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1947/04/27 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第4号
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1947/04/27 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第4号

#1
第002回国会 政党法及び選挙法に関する特別委員会 第4号
昭和二十三年四月二十七日(火曜日)
    午後零時八分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 岩本 信行君 理事 栗山長次郎君
  理事 中村 又一君 理事 長野重右ヱ門君
      小澤佐重喜君    角田 幸吉君
      高橋 英吉君    綱島 正興君
      花村 四郎君    稻村 順三君
      大矢 省三君    笠原 貞造君
      勝間田清一君    前田 種男君
      森 三樹二君    吉川 兼光君
      志賀健次郎君    黒岩 重治君
      佐竹 晴記君    成重 光眞君
      織田 正信君    林  百郎君
 委員外の出席者
        法 制 部 長 三浦 義男君
    ―――――――――――――
三月三十日委員大石倫治君は死去された。
四月十三日委員益谷秀次君、井伊誠一君、黒田寿
男、細野三千雄君、矢尾喜三郎君、山崎道子君、
安平鹿一君、原彪之助君及び高橋長治君、同月二
十六日委員神田博君は委員を辞任した。
四月十三日角田幸吉君、石神啓吾君、笠原貞造君、

勝間田清一君、稻村順三君、前田種男君、竹谷
源太郎君、北二郎君、北浦圭太郎君及び森山武彦
君、同月二十六日高橋英吉君が議長の指名で委員
に補欠選任された。
四月十三日小委員井伊誠一君、細野三千雄君、安
平鹿一君及び高橋長治君、同月十五日小委員平井
義一君及び成重光眞君が小委員を辞任した。
四月十三日委員淺沼稻次郎君、笠原貞造君、前田
種男君及び織田正信君、同月十五日委員北浦圭太
郎君及び森山武彦君が委員長の指名で小委員に補
欠選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 政党並びに選挙に関する腐敗防止法案(政治資
 金規正法案)起草に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 これより会議を開きます。
 政治腐敗防止法案律起草に関する小委員会の経過並びに結果について、小委員長から御報告を願いたいと存じます。長野重右ヱ門君。
#3
○長野(重)委員 ただいま議題となりました政治資金規正法案に関し政党並びに選挙に関する腐敗防止法案起草小委員会における起草の経過並びに結果に関し御報告申し上げます。
 本小委員会は一月三十一日、政党並びに選挙に関する腐敗防止法案起草のため、政党法及び選挙法に関する特別委員会において選任された小委員をもつて構成され、二月四日第一回小委員会を開き、私が小委員長に当選いたし、爾後十二回にわたつて、正式の委員会を開き、そのほか懇談会を重ねました結果、一應の成果を得まして、本日ここに諸般の経過を御報告する次第であります。
 まず二月十二日より四回にわたつて、本法案立案に関する研究事項に基き、法案起草について種々協議いたし、その結果に基き法制部においてとりまとめ方を依頼いたしましたものを、三月二十六日政治腐敗防止法案要綱として小委員に配付することにいたしたのでありますが、たまたま全國選挙管理委員会においても、同樣の趣旨をもつ法案の起草に当つており、相当のところまで折衝が進んでおる旨の話を聞きましたので、三月三十一日同委員会と協議し、四月一日同委員会の説明を聽取しました結果、よりよき法案の起草をいたす目的で、両院の長所をとつて一つの素案を作成するよう事務当局に依頼いたしたのであります。小委員会はこの素案につき、四月十三日より四回にわたつて協議いたし、大体の成案を見たのでありますが、さらに若干の修正を加える必要があり、昨四月二十六日小委員会を開き、本日お手許に配付してあります政治資金規正法案の成案を得た次第であります。
 次に本法案の要旨を申し上げます。
 本法案は第一章総則、第二章政党、協会その他の團体、第三章公職の候補者、第四章政党、協会その他の團体及び公職の候補者以外の者、第五章報告書の公開、第六章寄附に関する制限、第七章罰則、第八章補則及び附則より成り、全文五十九條に及んであります。
