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1953/08/03 第16回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第016回国会 農林委員会通商産業委員会連合審査会 第2号
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1953/08/03 第16回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第016回国会 農林委員会通商産業委員会連合審査会 第2号

#1
第016回国会 農林委員会通商産業委員会連合審査会 第2号
昭和二十八年八月三日(月曜日)
    午後二時二分開議
 出席委員
  農林委員会
   委員長 井出一太郎君
   理事 足立 篤郎君 理事 平野 三郎君
   理事 金子與重郎君 理事 足鹿  覺君
   理事 佐竹 新市君 理事 安藤  覺君
      遠藤 三郎君    佐藤善一郎君
      佐藤洋之助君    松野 頼三君
      吉川 久衛君    井谷 正吉君
      芳賀  貢君    川俣 清音君
      中澤 茂一君    河野 一郎君
  通商産業委員会
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 福田  一君
   理事 中村 幸八君 理事 永井勝次郎君
   理事 伊藤卯四郎君
      小川 平二君    土倉 宗明君
      村上  勇君    笹本 一雄君
      加藤 清二君    井上 良二君
      始関 伊平君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済審議庁調
        整部長)    岩武 照彦君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      小倉 武一君
        通商産業政務次
        官       古池 信三君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 中村辰五郎君
        通商産業事務官
        (軽工業局化学
        肥料部長)   柿手 操六君
 委員外の出席者
        農林委員会専門
        員       難波 理平君
        農林委員会専門
        員       岩隈  博君
        農林委員会専門
        員       藤井  信君
        通商産業委員会
        専門員     谷崎  明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 臨時硫安需給安定法案(内閣提出第一六七号)
 硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案
 (内閣提出第一六八号)
    ―――――――――――――
#2
○井出委員長 これより農林委員会、通商産業委員会連合審査会を開会いたします。
 臨時硫安需給安定法案及び硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案の両案を一括議題といたし、前回に引継き質疑を行います。
 本日は大臣の御都合もありますので、便宜臨時硫安需給安定法案を中心に質疑を願うことにいたしたいと思います。さらに質疑は前会の通り一人当り三十分程度にお願いいたしますので、御了承願います。
 これより質疑に入ります。始関伊平君。
#3
○始関委員 私はただいま議題となつております二つの法案に関連をいたしまして、生産費と価格の関係、それから輸出会社に関する価格並びに合理化の見通しなどにつきまして、若干の質問をいたしたいと存じます。
