉱主には払つていないこういう形になつておるようであります。
 三は、本件は貸借対照表の資産として処理すべきではないか、或いは言換えますとこれは国の資産として計上すべきではないか、こういう点が問題とされているようであります。
 四は、本件債権については利息をとるべきではないか、大分前に確認されておるのだから、これは利息をとるべきではないか、こういう点のようであります。
 五は、債権として確認されている本件の最終解決が未だについていないのは、交渉の努力が不足しているのではないか、こういう点があるようであります。
 六は、新聞発表で、ガリオアと何か関連しているようなことが出ておりましたが、ガリオアと相殺されることを日本政府は了承したかこういうことのようであります。
 七は、ガリオアは債務と日本側では解釈しているのか。
 それから最後に、本件債権については、今まで決算検査報告には全然記載がないが、これは会計検査院はこれについて何か報告その他すべきではないか、報告記載がないのは怠慢ではないか、こういうことが問題とされておるようでございます。
 大体概念だけを頭に入れて頂くために申上げました。
#75
○委員長(東隆君) それでは検査院のほうから池田第一局長、上村第二局長、それから通産省から中野企業局長、影山企業局通商経理課長が見えております。
 通産省のほうも検査院のほうも、今の報告に補足することがございましたら発言して下さい。
#76
○政府委員(中野哲夫君) 対米債権についての内容及び概要、それから債権の経過等につきましては、只今波江野専門員から御説明のありました通りでございますが、通産省といたしまして、一、二の点を補足して御説明を申上げますると、いわゆる三条件に関連いたしまするので、四千七百万ドルが出ました計算の経緯をやや詳しく申上げたいと思います。
 終戦後から昭和二十五年の初めにかけまして、朝鮮との間においてはいわゆるオープン・アカウント、これは決済協定の一つの種類でありまして、物の輸出或いは輸入ごとに為替送金の授受をいたさないでおいて、両方の特定の銀行を指定いたしまして、そうして輸出入のたびごとに金額を記帳しておいて、それで協定期間、例えば一年なら一年経つたあとで輸入超過、或いは輸出超過になりました際に、その差額をドルなり或いはその他の通貨でその分だけを払う、こういうやり方でございまして、日本と朝鮮との間におきまするそういう支払協定が行われておつたのでございます。
 それからもう一つ申加えますると、この二十三年末、二十四年頃までに外国貿易は積出し港から先は朝鮮におきましても日本におきましてもGHQによつて行われておつた。それと同時に積出して向うから何ドル支払つてもらつたか、或いはその逆の場合、ドルの出入れの記帳管理は、これ又司令部の中で勘定いたしておつた。当時は日本側は貿易庁が唯一の貿易機関である。つまり唯一の国営の貿易機関が貿易庁であるという指令の下に国営貿易をやつておつたのでございます。而もそれは輸出品を円を払つて買上げ、そうして港に持つて行つて船に載せるというところまででございます。又輸入品にいたしましても、向うから陸揚げ地において物を受取りまして、それを当時のマル公等で内地で売払つて円の収入を得る。それを初めは貿易資金特別会計、あとに制度が変りまして貿易特別会千になつたのでございますが、そういう特別会計によつて行われておつた。こういう事情に相成つております。
 で、この推移を御了解願いますためには、お手許に貿易特別会計の関係図ということで、二十年から二十八年にかけまして、こういう制度がどういう移り変りをしたか、又国営貿易管理機関が貿易庁から通商振興局、それから今日の自由貿易になるまで、又その貿易を実施する代行機関、或いは貿易公団等がどういう移り変りで解散に至つておるか。又貿易方式も政府貿易から民間貿易ができるまでの経緯、及び二十四年の中途から外国為替特別会計ができ、又これを管理する機関として外国為替管理委員会ができた。それが今日廃止になつて、大蔵省へ統合されておるのでございまするが、このお手許に配付申上げましたような、まあ今日の品から見ますると、戦後の混乱時でやむを得なかつたかとも思いまするが、相当複雑な機構、それもたびたびの変遷をいたしまして、漸く日本の貿易というものが今日の回復した姿になるまでにはいろいろな足取りを示して来た、こういうことが申せるかと思うのでございます。それはさておきまして、その朝鮮貿易におきまして日本側が輸出いたしました金額は、総額で石炭その他の物資を入れまして六千七百七十六万一千ドル余りでございます。それから朝鮮から輸入いたしました海苔、鉱産物等が九百八十三万一千ドルでございます。