 この法律案の骨組は、大づかみに申しまして、三つの部分から成り立つております。第一は、政党、協会その他の團体、公職の候補者及び第三者の政治活動に伴う資金の收支を公の機関に報告させ、もつてこれらの資金の全貌を一般國民の前に公開する措置であります。第二は政治資金の寄附の制限の措置でありまして、主として選挙に伴う不正行為の発生を未然に防止せんとするものであります。第三は右二つの措置に対する違反行為の処罰及びその結果としての当選無効、選挙権被選挙権の喪失等に関する措置であります。この三つの措置を総合的に組み立てることによつて、全体として政治活動の公明と選挙の公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄與することを目的としております。從いまして、法案の題名はその内容に最もふさわしい意味合から、いわゆる政治腐敗防止法案等の名称を避け、政治資金規正法案と名づけることにいたしました。
 さて、具体的な内容について申し上げます。第一章総則において、本法の目的を明示するとともに、各本條に現われてきます用語の定義を規定しております。選挙の範囲は、衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法、地方自治法による選挙に限つてあります。特に協会その他の團体とは、政党以外の團体で政治上の主義、施策を支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対する目的を有する團体をいうことといたしましたのでありまして、たとえば、組合等が、本來の目的においては経済團体あるいは思想團体等であつても、この目的を有するに至つたときは、その限度において本法案のねらいとする費用公開の趣旨に副い、團体の收支に関する規定の適用を受けることとなるわけでありまして、これらの團体の寄附や支出をいたずらに制約する等の意味をもつものでないことはもとよりのことであります。
 次に、政党、協会その他の團体に関しまして申し上げますると、まずこれらの團体の代表者、主幹者及び会計責任者の届出を規定し、寄附の受領も支出も、あげてこの届出の後になさるべきこととし、この手続をとらないで、隱れて團体等が資金の授受をすることは、これを防止することといたしました。しかして、会計責任者の義務として、会計帳簿の備え付、毎年三回の收支の定例報告、選挙に関する收支の特別報告、書類の保存等に義務を規定しまして、政党を初めこれらの團体の收支の全貌がそれぞれの選挙管理委員会に詳細に現われてくることを期しておるのであります。これらの團体の寄附、支出について報告を要するものは、側人にかかわるものは五百円、團体にかかわるものは千円以上のものについて、氏名、住所等を明らかにすることとしてあります。さらに会計責任者の事故によつて責任があいまいになるようなことのないため、事務引継ぎについても規定を設けました。また政党、協会その他の團体の支部についても以上の取扱いは同樣といたしました。
 次に、公職の候補者に関しまして、まず政党等の場合におけると同樣、出納責任者を定め、これを届け出ること、この手続を経ないうちは寄附の受領または支出が制約される旨を規定しました。しかして出納責任者の義務として、会計帳簿の備え付、選挙運動に関する收支の報告、書類の保存等を定めてあります。
 このほかに、特に重要な規定といたしまして、選挙運動に関する支出の権限をわずかの例外を除いては、出納者一人に專属せしめたことであります。なお候補者の出納責任者に関する事項は、現在の衆議院議員選挙法あるいは参議院議員選挙法等の規定はほぼ同樣でありまして、本案中に包括された部分については、附則において選挙法を改正し、該当條文を削除することにいたしました。
 次に一般の第三者が、政党、協会その他の團体のために二千五百円以上の支出をした場合の報告義務を規定しました。すなわちこれらの團体のために、第三者運動として支出をした者は、これを報告せねばなりません。また官吏その他公職にある者は、寄附を自由になし得ることといたしましたが、この場合は授受双方の側にこれに関する報告義務を負わせることといたしました。
 次に報告書の公開でありますが、これは実は本案の最大眼目の一つでありまして、今まで申し上げましたところにより、選挙管理委員会に提出された各種の報告書は、選挙管理委員会の公表手続、保存義務と一般の閣覧要求権の両面の措置によつて、廣く國民の前に公開されるのであります。