 最初に生産費と価格の問題でございますが、今回この法案が施行になりますと、硫安の価格がいわゆる公定価格によつて決定されることになるのであります。価格の決定は、農民にとりましても、また生産者にとりましても非常に重大な事項であると存じます。この安定法の方の第十一条第二項には、政令の定めるところによつて生産費を基準として販売価格の最高額をきめるということに相なつております。ここにいう生産費と申しますのは、今回のこの法律によりまして、各社の生産費について報告を出させる権限が政府におありになるのでありますから、おそらくは抽象的な机の上で書かれた生産費ではございませんで、各社の具体的な生産費というものがまず提出され、それが基礎になつて、それを基準として価格が統一される、こういう順序になると思うのでありますが、この点をどういうふうにやつて行くのかという点を、最初にお尋ねいたします。
#4
○小倉政府委員 御質問の第一点でございますが、法文によりますると、生産費を基準とし、農産物価格その他の経済事情をしんしやくするというふうになつております。そこでこの法文の現わし方を前提として考えてみます場合に、御指摘のように、生産費という場合は硫安メーカーの各会社の生産費ということが当然基準になるように存ずるのであります。ところでこの硫安メーカーの生産費というものには、御承知の通り若干開きがあるということは当然に予想されるわけであります。従いまして生産費を中心とし、それを基準として価格をきめます場合におきましても、いかなる生産費をとるかということについては、ただ生産費できめるということだけではちよつと出て来ないように見受けられます。たとえて申しますれば、国内の需要量がどの程度であるかというようなことも一つの算出の基準になるかと思います。あるいはまた硫安の需要量は価格にある程度依存するといつたようなことももちろんございまするので、そういう面から見ますると、農産物価格で現わすような農家の収入というものはどういう状況であるかというようなことも問題になろうかと思います。なお生産費目体には利潤というものが必ずしも入つてございません。利潤をどの程度見るかというようなことは、やはり他の一般企業においてどの程度の利潤があるかということも一つの参照事項になると思います。従いまして、今申し上げましたようなことを生産費に勘案してこの販売価格が指定される、そのよりに存ずるのであります。
#5
○始関委員 生産費のほかに、各般の安素を総合的に勘案して価格をきめるという点は了承しましたが、ただいま小倉局長も御指摘になりましたように、生産費は各社で非常に違う。製造方法や規模が違うのでありますから、従来政府の援助によりまして弱小企業の合理化はある程度進んでおるといたしましても、まだ相当に生産費には大さい開きがあろうかと存じます。政府の方でお出しになりましたこの資料によりますと、AグループとBグループ、しグループとわけました場合に、AグループとCグループの価格の開きは一割ちよつとというふうに了承いたしたりでございますが、このAグループとしグル治ブということではなしに、一番安い生産費と一番高い生産費を比べてみました場合には、これはもつと大きい開きがあるものだと私は存じます。今度は特に各社から生産費を出さすということでありまして、各社から生産費を出させますと、これは従来の経験によつてよくわかりますように、低い生産費もございますが、とかく高い生産費が出て来る傾向があるということを否定できないと思うのでありまして、ただいま農林省並びに通産省におかれましては、最低の生産費と最高の生産費に、一体どのくらいの開きがあるか、二割と押えるか、三割と押えるか、あるいはもつとそれ以上に押えるか、これは今後生産費を基準にして価格を決定して参る上におきまして重要なことだと思いますが、まず最初に価格の開きがどのくらいあるのかを、大づかみでけつこうでありますから、ただいま両当局の頭の中にあります最低の生産費と最高の生産費の開きを、比率でお示しを願いたいと存じます。
#6
○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問でございますが、権威ある調査もいたしておりません関係もございますので、大体の荒見当で考えたところを申し上げますと、大体一割見当じやないかと思います。
#7