その差額が日本の受取勘定になるのでございまするが、輸入以外にアメリカのECA、経済復興局から管理しておりました司令部勘定に向けます現金として、二回に亘つて二百五十二万ドル及び五百九十九万三千ドルというものが入金されておるのでございます。そういたしますると、そのドル分の合計が一千八百三十四万五千ドルに相成るのでございます。これを只今申しました日本からの輸出金額六千七百七十六万ドルとの差額がつまり日本側の輸出超過、つまり受取分、こういうことに相成るわけでございまして、その差額が四千九百四十一万五千ドルに相成るのでございます。ここでちよつとアジヤストメントが行われておるのでございます。それは日本から輸出いたしました品物、邦貨で換算いたしますると、約一億九千万円余りの品物が当時として適当なレートがつけられない。日本から船積みをいたしたものにドル金額が書いてないというようなものが一億九千万円ほどあつたのでございます。これに対してドル精算をやりますためには、何らかのレートをかけてドルに換算しなければならないのでございまするが、当初日本側といたしましては一ドル五十円という、これはたしか当時の軍票レートくらいだつたと思いまするが、その換算でいたしますると、これが三百九十三万三千ドルに相成るのでございます。そういう交渉を先方にいたしましたところ、一ドル五十円というレートは当時として相当インフレにもなつておりましたし、非常に円高のレートではないかというような話もございましたので一その後いろいろ折衝をいたしました結果、最後にそれでは他のレート等を参酌いたしまして、一ドル百二十五円内ということに彼我の意見が妥結したのでございます。そのレートで行きますると、先ほどの一億九千万円余は百五十七万三千ドルになるわけでございます。そうしますと、この三百九十三万三千ドルと百五十七万二千ドルとの差額、二百三十五万九千ドルというものは日本側として差引かなければならんことに相成りまするので、先ほどの四千九百四十一万五千ドルから今の二百三十五万九千ドルを差引きました差額四千七百五万六千ドルというものが、当時通産省といたしまして先方の実質的確認を得ました対米債権といたしまして、関係各省へ通知をいたしたのでございます。
 それから第二に、補足的に御説明申上げたいと思いまするのは、四月十八日に参りましたアメリカ側からの確認書に条件が三つ挙つておるのでございます。これについての通産省の考えを申上げますると、第一点は、船積みの到着、日本から石炭なりその他の物資を朝鮮に向けますると、向うで釜山なりその他の港へ到着をしたということを証明する文書が提供される、それが揃つておること、こういうことでございます。これは日本で輸出品を買上げまして、横浜なら横浜で、これはアメリカの軍用船なども多いのでありますが、船へ積込むわけでございます。そうしますと、こちらからは荷送状を船長に託してやります。そうすると到着港に着きますと、向うにも朝鮮軍司令官、港の係官がおりまして、品物を検査をしてこれを受取る、受取りますと、何トンというものを受取つたというその船積書類に記入をしてもらう、それを更に日本へ持つて来て、日本の貿易庁に出す、こういう仕組みに相成つておりますので、向うといたしましては、確実に船積が着いたという文書を提供されたい、こう言つておるのでございますが、実はこの点につきましても、只今数字で申上げました四千七百万ドルの確認を相互にいたしますときには、ほぼ一年近くの日子を要し、しばしばGHQと当時係官が打合せを要したので、その際の交渉におきましても、当方といたしましてはこの船積書類を向うにも見せて証明いたしておつたのであります。且つ今日におきましも、この船積書類は倉庫に保管いたしまして、散逸いたさないように注意をいたしておる次第でございます。
 それから条件の第二については、日本側の帳簿に二重記帳がないこと、こういうことでございます。これも確認の交渉の途中でたしか十件程度が二重記帳になつておることを彼我協議の際発見いたしましたので、それの訂正をいたしておるのでございます。でございますから、これは向うが確認書を出す前に事実上は向うとしてそのことを認識しておるのでございますので、実質的にはこの条件は私どもとしては満たされておるものと今日信じておる次第でございます。
 条件の第三点は、一ドル百二十五円の交換レートが当時の情勢下において適当であると、と申しておるのでございますが、この点も先ほど申上げました通り、先方と話合いの結果、五十円というものを百二十五円と計算変えをいたして、ああいう七千四百万ドルという帳尻りが出たわけでございますので、この概算の条件も当時話合いの上では先方と了解が付いておつたものとかように考えておるのでございます。
 その後の外務省における交渉経過及びこの債権が今日においては外貨債権としては記帳はされておりませんが、大蔵省の為替局において所管せられておるものというような点につきましては、只今波江野専門員から御説明があつた通りでございます。