 次に寄附に関する制限といたしまして、まず一定の身分、または地位に伴い絶対的に、あるいは特殊の場合を除いて、一般的に選挙に関した寄附をしてはならない者の範囲を預げまして、これらの者が寄附をすることも、これらの者から寄附を受けることも許されないことにしてあります。また公職の候補者は、立候補に際し過去一年間になしたすべての寄附について報告の義務を負うこと、さらに何人も選挙に関し本人の名義以外の名義を用いたり、匿名をもつて寄附をすることを絶対に禁止し、これを犯してなされた金銭、物品の所有権は、國庫に帰属する旨を規定いたしました。
 次に罰則におきましては、各本條に対する違反行為の体樣につき事柄の軽重に應じてでき得る限り公平を期すべく、手続的な規定の違反と本質的な規定の違反とにわけ、愼重考慮したのでありますが、この法案の特別の重要性に鑑み、全体として相当重い処罰をもつて臨み、殊に過失犯をも処罰する旨を規定いたしました。また罪の時効は三年を経過して完成することといたしてあります。なお処罰に伴う当選無効及び選挙権等の喪失の規定も罰則の章に規定してあります。
 次に補則におきましては、この法律施行に関する事務的規定を掲げておきました。
 最後に附則においては、本法施行に伴う経過規定を定めたほか、衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法の一部改正をいたしております。これら選挙法に規定せられている罰則の限度も、本法案の罰則と均衡をとつてこれが改正を加えましたほかは、主としてそれらの規定が本法中に吸收せらるるに相應する改正であります。
 以上が本法案の要旨でありますが、小委員会において論議の中心になりました主なる問題は、第一に、労働組合、農民組合等の團体が本法の適用を受けるか否かの問題、第二にいわゆる第三者の選挙に関する支出の届出に関する問題、第三に、当該選挙の候補者の寄附を絶対的に禁ずべきか否か、公職にある者の寄附をどう取扱うか、立候補前の候補者がなした寄附の報告についての期間の問題、第四に、罰則において、その限度、過失犯時効の問限、当選無効等の規定の処置等の問題でありました。詳細は速記録によることといたしまして、これらの論議の結論とも申すべきことは、只今の要旨の説明に申し上げたことくでありますので、ここではただ問題の要点を指摘するに止めておきます。
 最後に本法案の題名でありますが、これについては政治腐敗防止法、政治團体費用公開法等種々の案が出たのでありますけれども、結局、本法案の内容に最も近い意味で先ほど申し上げましたように政治資金規正法とすることにした次第であります。
 なお右のほか佐竹委員からの法案第三條、第六條及び第三十五條の規定その他に関し、栗山委員から第六條等の違反の問題に関し意見がありましたことを申し添えておきます。詳細は両委員より御説明があることと存じます。
 かくて小委員会は昨二十六日、本法案を共産党林委員を除いて全員一致をもつて可決致しました。
 以上が本法案起草の経過並びに結果であります。何とぞこの法案の重要性並びに緊急性に鑑み、愼重御審議の上、一日も早く成立を見んことを希求する次第であります。
#4
○淺沼委員長 暫時休憩いたします。
    午後零時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時六分開議
#5
○淺沼委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
#6
○佐竹(晴)委員 私は修正に関して、以下意見を申し上げてみたいと思うのであります。
 第三條の末段にあります「公職の候補者を推薦し、支持し、著しくはこれに反対する目的を有するものをいう。」とあるのを「目的を有し、またはこれらの行為をなすものをいう」と改めたいと考えます。その理由は、「目的を有するもの」と申します主観的規定では、本法案の企図いたしますすべての場合は網羅することができないおそれがありますのみならず、客観的にその行為を現実に行うものを取締る必要のあることは、本法の精神に徴し当然のことであり、またかくいたしますことが、昭和二十一年勅令第百一号第五條とも調和いたしまして、法の円満なる遂行を期し得られると考えるからであります。
 次いで第五條中、第一項收入の項につき、「財産上の利益の收受をいう。」と改めまして、「その收受の承諾又は約束」の文字を削りたいと考えます。第二項の寄附の項につきまして「財産上の利益の供與又は交付で」とし、「その供與又は交付の申込又は約束で」という文字を削りたいと思います。第三項の支出の点につき「財務上の利益の供與玉は交付をいう。」といたしまして「その供與又は交付の申込又は約束」という文字を削りたいと思います。その理由は收入、寄附、支出などという言葉は、通常の観念の從えば、ただいま削除しようといたします文字の意味を含んでおりません。本案の企図いたしますところは、金銭、物品その他の財産上の利益の現実の授受によつて政治の腐敗防止をなすという点にありまして、現実財産上の利益の授受されない口先だけの約束や、承諾や、あるいは申込み等についてまでこれを追究する要はないのみならず、拒絶されました申込みまでもこれを全部支出として取扱わなければならないというということは、まつたく事実に反する結果となり、その他関係團体や、並びに責任者等も不当に迷惑をこうむるおそれがあるからであります。