○始関委員 AグループとCグループをわけました場合も、なおかつ一割の開きがあるということは政府の資料によつて判明いたしておりますので、各位別にいたしますと、決してそんな小さい開きでないと私は考えます。それはそうといたしまして、具体的な資料もだんだん出て来ると思うのでありますが、一割という見方は非常に低過ぎるのではないか、差がなさ過ぎると思うのでありまして、その点につきましてもう一ぺんお尋ねいたします。なお私の申し上げますように開きが大きいのだといたしますと、いずれはその中間で価格をきめることになりますが、安いコストのものに対しましては甘過ぎる価格になる。それから高過ぎるものにつきましては、今度は政府が価格を公定する。または引受額によりまして一定量の生産を確保したいということになるのでありまして、その辺の関係が非常に機微な問題になつて参ります。生産を確保するという思想がある以上は、どうしてもある程度高いコストも償つてやらなければならないことになるのでありまして、こういうような点をどういうふうにお考えになるかということをお尋ねいたします。
    〔委員長退席、足立委員長代理着席〕
#8
○中村(辰)政府委員 ABCのグループ別につきましては、配付した資料にもございますように、大体ABCの一二段階にわけますと、生産量で申しましてAが二四%程度、Bが六一%強、Cは一四・六%というような割合になつております。御指摘の一番安いものと一番高いものの開きは一割強くらいに考えられますが、一番高いものと一番安いものと申しますものは、ある意味においては特殊な、たとえば一番安いものと申しますものは、特殊な自家発電を過去において持つておつたというような会社に属するのではないかと考えております。しかし、ただいまのような価格のきめ方によつては、あるいは甘くなりあるいは辛くなるのではないかというお説でございますが、これはその通りでございます。ただ硫安工業の生産ぺースも、御承知のように二百万トンというものを上まわるような今日の段階からいたしますと、生産の基礎は相当安定いたした、こう考えてよいのではなかろうかと思うのであります。この際一番大事なことは、これらの基礎の安定して参りました硫安工業をよりよくするための指導の重点は、国際価格にできるだけ近づけるという合理化に置くという点が必要であろうかと思うのであります。従つてこういつた見地から公定価格をきめるのが、今日の段階におきましては妥当ではなかろうかと思うのであります。もちろん内需の充足すら困難でありました数年前、あるいは硫安不足の当初に比較勘案いたしますと、価格のきめ方は、今日ではできるだけ早くするのが、硫安工業の将来のためではなかろうかと思うのであります。その意味合いにおきまして、本法案の実施にあたりましては、需給安定法にいいます公定価格は、内需の普通請要と、需給調整用との一割相当分を寄せたものの限界生産費内の加重平均で行くというような考え方をとつておるわけであります。ただいまの価格をきめることが、生産の意欲を落すものではなかろうかという御懸念でございますが、もちろん程度の問題はございましよう。しかし一方今日の硫安工業の合理化ということを、十四社それぞれ自己の製法あるいは立地条件その他の必要条件を満たして、それぞれ適切なる合理化を推進いたす関係にございまして、生産意欲を落し、あるいは生産の規模を縮小するというような方向には参らぬものと確信いたしております。
#9
○始関委員 ただいまの御説明によりますと、現実に会社から出されて来た原価には必ずしも拘泥しない。むしろかくあるべき原価、つまり合理化した後における原価というものを予想して、それを基礎にして公定価格をきめる、ないしは進んで国際価格に近いような価格をきめるというような御方針のようにも伺えるのでありますが、そのように了解してよろしいのか、そういたしますと加重平均でやつて行くのとは矛盾して参りますが、その点をもう一ぺんお尋ねいたします。
 さらに第三点といたしましては、一体ただいまのような安定帯価格によりまして一種の意義の認められた価格があるわけでありますが、それに対しまして現状維持で行くのか、あるいは多少高めになるのか低めになるのかという点につきまして、当局は見通しをお持ちのはずだと思うのであります。その点をお尋ねいたします。
#10