#77
○石川榮一君 終戦後二十四年三月までとありますが、勿論二十四年、二十五年に入りますと、相当石炭のようなものも肥料のようなものも充足して参りましたが、当時石炭、肥料というものは非常に欠乏しておるはずでありまして、これを輸出するということは非常に日本側としては苦痛であつたと思うんです。併しながら一方ガリオアで以てアメリカ側から石炭並びに肥料その他の必需物資をガリオアの援助から参つておるはずでありますが、その当時の二十四年三月までに肥料石炭等はどのくらいアメリカからガリオアの形で日本へ輸入して……輸入というわけではありませんが、とにかく入つておりますか、その点は調べてありますか。
#78
○政府委員(中野哲夫君) 昭和二十四年三月三十一日まではガリオア、イロアのいわゆる援助物資が入つて来ますものと、通常の輸入物資、日本が稼いでいました商業勘定の輸入物資が区別が付かずに一緒くたになつて日本側に渡されておつたというのが当時の実情でございます。そこでそれらのガリオア、イロア輸入物資と正常輸入というものとの区別は付かないのでございまするが当時としては勿論大幅な輸入超過でございまするから、ガリオア、イロア物資が大半であつたのでございます。その品目別の内訳を見ますると、食糧が約五〇%でございます。それからその次に金額が多いのは綿花でございます、繊維工業の原料、衣料の原料が二三%それから肥料が七%金属、鉱産物、これがやはり七%でございます。その他が一七%というような比率を示しておるのでございます。
#79
○石川榮一君 石炭はありませんか、石炭の輸入はないんですか。
#80
○政府委員(中野哲夫君) 数量といたしましては微々たるものと考えております。
#81
○八木幸吉君 新木駐米大使への連絡事項の日附が付いておりませんが、いつこの手紙が出たんですか。
#82
○政府委員(中野哲夫君) これは新木駐米大使への連絡事項と申しますのは、丁度新木大使が昨年の七月頃にアメリカへ赴任されたと記憶しておりますが、その前にこういう確認書も取つたので、当時の通商振興局から事実上と申しますかまあこの文書を差上げまして、一つこれを御留意おき願いたいと、こういうことを申上げたのでございます。それで在外使臣に対して通産省から直接公文を差出すということは許されておりませんので、これは事実上の連絡に文書は渡しましたが、事実上の連絡にとどめまして、改めて六月二十四日附で通商産業事務次官から外務事務次官に宛てて、ほぼ同一内容のことを連絡いたし、在アメリカ合衆国日本大使宛御連絡を願いたいということを公文で依頼いたしたのでございます。日取りは、でございますから、六月初旬だと思います。
#83
○八木幸吉君 この書類は、今津の六月の初旬に連絡されたのですか去年ですか。
#84
○政府委員(中野哲夫君) 去年でございます。
#85
○八木幸吉君 今の六月というのは、今年でございますか。
#86
○政府委員(中野哲夫君) いや、去年です。
#87
○八木幸吉君 この問題に関する会計検査院の所見はどうなつておりますか。
#88
○説明員(上村照昌君) 事態は通産省のほうから御説明がありましたので省略いたしまして、検査の経過と現段階について簡単に申上げます。
 先ほどお話がありましたように、取引関係について、外貨の面は司令部のほうでやつておりましたので、会計制度その他からも、我々のほうは当時は円のほうをやつていた、こういう状況であります。それから外貨が日本に移管されまして、その後におきまして昭和二十六年の十月、通産本省検査の際にほぼこういうふうな問題があるということを承知いたしましたわけであります。それから次いで二十七年三月に至りまして、やはり通産本省の検査に参つたわけでありますが、当時先ほどお話がありましたように、司令部と通産省と交渉の途中にあつたわけであります。それからその後司令部のほうから覚書がありましたのが、二十七年の四月何日かに出ているわけであります。で、そういう内容もその後において承知したわけでありますが、検査院といたしましては、二十六年度までの検査は実は終了して、検査報告も国会に出したわけでありますが、二十七年度の分についてはなお検査続行中でありまして、この問題についても今後調査をやつて行きたい、こういうふうな大体現状になつているのであります。
#89
○委員長(東隆君) 別に今日は御意見ございませんですか。
 ではこの程度で散会いたします。
   午後六時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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