 次いで第六條を削除いたしたいと考えます。その理由は、政党、協会その他の團体の結成届出に関しては「ポツダム宣言の受諾に伴ひ発する勅令に関する件」に基き、昭和二十一年勅令第百一号第五條に規定があります。本法の目的とするところはおおむねこれと同一でございますから、もし不備があるとすれば、右勅令の一部を補正の上に、届出は全部同勅令一本に統一いたしますことが適当ではないかと思います。もし右勅令と本法案に基きまする二個の別意の届出をなさせることになりますと、きわめて不合理な場合が生れてまいります。すなわち右勅令第五條では「政党、協会、其ノ他ノ團体ニシテ其ノ目的又ハ行為が左ノ各号ノ一二該当スルモノハ第二項ノ規定ニ依ル届出ヲ為スル非ザレバ之ヲ結成シ、又ハ当該行為セ為スコトヲ得ズ」と規定いたしておりまするが、本法案第六條では組織の日または第三條に規定する目的を有するに至つた日から七日以内に届け出でなければならないことになつておりますために、勅令でその結成が禁止されておりますものが、本法案ではその行動が許されるという矛盾した結果を生ずるに至ります。但し、右勅令により届け出でなければ結成をすることが許されませんから、その結成が認められてから七日以内に本法により届出をなすべきものだと解釈いたしますならば、その矛盾はないのでありますが、しかし右勅令第七條によりますと「第五條第二項ノ規定ニ係ル届出ヲ為サズ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス」と明記いたしております。右勅令第五條による届出のない政党、協会の組織されることは、右勅令自身もこれを認めております。そこでこの政党が、本法の関係においては届出を了しておるが、勅令の関係においては届出をしないという場合があるのであります。結局勅令で認められない、禁止されておる政党等が、この法律では合法的に届出をして合法的な運動をすることが認められるという、まことに不合理な結果に相なります。從つて本法における組織の日というのは、すなわち右勅令の結成の日と同一だと解釈することはいけませんのみならず、もしさように解すべきものといたしましたならば、届出関係はすべてこれをその勅令一本に統一いたすことが合理的であると考えます。よつて届出関係は右勅令にこれを讓りまして、本法第六條は削るのが適当ではなかいと考えるわけであります。
 しかしもしこの六條削除が困難であるといたしますなれば、私はこの第六條の届出充を、主たる事務所所在地の市町村の選挙局理委員会にしなければならぬと、これを一本にまとめてはどうかと考えます。全國に向つて運動をする目的を有する政党、協会のごときは、その市町村の選挙局理委員会へ届け出るほかに、全國の選挙管理委員会に複数的に届出をせしむることに改めてよいと考えます。その理由は本法案では届出先がきわめて不同であります。九州の一町村において主たる事務所をもつておりまして、もつぱら九州の一町村で運動しておる團体でも、東京の全國管理委員会に届け出なければならぬ事態も起ります。これは第六條の規定の内容から必然的にそうなる。そこで政党や協会やその他の團体は、主たる事務所が九州にあつても九州の市町村の管理委員会に登録されておるとは限りません。九州にあるものが大阪へ届け出ておる、東京において運動しておつても、それが北海道あるいは青森の府縣あるいは道の管理委員会に届け出られておるということがあり得るのであります。ところが、この法律は政党、協会等の戸籍にもひとしい登録でございますので、少くとも主たる事務所の所在地に固定させる。この團体ならば必ず九州の事務所の所在地に行けば登録されておるというように、固定的に明確にいたしますることが、むしろ必要ではないかと思う。どこの府縣の、あるいは市町村の、あるいは全國の管理委員会に届け出られておるやらさつぱりわからぬ、その政党、協会等の戸籍を探すのに困るという状態では十分に取締りをするわけにはまいりません。だから少くともその主たる事務所の所在地の市町村の選挙管理委員会に必ず届け出る。それが二つ以上の、全面的市町村にわたつてする場合においては、府縣の管理委員会あるいは二以上の府縣にわたつて運動をする場合には、全國の管理委員会に複数的に届出をせしむる。こういうようなぐあいにいたしまして、少くとも市町村の選挙管理委員会に必ず届出をするというぐあいに、はつきりいたしますことが必要ではないかと思うのであります。