○中村(辰)政府委員 私の答弁申し上げた点は、価格のきめ方を一歩先んじて、国際価格とかあるいはかくあるべき価格だ、こういう意味も合いにおいて問題にお答えしたのではなくして、いわゆる共同調査によりまして具体的に正確に各社のコストを把握いたしまして、その価格をただいま申しましたような限界生産費内の加重平均できめる。そのことが合理化を促進する基礎になつておる。また合理化を促進して参りますれば、順次各社の生産コストは下つて参りますので、さらに翌年度あるいは翌々年度は統制価格を下まわる価格をきめ得る、こういう意味を申し上げたのでありまして、その意味合いにおきましては、限界生産費内の加重平均という思想と国際価格をもとにしてきめるということの矛盾ということはないように考えるのでございます。なおメーカーから出しました過去より将来の見通しについてどうなるかというその事実の判断でありますが、もとより価格形成の要素を分析いたしますと、たとえば石炭あるいは硫化鉱の値段の動きというものは、御承知のように低落の方向をとつております。また一方労務の関係におきましては、幾分値上りしているのではないかと考えられる面もございます。これらの価格形成要素の実態を、法的に基礎を賢きました共同調査の上に把握いたしまして、適当なる価格をきめるということを建前にいたしております。
#11
○足立委員長代理 始関君、ちよつとお伺いしますが、小倉経済局長に対して参議院の農林委員会から、暫時出席してほしいという申出があるのですが、小倉局長に対する質問がございますか。ございましたら先にやつていただきたいと思います。
#12
○始関委員 それでは小倉局長に一点だけ伺います。ただいまの中村局長のせつかくの御説明でございますが、やはり各社の生産コストというものは相当開きがある。そういたしますと、安い生産費の会社に対しては相当ゆとりがある価格をきめざるを得ないと思います。そういうような点からいいまして、これが自由価格できまるのなら別でありますが、公定価格できまるという場合におきましては、どうしてもやはり農民方面のそれに対する素朴なる悪相と言いますか、そういう点がこういう制度をとりましても依然として消えて参らないのだろうと思います。もう一つ、これはあとで中村局長にお尋ねいたしますが、輸出につきましては、私はやはり安いコスト、公定価格よりある程度割引いた価格で輸出をして行く。そうすればこの輸出会社というものは赤字になるのでありまして、収拾のつかぬ行き詰りの時期がすぐ来ると思うのでありまして、これまた農民の素朴な感情というもの前提として議論する以上は、せつかくの措置でありますがこういう二つの法案を出しましても、やはりそういう点がいろいろ残ると思いますが、農林省ではどのようにお考えになつておるか、その点だけを伺います、
#13
○小倉政府委員 御説の通り一本価格で公定価格をききますれば、コストの非常に安い会社におきましては、一種の特別利潤を得られることに相なろうかと思います。それではその点を是正する方法があるか、また是正した方がいいかどうかという点でございますが、一つは、各工場会社別の適正生産にプラス適正利潤でもつて価格をきめるということになつて参りますと、国内の配給についても相当強力な強制的措置がなくては――一元的な配給機関がなくては処理できないような問題になろうかと存じます。それからもう一つは、各生産メーカー別の価格あるいはグループ別の価格をつくるということになりますれば、比較的コストの高いメーカーに対しての合理化の刺激というものが薄くなる。今回の法案は非常に合理化ということについても重点の一つとして触れておるところでございますので、一本価格によつてその辺の合理化の一つの刺激剤を期待するということにも相なろうかと存じますので、今の御指摘の点は、これはやむを得ないことだというふうに考えております。
#14
○始関委員 ただいまのお話で、農林省としても、一本価格で行く以上はある程度甘い価格が、あるメーカーについてきまつてもやむを得ないというお考えのようでありまして、その点ははつきりしたお答えで満足いたしますが、一体農林省では輸出価格につきまして――これも公定価格でやるのだと思いますが、その場合に、公定価格、最高価格でありますから必ずしもそれで参る必要はないので、コストに余裕がある限りもつと安い価格、あるいは五分なり一割引の価格で輸出会社が生産者から買い取るということは、私はさしつかえないのだと思いますが、その点についての見解はいかがですか。
#15
○小倉政府委員 そういう御意見のようなことも、私ども十分に考えたことがございます。その方が輸出会社のいわゆる赤字が減るのではないか、その方が輸出会社としても堅実に運営ができるのではないかということも考えられるのであります。しかし他方考えてみますと、外国へ輸出するための買入れが国内価格よりも――輸出価格がどうなるかわからぬということを一方形式的に考えてみますと、初めから輸出用のものを国内より安く買うということについて、やはりそこに農民感情と申しますか、若干危惧があるのじやないかということと、もう一つは先ほど申したことを繰返すことになりますけれども、輸出用の硫安とてもやはり一本価格で買うということの方が、メーカーに対する合理化意欲を促進するということになりはしないかというようなことで、私どもは輸出会社が公定価格と申しますか、国内価格で買つていただいた方がよろしいのではないか、かように考えておるのであります。
#16
○始関委員 それでは小倉局長に伺いますが、国内に対しては公定価格以下に売ることは違法であるかということと、さらに輸出の場合につきましても公定価格でなければいかぬ、最高価格でなければいかぬということについては、この二つの法案のどこを見ましても、そうでなければいかぬという規定はないように思いますが、どうお考えでありますか、その二点をお伺いいたします。
#17
○小倉政府委員 もちろん公定価格という点から見ますれば、公定価格以下で輸出会社がお買いになることは、公定価格制度の建前から当然合法的でないわけであります。それから輸出する場合におきまして、国内価格よりも安く輸出させざるを得ないということも、もちろん可能なわけであります。ただ輸出が非常に高く売れる、場所によつて、時期によりましてそういうことがあり得ると思いますが、そういう場合に別に公定価格で輸出する必要はございませんので、おそらく例外許可といつたことで処理ができはしないかと思つております。
#18
○始関委員 輸出会社の販売価格、輸出価格の方は私がお尋ねしておるのではないのでありまして、生産者が市況その他を考えまして、またこの輸出会社に赤字があまり累積いたしますと、すぐにこの会社が行き詰つてしまいます、この行き詰まりに対して何の救済措置がないのでありますから、公定価格よりも一割引の値段でお前の方の会社を通して輸出したいということが、実際問題として出て来るに違いないと私は思うのであります。その場合に公定以下、つまり最高価格以下ではいかぬのだという法規上の根拠というものは、まつたくこの二つの法案のどこにもないと私は思うのでありますが、その点をお尋ねするのであります。
#19
○小倉政府委員 それは公定価格という面からだけ考えますれば、これは御指摘の通りであります。公定価格の、たとえば一割以下で買うということがあつてもさしつかえないわけであります。ただメーカーが協定をしてそういう価格で買うとか、あるいは輸出会社が一方的な意思でもつて各メーカーからそういう価格で買うということになりますと、独占禁止法の違反になるおそれがあろうかと考えます。
#20
○始関委員 これは農林省の問題か通産省の問題か存じませんが、一体輸出は国内の需給に圧迫を加えない限りにおきまして、できるだけよけいにやつた方がいいわけでありまして、しかも各社のコストに非常な開きがあることは、はつきりした事案だと思うのであります。そうであるといたしますれば、いたずらに最高価格一本でやるということは何ら意味のないことであります。しかも法律上その取締り規定というものはどこにもございません。それからもう一つ、これは全体の計画をどうおやりになるのか知りませんが、内需用、それから農林省の方で需給の調整用に保管される数量、それから輸出用、こういういろいろ需要の区分がございますが、それは必ずしも各社の生産の按分比例でそういう用途別に割振る必要はないのでありまして、コストが違うのだから比較的安い価格で輸出できるところは、輸出を平均させるということではなしに、輸出をするのに適当な資格を持つた会社から輸出をさせるという建前でいいのじやございませんか。
#21
○小倉政府委員 今回御審議願つておる両法案から申しますれば、御指摘のように内需用、保留用、輸出用につきまして、各生産会社の実績に応じてみなおのおのこれを出荷するなり、販売するということが必ずしも必要じやございません。それは各会社の都合によりまして、内需専門の会社ができてもよいわけでありましよし、あるいは相当部分を輸出に向けるメーカーができてもよいことだと思います。ただ今のような状況でございますと、輸出によりましては必ずしも十分な利益が得られない、勢い輸出はあまり好まないといつたようなことにもなりまするので、そこにメーカー同士の一種の話合いといつたようなことは今回の法律でもつて可能になりますので、その辺のにらみ合せできまることだと思います。
#22