 次に第八條中「第六條又は前條の規定による届出がなされた後でなければ、」とありまするものは、先ほど申し上げまする第六條を削除いたしました結果、「昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言の受諾に伴ひ発する命令に関する件に基く政党、協会その他の團体の結成の禁止等に関する件(勅令第百一号)の第五條に基く届出がなされた後でなければ」とし、かつ「公職の候補者の推薦、支持又は反対その他の運動のために、」とありますものを「政治上の主義若しくは施策のために、又は公職の候補者の推薦、支持又は反対等の運動のために、」と改めたいと考えます。その理由は前段は第六條を削りました当然の結果であります。後段は本法の目的が單に選挙運動に関する公正を期するのみではなく、一般政治資金の規正をも目的といたしておりますから、これらすべての費用に関する寄附並びに支出に関しましても、適用のあるようにいたしますことが当然であると考えるからであります。
 ついで第三十五條中「左の各号に掲げる者は、選挙に関し寄附をしてはならない。」とありますものを、「左の第一号に掲げる者は選選挙に関し、第二号、第三号に掲げる者は、選挙並びに政党、協会その他の團体の運動に関し、寄附してはならない」と改めたいと思います。その理由は、政党の腐敗防止は、單に選挙に関する寄附を規正するのみでは足りません。右に掲げております事項等は特に規正をする必要があると思うであります。すなわち國や公共團体のために請負をいたしております人々が、その利害関係のために献金をする場合、選挙に関しては献金ができないが、政党への選挙に関係せざる献金ならばいくらやつてもよろしいというがごときは、これは理論が合いません。選挙に関して請負者が寄附をすることができぬといたしますならば、政党に関する一般政治資金もそれらの利害関係がある請負者からは寄附ができないとすることが当然であります。またパージにかかつて公職から追放せられている者が、選挙に関しては寄附をすることができぬと書いてあつて、一般政治資金は寄附してもよろしいというがごときは、これはどうしても理論が一貫いたしません。それらの人々が選挙に関して寄附をしてはならぬというのならば、一般政治資金についても、寄附してはならたといたしますことが、筋の通つた規定であると考えます。
 以上、修正に伴います関係條文の整理は法制部に御一任いたしたいと考えます。ただいま私の申し上げます意見は、かようにこの委員会で修正をして、その修正したものを原案にお願いすることはできぬであろかという意見であります。よつてこの委員会の責任者におかれまして、関係筋へもこのことをお諮り願いまして、取入れられるものについてはぜひともお取入れを願いたい。しかし関係筋においてどうもこれは受け入れることができないというような御意向のある分については、私は強いてこれを主張しようというのではありません。すなわち私は特にこれを修正案として出すのではなく、この委員会における私の一つの意見として出し、この私の意見を織りこまれた原案をつくることに御努力願いたいという意思をここに表示するわけであります。
#7
○淺沼委員長 ほかに御意見はありませんか。――なければ、ただいま佐竹君が述べられた修正的な意見は、どういうような取扱いにいたしましようか。――それでは今しばらく懇談することにいたしましよう。速記をやめて。
    〔速記中止〕
#8
○淺沼委員長 速記を始めて――それではちよつとお諮りいたします。先ほど佐竹さんから数箇條にわたる修正意見が述べられたのでありますが、佐竹さんは必ずしも修正意見として提出したわけではないのでありまして、この意見が関係筋との折衝において通れば、まことに結構であるということが附加されているわけでありますが、取扱い方をどういたしましようか。一應本案を案全体として仮決定をいたしておきまして、その仮決定には佐竹さんの修正的少数意見が附加されているということで、関係筋と折衝する。その結果もう一遍本委員会を開いて本決定にするということでどうでしようか。
    〔「結構です」と呼ぶ者あり〕
#9
○淺沼委員長 それでもし林さんから御意見があるとすれば、その本決定をするときに御討論を願うということにしたら……。
#10