○始関委員 それでは今度は軽工業局長にお伺いいたしますが、一体輸出会社というものは非常に重要な役割を持つておると思いますが、この会社は少くとも当分の間は損失をするばかり、利益を出す見込みはおそらくないと思います。しかもこれを純然たる民間会社としてスタートさせよう、そこに非常な無理があるのではないか、一体これはだれが出資をするのか、それから出資の額は一体どのくらいになるのかということ、またもつと突き詰めて言えば、一体こういうべらぼうな会社がはたして設立できるのかどうかという点につきまして、ひとつお尋ねをしたいと思います。
#23
○中村(辰)政府委員 この輸出会社は、メーカ治の出資による商法上の会社でございます。出資は今のところ最終的に決定いたしておらないのでございますが、大体商取引の商事会社の行き方としまして、販売代金の二十分の一というのが大体資本と販売価格との普通の例のように承つておりまするので、かりに輸出会社が常時五十万トンぐらい、あるいはもう少し下まわりますか、あるいは将来は、生産の状況によりましては相当輸出量もふえて参ると思いますが、さしあたり二十七年度に出しました五十万トンを前提といたしますと、百十五、六億になるかと思います。その二十分の一と申しますと、大体五億あるいは五億をちよつと越すぐらいが一つのめどではないかと考えます。なを輸出会社は、御指摘のようになるほどさしあたりの段階におきましては、確かに赤字ということを覚悟いたさねばならぬと思うのでありまするが、もとより輸出会社の機構を通しまして販売いたしますメーカー自体の合理化というものが相当積極的に推進せられますし、同時に石炭なり電源開発の状況もむしろプラスする部面が多いのでありまして、これらの政策の実現によりまして、輸出会社の赤字というものも三年後には大体解消して、むしろ四年、五年には黒字になるのではないかというぐあいに考えておるのであります。五年間を通算してみまするならば、赤字を国内に転嫁せずに解決するのではなかろうか、こういうぐあいに考えておるのでございます。もちろんこういつた赤字会社でございますから、業者が協力しないのじやないかという御懸念もございまするが、もとより現状のままで推移して、輸出の赤字をそれぞれの私企業の自己経理によつて内需に転嫁することなく処理いたす場合におきましては、決算の処理あるいはその他から見まして、かえつて合理化というような問題の阻害になるのではなかろうか、むしろこういう一つの会社機構にたな上げいたしておきますことが、合理化の推進にもなりますし、その面からいたしまして、製造業者はむしろ進んでこういつた強力なる輸出会社で輸出価格をできるだけ有利にいたして行く、赤字を消極的ではありまするが少くして参るという制度、これを必要とするのではなかろうかと思います。
#24
○足立委員長代理 始関君にお願いしますが、割当の時間があとわずかでありますから、簡潔に願います。
#25
○始関委員 それではもう一ぺんお尋ねをいたしますが、かりに四年目から合理化の効果が出る、また輸出を一元的に管理いたしますから、今までよりも輸出の態勢が整備して、有利な面ができるという点をかりに認めたといたしましても、三年間に相当な赤字が累積すると思うのでありまして、この赤字をこの輸出会社にたな上げをするというところに今回の肥料対策の非常なみそがあるわけでございますけれども、この赤字のたな上げというものは、一体具体的にはどうやるのか、結局は金融でまかなわざるを得ないと思うのでありますが、こういう性質の会社に一体だれが金を貸すのか、政府が貸すのか、あるいは業者が貸すのか、あるいは金融機関で貸手があるのか、この辺をはつきりいたしませんといずれにいたしましてもせつかくの妙案がすぐ行き詰まつてしまうということにならざるを得ないと思うのでありまして、私はこの辺について相当はつきりした見通しを伺うことができなければ、せつかくのこの肥料対策の一番の中心点が、いわばあいまいでございまして、この法案に私ども賛成いたしかねるような状況に相なると思うのであります。ただいまの点は赤字のたな上げでありますから、おそらくは金融でつなぐということになると思うのでありますが、こういうべらぼうな会社に対してだれが金融するのか、その点について通産省当局、ことに中村局長はどうお考えになるか、はつきり御答弁を伺いたいと思います。
#26
○中村(辰)政府委員 御指摘の点まことにごもつともでございまして、こういつたような、普通に考えますと非常におかしな考えの会社とも見られるのでございますが、硫安メーカーの組織して参りますこの公社が、最初の二年程度は赤字である、三年目からは黒字が出る、こういうようなしさいな検討をさらに加える必要がございますが、こういうような見通しのもとにこの会社を持つて参る関係でございますので、同時に硫安メーカー自体の信用もそれはあると思います。しかし政府といたしましては、こういう制度を設けました以上は、できるだけ金融機関に側協力を願う最善の努力をして参りたいと存ずるのであります。もとより行政指導でこれらの融資のあつせんをいたしたいと考えております。ただ赤字の額の見積りの見方でございますが、私は一つの考え方として、これは確かに現在のコストを究明した後でなければ、この赤字累積の状況というものは、確たる適正なものとは考えられませんが、一つの考え方として、輸出数量の動きあるいは価格をどの程度に見るか、これは国際価格の状況が順次どういう方向をとるかということも相当重要な中心要素でございますが、私は現在の市価が大体八百八十円くらいの見当かと思います。FOBにこれを当てはめてみますと、オン・レールで建値をきめております国内向けが、FOBの場合一かます当り三十円ばかり下まわる価格がFOB価格の見合いの価格だと思うのであります。八百三十円見当を輸出価格で考える、あるいは仲値の八百六十円でございますか、これを仲値でどの程度に見るか、そういつたような一つの前提を見まして、輸出価格というものを二十七年度は大体五十六ドルぐらいで売り買いしておりました状況で、輸出値段の平均が五十六ドル三セントになつております。そこらあたりをにらんで考えてみますと、輸出の量をどのくらい見込むか、初年度で多くて四十万トン前後じやないかと考えます。それから二十九年度以降生産状況がよくなつて、数量が幾分増加するということを目安にいたしましても、赤字というものは二箇年間で十五、六億程度だろうと思います。仲値で考えますと、十億を少し越えるくらいじやないか。三年以後におきますコストの切下げを考慮いたしますと、三年以後は黒字に転換いたしまして、両二年度くらいの程度の赤字は、引続きあと三年間くらいには十分吸収することができる、こういうぐあいに考えております。もとより御質問の中に、この程度のバーターによる利益を考えてやつてはどうか、あるいは優先外貨による利益を考えてやつたらどうかということがございますが、優先外貨を例にとりますと、大体一五%の優先外貨を擁して、一割のプレミアムの利益がこの会社にバツク・ペイされるといたしまして、約一億か一億ちよつと越すくらいだと思います。バーターによる利益は、物資の選び方その他で予断をすることはできませんが、ある程度考えてみたらどうかと思います。もとより合理化を阻害するような意味合いにおいて、大きなものを選ぶということは、合理化の面から、あるいは他産業の振り合いの面からいつても避けなければいかぬと思います。これらの利益を大幅にこの赤字の決済のために使うという意図は毛頭ございません。ただそういつた多少なりの赤字の補填の方途はございますが、大局といたしましては私は合理化によります輸出の数量の増大並びに輸出に対する利益のプラスによつて収支を明るくして行きたい、こういうぐあいに考えております。
#27
○始関委員 ただいまお話のありましたその会社の輸入と申しますのは、会社の業務の四番目にある「前三号の業粉に附帯する業務」ということをさししおると思います。そこでこれには大した期待が持てないということでありますが、行政指導で金融機関から金を府りるようにあつせんするというのでめりますけれども、五億円の会社で二十間に十五億の赤字が出るというのでありまして、この点につきましては、政府ははたしてあつせんのできる自信があるのかどうかという点があると思いますので、この点もう一ぺんお伺いいたします。さつき農林省にお尋ねいたしましたが、そういうような事情であれば、どうせ一方の側から見れば、コストの低いものはゆとりがあるものときまつているから、輸出の場合は公定額を割引いた額でも何らさしつかえないと思いますが、その点についての通産省としての見解を伺いまして、時間がないようでございますから、本日はこれで質問を打切ります。
#28