○林(百)委員 われわれとしては、全面的にこの法律については反対のところがあります。たとえば街頭募金、これは事実上禁止される。あるいは労働組合、農民組合が、政治的問題を取扱うと同時に、政党的な取扱いを受けることに非常に反対なんです。これは私の方の党ばかりでなく、各党もこの法案について関心が非常に深いと思う。今になつてそういうこと言うことはどうかということを申しますけれども、やはり各党とも十分この法案を練つてきめるならきめる方がいいと思われますので、そういう意味で向うと折衝して、でき得り限り練つて討論をする機会を與えてもらいたいと思う。率直に言えば、今日は本ぎめということでなくして、さらに向うの方と、修正意見があるとするならば、それについて折衝してもらう。私の方で反対している点もひとつ向うの方へ話をしていただくということにしていただきたい。私の方では議員團の意見が出ておりますから、もい何でしたら、共産党はこういう点で反対だということを同時に言つてもらいたい。しかしそれはまた考慮の余地があるならば、こういう点が反対だから、この点についてこうせよという点があるならば……。
#11
○淺沼委員長 それはやはり修正的意見として出してもらつて、その修正的意見が入れられなかつたときに態度を決してもらう、もし何でしたらそこで述べていただいても結構ですが、それも修正的意見ということで、修正案でないということにいたしただきたいと思います。それで林さん、原案を仮決定にして、その仮決定に対しては佐竹さん及び林さんからそういうような二つの修正意見が述べられた、その折衝の結果に從つてもう一遍この委員会を開くという扱いでよろしいですか。
#12
○林委員 私の方の党としては、しばらく猶予してもらいたいというのが希望なんです。しかしこれできまればやむを得ない。私の方の希望としてはそうです。
#13
○淺沼委員長 仮決定を決して全文そのままを仮決定するのではなくして、修正意見が附加されているということを條件として仮決定する。
#14
○林委員 私の方の反対を斟酌しようという意味で仮決定をするんですか。
#15
○淺沼委員長 そうです。しかし結果から見ればそれがいけなかつたという結果になつたときに、もう一遍この会合できめる。
#16
○林委員 私の方の反対の点は箇條的に言いますと、第三條に目的だけでなくて、さらに具体的な行為を入れてもらうことが一つと、それからさらに協会その他の團体については、これを削除してもらいたいということで、協会その他の團体すなわち労働組合、農民組合、具体的に言えば、労働組合、農民組合については、少くとも削除してもらいたい。これは最初の法制部の意見書にも農民組合、労働組合は同等に扱うということがあつたのでありますが、その点を考慮していただきたい。三條と六條の関連です。それが一つ、それから公務員に対するもの、すなわち三十二條の公職にある者は特に一切の寄附行為を選挙管理委員会に報告しなければならない。この点を削除する。それから三十七條について、匿名または本人の名義以外の名義をもつて寄附してはならない。これはやはり一定の千円なら千円以上という限度を附せないと、われわれの党のように街頭募金をする場合に、これを一々報告しなければならぬことになりますから、少くとも一定の限度以上のものはいいけれども、千円なら千円という限度以下のものについては、これを適用しないというようなことを希望しております。
 結局総括的に言いますと、第一に労働組合、農民組合というような組合活動をするものについては、本法の適用を受けないということが一つ、大衆的な寄附行為については、これを認めるようにするということが一つ、もう一つは公務員の寄附金について、特に例外的な規定を設けるということ、この三つの点については反対するということであります。これはわれわれの方で意見書ができておりますから、これをもつていつていただきたい。
#17
○淺沼委員長 それではただいま林君から修正的な意見が述べられましたが、先ほど佐竹君から述べられた修正的意見を少数意見として折衝することにして、案全体としては仮決定することに異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○淺沼委員長 異議なければさよういたします。
 それでは関係方面と折衝の結果、もう一遍委員会を開いて本決定にすることにしますから、御了承願います。
#19
○林(百)委員 関係筋と交渉する場合に、私の方の反対の理由がどういうところにあるかということを述べていただきたいと思います。そういう意味で今出しております。
#20
○淺沼委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。
    午後五時三十三散会
ソース: 国立国会図書館
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