○中村(辰)政府委員 前段の問題でございますが、もとよりこの会社自体の収支の状況等を、いかに先行きは有望なものであるということを申し上げても、なかなか金融機関の協力を得られないようなことも一応考えられるかと思いますが、もとよりこの輸出会社は有力なる硫安メーカーの一つの団体でございまして、メーカー自体の持つております信用力も相当大きいとも考えら、れるのでございまして、政府の行政指導が相当強力にあつせんの労をとりますことによりまして、私はこの程度の資金の運転に対しては、金融機関の協力を得られる、そういうぐあいに確信いたしております。
 それからなお後段の価格の問題でございますが、これは見方はいろいろございましよう。ただわれわれの立場かついたしますると、やはり合理化というものを推進して参ります関係もございまして、個別価格的に、あるマル公以下の安いメーカーの個別価格で買いくれるということは、確かに赤字会社の赤字を減少する最大の一つの要素ではございますが、そのようなことで合理化をいたしますると、次の段階では安く売らされるというような結果に相なりまするので、やはり先ほど経済局長も御答弁いたしましたように、合理化ということをこの数年間に強力に推進するための一つのてことして、やはり私は一本化の買入れということを実施して行きたいと考えます。
#29
○永井委員 議事進行について。本日は農林と通産との連合審査でありますが、農林関係の当局は一人も見えておりません。農林関係から通産関係に質問があるなら別でありますが、通産関係の者が中村局長を相手にして質疑をするならば、あえて連合審査の必要はないと思います。これでは議事の進行ができないと思いますので、これをもつて本日は散会なりあるいは休憩なりしなければ、こういう状態においての連合審査は意義がないと考えますので、お諮りを願いたいと思います。
#30
○足立委員長代理 速記をやめて。
    〔速記中止〕
#31
○足立委員長代理 速記を始めて。伊藤委員。
#32
○伊藤(卯)委員 本法案は国家資金を厖大に融資するので、きわめて重要な法案であることは申すまでもありません。従つて審議の上に遺憾なきを期すために、必要なる資料を政府に求めなければなりません。その資料といたしまして五点要求をいたしますから、ひとつお聞きを願いたいと思います。
 第一は、本法案に基く合理化計画により、六年目に硫安の生産コストは大体六ドル程度下ると政府は言われておりますが、コストの中のどの費目がどのように下るのか、その具体的な数字を資料として提出を求めます。
 第二は、終戦後の硫安の価格推移表と昭和九年から十一年をペースとして終戦後の石炭、硫安、米及び生産財、消費財、労務費、これは硫安を製造しておる会社の平均でよろしゆうございます。その推移を表わしたものを資料として御提出願います。
 第三は、外国特に西ドイツ、ベルギー、英国等の硫安トン当りの原価計算表と、わが国のものを平均でよいのですが、電解とガス法にわけて、さらにトン当りの労務費がどのような率として表わされるか、この点を外国のものと比較をしたものを御提出願います。
 第四は、昨年四月より現在までの国際入札の実情を表わしたもの、すなわち何年何月どこで何トンどことどこの国が入札に参加をしたか、どの国が落札をしたか、落札した国と日本側との価格の差異でございます。あわせてこの点をお示し願いたい。それはもちろん日本側の参加した場合のみでよろしゆうございます。
 第五点は、統制価格廃止直前のいわゆるABC別の硫安の原価計算の資料であります。
 以上の五点をすみやかに資料として配付されるよう要求をいたしておきます。
#33
○足立委員長代理 速記をとめて。
    〔速記中止〕
    〔足立委員長代理退席、平野委員長代理着席〕
    〔速記中止〕
#34
○平野委員長代理 速記を始めてください。この際議事進行に関して川俣委員より発言を求められております。これを許します。
#35
○川俣委員 農林当局が見えておりませんし、また三時から岡崎不信任案を本会議に上程する予定になつておりますから、もし農林大臣以下農林当局が見える場合には続開することとし、暫時休憩せられるよう希望いたします。
#36
○平野委員長代理 ただいまの川俣君からの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○平野委員長代理 それでは動議の通り決しました。
 暫時休憩いたします。
    午後二時五十八分休憩
     ――――◇―――――
   休憩後は開会に至らなかつた。
ソース: 国立国会図書館
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